気体改質方法、気体改質シート、気体改質配管
【課題】気体を効果的に改質し、気体の反応効率を高めるようにする。
【解決手段】気体改質方法は、気体の流路中に、セラミック粒子をバインダーで塗布して得た改質面を配置し、改質面近傍に気体を通過させて、当該気体の改質を行う。セラミック粒子は、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、当該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものである。
【解決手段】気体改質方法は、気体の流路中に、セラミック粒子をバインダーで塗布して得た改質面を配置し、改質面近傍に気体を通過させて、当該気体の改質を行う。セラミック粒子は、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、当該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックを用いた気体の改質に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車等の内燃機関の燃焼効率をあげるため、セラミックを用いて燃料や空気の改質を行うことがなされている。セラミックから発せられる遠赤外線により燃料等が改質され、その結果、燃費が向上したり、排気ガスのNOXが低減したりするなどの効果が得られる。例えば、セラミックシートを内燃機関の吸気配管の周囲に巻き付けて、吸気配管内の空気の改質を行う手法も提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の手法では、気体の改質に関して必ずしも良い効果が得られないという問題があった。また、セラミックにも様々な種類が存在し、液体燃料等については各種のセラミックを利用して燃料を改質する試みが為されているが、一方で、空気等の気体の改質に適したセラミックについては、未だ具体的に明らかにされていないという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、空気の改質に適した手法等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0006】
(1)気体の流路中に、セラミック粒子をバインダーで塗布して得た改質面を配置し、前記改質面近傍に気体を通過させて、該気体の改質を行う気体改質方法であって、前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質方法。
【0007】
(2)気体が流れる搬送管の内壁にセラミック粒子を塗布することで、前記搬送管を通過する前記気体の改質を行う気体改質方法であって、前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質方法。
【0008】
(3)前記気体が空気であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の気体改質方法。
【0009】
(4)シート部材と、前記シート部材の表面に固定されるセラミック粒子と、を備え、気体の流路中に配置されて前記気体の改質を行う気体改質シートであって、前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質シート。
【0010】
(5)気体を搬送する搬送管と、前記搬送管の内壁に固定されるセラミック粒子と、を備え、前記気体の改質を行う気体改質配管であって、前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質配管。
【0011】
(6)一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されてイオンを移動させるイオン移動媒体と、前記電極に水素又は酸素を供給する(5)記載の気体改質配管と、を備えることを特徴とする燃料電池。
【0012】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0013】
上記手段では、セラミック粒子が気体の近傍に配置されるので改質効率を高めることが可能になる。また、搬送管内に気体を流す場合等において、その流れを邪魔することなく、改質することが可能になる。
【0014】
特に、気体に作用させるセラミック粒子に、電気分解で陰極に析出された素材を利用することで、セラミック自体のマイナスイオン効果を高めることが可能になる。マイナスイオンは部材を貫通することができないが、本発明のように気体中に直接配置することで、マイナスイオンの効果を気体の改質に利用できることになる。
【0015】
