説明

気体および/または液体を殺菌する装置

【課題】高効率、コンパクトで、均一な光分布を有する紫外線殺菌装置を提供する。
【解決手段】被処理気体および/または液体の流通する中空の内部空間40、管内壁70と管外壁60を備える石英ガラスおよびホウケイ酸ガラスから選択される紫外線透過性のガラス管10、リフレクタ30、および少なくとも1つの紫外光源20により紫外線殺菌装置を構成し、紫外線透過性ガラス管の少なくとも1つの個所に内部空間への湾入部25を作成し、該湾曲部に紫外光源を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体および/または液体を殺菌する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水、空気、または表面の処理をするために、特に殺菌または滅菌ないし消毒をするために、紫外放射を利用することがすでに知られている。従来、紫外放射による飲料水の前処理がかなり広く普及しており、この場合、水中の細菌数を確実に、かつ適用量に依存して大幅に減少させることができる。紫外放射により、特にバクテリアやウイルスといった病原体などの微生物が不活性化する。
【0003】
紫外線殺菌は、化学的な方法を基本とする従来の消毒に比べて一連の利点を有している:
【0004】
紫外線殺菌は迅速に作用する簡単な方法であり、媒体の露光中に殺菌が直接行われる。さらに紫外線殺菌の1つの大きな利点は、殺菌される媒体の味覚、匂い、pH値などが影響を受けないことであり、このことは、飲料水やプロセス水の化学処理との根本的な違いである。化学的な消毒方法とは異なり、消毒剤の追加の添加が必要なく、調量設備の保守や管理が不要であり、特別な安全規則も同じく必要ない。さらに別の利点は環境適合性である。望ましくない化合物が形成される副反応が生じないからである。紫外線殺菌では通常の消毒剤とは異なり、たとえば病院固有の菌(たとえば抗生物質耐性)でしばしば発生するような、突然変異に起因する耐性が生じることがない。
【0005】
紫外線殺菌は、たとえば市町村の飲料水の前処理のように、大きな規模でも可能である。細菌数を常時少なく抑えるために、連続動作も可能である。
【0006】
紫外線殺菌では、254nm前後の波長で放射を放出する水銀灯が通常用いられる。これよりも短い200nm以下の波長は、分子酸素によって吸収される程度の短波であるため、それによって分子酸素が分裂して遊離酸素ラジカルになり、他の酸素分子とさらに反応してオゾンになる可能性がある。このような短い波長の紫外放射は、特に、高純度の水を製造するのに利用される。
【0007】
従来技術より、紫外線殺菌についての数多くの提案が知られている。そのうちのいくつかを以下に説明する:
たとえば特許文献1は、紫外光源によって液体および/または気体を処理する、特に殺菌する方法および装置を記載しており、この装置は、処理されるべき媒体のための管状の反応室と、少なくとも2つの紫外光源とを含んでおり、それぞれ相違する波長を放出し、共同で、または選択可能な相互の組み合わせで、または単独で交互に作動可能である、互いに異なる紫外光源が設けられており、紫外光源は反応室の中にあるか、または媒体中に入れられてその周りを媒体が流れるか、または反応室の外部でこれから間隔をおいて取り付けられる。
【0008】
特許文献2は、媒体により貫流される紫外線透過材料からなる管本体と、外部で軸平行に配置された少なくとも2つの紫外光源およびリフレクタとで構成される、紫外光による媒体への照射をする装置に関するものであり、これらの光源は、短辺と長辺をもつ長尺状で平たい楕円形の断面を有する平形紫外線放射器であり、紫外光源の主軸はそれぞれ管本体断面の中心点のほうを向いている。紫外光源は円環形であり、媒体により貫流される管本体の周りで軸平行に配置されている。1つの実施形態では、平形放射器は、管本体のほうを向く短辺で管本体に当接する。
【0009】
特許文献3は、滅菌されるべき液体の入った紫外放射に対して透過性の容器が回転し、それと同時に外部から紫外放射で照射されることによって、血液およびその他の生体由来の液体を滅菌する装置を開示している。容器は波形の表面を有することができる。ただし紫外光源は、回転可能な容器の外部に配置されている。
【0010】
さらに特許文献4は、紫外C放射によって水を殺菌する装置を取り扱っており、石英ガラス管を通って水が流れ、1つまたは複数の紫外放射器が石英ガラス管の周囲に配置されている。
【0011】
特許文献5は、浄化されるべき水の少なくとも1つの入口と、浄化装置と、紫外照射装置を通って流れる水を照射するために構成された、紫外放射を放出する少なくとも1つの光源を備えた紫外照射装置と、出口とを含む、純水を製造する設備を開示している。たとえば紫外線LEDの形態の紫外照射装置は、配管系14の外部に配置されるか(図6d)、または配管系14の壁部に組み込まれる(図6a、6bおよび6c)。紫外照射装置は少なくとも部分的に、流れる水の中へ突入しているのが特別に好ましい。
【0012】
特許文献6は、処理されるべき流体を送出するための配管と、流体へ紫外光を放出するための多数のLEDと、光源をパルス化するためにパルス信号によってLEDを制御するためのコントロール回路とを含む、水などの流体を少なくとも部分的に殺菌するための処理装置に関するものである。このとき紫外線LEDは、各々の光源の表面を介して流体流が直接流れるように配置されている。流体と1つ/複数の紫外光源との直接の接触は、処理されるべき液体と光源とが非常に近傍にあることから、高い処理効率をもたらすとされている。さらに、液体による紫外線LEDの冷却効果が成立するので、最高度の紫外光強度でLEDを作動可能であり、それによってひいては利用の選択肢が広くなり、効率が改善されると記載されている。
【0013】
しかし、紫外光源と処理されるべき媒体が直接接触するときの問題は、紫外光源の表面が媒体に対して耐性を有しており、これに対して密閉されていなければならないことである。このとき各々の紫外線LEDが、それ自体として密閉されなくてはならない。たとえば液体の冷却効果は、液体そのものが冷たくなく、温かい場合あるいは高温である場合には活用することができない。その場合、高温の液体は紫外線LEDの追加の加熱を引き起こすことさえあり、その耐久性を明らかに低下させる可能性がある。
【0014】
また、同文献に記載されている処理システムは、紫外光源が処理されるべき媒体と直接接触しているので、紫外光源の簡単な取り替えを行えないという欠点を有している。そのためシステム全体をオフにすることが必要であり、そのために方法の効率が低下する。
【0015】
特許文献7は、紫外放射を利用した水栓のための浄水システムを記載している。水の通過路の一部は、透過性の配管の周囲に配置され、これに埋設されて設けられていてよい多数の紫外線LEDを有している。
【0016】
特許文献8は、流体が紫外放射に暴露されるシステムを開示しており、このシステムは流体を送出するための配管を含んでおり、配管は、流体の流れをより均等に構成するために、偏向装置を有している。このとき紫外光源は配管内に配置されていてよく、または、偏向装置に設けることもできる。
【0017】
この場合、紫外光源はやはり処理されるべき流体と直接接触し、その結果として上述した欠点が引き起こされる。
【0018】
特許文献9は、特に空気、水、または表面を殺菌/滅菌するのにも利用することができる、非常に特殊な構成の紫外放射を生成するための平坦な放電ランプを記載している。
【0019】
このように従来技術より、紫外線殺菌設備については基本的に2通りの異なる設計コンセプトが知られている:
(a)紫外光源の周りを殺菌されるべき媒体が流れていく設備、および、
(b)殺菌されるべき媒体の外部に光源が配置されている設備。
【0020】
本発明はタイプ(b)の設備を取り扱っており、このような種類のタイプ(b)の設備の改良をなすものである。
【0021】
