気体噴霧器および関連する容器システム
噴霧器は、区画を画定している本体を備える。管状のポートまたはチューブは、本体と結合されている。管状のポートまたはチューブは、本体の区画と連通する通路を画定する。本体の少なくとも一部分は、第1の噴霧シートを備える。第1のスパリングシートは、通路を通って本体の区画内へ通過する気体が第1の噴霧シートを通り抜けることによって区画を出ることができるように、気体透過性材料の可撓性のシートを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体噴霧器、および気体噴霧器を組み込んでいる容器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
噴霧器は、細胞を含む培養培地へ、制御された容積の気体を移送するために、バイオリアクタ内で通常使用されている。一部では、気体は、条件が細胞成長のために最適であるように、培養培地内の酸素の分圧を制御するために、および培養培地のpHおよびその他のペリメータを制御するために、使用されている。噴霧器は通常、それと結合されたホースを有する中空の金属リングを備える。リングは、リングが有孔であるように、焼結された金属から形成される。リングは、容器の上部のポートを通って上へ延びているホースとともに、容器の底部に手で配置される。動作中、加圧された気体が、ホースを通ってリングへ移送される。気体が次に、小さい泡の形態で培地へ入るように、金属リングを通り抜ける。泡が培地を通って上へ移動するとき、気体の少なくとも一部分が、培地内に巻き込まれる。他の従来型の噴霧器は、その曲線状の長さに沿って配置された小直径の孔を備えるリングに曲げられた、ステンレス鋼の管の区画を備える。
【0003】
従来の噴霧器は気体を培地に移送することにおいて有用であるが、いくつかの欠点を有する。たとえば、従来の噴霧器は、製造ためにかなり費用がかかり、したがって、再使用されるように設計されている。しかし、従来の噴霧器の再使用は、噴霧器が容器から取り外され、次に清浄および滅菌されることを必要とする。ある状況では、細胞副産物、死んだ細胞、および培養培地内のその他の微粒子が、噴霧器上に留まるまたは噴霧器内に捕捉される可能性があるという点で、噴霧器の清浄が困難であり得る。したがって噴霧器の清浄および滅菌は、時間を消費し、かつ費用がかかる可能性がある。噴霧器または容器を汚染することなく噴霧器を容器内に正確に位置決めし、かつ密封するためにも時間がかかり、かつ配慮がされなければならない。
【0004】
さらに、従来のバイオリアクタでは、培養培地の特性が一様に維持されるように、細胞を含む培養培地が、連続的に混合または懸濁されることが必要である。従来の噴霧器は流体の流れを遮断することがあり、このことが細胞が死ぬデッドスポットを作成する可能性がある。さらに、細胞は、噴霧器上で、または噴霧器によって捕獲されることがあり、このことは、細胞に損傷を与える、または細胞を殺す可能性がある。また、噴霧器は、それらが混合システムを妨害しないように、注意深く設計および位置決めされなければならない。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,083,587号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003−0077466号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2002−0131654号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0239199号明細書
【特許文献5】米国特許仮出願「Mixing Systems and Related Mixer」
【特許文献6】米国特許出願第11/127,651号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、清浄または滅菌を必要とせず、容器または噴霧器の汚染の危険性なく使用することができ、容器および混合システム内の流体の流れに対する妨害を最小にする噴霧器および容器システムが、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の様々な実施形態が、添付の図面を参照して議論される。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本発明の範囲の限定するものとして考慮すべきでないことを理解されたい。
【0008】
本発明は、気体噴霧器、および気体噴霧器を組み込んでいる容器システムに関する。一般に、本発明の気体噴霧器は、可撓性、気体透過性の噴霧シートを備える。動作中、気体が、流体を保持している容器に付随する噴霧器へ移送される。気体は、噴霧器の可撓性、気体透過性の噴霧シートを通過して容器内の流体に入る。気体が流体内で移動または混合するとき、気体の少なくとも一部分が、流体内に巻き込まれるようになる。このようにして、流体内の気体の分圧を制御するために、および/またはpHなどの関連する流体の特性を制御するために、噴霧器が使用される。このような噴霧器は、細胞および微生物の適切な成長を容易にするために培養培地酸素含有量およびその他の特性を制御することが必要であるバイオリアクタ内で、使用されることができる。しかし、噴霧器はまた、発酵システム内、および気体を流体に曝露することが必要とされまたは望まれる、他の流体処理システム内で使用されることができる。
【0009】
可撓性、気体透過性の噴霧シートを噴霧機構として使用することの結果、本発明の噴霧器の選択実施形態は、従来の剛性の金属噴霧器に対して様々な独自の利点を有する。限定ではなく一例として、本発明の噴霧器は、作成が比較的低価格であり、したがって1回使用後廃棄されるものとすることができる。このように、使用の間で清浄および滅菌する必要性がない。噴霧器は、小さい研究室実験または大規模な商業用生産システムでの使用のために容易に大きさを調整することができる。可撓性、気体透過性の噴霧シートが、所望の領域にわたって所望のサイズを有する微小泡として気体を分散させるように選択され、かつサイズ調整されることができる。このような分散は、泡の形成を最小にしながら、気体が、より容易に流体内に巻き込まれるようにすることを可能にする。また、本発明の噴霧器の選択実施形態は、容器内の流体の流れまたは細胞運動との干渉が最小となる薄型(low profile)の噴霧器を形成するように、容器上に形成され、または容器と接続されるものとすることができる。
【0010】
本発明の噴霧器は、使い捨てのバッグまたはライナなどの可撓性容器の一部として形成されることができる、またはこのような可撓性容器と結合されることができる。そのとき、噴霧器および関連する容器が、同時に滅菌され、かつ一体のシステムとして販売されることができる。このアプローチは、滅菌プロセスを簡略化し、容器または噴霧器の滅菌性を危うくすることなく容器内に噴霧器を手で挿入し、適切に位置決めしなければならないというエンドユーザの困難を除去する。別法として、本発明の使い捨て噴霧器は、既存の剛性の容器内に後付けするように設計されることができる。さらに、いくつかの実施形態では、噴霧器全体またはそのかなりの部分が、柔軟、かつ可撓性であるように設計されることができ、組み合わせられた噴霧器および容器が、噴霧器または容器の損傷の危険性なく、保管および/または輸送するために、コンパクトな形状に折り畳まれる、および/または丸められることができる。本発明の様々な実施形態についての他の多くの利点が以下で論じられるが、以下の開示および添付の図面から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の特徴を組み込んでいる封入システム10の一実施形態が、図1に示されている。封入システム10は、容器システム30がその中に配置されている実質的に剛性の支持ハウジング12を備える。支持ハウジング12は、区画20を画定する上端部14、下端部16、および内部表面18を有する。下端部16には床22が形成されている。開口24が、区画20と連通するように、床22を通って延びている。上端部14は、区画20へのアクセス開口28を画定する唇部26を終点とする。必要に応じて、カバー(図示せず)を、アクセス開口28を覆うように上端部14上に装着することができる。支持ハウジング12は多種多様なサイズ、形状および構成で供給可能であることが理解されよう。たとえば、1つの他の実施形態では、アクセス開口28は恒久的な上端壁によって閉鎖されるものとすることができる。アクセスポートが、側壁または床などの支持ハウジング12上の別の位置に形成可能である。アクセスポートは扉によって選択的に閉鎖されるものとすることができる。
【0012】
これも図1に示されているように、容器システム30は、支持ハウジング12の区画20内に少なくとも部分的に配置されている。容器システム30は、それに装着された噴霧器34を有する容器32を備える。図示されている実施形態では、容器32が、チャンバ40を画定する内部表面38を有する可撓性のバッグ様の本体36を備える。より具体的には、本体36は、これが折り畳まれていないとき、第1の端部44とそれに対向する第2の端部46の間に延在するほぼ円形または多角形の横方向断面を有する側壁42を備える。第1の端部44は上部端壁48を終点とし、一方、第2の端部46は底部端壁50を終点とする。
【0013】
本体36は、約0.1mmから約5mmの間の範囲の厚さを有する低密度ポリエチレンまたはその他のポリマーシートなどの可撓性、不透水性の材料から成る。約0.2mmから約2mmがより一般的である。他の厚さが用いられてもよい。材料は、1層の材料から成る。あるいは、互いに密封されているか、または二重壁容器を形成するために分離されているかのいずれかである2つ以上の層を備えることもできる。層が互いに密封されている所では、材料は積層または押出し成形された材料を備えることができる。積層された材料は、別々に形成され続いて接着剤によって互いに固定された2つ以上の層を備える。
【0014】
押出し成形された材料は、接触層によって分離されることができる異なる材料の2つ以上の層を具備する単一の一体シートを備える。層のすべてが、同時に同時押出し成形される。本発明で使用されることができる押出し成形された材料の一例は、ユタ州ローガンの本件特許出願人から市販されている、HyQ CX3−9フィルムである。HyQ CX3−9フィルムは、3層であり、cGMR施設内で作成された9ミルキャストフィルムである。外層は、超低密度ポリエチレン接触層と同時押出し成形されたポリエステルエラストマーである。本発明で使用されることができる押出し成形された材料の別の例は、これも本件特許出願人から市販されている、HyQ CX5−14キャストフィルムである。HyQ CX5−14キャストフィルムは、ポリエステルエラストマーの外層、超低密度ポリエチレン接触層、およびそれらの間に配置されたBVOHバリア層を備える。さらに別の例では、ブロー成形されたフィルム3つの独立したウェブから作成されたマルチウェブフィルムが、使用されることができる。2つの内側ウェブはそれぞれ、4ミル単層ポリエチレンフィルム(HyCloneによってHyQ BMIフィルムと呼ばれている)であり、一方、外側バリアウェブは、5.5ミルの厚さの6層共押し出し成形フィルム((HyCloneによってHyQ BX6フィルムと呼ばれている)である。
【0015】
材料は、生きている細胞との直接接触が認められており、溶液を無菌に維持することが可能である。このような実施形態では、材料はまた、電離放射線などによって滅菌可能である。様々な状況で使用されることができる材料の例が、2000年7月4日に提出された特許文献1、および2003年4月24日に発行された特許文献2に開示されており、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0016】
一実施形態では、本体36が、2枚の材料のシートが重なる関係で配置され、2枚のシートが内部チャンバ40を形成するためにそれらの周縁で互いに結合されている2次元の枕形のバッグを備える。別法として、1枚の材料のシートを折り畳み、内部チャンバ40を形成するために周縁を縫合されることができる。別の実施形態では、本体36が、長さを切断されて端部が縫い閉じられた、ポリマー材料の連続的な管状の押出し成形品から形成されることができる。
【0017】
さらに他の実施形態では、本体36が、環状の側壁だけでなく、2次元の上部端壁48および2次元の底部端壁50を有する3次元のバッグを備えることできる。3次元の本体36は、3枚以上の、およびより一般的には4または6枚の、複数の離散したパネルを備える。各パネルはほぼ同一であり、本体36の側壁、上部端壁および底部端壁の一部分を備える。各パネルの対応する周縁が縫合されている。縫い目は通常、熱エネルギー、RFエネルギー、音波などの当技術分野で公知の方法、または他の密封エネルギーを使用して形成される。
【0018】
他の実施形態では、パネルが多種多様なパターンで形成されたものとすることができる。3次元のバッグを製造する一方法に関するさらなる開示が、2002年9月19日に発行された特許文献3で開示されており、その図面および詳細な説明は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0019】
本体36は、見かけ上いかなる所望のサイズ、形状および構成を有しても製造可能であることが理解される。たとえば、本体36は、10リットル、30リットル、100リットル、250リットル、500リットル、750リットル、1,000リットル、1,500リットル、3,000リットル、5,000リットル、10,000リットルまたは他の所望の容積のサイズにされたチャンバ40を有して形成されることができる。本体36は、いかなる形状であってもよいが、一実施形態では、本体36は、具体的には、支持ハウジング12の区画20に対して相補的またはほぼ相補的に構成される。
【0020】
しかし、いずれの実施形態でも、本体36が区画20内で受けられるとき、本体36が、支持ハウジング12によって一様に支持されることが望ましい。支持ハウジング12により本体36を少なくともほぼ一様に支持することは、流体が充填されたときに本体36に加えられる流体力による本体36の不具合を防ぐ助けとなる。
【0021】
上記で論じた実施形態では、容器32は、可撓性のバッグ様の構成を有する。しかし他の実施形態では、容器32が折り畳み可能な容器または半剛性の容器のいずれかの形態を具備可能であることが理解される。さらに、閉じた上部端壁48を有することとは逆に、容器32は開いた上部ライナを備えることができる。容器14は透明または不透明であってよく、その中に組み込まれた紫外線阻害物質を有してもよい。
【0022】
上部端壁48上に、チャンバ40と流体的に連通している複数のポート52が装着されている。2つのポート52が示されているが、容器32の意図される用途に応じて1つまたは3つ以上のポート52が存在してもよい。このようにして、各ポート52が、行われる予定のタイプ処理に応じて、異なる目的の働きをすることができる。たとえば、ポート52を、流体またはその他の構成要素をチャンバ40内に分散させたり、または流体をチャンバ40から引き出したりするためにチューブ54と結合させることができる。さらに容器32が細胞または微生物を成長させるためにバイオリアクタとして使用されるときなどに、ポート52は、温度プローブ、pHプローブ、溶解酸素プローブなどの様々なプローブを、チャンバ40へのアクセスに提供するために使用されることができる。
【0023】
容器32の底部端壁50を通って、孔60が延在している。孔60は、支持ハウジング12の床22上の開口24と位置合わせされている。噴霧器34の一部分が、孔60および開口24を通って延びている。噴霧器34は、流体が孔60を通って漏出することができないように、容器32の本体36に密封されている。一般に、噴霧器34は、その上に装着された可撓性、気体透過性の噴霧シート64を有するベース62を備える。
【0024】
図2を参照すると、噴霧器34のベース62は、第1の端部72と対向する第2の端部74の間にそれぞれ延在する内部表面68および対向する外部表面70を有する管状の部材66を備える。内部表面68は、管状の部材66を通って長手方向に延びる通路76を画定している。フランジ78は、第1の端部72で管状の部材66を包囲し、かつそこから半径方向外向きに突き出している。図示されている実施形態では、フランジ78は、ほぼ円形の形状を有する。他の実施形態では、フランジ78は、楕円形、正方形、またはその他の多角形または不規則な形状など、他のいずれかの所望の形状であってよい。フランジ78は、周縁84から外へそれぞれ延在する第1の側面80および対向する第2の側面82を有する。管状の部材66およびフランジ78は、単一の一体ピースとして成形されたものとすることができる。別法として、管状の部材66は、溶接などの従来の技術によってフランジ78と接続されるものとすることもできる。
