説明

気体透過性の低い室温硬化型シロキサン含有組成物を有する断熱ガラスユニット

本発明は、とりわけジオルガノポリシロキサンと有機ナノ粘土とを含んで成る気体透過性の低い硬化された組成物によりシールされた、熱効率の高い断熱ガラスユニット構造体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して断熱構造体に関し、より詳細には、気体又は気体混合物に対し低い透過性を示す室温硬化型組成物でシールされた、高い熱効率の断熱ガラスユニット構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
室温硬化型(RTC)組成物は、シーリング材としての用途がよく知られている。断熱ガラスユニット(IGU)の製造では、ガラスのパネルを互いに平行に並べ、そしてパネルの間の空間、又は内部空間が完全に取り囲まれるように周囲をシールする。この内部空間は典型的には空気で満たされる。この典型的な構造の断熱ガラスユニットを通り抜けるエネルギーの移動は、ガラス1枚から成るパネルと比較して、内部空間に空気の断熱層を取り込むことによって低減されている。エネルギーの移動は、パネル間の間隔を広げて空気の断熱層を厚くすることによって、さらに低減される。最大間隔には限度があり、それを超えるとパネル間の空気の対流によってエネルギー移動が増加する。エネルギー移動は、追加の内部空間として断熱層数を増やし、ガラスパネルを閉じることによってさらに低減させることができよう。例えば、二つの内部空間により隔てられ、その周囲がシールされた、三つの平行に隔置されたガラスパネルである。この方法では、パネルの間隔は、空気領域における対流効果により課せられる最大限度よりも小さいままとしながら、全エネルギー移動をさらに低減させることができる。エネルギー移動をさらに減少させたい場合は、内部空間をさらに増やせばよい。
【0003】
さらに、シールされた断熱ガラスユニットのエネルギー移動は、シールされた断熱ガラスウィンドウ中の空気を、より高密度で、より低伝導率の気体に置き換えることによって低減させることもできる。適切な気体は、無色、非毒性、非腐食性、不燃性であり、紫外線照射に影響されず、空気より密度が高く、さらに空気より低い伝導率の気体でなくてはならない。エネルギー移動を低減させるべく断熱ガラスウィンドウ中の空気と置換される気体の例は、アルゴン、クリプトン、キセノン、そして六フッ化硫黄である。
【0004】
硬化系、非硬化系の両方を含む断熱ガラスユニットの製造において、種々のタイプのシーリング材が広く利用されている。液体のポリスルフィド、ポリウレタン及びシリコーンは硬化系の典型であり、これらは一般に使用されている。一方、一般に用いられる非硬化系は、ポリブチレン−ポリイソプレンコポリマーゴムをベースとするホットメルト型シーリング材である。
【0005】
液体のポリスルフィド及びポリウレタンは、一般的には、ガラスに使用する直前に混合される基剤と硬化剤とから構成される二成分系である。シリコーンは、二成分系でも一成分系でもよい。二成分系は、断熱ガラスユニットが次の製造段階に移る前に、混合比率の設定、二成分の混合装置、硬化時間を必要とする。
【0006】
しかしながら、流通しているRTCシリコーンシーリング材組成物は、ある程度は効果的であるが、IGUの内部空間から、低い熱伝導率の気体、例えばアルゴンの損失を防ぐには、依然として限られた能力しか有していない。この透過性の結果として、ガラスパネル間にある気体によって維持されている低減されたエネルギー移動は、時間の経過と共に失われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それ故、既知のRTC組成物の気体透過性と比較して、低い気体透過性を有するRTC組成物を用いたIGUへの要求が存在する。IGU用シーリング材として用いるとき、気体透過性の低いRTC組成物は、より透過可能なRTC組成物と比較して、より長時間IGUのパネル内の断熱気体を保ち続け、それ故、より長時間にわたってIGUの断熱性を引き延ばすことになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、断熱安定性の高められた断熱ガラスユニットに関する。詳細には、本発明は、互いの空間関係において隔置された少なくとも二つのガラスシート(窓ガラス)、又は他の機能的に等価な物質のシートと、それらの間にある熱伝導率の低い気体と、下記:
a)少なくとも一つのシラノール末端ジオルガノポリシロキサン;
b)シラノール末端ジオルガノポリシロキサン用の少なくとも一つの架橋剤;
c)架橋反応用の少なくとも一つの触媒;
d)少なくとも一つの有機ナノ粘土;及び、任意選択的に、
e)架橋されたジオルガノポリシロキサンよりも気体透過性の低い少なくとも一つの固体ポリマー
を含有する、硬化された、即ち、架橋又は加硫された硬化型シーリング材組成物を含む気体シーリング材アセンブリとを含んで成る断熱ガラスユニットに関する。
【発明の効果】
【0009】
IGUの気体シーリング材組立部品の成分として使用するとき、前述の硬化されたシーリング材組成物は、IGUからの気体の損失を減少させ、従ってその有用な製品寿命を延長させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に従えば、増大した断熱安定性を有する断熱ガラスユニットは、互いの空間関係において隔置された少なくとも二つのガラスのシートと、それらの間にある熱伝導率の低い気体又は気体混合物と、以下を含有する硬化型シーリング材組成物の硬化により生成した硬化されたシーリング材組成物を含む気体シーリング材要素とを備える;a)少なくとも一つのシラノール末端ジオルガノポリシロキサン;b)シラノール末端ジオルガノポリシロキサン用の少なくとも一つの架橋剤;c)架橋反応用の少なくとも一つの触媒;d)少なくとも一つの有機ナノ粘土;及び、任意選択の、e)架橋されたジオルガノポリシロキサンよりも気体透過性の低い少なくとも一つの固体ポリマー。
