説明

気液混合用のノズル

【課題】 簡単な構造で効率よく気体と液体との混合物から気体を微細気泡として分散させることが可能な気液混合ノズルを提供する。
【解決手段】 気液混合流体の導入口11と排出口12を有する流通管10と、流通管内部に気密・液密に嵌装された気液混合機構20とから構成された気液混合用ノズルの気液混機構20は、導入口11からの気液混合流体を連続的に攪拌・混合するための気液攪拌混合部21と、気液攪拌混合部21からの気液混合流体の流量を調整する流量調整部22と、流量調整された気液混合流体中の気体を微細気泡として液体中に分散させる傾斜部23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気液混合用のノズルに関する。より詳しく述べると、本発明は、非常に簡単な構成で、なおかつ成型が容易な気液混合ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロバブル、ナノバブルといわれている微細気泡は、水中に直径50μm以下の気泡が生じている状態をいい、直径10μm程度あるいはそれ以下の微細気泡が1ml当たり水中等に数1000個存在すると牛乳のような白濁した状態となる。
【0003】
このような微細気泡が発生すると下記特性が生じる(非特許文献1)
上昇速度 通常の気泡は、急激に水液中を上昇し最終的に液面で破裂する。しかし、微細気泡は気泡体積が微細であるため、上昇速度が遅く長い間、水液中に滞在し続ける。例えば、直径10μmの気泡は1分間に3mm程度の上昇しかない。
【0004】
自己加圧効果 界面は気相と液相、液相と液相、液相と固相、固相と固相の二相間で形成される。この界面間で界面張力により加圧が生じる。この界面張力はヤングラプラスの式で導かれ、気泡の大きさに反比例して気泡に加わる圧力が高まる。このため、微細気泡は圧力により一層小さくになり、さらに圧力が高まる。理論上、無限の圧力が生じる。また、加圧効果により効果的に気体が水中に溶解する。
【0005】
表面電位特性 微細気泡はコロイドとしての側面があり、負に帯電をしている。このため、微細気泡同士は反発し合う。この性質のため、微細気泡同士の結合がなく、気泡濃度が減ることがない。
【0006】
自己圧壊 微細気泡の自己圧壊作用により、水や窒素などが分解されラジカルが生成される。生成メカニズムに関しては、諸説あり未だ決着が着いていない。
【0007】
このような微細な気泡を含む気泡液を生成するものとして、例えば以下の特許文献1又は2に記載のものがある。
【0008】
特許文献1は、気泡液中の気泡を更に微細化するための気泡微細化器に関するもので、本出願人の提案に係るものである。
この気泡微細化器は、圧力ポンプの吸圧力によって液体に気体を混合して発生させた気泡液を他の気泡微細化器によって微細化した後に、この気泡液中に含まれる気泡を更に微細化するためのものである。
【0009】
この気泡微細化器は、送液方向上流側に複数の液流入孔を穿設した隔壁を形成し、送液方向下流側が開口した外筒体と、この外筒体内に同軸的に配置され、送液方向に沿う所定の範囲にわたり一定の断面積にした太径部と、上流側気泡液路の下流側に、上流側から下流側に向けて次第に断面積が縮小する縮径部とを有する軸体とを備え、外筒体と軸体の間に気泡液路を形成するものとなっている。
【0010】
この気泡微細化器によって気泡液中の気泡を微細化するには、圧力ポンプにより圧送される気泡液を、液流入孔から外筒内に流入させ、前記気泡液路を通過させることになり、このとき、外筒体の隔壁によって気泡液に対する圧力が上昇した状態で、液流入孔から気泡液を外筒体内部に流入させ、その後、送液方向上流側から下流側に向けて次第に間隔が広くなる気泡液路を通過させることによって気泡液に対する圧力が変化するのを利用して、気泡液中の気泡を破壊し、微細化するものとなっている。
【0011】
一方、特許文献2に記載の発明は、微細な気泡を含む気泡液を発生させるものとして旋回流を利用した微細気泡発生装置となっている。
この微細気泡発生装置は、一端が閉口された円筒形の容器の閉口側に気体導入孔を開設し、前記円筒形の内壁円周面の一部にその接線方向に加圧液体導入口を開設するものとなっている。
【0012】
この微細気泡発生装置は、使用時に加圧液体導入口から円筒内に加圧液体を圧送してその内部に旋回流を生成することによって、円筒の中心軸の近傍に負圧部分を形成し、この負圧によって気体導入孔から円筒内に気体を吸い込み、圧力が最も低い中心軸上を気体が通過することによって、細い旋回気体渦を形成するものとなっている。そして、この円筒内で旋回流が加圧液体導入口から開口側へ向かって形成され、この旋回に伴って、液体と気体の比重差から液体には遠心力、気体には向心力が同時に働くことにより、液体部と気体部の分離された状態で、気体が開口側で噴射され、その噴射と同時に周囲の静液によって旋回が急激に弱められることにより、急激な旋回速度差が発生し、この旋回速度差によって旋回気体渦が切断されて、その結果として大量の微細気泡が発生し、開口側から放出される、とされたものである。
