説明

気体捕集箱、気体捕集容器及び気体検査方法

【課題】気体の補集段階において軽量で補集効率の高い気体捕集容器を安価に提供すること。
【解決手段】本発明にかかる気体捕集容器100は、気体を導入する導入部材4を有する樹脂製の捕集袋5を折り畳み可能な六面体の箱体6に収容可能に組み合わせてなる、気体を捕集して収納するための容器である。そして、箱体6の主要部が段ボール等の板紙により構成されたことを特徴とする。また、箱体6は、内外面の少なくとも一方の面全体が樹脂フィルム62により被覆されていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体が封入される捕集袋を収納する気体捕集箱、この箱と捕集袋とを組み合わせた気体捕集容器及びこの気体捕集容器を用いた気体検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、試料採取場所で捕集した各種の気体をガスクロマトグラフィや質量分析装置等の分析装置によって分析するために、気体を捕集袋に封入し、これを分析装置が備えられた分析室や分析機関に移送して濃度を測定することが行なわれている。また、2006年4月の大気汚染防止法の改正により、揮発性有機化合物(VOC)の濃度測定が義務付けられるに伴って、様々な形態のVOC用捕集システムが開発され、販売されている。
ここで、図7を用いて、法令により定められたVOCの濃度測定方法について説明する。
【0003】
VOCの濃度測定は、図7で示された構成を有する試料採取装置によって行なわれる。この試料採取装置において、試料採取管1aから捕集袋5の間には、フィルタ2、導管1b、ドレンポット3、導管1c及び導入部材4が設けられている。捕集袋5は、吸引用容器6に収容される。吸引用容器6(気体捕集箱)には、吸引部材7が設けられている。また、吸引部材7から吸引ポンプ9の間には、導管1d、流量調整バルブ8、導管1eが設けられている。吸引ポンプ9には、導管1fを介して流量計10が設けられている。
【0004】
法令では、試料採取管1aは、排出ガスの温度及び流速に対して十分な耐熱性及び機械的強度を持ち、試料中のVOCの吸着及び変質が生じないことが要求されている。フィルタ2は、ダスト及びミストの除去率がよく、圧力損失の少ないものであって、VOCの吸着及び変質が生じないことが要求されている。導管1b〜1fは、内径4〜25mm程度であって、導管1b、1c及び試料採取管1aは、VOCの吸着及び変質が生じないことが要求されている。ドレンポット3は、捕集袋5内に試料中の水分が凝縮しないよう冷却除湿を行うもので必要に応じて用いられる。
【0005】
補集袋5は、フッ素樹脂フィルム製若しくはポリエステル樹脂フィルム製で、VOCの吸着、透過及び変質が生じないもの又はそれと同等以上の性能を有するものとし、容量は20リットル以上であることが要求され、さらに再使用が禁じられている。吸引用容器6は、容器内の捕集袋5が外部から見え、気密が保たれる構造であることが要求されている。流量調整バルブ8は、0.5〜5リットル/分の流量制御ができるもので、VOCの吸着及び変質が生じないことが要求されている。吸引ポンプ9は、防爆上の必要がある場合は、手動ポンプ又は防爆型電動ポンプを用いることが要求されている。さらに流量計10は、流量0.5から5リットル/分の計測が可能であることが要求されている。
【0006】
このように、VOCの濃度測定のために用いられる試料採取装置の各構成は、法令によって定められているが、具体的な実現手段については定められていない。吸引用容器6についても、上述のように捕集袋5が外部から見え、気密が保たれる構造であることは要求されているものの、これらの点以外については定められていない。
【0007】
ここで、特許文献1や特許文献2には、吸引用容器を減圧することによって伸縮自在のガス捕集袋にガスを導入する装置が開示されている。しかしながら、特許文献1では、吸引用容器に相当するチャンバの素材については開示されていない。また、特許文献2では、吸引用容器に相当する密閉容器は鋼鉄等により形成されている旨が記載されている。また、市販されている吸引用容器では、アクリル樹脂等の肉厚のプラスチック板が用いられている。
【0008】
【特許文献1】特開平8−201247号公報
【特許文献2】特開昭49−78591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、従来の技術においては、吸引用容器(気体捕集箱)は、繰り返し使用するものであり、耐久性を考慮して鋼鉄等の金属や肉厚のプラスチック板等が用いられていた。そして、測定ガスが収納された捕集袋のみを測定場所に移送することが行われていた。金属やプラスチックは、一般的に高価であるという背景があり、そのまま移送することは考慮されていなかった。また、重量が大きいことから、移送自体が困難であった。
