説明

気泡発生器およびそれを備えた浄水装置

【課題】キャビテーションを効果的に発生させることが可能な気泡発生器およびそれを備えた浄水装置を提供する。
【解決手段】気泡発生器100は、主流路101、細流路102、および拡大流路103を備えている。主流路101は入口140を有している。細流路102は、入口121を有している。拡大流路103は、接続口122と出口123とを有している。拡大流路103は、拡大流路103の横断面積が接続口122から出口123に向かって次第に大きくなるように形成されている。主流路101と細流路102とは、細流路102を流通する流体の流れ方向が主流路101を流通する流体の流れ方向から略90度変更されるように細流路102の入口121を介して接続されている。細流路102の横断面積は、主流路101の横断面積よりも小さく且つ略一定である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体中に気泡を発生させる気泡発生器およびそれを備えた浄水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の気泡発生器として、例えば特開2008−207099号公報(以下では特許文献1という)に記載されたマイクロバブル発生装置が知られている。特許文献1に係るマイクロバブル発生装置は、流通路と受圧部と吐出路とを備えている。
【0003】
受圧部は、気体と液体とが予め混合された気液混相流を受ける。受圧部は流通路の一端に形成されている。吐出路は、受圧部の近傍の流通路側面から気液混相流を導入してマイクロバブルを生成する。また、吐出路は流通路側面に複数接続されると共に、吐出路の出口の径が入口の径よりも大きいように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−207099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に係るマイクロバブル発生装置では、例えば、吐出路の数と入口の断面積とによって気液混相流の圧損を調整することが可能であるとともに、吐出路の開き角を最適化することによって圧損を低減させることができる。そのため、特許文献1に係るマイクロバブル発生装置では、ポンプの動力を低減させることが可能である。
【0006】
しかしながら、特許文献1に係るマイクロバブル発生装置において、マイクロバブルを生成する吐出路は入口から出口に向かって単に流路径が次第に大きくなるように形成されているものであって、略一定の小径で所定の流路長を有する部分が吐出路には形成されていない。そのため、吐出路のうちの受圧部の近傍の小径の部分にて得られる大流速は、入口よりも下流側にてすぐに減速されてしまう。
【0007】
吐出路において流体の速度がすぐに減速することにより、特許文献1に係るマイクロバブル発生装置では、吐出路のうちのキャビテーションを発生させることが可能な領域が比較的小さい。そのため、特許文献1に係るマイクロバブル発生装置では、キャビテーションを効果的に発生させることが困難であった。キャビテーションを効果的に発生させることができない場合には、特許文献1に係るマイクロバブル発生装置は、効率よくマイクロバブルを発生させることができないといえる。
【0008】
そこで、この発明の目的は、キャビテーションを効果的に発生させることが可能な気泡発生器およびそれを備えた浄水装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に従った気泡発生器は、流体を流通させる主流路、細流路、および拡大流路を備えている。主流路は、流体を流入させる入口を有している。細流路は、主流路を流通する流体を流入させる入口と、その流体を流出させる出口とを有している。拡大流路は、細流路の出口に接続された接続口と、接続口と反対側に配置された出口とを有している。また、拡大流路は、拡大流路の横断面積が接続口から出口に向かって次第に大きくなるように形成されている。主流路と細流路とは、細流路を流通する流体の流れ方向が主流路を流通する流体の流れ方向から略90度変更されるように細流路の入口を介して接続されている。細流路の横断面積は、主流路の横断面積よりも小さく且つ略一定である。
【0010】
この発明によれば、主流路を流通する流体は、細流路の入口に達する。細流路の入口の横断面積が主流路の横断面積に比べて小さいため、流体の速度は、主流路から細流路に流入する際に加速される。また、主流路と細流路との間では、主流路を流通する流体の流れ方向が略90度変更される。このとき、主流路から細流路を流通する流体の流れは、細流路の入口と主流路との間の縁にてせん断される。そのため、この縁よりも下流側つまり細流路にて、流れの剥離が生じ、局所渦が発生する。この局所渦の中心部は負圧であるため、この負圧に基づいて細流路を流通する流体にキャビテーションが発生する。
【0011】
一方、入口を含む細流路の横断面積は主流路の横断面積に比べて小さく且つ略一定である。また、略一定の横断面積を有する細流路は、細流路の入口から細流路の出口までの距離を有している。そのため、この発明によれば、細流路の入口の近傍にて得られる比較的大きな流速が細流路の入口よりも下流側にて減速することを抑制することができる。つまり、細流路においては、細流路を流通する流体中に、渦の中心部の負圧に基づいてキャビテーションが効果的に発生する。したがって、この発明によれば、キャビテーションを効果的に発生させることが可能な気泡発生器を提供することができる。
【0012】
ところで、主流路と細流路との間で主流路を流通する流体の流れ方向が略90度変更されない場合に流体中に局所渦を発生させるためには、ベルヌイの定理に基づき、流体が流通する経路に負圧が生じる流速まで流速を加速させる必要がある。そのためには、例えばポンプの動力を増大させる必要がある。しかしながら、この発明に従った気泡発生器では、主流路と細流路との間に縁が形成されていることによって、縁よりも下流側に局所渦を発生させることができる。また、細流部が略一定の横断面積を有し且つ細流路の入口から細流路の出口までの距離を有していることにより、細流路において当該渦を十分に成長させることができる。そのため、この発明に従った気泡発生器では、ポンプの動力を増大させる必要がなく、比較的低い動力でキャビテーションを発生させることができる。
【0013】
この発明に従った気泡発生器では、細流路の寸法と拡大流路の寸法とのうち、主流路の長さ方向に沿った方向の寸法は、細流路の入口から拡大流路の出口まで略一定であることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、主流路の長さ方向に沿った当該気泡発生器の寸法が拡大することを抑制することができる。すなわち、この構成によれば、当該気泡発生器のコンパクト化を図ることができる。
【0015】
この発明に従った気泡発生器では、主流路には、流体の流れを遮る障壁面が配置されていることが好ましい。障壁面は、主流路の入口が配置される位置と反対側に配置されている。細流路の入口を構成する内周壁面は、障壁面よりも主流路の入口側に配置されていることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、主流路を流れる流体の流れをせん断する縁が、細流路の入口と主流路との間において、細流路の入口のうちの主流路の入口側の他に、細流路の入口のうちの主流路の障壁面側にさらに形成される。このように、主流路を流れる流体の流れをせん断する縁を拡大させることができる。そのため、細流路を流通する流体中に、キャビテーションをより確実に発生させることができる。
【0017】
この発明に従った気泡発生器は、第1半体部と、第1半体部に接合される第2半体部とを備えていることが好ましい。第1半体部は、主流路の一部を形成する第1主流路部分と、細流路の一部を形成する第1細流路部分と、拡大流路の一部を形成する第1拡大流路部分とを含んでいることが好ましい。第2半体部は、主流路の他の一部を形成する第2主流路部分と、細流路の他の一部を形成する第2細流路部分と、拡大流路の他の一部を形成する第2拡大流路部分とを含んでいることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、第1半体部と第2半体部とをそれぞれ個別に製造または形成したうえで、当該気泡発生器を製造することが可能である。また、第1半体部と第2半体部とをそれぞれ個別に製造または形成することができるため、第1半体部の接合面と、第1半体部の接合面と接触する第2半体部の接合面とを容易に加工することができる。