【0013】
また、特許文献3には、微細な気泡を効率良く大量に生成することのできる気泡微細化器を提供する目的で、上流側となる一端を閉塞し、下流側となる他端に放出口を設けてなる発生筒体には筒体外部から筒体の壁部を通して内壁周面に、この内壁周面に対して描かれる仮想の接線に並行する仮想線に沿って斜めに気泡液を噴射させる主噴射口と、該主噴射口からの噴射方向に対して発生筒体の軸心に近付くように変位させて気泡液を噴射させる従噴射口とを開設し、前記発生筒体の内部において、前記主噴射口から噴射される気泡液によって主旋回流を作る一方、該主旋回流に対して前記従噴射口から噴射される気泡液によって作られる従旋回流を交錯交流させることにより微細気泡を発生させることを特徴とした気泡微細化器が開示されている。
【0014】
非特許文献1には、旋廻流を利用したマイクロバブル発生器、ベンチュリ型マイクロバブル発生器、オーラジェット式マイクロバブル発生器、キャビテーション型マイクロバブル発生用ノズル、OHRラインミキサーを例示してマイクロバブルの発生状況を比較検討している。
【引用文献】
【0015】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】 特開2007−144421号公報
【特許文献2】 特開2006−116365号公報
【特許文献3】 特開2009−273992号公報
【特許文献4】 特開2009−72664号公報
【特許文献4】 特開2008−006365号公報
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】 マイクロバブルとその性能(芹澤昭示、八尋俊彦)日本混相流学会年会講演会2001(第2回)論文集,2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、従来技術の微細気泡発生用のノズルは、ノズル構成が複雑であり、目詰まりした際の清掃が困難であり、なおかつ高価なものであった。
【0019】
また、従来技術の微細気泡発生用のノズルは、気体と液体との混合物をかなり高圧(高い流量)で導入しないと、十分な効果が発生しないという欠点を有していた。
【0020】
したがって、本発明の課題は、簡単な構造で効率よく気体と液体との混合物から気体を微細気泡として分散させることが可能な気液混合ノズルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の課題は、下記項目により達成される。
(1) 気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管と、前記流通管内部に気密・液密に嵌装された気液混合機構とから構成された気液混合用ノズルであって、
前記気液混機構は、前記導入口からの気液混合流体を導入口からの圧力を利用して連続的に攪拌・混合するための気液攪拌混合部と、前記気液攪拌混合部からの気液混合流体の流量を調整する流量調整部と、前記流量調整部で流量調整された気液混合流体中の気体を微細気泡として液体中に分散させる傾斜部と、を備え、
前記気液攪拌混合部は、前記導入口から圧入された気液混合流体の流れを反射するための反射壁を有し、前記気液混合流体導入流と反射流により気液混合流体を混合する第1の空間から構成され、前記流量調整部は、前記気液攪拌混合部で混合攪拌された気液混合流体の流れを所定の流量に流量調整する前記第1の空間より小さい断面積を有する第2の空間から構成され、そして 前記傾斜部は、前記通流管の内壁と長手方向の断面積が連続的に変化させる所定の角度の傾斜を有していることを特徴とする、気液混合用ノズル。
【0022】
(2) 前記流通管は、流通管長手方向に対して垂直方向に導入口を有し、
前記気液混合機構は、前記導入口に対応する箇所に設けられ流通管長手方向に対して垂直方向に貫通穴を有し、前記流通管の導入口の反対側内面と貫通穴により構成された攪拌混合部と、前記貫通穴の導入管側の面に前記貫通穴と連続成形された溝部により構成された流量調整部と、前記流量調整部と連続して、前記流量調整部の気液混合物の流れに対して所定の角度で傾斜を有する傾斜部とから構成されることを特徴とする1に記載の気液混合用のノズル。
【0023】
(3) 前記傾斜部は、前記流量調整部の流れ方向に対して−15度から+15度の角度を有していることを特徴とする1または2に記載の気液混合用ノズル。
