説明

気泡を利用する材料除去システム及び方法

気泡を利用して材料を除去する(例えば、削孔又は切断)ためのシステム及び方法が提供される。このシステム及び方法は、切断境界面から気泡及び残留粒子を除去する真空カラーを備えてもよい。気泡は、気泡の容積を減少させる気泡−液体変換装置に差し向けられてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年2月26日に出願された米国特許出願第12/713,283号明細書に関する利益を請求する。本出願はまた、35米連邦法(USC)第119条(e)に基づき、2009年6月24日に出願された米国仮特許出願第61/220,054号明細書(発明の名称「気泡を利用する材料除去システム及び方法」、代理人整理番号SGAI−020/PROV)及び2010年1月13日に出願された米国仮特許出願第61/294,639号明細書(発明の名称「気泡を利用する材料除去システム及び方法」、代理人整理番号SGAI−020/PROV1)に対する利益を請求し、これらの明細書の両方の内容の全体をすべての目的のためここに組み込む。
【0002】
本発明の実施形態は、気泡を利用して材料を除去する(例えば、削孔、切断、又は研磨)ためのシステム及び方法に関する。特有の実施形態は、気泡を再循環するのに使用されるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
材料除去システムは多くの場合、切断要素及び加工物(即ち、材料を除去しようとする対象)を冷却するのを支援する幾つかの形態の潤滑を利用する(例えば、ノコ、ドリルを含む)切断要素機械を組み込んでいる。潤滑は、切断境界面から残留粒子(例えば、材料除去プロセスの際に作り出される切断又は削孔粒子)の材料を除去し、残留物が切断要素の動きを悪くするのを防止するのに使用されることもできる。
【0004】
一般的な潤滑媒体には、水又は油のような液体が含まれる。液体は一般に、構成材を冷却し、材料残留物を流す場合に効果的になり得るが、その使用が問題を引き起こすことがある。例えば、液体によって損傷を受け得る環境において切断作業を実施しようとする場合には、液体が切断境界面に存在した後には、液体を十分に収容するのが困難となり得る。加工物が多孔質であったり穴又は空洞を含んだりする場合には、液体が加工物の構造に浸透した後は、液体を収容するのが特に困難となり得る。液体が切断境界面に存在した後は、液体を収容するのも困難となり得る。材料除去システムが完成した内部環境において使用されている場合には、液体潤滑剤は、特に問題となり得る。切断境界面を十分に潤滑するのに要する液体の量は、コスト、環境への影響、汚染等に関する問題も提示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の或る実施形態は、材料の除去の際に気泡を利用するシステム及び方法を含む。
【0006】
典型的な実施形態は、材料を除去するためのシステムであって、切断要素と、切断要素を操作するように構成されたアクチュエータと、アクチュエータ及び切断要素に結合されたシャフトと、システムの作動の際に作り出される残留粒子を除去するように構成された真空システムであって、シャフトのまわりに延びるカラーを備える真空システムとを備えるシステムを備える。或る実施形態では、残留粒子は、気泡によってシステムから流される。
【0007】
特有の実施形態では、カラーは、内キャビティと、内キャビティと流体連通する1個以上の吸引口とを備える。複数個の吸引口は、半径方向吸引口と、軸方向吸引口とを備える。或る実施形態では、カラーは、ボアを取り囲む内壁と、内壁から延びる複数個の吸引口とを備える。特有の実施形態では、カラーは、軸方向壁と、内壁から延びる複数個の吸引口とを備える。
【0008】
真空システムは、真空源と、カラーに結合された導管とを備えてもよい。或る実施形態では、導管は、外部口のところでカラーに結合されている。カラーは、外部口と流体連通する複数個の吸引口を備えてもよい。或る実施形態では、切断要素は、ドリルビット又はノコ刃を備える。
【0009】
典型的な実施形態は、材料除去システムにおいて気泡を利用する方法を備えてもよい。この方法は、アクチュエータ、切断要素及び加工物を提供し、切断要素をアクチュエータによって操作し、気泡生成システムから気泡を提供し、切断要素境界面のところで切断要素を加工物と係合させ、気泡を切断境界面に差し向けることを備えてもよい。典型的な方法はまた、気泡が切断境界面に差し向けられた後、気泡を液体に変える気泡減少剤を気泡に加え、液体を濾過して残留粒子を除去し、濾過された液体を生じ、濾過された液体を気泡生成システムに差し向けることを備えてもよい。
【0010】
特有の実施形態では、濾過された液体は、気泡生成システムにおいて気泡凝縮物と組み合わされ、気泡を生じる。或る実施形態はまた、切断境界面から真空システムによって気泡を除去することを必要としてもよい。特有の実施形態では、真空システムは、切断境界面に近接したカラーを備えている。或る実施形態では、カラーは、内キャビティと、内キャビティと流体連通する1個以上の吸引口とを備えている。複数個の吸引口は、半径方向吸引口と軸方向吸引口とを備えてもよい。
【0011】
典型的な実施形態は、気泡を生成するためのシステムを備えてもよい。特有の実施形態は、ポンプと、液体を備える液体リザーバであって、ポンプが、液体リザーバから液体を送り出すように構成されている液体リザーバと、加圧空気を生じるように構成されたコンプレッサと、気泡凝縮物を備える気泡凝縮物リザーバとを備えてもよい。或る実施形態はまた、気泡凝縮物リザーバから放出される気泡凝縮物の量を制御するように構成された第1弁と、液体リザーバから送り出される液体の量を制御するように構成された第2弁と、コンプレッサの下流の空気圧力が高閾値に到達すると、コンプレッサの作動を停止するように構成された第1圧力センサと、コンプレッサの下流の空気圧力が低閾値に到達すると、コンプレッサの作動を始動するように構成された第2圧力センサとを備えてもよい。特有の実施形態は、液体リザーバからの液体を備える第1導管と、加圧空気及び気泡凝縮物を備える第2導管と、第1導管と第2導管を結合するミキサとを備えてもよく、気泡凝縮物と液体とがミキサで組み合わされて気泡を生じる。
【0012】
特定の実施形態では、気泡は、材料除去システムに差し向けられてもよい。或る実施形態では、気泡は、材料除去システムから気泡生成システムに再循環されてもよい。或る実施形態はまた、気泡が再循環されているとき、気泡を液体に変えるように構成された気泡減少剤を備えてもよい。特有の実施形態は、液体から残留粒子を濾過するフィルタを備えてもよい。或る実施形態では、材料除去システムはドリルを備えている。特有の実施形態では、高閾値は、およそ5〜約12バールであり、及び/又は、低閾値は、およそ約2〜約8バールである。
【0013】
他の利点及び特徴は、以下の説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態の1つ以上の例による気泡生成システムの概略図を示している。
【図2】図2Aは、図1の気泡生成システムが組み込まれた、本発明の実施形態の1つ以上の例を示し、図2Bは、図1の気泡生成システム及び真空システムが組み込まれた、本発明の実施形態の1つ以上の例による材料除去システムの部分断面図を示している。
【図3】本発明の実施形態の1つ以上の例による、真空システムにおいて利用される真空カラーの斜視図を示している。