【0025】
一実施形態では、ベース62が、90未満、および好ましくは70未満であるが通常5を超える値を有するショアAスケールでのデュロメータ硬さ(durometer)を有する、ポリエチレン、シリコーンまたはKRATON(登録商標)などの柔軟な、弾力的に可撓性なポリマー材料またはエラストマー材料から成形される。他の実施形態では、それよりも上の範囲のデュロメータ硬さを有する他の熱硬化性または熱可塑性のポリマーもまた、使用することができる。容器32に関して前に論じられたものなどの他の材料もまた、使用することができる。いくつかの実施形態では、材料特性の結果として、管状の部材66は、閉鎖された通路76をねじるよう手で折り曲げることができる。または、管状の部材66は、通路76を閉じるよう手ではさみこむことができる。いずれの場合でも、管状の部材66は、恒久的に変形することなく、元の形状に弾力的に戻ることができる。
【0026】
一実施形態では、フランジ78は、約2cmから約30cmの間の範囲の最大直径を有し、約5cmから約15cmがより一般的である。管状の部材66は、通常、約2cmから約30cmの間の範囲の長さを有し、約5cmから約15cmがより一般的である。同様に、管状の部材66は通常、約0.2cmから約5cmの間の範囲の最大内直径を有し、約0.5cmから約3cmがより一般的である。他の実施形態では、上記の寸法のそれぞれを変更してもよいことが理解される。たとえば必要に応じて、管状の部材66は、1メートル以上の長さを有する細長いチューブを備えることができる。さらに本実施形態では、管状の部材66の第2の端部74が、内部表面68および外部表面70上の滑らかな、ほぼ円筒形の形状を備え、そこから延びるフランジ、棘またはその他の突起がない内部表面68ことに注意されたい。
【0027】
ベース62の利点の1つは、異なる直径または形状のチューブとの結合に、より容易に適合することである。たとえば、容器32および噴霧器34を備える容器システム30が、単一のユニットとしてエンドユーザに販売されることができることが想定されている。さらに、エンドユーザの確立されたシステムは、それに気体を移送するために噴霧器34の管状の部材66と接続される多種多様なサイズまたはタイプの気体ホースを有する。可撓性の管状の部材66の結果として、所定のサイズを備える対向する端部を有する単一のカプラのみが、管状の部材66を気体ホースと結合するために必要とされる。たとえば、管状のカプラ88が、それから半径方向外向きに突き出している環状の棘を備える対向する端部90および92を有して提供されることが、図1に示されている。第1の端部90は、管状の部材66の第2の端部74で通路76内に固定されている。管状の部材66は、それとの流体密封を形成するために、カプラ88の周囲を弾力的に拘束する。プラスチック製のプルタイ(pull tie)77もまた、それらの間の密封された係合をさらに固定するように、カプラ88を覆って配置された管状の部材66の第2の端部74の部分の周囲に固定することができる。カプラ88の第2の端部92は、気体ライン96の第1の端部94内で受けられる。気体ライン96が管状の部材66とは異なる直径を有する場合、標準カプラ88は、気体ライン96と結合するように構成されたサイズを有する第2の端部92を備えることができる。
【0028】
逆に、従来型の棘付きのステムがフランジ78上に形成された場合、チューブを棘付きのステムとまず結合させ、次に、気体ライン96のサイズの変更に対処するためにカプラ88を使用することが必要となる。結果として、管状の部材66はより普遍的な接続を可能にする。さらに、フランジ78および管状の部材66の両方が柔軟、かつ可撓性の材料から成る結果として、容器32が、噴霧器34および/または容器32の損傷の恐れなく、輸送または保管のために折り畳まれ、および/または丸められるものとすることができる。
【0029】
図3を参照すると、噴霧シート64が、フランジ78の周縁84でまたはそれと隣接して、フランジ78の第1の側面82に固定されている。結果として、区画100がフランジ78の第1の側面80と噴霧シート64の間に形成される。管状の部材66の通路76は区画100と連通している。図示されている実施形態では、噴霧シート64がフランジ78とほぼ同一の形状を有している。他の実施形態では、噴霧シート64がフランジ78と異なる形状を有することができる。たとえば、フランジ78が円形のままとされる場合、噴霧シート64が楕円形、正方形、三角形、またはその他の多角形または不規則な形状を有してもよい。さらに、噴霧シート64は、周縁84から全部外へ延びる必要はなく、周縁84から半径方向内向きに離隔された位置でフランジ78に固定されることができる。この設計では、フランジ78は噴霧シート64の縁部と周縁84の間に延びる環状の縁部部分を備える。この縁部部分は、フランジ78を容器32に密封するために使用されることができる。噴霧シート64が、フランジ78に対して平らに載るように構成可能であること、または区画100が気体を充填されるとき上向きに傾斜するように構成可能であることも理解される。噴霧シート64の表面積を増加させることによって、より広い領域にわたっての噴霧が達成される。
【0030】
一実施形態では、噴霧シート64は、噴霧シート64の周縁86をフランジ78に直接溶接することによってフランジ78に固定されることができる。噴霧シート64およびフランジ78のために使用される材料のタイプに応じて、熱溶接、RFエネルギー、超音波などの従来の溶接技術が使用可能である。さらに他の実施形態では、噴霧シート64をフランジ78に接続するために、様々な形態の接着剤が使用可能である。また、結合をなすのに使用できるものとして様々な形態の機械的なタイプのファスナがある。たとえば、1つまたは複数のクリンプ(climp)またはクランプ(clamp)が、スパリングシート64をフランジ78に固定するために使用可能である。他の従来の固定技術もまた、使用することができる。
【0031】
噴霧シート64を直接フランジ78に固定することに対して、それらの間に移行部材を使用することができる。たとえば、リング形状にされた移行部材55が、内側の第1の端部58と外側の第2の端部59との間に延びる、上部表面56および対向する底部表面57を有することが図3Aに示されている。移行部材55は通常、前に論じた溶接技術のいずれかによってフランジ78と容易にかつ固定して接合されるポリマー材料のシートから形成されている。このような材料の例は、ベース62および本体36関して前に論じたのと同じ材料を含む。組立中、移行部材55の第2の端部59の所で、底部表面57がフランジ78に溶接される。第1の端部58は、フランジ78に固定されず、したがってそれに対して自由に運動する。噴霧シート64が、第1の端部58で底部表面57に溶接されること(図3A)、または第1の端部58で上部表面56に溶接されること(図3B)などによって、移行部材55に固定される。
【0032】
噴霧シート64のために使用される材料のタイプに応じて、移行部材55を使用することは、いくつかの利点を生む。たとえば、以下でより詳細に論じるように、噴霧シート64のために使用可能なあるタイプの材料は、商標TYVEK(登録商標)の下で一般に販売されてものなどの、スパンボンディッドオレフィン(spun−bonded olefin)材料である。しかし、被覆されていないスパンボンディッドオレフィン材料をフランジ78に熱溶接することは、スパンボンディッドオレフィン材料を薄くする可能性があり、それによってその構造強度を減少させる。気体が噴霧器34に付加されるとき、高い応力の点荷重が噴霧シート64とフランジ78との間の内部交点に生じる。噴霧シート64を薄くする量に応じて、この荷重が、噴霧シート64の不具合を結果として生じさせる可能性がある。移行部材55を使用することによって、気体によって生じる高い応力の点荷重は、材料適合性によりフランジ78と移行部材55との間に形成され、不具合なく負荷に容易に耐えることができる。移行部材55の自由に運動可能な第1の端部58上に噴霧シート64を溶接することによって、スパリングシート64と移行部材55の間の荷重が、2つの部材の間の溶接部を横切るせん断方向に一様に付加される。この減少した荷重は、薄くした後でさえも噴霧シート64によって容易に対処できるものとなる。
【0033】
別の実施形態では、図3Cに示されているように、被覆65を、噴霧シート64の周縁68の片側または両側に適用することができる。被覆65は、低密度ポリエチレン、エチレンビニルアセテートまたはTYVEK(登録商標)を被覆するために一般に使用されるその他の被覆などのポリマー材料を備えることができる。被覆65は、噴霧シート64が薄くなることを最小化するまたは防止することができるものであり、これによりスパリングシート64の被覆された部分が直接フランジ78に溶接できるようになる。
【0034】
噴霧シート64は、多種多様な特性を有する多種多様な材料から成ってもよい。前に論じたように、噴霧シート64は、通常、気体透過性、可撓性の材料のシートから成る。噴霧シート64は通常約20μmから約2.5cmの間の範囲の厚さを有し、約20μmから約5000μmが一般的であり、約20μmから約1,000μmがより一般的であり、かつ50μmから約300μmがさらに一般的である。噴霧シート64は、約2psig(14kPa)から約50psig(343kPa)の間の範囲の破裂強度を有することができ、約2psig(14kPa)から約25psig(172kPa)がより一般的であり、かつ約2psig(14kPa)から約10psig(68kPa)がさらに一般的である。噴霧シート64はまた、ガリーヒル(Gurley Hill)空隙率の量的な特性を使用して測定されたとき、約0.1から約300(秒/100ccIN2)の間の空隙率を有して作成されることができ、約5から約100(秒/100ccIN2)が一般的であり、5から約60(秒/100ccIN2)がより一般的であり、かつ約5から約30(秒/100ccIN2)がさらに一般的である。このような厚さ、破裂強度、および空隙率は様々であり、使用されている材料に大部分依存する。
【0035】
いくつかの実施形態では、噴霧シート64は、蒸気透過性および耐水性の両方をもつ材料から成る。すなわち、気体は噴霧シート64を通過することができるが、水またはいくつかの他の流体は、使用中でないときにはそれを通って流れることが妨げられる。同様に、噴霧シート64は、それが十分に高い気体圧力を受けたとき、気体が通過することのみを可能にするように製造されてもよい、疎水性、強度、溶接可能性、生体適合性、およびガンマ線安定性を維持しながら、高い透過性を備える材料を有することが、しばしば望ましい。
【0036】
従来のポートおよびフィルム(容器32に関して論じたフィルムなど)において使用される一般的な材料に容易に溶接される、可撓性の材料を有することもまた、しばしば望ましい。たとえば、柔軟な可撓性の性質の、または紙様のフィルムは、バイオリアクタの製造、包装、装填、および使用中に、それが折り畳まれることを可能にする。噴霧材料の表面積および形状は、溶接または切削パターンに従って容易に修正または変更可能であることもまた望ましい。
【0037】
噴霧シート64の形成において使用されることができる材料の選択タイプの例は、(1)ポリマー不織布、(2)ソルベントキャスト(solvent−cast)ポリマーフィルム、(3)オープンセルフォーム(open−cell foam)ポリマーシート、および(4)有孔ポリマーシートを含む。本明細書で使用されるとき、「不織布」という用語は、編まれたまたは織られた布でのように特定可能な方式ではなく、中間に入れられた個々の繊維または糸の構造を有するウェブを意味する。不織布は、たとえば、溶融ブロープロセス、スパンボンドプロセス、ハイドロエンタングリング、エアレイド(air−laidおよびボンディッドカーディッド(bonded carded)ウェブプロセスなどの、多くのプロセスによって形成することができる。本発明で特に有用であることが見いだされたある特定のタイプの不織布は、商標TYVEK(登録商標)の下で一般に販売されているスパンボンディッドオレフィン材料である。TYVEK(登録商標)は通常、約2マイクロメートルから約8マイクロメートルの間の平均直径を通常有する、高密度ポリエチレから成る連続的な極めて細い繊維を使用したプロセスによって形成される。これらの繊維は、フラッシュスパンされ、次に、不規則に分散された無方向性のパターンで、移動ベルト上でウェブとして編まれる。最後に、繊維のウェブが、熱および圧力を使用して互いに接合される。最終的なウェブは通常、約50ミクロンから約250ミクロンの間の範囲の厚さを有する。
【0038】
TYVEK(登録商標)は、疎水性、強度、溶接可能性、生体適合性、およびガンマ線安定性を維持しながら、高い透過性を有するというその好ましい品質の点で、有用であることが見いだされた。TYVEK(登録商標)フィルムは、ガリーヒル空隙率の量的な特性を使用して測定されたとき、約6から約30(秒/100ccIN2)の間の範囲の空隙率を有して作成することができる。ベンドセン空気透過性(Bendtsen Air Permeability)の法に従って評価された透過性は、約400から約2000(ml/分)の範囲である。医療用のTYVEK(登録商標)は通常、約20(マイクロメートル)の相対孔サイズ、および約25から約32(dyne/cm)の表面エネルギーを有する。湿潤蒸気伝達率(Moisture Vapor Transmission Rates)(MTVR)はしばしば、約1500から約1640(μ/m2/24時)の範囲である。
【0039】
本明細書で使用されるとき、「ソルベントキャストポリマーフィルム」という用語は、溶媒を備えて最初に作成されるポリマーフィルムを意味する。溶媒は、結果としてのフィルムが、所望の空隙率を有するように、製造プロセス中に除去される。キャストポリマーフィルムの例は、商標TEFLON(登録商標)の下で販売されているポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリプロピレン、シリコーン、KYNAR(登録商標)(PVDF)、CORTEX(登録商標)を含む。一実施形態では、取り付けられることができるキャストポリマーフィルムが、織られた布または本明細書で説明された他の材料のうちの1つなどの有孔の支持層である。
【0040】
オープンセルフォームドポリマーシートは、当技術分野で公知であり、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリウレタンなどの多種多様なポリマー材料から形成することができる。材料は、気体に対して有孔であるオープンセル構造を形成するために、従来のプロセスを使用して気体によって泡立てられる。オープンセルフォームドポリマーシートは通常、約1mmから約25mmの間の範囲の厚さを有することが、想定されている。
【0041】
有孔ポリマーシートは、押出し成形などの従来のプロセスを使用して形成され、次に有孔のシートを作成するように穿孔された、ポリマー材料のシートを備える。シート内に穿孔またはエンボス加工されることなどによって小さい穿孔を作成することができる。一実施形態では、穿孔された孔は、約20μmから約5mmの間の範囲の直径を有することができ、約20μmから約500μmがより一般的である。有孔ポリマーシートは、様々なフッ素化ポリマーおよび本体36に関して前に論じたようなその他の材料などの、多種多様な材料から作成することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、噴霧シート64は、上記のタイプの材料の2つ以上の組合せまたは積層を備えることができる。
【0043】
図1に戻ると、フランジ78の底部表面82が、噴霧器34を容器32に固定し、かつ液体が孔60を通って漏出することを防止するように、容器32の底部端壁50にシールされる。フランジ78は通常、従来の溶接技術によって容器32に固定される。しかし、別法として、接着剤または機械的接続を使用することができる。組立段階で、噴霧シート64および容器32を、溶接プロセスなどを通じて同時に、または所望の順序で段階的に、フランジ78の両側に固定することができる。いったん容器システム30が完全に組立てられると、システムは保管バッグ内に密封されることができ、次に全システムが、様々な形態の放射線滅菌を通じてなどで滅菌される。