公知のタイプ(b)の設備の欠点は、低い効率と大きい設計スペースにある。このような設備では紫外光源は、殺菌されるべき媒体が中を流れる紫外線透過性の管の外部にある。完全に貫流される内部空間で殺菌のために必要な最低照射を保証するためには、管の周囲に多数の紫外光源を配置するか、または、比較的広いスペースを必要とするコストの高いリフレクタシステムを通じて、少ない光源の紫外放射を十分な程度に分散させなくてはならない。しかし十分な殺菌出力を得るためには、特に2つの基準が満たされなくてはならない:放射強度は、殺菌されるべき領域全体にわたって十分高くなくてはならず、すなわち、殺菌をする放射の強度は特定の最低放射を下回るべきでない。さらに、殺菌されるべき媒体でできるだけ放射の均一な分布が生じるのがよい。しかし従来技術から知られている設備は、典型的な場合、特にリフレクタシステムの反射面における陰影、多重反射、損失メカニズムなどが原因で、紫外光の活用度が悪いという問題を有している。通常は指向性でない紫外光源の放射により、放射の低い割合だけが直接的な経路で紫外線透過性の管を通って、殺菌されるべき媒体に到達する。その他の割合は、反射を介して管の中へと誘導しなくてはならない。しかしながら、たとえばアルミニウムのようなリフレクタ材料は紫外放射の有意な部分を吸収し、たとえばアルミニウムの場合、これは254nmの波長で約15%となる。このような紫外放射の割合が失われて、殺菌に利用することができない。
【0022】
さらに公知の紫外光源とリフレクタの配置は広いスペースを必要とし、したがって、設計スペースの狭い用途には限定的にしか適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第3837905A1号明細書
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第3824647A1号明細書
【特許文献3】米国特許第5133932号明細書
【特許文献4】ドイツ特許出願公開第19617467A1号明細書
【特許文献5】ドイツ特許出願公開第102010005893A1号明細書
【特許文献6】国際公開第2009/013507A1号パンフレット
【特許文献7】米国特許出願公開第7270748B1号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2003/0170151A1号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2010/0253207A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
したがって本発明の課題は、従来技術の欠点を回避し、紫外線殺菌の周知の利点を維持しながら、紫外放射による液体または気体の効率的な殺菌を提供し、光源によって生成される紫外放射の改善された活用が実現される装置を提供することにある。さらに、本発明による装置は設計形態に関する高いコンパクト性を可能にするのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明によると本発明の課題は、中空の内部空間および管内壁と管外壁を備える管壁部を有する紫外線透過性のガラスからなる管と、少なくとも1つの紫外光源とを含む、気体および/または液体を殺菌する装置によって解決され、
紫外線透過性のガラス管は少なくとも1つの個所に内部空間への湾入部を有しており、
少なくとも1つの湾入部の中に少なくとも1つの紫外光源が配置されている。
【0026】
このように本発明のジオメトリーは、管のガラス壁部で少なくとも部分的に取り囲まれて、その中に配置される少なくとも1つの紫外光源の構造を基本としている。このとき管のガラス壁部の形状は、ガラス壁部が紫外光源を少なくとも部分的に、好ましくは完全に収容して格納できるように構成されている。したがって1つまたは複数の紫外光源を設けるために、ガラス管壁部の湾入部が提供される。このように、紫外光源と処理されるべき媒体との明確な空間的分離が成立しており、殺菌されるべき気体および/または殺菌されるべき液体は、紫外光源と直接接触するのではない。
【0027】
「湾入部」とは、本発明の枠内においては、事前設定された大きさのガラス管のガラス壁部の陥入であって、その中に少なくとも1つの紫外光源が配置されているものをいう。このとき管内壁と管外壁が同時に同一個所で内方に向かって陥入しており、管外面に向かって開いた中空スペースを共同で形成し、その中に少なくとも1つの紫外光源が収容される。湾入部により形成される中空スペースは、紫外光源へのアクセスを容易にするために、管外面に向かって開いている。それにより、紫外光源を簡単な仕方で電気接続部に取り付けたり、再びこれから外したりすることができ、それにより、紫外光源を容易に取り替えることができる。このように本発明に基づく湾入部は、少なくとも部分的にガラス管の内部空間に延びている。
【0028】
本発明によると、ガラス管に切欠きが設けられていてもよい。「切欠き」とは本発明では、事前設定された大きさの凹部であって、ガラス管の管外壁または管内壁のいずれかに設けられたものを意味している。切欠きを設ける場合には材料が剥離される:たとえば管内壁に1つまたは複数の切欠きが設けられるとき、そのために材料が除去されて切欠きを形成するが、管外壁はそれによる影響を受けることはない。たとえば管外壁に1つまたは複数の切欠きが設けられるとき、そのために材料が除去されて切欠きを形成するが、管内壁はそれによる影響を受けることはない。切欠きは、本発明に基づいて設けられる湾入部とは異なり、ガラス管の内部空間には延びておらず、切欠きを設ける場合には内部空間は影響を受けることがない。
【0029】
場合により本発明の湾入部に追加して設けられる切欠きは、1つまたは複数の紫外光源を収容することができる。しかしながら任意選択の切欠きは、これ以外の機能のための役目をして、紫外光源を含んでいないのが好ましい。たとえば切欠きは、本発明の装置のために利用することができるセンサやその他の技術装置を含むことができる。別の好ましい実施形態では、湾入部だけがガラス管に設けられていてよく、その場合、切欠きは存在していない。
【0030】
使用される紫外光源の数は、本発明によると比較的任意に選択することができる。少なくとも1つの紫外光源が存在する。少なくとも2つの紫外光源が存在していてもよい。一例の実施形態は、1つから8つの紫外光源を含んでおり、好ましくは1つから6つの紫外光源、特に1つから5つの紫外光源、きわめて好ましくは1つから4つ、もしくは1つから3つの紫外光源をガラス管に含んでいる。比較的強力に放射をする紫外光源、通常は棒形紫外ランプが使用されるとき、コスト面の理由により、できる限り少ない数の紫外光源、特に1つから最大3つの紫外ランプを使用するのが好ましい。紫外線LEDのように比較的弱い放射をする紫外ランプが使用されるとき、本発明によると、明らかに多い数の紫外光源を使用することもでき、たとえば100個の紫外線LEDまたはそれ以上を使用することができる。いずれの場合でも、事前に定義された最低放射強度を下回らないのがよく、十分な殺菌を保証するために、できる限り均等な紫外光の分布が存在するのがよい。
【0031】
紫外光源の配置は、選択した個数に応じて、特にできる限り均等な光源の分布が管円周全体にわたって生じるように行われるのが好ましい。したがって対称の配置、たとえば軸対称ないし鏡像対称、回転対称、または点対称の配置が特別に好ましい。対称でない紫外光源の配置の場合、明らかに少ない紫外光しか到達しない個所が殺菌されるべき媒体で生じる可能性があり、このことは回避されるべきである。したがって3つの紫外光源が設けられる場合、紫外光源は、これらが二等辺三角形をなすように配置されるのが好ましい(点としての個々の紫外光源を結んだ仮想的な線が二等辺三角形をなす)。4つの紫外光源の場合、これらは仮想的な正方形の頂点に配置されるのが好ましい。5つの紫外光源の場合、これらは辺の長さが等しい五角形の頂点にあるのが好ましく、以下同様である。
【0032】
適当な紫外光源の配置の選択は、紫外光源の個数、大きさ、形状のほか、ガラス管の選択された形状、大きさ、断面にも左右される。従来技術の当業者であれば、各々の管の型式について、紫外光源の好ましくはできる限り対称の適切な構造を容易に選択することができる。