【図4】図1の気泡生成システム及び液体再循環システムが組み込まれた、本発明の実施形態の1つ以上の例による材料除去システムの部分断面図を示している。
【図5】図1の気泡生成システム及び気泡再循環システムが組み込まれた、本発明の実施形態の1つ以上の例による材料除去システムの部分断面図を示している。
【図6】本発明の実施形態の概略的な全体図を提供する。
【図7】本発明の一実施形態の概略的な別の全体図を提供する。
【図8】気泡−液体変換装置227の斜視図を提供する。
【図9】作動時の気泡−液体変換装置227の概略的な横断面を提供する。
【図10】カバー部分217の内部の詳細図である。
【図11】導管237をカバー部分217に結合するように構成された結合部材267の斜視図を提供する。
【図12】気泡−液体変換装置328を利用する材料除去システム200の全体図を提供する。
【図13】235及び237に結合された気泡−液体変換装置328のより詳細な図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の実施形態は、残留粒子の潤滑、冷却及び/又は排出のため、気泡を利用して材料を除去する(例えば、削孔、切断、又は研磨)ためのシステム及び方法を備える。
【0016】
最初に図1を参照すると、気泡生成システム100の概略図が、コンプレッサ110、ポンプ120、液体リザーバ130、及び気泡凝縮物リザーバ140を図示している。システム100はさらに、液体リザーバ130から送り出される液体の量を制御するように構成された弁135を備えている。図1に示される実施形態はまた、気泡凝縮物リザーバ140から放出される気泡凝縮物の量を制御するように構成された弁145を備えている。他の実施形態では、気泡凝縮物は、気泡凝縮物リザーバ140の必要性を除去するため、液体リザーバ130に直接加えてもよい。このような実施形態では、弁145は、液体リザーバ130からの水と気泡凝縮物の液体混合物が混合される加圧空気の量を制御するように構成されることができる。或る典型的な実施形態では、気泡凝縮物は、液体混合物、又は液体混合物が加圧空気と組み合わされるときに得られる気泡の導電率を減少させ又は無効にするように構成されてもよい。
【0017】
図1に示される実施形態は、コンプレッサ110を始動させ停止させるように構成された制御スイッチ117、並びにポンプ120を始動させ停止させるように構成された制御スイッチ127を含んでいる。或る実施形態では、フィルタ121が、コンプレッサ110とポンプ120との間、又はコンプレッサ110と制御スイッチ127との間に置かれている。特有の実施形態では、フィルタ121は、内蔵式の湿分分離器を備えてもよい。さらに、システム100は、システム100の流出口150からの気泡又は液体の流れを制御する制御スイッチ137を備えている。制御スイッチ137は、電磁弁又は他の流量制御機構(図示せず)に結合されてもよい。システム100はさらに、加圧空気及び気泡凝縮物の流れを制御するように構成された制御スイッチ147を備えている。
【0018】
次に、気泡を生成するシステム100を作動させる一方法の典型的な実施形態を説明する。他の典型的な方法が本発明の範囲内にあり、開示された方法が例示的な目的のためにのみ提供されることが理解される。システム100の作動の際、オペレータは、コンプレッサ110が作動を開始するように、制御スイッチ117を操作することができる。特有の実施形態では、コンプレッサ110は、コンプレッサ110によって得られる圧力を制御する制御システム(図示せず)に信号を提供する圧力センサ113を有することができる。或る実施形態では、圧力センサ113は、コンプレッサの下流の圧力が所定の高閾値レベルに到達すると、コンプレッサ110が作動を停止する信号を提供する。特有の典型的な実施形態では、圧力センサ113は、圧力がおよそ6〜約12バールの高閾値に到達すると、コンプレッサ110が作動を停止する信号を提供する。システム100の作動の際、コンプレッサの下流の圧力が低閾値レベル以下に降下する場合には、圧力センサ113は、コンプレッサ110を再始動する信号を送ることもできる。特有の実施形態では、圧力がおよそ約2〜約8バールの値以下に降下する場合には、圧力センサ113は、コンプレッサ110を再始動させる信号を送ることができる。これらの値が一例として提供されているものであり、他の実施形態が、コンプレッサ110の作動に対する他の圧力範囲を有してもよいことが理解される。
【0019】
この典型的な作動方法では、オペレータは、制御スイッチ117を操作し、所望の圧力に達するまでコンプレッサ110を作動させ、圧力センサ113は、コンプレッサ110が作動を停止する信号を送る。次いで、オペレータは、制御スイッチ127を操作して、ポンプ120を始動させてもよい。次いで、ポンプ120は、リザーバ130から、逆止弁134及び弁135を通って、(液体を収容する)導管171と(加圧空気及び気泡凝縮物を収容する)導管172を結合するミキサ156まで液体を送り出すことができる。
【0020】
次いで、オペレータは、制御スイッチ137を操作して、リザーバ130からの液体を(ポンプ120を介して)流出口150から排出させてもよい。流出口150からの液体の流れが形成されると、オペレータは、制御スイッチ147を操作して、気泡凝縮物と加圧空気を、逆止弁144を超えて(液体導管を気泡凝縮物導管に結合する)ミキサ156まで流れさせることができる。次いで、気泡凝縮物と液体とをミキサ156内で混合させることができ、気泡が流出口150から出る。
【0021】
オペレータは、弁135を調整して、ポンプ120によって流出口150まで送り出される液体の量を増減させることができる。オペレータはまた、弁145を調整して、流出口150に差し向けられる気泡凝縮物及び加圧空気の量を調整することができる。図1の概略図では、液体の流れは矢印139によって表され、気泡凝縮物及び加圧空気の流れは矢印149によって表される。その結果得られる気泡は、矢印159によって表される。
【0022】
気泡凝縮物は、当該技術分野において公知のものを含み、一般に、少量存在するときに気泡の形成を容易にし、或いはバブルの合体を抑制することによってコロイド安定性を高める種々の界面活性剤によって構成される。適当な起泡剤には、1−プロパンアミニウム、3−アミノ−N−(カルボキシメチル)−N、N−ジメチル−N−ココアシル誘導体、分子内塩、1−プロパンアミニウム、3−アミノ−N−(カルボキシメチル)−N、N−ジメチル−、N−ココアシル誘導体、水酸化物、分子内塩、又は1−プロパンアミニウム、3−アミノ−N−(カルボキシメチル)−N、N−ジメチル−、N−ココアシル誘導体、分子内塩とも呼ばれるコカミドプロピルベタインのような、「ベタイン」が含まれる。
【0023】
次に図2Aを参照すると、材料除去システム200の典型的な実施形態の部分断面図が示されている。材料除去システム200は、気泡生成システム100からの気泡を利用して、構成材を潤滑し、切断境界面(例えば、切断要素が加工物に係合する境界面)からの残留材を除去する。図2Aに示される材料除去システムが、気泡生成システム100からの気泡を利用することができる材料除去システムの一例にすぎず、他の典型的な材料除去システムが異なる形態を備えてもよいことが理解される。図2Aに示される実施形態は、シャフト220及び切断要素225を回転させるように構成されたドライバ又はアクチュエータ210を備えている。示された実施形態では、切断要素225は、ドリルビットとして構成されており、アクチュエータ210は、モータを備えている。他の実施形態では、アクチュエータ210は、限定するわけではないが内燃機関、油圧被動アクチュエータ、又は空圧被動アクチュエータを含む、他の操作形態を備えてもよい。他の実施形態は、限定するわけではないがノコ刃を含む他の型式の切断要素を備えてもよい。特有の典型的な実施形態は、ダイアモンド円形ブレード又はダイアモンドワイヤを備えてもよい。材料除去システム200の典型的な実施形態には、限定するわけではないが、壁のノコ作業又は床のノコ作業についての用途が含まれる。図2Aに示される実施形態の作動の際、アクチュエータ210は、シャフト220と切断要素225を回転させる。切断要素225は、加工物250に係合し、加工物250から材料を除去する。
