説明

気体中で分析するための熱電バイオセンサー

気体中の少なくとも1つの分析対象物を検出するためのバイオセンサーは、捕捉装置と、熱電センサーと、第1のリードおよび第2のリードの第1の末端に取り付けられているマイクロプロセッサーを含み、2本のリードは、差が分析対象物の濃度に変換され、電子ディスプレイに示されるサーモパイルの2つの接触パッドに取り付けられている第2の末端を有する。熱電センサーは、少なくとも1つの反応体の層と、少なくとも1つのサーモパイルと、断熱材を有する。反応体と分析対象物は熱を産生または消費し、サーモパイルに伝達されて、電圧差を生じ、マイクロプロセッサーに電圧を分析対象物の表示に変換させる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、一般に気体中の分析対象物を検出する装置および方法に関し、さらに具体的には、例えば、糖尿病または体重低下においてケトン産生をモニターするために呼気中のアセトンを測定するための熱電バイオセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
細胞のグルコース濃度が低下すると、生体は脂肪を代謝してエネルギーを生じる。ケトンは、この脂肪代謝の副産物である。特に、3つのケトン体が形成される:β−ヒドロキシブチレート(β−HBA)、アセトアセテートおよびアセトン。糖尿病では、インスリンレベルが低く、血中グルコースレベルが高いと、大量のケトンが血流中に放出されることが多い。これは、おそらく、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)を生じると思われる。
【0003】
DKA患者は、典型的に、悪心、疲労、呼吸促迫を経験し、呼気に果物臭がする。臨床医および他の訓練を受けた人にとっては、この果物臭は明確で、肺胞気内に放出される揮発性ケトン体であるアセトンに起因する。肺胞のアセトン濃度は正確な測定値であり、血流中のケトン体を描写するものである。
【0004】
糖尿病は、DKAなどの状態について強く警告されている。未治療のDKAはカタレプシーまたは死亡に至ることもある。しかし、ケトンレベルをモニターし、高いケトン値が速やかに医療従事者に報告されれば、DKAは予防可能性が高い。現在のケトン測定方法は血液および尿分析である。現在の血液試験は正確である;しかし、それらの侵襲性は望ましくなく、患者に治療の遅延を生じることが多い。流血のためのランセット、試験ストリップ、特殊な装置および電池を含む数多くの製品を必要とするので、血液試験は費用もかさむ。尿分析は、いくつかの検討が示しているように、膀胱の停滞していた尿を単にモニターするだけであるので、生体のそのときの血中ケトンレベルのすぐれた表示にならない。米国における糖尿病の流行は驚異的な医療費の原因となっており、ケトンの綿密なモニタリングおよび管理によって制限することができる。
【0005】
ケトンのモニタリングはまた、食餌療法中に栄養士が脂肪燃焼をモニターするためのツールとして認識されているようになっている。食餌療法中の人は、必要量より少ないカロリーを摂取する。他の必要なカロリーは、生体内の脂肪代謝から得られる。呼気中のアセトン濃度は、カロリー消失中の脂肪燃焼のすぐれた表示であることをいくつかの検討が示している。呼気中のアセトンと平均脂肪消失の直接的な相関が確立されている。肥満は数が増え続けており、今や流行病レベルに達しており、結果として医療従事者の大きな関心事となっている。肥満を治療し、肥満者の健康的な体重低下プログラムを促進するのに多大な努力が払われている。体重は、水分の損失/獲得、筋肉の発達および他の因子によっても変動するので、従来の体重−スケールリーディングは脂肪消失を正確に反映していない。肥満の治療のためには、個人の生理機能に体重管理プランを適合させるために、脂肪燃焼を測定するセンサーが必要とされる。非侵襲的で、高価ではなく、使用が容易なアセトンセンサーが、脂肪代謝をモニターしようとしている栄養士、食餌療法士および肥満者の適当なツールとなると思われる。
【0006】
空気中の分析対象物を測定するためのいくつかのシステムは、電気化学的原理(1996年11月5日にGoldstar Co.,Ltd.に付与された米国特許第5,571,395号)および赤外検出(1983年7月5日にCal Detect,Inc.に付与された米国特許第4,391,777号)で作動する。2003年12月9日にCyrano Sciences,Inc.に付与された米国特許第6,658,915号は、空気で運ばれる物質を検出するための化学物質感知式レジスタを有し、電源の使用を必要とする。
【0007】
必要とされているものは、流体、特に気体中の分析対象物を測定する、電源を必要としない迅速で、高価でなく、非侵襲的な方法である。
【発明の開示】
【0008】