【0010】
本発明は、かかる問題を解消するためになされたものであり、本発明は、気体の補集段階において軽量で補集効率の高い気体捕集箱およびこの気体捕集箱と捕集袋が組み合わされた気体捕集容器を安価に提供することを目的とする。また、本発明は、作業効率に優れた気体検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる気体捕集箱は、気体を導入する導入部材を有する樹脂製の捕集袋を収納するための折り畳み可能な少なくとも一部が板紙からなる六面体の箱体であって、前記箱体がその内部を観察するための観察窓を備えることを特徴とするものである。
さらに、前記箱体が前記導入部材の少なくとも一部を露出させるための導入開口部および/またはその内部の気体を吸引するための吸引開口部を備えることが好ましい。
【0012】
ここで、前記板紙は、段ボールであることが好ましい。特に、箱体は、ブリスボックスであることが好ましい。さらに、ブリスボックスを構成するボディを板紙により構成し、少なくとも一方のエンドピースを透明樹脂板により構成するとよい。
【0013】
前記箱体は、天面及び/又は底面となるフラップが連結して形成され、組立時に、対向する内フラップそれぞれの端縁の中央から外フラップとの連結部位の付け根まで斜めに谷折りされる構成を有することが望ましい。さらに、前記箱体は、内外面の少なくとも一方の面全体が樹脂層により被覆されているとよい。
【0014】
本発明にかかる気体捕集容器は、上述の気体捕集箱と、気体を導入する導入部材を有する樹脂製の捕集袋と、を組み合わせてなる。
【0015】
ここで、前記捕集袋は、前記箱体に固着されていることが好ましい。また、少なくとも前記捕集袋の前記導入部材が前記導入開口部に固着されていることが望ましい。
【0016】
本発明にかかる気体検査方法は、上記気体捕集容器を用いて気体中に存在する物質を検査する気体検査方法であって、前記捕集袋が収納されて密閉された前記箱体内を前記吸引開口部より吸引して減圧することにより前記導入部材を介して前記捕集袋内に気体を導入するステップと、前記捕集袋を密閉するステップと、気体が収容された前記気体捕集容器を気体検査装置が備えられた気体検査場所に移送するステップと、前記気体検査場所で前記捕集袋を開封して気体を検査するステップとを備えたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、気体の補集段階において軽量で補集効率の高い気体捕集箱及び気体捕集容器を安価に提供することができる。さらに、本発明は、作業効率に優れた気体検査方法を提供することができる。
【0018】
特に、捕集袋を収容する箱体の主要部を段ボールにより構成することによって、気体捕集箱の強度を高めることができる。また、箱体をブリスボックスにより構成することによって、気体捕集箱の組立が容易となる。特に、ブリスボックスのエンドピースを透明樹脂板により構成することによって、さらに観察窓を大きくとることができ、内部の視認性を高めることができる。
【0019】
さらに、箱体の構造として、天面及び/又は底面となるフラップが連結して形成され、組立時に、対向する内フラップそれぞれの端縁の中央から外フラップとの連結部位の付け根まで斜めに谷折りされる構造を採用することによって、カッターナイフ等によって粘着テープ等を切断して捕集袋を取り出す際に、天面や底面は切断面が2重のフラップ突き合わせ間を切断する構造となるため、カッターナイフ等の刃が入りやすい。しかも、切断面の下には、さらに近距離に接近しているフラップの頂点が存在するので、カッターナイフ等の刃が捕集袋に届きにくいため、捕集袋を傷つけ、検査ガスが漏れ出るのを防止できる。
【0020】
また、箱体の内外面の少なくとも一方の面全体を樹脂層により被覆することによって、気体の捕集段階において、吸引時の空気の漏れを防止でき、効率的に容器内に気体を導入することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
まず、図1を用いて、本発明にかかる気体捕集箱についてその概要を説明する。
本発明の気体捕集箱6は、気体を導入する導入部材を有する樹脂製の捕集袋5を収納するための折り畳み可能な少なくとも一部が板紙からなる六面体の箱体6からなる。
板紙としては、代表的には、波型に成型された中芯とその中芯を保持するために貼合されたライナーから構成されている段ボールを挙げることができる。段ボールは、いわゆる片面段ボール、両面段ボール、複両面段ボール、複々両面段ボールのいずれの構成を有するものであってもよい。また、段ボールは、平行な複数の凸条で所定間隔を離間させて二枚のプラスチックシートが配設されたプラ段(プラスチック製段ボール)などであってもよい。また、段ボール以外には、一枚若しくは複数枚からなる平坦なボール紙などの板紙を用いてもよい。
