気管支内治療のためのバルブ、デバイス、および方法
さまざまなバルブ、アダプター、人工呼吸器回路、および方法が開示される。一つ以上の実施形態において、バルブは、複数の開口を含む支持体を備える。支持体は、中心部および外縁を含む。複数のフラップは、各開口のためにフラップを含む。各フラップは、支持体の中心部に近位に接続される端を有する。各フラップは、閉鎖位置と開放位置との間で動作可能である。本発明は、エアロゾルを投入するためのバルブ、デバイス、器具、システム、部品、およびアダプターを人工呼吸器回路などにおいて導入または使用する気管支内治療のための方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2005年5月18日に出願された米国仮出願第60/682,099および2005年9月29日に出願された米国仮出願第60/722,637号に関連し、その各々により35USC§119(e)のもと優先権が主張され、その各々は、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の背景
技術分野
本発明の一つ以上の実施形態は、エアロゾル導入を必要とする患者にエアロゾルを導入するためのバルブ、デバイス、器具、システム、部品、およびアダプターに関し、より具体的には、人工呼吸器回路のため、噴霧器のため、ならびに人工呼吸器回路および/またはエアロゾル導入を必要とする患者にエアロゾルを導入するためのバルブ、デバイス、器具、システム、部品、およびアダプターに関する。本発明は、気管支内治療のための方法にも関し、具体的には、エアロゾルを投入するためのバルブ、デバイス、器具、システム、部品、およびアダプターを人工呼吸器回路などにおいて導入または使用する気管支内治療のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
患者の効果的な治療の処理に対する必要性により、さまざまな製剤処方の投与手技が進歩した。従来技術の一つに、錠剤、カプセル、エリキシル剤、またはその同等物の形での製剤処方の経口投与がある。しかしながら、経口投与は、症例によっては望ましくない場合がある。例えば、製剤投与の多くは、人体が効果的にそれらを吸収する前に、消化管において分解される可能性がある。患者がエアロゾル化された製剤処方を経口的または経鼻的に吸入してその処方を患者の軌道に送達するという、肺送達としても既知である吸入可能な薬物送達も、効果的および/または望ましい場合がある。いくつかの吸入法において、エアロゾル化された製剤処方は、肺などの呼吸器の一部分に、局所的な治療上の処置および/または予防を提供し、ぜんそくおよび肺気腫などの呼吸器系疾患を治療、ならびに/もしくは、真菌感染症および嚢胞性線維症など局所性肺感染症を治療する。その他の吸入法において、製剤処方は、患者の肺内に深く送達され、そこでその処方を体全体に渡って全身投与するために血流に吸収される場合がある。多くの種類のエアロゾル化デバイスには、噴射剤中または噴射剤と共に保存される製剤処方を有するデバイス、乾燥粉末をエアロゾル化するデバイス、圧縮ガスまたは液体製剤処方をエアロゾル化するためのその他の機構を使用するデバイス、および同様のデバイスが含まれる。
【0004】
既知のエアロゾル化デバイスの一つは、通常、噴霧器と呼ばれる。噴霧器は、流体、液体、または液化可能な処方を含む貯蔵器を有する容器を備える。液体の場合、製剤処方は、通常、溶液中もしくは液状媒体内で懸濁または分散している活性薬剤を含む。エネルギーが貯蔵器に導入されることにより、液体の製剤処方が患者の肺に送達されるようにエアロゾル化される。一般的にジェット噴霧器と呼ばれる一つの種類の噴霧器において、圧縮ガスが容器内の開口部を介して加えられる。圧縮ガスにより液体がノズルから抜き取られ、抜き取られた液体は、流動気体と混合されてエアロゾル液滴を形成する。次に、液滴から成る噴霧は、患者の呼吸器に投与される。一般的に振動メッシュ噴霧器と呼ばれる別の種類の噴霧器において、高周波超音波などのエネルギーは、メッシュを振動させるために生成される。このメッシュの振動は、液体の製剤処方をエアロゾル化して、患者の肺に投与されるエアロゾル噴霧を形成する。さらに別の種類の噴霧器においては、超音波が生成されて、製剤処方を直接振動させてエアロゾル化する。
【0005】
エアロゾル化粒子デバイス
エアロゾル導入を必要とする患者にエアロゾルを導入するためのバルブ、デバイス、器具、システム、部品、およびアダプターは、受動的乾燥粉末吸入器および能動的乾燥粉末吸入器などの乾燥粉末投与デバイスと共に適切に使用されてもよい。受動的乾燥粉末吸入器は、患者の吸気努力に依存する吸入デバイスを備え、貯蔵器または単位投与剤型において、そのデバイス内に含まれる製剤組成を分散およびエアロゾル化するが、薬剤組成を分散およびエアロゾル化するための圧縮ガスおよび振動または回転要素などのエネルギーを提供する手段を含む吸入器を備えない。能動的乾燥粉末吸入器は、患者の吸気努力だけに依存しない吸入デバイスを備え、貯蔵器または単位投与剤型において、そのデバイス内に含まれる製剤組成を分散およびエアロゾル化し、薬剤組成を分散およびエアロゾル化するための圧縮ガスおよび振動または回転要素などのエネルギーを提供する手段を含む吸入器を備える。
【0006】
噴霧器は、多くの場合、(1)エアロゾル化された製剤処方を入院中または歩行不能の患者に送達するため、および/または(2)大量のエアロゾル化された活性薬剤を送達するため、および/または(3)エアロゾル化された製剤処方を、乾燥粉末または噴射剤ベースの製剤処方を受けることができない小児またはその他の患者に送達するために使用される。
【0007】
噴霧器は、エアロゾル化された製剤処方を、人工呼吸器の補助で呼吸している患者の呼吸器に投入するのに有用である。しかし、エアロゾル化された製剤処方の人工呼吸器回路への導入に関する問題が存在する。例えば、エアロゾル化された製剤処方を人工呼吸器の吸気ラインに導入することによって、かなりの滞留量が導入ポイントと患者の肺との間に存在する。したがって、大量のエアロゾル化された製剤処方が必要になり、処方の多くが呼気ラインへ失われる。この問題は、噴霧器が連続的なバイアス流れを有する人工呼吸器と併用して使用される場合に悪化する。さらに、人工呼吸器ラインにおける大量の滞留量は、エアロゾル化された製剤処方が希薄し、患者への投与量を一貫して再生するのが難しくなるまでに至る可能性がある。一貫した送達量を再生することの難しさは、一回換気量、流速等の人工呼吸器のパラメータの患者間におけるばらつきによりさらに悪化する。
【0008】
一般的な振動メッシュ噴霧器において、メッシュは、振動メッシュ組立部品の全体の一部となるように構成され、エアロゾル化される液体は、単に液体をチャンバーに注ぐだけで導入される。チャンバーは、重力により液体をメッシュ全体に接触させるように配置されてもよい。場合によっては、液体をメッシュに接触させるためにウィックが使用される。
【0009】
例えば、振動メッシュ噴霧器は、吸気ラインとY字形の部品との間の人工呼吸器回路におけるT字形の部品上に装着されてもよい。液体の薬剤処方を投与するためにキャップは開放されている。液体の薬剤処方は、チャンバーを有する薬剤に注がれ、そこで液体が振動メッシュ要素に接触する。特定の振幅および周波数の正弦波、方形波、またはその他の波形であってもよい適切な電気信号は、エアロゾル状の液体薬剤処方をT字形の部品と人工呼吸器回路を通して患者に送達する目的で、電気信号を振動メッシュ要素に提供するために、ケーブルレセプタクルに接続されるケーブルを介して伝達される。
【0010】
一般的な振動メッシュ噴霧器は、さまざまな液体の薬剤処方を噴霧するために繰り返し使用される。ゆえに、液体の薬剤処方が溶剤担体を蒸発するため、メッシュは、場合によっては、これらの液体の薬剤処方と高濃度で接触するようになる。繰り返し使用することにより、液体の薬剤処方がさらに濃縮され、メッシュが腐食の影響を受けやすくなる可能性がある。さらに、多数の液体の薬剤処方を順次投入して使用することによって、異なる液体の薬剤処方について不慮で潜在的に危険性のある交差汚染をもたらす可能性がある。安全性のため、腐食および交差汚染を防ぐために、各投与後に振動メッシュ噴霧器の洗浄することが重要であり、液体の薬剤処方を投与する医療従事者にこの安全性の問題が委ねられ、メッシュおよび関連の振動メッシュのハードウェアが、液体の薬剤処方が繰り返し暴露されることによる腐敗およびその他の長期的損傷効果に耐えるように設計および製造されることが要求される。
【0011】
参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献1は、非再呼吸バルブ組立およびそれを使用する圧縮バルブ蘇生器を開示する。一方向バルブ手段は、穴または開口部を閉鎖するために提供され、ゴムなどの適切な材料から形成される環状の弾性部から成る。弾性部は、その内縁が、部品に提供される環状の陥凹に装着されている。弾性部の外側の環状の縁は自由で、穴または開口部を正常に閉塞するための一方向フラッパバルブとしての役割を果たすことができるようにし、ガスが開放部を介して一方向にのみ通過できるようにする。
【0012】
参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献2は、ぜんそく薬物吸入のための定量吸入器を開示する。定量吸入器は空気チャンバーを備える。空気チャンバーの底部は、成形過程の一貫として開放しており、相互に直角である一対の直径スリットを有するエラストマーダイヤフラムによって閉鎖される。単一のスリットでも十分であるが、スリットが二つあると柔軟性が改善される。スパイダーは、ダイヤフラムの土台となり、外側の円周フランジならびにスリットの土台となるように配置される少なくとも二つの直径リブを備える。
【0013】
参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献3は、薬剤を患者に投与する際に使用する人工呼吸器回路を開示する。人工呼吸器回路は、内部空間を形作り、入力端、出力端、および、その内部空間の上流に配置される一方向吸入バルブを有するチャンバーハウジングを備える。一方向吸入バルブは、チャンバーハウジングの内部スペースへの薬剤の流れを可能にするように動作する。吸入管は、チャンバーの出力端と連通し、薬剤を患者に送達するように構成される。排気管は吸入管と連通し、一方向排気バルブは、排気管に配置される。一方向排気バルブは、排気管から吸入管へのガスの逆流を防ぐように構成される。
【0014】
それぞれを参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献4〜8は、対象の気管支内治療のための方法、デバイス、および処方を開示する。エアロゾル化された抗生剤は人工呼吸器回路に送達される。噴霧器などのエアロゾル発生器は、Y字形の部品の下方部分に配置されてもよい。
【0015】
それぞれを参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献9、10は、気管支内治療に適用可能なデバイス、システム、および方法を開示する。
【0016】
しかしながら、これらには、バルブ、デバイス、アダプター、システム、および部品を改善する必要性が依然として残されている。例えば、これらには、患者と人工呼吸器の接合部を妨害しないようなバルブの必要性が残されている。さらに、噴霧器の改善の必要性が残されている。また、これらには、エアロゾルを人工呼吸器回路に導入するためのさらに効果的なアダプターの必要性が残されている。したがって、このようなバルブおよび/またはアダプターを使用する治療および/または予防に関する改善された方法の必要性が依然として残っている。
【特許文献1】米国特許第3,726,274号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0039746号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/0011358号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2004/0035413号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2005/0211253号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2005/0211245号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2005/0211245号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2005/0325978号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0139211号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2005/0217666号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
発明の開示
本発明の一つ以上の実施形態は、これらの必要性の一つ以上を満たす。本発明のさまざまな実施形態は、人工呼吸器回路および/または噴霧器などの、エアロゾルを導入するための装置と共に使用するためのさまざまな新規のバルブ、デバイス、アダプター、システム、および部品を提供する。また、本発明は、そのようなバルブ、デバイス、アダプター、システム、部品、噴霧器、および/または人工呼吸器回路を利用する治療および/または予防の方法も提供する。本発明のその他の機能および利点は、以下の発明の説明に記載され、一部においては、その説明により明白で、あるいは本発明を実践することにより学ばれるだろう。
【0018】
一側面において、本発明はバルブを対象とする。一つ以上の実施形態において、前記バルブは、少なくとも一つの開口を備える支持体を含む。その他の実施形態において、前記バルブは、複数の開口を含む支持体を含む。前記支持体は、中心部および外縁を備える。また、前記バルブは、一つ以上の実施形態において、少なくとも一つのフラップも備え、その他の実施形態においては、各開口に対してフラップを備える複数のフラップも含む。各フラップは、前記支持体の前記中心部の近位で連結される端を有する。各フラップは、閉鎖位置と開放位置との間で動作可能である。
【0019】
本発明の別の側面も、バルブを対象とする。一つ以上の実施形態において、前記バルブは、開口を備える支持体も含む。また、前記バルブは、前記支持体に連結される少なくとも一つのフラップを含む。前記バルブは、前記支持体および前記フラップから選択される少なくとも一つの部材上に少なくとも一つの突起部をさらに含み、前記支持体および前記フラップから選択される少なくとも一つの部材上の前記少なくとも一つの突起部は、前記フラップが閉鎖位置にある際に、前記支持体および前記フラップの他方に接触する表面を有する。
【0020】
本発明のさらに別の側面は、また別のバルブを対象とする。一つ以上の実施形態において、前記バルブは、開口を備える支持体も含む。また、前記バルブは、前記支持体に連結される少なくとも一つのフラップも含み、前記フラップは、前記フラップが閉鎖位置にある際に、前記支持体に接触する面を有する。前記バルブは、前記支持体および前記フラップから選択される少なくとも一つの部材において少なくとも一つのチャネルを含む。前記少なくとも一つのチャネルは、前記フラップが前記閉鎖位置にある際に、前記バルブを介した流れを可能にする。
【0021】
本発明のまた別の側面は、アダプターを対象とする。一つ以上の実施形態において、前記アダプターは、第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングを含む。前記ハウジングは、第一の端および第二の端を有する。前記第一のチャネルは、第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、一方向バルブなどの第一のバルブ手段を備える。前記第二のチャネルは、第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、一方向バルブなどの第二のバルブ手段を備える。また、前記アダプターは、前記第一の方向に対して、前記一方向バルブの下流に配置される、前記第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つも含む。前記アダプターの前記第一の端と前記第二の端との間の空気圧降下は、60L/minの空気流速で、約50cmH2O未満であり、60L/minの空気流速で、約40または30または20または10cmH2O未満であってもよい。
【0022】
本発明の別の側面は、別のアダプターを対象とする。一つ以上の実施形態において、前記アダプターは、第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングを含む。前記ハウジングは、第一の端および第二の端を有する。前記第一のチャネルは、第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、一方向バルブなどの第一のバルブ手段を備える。前記第二のチャネルは、第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、一方向バルブなどの第二のバルブ手段を備える。また、前記アダプターは、前記第一の方向に対して、前記一方向バルブの下流に配置される、前記第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つも含む。前記アダプターは、さらに、前記第三の方向に対して、一方向バルブのような前記第二のバルブ手段の上流に配置される、前記第二のチャネルにおける流体アキュムレータも含む。
【0023】
本発明のまた別の側面は、別のアダプターを対象とする。一つ以上の実施形態において、前記アダプターは、第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングを含む。前記ハウジングは、第一の端および第二の端を有する。前記第一のチャネルは、第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、一方向バルブなどの第一のバルブ手段を備える。前記第二のチャネルは、第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、一方向バルブなどの第二のバルブ手段を備える。また、前記アダプターは、前記第一の方向に対して、前記一方向バルブの下流に配置される、前記第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つも含む。前記アダプターは、前記第一の方向に対して、エアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの前記少なくとも一つの上流に配置される、前記第一のチャネルにおける温度プローブポートなどのセンサープローブポートを、任意で含む。
【0024】
本発明のまた別の側面は、人工呼吸器回路を備える。一つ以上の実施形態において、前記人工呼吸器回路は、人工呼吸器、前記人工呼吸器に接続される呼気ライン、および前記人工呼吸器に接続される吸入ラインを備える。また、前記人工呼吸器回路は、前記呼気ラインおよび前記吸入ラインに接続されるアダプターも含んでもよく、前記アダプターは、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備える。Y字形の部品は、前記アダプターに連結される。気管内チューブおよび気管切開チューブから選択されるチューブは、前記Y字形の部品に連結される。
【0025】
その他の実施形態において、人工呼吸器回路は、人工呼吸器、前記人工呼吸器に接続される呼気ライン、および前記人工呼吸器に接続される吸入ラインを備える。また、前記人工呼吸器回路は、前記呼気ラインおよび前記吸入ラインに接続されるアダプターも含んでもよく、前記アダプターは、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備える。前記呼気および吸入ラインは、同軸であるように配置されてもよく、あるいは単一の分離したラインのように共に接合されるように配置されてもよい。これらの実施形態において、前記Y字形の部品は省略されてもよく、前記呼気および吸入ラインは、気管内チューブまたは気管切開チューブに直接(またはレジューサーまたはアダプターを介して)連結されてもよい。
【0026】
その他の実施形態において、前記人工呼吸器回路は、人工呼吸器、前記人工呼吸器に接続される呼気ライン、前記人工呼吸器に接続される吸入ライン、および前記呼気ラインおよび前記吸入ラインに接続されるアダプターを備え、前記アダプターは、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備え、アダプターに内蔵されるHMEなどの熱水交換器(HME)をさらに含んでもよい。
【0027】
その他の実施形態において、前記人工呼吸器は省略され、噴霧器、吸入バルブ、呼気バルブおよび/またはフィルター、および任意で保持チャンバーまたは収容部を備える人工呼吸器を使用しないデバイスが提供される。一つ以上の人工呼吸器を使用しない実施形態は、陽圧補助を使用または使用せずに利用されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
発明の詳細
特に明記しない限り、化合物または構成要素についての言及は、その化合物または構成要素を単独で含め、また、化合物の組み合わせなどのその他の化合粒または構成要素との組み合わせも含む。
【0029】
本明細書で使用される際、単数形の「a」「an」および「the」は、複数形を言及することも含めるが、その内容が別途明確に述べる場合は除く。
【0030】
本明細書に引用される全ての公報、特許、および特許出願は、上記または下記に関わらず、個々の公報、特許、または特許出願が、参照することによって具体的かつ個別に組み込まれるかのように、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0031】
薬物、「活性薬剤」または製剤は、同じ意味で用いられてもよく、対象の生物(ヒトまたは動物)に適切に投与された際に所望の薬理学的および/または生理学的効果をもたらすいかなる薬物、溶液、化合物、または組成を、別々またはまとめて含めてもよい。
【0032】
本明細書で言及される「一実施形態」、「一バージョン」または「一側面」は、内容から明確ではない場合に限り、一つ以上のそのような実施形態、バージョン、または側面を含むものとする。
【0033】
さらに説明する前に、次の用語の定義は、本発明の理解に役立てられるだろう。
【0034】
「クリープ」(または「遅れ変形」)は、時間依存性であり、支持荷重を受ける材料によって示される変形である。クリープは、固定荷重でテストサンプルに張力を掛けて、定期的に伸びを記録して測定されてもよい。本書類におけるクリープ抵抗は、23°Cでサンプルに800psi荷重の加重を1000時間かけて測定される。
【0035】
概略として、本発明は、バルブ、アダプター、システム、部品、および人工呼吸器回路を含む。各部品は、本明細書に説明される組み合わせおよび/または組立とは独立して使用されてもよいことが強調される。したがって、バルブは、本発明のアダプターおよび人工呼吸器回路と共に使用することだけに限定されない。同様に、本発明のアダプターは、本発明のバルブおよび人工呼吸器回路と共に使用することだけに限定されない。さらに、本発明の人工呼吸器回路は、本発明のバルブおよびアダプターと共に使用することだけに限定されない。
【0036】
バルブ、アダプター、システム、および回路の一つ以上の実施形態は、エアロゾル化された薬物を、人工呼吸器使用するおよび使用しない患者に投入するように構成可能である。人工呼吸器を使用する治療方法は、噴霧されたエアロゾルを人工呼吸器回路を介して患者に投入することを含む。約1から約500mgの薬物などの効果的な投与量を含むエアロゾル投与量は、人工呼吸器回路を介して段階的または非段階的に送達されてもよい。人工呼吸器を使用しない治療法は、人工呼吸器を患者から外してから噴霧されたエアロゾルを投与することを含む。治療時間が完了すると、患者は、人工呼吸器を元に戻すか、あるいはその補助無しに自身によって呼吸してもよい。人工呼吸器を使用しないデバイスは、自由に呼吸する患者のために、多くの場合において自給式であり、エアロゾル発生器(例えば、噴霧器)ならびに薬物などのエアロゾル化された液状または粉末状の処方を投与するためのマスク、カニューレ、リップシール、またはマウスピースを備えてもよい。投与は、連続的、段階的(吸気時など)、および/または断続的(時間制限など)であってもよい。薬物などのエアロゾル処方を投入するために使用されるデバイスで、特に人工呼吸器を使用しないデバイスは、収容部または保持チャンバーを備えることにより、エアロゾルの持続的な流れが許可または可能になる。バルブ、デバイス、アダプター、システム、および部品は、陽圧式装置と使用されてもよく、またはそうでなくてもよい。
【0037】
本発明の一つ以上の実施形態は、さまざまなエアロゾル化可能な薬物を使用して、さまざまな病状のための治療を提供する。その病状には、その中でも特に、人工呼吸器に関連した肺炎、院内肺炎、市中肺炎、嚢胞性線維症、マイコバクテリア感染、気管支炎、感染症、MRSAを含むブドウ状球菌感染症、真菌感染症、ウイルス感染、原虫感染、および慢性閉塞性肺疾患の急性増悪期などの肺疾患が含まれてもよい。病状を治療するために使用されるエアロゾル化可能な薬物には、その中でも特に、抗生剤、抗酸化剤、気管支拡張剤、コルチコステロイド、ロイコトリエン、プロテアーゼ阻害剤、および界面活性剤が含まれてもよい。
【0038】
バルブの一つ以上の実施形態において、バルブは、複数の開口を含む支持体を備える。支持体は、中心部および外縁を備える。また、バルブは、各開口に対してフラップを備える複数のフラップも含む。各フラップは、支持体の中心部の近位で連結される端を有する。各フラップは、閉鎖位置と開放位置との間で動作可能である。
【0039】
バルブのその他の実施形態において、バルブは、開口を備える支持体を含む。また、バルブは、支持体に連結されるフラップも含む。バルブは、支持体およびフラップから選択された少なくとも一つの部材上に少なくとも一つの突出部を含み、支持体およびフラップから選択された少なくとも一つの部材上のその少なくとも一つの突起部は、フラップが閉鎖位置にある場合に、支持体およびフラップの他方に接触する表面を有する。
【0040】
さらにその他の実施形態において、バルブは、開口を備える支持体を含む。また、バルブは、支持体に連結される少なくとも一つのフラップも含み、フラップは、フラップが閉鎖位置にある際に、支持体に接触する面を有する。バルブは、支持体およびフラップから選択される少なくとも一つの部材において少なくとも一つのチャネルを含む。その少なくとも一つのチャネルは、フラップが閉鎖位置にある際に、バルブを介した流れを可能にする。
【0041】
アダプターのその他の実施形態において、アダプターは、第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングを含む。ハウジングは、第一の端および第二の端を有する。第一のチャネルは、第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、第一の一方向バルブを備える。第二のチャネルは、第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、第二の一方向バルブを備える。また、アダプターは、第一の方向に対して一方向バルブの下流に配置される、第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つも含む。アダプターの第一の端と第二の端との間の空気圧降下は、約60L/minの空気流速で、約50cmH2O未満であり、約60L/minの空気流速で、約40cmH2O、30cmH2O、20cmH2O、10cmH2O未満、またはそれ未満であってもよい。
【0042】
アダプターのその他の実施形態において、アダプターは、第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングを含む。ハウジングは、第一の端および第二の端を有する。第一のチャネルは、第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、第一の一方向バルブを備える。第二のチャネルは、第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、第二の一方向バルブを備える。また、アダプターは、第一の方向に対して、一方向バルブの下流に配置される、第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つも含む。アダプターは、さらに、第三の方向に対して、第二の一方向バルブの上流に配置される、第二のチャネルにおける流体アキュムレータも含む。