一実施態様において、気体中の少なくとも1つの分析対象物を検出するためのバイオセンサーが提供される。本発明のバイオセンサーは、捕捉装置と、熱電センサーと、マイクロプロセッサーを含む。センサーは少なくとも1つの分析対象物反応体の層と、少なくとも1つのサーモパイルを有する。マイクロプロセッサーは、第1のリードおよび第2のリードの第1の末端に取り付けられており、第1のリードは、サーモパイル接触パッドの1つに取り付けられている第2の末端を有し、第2のリードは、他のサーモパイル接触パッドに取り付けられている第2の末端を有する。分析対象物を含有する気体が捕捉装置を通過すると、分析対象物が反応体と接触され、反応体は熱を産生または消費し、サーモパイルに伝達されて、マイクロプロセッサーにおいて電圧差を記録し、電圧を変換し、分析対象物の存在を示す。
【0009】
必要に応じて、反応体は、化学的反応物質、触媒、吸着剤、吸収剤、気化剤またはそれらの組み合わせから選択される。
【0010】
別の実施態様において、センサーは、各々が同じまたは異なる反応体を有し、各々独立に、2本のリードによってマイクロプロセッサーに接続されており、それによって1つまたは2つ以上の分析対象物の表示を提供する2つ以上のサーモパイルを有することができる。
【0011】
一実施態様において、反応体は、次亜塩素酸ナトリウム、塩、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩化ニトロシル、クロロホルムまたはその組み合わせから選択される。
【0012】
別の実施態様において、バイオセンサーの反応体は、次亜塩素酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩、塩化ニトロシル、クロロホルムまたはその組み合わせから選択される。
【0013】
別の実施態様において、バイオセンサーのマイクロプロセッサーは、電子ディスプレイ、ノイズメーカー、他の出力またはその組み合わせとも連絡している。
【0014】
別の実施態様において、分析対象物はアセトンであり、その存在が血流中のケトンの存在を示す。
【0015】
別の実施態様において、反応体はエタノールおよびアルカンに特異的であり、その存在が乳癌および移植拒絶などの種々の病態を示すことができる。
【0016】
他の実施態様において、反応体が、空気で運ばれる環境有害物質または有害物質の部類、化学兵器、生物兵器および他の空気で運ばれる気体混合物の成分に特異的となりうる。
【0017】
別の実施態様において、サーモパイルは、ビスマス/アンチモン、他の金属、合金、半導体材料または液体熱電材料から製造される。
【0018】
さらに別の実施態様において、分析対象物反応体は、細胞、細胞小器官、微生物または遺伝子組み換え生物を含む生物学的に活性な材料を含む。
【0019】
別の実施態様において、気流中に存在する関心対象の分析対象物以外の化合物が、熱の発生または消費を促進する。
【0020】
別の実施態様において、気流は液体と交換される。
【0021】
別の実施態様において、熱電センサーによって空気で運ばれる分析対象物を検出する方法が提供される。本発明の方法は、分析対象物と合わされたとき、熱を発生または消費する少なくとも1つの分析対象物反応体の層を有する熱電センサーと、熱の変化が伝えられ、次いで電圧差を記録する少なくとも1つのサーモパイルと、第1のリードの第1の末端と第2のリードの第2の末端とに取り付けられているマイクロプロセッサーであって、前記第1のリードは、サーモパイルの接触パッドの1つに取り付けられている第2の末端を有し、前記第2のリードは、サーモパイルの第2の接触パッドに取り付けられている第2の末端を有し、信号装置にも連絡しているマイクロプロセッサーとを提供するステップを含む。次のステップは、空気で運ばれる分析対象物を含有する気流を熱電センサーに通すステップと、空気で運ばれる分析対象物の存在を示すステップとを含む。
【0022】
熱電センサーを提供するステップが、アセトンに特異的な分析対象物反応体を提供するステップを含み、提供されるディスプレイがアセトンの存在を示し、それによって脂肪の燃焼が示される。
【0023】
別の実施態様において、提供される熱電センサーは、2以上のサーモパイルを有し、該サーモパイルの各々が同じまたは異なる分析対象物反応体を有し、各々が2本のリードによってマイクロプロセッサーに接続されており、1つまたは2つ以上の空気で運ばれる分析対象物の存在が示される。
【0024】
別の実施態様において、空気で運ばれる分析対象物の存在を示すステップは、分析対象物の濃度を示すステップも含む。
【0025】
さらに別の実施態様において、呼気中の少なくとも1種のケトンおよび脂肪−燃焼状態の発生を検出するためのバイオセンサーが提供される。本発明のバイオセンサーは、捕捉装置と、熱電センサーと、マイクロプロセッサーと、ディスプレイを有する。センサーは、ケトンに特異的な少なくとも1つの反応体の層と第1および第2の接触パッドを有する少なくとも1つのサーモパイルを含む。マイクロプロセッサーは第1のリードおよび第2のリードの第1の末端に取り付けられており、第1のリードは第1のサーモパイル接触パッドに取り付けられている第2の末端を有し、第2のリードは第2のサーモパイル接触パッドに取り付けられている第2の末端を有する。ディスプレイは、少なくとも1種のケトンの存在または量を示すマイクロプロセッサーに接続されている。
【0026】
