気泡発生浴槽
【発明の詳細な説明】
(イ) 産業上の利用分野 本発明は、気泡発生浴槽に関するものである。
(ロ) 従来の技術 従来、気泡発生浴槽の基本形態として、特開昭59−135058号公報に記載されているように、浴槽本体と同浴槽本体の外部に設置した循環ポンプとの間に、浴湯吸込パイプと浴湯強送パイプとよりなる浴湯循環流路を介設し、浴湯強送パイプの中途に空気取入部を設けたものがある。
かかる構成により、浴槽本体内の浴湯を循環ポンプにより浴湯吸込パイプ中を通して吸込むと共に、同循環ポンプにより浴湯を浴湯強送パイプ中を通して同パイプの吐出部より浴槽本体内へ噴出させるようにしており、この際、噴出する浴湯には、空気取入部より浴湯噴出による負圧を利用して吸入した空気を混合させて、気泡混じりの浴湯にして噴出させることができるようにしている。
そして、ノズルから噴出する浴湯の圧力を検出するために、浴湯強送パイプに第11図で示すような圧力スイッチ(s)を配設して、同パイプ(a)中の圧力をダイヤフラム(b)で受け、同ダイヤフラム(b)の変位を板バネ(c)に伝達し、同板バネ(c)の先端に設けた可動接点(d)と、固定接点(e)との接離により浴湯強送パイプ(a)中の圧力と設定圧力とを比較するようにしている。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 ところが、上記スイッチ(s)からの出力は、浴湯強送パイプ(a)中の圧力が設定圧力とクロスしたときだけON・OFFする2値出力であるため、浴湯の噴出圧と、浴槽本体内の水位による圧力との両方を識別して検出することができず、そのため、浴湯の噴出圧を検出する圧力センサと、浴槽本体内の水位を検出する圧力センサと2個の圧力センサを要し、構造が複雑になり、コスト上不利であった。
また、上記スイッチ(s)には可動及び固定接点(d)(e)の腐蝕又は焼損による接触不良、接点開閉動作のヒステリシス、板バネ(c)のへたり等の問題点があり、その為に、検出圧力にバラツキが発生し、寿命が短いという欠点があった。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は、浴槽本体と同浴槽本体の外部に設置した循環ポンプとの間に、養頭吸込流路と浴湯強送流路とからなる浴湯循環流路を介設し、同浴湯強送流路に空気取入部を連通連結し、気泡混じりの浴湯を浴槽本体内へ噴出可能に構成した気泡発生浴槽において、上記浴湯強送流路に圧力検出センサを配設し、同圧力検出センサは、浴湯の圧力による受圧手段の変位により変形して、その変形量に略リニアに対応して電気抵抗値が変化する加圧導電性ゴムを具備することを特徴とする気泡発生浴槽に係るものである。
(ホ) 実施例 以下本発明に係る気泡発生浴槽を添付図面に基づいて詳説する。
まず、本発明に係る気泡発生浴槽の全体的構成について説明する。
第1図及び第2図に示す(A)は、本発明に係る気泡発生浴槽であり、同気泡発生浴槽(A)は、上面開口の箱型に形成した浴槽本体(1)の前後壁及び左右側壁に、それぞれ足側・背側・腹側噴出ノズル(2)(2)(3)(3)(4)(4)を合計六個設けている。
そして、同浴槽本体(1)は、周縁に一定幅の鍔状の縁部(1a)を形成し、同縁部(1a)に空気取入部(5)を設け、左右側壁の略中央部に、横断面略V字状の縦長凹部(1b)(1b)を形成し、同凹部(1b)(1b)の後壁(背側)に面する側の傾斜面(1′b)に、上記腹側噴出ノズル(4)(4)を後壁の中央部に向けて取付けている。
また、かかる気泡発生浴槽(A)の外部にはポンプ保護ケース(9)を配設しており、同ケース(9)内には、浴湯を循環させる循環ポンプ(P)と、同ポンプ(P)により循環される浴湯を濾過する濾過機(43)と、同ポンプ(P)を駆動させるポンプ駆動用モーター(M)と、同モーター(M)や後述するノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)、気泡量調節用弁体駆動用モーター(M2)及び電動三方弁(45)の駆動を制御する制御部(C)とを設けている。
また、上記循環ポンプ(P)と気泡発生浴槽(A)との間には、浴湯循環流路(D)を介在させている。
すなわち、浴湯循環流路(D)は、気泡発生浴槽(A)から循環ポンプ(P)へ浴湯を送るための浴湯吸込パイプ(10)と、同循環ポンプ(P)から、同浴槽(A)へ浴湯を送るための浴湯強送パイプ(11)とより構成している。
そして、同浴湯吸込パイプ(10)は、浴槽本体(1)の下部に一端を開口し、循環ポンプ(P)の吸水口に他端を連通して同循環ポンプ(P)に浴湯を吸込むようにする一方、浴湯強送パイプ(11)は、循環パイプ(P)の吐水口に一端を連通し、前記噴出ノズル(2)(3)(4)にそれぞれ他端を連通連結している。
また、第1図中、(7)は電源に接続したコンセント、(30b)は後述するリモートコントローラ(30)から発信される赤外線を受信する赤外線受信センサ、(30c)は同赤外線受信センサに設けた受信表示ランプである。
また、循環ポンプ(P)には、第3図に示すように、同循環ポンプ(P)の回転数を検出する回転数検出センサ(6)を取付け、同センサ(6)からの検出結果を、後述する制御部(C)に送り、同制御部(C)により、循環ポンプ(P)の回転数を制御するようにしている。
また、浴湯強送パイプ(11)の中途部に、第4図に示すように、同パイプ(11)内の浴湯圧力を検出する圧力検出センサ(48)を取付け、同センサ(48)からの検出結果を、後述する制御部(C)に入力し、同制御部(C)により各噴出ノズル(2)(3)(4)から噴出される浴湯の噴出圧を検出すると共に、浴槽本体(1)内の水位を検出するようにしている。
圧力検出センサ(48)は、第4図に示すように、センサケース(48a)中に受圧手段としてのダイヤフラム(48b)を張設し、同ダイヤフラム(48b)の一面を浴湯強送パイプ(11)に連通させて同パイプ(11)中の圧力を受圧させ、他面にプランジャ(48c)を連結し、押圧体(48d)を介し、ダイヤフラム(48b)の変位を加圧導電性ゴム(48e)に伝達するようにしている。
なお、押圧体(48d)はスプリング(48f)で付勢されており、その為に、ダイヤフラム(48b)は、上記圧力とスプリング(48f)の付勢力とが釣合う点まで変位することになる。なお、(48g)は調整ネジである。
加圧導電性ゴム(48e)は、周知の構成のものであって、同ゴム(48e)の変形量に略リニアに対応して電気抵抗値が変化するように構成されており、したがって、加圧導電性ゴム(48e)に電極を取付けて、各電極間の抵抗値を検出することで、浴湯強送パイプ(11)内の圧力を検出することができる。
