説明

気液分離タンクおよび気液混合溶解装置

【課題】円筒形樹脂製の主要な部材に穴を開けたり配管を溶接する必要をなくす工夫をすることで製造にかかる手間やコストを抑えることができる気液分離タンクを提供する。
【解決手段】円筒形樹脂製の本体円筒容器31の上側の開口部に上側円筒部34を連続的に取り付ける。この上側円筒部34は、気液混合流体を接線方向から上記本体円筒容器31内に導入する気液混合流体入口32を側面に有するとともに、液中から分離された気体を排出する気体出口33を上端面に有する。上記本体円筒容器31の下側の開口部に液取出口35を有する底板部36を設ける。上記底板部36の液取出口35上に通液間隙37を介してバッファプレート38を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気液混合溶解工程で液中に溶解されなかった気体を分離する気液分離タンクおよびその気液分離タンクを用いた気液混合溶解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4に示されるように、マイクロバブルなどの微細気泡を発生させる微細気泡発生装置などとして用いられる気液混合溶解装置1は、液中に気体を混合する渦流ポンプ2と、さらに液中に気体を溶解させる溶解タンク3と、さらに液中に溶解されなかった気体を分離する気液分離タンク4とを、配管により順次接続したものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、上記気液分離タンクとしては、本体容器の天井部に気体出口、中央付近に気液混合流体入口、下方に液体出口、および、液体出口の直前に隔壁をそれぞれ有し、本体容器下部は底板により密閉された気液分離器がある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
この特許文献2に記載された気液分離器の気液混合流体入口は、本体容器の円筒接線方向に接続されているため、該入口から流入した気液混合流体は円筒の内壁に沿って渦巻き状に流れ、気液混合流体の流入速度が速いと、生じる渦の勢いが強く、液と気体の混合体よりなるロート状の渦は本体容器の下方まで消えることが無いが、液流排出口の直前に隔壁を設けると、渦は隔壁に邪魔されて、隔壁より下方では渦は弱くなるか消えてしまうので、渦の存在しない場所では気体は液の深部まで到達することはできず、比重の差により気体は浮上する。さらに、液が液体出口に到達する前に一度隔壁の下部を通過するように構成してあるので、気体はなおのことその部分を通過することはできず、気液分離が効率良くなされる。
【0005】
また、気液分離タンクとしては、次のような気泡除去装置もある。この気泡除去装置は、本体に、円筒状の流入空間と逆円錐形状の円錐空間と小円筒状の流出空間を形成し、上記流入空間に開口する入口と流出空間に開口する流出口は、それぞれ各空間の接線方向に設けられている。上記流入空間の上方には、気泡を排出する排出口があり、排出口と流入空間の間には弁室があり、この弁室内には、通孔を有するシリンダが設けられている。このシリンダにはプレ−トを有するキャップ状のフロ−トが嵌められ、このフロ−トは、上記流入空間に気泡が一定量溜まったとき、内部圧で上昇され、通孔を開き、気泡のみを排出口から排出するので、流体中に含まれている気泡を効率よく除去できる(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−129377号公報
【特許文献2】特開2003−265984号公報
【特許文献3】特開2001−137615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に記載された気液分離器は、本体容器に気体出口、気液混合流体入口、液体出口および隔壁などを直接取り付けているので、構造が単純であるように見えるが、このような構造とするには、本体容器を金属製にして、本体容器に配管や隔壁などを溶接付けする必要があり、製造に手間がかかるとともにコストがかかる問題がある。
【0008】
