説明

気圧報知制御装置および気圧報知制御方法

【課題】気圧の転向等、天候の変化等を予測する上で注意すべき気圧変動が起きた場合に、ユーザにとって分かりやすい情報を提供することのできる気圧報知制御装置および気圧報知制御方法を提供する。
【解決手段】気圧転向判定部11は、気圧センサ41により2時間毎に測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて、気圧の転向があったか否かを判定し(S24,S25;S27,S28)、気圧の転向があったことが判定された際に、この気圧転向状況を示す転向マークを表示部5に表示し(S26,S29)、ユーザに高気圧等又は低気圧等の通過があったことを報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気圧報知制御装置および気圧報知制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、圧力センサ等を備えた気圧測定機能付腕時計等の電子機器が考案されている(例えば、特許文献1参照)。このような電子機器は、所定時間毎の気圧の変化を測定し、その結果を表示手段に表示させる等により、気圧の変動状況をユーザに報知することができる。
この機能を利用すれば、ユーザは登山やハイキング等のアウトドアシーンにおいて、リアルタイムの気圧の変化を参考にしてその後の行動計画等を決めることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3108993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の気圧測定機能付の電子機器では、測定された気圧の生データを、測定値及びその変化を示すドットのグラフとして記憶し、これを表示等させているだけであり、その気圧の傾向が何を意味しているのかを分析していなかった。
【0005】
登山等のアウトドアシーンにおいて安全な行動計画を立てるためには、天候の変化、気象状況を正確に判断することが重要となる。しかし気圧変化の生データからこうした天候の変化、気象状況を把握・予測することは、専門知識に乏しい一般ユーザには困難である。
このため、気圧の生データの測定値やその変化を示すグラフを表示させるだけでは、ユーザがその意味するところを読み取ることができず、天候を考慮した行動や判断をするために活かすことが難しいという問題があった。
【0006】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、気圧の転向等、天候の変化等を予測する上で注意すべき気圧変動が起きた場合に、ユーザにとって分かりやすい情報を提供することのできる気圧報知制御装置および気圧報知制御方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明に係る気圧報知制御装置は、
気圧傾向情報を報知する報知手段と、
予め定められている時間毎に気圧値を測定する気圧測定手段と、
この気圧測定手段により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて、気圧の転向があったか否かを判定する気圧転向判定手段と、
この気圧転向判定手段により気圧の転向があったことが判定された際に、この判定結果に基づいて、前記気圧傾向情報としての気圧転向状況を報知させるように前記報知手段を制御する報知制御手段と、
を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、気圧測定手段により所定時間ごとに順次測定された複数の気圧のうち、現在測定された測定気圧を含む少なくとも3つの時点の測定気圧に基づいて、気圧の転向があったか否かを判定し、気圧の転向があったことが判定された際に、この判定結果を報知手段によってユーザに報知させることができる。
このため、気圧の転向等、天候の変化等を予測する上で注意すべき気圧変動が起きた場合に、ユーザに分かりやすく情報提供することができ、特に登山等のアウトドアシーンにおいて、ユーザがこの情報を参照することにより、天候を考慮した適切な行動や判断を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る気圧報知機能付腕時計の正面図である。
【図2】図1の腕時計の制御構成を示す要部ブロック図である。
【図3】図2に示すROMのメモリ構成例を示した図である。
【図4】図2に示すRAMのメモリ構成例を示した図である。
【図5】本実施形態に係る気圧報知機能付腕時計の制御処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図6】図5に示す気圧傾向表示処理を示すフローチャートである。
【図7】図5に示す気圧傾向表示処理を示すフローチャートである。
【図8】図5に示す気圧傾向表示処理を模式的に示した説明図である。
【図9】図5に示す気圧傾向表示処理を模式的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下では、本発明に係る気圧報知制御装置が気圧報知機能付腕時計である場合について説明するが、本発明を適用可能な実施形態はこれに限定されるものではない。
【0011】
図1から図9を参照しつつ、本発明にかかる気圧報知制御装置である気圧報知機能付腕時計(以下、単に「腕時計」という。)の一実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る腕時計の正面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る腕時計100は、中空の短柱形状に形成された本体ケース1を備えている。この本体ケース1の上下両端部(図1において上下端部)には、時計バンド3が取り付けられるバンド取付部2が形成されている。
【0013】
また、本体ケース1の外周部には、時刻合わせの指示、各種モードの切り替え指示等を行うための種々の操作指示が入力される複数のスイッチ部4(すなわち、操作ボタン)が設けられている。スイッチ部4を操作することにより操作指示が入力された場合には、当該操作指示に対応する信号が制御部10(図2参照)に出力されるようになっている。
本実施形態において、スイッチ部4のうちいずれか1つは、表示部5の表示を、後述する気圧傾向表示を行うバロメータモード(気圧計モード)に切り替えるよう操作指示を入力するモード切替スイッチとなっている。
モード切替スイッチとして機能するスイッチ部4がユーザによって操作されバロメータモードに切り替えられると、図1に示すように、表示部5のモード表示領域515にバロメータモードに切り替わったことを示す「BARO」の文字が表示されるようになっている。なお、モード表示領域にモード表示を行うことは本発明の必須の構成要素ではなく、このような表示を行わない構成としてもよい。
【0014】
本体ケース1の内部には、各種電子部品を実装した回路基板等が組み込まれたハウジング(図示せず)が設けられている。
また、本体ケース1は、表面側の開口部には、透明なガラス等の材料で形成された風防ガラス(図示せず)が表面側開口部を閉塞するように取り付けられている。一方、本体ケース1の裏面側の開口部には、裏蓋部材(図示せず)が裏面側開口部を閉塞するように取り付けられている。
【0015】
本体ケース1の内部であって、風防ガラスとハウジングとの間には、デジタル表示機能を備える表示手段としての図示しない液晶パネル等で構成された表示部5が配置されている。本実施形態において、表示部5は、後述するように気圧傾向情報としての各種マークを表示させるようになっており、気圧傾向情報を報知する報知手段として機能する。なお、表示部5は液晶パネルで構成されているものに限定されず、有機EL(Electro-Luminescence)等、他の構成のものであってもよい。
この表示部5には、時刻を表示する時刻表示領域511、気温を表示する温度表示領域512、直近に取得された気圧値を表示する気圧表示領域513、過去10時間分の気圧の変動を示すグラフを表示する気圧変動グラフ領域514、現在選択されているモードが表示されるモード表示領域515、直近の気圧値と過去の気圧値との関係を示す気圧変動表示領域516、気圧傾向情報としてのマーク表示を行うマーク表示領域517等、複数の表示領域が設けられている。