【0033】
湾入部の数は、使用する紫外光源の数と一致しているのが好ましい。あるいは個別ケースにおいては、紫外光源よりも多くの湾入部が存在していてもよく、または複数の紫外光源が1つの湾入部の中に存在していてもよい。
【0034】
さらに、それぞれ1つの紫外光源だけが1つの湾入部の中に設けられるのが好ましい。このことは、紫外光源が相互に影になるのを回避したうえで、紫外放射の改善された活用につながる。これとは異なり紫外線LEDを使用する場合には、1つの湾入部に複数の、あるいはさらに多数の紫外光源が配置されていてよい。その理由は、LEDは指向性の放射をするので、相互に影をつくるのを回避できるからである。
【0035】
本発明に基づく配置は、とりわけ完全に紫外線透過性ではない管材料の場合に好ましく、特に紫外線透過性ガラスが用いられている場合に好ましい。紫外線透過性ガラスのガラス管は254nmの波長で1mmの材料厚みに対して>10%の吸収性を示す可能性があるので、本発明の装置では、光がガラスを通って短い経路だけを進み、管材料で高すぎる割合がすでに吸収されないのが特別に好ましい。
【0036】
「紫外線透過性」という概念は、本発明に基づいて使用される管のガラスが高い紫外線透過性を有することを意味しており、このことは、254nmの波長と1mmのガラスの層厚で、少なくとも75%の紫外線透過性が生じることを意味している。特別に好ましい実施形態では、管のガラスは紫外線領域で1mmの層厚のとき、200nmでは<0.5%であり254nmでは>75%である透過性を示す。1mmの層厚のとき紫外線領域で、200nmでは<0.3%であり254nmでは>80%である透過性が得られるのがさらに好ましい。
【0037】
湾入部の中で紫外光源を提供する本発明の解決法は、紫外光源が管の内部空間に向かう方向にオフセットされているという特徴がある。その結果、高い割合の紫外放射がガラス管を直接通って媒体へと案内され、それ以前に反射をして失われることがない。さらに、本発明に基づいて提供されるジオメトリーにより、管内部空間で均一な光分布が実現され、それによって殺菌出力が高くなる。さらに本発明に基づく配置により、システムの高いコンパクト性が提供される。
【0038】
このように本発明の装置では、殺菌されるべき媒体を通す管の外部に紫外光源がある従来式の配置のときよりも多くの紫外放射が、媒体の表面/内部に到達する。通常は非常に複雑なシステム構成に基づく、上に説明したタイプ(a)の設備とは対照的に、本発明による装置は比較的簡素に構成されている。特にタイプ(a)のシステムでは、紫外光源が外部からアクセス可能でなくてはならず、このことは追加の設計コストを意味しており、ひいては高い費用がこのことに結びついている。それに対して、本発明による装置は紫外光源への簡単なアクセスを可能にするので、容易にこれを取り替えることができる。本発明に基づく簡素なシステム構成に基づき、ガラス管を通る媒体のほぼ支障のない貫流を行うことができる。
【0039】
本発明の好ましい実施形態では、湾入部の形状は使用する紫外光源の形状に合わせて適合されていてよい。湾入部は、紫外光源を少なくとも部分的に、好ましくは完全に、中に収容することができるように構成されるのが好都合である。光源に合わせて適合された特別な湾入部の形状は、光分布を最適化する役目を果たし、それにより、管内部のすべての領域ができる限り十分な照射強度を受ける。このことは特に、普通であれば低い放射強度しか生じない、個々の光源の間の中央部における内側の管縁部で大きい役割を果たす。
【0040】
本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つの紫外光源は少なくとも1つの湾入部の中で、少なくとも1つの紫外光源が少なくとも部分的に、特別に好ましくは完全に、仮に湾入部のない管内壁が存在していれば紫外線透過性のガラス管の管内壁の内部にくるはずのところに配置される。ここでは「管内壁」とは、仮に湾入部がなければ、すなわち湾入部がガラス管に存在していなければ、管の内面に見えるはずのところを意味している。
【0041】
別の好ましい実施形態では、ガラス管が円形の断面を有しているケースについて、湾入部は、その中にある紫外光源が少なくとも部分的に、特別に好ましくは完全に、管の内径の内部にくるようにガラス管の内部空間に達しているのが好ましい。ここでは「管内径」とは、仮に湾入部がなければ、すなわち湾入部がガラス管に存在していなければ、管の内面に見えるはずのところを意味している。
【0042】
このような本発明のジオメトリーにより、放射の大部分(少なくとも180°の放射角)が直接的な経路でガラス壁部を通して内部領域へ達することができ、光源への反射および/またはたとえばリフレクタ等でのその他の吸収によって失われることがない。上に定義したように、紫外光源が管内壁の内部にくるように配置される配置が特別に好ましく、それにより、紫外光の大半の部分が直接的な経路でガラスを通って内部空間へと誘導される、特別に好都合な放射分布がもたらされる。したがって従来の配置と比較したとき、本発明では、わずかな放射割合しかリフレクタを介して反射されないようにすることができる。このようにして、いっそう高いシステムの全体的効率がもたらされる。
【0043】
本発明によると湾入部は、局所的に限定されてガラス管に設けられるのが好ましく、すなわち、湾入部は事前に定義された形状と大きさを有している。湾入部は紫外光源もしくは紫外光源の群の領域にのみ存在しているのが好ましく、管軸に沿ってそれ以上は広がらない。あるいは、たとえば製造工学上の理由から、中に含まれる紫外光源よりも大きい湾入部を設けるのが好ましい場合もある。湾入部は、たとえば管のまわりを周回するように存在することもできる。
【0044】
それぞれ1つの紫外光源もしくは1群の紫外光源だけが、1つの湾入部の中に設けられているのが好ましい。本発明に基づいてガラス管に湾入部だけが設けられているとき、このことは適用する製造方法にとって特別に好都合であり得る。このことについては、あとでまた具体的に説明する。
【0045】
本発明の装置における別の好ましいコンポーネントは、外方に向かって放射される紫外光を再び管の中へと反射するために、管の外部に配置されるリフレクタである。さらにリフレクタは、的確なリフレクタジオメトリーにより、光源に反射される紫外放射の割合を最小限に減らす役目を果たし、ないしは、媒体から特にこれと向かい合う側へ出ていく紫外光を反射して、媒体の中へと戻す役目を果たす。
【0046】
リフレクタの種類、形状、大きさ、構造は、本発明によればさほど制約されない。リフレクタは、光を反射する表面を含む、いかなる型式のコンポーネントであってもよい。リフレクタはさまざまな態様で施工することができる。リフレクタは、たとえば柔軟な、または剛直な、ないしは固い材料で構成されていてよい。リフレクタは、本発明による装置の、特に少なくとも1つの紫外光源を備える紫外透過性のガラス管の、形状と大きさに合わせて適合された形状と大きさを有しているのが好ましい。
【0047】
リフレクタは、たとえばガラス管の周囲に配置されていてよく、これを完全に包囲するのが好ましく、すなわちリフレクタは、本発明による装置全体の周囲に配置される。リフレクタはそのために管の形状を有しているのが好ましく、たとえばアルミニウム、特殊鋼、またはその他の材料からなる管であり、場合により相応の反射性コーティングを備えていてよく、リフレクタが完全に取り囲むガラス管より大きい直径を有している。このときリフレクタ管の形状および特に断面は、ガラス管の形状ないし断面に類似していてよい。リフレクタ管は、同時に、ガラス管のための防護部としての役目も果たしうる。
【0048】
本発明の別の特別に好ましい実施形態では、リフレクタはガラス管に直接取り付けられており、場合により、湾入部の領域にはリフレクタが設けられていない。たとえばリフレクタは、湾入部および場合により切欠きが存在する領域は除いて、好ましくは管外壁への紫外線反射性コーティングの形態で、管外壁に塗布されていてよい。
【0049】