なお、このセラミック粒子は、ルチル系酸化チタン粉粒体を主材とし、この主材にそれと略同量のイオン化傾向が大きな金属の粉粒体を混合して形成した電解質を適宜溶媒中で電気分解し、その陰極に析出付着した物質に所要の添加物、触媒を加えて焼成して得ることが望ましい。このセラミックスの製造方法として、ルチル系酸化チタンとマグネシウムを略均等の重量比で混ぜ、これを炉内で酸化還元処理して電解質に形成し、この電解質を適宜溶媒中で電気分解し、その陰極に析出して付着した物質を取出しそれに微量の触媒と添加物を混ぜてセラミックスに焼成し、この焼成物を微粒子状に粉砕することが好ましい。特に、触媒としての混合剤は重量比約0.1%のパラジウムであり、添加物は重量比5%の水酸化ナトリウムを用いるのが好ましく、また、焼成温度は1280℃〜1380℃、焼成物の粉砕した平均粒径は平均2〜10μm程度とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、気体を改質することで、様々な効率を改善できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る気体改質ネットの製造工程を示す流れ図
【図2】同気体改質ネットの素線断面の状態を拡大して示す断面図
【図3】同気体改質ネットをエアインテークに利用した場合を示す組立図
【図4】同気体改質ネットをボイラー装置に利用した場合を示す正面図
【図5】同気体改質ネットをファンヒータに利用した場合を示す正面図及び背面図
【図6】本発明の実施形態に係る気体改質シートの製造工程を示す流れ図
【図7】本発明の実施形態に係る気体改質配管の製造工程を示す流れ図
【図8】同気体改質配管をガスコンロに利用した場合の斜視図
【図9】同気体改質配管を燃料電池に利用した場合を模式的に示す概念図
【図10】実験によりボイラー装置の燃焼効率の改善効果を示す表図
【図11】実験によりファンヒータのHC濃度の改善効果を示す表図
【図12】実験によりファンヒータの臭気改善効果を示す表図
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、本発明で利用されるセラミックスの製造方法の一例について説明する。まず、ルチル系酸化チタン粉粒体を主材とし、この主材にそれと略同量のイオン化傾向が大きな金属の粉粒体を混合する。具体的には、平均粒径が150μm程度のルチル系酸化チタン500gと、このチタンと同じ性状且つ均等の重量比となるマグネシウム500gとを混合して石英製のるつぼ(炉)に入れ、酸化還元処理を行う。この酸化還元処理においては、酸化チタン、マグネシウムとも約500℃〜540℃で平均粒径3μm程度の微粉体に粉砕される。そこで、粉砕された酸化チタンとマグネシウムの混合微粉末をるつぼから取出す。取出した微粉末は電解質となる。
【0019】
生成された電解質を適宜溶媒中で電気分解する。溶媒としては例えば水をいる。この電気分解を経て陰極に析出付着した物質を取り出し、所要の添加物,触媒を加えて焼成し、この焼成物を微粒子状に粉砕する。
【0020】
具体的には、電気分解の電極棒にCuとCを用い、電極に直流12Vを印加して電気分解を行う。酸化還元された酸化チタンとマグネシウムの混合粉末体を電解質として溶解した電解溶液には、電気分解における通電によってイオン伝動が生じるので、陽極から電解溶液に向かって正電荷が流れる。また、陽極の陽極酸化ではアノード面にアノード電流が流れ、陰極の陰極還元ではカソード面にカソード電流が流れる。従って、陽極には正電荷のイオン(陽イオン又はカチオン)が付着し、カソード(陰極)には負電荷のイオン(陰イオン又はアニオン)が付着する。従って、陰極に析出付着した酸化チタンには負電荷のイオンを帯有することになり、これを素材とする。
【0021】
この素材量に対して約0.1重量%のパラジウムを触媒として混合し、更に、苛性ソーダを全量の5重量%を添加してよく攪拌,混練する。これを焼成するために適宜形状に成型し、この成型体を約1280℃〜1380℃の加熱炉で少なくとも約6時間、長くても12時間程度焼成することにより、セラミックスの母材を得る。その後、焼成したセラミックスの母材を、加熱下で2μm〜10μm程度の平均粒径を有するセラミックス粉粒体に粉砕成形する。これにより機能性セラミックスを得る。
【0022】
次に、図1等を参照して、このセラミックを利用した、気体改質ネット10、気体改質シート20、及び気体改質配管30について説明する。図1に示されるように、いずれの気体改質手段においても、上記工程によって得られたセラミックをバインダーに溶かしたバインダー溶液100を利用する。このバインダーとしては、常温硬化性バインダー樹脂や、紫外線硬化性バインダー樹脂等、様々なものを利用できる。
【0023】
