説明

気管フィステル絆創膏(プラスター,PLASTER)

患者の気管フィステルを覆う気管フィステル装置を保持する装置(100)が提供される。当該装置は、基部及び先端開口を有し、気管フィステル装置を支持するするチューブ状部(101)と、チューブ状部(101)の基部においてチューブ状部(101)から横方向及び上下方向に伸びるフランジ(102)からなる。当該フランジ(102)は、基部側を有し、患者の気管切開部に対面するようになっており、また、先端部を有し、患者から外側に向くようになっており、当該基部側の少なくとも一部は肌に対して粘着性を有する。支持手段(107)が当該フランジ(102)上に配置され、チューブ状部(101)から横方向、下側及び上側に伸びている。そのような装置を適用する方法もまた、提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に、気管フィステル装置(気管フィステル装置、tracheostoma device)を保持する装置、及び、そのような装置を適用する方法に関する。さらに詳細には、本発明は、患者の気管フィステル(気管開口部、tracheostoma)を覆う気管フィステル装置を支持する装置に関するものであって、先端開口及び基部開口を有し、当該先端開口内において気管フィステル装置を支持するするチューブ状部と、当該チューブ状部の基部においてチューブ状部から横方向、下側及び上側に伸びるフランジからなり、当該フランジは、基部側を有し、その基部側は患者の気管フィステルに対面するようになっており、また、先端部を有し、その先端部は患者から外側に向くようになっており、当該基部側の少なくとも一部は肌に対して粘着性を有する。
【背景技術】
【0002】
気管開口術(tracheostomy)は、首の前部表面から気管内に開口が形成される外科的処理である。その開口は、気管フィステル(瘻孔、stoma)と呼ばれる。気管開口チューブは気管フィステルと気管の間に延在するように配置される。気管開口術は、例えば、神経系や呼吸経路に関する怪我や疾患の結果としての機能不全が存在する場合に実施されるが、その機能不全の結果として、十分な空気を得ることができなくなるものである。肺活量の低下や呼吸器の必要性もまた、気管開口術を必要とする結果となる。
【0003】
喉頭切除術は外科的処理であって、例えば、癌の治療のために使用され、喉頭(larynx)又は喉頭(voice box)の除去及び気管フィステルの生成を含む。その処理の結果、気管は咽頭に接続しなくなり、気管フィステルに回される。この処置の後は、通常の鼻の機能は不可能である。呼吸機能が通常の被験者においては、鼻及び鼻腔に位置する粘膜は吸入空気の調整に重要な機能を演じる。複雑な経路と豊富な血液の供給は、吸入吸気の温度と湿度を上昇させ、肺の表面におけるこれらのパラメータとの相違を最小限にするのに役立つ。通常、いくらかの熱と湿気はまた、吸入空気が環境に排出される前に捕捉される。鼻道のこの粘膜はまた、細かな埃の粒子、汚染物質及び微生物のような特定のものを、吸入空気から除くのに役立ち、繊毛の動きは粘液及びいかなる粒子も肺から遠ざけるように移動させる。
【0004】
患者が喉頭切除術を受けたときには、事実上、すべての吸入空気は気管フィステルを経由して肺に入り、鼻は事実上、吸入工程に関与しない。呼気は気管フィステルを通るか、あるいは、もしも人口発声器官(ヴォイスプレテーゼ)が装着されている場合には、気管フィステルが塞がれて、呼気が人口発生器官を経由して咽頭及び口に廻され、患者が話すことを可能にする。呼気の流れが気管フィステル弁によって制御されることが望ましい。これらの状況において、その弁は呼吸している間は開き続けるように調整され、呼気の流れが少しでも増加すると、空気の流れをそらすために閉じられる。
【0005】
この観点において、フィルター装置、HME、呼吸保護装置(ブリージングプロテクター)、スピーチバルのような気管フィステル装置は、吸入空気に湿気を付与し、その吸入空気から小粒子や最近を除去し、手動制御によって気管フィステル経由での空気の通り道を閉鎖することによって患者に会話能力を付与することを可能にするために発展させられてきた。
【0006】
これらの気管フィステル装置は、気管フィステル装置ホルダーによって所定位置に保持されて、患者の気管フィステルの上に配置される。気管フィステル装置ホルダーは、絆創膏(プラスター)によって患者の肌に付着させられ、その絆創膏において、使用中において患者側に向く側は粘着面を有する。気管フィステル装置ホルダーは絆創膏と一体になっているか、使用中に患者とは逆側に向く側の当該絆創膏の粘着面に配置されていてる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