【0024】
次に図2Bを参照すると、材料除去システム200は、切断境界面から気泡及び/又は残留材料を除去するように構成された真空システム201とともに使用されてもよい。示される実施形態では、真空システム201は、導管235を介して真空源240に結合された真空カラー230と、リザーバ249とを備えている。(材料除去システム200から分離された状態で示される)真空カラー230の典型的な実施形態に関するより詳細な図面が、図3に提供される。
【0025】
図3に示されるように、真空カラー230は、内ボア232を取り囲む外壁234及び内壁233をもつ本体273を備えている。真空カラー230はまた、第1軸方向壁238と、第2軸方向壁239とを備えている。図3では、カラー230は逆転して示されており、第2軸方向壁239は通常、(図2に示されるように)カラー230が使用されるとき、下方を向くであろう。導管235は、外部口231のところで真空カラー230に結合されている。図2及び図3に示されるように、1個以上の半径方向吸引口236が内壁233から延び、外部口231及び導管235と流体連通している。示される特有の実施形態では、吸引口236は、外部口231と流体連通する内キャビティ241まで延びている。或る実施形態では、内キャビティ241は、内ボア230のまわりに延びるリング形のキャビティである。半径方向吸引口236は、車輪内におけるスポークと同様に、内ボア230と内キャビティ241との間で半径方向に延びてもよい。他の典型的な実施形態では、真空カラー230は、導管235に結合された単一個の口を備えてもよく、複数個の半径方向及び軸方向の吸引口を含まなくともよい。
【0026】
さらに、真空カラー230は、1個以上の軸方向吸引口が第2軸方向壁239から延び、内キャビティ241及び外部口231と流体連通するように構成されている。図3に示される実施形態が典型的なものにすぎず、本開示の範囲内における他の真空カラーが図3に示されるものと異なる構成を備えてもよいことが理解される。例えば、他の典型的な実施形態は、示されるものと異なる構成の吸引口を備えてもよく、半径方向又は軸方向吸引口のみを含んでもよい。
【0027】
作動の際、残留粒子245は、気泡生成システム100の流出口150から出る気泡によって、切断要素225と加工物250の境界面から流される。次いで、気泡は、残留粒子245とともに、真空システム201によって収集されることができる。ここで使用される語「残留粒子」は、材料除去プロセスの際に生成される廃棄又はスクラップ粒子(例えば、材料の削りくず、ダスト、切断スラリー等)を記載するのに使用される。
【0028】
図2Bに示される実施形態では、システム100からの気泡は、シャフト220を通って、切断要素225と加工物の境界面に差し向けられる。他の実施形態では、気泡は、最初は、図2に示される箇所とは異なる箇所に差し向けられてもよい。半径方向吸引口236と軸方向吸引口229は、切断境界面に近接しており、気泡(及び/又は残留粒子245)が真空システム201に入る最初の入口箇所として機能する。カラー230は、図2では断面で示されており、カラーの内部の特徴を見ることができる。気泡と残留粒子245は、カラー230の内キャビティ241及び外部口231に差し向けられることができる。次いで、気泡と残留粒子245は、導管235を通って、収集のためリザーバ249に流れてもよい。
【0029】
気泡がリザーバ249内に収集されると、気泡を廃棄し或いは再循環することができる。図2に示される実施形態では、気泡を液体に変え、液体の廃棄を可能にするため、気泡減少剤260をリザーバ249内に噴射することができる。
【0030】
他の実施形態では、残留粒子245に同伴した気泡を、気泡生成システム100において濾過され再使用される液体に変えることができる。次に、図4を参照すると、気泡減少剤262がリザーバ249に加えられ、気泡を液体に変える。次いで、液体をフィルタ258によって濾過することができ、その結果、残留粒子245が液体から除去され、廃棄容器261に送られる。次いで、濾過された液体をシステム100に(例えば、液体リザーバ130に)送って、気泡生成システム100において再使用することができる。これにより、気泡生成システム100によって消費される液体の量を減少させ、コストを低減することができる。図4に示され記載されている実施形態はまた、環境への気泡の衝撃を最小にする閉ループシステムを作る。図5に示される構成材の構造は多くの典型的な実施形態のまさに一つであることが理解される。例えば、他の実施形態では、気泡減少剤を加える前に、気泡を濾過して残留粒子245を除去してもよい。
【0031】
気泡減少剤は、当該技術分野において公知であり、ポリジメチルシロキサン中に分散されたシリカのようなシリコーン化合物、脂肪酸アミド、炭化水素蝋、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アルコール、脂肪酸ソープ、エトキシレート、鉱油、ポリエチレングリコールエステル、塩水溶液、モノステアリルりん酸塩のようなアルキルりん酸エステル等、並びに、FOAM BLASTTMのようなアセチル系ジオール、又は、エピクロロヒドリンによって脂肪酸アルコールエトキシレートから作られ、星形高分子構造に形成され、商標名DEHYDRANTMとして市販されている脂肪族ポリオキシエチレンエーテルを含む。適当な薬剤に関する記載は、例えば、マーチン(Martin)らに付与された米国特許第3,048,548号明細書、ブリュネル(Brunelle)らに付与された同第3,334,147号明細書、及びルー(Rue)らに付与された同第3,442,242号明細書を見てもよい(それらの開示を参考文献としてここに組み込む)。
【0032】
次に図5を参照すると、この実施形態では、気泡は、廃棄されるのではなく、再循環される。気泡を、フィルタ248を介して濾過し、気泡から残留粒子245を除去することができる。気泡から濾過された残留粒子245を廃棄容器261に送ることができる。濾過された気泡は、(再循環導管247を通して)流出口150に戻され再循環されることができる。この時点で、濾過された気泡は、システム100から生成される気泡と組み合わされることができる。これは、システム100によって生成されることが必要とされる気泡の全体量を減少させ、作動のコストと生成される廃棄物の量の両方を減少させる。ここに記載されるように、この気泡の再循環は、気泡の利用に対する閉ループシステムを作り出す。この閉ループシステムは、気泡が周囲環境に影響を及ぼす可能性を減少させることができる。これは、気泡への露出を最小にし又は除去するのが望ましい環境(例えば、完成した内部環境)において材料除去システム200が使用されるときに特に重要となり得る。このような環境では、家具、乾式壁、床等のような対象物は、液体によって否定的な影響を受け得る。液体ではなく気泡を使用すると、気泡の限定された領域での閉じ込めを向上させることによって、否定的な影響の可能性が最小になる。典型的な実施形態は、本開示に示され記載された真空システムとともに又は当該真空システムなしに、ここに記載された気泡システムとともに利用されてもよい。