別の実施態様において、反応体は、化学的反応物質、触媒、吸着剤、吸収剤、気化剤またはそれらの組み合わせから選択される。選択的に、バイオセンサーは、2つ以上のサーモパイルを有し、該サーモパイルは、各々が、同じまたは異なる反応体と接触しており、各々独立に、2本のリードによってマイクロプロセッサーに接続されている。反応体は、次亜塩素酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩、塩化ニトロシル、クロロホルムまたはその組み合わせから選択される。マイクロプロセッサーは、電子ディスプレイ、ノイズメーカー、他の出力またはその組み合わせとも連絡している。分析対象物はアセトンであってもよく、その存在が血流中のケトンの存在を示す。サーモパイルは、ビスマス/アンチモン、他の金属、合金、半導体材料または液体熱電材料を含む。分析対象物反応体は、細胞、細胞小器官、微生物または遺伝子組み換え生物を含む生物学的に活性な材料を含んでもよい。選択的に、バイオセンサーは、熱の発生または消費を促進する、気流中に存在する関心対象の分析対象物以外の少なくとも1種の化合物を有する。
【0027】
さらに別の実施態様において、空気中の揮発性環境有害物質または有害物質の部類ならびに化学兵器および生物兵器の少なくとも1つを検出するためのバイオセンサーが開示されている。バイオセンサーは、熱電センサーと、電圧変化を少なくとも1つのサーモパイルからマイクロプロセッサーに伝える手段と、少なくとも1つのサーモパイルからの電圧変化を処理することができるマイクロプロセッサーと、処理された情報をマイクロプロセッサーから信号出力装置に伝達する手段と、信号出力装置を含む。センサーは、物質に特異的な少なくとも1つの反応体の層と、第1および第2の接触パッドを有し、該パッド間に電圧変化を発生することができる少なくとも1つのサーモパイルを有する。
【0028】
他の実施態様において、マイクロプロセッサーは、さらに、少なくとも1つのサーモパイルの位置および電圧変化と位置の相関について予めプログラムされている。反応体は、化学的反応物質、触媒、吸着剤、吸収剤、気化剤またはそれらの組み合わせから選択される。各々が同じまたは異なる反応体を有する2つ以上のサーモパイルは、各々独立に、電圧をマイクロプロセッサーに伝達する。信号出力装置は、電子ディスプレイ、ノイズメーカー、他の出力またはその組み合わせであってもよい。サーモパイルは、ビスマス/アンチモン、他の金属、合金、半導体材料または液体熱電材料から製造することができる。分析対象物反応体は、細胞、細胞小器官、微生物または遺伝子組み換え生物などの生物学的に活性な材料であってもよい。必要に応じて、気流中に存在する関心対象の分析対象物以外の化合物は熱の発生または消費を促進する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
生体の呼気または他の流体混合物内に含有される生化学または化学物質の濃度を評価する測定装置が必要である。ほとんどのバイオセンサーおよび化学センサーは流体中の分析対象物だけを検出している。本発明は、有利なことに、電源を必要としない内蔵型装置である熱電空気分析装置を開示する。それは非侵襲的で、血流中の分析対象物の表示を提供するが、血流にはアクセスしない。
【0030】
200を超える分析対象物がヒトの呼気中で同定されている。例として、ペンタン(およびアルカンファミリーの他のメンバー)、イソプレン、ベンゼン、アセトン(およびケトンファミリーの他のメンバー)、アルコール(エタノール、メタノール、イソプロパノール等)、アンモニア(特に、尿毒症および腎不全において)、逆流、薬物適用(特に高濃度)および一般的なアルコール検出システムを妨げる物質(例えば、アセトン、アセトアルデヒド、アセトニトリル、塩化メチレン、メチルエチルケトン、トルエン等)が挙げられるが、これらに限定されない。分析対象物は、検出されるのに血流から肺胞に気化される必要はない;水蒸気で搬送される非−気化物質も検出することができる。
【0031】
操作時には、バイオセンサーは、未知量の分析対象物、例えば、アセトンを含有する気体または呼気を収容する。空気は、アセトンが相互作用する共−反応体である、触媒吸収材などの反応体を通過する。相互作用は発熱反応または吸熱反応であり、それによってサーモパイルの伝導性の高い金属に温度勾配を生じる。2つ以上の相互作用が同時に生じることもあり、発生または消費される熱の量を増加する。2種以上の反応体が1つの表面に沈着されてもまたは連続反応が生じてもよい。分析対象物相互作用については、その分析対象物が律速物質であることが望ましい。
【0032】
発生される熱は、サーモパイルの2つの接触パッド間に電圧差を誘導する。測定される電圧は、分析対象物相互作用によって発生または消費される熱に比例し、分析対象物の量に関連する。
【0033】
温度勾配が、金属などの導電物質に形成されると、電子は温度が低い領域の方向に移動する傾向がある。この移動は両極間に電位差を生ずる。装置の電圧は、ゼーベック効果:V12=S12(T2−T1)により電子運動を推進する温度勾配に比例する。電圧は3つのもの:(a)温度差、T2−T1、(b)直列に取り付けられている熱電対の数および(c)2つの金属のEMFまたはゼーベック係数に比例する。EMF=n**(t2−t1)(式中、n=サーモパイルの数)。最も大きい熱電EMFを有する2つの金属はアンチモンおよびビスマスである。
