説明

気体フローを調節して圧力変化率の測定を改善する方法及び装置

気体フローを調節して前記気体フローに関連する圧力変化率の測定を改善する装置が、内部体積に特長付けられた内部部分と前記気体フローを受け取る入口ポートとを有する測定チャンバ(102)を含む。この装置は、圧力センサ(104)と信号プロセッサとを含む。信号プロセッサは、前記センサ(104)から前記圧力信号を受け取り、サンプリングし、圧力信号の時間導関数を計算する。この装置は、更に、前記入口ポート配置された入口ダンパ(108)を含み、よって、前記気体フローは前記入口ポートを通過する前にこの入口ダンパ(108)を通過する。この入口ダンパは、気体フローをダンパ伝達関数に従って修正する。チャンバ体積とダンパ伝達関数とは、前記測定チャンバの中の圧力の変動に関連する周波数を前記サンプリング周波数の所定の分数に制限するように選択される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この特許出願は、この特許出願と同じ被譲渡人に譲渡されており、「Apparatus and Method for Pressure Fluctuation Insensitive Mass Flow Control」という名称を有する米国特許出願第10/178、721号の関連出願である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、質量流量の制御装置に関し、更に詳しくは、フローを調節して感度及び精度を改善する方法及び装置に関する。
図1にブロック図として示されているシステム10を考察する。このシステム10は、測定チャンバ14に結合された入口貯留槽(reservoir)12を含んでいる。入口貯留槽12は、入口圧力P(t)によって特徴付けられる。測定チャンバ14は、入口貯留槽12は測定チャンバ14に結合されている入口ポート16と、内部体積Vと、内部圧力P(t)とによって特徴付けられる。入口フローQ(t)は、入口ポート16を通過して、入口貯留槽12から測定チャンバ14に流れる。時間の関数としての測定チャンバ14の中の圧力P(t)の変化率は、PSTPを標準温度及び圧力におけるチャンバ圧力として、次の数式1で与えられる。
【0003】
【数1】

【0004】
数式1は、書き換えることによって、次のように入口フローを求めることができる。
【0005】
【数2】

【0006】
従って、入口フローは、チャンバ圧力の時間変化率dP(t)/dtとチャンバの体積Vとの関数として計算することができる。チャンバの体積Vは容易に測定可能であり、チャンバ圧力の時間変化率dP(t)/dtは、デジタル微分方式20と組み合わされた圧力センサ18を用いることによって得られる(例えば、S.K. Mitra and J.F. Kaiser, ”Handbook for Digital Signal Processing”, John Wiley & Sons, 1993の13章を参照のこと)しかし、実際のデジタル微分器20は、最大サンプリング周波数で圧力データをサンプリングし、サンプリングされたデータをフィルタリングし、そのようにサンプリングされフィルタリングされたデータの時間微分を実行する。そのようなデジタル微分器20は、図2に示されているように、単に、最大サンプリング周波数の一部よりも小さな周波数を有する圧力変動に対して正確な結果しか生じない。このグラフは、上述した理想的な微分器30と実際の微分器32とに関して、圧力変動の正規化された周波数(サンプリング周波数に正規化されている)対する正規化された微分器の出力をプロットしている。実際のデジタル微分器32は、ほぼ0.4のサンプリング周波数までの周波数に対しては理想的な微分器30に従うが、圧力変動のそれよりも高い周波数に対しては、理想的な微分器による値から急激に逸脱してしまう。従って、サンプリング周波数の40%よりも大きな急速な圧力変化は、図1の構成を用いるのでは性格に測定することができない。理想的な微分器からのこの逸脱点を、この出願では、「微分器のカットオフ周波数」と称することにする。
【0007】
本発明の目的は、従来技術における上述の欠点及び短所を実質的に克服することである。
【発明の開示】
【0008】