【発明の効果】
【0024】
本発明の気液混合用のノズルは、前記導入口からの気液混合流体を導入口からの圧力を利用して連続的に攪拌・混合するための気液攪拌混合部と、前記気液攪拌混合部からの気液混合流体の流量を調整する流量調整部と、前記流量調整部で流量調整された気液混合流体中の気体を微細気泡として液体中に分散させるノズル先端部という簡単な構成で、導入された気液混合物中の気体成分を攪拌・混合し、流量調整した後に所定角度を有する傾斜部により圧力変化を生じさせて気液混合物中の気体を微細気泡として液体中に均一にかつ高い効率で分散させることが可能である。そのため、高濃度で気体の微細気泡を均一に分散された気液混合物を効率よく排出することが可能である。
【0025】
また、このような気液混合部、流量調整部、傾斜部は、所定の中実材料から一体成型することが可能である。そのためノズルを一体成型することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】 本発明の気液混合用ノズルの一例を示す側面図であり、(a)気液混合機構を示し、(b)は通流部を示し、そして(c)は、気液混合部を通流機構に装着した状態を示す。
【図2】 図1に示す気液混合用ノズルの平面図であり、(a)気液混合機構を示し、そして(b)は通流部を示す。
【図3】 図1に示す気液混合用ノズルの排出口側からみた正面図。
【図4】 図1に示す気液混合用ノズルの適用例を示す図面。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の気液混合用ノズルの一例を示す側面図であり、(a)気液混合機構を示し、(b)は通流部を示し、そして(c)は、気液混合部を通流機構に装着した状態を示す。図2は図1に示す気液混合用ノズルの平面図であり、(a)気液混合機構を示し、そして(b)は通流部を示す。そして図3は1に示す気液混合用ノズルの排出口側からみた正面図である。なお、本明細書で用いる用語「気液混合流体」とは、水等の液体と空気、酸素、オゾン、水素、二酸化炭素等が混ざった流体を言う。また、通流管とは、気液混合流体を通流して気液混合物として排出するための導管を意味する。
【0028】
図1から図3に示す通り、本発明の気液混合用ノズルは、気液混合流体の導入口11と排出口12とを有する円柱状の流通管10と、流通管内部10に気密・液密に嵌合可能に設けられた、気液混合機構20とから主として構成されている。
【0029】
そして、気液混合機構20は、上流側から下流側に向かって通流管10の導入口11に相当する部分に設けられた気液攪拌混合部21と、流量調整部22と、傾斜部23とを備えて一体成型されている。なお、所望に応じて気液混合機構20を通流管10から外すために鍔部24を設けてもよい。
【0030】
通流管10および気液混合機構20は、当該技術分野において周知の材料、例えば金属またはプラスチックなどの材料から構成されており、図1から図3に示す通り、気液混合機構20は、通流管10に気密、液密に嵌装されている。
【0031】
図1および図2に示すように、気液攪拌混合部21は、通流管10の導入口11相当する部分に長手方向垂直に設けられた所定の口径を有する貫通穴から構成されている。そして、図1(c)および図3に示す通り気液混合機構20を通流管10に装着した際に貫通穴と通流管10の内面とで気液混合空間(第1の空間)を構成する。本実施形態では、このような気液混合空間を気液混合部11とする。
【0032】
そして、通流管10の導入口11から所定の流量で気液混合流体が連続的に通流されると、気液混合流体は、通流管10の底部(導入口と反対側の通流管の底面)に当たり反射して戻り流として通流とは反対方向の流れを生じる。
【0033】
すると、連続的に通流される気液混合流体の流れと気液攪拌混合部21の底部に反射した気液混合流体の流れとにより気液混合流体は、攪拌混合される。そして、攪拌混合された気液混合流体は、次に説明する下流側の流量調整部へと連続的に流れることとなる。本発明では、このような簡単な構成で気液混合流体を攪拌混合することが可能となる。
【0034】
なお、本実施形態では、気液攪拌混合部21を気液混合機構長手軸垂直方向に設けた貫通穴として構成したが本発明は、このような貫通穴に限定されるものではない。例えば、貫通させないで所定の深さに掘った穴として気液攪拌混合部21を構成することも本発明の範囲内である。
【0035】
流量調整部22は、気液攪拌混合部21と連続して設けられ、気液混合機構10の長手軸方向通流管の導入口11側に排出口12の方向に向かって直線的に設けられた溝から構成されている。
【0036】