【0016】
温度表示領域512に表示される気温は、腕時計100において随時気温の測定を行っている場合には現在の気温であってもよいし、腕時計100において1時間毎、2時間毎等、所定時間ごとに気温の測定を行っている場合には直近に取得された気温を表示させてもよい。また、一定時間内に測定された気温の平均値を表示させてもよい。
気圧表示領域513に表示される気圧は、腕時計100において随時気圧の測定を行っている場合には現在の気圧値であってもよいし、腕時計100において1時間毎、2時間毎等、所定時間ごとに気圧の測定を行っている場合には直近に取得された気圧を表示させてもよい。また、一定時間内に測定された気圧の平均値を表示させてもよい。なお、本実施形態では、後述するように、2時間毎に気圧値の測定を行う場合を例として説明し、気圧表示領域513には、直近に取得された気圧の測定値が表示されるものとする。
気圧変動グラフ領域514は、過去10時間分の気圧の変動の生データをグラフで示したものであり、本実施形態のように2時間毎に気圧値の測定を行う場合には、直近5回分の測定値を時系列的にドットで示したグラフが表示される。
気圧変動表示領域516は、直近の気圧値と過去の気圧値とを比較した場合に気圧にどのような変化があるかを指針状の表示で表したものである。例えば、直近に測定された気圧値が998hPaであり、その2時間前に測定された気圧値が1000hPaである場合には、気圧が2hPa下降しているので、例えば水平位置よりも2目盛り分斜め下方向を指す表示を気圧変動表示領域516に表示させる。
【0017】
マーク表示領域517は、気圧傾向情報としてのマーク表示を行う領域であり、本実施形態では、気圧の急激な変化を示す急変化マーク(図3中の上2つのマーク)、気圧の転向があったことを示す転向マーク(図3中の下2つのマーク)を表示させるようになっている。気圧傾向情報としてのマークは、気圧変化の生データを所定の判定用アルゴリズム(図3参照)を用いて分析した分析結果を示すものである。
本実施形態において、マーク表示領域517は、矢印部分を構成する5つのセグメントと、バロメータ表示であることを示す「BARO」の文字部分を構成する1つのセグメントとからなる6つのセグメントで構成されている(図3参照)。各セグメントは、後述するマーク表示制御部131の制御にしたがって、それぞれ独立して表示・非表示の切り替えが可能となっており、表示・非表示させる部分を切り替えることにより、図3に示す4種類のマーク表示を行うことが可能となっている。
その他、本実施形態では、腕時計100がバロメータモードに切り替えられたときは、上記マーク表示とともに、又はマーク表示が行われた後に、当該マークの意味を示すメッセージや、気圧転向状況から分かるコメント等が表示部5に表示されるようになっている。なお、これらメッセージやコメントの表示は本発明の必須の構成要素ではなく、これらを表示しない構成としてもよい。
【0018】
なお、本実施形態において表示部5は、2重に重畳された液晶パネルによって構成されており、例えば気圧変動表示領域516は、他の表示領域を構成する液晶パネルとは異なる液晶パネルの上に構成され、他の表示の上に重畳的に表示させることができる。
なお、表示部5の構成はここに例示したものに限定されない。また、表示部5がここに例示した全ての表示領域を備える必要はなく、その一部のみを有するものであってもよい。また、表示部5がここに例示した以外の表示を行うことができるように構成してもよい。
【0019】
次に、図2を参照しつつ、本実施形態における腕時計100の機能的構成について説明する。
この腕時計100には、例えば、図2に示すように、図示しないCPU(Central Processing Unit)等によって構成されている制御部10、ROM(Read Only Memory)21、RAM(Random Access Memory)22、発振器31、分周回路32、タイミング信号発生回路33、気圧センサ41、検出部42、A/D変換回路43、デコーダドライバ52等が設けられている。また、制御部10には、デコーダドライバ52を介して表示部5が接続されている他、スイッチ部4が接続され、スイッチ部4からの操作指示信号が制御部10に出力されるようになっている。なお、図示はしないが、この他、腕時計100には、気温を測定する温度センサや高度を測定するセンサ等が設けられていてもよい。
【0020】
発振器31は、例えば水晶発振子を内蔵し、例えば32768Hzのクロックパルスを出力するもので、クロックパルスは分周回路32に供給される。分周回路32は発振器31から供給されたクロックパルスを分周した信号をタイミング信号発生回路33に供給する。タイミング信号発生回路33は分周回路32から供給された信号に基づいて計時信号(例えば16Hz)等の各種タイミング信号を発生し、制御部10に供給する。
【0021】
気圧センサ41は、例えば抵抗ブリッジを有する半導体圧力センサにより構成され、気圧に応じて抵抗ブリッジの抵抗値が変化する。検出部42は気圧センサ41の抵抗値に応じた検出電圧をA/D変換回路43に出力する。A/D変換回路43は検出電圧をデジタル信号に変換して制御部10に出力する。気圧センサ41、検出部42、およびA/D変換回路43は制御部10から出力される制御信号に応じて動作制御されるようになっている。
制御部10は、予め定められている所定の時間毎に気圧を測定するように気圧センサ41を制御するようになっており、本実施形態では、制御部10は、2時間毎に気圧を自動測定するように気圧センサ41を制御する。また、ユーザによってスイッチ部4が操作され、バロメータモードに切り替わった際には、制御部10は、当該現在時点での気圧を測定するように気圧センサ41を制御する。
気圧センサ41によって測定され、制御部10に出力された測定結果は、RAM22の記憶領域に測定された時刻情報と対応付けられて記憶されるようになっている(図4参照)。
なお、気圧センサ41により気圧を測定するタイミング、時間間隔は、2時間毎に限定されない。これよりも長い間隔をおいて測定を行うようにしてもよいし、さらに短い間隔で測定を行ってもよい。また、随時気圧を測定して連続的なデータを取得してもよい。この場合、全てのデータを記憶させてもよいし、一定時間ごとの平均値を求めてこれを記憶させてもよい。気圧センサ41により気圧を測定する所定の時間間隔は、予めデフォルトで定められていてもよいし、ユーザが事後的に設定できるようにしてもよい。
【0022】
デコーダ・ドライバ52は、制御部10(表示制御部13)から出力される表示データをデコードし、表示駆動信号を表示部5に出力するものである。表示部5は、例えばドットマトリクス液晶パネルで構成されており、デコーダ・ドライバ52から出力された表示駆動信号に応じて表示を行うようになっている。
【0023】
ROM21には、気圧報知制御装置である腕時計100における気圧傾向表示処理(気圧報知制御処理)、時刻等表示処理等を実行するための各種プログラムが格納されており、これらのプログラムが制御部10によって実行されることによって、腕時計100の各部が統括制御されるようになっている。
また、ROM21は、図3に示すような気圧傾向表示処理に関するデータテーブルを予め記憶している。このデータテーブルは、図3に示すように、転向マークである高気圧通過マーク及び低気圧通過マーク、急変化マークである気圧急上昇マーク及び気圧急降下マークの意味を表すメッセージ及び当該気圧転向等の気圧変動状況から分かるコメントが、各転向マーク及び急変化マークと対応付けて記憶されているものであり、ROM21は、マークとこれに対応する意味(すなわちメッセージ)、コメントを記憶する記憶手段として機能する。
本実施形態では、これらマーク、意味、コメントは、各マークを表示させるか否かを判定する判定用のアルゴリズムとともにROM21に記憶されている。
なお、ROM21に記憶されているデータテーブルの内容、構成は図示例に限定されない。例えばさらに多くの項目が対応付けられて記憶されていてもよいし、判定用のアルゴリズムとこれに対応するマークのみが記憶されているものでもよい。