【0022】
箱体6としては、予め、気体捕集箱6に組み立てたときに、その内部を観察するための観察窓(不図示)を備えることを特徴とする。観察窓は、板紙の一部を透明な樹脂製のフィルム、シートや板(以下、これらを「樹脂シート」と総称する場合がある。)とすることによって、形成される。具体的には、板紙の一部を切除して内側または外側から樹脂シートで覆ったり、六面体の一面全体を樹脂シートで置き換えたり等の方法で、形成することができる。観察窓は、当初は平らな捕集袋5が気体の捕集によって膨らんでいく状況を観察することで、気体の捕集状況を把握するためのものであるので、複数の面に設けると観察が容易になり、好ましい。
【0023】
そして、気体が導入される捕集袋を収納した場合に、捕集袋の導入部材の少なくとも一部を露出させて、気体供給源に接続可能とするための導入開口部(不図示)や、箱体6の内部の気体を吸引して、気体を導入するための吸引開口部(不図示)が、予め、穿設されたものが好ましい。もちろん、これらの導入開口部や吸引開口部を備えていない場合は、捕集袋5の大きさや構造に合わせて、開口の作業性や気体捕集の操作性を考慮して適宜な箇所に、適宜な手段で、板紙等に孔を穿設すればよい。
【0024】
次いで、図2を用いて、本発明にかかる気体捕集箱について詳しく説明する。
図2に、箱体6をブリスボックスにより構成した場合の構成例を示す。図2に示されるように、箱体6は、ボディ(メインパネル)601と、エンドピース(サイドパネル)602により構成されている。ボディ601及びエンドピース602の双方を板紙により構成してもよいが、その場合には、箱体6の内部を観察するための観察窓を別途設ける必要がある。その点からは、ボディ601を板紙とし、少なくとも片側、好ましくは両側のエンドピース602を透明樹脂板とすることが好ましい。この場合には、エンドピース602は、透明であるので、そのまま観察窓として機能する。
【0025】
図2(a)に示される例では、両側のエンドピース602を透明樹脂板とし、フラップ611a,611b,611c,611dは、エンドピース602の4辺に設けられている。このように構成することにより、観察窓が広くなり、箱体内部の視認性に優れる。この場合、エンドピース602は、ポリスチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂製の薄板を用いると、フラップ611を折りやすく好ましい。さらには、エンドピース602のフラップ611を予め折って互いに接合しておいてキャップのように被せる構成としてもよい。そして、箱体6は、気体が導入される捕集袋を収納した場合に、捕集袋の導入部材の少なくとも一部を露出させて、気体供給源に接続可能とするための導入開口部613や、箱体6の内部の気体を吸引して、気体を導入するための吸引開口部614を備える。これらの導入開口部613や吸引開口部614は、箱体6のどこに設けても差し支えないが、エンドピース602として合成樹脂製の薄板を用いた場合は、エンドピース602に設けることが好ましい。その理由は、合成樹脂の薄板は、板紙に比べて、開口部の形成が容易で、正確かつ綺麗に穿設することができるからである。その結果、この開口部に導入部材や吸引部材を挿入して固定する作業が容易となる。また、固定したものを接着剤等で固着する場合も作業が容易である。
【0026】
なお、ブリスボックスは、構造的に耐圧強度に優れ、また、本発明においては、内容品が軽いので、エンドピースの強度が低くても差し支えない。図2(a)に示す例では、ボディ601は、断面がロの字状になるようにシートの両端を角部で四角筒の稜線となるように糊付けした四角筒である。この四角筒は、平らなブランクに畳むことができる。
【0027】
図2(b)に示す例では、エンドピース602を単なる透明樹脂板とし、フラップ611は、ボディ601に設けられている。この場合には、エンドピース602は、透明とすることにより、箱体6の内部を観察するための観察窓として機能する。ボディ601の内側にエンドピース602が接着剤により貼着されている。接着剤に代えて、あるいは、接着剤と併用して粘着テープでフラップ611の周囲を目張りしてもよい。この様に構成すると箱体6の耐圧強度が高くなり、混載便による輸送時に気体捕集箱が押し潰される事態が懸念される場合に好ましい。
【0028】
なお、ボディ601は、天面でシートの両端が突き合う標準的なハーフフラップのブリスボックスでもよいが、図2(a)に示したようにボディ601を板紙シートの両端を糊付けしたブランクとしておくか、天面で二枚のフラップが重なるフルフラップとし、エンドピース602のフラップ611を予め折って接合しておいてキャップのように被せる構成とすることが好ましい。このように構成することで、気密性に優れ、箱体に組み立てるに際し、PPバンドを一文字や十文字に掛けて箱体とすることができる。PPバンドは市販されている手締めのもので充分である。バンド掛け機がなくても差し支えない。バンド掛け機を使用する場合は締め方を弱く調整する必要がある。そして、PPバンドの幅が多少広くても透明部分が広いので、内部の観察に差し障りがない。もちろん、粘着テープや接着剤を用いてもよい。