【0044】
動作中、容器システム30は、噴霧器34の管状の部材66が支持ハウジング12の床22内の開口24を通って下向きに通過するように、支持ハウジング12の区画20内に配置される。気体ライン96が次に、前に論じたように、カプラ88を使用して管状の部材66と結合される。他の実施形態では、管状の部材66は、気体源へ直接延在可能な細長いチューブとして形成可能である。
【0045】
次に、流体104が、ポート52によって容器32のチャンバ40内に分散される。流体104は多種多様な材料を備えてもよい。たとえば、容器システム30が細胞または微生物を成長させるためのバイオリアクタとして使用されている場合には、流体104が、培養されている細胞または微生物のタイプに従った培養培地を備えることができる。流体はまた、バクテリア、菌類、ソウ類、植物細胞、動物細胞、原生生物、線虫などの種接種材料を備えることができる。本発明は、非生物学的システムで使用されることもできる。たとえば、システムは、溶液内のpHまたは気体の分圧を制御または調整することが望まれるところの溶液を処理または混合するために、使用可能である。
【0046】
流体104が容器32のチャンバ40内に配置された後、および/またはその充填と同時に、気体が気体ライン96を通って移送され、噴霧器34の区画100に入ることができる。気体は噴霧シート64を通って移動し、次にそこでチャンバ40内の流体104と接触する。噴霧シート64が比較的大きい表面積およびその小さい孔サイズを有しているため、気体は、流体104内に容易に巻き込まれることができるマイクロバブルの形態で噴霧シート64を通って外へ通過する。また、噴霧器34を通過する気体のタイプは、チャンバ40内の流体のために必要とされる処理のタイプに従う。細胞および微生物が培養されている場合には、気体は通常、酸素、二酸化炭素、および/または窒素と選択的に結合される空気である。また、他の実施形態では、上記で識別された特定の気体、または気体の組合せが、噴霧器34を通過するようにすることができる。
【0047】
図1にも示されているように、一実施形態では、噴霧器34が沈められ、使用中でないとき、噴霧シート64を通る流体蒸気の望ましくない移送を減少させるために、気体ライン96に沿って、または噴霧器34の所でチェックバルブ106を使用することは有用である。実際の湿気伝達率は、使用される流体104のタイプおよび特定の用途によって様々であってよい。
【0048】
必須のものではないが、一実施形態では、チャンバ40内の流体104を混合するための手段が提供される。一例であって限定するものではないが、一実施形態では、駆動軸110がチャンバ40内に突出しており、その端部に装着されたインペラ112を有する。したがって、駆動軸110の外部回転が、チャンバ40内の流体104を混合および/または懸濁させるインペラ112の回転を容易にする。噴霧器34は通常、混合手段の直下に配置され、これによりミキサによって生成される流体104の混合または移動が流体104内への気体泡の巻き込みを助ける。可撓性の容器内に回転ミキサを組み込むための方法のある特定の例が、2005年10月27日に発行された、特許文献4に開示されており、これは参照によって本明細書に組み込まれる。別の例が、Whitt F.Woods他の名前で、Mixing Systems and Related Mixersという名称の、2006年3月20日に提出された特許文献5に開示されている。
【0049】
混合手段の他の実施形態では、チャンバ40内で鉛直ミキサを鉛直方向に往復運動させることによって混合が達成されるものとすることができる。たとえば図4には、それを通って延びる複数の開口131を有するミキシングディスク130を備える鉛直ミキサ129の一実施形態が示されている。図5に示されているように、ディスク130が鉛直方向上向きに移動されるように、複数の可撓性のフラップ132がミキシングディスク130の底部表面上に装着される。フラップ132の開放によって流体が開口131を通過でき、ディスク130が下向きに引かれると、フラップ132がディスク130に対して水平になり、それによって開口131が閉鎖される。開口131が閉じられると、ミキシングディスク130が流体を下向きに押し、次に、後退させて、ミキシングディスク130の周りに押しやることで、流体が容器32内で混合するようにする。
【0050】
軸133がミキシングディスク130の下に延在し、容器32内の開口を通って外に出ている。容器32の外側で、軸133が駆動機構と接続され、所望の周波数および所望の高さにわたって軸133を選択的に上昇および下降させる。可撓性の膜134が容器32と軸133の間に延在し、軸133と容器32の間の密封された流体接続を形成するようにしている。軸133が上昇および下降すると、可撓性の膜134が、軸133ひいてはミキシングディスク130の自由な運動を許すために曲がる。鉛直ミキサ129の組立および動作に関するさらなる開示が、2005年5月11日に提出された特許文献6になされており、これは参照によって本明細書に組み込まれる。さらに他の実施形態では、チャンバ40の内外へ移動させるために蠕動ポンプなどを使用することにより、チャンバ40を通って単に流体を循環させることによって混合が達成されるようにしてもよいことが理解される。他の従来の混合技術もまた使用可能である。
【0051】
容器32上に噴霧器34を溶接することで、低プロファイルの噴霧を提供しながら、高レベルの表面積を提供することが可能となる。いくつかの実施形態では、このことは、インペラ112の近くの乱流を減少させ、および/または、クラック、継ぎ目または裂け目内での細胞蓄積の可能性を減少させる。さらに、1回使用の使い捨て容器システム30を使用することは、いくつかの従来の噴霧器に付随することがある清浄の問題、すなわち汚染や、このような容器の多数の穴、孔、および裂け目を清浄化することを往々にして含む問題を、回避または減少させることに役立つ。たとえば、いくつかの噴霧器内の小さい空隙領域が、汚染の発生の増加につながる滞留(lodge)および蓄積される塵またはその他の物質のための領域を呈してもよい。ある場合、これは次の運転に持ち越され得るものである。
【0052】
前に論じたように、細胞培地内で噴霧器34を使用することの一目的は、酸素の質量移動(kLa)を助けることである。このことは、しばしば、成長している細胞の呼吸を必要とする。1回使用バイオリアクタ内で噴霧器34を使用することの利点は、TYVEK(登録商標)が使用されるときなどに、噴霧シート64の蛇行した孔構造が、噴霧器34を通って導入される大量の気体からの酸素の質量移動の、有用な効果を可能にする。いくつかの実施形態では、質量移動を有利にすることができるため、バイオリアクタ内に導入された小さい泡を有することが望ましい。透過性の膜を横切る質量移動は、気体泡の結果生じる質量移動にかかわらず生じ得る。それに関連して、長い気体保持時間は、流体内のカラムおよび体積比のより高い表面でしばしば望ましい影響である。
【0053】
栄養培地の、塩、蛋白質、砂糖、およびマイクロおよびマクロの構成要素の含有比率に本質的に関連する表面張力降下によって、泡のサイズが支配されることが一般に受け入れられている。実験的に計算されたkLa値、視覚的な観察、およびバイオリアクタ作動によるデータは、しばしば、泡サイズおよびおそらくは改善された質量移動が本噴霧手法の品質であることを示している。液体の組成および理論的特性、混合強度、流体の回転率泡サイズ、細胞塊の存在、および界面吸収特性が、すべて酸素の質量移動などの気体の細胞への質量移動に影響を与える。質量移動の主な駆動力は、表面積および濃度勾配を含む。多くの場合、攪拌されたタンクバイオリアクタ内での酸素質量移動の抵抗の主な源は、気体泡を包囲する液体膜である可能性がある。
【0054】
上記で論じたようなTYVEK(登録商標)およびその他の同様の気体透過性の膜を使用することによって、噴霧シート64の表面積を容易に増加させることができる。いくつかの実施形態では、噴霧シート64と液体接合面の間の酸素勾配を、噴霧取入口を直接介した一定の補充を通じて、高いレベルに維持することができる。さらに、迅速な混合強度はまた、インペラ112が噴霧シート64上に直接培地をくみ出すとき、質量移動を有利にする。気体透過性膜の使用がフィルム表面の大量の酸素の質量移動を可能にし、それはまた、流体カラム内で上昇する泡の形成に加えられる。
【0055】
多くの場合、小さい泡が、バイオリアクタの上部でより大きな泡に至る。これは、細胞生存可能性、およびヘンリーの法則によるkLaおよび分圧に関連する気体の溶解可能性に負の影響を与える可能性がある。この境界層は、しばしば、大量の液体内での溶解酸素レベルを制御する可能性を減少させる結果と生じる。通常、過度の量が、排出フィルタの遮断および運転の不具合を生じさせることがあるため、泡の存在を回避または緩和することが望ましい。本明細書に記載されている新規な噴霧器アプローチは、従来のシステムと比較して、しばしば減少されたレベルの泡の発生をもって、所望の質量移動特性を提供することができる。このことは、より大きな効率、および目標とする酸素溶解度を維持するために噴霧器を通って導入される少ない気体によるものである。
【0056】
噴霧器34は、多種多様なサイズ、形状、設計および構成で供給可能であることが理解される。一例としてであって限定するものではないが、図6には、本発明の特徴を組み込んでいる他の実施形態の噴霧器120が示されている。噴霧器120と噴霧器34との間の同様の要素は、同様の参照符号によって識別される。前に論じた噴霧器34は、可撓性の容器32上に装着されるものとして開示されている。これに対し、噴霧器120は、バッグまたはライナの使用なしで流体104を保持するように設計されている剛性の容器に取外し可能に装着されるように、特に設計されている。特に、図6に示されているように、支持ハウジング12の床22が、それを通って延びる開口24を有して示されている。しかし、この実施形態では、管状のカラー122が開口23を包囲し、かつ床22から下向きに延在している。カラー122は、環状の唇部124を終点とする。
【0057】
噴霧器120は、管状の部材66が延長され、フランジ128が管状の部材66を包囲し、かつ管状の部材66の両端部の位置で底から半径方向外向きに突き出していることを除いて、噴霧器34とほぼ同一である。フランジは、唇部124の外直径とほぼ同一である外直径を有する。フランジ128を環状の唇部124に接して配置することによって、クランプ126がフランジ128を環状の唇部124に固定することができ、それによって開口24を密封して閉じる。この実施形態では、流体104は支持ハウジング12の区画20内に直接分散されることができ、かつ噴霧器120は、その中の噴霧流体104のために使用されることができる。前記の点で、噴霧器120は、使用間で容器が清浄および滅菌される場合、既存の剛性の容器内に後付けされるものとすることができる。しかし、噴霧器120は、各使用後に破棄されることができる1回使用のアイテムのままである。
【0058】
図7および図8に、ほぼリングまたはドーナツ形状を有する別の噴霧器140の実施形態が示されている。噴霧器140は、それを通って中央に延びる孔144を有するほぼ円形ベース142を備える。一実施形態では、ベース142は、ポリウレタンまたはポリエチレンの押出し成形されたシートなどの有孔でないポリマー材料の可撓性のシートを備える。ベース142は本体36に関して前に論じたのと同じ材料から成ってよい。他の実施形態では、ベース142が、半剛性のまたはほぼ剛性のプレートを備えていてもよい。たとえば、ベース142は、高密度ポリエチレン材料などの剛性のタイプのプラスチックから成っていてもよい。ベース142は、内側縁部150と対向する外側縁部152の間にそれぞれ延在する、上部表面146および対向する底部表面148を備える。内側縁部150は開口144を画定している。
【0059】
図示されている実施形態では、ほぼ円形噴霧シート154が、中央開口157を画定する内側縁部156および外側縁部158を有して提供される。内側縁部150および156、および外側縁部152および158は、溶接、接着または機械的ファスナなどの前述した技術を使用して、それぞれ互いに密封されている。結果として、区画160がベース142と噴霧シート154の間に形成される。噴霧シート154は、噴霧シート64に関して前に論じたのと同じ特性を有することができる。さらに、この実施形態および本明細書で議論された他のすべての実施形態では、噴霧シートをベース142などの別個の構造と接触させるために、1つまたは複数の移行部材55を使用することができる。
【0060】
チューブ162が、噴霧シート154と結合されている。チューブ162は、気体を区画160へ移送するための気体源と選択的に結合されることができる。噴霧器140は、容器32の底部端壁50に対し、溶接またはその他の方法で容器に固定できる。たとえば内側縁部150および/または外側縁部152を、溶接またはその他の方法で容器32に固定することができる。
【0061】
別法として、噴霧器140が、容器32の床の上にまたは支持ハウジング12の床の上に単に配置されたものとすることができる。噴霧器140は、噴霧器140を定位置に固定するための重りまたはその他の取外し可能な固定技術によって、定位置に保持されることができる。噴霧器140が定位置に配置されると、チューブ162が、ポート52の1つを通って外へ延在できる。別法として、チューブ162が、ベース142と結合され、次に容器32の底部および/または支持ハウジング12の底部内の孔を通って、外へ延在するものとすることもできる。噴霧器140の他の変形例では、孔144は、ベース142上で除去されるものとすることができる。および/または、孔157は噴霧シート154上で除去されるものとすることができる。さらに別の変形例では、ベース142は噴霧シート154と同じ材料で作成される。
【0062】
別の噴霧器170の実施形態が図9に示されている。噴霧器170と噴霧器140の間の同様の要素は、同様の参照符号によって識別される。噴霧器170は噴霧器140とほぼ同じであり、かつベース142および噴霧シート154を備える。しかし、噴霧器140に対して、噴霧器170では、チューブ162が、取り外され、ベース142上に装着されたポート172と置換されている。ポート172は、第1の端部176および対向する第2の端部178を有するステム174を備える。ステム174は、管状の部材の一形態であり、かつそれを通って延在する通路184を画定する。フランジ180が、ステム174の第1の端部176を包囲しかつそこから半径方向外向きに突出している。フランジ180は、溶接、接着またはその他の従来の技術になどによって、ベース142の上部表面146に装着されている。ステム174は、ベース142上に形成された孔を通って下向きに延在している。棘182がステム174の第2の端部178を包囲し、そこから半径方向外向きに突出している。ステム174は、気体を区画160へ移送するためのチューブと結合されるように構成されている。組立中、ステム172が容器32および/または支持ハウジング12内に形成された孔を下向きに通過することができる。噴霧器140に関して前に論じたのと同じ変形および装着を、噴霧器170にも施すことができる。さらなる実施形態では、ポート172が噴霧器34のベース62と交換可能である。この点で、ベース62をポートと称することができ、そのように機能する。
【0063】
図10に、別の噴霧器190の実施形態が示されている。噴霧器190は、互いに固定された複数の噴霧シートを具備する本体192を備える。特に、本体192は、周縁195を終点とするほぼ円形の形状を有する第1の噴霧シート194を備える。本体192はまたほぼ円形形状を有し、かつ周縁198を終点とする第2の噴霧シート196を備える。周縁195および198は、溶接接着またはファスナなどによって互いに縫合されている。結果として、区画200が、噴霧シート194と196の間で画定される。他の実施形態では、本体194が、容器32に関して前に論じたのと同じ方法を用いて、1枚、3枚またはそれ以上のシートから形成されることができる。本体194は球、円筒、箱、ピラミッド、不規則な形状などの様々な形状のいずれかで構成され、かつ透過性および非透過性の材料または表面のいかなる組合せを備えてもよいことが理解される。
