説明

気密化粧料容器

【課題】開蓋時にプッシュピースを押圧する力を軽減し、開放操作性を改善可能な気密化粧料容器を提供する。
【解決手段】気密化粧料容器1において、容器本体4の側壁7aに、係合位置6に臨ませて形成された切り欠き部8と、これに、左右方向スライド移動自在に設けられたプッシュピース9と、これから係合位置に向かって延設されたアーム10と、容器本体に係合位置に位置させて設けられ、前後方向に弾性変形される弾性ピース11と、この上部に形成された第1係合部12と、蓋体5に形成され、これに係脱自在に係合される第2係合部13と、アームに形成され、弾性ピースを後方へ押圧して第2係合部と第1係合部との係合を解除する押圧部14と、容器本体に設けられた隆起部と、アームの先端部にヒンジ片を介して揺動自在に設けられ、隆起部を迫り上がって、第2係合部が解除された状態の蓋体を上方へ押し上げて開放する押上部17とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体の後方に乾燥を防ぐ必要のある化粧料を充填するための後方収納部を有し、容器本体の側壁に左右方向スライド移動自在に設けられたプッシュピースの係合位置方向への押圧によって開蓋操作を可能にした気密化粧料容器を対象とし、開蓋時にプッシュピースを押圧する力を軽減し、開放操作性を改善することが可能な気密化粧料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料の乾燥を防ぐ気密化粧料容器のなかには、例えば特許文献1で開示されているように、容器本体と該容器本体上面を開閉する蓋体とを各後壁部で枢着させるとともに、その容器本体の後半部には、化粧品収納室を、また前半部内には化粧用品収納室をそれぞれ設け、又容器本体および蓋体の前後方向中間部から開閉蓋により着脱自在に係合する第1、第2係合板を突設して、閉蓋時における係合により上記化粧品収納室の上面へ蓋体下面が圧接することでその化粧品収納室を気密に密閉するように設けた気密化粧料容器が知られている。
【0003】
上記気密化粧料容器は、容器本体側壁の前後方向中間部に設けられた板バネ押込み口内へ露出する板バネ部分を内方へ押込むことで、板バネ部分内面から内方に突出されたアームの先端部に設けられた押し上げ用傾斜面によって、容器本体の第1係合板と係合する蓋体の第2係合板が押し上げられて蓋体を開放することができ、よって、開蓋操作を片手で行うことが容易にできるようにしたものである。
【特許文献1】特開2001−61541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の気密化粧料容器にあっては、板バネ部分の露出部を容器本体の側壁の前後方向中間部に設けることで、開蓋操作の容易性は確保されていたものの、板バネ部分を内方へ押し込むことによって、板バネ部分のアームの押し上げのみで係合解除操作と化粧品収納室の気密状態の解除操作を同時に行っている。気密状態の化粧品収納室内部は、一般に負圧となっていて、この負圧に打ち勝って蓋体を開くには相当の力を要する。すなわち、板バネ部分を内方へ押し込む強い力が必要となる。通常、上記気密化粧料容器を使用した化粧の際には、化粧料の付着操作をしない利き手でない手で開蓋操作を行うので、板バネ部分の押し込み操作に力を込めなければならず、開蓋操作性に不自由さを感じていた。また、化粧用品収納室の気密性をさらに高めた場合には、開蓋時の板バネ部分の押し込みにはより強い力が必要となり、片手では操作のしづらいものとなっていた。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、容器本体の後方に乾燥を防ぐ必要のある化粧料を充填するための後方収納部を有し、容器本体の側壁に左右方向スライド移動自在に設けられたプッシュピースの係合位置方向への押圧によって開蓋操作を可能にした気密化粧料容器を対象として、開蓋時にプッシュピースを押圧する力を軽減し、開放操作性を改善することが可能な気密化粧料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる気密化粧料容器は、前方収納部と後方収納部が形成された容器本体の後端部に、容器本体を開閉する蓋体を回動自在に連結し、前方収納部と後方収納部との間に設定した係合位置でこれら蓋体と容器本体を係脱自在に係合することにより、容器本体を閉止しつつ後方収納部を気密に密閉するようにした気密化粧料容器において、容器本