【0011】
図1を参照すると、既知で汎用の構造の断熱ガラスユニット10は、一次ガスシーリング部材4、連続的なスペーサー部材5及び後述のように調製した気体透過性の低いシーリング材組成物7を保持して成る気体シーリング材アセンブリによって隔置された関係に保たれたガラスシート1及び2と、アルゴンのような断熱気体又はその混合物で満たされているシート1と2の間の空間6とから構成される。ガラス押し縁8は、技術上既知であるが、ガラスシート1及び2と窓枠9との間に配置される。窓ガラス1と2は、ガラス、例えば、透明なフロートガラス、アニールガラス、強化ガラス、ソーラーガラス、ティンテッドガラス、例えば、低エネルギーガラスなど、アクリル樹脂、ポリカーボナート樹脂などのような、種々の材料のいずれからも作製することができる。
【0012】
前述の気体シーリング材アセンブリに硬化されたシーリング材組成物7を含ませることにより、既知で汎用の気体シーリング材と比較して、改良された気体バリア性と湿気の漏洩特性を与える。その結果、硬化されたシーリング材組成物7は、あらゆる種類の構造の断熱ガラスユニットに、より長期間の製品性能を与える。
【0013】
断熱ガラスユニットの一次シーリング材部材4は、当分野で公知の高分子物質、例えば、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリスルフィド、EPDMゴム、ニトリルゴムなどのようなゴム基材で構成することができる。他の有用な物質は、ポリイソブチレン/ポリイソプレンコポリマー、ポリイソブチレンポリマー、臭素化されたオレフィンポリマー、ポリイソブチレンとパラ−メチルスチレンとのコポリマー、ポリイソブチレンと臭素化されたパラ−メチルスチレンとのコポリマー、イソブチレンとイソプレンとのブチルゴムコポリマー、エチレン−プロピレンポリマー、ポリスルフィドポリマー、ポリウレタンポリマー、スチレンブタジエンポリマーなどである。
【0014】
上述のように、一次気体シーリング材部材4は、非常によい密封性を有するポリイソブチレンのような物質から作製することができる。ガラス押し縁8は、時にはガラスパテとも呼ばれ、シリコーン又はブチルゴムの形で提供されうるシーリング材である。窓ガラス1と2の間の空間を占める断熱気体から湿気を取り除くために、乾燥剤を連続スペーサー5に含ませることができる。有用な乾燥剤は、断熱ガラスユニットの内部を満たす断熱気体/気体混合物を吸着する乾燥剤である。
【0015】
断熱ガラスユニットにおける使用に適する熱伝導率の低い気体、並びにそのような気体の混合物は、よく知られており、それは、空気、二酸化炭素、六フッ化硫黄、窒素、アルゴン、クリプトン、キセノン及びその混合物のような透明な気体である。
【0016】
適切なシラノール末端ジオルガノポリシロキサンは、次の一般式のシロキサンであり:
D’
式中、“a”は2であり、“b”は1以上であり、“c”はゼロ又は正数であり;Mは、
(HO)3−x−ySiO1/2
であり、式中、“x”は0、1又は2であり、そして“y”は、x+yが2以下であるという限定に従って0又は1のいずれかであり、R及びRは個々独立して炭素数60以下の一価の炭化水素基であり;Dは、
SiO1/2
であり、式中、R及びRは個々独立して炭素数60以下の一価の炭化水素基であり;D’は
SiO2/2
であり、式中、R及びRは個々独立して炭素数60以下の一価の炭化水素基である。
【0017】
本発明の組成物中に含有される、シラノール末端ジオルガノポリシロキサン用の適切な架橋剤(b)は、下記の一般式のアルキルシリケートであり:
(R14O)(R15O)(R16O)(R17O)Si
式中、R14、R15、R16及びR17は、個々独立して炭素原子数60以下の一価の炭化水素基である。このタイプの架橋剤は、n−プロピルシリケート、テトラエチルオルトシリケート、メチルトリメトキシシラン、及び類似のアルキル置換アルコキシシラン化合物などである。
【0018】
シラノール末端ジオルガノポリシロキサンの架橋反応に適する触媒(c)としては、そのようなシロキサンの架橋を促進するために有用であることが知られている触媒を用い得る。触媒は金属含有化合物又は非金属化合物であってよい。有用な金属含有化合物の例は、スズ、チタン、ジルコニウム、鉛、鉄、コバルト、アンチモン、マンガン、ビスマス、及び亜鉛の化合物である。
【0019】
本発明の一実施形態では、架橋触媒として有用なスズ含有化合物は、以下のとおりである:ジブチルスズジラウラート、ジブチルスズジアセタート、ジブチルスズジメトキシド、スズオクトアート、イソブチルスズトリセロアート、ジブチルスズオキシド、可溶性ジブチルスズオキシド、ジブチルスズビス(ジイソオクチルフタラート)、ビス(トリプロポキシシリル)ジオクチルスズ、ジブチルスズビス(アセチルアセトン)、シリル化されたジブチルスズジオキシド、カルボメトキシフェニルスズトリス(ウベラート)、イソブチルスズトリセロアート、ジメチルスズジブチラート、ジメチルスズジ(ネオデカノアート)、トリエチルスズタルタラート、ジブチルスズジベンゾアート、スズオレアート、スズナフタレナート、ブチルスズトリ(2−エチルヘキシルヘキソアート)、スズブチラート、ジオルガノスズビス(β−ジケトナート)などである。有用なチタン含有触媒は、キレート化されたチタン化合物、例えば、1,3−プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセタート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセタート)、及びテトラアルキルチタナート、例えば、テトラ(n−ブチル)チタナート、及びテトラ(イソプロピル)チタナートである。本発明の他の実施形態では、ジオルガノスズビス(β−ジケトナート)は、シリコーンシーリング材組成物における架橋を促進するのに有用である。