【0064】
噴霧器190は、第2の噴霧シート196と結合された第1の端部204および対向する第2の端部206を有する管状の部材202をさらに備える。管状の部材202は、区画200と連通している通路208を画定することが理解される。噴霧器190は、再使用可能な剛性の容器または使い捨て可撓性容器とともに使用可能である。図示されている実施形態では、容器32が、底部端壁50に装着された管状のポート210を有して示されている。結合チューブ212は、ポート210と接続された第1の端部214およびカプラ218と接続された対向する第2の端部216を有する。カプラ218は、それとともに密封された係合を形成するように、結合チューブ212の第2の端部216内で受けられる外側ステム220、管状の部材202の第2の端部206と結合されている内側ステム222、および内側ステム222と流体的に連通し、かつ気体ラインと結合されるように構成されている遠位のステム224を備える。この構成では、容器32の区画40を密封閉鎖するように維持しながら、気体が結合チューブ212を通ることによって噴霧器190の区画200へ移送されることができる。気体が噴霧器190へ移送可能するために、カプラ噴霧器190を容器32と結合するために使用できる多種多様な結合技術およびカプラがあることが理解される。
【0065】
図11に、容器32の一部分として形成されている本発明の噴霧器230の一実施形態が示されている。特に、図9に示されているように、ステム174が孔60を通って下向きに延在するよう、ポート172が容器32の底部端壁50の内部表面38に装着されている。噴霧器230は、噴霧シート324がポート172を包囲し、かつ覆うように、噴霧シート234の周縁232を直接容器32の底部端壁50に溶接することによって形成される。結果として、噴霧器230は、容器32の底部端壁50と噴霧シート234の間で画定されている区画236を有する。前に論じたように、ポート172のステム174は、気体が区画236へ移送されることができるようにするために、気体ラインと結合するように構成されている。噴霧シート234ならびに本明細書で参照された他の噴霧シートが、噴霧シート64に関して前に論じたのと同じ代替となる材料で作成可能であることを理解されたい。
【0066】
図示されている実施形態では、区画236が、ドーム形状の空間を画定する。本明細書で説明されたような噴霧器組立体の形状により、たとえば噴霧シート234に要求される表面積および対応する気体流速が、異なるサイズ、ここに示されているドームなどのような様々なサイズ、形状を使用することによって調節できるようになる。前に論じたように、本発明のいくつかの実施形態は、流体の逆流を防止することが可能な、ポート172に取り付けられた配管とライン結合されたチェックバルブを備えてもよい。
【0067】
他の実施形態では、ポート172が、図1に関して前に論じたようなベース62と置換されてもよい。ベース62に関して前に論じたような他の実施形態はまた、図11に関するこの他の実施形態に適用可能である。この実施形態では、ベース62のフランジ78が、管状の部材66が開口60を通って延在するように、容器32の底部端壁50に直接固定可能である。しかし、噴霧シート234が、ベース62と直接接続することなく、容器32の底部端壁50に直接付着する。
【0068】
さらに他の実施形態では、噴霧シート234およびポート172が、容器32上の多種多様な位置に装着可能であることが理解される。また、噴霧シート234は、いかなる所望の形状を有して形成可能である。ポート172は、気体ラインとの結合および気体を区画236へ移送するために使用することができる、他の様々なタイプのポートと置換可能である。
【0069】
図12に、本発明の別の実施形態である噴霧器250が示されている。噴霧器250は、噴霧器230と同様であり、同様の要素が同様の参照符号によって識別される。図12に示されている実施形態では、ポート172のフランジ180が拡大されている。噴霧シート234は、ポート172を通って延在する通路184を包囲し、かつカバーするように、フランジ180に直接固定されている。
【0070】
図13に、本発明の特徴を組み込んでいる、他の実施形態の容器システム260が示されている。容器システム260は、その床上に装着されたポート52を有する可撓性の本体36を具備する容器32を備える。可撓性の噴霧シート262が、流体ラインの下へ延在する側壁の少なくとも一部分を覆うように、および容器の床も覆うように、容器32の側壁に装着されている。噴霧シート262は、本明細書で前に論じた有孔材料のうちの1つまたは複数から形成されている。使用中、気体がポート52を通って移送される。気体が、迅速にかつ効果的に流体内に吸収されるように、大きな表面積にわたって噴霧シート262を通り抜ける。図14に示されている実施形態は、噴霧シート262が容器32の床のみを覆っていることを除いて、図13のものとほぼ同一である。
【0071】
本発明の噴霧器は、液体内の望ましくない溶解した成分を除去または揮散させるためにも使用可能である。たとえば、主噴霧器とともにまたは分離して使用可能な別個の噴霧器が、生化学反応または細胞の呼吸(二酸化炭素など)の生体生成物として生じた廃棄物を除去するためにバイオリアクタ内で使用可能である。この噴霧器は、溶解酸素、またはプロセスパラメータなどの変数を制御するために、望ましくない溶解した気体成分が、培地から取り出されることを可能にするために、大きな孔を備えて構成されることができる。
【0072】
前記の実施形態は、本発明の噴霧器を形成する他の方法の例に過ぎないことが理解されよう。異なる実施形態の様々な特徴が組み合わされ、さらに他の実施形態を生成可能であることが、理解されよう。
【0073】
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化されてもよい。説明された実施形態は、単に例示的なものに過ぎず、限定的なものではないことが考慮されるべきである。したがって、本発明の範囲は、前の説明によってではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味および範囲内にあるすべての変更が、それらの範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】噴霧器を有する封入システムの側部断面図である。
【図2】図1に示されている封入システムの噴霧器の底部側の斜視図である。
【図3】図2に示されている噴霧器の側部断面図である。
【図3A】ベースを噴霧シートと接続するための移行部材を使用している、図3に示されている噴霧器の側部断面図である。
【図3B】移行部材を使用している修正された接続部を示す、図3Aに示されている噴霧器の側断面図である。
【図3C】噴霧シートの周縁が、ポリマー被覆を有し、かつベースと接続されている、図3に示されている噴霧器の側断面図である。
【図4】その中に配置された鉛直ミキサを有する、図1に示されている容器の側断面図である。
【図5】図4に示されている鉛直ミキサのミキシングディスクの底部側の斜視図である。
【図6】剛性の支持ハウジング上に装着された、噴霧器の他の実施形態の側断面図である。
【図7】ほぼドーナツ形の形状を有する、噴霧器の他の実施形態の上部透視図である。
【図8】図5に示されている噴霧器の側断面図である。
【図9】チューブが、噴霧器のベースを通って下向きに延びているポートと置き換えられた、図6に示されている噴霧器の他の実施形態である。
【図10】互いに縫い合わせられた複数の噴霧シートから形成された、噴霧器の別の実施形態の側断面図である。
【図11】噴霧シートが、容器の底部端壁に固定された、噴霧器の他の実施形態の側断面図である。
【図12】噴霧シートが容器に装着されたポートのフランジに固定された、噴霧器の別の実施形態の側断面図である。
【図13】ライナとしての噴霧シートを有する容器を備える容器システムの側断面図である。
【図14】その床を裏打ちしている噴霧シートを有する容器を備える容器システムの側断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体噴霧器、および気体噴霧器を組み込んでいる容器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
噴霧器は、細胞を含む培養培地へ、制御された容積の気体を移送するために、バイオリアクタ内で通常使用されている。一部では、気体は、条件が細胞成長のために最適であるように、培養培地内の酸素の分圧を制御するために、および培養培地のpHおよびその他のペリメータを制御するために、使用されている。噴霧器は通常、それと結合されたホースを有する中空の金属リングを備える。リングは、リングが有孔であるように、焼結された金属から形成される。リングは、容器の上部のポートを通って上へ延びているホースとともに、容器の底部に手で配置される。動作中、加圧された気体が、ホースを通ってリングへ移送される。気体が次に、小さい泡の形態で培地へ入るように、金属リングを通り抜ける。泡が培地を通って上へ移動するとき、気体の少なくとも一部分が、培地内に巻き込まれる。他の従来型の噴霧器は、その曲線状の長さに沿って配置された小直径の孔を備えるリングに曲げられた、ステンレス鋼の管の区画を備える。
【0003】
従来の噴霧器は気体を培地に移送することにおいて有用であるが、いくつかの欠点を有する。たとえば、従来の噴霧器は、製造ためにかなり費用がかかり、したがって、再使用されるように設計されている。しかし、従来の噴霧器の再使用は、噴霧器が容器から取り外され、次に清浄および滅菌されることを必要とする。ある状況では、細胞副産物、死んだ細胞、および培養培地内のその他の微粒子が、噴霧器上に留まるまたは噴霧器内に捕捉される可能性があるという点で、噴霧器の清浄が困難であり得る。したがって噴霧器の清浄および滅菌は、時間を消費し、かつ費用がかかる可能性がある。噴霧器または容器を汚染することなく噴霧器を容器内に正確に位置決めし、かつ密封するためにも時間がかかり、かつ配慮がされなければならない。
【0004】
さらに、従来のバイオリアクタでは、培養培地の特性が一様に維持されるように、細胞を含む培養培地が、連続的に混合または懸濁されることが必要である。従来の噴霧器は流体の流れを遮断することがあり、このことが細胞が死ぬデッドスポットを作成する可能性がある。さらに、細胞は、噴霧器上で、または噴霧器によって捕獲されることがあり、このことは、細胞に損傷を与える、または細胞を殺す可能性がある。また、噴霧器は、それらが混合システムを妨害しないように、注意深く設計および位置決めされなければならない。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,083,587号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2003−0077466号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2002−0131654号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0239199号明細書
【特許文献5】米国特許仮出願「Mixing Systems and Related Mixer」
【特許文献6】米国特許出願第11/127,651号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、清浄または滅菌を必要とせず、容器または噴霧器の汚染の危険性なく使用することができ、容器および混合システム内の流体の流れに対する妨害を最小にする噴霧器および容器システムが、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の様々な実施形態が、添付の図面を参照して議論される。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本発明の範囲の限定するものとして考慮すべきでないことを理解されたい。
【0008】
本発明は、気体噴霧器、および気体噴霧器を組み込んでいる容器システムに関する。一般に、本発明の気体噴霧器は、可撓性、気体透過性の噴霧シートを備える。動作中、気体が、流体を保持している容器に付随する噴霧器へ移送される。気体は、噴霧器の可撓性、気体透過性の噴霧シートを通過して容器内の流体に入る。気体が流体内で移動または混合するとき、気体の少なくとも一部分が、流体内に巻き込まれるようになる。このようにして、流体内の気体の分圧を制御するために、および/またはpHなどの関連する流体の特性を制御するために、噴霧器が使用される。このような噴霧器は、細胞および微生物の適切な成長を容易にするために培養培地酸素含有量およびその他の特性を制御することが必要であるバイオリアクタ内で、使用されることができる。しかし、噴霧器はまた、発酵システム内、および気体を流体に曝露することが必要とされまたは望まれる、他の流体処理システム内で使用されることができる。
【0009】
可撓性、気体透過性の噴霧シートを噴霧機構として使用することの結果、本発明の噴霧器の選択実施形態は、従来の剛性の金属噴霧器に対して様々な独自の利点を有する。限定ではなく一例として、本発明の噴霧器は、作成が比較的低価格であり、したがって1回使用後廃棄されるものとすることができる。このように、使用の間で清浄および滅菌する必要性がない。噴霧器は、小さい研究室実験または大規模な商業用生産システムでの使用のために容易に大きさを調整することができる。可撓性、気体透過性の噴霧シートが、所望の領域にわたって所望のサイズを有する微小泡として気体を分散させるように選択され、かつサイズ調整されることができる。このような分散は、泡の形成を最小にしながら、気体が、より容易に流体内に巻き込まれるようにすることを可能にする。また、本発明の噴霧器の選択実施形態は、容器内の流体の流れまたは細胞運動との干渉が最小となる薄型(low profile)の噴霧器を形成するように、容器上に形成され、または容器と接続されるものとすることができる。
【0010】
本発明の噴霧器は、使い捨てのバッグまたはライナなどの可撓性容器の一部として形成されることができる、またはこのような可撓性容器と結合されることができる。そのとき、噴霧器および関連する容器が、同時に滅菌され、かつ一体のシステムとして販売されることができる。このアプローチは、滅菌プロセスを簡略化し、容器または噴霧器の滅菌性を危うくすることなく容器内に噴霧器を手で挿入し、適切に位置決めしなければならないというエンドユーザの困難を除去する。別法として、本発明の使い捨て噴霧器は、既存の剛性の容器内に後付けするように設計されることができる。さらに、いくつかの実施形態では、噴霧器全体またはそのかなりの部分が、柔軟、かつ可撓性であるように設計されることができ、組み合わせられた噴霧器および容器が、噴霧器または容器の損傷の危険性なく、保管および/または輸送するために、コンパクトな形状に折り畳まれる、および/または丸められることができる。本発明の様々な実施形態についての他の多くの利点が以下で論じられるが、以下の開示および添付の図面から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の特徴を組み込んでいる封入システム10の一実施形態が、図1に示されている。封入システム10は、容器システム30がその中に配置されている実質的に剛性の支持ハウジング12を備える。支持ハウジング12は、区画20を画定する上端部14、下端部16、および内部表面18を有する。下端部16には床22が形成されている。開口24が、区画20と連通するように、床22を通って延びている。上端部14は、区画20へのアクセス開口28を画定する唇部26を終点とする。必要に応じて、カバー(図示せず)を、アクセス開口28を覆うように上端部14上に装着することができる。支持ハウジング12は多種多様なサイズ、形状および構成で供給可能であることが理解されよう。たとえば、1つの他の実施形態では、アクセス開口28は恒久的な上端壁によって閉鎖されるものとすることができる。アクセスポートが、側壁または床などの支持ハウジング12上の別の位置に形成可能である。アクセスポートは扉によって選択的に閉鎖されるものとすることができる。
【0012】