【0029】
これらに用いられる板紙は、通常は、そのままで本発明の気体捕集容器100の箱体6として使用可能な透気度を有しているが、少なくとも片面が、ワックスや樹脂フィルムなどの樹脂層で被覆されていることが気密性の観点から好ましい。
【0030】
次いで、図1を用いて、本発明にかかる気体捕集容器100について説明する。本発明にかかる気体捕集容器100は、2種類の形態を有する。
【0031】
(第1の形態例)
図1(a)に示す第1の形態にかかる気体捕集容器100は、段ボール等の板紙によって構成された折り畳み可能な(組立式)六面体の箱体6(気体捕集箱)及びこの箱体6と組み合わされる捕集袋5とからなる。
【0032】
ここで、捕集袋5が箱体6に組み合わされる態様は、捕集袋5と箱体6とが対になり得る限り、特に制限はないが、箱体6を組み立てて密閉したときに図1に示すように捕集袋5が箱体6内に収容される形になることが好ましい。具体的には、板紙のシートやブランクに捕集袋5が挟持されていたり、捕集袋5の一部が固着されていたりする態様であることが好ましい。特に、捕集袋5の導入部材が箱体6の導入開口部に固着されていると、箱体6を組み立てて、捕集容器100とする場合に作業性に優れるので好ましい。図1では図示されていないが、箱体6は、その内部を観察するための観察窓を備えている。
この態様においては、箱体6は、特に制限はなく、六面体に組立が可能であれば、上述したブリスボックスの他、各種公知の形式の箱体を採用することができる。詳細は後述する。
【0033】
(第2の形態例)
図1(b)に示す第2の形態にかかる気体捕集容器100は、第1の形態にかかる気体捕集容器100と基本は同構成であり、同じく段ボール等の板紙によって構成された箱体6からなる。異なる点は、捕集袋を収納した箱体6を被覆する樹脂層として、さらに、外装フィルム62によって包装されて密封されている点である。図1(b)においても、図示されていないが、箱体6は、その内部を観察するための観察窓を備えている。
この態様においても、箱体6は、特に制限はなく、六面体に組立が可能であれば、公知の形式の箱体を採用することができる。この形態の場合は、箱体は気密性が低いものであってもよい。
【0034】
外装フィルム62は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂等の合成樹脂フィルムであると熱融着できるので好ましい。熱融着しやすいように二軸延伸ポリエステルなどの基材フィルムにポリエチレンなどのシーラントが積層されたものであってもよい。
【0035】
外装フィルム62は、両端が開口したチューブ状であることが好ましい。チューブはポリエチレンなどのインフレーションチューブでもよいし、積層フィルムの両端を熱融着してチューブ状に成型したものでもよい。あるいは、シュリンクチューブを用いても良い。
そして、捕集袋5取り付けた段ボールシートの両端を糊付けして畳まれたブランクをそのブランクより幅、長さともやや大きめのチューブ状の外装フィルム62に挿入することで、嵩張ることなく、保管や輸送が可能である。そして、試料採取場所でブランクを箱体6に組み立て、チューブの両端の開口を箱体6に沿って畳んで粘着テープや熱融着して密封する。シュリンクチューブの場合は、熱融着してシュリンクトンネルに通す。このような操作により、箱体6と外装フィルム62との隙間を小さくすることができ、気体の捕集時の吸引作業を効率的に行うことができる。
【0036】
この形態の場合、箱体6は、外装フィルム62によって密封されるので、ワンタッチ組立式でもよい。そのようなワンタッチ組立式箱体6は、例えば、天面及び底面のフラップが特殊形状に切り欠かれてロックされて畳まれたものなど、いわゆる、公知のワンタッチケースを用いることができる。この場合は、予め、捕集袋5を箱体6の中に収容しておくことができワンタッチで箱体6に組み立てられるので、より簡易な構成となる。
【0037】
あるいは、平袋形状の外装フィルムと、胴部の稜線となるケイ線と平行して壁面の中央を通るケイ線で折られると共に、天面及び底面の外フラップが山形に切り出されて畳まれた段ボールと、内袋とが三層構造になって、注出口が外装フィルム及び段ボールに嵌着された折り畳み収納容器として富士特殊紙業株式会社から販売されているカンタンク(登録商標)なども利用することができる。
【0038】