以上の及びそれ以外の目的は本発明によって達成されるのであるが、その1つの側面において、本発明は、気体フローを調節して前記気体フローに関連する圧力変化率の測定を改善する装置で構成される。この装置は、内部体積に特長付けられた内部部分と前記気体フローを受け取る入口ポートとを有する測定チャンバを含む。この装置は、更に、前記測定チャンバの前記内部部分の中の圧力を感知して、前記測定チャンバの中の圧力に対応する圧力信号を生じる圧力センサを含む。この装置は、更に、前記圧力信号を受け取り、あるサンプリング周波数でサンプリングし、フィルタリング及びサンプリングされた圧力信号を生じる信号プロセッサを含む。この信号プロセッサは、更に、前記サンプリングされた圧力信号の時間導関数を計算する。この装置は、更に、前記入口ポート配置された入口ダンパであって、前記気体フローは前記入口ポートを通過する前に少なくとも部分的にはこの入口ダンパを通過して前記測定チャンバの中へ流れるように構成され調整されている入口ダンパを含む。この入口ダンパは、前記気体フローの1又は複数の特性をこの入口ダンパの両端の間の圧力低下の関数としてダンパ伝達関数に従って修正する。前記内部体積と前記ダンパ伝達関数とは、前記測定チャンバの中の圧力の変動に関連する周波数を前記サンプリング周波数の所定の分数に制限するように選択される。
【0009】
別の実施例では、前記圧力センサは前記測定チャンバの前記内部部分の中に配置されている。
別の実施例では、前記圧力センサは、前記入口ポートに配置され、入口フロー圧力に対応する圧力信号を生じる。
【0010】
別の実施例では、前記ダンパ伝達関数は、(i)前記入口ダンパの両端での圧力低下と(ii)前記入口ダンパを通過する気体フローとの間の線形の関係を記述する。
別の実施例では、前記ダンパ伝達関数は、(i)前記入口ダンパの両端での圧力低下と(ii)前記入口ダンパを通過する気体フローとの間の非線形の関係を記述する。
【0011】
別の実施例では、前記サンプリング周波数の所定の分数は、前記サンプリングされた圧力信号の時間導関数を計算する信号プロセッサと関連する性能限度に対応する。
別の実施例では、前記サンプリング周波数の所定の分数は約0.4である。
【0012】
別の実施例では、この装置は、前記入口ポートを通過する気体フローを測定し前記入口ポートを通過する気体フローに対応するフロー信号を生じるフロー・センサを更に含む。この装置は、更に、前記測定チャンバ上にあり出口気体フローを通過させる出口ポートと、前記出口ポートに配置され前記出口気体フローを制御する弁と、を含む。前記信号プロセッサは、(i)前記フロー信号を前記サンプリングされた圧力信号の時間導関数と組み合わせて前記出口気体フローの評価を生じ、(ii)前記弁を前記評価の関数として制御して、実質的に一定の出口気体フローを生じる。
【0013】
別の実施例では、前記ダンパは、前記フロー・センサの前に配置される。
別の実施例では、前記ダンパは前記フロー・センサの後であり前記圧力センサの前に配置される。
【0014】
別の側面では、本発明は、気体フローを調節して前記気体フローに関連する圧力変化率の測定を改善する方法から構成される。この方法は、内部体積に特長付けられた内部部分と前記気体フローを受け取る入口ポートとを有する測定チャンバを提供するステップを含む。この方法は、更に、前記測定チャンバの前記内部部分の中の圧力を感知して、前記測定チャンバの中の圧力に対応する圧力信号を生じるステップを含む。この方法は、更に、前記圧力信号をあるサンプリング周波数でサンプリングし、フィルタリングして、サンプリングされた圧力信号を生じ、前記サンプリングされた圧力信号の時間導関数を計算するステップを含む。この方法は、更に、前記入口ポート配置された入口ダンパを介して前記気体フローを減衰し、前記気体フローは前記入口ポートを通過する前に少なくとも部分的にはこの入口ダンパを通過して前記測定チャンバの中へ流れるように構成され調整されており、前記気体フローの1又は複数の特性を前記入口ダンパの両端の間の圧力低下の関数としてダンパ伝達関数に従って修正するステップを含む。この方法は、更に、前記測定チャンバの中の圧力の変動に関連する周波数を前記サンプリング周波数の所定の分数に制限するように、前記内部体積と前記ダンパ伝達関数とを選択するステップを含む。
【0015】
別の実施例は、前記圧力センサを前記測定チャンバの前記内部部分の中に配置するステップを更に含む。
別の実施例は、前記圧力センサを前記入口ポートに配置するステップを更に含み、よって、前記圧力センサが入口フロー圧力に対応する圧力信号を生じるようにする。
【0016】
別の実施例は、(i)前記入口ダンパの両端での圧力低下と(ii)前記入口ダンパを通過する気体フローとの間の線形の関係を記述するダンパ伝達関数を提供するステップを更に含む。
【0017】
別の実施例は、(i)前記入口ダンパの両端での圧力低下と(ii)前記入口ダンパを通過する気体フローとの間の非線形の関係を記述するダンパ伝達関数を提供するステップを更に含む。
【0018】