また、特許文献3に記載された気泡除去装置は、本体上部の気泡を排出する排出口と流入空間の間に弁室を設け、この弁室内にシリンダおよびフロ−トなどの複雑な気泡排出機構を設置する必要があり、製造に手間がかかるとともにコストがかかる問題がある。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、円筒形樹脂製の主要な部材に穴を開けたり配管を溶接する必要をなくす工夫をすることで製造にかかる手間やコストを抑えることができる気液分離タンクを提供するとともに、この気液分離タンクを用いた気液混合溶解装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載された発明は、開口部が上下方向に設置された円筒形樹脂製の本体円筒容器と、上記本体円筒容器の上側の開口部に連続的に取り付けられ、気液混合流体を接線方向から上記本体円筒容器内に導入する気液混合流体入口を側面に有するとともに、液中から分離された気体を排出する気体出口を上端面に有する上側円筒部と、上記本体円筒容器の下側の開口部に設けられた液取出口を有する底板部と、上記底板部の液取出口上に通液間隙を介して設けられたバッファプレートとを具備した気液分離タンクである。
【0011】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の気液分離タンクにおける液取出口が、底板部の中央部に穿設され、バッファプレートは、上記底板部と平行にかつ上記液取出口と同心状に配置された上記液取出口よりも大きな平板であり、上記底板部と上記バッファプレートとの間の通液間隙は、本体円筒容器内の4方に向かって開口された気液分離タンクである。
【0012】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載の気液分離タンクにおいて、上側円筒部内に気液混合流体入口の上側部から気体出口にわたって漸次径小に設けられた円錐形状の抜気案内板を具備した気液分離タンクである。
【0013】
請求項4に記載された発明は、液中に気体を混合する渦流ポンプと、上記渦流ポンプに配管により接続され、液中に気体を溶解させる溶解タンクと、上記溶解タンクに配管により接続され、液中に溶解されなかった気体を分離する請求項1乃至3のいずれか記載の気液分離タンクとを具備した気液混合溶解装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、開口部が上下方向に設置された本体円筒容器を、気液混合流体入口および気体出口を有する上側円筒部や、液取出口およびバッファプレートを有する底板部とは別個に設けたので、本体円筒容器に気液混合流体入口、気体出口および液取出口の穴加工をしたり配管やバッファプレートを溶接する必要性をなくして、主要な本体円筒容器を安価な配管部材などとして用いられる円筒形樹脂製とすることができるので、製造にかかる手間やコストを抑えることができる気液分離タンクを提供できる。
【0015】
また、気液混合流体入口を接線方向に設けることによって、本体円筒容器内で液と気体を旋回させ、液中に溶解しなかった気体を本体円筒容器内の中心軸部に気泡として集め、気体出口から外部へ排出するが、一方では、液取出口上に通液間隙を介してバッファプレートを設けることによって、本体円筒容器の中心軸部に形成されようとする気泡柱をバッファプレートにより中心軸部の周囲に拡散させて、きれいな気泡柱が本体円筒容器の中心軸部に形成されることを防止することで、本体円筒容器の中心軸部に集まった気泡がそのまま液とともに液取出口から流出することを防止でき、また、本体円筒容器の中心軸部と内壁面との差圧が大きくならないように旋回渦流を乱して、本体円筒容器の中心軸部で負圧が立つことを防止することで、上部の気体出口から気体を効率よく排出できるとともに、液中に溶解している気体までも目に見える大きさの気泡に成長して液から分離する気泡化を防止できる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、バッファプレートは、本体円筒容器の底板部と平行にかつ底板部の中央部に穿設された液取出口と同心状に配置された液取出口よりも大きな平板であり、底板部とバッファプレートとの間の通液間隙は、本体円筒容器内の4方に向かって開口されたので、接線方向から本体円筒容器内に流入して本体円筒容器内で旋回しながら底板部の中央部から流出しようとしていた本体円筒容器中心軸部回りの高速の渦が、バッファプレートによってバランスを崩され、上記中心軸部の周囲に分散して複数の小さな渦となり、その分、上記中心軸部回りの渦は緩やかに旋回することにより、上記中心軸部回りの高速の渦による強力な遠心力が減少し、本体円筒容器の中心軸部に発生する強い負圧部がなくなることで、液中に溶解している気体の負圧部への分離(微細な気泡の成長を含む)を抑えつつ、液中に比較的大きな気泡状態で混在する気体の塊だけを集めることができ、かつ微細な気泡はバッファプレートにより反射する上昇流に載せて本体円筒容器内で旋回させることによって本体円筒容器内に長時間滞留させ、微細な気泡の液中への溶解を