気体改質ネット10を得るには、まず、網目状のネット部材12を、バインダー溶液100内に投入し、ネット部材12の各素線の周囲にバインダー溶液100を塗布する。このネット部材12を取り出して、乾燥させることで気体改質ネット10を得る。この気体改質ネット10は、図2に拡大して示されるように、素線14の外表面に、バインダー102によってセラミック粒子104が固定されており、これにより、外表面自体が気体改質面14Aとして機能する。
【0024】
この気体改質ネット10は、図3に示されるように、自動車やバイク等の内燃機関において、空気を取り込むエアインテーク180に配置できる。詳細には、円筒状のエアーフィルター200の外周面に沿って気体改質ネット10を湾曲させて配置する。このようにすると、エアーフィルター200によって取り込まれる空気が、気体改質ネット10を通過するので、導入空気を改質する事ができ、燃費改善効果や、排気ガスのクリーン化を達成することが可能になる。また内燃機関から出される排気ガスの臭気も低減されるようになる。また、この気体改質ネット10は、網目状のネット部材12を素材として利用しているので、圧力損失も低減できる。なお、ここでは円筒状のエアーフィルター200に設置する場合を示したが、本発明はそれに限定されず、平面タイプのエアーフィルターにも利用できる。更に、エアーフィルター自体にバインダー溶液100をコーティングして、改質面を形成するようにしてもよい。
【0025】
また図4に示されるように、この気体改質ネット10は、ボイラー装置300におけるオイルバーナー302に空気を送り込むための送風機304に設置することも可能である。この場合、送風機304における空気取り込み口に気体改質ネット10を設置すればよい。また、図5に示されるように、石油やガス等のファンヒータ400に設置することも可能である。この場合、背面側に搭載されているファン402の吸気口に気体改質ネット10を配置する。これらのようにすると、燃料効率が向上すると共に、温風の臭気を低減させる事ができる。
【0026】
次に、図6を参照して、気体改質シート20について説明する。この気体改質シート20を製造するには、まず、シート部材22を2枚用意して、それぞれに、刷毛24を利用してバインダー溶液100を塗布する。なお、本実施形態ではシート部材22として紙を用いている。この2枚のシート部材22を、塗布面が対向するようにして重ねて両者を密着させて乾燥させる。この結果、2枚のシート部材22の間に改質面22Aが形成された気体改質シート20を得ることができる。この気体改質シート20を、気体の流路内に配置すれば、改質面22Aの近傍を気体が通過するので、気体を改質することが可能になる。なお、ここでは改質面22Aが2枚のシート部材22に挟まれている場合を示したが、外表面にも塗布して改質面22Aを形成するようにしてもよい。
【0027】
次に図7を参照して、気体改質配管30について説明する。まず、気体を流すために用いる搬送管32を用意し、これをバインダー溶液100中に投入する。なお、ここでは断面が円形または方形となる搬送管について示すが、その形状は問わない。また搬送管32の素材も、金属、コンクリート、ゴム、樹脂等、各種利用できる。その後、この搬送管32をバインダー溶液100から取り出して乾燥させる。この結果、搬送管32の内壁に改質面32Aが形成された気体改質配管30を得ることができる。この気体改質配管30によれば、管内の気体の流れを阻害することが無い。また、内壁から中心に向かって遠赤外線が放出されるので、気体の改質効率を更に高めることができる。
【0028】
図8には、この気体改質配管30を利用したガスコンロ500が示されている。このガスコンロ500では、ガスを供給するゴム素材のガス配管として、気体改質配管30を用いている。このようにすると、改質されたガスがガスコンロ500に供給されるので、燃焼効率が高められると共に、臭気を減らすことができる。
【0029】
図9には、この改質配管30を利用した燃料電池600が示されている。この燃料電池600は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液602と、水酸化ナトリウム水溶液602内に配置される2つの電極604、604と、一方の電極604を覆う水素供給ケース606と、他方の電極604を覆う酸素供給ケース608を備えている。更に、水素供給ケース606及び酸素供給ケース608のそれぞれには、各気体を供給するための気体改質配管30が配置されている。従って、水素と酸素のそれぞれは、気体改質配管30を通過して各供給ケース606、608に提供されるので、各気体が改質されて、電気の変換効率を高めることが可能になる。
【0030】