特に、加圧導電性ゴム(48e)の変形量と電気抵抗値とが略リニアに対応していることから、上記電極の出力をAD変換して、後述の制御部(C)に入力することにより、極めて多くの段階(実用上、連続量と見なすことができる程度)に上記圧力を検知することができ、浴湯の噴出圧と浴槽本体(1)内の水位の両方を検出することができるようになる。
すなわち、圧力検出センサ(48)には、循環ポンプ(P)の吐出圧力に、浴槽本体(1)中の浴湯の水位による圧力を加えた圧力が掛かっており、吐出圧力は、循環ポンプ(P)の回転速度と後述する噴出ノズル(2)(3)(4)の弁開度とで定まるものであり、両者とも制御部(C)で制御されていることから、圧力検出センサ(48)を検出した圧力から上記のようにして定まる吐出圧力を差し引いた圧力、すなわちヘッドが浴槽本体(1)中の水位になる。
噴出ノズル(2)(3)(4)は、それぞれ浴湯の噴出量及び噴出圧を変更可能に構成した自動可変噴出ノズルを使用しており、各噴出ノズル(2)(3)(4)は同一構成であるから、足側噴出ノズル(2)を例にとり、第5図を参照して説明する。
足側噴出ノズル(2)は、浴槽本体(1)の足側噴出ノズル接続口(1g)に連通連結した筒状のノズル本体(20)と、同ノズル本体(20)内の前部に嵌入した弁座形成筒体(21)と、同弁座形成筒体(21)の後部に形成した弁座(21a)に後方より接離する噴出量調節用弁体(22)と、同噴出量調節用弁体(22)を着脱自在に支持しかつ進退作動させるノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)と、上記弁座形成筒体(21)の前方に首振り自在に支持させたスロート(24)とで構成されている。
ノズル本体(20)は、前端部外周面にガスケット(1h)を介して螺着した取付ネジ(1i)により浴槽本体(1)の壁面に着脱自在に固定されており、同ノズル本体(20)の中央部周壁に、一端を前記空気取入部(5)に連通連結した吸気パイプ(12)の他端を連通連結し、ノズル本体(20)の後部周壁には、浴湯強送パイプ(11)を連通連結している。
また、ノズル本体(20)の前端縁には、前部を外側方に折返した筒状の化粧カバー(26)を嵌入装着している。
弁座形成筒体(21)は、ノズル本体(20)の内部において後端面を前記強送パイプ連結部(20c)の近傍に位置させている。
また、弁座形成筒体(21)の前部内周面に、略凹状球面のスロート支持面(21c)を形成して、基部の外周面を球面状に形成したスロート(24)を首振り自在に嵌着している。(25)はスロート固定部材である。
弁座形成筒体(21)の後端部中央には、弁座(21a)を形成し、同弁座(21a)に噴出量調節用弁体(22)を接離させて、同噴出量調節用弁体(22)より浴湯流通路(27)の開閉量(噴出量と噴出圧を調節する)を調節可能に構成している。
ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)は、ノズル本体(20)の後壁(20g)に取付けられており、モーターケーシング(28)内に設けたコイル(23a)と永久磁石を配設したアーマチュア(23b)とで、ステッピング動作を行うように構成されており、同モーター(M1)の回転軸を中空軸に形成し、その内部にボールスクリュー(23c)を構成して、同モーター(M1)の回転運動を軸方向の直線運動に変換し、弁体支持ロッド(23d)を介して、噴出量調節用弁体(22)をを進退作動させるようにしている。
(23g)は上記弁体支持ロッド(23d)がボールスクリュー(23c)とつれまわりするのを防止する回転規制片、(22e)は噴出量調節用弁体(22)の後端周縁に、同弁体(22)と一体形成したポイテトラフルオロエチレン又はナイロン11等の合成樹脂素材よりなる蛇腹状の防水カバーである。
更に、ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)には、弁体支持ロッド(23d)の後端に取付けたマグネット(23j)とホール素子(23i)よりなる弁体基準位置検出センサ(23f)を配設しており、弁体支持ロッド(23d)の進退作動に応じて変化するホール素子(23i)を通過する磁束密度の変化を電気的変化に変換して制御部(C)に入力し、噴出量調節用弁体(22)の開閉量を検出するようにしている。
次に、空気取入部(5)について説明する。
空気取入部(5)は、第6図、第7図に示すように、浴槽本体(1)の縁部(1a)に空気取入部取付口(1f)を開口して上面開口の矩形箱型の空気取入部本体(80)を嵌入し、同空気取入部本体(80)の上面開口部を蓋体(82)により被覆し、同蓋体(82)の外側にのみ形成された空気取入口(82a)を介して外気と空気取入部本体(80)内とを連通させている。
そして、空気取入部本体(80)の底面中央部には、吸気パイプ連結部(83)を設けて、同連結部(83)の前後壁にそれぞれ吸気パイプ(12)(12)の一端を連通連結し、空気取入部本体(80)内に取入れた空気を、各吸気パイプ(12)(12)を介して各噴出ノズル(2)(3)(4)へ供給するようにしている。
また、空気取入部本体(80)内には、プラスチック多孔質焼結体(例えば、ポリエチレン焼結体、ポリプロピレン焼結体)等の吸音機能と空気清浄機能とを具備する吸音材により円筒状に形成されたサイレンサ(92)を複数個配設している。
吸気パイプ連結部(83)内には、同連結部(83)と取入部本体(80)との連通部(86)を開閉するための気泡量調節弁(87)を設けており、同気泡量調節弁(87)は、上端縁を取入部本体(80)の底部に連通開口した円筒状の弁本体(88)と、同弁本体(88)に取付けた前記ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)と同一構成の気泡量調節用弁体駆動用モーター(M2)と、同モーター(M2)に取付けた弁体支持ロッド(89)と、同ロッド(89)の先端に取付けられ、弁本体(88)と上端縁に形成した弁座(88b)に接離自在とした弁体(90)とで構成されている。
上記気泡量調節用弁体駆動用モーター(M2)には、前記弁体基準位置検出センサ(23f)と同一構成の弁位置検出センサ(91)を配設している。
第6図中、(84)はリアクタンス形のサイレンサ、(85)は吸気パイプ(12)中に浴湯が逆流するのを防止するための逆止弁である。