この溝は、図3に示す通り、気液攪拌混合部21の断面積よりも小さい断面面積を有している。そして、気液攪拌混合部21で混合攪拌された気液混合流体は、流量調整部22の長手軸方向に上流側から下流側に直線状に設けられた溝により流れが規制されそして気液攪拌混合部21よりも小さい断面積により高い流圧で上流側から下流側の傾斜部23へと流れる。
【0037】
この際の流量調整部22の長手軸方向の長さ、断面積は、目的に応じて適宜設定することが可能であり特に限定されるものではない。
【0038】
流量調整部22の下流の傾斜部23は、流量調整部22で流れが規制され所定の圧力で流れる気液混合流体の圧力を変化させ、この圧力変化により気液混合流体中の気体を微細気泡として排出する作用を有している。
【0039】
そのため気液混合機構20の傾斜部23は、所定角度の傾斜を有している。そして、気液混合機構20を通流管10に装着することにより連続的に断面積が変化する空間が形成される。流量調整部22で流れが規制され所定の圧力で流れる気液混合流体は、この傾斜部に沿って流れる際に、その圧力が連続的に変化するのに伴って気液混合流体中の気体の微細気泡が発生する。そして発生した微細気泡は、気液混合流体中に分散されて微細気泡を高い濃度で含有する気液混合物が排出口12より排出される。
【0040】
この際の傾斜部の傾斜角度は、本発明の目的・効果を奏する範囲内であれば特に限定されるものではない。本発明者等の実験によると傾斜角度は、15度以上が好ましい。
【0041】
以上、説明した通り本発明の気液混合ノズルは、前記導入口からの気液混合流体を導入口からの圧力を利用して連続的に攪拌・混合するための気液攪拌混合部と、前記気液攪拌混合部からの気液混合流体の流量を調整する流量調整部と、前記流量調整部で流量調整された気液混合流体中の気体を微細気泡として液体中に分散させる傾斜部という簡単な構成で、導入された気液混合物中の気体成分を攪拌・混合し、流量調整した後に所定角度を有する傾斜部により圧力変化を生じさせて気液混合物中の気体を微細気泡として液体中に均一にかつ高い効率で分散させることが可能である。そのため、高濃度で気体の微細気泡を均一に分散された気液混合物を効率よく排出することが可能である。そのため、例えば水と空気との混合気体を利用して池、海洋等の水域浄化(海水の養殖場・活魚槽・活魚運搬車の暴露気、海水や廃水からのSS・油分の分離、海水や廃水へのオゾン溶解、・SSが少ない廃水処理槽への暴気等)の用途や本発明者等が先に開発した気液混合装置(図4参照)を用いた水素、炭酸ガスを微細気泡として含む気液混合物の製造などの種々の用途の気液混合装置・微細気泡発生装置用のノズルとして好適に用いることが可能である。
【0042】
なお、図4に示す装置は、液体中に気体の気泡を微細泡として分散する気液混合装置Dは、耐圧性または耐熱・耐圧性の密閉容器から構成される気密な気液混合容器本体D1と、前記容器本体に設けられた液体圧入口D2と、気液混合体の排出口D3と、排出口に接続された微細気泡発生用のノズル104と、を備えている。そして、例えば、容器分割口D4から気体発生材料D5を挿入し、流体圧入口D2から温水などを通流すると温水と気体発生材料D5が発生して気液混合流体が製造される。
【0043】
このような気液混合装置の気液混合ノズルとして適用可能である。この場合、容器本体D1の例えば排出口付近部分を通流管1の代わりに使用することも可能である。
【実施例】
【0044】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
次に本発明の実施例を示す。
図4に記載の気液混合装置に図1から図3に示す本発明の気液混合用ノズルを装着し、そして気液混合装置の圧入口を家庭用温水供給源と接続し、排出口をホースを介してシャワーヘッドと接続した。気液混合装置の内部に株式会社パル・コーポレーションから「ナチュレ水素」の商品名で販売されている水素発生体10gを挿入し、10分、20分、30分後に液体供給源から水温約40度で液体を通流させて排出される液体の流量および微細気泡の発生の様子を目視観察した。
【0045】
その結果、シャワーヘッド4から排出される気液混合物の流量は約14.5L/分であり、30分後の液体も白濁しており、30分間連続して適用可能であることが判った。
【0046】
次に、図4に記載の気液混合装置に図1から図3に示す本発明の気液混合用ノズルを装着し、そして気液混合装置の圧入口を家庭用温水供給源と接続し、排出口をホースを介してシャワーヘッドと接続した。気液混合装置の内部に株式会社パル・コーポレーションから「ナチュレ水素」の商品名で販売されている水素発生体10gを挿入し、水温40℃の温水140Lを充填した浴槽に水温約40℃で60Lの気液混合物を追加して全量200Lとして静置し、微細気泡の保持状態を30分間目視評価した。その結果、30分以上微細気泡に由来する白濁が観察された。
