説明

気体検出装置および一体型温度補正デバイスを使用する方法

【課題】標的物質の濃度を測定するための装置および方法を提供すること。
【解決手段】標的物質の濃度を測定するための装置であって、以下:該標的物質に曝露された際に、該標的物質と化学反応して観測可能な指標を生じる検出材料を含む検出容器であり、検出された該標的物質の濃度は、該観測可能な指標から読み取り可能である、検出容器;該検出容器と係合可能であり、かつ該検出容器内に気体環境のサンプルを引き込むのに作動可能なポンプであり、該引き込まれたサンプルが該標的物質を含み、それによって、該検出材料が該標的物質に曝露される、ポンプ;および、該気体環境の温度を示すための、一体型温度表示器、を備える、装置。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、一般には、気体環境中の標的物質の存在を検出するための装置および方法に関する。より詳細には、本発明は、その標的物質の濃度を測定するためのこのような装置および方法に関する。本発明の1つの局面において、この方法は、温度変動を計上するための一体型の温度表示器および/または補正デバイスを使用する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
(発明の要旨)
本発明は、標的物質の濃度を測定するための装置および方法に関する。本発明の1つの局面において、本発明の装置は、検出容器、ポンプ、および一体型の温度表示器または一体型の温度補正率表示器を備える。好ましくは、この検出容器は、検出材料を有するかまたは含み、この検出材料が、標的物質に対する曝露の際に標的物質と化学的に反応して、観察可能な指標を生じ、その結果、この検出される標的物質の濃度が、その観察可能な指標から読み取り可能であるようになる。ポンプは、検出容器と係合可能であり、そしてこの検出容器内に気体環境のサンプルを引き込むように作動可能であり、この引き込まれるサンプルが、標的物質を含み、その結果、検出材料が、標的物質に曝露されるようになる。より好ましくは、温度表示器は、検出容器またはポンプの周辺に一体的に配置され、そして最も好ましくは、ポンプの外側表面に配置される。
【0003】
本発明の1つの局面において、一体型の温度補正率表示器は、特定の温度での濃度測定に適用可能な補正率を示すために備えられる。この温度補正表示器は、温度表示器に加えて、または温度表示器の代わりに備えられ得る。1つの実施形態において、温度表示器は、温度補正率表示器に加えて備えられ、そして適合する温度補正率表示器と対応するように配置される。好ましくは、各温度補正率表示器(または温度表示器)は、特定の温度に応答して光るように適合される。従って、本発明に従う方法において、ユーザは、標的物質の濃度および適切な温度補正率の両方を、その装置から得る。この補正率を、その測定または表示された濃度に適用することによって、ユーザは、検出された標的物質の適切な濃度または補正された濃度を得る。
【0004】
1つの局面において、本発明は、標的物質の濃度を測定するための装置であって、この装置は、以下:
この標的物質に曝露された際に、この標的物質と化学反応して観測可能な指標を生じる検出材料を含む検出容器であり、検出されたこの標的物質の濃度は、この観測可能な指標から読み取り可能である、検出容器;
この検出容器と係合可能であり、かつこの検出容器内に気体環境のサンプルを引き込むのに作動可能なポンプであり、この引き込まれたサンプルがこの標的物質を含み、それによって、この検出材料がこの標的物質に曝露される、ポンプ;および、
この気体環境の温度を示すための、一体型温度表示器、
を備える、装置、
を提供する。
【0005】
好ましい実施態様において、上記検出材料は、上記標的物質と比色定量的に反応して、観測可能な色の変化を生じ、この検出された標的物質の濃度は、この色の変化の強度から読み取り可能であり得る。
【0006】
好ましい実施態様において、上記温度表示器は、上記検出容器または上記ポンプの周囲に一体となって配置され得る。
【0007】
好ましい実施態様において、上記温度表示器は、上記ポンプの外面上に一体となって配置され得る。
【0008】
好ましい実施態様において、上記ポンプは、周囲表面を有する円筒形本体を有し、上記温度表示器は、この周囲表面の周囲に配置され得る。
【0009】
好ましい実施態様において、本発明は、上記ポンプが、その中に配置されてこの本体の長手方向軸に沿って移動可能なピストンを有するほぼ円筒形の本体を有し、このポンプが、上記検出容器を係合するための第一端部およびハンドル端部をさらに有し、このハンドル端部が、円筒形ピストンが移動する穿孔を備え、そしてこのピストンが、この装置のユーザによって作動可能な外部ピストンハンドルを備える、装置、
を提供し得る。
【0010】
好ましい実施態様において、上記ハンドル端部は、上記穿孔から半径方向に外向きに延びる、ほぼ放射状の表面を備え、そしてここで、