次に、循環ポンプ(P)について説明する。
循環ポンプ(P)は、第8図に示すように、ポンプケーシング(32)内に、上段インペラー室(33)と下段インペラー室(34)とを、相互に連通流路(32d)を介し連通させて形成し、下段インペラー室(34)を、ポンプケーシング(32)の下部一側に設けた浴湯吸込路(32a)を介して浴湯吸込パイプ(10)と連通させると共に、ポンプケーシング(32)の下部他側に設けた浴湯強送路(32b)を介して浴湯強送パイプ(11)と連通させ、上段インペラー室(33)の一側に設けた濾過強送部(32c)を介して、後述する濾過機(43)の引込みパイプ(41)の一端と連通させている。(32e)は吸水口、(32f)は下段吐水口、(32g)は上段吐水口、(z1)は循環流れ方向、(z2)は濾過流れ方向を示している。
そして、上下段インペラー室(33)(34)内の中央部を上下に貫通する状態にインペラー軸(35)を軸架し、同インペラー軸(35)に上段インペラー(33a)と下段インペラー(34a)とをそれぞれ上下段インペラー室(33)(34)内で同軸的に取付け、インペラー軸(35)をポンプケーシング(32)上に一体的かつ水密状態に載設したポンプ駆動用モーター(M)の駆動軸(39)に連動連設している。
ポンプ駆動用モーター(M)は、インバータ制御の全閉外扇型誘導モータであり、駆動軸(39)に制御部(C)と接続した回転数検出センサ(6)を配設している。
(36)はインペラー軸(35)に取付けたシール材である。
かかる構成により、上下段インペラー(33a)(34a)を回転させると、浴湯は浴湯吸込パイプ(10)→吸水口(32e)→浴湯吸込路(32a)→下段インペラー室(34)→浴湯強送路(32b)→下段吐水口(32f)→浴湯強送パイプ(11)を経て浴槽本体(1)内に強送される。
また、循環ポンプ(P)の上段インペラー室(33)には、第9図に示すように、引込みパイプ(41)と戻しパイプ(42)を介して濾過機(43)を連通連結しており、上段インペラー室(33)の上段吐水口(32g)に連通連結した引込みパイプ(41)中を通して、下段インペラー室(34)内に吸込んだ浴湯の一部を濾過機(43)に送り、同濾過機(43)により濾過した浴湯を戻しパイプ(42)中を通して浴湯強送パイプ(11)中へ送り、下段インペラー室(34)の下段吐水口(32f)より浴湯強送パイプ(11)中へ強送される浴湯に合流させるようにしている。
なお、(39a)はアーマチュア、(39b)はフイールドコイル、(39c)は冷却用ファンである。
次に、濾過機の構成について説明する。
濾過機(43)は、第9図に示すように、濾過機本体(43a)内下部にアクリルメッシュ(43b)を張設し、同メッシュ(43b)上に粒状の濾過材(43c)を載置して、浴湯を濾過機本体(43a)の上方より下方へ向けて濾過材(43c)中を通過させることにより、浴湯を濾過することができるようにしている。(43d)は浴湯濾過時に粒状の濾過材(43c)の上面が洗堀されるのを防止すると共に、後述する逆流洗浄時に粒状の濾過材(43c)が流出するのを防止するためのバッフルである。
かかる濾過機本体(43a)の上端に引込みパイプ(41)の一端を連通連結し、同濾過機本体(43a)の下端に戻しパイプ(42)の一端を連通連結し、引込みパイプ(41)の中途部に、電動三方弁(45)を設けて、同電動三方弁(45)の一端に排水パイプ(46)を接続し、電動三方弁(45)を介して引込みパイプ(41)と排水パイプ(46)とを連通可能にしている。
そして、電動三方弁(45)を、排水パイプ(46)が閉塞し、かつ、引込みパイプ(41)が流通する状態にセットしたとき浴湯の一部は、前記循環ポンプ(P)の下段インペラー室(34)→連通流路(32d)→上段インペラー室(33)→濾過強送路(32c)→上段吐水口(32g)→引込みパイプ(41)を経由して濾過機(43)に送られて濾過され、戻しパイプ(42)を通って、浴湯強送パイプ(11)を経て浴槽本体(1)内に強送される浴湯に合流する。
また、電動三方弁(45)を切換えて、上流側の引込みパイプ(41)を閉塞し、かつ、上流側の引込みパイプ(41)と排水パイプ(46)とを連通状態とした時には、浴湯強送パイプ(11)中の浴湯の一部が戻しパイプ(42)中を通り、濾過機本体(43a)の下方から上方へ向って濾過材(43c)中を通過し、同濾過材(43c)の逆流洗浄を行なうことができるようにしている。
なお、上記電動三方弁(45)の切換操作は、後述するリモートコントローラ(30)により行なうことができるようにしている。
次に制御部(C)について説明する。
制御部(C)は、第3図に示すように、マイクロプロセッサ(MPU)と、入出力インターフェース(50)(51)と、ROMとRAMとからなるメモリ(52)と、タイマー(53)とで構成されている。
入力インターフェース(50)には、前記の回転数検出センサ(6)、弁体基準位置検出センサ(23f)、弁位置検出センサ(91)、浴湯強送パイプ(11)内の水圧を検出する圧力センサ(48)、赤外線受信センサ(30b)、浴槽本体(1)内の浴湯の温度を検出する浴湯温度検出センサ(T)を接続している。
出力インターフェース(51)には、インバータ(I)、ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)、気泡量調節用弁体駆動用モーター(M2)、及び電動三方弁(45)を接続している。
また、メモリ(52)には、上記した各センサからの出力信号や、リモートコントローラ(30)からの信号に基づいて、各モーター(M)(M1)(M2)及び電動三方弁(45)等の駆動部を制御するための制御プログラムを記憶させている。
特に、循環ポンプ(P)回転数の制御は、交流電源(S)の周波数を、制御部(C)で制御されたインバータ(I)により周波数変換してポンプ駆動用モーター(M)に供給することによって行なうようにしている。
次に、制御部(C)と使用者とを仲介するためのリモートコントローラ(30)について説明する。
リモートコントローラ(30)は、第10図に示すように、ON・OFFスイッチ(60)と、お好み噴流モードスイッチであるマイルドブロースイッチ(61)、指圧ブロースイッチ(62)、パルスブロースイッチ(63)、マッサージブロースイッチ(64)ウェーブブロースイッチ(65)及びエアパルスブロースイッチ(79)と、気泡量増大・減少スイッチ(66)(67)と、浴湯噴出強弱側スイッチ(68)(69)と、周期増大減少スイッチ(70)(71)と、お好み噴出ノズル使用パターンの切替スイッチである噴出ノズル全部使用パターンスイッチ(72)、循環使用パターンスイッチ(73)、背側噴出ノズル使用パターンスイッチ(74)、足側噴出ノズル使用パターンスイッチ(75)、及び腹側噴出ノズル使用パターンスイッチ(76)と、濾過機洗浄スイッチ(77)とを配設している。