この場合は、外装フィルム及び段ボールは箱体6として、この内袋は材質を選定することにより捕集袋5として、注出口に導入部材4が突設されたキャップを螺合して、あるいは、注出口を導入部材4に代えることにより気体捕集容器100として利用することができる。また、外装フィルムを透明フィルムとし、段ボールの壁面の一部を切除して、観察窓とする。
【0039】
このようにして、第1及び第2の形態にかかる気体捕集容器100は、捕集袋5を収容した状態で密閉され、気体排出源に取り付けられ、気体(測定ガス)が捕集される。そして、気体入りの捕集袋5を収納した状態の箱体6(気体捕集容器100)は、そのまま検査機関等の目的地に移送される。
【0040】
このように、本発明にかかる気体捕集容器100は、段ボール等の板紙によって箱体6の主要部を構成することとしたため、金属やプラスチック板で構成した場合と比較して低コスト化を実現でき、かつ軽量であるため取り扱いが容易である。特に、本発明では、気体捕集容器100をそのまま郵送や運搬することができるから、郵送や運送用の包装資材を用意する必要がないため、その点においても低コスト化を図ることができる。さらに、目張りや外装フィルム62によって減圧時の漏れを防止するようにしたため、気体を補集する際に、効率的に気体捕集容器100内に気体を導入することができる。
【0041】
次いで、図3〜図5を用いて、本発明にかかる気体捕集容器を用いた気体捕集方法について詳細に説明する。
【0042】
図3は当該気体捕集方法を示すフローチャートである。図4は、上記第1の形態にかかる気体捕集容器に好適な箱体6の他の一構成例を説明するための説明図である。図5は、上記第2の形態にかかる気体捕集容器に好適な箱体の他の構成例を説明するための説明図である。
【0043】
まず、第1および第2の形態にかかる気体捕集容器に好適な箱体6においては、図4(a)及び図5(a)に示されるような展開図からなる箱体6の組み立てを行う(S101)。なお、説明のために展開図を用いるが実際には、胴壁端部同士が糊代で接合されたブランクで供給される。図4(c)、図5(c)に示す箱体6は、胴壁61、フラップ611(外フラップ611a,内フラップ611b)及び糊代612を有する。
【0044】
図4(c)に示す第1の形態にかかる気体捕集容器に好適な箱体6の方は、B式段ボールの変形で、天面及び底面において、大きい方の1枚の外フラップ611aで開口部を密閉できる。一方、図5(c)に示す第2の形態にかかる気体捕集容器に好適な箱体6の方は、通常のA−1式段ボールなので、2枚の外フラップ611aが中央で突き合わされて、開口部を密閉できる。したがって、粘着テープなどを用いて密閉する必要がある。そのため、B式段ボールの方がA式段ボールに比べて作業性に優れ、気密性が高い。
【0045】
これらの箱体6に用いる板紙は、通常は、そのままで本発明の気体捕集容器の箱体6として使用可能な透気度を有しているが、第1の形態にかかる気体捕集容器に用いる場合は、少なくとも片面が、ワックスや樹脂フィルムなどの樹脂層で被覆されていることが好ましい。なお、この段階(S101)では、次の段階(S102)において箱体6内に捕集袋5を外部から収納できるように、少なくとも一面については、開放しておくことが好ましい。
【0046】
次に、捕集袋5を箱体6内に収容し、取り付ける(S102)。具体的には、捕集袋5の導入部材4を箱体6の内側から当該箱体6の胴壁61を貫通させるか、又は、胴壁61に設けられた導入開口部613に嵌入し、導入部材4の一部を箱体6の外側に露出させる。この段階(S101)における捕集袋5は、空袋であり、扁平な状態にある。
【0047】
ここで、捕集袋5は、導入部材4を有し、検査対象となる気体を封入する袋であり、検査対象となる気体に適切な材質により構成される。例えば、本例にかかる捕集袋5をVOCの捕集に用いる場合は、フッ素樹脂フィルム若しくはポリエステル樹脂フィルムにより構成される。つまり、VOCの吸着、透過及び変質が生じないもの又は同等以上の性能を有する材質が採用され、容量は20リットル以上である。
【0048】
捕集袋5の取り付けが完了した後に、箱体6を密閉する(S103)。箱体6は、容器内の捕集袋5が外部から見え、気密が保たれる構造を有する。本例にかかる箱体6は、直方体であり、そのまま郵送したり運搬したりするのに適した形状を有している。
【0049】
図4に示すB式段ボールの形態では、両面テープ63によって外フラップ611aと内フラップ611bを貼り合わせる。このとき、両面テープ63の代わりに、酢酸ビニル系やホットメルトなどの接着剤を用いることも可能である。あるいは、ガムテープや粘着テープで目止めを行いながら貼り合わせてもよい。なお、この箱体6を外装フィルムによって密封することで、第2の形態にかかる気体捕集容器に好適な箱体6とすることもできる。
【0050】