【0047】
以上の結果から、水素発生体などの気体発生体を内部に充填して本発明の気液混合ノズルは、気液混合装置のノズルとして使用すると、所望の気体が高濃度で含有する気液混合物をシャワーや入浴用途などに好適に適用可能であることが判る。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上、説明した通り本発明の気液混合ノズルは、前記導入口からの気液混合流体を導入口からの圧力を利用して連続的に攪拌・混合するための気液攪拌混合部と、前記気液攪拌混合部からの気液混合流体の流量を調整する流量調整部と、前記流量調整部で流量調整された気液混合流体中の気体を微細気泡として液体中に分散させる傾斜部という簡単な構成で、導入された気液混合物中の気体成分を攪拌・混合し、流量調整した後に所定角度を有する傾斜部により圧力変化を生じさせて気液混合物中の気体を微細気泡として液体中に均一にかつ高い効率で分散させることが可能である。そのため、高濃度で気体の微細気泡を均一に分散された気液混合物を効率よく排出することが可能である。そのため、例えば水と空気との混合気体を利用して池、海洋等の水域浄化(海水の養殖場・活魚槽・活魚運搬車の暴露気、海水や廃水からのSS・油分の分離、海水や廃水へのオゾン溶解、・SSが少ない廃水処理槽への暴気等)の用途や本発明者等が先に開発した気液混合装置(図4参照)を用いた水素、炭酸ガスを微細気泡として含む気液混合物の製造などの種々の用途の気液混合装置・微細気泡発生装置用のノズルとして好適に用いることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
10 通流管
11 導入口
12 排出口
20 気液混合機構
21 気液攪拌混合部
22 流量調整部
23 傾斜部
24 鍔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気液混合流体の導入口と排出口を有する流通管と、前記流通管内部に気密・液密に嵌装された気液混合機構とから構成された気液混合用ノズルであって、
前記気液混機構は、
前記導入口からの気液混合流体を導入口からの圧力を利用して連続的に攪拌・混合するための気液攪拌混合部と、
前記気液攪拌混合部からの気液混合流体の流量を調整する流量調整部と、
前記流量調整部で流量調整された気液混合流体中の気体を微細気泡として液体中に分散させる傾斜部と、を備え、
前記気液攪拌混合部は、前記導入口から圧入された気液混合流体の流れを反射するための反射壁を有し、前記気液混合流体導入流と反射流により気液混合流体を混合する第1の空間から構成され、
前記流量調整部は、前記気液攪拌混合部で混合攪拌された気液混合流体の流れを所定の流量に流量調整する前記第1の空間より小さい断面積を有する第2の空間から構成され、そして
前記傾斜部は、前記通流管の内壁と長手方向の断面積が連続的に変化させる所定の角度の傾斜を有している
ことを特徴とする、気液混合用ノズル。
【請求項2】
前記流通管は、流通管長手方向に対して垂直方向に導入口を有し、
前記気液混合機構は、
前記導入口に対応する箇所に設けられ流通管長手方向に対して垂直方向に貫通穴を有し、前記流通管の導入口の反対側内面と貫通穴により構成された攪拌混合部と、
前記貫通穴の導入管側の面に前記貫通穴と連続成形された溝部により構成された流量調整部と、
前記流量調整部と連続して、前記流量調整部の気液混合物の流れに対して所定の角度で傾斜を有する傾斜部とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の気液混合用のノズル。
【請求項3】
前記傾斜部は、前記流量調整部の流れ方向に対して−15度から+15度の角度を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気液混合用ノズル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−194391(P2011−194391A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88995(P2010−88995)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(306016523)株式会社菊池エコアース (11)
【出願人】(504442735)株式会社パル・コーポレーション (7)
【出願人】(506127975)株式会社石原製作所 (4)
【Fターム(参考)】