そして、ON・OFFスイッチ(60)をONすることにより、制御部(C)が起動する。
また、(78)は電源ランプ、(60a)は運転表示ランプ、(61a)(62a)(63a)(64a)(65a)(79a)は各モードスイッチ表示ランプ、(66a)(67a)は気泡量設定ランプ、(68a)(69a)は浴湯噴出強弱設定ランプ、(70a)(71a)は浴湯噴出周期設定ランプ、(72a)(73a)(74a)(75a)(76a)は噴出ノズル使用パターン設定ランプ、及び(77a)は濾過機洗浄スイッチ表示ランプである。
また、かかるリモートコントローラ(30)は、第10図に示すように、前端部に赤外線照射部(30a)を具備し、各スイッチ操作により、あらかじめ設定したマルチフリケンシートーンモジュレーションシステム(MFTM)にもとづき、各スイッチの操作に応じて変調された赤外線信号が赤外線照射部(30a)から発信され、同赤外線が浴室内に設置した赤外線受信センサ(30b)(第1図参照)により受信され、制御部(C)の入力インターフェース(50)に送られて、メモリ(52)から読み出された制御プログラムに基づいて所望の駆動装置を駆動するようにしている。
しかも、上記リモートコントローラ(30)は、浴湯面に浮上可能に構成し、入浴者が入浴状態で操作できるようにしている。
また、赤外線受信センサ(30b)と空気取入部(5)とを一体的に構成することもできる。
上記構成により、気泡発生浴槽(A)は、浴湯面上で操作可能のリモートコントローラ(30)によって、制御部(C)を介し循環ポンプ(P)の回転数、各噴出ノズル(2)(3)(4)に設けた噴出量調節用弁体(22)の開閉量と開閉速度、及び空気取入部(5)に設けた気泡量調節弁(5d)の開閉量と開閉速度の調節、電動三方弁(45)の切替作動を行なうことができ、上記循環ポンプ(P)の回転数の調節、噴出量調節用弁体(22)の開閉量と開閉速度の調節、及び気泡量調節弁(5d)の開閉量と開閉速度の調節、及びこれらの組合せにより、各噴出ノズルから噴出する浴湯の噴出量、噴出圧、混入する気泡量に差異を設けた6種類の噴流モード(マイルドブロー、指圧ブロー、パルスブロー、マッサージブロー、ウェーブブロー及びエアパルスブロー)を設定することができ、各噴流モードをリモートコントローラ(30)に設けたお好み噴流モードスイッチ(61)〜(65)のON・OFF操作により選択することができるようにしている。
しかも、各モードについて、気泡量増大・減少スイッチ(66)(67)と、浴湯噴出強・弱側スイッチ(68)(69)と、周期増大・減少スイッチ(70)(71)とをそれぞれON・OFF操作することにより、気泡量の増減調節と、噴出浴湯の強弱調節と、噴出浴湯の周期の増減調節を行なうことができるようにしている。
さらに、お好み噴出ノズル使用パターンへの各切替スイッチ(72)〜(76)をON・OFF操作することにより、上記噴流モードを適用する6個の噴出ノズルの使用パターンを選択することができるようにしている。
また、濾過機洗浄スイッチ(77)をON・OFF操作することにより、電動三方弁(45)を切換作動させて、濾過機(43)の逆流洗浄をすることができるようにしている。
(ヘ) 効果 本発明によれば、以下のような効果が生起される。
すなわち、循環ポンプと浴槽本体間の浴湯強送流路に設けた圧力検出センサを、変形量に応じて電気抵抗値が変化する加圧導電性ゴムで構成したことによって、極めて多くの段階(実用上、連続量と見なすことができる程度)に上記圧力を検知することができ、したがって、圧力検出センサを検出した圧力から吐出圧力を差し引いて、浴槽本体中の浴湯のヘッドを算出するという演算を行うことが可能になり、1個の圧力検出センサで、浴湯の噴出圧力と、浴槽本体の浴湯水位の両方を検出することができるようになり、構造が簡単になり、コスト上有利になる。
また、圧力検出センサが無接点となるため、従来のスイッチ型圧力センサでは不可避であった接点腐蝕、接点開閉のヒステリシス、板バネのへたり等の不具合原因が無くなり、寿命が長く、正確かつ安定した圧力検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による気泡発生浴槽の斜視図。
第2図は、同気泡発生浴槽の平面図。
第3図は、同気泡発生浴槽の概念的構成説明図。
第4図は、圧力検出センサ断面説明図。
第5図は、噴出ノズルの拡大断面図。
第6図は、吸気パイプの配管図。
第7図は、空気取入部の拡大断面。
第8図は、ポンプ駆動用モーターと循環ポンプの一部切欠正面図。
第9図は、濾過機の断面図。
第10図は、リモートコントローラの平面図。
第11図は、従来の圧力スイッチの断面説明図。
(A):気泡発生浴槽
(P):循環ポンプ
(C):制御部
(D):浴湯循環流路
(1):浴槽本体
(2):足側噴出ノズル
(3):背側噴出ノズル
(4):腹側噴出ノズル
(10):浴湯吸込パイプ
(11):浴湯強送パイプ
(48):圧力検出センサ
(48e):加圧導電性ゴム
(イ) 産業上の利用分野 本発明は、気泡発生浴槽に関するものである。
(ロ) 従来の技術 従来、気泡発生浴槽の基本形態として、特開昭59−135058号公報に記載されているように、浴槽本体と同浴槽本体の外部に設置した循環ポンプとの間に、浴湯吸込パイプと浴湯強送パイプとよりなる浴湯循環流路を介設し、浴湯強送パイプの中途に空気取入部を設けたものがある。
かかる構成により、浴槽本体内の浴湯を循環ポンプにより浴湯吸込パイプ中を通して吸込むと共に、同循環ポンプにより浴湯を浴湯強送パイプ中を通して同パイプの吐出部より浴槽本体内へ噴出させるようにしており、この際、噴出する浴湯には、空気取入部より浴湯噴出による負圧を利用して吸入した空気を混合させて、気泡混じりの浴湯にして噴出させることができるようにしている。