【0034】
この影響を測定するためのすぐれたセンサーは熱電対であり、特に直列に接続されてサーモパイルを形成する熱電対である。2つの一般的な形態のサーモパイルを図1および2に略図で示す。特定のサーモパイルについて金属を選択することができるので、正確な幾何学的構造は異なることがある。2つ以上の金属を熱電接合部において接続してもよい。純金属の代替物として、サーモパイルを合金、半導体材料、液体熱電材料または他の材料を用いて構築することができ、サーモパイルを構築するために通常使用されるドーパントを用いてもよい。本発明は、サーモパイルに使用される材料に限定されない。本発明では、発生または消費される熱は感知接合部に影響するが、基準接合部に直接影響せず、電位差を生じることを可能にする。または、化学反応物質または吸着剤を基準接合部に配置してもよい。この場合には、発生される熱は測定接合部に直接影響しない。これらの構成の両方において、電圧は2つの接触パッドの間で測定される。
【0035】
また、2つ以上のサーモパイルをアレイ状に接続してもよい。いくつかのサーモパイルは、同じ分析対象物を検出するために同じ反応体を有してもよい;それらの電圧はマイクロプロセッサーで平均化してもよく、その結果としてノイズの影響は容易に低下されると思われる。いくつかのサーモパイルは、種々の反応体で1つの分析対象物を検出してもよい。他の例では、いくつかの分析対象物の選択性が異なる反応体/吸着体によって決定されるように、アレイ内の各サーモパイルを異なる物質でコーティングしてもよい。アレイ内の個々のサーモパイルの電圧から、各分析対象物または分析対象物の組み合わせのフィンガープリントパターンを判定することができる。後者の例は、種々の病態のフィンガープリントが明らかにされるように、エタノールおよびアルカンに特異的な反応体の提供である。このような病態には、乳癌および移植拒絶が挙げられる。
【0036】
分析対象物の存在によって発生される熱は、種々の方法による分析対象物相互作用によって生じうる。分析対象物−反応体は、種々の方法のいずれかによって熱を発生する。該種々の方法とは、限定されないが、化学反応、吸着、吸収、気化、それらの組み合わせまたは分析対象物が反応体と接触する場合に熱を発生する任意の他の方法を含む。DNAおよびRNAハイブリダイゼーション、タンパク質相互作用、抗体−抗原反応などの生化学反応も、このシステムにおいて熱を発生または損失するために使用されうる。分析対象物は、化学物質だけでなく、生体系の物質または生体系自体と相互作用することができる。例として、微生物、細胞、細胞小器官およびそれらの遺伝子組み換え体が挙げられるが、これらに限定されない。限定されないが、環境有害物質、化学兵器および生物兵器を含む化学物質は、細胞を死滅させまたは小器官の機能を損傷させ、従ってシステムの熱を低下することができる。分析対象物の相互作用は、酸素、窒素、二酸化炭素および水を含むが、これらに限定されない、空気中の他の物質との相互作用に関係することもある。
【0037】
他のバイオセンサーは、他の分析対象物を検出することができる。例えば、アルコールは、三酸化クロムなどの化学物質またはアルコール脱水素酵素、アルコールオキシダーゼ、アセトアルコールオキシダーゼなどの酵素と相互作用することができる。
【0038】
反応体は、吸着剤であってもよい。該吸着剤としては、限定されないが、活性炭、シリカゲルおよび白金黒を含む。好適な化学的試薬には、ハロゲン化合物(HClおよびCl2)、ハロゲン化化合物を含む活性炭、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、ナトリウムモノクロロ−s−トリアジメチオン(triazimethione)、ナトリウムジクロロ−s−トリアジメチオン、ナトリウムトリクロロ−s−トリアジメチオンおよび三酸化クロム挙げられるが、これらに限定されない。好適な水素化試薬には、ラネーニッケルおよび白金触媒が挙げられる。
【0039】
環境化学物質が検出される予定である場合には、熱電センサーは遠隔測定装置の一部であってもよい。熱電センサーに、電波などの信号をマイクロプロセッサーに伝達するための増幅器が存在してもよい。増幅器は、熱電センサーとは異なり、電池または太陽電池などの電源を必要とすることがある。
【0040】
マイクロプロセッサーは、上記の遠隔装置におけるように、2本のリードまたは他の伝達システムによってサーモパイルに接続される。マイクロプロセッサーは当技術分野において既知であり、当業者によって容易に選択することができる。マイクロプロセッサーは、電気信号または他の信号を分析対象物の存在、量または他の出力の表示に変換するようにプログラムされている。マイクロプロセッサーは、適宜、遠隔装置の2つ以上のセンサーの1つの位置または同じもしくは異なる分析対象物のための2つ以上のセンサーの信号の組み合わせを評価するようにプログラムすることができる。マイクロプロセッサーは、制御ループを形成するまたはフィードバックを提供するようにプログラムすることができる。他の場合において、マイクロプロセッサーはデータを分析し、命令を送信して、薬物送達装置または他の種類の医療装置を作動する。ほとんどの場合において、マイクロプロセッサーは信号をインジケーターに送信する。インジケーターは、マイクロプロセッサーの一体部分であってもまたは別個の部分であってもよい。