図5に示すA式段ボールの形態では、箱体6を組み立てた後に、外装フィルム62によって当該箱体6を覆い、粘着テープ、熱融着や接着剤等によって密封することで、第2の形態にかかる気体捕集容器に好適な箱体6とすることができる。外装フィルム62は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂等の合成樹脂フィルムであると熱融着できるので好ましい。なお、粘着テープやガムテープでこの箱体6の外フラップ611aの突き合わせ部を接合することで、第1の形態にかかる気体捕集容器に好適な箱体6とすることもできる
【0051】
なお、第2の形態にかかる気体捕集容器100においてワンタッチケースやカンタンクを用いた場合等、予め、捕集袋5が箱体6に収容されている場合は、箱体5を組み立てるだけで、S102やS103は、省略することができる。
【0052】
図4、図5では図示されていないが、捕集袋5を取り付けた状態の気体捕集容器100(図7参照)は、捕集袋5の導入部材4が箱体6の胴壁61、又は、箱体6の胴壁61と外装フィルム62を貫通して、気体捕集容器100の外に露出し、また、吸引部材7が同様に設けられている。導入部材4は、捕集袋5の一部を貫通して固定された管状部材であり、この導入部材4より検査対象となる気体(ガス)が捕集袋5内に導入される。また、吸引部材7は、箱体6の一部、又は、箱体6の一部と外装フィルム62の一部を貫通して固定された管状部材であり、この吸引部材7をポンプ等で吸引することで箱体6の内部を減圧し、捕集袋5に気体を導入することができる。
【0053】
次に、密閉状態の気体捕集容器100を試料採取装置に対して取り付ける(S104)。取り付け状態は、基本的には、図7で示した構成と同じである。即ち、気体捕集容器100より露出した導入部材4が導管1cと接続され、気体捕集容器100の一部に設けられた吸引部材7が導管1dと接続される。
【0054】
この状態で気体の捕集処理を行う(S105)。具体的には、流量調整バルブ8によって流量を調整しながら吸引ポンプ9を動作させると、気体捕集容器100の内部が減圧される。すると、徐々に捕集袋5が膨張していく。これに伴って、測定ガスがフィルタ2やドレンポット3を介して導入され捕集袋5内に溜まっていく。捕集袋5内に所望の量だけ測定ガスが導入されると、吸引ポンプ9による吸引動作を停止させる。
【0055】
次に、気体捕集容器6を試料採取装置から取り外す(S106)。このとき、捕集袋5内の気体が漏れ出ないように導入部材4の開口を閉じ、密閉する。導入部材4の開口を閉じる方法としては、導入部材4にバルブを取り付けてもよく、蓋や栓を用いてもよい。あるいは、導入部材4の端部を熱融着してもよい。他方、吸引部材7については、その開口を閉じる必要はなく、放置しておいてもよい。あるいは、この気体捕集容器100から吸引部材7を取り外して発生した開口を粘着テープなどのシール部材によって閉じるようにしてもよい。
【0056】
そして、郵送や運送の準備を行う(S107)。具体的には、当該気体捕集容器6に対して荷札や送り状を貼付したりする。その後に気体捕集容器100を移送する(S108)。検査機関等の送り先が当該気体捕集容器100を受け取ると(S109)、捕集袋5を取り出す(S110)。その後は、捕集袋5内の気体について濃度測定など各種の検査が行なわれる。場合によっては、捕集袋を取り出すことなく、気体をサンプリングして検査を行ってもよい。
【0057】
続いて、図6を用いて、第1の形態にかかる気体捕集容器に好適な箱体6に該当する別の具体例について本発明をさらに詳しく説明する。もちろん、この箱体6においても、外装フィルムで密封することにより、第2の形態にかかる気体捕集容器に好適な箱体6とすることも可能である。
【0058】
図6(a)は、この具体例にかかる箱体6の展開図である。図6(b)は、箱体6の斜視図である。図6(a)において、点線は山折り部分を、一点鎖線は谷折り部分を示し、これらの部分において折り癖(ケイ線)が予め付されている。この例にかかる気体捕集容器100の胴壁61a,61b,61c,61dには、分断されない連続したフラップ611(外フラップ611a,内フラップ611b)が設けられている。そして、箱体6となる段ボール等の板紙シートの一方若しくは双方の面に合成樹脂フィルムが積層されて構成されている。
【0059】
胴壁61aの中央付近には、導入部材4が内側から挿入される開口部である導入開口部613が設けられている。導入開口部613の内径は、導入部材4の外径よりもやや小さい程度であることが望ましい。この時、導入部材4の外径にテーパーがかかっているとより好ましい。これにより、導入部材4と導入開口部613の間より減圧時に漏れが発生することを防止できる。
【0060】