【0019】
この発明に従った気泡発生器では、第1半体部は、第2半体部に接合される平面状の接合面を有していることが好ましい。
【0020】
第1半体部の接合面が平面である場合には、例えば柱材料を切り出すだけで第1半体部を製作することができ、第1半体部および当該気泡発生器の加工費を抑制することができる。また、第1半体部の接合面が平面である場合には、細流路および拡大流路を形成させるための位置合わせが容易であるため、当該気泡発生器の製造時の組み立て時間を短縮することができる。そのため、比較的安価に当該気泡発生器を製造することができる。
【0021】
この発明に従った気泡発生器では、第1半体部または第2半体部には、細流路と当該気泡発生器の外部とを連通する連通路が形成されていることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、当該気泡発生器の外部から細流路に気体を導入することができる。
【0023】
この発明に従った浄水装置は、気泡発生器を備えた浄水装置であることが好ましい。
【0024】
この発明に従った気泡発生器を備えた浄水装置は、キャビテーションを効果的に発生させることが可能である。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、この発明によれば、キャビテーションを効果的に発生させることが可能な気泡発生器およびそれを備えた浄水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の実施形態1に係る気泡発生器を示す図であって、(A)は平面図であり、(B)は(A)のIB−IB線の断面図である。
【図2】この発明の実施形態2に係る気泡発生器を示す図であって、(A)は平面図であり、(B)は(A)のIIB−IIB線の断面図である。
【図3】この発明の実施形態3に係る気泡発生器を示す図であって、(A)は平面図であり、(B)は(A)のIIIB−IIIB線の断面図である。
【図4】この発明の実施形態4に係る気泡発生器を示す図であって、(A)は平面図であり、(B)は(A)のIVB−IVB線の断面図である。
【図5】この発明の実施形態5に係る気泡発生器を示す図であって、(A)は平面図であり、(B)は(A)のVB−VB線の断面図である。
【図6】この発明の実施形態6に係る気泡発生器を示す図であって、(A)は平面図であり、(B)は(A)のVIB−VIB線の断面図である。
【図7】この発明の実施形態7に係る気泡発生器を示す図であって、(A)は平面図であり、(B)は(A)のVIIB−VIIB線の断面図である。
【図8】この発明の実施形態8に係る気泡発生器を示す図であって、(A)は平面図であり、(B)は(A)のVIIIB−VIIIB線の断面図である。
【図9】この発明の実施形態9に係る気泡発生器を示す図であって、(A)は平面図であり、(B)は(A)のIXB−IXB線の断面図である。
【図10】この発明に係る気泡発生器を備えた浄水装置を模式的に示す図である。
【図11】この発明に係る気泡発生器を備えた浄水装置の他の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
(第1実施形態)
図1(A)および(B)に第1実施形態に係る気泡発生器100を示す。図1(A)および(B)に示すように、気泡発生器100は、主流路101と細流路102と拡大流路103とを形成する本体135を備えている。本体135は、管状部125と板状部115と底部105とを有している。なお、気泡発生器100では、管状部125と板状部115と底部105とは、一体に形成されている。ただし、管状部125は、板状部115および底部105とは別の部材であってもよい。または、底部105は、板状部115および管状部125とは別の部材であってもよい。
【0029】
管状部125の内側には、主流路101が形成されている。主流路101は、流体を流通させる。主流路101は、流体を流入させる入口140を有している。入口140は、管状部125の上面に形成された孔である。主流路101を流通する流体は液体である。液体の種類は、特に限定されず、例えば水である。図1(B)に示すように、矢印のように流体は主流路101の上側から降下するように主流路101を流れる。図1(B)では、紙面上方が鉛直上方を指し、紙面下方が鉛直下方を指す。図1(A)では、表面側が鉛直上方であり、裏面側が鉛直下方である。ただし、気泡発生器100において本体135が配置される位置または方向は特に限定されず、流体が主流路101を流れるときの方向は鉛直上方から鉛直下方に向かう方向に限定されない。
【0030】
気泡発生器100は、図示しないポンプを備えていてもよい。気泡発生器100は、ポンプの作動により、比較的大きなエネルギーを有する流体を、主流路101を介して細流路102と拡大流路103とに流通させている。
【0031】
管状部125は、板状部115から例えば上下方向に延びている。図1(A)に示すように、管状部125は、略円筒状の形状を有している。板状部115および底部105は、略円柱状の形状を有している。入口121を含む細流路102を構成する内周壁面151は、少なくとも板状部115の一部によって形成されている。入口121を含む細流路102を構成する内周壁面151は、底部105によって形成されていてもよい。細流路102の入口121を構成する内周壁面151は、管状部125によって形成されていてもよい。細流路102については後述する。
【0032】
気泡発生器100では、例えば、本体135は略円柱材料を切り出すことによって製作される。なお、管状部125の形状は、略円筒状であることに限定されない。また、板状部115および底部105の形状は、略円柱状であることに限定されない。
【0033】
主流路101は、管状部125の下方に配置された板状部115の内側にも形成されている。図1(B)に示すように、主流路101の下端には障壁面145が配置されている。主流路101において障壁面145の位置は、入口140の位置と反対側である。障壁面145は、主流路101を流通する流体の流れを遮る。障壁面145は、底部105の一面の一部である。障壁面145は、底部105の上面の一部によって平面状に形成されている。
【0034】
本体135には、細流路102と拡大流路103とが形成されている。細流路102と拡大流路103とは、主流路101を流れる流体を流通させる。細流路102は、主流路101を流通する流体を流入させる入口121を有している。入口121は、管状部125または板状部115の内面の一部に形成された孔である。管状部125または板状部115に形成された入口121により、主流路101と細流路102との間に縁104が形成されている。縁104は管状部125または板状部115の一部である。
【0035】
一方、板状部115の外面の一部には他の孔が形成されている。この孔は拡大流路103の出口123である。細流路102と拡大流路103とは、本体135のうち、入口121と出口123との間の空洞の部分である。細流路102と拡大流路103とは、底部105および板状部115の半径方向に沿って延びている。このように、細流路102と拡大流路103とは、気泡発生器100の外部と主流路101との間を連通している。
【0036】
気泡発生器100では、細流路102の入口121を構成する内周壁面151の下側は、障壁面145と略同一の高さに配置されている。図1(B)に示すように、入口121の下端の位置と、障壁面145を形成する底部105の上面の一部の位置とは、上下方向に関して略同一である。細流路102の入口121から拡大流路103の接続口122までの横断面積の大きさは、略一定である。また、細流路102の入口121から接続口122までの横断面積は、主流路101の横断面積よりも小さい。
【0037】
拡大流路103は、拡大流路103の横断面積が接続口122から出口123に向かって次第に大きくなるように形成されている。拡大流路103の入口としての接続口122は、細流路102の下流端である。つまり、細流路102の出口は、拡大流路103の接続口122と一致している。細流路102の出口は、細流路102を流通する流体を拡大流路103に流出させるものである。細流路102と拡大流路103との間は、連続するように接続されている。このように、拡大流路103は、接続口122と出口123とを有している。