上記温度表示器がほぼ円形の形状を有し、この温度表示器が、この放射状表面に配置されかつこの穿孔の周囲に位置決めされ得る。
【0011】
好ましい実施態様において、上記温度表示器は、この温度表示器上に備えられるている温度補正率を有し得る。
【0012】
好ましい実施態様において、上記温度表示器は、温度を示すためのマイクロカプセル化液晶色変化インクを含むポリエステルストリップであり得る。
【0013】
好ましい実施態様において、上記温度表示器は、温度補正表示器を備え、各補正表示器は、温度表示器と対応して配置され得る。
【0014】
好ましい実施態様において、上記温度表示器は、複数の温度表示を含み、各温度表示は、特定の温度に応答して光るように、熱的に応答性であり得る。
【0015】
別の局面において、本発明は、標的物質の濃度を測定するための装置であって、この装置は、以下:
この標的物質に曝露された際に、この標的物質と化学反応して観測可能な指標を生じる検出材料を有する検出容器であり、検出されたこの標的物質の濃度は、この観測可能な指標から読み取り可能である、検出容器;
この検出容器と係合可能であり、かつこの検出容器内に気体環境のサンプルを引き込むのに作動可能なポンプであり、この引き込まれたサンプルがこの標的物質を含み、それによって、この検出材料がこの標的物質に曝露される、ポンプ;および、
特定の温度での濃度測定に適用可能な補正率を表示するための、一体型温度補正率表示器、
を備える、装置、
を提供する。
【0016】
好ましい実施態様において、上記検出材料は、上記標的物質と比色定量的に反応して、観測可能な色の変化を示し、検出されたこの標的物質の濃度は、この色の変化の強度から読み取り可能であり得る。
【0017】
好ましい実施態様において、上記温度補正率表示器は、上記検出容器または上記ポンプの周囲に一体となって配置され得る。
【0018】
好ましい実施態様において、上記温度補正率表示器は、上記ポンプの外面上に一体となって配置され得る。
【0019】
好ましい実施態様において、上記ポンプは、周囲表面を有する円筒形本体を有し、上記温度補正率表示器は、この周囲表面の周囲に配置され得る。
【0020】
好ましい実施態様において、本発明は、上記ポンプが、その中に配置されてこの本体の長手方向軸に沿って移動可能なピストンを有するほぼ円筒形の本体を有し、このポンプが、上記検出容器を係合するための第一端部およびハンドル端部をさらに有し、このハンドル端部が、円筒形ピストンが移動するボードを備え、そしてこのピストンが、この装置のユーザによって作動可能な外部ピストンハンドルを備える、装置、
を提供する。
【0021】
好ましい実施態様において、上記温度補正率表示器は、この表示器上に温度表示器を備え、この温度補正率表示器は、整合性温度補正率表示器に対応するように配置された温度表示を含み得る。
【0022】
好ましい実施態様において、上記温度補正表示器は、複数の補正率を備え、各補正率は、特定の温度に応答して光るように適合され得る。
【0023】
別の局面において、本発明は、場における標的物質の濃度を測定する方法であって、この方法は、以下:
この標的物質の存在を検出するための装置を提供する工程であって、この装置が、以下:
この標的物質に曝露された際に、この標的物質と化学反応して観測可能な指標を生じる検出材料を有する検出容器であり、検出されたこの標的物質の濃度は、この観測可能な指標から読み取り可能である、検出容器;および、
この検出容器と係合可能であり、かつこの検出容器内に気体環境のサンプルを引き込むのに作動可能なポンプであり、この引き込まれたサンプルがこの標的物質を含み、それによって、この検出材料がこの標的物質に曝露される、ポンプ、
を備える、工程;
この装置と一体となって、特定の温度での濃度測定に適用可能な補正率を表示するための温度補正率表示器を適用する工程;
この標的物質の濃度の存在を検出するために、この場において、この装置のポンプを作動させる工程;
この装置から、この検出された濃度の表示された測定値を得る工程;
この装置から、この表示された測定値に適用される、表示された温度補正率を得る工程;ならびに、
この表示された測定値にこの補正率を適用して、この検出された標的物質の補正された濃度を得る工程、
を包含する、方法、
を提供する。
【0024】
好ましい実施態様において、上記温度補正率表示器を適用する工程は、上記ポンプの外面周囲にこの表示器を適用する工程を包含し得る。
【0025】