【0024】
また、RAM22は、各種データ等を記憶する記憶領域と制御部10が各種処理を行う際にプログラム等を展開する作業領域(いずれも図示せず)とを備えている。
RAM22の記憶領域には、例えば、表示部5に各種表示を行うためのデータを記憶する表示レジスタ(図4参照)等が備えられている。
図4に示すように、表示レジスタは、例えば、現在時刻レジスタ、現在時測定気圧値記憶領域、自動測定気圧値記憶領域、算出結果一時記憶領域等で構成されている。
【0025】
現在時刻レジスタには、タイミング信号発生回路33から出力されるタイミング信号に応じて得られる現在時刻が随時記憶される。現在時刻レジスタに記憶される現在時刻は随時更新されるようになっている。
また、現在時測定気圧値記憶領域には、ユーザによってスイッチ部4が操作され、バロメータモードに切り替わった際に、気圧センサ41により当該現在時点での気圧が測定されると、その測定値が測定を行った現在時刻と対応付けられて記憶される。
例えば、現在時刻がpm10:58である場合、モードがバロメータモードに切り替わると、この時点で気圧センサ41により気圧が測定される。例えば測定値が998hPaである場合、現在時測定気圧値記憶領域には、当該測定値998hPaが測定時刻であるpm10:58と対応付けられて記憶される。なお、現在時測定気圧値は、1回の測定で得られたものであってもよいし、複数回測定した測定値から算出した平均値等であってもよい。
また、自動測定気圧値記憶領域には、所定の時間毎(本実施形態では2時間毎)に測定された気圧値が、測定時間と対応付けられて記憶されている。自動測定気圧値記憶領域に記憶される気圧値の数は特に限定されないが、本実施形態では、後述するように10時間分の測定値を参照して気圧傾向の判定を行うため、少なくとも10時間分のデータ(例えば2時間毎、偶数時間毎に気圧を測定する場合であれば、5回分の測定値)が記憶される。なお、10時間以上前の測定値は新たな測定値が得られる毎に順次消去され、更新されるようにすることが、メモリ容量を抑えることができるため、好ましい。なお、自動測定気圧値記憶領域に記憶される自動測定気圧値は、1回の測定で得られたものであってもよいし、複数回測定した測定値から算出した平均値等であってもよい。
また、算出結果一時記憶領域には、気圧傾向を判定するためのプログラムや判定用のアルゴリズムを適用することにより算出された算出結果等が記憶される。
【0026】
次に、制御部10は、腕時計100を統括的に制御するものであり、機能的に見た場合、気圧急変化判定部11、気圧転向判定部12、表示制御部13等を備えている。これら気圧急変化判定部11、気圧転向判定部12、表示制御部13等としての機能は、制御部10とROM21に記憶されたプログラムとの共働によって実現される。
【0027】
気圧急変化判定部11は、気圧の急激な変化(すなわち、気圧の急上昇又は急降下)の有無を判定する気圧急変化判定手段である。
気圧急変化判定部11は、RAM22の表示レジスタの自動測定気圧値記憶領域(図4参照)に記憶されている、過去に測定された気圧値のうち、現在時点から過去6時間の間に測定された気圧値を読み出し、ROM21に記憶されている判定用のアルゴリズム(図3参照)を適用して、気圧の急上昇又は気圧の急降下があるか否かを判定する。
【0028】
すなわち、図3及び図8に示すように、気圧の急上昇があるか否かの判定には、まず、現時点での測定値をA0、現時点から2時間前までに自動測定された自動計測値1をA1、現時点から2時間以上4時間前までに自動測定された自動計測値2をA2、現時点から4時間以上6時間前までに自動測定された自動計測値3をA3、としたときに、A0−A3≧6hPa 又は A0−A2≧6hPa 又は A0−A1≧6hPaの関係を満たすか否かというアルゴリズムが適用され、気圧急変化判定部11は、A0−A3≧6hPa 又は A0−A2≧6hPa 又は A0−A1≧6hPaの関係を満たす場合に、気圧の急上昇があったと判定する。
また、気圧の急降下があるか否かの判定には、A0−A3≦−6hPa又は A0−A2≦−6hPa又は A0−A1≦−6hPaの関係を満たすか否かというアルゴリズムが適用され、気圧急変化判定部11は、A0−A3≦−6hPa又は A0−A2≦−6hPa又は A0−A1≦−6hPaの関係を満たす場合に、気圧の急降下があったと判定する。
なお、本実施形態では、このように、6時間以内に±6hPa以上の変化がある場合に気圧の急上昇又は気圧の急降下があったと判定する場合について説明するが、気圧の急上昇又は気圧の急降下があったと判定する際の閾値となる値は±6hPaに限定されない。
また、本実施形態では、気圧の急上昇又は気圧の急降下があったと判定する際に、現在時点から過去6時間の間に測定された気圧値を参照する場合を例として説明するが、参照する気圧値は過去6時間の間に測定されたものに限定されない。さらに長時間の測定結果を参照してもよい。なお、6時間よりも短い時間の測定結果を参照して判定を行ってもよいが、判定の精度を高めるため、ある程度長時間の測定結果を参照することが好ましい。
また、本実施形態では、2時間毎に気圧の自動計測を行っているため、過去6時間の間に測定された気圧値、すなわち判定のために参照される気圧値は、現時点で測定されたものを含めて4回分となっているが、さらに短い間隔で気圧を測定している場合には、4回分以上の気圧値が判定のために参照されてもよい。なお、気圧の急上昇又は気圧の急降下があったか否かを判定する際には、気圧測定手段である気圧センサ41により順次測定された複数の気圧のうち、最低限現在測定された測定気圧値を含む少なくとも2つの時点の測定気圧値に基づいて判定を行うことができるが、判定の精度を上げるためには、より多くの測定気圧値を参照することが好ましい。
【0029】
気圧の急上昇又は気圧の急降下があったと判定される場合、さらに、気圧急変化判定部11は、判定用のアルゴリズムに従って、気圧上昇判定又は気圧降下判定(現在の気圧値が過去6時間以内のいずれの気圧値よりも上昇又は下降しているかの判定)を行う。
すなわち、気圧の急上昇があったと判定される場合には、さらにA0>A1 かつ A0>A2 かつ A0>A3の条件を満たすか否かを判定し、満たす場合には気圧が急上昇していると判定する。
また、気圧の急降下があったと判定される場合には、さらにA0<A1 かつ A0<A2 かつ A0<A3の条件を満たすか否かを判定し、満たす場合には気圧が急降下していると判定する。
【0030】
以上の結果、本実施形態では、現在の気圧値が過去6時間以内のいずれの気圧値よりも高く、過去6時間以内の気圧値の最大差が+6hPa以上の場合には、気圧急変化判定部11により気圧が急上昇していると判定され、現在の気圧値が過去6時間以内のいずれの気圧値よりも低く、過去6時間以内の気圧値の最大差が−6hPa以下の場合には、気圧急変化判定部11により気圧が急降下していると判定される。
【0031】
気圧転向判定部12は、気圧測定手段である気圧センサ41により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて、気圧の転向があったか否かを判定する気圧転向判定手段である。
本実施形態において、気圧転向判定部12は、気圧測定手段である気圧センサ41により順次測定された気圧値が予め定められた第1の気圧値(本実施形態では+4hPa)以上上昇した後に、気圧値が予め定められた第2の気圧値(本実施形態では−1hPa)以上下降したか、又は前記気圧測定手段により順次測定された気圧値が予め定められた第1の気圧値(本実施形態では−4hPa)以上下降した後に、気圧値が予め定められた第2の気圧値(本実施形態では+1hPa)以上上昇した際に、気圧の転向があったと判定する。
また、本実施形態において、気圧転向判定部12は、気圧測定手段である気圧センサ41により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて、高気圧等の通過及び低気圧等の通過のいずれかがあったか否かを判定する。
ここで、高気圧等とは、例えば高気圧や気圧の尾根等であり、低気圧等とは、例えば低気圧や気圧の谷、前線等である(図3参照)。
【0032】