体の側壁に、前方収納部と後方収納部の間の係合位置に臨ませて形成された切り欠き部と、切り欠き部に、左右方向スライド移動自在に設けられたプッシュピースと、プッシュピースから係合位置に向かって延設されたアームと、容器本体に、係合位置に位置させて設けられ、前後方向に弾性変形される弾性ピースと、弾性ピースの上部に形成された第1係合部と、蓋体に形成され、第1係合部に係脱自在に係合される第2係合部と、アームに形成され、弾性ピースを後方へ押圧して第2係合部と第1係合部との係合を解除する押圧部と、容器本体に設けられた隆起部と、アームの先端部にヒンジ片を介して揺動自在に設けられ、隆起部を迫り上がって、第2係合部が解除された状態で後方収納部を気密に密閉している蓋体を上方へ押し上げて開放する押上部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、蓋体には、後方収納部を封止するための蓋片がフローティング支持され、蓋片と後方収納部との間に気密シール部が設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる気密化粧料容器にあっては、容器本体の後方に乾燥を防ぐ必要のある化粧料を充填するための後方収納部を有し、容器本体の側壁に左右方向スライド移動自在に設けられたプッシュピースの係合位置方向への押圧によって開蓋操作を可能にした気密化粧料容器を対象として、開蓋時にプッシュピースを押圧する力を軽減でき、開放操作性を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明にかかる気密化粧料容器の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる気密化粧料容器1は基本的には、図1〜図5に示すように、前方収納部2と後方収納部3が形成された容器本体4の後端部に、容器本体4を開閉する蓋体5を回動自在に連結し、前方収納部2と後方収納部3との間に設定した係合位置6でこれら蓋体5と容器本体4を係脱自在に係合することにより、容器本体4を閉止しつつ後方収納部3を気密に密閉するようにした気密化粧料容器1において、容器本体4の側壁7aに、前方収納部2と後方収納部3の間の係合位置6に臨ませて形成された切り欠き部8と、切り欠き部8に、左右方向スライド移動自在に設けられたプッシュピース9と、プッシュピース9から係合位置6に向かって延設されたアーム10と、容器本体4に、係合位置6に位置させて設けられ、前後方向に弾性変形される弾性ピース11と、弾性ピース11の上部に形成された第1係合部12と、蓋体5に形成され、第1係合部12に係脱自在に係合される第2係合部13と、アーム10に形成され、弾性ピース11を後方へ押圧して第2係合部13と第1係合部12との係合を解除する押圧部14と、容器本体4に設けられた隆起部15と、アーム10の先端部にヒンジ片16を介して揺動自在に設けられ、隆起部15を迫り上がって、第2係合部13が解除された状態で後方収納部3を気密に密閉している蓋体5を上方へ押し上げて開放する押上部17とを備える。
【0010】
また、蓋体5には、後方収納部3を封止するための蓋片18がフローティング支持され、蓋片18と後方収納部3との間に気密シール部19が設けられる。
【0011】
容器本体4は合成樹脂材で形成され、これを開閉すべくその後端部において、前方に鏡20が貼着された合成樹脂材製の蓋体5が回動自在に連結される。容器本体4は、底壁7bと、その周縁から立ち上げて形成された前壁7c、後壁7d、並びに左右一対の側壁7aとからなる本体部7と、本体部7上に重ね合わされる平板部21aに、前方部および後方部それぞれに位置させて、本体部7の高さとほぼ同一の高さに垂下させて環状壁部21b、21cを形成した皿枠21とから構成される。皿枠21は、本体部7に上方から嵌め込まれ、超音波接着により接着される。容器本体4には、本体部7の底壁7bと皿枠21の環状壁部21bからなる前方収納部2が形成され、同様に、本体部7の底壁7bと環状壁部21cとから後方収納部3が形成される。
【0012】