US7,025,784は、気管フィステル上に気管フィステル装置ホルダーに接着するために、両面が粘着性を有する円形テープが使用されるシステムが開示されている。しかし、このテープは、患者に向く粘着領域が気管フィステル装置ホルダーの領域によって制限されるという欠点を有する。さもなければ、このテープは患者とは逆側に向く側において服等にくっつく。その使用者は、肌粘着部が放射状に伸びるまで、チューブ状の部分を保持する必用がある。このため、このシステムは、そのシステムの中心部によって、孔の底に達する前に、そのシステムの粘着面が必然的に穴の壁にくっつくから、患者のくぼんだ瘻孔、すなわち、患者の喉内にいくらかくぼんだ瘻孔において、胸鎖乳突筋の間の孔に接着することは困難である。くぼんだ開口は、喉頭切除術の過程において切除される首の2つの垂直な胸鎖乳突筋を有さない患者群において非常に頻繁である。このため、このシステムは、少しだけ、あるいは全くくぼんでいない開口部についてのみ、有効である。さらに、高い会話圧力(speech pressure)によるめくり返しに耐えるために必用な硬さのために、硬い部分の円形形状はくぼんだ瘻孔への良好なアクセスを阻害する。それにもかかわらず、これらのシステムにおいて、それでもめくり返されることは通常であり、それは、接着剤と肌との間の接着不良及び会話圧力の軸方向の変位が、そのシステムを緩ませ、不当に高い会話圧力を要する結果になるからである。また、適用される気管フィステル装置ホルダーの複数の種類のために、これらのテープはもっぱら複数用途である。このため、この種の気管フィステル装置ホルダーは、使用の間において、強力な洗剤によって洗浄される必要がある。また、このように、当該特許の利用中におけるこのシステムの助言は、ほとんどまったくないのであるが、それは、そのテープの柔軟性が高すぎるためである。US4,325,366及びWO2004/00401は、平面円形のテープ、及び円形凸状のテープをそれぞれ有する類似のシステムを開示している。
【0008】
この観点において、US5,738,095及びUS5,042,468は、気管フィステル装置ホルダーが絆創膏と一体になったシステムを開示しており、平面円形の気管フィステル装置ホルダー/絆創膏システムを形成している。しかし、これらのシステムはくぼんだ瘻孔を有する患者には好適ではなく、そのシステムの柔軟性が均一であることから適用が困難である。このため、そのシステムのチューブ状の保持部が利用中に変形し、おそらく、気管フィステル装置の不十分な保持作用につながる。
【0009】
また、従来のすべての気管フィステル装置ホルダーシステムは、利用前に、患者に向く側の粘着面の全面が曝されており、これにより、必要以上に正確な気管フィステル装置ホルダーシステムの当初位置が要求されるという甲ダオな要求なため、利用が困難である。さもなければ、気管フィステル装置ホルダーシステムは、外されて、再度位置決めされなければならない。
【0010】
さらに、多くの病院において、咽頭切除術の間における外科ステップは、実質的に平面状態の瘻孔を生成するように適応されており、現在の市場における気管フィステル装置ホルダーシステムに適合するようになっている。この適用は、首の2つの垂直な胸鎖乳突筋の切断を含む。
【0011】
このため、気管フィステル装置ホルダーシステムのための改良されたホルダーシステムは利益をもたらすものであり、特に、気管フィステル装置ホルダーシステムにおいて、位置決め能力の改良、気管フィステル装置ホルダーの変形抵抗力の改良、患者に向かない側の非粘着部の許容、くぼんだ瘻孔、さらに深くくぼんだ瘻孔への適応の向上、及び、瘻孔の形状の多様性への適合の向上を有し、そのシステムの便利な用途を許容するものが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明は、上記において特定した従来例の問題点の1以上を個別にあるいはいかなる組合せにおいても緩和、軽減あるいは解消を達成しようとするものであって、患者の気管フィステルを覆う気管フィステル装置を支持する装置を提供することによって、少なくとも上述の問題を解決するものである。上述の装置は、先端開口及び基部開口を有し、当該先端開口内において気管フィステル装置を支持するするチューブ状部と、当該チューブ状部の基部においてチューブ状部から横方向、下側及び上側に伸びるフランジからなり、当該フランジは、基部側を有し、その基部側は患者の気管フィステルに対面するようになっており、また、先端部を有し、その先端部は患者から外側に向くようになっており、当該基部側の少なくとも一部は肌に対して粘着性を有する。そして、支持手段が当該フランジ上に配置され、チューブ状部から横方向、下側及び上側に伸びている。
【0013】
有利な特徴は、従属項に規定されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明が可能とするこれらの観点、特徴及び優位性は、添付図面が参照されつつ、以下の本発明の実施形態の記述から明らかになり、説明される。
【図1】本発明の一実施形態による装置の分解図である。