【0043】
アダプターのさらにその他の実施形態において、アダプターは、第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングを含む。ハウジングは、第一の端および第二の端を有する。第一のチャネルは、第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、第一の一方向バルブを備える。第二のチャネルは、第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、第二の一方向バルブを備える。また、アダプターは、第一の方向に対して、一方向バルブの下流に配置される、第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つも含む。アダプターは、第一の方向に対して、エアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つの上流に配置される、第一のチャネルにおける温度プローブポートなどのセンサープローブポートを含んでもよい。
【0044】
人工呼吸器回路の一つ以上の実施形態において、人工呼吸器回路は、人工呼吸器、人工呼吸器に接続される呼気ライン、および人工呼吸器に接続される吸入ラインを備える。また、人工呼吸器回路は、呼気ラインおよび吸入ラインに接続されるアダプターも含み、そのアダプターは、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備える。Y字形の部品は、アダプターに連結される。気管内チューブおよび気管切開チューブから選択されるチューブは、Y字形の部品に連結される。
【0045】
人工呼吸器回路のその他の実施形態において、回路は、人工呼吸器、人工呼吸器に接続される呼気ライン、および人工呼吸器に接続される吸入ラインを備えてもよい。また、人工呼吸器回路は、呼気ラインおよび吸入ラインに接続されるアダプターも含んでもよく、そのアダプターは、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備える。呼気および吸入ラインは、同軸であるように配置されてもよく、あるいは単一の分離したラインのように共に接合されるように配置されてもよい。これらの実施形態において、Y字形の部品は省略されてもよく、呼気および吸入ラインは、気管内チューブまたは気管切開チューブに直接(またはレジューサーまたはアダプターを介して)接続されてもよい。
【0046】
その他の実施形態において、人工呼吸器回路は、人工呼吸器、人工呼吸器に接続される呼気ライン、人工呼吸器に接続される吸入ライン、および呼気ラインおよび吸入ラインに接続されるアダプターを備え、そのアダプターは、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備え、アダプターに内蔵されるHMEなどの熱水交換器(HME)をさらに含んでもよい。
【0047】
その他の実施形態において、人工呼吸器回路は、前述の構成要素のいずれをも備えるが、人工呼吸器がその回路の一部とみなされない場合は除く。
【0048】
本発明のその他の実施形態において、バルブ、デバイス、システム、および回路は、噴霧器、吸入バルブ、呼気バルブおよび/またはフィルター、および任意で保持チャンバーまたは収容部を備える装置などの人工呼吸器を使用しない構成において使用される。通常、そのようなデバイスまたは装置は、噴霧器などのエアロゾル発生器、ならびに、患者、特に、自由呼吸の患者に対して生成されるエアロゾルを送達するためのいくつかの手段を備える。いくつかの実施形態において、そのような装置は、非段階的な方法で送達しつつ連続的なエアロゾルの生成を可能にするために、保持チャンバーをさらに備えてもよい。人工呼吸器を使用しないデバイスおよびシステムのさらなる例は、例えば、2005年3月24日に出願の共同所有の米国特許公報第20050217666号において開示され、その開示は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0049】
したがって、一つ以上の側面において、本発明は、単一のバルブまたは複数のバルブに関連する。バルブ10の例示的実施形態が図1〜7に示される。バルブ10は、支持体20を備える。支持体20は平面的であるように示されるが、支持体20はその他の形状をとってもよい。例えば、支持体は、曲率半径を有してもよい。曲率半径は、約1cmから約50cmまたは約5cmから約10cmなどの約0.1cmから約100cmまでの範囲であってもよい。
【0050】
支持体20は、開口30を含む。図1〜7のバルブ10は四つの開口30を有するが、開口30の数は、限定されない。例えば、バルブ10は、例えば、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、またはそれ以上である、一つ以上の開口30を有してもよい。
【0051】
開口30は、液体またはガス(例えば、空気)などの流体が支持体20を通過するように設計される。開口の形は、特に限定されない。したがって、開口の断面図の形は、円形、三角形、台形、四角形、星形、卵形、楕円形、不定形、または同様なものであってもよい。開口の側面32は、流体流れに対して平行であってもよく、または主な流体流れに対して角度を成してもよい。したがって、開口の側面は、主な流体流れに対して約−90、−85、−80、−75、−70、−65、−60、−55、−50、−45、−40、−35、−30、−25、−20、−15、−10、−5、0、5、10、15、20、25、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85未満の角度または90度を成してもよい。開口の側面角度を約0°にすることにより乱流を軽減してもよい。開口の側面角度を約0°以外にすることにより流体の混合を増加させてもよい。
【0052】
バルブ10は、所望の状態および/または結果を提供するように最適化されることができる。いくつかの実施形態において、バルブ10は、一定の流れ抵抗で流体流れを最大にする、あるいは一定の流速で圧力低下を最小化する、あるいはその組み合わせを達成するように最適化される。例えば、開口は、主な流体流れに垂直な面であるバルブの断面の占める割合が大きくてもよい。開口は、バルブの断面の例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を備えてもよい。その他の実施形態において、バルブ10は、付着あるいは、流動破壊および/または機械故障に対する障害を軽減するように最適化されてもよい。その他の実施形態において、バルブ10は、例えば、所望の低圧力差で開放するなどの、圧力変化に対する所望のまたは最適化された感度を提供するように最適化されてもよい。これにより、人工呼吸器利用および/または薬物投与において効果をもたらすことができる。
【0053】
図1〜7の実施形態に示されるバルブ10は、幾何学的中心を含む中心部40および外縁42を有する。外縁42は、管(図示せず)に適合するように形作られる。あるいは、外縁は、管の一部であってもよく、つまり、少なくともバルブの支持体および管が相互に一体型である。図1〜7の実施形態に示される外縁42は円形である。しかし、外縁42は、いかなる特定の形状にも限定されず、楕円形、四角形、三角形、不定形、および同様なものなどのその他の形状であってもよい。
【0054】
また、バルブ10は、単一のフラップまたは複数のフラップ50も備える。図1〜7の実施形態に示されるバルブ10は、四つのフラップ50を含むが、フラップの数は限定されない。例えば、バルブ10は、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、またはそれ以上の一つ以上のフラップ50を有する。[Editor’s Note: the original stentence includes the word ‘apertures’ here, but it is apparently meant ‘flaps’ from the context. It must be a typo.]通常、各開口30は、対応するフラップ50を有するが、一つのフラップ50が二つ以上の開口30に対応してもよい。複数のフラップを有することによって余剰がもたらされる。したがって、フラップのうちの一つが付着しても、一つ以上のその他のフラップが依然として流体を通過させるようにしてもよい。いくつかの実施形態において、ガスが単一のフラップを開放する傾向があるため、単一のフラップを有することにより付着する可能性を軽減してもよい。いくつかの実施形態において、単一のフラップにすることにより、高流量の用途において流れ抵抗を軽減するために、断面積を広くとるようにする。
【0055】
図1〜7の実施形態に示されるフラップ50は、支持体20の中心部40に連結される端52を有する。あるいは、フラップ50は、支持体20の外縁42付近で支持体に連結される端を有してもよい。
【0056】
フラップ50は、開放または閉鎖位置にあってもよい。したがって、動作の際、フラップを第一の方向に回転させることによって、フラップは、図1および3に示されるように閉鎖位置に移動する。フラップを第二の方向に回転させる事によって、フラップは、図2および4に示されるように開放位置に移動する。図3および4は、断面図であり、フラップ50上の流体流れ(矢印Aにより示される)の影響を示す。
【0057】
図1〜7の実施形態に示されるフラップ50は閉鎖位置に付勢されている。代わりに、フラップ50は開放位置に付勢されてもよい。図1〜7の実施形態に示されるフラップ50は、フラップ材料の形状記憶によって、閉鎖位置に付勢されている。付加的または代わりに、フラップは、バネ、補助的フラッパ、または部分的に補助的フラッパと重なるプレストレスト材などの付勢手段により付勢されてもよい。
【0058】
図1〜7の実施形態のフラップ50が閉鎖位置にある場合、フラップ50は、支持体20の上に存在し、最小またはゼロの圧縮応力あるいは荷重下にある。最小応力により、フラップ50が支持体20に付着する可能性が軽減される。その代わりに、フラップ50は、閉鎖位置において事前に負荷が加えられるか、あるいは付勢されてもよい。逆圧などの場合に、事前の負荷または付勢により、バルブ10を介した漏出を軽減してもよい。事前の負荷または付勢は、記憶材料、バネ、および同様なものによって達成されてもよい。
【0059】
したがって、図1〜7の実施形態に示される各フラップ50は、連結端54の逆方向に移動端52を備える。移動端52は、一般的に、閉鎖位置において支持体20の外縁42に接触する。支持体20の外縁42は、フラップ50に接触する突起部60を任意で備える。任意で、その突起部は、フラップの一部を形成してもよく、バルブが閉鎖される場合に、支持体に接触してもよい(図示せず)。
【0060】
突起部60は、多くの場合、支持体20とフラップ50との接触領域を最小化するための座部として機能する。最小化された接触領域により、フラップ50が支持体20に付着する可能性を軽減してもよい。
【0061】
図1〜7に示される実施形態の突起部60は三角形で、開口30の周囲に隣接する縁を形成する。したがって、突起部は刀形を形成する。三角形以外の形が、開口30の周囲に隣接する縁を形成するように使用されてもよい。例えば、突起部の断面図は、長方形、半円形、楕円形、円錐形、または同様のものであってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、隣接する縁の接触領域は、縁の長さ1cmにつき、約0.5cm2未満または約0.1cm2未満などである約1cm2未満であってもよい。隣接する縁により、バルブ10を介した漏出を最小化してもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、接触領域は非隣接でもよい。例えば、突起部60は、規則的または不規則的な針形、三角形、長方形、円錐形、半円筒形、球形、半球形、ピラミッド形、ヒレ形、三日月形、それらの一部、または隙間により分割されるその他の形、または同様なものを含めてもよい。非隣接の接触領域により、漏出がいくらか発生する可能性があるが、そのような突起部は、付着を軽減する可能性がある。この点において、突起部により、接触領域が削減され、表面張力による自浄がもたらされる。特定の用途において、付着の可能性を軽減することは、漏出を軽減するよりもさらに重要である場合がある。例えば、以下にさらに詳しく説明されるように、エアロゾルを人工呼吸器回路に添加するためのアダプターは、場合により、例えば最大約10L/min、最大約0.5L/min、または最大約0.1L/minなどである最大約10L/minまでの漏出に耐えることができる。これらのアダプターのうちの一つにおけるバルブの一つ以上のフラップが付着する場合、フロープロファイルは、不規則になる可能性がある。
【0064】
いくつかの用途において、バルブを介した少量の漏出が望まれる場合がある。例えば、以下にさらに詳しく説明されるように、エアロゾルを人工呼吸器回路に添加するためのアダプターは、いくらかの漏出を有利に含んでもよい。この点において、いくらかの漏出により、患者と人工呼吸器の接合部を改善してもよい。
【0065】
したがって、図8に示される本発明の一バージョンにおいて、バルブ110は、開口122(透視で示される)を備える支持体120を含む。フラップ150は、支持体120に連結される。フラップ150は、フラップ150が閉鎖位置にある際に、支持体120に接触する面を有する。支持体120は、フラップ150が閉鎖位置にある際に、バルブ110を介した流体流れを可能にするチャネル180を含んでもよい。
【0066】
図9に示される別のバージョンにおいて、バルブ210は、開口222(透視で示される)を備える支持体220を含む。フラップ250は、支持体220に連結される。フラップ250は、フラップ250が閉鎖位置にある際に、支持体220に接触する面を有する。支持体220は、フラップ250が閉鎖位置にある際に、バルブ210を介した流体流れを可能にするチャネル280を含んでもよい。
【0067】
図8および9に示されるバージョンにおいて、チャネル180および/または280の相対サイズおよび相対数を変更することにより、技術を有する者は、フラップが閉鎖位置にある際のバルブを介する流体流れに対する、フラップが開放位置にある際のバルブを介する流体流れの割合を変更してもよい。例えば、開放位置における流体流れは、閉鎖位置の流体流れよりも、少なくとも約2倍、少なくとも約10倍、少なくとも約100倍、少なくとも約1000倍、少なくとも約10,000倍、または少なくとも約100,000倍大きくなってもよい。
【0068】
フラップ毎の接触領域の量は、フラップのサイズなどの要素によって決まる。いくつかの実施形態において、フラップ毎の接触領域の量は、約1cm2未満、約0.8cm2未満、約0.5cm2未満、約0.1cm2未満、および約0.01cm2未満を含むがそれだけに限定されない。いくつかの実施形態において、突起部に接触するフラップの表面の表面積の割合は、多くの場合、約0.5%から約25%、約1%から約10%、および約1%から約5%などである約0.1%から約50%までの範囲である。突起部に接触するフラップの表面の表面積の割合は、多くの場合、約2.5%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.1%未満、または約0.01%未満などである約5%未満である。
【0069】
図1〜7の実施形態におけるフラップ50は、図7に示されるように相互に一体型である。フラップ50は、四葉のクローバーに類似する四つのローブ構造を形成する。相互に一体化する複数のフラップを形成することにより、製造原価を削減することができる。あるいは、複数のフラップ50は、別個の部分であってもよい。複数のフラップ50の別個の部分を形成することによって、あるフラップにおける応力が、別のフラップの性能の影響を受けないようにするために望ましくなる。
【0070】
図1〜7の実施形態における複数のフラップ50および支持体20は、別個の部分である。支持体20および複数のフラップ50を別個の部分に形成することにより、これらの部分を形成する材料の最適化が可能になる。あるいは、支持体20および複数のフラップ50は、相互に一体型であってもよい。相互に一体化する複数のフラップを形成することにより、製造原価を削減することができる。
【0071】
支持体20および複数のフラップ50が別々の部分である際、フラップ50は、さまざまな技術を使用して支持体上に装着されることができる。図1に示されるように、中柱70はフラップ50を保持する。装着技術の例は、当技術分野において既知であるものであり、スナップ嵌め、接着剤、共融解超音波溶接、RF溶接、スピン溶接、クランプ、ヒンジ(以下に説明のとおり)、および同様なものなどの、接着締め具、機械的締め具、および材料接合が挙げられる。
【0072】
複数のフラップを形成する材料は、剛体でもよく、または柔軟性のあるものであってもよい。フラップ材料は、バルブが低圧力降下で開放可能なように選択されてもよい。例えば、柔軟性のフラップ材料は、約30から約80、約40から約70、および約50から約60などである、約20から約90までのショアA硬度を有してもよい。剛体の材料は90より大きいショアA硬度を有する。例えば、剛体の材料は、100ロックウェルBなどの少なくとも50ロックウェルBの剛性を有してもよい。
【0073】
フラップ材料が柔軟性である場合、優れた形状記憶またはクリープ抵抗、あるいはその両方を含む材料を備えてもよい。例えば、クリープ抵抗は、23°C、荷重800psi下において、1000時間後、約3%伸度未満、約1%伸度未満、約0.5%伸度未満、または約0.2%伸度未満などである、約4%伸度未満であってもよい。
【0074】
フラップ材料が剛体である場合、フラップは、ヒンジまたはヒンジ手段によって支持体に連結されてもよい。ヒンジ手段の例として、ピン継手およびリビングヒンジが挙げられるがそれだけに限定されない。
【0075】
フラップは、さまざまな形状を帯びていてもよい。例えば、図10Aは、狭いネック356およびヘッド358を有するフラップ350の上面図である。フラップ350がエラストマーから形成される場合、狭いネックにより、フラップがネック356で曲がる可能性が増加する。反対に、図10Bは、広いネッック456およびヘッド458を有するフラップ450の上面図である。フラッグ450がエラストマーから形成される場合、広いネック456により、フラップ450がフラップの長さに渡って曲がる可能性が増加する。ヘッドの幅に対するネックの幅の割合は、一般的に、約1:10から約1:1、約1:5から約1:2などである、約1:20から約2:1までの範囲である。
【0076】
また、フラップは、その断面において形成されるネックを有してもよい。例えば、図11Aは、長方形の断面を有するフラップ550の断面図である。フラップ550がエラストマーから形成される場合、フラップ550は、その全体の長さで曲がる傾向にある。図11Bは、断面にネック656が形成されたフラップ650の断面図である。フラップ650がエラストマーから形成されている場合、フラップ650は、ネック656で屈曲または回転する傾向にある。その他の位置におけるフラップ650の幅に対するネック656における幅の割合は、多くの場合、約1:8から約4:5、約1:6から約7:10、および約1:4から約3.5などである、約1:10から約9:10までの範囲である。
【0077】
図12Aは、フラップ750の別のバージョンの上面図である。フラップ750は、フラップを支持体に装着するための中柱770を含む。いくつかの実施形態において、フラップ750は、フラップ750の回転を容易にするためにネック756も含む。いくつかの実施形態において、フラップ750は、断面図である図12Bに示されるようにカップ部759を含む。
【0078】
フラップ材料および支持体材料は、同一でもよく、あるいは相違してもよい。適切なフラップおよび支持体の材料の例として、エラストマー、ポリマー、金属、セラミック、および複合物が挙げられるがそれだけに限定されない。ポリマーの例として、ポリウレタン、フッ素重合体(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン、シリコーンゴム(例えば、Dow Chemical社およびGE社より入手可能である)などのシリコーンで、例えば二部射出成形のシリコーンゴムなど、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、およびSantopreneTM熱可塑性エラストマー(ExxonMobil Chemical社より入手可能)などが挙げられるがそれだけに限定されない。複合物の例として、強化材料および積層が挙げられるがそれだけに限定されない。強化材料には、例えば、粒子強化材料、繊維強化材料、および織布強化を有するシリコーンが含まれてもよい。積層には、例えば、パリレン被覆シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン被覆ポリマー、ポリマーに付着するポリイミド、シリコーンに積層する強化層、および高デュロメーター上の低デュロメーターポリマー(例えば、90ショアAのシリコーン上の30ショアAのシリコーン)が含まれてもよい。
【0079】
バルブは、バルブを介した流体流れが、適切な条件下で望ましく層流または乱流であるように設計されることができる。主な層流を得るために、バルブは、少ない障害物で設計されてもよい。層流は、凝縮を最小限にするように役立ってもよい。主に乱流を得るために、バルブは、障害物または不均整の流路開口部を備えて設計されてもよい。乱流により、さらに混合されてもよい。
【0080】
バルブ10は、反転の可能性を最小限に留めるように設計されることができる。咳またはその他の高逆圧による反転は、不可逆になる可能性があり、バルブが一構成で固定するようになる。反転は、バルブが人工呼吸器で使用される際などに、深刻な安全性の問題を引き起こす可能性がある。また、バルブの反転により、エアロゾル化装置のアダプターを伴うシステムの揮散量が減少する可能性がある。反転は、例えば、突起部60を有するフラップ50を重ねることによって制御されることができる。空気圧が、0.5秒未満で、約1psi未満または0.5psi未満など、約2psi未満の量において変化する際は、バルブ10は反転しない。
【0081】
バルブは、さまざまな圧力で開放するように設計されることができる。例えば、フラップは、圧力が約0.1cmH2Oから約100cmH2O、約0.5cmH2Oから約50cmH2O、約1cmH2Oから約10cmH2O、または約2cmH2Oから約5cmH2Oなどである、約0.05cmH2Oから約150cmH2Oまでの範囲のレベルに達する際に、開放してもよい。
【0082】
バルブ810の別の実施形態は、図13および14に示される。本例において、フラップ850は、支持体820に配置される中柱870を含み、矢印Bによって示される方向における動きが可能になる。図13は、開放位置におけるバルブ810を示す。バルブ810が閉鎖位置にある場合、フラップ850は、突起部860に接触する。図14に示されるように、突起部860は相互に間隔があけられる。付着を防ぐために、その空間は、突起部860間の空間が液体で満たされないように十分であるべきである。例えば、突起部は、約1cm未満などの約1.5cm未満、約0.1cm未満などの約0.2cm未満、約0.05cm未満、約0.005cm未満などである距離で相互に空間があけられてもよい。
【0083】
バルブ910のさらに別のバージョンは、図15および16に示される。図15は、開放位置におけるバルブ910を示す。支持体920は、柔軟性の材料の円板を備えるフラップ950を保持する。図16は、フラップ950がない支持体920の上面図である。本実例の支持体920は、二つの開口930を備えて示されるが、開口の数は特に限定されない。したがって、バルブ910は、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、またはそれ以上の開口を含んでもよい。
【0084】
バルブは、流体流れ、特にガス流れを、さまざまな環境において制御するために、一方向バルブとして使用されてもよい。一方向バルブの使用は既知である。例えば、バルブは、化学処理、スキューバ用具、ガスマスク、人工呼吸器(機械的人工呼吸器、手動人工呼吸器)、噴霧器のアダプター、または同様なものにおいて使用されてもよい。
【0085】
バルブを管に装着するためにさまざまな技術が使用されてもよい。装着技術の例として、スナップ嵌め、プレス嵌め、ネジ切り、鍵、接着、超音波溶接、超音波溶接、[Editor’s note: ‘ultrasonic welding’ appears twice in the original sentence.]RF溶接、スピン溶接、クランプ、および同様なものが挙げられるがそれだけに限定されない。
【0086】
上記のように、バルブは、人工呼吸器回路および噴霧器のアダプターにおいて使用されてもよい。人工呼吸器回路および噴霧器のアダプターは、さまざまな形状をとってもよい。例えば、バルブは、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる2004年11月17日に出願された共同所有の米国特許公報第20050139211号に示されるアダプターにおいて使用されてもよい。
【0087】
したがって、バルブは、図17に示されるようなエアロゾル化された製剤処方の送達システム1100において使用されてもよい。一つ以上の実施形態において、エアロゾル化された製剤処方の送達システム1100は、ユーザーの肺などのユーザーの呼吸器の一部分に、エアロゾル化された製剤処方を送達する。一つ以上の実施形態において、エアロゾル化された製剤処方の送達システム1100は、人工呼吸器1105による補助によって呼吸をする患者に、エアロゾル化された製剤処方を送達するのに有用であるが、以下に説明されるように、人工呼吸器を使用しない患者に製剤処方を送達するために使用されるようにも構成されてよい。人工呼吸器回路1110は、図17に図式的に示される。吸入ライン1115および呼気ライン1120は、人工呼吸器1105から伸びる。吸入ライン1115および呼気ライン1120は、両方とも、それらから伸びる気流管を有するチューブから構成される。吸入ライン1115および呼気ライン1120は、人工呼吸器1105から離れた接合部1125で交わる。接合部1125において、吸入ライン1115の管は、呼気ライン1120からの管と連通し、両管は、患者ライン1130と連通する。患者ライン1130は、患者に挿入される気管内または気管切開チューブ1135の管まで伸びる管を備える。チューブ1135は、ユーザーの肺の中または付近まで伸びてもよい反対端を有する。したがって、一つ以上の使用実施形態において、酸素を含む空気は、人工呼吸器1105によって吸入ライン1115に導入される。酸素を含む空気は、吸入ライン1115の管を通って、患者ライン1130に入り、チューブ1135の管を介して患者の肺に入る。次に、患者は、自然にあるいは人工呼吸器から陰圧をかけることによって息を吐き、吐き出された空気は、チューブ1135を通り、患者ライン1130を通り、そして呼気ライン1120を通って人工呼吸器1105に入る。その循環は、患者の呼吸を補助するため、または患者の呼吸を全体的に制御するために連続的に繰り返される。
【0088】
エアロゾル化された製剤処方の送達システム1100は、システムまたは機構1140などのエアロゾル導入手段をさらに備える。エアロゾル導入機構1140は、接合部1125と患者の肺の間の位置において、エアロゾル化された製剤処方を人工呼吸器回路1110に導入するアダプター1145を備える。例えば、エアロゾル導入器は、図17に示されるように、エアロゾル化された薬剤を患者ライン1130に導入してもよく、あるいはエアロゾル化された製剤処方をチューブ1135の中またはその付近に導入してもよい。アダプター1145により導入されたエアロゾルは、製剤処方を含む収容部を備えるエアロゾル化装置1150によって生成される。エアロゾル化エネルギーは、エネルギー源1160によってエアロゾル化デバイスに供給され、エアロゾル化された製剤処方を生成する。エアロゾル化された製剤処方は、通路1165を通ってアダプター1145に入り、そこで人工呼吸器回路1110に導入されてもよい。