【0020】
本発明の硬化型組成物は、少なくとも一つの有機ナノ粘土充填剤(d)を含む。ナノ粘土(nanoclays)は、一つの次元においてナノメートルオーダーの特異な形態を有する。ナノ粘土は、層の間の面にイオン結合する層間挿入物質(intercalant)と化学的な錯体を生成することができ、粘土粒子を構成する。層間挿入物質と粘土粒子とのこの会合によって、多くの異なった種類のホスト樹脂に親和性のある物質が生じ、それによって粘土充填剤をそこに分散できることになる。
【0021】
本書で用いる用語「層間剥離(exfoliation)」は、ナノ粘土プレートレット(nanoclay platelets)の小さな束がポリマーマトリックス中で互いに分離する過程をいう。層間剥離の際、各束の最も外側の領域でプレートレットがへき開し、分離のためにより多くのプレートレットを露出させる。
【0022】
本書で用いる用語「ギャラリー(gallery)」は、粘土プレートレットの平行な層の間の空間をいう。ギャラリー空間は、空間を占める分子やポリマーの性質に依存して変化する。個々のナノ粘土プレートレットの間の層間空間もまた、空間を占める分子の種類応じて変化する。
【0023】
本書で用いる用語「層間挿入物質(intercalant)」は、粘土のギャラリーに入り、その表面に結合することが可能な任意の有機又は無機の化合物である。
【0024】
本書で用いる用語「層間挿入体(intercalate)」は、粘土のギャラリー空間が表面修飾処理に起因して増大している粘土−化学錯体(clay-chemical complex)を指す。適切な温度及び剪断条件下で、層間挿入体は樹脂マトリックス中で剥離することが可能である。
【0025】
本発明の硬化された組成物に関し用いる表現「低い気体透過性」とは、圧力100psi、温度25℃にて、定圧可変容量法に従って測定した際に約900barrer(1barrer=10−10(STP)/cm・sec(cmHg))以下のアルゴン透過係数を意味するものと解釈する。
【0026】
本書で用いる表現「修飾された粘土(modified clay)」は、粘土の層間表面に存在する陽イオンとイオン交換反応をすることが可能な任意の無機又は有機の化合物で処理された粘土物質を指す。
【0027】
本書で用いる用語「ナノ粘土(nanoclay)」とは、一つの次元においてナノメートル領域の特異な形態を有する粘土物質をいう。ナノ粘土は、層間の面にイオン結合する層間挿入物質との化学錯体を生成することができ、粘土粒子になる。層間挿入物質と粘土粒子とのこの会合によって多くの異なった種類のホスト樹脂に親和性のある物質が生じ、それによって粘土充填剤をそこに分散できることになる。
【0028】
本書で用いる用語「有機ナノ粘土(organic nanoclay)」は、層の間の面にイオン結合する有機の層間挿入物質(例えば、ジオルガノポリシロキサン)で処理又は修飾されて粘土粒子になったナノ粘土をいう。
【0029】
本書で用いられる「有機粘土(organoclay)」は、粘土の層間の面に存在する陽イオンとイオン交換反応を行うことのできる有機分子(「層間剥離剤(exfoliating agents)」、「表面修飾剤(surface modifiers)」、又は「層間挿入物質(intercalants)」とさまざまに言及される)で処理された粘土、又は他の層状物質を指す。
【0030】
ナノ粘土は、天然又は合成した物質とし得る。この区別は、粒子径に影響し得るが、本発明では、粒子は約0.01μm〜約5μm、好ましくは約0.05μm〜約2μm、さらに好ましくは約0.1μm〜約1μmの横寸法を有することが望ましい。粒子の厚み、すなわち縦寸法は、約0.5nm〜約10nm、好ましくは約1nm〜約5nmの間で、一般に変えることができる。
【0031】
本発明の組成物の有機ナノ粘土の充填剤成分を与える有用なナノ粘土は、天然又は合成のフィロシリケート(phyllosilicates)であり、特にモンモリロナイト(montmorillonite)、ナトリウムモンモリロナイト(sodium montmorillonite)、カルシウムモンモリロナイト(calcium montmorillonite)、マグネシウムモンモリロナイト(magnesium montmorillonite)、ノントロナイト(nontronite)、ベイデルライト(beidellite)、ボルコンスコイト(volkonskoite)、ラポナイト(laponite)、ヘクトライト(hectorite)、サポーナイト(saponite)、ソーコナイト(sauconite)、マガダイト(magadite)、ケニヤイト(kenyaite)、ソボクカイト(sobockite)、スビンドルダイト(svindordite)、ステベンサイト(stevensite)、滑石、雲母、カオリナイト(kaolinite)、バーミキュライト(vermiculite)、ハロイサイト(halloysite)、アルミナートオキシド(aluminate oxides)、又はハイドロタルサイト(hydrotalcites)、及びそれらの混合物のようなスメクチック粘土(smectic clays)である。他の実施形態においては、有用なナノ粘土は、イライト(illite)のような雲母質鉱物、及びレクトライト(rectorite)、タロソバイト(tarosovite)、レディカイト(ledikite)、そしてイライトと上述の粘土鉱物の一つ以上との混合物のような混合層状イライト/スメクタイト鉱物である。有機分子を十分に吸着して、隣接するフィロシリケートプレートレットの間の層間空間を少なくとも約5オングストローム、又は少なくとも約10オングストローム(フィロシリケートを乾燥状態で測定したとき)に増大させる任意の膨潤可能な層状物質を、本発明の硬化型組成物を与える充填剤成分の製造時に用いることができる。