【0038】
気泡発生器100では、主流路101の長さ方向に沿った方向の拡大流路103の寸法、つまり拡大流路103の上下方向の寸法は、接続口122から出口123まで次第に拡大している。また、図1(A)に示すように、本体135の円周方向に沿った方向の拡大流路103の寸法は、接続口122から出口123まで次第に拡大している。一方、細流路102の上下方向の寸法は、入口121から拡大流路103の接続口122まで略一定である。
【0039】
細流路102は、入口121から接続口122までの距離を有している。入口121から接続口122までの距離は、例えば、後述するように気泡発生器100がキャビテーション発生を効率よく発生させることが可能な程度の流路長である。細流路102の流路長つまり入口121から接続口122までの距離は、例えば、管状部125の略円筒状の部分の厚さよりも大きい。また、入口121から接続口122までの距離は、例えば、拡大流路103の接続口122から出口123までの距離と略同一である。また、入口121から接続口122までの距離は、例えば、主流路101の直径(これは管状部125の内径)よりも小さく、且つ、細流路102の断面の高さもしくは幅または細流路102の断面の直径よりも大きい。
【0040】
細流路102と拡大流路103とは、図1(B)の左方から右方に向かって延びている。上記に述べたように、主流路101は、図1(B)の上方から下方に向かって延びている。つまり、管状部125の内面は、図1(B)の上方から下方に向かって延びている。一方、板状部115の内面および底部105の内面は、図1(B)の左方から右方に向かって延びている。主流路101と細流路102とは、細流路102を流通する流体の流れ方向が主流路101を流通する流体の流れ方向から略90度変更されるように入口121を介して接続されている。主流路101を降下する流体の一部は、障壁面145に衝突する。
【0041】
主流路101を上方から下方に向かって流通する流体は、細流路102に流入する際に、流れ方向を略90度変更される。また、主流路101を降下する流体は、主流路101から細流路102に流入する際に、縁104を通過する。主流路101を流通する流体が縁104を通過するときには、縁104にて流れがせん断される。そのため、縁104よりも下流側つまり細流路102にて、流れの剥離が生じる。この剥離により、細流路102にて局所渦が発生する。細流路102を流通する流体は、拡大流路103を通過した後に、出口123から本体135の外部に排出される。
【0042】
ポンプの出力等と主流路101の横断面積と細流路102の横断面積と拡大流路103の横断面積とが調整されることにより、細流路102において負圧が発生する。このとき、縁104よりも下流側にて生じる流れの剥離により、底部105の内側または板状部115の内側の壁面近傍にて局所的に渦が発生する。
【0043】
その渦の内部はさらに負圧であるため、底部105の内側または板状部115の内側の壁面近傍にて局所的に発生するキャビテーションの核は、細流路102の負圧によって発達して細流路102全体に空洞が発生する。この空洞が周囲の圧力等によって分裂することにより、キャビテーションが発生する。
【0044】
気泡発生器100と異なり、縁に該当する構成を有していない単なるノズルには、流路から絞りの部分を流通する流体は比較的円滑に流れるため、流体が流通する経路に負圧が生じる速度まで流速を加速させる必要がある。そのためには、例えばホンプの動力を増大させることが必要である。しかしながら、気泡発生器100では、主流路101と細流路102との間の縁104によって渦流を比較的容易に発生させることができるため、ポンプの動力をある程度抑制することができる。このように、気泡発生器100では、ポンプの動力を比較的抑制しながらキャビテーションを発生させることが可能である。
【0045】
キャビテーションの発生により、流体は気液混合液として細流路102を流通する。細流路102を流通する流体は、気体の圧縮性の性質を有するため、流れの作用等によって若干圧縮される。しかし、流体の圧力は、拡大流路103の断面積が接続口122から広がっていることにより、圧縮された状態から一気に開放される。このとき、流体の速度が加速される。このような加速現象は、通常の液体とは異なる空気等の圧縮性流体において顕著に現れる。
【0046】
ところで、気体中の音速は300m/秒程度であり、液体中の音速は1000m/秒程度であるように、いずれもかなり速い音速であることが知られている。しかしながら、気体と液体とが混合された場合には、その両者に境界が発生するため、気液混合液中の音速は気体中のものと空気中のものとに比べて著しく低下する。気液混合液中の音速は、例えば10m/秒〜30m/秒程度であることが知られている。したがって、キャビテーションの発生によって細流路102を流通する流体に気体が存在する場合に、拡大流路103での流体の速度が加速されるときには、拡大流路103を流通する気液混合液の流速が音速(10m/秒〜30m/秒)を超える。
【0047】
拡大流路103を流通する流体の流速が音速を超える場合は、流体中に衝撃波もしくは圧力波と呼ばれる圧力の壁が形成される。流体のうちのキャビテーションによって気化した流体(つまり気体)の部分がこの圧力の壁に衝突することにより、気体部分が一気に細分化される。また、この細分化の時に、衝撃波もしくは圧力波が先の圧力波等の近傍に局所的に発生する。これら波の干渉等によって気体部分の細分化がさらに進展することにより、流体中に微細気泡が発生する。
【0048】
このように、気泡発生器100は、ポンプの動力を比較的抑制しながらキャビテーションを発生させることができ、さらに、発生するキャビテーションを利用して流体を気液混合化することができる。また、気泡発生器100は、流体を剥離させる縁104よりも下流側にて発生する衝撃波もしくは圧力波により、キャビテーションによって気化した気体部分を細分化することができる。したがって、気泡発生器100は、ポンプの動力を比較的抑制しながら効率よく微細気泡を発生させることが可能である。
【0049】
以上のように、気泡発生器100は、本体135を備えている。本体135には、流体を流通させる主流路101、細流路102、および拡大流路103が形成されている。主流路101は、流体を流入させる入口140を有している。細流路102は、主流路101を流通する流体を流入させる入口121と、その流体を流出させる出口とを有している。拡大流路103は、細流路102の出口に接続された接続口122と、接続口122と反対側に配置された出口123とを有している。また、拡大流路103は、拡大流路103の横断面積が接続口122から出口123に向かって次第に大きくなるように形成されている。細流路102の出口は、拡大流路103の接続口122と一致している。主流路101と細流路102とは、細流路102を流通する流体の流れ方向が主流路101を流通する流体の流れ方向から略90度変更されるように細流路102の入口121を介して接続されている。細流路102の横断面積は、主流路101の横断面積よりも小さく且つ略一定である。
【0050】
気泡発生器100によれば、主流路101を流通する流体は、細流路102の入口121に達する。入口121の横断面積が主流路101の横断面積に比べて小さいため、流体の速度は、主流路101から細流路102に流入する際に加速される。また、主流路101と細流路102との間では、主流路101を流通する流体の流れ方向が略90度変更される。このとき、主流路101から細流路102を流通する流体の流れは、細流路102の入口121と主流路101との間の縁104にてせん断される。そのため、縁104よりも下流側つまり細流路102にて、流れの剥離が生じ、局所渦が発生する。この局所渦の中心部は負圧であるため、この負圧に基づいて細流路102を流通する流体にキャビテーションが発生する。
【0051】