前方収納部2には、例えば化粧料を付着させるためのパフなどの化粧具が収納される。また、後方収納部3には、合成樹脂材で形成された化粧料皿22が取り外し可能に収納される。化粧料皿22は、底部22aとその周縁から立ち上げた周側部22bとから構成され、化粧の際に化粧具等に化粧料を付着させるための開口部23が形成される。化粧料皿22内部には、乾燥を防ぐ必要のあるクリーム状等の揮発性を有する化粧料が充填される。開口部23の外周には、環状に切欠された切欠溝22cが形成されている。この切欠溝22cは、上部が内側へ深く切欠された断面略L字状に形成されている。この切欠溝22cには、環状弾性パッキン24が配設されている。環状弾性パッキン24は、化粧料皿22の切欠溝22cの下方を埋める形状で、その上端面外周には環状に傾斜面24aが形成されている。
【0013】
化粧料皿22の周側部22bの前方及び後方には、その外側に嵌合凹部25aが形成され、これに対応させて、後方収納部3の前方及び後方には、その内面から突出された嵌合凸部25bが設けられる。これら嵌合凹部25a、嵌合凸部25bをそれぞれ嵌合することによって化粧料皿22が容器本体4に固定される。皿枠21の環状壁部21cの後部中央には、化粧料皿22を手指などで押し上げて取り出すための適当な幅の窪み部26が形成される。
【0014】
容器本体4には、前方収納部2を形成する環状壁部21bと後方収納部3を形成する環状壁部21cの間に空間Sが形成され、この空間Sが、第1係合部12及び第2係合部13の係合位置6として設定される。空間Sは、平板部21aに形成した孔部40を介して上方に連通される。
【0015】
本体部7の両側壁7aには、空間S内の係合位置6に臨ませて、適当な大きさに切り欠いた切り欠き部8が形成される。切り欠き部8には、側断面ほぼL字状に形成された一対のプッシュピース9が左右方向にスライド移動自在に設けられる。
【0016】
プッシュピース9は合成樹脂材で形成され、その内面からアーム10が係合位置6に向かって延設される。本体部7の底壁7bには、アーム10の前後両脇に、適当な幅を持たせて上方へ突出させたアーム案内突起10aが形成され、皿枠21の平板部21aには、アーム10の上方に、適当な幅を持たせて下方へ突出させたアーム案内片10bが形成される。これにより、アーム10は空間S内を係合位置6に向かって真っ直ぐスライド移動することが可能となる。
【0017】
空間S内の係合位置6には、前後方向に弾性変形される合成樹脂製の弾性ピース11が設けられる。弾性ピース11は、後方に向かって湾曲させた弾性脚片11aを左右両端に有する。弾性脚片11aの後方には、これらと当接するように底壁7aから上方へ突出させた一対の保持部11bが形成される。弾性ピース11の上部中央には、第1係合部12が前方へ突出させて形成され、第1係合部12に係脱自在に係合される第2係合部13が、蓋体5に設けられる。第2係合部13は、後方へ突出させて形成される。
【0018】
弾性ピース11の下部中央には、これを前方に延出させて案内片11cが形成され、案内片11cの左右両側の底壁7bには、一対の隆起部15が突出形成される。これら隆起部15の対向する側面と、隆起部15間の底壁7bによって側断面ほぼ凹字状に案内部27が形成され、これにより、弾性ピース11の案内片11cが前後方向に案内される。また、弾性ピース11は、これら隆起部15と保持部11bの間に挟み込まれて取付状態が保持される。
【0019】
一対の隆起部15の左右方向外側には、弾性ピース11から前方に突出させて一対の被押圧部14aが形成される。被押圧部14aは、後方に向かうに従って左右方向外方に傾斜する傾斜面を有する。アーム10の先端部には、被押圧部14aの傾斜面に対応させて、後方に向かうに従って左右方向外方に傾斜する傾斜面を有する押圧部14が形成される。プッシュピース9を押圧すると、アーム10の押圧部14が被押圧部14aに摺接しながら係合位置6に向かって移動し、これによって弾性ピース11が押圧されて第1係合部12が後方へ移動し、第2係合部13との係合が解除される。
【0020】
隆起部15の左右方向外側面には、それぞれ左右方向外方へ向かうに従って下方に傾斜する隆起部側傾斜面15aが形成される。アーム10の先端部には、上下に撓むヒンジ片16を介して押上部17が揺動自在に設けられ、押上部17の下面には、隆起部側傾斜面15aと対をなし、左右方向外方へ向かうに従って下方に傾斜させた押上部側傾斜面17aが形成される。プッシュピース9を押圧すると、押上部17は、その押上部側傾斜面17aが隆起部側傾斜面15aでスライドして迫り上がり、係合が解除された第2係合部13を押し上げて、後方収納部3を気密に密閉している蓋体5が開放される。
【0021】