まず、気圧転向判定部12は、RAM22の表示レジスタの自動測定気圧値記憶領域(図4参照)に記憶されている、過去に測定された気圧値のうち、現在時点から過去10時間の間に測定された気圧値を読み出し、ROM21に記憶されている判定用のアルゴリズム(図3参照)を適用して、高気圧等又は低気圧等の接近があるか否か(すなわち、連続した気圧の上昇又は下降があるか否か)を判定する。
【0033】
すなわち、図3及び図9に示すように、高気圧等の接近があるか否かの判定には、現時点での測定値をA0、現時点から2時間前までに自動測定された自動計測値1をA1、現時点から2時間以上4時間前までに自動測定された自動計測値2をA2、現時点から4時間以上6時間前までに自動測定された自動計測値3をA3、現時点から6時間以上8時間前までに自動測定された自動計測値4をA4、現時点から8時間以上10時間前までに自動測定された自動計測値5をA5、とし、A0−A1をB0、A1−A2をB1、A2−A3をB2、A3−A4をB3、A4−A5をB4とし、A1−A5をB、としたときに、B4≧0 かつ B3≧0 かつ B2≧0 かつ B1≧0との関係を満たし、かつ B≧+4hPaとの関係を満たすか否かというアルゴリズムが適用され、気圧転向判定部12は、B4≧0 かつ B3≧0 かつ B2≧0 かつ B1≧0との関係を満たし、かつ B≧+4hPaとの関係を満たす場合に、高気圧等の接近があったと判定する。
なお、気圧転向判定部12は、RAM22の表示レジスタの自動測定気圧値記憶領域に記憶されているA0〜A5の測定気圧値からB0〜B4及びBの値を算出すると、その値をRAM22の表示レジスタの算出結果一時記憶領域(図4参照)に記憶させる。
また、低気圧等の接近があるか否かの判定には、B4≦0 かつ B3≦0 かつ B2≦0 かつ B1≦0との関係を満たし、かつ B≧+4hPaとの関係を満たすか否かというアルゴリズムが適用され、気圧転向判定部12は、B4≧0 かつ B3≧0 かつ B2≧0 かつ B1≧0との関係を満たし、かつ B≦−4hPaとの関係を満たす場合に、低気圧等の接近があったと判定する。
【0034】
以上の結果、本実施形態では、B4〜B1の自動計測値の傾向として上昇又は変化のない状態(図9において「FLAT」)が続いており、現在から過去10時間以内の間に+4hPa以上気圧が上昇している場合には、気圧転向判定部12により高気圧等の接近があると判定され、B4〜B1の自動計測値の傾向として下降又は変化のない状態(図9において「FLAT」)が続いており、現在から過去10時間以内の間に−4hPa以上気圧が下降している場合には、気圧転向判定部12により低気圧等の接近があると判定される。
【0035】
なお、本実施形態では、このように、10時間以内に±4hPa以上の変化がある場合に、気圧転向判定部12が高気圧等又は低気圧等の接近があったと判定する場合について説明するが、高気圧等又は低気圧等の接近があったと判定する際の閾値となる値は±4hPaに限定されない。
また、本実施形態では、高気圧等又は低気圧等の接近があったと判定する際に、現在時点から過去10時間の間に測定された気圧値を参照する場合を例として説明するが、参照する気圧値は過去10時間の間に測定されたものに限定されない。さらに長時間の測定結果を参照してもよい。なお、10時間よりも短い時間の測定結果を参照して判定を行ってもよいが、判定の精度を高めるため、ある程度長時間の測定結果を参照することが好ましい。
【0036】
さらに、気圧転向判定部12は、高気圧等又は低気圧等の接近後、高気圧等又は低気圧等の通過があったか否か(すなわち、一定以上の逆向きの気圧の変化の有無)を判定することにより、気圧の転向があったか否かを判定する。
気圧転向判定部12は、RAM22の表示レジスタの算出結果一時記憶領域(図4参照)に記憶されているB0の値を読み出し、ROM21に記憶されている判定用のアルゴリズム(図3参照)を適用して、過去10時間分の測定気圧値の最大値又は最小値である転向点(図9参照)から±1hPa以上変化を生じたか否かを判定する。
【0037】
すなわち、図3及び図9に示すように、高気圧等の接近後、高気圧等の通過があったか否かの判定には、B0≦−1hPaとの関係を満たすか否かを判定することにより行い、満たす場合には、気圧転向判定部12は高気圧等の通過、すなわち、気圧の転向があったと判定する。
また、低気圧等の接近後、低気圧等の通過があったか否かの判定には、B0≧+1hPaとの関係を満たすか否かを判定することにより行い、満たす場合には、気圧転向判定部12は低気圧等の通過、すなわち、気圧の転向があったと判定する。
なお、本実施形態では、このように、高気圧等又は低気圧等の接近後、±1hPa以上の逆向きの気圧の変化がある場合に高気圧等又は低気圧等の通過があったと判定する場合について説明するが、高気圧等又は低気圧等の通過があったと判定する際の閾値となる値は±1hPaに限定されない。
【0038】
以上の結果、本実施形態では、10時間前からの気圧傾向として上昇又は変化なしの状態が続き、転向点まで4hPa以上上昇し、転向点から1hPaでも下がった場合には、気圧転向判定部12により高気圧等の通過、すなわち、気圧の転向があったと判定され、10時間前からの気圧傾向として下降又は変化なしの状態が続き、転向点まで4hPa以上下降し、転向点から1hPaでも上がった場合には、気圧転向判定部12により低気圧等の通過、すなわち、気圧の転向があったと判定される。
【0039】
なお、本実施形態では、2時間毎に気圧の自動計測を行っているため、過去10時間の間に測定された気圧値、すなわち気圧転向判定部12が判定のために参照する気圧値は、現時点で測定されたものを含めて6回分となっているが、さらに短い間隔で気圧を測定している場合には、6回分以上の気圧値が判定のために参照されてもよい。なお、高気圧等又は低気圧等の通過があったか否かを判定する際には、気圧測定手段である気圧センサ41により順次測定された複数の気圧のうち、最低限現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて判定を行うことができるが、判定の精度を上げるためには、より多くの測定気圧値を参照することが好ましい。
【0040】
表示制御部13は、表示部5の表示を制御する機能部であり、デコーダドライバ52に表示データを出力する。本実施形態では、表示部5には、前述のように、時刻表示領域511、温度表示領域512、気圧表示領域513、気圧変動グラフ領域514、モード表示領域515、気圧変動表示領域516、マーク表示領域517等、複数の表示領域が設けられており、表示制御部13は、これらの各表示領域に表示させる文字・図形等を示す表示データをデコーダドライバ52に出力するようになっている。
表示制御部13は、表示部5のマーク表示領域の各セグメントの表示・非表示を制御するマーク表示制御部131を含んでいる。
マーク表示制御部131は、気圧転向判定手段である気圧転向判定部12により気圧の転向があったことが判定された際に、この判定結果に基づき気圧傾向情報をユーザに報知させるように報知手段を制御する報知制御手段であり、本実施形態では、報知手段としての表示部5を制御して気圧転向判定部12による判定結果に基づく気圧傾向情報として気圧転向状況を示す転向マークを表示させるように表示部5を制御するマーク表示制御手段として機能する。
また、本実施形態では、表示制御部13は、気圧急変化判定手段である気圧急変化判定部11によって気圧の急上昇又は急降下があったと判定された際に、この判定結果に基づき気圧傾向情報をユーザに報知させるように報知手段を制御する。本実施形態では、報知手段としての表示部5を制御して気圧急変化判定部11による判定結果に基づく気圧傾向情報として気圧の急激な変化を示す急変化マークを表示させるように表示部5を制御するようになっている。
【0041】
具体的には、気圧急変化判定部11によって気圧の急上昇があったと判定された場合には、表示制御部13は、気圧の急上昇を意味する上向き矢印の急変化マーク(図3参照)を表示させるように表示部5を制御する。
また、気圧急変化判定部11によって気圧の急降下があったと判定された場合には、表示制御部13は、気圧の急降下を意味する下向き矢印の急変化マーク(図3参照)を表示させるように表示部5を制御する。