一方、入口121を含む細流路102の横断面積は主流路101の横断面積に比べて小さく且つ略一定である。また、略一定の横断面積を有する細流路102は、細流路102の入口121から接続口122までの距離を有している。そのため、気泡発生器100によれば、細流路102の入口121の近傍にて得られる比較的大きな流速が細流路102の入口121よりも下流側にて減速することを抑制することができる。つまり、細流路102においては、細流路102を流通する流体中に、渦の中心部の負圧に基づいてキャビテーションが効果的に発生する。したがって、気泡発生器100は、キャビテーションを効果的に発生させることができる。
【0052】
気泡発生器100では、主流路101と細流路102との間に形成された縁104によって局所渦を発生させることができる。また、細流路102が略一定の横断面積を有し且つ入口121から接続口122までの距離を有していることにより、細流路102において当該渦を十分に成長させることができる。そのため、気泡発生器100では、ポンプの動力を増大させる必要がなく、比較的低い動力でキャビテーションを発生させることができる。
【0053】
(第2実施形態)
図2(A)および(B)に第2実施形態に係る気泡発生器200を示す。図2(A)および(B)に示すように、気泡発生器200は、本体235を備えている。本体235は、管状部225と板状部215と底部205とを有している。主流路201は、管状部225の下方に配置された板状部215の内側と、管状部225の内側とに形成されている。主流路201は、流体を流入させる入口240を有している。図2(B)に示すように、主流路201の下端には障壁面245が配置されている。
【0054】
本体235には、細流路202と拡大流路203とが形成されている。細流路202は、主流路201を流通する流体を流入させる入口221を有している。入口221は、管状部225または板状部215の内面の一部に形成された孔である。入口221により、主流路201との細流路202との間に縁204が形成されている。一方、板状部215の外面の一部には拡大流路203の出口223が形成されている。細流路202と拡大流路203との間は、連続するように接続されている。細流路202の下流端は、拡大流路203の接続口222である。
【0055】
図2(B)に示すように、細流路202の入口221を構成する内周壁面251の下側は、障壁面245と略同一の高さに配置されている。入口221の下端の位置と、障壁面245を形成する底部205の上面の一部の位置とは、上下方向に関して略同一である。
【0056】
気泡発生器200が第1実施形態の気泡発生器100と異なる点は、気泡発生器200では、主流路201の長さ方向に沿った方向の拡大流路203の寸法、つまり拡大流路203の上下方向の寸法は、接続口222から出口223まで略一定である。気泡発生器200のその他の構成は、第1実施形態に係る気泡発生器100と同様である。気泡発生器200のその他の構成についての説明は省略する。
【0057】
以上のように、気泡発生器200によれば、上下方向での細流路202の寸法と拡大流路203の寸法とは、細流路202の入口221から拡大流路203の出口223まで略一定である。そのため、気泡発生器200の上下方向の寸法が拡大することを抑制することができる。すなわち、気泡発生器200のコンパクト化を図ることができる。
【0058】
(第3実施形態)
図3(A)および(B)に第3実施形態に係る気泡発生器300を示す。図3(A)および(B)に示すように、気泡発生器300は、本体335を備えている。本体335は、管状部325と板状部315と底部305とを有している。管状部325の下方に配置された板状部315の内側と、管状部325の内側とには、主流路301が形成されている。主流路301は、入口340を有している。図3(B)に示すように、主流路301の下端には障壁面345が配置されている。
【0059】
細流路302は入口321を有している。板状部315の外面の一部には拡大流路303の出口323が形成されている。細流路302の下流端は、拡大流路303の接続口322である。
【0060】
気泡発生器300が第2実施形態の気泡発生器200と異なる点は、気泡発生器300では、細流路302の入口321を構成する内周壁面351が障壁面345よりも主流路301の入口340の側に配置されている。
【0061】
図3(B)に示すように、障壁面345は、入口321の下端よりも下方に配置されている。入口321により、主流路301と細流路302との間に縁314と縁324とが形成されている。縁314は入口321の上側の部分のことであり、縁324は入口321の下側の部分である。また、縁314は管状部325または板状部315の一部であり、縁324は底部305の一部である。
【0062】
主流路301を降下する流体は、主流路301から細流路302に流入する際に、縁314および縁324を通過する。主流路301を流通する流体が縁314および縁324を通過するときには、縁314および縁324にて流れがせん断される。
【0063】
気泡発生器300のその他の構成は、第2実施形態に係る気泡発生器200と同様である。気泡発生器300のその他の構成についての説明は省略する。
【0064】
以上のように、気泡発生器300では、主流路301を流通する流体の流れを遮る障壁面345が、主流路301に配置されている。障壁面345は、主流路301の入口340が配置された位置と反対側に配置されている。細流路302の入口321を構成する内周壁面351は、障壁面345よりも入口340の側に配置されている。
【0065】
気泡発生器300によれば、主流路301を流れる流体の流れをせん断する縁314と縁324とが、入口321の上側と下側とに形成されている。このように、縁314と縁324とにより、主流路301を流れる流体の流れをせん断する縁を拡大させることができる。そのため、細流路302を流通する流体中に、キャビテーションをより確実に発生させることができる。
【0066】
(第4実施形態)
図4(A)および(B)に第4実施形態に係る気泡発生器400を示す。図4(A)および(B)に示すように、気泡発生器400は、本体435を備えている。本体435は、管状部425と板状部415と底部405とを有している。管状部425の下方に配置された板状部415の内側と、管状部425の内側とには、主流路401が形成されている。主流路401は、入口440を有している。図4(B)に示すように、主流路401の下端には障壁面445が配置されている。
【0067】
気泡発生器400が第3実施形態の気泡発生器300と異なる点は、気泡発生器400の本体435には、複数の細流路402と複数の拡大流路403とが形成されている。複数の細流路402はそれぞれ入口421を有している。板状部415の外面の一部には複数の拡大流路403の出口423がそれぞれ形成されている。各細流路402の下流端は、各拡大流路403の接続口422である。
【0068】
図4(B)に示すように、障壁面445は、各入口421の下端よりも下方に配置されている。複数の入口421により、主流路401と細流路402との間に複数の縁414と複数の縁424とが形成されている。各縁414は各入口421の上側の部分のことであり、各縁424は各入口421の下側の部分である。
【0069】
気泡発生器400では、細流路402の数量と拡大流路403の数量とがそれぞれ四つである。ただし、これらの数量は、複数であれば特に限定されない。また、各細流路402および拡大流路403の間隔は、本体435の中心を中心とする円の角度方向に関して、90度ごとの等間隔であることに限定されない。なお、細流路402の数量は、拡大流路403の数量と同じ数量である。
【0070】
気泡発生器400では、複数の細流路402の横断面積はそれぞれ同一である。複数の拡大流路403の横断面積はそれぞれ同一である。さらに、複数の入口421の上下方向の位置は、それぞれ略同一である。ただし、各細流路402の横断面積はそれぞれ異なっていてもよい。また、各拡大流路403の横断面積はそれぞれ異なっていてもよい。各拡大流路403の形状はそれぞれ異なっていてもよい。本体435での各入口421の上下方向の位置は、各入口421の下端ごとまたは各入口421の上端ごとにそれぞれ異なっていてもよい。ただし、上述したように、障壁面445は、各入口421の下端よりも下方に配置されている。
【0071】
気泡発生器400のその他の構成は、第3実施形態に係る気泡発生器300と同様である。気泡発生器400のその他の構成についての説明は省略する。