本発明の別の好ましい実施形態では、リフレクタはガラス管の内面に取り付けられていてもよく、たとえば紫外線反射性コーティングとして管内壁に設けることができる。このとき紫外光源のための湾入部は、やはり除外される。このとき反射された光は、ガラスの残留吸収によって減衰されることがない。
【0050】
リフレクタは、複数の異なるコンポーネントから組み合わせることもでき、たとえば、好ましくは紫外光源の後方に配置された個々のリフレクタを組み合わせてなることができる。その場合、管の中を流れる、もしくは流動する媒体を照射するためにできる限り高い放射エネルギーを提供するために、各々の紫外光源または紫外光源の群に1つのリフレクタが付属しているのが好ましい。それぞれの紫外光源に付属する個々のリフレクタは、形状と構成に関して、円錐曲線の形状に近似しているのが好ましく、たとえば放物線状または楕円状である。
【0051】
異なるリフレクタの複合型が存在していてもよい。ガラス管の外面または内面にリフレクタが設けられており、各々の紫外光源にも同じく追加的にリフレクタが設けられているのが好ましい。たとえばリフレクタは、外部または内部でガラス管に別個に配置されていてよく、またはガラス管に直接塗布されていてよく、湾入部の領域は除外され、そこには各々の紫外光源について追加のリフレクタが設けられていてよい。本発明の特別に好ましい実施形態では、たとえば本発明による装置の管外壁または管内壁に紫外線反射性コーティングが設けられており、湾入部および場合により切欠きがあって放射が内部空間に達するべき領域には、コーティングが存在していない。ここでは表面が途切れているので、それぞれ別個のリフレクタが設けられていてよいからである。
【0052】
このように、本発明による装置では簡素なリフレクタジオメトリーが可能であり、リフレクタはガラス管とは別個に(外部もしくは内部に)配置されていてよく、または、紫外光源を除いたうえで、ガラス管に塗布されて配置されていてよい。
【0053】
ガラス管の形状、大きさ、または断面も、本発明では特に制約されない。意図される用途のために、構造上の条件から可能である限りにおいて、管の断面は任意に選択可能である。管の断面は、たとえば円形、長円形、方形、特に3角形、4角形、5角形、6角形、7角形、または8角形から選択され、好ましくは円形または長円形である。たとえば管断面は、5つの頂点にランプのための湾入部を備える五角形の基本輪郭をなすことができ、または管断面は、尖っているほうの湾曲部に湾入部を備える楕円形の基本輪郭を有することができ、または管断面は、特に管円周全体にわたって均等に配分された紫外光源を備える円形である。
【0054】
本発明によると、円形の管、または実質的に円形の基本輪郭を有する管が特別に好ましい。円形の基本輪郭をもつ管において湾入部がガラス壁部に存在しているとき、管内壁は円形の内側輪郭を有することができ、同じく管外壁は、存在している湾入部によってのみ中断される円形の外側輪郭を有することができる。
【0055】
実質的に円形の基本輪郭とは、本発明ではできるだけ広い幅で把握して理解すべきものであり、それによると管は、断面で見てたとえば星形や波形の形態を有することもでき、このような形態は、つけ加わった構造を除いて考えれば、まだ存在している円形の基本形状から導き出されるものである。当然ながら管断面は、正確に円形の外側輪郭および内側輪郭を有することもでき、すなわち、事前に定義された内径と外径を備えている。
【0056】
本発明によると、湾入部は任意の形状と大きさを有することができ、たとえば先が尖るように終わっていてよく、および/または面取りされて構成されていてよい。しかしながら、紫外光源の形状に合わせて適合された円形または面取りされた形状が好ましい。ガラス内部空間への紫外光の的確な誘導を可能にする形状がさらに好ましい。ガラス管に存在するすべての湾入部が、同じ形状と大きさであるのが特別に好ましい。
【0057】
本発明に基づいて用いられる紫外光源は、本発明の枠内では、同じく特別に制約されるものではなく、どのような種類の周知の紫外光源でも採用することができ、通常、253.7nmの波長で紫外放射が適用される。これは低圧紫外線ランプの主放出波長であり、また、その他の紫外線ランプの主要な放射最大値でもある。しがたって、たとえば中圧紫外線ランプ、高圧紫外線ランプ、または低圧紫外線ランプ、好ましくは水銀中圧ランプ、水銀高圧ランプ、または水銀低圧ランプであって、254nm前後の波長で放射を放出するものが用いられる。低圧紫外線ランプ、特に低圧水銀ランプが特別に好ましい。本発明の別の実施形態では、CCL(Cold Cathode Lamp)の形態の紫外光源が特別に好ましい。これは定評あるCCFLテクノロジー(Cold Cathode Fluorescent Lamp)をベースとするもので、蛍光塗料を使わなくてすみ、現在すでに市場で自由に入手することができる。本発明によると、紫外線LEDも利用することができる。紫外線LEDを使用するときは、270nmの範囲内の比較的長い波長を選択することができ、このような波長は一方で殺菌効果が高い。
【0058】
他方では、典型的な紫外線透過性ガラスはこのような波長で高い透過性を有しており、このことは効率を追加的に高める。
【0059】
一般に管は、その管壁が、管の長軸の方向で特定の長さだけ延びる輪郭という形態で、特定の構成を有しているという特徴がある。輪郭(断面形状)は本発明においては、特にそれぞれ管軸とほぼ平行に延びる湾入部によって規定される。輪郭は、管の外面でいわゆる外側輪郭として存在することができ、および/または管の内面でいわゆる内側輪郭として存在することができる。内側輪郭と外側輪郭は、管の壁厚が管円周に沿って一定であるように、または変化するように、組み合わされて相互に調整されていてよい。
【0060】
本発明によると、1つまたは複数の湾入部が管壁に設けられている場合、管の壁厚は管円周に沿って一定であるのが好ましい。本発明に基づく湾入部では、外側輪郭は内側輪郭と一致しており、外側輪郭は、内側輪郭が湾入部を有しているときには必ず湾入部を有している。
【0061】
内側輪郭と外側輪郭は、管の壁厚が管円周に沿って変化するように、組み合わされて相互に調整されていてもよい。
【0062】
一般に、輪郭は規則的な形状または不規則な形状を有することができる。紫外光源の好ましい対称の配置に基づき、規則的な形状のほうが好ましい。湾入部はたとえば波形を有することができ、または面取りされた形状、方形の形状、もしくは歯の形状を有することができる。異なる形状の組み合わせも可能である。
【0063】
本発明に基づいて設けられる湾入部、および場合によりガラス管にある任意形状の切欠きは、ガラス技術の分野の当業者の知見に基づいて容易に製作することができる。これはいわゆる輪郭づけであり、ガラス管の外面および/または内面のプロフィル加工とも呼ばれる。
【0064】
湾入部および場合により切欠きの形態の輪郭は、すでにガラス製造中に作成することができる。特別に好ましい方法では、輪郭は熱成形法で直接ガラス管に施される。ガラス管への輪郭ないしプロフィルの刻設は、ドイツ特許出願公開第102004018148A1号明細書(Conturax(登録商標)テクノロジー)に記載されており、その開示内容を完全に本件出願に取り入れる。
【0065】
ドイツ特許出願公開第102004018148A1号明細書から公知の方法では、連続式の管絞り方法が適用されて、キャリブレーションされた円形またはプロフィル加工されたガラス管を所定の内側プロフィルおよび/または所定の外側プロフィルで製作する。このときガラス融液が絞り工程中に特別なプロフィル成形体を通じて引き延ばされる。この方法は、たとえば公知のダウン・ドロー法またはVello法、およびDanner法に適用することができる。
【0066】
このような連続式の管絞り法では、ガラスの粘性のほか、内圧、ガラス処理量、絞り速度、成形金型の寸法などのパラメータが決定的に重要であり、すべてのパラメータが相応に相互に調整される。管直径と壁厚は、互いに独立して選択可能である。絞り速度は所定の管寸法(外径と壁厚)について、連続の法則に基づきガラス処理量と相関関係にある。
【0067】