【図2】本発明の一実施形態による装置の基部側の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による装置の先端側の斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による、装置の特定の状態における基部側の側面図である。
【図5】本発明の一実施形態による、装置の特定の状態における基部側の側面図である。
【図6】本発明の一実施形態による、装置の特定の状態における基部側の側面図である。
【0015】
以下の記述は、患者の気管フィステルを覆う気管フィステル装置を支持するためのシステムに適用できる本発明の実施形態に焦点を当てている。
【0016】
図1の分解図に開示される第1の実施形態によれば、HME,スピーチバルブ等のような気管フィステル装置を支持するための装置100、すなわち気管フィステル装置ホルダーが提供される。当該装置は、その先端部において気管フィステル装置を支持するチューブ状部101を有する。チューブ状部101は、チューブ状部101の中心軸に対して垂直な平面において、円形の切断面である。チューブ状部101の基部には、チューブ状部101の基部開口部の周囲にフランジ102が備えられている。フランジ102は、内側の硬い部分103と外側のより柔軟な部分104を含む。フランジ102は、チューブ状部101の中心軸に対して垂直な平面において、チューブ状部101の基部から放射状に外側に伸びており、使用中においてその平面は背面となる。フランジ102は、基端側105を有し、図2の斜視図に示されるように、患者の気管フィステルに面するようになっており、遠位側106は、患者とは逆側に面するようになっている。
【0017】
チューブ状部101はまた、例えば、3次元経路のようなフランジ102の厚さに対応するチューブ状部であり、貫通孔を形成し、このため、基部開口及び先端開口を有する。
【0018】
フランジ102は、少なくとも内側の硬い部分103において、チューブ状部101の中心軸に関して遠心的に傾斜させられている。好ましくは、内側の硬い部分103の全体が全部分が、チューブ状部101の中心軸に関して遠心的に傾斜させられており、これにより、くぼんだ瘻孔への接触の向上が達成される。
【0019】
フランジ102の先端側は、図3の斜視図に示されが、補強が備えられている。補強は、中心から上下方向(caudal/cranial direction)に伸びており、装置100の横方向/中央方向(lateral/medial direction)よりも、上下方向におけるより高い抵抗力を付与する。上下方向におけるより高い抵抗力は、少なくともフランジ102の一部において、横方向/中央方向よりも、上下方向においてより高い提供力を有することによって得られる。補強は会話圧力を吸収し、得た力を中心から上下方向へ移す。この方向において、横方向/中央方向よりも装置と患者との接触領域の余地がより多く、これにより、めくり返りが防止される。横方向/中央方向の寸法をより小さくすることで、くぼんだ瘻孔の深さ全体への接触が向上される。その結果、めくり返りに対する抵抗が向上し、装置と瘻孔との接触がよくなり、過度の漏れに明らかにつながる装置の緩みの危険を低減することにつながる。その補強は支持手段107である。支持手段107はフランジ102の基部側に位置されてよいとしても、遠位側106に支持手段107を有することが望ましい。というのは、そのような位置は装置100と患者の肌との間の滑らかで均一な接触を可能にするからである。また、遠位側106に支持手段107を有することは、フランジ102の傾斜が、凹形状の遠位側106を可能にし、これにより、支持手段107は明確に低い位置に位置することができ、すなわち、十分に基部端部から遠く、満足な剛性を可能にし、一方で、同時に衣服と作用しがちになるということもないから、便利である。
【0020】
支持手段107は、望ましくは、複数のリブであり、チューブ状部101の中心軸に対して垂直な平面において伸びており、使用中において背面となる。これに関して、それらのリブは、上下方向に伸びている。しかし、支持手段107は、また、上下方向において、横方向/中央方向よりも材料が厚くてもよい。
【0021】
一つの実施形態において、2つのリブは実質的に円形チューブ状部101に対して実質的に接線方向に延在しており、互いに平行であり、使用中においてそれらが患者の首の上下方向の延在に沿って延在するようになっている。このように、装置100は、不均一の可塑性を有し、これにより、装置100は、支持手段107の延在と平行な方向、すなわち、上下方向において、支持手段107が延在する方向と垂直な方向、すなわち、中央方向よりも、高い変形抵抗を有する。これにより、装置100のフランジ102は、中央方向、すなわち、上下方向に垂直な方向において圧縮されることができ、この際、チューブ状部101の形状は維持されており、これにより、瘻孔上、2つの胸鎖乳突筋の間においてチューブ状部101の位置が確実になる。このため、本発明による装置によれば、2つの胸鎖乳突筋の切断は不要である。フランジ102の先端側の凸形状により、装置は、くぼんだ瘻孔上においても破断との接触が良好となる。