別の実施例は、前記測定チャンバの中の圧力変動に関連する周波数を前記サンプリングされた圧力信号の時間導関数を計算する信号プロセッサと関連する性能限度に対応するサンプリング周波数の所定の分数に制限するように、前記内部体積と前記ダンパ伝達関数とを選択するステップを更に含む。
【0019】
別の実施例は、前記測定チャンバの中の圧力変動に関連する周波数を前記サンプリング周波数の約0.4のサンプリング周波数の所定の分数に制限するように、前記内部体積と前記ダンパ伝達関数とを選択するステップを更に含む。
【0020】
別の実施例は、前記入口ポートを通過する気体フローを測定し前記入口ポートを通過する気体フローに対応するフロー信号を生じるステップを更に含む。この実施例は、前記測定チャンバ上に、出口気体フローを通過させる出口気体フローを提供するステップと、前記フロー信号を前記サンプリングされた圧力信号の時間導関数と組み合わせて前記出口気体フローの評価を生じるステップと、を含む。この実施例は、前記出口ポートにおける前記出口気体フローを前記評価の関数として制御して、実質的に一定の出口気体フローを生じるステップを更に含む。
【0021】
別の実施例は、前記ダンパを前記フロー・センサの前に配置するステップを更に含む。
別の実施例は、前記ダンパを前記フロー・センサの後であり前記圧力センサの前に配置するステップを更に含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明それ自体に加え本発明の上述した及びそれ以外の目的や様々な特徴は、以下の説明を添付の図面と共に読むことによってより完全に理解されるはずである。
図3は、気体フローを調節してその気体フローに関連する圧力変化率の測定を改善する装置100の好適実施例のブロック図を示している。装置100は、測定チャンバ102と、圧力センサ104と、信号プロセッサ106と、入口ダンパ108とを含む。測定チャンバ102は、内部部分を含み、この内部部分のサイズは、内部体積Vによって定義される。測定チャンバ102は、また、貯留槽114から気体フロー112を受け取る入口ポート110を含む。
【0023】
圧力センサ104は、測定チャンバ102の内部部分の中の圧力を感知して、測定チャンバ102の内部部分の中の圧力に対応する圧力信号116を生じる。ある実施例では、圧力センサ104は、測定チャンバ102の外部に位置しており(図3に示されているように測定チャンバの外部に付着しているか、又は、測定チャンバから物理的に離間しているか、のいずれかである)、アクセス・ポート118を介して内部部分にアクセスする。別の実施例では、圧力センサの全体が、測定チャンバ102の内部部分の中に配置され、関連する圧力信号116は、ワイヤを介して、又は、この技術分野において公知である何らかのそれ以外の通信技術を用いてチャンバ102の外部と通信する。更に他の実施例では、圧力センサ104が、チャンバ102の僅かに内側又は僅かに外側の位置で入口ポート110に配置されることもあり、それにより、圧力センサ104は入口の圧力に対応する圧力信号を提供する。
【0024】
信号プロセッサ106は、最適なデジタル微分器を実装している。信号プロセッサ106は、圧力信号を受け取り、次に、それを所定のサンプリング速度でサンプリングする。特定の実施例において用いられるサンプリング速度は、システムの所望のコスト及び複雑さや、予測される最も高い圧力変動周波数や、信号プロセッサ106において用いられている特定の処理コンポーネントなどに左右される。信号プロセッサ106は、サンプリングされた圧力信号を最適なデジタル・フィルタを用いてフィルタリングする。信号プロセッサ106は、次に、サンプリングされた圧力信号の時間に関する導関数を計算する。
【0025】
入口ダンパ108は、入口ポート110に配置されており、それにより、貯留槽114からチャンバ102の中への気体フロー112は、入口ダンパ108を通過しなくてはならなくなる。図3に示された実施例では、入口ダンパ108は、入口ポート110のすぐ内側に配置されている。他の実施例では、入口ダンパ108は、気体フロー112が少なくとも部分的には入口ダンパ108を通過する限りは、入口ポート110の僅かに内側か、僅かに外側か、又は、僅かに部分的に入口ポート110の中におかれることがありうる。入口ダンパ108は、気体フロー112の1又は複数の特性を、ダンパ伝達関数Hに従って、入口ダンパ108の両端の圧力低下の関数として修正するように、構成され調整される。ある実施例では、入口ダンパ108は、伝達関数Hが一定になるように、つまり、入口ダンパ108を流れる気体フローQが入口ダンパ108の両端の圧力低下に関して線形となるように選択される。これは、すなわち、Pを入口ダンパ108のチャンバ側の端部における圧力とし、Pを入口ダンパ108の貯留槽側の端部における圧力とし、Cを入口ダンパ108のコンダクタンスとしたときに、次の数式3の関係が成り立つ。