【0033】
次に図6〜図11を参照すると、典型的な実施形態は、図2に開示された実施形態と同様である。しかしながら、この典型的な実施形態は、気泡減少剤ではなく、導管235を介して真空カラー230と流体連通する気泡−減少又は気泡−液体変換装置227を備えている。気泡−液体変換装置227はまた、導管237を介してリザーバ249とも流体連通している。示される特有の実施形態では、気泡−液体変換装置227は、導管235及び237に結合される、取り外し可能なカバー部分217を備えている。図6及び図7は、システムの全体的な概略図を提供し、図8は、気泡−液体変換装置227の斜視図を提供する。図9は、作動の際の気泡−液体変換装置227の概略横断面を提供し、図10は、カバー部分217の内部の詳細図を示す。図11は、カバー部分217を導管237に結合するように構成された結合部材267の斜視図を提供する。
【0034】
作動の際、真空源240が、カラー230から導管235を通して気泡−液体変換装置227に気泡270(及び残留粒子245)を引くことができる。示される実施形態では、導管235及び237は、結合部材265及び267を介して、気泡−液体変換装置227のカバー部分217にそれぞれ結合されている。図9に示されるように、気泡270は、導管235を介して気泡−液体変換装置227の上部分257に入り、気泡270が結合部材267及び導管215に到達するまで気泡−液体変換装置227に蓄積する。
【0035】
真空源240が結合部材267を通して気泡270を引くので、気泡270は、導管235及び237の直径よりも小さな直径を各々有する複数本の導管215を通して差し向けられる。典型的な実施形態では、導管215の横断面積の合計は、導管237の横断面積よりも少ない。
【0036】
特に図11を参照すると、この典型的な実施形態では、結合部材267は、フランジ部分290と、延長部291と、導管215とを備えている。フランジ部分290は、結合部材267をカバー部分217に結合させる取り付け表面、及び結合部材267を導管237に結合させる延長部291を提供する。導管215は、フランジ部分290を貫通しており(一方、延長部291は、貫通していない)、その結果、結合部材267を通過する流体又は気泡270を、導管215を通過させる。
【0037】
気泡270が導管215を通して引かれるので、各導管の直径は、気泡の一部を液体に変換させる程に十分小さく寸法が定められている。作動の際、気泡270中のバブルは互いに(そして、各導管215の壁に向かって)押され、その結果、気泡270中のバブルに及ぼされる圧力は増加する。圧力が十分に増加すると、バブルはつぶれ、気泡と液体の混合物になるにつれて気泡270の容積は減少する。気泡270の容積のこのような減少により、(気泡270の容積を減少させない材料除去システムと比較して)材料除去システム200を長時間作動させることができる。気泡270の容積が減少しない場合には、リザーバ249の容量は、材料除去システム200の最大作動時間に関して限定する要因となり得る。リザーバ249が気泡で満たされるとき、気泡及び/又は液体をリザーバ249から除去するために、材料除去システム200の作動は停止されるべきである。リザーバ249に入る前に気泡270の容積を減少させることによって、材料除去システム200の最大作動時間を延長することができる。
【0038】
特有の実施形態では、複数本の導管215における1本以上の導管の直径は、4〜8mm、又はより明確には5〜7mmでよい。特有の実施形態では、複数本の導管215における1本以上の導管の直径は、およそ6mmである。或る特有の実施形態では、複数本の導管215における1本以上の導管の長さは、50〜500mm、又は60〜400mm、又は70〜300mm、又は80〜200mm、又は90〜100mmでよい。特有の実施形態では、複数本の導管215における1本以上の導管の長さは、およそ100mmである。
【0039】
液体と気泡の混合物がリザーバ249内に収集されると、それを廃棄し又は濾過して使用のため再循環することができる。特有の実施形態では、つぶれた気泡から得られる液体を、再使用前に気泡生成システム100を介して気泡に変換することができる。
【0040】
次に図12及び図13を参照すると、或る実施形態では、気泡−液体変換装置328は、導管235及び237の外部にリザーバを備えなくともよい。図12は、気泡−液体変換装置328を利用する材料除去システム200の全体図を提供し、図13は、235及び237に結合される気泡−液体変換装置328のより詳細な図を提供する。
【0041】
気泡−液体変換装置328は、結合部材267と全体的に同様に構成されてもよく、例えば、気泡−液体変換装置328は、フランジ部分390と、延長部391と、複数本の導管315とを備える。しかしながら、気泡−液体変換装置328は、付加的な延長部分392を備えてもよく、その結果、導管235と237の両方に結合されてもよい。気泡−液体変換装置328が導管235と237に結合されるとき、導管315は、導管235及び237と流体連通する。特有の実施形態では、導管315は、導管235及び237の外周が導管315を取り囲むように、導管235及び237と一線に(例えば、同一線上に)置かれている。作動の際、導管315は、導管215に関連して上述されたのと全般的に同じやり方で内部を通過する気泡のバブルに作用し、気泡を液体に変換する。
【0042】
本発明の種々の代表的な実施形態についてある程度詳細に説明してきたが、当業者は、明細書及び特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の精神及び範囲を逸脱することなしに、開示された実施形態に対して多くの変形を施すことができる。例えば、ここに図示され説明された材料除去システムは、シャフト及び回転する切断要素で構成されている。さらに、他の実施形態は、再循環に使用される気泡又は液体から残留粒子を分離するため、遠心分離器、サイクロンセパレータ、又はプレスを使用してよい。しかしながら、ここに記載される気泡生成/再循環システムを利用する他の材料除去システムは、他の型式の切断要素を利用してもよい。他の実施形態は、添付図面に示したものと異なる構成をもつ構成材を有してもよい。
【0043】
接合に関する言及(例えば、取り付けられ、結合され、連結され)は幅広く解釈されるべきであり、要素の連結部間の中間部材及び要素間の相対運動を含んでもよい。それ故、接合に関する言及は、2つの要素が直接連結され、互いに固定関係にあることを必ずしも推論しない。場合によっては、ここに直接的又は間接的に記載された手法では、種々の工程及び作動は、一つの可能な作動順序で記載されているが、当業者は、本発明の精神及び範囲から必ず逸脱することなしに、工程及び作動を再構成し、置換し、又は除去してもよいことを認識するであろう。上記説明に含まれ添付図面に示される全事項は、限定的なものではなく例示的なものとみなされるべきであることが意図される。特許請求の範囲に規定された本発明の精神から逸脱することなしに、細部又は構造において変形を施してもよい。
【0044】
(1)から(80)まで連続して列挙された以下のパラグラフは、本発明の種々の態様を提供する。一実施形態では、第1パラグラフ(1)において、本発明は、
切断要素と、
切断要素を操作するように構成されたアクチュエータと、