また、気圧転向判別手段である、気圧転向判定部12により高気圧等接近後の高気圧等の通過があった、すなわち上昇から下降への気圧の転向があったと判定された場合には、表示制御部13は、上昇から下降に転じる気圧の転向を意味する転向マーク(図3参照)を表示させるように表示部5を制御する。
また、気圧転向判別手段である、気圧転向判定部12により低気圧等接近後の低気圧等の通過があった、すなわち下降から上昇への気圧の転向があったと判定された場合には、表示制御部13は、下降から上昇に転じる気圧の転向を意味する転向マーク(図3参照)を表示させるように表示部5を制御する。
【0042】
次に、図5から図9を参照しつつ、本実施形態における気圧報知制御装置である腕時計100の作用について説明する。
【0043】
図5に示すように、制御部10は、常に所定時間(本実施形態では2時間)が経過したか否かを判断し(ステップS1)、所定時間(本実施形態では2時間)が経過したと判断した場合(ステップS1;YES)には、気圧センサ41を動作させて気圧を測定する(ステップS2)。気圧センサ41により測定された測定気圧値は測定が行われた時刻情報と対応付けられてRAM22の表示レジスタの自動測定気圧値記憶領域に記憶される(ステップS3)。制御部10は、タイミング信号発生回路33から出力されるタイミング信号に基づいて時刻表示等を行うとともに、直近に取得された気圧値を気圧表示領域513に表示させ、過去10時間分の気圧の変動を示したグラフを気圧変動グラフ領域514に表示させ、直近の気圧値と過去の気圧値との関係を示す指針状の表示を気圧変動表示領域516に表示させる(ステップS4)。なお、制御部10は、これら一連の処理をステップS1から随時繰り返す。
他方、所定時間(本実施形態では2時間)が経過していないと判断した場合(ステップS1;NO)には、制御部10は、さらにスイッチ部4からのスイッチ操作によりバロメータモード(気圧計モード)への切り替え指示が入力されたか否かを判断する(ステップS5)。スイッチ操作が行われていない場合(ステップS5;NO)には、ステップS1に戻って判断処理を繰り返す。一方、スイッチ操作が行われてバロメータモードへの切り替え指示が入力された場合(ステップS5;YES)には、制御部10は、気圧センサ41を動作させて現在時点の気圧を測定する(ステップS6)。気圧センサ41により測定された測定気圧値は測定が行われた時刻情報と対応付けられてRAM22の表示レジスタの現在時測定気圧値記憶領域に記憶される(ステップS7)。そして、表示部5のモード表示領域515にバロメータモードを示す「BARO」の文字を表示させ、気圧傾向表示処理(ステップS8)を行う。一連の気圧傾向表示処理が終了すると、制御部10は、ステップS5に戻ってこれら一連の処理を繰り返す。
【0044】
次に、図6から図9を参照して、気圧傾向表示処理(ステップS8)の具体的内容(本実施形態における気圧報知制御方法)について説明する。
なお、本実施形態においては、図6から図9に示すように、まず気圧の急激な変化の有無を判定し(図6及び図8参照)、気圧の急激な変化がないと判定されたときに、気圧の転向の有無を判定する(図7及び図9参照)構成となっている。
気圧の急激な変化の有無の判定と気圧の転向の有無の判定のどちらを先行させるかは本実施形態に示す手順に限定されるものではないが、気圧の急激な変化はアウトドアにおけるユーザの行動計画等に大きく影響するため、気圧の急激な変化に該当すると判定した場合には、優先的に急変化マークを表示させて、その旨をユーザに報知し、注意喚起を促すことが好ましい。
【0045】
図6及び図8に示すように、気圧傾向表示処理を行う場合には、まず、制御部10(気圧急変化判定部11)は、現在時点から過去6時間分の測定気圧値(メモリ値)をRAM22の表示レジスタから読み出す(ステップS11)。制御部10は、読み出したメモリ値に、不足又はエラー値又は範囲外値あるか否かを判断し(ステップS12)、メモリ値に、不足又はエラー値又は範囲外値があると判定した場合(ステップS12;YES)には、制御部10は、何ら気圧傾向情報を出力しないと判断する(ステップS13)。
【0046】
他方、メモリ値に、不足又はエラー値又は範囲外値がないと判定した場合(ステップS12;NO)には、制御部10(気圧急変化判定部11)は、6時間以内に+6hPa以上の変化があるか否かの判定(すなわち、気圧急上昇判定)を行う(ステップS14)。6時間以内に+6hPa以上の変化があると判定した場合(ステップS14;YES)には、制御部10(気圧急変化判定部11)は、さらに現在は過去6時間以内の気圧よりも上昇しているか否かの判定(すなわち、気圧上昇判定)を行う(ステップS15)。そして、現在は過去6時間以内の気圧よりも上昇していると判定した場合(ステップS15;YES)には、制御部10(マーク表示制御部131)は、気圧急上昇マーク(急変化マーク)を表示部5に表示させる(ステップS16)。なお、このとき気圧急上昇マーク(急変化マーク)と同時に又はマークを表示させた後に当該マークの意味を表すメッセージ(例えば「気圧急上昇」)やこれに対応するコメント(例えば図3参照)等を表示部5に表示させてもよい。
一方、6時間以内に+6hPa以上の変化がないと判定した場合(ステップS14;NO)には、制御部10(気圧急変化判定部11)は、さらに6時間以内に−6hPa以下の変化があるか否かの判定(すなわち、気圧急降下判定)を行う(ステップS17)。そして、6時間以内に−6hPa以下の変化があると判定した場合(ステップS17;YES)には、制御部10(気圧急変化判定部11)は、さらに現在は過去6時間以内の気圧よりも下降しているか否かの判定(すなわち、気圧降下判定)を行う(ステップS18)。そして、現在は過去6時間以内の気圧よりも降下していると判定した場合(ステップS18;YES)には、制御部10(マーク表示制御部131)は、気圧急降下マーク(急変化マーク)を表示部5に表示させる(ステップS19)。なお、このとき気圧急降下マーク(急変化マーク)と同時に又はマークを表示させた後に当該マークの意味を表すメッセージ(例えば「気圧急降下」)やこれに対応するコメント(例えば図3参照)等を表示部5に表示させてもよい。
【0047】
他方、現在は過去6時間以内の気圧よりも上昇していないと判定した場合(ステップS15;NO)、又は6時間以内に−6hPa以下の変化がないと判定した場合(ステップS17;NO)、又は現在は過去6時間以内の気圧よりも降下していないと判定した場合(ステップS18;NO)には、図6及び図9に示すように、制御部10(気圧転向判定部12)は、さらに現在時点から過去10時間分の測定気圧値(メモリ値)をRAM22の表示レジスタから読み出す(ステップS20)。制御部10は、読み出したメモリ値に、不足又はエラー値又は範囲外値あるか否かを判断し(ステップS21)、メモリ値に、不足又はエラー値又は範囲外値があると判定した場合(ステップS21;YES)には、制御部10は、何ら気圧傾向情報を出力しないと判断する(ステップS13)。
【0048】
他方、メモリ値に、不足又はエラー値又は範囲外値がないと判定した場合(ステップS21;NO)には、制御部10(気圧転向判定部12)は、現在時点から過去10時間分の測定気圧値(メモリ値)であるA0〜A5からB0〜B5及びBの値を算出し(ステップS22)、この値をRAM22の表示レジスタの算出結果一時記憶領域に記憶させる(ステップS23)。そして、制御部10(気圧転向判定部12)は、B4〜B1の自動測定気圧値の傾向として上昇又は変化なしの状態(図7において「FLAT」)が続いており、かつ現在時点から過去10時間の間に+4hPa以上気圧が上昇している(すなわち、B≧+4hPa)か否かの判定(すなわち、高気圧等接近判定)を行う(ステップS24)。B4〜B1の自動測定気圧値の傾向として上昇又は変化なしの状態が続いており、かつ現在時点から過去10時間の間に+4hPa以上気圧が上昇していると判定した場合(ステップS24;YES)には、制御部10(気圧転向判定部12)は、さらにB0≦−1hPaであるか否かの判定(すなわち、高気圧等通過判定)を行う(ステップS25)。