【0041】
サーモパイルのアレイが、マイクロプロセッサーで処理するための2つ以上のメッセージを送信する場合には、インジケーターは、分析対象物の存在、分析対象物のレベルまたは診断を示すディスプレイであってもよい。ケトンが分析対象物である場合には、糖尿病性ケトアシドーシスの重篤度または脂肪燃焼の成功のためのカラーインジケーターが存在してもよい。インジケーターは、特に環境有害物質または生物兵器による危機にはアラームであってもよい。インジケーターは上記のいずれかの組み合わせであってもよい。
【0042】
本発明のバイオセンサーは、種々の適用のためのマイクロ流動装置に使用することができる。種々の適用とは、生化学的分析、薬物試験、血液化学分析、医学的診断、法医学および薬学的スクリーニングを含むが、これらに限定されない。マイクロ流動装置は、液体および気体の両方を分析するために使用することができる。マイクロ流動装置は、非常に短時間で、非常に狭い空間で2つ以上の処理を実施する能力により最近大きな関心を集めた。本発明のサーモパイルを使用するセンサーは、分析対象物を検出または測定する感知モダリティとしてマイクロ流動装置に使用するのに理想的に好適である。サーモパイルに電力を供給する必要がないということは、これらの適用において特に有利である。
【実施例1】
【0043】
図3は、熱電バイオセンサー10の一般的なシステムを示す。図の真ん中の部分は、ディスプレイ(示していない)が突出している捕捉チューブ20に人が吹き込んでいるところを示している。呼気は、空気中または気体混合物中のケトンと相互作用する反応体(例えば、化学物質、触媒および/または吸収剤)の層40を流動する。反応物が形成するまたはアセトンが吸収されると、熱が発生または消費され、結果として生じる温度変化がサーモパイル層50および60によって電圧差に変換される。ディスプレイ付きのマイクロプロセッサーは、2つのリード線を有し、1つはサーモパイル接触パッドの一方に、他方は第2のサーモパイル接触パッドに接続しており、2つのサーモパイル接触パッド間の電圧の差を記録し、電圧差を百万分率(PPM)のアセトン含量または他の使いやすい信号に変換する。
【0044】
ケトンとの相互作用については、アセトンと接触したとき、かなりの熱を発生するまたはかなりの熱を消費する任意の反応物、触媒、酵素または吸着剤は、サーモパイルのアクティブな接合物(測定用または基準)に固定する有望な候補である。同様に、候補は、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(トロクロセンナトリウムおよびナトリウムジクロロ−s−トリアジントリオンとしても既知)、ナトリウムモノクロロ−s−トリアジンメチオン、ナトリウムトリクロロ−s−トリアジンメチオン、次亜塩素酸カルシウム(Ca(OCl)2)、塩(NaCl)、塩化ニトロシル(CINO)および塩基の存在下におけるクロロホルムである。
【0045】
第1の相互作用の生成物が形成すると、生成物は、場合によっては、二次的な相互作用の開始のための共−反応物として使用され、温度変化および熱電的影響を「増幅」することができると思われる。
【0046】
捕捉チューブは、熱の発生または消失過程を妨害しない金属またはプラスチックなどの任意の堅い材料から製造することができる。図3の形状は円筒のものであるが、捕捉チューブは、例えば、立方形の幾何学を含む他の幾何学で製造されてもよい。それはまた一方の末端に細いマウスピースを有してもよい。メインチューブは再使用用に製造することができ、マウスピースは離脱式で、交換可能であってもよい。または、捕捉チューブはマウスピースと同じくらいの細さであってもよい。捕捉チューブの内側は、好ましくは、流入する空気が、サーモパイルおよび固定されている反応体の表面を層流することができるように形作られる。層流はバックグラウンドの熱雑音を最小にし、信号対雑音比を大きくするので、この場合には特に望ましい。層流は、サーモパイルのところで十分に形成されてもまたはされなくてもよい。一部の分析対象物および流体では、分析対象物の流体のサーモパイルの通過は乱流であることがある。バイオセンサーが外気に接触する必要がある環境有害物質については、捕捉チューブは、風雨、特に塵埃からセンサーを保護するための被覆シェルターだけからなってもよい。
【0047】
本発明の実施を縮小する際には、図1に示す構成を使用して50のサーモパイル接合部を有するサーモパイルデザインを使用する。最小限では、少なくとも2つの接合物が存在する必要がある。接合物の最大数は、接合部の数が大きくなるにつれて増加するサーモパイルの電気抵抗によって制限される。2つのサーモパイル層内の物質は異なり、種々の金属、合金、半導体材料、液体熱電材料または他の材料から選択することができ、サーモパイルを構築するために通常使用されるドーパントは含んでもまたは含まなくてもよい。好ましい金属の組み合わせはアンチモン−ビスマスである。Sb−Biフィルムは特に高熱熱電EMFを有する。金属層の厚さは、典型的には、薄い。サーモパイルの金属層は、基板に2種類の金属を連続的に蒸着することによって形成することができる。基板の一方の側は蒸着した第1の金属に接触している。基板の他方の側は、熱の損失を最小にするための断熱材に接触して配置することができる。例えば、MYLAR(登録商標)DuPontポリエステルフィルムまたはKAPTON(登録商標)DuPontポリイミドフィルムのような材料からなる通常非常に薄い基板が、その強度および低い熱伝導率のために選択される。