【0026】
【数3】

【0027】
他の実施例では、伝達関数Hは非線形関数の場合もあり、これは、オリフィスを非チョーク・フロー(non-choked flow)がある場合である。
数式3によって記述されるダンパを有する実施例では、チャンバ圧力Pの時間変化は、次の数式4で示すように、数式3を数式1に代入することによって与えられる。
【0028】
【数4】

【0029】
入口圧力Pのステップ状の変化については、数式4の方程式は次の解を有する。
【0030】
【数5】

【0031】
ここで、Pは初期圧力であり、Pは最終圧力であり、τ=V/(CPSTP)はシステム100に関連する自然時定数である。図4は、入口圧力Pのステップ変化とチャンバ102の中の圧力Pとの両方について、圧力と時間とのグラフをしてしている。図4は、数式3に従って振る舞うダンパが急速な圧力変化をどのように減衰(ダンプ)させるかを図解している。時定数τは、従って、チャンバ圧力Pの減衰された応答は、(i)チャンバ体積Vと(ii)ダンパのコンダクタンスCとの関数である。これら2つのパラメータV及びCは、デジタル微分器の遮断周波数よりも高いチャンバ圧力変動における周波数成分を実質的に削減する又は除去するように、調整することが可能である。
【0032】
圧力変動dP/dtは、次の数式6のようにフーリエ級数で表現することができる。
【0033】
【数6】

【0034】
フーリエ係数Aは、数式5から次のように導くことができる。
【0035】
【数7】

【0036】
フーリエ係数Aに対して制約条件が与えられると、数式7を用いてτを求めることができる。ここで例として、サンプリング周波数が1kHzであり、ここで説明している最適なデジタル微分方式を用いて圧力センサからのサンプリングされた圧力信号を処理する場合を考察する。最適な微分器の性能ロールオフを与えるためには、サンプリング周波数の30%を超える圧力変動のすべての周波数成分は0.1%よりも小さいことが望まれる。換言すると、300Hzの周波数を超えるすべての振幅Aは、1x10−3よりも下に維持されることが好ましい。最大のωを1885rad/secとして、A=1x10−3とすると、結果的に、τはほぼ20msecとなる。従って、ダンパのコンダクタンスCか、測定チャンバの体積Vかのいずれか、又は、その両方を操作することにより、τがほぼ20msecである結果として、300Hzよりも大きなチャンバの中の圧力変動の周波数成分を1x10−3よりも小さく押さえることができる。
【0037】
図5に示された実施例では、装置100は、更に、測定チャンバ102の入口にフロー・センサ130を含む。フロー・センサ130は、チャンバ102の中への気体の流率を測定して、その流率に対応するフロー信号132を信号プロセッサ106に提供する。この実施例は、また、チャンバ102からの出口気体フローを許容する出口ポート134と、出口ポート134にあり出口気体フロー136を制御する弁138とを含む。信号プロセッサ106は、フロー・センサ130からのフロー信号132と、信号プロセッサ106が圧力信号116から導く時間導関数とを組み合わせ、その組合せから出口気体フロー136の評価値を計算する。信号プロセッサ106は、数式1を用い、変数Q(t)の代わりに[Qin(t)−Qout(t)]を代入することによって、その評価値を計算する。信号プロセッサ106は、Qin(t)に対してフロー・センサ130の出力を用い、Qout(t)を求める。この実施例に関する追加的な詳細は、「Apparatus and Method for Pressure Fluctuation Insensitive Mass Flow Control」と題する同時出願中の米国特許出願第10/178、721号に記載がある。図5に示された実施例では、ダンパ108は、フロー・センサ130に先だって置かれている。すなわち、貯留槽114からの入口気体フロー112は、フロー・センサ130に到達する前にダンパ108を通過する。他の実施例では、ダンパ108は、フロー・センサ130の後に置くことも可能であり、その場合には、フロー・センサ130ではなくて圧力センサ104だけが結果的な減衰効果を経験することになる。
【0038】
本発明は、その精神すなわち本質的な特徴から逸脱することなく、これ以外の形式で実現することも可能である。従って、以上の実施例は、例示的であって制限的ではないと考えられるべきであり、本発明の範囲は、これまでの実施例の説明によってではなく、暴投の特許請求の範囲によって定められるものである。従って、特許請求の範囲の均等の意味及び範囲に属するすべての変更は、従って、特許請求の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来技術による圧力測定システムのブロック図を示している。