そして、ノズルから噴出する浴湯の圧力を検出するために、浴湯強送パイプに第11図で示すような圧力スイッチ(s)を配設して、同パイプ(a)中の圧力をダイヤフラム(b)で受け、同ダイヤフラム(b)の変位を板バネ(c)に伝達し、同板バネ(c)の先端に設けた可動接点(d)と、固定接点(e)との接離により浴湯強送パイプ(a)中の圧力と設定圧力とを比較するようにしている。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 ところが、上記スイッチ(s)からの出力は、浴湯強送パイプ(a)中の圧力が設定圧力とクロスしたときだけON・OFFする2値出力であるため、浴湯の噴出圧と、浴槽本体内の水位による圧力との両方を識別して検出することができず、そのため、浴湯の噴出圧を検出する圧力センサと、浴槽本体内の水位を検出する圧力センサと2個の圧力センサを要し、構造が複雑になり、コスト上不利であった。
また、上記スイッチ(s)には可動及び固定接点(d)(e)の腐蝕又は焼損による接触不良、接点開閉動作のヒステリシス、板バネ(c)のへたり等の問題点があり、その為に、検出圧力にバラツキが発生し、寿命が短いという欠点があった。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は、浴槽本体と同浴槽本体の外部に設置した循環ポンプとの間に、養頭吸込流路と浴湯強送流路とからなる浴湯循環流路を介設し、同浴湯強送流路に空気取入部を連通連結し、気泡混じりの浴湯を浴槽本体内へ噴出可能に構成した気泡発生浴槽において、上記浴湯強送流路に圧力検出センサを配設し、同圧力検出センサは、浴湯の圧力による受圧手段の変位により変形して、その変形量に略リニアに対応して電気抵抗値が変化する加圧導電性ゴムを具備することを特徴とする気泡発生浴槽に係るものである。
(ホ) 実施例 以下本発明に係る気泡発生浴槽を添付図面に基づいて詳説する。
まず、本発明に係る気泡発生浴槽の全体的構成について説明する。
第1図及び第2図に示す(A)は、本発明に係る気泡発生浴槽であり、同気泡発生浴槽(A)は、上面開口の箱型に形成した浴槽本体(1)の前後壁及び左右側壁に、それぞれ足側・背側・腹側噴出ノズル(2)(2)(3)(3)(4)(4)を合計六個設けている。
そして、同浴槽本体(1)は、周縁に一定幅の鍔状の縁部(1a)を形成し、同縁部(1a)に空気取入部(5)を設け、左右側壁の略中央部に、横断面略V字状の縦長凹部(1b)(1b)を形成し、同凹部(1b)(1b)の後壁(背側)に面する側の傾斜面(1′b)に、上記腹側噴出ノズル(4)(4)を後壁の中央部に向けて取付けている。
また、かかる気泡発生浴槽(A)の外部にはポンプ保護ケース(9)を配設しており、同ケース(9)内には、浴湯を循環させる循環ポンプ(P)と、同ポンプ(P)により循環される浴湯を濾過する濾過機(43)と、同ポンプ(P)を駆動させるポンプ駆動用モーター(M)と、同モーター(M)や後述するノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)、気泡量調節用弁体駆動用モーター(M2)及び電動三方弁(45)の駆動を制御する制御部(C)とを設けている。
また、上記循環ポンプ(P)と気泡発生浴槽(A)との間には、浴湯循環流路(D)を介在させている。
すなわち、浴湯循環流路(D)は、気泡発生浴槽(A)から循環ポンプ(P)へ浴湯を送るための浴湯吸込パイプ(10)と、同循環ポンプ(P)から、同浴槽(A)へ浴湯を送るための浴湯強送パイプ(11)とより構成している。
そして、同浴湯吸込パイプ(10)は、浴槽本体(1)の下部に一端を開口し、循環ポンプ(P)の吸水口に他端を連通して同循環ポンプ(P)に浴湯を吸込むようにする一方、浴湯強送パイプ(11)は、循環パイプ(P)の吐水口に一端を連通し、前記噴出ノズル(2)(3)(4)にそれぞれ他端を連通連結している。
また、第1図中、(7)は電源に接続したコンセント、(30b)は後述するリモートコントローラ(30)から発信される赤外線を受信する赤外線受信センサ、(30c)は同赤外線受信センサに設けた受信表示ランプである。
また、循環ポンプ(P)には、第3図に示すように、同循環ポンプ(P)の回転数を検出する回転数検出センサ(6)を取付け、同センサ(6)からの検出結果を、後述する制御部(C)に送り、同制御部(C)により、循環ポンプ(P)の回転数を制御するようにしている。
また、浴湯強送パイプ(11)の中途部に、第4図に示すように、同パイプ(11)内の浴湯圧力を検出する圧力検出センサ(48)を取付け、同センサ(48)からの検出結果を、後述する制御部(C)に入力し、同制御部(C)により各噴出ノズル(2)(3)(4)から噴出される浴湯の噴出圧を検出すると共に、浴槽本体(1)内の水位を検出するようにしている。
圧力検出センサ(48)は、第4図に示すように、センサケース(48a)中に受圧手段としてのダイヤフラム(48b)を張設し、同ダイヤフラム(48b)の一面を浴湯強送パイプ(11)に連通させて同パイプ(11)中の圧力を受圧させ、他面にプランジャ(48c)を連結し、押圧体(48d)を介し、ダイヤフラム(48b)の変位を加圧導電性ゴム(48e)に伝達するようにしている。
なお、押圧体(48d)はスプリング(48f)で付勢されており、その為に、ダイヤフラム(48b)は、上記圧力とスプリング(48f)の付勢力とが釣合う点まで変位することになる。なお、(48g)は調整ネジである。
加圧導電性ゴム(48e)は、周知の構成のものであって、同ゴム(48e)の変形量に略リニアに対応して電気抵抗値が変化するように構成されており、したがって、加圧導電性ゴム(48e)に電極を取付けて、各電極間の抵抗値を検出することで、浴湯強送パイプ(11)内の圧力を検出することができる。
特に、加圧導電性ゴム(48e)の変形量と電気抵抗値とが略リニアに対応していることから、上記電極の出力をAD変換して、後述の制御部(C)に入力することにより、極めて多くの段階(実用上、連続量と見なすことができる程度)に上記圧力を検知することができ、浴湯の噴出圧と浴槽本体(1)内の水位の両方を検出することができるようになる。
すなわち、圧力検出センサ(48)には、循環ポンプ(P)の吐出圧力に、浴槽本体(1)中の浴湯の水位による圧力を加えた圧力が掛かっており、吐出圧力は、循環ポンプ(P)の回転速度と後述する噴出ノズル(2)(3)(4)の弁開度とで定まるものであり、両者とも制御部(C)で制御されていることから、圧力検出センサ(48)を検出した圧力から上記のようにして定まる吐出圧力を差し引いた圧力、すなわちヘッドが浴槽本体(1)中の水位になる。
噴出ノズル(2)(3)(4)は、それぞれ浴湯の噴出量及び噴出圧を変更可能に構成した自動可変噴出ノズルを使用しており、各噴出ノズル(2)(3)(4)は同一構成であるから、足側噴出ノズル(2)を例にとり、第5図を参照して説明する。