【実施例2】
【0048】
上記に開示するバイオセンサーを以下のように試験した。化学層をサーモパイルの上に付加する前に、1%アセトンを含有する空気混合物またはアセトンを含有しない空気混合物にサーモパイルを接触させた。結果を図4に示す。センサーの出力信号は、アセトン(グラフでは「Actn」と示す)と空気単独との間に差があるとは思われない非常に小さい電圧の変動として記録された。
【0049】
図5は、化学試薬をサーモパイルに適用後の結果を示す。正のピークは1%アセトンを含有する空気の適用に一致し、効果的な発熱反応を示している。負のピークはアセトンを含有しない空気へのバイオセンサーの接触に一致し、徐々に「0」に減少した。負のピークは逆の吸熱反応によると考えられる。
【0050】
図6は図4と図5の重ね合わせを示す。明らかに、試薬を固定したサーモパイルにアセトンを接触させると、大きな信号が検出される。化学層を有するサーモパイル応答のグラフと化学層のないサーモパイル応答のグラフの差は、電圧の大きな変動はアセトンと化学層の相互作用だけによることを示している。
【実施例3】
【0051】
図7および図8は、気体または液体に使用するための熱電センサーの他の2つの可能な配列を示す。なお、センサーは、具体的に設計されているものとの相互作用を制限し、流体による腐食を制限するために部材70で被覆されている。部材の下層に反応体80、サーモパイル材料1および2(それぞれ、90および100)、基板110ならびに断熱材120が存在する。センサーは、液体温度のサーモパイルへの直接伝達を制限するように断熱し、従って反応体−分析対象物の温度変化に対するサーモパイルの感度を上昇することができる。
【0052】
本発明は、手持ち型として十分に小型で軽量である改善された蒸気感知装置を提供することが上記の説明から理解されるべきである。呼気バイオセンサーの他の用途には、関心対象の化学物質および生化学物質について呼気をモニターすることが挙げられる。関心対象の化学物質および生化学物質としては、乳癌および移植拒絶などの種々の病態を示唆しうるエタノールおよびアルカンを含むが、これらに限定されない。バイオセンサーの化学層は、特定の揮発性および/または空気で運ばれる環境有害物質もしくは有害物質の部類、化学兵器、生物兵器およびその他の検出に値する可能性のある空気で運ばれるまたは気体混合物の成分と反応するように異なってもよい。
【0053】
本発明は、本発明の好ましい実施態様を参照して詳細に記載されているが、本発明から逸脱することなく種々の変更を加えることができることを当業者は理解している。従って、本発明は以下の特許請求の範囲によってのみ規定される。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】長方形のサーモパイルを示す略図である。
【図2】円形のサーモパイルを示す略図である。
【図3】人が、電子ディスプレイが存在するバイオセンサーに吹き込んでいることを示す。下はバイオセンサーの拡大略図である;矢印は呼気吹き込みの方向を示す;拡大熱電センサーが存在する。
【図4】1%アセトンの存在下および非存在下において、流動中の気流に対するむき出しのサーモパイルの応答を示すグラフである。
【図5】1%アセトンの存在下および非存在下において流動中の気流に対する化学物質をコーティングしたサーモパイルの応答を示すグラフである。
【図6】図4に図5を重ねたものを示す。明らかに、電流の変化は、全くサーモパイルに与えられる化学物質および熱による。
【図7】流体に使用するためのセンサーの略図である。
【図8】流体に使用するためのセンサーの略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体中の少なくとも1つの分析対象物を検出するためのバイオセンサーであって、
a. 捕捉装置と、
b. 温度を上昇または低下させる少なくとも1つの分析対象物反応体の層と少なくとも1つのサーモパイルを備える熱電センサーと、
c.第1のリードおよび第2のリードの第1の末端に取り付けられているマイクロプロセッサーであって、前記第1のリードが、第1のサーモパイル接触パッドに取り付けられている第2の末端を有し、前記第2のリードが、第2のサーモパイル接触パッドに取り付けられている第2の末端を有するマイクロプロセッサーと
を備え、
前記分析対象物を含有する気体が捕捉装置を通過することによって、前記分析対象物が前記反応体と接触し、この作用が熱を発生または消費して、前記サーモパイルに伝達され、次いで電圧差を前記マイクロプロセッサーに記録し、前記マイクロプロセッサーが電圧を変換し、前記分析対象物を示すバイオセンサー。
【請求項2】