【図2】より高い周波数における従来技術によるデジタル微分器のロールオフ性能を示す。
【図3】気体フローを調節してその気体フローに関連する圧力変化率の測定を改善する装置の好適実施例のブロック図を示している。
【図4】図3に示されているダンパが急速な圧力変化をどのように減衰するのかを図解している。
【図5】入口及び出口ポートにフロー・センサを有している図3の装置の実施例を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体フローを調節して前記気体フローに関連する圧力変化率の測定を改善する装置であって、
内部体積に特長付けられた内部部分と前記気体フローを受け取る入口ポートとを有する測定チャンバと、
前記測定チャンバの前記内部部分の中の圧力を感知して、前記測定チャンバの中の圧力に対応する圧力信号を生じる圧力センサと、
前記圧力信号を受け取り、あるサンプリング周波数でサンプリングし、フィルタリングしてサンプリングした圧力信号を生じ、前記サンプリングされた圧力信号の時間導関数を計算する信号プロセッサと、
前記入口ポート配置された入口ダンパであって、前記気体フローは前記入口ポートを通過する前に少なくとも部分的にはこの入口ダンパを通過して前記測定チャンバの中へ流れるように構成され調整されており、前記気体フローの1又は複数の特性をこの入口ダンパの両端の間の圧力低下の関数としてダンパ伝達関数に従って修正する入口ダンパと、
を備えており、前記内部体積と前記ダンパ伝達関数とは、前記測定チャンバの中の圧力の変動に関連する周波数を前記サンプリング周波数の所定の分数に制限するように選択されることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、前記圧力センサは前記測定チャンバの前記内部部分の中に配置されていることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、前記圧力センサは、前記入口ポートに配置され、入口フロー圧力に対応する圧力信号を生じることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1記載の装置において、前記ダンパ伝達関数は、(i)前記入口ダンパの両端での圧力低下と(ii)前記入口ダンパを通過する気体フローとの間の線形の関係を記述することを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、前記ダンパ伝達関数は、(i)前記入口ダンパの両端での圧力低下と(ii)前記入口ダンパを通過する気体フローとの間の非線形の関係を記述することを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1記載の装置において、前記サンプリング周波数の所定の分数は、前記サンプリングされた圧力信号の時間導関数を計算する信号プロセッサと関連する性能限度に対応することを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、前記サンプリング周波数の所定の分数は約0.4であることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1記載の装置において、
前記入口ポートを通過する気体フローを測定し前記入口ポートを通過する気体フローに対応するフロー信号を生じるフロー・センサと、
前記測定チャンバ上にあり出口気体フローを通過させる出口ポートと、
前記出口ポートに配置され前記出口気体フローを制御する弁と、
を更に備えており、前記信号プロセッサは、(i)前記フロー信号を前記サンプリングされた圧力信号の時間導関数と組み合わせて前記出口気体フローの評価を生じ、(ii)前記弁を前記評価の関数として制御して、実質的に一定の出口気体フローを生じることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置において、前記ダンパは前記フロー・センサの前に配置されることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項8記載の装置において、前記ダンパは前記フロー・センサの後であり前記圧力センサの前に配置されることを特徴とする装置。
【請求項11】
気体フローを調節して前記気体フローに関連する圧力変化率の測定を改善する方法であって、