ドイツ特許出願公開第102004018148A1号明細書に基づくガラス管の製造時には、ガラス管の外側輪郭に比較的大きな切欠きを設けることが、相応に方法を管理すれば、内側輪郭を改変することにもつながるので、それによって湾入部が得られる。そのようにして、Conturax(登録商標)法を相応に適用すれば、湾入部および場合により切欠きをガラス管で作成することができる。
【0068】
このようにConturax(登録商標)テクノロジーを用いて、必要な湾入部を備えるガラス管に直接的に、およびこれに伴って比較的低コストに、融液から絞り加工することができる。しかしながら、Conturax(登録商標)テクノロジーは石英ガラスには適用可能でないため、これについては別の方法を採用しなくてはならない。
【0069】
ガラス管は、相応の後加工によって、特に湾入部のような相応の輪郭を施すこともできる。たとえば箔押および/またはローラ加工によって輪郭をガラス表面に刻設することができ、箔押が好ましい。
【0070】
ガラス管の壁厚は、本発明によると、さしあたり任意に設定することができる。制約があるのは、予定されている利用目的、希望される形状と大きさ、ならびに希望される機械的な安定性の要求事項に関してだけである。たとえば家庭用品の分野では4から6バールの外部接続圧力が生じるが、その後の過程で、たとえば水栓の出口部分では、これが明らかに低下してたとえば<1バールになる可能性がある。大規模技術の水処理では、圧力がしばしばこれより大幅に高くなるので、ガラス管は(利用目的と利用場所に応じて)特定の圧力向けに設計されるべきである。しかしこのことは当業者の知見であり、当業者は、利用分野についてのガラス管の適当な壁厚を容易に選択することができる。このような種類のガラス管をどのようにすれば製造できるかも、従来技術の当業者には同じく周知である。
【0071】
使用可能な紫外線透過性ガラスにも、本発明の枠内では同じく特別な制約はない。当業者に周知のどのような紫外線透過性ガラスでも適用することができる。本発明に基づいて好ましい紫外線透過性ガラスは、たとえば石英ガラス、ケイ酸ガラス、特別に好ましくはホウケイ酸ガラスまたはナトリウム・カリウム・バリウム・ケイ酸ガラス、きわめて特別に好ましくは石英ガラスおよびホウケイ酸ガラスである。
【0072】
本発明に基づいて用いられるガラスでは、望ましい高い紫外線透過性のほか、殺菌されるべき媒体に対して十分な安定性を有するように留意する。たとえば水が殺菌されるべきである場合、加水分解に関して十分に安定したガラスを使用するのが好ましい。DIN ISO719によれば、ガラスは5つの耐水性等級に区分される。したがって、水が殺菌されるべきである場合、選択した組成に応じて、ISO719(耐水性等級もしくはWBKとも呼ばれる)に定める等級1から3の加水分解耐性を有する、特別に好ましくはISO719に基づく等級1の加水分解耐性を有する、紫外線透過性ガラスを用いるのが好ましい。
【0073】
特別に好ましく使用される紫外線透過性ガラスは、以下のガラス組成のうちいずれかを有している(単位は酸化物ベースでの重量%):
ガラス組成1:
SiO 75−85 重量%
8−15 重量%
Al 0.5−4 重量%
NaO 1−6 重量%
O 0.1−2 重量%
ZrO <0.005重量%
Feの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
TiOの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
および気泡除去剤の含有量;
または、
ガラス組成2:
SiO 65−75 重量%
15−22 重量%
Al 4.5−7 重量%
NaO 1.5−4 重量%
O 0.5−3 重量%
LiO 0.1−1.5重量%
BaO 0.5−4 重量%
CaO 0.1−2 重量%
MgO <0.01 重量%
Feの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
TiOの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
および気泡除去剤の含有量;
または、
ガラス組成3:
SiO 65−78 重量%
0.5−4 重量%
Al 0.5−4 重量%
NaO 5−10 重量%
O 8−14 重量%
BaO 5−8 重量%
Feの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
TiOの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
CaOの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
MgOの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
および気泡除去剤の含有量。
【0074】
ガラス1は、等級1の加水分解耐性を有しているので、たとえば水の殺菌のために特別に好ましい。ガラス2および3は、気体を殺菌するために使用するのが特別に好ましい。
【0075】
殺菌されるべき媒体も、本発明によれば特別に制約されることはない。どのような液体またはどのような気体でも、あるいは複数の液体もしくは気体の混合物でも、本発明による装置で処理することができる。好ましい媒体は水である。特別に攻撃性のある気体または液体を殺菌したいときは、適当なガラス組成から相応の選択を下すことができる。
【0076】
静止状態または流動状態にある液体および/または気体を殺菌するため、特に飲料水の処理と殺菌をするため、超純水、排水、薬品および食料品の分野の液体を殺菌するため、空気や産業用ガス等の気体を殺菌するため、および超純水製造における本発明による装置の利用法も、本発明の対象である。
【0077】
本発明の利点はきわめて多岐にわたっている:
たとえば本発明は、少なくとも1つの紫外光源との関連で、少なくとも1つの湾入部を備える紫外線透過性の管を初めて提供する。
【0078】
本発明の特別に好ましい実施形態では、紫外光源は1つまたは複数の湾入部の中で、すべての紫外光源が少なくとも部分的に、特別に好ましくは完全に、紫外線透過性のガラス管の管外壁の内部(円形でない管断面の場合)にあり、好ましくは管外側半径の内部(円形の管断面の場合)にあるように配置され、このとき管外壁ないし管外側半径は、あたかも湾入部が存在していないものとして理解される。
【0079】
湾入部は、紫外線透過性のガラス管の管内壁の内部(円形でない管断面の場合)に設けられ、好ましくは管内側半径の内部(円形の管断面の場合)に設けられるのがさらに好ましく、このとき管内壁ないし管内側半径は、あたかも湾入部が存在していないものとして理解される。本発明によると、紫外光源が上に定義したように管内壁の内部ないし管内側半径の内部にある配置が特別に好ましく、それにより、直接的な経路でガラス管を通って管内部空間へ入るのではない紫外放射割合がわずかしかない、特別に好都合な放射分布が得られる。
【0080】
紫外光源を格納するために、通常は管材料のいっそう大きい壁厚を意図しなくてはならない、従来技術で通常設けられている切欠きとは異なり、本発明に基づいて設けられる湾入部では、これよりもはるかに小さい壁厚を適用することができるので、光がガラスを通って短い経路しか進まず、すでに管材料の中で高い割合で吸収されることがない。
【0081】
場合により、本発明に基づく湾入部に追加して1つまたは複数の切欠きが存在していてよく、この切欠きは好ましくは紫外光源を有しているのではなく、別の機能を有している。たとえば切欠きにはセンサを入れることができる。
【0082】
別の好ましい実施形態では、湾入部だけがガラス管に設けられていてよく、その場合には切欠きは存在しない。
【0083】
本発明によるジオメトリーの結果として、紫外光源が殺菌されるべき媒体のいっそう近くに存在することになり、すなわち、管の内部空間に向かう方向へオフセットされる。その結果、媒体の中へ直接入ってその前に反射されることがない、高い割合の紫外放射が生じる。さらに、本発明に基づいて提供されるジオメトリーにより、より均一な光分布が管内部空間で実現され、それによって殺菌出力が高くなる。このようにして、いっそう高いシステムの全体的効率がもたらされる。