【0022】
支持手段107の近傍に沿って、上下方向において、装置は2つの弱化線108を備え、装置100の上下方向と横・中央方向の抵抗力の相違をさらに増している。このように、弱化線108は、上下方向の補強を向上する。
【0023】
フランジ102の基部側105は、肌への接着性を有する。一実施形態において、基部側105の一部だけが肌への接着性を有する。肌への接着性を有する部分は、装置の外周からチューブ状部101へ全体にわたって延在してもよい。この意味では、肌への接着性を有する部分は、より硬い内側部分103がウェルド109によって一体化されているフレキシブルシートの基部側であってよい。これにより、フレキシブルシートの外側部分は、基部側において肌への接着性を有するのであるが、フランジ102の柔軟部分104であってよい。望ましくは、ウェルド109は、チューブ状部101から離れて放射上に位置しており、例えば、より硬い部分103の周辺である。このようにして、肌への接着性を有する部分は、先端部においてより高い圧力条件において肌に接着させられることができる。というのは、ウェルド109が、肌への接着性を有する部分の端部からの距離上のストレスを吸収するからである。
【0024】
フランジ102の内側の硬い部分103は、望ましくは卵型であり、支持手段107が延在する方向と同一方向、すなわち、上下軸方向の上下方向において近似的な最大径を有する。同様に、横・中央軸の横・中央方向において、近似的な最短径を有する。また、外側のより柔軟な部分104は、複数のくぼみを有する実質的に円形あるいは卵型であり、例えば、花の形状となっている。このようにして、患者の首の形状のゆがみを補償するために柔軟な部分を折り曲げる必要なしに、フランジの外側の部分を患者の肌に接着することが容易となる。このように、装置100と患者の肌の接触領域は、2つの胸鎖乳突筋の間において、十分に高く維持でき、くぼんだ瘻孔を有する患者の肌への装置の安全な取り付けを可能にする。
【0025】
フランジ102の基部側105は、装置100の運搬、保存及び利用を容易にするために、一組の非粘着性のカバリングシートを配置されていてもよい。
【0026】
図4は、装置100の基部側が非粘着性のカバリングシートと共に側面図が示されている。装置100の基部開口を取り巻く基部の肌への接着性を有する表面105の上に、第1及び第2のカバリングシート110、111が適用される。第1及び第2のカバリングシート110、111は、フランジ102、フランジ102の各側の横方向に適用され、それぞれ、接着表面105の側部をカバーする。これにより、粘着表面105の中心・中央部分112は、それでも、カバリングシート110及び111によってカバーされないままである。粘着表面105の中心・中央部分112は、使用中に、チューブエレメント101から上下方向において上下に伸びる表面であり、2つの胸鎖乳突筋の間にフィットするように、中心・中央部112は所定の寸法及び形状に調整される。第1及び第2のカバリングシート110、111は、それぞれ折畳部113,114を有し、それらは、横方向に折り畳まれている。
【0027】
本発明の一実施形態による装置の基部側の側面図である図5に示すように、第3のカバリングシート115が、中心・中央部分112上に適用される。一実施形態によれば、第3のカバリングシート115は、少なくとも、第1及び第2のカバリングシート110、111と中心・中央部分112との間の端部を覆うように、第1及び第2のカバリングシート110、111の少なくとも一部を覆う。このようにして、第3のカバリングシートは、フランジ102の基部側の接着表面を覆うことを仕上げるだけではなくて、意図せずに剥離し、フランジ102の肌への接着性のある部分がカバーされなくなること、このことは、当然、運送及び保管中においても欲されないことであるが、このことから第1及び第2のカバリングシート110、111の間の端部を保護する。
【0028】
一実施形態において、さらに他のカバリングシート(図示せず)が適用される。この実施形態において、第3のカバリングシート115は、中心・中央部分112の中心・中央及び上部だけをカバーすればよく、他のさらなるカバリングシートが、中心・中央部分112の中心・中央及び下部をカバーする。
【0029】
カバリングシート110、111及び115のカバリング能力を向上するために、カバリングシート110、111及び115は装置100と共に熱成形され、装置100の基部表面において3次元の凸形状を得る。このため、カバリングシート110、111及び115は、ポリエチレンのような低融点のポリマーで製造されることが望ましく、好ましくは、接着面とカバリングシートの間の隔離を向上するためにシリコンシートでカバーされることが望ましい。
【0030】