そして、B0≦−1hPaであると判定した場合(ステップS25;YES)には、制御部10(マーク表示制御部131)は、高気圧等通過マーク(転向マーク)を表示部5に表示させる(ステップS26)。なお、このとき高気圧等通過マーク(転向マーク)と同時に又はマークを表示させた後に当該マークの意味を表すメッセージ(例えば「高気圧等通過」)やこれに対応するコメント(例えば図3参照)等を表示部5に表示させてもよい。
一方、B4〜B1の自動測定気圧値の傾向として上昇又は変化なしの状態が続いていないか、又は現在時点から過去10時間の間に+4hPa以上気圧が上昇していないと判定した場合(ステップS24;NO)には、制御部10(気圧転向判定部12)は、さらにB4〜B1の自動測定気圧値の傾向として下降又は変化なしの状態(図7において「FLAT」)が続いており、かつ現在時点から過去10時間の間に−4hPa以下気圧が下降している(すなわち、B≦−4hPa)か否かの判定(すなわち、低気圧等接近判定)を行う(ステップS27)。B4〜B1の自動測定気圧値の傾向として下降又は変化なしの状態が続いており、かつ現在時点から過去10時間の間に−4hPa以下気圧が下降していると判定した場合(ステップS27;YES)には、制御部10(気圧転向判定部12)は、さらにB0≧+1hPaであるか否かの判定(すなわち、低気圧等通過判定)を行う(ステップS28)。
そして、B0≧+1hPaであると判定した場合(ステップS28;YES)には、制御部10(マーク表示制御部131)は、低気圧等通過マーク(転向マーク)を表示部5に表示させる(ステップS29)。なお、このとき低気圧等通過マーク(転向マーク)と同時に又はマークを表示させた後に当該マークの意味を表すメッセージ(例えば「低気圧等通過」)やこれに対応するコメント(例えば図3参照)等を表示部5に表示させてもよい。
【0049】
他方、B0≦−1hPaでないと判定した場合(ステップS25;NO)、又はB4〜B1の自動測定気圧値の傾向として下降又は変化なしの状態が続いていないか、又は現在時点から過去10時間の間に−4hPa以下気圧が下降していないと判定した場合(ステップS27;NO)、又はB0≧+1hPaでないと判定した場合(ステップS28;NO)には、制御部10(気圧転向判定部12)は、何ら気圧傾向情報を出力しないと判断する(ステップS13)。
【0050】
以上のように、本実施形態によれば、気圧センサ41により所定時間ごとに順次測定された複数の気圧のうち、現在測定された測定気圧を含む少なくとも3つの時点の測定気圧に基づいて、気圧転向判定部12により気圧の転向があったか否かを判定し、気圧の転向があったことが判定された際には、この判定結果に基づいて、気圧傾向情報としての気圧転向状況をユーザに報知する。このため、天候の変化等を予測する上で注意すべき気圧変動である気圧の転向が起きた場合に、ユーザに分かりやすく情報提供することができ、特に登山等のアウトドアシーンにおいて、ユーザがこの情報を参照することにより、気圧の変動と天候の変化との関係等に関する専門知識の乏しい一般ユーザであっても、天候等を考慮した適切な行動や判断を行うことができる。
また、本実施形態の腕時計100は、気圧傾向情報を報知する報知手段として気圧傾向情報としての転向マークを表示させる表示部5を備え、気圧転向判定部12により気圧の転向があったことが判定された際には、この判定結果に基づいて、気圧傾向情報としての気圧転向状況を示す矢印状の転向マークを表示部5のマーク表示領域517に表示させるようになっている。このため、ユーザは表示部5に表示された転向マークを見るだけで、気圧の転向が起こったことを視覚的、直感的に理解することができ、気圧の変化が天候等に与える影響に関する知識に乏しいユーザでも、容易にその後の天候等を予測して天候等を考慮した適切な行動や判断を行うことができる。
また、気圧センサ41により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも2つの時点の測定気圧値に基づいて、気圧急変化判定部11により気圧の急激な変化があったか否かを判定し、気圧の急激な変化があったことが判定された際には、この判定結果に基づいて、気圧傾向情報としての気圧の急変状況をユーザに報知する。気圧の急激な変化は天候等に与える影響が大きく、特に登山等のアウトドアシーンにおいて、行動計画を立てる上で注意するべき重要な現象であり、気圧の急激な変化が生じたことを報知させることで、ユーザはその後の天候等を考慮した適切な行動や判断を行うことができる。
また、このような気圧の急激な変化が生じた場合についても、気圧傾向情報として気圧の急激な変化を示す急変化マークを表示部5のマーク表示領域517に表示させるようになっている。このため、ユーザは表示部5に表示された転向マークを見るだけで、気圧の転向が起こったことを視覚的、直感的に理解することができ、気圧の変化が天候等に与える影響に関する知識に乏しいユーザでも、容易にその後の天候等を予測して天候等を考慮した適切な行動や判断を行うことができる。
また、このように、転向マークや急変化マークを表示させることにより気圧傾向情報を知らせるため、ユーザにとって分かりやすく、かつ、報知される気圧傾向情報は気圧の転向や急変化といった気圧の変動状況を分析したものであるため、天気マーク等を表示させる場合と比較して信頼性が高く、ユーザに正確な情報を提供することができる。
また、本実施形態では、転向マークの意味を表すメッセージ及び/又は気圧転向状況から分かるコメントが、転向マークと対応付けてROM21に記憶されており、これらのメッセージやコメントを転向マークとともに又は転向マーク表示後に表示部5に表示させることができるようになっている。このため、ユーザがマークを見るだけではその意味を十分に理解することができないような場合でも、気圧の変化及びそれがもたらす天候への影響等を容易に理解することができる。
また、本実施形態では、急変化マークについてもその意味を表すメッセージ及び/又は気圧転向状況から分かるコメントが、急変化マークと対応付けてROM21に記憶されており、これらのメッセージやコメントを急変化マークとともに又は急変化マーク表示後に表示部5に表示させることができるようになっている。このため、急変化マークが表示部5に表示された場合にも、ユーザは気圧の急激な変化及びそれがもたらす天候への影響等を容易に理解することができる。
また、本実施形態では、気圧転向判定部12は、気圧センサ41により順次測定された気圧値が予め定められた第1の気圧値以上上昇した後に、気圧値が予め定められた第2の気圧値以上下降したか、又は前記気圧測定手段により順次測定された気圧値が予め定められた第1の気圧値以上下降した後に、気圧値が予め定められた第2の気圧値以上上昇した際に、気圧の転向があったと判定するようになっている。このため、少なくとも3つの時点で気圧を測定することにより気圧の転向の有無を判定することができる。
また、気圧転向判定部12は、気圧センサ41により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて、高気圧の通過及び低気圧の通過のいずれかがあったか否かを判定するものであり、報知制御手段である表示制御部13は、気圧転向判定部12により高気圧の通過及び低気圧の通過のいずれかがあったことが判定された際に、この判定結果を報知させるように表示部5を制御する。このため、少なくとも3つの時点で気圧を測定することにより高気圧の通過及び低気圧の通過の有無を判定することができる。また、少なくとも3つの時点で気圧を測定するという簡易な手法により、気圧の転向をもたらす高気圧の通過及び低気圧の通過の有無を判定することが可能である。
【0051】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0052】
例えば、上記実施形態では、気圧報知制御装置が気圧報知機能付腕時計(腕時計100)である場合について説明したが、気圧報知制御装置は気圧報知機能付腕時計に限定されない。例えば気圧報知制御装置は携帯電話機等の携帯端末装置等であってもよい。
【0053】