【0089】
エアロゾル化装置1150は、例えば、エネルギー源が圧縮空気であるジェット噴霧器、エネルギー源が、波、エネルギーなどの機械的である振動メッシュ噴霧器、エネルギー源が音波エネルギーである超音波噴霧器、エネルギー源が予め選択された大気状態下などで沸騰する組成などの噴射剤である定量吸入器、またはエネルギー源が圧縮されるまたは気流である、あるいは膜振動または同様のものである乾燥粉末吸入器であってもよい。
【0090】
液体処方は、さまざまな手順のいずれによっても噴霧化されることができる。例えば、液体は、二流体ノズル、圧縮ノズル、または回転円板を介して霧化されることが可能で、あるいは、超音波噴霧器または振動オリフィスエアロゾル発生器(VOAG)で噴霧化されることができる。一つ以上の実施形態において、液体処方は、BD AccuSprayノズルなどの圧縮ノズルで噴霧化される。エアロゾル化装置1150は、凝縮エアロゾル化、衝突噴流技術、電気スプレー技術、熱気化、またはペルチェ素子に基づいてもよい。
【0091】
ジェット噴霧器は、空気圧を使用することによって、溶液をエアロゾル液滴に分解する。一つ以上の実施形態において、ジェット噴霧器(例えば、Aerojet、AeroEclipse、Pari L.C.、the Parijet、Whisper Jet、Microneb(R)、Sidestream(R)、Acorn ll(R)、Cirrus、およびUpmist(R))は、空気ポンプからチューブによって供給される高速移動する空気で液体流を分散させて、液滴を霧として生成する。本方法で生成される液滴は、一般的に、約2〜5μmの直径を有する。
【0092】
一つ以上の実施形態において、電流を機械的振動に変換するための圧電変換器を使用する超音波噴霧器は、エアロゾル液滴を生成するために使用される。超音波噴霧器の例として、Siemens345 UltraSonic NebulizerTMおよび、例えばオムロンヘルスケア株式会社およびDeVilbiss Health Care,Inc.で市販される物が挙げられるがそれだけに限定されない。例えば、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれるEP1066850を参照のこと。生成された液滴は、一般的に、約1から約5ミクロンの範囲のMMAD(空気動力学的中央粒子径)を有する。
【0093】
振動多孔板噴霧器は、多孔板から溶媒の液滴を押し出すように急速に振動する多孔板により生成される音波真空を使用して機能する。例えば、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許番号第5,758,637、5,938,117、6,014,970、6,085,740、および6,205,999号を参照のこと。
【0094】
例えば、一つ以上の実施形態において、エアロゾル発生器は、振動要素および先細になった穴のある円蓋形の開口板を備える、市販のAerogen(カリフォルニア州、マウンテンビューにあるAerogen,Inc.)エアロゾル発生器である。板が、約100k/sから約150k/sなど一秒に数千回振動する場合に、マイクロポンプ作用により、液体が先細の穴を介して引き出され、正確に規定された範囲の液滴サイズの低速エアロゾルを生成する。Aerogenエアロゾル発生器は噴射剤を必要としない。
【0095】
Aerogen AeronebおよびPari eFlow(ドイツのPari Respiratory Equipment)について、圧電発振器は振動メッシュの周辺に配置され、噴霧器の中身の正確な大きさの液滴が、振動によって膜を介して揺らされ、反対側に薬物の呼吸可能な霧を生成する。別の振動メッシュ噴霧器である、Omron Micro−air(日本国のオムロン)については、圧電発振器は、振動メッシュの周囲に配置される代わりに近位に配置され、膜の孔を介して噴霧器の中身の液滴の液滴を振動させるのではなく押し出て、同様の結果をもたらす。
【0096】
凝縮エアロゾル発生器において、エアロゾルは、小さく電気的に加熱されたキャピラリーを介して薬物処方をポンプで出すことにより生成される。キャピラリーを出ると、処方は、大気によって急速に冷却され、大気状態およびユーザーの吸入速度に対して比較的不変である弱いエアロゾルが生成される。参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許番号第6,701,922およびWO03/059413を参照のこと。一つ以上の実施形態において、凝縮エアロゾル発生器は、Alexza Molecular Delivery Corporationによって開示されるものを備える。参照することによって全体が本明細書に組み込まれる、米国公報出願第2004/0096402を参照のこと。
【0097】
吸入用の定量の液体製剤組成を送達するための別の装置は、参照することによりその全体が組み込まれる、例えば、WO91/14468およびWO97/12687において説明される。その中で説明される噴霧器は、Respimat(R)の名で既知である。
【0098】
一つ以上の電気スプレーは、液体処方を噴霧化するために使用されてもよい。静電スプレーの用語(電気流体力学的スプレーまたは電気スプレーとしても既知である)は、液体の分散がその帯電に依存し、噴霧およびガス流動プロセスが比較的連結していないシステムを言及する。電気スプレーデバイスの例は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許番号第6,302,331、6,583,408、および6,803,565において開示される。
【0099】
一つ以上の実施形態において、エアロゾル発生器は、熱気化デバイスを備える。そのようなデバイスは、インクジェット技術に基づいてもよい。
【0100】
一つ以上の実施形態において、エアロゾル発生器は、ペルチェ素子を備える。そのようなデバイスの例は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる米国公報出願第2004/0262513において開示される。
【0101】
一つ以上の実施形態において、エアロゾル発生器は、振動オフィリス単分散エアロゾル発生器(VOAG)を備える。このデバイスは、単分散エアロゾル発生器の種類の一例である。
【0102】
一つ以上の実施形態において、エアロゾル発生器は、キャピラリー力および相転移に依存する薄膜かつ高表面積のボイラーを備える。キャピラリー環境における相転移を誘起することによって、圧力が、膨張ガスに与えられ、それが放出される。この技術は、Vapore,Inc.によって開示され、Vapore−Jet CFV技術として既知である。参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許番号第5,692,095、5,870,525、6,162,046、6,347,936、6,585,509、および6,634,864、ならびに米国出願第10/691,067を参照のこと。
【0103】
接合部1125と患者の肺との間の位置におけるエアロゾル化された製剤処方を導入するためのアダプター1145の例は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれるWO2004/071368、ならびに参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる米国公報出願第2004/0011358および2004/0035413に開示される。アダプター1145のその他の例は、米国特許公報番号第20050139211号(下記)において開示される。
【0104】
接合部1125と患者の肺との間の位置におけるエアロゾル化された製剤処方を導入することは、エアロゾルが、吸入ライン1115に、または人工呼吸器1105内に導入されるシステムに比べて、多くの点において有利である。例えば、接合部1125および患者の肺の間の位置にエアロゾル化された製剤処方を導入することによって、導入点から患者の肺への人工呼吸器回路の体積が実質的に軽減される。したがって、エアロゾル化された製剤処方は、さらに濃縮され、人工呼吸器回路1110の全体にあまり拡散しない。さらに、処方が吸入ライン1115に添加される場合は、処方の多くが呼気ライン1120に引き込まれ、投与の効率をさらに制限することになる。この拡散および効率低下のため、既知のシステムにおいて投与量の一貫性を制御することは難しい。また、患者の肺に投与されていない大量のエアロゾル化された製剤処方が存在するということは、医療従事者またはその他の者によって吸入される環境に多くのエアロゾルが導入される可能性が有るという点において望ましくないと言える。
【0105】
接合部1125および患者の肺の間の位置における製剤処方が、既知のシステムに比べて有利であるが、それでも状況によっては、導入されるエアロゾル化された製剤処方の多くが、患者に投与される前に呼気ライン1120に引き込まれることが発見された。ゆえに、本発明のアダプター1145は、効率および/または投与量の一貫性を上げるように改善された方法において、エアロゾル化された製剤処方を導入するように設計された。したがって、アダプター1145は、接合部1125と患者の肺との間の位置にエアロゾル化された製剤処方を吸入流れに導入する。このようにして、アダプター1145は、人工呼吸器回路1120[Editor’s note: the number here should be 1110. This must be a typo.]の呼気ライン1120に引き込まれるエアロゾル化された製剤処方の量を削減する役割を果たす。
【0106】
図18A〜18Cは、Y字形の部品の接合部1125の機能も実行するアダプター1145の一バージョンを示す。図18A〜18Cのエアロゾル導入器1145は、H形の本体1200を備える。H形の本体1200の第一の端において、第一のコネクタ1205および第二のコネクタ1210は、人工呼吸器回路1110の吸入ライン1115および呼気ライン1120に連結可能なようにそれぞれ構成される。H形の本体1200内において、交差チャネル1215は、第一のコネクタ1205から第二のコネクタ1210に空気が流れるように、管を提供する。そのようにして、コネクタ1205、1210および交差チャネル1215は、従来のY字形の部品のものと同様の方法で吸入ライン1115および呼気ライン1120の接合部1125としての役割を果たす。
【0107】
本バージョンにおける壁1255は、それぞれ第一のチャネル1265および第二のチャネル1260を形作る、二つのチューブ1256、1257の形状である。第一のチャネル1265は、エアロゾル化装置1150と連通し、エアロゾル化された製剤処方を収容することが可能である延長部1285を含む。
【0108】
図18Bにおいて最もわかるように、第一のチャネル1265内および交差チャネル1215の下流(吸入方向に対して)位置において、上に説明されるように一方向の吸入バルブ1270が提供される。本バージョンにおいて、一方向の吸入バルブ1270は、フラップ1272を保持する支持体1271を備える。一方向の吸入バルブ1270は、吸入時に開放し、呼気時に閉鎖する。
【0109】
図18Cで最もわかるように、第二のチャネル1260内および交差チャネル1215の上流(呼気方向に対して)位置において、上に説明されるように一方向の吸入バルブ1290が提供される。一方向の吸入バルブ1290は、呼気時に開放し、吸入時に閉鎖する。
【0110】
また、アダプター1145は、熱線加湿器のための温度プローブなどのセンサープローブ(以下に説明される図35参照)と共に使用するためのセンサープローブポート1240も含む。適切な温度プローブの例として、抵抗温度検出器、サーミスタ、サーモカップル、Fisher−Paykel561温度プローブ、Hudson RCI温度プローブ、および同様なもの挙げられるがそれだけに限定されない。その他のセンサーとして、圧力センサー、湿度(水分)センサー、気流センサー、またはその組み合わせを含めてもよい。
【0111】
この位置で吸入ガスの温度を測定することは、エアロゾル化装置1150がガスを導入する前に、吸入ガスの温度が反映されるため、有利である。吸入ガスの温度がエアロゾル化装置1150の後の位置で測定されると、吸入ガスは、アダプター1145に到達する前に過熱される、または通気ガス加熱機能の制御に障害が発生する可能性がある。
【0112】
アダプター1145は、一方向の呼気バルブ1290の、呼気方向に対して上流に位置する第二のチャネル1260において、流体アキュムレータ1242を含んでもよい。流体アキュムレータは、流体、例えば、凝縮および/または粘液が一方向の呼気バルブ1290に影響を及ぼさないように配置される。この点において、一方向の呼気バルブ1290は、流体が蓄積する個所に対して高くしてもよい。例えば、第二のチャネル1260の底部は、一方向の呼気バルブ1290の底部より、少なくとも約1cmまたは少なくとも約0.5cmなどの少なくとも約2cm、下方にあってもよい。
【0113】
図18A〜18Cに示される流体アキュムレータ1242は、ポート1244を備える。ポートは、バルブ(図示せず)を含んでもよい。バルブの例として、栓、括約筋バルブ、注射部位、取り外し可能なキャップ、および同様なものが挙げられるがそれだけに限定されない。無針注射器が流体を吸い出すために使用されてもよい。
【0114】
あるいは、図19に示されるように、流体アキュムレータ1242は、ポート1244を省いてもよく、第二のチャネル1260に形成される収容部1246を備える。したがって、流体1248は、収容部1246に蓄積されてもよい。収容部は、一方向の呼気バルブ1290が流体に接触する前に、一般的に、少なくとも約10mlまたは少なくとも約5mlなど、少なくとも約20mlの流体を保持してもよい。図19において、矢印Cは、患者から戻ってくる空気を示し、矢印Dは、人工呼吸器に戻る空気を示す。
【0115】
本発明のアダプターは、人工呼吸器回路において使用される際、製剤処方を再現性良くかつ効率良く送達することができる。例えば、本発明は、一般的に、全名目投与量の約±10%、±8%、±6%、±4%、±2%、または±1%内で送達された投与量を再現できる。本発明は、多くの場合において、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%などである、少なくとも約30%の送達された効率を達成することができる。
【0116】
本発明の多くのバージョンは、一つには、アダプターを通る空気のフロープロファイルにより、この再現性および効率を達成することができる。図20Aおよび図20Bは、空気のフロープロファイルを示す。図20Bは、図20Aのバルブ(クローバー型の4つのフラップ)を介した気流の断面図の理想的な概略図であり、アダプターチャネル内のバルブの周囲の気流を示す。図20で示されるように、高速度の空気がアダプターの表面近くを通過するので、アダプターは自浄式である。
【0117】
本発明のアダプターは、一般的に、患者と人工呼吸器の接合部に対する影響が有利に最小限になる。影響が最小限であることによって、人工呼吸器は、より効果的に患者に対応することができる。アダプターおよびバルブは、60L/minの空気流速で、アダプターの第一の端と第二の端との間の圧力降下が、多くの場合、約30cmH2O未満、約5cmH2O未満、約4cmH2O未満、約3cmH2O未満、約2cmH2O未満、または約1cmH2O未満などの、約50cmH2O未満であり、約0.05cmH2Oから約10cmH2O、約1cmH2Oから約5cmH2O、または約2cmH2Oから約4cmH2Oまでの範囲にあってもよいように配置される。30L/minの空気流速で、アダプターの第一の端と第二の端との間の圧力降下は、一般的に、約1cmH2Oから約2cmH2Oまでの範囲である。
【0118】
アダプターは、透明、半透明、または不透明の材料から形成されてもよい。透明の材料を使用することは、ユーザーが、視覚的にアダプターの機能を点検することができるため、有利になる。アダプターの材料の例として、ポリプロピレン、SAN(スチレンアクリロニトリル共重合体)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリカーボネート、アクリルポリスルホン、K−resin(R)、スチレンブタジエン共重合体(Chevron Phillips Chemicalより入手可能)、ポリエチレン、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリスチレン、および同様なものなどのポリマーが挙げられるがそれだけに限定されない。
【0119】
エアロゾル化装置1150は、呼吸域粉塵または液滴を生成可能であるいかなる種類のものであってもよい。例えば、参照することにより全体が本明細書に組み込まれる、WO99/16419、米国特許第6,051,256号、または米国特許第6,503,483号に説明されるように、製剤処方は、乾燥粉末状であってもよい。その場合、エアロゾル化装置1150は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,485,135、5,740,794、または6,257,233号に説明されるエアロゾル化装置などの、能動的乾燥粉末エアロゾル化装置、あるいは、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,069,819または4,995,385号に説明されるエアロゾル化装置のような、受動的乾燥粉末エアロゾル化装置を備えてもよい。あるいは、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,225,183、5,681,545、5,683,677、5,474,759、5,508,023、6,309,623、または5,655,520号に説明されるように、製剤処方は、液体噴射剤中に溶解または懸濁されるものを含んでもよい。その場合、エアロゾル化装置1150は、定量吸入器(MDI)を備えてもよい。あるいは、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれるWO2004/071368、ならびに参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる米国公報出願第2004/0011358および2004/0035413号において説明されるように、製剤処方は、液状であってもよく、噴霧器を使用して噴霧化されてもよい。噴霧器のその他の例として、カリフォルニア州マウンテンビューにあるAerogen,Inc.より入手可能であるAeroneb(R)GoまたはAeroneb(R)Pro、バージニア州ミドロジアンにあるPARI Respiratory Equipment,Inc.のPARI eFlowおよびその他のPARI噴霧器、ニュージャージー州イーストブランスウィックにあるLumiscope Company,Inc.より入手可能であるLumiscope(R)噴霧器6600または6610、および日本国、京都にあるオムロンヘルスケア株式会社より入手可能であるOmron NE−U22が挙げられるがそれだけに限定されない。
【0120】
Aeroneb(R)ProおよびPARI eFlowなどの、圧縮ガスを使用しないで液滴を形成する噴霧器を備えるアダプターが、投与量の効率性および一貫性において予想外の改善を提供することが発見された。圧縮空気を導入するのではなく、振動する有孔または無孔の膜を使用して微細液滴を生成することによって、エアロゾル化された製剤処方は、回路内の流れ特性に大幅に影響を与えず、また、人工呼吸器の設定を大幅に再選択する必要なく、人工呼吸器回路1110内に導入されることができる。さらに、この種類の噴霧器を使用の際、生成される液滴は、低速度で導入されるので、液滴が人工呼吸器回路1110の不要な領域にもたらされる可能性が低くなる。さらに、液滴を形成する噴霧器および上述のエアロゾル導入器1145の組み合わせにより、人工呼吸器が異なる一回換気量を使用する際に、投与量の変動が減少するという点において有益になり、システムがより汎用的になる。
【0121】
第一のチャネル1265の容積、つまり、エアロゾル化された製剤処方を吸入空気の流れを介して収容するアダプター1145の一部分の容積は、特定の人工呼吸器および/またはエアロゾル発生器について、エアロゾルの送達効率が増加するように選択されてもよい。例えば、図18A〜図18Cの一つ以上のバージョンにおいて、一方向バルブ1270から第二のチャネル1260との接合部までの容積を含む、第一のチャネル1265の容積は、約125mlから約500mlまたは約200mlから約300mlなどの、約10mlから約1000mlまでであってもよい。この点において、一方向バルブ1270から下流にアダプター1145の端までの第一のチャネル1265の容積は、一般的に、約50mlから約150mlまたは約60mlから約100mlなどの、約5mlから約500mlまでの範囲であってもよい。アダプター1145がジェット噴霧器と併用して使用される際、さらに大きい第一のチャネル容積を有することが望ましいかもしれない。ジェット噴射器は、圧縮空気を人工呼吸器回路に導入し、大きめの第一のチャネル容積は、この導入の影響を軽減する。したがって、ジェット噴霧器の使用に関して、第一のチャネル容積は、約100mlから約500ml、約150mlから約250ml、または約200mlなどの、約50mlから約1000mlまでであってもよい。Aeroneb(R)ProおよびPARI eFlowなどの振動メッシュ噴霧器に関して、再現可能な投与は、より小さい第一のチャネル容積に起因する。例えば、振動メッシュ噴霧器と共に使用されるアダプター1145のための第一のチャネル容積は、約10mlから約1000ml、約50mlから約200ml、または約90mlなどの、約10mlを上回るいかなる容積であってもよい。確保される容積およびバルブ機能の双方は、本発明の性能に影響を及ぼす。
【0122】
第一のチャネル1265および延長部1285は、さまざまな形状をとってもよい。例えば、延長部1285は、第一のチャネル1265の軸に対して、約10度から約70度、約20度から約60度、または約30度から約40度などの、角度A(図22参照)を成してもよい。このような角度は、液滴が吸入ガスに同伴される可能性に影響を与る可能性がある。
【0123】
また、延長部1285は、図22の平面から第一のチャネル1265の軸に対して角度を成してもよい。この角度により、液滴は、第一のチャネルを介してらせん状の経路をたどることができる。このようならせん状の経路は、液滴が吸入ガスに同伴される可能性に影響を与える可能性がある。
【0124】
また、延長部1285は、大気に対して一つ以上の一方向の逆止めバルブ(図示せず)を含んでもよい。一方向の逆止めバルブにより、噴霧器の動作中に渦の形成を最小限にするように、空気が延長部に渡るようにできる。
【0125】
また、延長部1285の長さは、変化してもよい。例えば、延長部1285の最短位置の長さLは、約5mmから約2.5cmまたは約1cmから約2cmなどの、約0mmから約5cmまでの範囲であってもよい。以下に説明されるように、延長部の長さは、液滴が吸入ガスに同伴される可能性に影響を与える可能性がある。
【0126】
図21および22は、例えば、振動メッシュ噴霧器と共に使用されてもよい第一のチューブ1256およびチャネル1265の実施形態を示す。第一のチャネル1265は、エアロゾル化装置1150に連通して、エアロゾル化された製剤処方を収容可能である延長部1285を含む。この場合において、延長部の短い部分の長さLは、約2cmである。いくつかの実施形態において、振動メッシュ噴霧器と共に使用される場合、多くの液滴が、延長部1285の壁に凝縮する可能性がある。液滴は、空気に同伴して、渦Eを形成してもよいことが発見された。次に、渦によって、多くの液滴が、延長部1285および第一のチャネル1265の壁にぶつかるようになる。
【0127】
図23および24は、例えば、振動メッシュ噴霧器と共に使用されてもよい第一のチャネル1265の別の実施形態を示す。第一のチャネル1265は、エアロゾル化装置1150に連通して、エアロゾル化された製剤処方を収容可能である延長部1285を含む。この場合において、延長部の短い部分の長さLは、約0.1cmから約0.5cmなどの約0.001から約1cmである。この実施形態が、振動メッシュ噴霧器と共に使用された場合、長めの延長部1285の実施形態の場合よりも少ない液滴が、有利に、延長部1285および第一のチャネル1265の壁に凝縮した。
【0128】
図25は、延長部1285が一つ以上のチャネル1286を備える実施形態を示す側面断面図である。噴霧器と共に使用される際に、一つ以上のチャネル1286は、液滴凝縮の可能性を最小限にする渦Eの形成を容易にすることが見込まれる。
【0129】
図26は、延長部1285が円錐形のシース1287を含む実施形態を示す。噴霧器と共に使用される際に、シース1287は、液滴凝縮の可能性を最小限にする渦Eの形成を容易にすることが見込まれる。シース1287は、一般的に、連続平面または不連続面を備える。
【0130】
図27は、延長部1285が反転している、つまり、チャネル1265の内部に伸びている実施形態を示す。噴霧器と共に使用される際に、反転している延長部1285は、液滴凝縮の可能性を最小限にする渦Eの形成を容易にすることが見込まれる。
【0131】
一つ以上の実施形態は、噴霧器および噴霧器システムを対象にする。一つ以上の実施形態において、薬物投与(または多種投与)容器は、一つ以上のエアロゾル生成要素を含む。例えば、バイアルまたはその他の格納デバイスは、振動メッシュ噴霧器において主なエアロゾル生成要素として使用される開口板またはメッシュと組み合わせてもよい。しかしながら、噴霧器および噴霧器システムは、人工呼吸器回路における使用に限定されず、実際は、持続的気道陽圧法(CPAP)デバイスあるいは非侵襲性人工呼吸器または呼吸補助システムなどの、ジェット、超音波、振動メッシュ、またはその他の噴霧器が使用されるいかなる用途においても用いられてもよいことに留意されたい。
【0132】
図28および図29は、機械的に人工呼吸される患者のための人工呼吸器回路において使用される振動メッシュ噴霧器1510の一つ以上の実施形態を示す。液体の薬物処方を投与するために、キャップ1540が開放される。液体の薬物処方は薬物保持チャンバー1550に注がれ、その薬物処方は振動メッシュ要素1560に接触する。特定の振幅および周波数の正弦波、方形波、またはその他の波形であってもよい電気信号などの適切な信号は、ケーブルレセプタクル1570に接続されるケーブル1575を介して伝達されて、液体の薬物処方をエアロゾルの形状で人工呼吸器回路を通って患者に送達するために、電気信号を振動メッシュ要素1560に提供する。図29は、液体の薬物処方を薬物保持チャンバー1550に収容するためのキャップ1540が開放されている実施形態を示す。
【0133】
図30は、振動メッシュ噴霧器1510の別の実施形態を示す。液体薬剤の容器またはバイアル1580は、組込み圧電要素1565を有する振動メッシュ要素1560が内蔵されて、バイアル収容部1555に適合するように設計される。一つ以上の実施形態において、振動メッシュ要素1560は、適切な周波数を振動メッシュ要素1560に導入する役割を果たす圧電要素を含む。電気信号などの適切な信号は、ケーブルレセプタクル1570に接続されるケーブル1575を介して伝達されて、振動メッシュ要素1560に電気信号を提供する。そのような信号から利益を受けるいかなる実施形態においても、電気以外の信号が使用されてもよいことに留意されたい。したがって、光、RF(ラジオ周波数)、温度、磁気、機械的、およびその他の信号も使用されてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、ケーブル1575は不必要である。
【0134】
図31は、バイアル破裂要素1562を示す。破裂要素1562は、バイアルの挿入時に作動され、薬物処方を開口板に接触させるようにする。破壊要素は、バイアル上または本体上にあってもよい。
【0135】
図32に示される別の実施形態において、適切な周波数の振動を振動メッシュ要素1560に導入する役割を果たす圧電要素1565は、バイアル収容部1555の中またはその付近に振動メッシュ噴霧器の構造内に含まれ、適切な周波数の振動を機械的接触を介して振動メッシュ要素1560に伝送する。特定の振幅および周波数の正弦波、方形波、またはその他の波形であってもよい適切な電気信号は、ケーブルレセプタクル1570に接続されるケーブル1575を介して伝達され、適切な周波数を振動メッシュ要素1560に導入する役割を果たす電気信号を圧電要素1565に提供する。ひねりハンドル1585は、電気および/または機械接触を確保するためのトルクの適用を容易にするために、上記実施形態のいずれにおいても導入されてもよい。