アクチュエータ及び切断要素に結合されたシャフトと、
気泡を切断要素に差し向けるように構成された気泡生成システムと
を備える、材料を除去するためのシステムを提供する。
【0045】
(2)残留粒子が気泡によってシステムから流されるパラグラフ(1)のシステム。
【0046】
(3)システムの作動の際に作り出される残留粒子を除去するように構成された真空システムであって、シャフトのまわりに延びるカラーを備える真空システムをさらに備える、パラグラフ(1)のシステム。
【0047】
(4)カラーが、内キャビティと、内キャビティと流体連通する1個以上の吸引口とを備えるパラグラフ(3)のシステム。
【0048】
(5)複数個の吸引口が、半径方向吸引口と、軸方向吸引口とを備えるパラグラフ(4)のシステム。
【0049】
(6)カラーが、ボアを取り囲む内壁と、内壁から延びる複数個の吸引口とを備えるパラグラフ(3)のシステム。
【0050】
(7)カラーが、軸方向壁と、内壁から延びる複数個の吸引口とを備えるパラグラフ(3)のシステム。
【0051】
(8)真空システムが、真空源と、カラーに結合された導管とを備えるパラグラフ(3)のシステム。
【0052】
(9)導管が、外部口のところでカラーに結合されるパラグラフ(8)のシステム。
【0053】
(10)カラーが、外部口と流体連通する複数個の吸引口を備えるパラグラフ(9)のシステム。
【0054】
(11)切断要素がドリルビットを備えるパラグラフ(1)のシステム。
【0055】
(12)切断要素がノコ刃を備えるパラグラフ(1)のシステム。
【0056】
(13)材料除去システムにおいて気泡を利用する方法であって、
アクチュエータ、切断要素、及び加工物を準備し、
アクチュエータで切断要素を操作し、
気泡生成システムから気泡を提供し、
切断要素境界面のところで切断要素を加工物と係合させ、
気泡を切断境界面に差し向け、
気泡が切断境界面に差し向けられた後に、気泡を液体に変える気泡減少剤を気泡に加え、
液体を濾過し、残留粒子を除去して濾過された液体を生じ、
濾過された液体を気泡生成システムに差し向けることを備える方法。
【0057】
(14)濾過された液体が気泡生成システムにおいて気泡凝縮物と組み合わされて気泡を生じるパラグラフ(13)の方法。
【0058】
(15)真空システムによって切断境界面から気泡を除去することをさらに備えるパラグラフ(13)の方法。
【0059】
(16)真空システムが切断境界面に近接してカラーを備えているパラグラフ(15)の方法。
【0060】
(17)カラーが、内キャビティと、内キャビティと流体連通する1個以上の吸引口とを備えているパラグラフ(16)の方法。
【0061】
(18)複数個の吸引口が、半径方向吸引口と、軸方向吸引口とを備えているパラグラフ(17)の方法。
【0062】
(19)カラーが、ボアを取り囲む内壁と、内壁から延びる複数個の吸引口とを備えるパラグラフ(16)の方法。
【0063】
(20)カラーが、軸方向壁と、内壁から延びる複数個の吸引口とを備えるパラグラフ(16)の方法。
【0064】
(21)真空システムが、真空源と、カラーに結合された導管とを備えるパラグラフ(16)の方法。
【0065】
(22)導管が、外部口のところでカラーに結合されているパラグラフ(21)の方法。
【0066】
(23)カラーが、外部口と流体連通する複数個の吸引口を備えているパラグラフ(22)のシステム。
【0067】
(24)気泡を生成するためのシステムであって、
ポンプと、
液体を備える液体リザーバであって、ポンプが、リザーバから液体を送り出すように構成されている、リザーバと、
加圧空気を生じるように構成されたコンプレッサと、
気泡凝縮物を備える気泡凝縮物リザーバと、
気泡凝縮物リザーバから放出される気泡凝縮物の量を制御するように構成された第1弁と、
液体リザーバから送り出される液体の量を制御するように構成された第2弁と、
コンプレッサの下流の空気圧力が高閾値に到達すると、コンプレッサの作動を停止するように構成された第1圧力センサと、
コンプレッサの下流の空気圧力が低閾値に到達すると、コンプレッサの作動を開始するように構成された第2圧力センサと、
液体リザーバからの液体を備える第1導管と、
加圧空気及び気泡凝縮物を備える第2導管と、
第1導管と第2導管を結合するミキサであって、気泡凝縮物と液体とがミキサ内で組み合わされて気泡を生じる、ミキサと
を備えるシステム。
【0068】
(25)気泡が材料除去システムに差し向けられるパラグラフ(24)のシステム。
【0069】
(26)気泡が材料除去システムから気泡生成システムに再循環されるパラグラフ(25)のシステム。
【0070】
(27)気泡が再循環されるときに気泡を液体に変えるように構成された気泡減少剤をさらに備えるパラグラフ(26)のシステム。
【0071】
(28)液体から残留粒子を濾過するフィルタをさらに備えるパラグラフ(25)のシステム。
【0072】
(29)材料除去システムがドリルを備えるパラグラフ(23)のシステム。
【0073】
(30)高閾値がおよそ約6〜約12バールであるパラグラフ(24)のシステム。
【0074】
(31)低閾値がおよそ約2〜約8バールであるパラグラフ(24)のシステム。
【0075】
(32)予め混合された気泡凝縮物と液体が液体リザーバ内に置かれるパラグラフ(24)のシステム。
【0076】
(33)複数本の結合部材導管を備えた結合部材を備え、
結合部材が、第1真空導管と第2真空導管とを結合するように構成されており、
複数本の結合部材導管の各直径が、第1真空導管の直径よりも小さく、かつ、第2真空導管の直径よりも小さく、
複数の結合部材導管が第1真空導管及び真空第2導管と流体連通する、気泡−液体変換装置。
【0077】
(34)気泡−液体変換装置が第1及び第2真空導管に結合されるとき、複数の結合部材導管が第1及び第2真空導管と同一線上にあるパラグラフ(33)の気泡−液体変換装置。
【0078】
(35)リザーバと、
リザーバと流体連通する第1導管と、
リザーバと流体連通する第2導管と、
第2導管と流体連通する複数本の導管であって、複数本の導管における各導管の直径が第2導管の直径未満である、複数本の導管と
を備える、気泡−液体変換装置。
【0079】
(36)複数本の導管における1本以上の導管の直径がおよそ4mm〜8mmであるパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0080】
(37)複数本の導管における1本以上の導管の直径がおよそ5mm〜7mmであるパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0081】
(38)複数本の導管における1本以上の導管の直径がおよそ6mmであるパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0082】
(39)複数本の導管が2〜10本の導管であるパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0083】
(40)複数本の導管が3〜9本の導管であるパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0084】
(41)複数本の導管が4〜8本の導管であるパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0085】
(42)複数本の導管が5〜7本の導管であるパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0086】