また、本実施形態では、気圧傾向情報を報知する報知手段が表示部5である場合を例として説明したが、報知手段は表示部5に限定されない。例えば気圧傾向情報をアラームや音声等により報知するスピーカ等の音声出力手段であってもよい。
また、転向マークや急変化マークについては表示部5に表示させ、メッセージやコメント等についてはスピーカ等から音声等で出力させる等、複数の報知手段を備えていてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、気圧傾向情報として4つのマーク(すなわち、転向マークである高気圧通過マーク及び低気圧通過マーク、急変化マークである気圧急上昇マーク及び気圧急降下マーク)を表示可能である場合について説明したが、気圧傾向情報として表示可能なマークは4種類に限定されない。さらに複数の表示が可能となっていてもよいし、2種類の転向マークのみを表示可能なものであってもよい。
【0055】
また、本実施形態では、ROM21が気圧傾向情報としてのマークとこれに対応する意味(すなわちメッセージ)、コメントを記憶する記憶手段として機能する場合を例としたが、記憶手段はROM21に限定されず、別途これらを記憶する記憶手段を備えていてもよい。
また、メッセージやコメントはスピーカ等から音声出力にてユーザに報知されるように構成してもよく、この場合には、ROM21にはこれらに対応する音声データが予め記憶される。
【0056】
その他、本発明が本実施形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。
【0057】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
気圧傾向情報を報知する報知手段と、
予め定められている時間毎に気圧値を測定する気圧測定手段と、
この気圧測定手段により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて、気圧の転向があったか否かを判定する気圧転向判定手段と、
この気圧転向判定手段により気圧の転向があったことが判定された際に、この判定結果に基づいて、前記気圧傾向情報としての気圧転向状況を報知させるように前記報知手段を制御する報知制御手段と、
を備えていることを特徴とする気圧報知制御装置。
<請求項2>
前記報知手段は、気圧傾向情報を表示させる表示手段であり、
前記報知制御手段は、前記気圧転向判定手段による判定結果に基づき、前記気圧傾向情報として気圧転向状況を示す転向マークを表示させるように前記表示手段を制御するマーク表示制御手段であることを特徴とする請求項1に記載の気圧報知制御装置。
<請求項3>
気圧傾向情報を報知する報知手段と、
予め定められている時間毎に気圧値を測定する気圧測定手段と、
この気圧測定手段により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも2つの時点の測定気圧値に基づいて、気圧の急激な変化があったか否かを判定する気圧急変化判定手段と、
この気圧急変化判定手段により急激な変化があったことが判定された際に、この判定結果に基づき、前記気圧傾向情報として気圧の急激な変化を示す急変化マークを表示させるように前記報知手段を制御する報知制御手段と、
を備えていることを特徴とする気圧報知制御装置。
<請求項4>
前記転向マークの意味を表すメッセージ及び/又は気圧転向状況から分かるコメントが、前記転向マークと対応付けて記憶されている記憶手段をさらに備え、
前記マーク表示制御手段は、前記気圧転向判定手段による判定結果に基づいて、前記記憶手段から前記転向マークを読み出して、この転向マークと併せて、又は前記転向マークの表示後に、前記メッセージ及び/又は前記コメントを前記記憶手段から読み出して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2に記載の気圧報知制御装置。
<請求項5>
前記気圧転向判定手段は、前記気圧測定手段により順次測定された気圧値が予め定められた第1の気圧値以上上昇した後に、気圧値が予め定められた第2の気圧値以上下降したか、又は前記気圧測定手段により順次測定された気圧値が予め定められた第1の気圧値以上下降した後に、気圧値が予め定められた第2の気圧値以上上昇した際に、気圧の転向があったと判定するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の気圧報知制御装置。
<請求項6>
前記気圧転向判定手段は、前記気圧測定手段により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて、高気圧の通過及び低気圧の通過のいずれかがあったか否かを判定するものであり、
前記報知制御手段は、前記気圧転向判定手段により高気圧の通過及び低気圧の通過のいずれかがあったことが判定された際に、この判定結果を報知させるように前記報知手段を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の気圧報知制御装置。
<請求項7>
気圧傾向情報を報知する報知手段と予め定められている時間毎に気圧値を測定する気圧測定手段とを備えている気圧報知制御装置に用いられる気圧報知制御方法において、
前記気圧測定手段により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて、気圧の転向があったか否かを判定する気圧転向判定ステップと、
この気圧転向判定ステップにより気圧の転向があったことが判定された際に、この判定結果に基づいて、前記気圧傾向情報としての気圧転向状況を報知させるように前記報知手段を制御する報知制御ステップと、
を備えていることを特徴とする気圧報知制御方法。
<請求項8>
前記報知手段は、気圧傾向情報を表示させる表示手段であり、
前記報知制御ステップは、前記気圧転向判定ステップによる判定結果に基づき、前記気圧傾向情報として気圧転向状況を示す転向マークを表示させるように前記表示手段を制御するマーク表示制御ステップであることを特徴とする請求項7に記載の気圧報知制御方法。
<請求項9>
気圧傾向情報を報知する報知手段と予め定められている時間毎に気圧値を測定する気圧測定手段とを備えている気圧報知制御装置に用いられる気圧報知制御方法において、
前記気圧測定手段により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも2つの時点の測定気圧値に基づいて、気圧の急激な変化があったか否かを判定する気圧急変化判定ステップと、
この気圧急変化判定ステップにより急激な変化があったことが判定された際に、この判定結果に基づき、前記気圧傾向情報として気圧の急激な変化を示す急変化マークを表示させるように前記表示手段を制御する報知制御ステップと、
を備えていることを特徴とする気圧報知制御方法。
<請求項10>
前記気圧報知制御装置は、前記転向マークの意味を表すメッセージ及び/又は気圧転向状況から分かるコメントが、前記転向マークと対応付けて記憶されている記憶手段をさらに備え、
前記マーク表示制御ステップは、前記気圧転向判定ステップによる判定結果に基づいて、前記記憶手段から前記転向マークを読み出して、この転向マークと併せて、又は前記転向マークの表示後に、前記メッセージ及び/又は前記コメントを前記記憶手段から読み出して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の気圧報知制御方法。
<請求項11>
前記気圧転向判定ステップは、前記気圧測定手段により順次測定された気圧値が予め定められた第1の気圧値以上上昇した後に、気圧値が予め定められた第2の気圧値以上下降したか、又は前記気圧測定手段により順次測定された気圧値が予め定められた第1の気圧値以上下降した後に、気圧値が予め定められた第2の気圧値以上上昇した際に、気圧の転向があったと判定するものであることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の気圧報知制御方法。
<請求項12>
前記気圧転向判定ステップは、前記気圧測定手段により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて、高気圧の通過及び低気圧の通過のいずれかがあったか否かを判定するものであり、