好ましい実施態様において、上記表示された温度補正率を得る工程は、対応する所定の温度を検出する際に、所定の温度補正率表示を発光する工程を包含し得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明により、標的物質の濃度を測定するための装置が、提供される。この装置は、検出器、ポンプ、および一体型温度表示器または一体型温度補正率表示器を備える。この検出容器は、標的物質に曝露された際に、標的物質と化学反応して観測可能な指標を生じる、検出材料を有するかまたは備え、それによって、検出された標的物質の濃度は、この観測可能な指標から読み取り可能である。このポンプは、検出容器と係合可能であり、かつこの検出容器内に気体環境のサンプルを引き込むのに作動可能であり、引き込まれたサンプルは、標的物質を含み、それによって、この検出材料は、標的物質に曝露される。一体型温度補正率表示器に関して、特定の温度での濃度測定に適用可能な補正率を示すために、特に適用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明は、2002年6月3日に出願された米国特許仮出願番号60/385,416の出願日の利益を主張する。この優先権書類は、全ての目的のために参考として本明細書によって援用され、そして本開示の一部をなす。
【0028】
(発明の詳細な説明)
図1〜2は、本発明の種々の局面を具体化する、標的物質を検出するための装置を示す。図3は、本発明の装置の代替的な実施形態を示す。本発明の装置および方法は、局所的な気体環境中の標的物質の濃度を検出するために使用可能であり、そして検出された濃度の観察可能な指標を提供する。さらに、本発明の装置および方法は、標的物質の濃度を検出するための手段を提供し、そしてその物質が検出される局所的な気体環境に起因する温度変動について補正可能な指標を提供する。いくつかの実施形態において、温度表示器は、気体検出装置の基本構成要素の1つと一体的に配置される(例えば、それと共に組み込まれる)。
【0029】
本明細書中で使用される場合、用語「検出される」または「検出」は、本発明の方法の主な機能または結果をいうために使用される。より詳細には、本発明の装置は、標的物質の存在または濃度を「検出する」ために使用される。しかし、標的物質の検出は、好ましくは、検出された量または濃度の測定を提供すること、およびユーザにその測定値を容易に伝達すること(例えば、色の変化または他の観察可能な指標によって)を含む。
【0030】
本明細書で提供される図面の詳細な説明を検討すると、本発明の種々の局面が、局所的な気体環境における標的物質を検出するために、他の手段に適用可能であり得ることは、関連分野(例えば、器械工学分野または測定分野)の当業者に理解されることがまず注意されるべきである。この詳細な説明の焦点は、検出管および手動ピストン型ポンプを用いた気体検出システムへの適用である。しかし、温度補正デバイスが他の気体検出システムまたは標的物質検出システムに適用され得ることは明らかであるはずである。従って、本発明の適用は、検出管を使用し、そして/または手動ピストン型ポンプを利用する検出システムに限定されない。従って、本発明は、本明細書中に具体的に記載され、そして例示される構造および方法に限定するとは意図されない。
【0031】
図1を参照すると、本発明は、手動ピストンサンプリングポンプ13を備えた検出管11を使用する気体検出システムまたは装置9に特に適用可能である。このようなシステムは、例えば、いくつかの市販のピストン型設計(Gastec検出管システム、Kitagawa検出管システム、およびRae検出管システムとして市販されているものが挙げられる)のうちの1つまたはいくつかの市販のベロー型設計(Draeger検出管システムもしくはMSA検出管システムとして市販されている)のうちの1つであり得る。しかし、本発明において、この基本的なシステムまたは装置9は、野外測定の補正を可能にする温度補正デバイスおよび/または温度表示器を組み込むように改変される。図1Aに示されるように、検出管11は、好ましくは、キャリブレーション目盛が印刷してある薄いガラス管である。このキャリブレーション目盛により、オペレーターは、測定される物質(気体または蒸気)の濃度を直接読み取ることができる。各管は、検出材料または試薬11aを含み、この試薬11aは、標的物質に感受性であり、そしてこの標的物質に曝した際に明らかな呈色変化の層を生じるので選択される。検出管11は、代表的には、端部11b、11cを密閉した状態で梱包され、これらの端部は、操作の間に切断されてもよいし、分離されてもよく、または別の検出管と連続的に接続して提供され得る。以下に議論されるように、検出管11は、局所的な気体環境をサンプリングするための野外に持ち出し可能なユニットを提供するために、ポンプ13により係合され得る。
【0032】
当該分野で公知のように、検出管11は、一定量の検出材料11aを保持または収容する。標的物質に曝す際に、検出材料11aは、観察可能かつ測定可能な呈色変化を生じる標的物質と比色的に反応する。代替的実施形態において、検出材料は、電気化学的センサまたは標的物質と化学的に反応性の他の材料であり得る。
【0033】