折畳部113及び114は、少なくとも部分的に装置100の周縁部、すなわち、フランジ102の横に延在する。一実施形態において、折畳部は、それぞれグリッピングフラップ116、117を有し、当該グリッピングフラップ116、117は、装置100の周縁部を超えて延在し、それらのフラップは、装置100が瘻孔上に配置された後、前側からアクセスできるようになっている。アクセスを容易にするために、フラップ116及び117は横に延在している。
【0031】
このようにして、ユーザ又は施術者は以下のように利用する。(i)第3のカバリングシートが取り外された後、第1及び第2のカバリングシート110、111を保持することにより患者の瘻孔上に装置100が配置し、支持手段107によりチューブ状部101をあまり変形することなく装置100を中央側に絞り、フランジ102の基部側の凸形状によってくぼんだ瘻孔であっても、装置を肌との良好な接触において適用し、装置100の適用が中心・中央部112だけが接着性を有することによって、装置100の適用が容易にされ、その後、(ii)フラップ116、117を横に引っ張り、これにより、横方向において、第1及び第2のカバリングシート110、111にカバーされたフランジ102の肌への粘着性を有する部分がカバーされなくなり、これは、装置100から第1及び第2のカバリングシート110、111が取り外されるまで引っ張られ、これにより、肌への接着性を有する装置の基部側105の全体が露出され、装置の基部側の側面図を示す図6に示されるようになり、そして、(iii)フランジ102を患者に押し付け、フランジ102と患者の肌との間の十分な接着を達成する。
【0032】
本発明は、特定の実施形態を参照して上述されているが、本明細書において説明される特定の形態に限定されることを意図されてはいない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、上述で特定されたもの以外の実施形態もまた、これらの添付された特許請求の範囲内で等しく可能である。
【0033】
特許請求の範囲内における用語「備える(含む)/備えている(含んでいる)(comprise/comprising)」は、他の要素又は工程の存在を排除しない。さらに、個々に挙げられてはいるが、複数の手段、要素、または方法工程は、例え場、単一のユニットまたはプロセッサによって実施されてよい。さらに、個々の特徴が異なる請求項においてふくまれてよいが、これらは、有利に組み合わせることも可能であってよく、異なる請求項において含まれることは、特徴の組合せが実行可能ではない、および/または有利ではないこということを含意しない。さらに、単数の言及は複数を排除しない、邦語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「第1の(first)」、「第2の(second)」などは複数を除外しない。特許請求の範囲における参照符号は、明瞭な例として単に提供されており、いかなる意味においても特許請求の範囲を限定すると解釈されてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の気管フィステルを覆う気管フィステル装置を保持する装置(100)であって、前記装置は、
前記装置に基部及び先端開口を付与し、前記基部開口において/内において前記気管フィステル装置を支持する管と、
前記貫通管から横方向及び上下方向に延在するフランジ(102)とを含み、前記フランジは、前記患者の前記気管フィステルに面するようになっている基部側と、前記患者から外側に面するようになっている先端側を有し、前記基部側の少なくとも一部は肌に対して粘着性を有し、
前記フランジ(102)は、少なくとも前記フランジ(102)の一部において前記装置(100)の横/内側方向よりも上下方向において高い抵抗力を有することによって、前記装置(100)の横/内側方向よりも上下方向において高い抵抗力を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記装置(100)の横/内側方向よりも上下方向において高い前記抵抗力は、チューブ状部(101)から上下方向に延在する前記フランジ(102)の補強によって獲得する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記補強は、前記チューブ状部(101)から上下方向に延在する前記フランジ(102)上の支持手段(107)である請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記支持手段(107)はリブである請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記支持手段(107)は、前記横/内側方向よりも前記上下方向において高い材料厚さを有することによって獲得される請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記上下方向において少なくとも一つの弱化線(108)が配置され、