これも図1に示されているように、容器システム30は、支持ハウジング12の区画20内に少なくとも部分的に配置されている。容器システム30は、それに装着された噴霧器34を有する容器32を備える。図示されている実施形態では、容器32が、チャンバ40を画定する内部表面38を有する可撓性のバッグ様の本体36を備える。より具体的には、本体36は、これが折り畳まれていないとき、第1の端部44とそれに対向する第2の端部46の間に延在するほぼ円形または多角形の横方向断面を有する側壁42を備える。第1の端部44は上部端壁48を終点とし、一方、第2の端部46は底部端壁50を終点とする。
【0013】
本体36は、約0.1mmから約5mmの間の範囲の厚さを有する低密度ポリエチレンまたはその他のポリマーシートなどの可撓性、不透水性の材料から成る。約0.2mmから約2mmがより一般的である。他の厚さが用いられてもよい。材料は、1層の材料から成る。あるいは、互いに密封されているか、または二重壁容器を形成するために分離されているかのいずれかである2つ以上の層を備えることもできる。層が互いに密封されている所では、材料は積層または押出し成形された材料を備えることができる。積層された材料は、別々に形成され続いて接着剤によって互いに固定された2つ以上の層を備える。
【0014】
押出し成形された材料は、接触層によって分離されることができる異なる材料の2つ以上の層を具備する単一の一体シートを備える。層のすべてが、同時に同時押出し成形される。本発明で使用されることができる押出し成形された材料の一例は、ユタ州ローガンの本件特許出願人から市販されている、HyQ CX3−9フィルムである。HyQ CX3−9フィルムは、3層であり、cGMR施設内で作成された9ミルキャストフィルムである。外層は、超低密度ポリエチレン接触層と同時押出し成形されたポリエステルエラストマーである。本発明で使用されることができる押出し成形された材料の別の例は、これも本件特許出願人から市販されている、HyQ CX5−14キャストフィルムである。HyQ CX5−14キャストフィルムは、ポリエステルエラストマーの外層、超低密度ポリエチレン接触層、およびそれらの間に配置されたBVOHバリア層を備える。さらに別の例では、ブロー成形されたフィルム3つの独立したウェブから作成されたマルチウェブフィルムが、使用されることができる。2つの内側ウェブはそれぞれ、4ミル単層ポリエチレンフィルム(HyCloneによってHyQ BMIフィルムと呼ばれている)であり、一方、外側バリアウェブは、5.5ミルの厚さの6層共押し出し成形フィルム((HyCloneによってHyQ BX6フィルムと呼ばれている)である。
【0015】
材料は、生きている細胞との直接接触が認められており、溶液を無菌に維持することが可能である。このような実施形態では、材料はまた、電離放射線などによって滅菌可能である。様々な状況で使用されることができる材料の例が、2000年7月4日に提出された特許文献1、および2003年4月24日に発行された特許文献2に開示されており、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0016】
一実施形態では、本体36が、2枚の材料のシートが重なる関係で配置され、2枚のシートが内部チャンバ40を形成するためにそれらの周縁で互いに結合されている2次元の枕形のバッグを備える。別法として、1枚の材料のシートを折り畳み、内部チャンバ40を形成するために周縁を縫合されることができる。別の実施形態では、本体36が、長さを切断されて端部が縫い閉じられた、ポリマー材料の連続的な管状の押出し成形品から形成されることができる。
【0017】
さらに他の実施形態では、本体36が、環状の側壁だけでなく、2次元の上部端壁48および2次元の底部端壁50を有する3次元のバッグを備えることできる。3次元の本体36は、3枚以上の、およびより一般的には4または6枚の、複数の離散したパネルを備える。各パネルはほぼ同一であり、本体36の側壁、上部端壁および底部端壁の一部分を備える。各パネルの対応する周縁が縫合されている。縫い目は通常、熱エネルギー、RFエネルギー、音波などの当技術分野で公知の方法、または他の密封エネルギーを使用して形成される。
【0018】
他の実施形態では、パネルが多種多様なパターンで形成されたものとすることができる。3次元のバッグを製造する一方法に関するさらなる開示が、2002年9月19日に発行された特許文献3で開示されており、その図面および詳細な説明は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0019】
本体36は、見かけ上いかなる所望のサイズ、形状および構成を有しても製造可能であることが理解される。たとえば、本体36は、10リットル、30リットル、100リットル、250リットル、500リットル、750リットル、1,000リットル、1,500リットル、3,000リットル、5,000リットル、10,000リットルまたは他の所望の容積のサイズにされたチャンバ40を有して形成されることができる。本体36は、いかなる形状であってもよいが、一実施形態では、本体36は、具体的には、支持ハウジング12の区画20に対して相補的またはほぼ相補的に構成される。
【0020】
しかし、いずれの実施形態でも、本体36が区画20内で受けられるとき、本体36が、支持ハウジング12によって一様に支持されることが望ましい。支持ハウジング12により本体36を少なくともほぼ一様に支持することは、流体が充填されたときに本体36に加えられる流体力による本体36の不具合を防ぐ助けとなる。
【0021】
上記で論じた実施形態では、容器32は、可撓性のバッグ様の構成を有する。しかし他の実施形態では、容器32が折り畳み可能な容器または半剛性の容器のいずれかの形態を具備可能であることが理解される。さらに、閉じた上部端壁48を有することとは逆に、容器32は開いた上部ライナを備えることができる。容器14は透明または不透明であってよく、その中に組み込まれた紫外線阻害物質を有してもよい。
【0022】
上部端壁48上に、チャンバ40と流体的に連通している複数のポート52が装着されている。2つのポート52が示されているが、容器32の意図される用途に応じて1つまたは3つ以上のポート52が存在してもよい。このようにして、各ポート52が、行われる予定のタイプ処理に応じて、異なる目的の働きをすることができる。たとえば、ポート52を、流体またはその他の構成要素をチャンバ40内に分散させたり、または流体をチャンバ40から引き出したりするためにチューブ54と結合させることができる。さらに容器32が細胞または微生物を成長させるためにバイオリアクタとして使用されるときなどに、ポート52は、温度プローブ、pHプローブ、溶解酸素プローブなどの様々なプローブを、チャンバ40へのアクセスに提供するために使用されることができる。
【0023】
容器32の底部端壁50を通って、孔60が延在している。孔60は、支持ハウジング12の床22上の開口24と位置合わせされている。噴霧器34の一部分が、孔60および開口24を通って延びている。噴霧器34は、流体が孔60を通って漏出することができないように、容器32の本体36に密封されている。一般に、噴霧器34は、その上に装着された可撓性、気体透過性の噴霧シート64を有するベース62を備える。
【0024】
図2を参照すると、噴霧器34のベース62は、第1の端部72と対向する第2の端部74の間にそれぞれ延在する内部表面68および対向する外部表面70を有する管状の部材66を備える。内部表面68は、管状の部材66を通って長手方向に延びる通路76を画定している。フランジ78は、第1の端部72で管状の部材66を包囲し、かつそこから半径方向外向きに突き出している。図示されている実施形態では、フランジ78は、ほぼ円形の形状を有する。他の実施形態では、フランジ78は、楕円形、正方形、またはその他の多角形または不規則な形状など、他のいずれかの所望の形状であってよい。フランジ78は、周縁84から外へそれぞれ延在する第1の側面80および対向する第2の側面82を有する。管状の部材66およびフランジ78は、単一の一体ピースとして成形されたものとすることができる。別法として、管状の部材66は、溶接などの従来の技術によってフランジ78と接続されるものとすることもできる。
【0025】
一実施形態では、ベース62が、90未満、および好ましくは70未満であるが通常5を超える値を有するショアAスケールでのデュロメータ硬さ(durometer)を有する、ポリエチレン、シリコーンまたはKRATON(登録商標)などの柔軟な、弾力的に可撓性なポリマー材料またはエラストマー材料から成形される。他の実施形態では、それよりも上の範囲のデュロメータ硬さを有する他の熱硬化性または熱可塑性のポリマーもまた、使用することができる。容器32に関して前に論じられたものなどの他の材料もまた、使用することができる。いくつかの実施形態では、材料特性の結果として、管状の部材66は、閉鎖された通路76をねじるよう手で折り曲げることができる。または、管状の部材66は、通路76を閉じるよう手ではさみこむことができる。いずれの場合でも、管状の部材66は、恒久的に変形することなく、元の形状に弾力的に戻ることができる。
【0026】
一実施形態では、フランジ78は、約2cmから約30cmの間の範囲の最大直径を有し、約5cmから約15cmがより一般的である。管状の部材66は、通常、約2cmから約30cmの間の範囲の長さを有し、約5cmから約15cmがより一般的である。同様に、管状の部材66は通常、約0.2cmから約5cmの間の範囲の最大内直径を有し、約0.5cmから約3cmがより一般的である。他の実施形態では、上記の寸法のそれぞれを変更してもよいことが理解される。たとえば必要に応じて、管状の部材66は、1メートル以上の長さを有する細長いチューブを備えることができる。さらに本実施形態では、管状の部材66の第2の端部74が、内部表面68および外部表面70上の滑らかな、ほぼ円筒形の形状を備え、そこから延びるフランジ、棘またはその他の突起がない内部表面68ことに注意されたい。
【0027】
ベース62の利点の1つは、異なる直径または形状のチューブとの結合に、より容易に適合することである。たとえば、容器32および噴霧器34を備える容器システム30が、単一のユニットとしてエンドユーザに販売されることができることが想定されている。さらに、エンドユーザの確立されたシステムは、それに気体を移送するために噴霧器34の管状の部材66と接続される多種多様なサイズまたはタイプの気体ホースを有する。可撓性の管状の部材66の結果として、所定のサイズを備える対向する端部を有する単一のカプラのみが、管状の部材66を気体ホースと結合するために必要とされる。たとえば、管状のカプラ88が、それから半径方向外向きに突き出している環状の棘を備える対向する端部90および92を有して提供されることが、図1に示されている。第1の端部90は、管状の部材66の第2の端部74で通路76内に固定されている。管状の部材66は、それとの流体密封を形成するために、カプラ88の周囲を弾力的に拘束する。プラスチック製のプルタイ(pull tie)77もまた、それらの間の密封された係合をさらに固定するように、カプラ88を覆って配置された管状の部材66の第2の端部74の部分の周囲に固定することができる。カプラ88の第2の端部92は、気体ライン96の第1の端部94内で受けられる。気体ライン96が管状の部材66とは異なる直径を有する場合、標準カプラ88は、気体ライン96と結合するように構成されたサイズを有する第2の端部92を備えることができる。
【0028】
逆に、従来型の棘付きのステムがフランジ78上に形成された場合、チューブを棘付きのステムとまず結合させ、次に、気体ライン96のサイズの変更に対処するためにカプラ88を使用することが必要となる。結果として、管状の部材66はより普遍的な接続を可能にする。さらに、フランジ78および管状の部材66の両方が柔軟、かつ可撓性の材料から成る結果として、容器32が、噴霧器34および/または容器32の損傷の恐れなく、輸送または保管のために折り畳まれ、および/または丸められるものとすることができる。
【0029】
図3を参照すると、噴霧シート64が、フランジ78の周縁84でまたはそれと隣接して、フランジ78の第1の側面82に固定されている。結果として、区画100がフランジ78の第1の側面80と噴霧シート64の間に形成される。管状の部材66の通路76は区画100と連通している。図示されている実施形態では、噴霧シート64がフランジ78とほぼ同一の形状を有している。他の実施形態では、噴霧シート64がフランジ78と異なる形状を有することができる。たとえば、フランジ78が円形のままとされる場合、噴霧シート64が楕円形、正方形、三角形、またはその他の多角形または不規則な形状を有してもよい。さらに、噴霧シート64は、周縁84から全部外へ延びる必要はなく、周縁84から半径方向内向きに離隔された位置でフランジ78に固定されることができる。この設計では、フランジ78は噴霧シート64の縁部と周縁84の間に延びる環状の縁部部分を備える。この縁部部分は、フランジ78を容器32に密封するために使用されることができる。噴霧シート64が、フランジ78に対して平らに載るように構成可能であること、または区画100が気体を充填されるとき上向きに傾斜するように構成可能であることも理解される。噴霧シート64の表面積を増加させることによって、より広い領域にわたっての噴霧が達成される。
【0030】
一実施形態では、噴霧シート64は、噴霧シート64の周縁86をフランジ78に直接溶接することによってフランジ78に固定されることができる。噴霧シート64およびフランジ78のために使用される材料のタイプに応じて、熱溶接、RFエネルギー、超音波などの従来の溶接技術が使用可能である。さらに他の実施形態では、噴霧シート64をフランジ78に接続するために、様々な形態の接着剤が使用可能である。また、結合をなすのに使用できるものとして様々な形態の機械的なタイプのファスナがある。たとえば、1つまたは複数のクリンプ(climp)またはクランプ(clamp)が、スパリングシート64をフランジ78に固定するために使用可能である。他の従来の固定技術もまた、使用することができる。
【0031】
噴霧シート64を直接フランジ78に固定することに対して、それらの間に移行部材を使用することができる。たとえば、リング形状にされた移行部材55が、内側の第1の端部58と外側の第2の端部59との間に延びる、上部表面56および対向する底部表面57を有することが図3Aに示されている。移行部材55は通常、前に論じた溶接技術のいずれかによってフランジ78と容易にかつ固定して接合されるポリマー材料のシートから形成されている。このような材料の例は、ベース62および本体36関して前に論じたのと同じ材料を含む。組立中、移行部材55の第2の端部59の所で、底部表面57がフランジ78に溶接される。第1の端部58は、フランジ78に固定されず、したがってそれに対して自由に運動する。噴霧シート64が、第1の端部58で底部表面57に溶接されること(図3A)、または第1の端部58で上部表面56に溶接されること(図3B)などによって、移行部材55に固定される。
【0032】
噴霧シート64のために使用される材料のタイプに応じて、移行部材55を使用することは、いくつかの利点を生む。たとえば、以下でより詳細に論じるように、噴霧シート64のために使用可能なあるタイプの材料は、商標TYVEK(登録商標)の下で一般に販売されてものなどの、スパンボンディッドオレフィン(spun−bonded olefin)材料である。しかし、被覆されていないスパンボンディッドオレフィン材料をフランジ78に熱溶接することは、スパンボンディッドオレフィン材料を薄くする可能性があり、それによってその構造強度を減少させる。気体が噴霧器34に付加されるとき、高い応力の点荷重が噴霧シート64とフランジ78との間の内部交点に生じる。噴霧シート64を薄くする量に応じて、この荷重が、噴霧シート64の不具合を結果として生じさせる可能性がある。移行部材55を使用することによって、気体によって生じる高い応力の点荷重は、材料適合性によりフランジ78と移行部材55との間に形成され、不具合なく負荷に容易に耐えることができる。移行部材55の自由に運動可能な第1の端部58上に噴霧シート64を溶接することによって、スパリングシート64と移行部材55の間の荷重が、2つの部材の間の溶接部を横切るせん断方向に一様に付加される。この減少した荷重は、薄くした後でさえも噴霧シート64によって容易に対処できるものとなる。
【0033】