促進させることができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、上側円筒部内に設置された円錐形状の抜気案内板により、本体円筒容器内の液から分離されて旋回する気体を気体出口へと円滑に案内し排出することができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、気液分離タンクの本体円筒容器を、気液混合流体入口、気体出口および液取出口の穴加工をしたり配管やバッファプレートを溶接する必要性をなくして、主要な本体円筒容器を安価な配管部材などとして用いられる円筒形樹脂製とすることができるので、その本体円筒容器を主材とする気液分離タンクに対し渦流ポンプおよび溶解タンクを接続して、安価な気液混合溶解装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る気液分離タンクの一実施の形態を示す断面図である。
【図2】同上分離タンクのバッファプレートを示す平面図である。
【図3】同上分離タンクを有する気液混合溶解装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図4】従来の気液混合溶解装置を示す配管図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を、図1乃至図3に示された一実施の形態に基いて詳細に説明する。
【0021】
図3は、気液混合溶解装置11を示し、この気液混合溶解装置11は、液中に気体を混合する渦流ポンプ12と、液中に気体を溶解させる溶解タンク13とが、配管14により接続され、上記溶解タンク13と、液中に溶解されなかった気体を分離する気液分離タンク15とが、配管16により接続されている。
【0022】
上記渦流ポンプ12は、ベースフレーム17上に設置され、上記溶解タンク13および上記気液分離タンク15は、ベースフレーム17上の基台18上に設置されている。
【0023】
上記渦流ポンプ12は、液吸込圧力を調整するための液吸込圧力調整弁19および圧力計20を経てポンプ吸込口部12aに液を吸い込むとともに、このポンプ吸込口部12aに外部から挿入された吸気管(図に現われず)を経て空気などの気体を吸い込み、ポンプ本体12b内の環状通路を多数の回転翼間で渦流となりながらほぼ1周移送する段階で気液混合を促進し、ポンプ本体12bの上部に設けられたポンプ吐出口部12cより気液混合流体を吐出する。
【0024】
上記溶解タンク13は、渦流ポンプ12から吐出された気液混合流体をタンク上部に加圧供給され、タンク下部の取出口から取り出すまでの過程で液中への気体の溶解を促進させるものであり、そのタンク本体は、上下水道などで用いられる硬質の塩化ビニル管などの合成樹脂管21の上下開口端縁部に、同様の合成樹脂製のフランジ22,23をそれぞれ接着して形成する。
【0025】
図1に示されるように、上記気液分離タンク15は、開口部が上下方向に設置された円筒形樹脂製の本体円筒容器31と、上記本体円筒容器31の上側の開口部に連続的に取り付けられ、気液混合流体を接線方向から上記本体円筒容器31内に導入する気液混合流体入口32を側面に有するとともに、液中から分離された気体を排出する気体出口33を上端面に有する上側円筒部34と、上記本体円筒容器31の下側の開口部に設けられた液取出口35を有する底板部36と、上記底板部36の液取出口35上に通液間隙37を介して設けられたバッファプレート38とを具備した構造である。底板部36にはドレン口39が設けられ、このドレン口39には、通常は図示しない弁により閉じられた配管が接続されている。
【0026】
上記本体円筒容器31は、上下水道などで用いられる塩化ビニル管などの合成樹脂管31aの上下開口部に、同様の合成樹脂製のフランジ31b,31cをそれぞれ接着して形成する。
【0027】
一方、上記上側円筒部34は、気液混合流体入口32および気体出口33を設け、これらに配管16などを溶接したり、ねじ穴を形成するため、金属筒34aに金属蓋部材34bおよび金属フランジ部材34cを溶接したものであり、同様に、上記底板部36も金属板部材にネジ穴の液取出口35を形成する。
【0028】
この上側円筒部34内には、気液混合流体入口32の上側部から気体出口33にわたって漸次径小に設けられた円錐形状の抜気案内板41が設置されている。上記気体出口33には、抜気量を調整する抜気弁42が設けられている。
【0029】