【0136】
図33に示されるさらに別の実施形態において、前述の実施形態のバイアル収容部1555は、省略されており、バイアル1580は、液体薬物容器および支持体としての役割を果たす。その他の実施例では、バイアル収容部1555は支持体としての役割を果たす。
【0137】
図34は、アダプター1145と共に使用される振動メッシュ噴霧器システム1510の実施形態を示す。
【0138】
上記を考慮し、一つ以上の実施形態において、噴霧器システムは、一貫性があり、安全で、便利な薬物の肺送達を提供する。一つ以上の実施形態において、噴霧器システムにより、(1)投与のために、空洞に薬物を測定して注ぐのではなく、薬包を単に挿入すること、(2)薬包と一体化した振動メッシュ要素によって、次に使用する際にメッシュの洗浄の必要性が排除されること、(3)限定または単一使用のメッシュが、長時間の薬物接触および関連化学的相互作用によって誘起される腐食から保護される必要がないため、メッシュ製造が簡易化されること、および/または(4)薬物バイアルとメッシュ要素とを一体化して、統合されて、分離不可能で、単一使用の薬物メッシュユニットにより、潜在的に危険性のある承認適応症外使用から保護すること、がもたらされる。
【0139】
図35は、本発明の人工呼吸器回路の部分的な概略図である。矢印Eは、人工呼吸器からの空気流動を示す。空気は、吸入ライン1115を介して患者に向かう。吸入ライン1115は、温度プローブポート1240に配置される温度センサーを使用して制御可能である熱線加湿器1300を含んでもよい。次に、空気は、一方向の吸入バルブ1270を通る。製剤処方は、延長部1285を介して添加されてもよい。次に、空気は、Y字形の部品1320に挿入される前に、吸入通気管1310を通る。Y字形の部品1320は、多くの場合、最大約0.5mなどの最大約1mの長さを有する。Y字形の部品1320は、患者に挿入される気管内チューブ(図示せず)に接続されてもよい。
【0140】
呼気の空気は、気管内チューブを通って、Y字形の部品1320に入る。バルブ機能により、呼気の空気は呼気通気管1330を通る。次に、空気は、一方向の呼気バルブ1290を通り、矢印Fに示されるように、呼気ライン1120を介して人工呼吸器に向けて出る。
【0141】
図36は、図35に示されるものと同様である実施形態を図式的に示すが、それ以外にも熱/水交換(HME)フィルター1400を含む。HMEフィルター1400は、呼気ガスから水分を取り除き、水分を吸入ガスに添加する。HMEフィルターを収容するために、人工呼吸器回路は、Y字形のチューブ1410および1420を含む。
【0142】
本発明のバルブおよびデバイスは、当技術分野において技術を有する者に既知であり、利用可能であるさまざまな方法および技術のいずれによっても作製されてもよい。
【0143】
実験
以下の表1および2は、5日間使用の生活調査であり、模擬条件下で抗生剤を5日間投入し続けた後の、本発明のバルブおよびアダプターの信頼性を示す。表からわかるように、吸気ラインに送達される割合は、経時的に大幅には変わらなかったことから、バルブの付着がないことおよび/またはアダプター内の流動性が優れていることが証明された。本試験において、本発明の一つ以上の実施形態に基づき、ジェット噴霧器、クローバー型のバルブ、およびアダプターが用いられた。表1は、ゲンタマイシンの結果を示し、表2は、バンコマイシンの結果を示す。
【0144】
【表1】
【0145】
【表2】
追加の結果により、本発明のアダプターおよびバルブの構成は、従来技術のものと比較すると、より高い吸気用量および/またはより少ない用量変動(より小さい最大比/最小比)を送達することが可能であり、ならびに/もしくは、微呼吸、呼吸速度、吸気流速、バイアス流れ、および湿度をはじめとする要素によって影響をあまり受けない。
【0146】
製剤処方は、ユーザーの呼吸器への投与のために、活性薬剤(または薬物)を含んでもよい。本明細書に説明される活性薬剤には、いくらかの薬理的効果、多くにおいて有益な効果をもたらす物質、薬物、化合物、合成物、またはその組み合わせが含まれる。これには、食品、補助食品、栄養、薬物、ワクチン、ビタミン、およびその他の有益な物質が含まれる。本明細書で使用される際、その用語は、患者において局所的または全身的な効果を生成する生理学的または薬理学的に活性の物質をさらに含む。本明細書で説明される製剤処方に導入される活性薬剤は、末梢神経、アドレナリン受容体、コリン作動性受容体、骨格筋、循環系、平滑筋、血管系、シナプス部、神経効果器接合部、内分泌系およびホルモン系、免疫系、生殖器系、骨格系、オータコイド系、消化器系および排せつ系、ヒスタミン系、および中枢神経系に作用する薬物を含むがそれだけに限定されない、無機または有機化合物であってもよい。
【0147】
特定の一実施形態において、製剤処方は、人工呼吸器関連の肺炎を治療または予防するために、人工呼吸器を使用している患者へ投与するための抗生剤を含む。このような投与は、上述のSmaldoneらによる特許出願で名称が「Methods,Devices and Formulations for Targeted Endobronchial Therapy」である2003年5月7日に出願されたWO2004/071368、2003年5月6日に出願されたSmaldoneによる米国特許出願10/430,765、2003年5月6日に出願されたSmaldoneによる米国特許出願10/430,658、および米国特許仮出願60/378,475、60/380,783、60/420,429、60/439,894、および60/442,785において説明され、その全てについて、その全体は、参照することにより本明細書に組み込まれる。エアロゾル化された抗生剤の投与に関して本発明にかかるアダプター1145を使用することにより、多くの有益がもたらされる。例えば、本発明のアダプター1145を使用すると、環境に失われる製剤処方が大幅に軽減され、抗生剤に対する菌耐性の軽減につながる。さらに、アダプター1145は、抗生剤治療のために特に有用であるさらに一貫性のある投与量を送達することができる。特定の一バージョンにおいて、製剤処方は、バンコマイシンおよび/またはゲンタマイシンを含んでもよい。製剤処方のさらなる例は、2005年9月29日に出願された共同所有の米国特許仮出願第60/722,564(代理人整理番号0280.PRO)である「Antibiotic Formulations,Unit Doses,Kits,and Methods」に開示され、その全体は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0148】
代替または追加の活性薬剤は、例えば、睡眠薬および鎮静剤、精神賦活剤、精神安定剤、呼吸器系疾患治療薬、鎮痙剤、筋肉弛緩剤、抗パーキンソン病薬(ドーパミン拮抗薬)、鎮痛剤、抗炎症薬、抗不安薬(不安寛解剤)、食欲抑制剤、抗片頭痛薬、筋収縮薬、抗感染薬(抗生剤、抗ウイルス剤、ワクチン)、抗関節炎薬、抗マラリア薬、制吐薬、抗てんかん薬、気管支拡張剤、サイトカイン、成長因子、抗癌剤、抗血栓剤、降圧剤、心臓脈管薬、不整脈治療剤、抗酸化物質、抗ぜんそく薬、避妊薬を含むホルモン剤、交感神経様作用薬、利尿薬、脂質調整剤、抗アンドロゲン剤、駆虫薬、抗凝血剤、新生物薬、抗新生物薬、血糖降下薬、栄養剤およびサプリメント、成長サプリメント、抗腸炎剤、ワクチン、抗毒素、診断用薬、および造影剤から選択されてもよい。活性薬剤は、吸入により投入される場合、局所的または全身的にあるいはその組み合わせで作用してもよい。
【0149】
活性薬剤は、小分子、ペプチド、ポリペプチド、プロテイン、多糖、ステロイド、生理的効果を誘発可能なプロテイン、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂肪、電解質、および同様なものなどを含むがそれだけに限定されない、多くの構造的分類のうちの一つに分類されてもよい。
【0150】
本発明の使用に適切な活性薬剤の例として、β−2作動薬(例えば、アルブテロール/サルブタモール、テオフィリン、フォルモテロール、サルメテロール、インディカテロール)、抗ムスカリン、および抗コリンなどの気管支拡張剤、チオトロピウム、マスト細胞安定剤、ステロイド(例えば、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド)、炎症細胞の動員を遅らせる薬剤、PDE4阻害剤、免疫抑制薬(例えば、シクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス等)、抗線維化剤、エラスターゼ阻害剤(アルファ1−アンチトリプシン)、張化を調整するように構成される薬剤、肺からの余分な液体を削減および除去するための自然作用を刺激する薬剤、全種類の界面活性剤、カルシトニン、アンフォテリシンB、エキノカンジン(例えば、Merck社製のキャンサイダスまたはPfizer社製のアニデュラファンギン)、エリスロポエチン(EPO)、第VIII因子、第IX因子、セレデース、セレザイム、シクロスポリン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、トロンボポエチン(TPO)、アルファ1−プロティナーゼ阻害剤、エルカトニン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン(HGH)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、ヘパリン、低分子量ヘパリン(LMWH)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン−1受容体、インターロイキン−2、インターロイキン−1受容体拮抗薬、インターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−6、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、第IX因子、インスリン、プロインスリン、インスリン類似体(例えば、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,922,675号に記載のモノアシル化インスリン)、アミリン、C−ペプチド、ソマトスタチン、オクトレオチドを含むソマトスタチン類似体、バソプレシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、インスリン様成長因子(IGF)、インスリントロピン、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、神経成長因子(NGF)、組織増殖因子、ケラチノサイト成長因子(KGF)、グリア成長因子(GGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、内皮成長因子、副甲状腺ホルモン(PTH)、グルカゴン様ペプチドサイモシンアルファ1、IIb/IIIa阻害剤、ホスホジエステラーゼ(PDE)化合物、VLA−4阻害剤、ビスフォスフォネート、呼吸器合胞体ウイルス抗体、嚢胞線維性膜内外調節剤(CFTR)遺伝子、デオキシリボヌクレアーゼ(Dnase)、殺菌性/透過性増強プロテイン(BPI)、抗CMV抗体、cis−13−レチノイン酸、エリスロマイシン、オレアンドマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、ダヴァーシン(davercin)、アジスロマイシン、フルリスロマイシン、ジリスロマイシン、ジョサマイシン、スピロマイシン、ミデカマイシン、ロイコマイシン、ミオカマイシン、ロキタマイシン、アンダジスロマイシン(andazithromycin)、およびスウィノリドA(swinolideA)などのマクロライド;シプロフロキサシン、オフロキサシン、レポフロキサシン、トロバフロキサシン、アラトロフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、フレロキサシン、トスフロキサシン、プルリフロキサシン、イルロキサシン、パズフロキサシン、クリナフロキサシン、およびシタフロキサシンなどのフルオロキノロン類、ゲンタマイシン、ネチルミシン、パラメシント、トブラマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシン、およびストレプトマイシンなどのアミノグリコシド抗生物質、バンコマイシン、テイコプラニン、ランポラニン(rampolanin)、ミデプラニン、コリスチン、ダプトマイシン、グラミシジン、硫酸コリスチン、ポリミキシンBなどのポリミキシン、カプレオマイシン、バシトラシン、ペネム;ペニシリンG、ペニシリンVなどのペニシリン感受性の薬剤、メチシリンなどのペニシリナーゼ耐性剤、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フロキサシリン、ナフシリン;アンピシリン、アモキシシリン、およびヘタシリンなどのグラム陰性菌剤、シリン、およびガラムピシリン;カルベニシリン、チカルシリン、アゾシリン、メズロシリン、およびピペラシリンなどの抗緑膿菌性ペニシリン;セフポドキシム、セフプロジル、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロチン、セファピリン、セファレキシン、セフラジン、セフォキシチン、セファマンドール、セファゾリン、セファロリジン、セファクロール、セファドロキシル、セファログリシン、セフロキシム、セフォラニド、セフォタキシム、セファトリジン、セファセトリル、セフェピム、セフィキシム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォテタン、セフメタゾール、セフタジジム、ロラカルベフ、およびモキサラクタム、などのセファロスポリン、アズトレオナムなどのモノバクタム;ならびに、イミペネム、メロペネム、イセチオン酸ペンタミジン、硫酸アルブテロール、リドカイン、硫酸メタプロテレノール、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトアミド、ブデソニドアセトニド、フルチカゾン、臭化イプラトロピウム、フルニソリド、クロモグリク酸ナトリウム、酒石酸エルゴタミンなどのカルバペネム、ならびに適用する場合は、類似体、作用薬、拮抗薬、阻害剤、および薬学的に容認可能な上記のもの塩類、のうちの一つ以上が挙げられるがそれだけに限定されない。ペプチドおよびプロテインに関して、本発明は、合成、天然、グリコシル化型、非グリコシル化型、pegylated型および生理活性フラグメントおよびその類似物を対象とする。
【0151】
本発明で使用される活性薬剤は、裸の核酸分子として存在する核酸、ウイルス媒介体、関連するウイルス粒子、プラスミドDNA又はRNA、または細胞のトランスフェクション又は形質変換、つまりアンチセンスを含む遺伝子治療に適したタイプの他の核酸構成物をさらに含む。さらに、活性薬剤は、ワクチンとして使用するのに適した弱毒化又は不活化した生ウイルスを含む。その他の有用な薬剤は、医師用卓上参考書(最新版)内に記載されるものを含み、その全体は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0152】
活性薬剤は、上記のもの全てのうちのいかなるものおよびあらゆる組み合わせ、ならびに上記のものの代謝産物、さまざまなキラル型、塩、遊離塩基型、またはエナンチオマーも含む。
【0153】
製剤処方における活性薬剤の量は、例えば、単位剤型当たりの活性薬剤の有効量を予防的または治療的に送達するように、所望の結果を達成するのに必要な量である。実際は、これは、特定の薬剤、その活性、治療する病状の重症度、患者集団、投薬要件、および所望の治療効果によって大きく異なる。組成は、通常、約1重量%から約99重量%までの範囲の活性薬剤を含み、典型的には、約2重量%から約95重量%までの活性薬剤を含み、さらに典型的には、約5重量%から約85重量%の活性薬剤を含むが、その組成に含まれる添加剤の相対量によっても変わる。本発明の組成は、0.01mg/日から75mg/日までの剤型または0.10mg/日から50mg/日までの剤型などの、0.001mg/日から100mg/日までの剤型で送達される活性薬剤には特に有用である。二つ以上の活性薬剤が、本明細書で記載される処方に組み込まれてもよく、「薬剤」の用語の使用は、二つ以上のそのような薬剤の使用を決して除外しないことを理解されたい。
【0154】
製剤処方は、被術者、具体的には、被術者の肺に重大な有害作用を及ぼさない、肺に取り入られてもよい薬理学的に容認可能な賦形剤または担体を含んでもよい。活性薬剤の他に、製剤処方は、経肺投与に適した一つ以上の医薬品賦形剤を任意で含んでもよい。これらの賦形剤は、存在する場合は、通常、例えば、約0.5wt%から約80wt%または約1wt%から約60wt%までなどの、0.01wt%から約95wt%までの範囲の量の組成で存在する。通常、そのような賦形剤は、一部分において、例えば、さらに効果的かつ再現可能な活性薬剤の送達を提供し、流動性および一貫性などの粉末の特性に対処するように改善し、ならびに/もしくは単位剤型の製造および充填を容易にすることによって、活性薬剤の組成の機能をさらに改善するような役割を果たす。具体的には、賦形剤材料は、多くの場合、活性薬剤の物理的安定性および化学的安定性をさらに改善し、残留水分含量を最小限に留めて吸湿を妨げるように機能することが可能で、粒子サイズ、凝集程度、しわの多さなどの粒子表面特性、吸入の容易さ、および粒子の肺への標的化を強化するように機能することが可能である。一つ以上の賦形剤は、製剤処方における活性薬剤の濃度を低下させることが望ましい場合、充てん剤としての役割を果たすように提供されてもよい。
【0155】
本製剤処方において有用である医薬品賦形剤および添加剤は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、非生体高分子、生体高分子、糖などの炭水化物、アルジトール、アルドン酸、エステル型糖、および糖ポリマーなどの誘導体化糖を含むがそれだけに限定されず、それらは、単独または組み合わせて存在してもよい。適切な賦形剤は、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれるWO96/32096に提供されるものである。賦形剤は、例えば、約40℃以上、約45℃以上、または約55℃以上などの、約35℃以上のガラス転移温度(Tg)を有してもよい。
【0156】
例示的なプロテイン賦形剤は、ヒト血清アルブミン(HSA)、組み換えヒトアルブミン(rHA)などのアルブミン、ゼラチン、カゼイン、ヘモグロビン、および同様なものを含む。緩衝能力において機能してもよい適切なアミノ酸(本発明のジロイシル−ペプチドを除く)は、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテーム、チロシン、トリプトファン、および同様なものを含む。分散剤として機能するアミノ酸およびポリペプチドが好ましい。この分類に当てはまるアミノ酸は、ロイシン、バリン、イソロイシン、トリプトファン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、およびプロリンなどの疎水性アミノ酸を含む。分散性強化ペプチド賦形剤は、上に記載のもののような疎水性アミノ酸の一つ以上を含む二量体、三量体、四量体、および五量体を含む。
【0157】
本発明の使用に適する炭水化物賦形剤は、例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D−マンノース、ソルボース、および同様なものなどの単糖類;ラクトース、サッカロース、トレハロース、セロビオースおよび同様なものなどの二糖類;ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、でんぷん、および同様なものなどの多糖類;ならびにマンニトール、キシリトール、アルジトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルシトール)、ピラノシルソルビトール、ミオイノシトール、および同様なものなどのアルジトールを含む。
【0158】
製剤処方は、一般的に有機酸または有機塩基により塩調合される、緩衝剤またはpH調整剤も含んでもよい。代表的な緩衝剤は、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、またはフタル酸の有機酸塩、トリス、トロメタミン塩酸塩、またはリン酸緩衝液も含んでもよい。
【0159】
製剤処方は、高分子賦形剤/添加剤、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの誘導体化セルロース、フィコール(ポリマー糖)、ヒドロキシエチルでんぷん、デキストレーツ(例えば、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンなどのシクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、およびペクチンも含んでもよい。
【0160】
製剤処方は、着香料、味覚マスキング剤、無機塩類(例えば、塩化ナトリウム)、抗菌剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)、甘味料、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば、「TWEEN20」および「TWEEN80」などのポリソルベート)、ソルビタンエステル、脂質(例えば、レシチンおよびその他のホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンなどのリン脂質)、脂肪酸および脂肪酸エステル、ステロイド(例えば、コレステロール)、およびキレート剤(例えば、EDTA、亜鉛、およびその他の適切な陽イオン)をさらに含んでもよい。本発明に基づく組成における使用に適したその他の医薬品賦形剤および/または添加剤は、「Remington:The Science&Practice of Pharmacy」第19版、Williams&Williams、(1995年)ならびに「Physician’s Desk Reference」第52版、Medical Economics、ニュージャージー州、モントベール(1998年)に記載され、その両方は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0161】
MDIの適用に関するようないくつかの実施形態において、製剤処方は、高い安定性を有するように処理されてもよい。HFA噴射剤において界面活性剤の溶解度を増加させることによって懸濁安定性を改善しよういう試みがいくつか実行された。この目的を達成するために、米国特許第5,118,494、WO91/11173、およびWO92/00107は、懸濁安定性を改善するためにHFA可溶性フッ素化界面活性剤の使用を開示する。HFA噴射剤とその他のペルフルオロ共溶媒との混合も、WO91/04011などに開示されている。安定化に対するその他の試みは、非フッ化界面活性剤の含有を伴う。この点において、米国特許第5,492,688号は、親水性界面活性剤(9.6以上の親水性/脂溶性バランスを有する)が、薬剤の懸濁を安定化させるのにHFAにおいて十分な溶解度を有していることを開示する。従来の非フッ化MDI界面活性剤(例えば、オレイン酸、レシチン)の溶解度増加は、米国特許第5,683,677および5,605,674、ならびにWO95/17195に記載のように、アルコールなどの共溶媒を使用して達成されることも可能であると報告されている。残念ながら、前述の従来技術の共溶媒系と同様に、単に粒子間の反発を増加させることは、MDIの調合などの非水分散において非常に効果的な安定化機構であるとは証明されなかった。前述の参考文献の全ては、参照されることによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0162】
本発明の粉末は、通常、多分散系(つまり、さなざなな粒子サイズから成る)であるため、「質量中央径」すなわち「MMD」は、平均粒子粒径の測定値である。通常使用されるさまざまな技術が平均粒子サイズを測定するために使用可能であるが、本明細書において報告されるMMD値は、遠心沈降によって決定されている。「空気動力学的質量中央径」すなわち「MMAD」は、分散粒子の空気動力学的サイズの測定値である。空気動力学的直径は、沈降挙動の観点からエアロゾル化された散剤を説明するために使用されており、一般的に空気中において粒子と同じ沈降速度を有する単位密度球体の直径である。空気動力学的直径は、粒子形状、粒子の密度および物理的サイズを包含している。本明細書で使用される際、MMADは、カスケードインパクションによって決定されたエアロゾル化された粉末の空気動力学的粒子サイズ分布の中央点または中央値に言及する。
【0163】
一つ以上のバージョンにおいて、本発明で使用される粉末製剤または液体製剤は、肺胞に透過可能なように選択される粒子または液滴サイズを有するエアロゾルを含み、それは、一般的に7.5μm未満または5μm未満などの約10μm質量中央径(MMD)未満であり、通常は、直径が0.1μmから5μmの範囲内である。乾燥粉末形状の場合、製剤処方は、約5wt%未満または約3wt%未満などの約10wt%未満の含水量を有してもよい。このような粉末は、WO95/24183、WO96/32149、WO99/16419、およびWO99/16422に記載され、その全ては、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0164】
本発明のバルブ、アダプター、システム、器具、部品、および回路は、さまざまなシステム、デバイス、装置、工程、または方法において使用されてもよく、そのようなバルブ、アダプター、システム、器具、部品、または回路は、結果的に利益をもたらすことができる。例えば、バルブは、逆止めバルブが有用である場合、特に、バルブが、最小の流れ抵抗、高信頼性、低動作圧、および非付着性動作のうちの少なくとも一つを提供する場合に、いかなる動作においても有用であってもよい。したがって、本発明のバルブ、アダプター、システム、器具、部品、および回路は、それらの適用に特に限定されない。
【0165】
例として、本発明のバルブは、エアロゾル化装置からの製剤処方の送達を容易にするためのアダプターと共に使用されても良い。本発明のバルブは、上述のいかなる製剤処方とも使用されてもよい。
【0166】
活性薬剤は、同時に、いくつかの好適な順番で送達されてもよく、および/または肺の一領域を対象とするように一定のサイズのエアロゾルである薬剤を提供し、一方、別の領域を対象とするように別のサイズで別のものを提供する。したがって、エアロゾルサイズを意図的に変動させることにより、気管内チューブのより近位にエアロゾルを沈着させてその範囲を治療することが可能であり、一方、小さいエアロゾルでの送達は、より深部に浸透することが可能である。
【0167】
例えば、本発明は、動物、特にヒトの院内感染をはじめとする肺感染を治療または予防するための方法を提供する。その方法は、通常、予防的または治療的に有効な量の構成物資、または薬理学的に容認可能なその塩類を、エアロゾルとして、それを必要とする被験動物またはヒト患者に投与することを伴う。本発明に基づき、いくつかの抗生剤が組み合わせて、あるいは、順次に送達されてもよい。好ましくは、気道に送達される量は、その量で全身的に送達される場合は、治療的に有効であるには不十分であり、毒性を誘発するには確実に十分とは言えないものである。同時に、その量は、最小阻止濃度(「MIC」)の約10〜100倍の抗生剤のレベルの痰をもたらす。
【0168】
一つ以上の側面において、水中に被包される粒子が内部チャネルまたは表面の壁に凝結する傾向にあるため、エアロゾル化された粒子は、大幅な吸湿膨張が阻止されている。この方法は、水がエアロゾル化された粒子と接触する機会を最小限に留めることを含んでもよく、あるいは、吸湿性をあまり有さない粒子を生成することを含んでもよく、またはその両方であってもよい。いくつかの実施形態において、その方法は、噴霧化が開始する前に、人工呼吸器回路における湿度を既定量だけ軽減することを伴ってもよい。いくつかの実施形態において、湿度は、約3μm未満または約1.5μm未満のMMADに有益に働くことができる。その他の実施形態において、各エアロゾル粒子は、エンベロープまたはカプセルなどの十分非吸湿性の材料にカプセル化または被包化されるように、接触して送達される。