別の実施形態では、図3Cに示されているように、被覆65を、噴霧シート64の周縁68の片側または両側に適用することができる。被覆65は、低密度ポリエチレン、エチレンビニルアセテートまたはTYVEK(登録商標)を被覆するために一般に使用されるその他の被覆などのポリマー材料を備えることができる。被覆65は、噴霧シート64が薄くなることを最小化するまたは防止することができるものであり、これによりスパリングシート64の被覆された部分が直接フランジ78に溶接できるようになる。
【0034】
噴霧シート64は、多種多様な特性を有する多種多様な材料から成ってもよい。前に論じたように、噴霧シート64は、通常、気体透過性、可撓性の材料のシートから成る。噴霧シート64は通常約20μmから約2.5cmの間の範囲の厚さを有し、約20μmから約5000μmが一般的であり、約20μmから約1,000μmがより一般的であり、かつ50μmから約300μmがさらに一般的である。噴霧シート64は、約2psig(14kPa)から約50psig(343kPa)の間の範囲の破裂強度を有することができ、約2psig(14kPa)から約25psig(172kPa)がより一般的であり、かつ約2psig(14kPa)から約10psig(68kPa)がさらに一般的である。噴霧シート64はまた、ガリーヒル(Gurley Hill)空隙率の量的な特性を使用して測定されたとき、約0.1から約300(秒/100ccIN2)の間の空隙率を有して作成されることができ、約5から約100(秒/100ccIN2)が一般的であり、5から約60(秒/100ccIN2)がより一般的であり、かつ約5から約30(秒/100ccIN2)がさらに一般的である。このような厚さ、破裂強度、および空隙率は様々であり、使用されている材料に大部分依存する。
【0035】
いくつかの実施形態では、噴霧シート64は、蒸気透過性および耐水性の両方をもつ材料から成る。すなわち、気体は噴霧シート64を通過することができるが、水またはいくつかの他の流体は、使用中でないときにはそれを通って流れることが妨げられる。同様に、噴霧シート64は、それが十分に高い気体圧力を受けたとき、気体が通過することのみを可能にするように製造されてもよい、疎水性、強度、溶接可能性、生体適合性、およびガンマ線安定性を維持しながら、高い透過性を備える材料を有することが、しばしば望ましい。
【0036】
従来のポートおよびフィルム(容器32に関して論じたフィルムなど)において使用される一般的な材料に容易に溶接される、可撓性の材料を有することもまた、しばしば望ましい。たとえば、柔軟な可撓性の性質の、または紙様のフィルムは、バイオリアクタの製造、包装、装填、および使用中に、それが折り畳まれることを可能にする。噴霧材料の表面積および形状は、溶接または切削パターンに従って容易に修正または変更可能であることもまた望ましい。
【0037】
噴霧シート64の形成において使用されることができる材料の選択タイプの例は、(1)ポリマー不織布、(2)ソルベントキャスト(solvent−cast)ポリマーフィルム、(3)オープンセルフォーム(open−cell foam)ポリマーシート、および(4)有孔ポリマーシートを含む。本明細書で使用されるとき、「不織布」という用語は、編まれたまたは織られた布でのように特定可能な方式ではなく、中間に入れられた個々の繊維または糸の構造を有するウェブを意味する。不織布は、たとえば、溶融ブロープロセス、スパンボンドプロセス、ハイドロエンタングリング、エアレイド(air−laidおよびボンディッドカーディッド(bonded carded)ウェブプロセスなどの、多くのプロセスによって形成することができる。本発明で特に有用であることが見いだされたある特定のタイプの不織布は、商標TYVEK(登録商標)の下で一般に販売されているスパンボンディッドオレフィン材料である。TYVEK(登録商標)は通常、約2マイクロメートルから約8マイクロメートルの間の平均直径を通常有する、高密度ポリエチレから成る連続的な極めて細い繊維を使用したプロセスによって形成される。これらの繊維は、フラッシュスパンされ、次に、不規則に分散された無方向性のパターンで、移動ベルト上でウェブとして編まれる。最後に、繊維のウェブが、熱および圧力を使用して互いに接合される。最終的なウェブは通常、約50ミクロンから約250ミクロンの間の範囲の厚さを有する。
【0038】
TYVEK(登録商標)は、疎水性、強度、溶接可能性、生体適合性、およびガンマ線安定性を維持しながら、高い透過性を有するというその好ましい品質の点で、有用であることが見いだされた。TYVEK(登録商標)フィルムは、ガリーヒル空隙率の量的な特性を使用して測定されたとき、約6から約30(秒/100ccIN2)の間の範囲の空隙率を有して作成することができる。ベンドセン空気透過性(Bendtsen Air Permeability)の法に従って評価された透過性は、約400から約2000(ml/分)の範囲である。医療用のTYVEK(登録商標)は通常、約20(マイクロメートル)の相対孔サイズ、および約25から約32(dyne/cm)の表面エネルギーを有する。湿潤蒸気伝達率(Moisture Vapor Transmission Rates)(MTVR)はしばしば、約1500から約1640(μ/m2/24時)の範囲である。
【0039】
本明細書で使用されるとき、「ソルベントキャストポリマーフィルム」という用語は、溶媒を備えて最初に作成されるポリマーフィルムを意味する。溶媒は、結果としてのフィルムが、所望の空隙率を有するように、製造プロセス中に除去される。キャストポリマーフィルムの例は、商標TEFLON(登録商標)の下で販売されているポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリプロピレン、シリコーン、KYNAR(登録商標)(PVDF)、CORTEX(登録商標)を含む。一実施形態では、取り付けられることができるキャストポリマーフィルムが、織られた布または本明細書で説明された他の材料のうちの1つなどの有孔の支持層である。
【0040】
オープンセルフォームドポリマーシートは、当技術分野で公知であり、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリウレタンなどの多種多様なポリマー材料から形成することができる。材料は、気体に対して有孔であるオープンセル構造を形成するために、従来のプロセスを使用して気体によって泡立てられる。オープンセルフォームドポリマーシートは通常、約1mmから約25mmの間の範囲の厚さを有することが、想定されている。
【0041】
有孔ポリマーシートは、押出し成形などの従来のプロセスを使用して形成され、次に有孔のシートを作成するように穿孔された、ポリマー材料のシートを備える。シート内に穿孔またはエンボス加工されることなどによって小さい穿孔を作成することができる。一実施形態では、穿孔された孔は、約20μmから約5mmの間の範囲の直径を有することができ、約20μmから約500μmがより一般的である。有孔ポリマーシートは、様々なフッ素化ポリマーおよび本体36に関して前に論じたようなその他の材料などの、多種多様な材料から作成することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、噴霧シート64は、上記のタイプの材料の2つ以上の組合せまたは積層を備えることができる。
【0043】
図1に戻ると、フランジ78の底部表面82が、噴霧器34を容器32に固定し、かつ液体が孔60を通って漏出することを防止するように、容器32の底部端壁50にシールされる。フランジ78は通常、従来の溶接技術によって容器32に固定される。しかし、別法として、接着剤または機械的接続を使用することができる。組立段階で、噴霧シート64および容器32を、溶接プロセスなどを通じて同時に、または所望の順序で段階的に、フランジ78の両側に固定することができる。いったん容器システム30が完全に組立てられると、システムは保管バッグ内に密封されることができ、次に全システムが、様々な形態の放射線滅菌を通じてなどで滅菌される。
【0044】
動作中、容器システム30は、噴霧器34の管状の部材66が支持ハウジング12の床22内の開口24を通って下向きに通過するように、支持ハウジング12の区画20内に配置される。気体ライン96が次に、前に論じたように、カプラ88を使用して管状の部材66と結合される。他の実施形態では、管状の部材66は、気体源へ直接延在可能な細長いチューブとして形成可能である。
【0045】
次に、流体104が、ポート52によって容器32のチャンバ40内に分散される。流体104は多種多様な材料を備えてもよい。たとえば、容器システム30が細胞または微生物を成長させるためのバイオリアクタとして使用されている場合には、流体104が、培養されている細胞または微生物のタイプに従った培養培地を備えることができる。流体はまた、バクテリア、菌類、ソウ類、植物細胞、動物細胞、原生生物、線虫などの種接種材料を備えることができる。本発明は、非生物学的システムで使用されることもできる。たとえば、システムは、溶液内のpHまたは気体の分圧を制御または調整することが望まれるところの溶液を処理または混合するために、使用可能である。
【0046】
流体104が容器32のチャンバ40内に配置された後、および/またはその充填と同時に、気体が気体ライン96を通って移送され、噴霧器34の区画100に入ることができる。気体は噴霧シート64を通って移動し、次にそこでチャンバ40内の流体104と接触する。噴霧シート64が比較的大きい表面積およびその小さい孔サイズを有しているため、気体は、流体104内に容易に巻き込まれることができるマイクロバブルの形態で噴霧シート64を通って外へ通過する。また、噴霧器34を通過する気体のタイプは、チャンバ40内の流体のために必要とされる処理のタイプに従う。細胞および微生物が培養されている場合には、気体は通常、酸素、二酸化炭素、および/または窒素と選択的に結合される空気である。また、他の実施形態では、上記で識別された特定の気体、または気体の組合せが、噴霧器34を通過するようにすることができる。
【0047】
図1にも示されているように、一実施形態では、噴霧器34が沈められ、使用中でないとき、噴霧シート64を通る流体蒸気の望ましくない移送を減少させるために、気体ライン96に沿って、または噴霧器34の所でチェックバルブ106を使用することは有用である。実際の湿気伝達率は、使用される流体104のタイプおよび特定の用途によって様々であってよい。
【0048】
必須のものではないが、一実施形態では、チャンバ40内の流体104を混合するための手段が提供される。一例であって限定するものではないが、一実施形態では、駆動軸110がチャンバ40内に突出しており、その端部に装着されたインペラ112を有する。したがって、駆動軸110の外部回転が、チャンバ40内の流体104を混合および/または懸濁させるインペラ112の回転を容易にする。噴霧器34は通常、混合手段の直下に配置され、これによりミキサによって生成される流体104の混合または移動が流体104内への気体泡の巻き込みを助ける。可撓性の容器内に回転ミキサを組み込むための方法のある特定の例が、2005年10月27日に発行された、特許文献4に開示されており、これは参照によって本明細書に組み込まれる。別の例が、Whitt F.Woods他の名前で、Mixing Systems and Related Mixersという名称の、2006年3月20日に提出された特許文献5に開示されている。
【0049】
混合手段の他の実施形態では、チャンバ40内で鉛直ミキサを鉛直方向に往復運動させることによって混合が達成されるものとすることができる。たとえば図4には、それを通って延びる複数の開口131を有するミキシングディスク130を備える鉛直ミキサ129の一実施形態が示されている。図5に示されているように、ディスク130が鉛直方向上向きに移動されるように、複数の可撓性のフラップ132がミキシングディスク130の底部表面上に装着される。フラップ132の開放によって流体が開口131を通過でき、ディスク130が下向きに引かれると、フラップ132がディスク130に対して水平になり、それによって開口131が閉鎖される。開口131が閉じられると、ミキシングディスク130が流体を下向きに押し、次に、後退させて、ミキシングディスク130の周りに押しやることで、流体が容器32内で混合するようにする。
【0050】
軸133がミキシングディスク130の下に延在し、容器32内の開口を通って外に出ている。容器32の外側で、軸133が駆動機構と接続され、所望の周波数および所望の高さにわたって軸133を選択的に上昇および下降させる。可撓性の膜134が容器32と軸133の間に延在し、軸133と容器32の間の密封された流体接続を形成するようにしている。軸133が上昇および下降すると、可撓性の膜134が、軸133ひいてはミキシングディスク130の自由な運動を許すために曲がる。鉛直ミキサ129の組立および動作に関するさらなる開示が、2005年5月11日に提出された特許文献6になされており、これは参照によって本明細書に組み込まれる。さらに他の実施形態では、チャンバ40の内外へ移動させるために蠕動ポンプなどを使用することにより、チャンバ40を通って単に流体を循環させることによって混合が達成されるようにしてもよいことが理解される。他の従来の混合技術もまた使用可能である。
【0051】
容器32上に噴霧器34を溶接することで、低プロファイルの噴霧を提供しながら、高レベルの表面積を提供することが可能となる。いくつかの実施形態では、このことは、インペラ112の近くの乱流を減少させ、および/または、クラック、継ぎ目または裂け目内での細胞蓄積の可能性を減少させる。さらに、1回使用の使い捨て容器システム30を使用することは、いくつかの従来の噴霧器に付随することがある清浄の問題、すなわち汚染や、このような容器の多数の穴、孔、および裂け目を清浄化することを往々にして含む問題を、回避または減少させることに役立つ。たとえば、いくつかの噴霧器内の小さい空隙領域が、汚染の発生の増加につながる滞留(lodge)および蓄積される塵またはその他の物質のための領域を呈してもよい。ある場合、これは次の運転に持ち越され得るものである。
【0052】
前に論じたように、細胞培地内で噴霧器34を使用することの一目的は、酸素の質量移動(kLa)を助けることである。このことは、しばしば、成長している細胞の呼吸を必要とする。1回使用バイオリアクタ内で噴霧器34を使用することの利点は、TYVEK(登録商標)が使用されるときなどに、噴霧シート64の蛇行した孔構造が、噴霧器34を通って導入される大量の気体からの酸素の質量移動の、有用な効果を可能にする。いくつかの実施形態では、質量移動を有利にすることができるため、バイオリアクタ内に導入された小さい泡を有することが望ましい。透過性の膜を横切る質量移動は、気体泡の結果生じる質量移動にかかわらず生じ得る。それに関連して、長い気体保持時間は、流体内のカラムおよび体積比のより高い表面でしばしば望ましい影響である。
【0053】
栄養培地の、塩、蛋白質、砂糖、およびマイクロおよびマクロの構成要素の含有比率に本質的に関連する表面張力降下によって、泡のサイズが支配されることが一般に受け入れられている。実験的に計算されたkLa値、視覚的な観察、およびバイオリアクタ作動によるデータは、しばしば、泡サイズおよびおそらくは改善された質量移動が本噴霧手法の品質であることを示している。液体の組成および理論的特性、混合強度、流体の回転率泡サイズ、細胞塊の存在、および界面吸収特性が、すべて酸素の質量移動などの気体の細胞への質量移動に影響を与える。質量移動の主な駆動力は、表面積および濃度勾配を含む。多くの場合、攪拌されたタンクバイオリアクタ内での酸素質量移動の抵抗の主な源は、気体泡を包囲する液体膜である可能性がある。
【0054】
上記で論じたようなTYVEK(登録商標)およびその他の同様の気体透過性の膜を使用することによって、噴霧シート64の表面積を容易に増加させることができる。いくつかの実施形態では、噴霧シート64と液体接合面の間の酸素勾配を、噴霧取入口を直接介した一定の補充を通じて、高いレベルに維持することができる。さらに、迅速な混合強度はまた、インペラ112が噴霧シート64上に直接培地をくみ出すとき、質量移動を有利にする。気体透過性膜の使用がフィルム表面の大量の酸素の質量移動を可能にし、それはまた、流体カラム内で上昇する泡の形成に加えられる。
【0055】