図2に示されるように、上記液取出口35は、上記底板部36の中央部に穿設され、上記バッファプレート38は、上記底板部36と平行にかつ上記液取出口35と同心状に配置された上記液取出口35よりも大きな平板であり、上記底板部36と上記バッファプレート38との間の上記通液間隙37は、上記本体円筒容器31内の4方に向かって開口されている。
【0030】
すなわち、上記バッファプレート38は、4方に配置された支持板45,46,47,48により上記底板部36に対して平行となるように、かつ上記液取出口35に対して同心となるように取り付けられている。2つの支持板45,47は、底板部36にネジ止め固定されている。
【0031】
バッファプレート38の下側に設けられた液取出口35には、図3に示されるように配管49が接続され、この配管49は、マイクロバブルなどの微細気泡を必要とする例えば浴槽などに連通されている。
【0032】
次に、上記実施の形態の作用効果を説明する。
【0033】
渦流ポンプ12により液とともに空気などの気体を吸い込み、この渦流ポンプ12内で移送しながら気液を混合攪拌し、渦流ポンプ12から吐出された気液混合流体を溶解タンク13の上部に供給し、この溶解タンク13内で気液混合流体が下降しつつ、液中への気体の溶解を進行させ、この溶解タンク13の下部から配管16により気液混合流体Aを気液分離タンク15に供給して、液中に溶解されずに気泡として混在する気体を分離し、抜気弁42から気体Bを外部へ排出するとともに、高濃度に気体が溶解された液Cを、液取出口35より配管49に取り出し、例えば浴槽などに供給することで、浴槽内などにマイクロバブルなどの微細気泡を発生させる。
【0034】
上記気液分離タンク15は、気液混合流体入口32を上側円筒部34の接線方向に設けることによって、上側円筒部34およびその下側に位置する本体円筒容器31内で気液混合流体を旋回させ、中心軸部に気泡を集める。
【0035】
このとき、液と気体を分離させるために本体円筒容器31の下部形状を円錐形にしたり本体円筒容器31内への流入速度を速くして、きれいな気泡柱をつくることは防止しなければならない。すなわち、このようなことをして気泡を強力に中心軸部に集める状態では、本体円筒容器31の中心軸部と内壁面部との差圧が大きくなり、上部の気体出口33から気体を排出しにくくなり、中心軸部に溜まった気泡がそのまま液とともに液取出口35から排出されやすくなるとともに、液中に溶解した気体が本体円筒容器31の中心軸部で必要以上に液中から分離しやすくなるおそれがある。
【0036】
このようなおそれをなくすために、本体円筒容器31の液取出口35にバッファプレート38を取付けることによって、円滑な旋回流を乱して気泡柱を中心軸部から周囲に拡散させ、きれいな気泡柱が中心軸部にできない構造にし、本体円筒容器31の中心軸部に溜まった気体がそのまま液取出口35から出ないようにするとともに、タンク中心軸部とタンク内壁面部との差圧が大きくならないようにして、液中に溶解している気体が目に見える大きさの気泡に成長して液から分離する気泡化を防止している。
【0037】
そして、開口部が上下方向に設置された本体円筒容器31を、気液混合流体入口32および気体出口33を有する上側円筒部34や、液取出口35およびバッファプレート38を有する底板部36とは別個に設けたので、本体円筒容器31に気液混合流体入口32、気体出口33および液取出口35の穴加工をしたり配管やバッファプレート38を溶接する必要性をなくして、主要な本体円筒容器31を安価な配管部材などとして用いられる円筒形樹脂製とすることができるので、製造にかかる手間やコストを抑えることができる気液分離タンク15を提供できる。
【0038】
また、気液混合流体入口32を接線方向に設けることによって、本体円筒容器31内で液と気体を旋回させ、液中に溶解しなかった気体を本体円筒容器31内の中心軸部に気泡として集め、気体出口33から外部へ排出するが、一方では、液取出口35上に通液間隙37を介してバッファプレート38を設けることによって、本体円筒容器31の中心軸部に形成されようとする気泡柱をバッファプレート38により中心軸部の周囲に拡散させて、きれいな気泡柱が本体円筒容器31の中心軸部に形成されることを防止することで、本体円筒容器31の中心軸部に集まった気泡がそのまま液とともに液取出口35から流出することを防止でき、また、本体円筒容器31の中心軸部と内壁面との差圧が大きくならないように旋回渦流を乱して、本体円筒容器31の中心軸部で強い負圧が立つことを防止することで、上部の気体出口33から気体を効率よく排出できるとともに、液中に溶解している気体までも目に見える気泡に成長して液から分離する気泡化を防止できる。
【0039】