前記報知制御ステップは、前記気圧転向判定ステップにより高気圧の通過及び低気圧の通過のいずれかがあったことが判定された際に、この判定結果を報知させるように前記報知手段を制御することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の気圧報知制御方法。
【符号の説明】
【0058】
1 本体ケース
4 スイッチ部
5 表示部
10 制御部
11 気圧急変化判定部
12 気圧転向判定部
13 表示制御部
21 ROM
22 RAM
41 気圧センサ
131 マーク表示制御部
517 マーク表示領域
100 腕時計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気圧傾向情報を報知する報知手段と、
予め定められている時間毎に気圧値を測定する気圧測定手段と、
この気圧測定手段により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて、気圧の転向があったか否かを判定する気圧転向判定手段と、
この気圧転向判定手段により気圧の転向があったことが判定された際に、この判定結果に基づいて、前記気圧傾向情報としての気圧転向状況を報知させるように前記報知手段を制御する報知制御手段と、
を備えていることを特徴とする気圧報知制御装置。
【請求項2】
前記報知手段は、気圧傾向情報を表示させる表示手段であり、
前記報知制御手段は、前記気圧転向判定手段による判定結果に基づき、前記気圧傾向情報として気圧転向状況を示す転向マークを表示させるように前記表示手段を制御するマーク表示制御手段であることを特徴とする請求項1に記載の気圧報知制御装置。
【請求項3】
気圧傾向情報を報知する報知手段と、
予め定められている時間毎に気圧値を測定する気圧測定手段と、
この気圧測定手段により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも2つの時点の測定気圧値に基づいて、気圧の急激な変化があったか否かを判定する気圧急変化判定手段と、
この気圧急変化判定手段により急激な変化があったことが判定された際に、この判定結果に基づき、前記気圧傾向情報として気圧の急激な変化を示す急変化マークを表示させるように前記報知手段を制御する報知制御手段と、
を備えていることを特徴とする気圧報知制御装置。
【請求項4】
前記転向マークの意味を表すメッセージ及び/又は気圧転向状況から分かるコメントが、前記転向マークと対応付けて記憶されている記憶手段をさらに備え、
前記マーク表示制御手段は、前記気圧転向判定手段による判定結果に基づいて、前記記憶手段から前記転向マークを読み出して、この転向マークと併せて、又は前記転向マークの表示後に、前記メッセージ及び/又は前記コメントを前記記憶手段から読み出して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2に記載の気圧報知制御装置。
【請求項5】
前記気圧転向判定手段は、前記気圧測定手段により順次測定された気圧値が予め定められた第1の気圧値以上上昇した後に、気圧値が予め定められた第2の気圧値以上下降したか、又は前記気圧測定手段により順次測定された気圧値が予め定められた第1の気圧値以上下降した後に、気圧値が予め定められた第2の気圧値以上上昇した際に、気圧の転向があったと判定するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の気圧報知制御装置。
【請求項6】
前記気圧転向判定手段は、前記気圧測定手段により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて、高気圧の通過及び低気圧の通過のいずれかがあったか否かを判定するものであり、
前記報知制御手段は、前記気圧転向判定手段により高気圧の通過及び低気圧の通過のいずれかがあったことが判定された際に、この判定結果を報知させるように前記報知手段を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の気圧報知制御装置。
【請求項7】
気圧傾向情報を報知する報知手段と予め定められている時間毎に気圧値を測定する気圧測定手段とを備えている気圧報知制御装置に用いられる気圧報知制御方法において、
前記気圧測定手段により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて、気圧の転向があったか否かを判定する気圧転向判定ステップと、
この気圧転向判定ステップにより気圧の転向があったことが判定された際に、この判定結果に基づいて、前記気圧傾向情報としての気圧転向状況を報知させるように前記報知手段を制御する報知制御ステップと、
を備えていることを特徴とする気圧報知制御方法。
【請求項8】
前記報知手段は、気圧傾向情報を表示させる表示手段であり、
前記報知制御ステップは、前記気圧転向判定ステップによる判定結果に基づき、前記気圧傾向情報として気圧転向状況を示す転向マークを表示させるように前記表示手段を制御するマーク表示制御ステップであることを特徴とする請求項7に記載の気圧報知制御方法。
【請求項9】
気圧傾向情報を報知する報知手段と予め定められている時間毎に気圧値を測定する気圧測定手段とを備えている気圧報知制御装置に用いられる気圧報知制御方法において、
前記気圧測定手段により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも2つの時点の測定気圧値に基づいて、気圧の急激な変化があったか否かを判定する気圧急変化判定ステップと、
この気圧急変化判定ステップにより急激な変化があったことが判定された際に、この判定結果に基づき、前記気圧傾向情報として気圧の急激な変化を示す急変化マークを表示させるように前記表示手段を制御する報知制御ステップと、
を備えていることを特徴とする気圧報知制御方法。
【請求項10】
前記気圧報知制御装置は、前記転向マークの意味を表すメッセージ及び/又は気圧転向状況から分かるコメントが、前記転向マークと対応付けて記憶されている記憶手段をさらに備え、
前記マーク表示制御ステップは、前記気圧転向判定ステップによる判定結果に基づいて、前記記憶手段から前記転向マークを読み出して、この転向マークと併せて、又は前記転向マークの表示後に、前記メッセージ及び/又は前記コメントを前記記憶手段から読み出して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の気圧報知制御方法。
【請求項11】
前記気圧転向判定ステップは、前記気圧測定手段により順次測定された気圧値が予め定められた第1の気圧値以上上昇した後に、気圧値が予め定められた第2の気圧値以上下降したか、又は前記気圧測定手段により順次測定された気圧値が予め定められた第1の気圧値以上下降した後に、気圧値が予め定められた第2の気圧値以上上昇した際に、気圧の転向があったと判定するものであることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の気圧報知制御方法。
【請求項12】
前記気圧転向判定ステップは、前記気圧測定手段により順次測定された複数の気圧値のうち、現在測定された測定気圧値を含む少なくとも3つの時点の測定気圧値に基づいて、高気圧の通過及び低気圧の通過のいずれかがあったか否かを判定するものであり、
前記報知制御ステップは、前記気圧転向判定ステップにより高気圧の通過及び低気圧の通過のいずれかがあったことが判定された際に、この判定結果を報知させるように前記報知手段を制御することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の気圧報知制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−237694(P2012−237694A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107852(P2011−107852)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)