多くの場合、小さい泡が、バイオリアクタの上部でより大きな泡に至る。これは、細胞生存可能性、およびヘンリーの法則によるkLaおよび分圧に関連する気体の溶解可能性に負の影響を与える可能性がある。この境界層は、しばしば、大量の液体内での溶解酸素レベルを制御する可能性を減少させる結果と生じる。通常、過度の量が、排出フィルタの遮断および運転の不具合を生じさせることがあるため、泡の存在を回避または緩和することが望ましい。本明細書に記載されている新規な噴霧器アプローチは、従来のシステムと比較して、しばしば減少されたレベルの泡の発生をもって、所望の質量移動特性を提供することができる。このことは、より大きな効率、および目標とする酸素溶解度を維持するために噴霧器を通って導入される少ない気体によるものである。
【0056】
噴霧器34は、多種多様なサイズ、形状、設計および構成で供給可能であることが理解される。一例としてであって限定するものではないが、図6には、本発明の特徴を組み込んでいる他の実施形態の噴霧器120が示されている。噴霧器120と噴霧器34との間の同様の要素は、同様の参照符号によって識別される。前に論じた噴霧器34は、可撓性の容器32上に装着されるものとして開示されている。これに対し、噴霧器120は、バッグまたはライナの使用なしで流体104を保持するように設計されている剛性の容器に取外し可能に装着されるように、特に設計されている。特に、図6に示されているように、支持ハウジング12の床22が、それを通って延びる開口24を有して示されている。しかし、この実施形態では、管状のカラー122が開口23を包囲し、かつ床22から下向きに延在している。カラー122は、環状の唇部124を終点とする。
【0057】
噴霧器120は、管状の部材66が延長され、フランジ128が管状の部材66を包囲し、かつ管状の部材66の両端部の位置で底から半径方向外向きに突き出していることを除いて、噴霧器34とほぼ同一である。フランジは、唇部124の外直径とほぼ同一である外直径を有する。フランジ128を環状の唇部124に接して配置することによって、クランプ126がフランジ128を環状の唇部124に固定することができ、それによって開口24を密封して閉じる。この実施形態では、流体104は支持ハウジング12の区画20内に直接分散されることができ、かつ噴霧器120は、その中の噴霧流体104のために使用されることができる。前記の点で、噴霧器120は、使用間で容器が清浄および滅菌される場合、既存の剛性の容器内に後付けされるものとすることができる。しかし、噴霧器120は、各使用後に破棄されることができる1回使用のアイテムのままである。
【0058】
図7および図8に、ほぼリングまたはドーナツ形状を有する別の噴霧器140の実施形態が示されている。噴霧器140は、それを通って中央に延びる孔144を有するほぼ円形ベース142を備える。一実施形態では、ベース142は、ポリウレタンまたはポリエチレンの押出し成形されたシートなどの有孔でないポリマー材料の可撓性のシートを備える。ベース142は本体36に関して前に論じたのと同じ材料から成ってよい。他の実施形態では、ベース142が、半剛性のまたはほぼ剛性のプレートを備えていてもよい。たとえば、ベース142は、高密度ポリエチレン材料などの剛性のタイプのプラスチックから成っていてもよい。ベース142は、内側縁部150と対向する外側縁部152の間にそれぞれ延在する、上部表面146および対向する底部表面148を備える。内側縁部150は開口144を画定している。
【0059】
図示されている実施形態では、ほぼ円形噴霧シート154が、中央開口157を画定する内側縁部156および外側縁部158を有して提供される。内側縁部150および156、および外側縁部152および158は、溶接、接着または機械的ファスナなどの前述した技術を使用して、それぞれ互いに密封されている。結果として、区画160がベース142と噴霧シート154の間に形成される。噴霧シート154は、噴霧シート64に関して前に論じたのと同じ特性を有することができる。さらに、この実施形態および本明細書で議論された他のすべての実施形態では、噴霧シートをベース142などの別個の構造と接触させるために、1つまたは複数の移行部材55を使用することができる。
【0060】
チューブ162が、噴霧シート154と結合されている。チューブ162は、気体を区画160へ移送するための気体源と選択的に結合されることができる。噴霧器140は、容器32の底部端壁50に対し、溶接またはその他の方法で容器に固定できる。たとえば内側縁部150および/または外側縁部152を、溶接またはその他の方法で容器32に固定することができる。
【0061】
別法として、噴霧器140が、容器32の床の上にまたは支持ハウジング12の床の上に単に配置されたものとすることができる。噴霧器140は、噴霧器140を定位置に固定するための重りまたはその他の取外し可能な固定技術によって、定位置に保持されることができる。噴霧器140が定位置に配置されると、チューブ162が、ポート52の1つを通って外へ延在できる。別法として、チューブ162が、ベース142と結合され、次に容器32の底部および/または支持ハウジング12の底部内の孔を通って、外へ延在するものとすることもできる。噴霧器140の他の変形例では、孔144は、ベース142上で除去されるものとすることができる。および/または、孔157は噴霧シート154上で除去されるものとすることができる。さらに別の変形例では、ベース142は噴霧シート154と同じ材料で作成される。
【0062】
別の噴霧器170の実施形態が図9に示されている。噴霧器170と噴霧器140の間の同様の要素は、同様の参照符号によって識別される。噴霧器170は噴霧器140とほぼ同じであり、かつベース142および噴霧シート154を備える。しかし、噴霧器140に対して、噴霧器170では、チューブ162が、取り外され、ベース142上に装着されたポート172と置換されている。ポート172は、第1の端部176および対向する第2の端部178を有するステム174を備える。ステム174は、管状の部材の一形態であり、かつそれを通って延在する通路184を画定する。フランジ180が、ステム174の第1の端部176を包囲しかつそこから半径方向外向きに突出している。フランジ180は、溶接、接着またはその他の従来の技術になどによって、ベース142の上部表面146に装着されている。ステム174は、ベース142上に形成された孔を通って下向きに延在している。棘182がステム174の第2の端部178を包囲し、そこから半径方向外向きに突出している。ステム174は、気体を区画160へ移送するためのチューブと結合されるように構成されている。組立中、ステム172が容器32および/または支持ハウジング12内に形成された孔を下向きに通過することができる。噴霧器140に関して前に論じたのと同じ変形および装着を、噴霧器170にも施すことができる。さらなる実施形態では、ポート172が噴霧器34のベース62と交換可能である。この点で、ベース62をポートと称することができ、そのように機能する。
【0063】
図10に、別の噴霧器190の実施形態が示されている。噴霧器190は、互いに固定された複数の噴霧シートを具備する本体192を備える。特に、本体192は、周縁195を終点とするほぼ円形の形状を有する第1の噴霧シート194を備える。本体192はまたほぼ円形形状を有し、かつ周縁198を終点とする第2の噴霧シート196を備える。周縁195および198は、溶接接着またはファスナなどによって互いに縫合されている。結果として、区画200が、噴霧シート194と196の間で画定される。他の実施形態では、本体194が、容器32に関して前に論じたのと同じ方法を用いて、1枚、3枚またはそれ以上のシートから形成されることができる。本体194は球、円筒、箱、ピラミッド、不規則な形状などの様々な形状のいずれかで構成され、かつ透過性および非透過性の材料または表面のいかなる組合せを備えてもよいことが理解される。
【0064】
噴霧器190は、第2の噴霧シート196と結合された第1の端部204および対向する第2の端部206を有する管状の部材202をさらに備える。管状の部材202は、区画200と連通している通路208を画定することが理解される。噴霧器190は、再使用可能な剛性の容器または使い捨て可撓性容器とともに使用可能である。図示されている実施形態では、容器32が、底部端壁50に装着された管状のポート210を有して示されている。結合チューブ212は、ポート210と接続された第1の端部214およびカプラ218と接続された対向する第2の端部216を有する。カプラ218は、それとともに密封された係合を形成するように、結合チューブ212の第2の端部216内で受けられる外側ステム220、管状の部材202の第2の端部206と結合されている内側ステム222、および内側ステム222と流体的に連通し、かつ気体ラインと結合されるように構成されている遠位のステム224を備える。この構成では、容器32の区画40を密封閉鎖するように維持しながら、気体が結合チューブ212を通ることによって噴霧器190の区画200へ移送されることができる。気体が噴霧器190へ移送可能するために、カプラ噴霧器190を容器32と結合するために使用できる多種多様な結合技術およびカプラがあることが理解される。
【0065】
図11に、容器32の一部分として形成されている本発明の噴霧器230の一実施形態が示されている。特に、図9に示されているように、ステム174が孔60を通って下向きに延在するよう、ポート172が容器32の底部端壁50の内部表面38に装着されている。噴霧器230は、噴霧シート324がポート172を包囲し、かつ覆うように、噴霧シート234の周縁232を直接容器32の底部端壁50に溶接することによって形成される。結果として、噴霧器230は、容器32の底部端壁50と噴霧シート234の間で画定されている区画236を有する。前に論じたように、ポート172のステム174は、気体が区画236へ移送されることができるようにするために、気体ラインと結合するように構成されている。噴霧シート234ならびに本明細書で参照された他の噴霧シートが、噴霧シート64に関して前に論じたのと同じ代替となる材料で作成可能であることを理解されたい。
【0066】
図示されている実施形態では、区画236が、ドーム形状の空間を画定する。本明細書で説明されたような噴霧器組立体の形状により、たとえば噴霧シート234に要求される表面積および対応する気体流速が、異なるサイズ、ここに示されているドームなどのような様々なサイズ、形状を使用することによって調節できるようになる。前に論じたように、本発明のいくつかの実施形態は、流体の逆流を防止することが可能な、ポート172に取り付けられた配管とライン結合されたチェックバルブを備えてもよい。
【0067】
他の実施形態では、ポート172が、図1に関して前に論じたようなベース62と置換されてもよい。ベース62に関して前に論じたような他の実施形態はまた、図11に関するこの他の実施形態に適用可能である。この実施形態では、ベース62のフランジ78が、管状の部材66が開口60を通って延在するように、容器32の底部端壁50に直接固定可能である。しかし、噴霧シート234が、ベース62と直接接続することなく、容器32の底部端壁50に直接付着する。
【0068】
さらに他の実施形態では、噴霧シート234およびポート172が、容器32上の多種多様な位置に装着可能であることが理解される。また、噴霧シート234は、いかなる所望の形状を有して形成可能である。ポート172は、気体ラインとの結合および気体を区画236へ移送するために使用することができる、他の様々なタイプのポートと置換可能である。
【0069】
図12に、本発明の別の実施形態である噴霧器250が示されている。噴霧器250は、噴霧器230と同様であり、同様の要素が同様の参照符号によって識別される。図12に示されている実施形態では、ポート172のフランジ180が拡大されている。噴霧シート234は、ポート172を通って延在する通路184を包囲し、かつカバーするように、フランジ180に直接固定されている。
【0070】
図13に、本発明の特徴を組み込んでいる、他の実施形態の容器システム260が示されている。容器システム260は、その床上に装着されたポート52を有する可撓性の本体36を具備する容器32を備える。可撓性の噴霧シート262が、流体ラインの下へ延在する側壁の少なくとも一部分を覆うように、および容器の床も覆うように、容器32の側壁に装着されている。噴霧シート262は、本明細書で前に論じた有孔材料のうちの1つまたは複数から形成されている。使用中、気体がポート52を通って移送される。気体が、迅速にかつ効果的に流体内に吸収されるように、大きな表面積にわたって噴霧シート262を通り抜ける。図14に示されている実施形態は、噴霧シート262が容器32の床のみを覆っていることを除いて、図13のものとほぼ同一である。
【0071】
本発明の噴霧器は、液体内の望ましくない溶解した成分を除去または揮散させるためにも使用可能である。たとえば、主噴霧器とともにまたは分離して使用可能な別個の噴霧器が、生化学反応または細胞の呼吸(二酸化炭素など)の生体生成物として生じた廃棄物を除去するためにバイオリアクタ内で使用可能である。この噴霧器は、溶解酸素、またはプロセスパラメータなどの変数を制御するために、望ましくない溶解した気体成分が、培地から取り出されることを可能にするために、大きな孔を備えて構成されることができる。
【0072】
前記の実施形態は、本発明の噴霧器を形成する他の方法の例に過ぎないことが理解されよう。異なる実施形態の様々な特徴が組み合わされ、さらに他の実施形態を生成可能であることが、理解されよう。
【0073】
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化されてもよい。説明された実施形態は、単に例示的なものに過ぎず、限定的なものではないことが考慮されるべきである。したがって、本発明の範囲は、前の説明によってではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味および範囲内にあるすべての変更が、それらの範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】噴霧器を有する封入システムの側部断面図である。
【図2】図1に示されている封入システムの噴霧器の底部側の斜視図である。
【図3】図2に示されている噴霧器の側部断面図である。
【図3A】ベースを噴霧シートと接続するための移行部材を使用している、図3に示されている噴霧器の側部断面図である。
【図3B】移行部材を使用している修正された接続部を示す、図3Aに示されている噴霧器の側断面図である。
【図3C】噴霧シートの周縁が、ポリマー被覆を有し、かつベースと接続されている、図3に示されている噴霧器の側断面図である。
【図4】その中に配置された鉛直ミキサを有する、図1に示されている容器の側断面図である。
【図5】図4に示されている鉛直ミキサのミキシングディスクの底部側の斜視図である。
【図6】剛性の支持ハウジング上に装着された、噴霧器の他の実施形態の側断面図である。
【図7】ほぼドーナツ形の形状を有する、噴霧器の他の実施形態の上部透視図である。
【図8】図5に示されている噴霧器の側断面図である。
【図9】チューブが、噴霧器のベースを通って下向きに延びているポートと置き換えられた、図6に示されている噴霧器の他の実施形態である。
【図10】互いに縫い合わせられた複数の噴霧シートから形成された、噴霧器の別の実施形態の側断面図である。
【図11】噴霧シートが、容器の底部端壁に固定された、噴霧器の他の実施形態の側断面図である。
【図12】噴霧シートが容器に装着されたポートのフランジに固定された、噴霧器の別の実施形態の側断面図である。
【図13】ライナとしての噴霧シートを有する容器を備える容器システムの側断面図である。
【図14】その床を裏打ちしている噴霧シートを有する容器を備える容器システムの側断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
そこから延在する管状の部材を有するベースであって、前記管状の部材は、通路を画定している内部表面を有するベース、
気体透過性材料の可撓性のシートから成る噴霧シート、および
該噴霧シートと前記ベースの間に固定され、それらの間で延在する可撓性の移行部材であって、前記噴霧シートとは異なる材料から成る移行部材、を備えることを特徴とする噴霧器。
【請求項2】
前記ベースは、前記管状の部材から半径方向外向きに突き出しているフランジを備えることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項3】