(43)複数本の導管における1本以上の導管の長さがおよそ50mm〜500mmであるパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0087】
(44)複数本の導管における1本以上の導管の長さがおよそ60mm〜400mmであるパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0088】
(45)複数本の導管における1本以上の導管の長さがおよそ70mm〜300mmであるパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0089】
(46)複数本の導管における1本以上の導管の長さがおよそ80mm〜200mmであるパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0090】
(47)複数本の導管における1本以上の導管の長さがおよそ90mm〜100mmであるパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0091】
(48)複数本の導管における1本以上の導管の長さがおよそ100mmであるパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0092】
(49)複数本の導管における第1導管が複数本の導管における第2導管に隣接しているパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0093】
(50)複数本の導管が、第2導管をリザーバに結合するように構成された結合部材内に置かれているパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0094】
(51)複数本の導管が第2導管内に置かれているパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0095】
(52)気泡−液体変換装置が、取り外し可能なカバー部分を備え、複数本の導管が、取り外し可能なカバー部分に結合されているパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0096】
(53)複数本の導管がリザーバの上部分に結合されているパラグラフ(35)の気泡−液体変換装置。
【0097】
(54)材料を除去するためのシステムであって、
切断要素と、
切断要素を操作するように構成されたアクチュエータと、
アクチュエータ及び切断要素に結合されたシャフトと、
システムの作動の際に作り出された残留粒子を除去するように構成された真空システムであって、
真空源、
第1リザーバ、および
シャフトのまわりに延びるカラー
を備える真空システムと、
気泡を生成し、気泡をカラーに近接して差し向けるように構成された気泡生成システムと、
気泡を減少させるように構成された気泡−液体変換装置であって、気泡が複数本の導管を通過すると、気泡を液体に変換するように構成された複数本の導管を備える気泡−液体変換装置と
を備えるシステム。
【0098】
(55)気泡−液体変換装置が、カラーと流体連通する第1導管に結合され、気泡−液体変換装置が、第1リザーバと流体連通する第2導管に結合されているパラグラフ(54)のシステム。
【0099】
(56)複数本の導管が第2導管と流体連通し、複数本の導管における各導管の直径が、第2導管の直径未満であるパラグラフ(54)のシステム。
【0100】
(57)気泡の容積を減少させる方法であって、
第1リザーバ、真空源、第1導管、第2導管及び複数本の導管を提供し、
第1導管が、第1リザーバと流体連通し、
第2導管が、真空源及び第1リザーバと流体連通し、
複数本の導管の横断面積の合計が、第2導管の横断面積未満であり、
真空源を作動させて、第1リザーバ、第1導管及び第2導管に真空を作り出し、
第1導管を通して第1リザーバ内に、複数本の導管を通して第2導管内に気泡を引くこと
を備える方法。
【0101】
(58)気泡が複数本の導管を通して引かれると、気泡の容積が減少するパラグラフ(57)の方法。
【0102】
(59)気泡が複数本の導管を通して引かれると、気泡の一部が液体に変換されるパラグラフ(57)の方法。
【0103】
(60)第2導管が第2リザーバと流体連通し、液体が第2リザーバ内に収集されるパラグラフ(59)の方法。
【0104】
(61)材料を除去するためのシステムであって、
切断要素と、
切断要素を操作するように構成されたアクチュエータと、
アクチュエータ及び切断要素に結合されたシャフトと、
システムの作動の際に作り出される残留粒子を除去するように構成された真空システムであって、
真空源、
第1リザーバ、および
シャフトのまわりに延びたカラー
を備える真空システムと、
気泡を生成し、気泡をカラーに近接して差し向けるように構成された気泡生成システムと、
気泡を減少させるように構成された気泡−液体変換装置であって、気泡が複数本の導管を通過すると、気泡を液体に変換するように構成された複数本の導管を備える気泡−液体変換装置と
を備えるシステム。
【0105】
(62)気泡−液体変換装置がカラーと流体連通する第1導管に結合されており、気泡−液体変換装置が第1リザーバと流体連通する第2導管に結合されているパラグラフ(61)のシステム。
【0106】
(63)複数本の導管が第2導管と流体連通し、複数本の導管における各導管の直径が第2導管の直径未満であるパラグラフ(61)又は(62)のいずれかのシステム。
【0107】
(64)複数本の導管における1本以上の導管の直径がおよそ4mmであるパラグラフ(61)〜(63)のいずれかのシステム。
【0108】
(65)複数本の導管が2本〜10本の導管を備えているパラグラフ(61)〜(64)のいずれかのシステム。
【0109】
(66)複数本の導管における1本以上の導管の長さがおよそ50mm〜500mmであるパラグラフ(61)〜(65)のいずれかのシステム。
【0110】
(67)複数本の導管における第1導管が複数本の導管における第2導管に隣接しているパラグラフ(61)〜(66)のいずれかのシステム。
【0111】
(68)複数本の導管が、第2導管をリザーバに結合するように構成された結合部材内に置かれているパラグラフ(61)〜(67)のいずれかのシステム。
【0112】
(69)複数本の導管が第2導管内に置かれているパラグラフ(61)〜(67)のいずれかのシステム。
【0113】
(70)気泡−液体変換装置が、取り外し可能なカバー部分を備え、複数本の導管が、取り外し可能なカバー部分に結合されているパラグラフ(61)〜(69)のいずれかのシステム。
【0114】
(71)複数本の導管がリザーバの上部分に結合されているパラグラフ(61)〜(69)のいずれかのシステム。
【0115】
(72)気泡の容積を減少させる方法であって、
第1リザーバ、真空源、第1導管、第2導管及び複数本の導管を提供し、
第1導管が、第1リザーバと流体連通し、
第2導管が、真空源及び第1リザーバと流体連通し、
複数本の導管の横断面積の合計が、第2導管の横断面積未満であり、
真空源を作動させて、第1リザーバ、第1導管及び第2導管に真空を作り出し、
第1導管を通して第1リザーバ内に、複数本の導管を通して第2管内に気泡を引くこと
を備える方法。
【0116】
(73)気泡が複数本の導管を通して引かれると、気泡の容積が減少するパラグラフ(72)の方法。
【0117】