【0084】
さらに本発明に基づく配置により、いっそう高いシステムのコンパクト性が提供される。
【0085】
本発明の装置は、外部からの作用なしで機能する、それ自体で閉じた系をなしていることも大きな利点である。殺菌されるべき媒体、たとえば水が紫外透過性のガラス管を通って流れているあいだ、媒体に何らかの添加物を添加する必要なく照射が行われる。紫外光源は場合により媒体と直接的に接触することなく、その周りを媒体が流れていく。したがって媒体へのいっそうの接近が実現されるが、それと同時に、紫外光源はガラス外套によって媒体から防護されている。
【0086】
本発明による装置の特別な配置に基づき、ガラス管は、少なくとも部分的にガラス壁部に配置された紫外光源とともに、および場合により1つまたは複数のリフレクタとともに、たとえばコンパクトなハウジングの中に格納することができる。この装置はさらに大きいユニットで、たとえば配管系のように流れている媒体とともに、あるいはタンク等のような静止している媒体とともに、問題なく適用することができる。この装置は、さらに大きいシステムの一部として定置に固定的に組み付けることができ、または、手動器具としてフレキシブルに取扱可能なように使用することができる。このとき本来の殺菌装置は、紫外線透過性のガラス管およびその中で好ましくは管軸と平行に延びる湾入部に配置された紫外光源、および好ましくは1つまたは複数のリフレクタで構成される。
【0087】
さらに、本発明の装置で適用される、特別に成形された紫外線透過性のガラス管の製造は、簡単な仕方で可能である。
【0088】
このように本発明の特殊性は、湾入部を備える特別なガラス管形状の活用にある。本発明に基づいて可能な特別な照射ジオメトリーにより、非常に高い殺菌出力が実現される。したがって本発明による装置は、製造時の比較的少ないコスト負担で、可能な限り高い効率を実現する。
【0089】
本発明による装置は、非常に特殊な要求事項についても好適である。たとえば、特に薬品産業、化粧品産業、半導体産業などで必要とされる高純度の水を製造するのに好適である。
【0090】
本装置は、たとえば家庭用品分野の圧力を有する、特にコンパクト性の高い小型のシステムで利点をもたらす。本発明の装置により、公知のアプリケーションに比べて効率が明らかに高くなる。
【0091】
次に、添付の図面を参照しながら本発明について詳しく説明するが、これらの図面は本発明を限定しようとするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】特許文献5(同文献の図6b、6cおよび6d)に基づく従来技術による一例の実施形態をそれぞれ示す模式的な断面図である。
【図2】それぞれ湾入部の中にある3つの紫外光源と、1つのリフレクタとを備える円形の紫外線透過性のガラス管の本発明による一例の実施形態を示す模式的な断面図であり、ガラス管および紫外光源の周りにリフレクタが設けられている。
【図3】3つの紫外光源を備える円形の紫外線透過性のガラス管の本発明による別の一例の実施形態を示す模式的な断面図であり、管は外側にリフレクタを有しており、各々の紫外光源にリフレクタが追加的に付属している。
【図4】3つの紫外光源を備える円形の紫外線透過性のガラス管の本発明による別の一例の実施形態を示す模式的な断面図であり、管は内側にリフレクタを有しており、各々の紫外光源にリフレクタが外側で追加的に付属している。
【図5a】本発明の装置の本発明による一例の実施形態を示す三次元の模式図である。
【図5b】複数の紫外光源を備える紫外線透過性のガラス管の本発明による一例の実施形態を示す三次元の模式図である。
【図6】好ましく適用される3つの紫外線透過性ガラスについて、紫外線波長に対する透過性(透過性の推移)がプロットされたグラフの図である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
図面に示すさまざまな部材は代表的なものにすぎず、必ずしも縮尺どおりに図示されてはいない。特定の区域が誇張されている場合があり、別の部分は最低限に示されている場合もある。図面は開示の一例としての実施形態を図解するためのものであり、従来技術の当業者により理解されて、適切な仕方で実施することができる。各図面では、同じコンポーネントや部材には同じ符号や記号が付されている。
【0094】
図1a、1bおよび1cは、特許文献5(同文献の図6b、6cおよび6d)の従来技術に基づく一例の実施形態の模式的な断面図をそれぞれ示している。
【0095】
図1aには、紫外照射装置17が配管系14の壁部に組み込まれた紫外放射ユニットが示されている。紫外照射装置17はその先端領域で、配管内部にそれぞれ突入している。したがって、光源は内部空間を流れる媒体と直接的に接触し、これに対して耐性を有していて密封されていなくてはならない。単純な取り替えは、もはや容易には不可能である。そのためにはシステムをオフにしなくてはならない。
【0096】
図1bには、配管系14の壁部に組み込まれた、紫外線LED36の形態の多数の紫外照射装置17が示されている。それに応じて紫外線LED36は、管壁の切欠きの中にある。図示している従来技術の切欠きが示すように、紫外光源を格納するために、管材料の比較的大きい壁厚が存在するのが普通である。その結果として、紫外光が管を通って媒体へと進まなくてはならない経路の延長が生じ、そのために損失が発生する。そのうえ、紫外光源から側方に放射される光の比較的多い部分が外方に向かって管から出ていき、もしくは管壁の中を通り、したがって殺菌に利用可能ではなくなる。したがって、このようなジオメトリーは指向性でない光源についてはあまり適していない。
【0097】
図1cでは、同じく多数の紫外線LED36が配管系14の外部に配置されており、それにより、管の壁厚全体が紫外光源と殺菌されるべき媒体との間に存在している。したがって紫外光の損失は、残留吸収に基づいて必然的である。
【0098】
図1bと同様に、このような配置も指向性でない光源にはあまり適していない。このような配置のさらに別の欠点は設計スペースが広いことであり、十分な殺菌を保証するために、多数の紫外光源を管の周囲に配置しなければならない。この種の設備はコンパクトではなく、広いスペースを必要とする。
【0099】
図2は、3つの紫外光源20a,20bおよび20cと、リフレクタ30とを備える管10の、本発明による一例の実施形態の模式的な断面図を示している。図2に示す実施形態は管状の内部空間40を有しており、これを通って紙面に対して垂直方向に液体および/または気体が流れる。管10は紫外線透過性ガラスで構成されている。このガラスは、利用目的のために好適である限りにおいて、任意に選択することができる。管壁は3つの湾入部25a,25bおよび25cを有している。
【0100】
図1a,1bおよび1cに示す従来技術に基づく切欠きを備えた実施形態とは異なり、図2では本発明に基づいて湾入部が設けられている。このとき通常、ガラス管10の壁厚に関する違いが生じる。切欠きを設ける場合には、紫外光源を格納するために、湾入部を設ける場合よりも大きい壁厚を設けるのが好都合だからである。
【0101】
湾入部を得るために、管外壁60と管内壁70はいずれも同じ個所で同時に内方に向かって押し込まれており、それにより、湾入部25a,25bおよび25cが内部空間40の中に達している。湾入部25a,25bおよび25cは、それぞれ中空スペースもしくは凹部を構成しており、その中に、好ましくは殺菌されるべき媒体の流動方向と平行に配置された紫外光源20a,20bおよび20cがそれぞれ配置されている。紫外光源20a,20bおよび20cは、本例では、図示した湾入部25a,25bおよび25cで完全に収容されており、図示した管内径の事例では、仮に湾入部が存在しないように管10が製作されたとしたとき、事実上完全に管内壁70の内部にある。図示した例では、紫外光源20a,20bおよび20cの数は、湾入部25a,25bおよび25cの数と一致しており、それにより、各々の湾入部25a,25bおよび25cの中にそれぞれ1つの紫外光源20a,20bおよび20cが存在している。たとえば追加の湾入部が存在していてもよく、あるいは1つの湾入部に1つを超える紫外光源が、たとえば紫外光源のバンドルが存在していてもよいであろう。