【0169】
当然ながら、直径がさらに大きい実施形態も使用されることができる。さらに、本発明は、場合により、粒子または壁の表面電荷に対する調節を意図する。例えば、デバイスにおける表面電荷が重要である場合、本発明は、コネクタまたはY字形の部品が金属(または少なくとも金属で被覆されたもの)により形成される実施形態を意図する。あるいは、プラスチックのコネクタおよび/またはY字形の部品は、表面電荷を調節するために、薬剤(例えば、湿潤剤、洗剤、せっけん)で処理可能である。
【0170】
一つ以上の側面において、その方法は、デバイスを位置付けるためにデバイスのエアロゾル送達端部を該患者の気管に挿入すること、ならびに、処方がデバイスの該エアロゾル送達端部を介して患者に送達される条件下で製剤処方をエアロゾル化することを含み、その方法において、エアロゾルはまず患者の気管(口腔咽頭を回避)に接触する。その方法は、抗生剤の混合を投与することを伴ってもよく、挿管された患者に特に適している。
【0171】
一側面において、具体的には「定量」人工呼吸器に関して、本発明は、送達事象を人工呼吸器周期の吸息相、可能であれば、低流速に正確に限定することを意図する。したがって、一実施形態において、エアロゾル化は、呼吸周期の吸気相の間(またはそれに固定的に関連して)に作動される。
【0172】
本発明は、特定の投与量に限定されること意図しない。反対に、本明細書に記載のエアロゾルシステムおよび方法の効率により、全身的投与の場合に通常は有効であるには少なすぎるが、それでも適切かつ薬理学的に容認可能な処方を直接気道に投与する場合に有効な量である量を送達することが可能になる。重要なことは、効率を向上させるのは可能であるが、いくつかの実施形態において、効率は、投与量の制御と引き換えに向上させるはない。したがって、効率が低いことは、送達がより再現可能になるなら、好ましいと考えられる。
【0173】
本発明は、特定の生物を殺滅または抑制するだけの抗菌剤に限定されることを意図しない。本発明は、多種多様の生物によってもたらされる多種多様の状態に対処する薬剤および薬剤の組み合わせを意図する。一つ以上の実施形態において、本発明は、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、インフルエンザ桿菌、および肺炎連鎖球菌、アシネトバクター属、および/またはメチシリン耐性の黄色ブドウ球菌などのバクテリアの抗生物質耐性菌株などのうちの一つ以上による感染治療に効果的である薬剤または薬剤の組み合わせを意図する。
【0174】
当然ながら、抗ウイルス剤も、本発明の抗生剤の処方の方法においてエアロゾル化されて投入されることができる。これは、重症急性呼吸器症候群(SARS)の発生を考慮すると、特に重要である。
【0175】
本発明の特定の実施形態が感染に対処する一方、本発明は、改善されたエアロゾルシステムおよび方法が、気管および/または肺の深部にエアロゾルを必要とするいかなる患者、人または動物にも適用可能であることを意図する。したがって、その他の薬剤または薬物(例えば、ステロイド、プロテイン、ペプチド、核酸、気管支拡張剤、界面活性剤、リドカイン、および同様なもの)がエアロゾルとして考えられる。さらに、その他のタイプの患者(例えば、嚢胞性線維症、肺癌、COPH、ARDS、SAID、細胞性肺気腫、呼吸器感染症、ぜんそく、気管支けいれん、および同様なもの)が考えられる。
【0176】
さらに、本発明の特定の実施形態は、挿管された患者の状況において提供されるが、挿管の有無に関係なく、感染のリスクのあるその他の患者も、本発明の方法およびデバイスで治療可能であると考えられる。高齢者(具体的には、老人ホームに入居する者)、馬、競争用の犬および猫(ショーおよび競争動物)、頻繁に移動する動物(例えば、サーカスの動物)、狭い場所で飼育される動物(例えば、動物園または農場)、および一般に肺感染の危険性があるヒトおよび動物が例として挙げられる。本発明は、予防的(症状前)および急性の病態下(症状後)の両方において、そのような者に対する気管および/または肺の深部へのエアロゾルの送達を意図し、その場合、該エアロゾルは、抗菌剤、具体的には、上記の抗生剤の混合を含む。
【0177】
一つ以上の実施形態において、本発明は、ARDS、IRDS、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断される患者に適切な薬物を投与することを意図する。
【0178】
本発明は、上述の組成、デバイス、および方法を使用する場合、いかなる正確な所望の結果にも限定されない。しかしながら、本発明の組成、デバイス、および方法により、挿管された患者の死亡率減少、全身性抗生物質暴露の減少による耐性の発生率の減少(または、少なくとも耐性の増加がない)、および局所投入による肺の対象とする粘膜面への高暴露がもたらされる可能性があることが考えられる。上述のように、本発明の組成、デバイス、および方法は、肺炎の治療に有用である(ならびに、全身的治療よりもより効果的、あるいは少なくとも、有用な補助となりうる)。関連の感染症は、予防または削減され得ることが考えられる(例えば、敗血症の予防、尿管感染の抑制など)。
【0179】
当然ながら、本発明の組成、デバイス、および方法の効率による抗生剤の全身投与使用の減少により、費用の削減、静脈ラインの時間の削減、および/または中心ラインの時間の削減がもたらされ得る。さらに、そのような削減は、抗生剤の毒性を削減するであろう(下痢およびクロストリジウムディフィシル感染の発生率の減少、より良い栄養などにより測定されるように)。
【0180】
本発明の組成、デバイス、および方法は、ET/Trachチューブ生体膜の削減を局所的にもたらすことが考えられる。これにより、次に、分泌物が排除され、気道抵抗が減少し、および/または呼吸作用が減少する。後者により、患者から人工呼吸器を外すプロセスが簡単になる。
【0181】
本発明は、人工呼吸器システムの通常使用される要素をおきかえることができる特定の実施形態を意図する。一つ以上の実施形態において、本発明は、人工呼吸器および気管内チューブに装着可能であるY字形のモジュールを意図し、その場合、そのY字形のモジュールは、エアロゾル発生器をさらに備える。一つ以上の実施形態において、Y字形のモジュールの下部アーム[手段]は、エアロゾル発生器を備える。いかなる正確な所望の結果だけに限定されないが、発生器と一体となったY字形のモジュールは、全ての従来のエアロゾルシステム(ジェット、超音波、およびMDI)に対する人工呼吸器の影響を低減させ、同時に、AerogenTM噴霧器のような噴霧デバイスの良い性質を向上させる。また、いかなる正確な所望の結果にも限定されないが、発生器と一体型のY字形のモジュールは、(1)同一の送達を達成するために(どのような市販の人工呼吸器システムが使用されるかどうかに関わらず)、送達における変動(加湿の影響、バイアス流れ、連続的か呼吸作動か)を削減し、(2)呼吸作動の最大の効果を可能にし、そして(3)死容積がない噴霧器を使用して、強化された噴霧器の効率に対する最大の効果を可能にすることが考えられる。
【0182】
本発明は、回路の正確な構成または性質に限定されない。一つ以上の実施形態において、該回路は閉回路である。その他の実施形態において、該回路は、開回路である。
【0183】
また、本発明は、特定の人工呼吸器の構成に限定されず、あるいはさらに人工呼吸器を必要とするように限定されない。一つ以上の実施形態において、該吸気および該呼気ラインは、人工呼吸器に接続される。一つ以上の実施形態において、該人工呼吸器は、呼吸周期、吸気相を含む該周期を制御する。一つ以上の実施形態において、エアロゾルは、呼吸周期の吸気相の間に投入される。その他の実施形態において、エアロゾルは、エアロゾル発生器、適切なアダプター、および患者インターフェース(口または鼻)、および任意で一つ以上のバルブを介して投入される。
【0184】
本発明は、その特定のバージョンに関してかなり詳細に説明されたが、その他のバージョンも可能で、示されたバージョンの変更、置換、および相当物が、明細書を読み、図面を参照することにより、当技術分野に精通する者にとって明らかになるであろう。例えば、エアロゾル化デバイスの構成要素の相対位置は変更されてもよく、柔軟性のある部分が、ヒンジで取付けられたまたは移動可能なより剛体の部分と取り替えられて、柔軟性のある部分の作用を再現してもよい。さらに、通路は、図面に示されるように必ずしも実質的に線形である必要はなく、例えば、曲線状または角度があってもよい。また、本明細書のバージョンのさまざまな機能は、本発明の追加のバージョンを提供するために、さまざまな方法で組み合わされることが可能である。さらに、特定の専門用語は、明確に記述する目的で使用されたが、本発明を限定するために使用されていない。ゆえに、付随の請求項は、本明細書に含まれる好適なバージョンの説明に限定されるべきではなく、本発明の忠実な精神および範囲内にある全てのそのような変更、置換、および相当物を含むべきである。
【0185】
本発明について完全に説明したので、当技術分野において通常の技術を有する者にとって、本発明の方法が、本発明またはそのいかなる実施形態の範囲も逸脱することなく、幅広いおよび同等の範囲の状況、処方、およびその他のパラメータで実行可能であることが理解されたい。
【0186】
本明細書に引用された全ての特許および公報は、参照することによりその全体が完全に本明細書に組み込まれる。いかなる公報の引用も、出願日前の開示であり、その公報が従来技術であるということを承認したと解釈されるべきではなく、あるいは、本発明が従来の発明によりそのような公報に先行する権利がないと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0187】
本発明は、以下の本発明の説明において、上述の複数の限定されない図面を参照してさらに説明される。
【図1】図1は、閉鎖位置における本発明のバルブの第一の実例の側面図である。
【図2】図2は、開放位置における本発明のバルブの第一の実例の側面図である。
【図3】図3は、閉鎖位置における本発明のバルブの第一の実例の断面図である。
【図4】図4は、開放位置における本発明のバルブの第一の実例の断面図である。
【図5】図5は、本発明のバルブの第一の実例の外縁の断面図である。
【図6】図6は、本発明の第一の実例のバルブの支持体の上面図である。
【図7】図7は、本発明の第一の実例のバルブのフラップの上面図である。
【図8】図8は、本発明のバルブの第二の実例の上面図であり、その例は、支持体にチャネルを含む。
【図9】図9は、本発明のバルブの第三の実例の上面図であり、その例は、フラップにチャネルを含む。
【図10A】図10A〜10Bは、本発明のフラップの実例の上面図である。
【図10B】図10A〜10Bは、本発明のフラップの実例の上面図である。
【図11A】図11A〜11Bは、本発明のフラップの実例の断面図である。
【図11B】図11A〜11Bは、本発明のフラップの実例の断面図である。
【図12A】図12Aは、本発明のフラップの別の実例の上面図である。
【図12B】図12Bは、本実例の断面図である。
【図13】図13は、本発明のバルブの第二の実例の断面図である。
【図14】図14は、本発明のバルブの第二の実例の支持体の上面図である。
【図15】図15は、本発明のバルブの第三の実例の側面図である。
【図16】図16は、本発明のバルブの第三の実例の支持体の上面図である。
【図17】図17は、本発明のエアロゾル化された薬剤の送達システムの概略図である。
【図18A】図18Aは、本発明のアダプターの第一の実例の斜視図である。
【図18B】図18Bは、本発明のアダプターの第一の実例の部分的な断面図である。
【図18C】図18Cは、本発明のアダプターの第一の実例の部分的な断面図である。
【図19】図19は、本発明のアダプターの第二の実例の部分的な断面図である。
【図20A】図20Aは、流体流れを示す本発明のアダプターの断面図である。
【図20B】図20Bは、フロープロファイル図である。
【図21】図21は、エアロゾル化装置を収容するための延長部を備える、本発明のアダプターの一部の斜視図である。
【図22】図22は、図21の実施形態の断面図である。
【図23】図23は、より短い延長部を備える、本発明のアダプターの一部の斜視図である。
【図24】図24は、図23の実施形態の断面図である。
【図25】図25は、チャネルを有する延長部を備える、本発明のアダプターの断面図である。
【図26】図26は、円錐形のシースを備える、本発明の延長部の断面図である。
【図27】図27は、反転した延長部を備える、本発明のアダプターの断面図である。
【図28】図28は、本発明のアダプターと共に使用するための噴霧システムの斜視図である。
【図29】図29は、蓋が開放された状態である図28の実施形態の斜視図である。
【図30】図30は、容器が振動メッシュ要素および圧電要素を含む、本発明の噴霧システムの斜視図である。
【図31】図31は、本発明のバイアル破裂要素を示す斜視図である。
【図32】図32は、圧電要素が、バイアル収容部の中またはその付近における振動メッシュ噴霧器の構造内に含まれ、機械的接触を介して振動メッシュ要素に適切な周波数の振動を送信する、本発明の噴霧システムを示す斜視図である。
【図33】図33は、容器がバイアル収容部を必要としない、本発明の噴霧器システムを示す斜視図である。
【図34】図34は、本発明のアダプターと共に使用される噴霧システムを示す斜視図である。
【図35】図35は、人工呼吸器回路のチューブに連結される本発明のアダプターを示す概略図である。
【図36】図36は、熱/水分交換(HME)フィルターと使用される本発明のアダプターを示す概略図である。
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2005年5月18日に出願された米国仮出願第60/682,099および2005年9月29日に出願された米国仮出願第60/722,637号に関連し、その各々により35USC§119(e)のもと優先権が主張され、その各々は、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の背景
技術分野
本発明の一つ以上の実施形態は、エアロゾル導入を必要とする患者にエアロゾルを導入するためのバルブ、デバイス、器具、システム、部品、およびアダプターに関し、より具体的には、人工呼吸器回路のため、噴霧器のため、ならびに人工呼吸器回路および/またはエアロゾル導入を必要とする患者にエアロゾルを導入するためのバルブ、デバイス、器具、システム、部品、およびアダプターに関する。本発明は、気管支内治療のための方法にも関し、具体的には、エアロゾルを投入するためのバルブ、デバイス、器具、システム、部品、およびアダプターを人工呼吸器回路などにおいて導入または使用する気管支内治療のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
患者の効果的な治療の処理に対する必要性により、さまざまな製剤処方の投与手技が進歩した。従来技術の一つに、錠剤、カプセル、エリキシル剤、またはその同等物の形での製剤処方の経口投与がある。しかしながら、経口投与は、症例によっては望ましくない場合がある。例えば、製剤投与の多くは、人体が効果的にそれらを吸収する前に、消化管において分解される可能性がある。患者がエアロゾル化された製剤処方を経口的または経鼻的に吸入してその処方を患者の軌道に送達するという、肺送達としても既知である吸入可能な薬物送達も、効果的および/または望ましい場合がある。いくつかの吸入法において、エアロゾル化された製剤処方は、肺などの呼吸器の一部分に、局所的な治療上の処置および/または予防を提供し、ぜんそくおよび肺気腫などの呼吸器系疾患を治療、ならびに/もしくは、真菌感染症および嚢胞性線維症など局所性肺感染症を治療する。その他の吸入法において、製剤処方は、患者の肺内に深く送達され、そこでその処方を体全体に渡って全身投与するために血流に吸収される場合がある。多くの種類のエアロゾル化デバイスには、噴射剤中または噴射剤と共に保存される製剤処方を有するデバイス、乾燥粉末をエアロゾル化するデバイス、圧縮ガスまたは液体製剤処方をエアロゾル化するためのその他の機構を使用するデバイス、および同様のデバイスが含まれる。
【0004】
既知のエアロゾル化デバイスの一つは、通常、噴霧器と呼ばれる。噴霧器は、流体、液体、または液化可能な処方を含む貯蔵器を有する容器を備える。液体の場合、製剤処方は、通常、溶液中もしくは液状媒体内で懸濁または分散している活性薬剤を含む。エネルギーが貯蔵器に導入されることにより、液体の製剤処方が患者の肺に送達されるようにエアロゾル化される。一般的にジェット噴霧器と呼ばれる一つの種類の噴霧器において、圧縮ガスが容器内の開口部を介して加えられる。圧縮ガスにより液体がノズルから抜き取られ、抜き取られた液体は、流動気体と混合されてエアロゾル液滴を形成する。次に、液滴から成る噴霧は、患者の呼吸器に投与される。一般的に振動メッシュ噴霧器と呼ばれる別の種類の噴霧器において、高周波超音波などのエネルギーは、メッシュを振動させるために生成される。このメッシュの振動は、液体の製剤処方をエアロゾル化して、患者の肺に投与されるエアロゾル噴霧を形成する。さらに別の種類の噴霧器においては、超音波が生成されて、製剤処方を直接振動させてエアロゾル化する。
【0005】
エアロゾル化粒子デバイス
エアロゾル導入を必要とする患者にエアロゾルを導入するためのバルブ、デバイス、器具、システム、部品、およびアダプターは、受動的乾燥粉末吸入器および能動的乾燥粉末吸入器などの乾燥粉末投与デバイスと共に適切に使用されてもよい。受動的乾燥粉末吸入器は、患者の吸気努力に依存する吸入デバイスを備え、貯蔵器または単位投与剤型において、そのデバイス内に含まれる製剤組成を分散およびエアロゾル化するが、薬剤組成を分散およびエアロゾル化するための圧縮ガスおよび振動または回転要素などのエネルギーを提供する手段を含む吸入器を備えない。能動的乾燥粉末吸入器は、患者の吸気努力だけに依存しない吸入デバイスを備え、貯蔵器または単位投与剤型において、そのデバイス内に含まれる製剤組成を分散およびエアロゾル化し、薬剤組成を分散およびエアロゾル化するための圧縮ガスおよび振動または回転要素などのエネルギーを提供する手段を含む吸入器を備える。
【0006】
噴霧器は、多くの場合、(1)エアロゾル化された製剤処方を入院中または歩行不能の患者に送達するため、および/または(2)大量のエアロゾル化された活性薬剤を送達するため、および/または(3)エアロゾル化された製剤処方を、乾燥粉末または噴射剤ベースの製剤処方を受けることができない小児またはその他の患者に送達するために使用される。
【0007】
噴霧器は、エアロゾル化された製剤処方を、人工呼吸器の補助で呼吸している患者の呼吸器に投入するのに有用である。しかし、エアロゾル化された製剤処方の人工呼吸器回路への導入に関する問題が存在する。例えば、エアロゾル化された製剤処方を人工呼吸器の吸気ラインに導入することによって、かなりの滞留量が導入ポイントと患者の肺との間に存在する。したがって、大量のエアロゾル化された製剤処方が必要になり、処方の多くが呼気ラインへ失われる。この問題は、噴霧器が連続的なバイアス流れを有する人工呼吸器と併用して使用される場合に悪化する。さらに、人工呼吸器ラインにおける大量の滞留量は、エアロゾル化された製剤処方が希薄し、患者への投与量を一貫して再生するのが難しくなるまでに至る可能性がある。一貫した送達量を再生することの難しさは、一回換気量、流速等の人工呼吸器のパラメータの患者間におけるばらつきによりさらに悪化する。
【0008】
一般的な振動メッシュ噴霧器において、メッシュは、振動メッシュ組立部品の全体の一部となるように構成され、エアロゾル化される液体は、単に液体をチャンバーに注ぐだけで導入される。チャンバーは、重力により液体をメッシュ全体に接触させるように配置されてもよい。場合によっては、液体をメッシュに接触させるためにウィックが使用される。
【0009】
例えば、振動メッシュ噴霧器は、吸気ラインとY字形の部品との間の人工呼吸器回路におけるT字形の部品上に装着されてもよい。液体の薬剤処方を投与するためにキャップは開放されている。液体の薬剤処方は、チャンバーを有する薬剤に注がれ、そこで液体が振動メッシュ要素に接触する。特定の振幅および周波数の正弦波、方形波、またはその他の波形であってもよい適切な電気信号は、エアロゾル状の液体薬剤処方をT字形の部品と人工呼吸器回路を通して患者に送達する目的で、電気信号を振動メッシュ要素に提供するために、ケーブルレセプタクルに接続されるケーブルを介して伝達される。
【0010】
一般的な振動メッシュ噴霧器は、さまざまな液体の薬剤処方を噴霧するために繰り返し使用される。ゆえに、液体の薬剤処方が溶剤担体を蒸発するため、メッシュは、場合によっては、これらの液体の薬剤処方と高濃度で接触するようになる。繰り返し使用することにより、液体の薬剤処方がさらに濃縮され、メッシュが腐食の影響を受けやすくなる可能性がある。さらに、多数の液体の薬剤処方を順次投入して使用することによって、異なる液体の薬剤処方について不慮で潜在的に危険性のある交差汚染をもたらす可能性がある。安全性のため、腐食および交差汚染を防ぐために、各投与後に振動メッシュ噴霧器の洗浄することが重要であり、液体の薬剤処方を投与する医療従事者にこの安全性の問題が委ねられ、メッシュおよび関連の振動メッシュのハードウェアが、液体の薬剤処方が繰り返し暴露されることによる腐敗およびその他の長期的損傷効果に耐えるように設計および製造されることが要求される。
【0011】
参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献1は、非再呼吸バルブ組立およびそれを使用する圧縮バルブ蘇生器を開示する。一方向バルブ手段は、穴または開口部を閉鎖するために提供され、ゴムなどの適切な材料から形成される環状の弾性部から成る。弾性部は、その内縁が、部品に提供される環状の陥凹に装着されている。弾性部の外側の環状の縁は自由で、穴または開口部を正常に閉塞するための一方向フラッパバルブとしての役割を果たすことができるようにし、ガスが開放部を介して一方向にのみ通過できるようにする。
【0012】
参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献2は、ぜんそく薬物吸入のための定量吸入器を開示する。定量吸入器は空気チャンバーを備える。空気チャンバーの底部は、成形過程の一貫として開放しており、相互に直角である一対の直径スリットを有するエラストマーダイヤフラムによって閉鎖される。単一のスリットでも十分であるが、スリットが二つあると柔軟性が改善される。スパイダーは、ダイヤフラムの土台となり、外側の円周フランジならびにスリットの土台となるように配置される少なくとも二つの直径リブを備える。
【0013】
参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献3は、薬剤を患者に投与する際に使用する人工呼吸器回路を開示する。人工呼吸器回路は、内部空間を形作り、入力端、出力端、および、その内部空間の上流に配置される一方向吸入バルブを有するチャンバーハウジングを備える。一方向吸入バルブは、チャンバーハウジングの内部スペースへの薬剤の流れを可能にするように動作する。吸入管は、チャンバーの出力端と連通し、薬剤を患者に送達するように構成される。排気管は吸入管と連通し、一方向排気バルブは、排気管に配置される。一方向排気バルブは、排気管から吸入管へのガスの逆流を防ぐように構成される。
【0014】
それぞれを参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献4〜8は、対象の気管支内治療のための方法、デバイス、および処方を開示する。エアロゾル化された抗生剤は人工呼吸器回路に送達される。噴霧器などのエアロゾル発生器は、Y字形の部品の下方部分に配置されてもよい。
【0015】
それぞれを参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献9、10は、気管支内治療に適用可能なデバイス、システム、および方法を開示する。
【0016】
しかしながら、これらには、バルブ、デバイス、アダプター、システム、および部品を改善する必要性が依然として残されている。例えば、これらには、患者と人工呼吸器の接合部を妨害しないようなバルブの必要性が残されている。さらに、噴霧器の改善の必要性が残されている。また、これらには、エアロゾルを人工呼吸器回路に導入するためのさらに効果的なアダプターの必要性が残されている。したがって、このようなバルブおよび/またはアダプターを使用する治療および/または予防に関する改善された方法の必要性が依然として残っている。
【特許文献1】米国特許第3,726,274号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0039746号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/0011358号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2004/0035413号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2005/0211253号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2005/0211245号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2005/0211245号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2005/0325978号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0139211号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2005/0217666号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
発明の開示
本発明の一つ以上の実施形態は、これらの必要性の一つ以上を満たす。本発明のさまざまな実施形態は、人工呼吸器回路および/または噴霧器などの、エアロゾルを導入するための装置と共に使用するためのさまざまな新規のバルブ、デバイス、アダプター、システム、および部品を提供する。また、本発明は、そのようなバルブ、デバイス、アダプター、システム、部品、噴霧器、および/または人工呼吸器回路を利用する治療および/または予防の方法も提供する。本発明のその他の機能および利点は、以下の発明の説明に記載され、一部においては、その説明により明白で、あるいは本発明を実践することにより学ばれるだろう。
【0018】
一側面において、本発明はバルブを対象とする。一つ以上の実施形態において、前記バルブは、少なくとも一つの開口を備える支持体を含む。その他の実施形態において、前記バルブは、複数の開口を含む支持体を含む。前記支持体は、中心部および外縁を備える。また、前記バルブは、一つ以上の実施形態において、少なくとも一つのフラップも備え、その他の実施形態においては、各開口に対してフラップを備える複数のフラップも含む。各フラップは、前記支持体の前記中心部の近位で連結される端を有する。各フラップは、閉鎖位置と開放位置との間で動作可能である。
【0019】
本発明の別の側面も、バルブを対象とする。一つ以上の実施形態において、前記バルブは、開口を備える支持体も含む。また、前記バルブは、前記支持体に連結される少なくとも一つのフラップを含む。前記バルブは、前記支持体および前記フラップから選択される少なくとも一つの部材上に少なくとも一つの突起部をさらに含み、前記支持体および前記フラップから選択される少なくとも一つの部材上の前記少なくとも一つの突起部は、前記フラップが閉鎖位置にある際に、前記支持体および前記フラップの他方に接触する表面を有する。
【0020】
本発明のさらに別の側面は、また別のバルブを対象とする。一つ以上の実施形態において、前記バルブは、開口を備える支持体も含む。また、前記バルブは、前記支持体に連結される少なくとも一つのフラップも含み、前記フラップは、前記フラップが閉鎖位置にある際に、前記支持体に接触する面を有する。前記バルブは、前記支持体および前記フラップから選択される少なくとも一つの部材において少なくとも一つのチャネルを含む。前記少なくとも一つのチャネルは、前記フラップが前記閉鎖位置にある際に、前記バルブを介した流れを可能にする。
【0021】