図1に示されるポンプ13のような手動ピストン型サンプリングポンプは、気体検出装置とともに用いられることが公知である。しかし、他の型のポンプが手動バルブ型ポンプを備える本発明の気体検出装置とともに用いられ得ることは注意されるべきである。ポンプ13は、握ることができる外側表面とピストンハンドル17とを有するシリンダー本体15を備える。このポンプは、検出管11を係合するための第1端部もしくは検出器端部23と、ピストンの往復運動に適応する第2端部19とを備える。ポンプのハンドル端部19は、ポンプ13の長手方向軸に対して垂直に位置づけられた、概して放射状表面を備える。ピストンが往復運動するボア21は、図2にもまた示されるように、この放射状表面上の中心に位置している。
【0034】
手動ポンプ13を操作することにより、ユーザは、検出管11に気体を引き入れ、必要な比色反応を生じさせる。結果として、観察可能な染色の形態で検出材料に呈色変化が生じる。染色の強度または長さは、検出される標的物質の濃度を表し、管11上のキャリブレート目盛を用いて測定可能である。
【0035】
しかし、出願人らは、このような化学反応が、気体の温度に特に感受性であることを議論してきた。化学反応性に対する固有の温度効果(代表的には、温度が低いほど、反応は遅くなる)が原因で、染色の長さまたは強度は、多かれ少なかれ標的気体と反応する材料に起因して、含まれる化学物質の温度感受性に関して温度に直接影響を受ける。この理由のために、いくつかの検出管は、温度に対する染色の長さにおいて大きな差異を有し得るのに対して、他の検出管は、ほとんど、またはまったく効果を有さない。従って、正確な測定値を得ることは、しばしば、サンプリングされた局所的気体環境の温度を補正し、次いで補正率を濃度の読み取りに適用することが必要である。この目的のために、補正チャートまたは補正シートが、しばしば、気体検出デバイスに提供される。これらのいわゆる補正チャートは、標的物質および検出管設計に依存して、具体的に作成され得る。いずれにしても、オペレーターは、サンプリングまたは測定が行われる温度をやはり決定しなければならない。先行技術のシステムおよび方法を用いる場合には、この温度補正を提供することはしばしば困難である。なぜなら、気体検出デバイスのユーザは、しばしば、野外で従来のシステムおよび方法とともに温度表示器を持ち歩かないからである。従って、不正確な測定または読み取りは当然のことである。
【0036】
図2は、本発明の気体検出装置とともに使用するために意図される、温度表示ストリップまたは温度表示ラベルを示す。温度表示ストリップまたはサーモストリップは、特定の温度または範囲を示すために微小カプセル化液晶色変化インクを使用する、ポリエステル(Mylar)構築物において利用可能である。これらのサーモストリップは、市販されているが、上に温度表示を備える細長ストリップとしてのみ入手可能である。これらのストリップの代表的な適用は、消費者製品、医学実験室製品、および広告において見出される。
【0037】
本発明において、そのサーモストリップは、代替形態または代替構成になるように改変されており、このことは、気体測定適用において、特に独特に有利である。図2に示されるように、好ましい設計は、この温度表示が環状パターンで配置されている、環状設計である。このサーモストリップ31は、「ドーナッツ」形状を有し、これは、この環状パターン中に中心円とギャップとを含む。結果として、この環状サーモストリップ31は、手動ポンプ13上の好ましい位置に、簡便かつ有利に配置され得る。詳細には、この環状サーモストリップ31は、図2に示されるように、ポンプ13のハンドル表面19上に有利に配置され得る。この位置にて、この温度表示器は、ユーザがそのハンドル21を操作しながら、そのユーザにより容易かつ簡便に読み取られ得る。さらに、このポンプ13のこの表面または領域は、ユーザの手または他の外部表面と接触する可能性が低い。
【0038】
あるいは、このサーモストリップ31は、円周状に配置され得るか、または図3に示されるように、ポンプ本体15の円周表面の周りに配置され得る。このような適用において、このサーモストリップは、細長いが、温度表示器は、直線パターンで配置される。図5に示されるようなサーモストリップの代替実施形態において、このサーモストリップ51は、補正率表示55を備えるように改変される。このような補正率は、別個の補正実体上に通常は提供される。このサーモストリップ51は、環状パターンで補正率表示55を提供し、この補正率表示55は、温度表示53に対応する。従って、ユーザは、補正シートを調べるよりも、この気体検出デバイスから簡単にこの補正率を得ることができる。このことは、本発明の装置および方法のなお別の局面である。なお別の代替実施形態において、このサーモストリップは、温度表示53を備えずに、補正率表示55を備え得る。この実施形態において、適切な補正率は、ユーザを促すように光り得る。直前の実施形態において、この温度表示は光り得(すなわち、適切な温度を示す)、その結果、ユーザは、光った温度表示に近接して位置する補正率の方に注意を向ける。従って、ユーザは、補正シートを調べるよりも、この気体検出デバイスからこの補正率を簡単に得ることができる。このことは、本発明の装置および方法のなお別の局面である。