以上、本実施形態では、気体の流路中に、セラミック粒子104をバインダー102で塗布・固定することで得た改質面が配置されるので、近傍を通過する気体の改質を行うことが可能になる。また、セラミック粒子104が直接気体に接触できるので、間接的に改質する場合と比較して、改質効率を高めることが可能になる。特にこのセラミック粒子104は、電気分解で陰極に析出された素材を利用して製造されているので、多量の陰イオンを帯有している。この結果、セラミック粒子104自体のマイナスイオン効果を高めることが可能になる。マイナスイオンは金属等の搬送管を貫通できないが、本実施形態のように気体中に直接配置することで、気体に直接的に作用させることが可能になる。なお、ここではネット状の部材や配管に改質面を形成する場合に限って示したが、本発明はそれに限定されず、例えばハニカム構造部材にセラミック粒子を塗布して改質面を形成し、改質フィルタとして利用することも可能である。
【0031】
[実施例]
【0032】
図4で示したボイラー装置300を用いて、気体改質ネット10を装着した場合と未装着の場合とで、温度上昇速度の違いを比較した。具体的にはボイラー装置300として、昭和鉄工株式会社製ボイラー(SNW−2003A 冠水容量260L 200000kcal/h)を用いて、空気取込口に450mm×450mmのサイズの気体改質ネット10を適宜設置し、75度から始まって、82度まで上昇する際に要する時間を測定した。この結果を図10に示す。図からも明らかなように、気体改質ネット10を装着した場合は、未装着の場合と比較して、20%程度時間を短縮できることが明らかになった。これは、ボイラー装置300の燃焼効率が上昇していることを意味している。
【0033】
次に、図5で示したファンヒータ400を用いて、気体改質ネット10を装着した場合と未装着の場合の送風気体のHC(炭化水素)濃度をそれぞれ2回計測した。ファンヒータ400としてOVF−G30A/型番004001475を用い、温風を「強」に設定した後に「消化」を実行し、消化時に発生する風を回収してHC濃度を測定するようにした。この結果を図11に示す。図からも明らかなように、気体改質ネット10の装着時のHC濃度が、未装着時と比較して30%〜60%程度低減されていることが明らかとなった。
【0034】
また、同様の条件の下で、気体改質ネット10を装着した場合と未装着の場合の送風気体の臭気を、簡易ニオイセンサーを用いて測定した。この結果を図12に示す。結果から明らかなように、気体改質ネット10の装着時の臭気は、未装着時と比較して低減していることが明らかとなった。
【0035】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の気体改質方法等によれば、気体を効果的に改質することが可能となるので、燃料電池、内燃機関、ボイラー等様々な用途に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0037】
10 気体改質ネット
20 気体改質シート
30 気体改質配管
180 エアインテーク
300 ボイラー装置
400 ファンヒータ
500 ガスコンロ
600 燃料電池
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックを用いた気体の改質に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車等の内燃機関の燃焼効率をあげるため、セラミックを用いて燃料や空気の改質を行うことがなされている。セラミックから発せられる遠赤外線により燃料等が改質され、その結果、燃費が向上したり、排気ガスのNOXが低減したりするなどの効果が得られる。例えば、セラミックシートを内燃機関の吸気配管の周囲に巻き付けて、吸気配管内の空気の改質を行う手法も提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の手法では、気体の改質に関して必ずしも良い効果が得られないという問題があった。また、セラミックにも様々な種類が存在し、液体燃料等については各種のセラミックを利用して燃料を改質する試みが為されているが、一方で、空気等の気体の改質に適したセラミックについては、未だ具体的に明らかにされていないという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、空気の改質に適した手法等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0006】
(1)気体の流路中に、セラミック粒子をバインダーで塗布して得た改質面を配置し、前記改質面近傍に気体を通過させて、該気体の改質を行う気体改質方法であって、前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質方法。
【0007】
(2)気体が流れる搬送管の内壁にセラミック粒子を塗布することで、前記搬送管を通過する前記気体の改質を行う気体改質方法であって、前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質方法。