前記反応体が、化学的反応物質、触媒、吸着剤、吸収剤、気化剤またはそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項3】
各々が同じまたは異なる反応体を有する2つ以上のサーモパイルが、各々独立に、2本のリードによって前記マイクロプロセッサーに接続されている、請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項4】
前記反応体が、次亜塩素酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、モノクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩、塩化ニトロシル、クロロホルムまたはその組み合わせから選択される、請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項5】
前記マイクロプロセッサーが、電子ディスプレイ、ノイズメーカー、他の出力またはその組み合わせとも連絡している、請求項1および4に記載のバイオセンサー。
【請求項6】
前記分析対象物が、アセトンであり、その存在が血流中のケトンの存在を示す、請求項1および4に記載のバイオセンサー。
【請求項7】
前記分析対象物が、アルコールであり、前記反応体が、三酸化クロム、アルコール脱水素酵素、アルコールオキシダーゼ、アセトアルコールオキシダーゼまたはそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項8】
前記反応体が、エタノールおよびアルカンに特異的であり、それによって、乳癌および移植拒絶などの種々の病態を示す、請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項9】
前記反応体が、空気で運ばれる環境有害物質または有害物質の部類、化学兵器、生物兵器および他の空気で運ばれる気体混合物の成分に特異的であり、それによってこれらの化合物を検出する、請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項10】
前記サーモパイルが、ビスマス/アンチモン、他の金属、合金、半導体材料または液体熱電材料を含む、請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項11】
前記分析対象物反応体が、細胞、細胞小器官、微生物または遺伝子組み換え生物を含む生物学的に活性な材料を含む、請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項12】
前記空気流中に存在する関心対象の前記分析対象物以外の化合物が、熱の発生または消費を促進する、請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項13】
前記気流が液体に置換される、請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項14】
熱電センサーによって空気で運ばれる分析対象物を検出する方法であって、
a.i.前記分析対象物と合わされたとき、熱を発生または消費する少なくとも1つの分析対象物反応体の層と、
ii.前記熱の変化が伝達され、次いで電圧差を記録する少なくとも1つのサーモパイルと、
iii.第1のリードおよび第2のリードの第1の末端に取り付けられているマイクロプロセッサーであって、前記第1のリードが、第1のサーモパイル接触パッドに取り付けられている第2の末端を有し、前記第2のリードが、第2のサーモパイル接触パッドに取り付けられている第2の末端を有し、信号装置にも連絡しているマイクロプロセッサーと
を備える熱電センサーを提供するステップと、
b.空気で運ばれる分析対象物を含有する空気流を熱電センサーに通すステップと、
c.空気で運ばれる前記分析対象物の存在または量を示すステップと
を含む方法。
【請求項15】
前記熱電センサーを提供するステップaが、アセトンに特異的な分析対象物反応体を提供するステップを含み、ステップcがアセトンの存在を示し、それによって脂肪の燃焼を示すディスプレイを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
提供される前記熱電センサーが、各々同じまたは異なる分析対象物反応体を有し、各々2本のリードによって前記マイクロプロセッサーに接続されている2つ以上のサーモパイルを有し、それによって1つまたは2つ以上の空気で運ばれる分析対象物の存在を示す、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
ステップcが、前記分析対象物の濃度を示すステップも含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
呼気中の少なくとも1種のケトンおよび脂肪−燃焼状態の発生を検出するためのバイオセンサーであって、
a. 捕捉装置と、
b. ケトンに特異的な少なくとも1つの反応体の層と第1および第2の接触パッドとを有する少なくとも1つのサーモパイルを備える熱電センサーと、