少なくとも前記フランジ(102)の一部において前記横/内側方向よりも前記上下方向において高い抵抗力を有することによって、前記装置(100)の横/内側方向よりも上下方向において高い抵抗力を付与し、これにより、前記少なくとも一つの弱化線(108)は前記補強を向上する請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記管がチューブ状部(101)であって、
前記フランジ(102)が、前記チューブ状部(101)の基部から横及び上下方向に延在する請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記フランジ(102)は、内側の硬い部分(103)と外側のより柔軟な部分(104)を含む請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記補強は、前記内側の硬い部分(103)上に位置する請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記フランジ(102)は、前記チューブ状部(101)の中心軸に関して遠心に傾斜している請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記内側の硬い部分(103)は、前記チューブ状部(101)の中心軸に関して遠心に傾斜している請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記フランジ(102)の先端側に補強が備えられている請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記補強は前記円形のチューブ状部(101)に対して実質的に接線方向に延在しており、互いに平行である請求項1乃至請求項12いずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記内側の硬い部分(103)は実質的に卵型であり、上下方向において擬似的な長径
を有し、中心・内側方向において擬似的な短径を有する請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
ウェルド(109)がチューブ状部(101)から遠ざかって放射状に位置し、前記内側の硬い部分(103)において、前記ウェルドはより前記内側の硬い部分(103)に接するように前記柔軟な部分(104)にも接している請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
第1、第2及び第3のカバリングシート(110、111、115)が前記フランジ(102)の先端側(105)に配置され、前記第1及び第2のカバリングシートは前記フランジ(102)の各側においてそれぞれ横側に配置され、前記第3のカバリングシートは中心/内側に配置されている請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記第1及び第2のカバリングシート(110、111)は横方向に折り畳まれ、少なくとも一部は前記フランジ(102)の周縁部を越えて延在する請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記カバリングシート(110、111)の前記折り畳まれた部分は、前記フランジの周縁部を越えてそれぞれ延在するグリッピングフラップ(116,117)であるは請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記装置(100)は、HME又はスピーチバルブを保持する装置である請求項1乃至請求項18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
患者の瘻孔上に請求項16に記載の装置を配置する方法であって、
少なくとも前記第3のカバリングシート(115)を取り外し、
患者の瘻孔上に前記装置を配置し、
前記装置の前記フランジ(102)の肌への粘着性を有する基部側を前記第1及び第2のカバリングシート(110、111)にカバーされた首の肌に接着するステップを含む方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−512677(P2012−512677A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541466(P2011−541466)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067500
【国際公開番号】WO2010/070087
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(500180662)アトス メディカル アクティエボラーグ (5)