【0102】
さらに図2では、図示している湾入部25a,25bおよび25cは紫外光源20a,20bおよび20cの形状に合わせて適合されており、それにより、紫外光源は形成される中空スペースに完全に収容されており、もはや外方に向かって突き出していない。
【0103】
図2に示す3つの紫外光源20a,20bおよび20cは、円形のガラス管10に対称に配置されており、すなわち、紫外光源20a,20bおよび20cをそれぞれ三角形の頂点とする二等辺三角形を形成している。紫外光は、内部まで達する湾入部25a,25bおよび25cに基づき、殺菌されるべき媒体がある内部空間40へ到達するために、管壁を通って短い経路を進むだけでよい。それにより、高い割合の紫外光が管壁を通って直接的な経路で、殺菌されるべき媒体がある内部空間40へと達する。このようなジオメトリーは、できる限り均一な放射分布を高い放射密度で得るために好ましく、通常は個々の紫外光源の間で発生する放射強度最小値をほぼ回避することができる。
【0104】
当然のことながら、図示しているものとは異なる管断面や、異なる数の湾入部を備えるジオメトリー、および異なる数の紫外光源も可能である。
【0105】
湾入部25a,25bおよび25cのほか、図2では1つまたは複数の切欠き(図示せず)もガラス管10に設けられていてよい。このような切欠きは紫外光源を含むのではなく、たとえばセンサを含んでいるのが好ましい。
【0106】
さらに図2では、外方に向かって放射される紫外光を再び管10の中へ反射するために、リフレクタ30が設けられている。リフレクタ30の種類、形状、大きさ、構成は本発明によるとさほど制約されない。リフレクタ30は、光を反射するための各種のコーティング表面、たとえば反射フィルム、ミラー等であってよい。図示した例ではリフレクタ30は、構造全体の周囲に位置するように配置されている。リフレクタ30は円形の形状を有しており、管外壁60に当接している。3つの湾入部25a,25bおよび25cは、その中にある3つの紫外光源20a,20bおよび20cが湾入部25a,25bおよび25cにより完全に収容され、そのようにして管10の内部空間40の方向でオフセットされて格納され、もはや外方に向かって突き出すことがないように構成されているので、リフレクタ30を管外壁60へ直接装着することができる。図示した構成により、特別に簡素なリフレクタジオメトリーが可能であり、リフレクタ30は管10にじかに当接しており、管によって保持されて安定化される。リフレクタは管10に直接取り付けられていてよく、またはこれに塗布されていてよい。本発明の本実施形態では、本発明による装置の特別に簡素な構成が実現される。この装置は1本のパイプによって完全に取り囲むことができ、このパイプが同時にリフレクタとしての役目を果たし、管10に直接的に当接するからである。リフレクタ30は、管10に直接塗布された、たとえば蒸着された、紫外線反射性のコーティングであるのも特別に好ましい。
【0107】
図3は、3つの紫外光源20a,20bおよび20cとリフレクタ30aおよび30bとを備える管10の、別の一例としての本発明の実施形態の模式的な断面図を示している。本発明に基づくこの実施形態は図2に示すものに類似しているが、これに加えて、各々の紫外光源20a,20bおよび20cにそれぞれ1つのリフレクタ30a(30.1,30.2および30.3)が付属している。
【0108】
それぞれの紫外光源20a,20bおよび20cに付属する個々のリフレクタ30a(30.1,30.2および30.3)は、形状、大きさ、構成に関して自由に選択可能である。図示した事例では、リフレクタ30.1,30.2および30.3は球扇形の形態で示されている。図示している3つのリフレクタ30.1,30.2および30.3は、すべて同じ大きさと同じ形状で示されている。しかしこのことは、あらゆるケースで必要なわけではない。これ以外のリフレクタの大きさや設計も可能であり、各々の紫外光源20a,20bおよび20cで別様に構成されていてもよい。
【0109】
3つの紫外光源20a,20bおよび20cの周りに配置された3つのリフレクタ30a(30.1,30.2および30.3)のほか、さらに別のリフレクタ30bが管10そのものの周りに配置されている。図示した構成では、このリフレクタ30bは管10の周りに直接配置されており、管により保持されて安定化されている。リフレクタは管10に直接取り付けることができ、または紫外線反射性コーティングの形態で管に塗布することができる。
【0110】
紫外光は、(湾入部が存在しないとすると)管内壁60の内部にあるように配置された、湾入部25a,25bおよび25cの中にある紫外光源20a,20bおよび20cに基づき、殺菌されるべき媒体がある内部空間40への短い経路をとる。内部空間に達する前に、まずリフレクタを介して反射される紫外光の割合が明らかに減り、紫外光の損失の少ない入射がもたらされ、それによって改善された紫外放射の活用が実現される。
【0111】
図3に類似する図4には、3つの紫外光源を備える円形の紫外線透過性のガラス管の、本発明による一例の別の実施形態の模式的な断面図が示されており、管は内側にリフレクタを有しており、各々の紫外光源に1つのリフレクタが追加的に付属している。内側リフレクタは湾入部25a,25bおよび25cの領域では、当然ながら省かれている。図3について上に述べたことが同様に当てはまる。
【0112】
図5aには、本発明による実施形態に基づく一例の装置の三次元の模式図が示されている。管10は配管系に組み込まれており、たとえば金属管100.1と100.2の間に組み込まれている。管10は紫外線透過性ガラスで製作されており、湾入部25a,25bおよび25c...を有しており、その中に紫外光源20a,20bおよび20c...がある。図5bには、接続部22を介して電源と接続された複数の紫外光源20a,20bおよび20c...を備える、図5aの管10の三次元の模式図が示されている。
【0113】
使用される紫外線透過性ガラスに特別な制約はない。特別に好ましく適用される紫外線透過性ガラスについて、図6に透過性の推移がグラフの図に示されている。ここではいくつかの好ましく適用される紫外線透過性ガラスについて、透過性(単位%)が波長(単位nm)に対してプロットされている。図6は、ガラス1、ガラス2、およびガラス3についての紫外線透過性を示している。
【0114】
図1から図6は、一例として可能な実施形態を示しているにすぎない。これらは限定をするものと解釈されるべきではなく、可能な実施形態の例にすぎないと解釈されるべきである。実施をするためのこれ以外の選択肢も考えられる。
【符号の説明】
【0115】
10 ガラス管
14 従来技術に基づく配管系
17 従来技術に基づく紫外線照射装置
20a,20b,20c... 紫外光源
25a,25b,25c... 湾入部
22 接続部
30,30a,30b,30.1,30.2,30.3... リフレクタ
36 従来技術に基づく紫外LED
40 管内部空間
60 管外壁
70 管内壁
100.1,100.2 金属管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の内部空間(40)および管内壁(70)と管外壁(60)を備える管壁部を有する紫外線透過性のガラスからなる管(10)と、少なくとも1つの紫外光源(20a,20b,20c...)とを含む、気体および/または液体を殺菌する装置において、
紫外線透過性の前記ガラス管(10)は少なくとも1つの個所に内部空間(40)への湾入部(25a,25b,25c...)を有しており、