【0039】
図4aおよび図4bは、本発明による気体検出システムまたは装置のなお別の実施形態を示す。この実施形態において、ベロー型ポンプ113が、検出管と組み合わせて使用される。この手動ベロー型サンプリングポンプ113は、図3の手動ピストン型ポンプと類似する機能を果すが、空気を排気する(と同時に、この管を通して空気を引き込む)ために、アコーディオン型ベロー121を圧迫することが、必要とされる。図4は、このポンプ上および異なる型のポンプ上の、異なる位置にあるサーモストリップ131の代替配置を示す。図4bにおいて、このサーモストリップ131は、このポンプ113の頂部表面上に有利に配置されていることが、示される。
【0040】
本発明の種々の実施形態が、本明細書中に記載されている。しかし、上記の実施形態(例えば、気体検出管および標準的検出管および手動ピストンポンプを使用する装置)は、例としてのためだけに示されることが、当業者により理解されるべきであり、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲を制限するものとしては、解釈されるべきではない。本発明の種々の局面を包含する、上記の実施形態の他の代替的実施形態、変化および改変もまた、先行技術を考慮して本願の詳細な説明を読解することによって、理解される。例えば、サーモストリップの適用または種々の型および構成のサーモストリップが、他の実施形態の特徴と組み合わされ得、同時に、他の多くの特徴(例えば、本発明の実施に必須ではない、手動ポンプ)が、省略または置換され得る。
【0041】
本発明をより完全に理解するために、ここで、添付の図面と共に以下の説明が参照される。
【0042】
標的物質の濃度を測定するための装置が、提供される。この装置は、検出器、ポンプ、および一体型温度表示器または一体型温度補正率表示器を備える。この検出容器は、標的物質に曝露された際に、標的物質と化学反応して観測可能な指標を生じる、検出材料を有するかまたは備え、それによって、検出された標的物質の濃度は、この観測可能な指標から読み取り可能である。このポンプは、検出容器と係合可能であり、かつこの検出容器内に気体環境のサンプルを引き込むのに作動可能であり、引き込まれたサンプルは、標的物質を含み、それによって、この検出材料は、標的物質に曝露される。一体型温度補正率表示器に関して、特定の温度での濃度測定に適用可能な補正率を示すために、特に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明に従う気体検出装置を示す略図である。
【図1A】図1Aは、図1の装置と共に使用するための検出器管を示す略図である。
【図2】図2は、図1の装置と共に使用するための一体型温度表示器を示す、図1中の線2−2を横切る断面図である。
【図3】図3は、本発明に従う代替的な気体検出装置の略図である。
【図4A】図4Aは、本発明に従う代替的な気体検出装置の略図である。
【図4B】図4Bは、本発明に従う代替的な気体検出装置の略図である。
【図5】図5は、本発明に従う、その上に温度補正率表示器を備える、代替的なサーモストリップ(thermostrip)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的物質の濃度を測定するための装置であって、該装置は、以下:
該標的物質に曝露された際に、該標的物質と化学反応して観測可能な指標を生じる検出材料を含む検出容器であり、検出された該標的物質の濃度は、該観測可能な指標から読み取り可能である、検出容器;
該検出容器と係合可能であり、かつ該検出容器内に気体環境のサンプルを引き込むのに作動可能なポンプであり、該引き込まれたサンプルが該標的物質を含み、それによって、該検出材料が該標的物質に曝露される、ポンプ;および、
該気体環境の温度を示すための、一体型温度表示器、
を備える、装置。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−227028(P2006−227028A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154058(P2006−154058)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【分割の表示】特願2003−158631(P2003−158631)の分割
【原出願日】平成15年6月3日(2003.6.3)
【出願人】(503200969)ストローガン テクニカル ディストリビューション リミテッド ライアビリティ カンパニー (1)
【Fターム(参考)】