足側噴出ノズル(2)は、浴槽本体(1)の足側噴出ノズル接続口(1g)に連通連結した筒状のノズル本体(20)と、同ノズル本体(20)内の前部に嵌入した弁座形成筒体(21)と、同弁座形成筒体(21)の後部に形成した弁座(21a)に後方より接離する噴出量調節用弁体(22)と、同噴出量調節用弁体(22)を着脱自在に支持しかつ進退作動させるノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)と、上記弁座形成筒体(21)の前方に首振り自在に支持させたスロート(24)とで構成されている。
ノズル本体(20)は、前端部外周面にガスケット(1h)を介して螺着した取付ネジ(1i)により浴槽本体(1)の壁面に着脱自在に固定されており、同ノズル本体(20)の中央部周壁に、一端を前記空気取入部(5)に連通連結した吸気パイプ(12)の他端を連通連結し、ノズル本体(20)の後部周壁には、浴湯強送パイプ(11)を連通連結している。
また、ノズル本体(20)の前端縁には、前部を外側方に折返した筒状の化粧カバー(26)を嵌入装着している。
弁座形成筒体(21)は、ノズル本体(20)の内部において後端面を前記強送パイプ連結部(20c)の近傍に位置させている。
また、弁座形成筒体(21)の前部内周面に、略凹状球面のスロート支持面(21c)を形成して、基部の外周面を球面状に形成したスロート(24)を首振り自在に嵌着している。(25)はスロート固定部材である。
弁座形成筒体(21)の後端部中央には、弁座(21a)を形成し、同弁座(21a)に噴出量調節用弁体(22)を接離させて、同噴出量調節用弁体(22)より浴湯流通路(27)の開閉量(噴出量と噴出圧を調節する)を調節可能に構成している。
ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)は、ノズル本体(20)の後壁(20g)に取付けられており、モーターケーシング(28)内に設けたコイル(23a)と永久磁石を配設したアーマチュア(23b)とで、ステッピング動作を行うように構成されており、同モーター(M1)の回転軸を中空軸に形成し、その内部にボールスクリュー(23c)を構成して、同モーター(M1)の回転運動を軸方向の直線運動に変換し、弁体支持ロッド(23d)を介して、噴出量調節用弁体(22)をを進退作動させるようにしている。
(23g)は上記弁体支持ロッド(23d)がボールスクリュー(23c)とつれまわりするのを防止する回転規制片、(22e)は噴出量調節用弁体(22)の後端周縁に、同弁体(22)と一体形成したポイテトラフルオロエチレン又はナイロン11等の合成樹脂素材よりなる蛇腹状の防水カバーである。
更に、ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)には、弁体支持ロッド(23d)の後端に取付けたマグネット(23j)とホール素子(23i)よりなる弁体基準位置検出センサ(23f)を配設しており、弁体支持ロッド(23d)の進退作動に応じて変化するホール素子(23i)を通過する磁束密度の変化を電気的変化に変換して制御部(C)に入力し、噴出量調節用弁体(22)の開閉量を検出するようにしている。
次に、空気取入部(5)について説明する。
空気取入部(5)は、第6図、第7図に示すように、浴槽本体(1)の縁部(1a)に空気取入部取付口(1f)を開口して上面開口の矩形箱型の空気取入部本体(80)を嵌入し、同空気取入部本体(80)の上面開口部を蓋体(82)により被覆し、同蓋体(82)の外側にのみ形成された空気取入口(82a)を介して外気と空気取入部本体(80)内とを連通させている。
そして、空気取入部本体(80)の底面中央部には、吸気パイプ連結部(83)を設けて、同連結部(83)の前後壁にそれぞれ吸気パイプ(12)(12)の一端を連通連結し、空気取入部本体(80)内に取入れた空気を、各吸気パイプ(12)(12)を介して各噴出ノズル(2)(3)(4)へ供給するようにしている。
また、空気取入部本体(80)内には、プラスチック多孔質焼結体(例えば、ポリエチレン焼結体、ポリプロピレン焼結体)等の吸音機能と空気清浄機能とを具備する吸音材により円筒状に形成されたサイレンサ(92)を複数個配設している。
吸気パイプ連結部(83)内には、同連結部(83)と取入部本体(80)との連通部(86)を開閉するための気泡量調節弁(87)を設けており、同気泡量調節弁(87)は、上端縁を取入部本体(80)の底部に連通開口した円筒状の弁本体(88)と、同弁本体(88)に取付けた前記ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)と同一構成の気泡量調節用弁体駆動用モーター(M2)と、同モーター(M2)に取付けた弁体支持ロッド(89)と、同ロッド(89)の先端に取付けられ、弁本体(88)と上端縁に形成した弁座(88b)に接離自在とした弁体(90)とで構成されている。
上記気泡量調節用弁体駆動用モーター(M2)には、前記弁体基準位置検出センサ(23f)と同一構成の弁位置検出センサ(91)を配設している。
第6図中、(84)はリアクタンス形のサイレンサ、(85)は吸気パイプ(12)中に浴湯が逆流するのを防止するための逆止弁である。
次に、循環ポンプ(P)について説明する。
循環ポンプ(P)は、第8図に示すように、ポンプケーシング(32)内に、上段インペラー室(33)と下段インペラー室(34)とを、相互に連通流路(32d)を介し連通させて形成し、下段インペラー室(34)を、ポンプケーシング(32)の下部一側に設けた浴湯吸込路(32a)を介して浴湯吸込パイプ(10)と連通させると共に、ポンプケーシング(32)の下部他側に設けた浴湯強送路(32b)を介して浴湯強送パイプ(11)と連通させ、上段インペラー室(33)の一側に設けた濾過強送部(32c)を介して、後述する濾過機(43)の引込みパイプ(41)の一端と連通させている。(32e)は吸水口、(32f)は下段吐水口、(32g)は上段吐水口、(z1)は循環流れ方向、(z2)は濾過流れ方向を示している。
そして、上下段インペラー室(33)(34)内の中央部を上下に貫通する状態にインペラー軸(35)を軸架し、同インペラー軸(35)に上段インペラー(33a)と下段インペラー(34a)とをそれぞれ上下段インペラー室(33)(34)内で同軸的に取付け、インペラー軸(35)をポンプケーシング(32)上に一体的かつ水密状態に載設したポンプ駆動用モーター(M)の駆動軸(39)に連動連設している。