【0032】
本発明の一実施形態においては、充填剤成分を与えるべくナノ粘土及び層状物質を処理するのに有用な有機化合物は、アンモニウム、塩化アンモニウム、アルキルアンモニウム(第一級、第二級、第三級及び第四級);脂肪族、芳香族又はアリール脂肪族のアミン、ホスフィン又はスルフィドのホスホニウム誘導体又はスルホニウム誘導体;のような陽イオン性界面活性剤である。
【0033】
ここで用いることのできるナノ粘土用の他の有機処理剤は、アミン化合物及び/又は第四級アンモニウム化合物Rであり、式中、個々独立して炭素数60以下のアルコキシシラン基、アルキル基、又はアルケニル基であり、XはCl、F、SOなどのような陰イオンである。
【0034】
任意選択的に、硬化型組成物は、架橋されたジオルガノポリシロキサンの透過性よりも低い気体透過性を有する少なくとも一つの固体ポリマーを含むことができる。適切なポリマーは、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状の低密度ポリエチレン(LLDPE)、及び高密度ポリエチレン(HDPE)のようなポリエチレン;ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン(PIB)、ポリビニルアセタート(PVAc)、ポリビニルアルコール(PVoH)、ポリスチレン、ポリカーボナート、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、グリコール変性ポリエチレンテレフタラート(PETG)のようなポリエステル;塩化ポリビニル(PVC)、塩化ポリビニリデン、フッ化ポリビニリデン、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリメチルメタクリラート(PMMA)、フッ化ポリビニル(PVF)、ポリアミド(ナイロン)、ポリメチルペンテン、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、エチレンクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、セルロースアセタート、セルロースアセタートブチラート、可塑化された塩化ポリビニル、アイオノマー(Surtyn)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、スチレン−無水マレイン酸、変性ポリフェニレンオキシド(PPO)、及びそれらの混合物である。
【0035】
任意選択のポリマーはまた、エラストマーとし得、その例としては、限定はしないが、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリウレタン(TPU)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEEBS)、ポリメチルフェニルシロキサン(PMPS)が挙げられる。
【0036】
これら任意選択のポリマーは、単独で、又は組み合わせて、又はコポリマーの形態でブレンドすることができ、例えば、ポリカーボナート−ABSブレンド、ポリカーボナートポリエステルブレンド、シラン−グラフトポリエチレン及びシラン−グラフトポリウレタンのようなグラフトポリマーである。
【0037】
本発明の一実施形態では、硬化型組成物は、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状の低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、及びそれらの混合物からなる群から選択されたポリマーを含む。本発明の他の実施形態では、硬化型組成物は、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直線状の低密度ポリエチレン(LLDPE)、及びそれらの混合物からなる群から選択されたポリマーを有する。本発明のさらに他の実施形態では、任意選択のポリマーは、直線状の低密度ポリエチレン(LLDPE)である。
【0038】
硬化型組成物は、有機ナノ粘土成分(d)に加えて、一つ以上の他の充填剤を含んでもよい。使用に適した追加の充填剤は、ステアリン酸、又はステアリン酸エステルのような化合物で処理した、沈降又はコロイド状の炭酸カルシウム;フュームドシリカ、沈降シリカ、シリカゲル、及び疎水化処理されたシリカ、疎水化処理されたシリカゲルのような強化シリカ;粉砕した石英及び粉末にした石英(crushed and ground quartz)、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、珪藻土、酸化鉄、カーボンブラック、グラファイト、雲母、滑石、及びそれらの混合物である。
【0039】
硬化型シーリング材組成物は、接着促進剤として、一つ以上のアルコキシシランを含むこともできる。有用な接着促進剤は、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(γ−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノ官能性トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、β−シアノエチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、及びN−エチル−3−トリメトキシシリル−2−メチルプロパンアミン、などである。一実施形態においては、接着促進剤は、n−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランと1,3,5−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラートとの組み合わせとし得る。