【0072】
気泡発生器400によれば、複数の細流路402によってキャビテーションを発生させることが可能な領域が拡大する。そのため、微細気泡をより多く発生させることができる。気泡発生器400では、四つの細流路402が形成されているため、細流路402が一つである場合に比べて、約四倍の微細気泡を発生させることが可能である。また、所定の横断面積を持つ一つの細流路および拡大流路を有する気泡発生器に比べて、同じ所定の横断面積を持つ四つの細流路402および拡大流路403を有する気泡発生器400では、約四倍の流量を流すことが可能である。このとき、気泡発生器400では、気泡発生器400が備える図示しないポンプの動力と、一つの細流路および拡大流路を有する気泡発生器に備えられたポンプの動力とが同じであるときには、約四倍の流量を流すことが可能である。
【0073】
(第5実施形態)
図5(A)および(B)に第5実施形態に係る気泡発生器500を示す。図5(A)および(B)に示すように、気泡発生器500は、本体535を備えている。本体535は、管状部525と板状部515と底部505とを有している。管状部525の下方に配置された板状部515の内側と、管状部525の内側とには、主流路501が形成されている。図5(B)に示すように、主流路501の下端には障壁面545が配置されている。
【0074】
図5(A)に示すように、本体535には、複数の細流路502と複数の拡大流路503とが形成されている。図5(B)に示すように、複数の細流路502はそれぞれ入口521を有している。板状部515の外面の一部には複数の拡大流路503の出口523がそれぞれ形成されている。各細流路502の下流端は、各拡大流路503の接続口522である。
【0075】
図5(B)に示すように、障壁面545は、各入口521の下端よりも下方に配置されている。複数の入口521により、主流路501と細流路502との間に複数の縁514と複数の縁524とが形成されている。
【0076】
気泡発生器500が第4実施形態の気泡発生器400と異なる点は、管状部525の内側に管状部材506が差し込まれている。管状部材506は、管状部525の内面に相形状を有している。なお、図5(B)に示すように、管状部材506は縁514に至るまで差し込まれておらず、複数の縁514は主流路501に面している。つまり、管状部材506の下端は、各入口521の上端よりも上方に配置されている。主流路501の入口540は、管状部材506に形成されている。
【0077】
なお、管状部材506の内部の流路長つまり管状部材506の上下方向の寸法は、特に限定されない。気泡発生器500に流体を流入させるための流路の長さは、適宜変更することができる。また、管状部材506の形状を適宜選択することにより、気泡発生器500に流体が流入するときに流体が流れる方向を適宜変更することができる。
【0078】
管状部材506が複数の縁514に至るまで差し込まれている場合には、各縁514が管状部材506の外周に覆われるため、キャビテーションが発生しにくくなる。したがって、管状部材506を管状部525の内側に差し込む場合には、管状部材506の下端が各縁514よりも上方に配置されるように差し込むことが望ましい。
【0079】
気泡発生器500のその他の構成は、第4実施形態に係る気泡発生器400と同様である。気泡発生器500のその他の構成についての説明は省略する。
【0080】
(第6実施形態)
図6(A)および(B)に第6実施形態に係る気泡発生器600を示す。図6(A)および(B)に示すように、気泡発生器600は、本体635を備えている。本体635は、管状部625と板状部615と底部605とを有している。管状部625の下方に配置された板状部615の内側と、管状部625の内側とには、主流路601が形成されている。主流路601は、入口640を有している。図6(B)に示すように、主流路601の下端には障壁面645が配置されている。
【0081】
図6(A)および(B)に示すように、本体635には、複数の細流路602と複数の拡大流路603とが形成されている。複数の細流路602はそれぞれ入口621を有している。板状部615の外面の一部には複数の拡大流路603の出口623がそれぞれ形成されている。各細流路602の下流端は、各拡大流路603の接続口622である。
【0082】
障壁面645は、各入口621の下端よりも下方に配置されている。複数の入口621により、主流路601と細流路602との間に複数の縁614と複数の縁624とが形成されている。
【0083】
図6(B)に示すように、気泡発生器600が第4実施形態の気泡発生器400と異なる点は、本体635が上部650と下部660とに分割されるものである。つまり、本体635は、上部650と下部660とを有している。下部660は、上部650よりも下流側に配置されている。
【0084】
管状部625と板状部615とは、それぞれ上部650の一部である。底部605は下部660によって形成されている。上部650は略円筒状の形状を有している。板状部615は、上部650のうちの管状部625から半径方向にフランジ状に突出した部分である。下部660は略円柱状の形状を有している。なお、上部650の半径方向の寸法と、下部660の半径方向の寸法とは、略同一である。
【0085】
底部605の接合面としての上面661には、複数の溝が形成されている。一方、上部650のうちの板状部615は、接合面としての下面651を有している。板状部615の下面651は、底部605の上面661に接合する。上部650と下部660とが接合されたときは、溝によって複数の細流路602と複数の拡大流路603とが構成される。
【0086】
板状部615の下面651は、細流路602の一部を形成している。また、板状部615の下面651は、拡大流路603の一部を形成している。管状部625の内側壁面は、主流路601の一部を形成している。管状部625の内側壁面は、第1主流路部分の一例である。板状部615の下面651は、第1細流路部分の一例であって第1拡大流路部分の一例である。このように、上部650は、主流路601の一部を形成する第1主流路部分と、細流路602の一部を形成する第1細流路部分と、拡大流路603の一部を形成する第1拡大流路部分とを含んでいる。
【0087】
一方、下部660は、主流路601の他の一部を形成する第2主流路部分と、細流路602の他の一部を形成する第2細流路部分と、拡大流路603の他の一部を形成する第2拡大流路部分とを含んでいる。障壁面645と底部605の内側壁面とは、主流路601の他の一部を形成している。障壁面645と底部605の内側壁面とは、第2主流路部分の一例である。底部605の上面661は、細流路602の他の一部を形成している。底部605の上面661は、第2細流路部分の一例である。また、底部605の上面661は、拡大流路603の他の一部を形成している。底部605の上面661は、第2拡大流路部分の一例である。
【0088】
板状部615の下面651と底部605の上面661とは、それぞれ平面である。ただし、板状部615の下面651の形状と底部605の上面661の形状とは、上部650と下部660とが接合されるものであれば、特に限定されない。
【0089】
なお、本体635は、上部650と下部660との他にさらに他の部分を有していてもよい。また、本体635において、上部650が一の部分とその他の部分とに分割されるものであってもよく、下部660が一の部分とその他の部分とに分割されるものであってもよい。
【0090】
なお、上部650の下面651に溝が形成されていてもよい。また、上部650の板状部615の下面651と、下部660の底部605の上面661とにそれぞれ溝が形成されていてもよい。
【0091】
なお、気泡発生器600は、第5実施形態の気泡発生器500のように、管状部625の内側に管状部材(図示せず)が差し込まれているものであってもよい。また、気泡発生器600は、第1実施形態の気泡発生器100のように、拡大流路603の上下方向の寸法が接続口622から出口623まで次第に拡大しているものであってもよい。このとき、底部605の上面661に加えて、上部650の板状部615の下面651に溝が形成されていてもよい。
【0092】
気泡発生器600のその他の構成は、第4実施形態に係る気泡発生器400と同様である。気泡発生器600のその他の構成についての説明は省略する。