ポンプ駆動用モーター(M)は、インバータ制御の全閉外扇型誘導モータであり、駆動軸(39)に制御部(C)と接続した回転数検出センサ(6)を配設している。
(36)はインペラー軸(35)に取付けたシール材である。
かかる構成により、上下段インペラー(33a)(34a)を回転させると、浴湯は浴湯吸込パイプ(10)→吸水口(32e)→浴湯吸込路(32a)→下段インペラー室(34)→浴湯強送路(32b)→下段吐水口(32f)→浴湯強送パイプ(11)を経て浴槽本体(1)内に強送される。
また、循環ポンプ(P)の上段インペラー室(33)には、第9図に示すように、引込みパイプ(41)と戻しパイプ(42)を介して濾過機(43)を連通連結しており、上段インペラー室(33)の上段吐水口(32g)に連通連結した引込みパイプ(41)中を通して、下段インペラー室(34)内に吸込んだ浴湯の一部を濾過機(43)に送り、同濾過機(43)により濾過した浴湯を戻しパイプ(42)中を通して浴湯強送パイプ(11)中へ送り、下段インペラー室(34)の下段吐水口(32f)より浴湯強送パイプ(11)中へ強送される浴湯に合流させるようにしている。
なお、(39a)はアーマチュア、(39b)はフイールドコイル、(39c)は冷却用ファンである。
次に、濾過機の構成について説明する。
濾過機(43)は、第9図に示すように、濾過機本体(43a)内下部にアクリルメッシュ(43b)を張設し、同メッシュ(43b)上に粒状の濾過材(43c)を載置して、浴湯を濾過機本体(43a)の上方より下方へ向けて濾過材(43c)中を通過させることにより、浴湯を濾過することができるようにしている。(43d)は浴湯濾過時に粒状の濾過材(43c)の上面が洗堀されるのを防止すると共に、後述する逆流洗浄時に粒状の濾過材(43c)が流出するのを防止するためのバッフルである。
かかる濾過機本体(43a)の上端に引込みパイプ(41)の一端を連通連結し、同濾過機本体(43a)の下端に戻しパイプ(42)の一端を連通連結し、引込みパイプ(41)の中途部に、電動三方弁(45)を設けて、同電動三方弁(45)の一端に排水パイプ(46)を接続し、電動三方弁(45)を介して引込みパイプ(41)と排水パイプ(46)とを連通可能にしている。
そして、電動三方弁(45)を、排水パイプ(46)が閉塞し、かつ、引込みパイプ(41)が流通する状態にセットしたとき浴湯の一部は、前記循環ポンプ(P)の下段インペラー室(34)→連通流路(32d)→上段インペラー室(33)→濾過強送路(32c)→上段吐水口(32g)→引込みパイプ(41)を経由して濾過機(43)に送られて濾過され、戻しパイプ(42)を通って、浴湯強送パイプ(11)を経て浴槽本体(1)内に強送される浴湯に合流する。
また、電動三方弁(45)を切換えて、上流側の引込みパイプ(41)を閉塞し、かつ、上流側の引込みパイプ(41)と排水パイプ(46)とを連通状態とした時には、浴湯強送パイプ(11)中の浴湯の一部が戻しパイプ(42)中を通り、濾過機本体(43a)の下方から上方へ向って濾過材(43c)中を通過し、同濾過材(43c)の逆流洗浄を行なうことができるようにしている。
なお、上記電動三方弁(45)の切換操作は、後述するリモートコントローラ(30)により行なうことができるようにしている。
次に制御部(C)について説明する。
制御部(C)は、第3図に示すように、マイクロプロセッサ(MPU)と、入出力インターフェース(50)(51)と、ROMとRAMとからなるメモリ(52)と、タイマー(53)とで構成されている。
入力インターフェース(50)には、前記の回転数検出センサ(6)、弁体基準位置検出センサ(23f)、弁位置検出センサ(91)、浴湯強送パイプ(11)内の水圧を検出する圧力センサ(48)、赤外線受信センサ(30b)、浴槽本体(1)内の浴湯の温度を検出する浴湯温度検出センサ(T)を接続している。
出力インターフェース(51)には、インバータ(I)、ノズル用弁体進退駆動用モーター(M1)、気泡量調節用弁体駆動用モーター(M2)、及び電動三方弁(45)を接続している。
また、メモリ(52)には、上記した各センサからの出力信号や、リモートコントローラ(30)からの信号に基づいて、各モーター(M)(M1)(M2)及び電動三方弁(45)等の駆動部を制御するための制御プログラムを記憶させている。
特に、循環ポンプ(P)回転数の制御は、交流電源(S)の周波数を、制御部(C)で制御されたインバータ(I)により周波数変換してポンプ駆動用モーター(M)に供給することによって行なうようにしている。
次に、制御部(C)と使用者とを仲介するためのリモートコントローラ(30)について説明する。
リモートコントローラ(30)は、第10図に示すように、ON・OFFスイッチ(60)と、お好み噴流モードスイッチであるマイルドブロースイッチ(61)、指圧ブロースイッチ(62)、パルスブロースイッチ(63)、マッサージブロースイッチ(64)ウェーブブロースイッチ(65)及びエアパルスブロースイッチ(79)と、気泡量増大・減少スイッチ(66)(67)と、浴湯噴出強弱側スイッチ(68)(69)と、周期増大減少スイッチ(70)(71)と、お好み噴出ノズル使用パターンの切替スイッチである噴出ノズル全部使用パターンスイッチ(72)、循環使用パターンスイッチ(73)、背側噴出ノズル使用パターンスイッチ(74)、足側噴出ノズル使用パターンスイッチ(75)、及び腹側噴出ノズル使用パターンスイッチ(76)と、濾過機洗浄スイッチ(77)とを配設している。
そして、ON・OFFスイッチ(60)をONすることにより、制御部(C)が起動する。
また、(78)は電源ランプ、(60a)は運転表示ランプ、(61a)(62a)(63a)(64a)(65a)(79a)は各モードスイッチ表示ランプ、(66a)(67a)は気泡量設定ランプ、(68a)(69a)は浴湯噴出強弱設定ランプ、(70a)(71a)は浴湯噴出周期設定ランプ、(72a)(73a)(74a)(75a)(76a)は噴出ノズル使用パターン設定ランプ、及び(77a)は濾過機洗浄スイッチ表示ランプである。