また、導入開口部613の内径は、導入部材4の外径よりも大きく設定しておき、ポリエチレンなどの柔軟性を有する一枚又は複数枚の合成樹脂フィルムにより塞がれた状態とし、導入部材4を内側から挿入することにより開口するようにしてもよい。このとき、合成樹脂フィルムの柔軟性により、導入部材4の外面に弾性的に密着し、導入部材4と導入開口部613の間より空気が侵入することを防止できる。これらのように構成することによって、試料気体を封入した気体捕集容器100を移送するに際し、導入部材4が邪魔になるようであれば、導入部材4の先端が段ボールと面一になるように引っ込めて、必要に応じて、粘着テープなどで押さえることができる。
【0061】
あるいは、導入部材4の基部外側にリング状に接着剤を塗布しておいて、剥離紙で覆っておき、組立時に剥離紙を除去して導入開口部613の周囲に接着させてもよい。
【0062】
なお、本発明においては、捕集袋5を箱体6に収容可能に組み合わせる時点で、導入部材4と導入開口部613を予め、上述した方法等で、嵌着、締着や接着などで固着しておくことが好ましい。
【0063】
胴壁61cの中央には、吸引部材7が内側又は外側から挿入される開口部である吸引開口部614が設けられている。吸引開口部614の内径は、吸引部材7の外径よりもやや小さい程度であることが望ましい。この時、吸引部材7の外径にテーパーがかかっているとより好ましい。これにより、吸引部材7と吸引開口部614の間より減圧時に漏れが発生することを防止できる。
【0064】
また、吸引開口部614の内径は、吸引部材7の外径よりも大きく設定しておき、ポリエチレンなどの柔軟性を有する一枚又は複数枚の合成樹脂フィルムにより塞がれた状態とし、吸引部材7を内側又は外側から挿入することにより開口するようにしてもよい。このとき、合成樹脂フィルムの柔軟性により、吸引部材7の外面に弾性的に密着し、吸引部材7と吸引開口部614の間より空気が侵入することを防止できる。これらように構成することによって、試料気体を封入した気体捕集容器100を移送するに際し、吸引部材7が邪魔になるようであれば、抜いて除去するか、吸引部材7の先端が段ボールと面一になるように引っ込めて、必要に応じて、粘着テープなどで押さえることができる。
【0065】
あるいは、吸引部材7の基部にフランジを設け、リング状に接着剤を塗布して、吸引部材を吸引開口部614の周囲の内側又は外側に接着させてもよい。あるいは、吸引部材の筒部に外ネジを設け、内ネジを有する部材を螺合させ、フランジとの間に段ボールを挟み込んでもよい。
【0066】
なお、本発明においては、捕集袋5を箱体6に収容可能に組み合わせる時点で、吸引部材7と吸引開口部614を予め、上述した方法等で、嵌着、締着や接着などで固着しておくことが好ましい。
【0067】
胴壁61bの中央には、観察窓615が設けられている。観察窓615は、段ボールの一部分が除去され、透明性部材が除去部分に接着されることによって構成される。かかる透明性部材は、例えば、透明樹脂板(パネル)が用いられるが、望ましくはUV(紫外線)防止効果を有する材料によって構成されることが望ましい。観察窓615は、箱体6を被覆する透明性の合成樹脂フィルムが、板紙に設けられた観察窓615を覆うことによって構成されていてもよい。
【0068】
図6(a)に示される箱体6は、天面及び底面となるフラップ611が連結して形成され、組立時に、対向する内フラップそれぞれの端縁の中央から外フラップとの連結部位の付け根まで斜めに谷折りされる。箱体6は、説明のために展開図を用いているが、実際は、糊代で端部同士を貼り合わせて筒状体を畳んだブランクとして供給される。このブランクは、4つの胴壁61a,61b,61c,61dからなる。それぞれの胴壁は、上部と下部に互いに連結したフラップ611を有し、組み立てられた状態で上部が天面に、中央部が側面に、下部が底面にそれぞれなる。この例では、胴壁61a,61cのそれぞれの上部フラップと下部フラップにおいて、三角形状の面が内側に折り込まれて、その三角形状の頂点が接近して距離が短くなる(4つのフラップの端縁が同じ長さの時は接する)。これによって、胴壁61bのフラップ611の端縁と胴壁61dのフラップ611の端縁は、相互に接するように折り畳まれるから、接する部分を粘着テープ等によって固定することにより簡単に密閉構造とすることができる。移送後は、この粘着テープ等をカッターナイフ等によって切断して捕集袋5を取り出すことになるが、この例にかかる気体捕集容器6の天面と底面は切断面が2重のフラップ突き合わせ間を切断する構造となっているため、カッターナイフ等の刃が入りやすい。しかも、切断面の下には、さらに近距離に接近しているフラップの頂点が存在するので、カッターナイフ等の刃が捕集袋5に届きにくいため、捕集袋5を傷つけ、検査ガスが漏れ出るのを防止できる。
【0069】