【0093】
以上のように、気泡発生器600は、細流路602と拡大流路603と主流路601とを構成する本体635を備えている。本体635は、上部650と、上部650に接合される下部660とを有している。上部650は、主流路601の一部を形成する管状部625の内側壁面と、細流路602の一部および拡大流路603の一部を形成する板状部615の下面651とを含んでいる。一方、下部660は、主流路601の他の一部を形成する底部605の内側壁面および障壁面645と、細流路602の他の一部および拡大流路603の他の一部を形成する底部605の上面661とを含んでいる。
【0094】
この構成によれば、上部650と下部660とをそれぞれ個別に製造または形成することにより、本体635および気泡発生器600を製造することが可能である。また、上部650と下部660とをそれぞれ個別に製造または形成することができるため、上部650の板状部615の下面651と下部660の底部605の上面661とを容易に加工することができる。
【0095】
下部660は、底部605の上面661に溝を有している。上部650と下部660とをそれぞれ個別に製造または形成することができるため、溝を有する下部660の加工に関して、射出成形等の成形品として下部660および底部605を容易に製作することができる。もしくは、既製材料に面加工を施したうえで溝を切削することによって、下部660および底部605を容易に製作することができる。
【0096】
一方、上部650の板状部615の下面651が平面である場合には、例えば柱材料を単に切り出すことによって上部650を製作することができ、上部650および気泡発生器600の加工費を抑制することができる。また、上部650の板状部615の下面651が平面である場合には、細流路602および拡大流路603を形成させるための位置合わせが容易であるため、本体635および気泡発生器600の製造時の組み立て時間を短縮することができる。そのため、比較的安価に本体635および気泡発生器600を製造することができる。
【0097】
(第7実施形態)
図7(A)および(B)に第7実施形態に係る気泡発生器700を示す。図7(A)および(B)に示すように、気泡発生器700は、本体735を備えている。本体735は、管状部725と板状部715と底部705とを有している。管状部725の下方に配置された板状部715の内側と、管状部725の内側とには、主流路701が形成されている。主流路701は、入口740を有している。図7(B)に示すように、主流路701の下端には障壁面745が配置されている。
【0098】
図7(A)および(B)に示すように、本体735には、複数の細流路702と複数の拡大流路703とが形成されている。複数の細流路702はそれぞれ入口721を有している。板状部715の外面の一部には複数の拡大流路703の出口723がそれぞれ形成されている。各細流路702の下流端は、各拡大流路703の接続口722である。細流路702と拡大流路703とは、上部750と下部760とが接合されたときに、底部705の上面761に形成された溝によって構成される。
【0099】
障壁面745は、各入口721の下端よりも下方に配置されている。複数の入口721により、主流路701と細流路702との間に複数の縁714と複数の縁724とが形成されている。
【0100】
気泡発生器700が第6実施形態の気泡発生器600と異なる点は、気泡発生器700では、複数の連通路710が上部750に形成されている。気泡発生器700では、細流路702および拡大流路703の数量と連通路710の数量とは同一の数量である。
【0101】
連通路710は、板状部715の下面751のうちの溝を囲む部分と本体735の外部とを連通する。これにより、連通路710は、細流路702と本体735の外部とを連通する。なお、連通路710は、下部760に形成されていてもよい。この場合において、連通路710は、底部705の上面661のうちの溝を囲む部分と本体735の外部とを連通する。また、この場合において、溝は、板状部715の下面751に形成されていてもよく、底部705の上面761に形成されていてもよい。
【0102】
各連通路710は、各細流路702と本体735の外部とを連通する。連通路710は、管状部725の上面に形成された開口711と、板状部715の下面751に形成された開口712との間を上下方向に延びている。連通路710が延びる方向は、管状部725が延びる方向と略平行であってもよく、鉛直方向から傾斜していてもよい。ただし、少なくとも開口712は、上部750と下部760とが接合されているときに細流路702の上方に配置されている。
【0103】
縁714および縁724よりも下流側つまり細流路702では、流れの剥離が生じることによって局所渦が発生する。この局所渦の中心部は負圧であるため、細流路702を流通する流体に負圧が発生する。そのため、本体735の外部に存在する気体が、連通路710を通って、細流路702を流通する流体に吸い込まれる。このように、気泡発生器700は、連通路710を介して、本体735の外部の気体を細流路702に供給することができる。したがって、気泡発生器700は、発生するキャビテーションと自給する気体とを利用して、細流路702を流通する流体を気液混合化することができ、また、細流路702を流通する流体に微細気泡を発生させることができる。
【0104】
気泡発生器700のその他の構成は、第6実施形態に係る気泡発生器600と同様である。気泡発生器700のその他の構成についての説明は省略する。なお、実施形態1〜5に係る各気泡発生器100、200,300,400,500において、それぞれの本体135,235,335,435,535とその本体の外部とを連通する連通路が形成されていてもよい。
【0105】
以上のように、気泡発生器700では、上部750に連通路710が形成されている。連通路710は、細流路702と本体735の外部とを連通する。
【0106】
この構成によれば、気泡発生器700の外部から細流路702に気体を導入することができる。そのため、細流路702を流通する流体中に、より多量の微細気泡を発生させることができる。
【0107】
(第8実施形態)
図8(A)および(B)に第8実施形態に係る気泡発生器800を示す。図8(A)および(B)に示すように、本体835には、複数の細流路802と複数の拡大流路803とが形成されている。複数の細流路802はそれぞれ入口821を有している。板状部815の外面の一部には複数の拡大流路803の出口823がそれぞれ形成されている。各細流路802の下流端は、各拡大流路803の接続口822である。細流路802と拡大流路803とは、底部805の上面861に形成された溝によって構成される。
【0108】
障壁面845は、各入口821の下端よりも下方に配置されている。複数の入口821により、主流路801と細流路802との間に複数の縁814と複数の縁824とが形成されている。主流路801は、入口840を有している。
【0109】
気泡発生器800が第7実施形態の気泡発生器700と異なる点は、気泡発生器800では、細流路802の上方に円環溝808が配置されている。円環溝808は、上部850のうちの板状部815の下面851に形成されている。円環溝808の形状は、例えば管状部825の断面形状と相似である。上部850と下部860とが接合されているときには、板状部815の下面851と底部805の上面861との間に、円環溝808によって空間が形成される。上部850と下部860とが接合されているときには、この空間と細流路802とが接続される。
【0110】
気泡発生器800では、少なくとも一つの連通路810が上部850に形成されている。連通路810は、円環溝808によって形成される空間と、本体835の外部との間を連通する。連通路810は、管状部825に形成される開口811と、円環溝808の上方に形成される開口812との間にて上下方向に延びている。連通路810が延びる方向は、管状部825が延びる方向と略平行であってもよく、鉛直方向から傾斜していてもよい。また、開口811と開口812とは、上部850と下部860とが接合されているときに、細流路802の上方に配置されるものに限定されない。
【0111】