【0040】
本発明の組成物はまた、一つ以上の非イオン性界面活性剤を含むことができる。その例は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エトキシ化されたヒマシ油、オレイン酸エトキシラート、アルキルフェノールエトキシラート、エチオレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)とのコポリマー、シリコーンとポリエーテルとのコポリマー(シリコーンポリエーテルコポリマー)、シリコーンと、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーとのコポリマー、及びそれらの混合物である。
【0041】
硬化型シーリング材組成物は、必要な特性を妨げない限り、着色剤、顔料、可塑剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、殺生物剤などのようなRTCシリコーン含有組成物に汎用的に用いられる他の成分を、既知の、そして汎用の量にて含むことができる。
【0042】
シラノール末端ジオルガノポリシロキサン、架橋剤、架橋触媒、有機ナノ粘土、架橋されたジオルガノポリシロキサンより気体透過性の低い任意選択の固体ポリマー、有機ナノ粘土以外の任意選択の充填剤、任意選択の接着促進剤、及び任意選択のイオン性界面活性剤の量は、広く変えることができ、そして有利には次の表に示された範囲の中から選択することができる。
【0043】
【表1】

【0044】
硬化されたシーリング材組成物は、湿気のある雰囲気中、当分野で周知の方法、例えば、溶融ブレンド、押出ブレンド、溶液ブレンド、乾式混合、バンバリーミキサ(Banbury mixer)中でのブレンド等によって得ることができ、それによって実質的に均一な混合物を得ることができる。
【0045】
好ましくは、ジオルガノポリシロキサンをポリマーとブレンドする方法は、タンブラー又は他の物理的なブレンド手段内において各成分を接触させ、続いて押出機で溶融ブレンドすることによって達成することができる。あるいはまた、成分を押出機、ブラベンダー(Brabender)、又は他の溶融ブレンド手段で直接的に溶融ブレンドすることもできる。
【0046】
硬化されたシーリング材組成物7は、(a)少なくとも一つのジオルガポリシロキサン、(b)ジオルガノポリシロキサン用の少なくとも一つの架橋剤、(c)架橋反応用の少なくとも一つの触媒、(d)少なくとも一つの有機ナノ粘土、及び、任意選択的に、(e)架橋されたジオルガノポリシロキサンの透過性よりも気体透過性の低い少なくとも一つの固体ポリマーを混合することによって得られる硬化性組成物を硬化させることによって得られ、この組成物は硬化させることによって気体に対し低い透過性を示すようになる。
【実施例】
【0047】
以下の非限定例により本発明を例示する。
比較例1及び実施例1〜4
シラノール末端ポリジメチルジシロキサン(PDMS)の混合物、具体的には、シラノール5000(公称5000csのシラノール末端ポリジメチルジシロキサンであり、ゲレスト社(Gelest, Inc)から入手可能)とシラノール50000cs(公称50000csのシラノール末端ポリジメチルジシロキサンであり、ゲレスト社から入手可能)との混合物を、100mlのカップ内でクロイサイト15A(粘土100gにつき塩化ジメチル脱水素獣脂アンモニウム125ミリ当量で修飾したモンモリロナイト粘土であり、サザンクレイプロダクツ社(Southern Clay Products)から入手可能)又はSFME100(一般式NaMg2.5Si10(FαOH1−α(0.8≦α≦1.0)を有する合成フルオロヘクトライト(fluorohectorite)であり、日本のユニコープ社から入手可能)と共に手動ブレンダーを用いて10〜15分混合し、次いで、5分間真空デシケータ中に置いて混合時に発生する空気泡を除去した。ブレンドは、1重量%〜10重量%の量のナノ粘土を用いて行った。
【0048】
上記の操作にしたがって、以下の実施例の硬化型組成物を得た。
比較例1: 50グラムの混合物(シラノール5000とシラノール50000、比率は50:50)
実施例1: 48.75グラムの混合物(シラノール5000とシラノール50000、比率は50:50)+1.25グラムのクロイサイトC−15A粘土
実施例2: 47.5グラムの混合物(シラノール5000とシラノール50000、比率は50:50)+2.5グラムのクロイサイトC−15A粘土
実施例3: 45グラムの混合物(シラノール5000とシラノール50000、比率は50:50)+5グラムのクロイサイトC−15A粘土
実施例4: 45グラムの混合物(シラノール5000とシラノール50000、比率は50:50)+5グラムのSFME100
【0049】
上述のブレンド物は、その後、硬化シートを作製するのに用いた:PDMS−ナノ粘土調合物を、表2に示すように、n−プロピルシリケート(“NPS”、架橋剤)並びに可溶化されたジブチルスズオキシド(“DBTO”、架橋触媒)と共に、手動ブレンダーを用いて5〜7分、真空中で空気泡を除去しながら混合した。各ブレンド物は、テフロン製シート作製型に注ぎ、周囲条件(25℃及び湿度50%)で24時間維持し、PDMS成分を部分的に硬化させた。この部分的に硬化したシートは、24時間後に型から取り出し、完全に硬化させるために室温で7日間維持した。
【0050】
【表2】

【0051】
上述の硬化型組成物のアルゴン透過性は、気体透過性測定機を用いて測定した。測定は、圧力100psi、温度25℃にて可変容量法に基づき行った。透過性測定は、再現性を確認する目的で、同一の条件下で2〜3回繰り返した。
【0052】
透過性データは、図1及び図2にグラフを用いて表した。