内部体積に特長付けられた内部部分と前記気体フローを受け取る入口ポートとを有する測定チャンバを提供するステップと、
前記測定チャンバの前記内部部分の中の圧力を感知して、前記測定チャンバの中の圧力に対応する圧力信号を生じるステップと、
前記圧力信号をあるサンプリング周波数でサンプリングし、フィルタリングして、サンプリングされた圧力信号を生じ、前記サンプリングされた圧力信号の時間導関数を計算するステップと、
前記入口ポート配置された入口ダンパを介して前記気体フローを減衰し、前記気体フローは前記入口ポートを通過する前に少なくとも部分的にはこの入口ダンパを通過して前記測定チャンバの中へ流れるように構成され調整されており、前記気体フローの1又は複数の特性を前記入口ダンパの両端の間の圧力低下の関数としてダンパ伝達関数に従って修正するステップと、
前記測定チャンバの中の圧力の変動に関連する周波数を前記サンプリング周波数の所定の分数に制限するように、前記内部体積と前記ダンパ伝達関数とを選択するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法において、前記圧力センサを前記測定チャンバの前記内部部分の中に配置するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項11記載の方法において、前記圧力センサを前記入口ポートに配置するステップを更に含み、よって、前記圧力センサが入口フロー圧力に対応する圧力信号を生じるようにすることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項11記載の方法において、(i)前記入口ダンパの両端での圧力低下と(ii)前記入口ダンパを通過する気体フローとの間の線形の関係を記述するダンパ伝達関数を提供するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項11記載の方法において、(i)前記入口ダンパの両端での圧力低下と(ii)前記入口ダンパを通過する気体フローとの間の非線形の関係を記述するダンパ伝達関数を提供するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項11記載の方法において、前記測定チャンバの中の圧力変動に関連する周波数を前記サンプリングされた圧力信号の時間導関数を計算する信号プロセッサと関連する性能限度に対応するサンプリング周波数の所定の分数に制限するように、前記内部体積と前記ダンパ伝達関数とを選択するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項11記載の方法において、前記測定チャンバの中の圧力変動に関連する周波数を前記サンプリング周波数の約0.4のサンプリング周波数の所定の分数に制限するように、前記内部体積と前記ダンパ伝達関数とを選択するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項11記載の方法において、
前記入口ポートを通過する気体フローを測定し前記入口ポートを通過する気体フローに対応するフロー信号を生じるステップと、
前記測定チャンバ上に、出口気体フローを通過させる出口気体フローを提供するステップと、
前記フロー信号を前記サンプリングされた圧力信号の時間導関数と組み合わせて前記出口気体フローの評価を生じるステップと、
前記出口ポートにおける前記出口気体フローを前記評価の関数として制御して、実質的に一定の出口気体フローを生じるステップと、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、前記ダンパを前記フロー・センサの前に配置するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項18記載の方法において、前記ダンパを前記フロー・センサの後であり前記圧力センサの前に配置するステップを更に含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−523309(P2006−523309A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508717(P2006−508717)
【出願日】平成16年2月11日(2004.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/004024
【国際公開番号】WO2004/095155
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】