なお、連通路810は、下部860に形成されていてもよい。ただし、連通路810は、上部850と下部860とのうち、円環溝808が形成されている方に形成されている。円環溝808は、上部850と下部860とのうち、細流路802および拡大流路803を構成する溝が形成されていない方に形成されている。気泡発生器800では、上述のように、上部850に円環溝808および連通路810が形成され、溝は底部805の上面861つまり下部860に形成されている。
【0112】
気泡発生器800のその他の構成は、第7実施形態に係る気泡発生器700と同様である。気泡発生器800のその他の構成についての説明は省略する。
【0113】
気泡発生器800によれば、上部850と下部860とが接合される際に、円環溝808によって形成される空間を介して、細流路802と本体835の外部とが、円環溝808と連通路810とによって容易に連通される。特に板状部815の下面851と底部805の上面861とが平面である場合には、上部850の中心と下部860の中心とを合致させることによって、上部850と下部860とを容易に接合することができる。すなわち、気泡発生器800によれば、本体835を製作するときの利便性の向上が図られている。また、上部850に円環溝808が形成されていることにより、細流路802および拡大流路803としての溝の数量または溝の位置にあまり依存せずに、細流路802と本体835の外部とを容易に連通させることができる。そのため、上部850の形状を決定する際の自由度を広げることができる。
【0114】
(第9実施形態)
図9(A)および(B)に第9実施形態に係る気泡発生器900を示す。図9(A)および(B)に示すように、本体935には、複数の細流路902と複数の拡大流路903とが形成されている。複数の細流路902はそれぞれ入口921を有している。板状部915の外面の一部には複数の拡大流路903の出口923がそれぞれ形成されている。各細流路902の下流端は、各拡大流路903の接続口922である。細流路902と拡大流路903とは、上部950と下部960とが接合されたときに、底部905の上面961に形成された溝によって構成される。
【0115】
障壁面945は、各入口921の下端よりも下方に配置されている。複数の入口921により、主流路901と細流路902との間に複数の縁914と複数の縁924とが形成されている。主流路901は、入口940を有している。
【0116】
上部950と下部960とが接合されているときには、板状部915の下面951と底部905の上面961との間に、円環溝908によって空間が形成される。上部950と下部960とが接合されているときには、この空間と細流路902とが接続される。
【0117】
気泡発生器900では、少なくとも一つの連通路910が上部950に形成されている。連通路910は、円環溝908によって形成される空間と、本体935の外部との間を連通する。連通路910は、管状部925に形成される開口911と、円環溝908の上方に形成される開口912との間にて上下方向に延びている。
【0118】
気泡発生器900が第8実施形態の気泡発生器800と異なる点は、各拡大流路903が延びる方向が、各細流路902が延びる方向と異なっている。図9(B)に示すように、各拡大流路903は、本体935の半径方向から傾斜した方向に延びている。このような構成により、細流路902から拡大流路903を通過して本体935の外部に排出される流体は、本体935の外側にて本体935の円周方向に流れることができる。
【0119】
なお、所定の拡大流路903が延びる方向と、その拡大流路903と接続する細流路902が延びる方向とが成す角度は、四つの細流路902および拡大流路903において、四つすべてが同一であってもよく、いずれか一つが他のものと異なっていてもよい。ただし、図9(A)に示すように、四つの細流路902および拡大流路903において、各拡大流路903が延びる方向は、本体935の半径方向から反時計回りの方向に向かって傾斜している。
【0120】
気泡発生器900のその他の構成は、第8実施形態に係る気泡発生器800と同様である。気泡発生器900のその他の構成についての説明は省略する。
【0121】
(第10実施形態)
図10に、第10実施形態に係る気泡発生器1000および気泡発生器1000を備えた浄水装置1100を示す。図10に示すように、浄水装置1100は、第1の気泡発生器としての気泡発生器1000とフィルタケーシング1110を備えている。フィルタケーシング1110は、天井部と底部とを有し、略円筒状の形状を有している。気泡発生器1000は、フィルタケーシング1110の内部のうちの下部に配置されている。
【0122】
気泡発生器1000は、例えば第9実施形態に係る気泡発生器900の構成と同様の構成を有するものである。ただし、気泡発生器1000は、第9実施形態に係る気泡発生器900と異なり、上下方向に関して本体1035の上部1050が下方に配置され且つ下部1060が上方に配置されている。このように、気泡発生器1000は、第9実施形態に係る気泡発生器900と異なり、主流路1001を流通する流体が気泡発生器1000の下方から上方に向かって流通するように構成されている。
【0123】
また、上部1050の管状部1025の内側には、管状部材1006が差し込まれている。流体は、管状部材1006を介して気泡発生器1000の内部に流入する。管状部材1006は縁1014に至るまで差し込まれておらず、複数の縁1014は主流路1001に面している。主流路1001と細流路1002との間には、複数の縁1014と複数の縁1024とが形成されている。
【0124】
さらに、気泡発生器1000では、管状部1025にパイプ1013が接続されることにより、パイプ1013の内部と上部1050の内部との間に連通路1010が形成されている。連通路1010は、円環溝1008によって形成される空間と、本体1035の外部およびフィルタケーシング1110の外部との間を連通する。連通路1010は、パイプ1013の開口1011と、円環溝1008の下方に形成される開口1012との間にて上下方向に延びている。なお、パイプ1013の管状部1025への取付の態様は、特に限定されない。また、パイプ1013は管状部1025の一部であってもよい。
【0125】
フィルタケーシング1110の内部のうち、気泡発生器1000の上方には、フィルタ1020が配置されている。また、フィルタケーシング1110の外側には、第1の排出管1130と、第2の排出管1140とが接続されている。フィルタケーシング1110の内部は、壁1150によって空間1151と空間1152とに区画されている。第1の排出管1130は、空間1151の流体をフィルタケーシング1110の外部に排出する。第2の排出管1140は、空間1152の流体をフィルタケーシング1110の外部に排出する。
【0126】
管状部材1006の内部を通って気泡発生器1000およびフィルタケーシング1110の内部に流入した液体のうち、フィルタ1020によって濾過された浄水は、第1の排出管1130からフィルタケーシング1110の外部に排出される。このとき、第2の排出管1140よりも下流側に配置された図示しない弁が閉じられ、また第1の排出管1130よりも下流側に配置された図示しない他の弁が開かれている。一方、管状部材1006の内部を通って気泡発生器1000およびフィルタケーシング1110の内部に流入した液体のうち、フィルタ1020を洗浄する場合に使用される水は、第2の排出管1140からフィルタケーシング1110の外部に排出される。このとき、第2の排出管1140よりも下流側に配置された図示しない弁が開かれ、また第1の排出管1130よりも下流側に配置された図示しない他の弁が閉じられている。
【0127】
主流路1001を下方から上方に向かって流通する流体は、細流路1002に流入する際に、流れ方向を略90度変更される。また、主流路1001を下方から上方に向かって流通する流体は、主流路1001から細流路1002に流入する際に、縁1014および縁1024を通過する。細流路1002を流通する流体は、拡大流路1003を通過した後に、出口(図示せず)から空間1152に排出される。このとき、細流路1002では負圧が発生する。
【0128】
連通路1010は、円環溝1008によって形成される空間と、本体1035の外部およびフィルタケーシング1110の外部との間を連通する。気泡発生器1000は、フィルタケーシング1110の外部の気体を連通路1010と円環溝1008とを介して細流路1002に供給することができる。