本発明のまた別の側面は、アダプターを対象とする。一つ以上の実施形態において、前記アダプターは、第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングを含む。前記ハウジングは、第一の端および第二の端を有する。前記第一のチャネルは、第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、一方向バルブなどの第一のバルブ手段を備える。前記第二のチャネルは、第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、一方向バルブなどの第二のバルブ手段を備える。また、前記アダプターは、前記第一の方向に対して、前記一方向バルブの下流に配置される、前記第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つも含む。前記アダプターの前記第一の端と前記第二の端との間の空気圧降下は、60L/minの空気流速で、約50cmH2O未満であり、60L/minの空気流速で、約40または30または20または10cmH2O未満であってもよい。
【0022】
本発明の別の側面は、別のアダプターを対象とする。一つ以上の実施形態において、前記アダプターは、第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングを含む。前記ハウジングは、第一の端および第二の端を有する。前記第一のチャネルは、第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、一方向バルブなどの第一のバルブ手段を備える。前記第二のチャネルは、第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、一方向バルブなどの第二のバルブ手段を備える。また、前記アダプターは、前記第一の方向に対して、前記一方向バルブの下流に配置される、前記第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つも含む。前記アダプターは、さらに、前記第三の方向に対して、一方向バルブのような前記第二のバルブ手段の上流に配置される、前記第二のチャネルにおける流体アキュムレータも含む。
【0023】
本発明のまた別の側面は、別のアダプターを対象とする。一つ以上の実施形態において、前記アダプターは、第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングを含む。前記ハウジングは、第一の端および第二の端を有する。前記第一のチャネルは、第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、一方向バルブなどの第一のバルブ手段を備える。前記第二のチャネルは、第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、一方向バルブなどの第二のバルブ手段を備える。また、前記アダプターは、前記第一の方向に対して、前記一方向バルブの下流に配置される、前記第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つも含む。前記アダプターは、前記第一の方向に対して、エアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの前記少なくとも一つの上流に配置される、前記第一のチャネルにおける温度プローブポートなどのセンサープローブポートを、任意で含む。
【0024】
本発明のまた別の側面は、人工呼吸器回路を備える。一つ以上の実施形態において、前記人工呼吸器回路は、人工呼吸器、前記人工呼吸器に接続される呼気ライン、および前記人工呼吸器に接続される吸入ラインを備える。また、前記人工呼吸器回路は、前記呼気ラインおよび前記吸入ラインに接続されるアダプターも含んでもよく、前記アダプターは、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備える。Y字形の部品は、前記アダプターに連結される。気管内チューブおよび気管切開チューブから選択されるチューブは、前記Y字形の部品に連結される。
【0025】
その他の実施形態において、人工呼吸器回路は、人工呼吸器、前記人工呼吸器に接続される呼気ライン、および前記人工呼吸器に接続される吸入ラインを備える。また、前記人工呼吸器回路は、前記呼気ラインおよび前記吸入ラインに接続されるアダプターも含んでもよく、前記アダプターは、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備える。前記呼気および吸入ラインは、同軸であるように配置されてもよく、あるいは単一の分離したラインのように共に接合されるように配置されてもよい。これらの実施形態において、前記Y字形の部品は省略されてもよく、前記呼気および吸入ラインは、気管内チューブまたは気管切開チューブに直接(またはレジューサーまたはアダプターを介して)連結されてもよい。
【0026】
その他の実施形態において、前記人工呼吸器回路は、人工呼吸器、前記人工呼吸器に接続される呼気ライン、前記人工呼吸器に接続される吸入ライン、および前記呼気ラインおよび前記吸入ラインに接続されるアダプターを備え、前記アダプターは、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備え、アダプターに内蔵されるHMEなどの熱水交換器(HME)をさらに含んでもよい。
【0027】
その他の実施形態において、前記人工呼吸器は省略され、噴霧器、吸入バルブ、呼気バルブおよび/またはフィルター、および任意で保持チャンバーまたは収容部を備える人工呼吸器を使用しないデバイスが提供される。一つ以上の人工呼吸器を使用しない実施形態は、陽圧補助を使用または使用せずに利用されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
発明の詳細
特に明記しない限り、化合物または構成要素についての言及は、その化合物または構成要素を単独で含め、また、化合物の組み合わせなどのその他の化合粒または構成要素との組み合わせも含む。
【0029】
本明細書で使用される際、単数形の「a」「an」および「the」は、複数形を言及することも含めるが、その内容が別途明確に述べる場合は除く。
【0030】
本明細書に引用される全ての公報、特許、および特許出願は、上記または下記に関わらず、個々の公報、特許、または特許出願が、参照することによって具体的かつ個別に組み込まれるかのように、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0031】
薬物、「活性薬剤」または製剤は、同じ意味で用いられてもよく、対象の生物(ヒトまたは動物)に適切に投与された際に所望の薬理学的および/または生理学的効果をもたらすいかなる薬物、溶液、化合物、または組成を、別々またはまとめて含めてもよい。
【0032】
本明細書で言及される「一実施形態」、「一バージョン」または「一側面」は、内容から明確ではない場合に限り、一つ以上のそのような実施形態、バージョン、または側面を含むものとする。
【0033】
さらに説明する前に、次の用語の定義は、本発明の理解に役立てられるだろう。
【0034】
「クリープ」(または「遅れ変形」)は、時間依存性であり、支持荷重を受ける材料によって示される変形である。クリープは、固定荷重でテストサンプルに張力を掛けて、定期的に伸びを記録して測定されてもよい。本書類におけるクリープ抵抗は、23°Cでサンプルに800psi荷重の加重を1000時間かけて測定される。
【0035】
概略として、本発明は、バルブ、アダプター、システム、部品、および人工呼吸器回路を含む。各部品は、本明細書に説明される組み合わせおよび/または組立とは独立して使用されてもよいことが強調される。したがって、バルブは、本発明のアダプターおよび人工呼吸器回路と共に使用することだけに限定されない。同様に、本発明のアダプターは、本発明のバルブおよび人工呼吸器回路と共に使用することだけに限定されない。さらに、本発明の人工呼吸器回路は、本発明のバルブおよびアダプターと共に使用することだけに限定されない。
【0036】
バルブ、アダプター、システム、および回路の一つ以上の実施形態は、エアロゾル化された薬物を、人工呼吸器使用するおよび使用しない患者に投入するように構成可能である。人工呼吸器を使用する治療方法は、噴霧されたエアロゾルを人工呼吸器回路を介して患者に投入することを含む。約1から約500mgの薬物などの効果的な投与量を含むエアロゾル投与量は、人工呼吸器回路を介して段階的または非段階的に送達されてもよい。人工呼吸器を使用しない治療法は、人工呼吸器を患者から外してから噴霧されたエアロゾルを投与することを含む。治療時間が完了すると、患者は、人工呼吸器を元に戻すか、あるいはその補助無しに自身によって呼吸してもよい。人工呼吸器を使用しないデバイスは、自由に呼吸する患者のために、多くの場合において自給式であり、エアロゾル発生器(例えば、噴霧器)ならびに薬物などのエアロゾル化された液状または粉末状の処方を投与するためのマスク、カニューレ、リップシール、またはマウスピースを備えてもよい。投与は、連続的、段階的(吸気時など)、および/または断続的(時間制限など)であってもよい。薬物などのエアロゾル処方を投入するために使用されるデバイスで、特に人工呼吸器を使用しないデバイスは、収容部または保持チャンバーを備えることにより、エアロゾルの持続的な流れが許可または可能になる。バルブ、デバイス、アダプター、システム、および部品は、陽圧式装置と使用されてもよく、またはそうでなくてもよい。
【0037】
本発明の一つ以上の実施形態は、さまざまなエアロゾル化可能な薬物を使用して、さまざまな病状のための治療を提供する。その病状には、その中でも特に、人工呼吸器に関連した肺炎、院内肺炎、市中肺炎、嚢胞性線維症、マイコバクテリア感染、気管支炎、感染症、MRSAを含むブドウ状球菌感染症、真菌感染症、ウイルス感染、原虫感染、および慢性閉塞性肺疾患の急性増悪期などの肺疾患が含まれてもよい。病状を治療するために使用されるエアロゾル化可能な薬物には、その中でも特に、抗生剤、抗酸化剤、気管支拡張剤、コルチコステロイド、ロイコトリエン、プロテアーゼ阻害剤、および界面活性剤が含まれてもよい。
【0038】
バルブの一つ以上の実施形態において、バルブは、複数の開口を含む支持体を備える。支持体は、中心部および外縁を備える。また、バルブは、各開口に対してフラップを備える複数のフラップも含む。各フラップは、支持体の中心部の近位で連結される端を有する。各フラップは、閉鎖位置と開放位置との間で動作可能である。
【0039】
バルブのその他の実施形態において、バルブは、開口を備える支持体を含む。また、バルブは、支持体に連結されるフラップも含む。バルブは、支持体およびフラップから選択された少なくとも一つの部材上に少なくとも一つの突出部を含み、支持体およびフラップから選択された少なくとも一つの部材上のその少なくとも一つの突起部は、フラップが閉鎖位置にある場合に、支持体およびフラップの他方に接触する表面を有する。
【0040】
さらにその他の実施形態において、バルブは、開口を備える支持体を含む。また、バルブは、支持体に連結される少なくとも一つのフラップも含み、フラップは、フラップが閉鎖位置にある際に、支持体に接触する面を有する。バルブは、支持体およびフラップから選択される少なくとも一つの部材において少なくとも一つのチャネルを含む。その少なくとも一つのチャネルは、フラップが閉鎖位置にある際に、バルブを介した流れを可能にする。
【0041】
アダプターのその他の実施形態において、アダプターは、第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングを含む。ハウジングは、第一の端および第二の端を有する。第一のチャネルは、第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、第一の一方向バルブを備える。第二のチャネルは、第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、第二の一方向バルブを備える。また、アダプターは、第一の方向に対して一方向バルブの下流に配置される、第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つも含む。アダプターの第一の端と第二の端との間の空気圧降下は、約60L/minの空気流速で、約50cmH2O未満であり、約60L/minの空気流速で、約40cmH2O、30cmH2O、20cmH2O、10cmH2O未満、またはそれ未満であってもよい。
【0042】
アダプターのその他の実施形態において、アダプターは、第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングを含む。ハウジングは、第一の端および第二の端を有する。第一のチャネルは、第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、第一の一方向バルブを備える。第二のチャネルは、第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、第二の一方向バルブを備える。また、アダプターは、第一の方向に対して、一方向バルブの下流に配置される、第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つも含む。アダプターは、さらに、第三の方向に対して、第二の一方向バルブの上流に配置される、第二のチャネルにおける流体アキュムレータも含む。
【0043】
アダプターのさらにその他の実施形態において、アダプターは、第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングを含む。ハウジングは、第一の端および第二の端を有する。第一のチャネルは、第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、第一の一方向バルブを備える。第二のチャネルは、第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、第二の一方向バルブを備える。また、アダプターは、第一の方向に対して、一方向バルブの下流に配置される、第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つも含む。アダプターは、第一の方向に対して、エアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つの上流に配置される、第一のチャネルにおける温度プローブポートなどのセンサープローブポートを含んでもよい。
【0044】
人工呼吸器回路の一つ以上の実施形態において、人工呼吸器回路は、人工呼吸器、人工呼吸器に接続される呼気ライン、および人工呼吸器に接続される吸入ラインを備える。また、人工呼吸器回路は、呼気ラインおよび吸入ラインに接続されるアダプターも含み、そのアダプターは、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備える。Y字形の部品は、アダプターに連結される。気管内チューブおよび気管切開チューブから選択されるチューブは、Y字形の部品に連結される。
【0045】
人工呼吸器回路のその他の実施形態において、回路は、人工呼吸器、人工呼吸器に接続される呼気ライン、および人工呼吸器に接続される吸入ラインを備えてもよい。また、人工呼吸器回路は、呼気ラインおよび吸入ラインに接続されるアダプターも含んでもよく、そのアダプターは、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備える。呼気および吸入ラインは、同軸であるように配置されてもよく、あるいは単一の分離したラインのように共に接合されるように配置されてもよい。これらの実施形態において、Y字形の部品は省略されてもよく、呼気および吸入ラインは、気管内チューブまたは気管切開チューブに直接(またはレジューサーまたはアダプターを介して)接続されてもよい。
【0046】
その他の実施形態において、人工呼吸器回路は、人工呼吸器、人工呼吸器に接続される呼気ライン、人工呼吸器に接続される吸入ライン、および呼気ラインおよび吸入ラインに接続されるアダプターを備え、そのアダプターは、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備え、アダプターに内蔵されるHMEなどの熱水交換器(HME)をさらに含んでもよい。
【0047】
その他の実施形態において、人工呼吸器回路は、前述の構成要素のいずれをも備えるが、人工呼吸器がその回路の一部とみなされない場合は除く。
【0048】
本発明のその他の実施形態において、バルブ、デバイス、システム、および回路は、噴霧器、吸入バルブ、呼気バルブおよび/またはフィルター、および任意で保持チャンバーまたは収容部を備える装置などの人工呼吸器を使用しない構成において使用される。通常、そのようなデバイスまたは装置は、噴霧器などのエアロゾル発生器、ならびに、患者、特に、自由呼吸の患者に対して生成されるエアロゾルを送達するためのいくつかの手段を備える。いくつかの実施形態において、そのような装置は、非段階的な方法で送達しつつ連続的なエアロゾルの生成を可能にするために、保持チャンバーをさらに備えてもよい。人工呼吸器を使用しないデバイスおよびシステムのさらなる例は、例えば、2005年3月24日に出願の共同所有の米国特許公報第20050217666号において開示され、その開示は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0049】
したがって、一つ以上の側面において、本発明は、単一のバルブまたは複数のバルブに関連する。バルブ10の例示的実施形態が図1〜7に示される。バルブ10は、支持体20を備える。支持体20は平面的であるように示されるが、支持体20はその他の形状をとってもよい。例えば、支持体は、曲率半径を有してもよい。曲率半径は、約1cmから約50cmまたは約5cmから約10cmなどの約0.1cmから約100cmまでの範囲であってもよい。
【0050】
支持体20は、開口30を含む。図1〜7のバルブ10は四つの開口30を有するが、開口30の数は、限定されない。例えば、バルブ10は、例えば、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、またはそれ以上である、一つ以上の開口30を有してもよい。
【0051】
開口30は、液体またはガス(例えば、空気)などの流体が支持体20を通過するように設計される。開口の形は、特に限定されない。したがって、開口の断面図の形は、円形、三角形、台形、四角形、星形、卵形、楕円形、不定形、または同様なものであってもよい。開口の側面32は、流体流れに対して平行であってもよく、または主な流体流れに対して角度を成してもよい。したがって、開口の側面は、主な流体流れに対して約−90、−85、−80、−75、−70、−65、−60、−55、−50、−45、−40、−35、−30、−25、−20、−15、−10、−5、0、5、10、15、20、25、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85未満の角度または90度を成してもよい。開口の側面角度を約0°にすることにより乱流を軽減してもよい。開口の側面角度を約0°以外にすることにより流体の混合を増加させてもよい。
【0052】
バルブ10は、所望の状態および/または結果を提供するように最適化されることができる。いくつかの実施形態において、バルブ10は、一定の流れ抵抗で流体流れを最大にする、あるいは一定の流速で圧力低下を最小化する、あるいはその組み合わせを達成するように最適化される。例えば、開口は、主な流体流れに垂直な面であるバルブの断面の占める割合が大きくてもよい。開口は、バルブの断面の例えば、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を備えてもよい。その他の実施形態において、バルブ10は、付着あるいは、流動破壊および/または機械故障に対する障害を軽減するように最適化されてもよい。その他の実施形態において、バルブ10は、例えば、所望の低圧力差で開放するなどの、圧力変化に対する所望のまたは最適化された感度を提供するように最適化されてもよい。これにより、人工呼吸器利用および/または薬物投与において効果をもたらすことができる。
【0053】
図1〜7の実施形態に示されるバルブ10は、幾何学的中心を含む中心部40および外縁42を有する。外縁42は、管(図示せず)に適合するように形作られる。あるいは、外縁は、管の一部であってもよく、つまり、少なくともバルブの支持体および管が相互に一体型である。図1〜7の実施形態に示される外縁42は円形である。しかし、外縁42は、いかなる特定の形状にも限定されず、楕円形、四角形、三角形、不定形、および同様なものなどのその他の形状であってもよい。
【0054】
また、バルブ10は、単一のフラップまたは複数のフラップ50も備える。図1〜7の実施形態に示されるバルブ10は、四つのフラップ50を含むが、フラップの数は限定されない。例えば、バルブ10は、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、またはそれ以上の一つ以上のフラップ50を有する。[Editor’s Note: the original stentence includes the word ‘apertures’ here, but it is apparently meant ‘flaps’ from the context. It must be a typo.]通常、各開口30は、対応するフラップ50を有するが、一つのフラップ50が二つ以上の開口30に対応してもよい。複数のフラップを有することによって余剰がもたらされる。したがって、フラップのうちの一つが付着しても、一つ以上のその他のフラップが依然として流体を通過させるようにしてもよい。いくつかの実施形態において、ガスが単一のフラップを開放する傾向があるため、単一のフラップを有することにより付着する可能性を軽減してもよい。いくつかの実施形態において、単一のフラップにすることにより、高流量の用途において流れ抵抗を軽減するために、断面積を広くとるようにする。
【0055】
図1〜7の実施形態に示されるフラップ50は、支持体20の中心部40に連結される端52を有する。あるいは、フラップ50は、支持体20の外縁42付近で支持体に連結される端を有してもよい。
【0056】
フラップ50は、開放または閉鎖位置にあってもよい。したがって、動作の際、フラップを第一の方向に回転させることによって、フラップは、図1および3に示されるように閉鎖位置に移動する。フラップを第二の方向に回転させる事によって、フラップは、図2および4に示されるように開放位置に移動する。図3および4は、断面図であり、フラップ50上の流体流れ(矢印Aにより示される)の影響を示す。
【0057】
図1〜7の実施形態に示されるフラップ50は閉鎖位置に付勢されている。代わりに、フラップ50は開放位置に付勢されてもよい。図1〜7の実施形態に示されるフラップ50は、フラップ材料の形状記憶によって、閉鎖位置に付勢されている。付加的または代わりに、フラップは、バネ、補助的フラッパ、または部分的に補助的フラッパと重なるプレストレスト材などの付勢手段により付勢されてもよい。
【0058】
図1〜7の実施形態のフラップ50が閉鎖位置にある場合、フラップ50は、支持体20の上に存在し、最小またはゼロの圧縮応力あるいは荷重下にある。最小応力により、フラップ50が支持体20に付着する可能性が軽減される。その代わりに、フラップ50は、閉鎖位置において事前に負荷が加えられるか、あるいは付勢されてもよい。逆圧などの場合に、事前の負荷または付勢により、バルブ10を介した漏出を軽減してもよい。事前の負荷または付勢は、記憶材料、バネ、および同様なものによって達成されてもよい。
【0059】
したがって、図1〜7の実施形態に示される各フラップ50は、連結端54の逆方向に移動端52を備える。移動端52は、一般的に、閉鎖位置において支持体20の外縁42に接触する。支持体20の外縁42は、フラップ50に接触する突起部60を任意で備える。任意で、その突起部は、フラップの一部を形成してもよく、バルブが閉鎖される場合に、支持体に接触してもよい(図示せず)。
【0060】
突起部60は、多くの場合、支持体20とフラップ50との接触領域を最小化するための座部として機能する。最小化された接触領域により、フラップ50が支持体20に付着する可能性を軽減してもよい。
【0061】
図1〜7に示される実施形態の突起部60は三角形で、開口30の周囲に隣接する縁を形成する。したがって、突起部は刀形を形成する。三角形以外の形が、開口30の周囲に隣接する縁を形成するように使用されてもよい。例えば、突起部の断面図は、長方形、半円形、楕円形、円錐形、または同様のものであってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、隣接する縁の接触領域は、縁の長さ1cmにつき、約0.5cm2未満または約0.1cm2未満などである約1cm2未満であってもよい。隣接する縁により、バルブ10を介した漏出を最小化してもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、接触領域は非隣接でもよい。例えば、突起部60は、規則的または不規則的な針形、三角形、長方形、円錐形、半円筒形、球形、半球形、ピラミッド形、ヒレ形、三日月形、それらの一部、または隙間により分割されるその他の形、または同様なものを含めてもよい。非隣接の接触領域により、漏出がいくらか発生する可能性があるが、そのような突起部は、付着を軽減する可能性がある。この点において、突起部により、接触領域が削減され、表面張力による自浄がもたらされる。特定の用途において、付着の可能性を軽減することは、漏出を軽減するよりもさらに重要である場合がある。例えば、以下にさらに詳しく説明されるように、エアロゾルを人工呼吸器回路に添加するためのアダプターは、場合により、例えば最大約10L/min、最大約0.5L/min、または最大約0.1L/minなどである最大約10L/minまでの漏出に耐えることができる。これらのアダプターのうちの一つにおけるバルブの一つ以上のフラップが付着する場合、フロープロファイルは、不規則になる可能性がある。
【0064】
いくつかの用途において、バルブを介した少量の漏出が望まれる場合がある。例えば、以下にさらに詳しく説明されるように、エアロゾルを人工呼吸器回路に添加するためのアダプターは、いくらかの漏出を有利に含んでもよい。この点において、いくらかの漏出により、患者と人工呼吸器の接合部を改善してもよい。
【0065】
したがって、図8に示される本発明の一バージョンにおいて、バルブ110は、開口122(透視で示される)を備える支持体120を含む。フラップ150は、支持体120に連結される。フラップ150は、フラップ150が閉鎖位置にある際に、支持体120に接触する面を有する。支持体120は、フラップ150が閉鎖位置にある際に、バルブ110を介した流体流れを可能にするチャネル180を含んでもよい。
【0066】
図9に示される別のバージョンにおいて、バルブ210は、開口222(透視で示される)を備える支持体220を含む。フラップ250は、支持体220に連結される。フラップ250は、フラップ250が閉鎖位置にある際に、支持体220に接触する面を有する。支持体220は、フラップ250が閉鎖位置にある際に、バルブ210を介した流体流れを可能にするチャネル280を含んでもよい。
【0067】
図8および9に示されるバージョンにおいて、チャネル180および/または280の相対サイズおよび相対数を変更することにより、技術を有する者は、フラップが閉鎖位置にある際のバルブを介する流体流れに対する、フラップが開放位置にある際のバルブを介する流体流れの割合を変更してもよい。例えば、開放位置における流体流れは、閉鎖位置の流体流れよりも、少なくとも約2倍、少なくとも約10倍、少なくとも約100倍、少なくとも約1000倍、少なくとも約10,000倍、または少なくとも約100,000倍大きくなってもよい。
【0068】
フラップ毎の接触領域の量は、フラップのサイズなどの要素によって決まる。いくつかの実施形態において、フラップ毎の接触領域の量は、約1cm2未満、約0.8cm2未満、約0.5cm2未満、約0.1cm2未満、および約0.01cm2未満を含むがそれだけに限定されない。いくつかの実施形態において、突起部に接触するフラップの表面の表面積の割合は、多くの場合、約0.5%から約25%、約1%から約10%、および約1%から約5%などである約0.1%から約50%までの範囲である。突起部に接触するフラップの表面の表面積の割合は、多くの場合、約2.5%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.1%未満、または約0.01%未満などである約5%未満である。