【0053】
比較実験2及び実施例5〜9
1重量%のC−15A粘土(実施例5、表3を参照)を得るために、227.7gのOMCTS(オクタメチルシクロテトラシロキサン)と2.3gのC−15Aを、機械式攪拌機と凝縮器とを取り付けた三つ口丸底フラスコに入れた。混合物を室温で6時間、250rpmにて攪拌した。攪拌を続けながら温度を175℃に上昇させた。0.3gのCsOHを水1mlに入れたものを、セプタムキャップを介して反応容器に添加した。15分後、OMCTSの重合が始まり、次いで0.5mlの水を添加し、5分後に0.5mlの水をさらに添加した。加熱と攪拌を1時間続けた後、中和するために0.1mlのリン酸を添加した。反応混合物のpHは30分後に測定した。攪拌と加熱をさらに30分続け、そして反応混合物のpHを再度測定して完全な中和を確認した。環状物の蒸留を175℃で行い、その後混合物を室温に冷却した。
【0054】
同一の操作を、2.5重量%、5重量%及び10重量%のC−15A(実施例6〜8、表3を参照)を用いて行った。
【0055】
同様のin situ重合操作を、10重量%の高アスペクト比の粘土(SFME100)(実施例9、表3を参照)を用いて行った。異なる量の粘土を用いたin-situポリマーは、その後、次のような硬化シートを作製するのに用いた:in-situPMDS−ナノ粘土調合物を、NPS架橋剤及び可溶化されたDBTO触媒と共に、空気泡を真空中で除去しながら手動ブレンダーを用いて5〜7分間混合した。次いで混合物をテフロン製シート作製型に注いで、周囲条件下(25℃及び湿度50%)で24時間維持した。24時間後、部分的に硬化したシートを型から外し、完全に硬化させるために室温で7日間維持した。
【0056】
【表3】

【0057】
アルゴン透過性は、先の実施例のように気体透過性測定機を用いて測定した。測定は、圧力100psi、温度25℃にて可変容量法に基づいて行った。測定は、再現性を確認する目的で、同一の条件下で2〜3回繰り返した。
【0058】
透過性データは、図1及び図2にグラフを用いて表した。当該データで示すように、本発明の硬化されたシーリング材組成物のアルゴン透過性(図1の実施例1〜3及び5〜8、図2の実施例4及び9)は、本発明の範囲外にある硬化されたシーリング材組成物のアルゴン透過性(図1、図2の比較例1及び2)よりも著しく低い。まとめると、比較例1及び2のシーリング材組成物のアルゴン透過係数は、900barrerを超えるのに対し、本発明のシーリング材組成物を例示する実施例1〜9のそれは、900barrerを越えず、あるケースでは、アルゴン透過係数はこのレベルよりもずっと下であった(特に、実施例3、8及び9を参照)。
【0059】
本発明の好ましい実施形態を例示し詳細に記載したが、例えば、成分、物質、及びパラメータのさまざまな変更は、当業者にとっては明白であり、本発明の範囲内に入るような変更や改良の総てを添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明による、硬化されたシーリング材組成物を含む気体シーリング材組立部品を有する二重ガラスの断熱ガラスユニット(IGU)の側断面図
【図2】比較例1〜2及び実施例1〜3、5〜8のシーリング材組成物の透過性データ
【図3】比較例1〜2及び実施例4、9のシーリング材組成物の透過性データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いの空間関係において隔置された少なくとも二つのガラスシートと、それらの間にある熱伝導率の低い気体又は気体混合物と、下記:
a)少なくとも一つのシラノール末端ジオルガノポリシロキサン;
b)シラノール末端ジオルガノポリシロキサン用の少なくとも一つの架橋剤;
c)少なくとも一つの架橋反応用触媒;
d)少なくとも一つの有機ナノ粘土;及び、任意選択的に、
e)架橋したジオルガノポリシロキサンの透過性よりも低い気体透過性を有する少なくとも一つの固体ポリマー
を含有する硬化型シーリング材組成物の硬化により生成した硬化シーリング材組成物を含む気体シーリング材要素とを含んで成る、断熱ガラスユニット。
【請求項2】
シラノール末端ジオルガノポリシロキサン(a)が下記の一般式を有し:
D’
式中、“a”は、2であり、“b”は、1以上であり、“c”は、ゼロ又は正数であり;Mは、
(HO)3−x−ySiO1/2
であり、式中、“x”は、0、1又は2であり、そして“y”は、x+yが2以下であるという条件で0又は1のいずれかであり、R及びRは、個々独立して炭素数60以下の一価の炭化水素基であり;Dは、
SiO1/2
であり、式中、R及びRは、個々独立して炭素数60以下の一価の炭化水素基であり;D’は
SiO2/2
であり、式中、R及びRは、個々独立して炭素数60以下の一価の炭化水素基である、請求項1に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項3】
架橋剤(b)が、下記の式を有するアルキルシリケートであり:
(R14O)(R15O)(R16O)(R17O)Si
式中、R14、R15、R16及びR17は、個々独立して炭素数1〜60の一価の炭化水素基から選ばれる、請求項1に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項4】
触媒(c)がスズ触媒である、請求項1に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項5】