【0008】
(3)前記気体が空気であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の気体改質方法。
【0009】
(4)シート部材と、前記シート部材の表面に固定されるセラミック粒子と、を備え、気体の流路中に配置されて前記気体の改質を行う気体改質シートであって、前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質シート。
【0010】
(5)気体を搬送する搬送管と、前記搬送管の内壁に固定されるセラミック粒子と、を備え、前記気体の改質を行う気体改質配管であって、前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質配管。
【0011】
(6)一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されてイオンを移動させるイオン移動媒体と、前記電極に水素又は酸素を供給する(5)記載の気体改質配管と、を備えることを特徴とする燃料電池。
【0012】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0013】
上記手段では、セラミック粒子が気体の近傍に配置されるので改質効率を高めることが可能になる。また、搬送管内に気体を流す場合等において、その流れを邪魔することなく、改質することが可能になる。
【0014】
特に、気体に作用させるセラミック粒子に、電気分解で陰極に析出された素材を利用することで、セラミック自体のマイナスイオン効果を高めることが可能になる。マイナスイオンは部材を貫通することができないが、本発明のように気体中に直接配置することで、マイナスイオンの効果を気体の改質に利用できることになる。
【0015】
なお、このセラミック粒子は、ルチル系酸化チタン粉粒体を主材とし、この主材にそれと略同量のイオン化傾向が大きな金属の粉粒体を混合して形成した電解質を適宜溶媒中で電気分解し、その陰極に析出付着した物質に所要の添加物、触媒を加えて焼成して得ることが望ましい。このセラミックスの製造方法として、ルチル系酸化チタンとマグネシウムを略均等の重量比で混ぜ、これを炉内で酸化還元処理して電解質に形成し、この電解質を適宜溶媒中で電気分解し、その陰極に析出して付着した物質を取出しそれに微量の触媒と添加物を混ぜてセラミックスに焼成し、この焼成物を微粒子状に粉砕することが好ましい。特に、触媒としての混合剤は重量比約0.1%のパラジウムであり、添加物は重量比5%の水酸化ナトリウムを用いるのが好ましく、また、焼成温度は1280℃〜1380℃、焼成物の粉砕した平均粒径は平均2〜10μm程度とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、気体を改質することで、様々な効率を改善できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る気体改質ネットの製造工程を示す流れ図
【図2】同気体改質ネットの素線断面の状態を拡大して示す断面図
【図3】同気体改質ネットをエアインテークに利用した場合を示す組立図
【図4】同気体改質ネットをボイラー装置に利用した場合を示す正面図
【図5】同気体改質ネットをファンヒータに利用した場合を示す正面図及び背面図
【図6】本発明の実施形態に係る気体改質シートの製造工程を示す流れ図
【図7】本発明の実施形態に係る気体改質配管の製造工程を示す流れ図
【図8】同気体改質配管をガスコンロに利用した場合の斜視図
【図9】同気体改質配管を燃料電池に利用した場合を模式的に示す概念図
【図10】実験によりボイラー装置の燃焼効率の改善効果を示す表図
【図11】実験によりファンヒータのHC濃度の改善効果を示す表図
【図12】実験によりファンヒータの臭気改善効果を示す表図
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、本発明で利用されるセラミックスの製造方法の一例について説明する。まず、ルチル系酸化チタン粉粒体を主材とし、この主材にそれと略同量のイオン化傾向が大きな金属の粉粒体を混合する。具体的には、平均粒径が150μm程度のルチル系酸化チタン500gと、このチタンと同じ性状且つ均等の重量比となるマグネシウム500gとを混合して石英製のるつぼ(炉)に入れ、酸化還元処理を行う。この酸化還元処理においては、酸化チタン、マグネシウムとも約500℃〜540℃で平均粒径3μm程度の微粉体に粉砕される。そこで、粉砕された酸化チタンとマグネシウムの混合微粉末をるつぼから取出す。取出した微粉末は電解質となる。
【0019】