【0069】
図1〜7の実施形態におけるフラップ50は、図7に示されるように相互に一体型である。フラップ50は、四葉のクローバーに類似する四つのローブ構造を形成する。相互に一体化する複数のフラップを形成することにより、製造原価を削減することができる。あるいは、複数のフラップ50は、別個の部分であってもよい。複数のフラップ50の別個の部分を形成することによって、あるフラップにおける応力が、別のフラップの性能の影響を受けないようにするために望ましくなる。
【0070】
図1〜7の実施形態における複数のフラップ50および支持体20は、別個の部分である。支持体20および複数のフラップ50を別個の部分に形成することにより、これらの部分を形成する材料の最適化が可能になる。あるいは、支持体20および複数のフラップ50は、相互に一体型であってもよい。相互に一体化する複数のフラップを形成することにより、製造原価を削減することができる。
【0071】
支持体20および複数のフラップ50が別々の部分である際、フラップ50は、さまざまな技術を使用して支持体上に装着されることができる。図1に示されるように、中柱70はフラップ50を保持する。装着技術の例は、当技術分野において既知であるものであり、スナップ嵌め、接着剤、共融解超音波溶接、RF溶接、スピン溶接、クランプ、ヒンジ(以下に説明のとおり)、および同様なものなどの、接着締め具、機械的締め具、および材料接合が挙げられる。
【0072】
複数のフラップを形成する材料は、剛体でもよく、または柔軟性のあるものであってもよい。フラップ材料は、バルブが低圧力降下で開放可能なように選択されてもよい。例えば、柔軟性のフラップ材料は、約30から約80、約40から約70、および約50から約60などである、約20から約90までのショアA硬度を有してもよい。剛体の材料は90より大きいショアA硬度を有する。例えば、剛体の材料は、100ロックウェルBなどの少なくとも50ロックウェルBの剛性を有してもよい。
【0073】
フラップ材料が柔軟性である場合、優れた形状記憶またはクリープ抵抗、あるいはその両方を含む材料を備えてもよい。例えば、クリープ抵抗は、23°C、荷重800psi下において、1000時間後、約3%伸度未満、約1%伸度未満、約0.5%伸度未満、または約0.2%伸度未満などである、約4%伸度未満であってもよい。
【0074】
フラップ材料が剛体である場合、フラップは、ヒンジまたはヒンジ手段によって支持体に連結されてもよい。ヒンジ手段の例として、ピン継手およびリビングヒンジが挙げられるがそれだけに限定されない。
【0075】
フラップは、さまざまな形状を帯びていてもよい。例えば、図10Aは、狭いネック356およびヘッド358を有するフラップ350の上面図である。フラップ350がエラストマーから形成される場合、狭いネックにより、フラップがネック356で曲がる可能性が増加する。反対に、図10Bは、広いネッック456およびヘッド458を有するフラップ450の上面図である。フラッグ450がエラストマーから形成される場合、広いネック456により、フラップ450がフラップの長さに渡って曲がる可能性が増加する。ヘッドの幅に対するネックの幅の割合は、一般的に、約1:10から約1:1、約1:5から約1:2などである、約1:20から約2:1までの範囲である。
【0076】
また、フラップは、その断面において形成されるネックを有してもよい。例えば、図11Aは、長方形の断面を有するフラップ550の断面図である。フラップ550がエラストマーから形成される場合、フラップ550は、その全体の長さで曲がる傾向にある。図11Bは、断面にネック656が形成されたフラップ650の断面図である。フラップ650がエラストマーから形成されている場合、フラップ650は、ネック656で屈曲または回転する傾向にある。その他の位置におけるフラップ650の幅に対するネック656における幅の割合は、多くの場合、約1:8から約4:5、約1:6から約7:10、および約1:4から約3.5などである、約1:10から約9:10までの範囲である。
【0077】
図12Aは、フラップ750の別のバージョンの上面図である。フラップ750は、フラップを支持体に装着するための中柱770を含む。いくつかの実施形態において、フラップ750は、フラップ750の回転を容易にするためにネック756も含む。いくつかの実施形態において、フラップ750は、断面図である図12Bに示されるようにカップ部759を含む。
【0078】
フラップ材料および支持体材料は、同一でもよく、あるいは相違してもよい。適切なフラップおよび支持体の材料の例として、エラストマー、ポリマー、金属、セラミック、および複合物が挙げられるがそれだけに限定されない。ポリマーの例として、ポリウレタン、フッ素重合体(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン、シリコーンゴム(例えば、Dow Chemical社およびGE社より入手可能である)などのシリコーンで、例えば二部射出成形のシリコーンゴムなど、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、およびSantopreneTM熱可塑性エラストマー(ExxonMobil Chemical社より入手可能)などが挙げられるがそれだけに限定されない。複合物の例として、強化材料および積層が挙げられるがそれだけに限定されない。強化材料には、例えば、粒子強化材料、繊維強化材料、および織布強化を有するシリコーンが含まれてもよい。積層には、例えば、パリレン被覆シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン被覆ポリマー、ポリマーに付着するポリイミド、シリコーンに積層する強化層、および高デュロメーター上の低デュロメーターポリマー(例えば、90ショアAのシリコーン上の30ショアAのシリコーン)が含まれてもよい。
【0079】
バルブは、バルブを介した流体流れが、適切な条件下で望ましく層流または乱流であるように設計されることができる。主な層流を得るために、バルブは、少ない障害物で設計されてもよい。層流は、凝縮を最小限にするように役立ってもよい。主に乱流を得るために、バルブは、障害物または不均整の流路開口部を備えて設計されてもよい。乱流により、さらに混合されてもよい。
【0080】
バルブ10は、反転の可能性を最小限に留めるように設計されることができる。咳またはその他の高逆圧による反転は、不可逆になる可能性があり、バルブが一構成で固定するようになる。反転は、バルブが人工呼吸器で使用される際などに、深刻な安全性の問題を引き起こす可能性がある。また、バルブの反転により、エアロゾル化装置のアダプターを伴うシステムの揮散量が減少する可能性がある。反転は、例えば、突起部60を有するフラップ50を重ねることによって制御されることができる。空気圧が、0.5秒未満で、約1psi未満または0.5psi未満など、約2psi未満の量において変化する際は、バルブ10は反転しない。
【0081】
バルブは、さまざまな圧力で開放するように設計されることができる。例えば、フラップは、圧力が約0.1cmH2Oから約100cmH2O、約0.5cmH2Oから約50cmH2O、約1cmH2Oから約10cmH2O、または約2cmH2Oから約5cmH2Oなどである、約0.05cmH2Oから約150cmH2Oまでの範囲のレベルに達する際に、開放してもよい。
【0082】
バルブ810の別の実施形態は、図13および14に示される。本例において、フラップ850は、支持体820に配置される中柱870を含み、矢印Bによって示される方向における動きが可能になる。図13は、開放位置におけるバルブ810を示す。バルブ810が閉鎖位置にある場合、フラップ850は、突起部860に接触する。図14に示されるように、突起部860は相互に間隔があけられる。付着を防ぐために、その空間は、突起部860間の空間が液体で満たされないように十分であるべきである。例えば、突起部は、約1cm未満などの約1.5cm未満、約0.1cm未満などの約0.2cm未満、約0.05cm未満、約0.005cm未満などである距離で相互に空間があけられてもよい。
【0083】
バルブ910のさらに別のバージョンは、図15および16に示される。図15は、開放位置におけるバルブ910を示す。支持体920は、柔軟性の材料の円板を備えるフラップ950を保持する。図16は、フラップ950がない支持体920の上面図である。本実例の支持体920は、二つの開口930を備えて示されるが、開口の数は特に限定されない。したがって、バルブ910は、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、またはそれ以上の開口を含んでもよい。
【0084】
バルブは、流体流れ、特にガス流れを、さまざまな環境において制御するために、一方向バルブとして使用されてもよい。一方向バルブの使用は既知である。例えば、バルブは、化学処理、スキューバ用具、ガスマスク、人工呼吸器(機械的人工呼吸器、手動人工呼吸器)、噴霧器のアダプター、または同様なものにおいて使用されてもよい。
【0085】
バルブを管に装着するためにさまざまな技術が使用されてもよい。装着技術の例として、スナップ嵌め、プレス嵌め、ネジ切り、鍵、接着、超音波溶接、超音波溶接、[Editor’s note: ‘ultrasonic welding’ appears twice in the original sentence.]RF溶接、スピン溶接、クランプ、および同様なものが挙げられるがそれだけに限定されない。
【0086】
上記のように、バルブは、人工呼吸器回路および噴霧器のアダプターにおいて使用されてもよい。人工呼吸器回路および噴霧器のアダプターは、さまざまな形状をとってもよい。例えば、バルブは、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる2004年11月17日に出願された共同所有の米国特許公報第20050139211号に示されるアダプターにおいて使用されてもよい。
【0087】
したがって、バルブは、図17に示されるようなエアロゾル化された製剤処方の送達システム1100において使用されてもよい。一つ以上の実施形態において、エアロゾル化された製剤処方の送達システム1100は、ユーザーの肺などのユーザーの呼吸器の一部分に、エアロゾル化された製剤処方を送達する。一つ以上の実施形態において、エアロゾル化された製剤処方の送達システム1100は、人工呼吸器1105による補助によって呼吸をする患者に、エアロゾル化された製剤処方を送達するのに有用であるが、以下に説明されるように、人工呼吸器を使用しない患者に製剤処方を送達するために使用されるようにも構成されてよい。人工呼吸器回路1110は、図17に図式的に示される。吸入ライン1115および呼気ライン1120は、人工呼吸器1105から伸びる。吸入ライン1115および呼気ライン1120は、両方とも、それらから伸びる気流管を有するチューブから構成される。吸入ライン1115および呼気ライン1120は、人工呼吸器1105から離れた接合部1125で交わる。接合部1125において、吸入ライン1115の管は、呼気ライン1120からの管と連通し、両管は、患者ライン1130と連通する。患者ライン1130は、患者に挿入される気管内または気管切開チューブ1135の管まで伸びる管を備える。チューブ1135は、ユーザーの肺の中または付近まで伸びてもよい反対端を有する。したがって、一つ以上の使用実施形態において、酸素を含む空気は、人工呼吸器1105によって吸入ライン1115に導入される。酸素を含む空気は、吸入ライン1115の管を通って、患者ライン1130に入り、チューブ1135の管を介して患者の肺に入る。次に、患者は、自然にあるいは人工呼吸器から陰圧をかけることによって息を吐き、吐き出された空気は、チューブ1135を通り、患者ライン1130を通り、そして呼気ライン1120を通って人工呼吸器1105に入る。その循環は、患者の呼吸を補助するため、または患者の呼吸を全体的に制御するために連続的に繰り返される。
【0088】
エアロゾル化された製剤処方の送達システム1100は、システムまたは機構1140などのエアロゾル導入手段をさらに備える。エアロゾル導入機構1140は、接合部1125と患者の肺の間の位置において、エアロゾル化された製剤処方を人工呼吸器回路1110に導入するアダプター1145を備える。例えば、エアロゾル導入器は、図17に示されるように、エアロゾル化された薬剤を患者ライン1130に導入してもよく、あるいはエアロゾル化された製剤処方をチューブ1135の中またはその付近に導入してもよい。アダプター1145により導入されたエアロゾルは、製剤処方を含む収容部を備えるエアロゾル化装置1150によって生成される。エアロゾル化エネルギーは、エネルギー源1160によってエアロゾル化デバイスに供給され、エアロゾル化された製剤処方を生成する。エアロゾル化された製剤処方は、通路1165を通ってアダプター1145に入り、そこで人工呼吸器回路1110に導入されてもよい。
【0089】
エアロゾル化装置1150は、例えば、エネルギー源が圧縮空気であるジェット噴霧器、エネルギー源が、波、エネルギーなどの機械的である振動メッシュ噴霧器、エネルギー源が音波エネルギーである超音波噴霧器、エネルギー源が予め選択された大気状態下などで沸騰する組成などの噴射剤である定量吸入器、またはエネルギー源が圧縮されるまたは気流である、あるいは膜振動または同様のものである乾燥粉末吸入器であってもよい。
【0090】
液体処方は、さまざまな手順のいずれによっても噴霧化されることができる。例えば、液体は、二流体ノズル、圧縮ノズル、または回転円板を介して霧化されることが可能で、あるいは、超音波噴霧器または振動オリフィスエアロゾル発生器(VOAG)で噴霧化されることができる。一つ以上の実施形態において、液体処方は、BD AccuSprayノズルなどの圧縮ノズルで噴霧化される。エアロゾル化装置1150は、凝縮エアロゾル化、衝突噴流技術、電気スプレー技術、熱気化、またはペルチェ素子に基づいてもよい。
【0091】
ジェット噴霧器は、空気圧を使用することによって、溶液をエアロゾル液滴に分解する。一つ以上の実施形態において、ジェット噴霧器(例えば、Aerojet、AeroEclipse、Pari L.C.、the Parijet、Whisper Jet、Microneb(R)、Sidestream(R)、Acorn ll(R)、Cirrus、およびUpmist(R))は、空気ポンプからチューブによって供給される高速移動する空気で液体流を分散させて、液滴を霧として生成する。本方法で生成される液滴は、一般的に、約2〜5μmの直径を有する。
【0092】
一つ以上の実施形態において、電流を機械的振動に変換するための圧電変換器を使用する超音波噴霧器は、エアロゾル液滴を生成するために使用される。超音波噴霧器の例として、Siemens345 UltraSonic NebulizerTMおよび、例えばオムロンヘルスケア株式会社およびDeVilbiss Health Care,Inc.で市販される物が挙げられるがそれだけに限定されない。例えば、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれるEP1066850を参照のこと。生成された液滴は、一般的に、約1から約5ミクロンの範囲のMMAD(空気動力学的中央粒子径)を有する。
【0093】
振動多孔板噴霧器は、多孔板から溶媒の液滴を押し出すように急速に振動する多孔板により生成される音波真空を使用して機能する。例えば、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許番号第5,758,637、5,938,117、6,014,970、6,085,740、および6,205,999号を参照のこと。
【0094】
例えば、一つ以上の実施形態において、エアロゾル発生器は、振動要素および先細になった穴のある円蓋形の開口板を備える、市販のAerogen(カリフォルニア州、マウンテンビューにあるAerogen,Inc.)エアロゾル発生器である。板が、約100k/sから約150k/sなど一秒に数千回振動する場合に、マイクロポンプ作用により、液体が先細の穴を介して引き出され、正確に規定された範囲の液滴サイズの低速エアロゾルを生成する。Aerogenエアロゾル発生器は噴射剤を必要としない。
【0095】
Aerogen AeronebおよびPari eFlow(ドイツのPari Respiratory Equipment)について、圧電発振器は振動メッシュの周辺に配置され、噴霧器の中身の正確な大きさの液滴が、振動によって膜を介して揺らされ、反対側に薬物の呼吸可能な霧を生成する。別の振動メッシュ噴霧器である、Omron Micro−air(日本国のオムロン)については、圧電発振器は、振動メッシュの周囲に配置される代わりに近位に配置され、膜の孔を介して噴霧器の中身の液滴の液滴を振動させるのではなく押し出て、同様の結果をもたらす。
【0096】
凝縮エアロゾル発生器において、エアロゾルは、小さく電気的に加熱されたキャピラリーを介して薬物処方をポンプで出すことにより生成される。キャピラリーを出ると、処方は、大気によって急速に冷却され、大気状態およびユーザーの吸入速度に対して比較的不変である弱いエアロゾルが生成される。参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許番号第6,701,922およびWO03/059413を参照のこと。一つ以上の実施形態において、凝縮エアロゾル発生器は、Alexza Molecular Delivery Corporationによって開示されるものを備える。参照することによって全体が本明細書に組み込まれる、米国公報出願第2004/0096402を参照のこと。
【0097】
吸入用の定量の液体製剤組成を送達するための別の装置は、参照することによりその全体が組み込まれる、例えば、WO91/14468およびWO97/12687において説明される。その中で説明される噴霧器は、Respimat(R)の名で既知である。
【0098】
一つ以上の電気スプレーは、液体処方を噴霧化するために使用されてもよい。静電スプレーの用語(電気流体力学的スプレーまたは電気スプレーとしても既知である)は、液体の分散がその帯電に依存し、噴霧およびガス流動プロセスが比較的連結していないシステムを言及する。電気スプレーデバイスの例は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許番号第6,302,331、6,583,408、および6,803,565において開示される。
【0099】
一つ以上の実施形態において、エアロゾル発生器は、熱気化デバイスを備える。そのようなデバイスは、インクジェット技術に基づいてもよい。
【0100】
一つ以上の実施形態において、エアロゾル発生器は、ペルチェ素子を備える。そのようなデバイスの例は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる米国公報出願第2004/0262513において開示される。
【0101】
一つ以上の実施形態において、エアロゾル発生器は、振動オフィリス単分散エアロゾル発生器(VOAG)を備える。このデバイスは、単分散エアロゾル発生器の種類の一例である。
【0102】
一つ以上の実施形態において、エアロゾル発生器は、キャピラリー力および相転移に依存する薄膜かつ高表面積のボイラーを備える。キャピラリー環境における相転移を誘起することによって、圧力が、膨張ガスに与えられ、それが放出される。この技術は、Vapore,Inc.によって開示され、Vapore−Jet CFV技術として既知である。参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許番号第5,692,095、5,870,525、6,162,046、6,347,936、6,585,509、および6,634,864、ならびに米国出願第10/691,067を参照のこと。
【0103】
接合部1125と患者の肺との間の位置におけるエアロゾル化された製剤処方を導入するためのアダプター1145の例は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれるWO2004/071368、ならびに参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる米国公報出願第2004/0011358および2004/0035413に開示される。アダプター1145のその他の例は、米国特許公報番号第20050139211号(下記)において開示される。
【0104】
接合部1125と患者の肺との間の位置におけるエアロゾル化された製剤処方を導入することは、エアロゾルが、吸入ライン1115に、または人工呼吸器1105内に導入されるシステムに比べて、多くの点において有利である。例えば、接合部1125および患者の肺の間の位置にエアロゾル化された製剤処方を導入することによって、導入点から患者の肺への人工呼吸器回路の体積が実質的に軽減される。したがって、エアロゾル化された製剤処方は、さらに濃縮され、人工呼吸器回路1110の全体にあまり拡散しない。さらに、処方が吸入ライン1115に添加される場合は、処方の多くが呼気ライン1120に引き込まれ、投与の効率をさらに制限することになる。この拡散および効率低下のため、既知のシステムにおいて投与量の一貫性を制御することは難しい。また、患者の肺に投与されていない大量のエアロゾル化された製剤処方が存在するということは、医療従事者またはその他の者によって吸入される環境に多くのエアロゾルが導入される可能性が有るという点において望ましくないと言える。
【0105】
接合部1125および患者の肺の間の位置における製剤処方が、既知のシステムに比べて有利であるが、それでも状況によっては、導入されるエアロゾル化された製剤処方の多くが、患者に投与される前に呼気ライン1120に引き込まれることが発見された。ゆえに、本発明のアダプター1145は、効率および/または投与量の一貫性を上げるように改善された方法において、エアロゾル化された製剤処方を導入するように設計された。したがって、アダプター1145は、接合部1125と患者の肺との間の位置にエアロゾル化された製剤処方を吸入流れに導入する。このようにして、アダプター1145は、人工呼吸器回路1120[Editor’s note: the number here should be 1110. This must be a typo.]の呼気ライン1120に引き込まれるエアロゾル化された製剤処方の量を削減する役割を果たす。
【0106】
図18A〜18Cは、Y字形の部品の接合部1125の機能も実行するアダプター1145の一バージョンを示す。図18A〜18Cのエアロゾル導入器1145は、H形の本体1200を備える。H形の本体1200の第一の端において、第一のコネクタ1205および第二のコネクタ1210は、人工呼吸器回路1110の吸入ライン1115および呼気ライン1120に連結可能なようにそれぞれ構成される。H形の本体1200内において、交差チャネル1215は、第一のコネクタ1205から第二のコネクタ1210に空気が流れるように、管を提供する。そのようにして、コネクタ1205、1210および交差チャネル1215は、従来のY字形の部品のものと同様の方法で吸入ライン1115および呼気ライン1120の接合部1125としての役割を果たす。
【0107】
本バージョンにおける壁1255は、それぞれ第一のチャネル1265および第二のチャネル1260を形作る、二つのチューブ1256、1257の形状である。第一のチャネル1265は、エアロゾル化装置1150と連通し、エアロゾル化された製剤処方を収容することが可能である延長部1285を含む。
【0108】
図18Bにおいて最もわかるように、第一のチャネル1265内および交差チャネル1215の下流(吸入方向に対して)位置において、上に説明されるように一方向の吸入バルブ1270が提供される。本バージョンにおいて、一方向の吸入バルブ1270は、フラップ1272を保持する支持体1271を備える。一方向の吸入バルブ1270は、吸入時に開放し、呼気時に閉鎖する。
【0109】
図18Cで最もわかるように、第二のチャネル1260内および交差チャネル1215の上流(呼気方向に対して)位置において、上に説明されるように一方向の吸入バルブ1290が提供される。一方向の吸入バルブ1290は、呼気時に開放し、吸入時に閉鎖する。
【0110】
また、アダプター1145は、熱線加湿器のための温度プローブなどのセンサープローブ(以下に説明される図35参照)と共に使用するためのセンサープローブポート1240も含む。適切な温度プローブの例として、抵抗温度検出器、サーミスタ、サーモカップル、Fisher−Paykel561温度プローブ、Hudson RCI温度プローブ、および同様なもの挙げられるがそれだけに限定されない。その他のセンサーとして、圧力センサー、湿度(水分)センサー、気流センサー、またはその組み合わせを含めてもよい。
【0111】
この位置で吸入ガスの温度を測定することは、エアロゾル化装置1150がガスを導入する前に、吸入ガスの温度が反映されるため、有利である。吸入ガスの温度がエアロゾル化装置1150の後の位置で測定されると、吸入ガスは、アダプター1145に到達する前に過熱される、または通気ガス加熱機能の制御に障害が発生する可能性がある。
【0112】
アダプター1145は、一方向の呼気バルブ1290の、呼気方向に対して上流に位置する第二のチャネル1260において、流体アキュムレータ1242を含んでもよい。流体アキュムレータは、流体、例えば、凝縮および/または粘液が一方向の呼気バルブ1290に影響を及ぼさないように配置される。この点において、一方向の呼気バルブ1290は、流体が蓄積する個所に対して高くしてもよい。例えば、第二のチャネル1260の底部は、一方向の呼気バルブ1290の底部より、少なくとも約1cmまたは少なくとも約0.5cmなどの少なくとも約2cm、下方にあってもよい。
【0113】
図18A〜18Cに示される流体アキュムレータ1242は、ポート1244を備える。ポートは、バルブ(図示せず)を含んでもよい。バルブの例として、栓、括約筋バルブ、注射部位、取り外し可能なキャップ、および同様なものが挙げられるがそれだけに限定されない。無針注射器が流体を吸い出すために使用されてもよい。
【0114】
あるいは、図19に示されるように、流体アキュムレータ1242は、ポート1244を省いてもよく、第二のチャネル1260に形成される収容部1246を備える。したがって、流体1248は、収容部1246に蓄積されてもよい。収容部は、一方向の呼気バルブ1290が流体に接触する前に、一般的に、少なくとも約10mlまたは少なくとも約5mlなど、少なくとも約20mlの流体を保持してもよい。図19において、矢印Cは、患者から戻ってくる空気を示し、矢印Dは、人工呼吸器に戻る空気を示す。
【0115】
本発明のアダプターは、人工呼吸器回路において使用される際、製剤処方を再現性良くかつ効率良く送達することができる。例えば、本発明は、一般的に、全名目投与量の約±10%、±8%、±6%、±4%、±2%、または±1%内で送達された投与量を再現できる。本発明は、多くの場合において、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%などである、少なくとも約30%の送達された効率を達成することができる。
【0116】
本発明の多くのバージョンは、一つには、アダプターを通る空気のフロープロファイルにより、この再現性および効率を達成することができる。図20Aおよび図20Bは、空気のフロープロファイルを示す。図20Bは、図20Aのバルブ(クローバー型の4つのフラップ)を介した気流の断面図の理想的な概略図であり、アダプターチャネル内のバルブの周囲の気流を示す。図20で示されるように、高速度の空気がアダプターの表面近くを通過するので、アダプターは自浄式である。
【0117】
本発明のアダプターは、一般的に、患者と人工呼吸器の接合部に対する影響が有利に最小限になる。影響が最小限であることによって、人工呼吸器は、より効果的に患者に対応することができる。アダプターおよびバルブは、60L/minの空気流速で、アダプターの第一の端と第二の端との間の圧力降下が、多くの場合、約30cmH2O未満、約5cmH2O未満、約4cmH2O未満、約3cmH2O未満、約2cmH2O未満、または約1cmH2O未満などの、約50cmH2O未満であり、約0.05cmH2Oから約10cmH2O、約1cmH2Oから約5cmH2O、または約2cmH2Oから約4cmH2Oまでの範囲にあってもよいように配置される。30L/minの空気流速で、アダプターの第一の端と第二の端との間の圧力降下は、一般的に、約1cmH2Oから約2cmH2Oまでの範囲である。