気体の捕集作業が終了したら、上述した方法等により、あるいは、浮き袋やビーチボールの空気吹き込み口のような突出及び没入が自在な部材を導入部材4として用い、段ボールと面一になるように引っ込めることが好ましい。吸引部材7は、抜いたり、剥がしたりして除去する。吸引開口部614は、そのまま放置しておいてもよいが、プラスチックや紙製のシール部材や蓋により塞がれた状態としておくことが好ましく、ここに郵送や運送のための送り状を貼付するようにしてもよい。また、導入開口部613は、導入部材4が挿入されたままとしておいてもよいが、粘着テープなどのシール部材やプラスチックや紙製の蓋により塞がれた状態で移送されることが望ましい。
【0070】
なお、いくつかの実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
上述したこれらの箱体は、一度だけ使われるものであってもよく、複数回に亘って繰り返し使われるものであってもよい。
また、板紙に取り扱いの説明などを印刷しておいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明にかかる気体捕集箱および気体捕集容器を説明するための概念図である。
【図2】本発明にかかる気体捕集箱の一例の斜視図である。
【図3】本発明にかかる気体捕集容器を用いた気体捕集方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明にかかる気体捕集箱の他の一例の展開図及び斜視図である。
【図5】本発明にかかる気体捕集箱のさらに他の一例の展開図及び斜視図である。
【図6】本発明にかかる気体捕集箱のさらに他の一例の展開図及び斜視図である。
【図7】VOCの濃度測定方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0072】
1 試料採取管・導管
2 フィルタ
3 ドレンポット
4 導入部材
5 捕集袋
6 箱体(気体捕集箱、吸引用容器)
7 吸引部材
8 流量調整バルブ
9 吸引ポンプ
10 流量計
61 胴壁
62 外装フィルム
63 両面テープ
100 気体捕集容器
601 ボディ
602 エンドピース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体を導入する導入部材を有する樹脂製の捕集袋を収納するための折り畳み可能な少なくとも一部が板紙からなる六面体の箱体であって、
前記箱体がその内部を観察するための観察窓を備えることを特徴とする気体捕集箱。
【請求項2】
さらに、前記箱体が前記導入部材の少なくとも一部を露出させるための導入開口部および/またはその内部の気体を吸引するための吸引開口部を備える請求項1記載の気体捕集箱。
【請求項3】
前記板紙は、段ボールである請求項1または2記載の気体捕集箱。
【請求項4】
前記箱体は、ブリスボックスである請求項1〜3のいずれかに記載の気体捕集箱。
【請求項5】
前記ブリスボックスを構成するボディを板紙により構成し、少なくとも一方のエンドピースを透明樹脂板により構成した請求項4記載の気体捕集箱。
【請求項6】
前記箱体は、天面及び/又は底面となるフラップが連結して形成され、組立時に、対向する内フラップそれぞれの端縁の中央から外フラップとの連結部位の付け根まで斜めに谷折りされる請求項1〜5のいずれかに記載の気体捕集箱。
【請求項7】
前記箱体は、内外面の少なくとも一方の面全体が樹脂層により被覆されている請求項1〜5のいずれかに記載の気体捕集箱。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の気体捕集箱と、気体を導入する導入部材を有する樹脂製の捕集袋と、を組み合わせてなる気体捕集容器。
【請求項9】
前記捕集袋が前記箱体に固着された請求項8に記載の気体捕集容器。
【請求項10】
少なくとも前記捕集袋の前記導入部材が前記導入開口部に固着された請求項9に記載の気体捕集容器。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれかに記載の気体捕集容器を用いて気体中に存在する物質を検査する気体検査方法であって、
前記捕集袋が収納されて密閉された前記箱体内を前記吸引開口部より吸引して減圧することにより前記導入部材を介して前記捕集袋内に気体を導入するステップと、
前記捕集袋を密閉するステップと、
気体が収容された前記気体捕集容器を気体検査装置が備えられた気体検査場所に移送するステップと、
前記気体検査場所で前記捕集袋を開封して気体を検査するステップとを備える気体検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−2863(P2008−2863A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−170830(P2006−170830)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【出願人】(000224101)藤森工業株式会社 (292)
【Fターム(参考)】