生成された電解質を適宜溶媒中で電気分解する。溶媒としては例えば水をいる。この電気分解を経て陰極に析出付着した物質を取り出し、所要の添加物,触媒を加えて焼成し、この焼成物を微粒子状に粉砕する。
【0020】
具体的には、電気分解の電極棒にCuとCを用い、電極に直流12Vを印加して電気分解を行う。酸化還元された酸化チタンとマグネシウムの混合粉末体を電解質として溶解した電解溶液には、電気分解における通電によってイオン伝動が生じるので、陽極から電解溶液に向かって正電荷が流れる。また、陽極の陽極酸化ではアノード面にアノード電流が流れ、陰極の陰極還元ではカソード面にカソード電流が流れる。従って、陽極には正電荷のイオン(陽イオン又はカチオン)が付着し、カソード(陰極)には負電荷のイオン(陰イオン又はアニオン)が付着する。従って、陰極に析出付着した酸化チタンには負電荷のイオンを帯有することになり、これを素材とする。
【0021】
この素材量に対して約0.1重量%のパラジウムを触媒として混合し、更に、苛性ソーダを全量の5重量%を添加してよく攪拌,混練する。これを焼成するために適宜形状に成型し、この成型体を約1280℃〜1380℃の加熱炉で少なくとも約6時間、長くても12時間程度焼成することにより、セラミックスの母材を得る。その後、焼成したセラミックスの母材を、加熱下で2μm〜10μm程度の平均粒径を有するセラミックス粉粒体に粉砕成形する。これにより機能性セラミックスを得る。
【0022】
次に、図1等を参照して、このセラミックを利用した、気体改質ネット10、気体改質シート20、及び気体改質配管30について説明する。図1に示されるように、いずれの気体改質手段においても、上記工程によって得られたセラミックをバインダーに溶かしたバインダー溶液100を利用する。このバインダーとしては、常温硬化性バインダー樹脂や、紫外線硬化性バインダー樹脂等、様々なものを利用できる。
【0023】
気体改質ネット10を得るには、まず、網目状のネット部材12を、バインダー溶液100内に投入し、ネット部材12の各素線の周囲にバインダー溶液100を塗布する。このネット部材12を取り出して、乾燥させることで気体改質ネット10を得る。この気体改質ネット10は、図2に拡大して示されるように、素線14の外表面に、バインダー102によってセラミック粒子104が固定されており、これにより、外表面自体が気体改質面14Aとして機能する。
【0024】
この気体改質ネット10は、図3に示されるように、自動車やバイク等の内燃機関において、空気を取り込むエアインテーク180に配置できる。詳細には、円筒状のエアーフィルター200の外周面に沿って気体改質ネット10を湾曲させて配置する。このようにすると、エアーフィルター200によって取り込まれる空気が、気体改質ネット10を通過するので、導入空気を改質する事ができ、燃費改善効果や、排気ガスのクリーン化を達成することが可能になる。また内燃機関から出される排気ガスの臭気も低減されるようになる。また、この気体改質ネット10は、網目状のネット部材12を素材として利用しているので、圧力損失も低減できる。なお、ここでは円筒状のエアーフィルター200に設置する場合を示したが、本発明はそれに限定されず、平面タイプのエアーフィルターにも利用できる。更に、エアーフィルター自体にバインダー溶液100をコーティングして、改質面を形成するようにしてもよい。
【0025】
また図4に示されるように、この気体改質ネット10は、ボイラー装置300におけるオイルバーナー302に空気を送り込むための送風機304に設置することも可能である。この場合、送風機304における空気取り込み口に気体改質ネット10を設置すればよい。また、図5に示されるように、石油やガス等のファンヒータ400に設置することも可能である。この場合、背面側に搭載されているファン402の吸気口に気体改質ネット10を配置する。これらのようにすると、燃料効率が向上すると共に、温風の臭気を低減させる事ができる。
【0026】
次に、図6を参照して、気体改質シート20について説明する。この気体改質シート20を製造するには、まず、シート部材22を2枚用意して、それぞれに、刷毛24を利用してバインダー溶液100を塗布する。なお、本実施形態ではシート部材22として紙を用いている。この2枚のシート部材22を、塗布面が対向するようにして重ねて両者を密着させて乾燥させる。この結果、2枚のシート部材22の間に改質面22Aが形成された気体改質シート20を得ることができる。この気体改質シート20を、気体の流路内に配置すれば、改質面22Aの近傍を気体が通過するので、気体を改質することが可能になる。なお、ここでは改質面22Aが2枚のシート部材22に挟まれている場合を示したが、外表面にも塗布して改質面22Aを形成するようにしてもよい。
【0027】