スズ触媒が、ジブチルスズジラウラート、ジブチルスズジアセタート、ジブチルスズジメトキシド、スズオクトアート、イソブチルスズトリセロアート、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズビス(ジイソオクチルフタラート)、ビス(トリプロポキシシリル)ジオクチルスズ、ジブチルスズビス(アセチルアセトン)、シリル化されたジブチルスズジオキシド、カルボメトキシフェニルスズトリス(ウベラート)、イソブチルスズトリセロアート、ジメチルスズジブチラート、ジメチルスズジ(ネオデカノアート)、トリエチルスズタルタラート、ジブチルスズジベンゾアート、スズオレアート、スズナフタレナート、ブチルスズトリ(2−エチルヘキシルヘキソアート)、スズブチラート、ジオルガノスズビス(β−ジケトナート)、及び、それらの混合物からなる群から選択される、請求項4に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項6】
有機ナノ粘土(d)のナノ粘土部分が、モンモリロナイト、ナトリウムモンモリロナイト、カルシウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト、ノントロナイト、ベイデルライト、ボルコンスコイト、ラポナイト、ヘクトライト、サポーナイト、ソーコナイト、マガダイト、ケニヤイト、ソボクカイト、スビンドルダイト、ステベンサイト、バーミキュライト、ハロイサイト、アルミナートオキシド、ハイドロタルサイト、イライト、レクトライト、タロソバイト、レディカイト、カオリナイト、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項7】
有機ナノ粘土(d)の有機部分が、少なくとも一つの第四級アミン化合物RN及び/又は第四級アンモニウム化合物Rであり、式中、R、R、R,R、R及びRは、個々独立して炭素原子数60以下のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシシラン基であり、そしてXは陰イオンである、請求項1に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項8】
有機ナノ粘土(d)のナノ粘土部分が、アンモニウム、第一級アルキルアンモニウム、第二級アルキルアンモニウム、第三級アルキルアンモニウム、第四級アルキルアンモニウム;脂肪族、芳香族又はアリール脂肪族のアミン、ホスフィン又はスルフィドのホスホニウム誘導体;脂肪族、芳香族又はアリール脂肪族のアミン、ホスフィン、又はスルフィドのスルホニウム誘導体で修飾されている、請求項6に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項9】
固体ポリマー(e)が、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状の低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリビニルアセタート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリカーボナート、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、グリコール変性ポリエチレンテレフタラート、塩化ポリビニル、塩化ポリビニリデン、フッ化ポリビニリデン、熱可塑性ポリウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリメチルメタクリラート、フッ化ポリビニル、ポリアミド、ポリメチルペンテン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、エチレンクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセタート、セルロースアセタートブチラート、可塑化された塩化ポリビニル、アイオノマー、ポリフェニレンスルフィド、スチレン−無水マレイン酸、変性ポリフェニレンオキシド、エチレン−プロピレンゴム、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン、ポリメチルフェニルシロキサン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項10】
接着促進剤、界面活性剤、着色剤、顔料、可塑剤、有機ナノ粘土以外の充填剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、及び殺生物剤からなる群から選択される少なくとも一つの任意成分をさらに含有する、請求項1に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項11】
接着促進剤が、n−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、1,3,5−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌラート、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(γ−トリメトキシシリルプロピル)アミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリアミノ官能性トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、β−シアノエチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロオキシプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、n−エチル−3−トリメトキシシリル−2−メチルプロパンアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項10の断熱ガラスユニット。
【請求項12】