また、かかるリモートコントローラ(30)は、第10図に示すように、前端部に赤外線照射部(30a)を具備し、各スイッチ操作により、あらかじめ設定したマルチフリケンシートーンモジュレーションシステム(MFTM)にもとづき、各スイッチの操作に応じて変調された赤外線信号が赤外線照射部(30a)から発信され、同赤外線が浴室内に設置した赤外線受信センサ(30b)(第1図参照)により受信され、制御部(C)の入力インターフェース(50)に送られて、メモリ(52)から読み出された制御プログラムに基づいて所望の駆動装置を駆動するようにしている。
しかも、上記リモートコントローラ(30)は、浴湯面に浮上可能に構成し、入浴者が入浴状態で操作できるようにしている。
また、赤外線受信センサ(30b)と空気取入部(5)とを一体的に構成することもできる。
上記構成により、気泡発生浴槽(A)は、浴湯面上で操作可能のリモートコントローラ(30)によって、制御部(C)を介し循環ポンプ(P)の回転数、各噴出ノズル(2)(3)(4)に設けた噴出量調節用弁体(22)の開閉量と開閉速度、及び空気取入部(5)に設けた気泡量調節弁(5d)の開閉量と開閉速度の調節、電動三方弁(45)の切替作動を行なうことができ、上記循環ポンプ(P)の回転数の調節、噴出量調節用弁体(22)の開閉量と開閉速度の調節、及び気泡量調節弁(5d)の開閉量と開閉速度の調節、及びこれらの組合せにより、各噴出ノズルから噴出する浴湯の噴出量、噴出圧、混入する気泡量に差異を設けた6種類の噴流モード(マイルドブロー、指圧ブロー、パルスブロー、マッサージブロー、ウェーブブロー及びエアパルスブロー)を設定することができ、各噴流モードをリモートコントローラ(30)に設けたお好み噴流モードスイッチ(61)〜(65)のON・OFF操作により選択することができるようにしている。
しかも、各モードについて、気泡量増大・減少スイッチ(66)(67)と、浴湯噴出強・弱側スイッチ(68)(69)と、周期増大・減少スイッチ(70)(71)とをそれぞれON・OFF操作することにより、気泡量の増減調節と、噴出浴湯の強弱調節と、噴出浴湯の周期の増減調節を行なうことができるようにしている。
さらに、お好み噴出ノズル使用パターンへの各切替スイッチ(72)〜(76)をON・OFF操作することにより、上記噴流モードを適用する6個の噴出ノズルの使用パターンを選択することができるようにしている。
また、濾過機洗浄スイッチ(77)をON・OFF操作することにより、電動三方弁(45)を切換作動させて、濾過機(43)の逆流洗浄をすることができるようにしている。
(ヘ) 効果 本発明によれば、以下のような効果が生起される。
すなわち、循環ポンプと浴槽本体間の浴湯強送流路に設けた圧力検出センサを、変形量に応じて電気抵抗値が変化する加圧導電性ゴムで構成したことによって、極めて多くの段階(実用上、連続量と見なすことができる程度)に上記圧力を検知することができ、したがって、圧力検出センサを検出した圧力から吐出圧力を差し引いて、浴槽本体中の浴湯のヘッドを算出するという演算を行うことが可能になり、1個の圧力検出センサで、浴湯の噴出圧力と、浴槽本体の浴湯水位の両方を検出することができるようになり、構造が簡単になり、コスト上有利になる。
また、圧力検出センサが無接点となるため、従来のスイッチ型圧力センサでは不可避であった接点腐蝕、接点開閉のヒステリシス、板バネのへたり等の不具合原因が無くなり、寿命が長く、正確かつ安定した圧力検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による気泡発生浴槽の斜視図。
第2図は、同気泡発生浴槽の平面図。
第3図は、同気泡発生浴槽の概念的構成説明図。
第4図は、圧力検出センサ断面説明図。
第5図は、噴出ノズルの拡大断面図。
第6図は、吸気パイプの配管図。
第7図は、空気取入部の拡大断面。
第8図は、ポンプ駆動用モーターと循環ポンプの一部切欠正面図。
第9図は、濾過機の断面図。
第10図は、リモートコントローラの平面図。
第11図は、従来の圧力スイッチの断面説明図。
(A):気泡発生浴槽
(P):循環ポンプ
(C):制御部
(D):浴湯循環流路
(1):浴槽本体
(2):足側噴出ノズル
(3):背側噴出ノズル
(4):腹側噴出ノズル
(10):浴湯吸込パイプ
(11):浴湯強送パイプ
(48):圧力検出センサ
(48e):加圧導電性ゴム
【特許請求の範囲】
【請求項1】浴槽本体と同浴槽本体の外部に設置した循環ポンプとの間に、養頭吸込流路と浴湯強送流路とからなる浴湯循環流路を介設し、同浴湯強送流路に空気取入部を連通連結し、気泡混じりの浴湯を浴槽本体内へ噴出可能に構成した気泡発生浴槽において、上記浴湯強送流路に圧力検出センサを配設し、同圧力検出センサは、浴湯の圧力による受圧手段の変位により変形して、その変形量に略リニアに対応して電気抵抗値が変化する加圧導電性ゴムを具備することを特徴とする気泡発生浴槽。
【請求項1】浴槽本体と同浴槽本体の外部に設置した循環ポンプとの間に、養頭吸込流路と浴湯強送流路とからなる浴湯循環流路を介設し、同浴湯強送流路に空気取入部を連通連結し、気泡混じりの浴湯を浴槽本体内へ噴出可能に構成した気泡発生浴槽において、上記浴湯強送流路に圧力検出センサを配設し、同圧力検出センサは、浴湯の圧力による受圧手段の変位により変形して、その変形量に略リニアに対応して電気抵抗値が変化する加圧導電性ゴムを具備することを特徴とする気泡発生浴槽。
【第1図】
【第2図】
【第4図】
【第7図】
【第3図】
【第5図】
【第6図】
【第8図】
【第11図】
【第9図】
【第10図】
【第2図】
【第4図】
【第7図】
【第3図】
【第5図】
【第6図】
【第8図】
【第11図】
【第9図】
【第10図】
【特許番号】第2740540号
【登録日】平成10年(1998)1月23日
【発行日】平成10年(1998)4月15日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平1−71225
【出願日】平成1年(1989)3月23日
【公開番号】特開平2−249543
【公開日】平成2年(1990)10月5日
【審査請求日】平成7年(1995)12月4日
【出願人】(999999999)東陶機器株式会社
【登録日】平成10年(1998)1月23日
【発行日】平成10年(1998)4月15日
【国際特許分類】
【出願日】平成1年(1989)3月23日
【公開番号】特開平2−249543
【公開日】平成2年(1990)10月5日
【審査請求日】平成7年(1995)12月4日
【出願人】(999999999)東陶機器株式会社
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