次に図7を参照して、気体改質配管30について説明する。まず、気体を流すために用いる搬送管32を用意し、これをバインダー溶液100中に投入する。なお、ここでは断面が円形または方形となる搬送管について示すが、その形状は問わない。また搬送管32の素材も、金属、コンクリート、ゴム、樹脂等、各種利用できる。その後、この搬送管32をバインダー溶液100から取り出して乾燥させる。この結果、搬送管32の内壁に改質面32Aが形成された気体改質配管30を得ることができる。この気体改質配管30によれば、管内の気体の流れを阻害することが無い。また、内壁から中心に向かって遠赤外線が放出されるので、気体の改質効率を更に高めることができる。
【0028】
図8には、この気体改質配管30を利用したガスコンロ500が示されている。このガスコンロ500では、ガスを供給するゴム素材のガス配管として、気体改質配管30を用いている。このようにすると、改質されたガスがガスコンロ500に供給されるので、燃焼効率が高められると共に、臭気を減らすことができる。
【0029】
図9には、この改質配管30を利用した燃料電池600が示されている。この燃料電池600は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液602と、水酸化ナトリウム水溶液602内に配置される2つの電極604、604と、一方の電極604を覆う水素供給ケース606と、他方の電極604を覆う酸素供給ケース608を備えている。更に、水素供給ケース606及び酸素供給ケース608のそれぞれには、各気体を供給するための気体改質配管30が配置されている。従って、水素と酸素のそれぞれは、気体改質配管30を通過して各供給ケース606、608に提供されるので、各気体が改質されて、電気の変換効率を高めることが可能になる。
【0030】
以上、本実施形態では、気体の流路中に、セラミック粒子104をバインダー102で塗布・固定することで得た改質面が配置されるので、近傍を通過する気体の改質を行うことが可能になる。また、セラミック粒子104が直接気体に接触できるので、間接的に改質する場合と比較して、改質効率を高めることが可能になる。特にこのセラミック粒子104は、電気分解で陰極に析出された素材を利用して製造されているので、多量の陰イオンを帯有している。この結果、セラミック粒子104自体のマイナスイオン効果を高めることが可能になる。マイナスイオンは金属等の搬送管を貫通できないが、本実施形態のように気体中に直接配置することで、気体に直接的に作用させることが可能になる。なお、ここではネット状の部材や配管に改質面を形成する場合に限って示したが、本発明はそれに限定されず、例えばハニカム構造部材にセラミック粒子を塗布して改質面を形成し、改質フィルタとして利用することも可能である。
【0031】
[実施例]
【0032】
図4で示したボイラー装置300を用いて、気体改質ネット10を装着した場合と未装着の場合とで、温度上昇速度の違いを比較した。具体的にはボイラー装置300として、昭和鉄工株式会社製ボイラー(SNW−2003A 冠水容量260L 200000kcal/h)を用いて、空気取込口に450mm×450mmのサイズの気体改質ネット10を適宜設置し、75度から始まって、82度まで上昇する際に要する時間を測定した。この結果を図10に示す。図からも明らかなように、気体改質ネット10を装着した場合は、未装着の場合と比較して、20%程度時間を短縮できることが明らかになった。これは、ボイラー装置300の燃焼効率が上昇していることを意味している。
【0033】
次に、図5で示したファンヒータ400を用いて、気体改質ネット10を装着した場合と未装着の場合の送風気体のHC(炭化水素)濃度をそれぞれ2回計測した。ファンヒータ400としてOVF−G30A/型番004001475を用い、温風を「強」に設定した後に「消化」を実行し、消化時に発生する風を回収してHC濃度を測定するようにした。この結果を図11に示す。図からも明らかなように、気体改質ネット10の装着時のHC濃度が、未装着時と比較して30%〜60%程度低減されていることが明らかとなった。
【0034】
また、同様の条件の下で、気体改質ネット10を装着した場合と未装着の場合の送風気体の臭気を、簡易ニオイセンサーを用いて測定した。この結果を図12に示す。結果から明らかなように、気体改質ネット10の装着時の臭気は、未装着時と比較して低減していることが明らかとなった。
【0035】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の気体改質方法等によれば、気体を効果的に改質することが可能となるので、燃料電池、内燃機関、ボイラー等様々な用途に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0037】
10 気体改質ネット
20 気体改質シート
30 気体改質配管
180 エアインテーク
300 ボイラー装置
400 ファンヒータ