(74)気泡が複数本の導管を通して引かれると、気泡の一部が液体に変換されるパラグラフ(72)の方法。
【0118】
(75)第2導管が第2リザーバと流体連通し、液体が第2リザーバ内に収集されるパラグラフ(72)の方法。
【0119】
(76)複数本の導管における1本以上の導管の直径がおよそ4mmであるパラグラフ(72)〜(75)のいずれかの方法。
【0120】
(77)複数本の導管における第1導管が複数本の導管における第2導管に隣接しているパラグラフ(72)〜(76)のいずれかの方法。
【0121】
(78)複数本の導管が、第2導管をリザーバに結合するように構成された結合部材内に置かれているパラグラフ(72)〜(77)のいずれかの方法。
【0122】
(79)気泡−液体変換装置が取り外し可能なカバー部分を備え、複数本の導管が取り外し可能なカバー部分に結合されているパラグラフ(72)〜(77)のいずれかの方法。
【0123】
(80)複数本の導管がリザーバの上部分に結合されるパラグラフ(72)〜(77)のいずれかの方法。
【0124】
好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに形態及び細部に変更を施してもよいことを認識するであろう。
【0125】
参考文献
次の参考文献が参考文献として本明細書に組み込まれる。
米国特許第3,589,468号明細書
米国特許第5,128,178号明細書
米国特許第6,673,572号明細書
米国特許出願公開第2002/0115390号明細書
米国特許第6,792,375号明細書
米国特許出願公開第2003/0167728号明細書
米国特許第6,790,245号明細書
米国特許第6,890,131号明細書
米国特許第6,026,618号明細書
米国特許第6,071,047号明細書
米国特許第6,588,516号明細書
米国特許第6,609,668号明細書
米国特許第2,578,040号明細書
米国特許第3,518,917号明細書
米国特許第4,325,663号明細書
米国特許第4,662,802号明細書
米国特許第5,660,240号明細書
米国特許第5,800,104号明細書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を除去するためのシステムであって、
切断要素と、
前記切断要素を操作するように構成されたアクチュエータと、
前記アクチュエータ及び前記切断要素に結合されたシャフトと、
気泡を前記切断要素に差し向けるように構成された気泡生成システムと
を備えるシステム。
【請求項2】
前記残留粒子が気泡によって前記システムから流される請求項1のシステム。
【請求項3】
前記システムの作動の際に作り出される残留粒子を除去するように構成された真空システムをさらに備え、前記真空システムが、前記シャフトのまわりに延びるカラーを備える請求項1のシステム。
【請求項4】
前記カラーが、内キャビティと、前記内キャビティと流体連通する1個以上の吸引口とを備える請求項3のシステム。
【請求項5】
前記複数個の吸引口が半径方向吸引口と軸方向吸引口とを備える請求項4のシステム。
【請求項6】
前記カラーが、ボアを取り囲む内壁と、前記内壁から延びる複数個の吸引口とを備える請求項3のシステム。
【請求項7】
前記カラーが、軸方向壁と、前記内壁から延びる複数個の吸引口とを備える請求項3のシステム。
【請求項8】
前記真空システムが、真空源と、前記カラーに結合された導管とを備える請求項3のシステム。
【請求項9】
前記導管が外部口のところで前記カラーに結合される請求項8のシステム。
【請求項10】
前記カラーが、前記外部口と流体連通する複数個の吸引口を備える請求項9のシステム。
【請求項11】
前記切断要素がドリルビットを備える請求項1のシステム。
【請求項12】
前記切断要素がノコ刃を備える請求項1のシステム。
【請求項13】
材料除去システムにおいて気泡を利用する方法であって、
アクチュエータ、切断要素及び加工物を提供し、
前記切断要素を前記アクチュエータによって操作し、
気泡を気泡生成システムから提供し、
切断要素境界面のところで前記切断要素を前記加工物と係合させ、
前記気泡を前記切断境界面に差し向け、
前記気泡が前記切断境界面に差し向けられた後、前記気泡を液体に変える気泡減少剤を前記気泡に加え、
前記液体を濾過して残留粒子を除去し、濾過された液体を生じ、
前記濾過された液体を前記気泡生成システムに差し向けること
を備える方法。
【請求項14】
前記濾過された液体が前記気泡生成システムにおいて気泡凝縮物と組み合わされて気泡を生じる請求項13の方法。
【請求項15】
前記切断境界面から真空システムによって前記気泡を除去することをさらに備える請求項13の方法。
【請求項16】
前記真空システムが、前記切断境界面に近接したカラーを備える請求項15の方法。
【請求項17】
前記カラーが、内キャビティと、前記内キャビティと流体連通する1個以上の吸引口とを備える請求項16の方法。
【請求項18】
前記複数個の吸引口が、半径方向吸引口と軸方向吸引口とを備える請求項17の方法。
【請求項19】
前記カラーが、ボアを取り囲む内壁と、前記内壁から延びる複数個の吸引口とを備える請求項16の方法。
【請求項20】
前記カラーが、軸方向壁と、前記内壁から延びる複数個の吸引口とを備える請求項16の方法。
【請求項21】
前記真空システムが、真空源と、前記カラーに結合された導管とを備える請求項16の方法。
【請求項22】
前記導管が外部口のところで前記カラーに結合されている請求項21の方法。
【請求項23】
前記カラーが、前記外部口と流体連通する複数個の吸引口を備える請求項22のシステム。
【請求項24】
気泡を生成するためのシステムであって、
ポンプと、
液体を備える液体リザーバであって、前記ポンプが、前記液体リザーバから液体を送り出すように構成されている、液体リザーバと、
加圧空気を生じるように構成されたコンプレッサと、
気泡凝縮物を備える気泡凝縮物リザーバと、
前記気泡凝縮物リザーバから放出される気泡凝縮物の量を制御するように構成された第1弁と、
前記液体リザーバから送り出される液体の量を制御するように構成された第2弁と、
前記コンプレッサの下流の空気圧力が高閾値に到達すると、前記コンプレッサの作動を停止するように構成された第1圧力センサと、
前記コンプレッサの下流の前記空気圧力が低閾値に到達すると、前記コンプレッサの作動を開始するように構成された第2圧力センサと、
前記液体リザーバからの液体を備える第1導管と、
加圧空気及び前記気泡凝縮物を備える第2導管と、
前記第1導管と前記第2導管を結合するミキサであって、前記気泡凝縮物と液体とが前記ミキサ内で組み合わされて気泡を生じる、ミキサと
を備えるシステム。
【請求項25】
前記気泡が材料除去システムに差し向けられる請求項24のシステム。
【請求項26】
前記気泡が前記材料除去システムから前記気泡生成システムに再循環される請求項25のシステム。
【請求項27】
前記気泡が再循環されているとき、前記気泡を液体に変えるように構成された気泡減少剤をさらに備える請求項26のシステム。
【請求項28】
前記液体から残留粒子を濾過するフィルタをさらに備える請求項25のシステム。
【請求項29】
前記材料除去システムがドリルを備える請求項23のシステム。
【請求項30】
前記高閾値がおよそ約6〜約12バールである請求項24のシステム。
【請求項31】
前記低閾値がおよそ約2〜約8バールである請求項24のシステム。
【請求項32】
予め混合された気泡凝縮物と液体が液体リザーバ内に置かれる請求項24のシステム。
【請求項33】
複数本の結合部材導管を備える結合部材を備え、