すなわち、バッファプレート38は、本体円筒容器31の底板部36と平行にかつ底板部36の中央部に穿設された液取出口35と同心状に配置された液取出口35よりも大きな平板であり、底板部36とバッファプレート38との間の通液間隙37は、本体円筒容器31内の4方に向かって開口されたので、接線方向から本体円筒容器31内に流入して本体円筒容器31内で旋回しながら底板部36の中央部から流出しようとしていた本体円筒容器中心軸部回りの高速の渦が、バッファプレート38によってバランスを崩され、上記中心軸部の周囲に分散して複数の小さな渦dとなり、その分、上記中心軸部回りの渦は緩やかに旋回し、複数の小さな渦dが本体円筒容器31内を大きな渦Dとともに緩やかに旋回する。
【0040】
このような現象がもたらす効果は、上記中心軸部回りの高速の渦による強力な遠心力が減少し、本体円筒容器31の中心軸部に発生する強い負圧部がなくなることで、液中に溶解している気体の負圧部への分離(微細な気泡の成長を含む)を抑えつつ、液中に比較的大きな気泡状態で混在する気体の塊だけを集めることができ、かつ微細な気泡はバッファプレート38により反射する上昇流に載せて本体円筒容器31内で旋回させることによって本体円筒容器31内に長時間滞留させ、微細な気泡の液中への溶解を促進させることができる。
【0041】
さらに、上側円筒部34内に設置された円錐形状の抜気案内板41により、本体円筒容器31内の液から分離されて旋回する気体を気体出口33へと円滑に案内し排出することができる。
【0042】
また、気液分離タンク15の本体円筒容器31を、気液混合流体入口32、気体出口33および液取出口35の穴加工をしたり配管やバッファプレート38を溶接する必要性をなくして、主要な本体円筒容器31を安価な配管部材などとして用いられる円筒形樹脂製とすることができるので、その本体円筒容器31を主材とする気液分離タンク15に対し渦流ポンプ12および溶解タンク13を接続して、安価な気液混合溶解装置を提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、気液分離タンクおよび気液混合溶解装置の製造業、販売業、施工業などに携わる者にとって利用可能性がある。
【符号の説明】
【0044】
A 気液混合流体
B 気体
C 液
11 気液混合溶解装置
12 渦流ポンプ
13 溶解タンク
14 配管
15 気液分離タンク
16 配管
31 本体円筒容器
32 気液混合流体入口
33 気体出口
34 上側円筒部
35 液取出口
36 底板部
37 通液間隙
38 バッファプレート
41 抜気案内板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が上下方向に設置された円筒形樹脂製の本体円筒容器と、
上記本体円筒容器の上側の開口部に連続的に取り付けられ、気液混合流体を接線方向から上記本体円筒容器内に導入する気液混合流体入口を側面に有するとともに、液中から分離された気体を排出する気体出口を上端面に有する上側円筒部と、
上記本体円筒容器の下側の開口部に設けられた液取出口を有する底板部と、
上記底板部の液取出口上に通液間隙を介して設けられたバッファプレートと
を具備したことを特徴とする気液分離タンク。
【請求項2】
液取出口は、底板部の中央部に穿設され、
バッファプレートは、上記底板部と平行にかつ上記液取出口と同心状に配置された上記液取出口よりも大きな平板であり、
上記底板部と上記バッファプレートとの間の通液間隙は、本体円筒容器内の4方に向かって開口された
ことを特徴とする請求項1記載の気液分離タンク。
【請求項3】
上側円筒部内に気液混合流体入口の上側部から気体出口にわたって漸次径小に設けられた円錐形状の抜気案内板
を具備したことを特徴とする請求項1または2記載の気液分離タンク。
【請求項4】
液中に気体を混合する渦流ポンプと、
上記渦流ポンプに配管により接続され、液中に気体を溶解させる溶解タンクと、
上記溶解タンクに配管により接続され、液中に溶解されなかった気体を分離する請求項1乃至3のいずれか記載の気液分離タンクと
を具備したことを特徴とする気液混合溶解装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−43112(P2013−43112A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181809(P2011−181809)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(000226002)株式会社ニクニ (25)
【Fターム(参考)】