500 ガスコンロ
600 燃料電池
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体の流路中に、セラミック粒子をバインダーで塗布して得た改質面を配置し、前記改質面近傍に気体を通過させて、該気体の改質を行う気体改質方法であって、
前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質方法。
【請求項2】
気体が流れる搬送管の内壁にセラミック粒子を塗布することで、前記搬送管を通過する前記気体の改質を行う気体改質方法であって、
前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質方法。
【請求項3】
前記気体が空気であることを特徴とする請求項1又は2記載の気体改質方法。
【請求項4】
シート部材と、前記シート部材の表面に固定されるセラミック粒子と、を備え、気体の流路中に配置されて前記気体の改質を行う気体改質シートであって、
前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質シート。
【請求項5】
気体を搬送する搬送管と、前記搬送管の内壁に固定されるセラミック粒子と、を備え、前記気体の改質を行う気体改質配管であって、
前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質配管。
【請求項6】
一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されてイオンを移動させるイオン移動媒体と、前記電極に水素又は酸素を供給する請求項5記載の気体改質配管と、を備えることを特徴とする燃料電池。
【請求項1】
気体の流路中に、セラミック粒子をバインダーで塗布して得た改質面を配置し、前記改質面近傍に気体を通過させて、該気体の改質を行う気体改質方法であって、
前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質方法。
【請求項2】
気体が流れる搬送管の内壁にセラミック粒子を塗布することで、前記搬送管を通過する前記気体の改質を行う気体改質方法であって、
前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質方法。
【請求項3】
前記気体が空気であることを特徴とする請求項1又は2記載の気体改質方法。
【請求項4】
シート部材と、前記シート部材の表面に固定されるセラミック粒子と、を備え、気体の流路中に配置されて前記気体の改質を行う気体改質シートであって、
前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質シート。
【請求項5】
気体を搬送する搬送管と、前記搬送管の内壁に固定されるセラミック粒子と、を備え、前記気体の改質を行う気体改質配管であって、
前記セラミック粒子が、ルチル系酸化チタン粒子と、ルチル系酸化チタン粒子との酸化還元処理により電解質を生成する程度の高いイオン化傾向を有する金属粒子と、の混合物を酸化還元処理し、該酸化還元処理により生成した電解質を溶媒で電気分解し、陰極に析出された物質を焼成して得たものであることを特徴とする気体改質配管。
【請求項6】
一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されてイオンを移動させるイオン移動媒体と、前記電極に水素又は酸素を供給する請求項5記載の気体改質配管と、を備えることを特徴とする燃料電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−34992(P2013−34992A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−197042(P2012−197042)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【分割の表示】特願2006−57082(P2006−57082)の分割
【原出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(506075403)有限会社サトーテクノ (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【分割の表示】特願2006−57082(P2006−57082)の分割
【原出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(506075403)有限会社サトーテクノ (2)
【Fターム(参考)】
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