蓋体5の後方には、下面を上方へ向かって後方収納部3とほぼ同一面積に凹ませた蓋片収納部5aが形成される。蓋片収納部5aには、上面に中央突起部18aが突設された蓋片18が収納される。蓋片18は、蓋片収納部5aに揺動自在に収納すべく、これより一回り小さい外径寸法で、かつ、化粧料皿22の開口部23全体を覆うような外径寸法に形成される。
【0022】
蓋体5の後方には、蓋片収納部5a周縁内方へ張り出すように環状の支持枠28が設けられる。支持枠28は、その外周縁部28aが上方に延出されて、側断面ほぼL字状に形成される。支持枠28は、蓋片18の外径よりも一回り小さな内径寸法で形成される。支持枠28は、蓋片収納部5aの外側に環状に凹設された環状凹所30に外周縁部28aが超音波接着などにより嵌合されて取り付けられる。これによって、蓋片18は中央突起部18aを介して蓋体5に揺動可能にフローティング支持されて、後方収納部3を封止する。換言すると、前記フローティング支持は、蓋片18の下面に支持枠28の内周縁が内方に張り出すことにより、蓋片収納部5aに蓋片18が支持されること、並びに蓋片18の上面の全面が蓋片収納部5aの下面に当接せず、中央突起部18aのみが当接することによって得られる。
【0023】
また、蓋片18の下面には、化粧料皿22の切欠溝22cとほぼ同一の外径に突出させて、切欠溝22cに挿入される環状突片18bが形成される。環状突片18bは、下端部外側が下端部内側より下方に突出して形成された断面略楔形で、その内周面が傾斜面18cとして形成されている。蓋体5の閉止状態では、化粧料皿22の切欠溝22c内の環状弾性パッキン24の傾斜面24aと蓋片18の環状突片18bの傾斜面18cとから構成される気密シール部19が圧接されることによって、化粧料皿22内の気密保持が可能となる。環状弾性パッキン24は、化粧料皿22側ではなく、蓋片18側に設けてもよい。
【0024】
次に、本実施形態にかかる気密化粧料容器1の作用について説明する。気密化粧料容器1を製作するには、空間S内において、本体部7の底壁7bの隆起部15と保持部11bの間に弾性ピース11を組み込み、次に、本体部7の切り欠き部8に、アーム10を係合位置6に向けてプッシュピース9を組み込む。そして、本体部7の上方から皿枠21を覆い被せて固着し、容器本体4が完成する。一方、化粧料皿22の切欠溝22cに環状弾性パッキン24を装着する。そして、容器本体4の後方収納部3に化粧料皿22を嵌合する。
【0025】
また、蓋体5の蓋片収納部5aに蓋片18を挿入し、支持枠28を蓋体5に嵌着する。そして、容器本体4と蓋体5とをそれらの後端部において回動自在に蝶着すればよい。
【0026】
容器本体4の開放の際には、容器本体4の左右両側から係合位置6に向かってプッシュピース9を手指などで押圧する。プッシュピース9を押し込むとそのスライド移動により、これに設けられたアーム10を介してそれぞれの押圧部14が、弾性ピース11に形成された左右の被押圧部14aを摺接しつつ係合位置6へ向かって移動する。これによって、左右の被押圧部14aを介して弾性ピース11が弾性変形して、第2係合部13が後方へ移動し、第1係合部12との係合が解除される。
【0027】
それに続いて、一対のアーム10の先端部にヒンジ片16を介して形成された左右の押上部17が、隆起部側傾斜面15aをそれぞれスライドしつつ迫り上がって、係合が解除された第2係合部13を押し上げ、蓋体5を開放する。
【0028】
このように、蓋体5の開放操作を、係合解除操作と、係合解除後の蓋体5の押上操作、という2段階で行うことによって、片手でも簡単に軽い押圧力で操作性よく蓋体5を開放することができる。
【0029】
また、容器本体4の開放の際には、上記のように左右両側のプッシュピース9を押圧することだけに限らず、片側のプッシュピース9のみを押圧操作するだけでも、片側の押圧部14が弾性ピース11を後方へ押し込み、第1係合部12と第2係合部13の係合を解除することができ、それに続いて、片側の押上部17のみが隆起部傾斜面15aを迫り上がり、係合が解除された第2係合部13を押し上げることもでき、両サイドからプッシュピースを押圧したときと同様、係合解除操作と、係合解除後の蓋体5の押上操作の2段階で蓋体5の開放操作が可能となる。このような場合でも、片手で簡単に軽快に蓋体5を開放することが出来る。
【0030】
さらに、上記実施形態では、左右両側壁7aの切り欠き部8に一対のプッシュピース9が設けられているが、切り欠き部8を片側のみに形成し、プッシュピース9を片側にだけ設けることもできる。これについても上記同様、蓋体5の開放操作は、係合解除操作と、係合解除後の蓋体5の押上操作の2段階で行われ、プッシュピース9の押圧に、強い力を必要とせず、片手でも簡単に開放操作を実現することができる。