【0129】
また、各拡大流路1003が本体1035の半径方向から傾斜した方向に延びていることにより、各細流路1002から各拡大流路1003を通過して本体1035の外部に排出される流体は、本体1035の外部にて本体1035の円周に沿って流れることができる。そのため、気泡発生器1000からフィルタケーシング1110の空間1152に流出した流体は、フィルタケーシング1110の内面に沿って旋回するように、下方から上方に向かって空間1152を流れる。フィルタ1020を洗浄する際には、この流れによってフィルタ1020に付着等した物質を効果的に剥離させることができる。
【0130】
このような気泡発生器1000に係る各拡大流路1003の構成により、流体を流通させるパイプ等をフィルタケーシング1110の筒状の部分に接続させること無く、気泡発生器1000の内部から空間1152に流出する流体をフィルタケーシング1110の内面に沿って旋回させることができる。フィルタケーシング1110の内面に沿って旋回させるような流体の流れを作り出すために、パイプ等がフィルタケーシング1110の筒状の部分に接続されている場合には、当該パイプを流通する流体の作用に起因して、例えば当該パイプの根元に亀裂が入るおそれがある。よって、空間1152に流出する流体をフィルタケーシング1110の内面に沿って旋回させるためには、気泡発生器1000のように構成されていることが好ましい。
【0131】
なお、気泡発生器1000は、主流路1001を流通する流体が気泡発生器1000の上方から下方に向かって流通するように構成されていてもよい。このときには、管状部材1006または管状部材1006に接続した他の管状部材が、フィルタケーシング1110の天井部の上方から管状部1025まで延びている。
【0132】
浄水装置1100では、第1の気泡発生器としての気泡発生器1000およびフィルタケーシング1110の上流側に、第2の気泡発生器としての気泡発生器1160が配置されている。気泡発生器1160は、気体導入路1161を備えている。気泡発生器1160は、気体導入路1161を介して気泡発生器1160の外部の気体を内部に供給することができる。また、上述のように、気泡発生器1000では、フィルタケーシング1110の外部の気体が本体1035の内部に供給されるため、微細気泡をより多く発生させることが可能である。
【0133】
また、気泡発生器1160よりも下流側且つ気泡発生器1000よりも上流側には、気液分離器1170が配置されている。気泡発生器1160には、水道の圧力または図示しないポンプの圧力によって流体が上流側から供給される。気液分離器1170の気体側の流路は、気泡発生器1160の気体導入路1161に接続されている。気泡発生器1160では、気体側の流路が閉ループであることにより、当該圧力の一部を気体に負荷することが可能である。これにより、気泡発生器1160と気液分離器1170との間において、ヘンリー則にしたがってより効果的に液体に気体を溶解させることが可能である。
【0134】
一方、気泡発生器1000では、キャビテーションが発生すること且つ本体1035が連通路1010を介して若干量(液量の1/100〜1/10)の気体を内部に自給することにより、気泡発生器1160で溶解させた気体をより低圧で液体に析出させることができる。そのため、より多くの微細気泡を発生させることが可能である。
【0135】
なお、図10に示す気泡発生器1160から気泡発生器1000の管状部材1006までの気泡発生器1160と気液分離器1170との位置は、流体が上流側から下流側に向かって流れるときのそれぞれの配置の順を単に示すものであり、フィルタケーシング1110の上下方向とは無関係である。
【0136】
(第11実施形態)
図11に、浄水装置1200を示す。図11に示すように、浄水装置1200は、気泡発生器1000を備えている。浄水装置1200では、気泡発生器1000は、水槽1214に収容されている。
【0137】
気液分離器1170の気体側の流路は、オゾン発生器1213を介して気泡発生器1160の気体導入路1161に接続されている。浄水装置1200では、気泡発生器1000にて発生する微細気泡と、オゾン発生器1213にて発生するオゾンとを利用して、水槽1214の内部にて例えば果物や野菜等を洗うことができる。なお、気泡発生器1000の体積に対する水槽1214の容積は、特に限定されない。
【0138】
また、図11に示す気泡発生器1160から気泡発生器1000の管状部材1006までの気泡発生器1160と気液分離器1170とオゾン発生器1213との位置は、流体が上流側から下流側に向かって流れるときのそれぞれの配置の順を単に示すものであり、フィルタケーシング1110の上下方向とは無関係である。
【0139】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0140】
100,200,300,400,500,600,700,800,900,1000:気泡発生器、101:主流路、102:細流路、103:拡大流路、121:入口、122:接続口、123:出口、135:本体、145:障壁面、650:上部、651:下面、660:下部、661:上面、710:連通路、1100,1200:浄水装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を流通させる主流路、細流路、および拡大流路を備え、
前記主流路は、流体を流入させる入口を有し、
前記細流路は、前記主流路を流通する流体を流入させる入口と、その流体を流出させる出口と、を有し、
前記拡大流路は、前記細流路の前記出口に接続された接続口と、前記接続口と反対側に配置された出口と、を有し、且つ、前記拡大流路の横断面積が前記接続口から前記出口に向かって次第に大きくなるように形成され、
前記主流路と前記細流路とは、前記細流路を流通する流体の流れ方向が前記主流路を流通する流体の流れ方向から略90度変更されるように前記細流路の前記入口を介して接続され、
前記細流路の横断面積は、前記主流路の横断面積よりも小さく且つ略一定である、
気泡発生器。
【請求項2】
前記細流路の寸法と前記拡大流路の寸法とのうち、前記主流路の長さ方向に沿った方向の寸法は、前記細流路の前記入口から前記拡大流路の前記出口まで略一定である、
請求項1に記載の気泡発生器。
【請求項3】
前記主流路には、流体の流れを遮る障壁面が配置され、
前記障壁面は、前記主流路の前記入口が配置される位置と反対側に配置され、
前記細流路の前記入口を構成する内周壁面は、前記障壁面よりも前記主流路の前記入口側に配置されている、
請求項1または請求項2に記載の気泡発生器。
【請求項4】
当該気泡発生器は、第1半体部と、前記第1半体部に接合される第2半体部と、を備え、
前記第1半体部は、前記主流路の一部を形成する第1主流路部分と、前記細流路の一部を形成する第1細流路部分と、前記拡大流路の一部を形成する第1拡大流路部分と、を含み、
前記第2半体部は、前記主流路の他の一部を形成する第2主流路部分と、前記細流路の他の一部を形成する第2細流路部分と、前記拡大流路の他の一部を形成する第2拡大流路部分と、を含んでいる、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の気泡発生器。
【請求項5】
前記第1半体部は、前記第2半体部に接合される平面状の接合面を有している、
請求項4に記載の気泡発生器。
【請求項6】
前記第1半体部または前記第2半体部には、前記細流路と当該気泡発生器の外部とを連通する連通路が形成されている、
請求項4または請求項5に記載の気泡発生器。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の気泡発生器を備えた、浄水装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−157843(P2012−157843A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21067(P2011−21067)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】