c.第1のリードおよび第2のリードの第1の末端に取り付けられているマイクロプロセッサーであって、前記第1のリードが、第1のサーモパイル接触パッドに取り付けられている第2の末端を有し、前記第2のリードが、第2のサーモパイル接触パッドに取り付けられている第2の末端を有するマイクロプロセッサーと、
d.少なくとも1種のケトンの存在または量を示すためにマイクロプロセッサーに接続されているディスプレイと
を備え、
少なくとも1種のケトンを含有する呼気が前記捕捉装置を通過することによって、前記ケトンを前記反応体と接触し、それによって熱を発生または消費し、その熱が前記サーモパイルに伝達し、該サーモパイルの接触パッド間に電圧差を記録し、該電圧差をマイクロプロセッサーが、呼気中の少なくとも1種のケトンを示すように変換するバイオセンサー。
【請求項19】
前記反応体が、化学的反応物質、触媒、吸着剤、吸収剤、気化剤またはそれらの組み合わせから選択される、請求項18に記載のバイオセンサー。
【請求項20】
各々同じまたは異なる反応体と接触している2つ以上のサーモパイルが、各々独立に、2本のリードによって前記マイクロプロセッサーに接続されている、請求項18に記載のバイオセンサー。
【請求項21】
前記反応体が、次亜塩素酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩、塩化ニトロシル、クロロホルムまたはその組み合わせから選択される、請求項18に記載のバイオセンサー。
【請求項22】
前記マイクロプロセッサーが、電子ディスプレイ、ノイズメーカー、他の出力またはその組み合わせとも連絡している、請求項18に記載のバイオセンサー。
【請求項23】
前記分析対象物が、アセトンであり、その存在が血流中のケトンの存在を示す、請求項18に記載のバイオセンサー。
【請求項24】
前記サーモパイルが、ビスマス/アンチモン、他の金属、合金、半導体材料または液体熱電材料を含む、請求項18に記載のバイオセンサー。
【請求項25】
前記分析対象物反応体が、細胞、細胞小器官、微生物または遺伝子組み換え生物を含む生物学的に活性な材料を含む、請求項18に記載のバイオセンサー。
【請求項26】
前記空気流中に存在する関心対象の前記分析対象物以外の化合物が、熱の発生または消費を促進する、請求項18に記載のバイオセンサー。
【請求項27】
空気中の揮発性環境有害物質または有害物質の部類ならびに化学兵器および生物兵器の少なくとも1つを検出するためのバイオセンサーであって、
a.物質に特異的な少なくとも1つの反応体層と、電圧変化が発生することができる第1および第2の接触パッドを有する少なくとも1つのサーモパイルとを含む熱電センサーと、
b.電圧変化を少なくとも1つのサーモパイルからマイクロプロセッサーに伝える手段と、
c.少なくとも1つのサーモパイルからの電圧変化を処理することができるマイクロプロセッサーと、
d.処理された情報をマイクロプロセッサーから信号出力装置に伝える手段と、
e.信号出力装置と
を備えるバイオセンサー。
【請求項28】
前記マイクロプロセッサーが、少なくとも1つのサーモパイルの位置、および、電圧変化と位置との相関についてさらに予めプログラムされている、請求項27に記載のバイオセンサー。
【請求項29】
前記反応体が、化学的反応物質、触媒、吸着剤、吸収剤、気化剤またはそれらの組み合わせから選択される、請求項27に記載のバイオセンサー。
【請求項30】
各々が同じまたは異なる反応体を有する2つ以上のサーモパイルが、各々独立に、電圧を前記マイクロプロセッサーに伝達する、請求項27に記載のバイオセンサー。
【請求項31】
前記信号出力装置が、電子ディスプレイ、ノイズメーカー、他の出力またはその組み合わせである、請求項27に記載のバイオセンサー。
【請求項32】
前記サーモパイルが、ビスマス/アンチモン、他の金属、合金、半導体材料または液体熱電材料を含む、請求項27に記載のバイオセンサー。
【請求項33】
前記分析対象物反応体が、細胞、細胞小器官、微生物または遺伝子組み換え生物を含む生物学的に活性な材料を含む、請求項27に記載のバイオセンサー。
【請求項34】
前記空気流中に存在する関心対象の前記分析対象物以外の化合物が、熱の発生または消費を促進する、請求項27に記載のバイオセンサー。
【請求項35】
各々が同じ反応体または同じ分析対象物特異性を有する2つ以上のサーモパイルが直列に接続されている、請求項1、18および27に記載のバイオセンサー。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−525646(P2007−525646A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514165(P2006−514165)
【出願日】平成16年4月28日(2004.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/013364
【国際公開番号】WO2004/097373
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(505403382)
【Fターム(参考)】