前記ベースは、開口を画定している内側縁部、および包囲している外側縁部を有するリング形状にされた部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項4】
前記噴霧シートと前記ベースの間に固定され、それらの間に延在する、リング形状にされた第1の移行部材と、
前記噴霧シートと前記ベースの間に固定され、それらの間に延在する、リング形状にされた第2の移行部材をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の噴霧器。
【請求項5】
前記ベースは、ほぼ孔のない材料から成り、かつ前記移行部材は、可撓性のシートの形態であることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項6】
前記ベースは、ポリマー材料の押出し成形されたシートから成ることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項7】
前記管状の部材は、前記ベースと一体に形成または接続されている、ポート、ステム、または細長いチューブを備えることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項8】
前記噴霧シートは、ポリマーの不織布、ソルベントキャストポリマーフィルム、オープンセルフォームドポリマーシート、または穿孔されたポリマーシートから成ることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項9】
前記管状の部材と結合されたチェックバルブをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項10】
チャンバを画定する内部表面を有する可撓性ポリマーバッグ、および
前記ポリマーバッグの前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置された請求項1に記載の噴霧器であって、前記噴霧器の前記ベースは前記ポリマーバッグに固定されている噴霧器
を備えることを特徴とする容器システム。
【請求項11】
そこから延在する管状の部材を有し、前記管状の部材は、通路を画定している内部表面を有するベースであって、前記ベースは、90未満の値のショアAスケールのデュロメータ硬さを有する可撓性ポリマー材料から成るベース、および
前記フランジに固定された気体透過性材料の可撓性のシートから成る噴霧シート
を備えることを特徴とする噴霧器。
【請求項12】
前記ベースは、前記管状の部材から半径方向外向きに突き出しているフランジを備えることを特徴とする請求項11に記載の噴霧器。
【請求項13】
前記管状の部材は、前記ベースと一体に形成または接続されている、ポート、ステム、または細長いチューブを備えることを特徴とする請求項11に記載の噴霧器。
【請求項14】
前記噴霧シートは、前記ベースに溶接されることを特徴とする請求項11に記載の噴霧器。
【請求項15】
前記噴霧シートと前記ベースの間に固定され、それらの間に延在する可撓性の移行部材をさらに備え、前記移行部材は、前記噴霧シートとは異なる材料から成ることを特徴とする請求項11に記載の噴霧器。
【請求項16】
前記噴霧シートは、前記ベースと前記気体透過性シートの間に区画が形成されるように、前記管状の部材から離隔された位置で前記ベースと接続されていることを特徴とする請求項11に記載の噴霧器。
【請求項17】
前記噴霧シートは、不織布、ソルベントキャストポリマーフィルム、オープンセルフォームドポリマーシートまたは穿孔されたポリマーシートから成ることを特徴とする請求項11に記載の噴霧器。
【請求項18】
チャンバを画定する内部表面を有する容器であって、前記チャンバは、流体を保持するように構成されている容器、および
前記容器の前記内部表面と前記噴霧シートの間に区画形成されるように、直接、または可撓性移行部材を介して、前記容器の前記内部表面に固定された気体透過性材料の可撓性のシートを備える噴霧シートを備えることを特徴とする容器システム。
【請求項19】
前記容器は、可撓性ポリマー材料の1つまたは複数のシートから成るバッグを備えることを特徴とする請求項18に記載の容器システム
【請求項20】
可撓性ポリマー材料の1つまたは複数のシートから成る上部が開いたライナを備えることを特徴とする請求項18に記載の容器システム。
【請求項21】
前記容器は、可撓性材料から成り、かつ剛性の支持ハウジング内に配置されていることを特徴とする請求項18に記載の容器システム。
【請求項22】
前記容器と結合された管状のポート、ステム、またはチューブをさらに備え、前記管状のポート、ステムまたはチューブによって画定された通路が前記区画と連通するようにされていることを特徴とする請求項18に記載の容器システム。
【請求項23】
前記管状のポート、ステムまたはチューブと結合されたチェックバルブをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の容器システム。
【請求項24】
前記移行部材は、前記噴霧シートと、前記容器の前記内部表面の間に固定され、それらの間に延在するほぼリング形状にされた形状を有し、前記移行部材は、前記噴霧シートとは異なる材料から成ることを特徴とする請求項18に記載の容器システム。
【請求項25】
前記噴霧シートは、ポリマーの不織布、ソルベントキャストポリマーフィルム、オープンセルフォームドポリマーシートまたは穿孔されたポリマーシートから成ることを特徴とする請求項18に記載の容器システム。
【請求項26】
流体を気体で噴霧する方法であって、前記方法は、
流体を容器のチャンバ内に分散させるステップ、および
前記気体が、気体透過性の不織布の可撓性のシートから成る前記噴霧器の噴霧シートを通り抜けるように、前記容器と結合された、または前記容器の前記チャンバ内に配置された噴霧器へ気体を移送するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
前記流体を分散させる前記ステップは、成長している細胞または微生物を含む液体培地を作成するために、1つまたは複数の構成要素を前記容器の前記チャンバ内へ供給するステップを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記気体は、前記培地を噴霧し、かつ前記培地内の酸素分圧を前記細胞または微生物の連続的な成長のために適切なレベルに維持するように、制御されたレベルの酸素を含んで移送されることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記気体は、前記流体を噴霧し、かつそれによって前記流体のpHまたは酸素の分圧を調節または調整するように、制御されたレベルの酸素または炭素を含んで移送されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記流体は、溶液を形成するように2つ以上の成分を備え、前記方法は、容器の前記チャンバで前記溶液を混合するステップを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記容器は、可撓性ポリマー材料の1つまたは複数のシートから成り、前記方法は、前記容器を剛性の支持ハウジング内で位置決めするステップをさらに含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項1】
そこから延在する管状の部材を有するベースであって、前記管状の部材は、通路を画定している内部表面を有するベース、
気体透過性材料の可撓性のシートから成る噴霧シート、および
該噴霧シートと前記ベースの間に固定され、それらの間で延在する可撓性の移行部材であって、前記噴霧シートとは異なる材料から成る移行部材、を備えることを特徴とする噴霧器。
【請求項2】
前記ベースは、前記管状の部材から半径方向外向きに突き出しているフランジを備えることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項3】
前記ベースは、開口を画定している内側縁部、および包囲している外側縁部を有するリング形状にされた部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項4】
前記噴霧シートと前記ベースの間に固定され、それらの間に延在する、リング形状にされた第1の移行部材と、
前記噴霧シートと前記ベースの間に固定され、それらの間に延在する、リング形状にされた第2の移行部材をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の噴霧器。
【請求項5】
前記ベースは、ほぼ孔のない材料から成り、かつ前記移行部材は、可撓性のシートの形態であることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項6】
前記ベースは、ポリマー材料の押出し成形されたシートから成ることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項7】
前記管状の部材は、前記ベースと一体に形成または接続されている、ポート、ステム、または細長いチューブを備えることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項8】
前記噴霧シートは、ポリマーの不織布、ソルベントキャストポリマーフィルム、オープンセルフォームドポリマーシート、または穿孔されたポリマーシートから成ることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項9】
前記管状の部材と結合されたチェックバルブをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の噴霧器。
【請求項10】
チャンバを画定する内部表面を有する可撓性ポリマーバッグ、および
前記ポリマーバッグの前記チャンバ内に少なくとも部分的に配置された請求項1に記載の噴霧器であって、前記噴霧器の前記ベースは前記ポリマーバッグに固定されている噴霧器
を備えることを特徴とする容器システム。
【請求項11】
そこから延在する管状の部材を有し、前記管状の部材は、通路を画定している内部表面を有するベースであって、前記ベースは、90未満の値のショアAスケールのデュロメータ硬さを有する可撓性ポリマー材料から成るベース、および
前記フランジに固定された気体透過性材料の可撓性のシートから成る噴霧シート
を備えることを特徴とする噴霧器。
【請求項12】
前記ベースは、前記管状の部材から半径方向外向きに突き出しているフランジを備えることを特徴とする請求項11に記載の噴霧器。
【請求項13】
前記管状の部材は、前記ベースと一体に形成または接続されている、ポート、ステム、または細長いチューブを備えることを特徴とする請求項11に記載の噴霧器。
【請求項14】
前記噴霧シートは、前記ベースに溶接されることを特徴とする請求項11に記載の噴霧器。
【請求項15】
前記噴霧シートと前記ベースの間に固定され、それらの間に延在する可撓性の移行部材をさらに備え、前記移行部材は、前記噴霧シートとは異なる材料から成ることを特徴とする請求項11に記載の噴霧器。
【請求項16】
前記噴霧シートは、前記ベースと前記気体透過性シートの間に区画が形成されるように、前記管状の部材から離隔された位置で前記ベースと接続されていることを特徴とする請求項11に記載の噴霧器。
【請求項17】
前記噴霧シートは、不織布、ソルベントキャストポリマーフィルム、オープンセルフォームドポリマーシートまたは穿孔されたポリマーシートから成ることを特徴とする請求項11に記載の噴霧器。
【請求項18】
チャンバを画定する内部表面を有する容器であって、前記チャンバは、流体を保持するように構成されている容器、および
前記容器の前記内部表面と前記噴霧シートの間に区画形成されるように、直接、または可撓性移行部材を介して、前記容器の前記内部表面に固定された気体透過性材料の可撓性のシートを備える噴霧シートを備えることを特徴とする容器システム。
【請求項19】
前記容器は、可撓性ポリマー材料の1つまたは複数のシートから成るバッグを備えることを特徴とする請求項18に記載の容器システム
【請求項20】
可撓性ポリマー材料の1つまたは複数のシートから成る上部が開いたライナを備えることを特徴とする請求項18に記載の容器システム。
【請求項21】
前記容器は、可撓性材料から成り、かつ剛性の支持ハウジング内に配置されていることを特徴とする請求項18に記載の容器システム。
【請求項22】
前記容器と結合された管状のポート、ステム、またはチューブをさらに備え、前記管状のポート、ステムまたはチューブによって画定された通路が前記区画と連通するようにされていることを特徴とする請求項18に記載の容器システム。
【請求項23】
前記管状のポート、ステムまたはチューブと結合されたチェックバルブをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の容器システム。
【請求項24】
前記移行部材は、前記噴霧シートと、前記容器の前記内部表面の間に固定され、それらの間に延在するほぼリング形状にされた形状を有し、前記移行部材は、前記噴霧シートとは異なる材料から成ることを特徴とする請求項18に記載の容器システム。
【請求項25】
前記噴霧シートは、ポリマーの不織布、ソルベントキャストポリマーフィルム、オープンセルフォームドポリマーシートまたは穿孔されたポリマーシートから成ることを特徴とする請求項18に記載の容器システム。
【請求項26】
流体を気体で噴霧する方法であって、前記方法は、
流体を容器のチャンバ内に分散させるステップ、および
前記気体が、気体透過性の不織布の可撓性のシートから成る前記噴霧器の噴霧シートを通り抜けるように、前記容器と結合された、または前記容器の前記チャンバ内に配置された噴霧器へ気体を移送するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
前記流体を分散させる前記ステップは、成長している細胞または微生物を含む液体培地を作成するために、1つまたは複数の構成要素を前記容器の前記チャンバ内へ供給するステップを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記気体は、前記培地を噴霧し、かつ前記培地内の酸素分圧を前記細胞または微生物の連続的な成長のために適切なレベルに維持するように、制御されたレベルの酸素を含んで移送されることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記気体は、前記流体を噴霧し、かつそれによって前記流体のpHまたは酸素の分圧を調節または調整するように、制御されたレベルの酸素または炭素を含んで移送されることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記流体は、溶液を形成するように2つ以上の成分を備え、前記方法は、容器の前記チャンバで前記溶液を混合するステップを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記容器は、可撓性ポリマー材料の1つまたは複数のシートから成り、前記方法は、前記容器を剛性の支持ハウジング内で位置決めするステップをさらに含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2008−536685(P2008−536685A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507911(P2008−507911)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/015066
【国際公開番号】WO2006/116067
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(501366373)ハイクローン ラボラトリーズ インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/015066
【国際公開番号】WO2006/116067
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(501366373)ハイクローン ラボラトリーズ インコーポレイテッド (8)
【Fターム(参考)】
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