少なくとも1つの前記湾入部(25a,25b,25c...)の中に少なくとも1つの前記紫外光源(20a,20b,20c...)が配置されている装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記湾入部(25a,25b,25c...)の中の少なくとも1つの前記紫外光源(20a,20b,20c...)は、仮に管内壁(60)が湾入部なしで存在しているとしたときに、少なくとも1つの前記紫外光源(20a,20b,20c...)が少なくとも部分的に、特別に好ましくは完全に、紫外線透過性の前記ガラス管(10)の管内壁(60)の内部に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記湾入部(25a,25b,25c...)の数は前記紫外光源(20a,20b,20c...)の数と一致しており、好ましくはそれぞれ1つの前記紫外光源(20a,20b,20c...)だけが1つの前記湾入部(25a,25b,25c...)の中に設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
紫外線透過性の前記ガラス管(10)に設けられた前記紫外光源(20a,20b,20c...)の数は、1つから8つ、好ましくは1つから6つ、特に1つから5つ、きわめて特別に好ましくは1つから4つ、または1つから3つの紫外光源(20a,20b,20c...)から選択されており、好ましくはそれぞれ1つの前記紫外光源(20a,20b,20c...)もしくは紫外光源の群だけが1つの前記湾入部(25a,25b,25c...)の中に設けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
紫外線透過性ガラスは石英ガラス、ケイ酸ガラス、好ましくはホウケイ酸ガラス、ナトリウム・カリウム・バリウム・ケイ酸ガラス、きわめて特別に好ましくは石英ガラスおよびホウケイ酸ガラスから選択されており、好ましくは前記ガラスは、
ガラス組成1:
SiO 75−85 重量%
8−15 重量%
Al 0.5−4 重量%
NaO 1−6 重量%
O 0.1−2 重量%
ZrO <0.005重量%
Feの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
TiOの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
および気泡除去剤の含有量;
または、
ガラス組成2:
SiO 65−75 重量%
15−22 重量%
Al 4.5−7 重量%
NaO 1.5−4 重量%
O 0.5−3 重量%
LiO 0.1−1.5重量%
BaO 0.5−4 重量%
CaO 0.1−2 重量%
MgO <0.01 重量%
Feの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
TiOの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
および気泡除去剤の含有量;
または、
ガラス組成3:
SiO 65−78 重量%
0.5−4 重量%
Al 0.5−4 重量%
NaO 5−10 重量%
O 8−14 重量%
BaO 5−8 重量%
Feの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
TiOの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
CaOの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
MgOの含有量<100ppm、好ましくは<10ppm
および気泡除去剤の含有量
から選択される組成(単位は重量%)を有していることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
リフレクタ(30,30b)が前記ガラス管(10)の周囲に配置され、前記ガラス管(10)を完全に包囲しており、または、
リフレクタ(30,30b)が管外壁(60)に取り付けられているか、もしくはその上に塗布されており、前記湾入部(25a,25b,25c...)の領域にはリフレクタが設けられておらず、または、
リフレクタ(30,30c)が管内壁(70)に取り付けられているか、もしくはその上に塗布されており、前記湾入部(25a,25b,25c...)の領域にはリフレクタが設けられておらず、または、
前記湾入部(25a,25b,25c...)の領域を除いて、リフレクタ(30,30b)が前記ガラス管(10)の周囲に配置されているか、もしくは管外壁(60)に取り付けられており、もしくはその上に塗布されており、それにより、各々の前記紫外光源(20a,20b,20c...)について追加のリフレクタ(30a,30.1,30.2,30.3...)が設けられており、または、
前記湾入部(25a,25b,25c...)の領域を除いて、リフレクタ(30,30c)が管内壁(70)に取り付けられているか、もしくはその上に塗布されており、それにより、各々の前記紫外光源(20a,20b,20c...)について追加のリフレクタ(30a,30.1,30.2,30.3...)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記湾入部(25a,25b,25c...)が存在する領域は除いて、前記リフレクタ(30,30b)は管外壁(60)または管内壁(70)に紫外線反射性コーティングの形態で塗布されていることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つの前記紫外光源(20a,20b,20c...)は中圧紫外線ランプ、高圧紫外線ランプ、または低圧紫外線ランプ、CCLまたは紫外線LED、特に低圧水銀ランプ、CCLまたは紫外線LEDから選択されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記湾入部(25a,25b,25c...)は局所的に限定されて前記ガラス管(10)に設けられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記湾入部(25a,25b,25c...)の形状は使用される前記紫外光源(20a,20b,20c...)の形状に合わせて適合されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
1つまたは複数の前記湾入部(25a,25b,25c...)が設けられている場合に前記ガラス管(10)の壁厚は管円周に沿って一定であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記ガラス管(10)の断面は円形、長円形、方形、特に3角形、4角形、5角形、6角形、7角形、または8角形、好ましくは円形または長円形から選択されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
1つまたは複数の前記湾入部(25a,25b,25c...)に加えて1つまたは複数の切欠きが前記ガラス管(10)に存在しており、前記切欠きは好ましくは紫外光源を有していないことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記紫外光源(20a,20b,20c...)は前記ガラス管(10)に対称に配置されており、好ましくは軸対称/鏡像対称、回転対称、または点対称に配置されていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の装置の使用であって、静止状態または流動状態にある液体および/または気体を殺菌するため、特に飲料水の処理と殺菌をするため、超純水、排水、薬品および食料品の分野の液体を殺菌するため、空気や産業用ガス等の気体を殺菌するための使用、ならびに超純水製造における使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−56159(P2013−56159A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−198848(P2012−198848)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】