【0031】
そして、容器本体4を蓋体5で閉止する際には、手指などで蓋体5を上方から下方へ押し込み、第1係合部12を第2係合部13に係合させる。
【0032】
また、本実施形態にかかる気密化粧料容器1では、化粧料皿22の開口部23を封止するための蓋片18が揺動自在に蓋体5にフローティング支持されている。このため、製造の際に容器本体4や蓋片18、化粧料皿22の切欠溝22cの寸法にバラツキが生じてしまった場合などにも、蓋体5の閉止操作に際しては、後方収納部3内の化粧料皿22の切欠溝22cへの蓋片18の環状突片18bの挿入が柔軟に行なわれ、気密シール部19の圧着を容易かつ確実に行うことができる。
【0033】
本実施形態にあっては、後方収納部3に着脱自在に取り付けられる化粧料皿22と蓋片18との間に気密シール部19が設けられて、蓋体5により後方収納部3を気密に密閉するようにしている。これにより、後方収納部3の構造を簡素化できる。しかしながら、後方収納部3に環状弾性パッキンを設けて、直接、後方収納部3を蓋体5で気密シールするようにしてもよい。この場合、化粧料皿22には、環状弾性パッキン24を設けなくてよいので、その構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明にかかる気密化粧料容器の好適な一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の気密化粧料容器の側断面図である。
【図3】図1の気密化粧料容器の皿枠を外した状態を示す平面図である。
【図4】図1の気密化粧料容器の係合位置周辺の正面断面図である。
【図5】図1の気密化粧料容器の要部分解斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 気密化粧料容器
2 前方収納部
3 後方収納部
4 容器本体
5 蓋体
6 係合位置
7a 側壁
8 切り欠き部
9 プッシュピース
10 アーム
11 弾性ピース
12 第1係合部
13 第2係合部
14 押圧部
15 隆起部
16 ヒンジ片
17 押上部
18 蓋片
19 気密シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方収納部と後方収納部が形成された容器本体の後端部に、該容器本体を開閉する蓋体を回動自在に連結し、該前方収納部と該後方収納部との間に設定した係合位置でこれら蓋体と容器本体を係脱自在に係合することにより、該容器本体を閉止しつつ該後方収納部を気密に密閉するようにした気密化粧料容器において、上記容器本体の側壁に、上記前方収納部と上記後方収納部の間の上記係合位置に臨ませて形成された切り欠き部と、該切り欠き部に、左右方向スライド移動自在に設けられたプッシュピースと、該プッシュピースから上記係合位置に向かって延設されたアームと、上記容器本体に、上記係合位置に位置させて設けられ、前後方向に弾性変形される弾性ピースと、該弾性ピースの上部に形成された第1係合部と、該蓋体に形成され、上記第1係合部に係脱自在に係合される第2係合部と、上記アームに形成され、上記弾性ピースを後方へ押圧して上記第2係合部と上記第1係合部との係合を解除する押圧部と、上記容器本体に設けられた隆起部と、上記アームの先端部にヒンジ片を介して揺動自在に設けられ、上記隆起部を迫り上がって、上記第2係合部が解除された状態で上記後方収納部を気密に密閉している上記蓋体を上方へ押し上げて開放する押上部とを備えたことを特徴とする気密化粧料容器。
【請求項2】
前記蓋体には、前記後方収納部を封止するための蓋片がフローティング支持され、上記蓋片と前記後方収納部との間に気密シール部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の気密化粧料容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−237591(P2008−237591A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−82885(P2007−82885)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【出願人】(000160223)吉田プラ工業株式会社 (136)