前記結合部材が、第1真空導管と第2真空導管とを結合するように構成されており、
前記複数本の結合部材導管の各々の直径が、前記第1真空導管の直径よりも小さく、かつ、前記第2真空導管の直径よりも小さく、
前記複数本の結合部材導管が、前記第1真空導管及び前記真空第2導管と流体連通している、気泡−液体変換装置。
【請求項34】
前記気泡−液体変換装置が前記第1及び第2真空導管に結合されるとき、前記複数本の結合部材導管が、前記第1及び第2真空導管と同一線上にある請求項33の気泡−液体変換装置。
【請求項35】
リザーバと、
前記リザーバと流体連通する第1導管と、
前記リザーバと流体連通する第2導管と、
前記第2導管と流体連通する複数本の導管であって、前記複数本の導管における各導管の直径が、前記第2導管の直径未満である、複数本の導管と
を備える気泡−液体変換装置。
【請求項36】
前記複数本の導管における1本以上の導管の前記直径がおよそ4mm〜8mmである請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項37】
前記複数本の導管における1本以上の導管の前記直径がおよそ5mm〜7mmである請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項38】
前記複数本の導管における1本以上の導管の前記直径がおよそ6mmである請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項39】
前記複数本の導管が2本〜10本の導管を備える請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項40】
前記複数本の導管が3本〜9本の導管を備える請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項41】
前記複数本の導管が4本〜8本の導管を備える請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項42】
前記複数本の導管が5本〜7本の導管を備える請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項43】
前記複数本の導管における1本以上の導管の長さがおよそ50mm〜500mmである請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項44】
前記複数本の導管における1本以上の導管の前記長さがおよそ60mm〜400mmである請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項45】
前記複数本の導管における1本以上の導管の前記長さがおよそ70mm〜300mmである請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項46】
前記複数本の導管における1本以上の導管の前記長さがおよそ80mm〜200mmである請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項47】
前記複数本の導管における1本以上の導管の前記長さがおよそ90mm〜100mmである請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項48】
前記複数本の導管における1本以上の導管の前記長さがおよそ100mmである請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項49】
前記複数本の導管における第1導管が前記複数本の導管における第2導管に隣接している請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項50】
前記複数本の導管が、前記第2導管をリザーバに結合するように構成された結合部材内に置かれる請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項51】
前記複数本の導管が前記第2導管内に置かれる請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項52】
前記気泡−液体変換装置が、取り外し可能なカバー部分を備え、前記複数本の導管が前記取り外し可能なカバー部分に結合されている請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項53】
前記複数本の導管が、前記リザーバの上部分に結合されている請求項35の気泡−液体変換装置。
【請求項54】
材料を除去するためのシステムであって、
切断要素と、
前記切断要素を操作するように構成されたアクチュエータと、
前記アクチュエータ及び前記切断要素に結合されたシャフトと、
前記システムの作動の際に作り出される残留粒子を除去するように構成された真空システムであって、
真空源、
第1リザーバ、および
前記シャフトのまわりに延びるカラー
を備える、真空システムと、
気泡を生成し、前記気泡を前記カラーに近接して差し向けるように構成された気泡生成システムと、
前記気泡を減少させるように構成された気泡−液体変換装置であって、前記気泡が前記複数本の導管を通過すると、前記気泡を液体に変換するように構成された複数本の導管を備える気泡−液体変換装置と
を備えるシステム。
【請求項55】
前記気泡−液体変換装置が、前記カラーと流体連通する第1導管に結合され、前記気泡−液体変換装置が、前記第1リザーバと流体連通する第2導管に結合されている請求項54のシステム。
【請求項56】
前記複数本の導管が前記第2導管と流体連通し、前記複数本の導管における各導管の直径が、前記第2導管の直径未満である請求項54のシステム。
【請求項57】
気泡の容積を減少させる方法であって、
第1リザーバ、真空源、第1導管、第2導管及び複数本の導管を提供し、
前記第1導管が、前記第1リザーバと流体連通し、
前記第2導管が、前記真空源及び前記第1リザーバと流体連通し、
前記複数本の導管の横断面積の合計が、前記第2導管の横断面積未満であり、
前記真空源を作動させて、前記第1リザーバ、前記第1導管及び前記第2導管に真空を作り出し、
前記第1導管を通して前記第1リザーバ内に、前記複数本の導管を通して前記第2導管内に気泡を引くこと
を備える方法。
【請求項58】
気泡が前記複数本の導管を通して引かれると、前記気泡の前記容積が減少される請求項57の方法。
【請求項59】
前記気泡が前記複数本の導管を通して引かれると、前記気泡の一部が液体に変換される請求項57の方法。
【請求項60】
前記第2導管が第2リザーバと流体連通し、前記液体が前記第2リザーバ内に収集される請求項59の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公表番号】特表2012−530614(P2012−530614A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517510(P2012−517510)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/025716
【国際公開番号】WO2010/078604
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(509256920)サン ゴバン アブレシブ インコーポレーティド (7)
【出願人】(509257662)
【Fターム(参考)】