界面活性剤が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エトキシ化されたヒマシ油、オレイン酸エトキシラート、アルキルフェノールエトキシラート、エチオレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、そしてシリコーンとポリエーテルとのコポリマー、シリコーンと、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーとのコポリマー、及び、それらの混合物からなる群から選択される非イオン性界面活性剤である、請求項10に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項13】
非イオン性界面活性剤が、エチオレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、シリコーンとポリエーテルとのコポリマー、シリコーンと、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーとのコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項14】
有機ナノ粘土以外の充填剤が、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、コロイド状の炭酸カルシウム、ステアラート又はステアリン酸の化合物で処理された炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、シリカゲル、疎水化されたシリカ、親水性シリカゲル、粉砕した石英、粉末にした石英、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、粘土、カオリン、ベントナイト、モンモリロナイト、珪藻土、酸化鉄、カーボンブラック、グラファイト、雲母、滑石、及びそれらの混合物の群から選択される、請求項10に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項15】
シラノール末端ジオルガノポリシロキサン(a)が下記の一般式を有し:
D’
式中、“a”は、2であり、“b”は、1以上であり、“c”は、ゼロであるか、又は正であり;Mは、
(HO)3−x−ySiO1/2
であり、式中、“x”は、0、1又は2であり、そして“y”は、x+yが2以下であるという条件で0又は1のいずれかであり、R及びRは、個々独立して炭素数60以下の一価の炭化水素基であり;Dは、
SiO1/2
であり、式中、R及びRは、個々独立して炭素数60以下の一価の炭化水素基であり;D’は
SiO2/2
であり、式中、R及びRは、個々独立して炭素数60以下の一価の炭化水素基であり;
架橋剤(b)が、下記の式を有するアルキルシリケートであり:
(R14O)(R15O)(R16O)(R17O)Si
式中、R14、R15、R16及びR17は、個々独立して炭素数1〜60の一価の炭化水素基から選ばれ;
触媒(c)がスズ触媒であり;
有機ナノ粘土(d)のナノ粘土部分が、モンモリロナイト、ナトリウムモンモリロナイト、カルシウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト、ノントロナイト、ベイデルライト、ボルコンスコイト、ラポナイト、ヘクトライト、サポーナイト、ソーコナイト、マガダイト、ケニヤイト、ソボクカイト、スビンドルダイト、ステベンサイト、バーミキュライト、ハロイサイト、アルミナートオキシド、ハイドロタルサイト、イライト、レクトライト、タロソバイト、レディカイト、カオリナイト、及びそれらの混合物からなる群から選択され、有機ナノ粘土(d)の有機部分が、少なくとも一つの第四級アミン化合物RN及び/又は第四級アンモニウム化合物Rであり、式中、R、R、R,R、R及びRは、個々独立して炭素原子数60以下のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシシラン基であり、そしてXは陰イオンである、請求項1に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項16】
断熱気体が、空気、二酸化炭素、六フッ化硫黄、窒素、アルゴン、クリプトン、キセノン、及びその混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項17】
硬化されたシーリング材組成物が、硬化状態で、約900barrer以下のアルゴン透過係数を示す、請求項1に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項18】
硬化されたシーリング材組成物が、硬化状態で、約900barrer以下のアルゴン透過係数を示す、請求項9に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項19】
硬化されたシーリング材組成物が、硬化状態で、約900barrer以下のアルゴン透過係数を示す、請求項10に記載の断熱ガラスユニット。
【請求項20】
硬化されたシーリング材組成物が、硬化状態で、約900barrer以下のアルゴン透過係数を示す、請求項15に記載の断熱ガラスユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2009−522431(P2009−522431A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549599(P2008−549599)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/000435
【国際公開番号】WO2007/081898
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】