【0118】
アダプターは、透明、半透明、または不透明の材料から形成されてもよい。透明の材料を使用することは、ユーザーが、視覚的にアダプターの機能を点検することができるため、有利になる。アダプターの材料の例として、ポリプロピレン、SAN(スチレンアクリロニトリル共重合体)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリカーボネート、アクリルポリスルホン、K−resin(R)、スチレンブタジエン共重合体(Chevron Phillips Chemicalより入手可能)、ポリエチレン、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリスチレン、および同様なものなどのポリマーが挙げられるがそれだけに限定されない。
【0119】
エアロゾル化装置1150は、呼吸域粉塵または液滴を生成可能であるいかなる種類のものであってもよい。例えば、参照することにより全体が本明細書に組み込まれる、WO99/16419、米国特許第6,051,256号、または米国特許第6,503,483号に説明されるように、製剤処方は、乾燥粉末状であってもよい。その場合、エアロゾル化装置1150は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,485,135、5,740,794、または6,257,233号に説明されるエアロゾル化装置などの、能動的乾燥粉末エアロゾル化装置、あるいは、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,069,819または4,995,385号に説明されるエアロゾル化装置のような、受動的乾燥粉末エアロゾル化装置を備えてもよい。あるいは、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,225,183、5,681,545、5,683,677、5,474,759、5,508,023、6,309,623、または5,655,520号に説明されるように、製剤処方は、液体噴射剤中に溶解または懸濁されるものを含んでもよい。その場合、エアロゾル化装置1150は、定量吸入器(MDI)を備えてもよい。あるいは、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれるWO2004/071368、ならびに参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる米国公報出願第2004/0011358および2004/0035413号において説明されるように、製剤処方は、液状であってもよく、噴霧器を使用して噴霧化されてもよい。噴霧器のその他の例として、カリフォルニア州マウンテンビューにあるAerogen,Inc.より入手可能であるAeroneb(R)GoまたはAeroneb(R)Pro、バージニア州ミドロジアンにあるPARI Respiratory Equipment,Inc.のPARI eFlowおよびその他のPARI噴霧器、ニュージャージー州イーストブランスウィックにあるLumiscope Company,Inc.より入手可能であるLumiscope(R)噴霧器6600または6610、および日本国、京都にあるオムロンヘルスケア株式会社より入手可能であるOmron NE−U22が挙げられるがそれだけに限定されない。
【0120】
Aeroneb(R)ProおよびPARI eFlowなどの、圧縮ガスを使用しないで液滴を形成する噴霧器を備えるアダプターが、投与量の効率性および一貫性において予想外の改善を提供することが発見された。圧縮空気を導入するのではなく、振動する有孔または無孔の膜を使用して微細液滴を生成することによって、エアロゾル化された製剤処方は、回路内の流れ特性に大幅に影響を与えず、また、人工呼吸器の設定を大幅に再選択する必要なく、人工呼吸器回路1110内に導入されることができる。さらに、この種類の噴霧器を使用の際、生成される液滴は、低速度で導入されるので、液滴が人工呼吸器回路1110の不要な領域にもたらされる可能性が低くなる。さらに、液滴を形成する噴霧器および上述のエアロゾル導入器1145の組み合わせにより、人工呼吸器が異なる一回換気量を使用する際に、投与量の変動が減少するという点において有益になり、システムがより汎用的になる。
【0121】
第一のチャネル1265の容積、つまり、エアロゾル化された製剤処方を吸入空気の流れを介して収容するアダプター1145の一部分の容積は、特定の人工呼吸器および/またはエアロゾル発生器について、エアロゾルの送達効率が増加するように選択されてもよい。例えば、図18A〜図18Cの一つ以上のバージョンにおいて、一方向バルブ1270から第二のチャネル1260との接合部までの容積を含む、第一のチャネル1265の容積は、約125mlから約500mlまたは約200mlから約300mlなどの、約10mlから約1000mlまでであってもよい。この点において、一方向バルブ1270から下流にアダプター1145の端までの第一のチャネル1265の容積は、一般的に、約50mlから約150mlまたは約60mlから約100mlなどの、約5mlから約500mlまでの範囲であってもよい。アダプター1145がジェット噴霧器と併用して使用される際、さらに大きい第一のチャネル容積を有することが望ましいかもしれない。ジェット噴射器は、圧縮空気を人工呼吸器回路に導入し、大きめの第一のチャネル容積は、この導入の影響を軽減する。したがって、ジェット噴霧器の使用に関して、第一のチャネル容積は、約100mlから約500ml、約150mlから約250ml、または約200mlなどの、約50mlから約1000mlまでであってもよい。Aeroneb(R)ProおよびPARI eFlowなどの振動メッシュ噴霧器に関して、再現可能な投与は、より小さい第一のチャネル容積に起因する。例えば、振動メッシュ噴霧器と共に使用されるアダプター1145のための第一のチャネル容積は、約10mlから約1000ml、約50mlから約200ml、または約90mlなどの、約10mlを上回るいかなる容積であってもよい。確保される容積およびバルブ機能の双方は、本発明の性能に影響を及ぼす。
【0122】
第一のチャネル1265および延長部1285は、さまざまな形状をとってもよい。例えば、延長部1285は、第一のチャネル1265の軸に対して、約10度から約70度、約20度から約60度、または約30度から約40度などの、角度A(図22参照)を成してもよい。このような角度は、液滴が吸入ガスに同伴される可能性に影響を与る可能性がある。
【0123】
また、延長部1285は、図22の平面から第一のチャネル1265の軸に対して角度を成してもよい。この角度により、液滴は、第一のチャネルを介してらせん状の経路をたどることができる。このようならせん状の経路は、液滴が吸入ガスに同伴される可能性に影響を与える可能性がある。
【0124】
また、延長部1285は、大気に対して一つ以上の一方向の逆止めバルブ(図示せず)を含んでもよい。一方向の逆止めバルブにより、噴霧器の動作中に渦の形成を最小限にするように、空気が延長部に渡るようにできる。
【0125】
また、延長部1285の長さは、変化してもよい。例えば、延長部1285の最短位置の長さLは、約5mmから約2.5cmまたは約1cmから約2cmなどの、約0mmから約5cmまでの範囲であってもよい。以下に説明されるように、延長部の長さは、液滴が吸入ガスに同伴される可能性に影響を与える可能性がある。
【0126】
図21および22は、例えば、振動メッシュ噴霧器と共に使用されてもよい第一のチューブ1256およびチャネル1265の実施形態を示す。第一のチャネル1265は、エアロゾル化装置1150に連通して、エアロゾル化された製剤処方を収容可能である延長部1285を含む。この場合において、延長部の短い部分の長さLは、約2cmである。いくつかの実施形態において、振動メッシュ噴霧器と共に使用される場合、多くの液滴が、延長部1285の壁に凝縮する可能性がある。液滴は、空気に同伴して、渦Eを形成してもよいことが発見された。次に、渦によって、多くの液滴が、延長部1285および第一のチャネル1265の壁にぶつかるようになる。
【0127】
図23および24は、例えば、振動メッシュ噴霧器と共に使用されてもよい第一のチャネル1265の別の実施形態を示す。第一のチャネル1265は、エアロゾル化装置1150に連通して、エアロゾル化された製剤処方を収容可能である延長部1285を含む。この場合において、延長部の短い部分の長さLは、約0.1cmから約0.5cmなどの約0.001から約1cmである。この実施形態が、振動メッシュ噴霧器と共に使用された場合、長めの延長部1285の実施形態の場合よりも少ない液滴が、有利に、延長部1285および第一のチャネル1265の壁に凝縮した。
【0128】
図25は、延長部1285が一つ以上のチャネル1286を備える実施形態を示す側面断面図である。噴霧器と共に使用される際に、一つ以上のチャネル1286は、液滴凝縮の可能性を最小限にする渦Eの形成を容易にすることが見込まれる。
【0129】
図26は、延長部1285が円錐形のシース1287を含む実施形態を示す。噴霧器と共に使用される際に、シース1287は、液滴凝縮の可能性を最小限にする渦Eの形成を容易にすることが見込まれる。シース1287は、一般的に、連続平面または不連続面を備える。
【0130】
図27は、延長部1285が反転している、つまり、チャネル1265の内部に伸びている実施形態を示す。噴霧器と共に使用される際に、反転している延長部1285は、液滴凝縮の可能性を最小限にする渦Eの形成を容易にすることが見込まれる。
【0131】
一つ以上の実施形態は、噴霧器および噴霧器システムを対象にする。一つ以上の実施形態において、薬物投与(または多種投与)容器は、一つ以上のエアロゾル生成要素を含む。例えば、バイアルまたはその他の格納デバイスは、振動メッシュ噴霧器において主なエアロゾル生成要素として使用される開口板またはメッシュと組み合わせてもよい。しかしながら、噴霧器および噴霧器システムは、人工呼吸器回路における使用に限定されず、実際は、持続的気道陽圧法(CPAP)デバイスあるいは非侵襲性人工呼吸器または呼吸補助システムなどの、ジェット、超音波、振動メッシュ、またはその他の噴霧器が使用されるいかなる用途においても用いられてもよいことに留意されたい。
【0132】
図28および図29は、機械的に人工呼吸される患者のための人工呼吸器回路において使用される振動メッシュ噴霧器1510の一つ以上の実施形態を示す。液体の薬物処方を投与するために、キャップ1540が開放される。液体の薬物処方は薬物保持チャンバー1550に注がれ、その薬物処方は振動メッシュ要素1560に接触する。特定の振幅および周波数の正弦波、方形波、またはその他の波形であってもよい電気信号などの適切な信号は、ケーブルレセプタクル1570に接続されるケーブル1575を介して伝達されて、液体の薬物処方をエアロゾルの形状で人工呼吸器回路を通って患者に送達するために、電気信号を振動メッシュ要素1560に提供する。図29は、液体の薬物処方を薬物保持チャンバー1550に収容するためのキャップ1540が開放されている実施形態を示す。
【0133】
図30は、振動メッシュ噴霧器1510の別の実施形態を示す。液体薬剤の容器またはバイアル1580は、組込み圧電要素1565を有する振動メッシュ要素1560が内蔵されて、バイアル収容部1555に適合するように設計される。一つ以上の実施形態において、振動メッシュ要素1560は、適切な周波数を振動メッシュ要素1560に導入する役割を果たす圧電要素を含む。電気信号などの適切な信号は、ケーブルレセプタクル1570に接続されるケーブル1575を介して伝達されて、振動メッシュ要素1560に電気信号を提供する。そのような信号から利益を受けるいかなる実施形態においても、電気以外の信号が使用されてもよいことに留意されたい。したがって、光、RF(ラジオ周波数)、温度、磁気、機械的、およびその他の信号も使用されてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、ケーブル1575は不必要である。
【0134】
図31は、バイアル破裂要素1562を示す。破裂要素1562は、バイアルの挿入時に作動され、薬物処方を開口板に接触させるようにする。破壊要素は、バイアル上または本体上にあってもよい。
【0135】
図32に示される別の実施形態において、適切な周波数の振動を振動メッシュ要素1560に導入する役割を果たす圧電要素1565は、バイアル収容部1555の中またはその付近に振動メッシュ噴霧器の構造内に含まれ、適切な周波数の振動を機械的接触を介して振動メッシュ要素1560に伝送する。特定の振幅および周波数の正弦波、方形波、またはその他の波形であってもよい適切な電気信号は、ケーブルレセプタクル1570に接続されるケーブル1575を介して伝達され、適切な周波数を振動メッシュ要素1560に導入する役割を果たす電気信号を圧電要素1565に提供する。ひねりハンドル1585は、電気および/または機械接触を確保するためのトルクの適用を容易にするために、上記実施形態のいずれにおいても導入されてもよい。
【0136】
図33に示されるさらに別の実施形態において、前述の実施形態のバイアル収容部1555は、省略されており、バイアル1580は、液体薬物容器および支持体としての役割を果たす。その他の実施例では、バイアル収容部1555は支持体としての役割を果たす。
【0137】
図34は、アダプター1145と共に使用される振動メッシュ噴霧器システム1510の実施形態を示す。
【0138】
上記を考慮し、一つ以上の実施形態において、噴霧器システムは、一貫性があり、安全で、便利な薬物の肺送達を提供する。一つ以上の実施形態において、噴霧器システムにより、(1)投与のために、空洞に薬物を測定して注ぐのではなく、薬包を単に挿入すること、(2)薬包と一体化した振動メッシュ要素によって、次に使用する際にメッシュの洗浄の必要性が排除されること、(3)限定または単一使用のメッシュが、長時間の薬物接触および関連化学的相互作用によって誘起される腐食から保護される必要がないため、メッシュ製造が簡易化されること、および/または(4)薬物バイアルとメッシュ要素とを一体化して、統合されて、分離不可能で、単一使用の薬物メッシュユニットにより、潜在的に危険性のある承認適応症外使用から保護すること、がもたらされる。
【0139】
図35は、本発明の人工呼吸器回路の部分的な概略図である。矢印Eは、人工呼吸器からの空気流動を示す。空気は、吸入ライン1115を介して患者に向かう。吸入ライン1115は、温度プローブポート1240に配置される温度センサーを使用して制御可能である熱線加湿器1300を含んでもよい。次に、空気は、一方向の吸入バルブ1270を通る。製剤処方は、延長部1285を介して添加されてもよい。次に、空気は、Y字形の部品1320に挿入される前に、吸入通気管1310を通る。Y字形の部品1320は、多くの場合、最大約0.5mなどの最大約1mの長さを有する。Y字形の部品1320は、患者に挿入される気管内チューブ(図示せず)に接続されてもよい。
【0140】
呼気の空気は、気管内チューブを通って、Y字形の部品1320に入る。バルブ機能により、呼気の空気は呼気通気管1330を通る。次に、空気は、一方向の呼気バルブ1290を通り、矢印Fに示されるように、呼気ライン1120を介して人工呼吸器に向けて出る。
【0141】
図36は、図35に示されるものと同様である実施形態を図式的に示すが、それ以外にも熱/水交換(HME)フィルター1400を含む。HMEフィルター1400は、呼気ガスから水分を取り除き、水分を吸入ガスに添加する。HMEフィルターを収容するために、人工呼吸器回路は、Y字形のチューブ1410および1420を含む。
【0142】
本発明のバルブおよびデバイスは、当技術分野において技術を有する者に既知であり、利用可能であるさまざまな方法および技術のいずれによっても作製されてもよい。
【0143】
実験
以下の表1および2は、5日間使用の生活調査であり、模擬条件下で抗生剤を5日間投入し続けた後の、本発明のバルブおよびアダプターの信頼性を示す。表からわかるように、吸気ラインに送達される割合は、経時的に大幅には変わらなかったことから、バルブの付着がないことおよび/またはアダプター内の流動性が優れていることが証明された。本試験において、本発明の一つ以上の実施形態に基づき、ジェット噴霧器、クローバー型のバルブ、およびアダプターが用いられた。表1は、ゲンタマイシンの結果を示し、表2は、バンコマイシンの結果を示す。
【0144】
【表1】
【0145】
【表2】
追加の結果により、本発明のアダプターおよびバルブの構成は、従来技術のものと比較すると、より高い吸気用量および/またはより少ない用量変動(より小さい最大比/最小比)を送達することが可能であり、ならびに/もしくは、微呼吸、呼吸速度、吸気流速、バイアス流れ、および湿度をはじめとする要素によって影響をあまり受けない。
【0146】
製剤処方は、ユーザーの呼吸器への投与のために、活性薬剤(または薬物)を含んでもよい。本明細書に説明される活性薬剤には、いくらかの薬理的効果、多くにおいて有益な効果をもたらす物質、薬物、化合物、合成物、またはその組み合わせが含まれる。これには、食品、補助食品、栄養、薬物、ワクチン、ビタミン、およびその他の有益な物質が含まれる。本明細書で使用される際、その用語は、患者において局所的または全身的な効果を生成する生理学的または薬理学的に活性の物質をさらに含む。本明細書で説明される製剤処方に導入される活性薬剤は、末梢神経、アドレナリン受容体、コリン作動性受容体、骨格筋、循環系、平滑筋、血管系、シナプス部、神経効果器接合部、内分泌系およびホルモン系、免疫系、生殖器系、骨格系、オータコイド系、消化器系および排せつ系、ヒスタミン系、および中枢神経系に作用する薬物を含むがそれだけに限定されない、無機または有機化合物であってもよい。
【0147】
特定の一実施形態において、製剤処方は、人工呼吸器関連の肺炎を治療または予防するために、人工呼吸器を使用している患者へ投与するための抗生剤を含む。このような投与は、上述のSmaldoneらによる特許出願で名称が「Methods,Devices and Formulations for Targeted Endobronchial Therapy」である2003年5月7日に出願されたWO2004/071368、2003年5月6日に出願されたSmaldoneによる米国特許出願10/430,765、2003年5月6日に出願されたSmaldoneによる米国特許出願10/430,658、および米国特許仮出願60/378,475、60/380,783、60/420,429、60/439,894、および60/442,785において説明され、その全てについて、その全体は、参照することにより本明細書に組み込まれる。エアロゾル化された抗生剤の投与に関して本発明にかかるアダプター1145を使用することにより、多くの有益がもたらされる。例えば、本発明のアダプター1145を使用すると、環境に失われる製剤処方が大幅に軽減され、抗生剤に対する菌耐性の軽減につながる。さらに、アダプター1145は、抗生剤治療のために特に有用であるさらに一貫性のある投与量を送達することができる。特定の一バージョンにおいて、製剤処方は、バンコマイシンおよび/またはゲンタマイシンを含んでもよい。製剤処方のさらなる例は、2005年9月29日に出願された共同所有の米国特許仮出願第60/722,564(代理人整理番号0280.PRO)である「Antibiotic Formulations,Unit Doses,Kits,and Methods」に開示され、その全体は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0148】
代替または追加の活性薬剤は、例えば、睡眠薬および鎮静剤、精神賦活剤、精神安定剤、呼吸器系疾患治療薬、鎮痙剤、筋肉弛緩剤、抗パーキンソン病薬(ドーパミン拮抗薬)、鎮痛剤、抗炎症薬、抗不安薬(不安寛解剤)、食欲抑制剤、抗片頭痛薬、筋収縮薬、抗感染薬(抗生剤、抗ウイルス剤、ワクチン)、抗関節炎薬、抗マラリア薬、制吐薬、抗てんかん薬、気管支拡張剤、サイトカイン、成長因子、抗癌剤、抗血栓剤、降圧剤、心臓脈管薬、不整脈治療剤、抗酸化物質、抗ぜんそく薬、避妊薬を含むホルモン剤、交感神経様作用薬、利尿薬、脂質調整剤、抗アンドロゲン剤、駆虫薬、抗凝血剤、新生物薬、抗新生物薬、血糖降下薬、栄養剤およびサプリメント、成長サプリメント、抗腸炎剤、ワクチン、抗毒素、診断用薬、および造影剤から選択されてもよい。活性薬剤は、吸入により投入される場合、局所的または全身的にあるいはその組み合わせで作用してもよい。
【0149】
活性薬剤は、小分子、ペプチド、ポリペプチド、プロテイン、多糖、ステロイド、生理的効果を誘発可能なプロテイン、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂肪、電解質、および同様なものなどを含むがそれだけに限定されない、多くの構造的分類のうちの一つに分類されてもよい。
【0150】
本発明の使用に適切な活性薬剤の例として、β−2作動薬(例えば、アルブテロール/サルブタモール、テオフィリン、フォルモテロール、サルメテロール、インディカテロール)、抗ムスカリン、および抗コリンなどの気管支拡張剤、チオトロピウム、マスト細胞安定剤、ステロイド(例えば、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド)、炎症細胞の動員を遅らせる薬剤、PDE4阻害剤、免疫抑制薬(例えば、シクロスポリン、タクロリムス、ピメクロリムス等)、抗線維化剤、エラスターゼ阻害剤(アルファ1−アンチトリプシン)、張化を調整するように構成される薬剤、肺からの余分な液体を削減および除去するための自然作用を刺激する薬剤、全種類の界面活性剤、カルシトニン、アンフォテリシンB、エキノカンジン(例えば、Merck社製のキャンサイダスまたはPfizer社製のアニデュラファンギン)、エリスロポエチン(EPO)、第VIII因子、第IX因子、セレデース、セレザイム、シクロスポリン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、トロンボポエチン(TPO)、アルファ1−プロティナーゼ阻害剤、エルカトニン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン(HGH)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、ヘパリン、低分子量ヘパリン(LMWH)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン−1受容体、インターロイキン−2、インターロイキン−1受容体拮抗薬、インターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−6、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、第IX因子、インスリン、プロインスリン、インスリン類似体(例えば、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,922,675号に記載のモノアシル化インスリン)、アミリン、C−ペプチド、ソマトスタチン、オクトレオチドを含むソマトスタチン類似体、バソプレシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、インスリン様成長因子(IGF)、インスリントロピン、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、神経成長因子(NGF)、組織増殖因子、ケラチノサイト成長因子(KGF)、グリア成長因子(GGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、内皮成長因子、副甲状腺ホルモン(PTH)、グルカゴン様ペプチドサイモシンアルファ1、IIb/IIIa阻害剤、ホスホジエステラーゼ(PDE)化合物、VLA−4阻害剤、ビスフォスフォネート、呼吸器合胞体ウイルス抗体、嚢胞線維性膜内外調節剤(CFTR)遺伝子、デオキシリボヌクレアーゼ(Dnase)、殺菌性/透過性増強プロテイン(BPI)、抗CMV抗体、cis−13−レチノイン酸、エリスロマイシン、オレアンドマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、ダヴァーシン(davercin)、アジスロマイシン、フルリスロマイシン、ジリスロマイシン、ジョサマイシン、スピロマイシン、ミデカマイシン、ロイコマイシン、ミオカマイシン、ロキタマイシン、アンダジスロマイシン(andazithromycin)、およびスウィノリドA(swinolideA)などのマクロライド;シプロフロキサシン、オフロキサシン、レポフロキサシン、トロバフロキサシン、アラトロフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、フレロキサシン、トスフロキサシン、プルリフロキサシン、イルロキサシン、パズフロキサシン、クリナフロキサシン、およびシタフロキサシンなどのフルオロキノロン類、ゲンタマイシン、ネチルミシン、パラメシント、トブラマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシン、およびストレプトマイシンなどのアミノグリコシド抗生物質、バンコマイシン、テイコプラニン、ランポラニン(rampolanin)、ミデプラニン、コリスチン、ダプトマイシン、グラミシジン、硫酸コリスチン、ポリミキシンBなどのポリミキシン、カプレオマイシン、バシトラシン、ペネム;ペニシリンG、ペニシリンVなどのペニシリン感受性の薬剤、メチシリンなどのペニシリナーゼ耐性剤、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フロキサシリン、ナフシリン;アンピシリン、アモキシシリン、およびヘタシリンなどのグラム陰性菌剤、シリン、およびガラムピシリン;カルベニシリン、チカルシリン、アゾシリン、メズロシリン、およびピペラシリンなどの抗緑膿菌性ペニシリン;セフポドキシム、セフプロジル、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロチン、セファピリン、セファレキシン、セフラジン、セフォキシチン、セファマンドール、セファゾリン、セファロリジン、セファクロール、セファドロキシル、セファログリシン、セフロキシム、セフォラニド、セフォタキシム、セファトリジン、セファセトリル、セフェピム、セフィキシム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォテタン、セフメタゾール、セフタジジム、ロラカルベフ、およびモキサラクタム、などのセファロスポリン、アズトレオナムなどのモノバクタム;ならびに、イミペネム、メロペネム、イセチオン酸ペンタミジン、硫酸アルブテロール、リドカイン、硫酸メタプロテレノール、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトアミド、ブデソニドアセトニド、フルチカゾン、臭化イプラトロピウム、フルニソリド、クロモグリク酸ナトリウム、酒石酸エルゴタミンなどのカルバペネム、ならびに適用する場合は、類似体、作用薬、拮抗薬、阻害剤、および薬学的に容認可能な上記のもの塩類、のうちの一つ以上が挙げられるがそれだけに限定されない。ペプチドおよびプロテインに関して、本発明は、合成、天然、グリコシル化型、非グリコシル化型、pegylated型および生理活性フラグメントおよびその類似物を対象とする。
【0151】
本発明で使用される活性薬剤は、裸の核酸分子として存在する核酸、ウイルス媒介体、関連するウイルス粒子、プラスミドDNA又はRNA、または細胞のトランスフェクション又は形質変換、つまりアンチセンスを含む遺伝子治療に適したタイプの他の核酸構成物をさらに含む。さらに、活性薬剤は、ワクチンとして使用するのに適した弱毒化又は不活化した生ウイルスを含む。その他の有用な薬剤は、医師用卓上参考書(最新版)内に記載されるものを含み、その全体は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0152】
活性薬剤は、上記のもの全てのうちのいかなるものおよびあらゆる組み合わせ、ならびに上記のものの代謝産物、さまざまなキラル型、塩、遊離塩基型、またはエナンチオマーも含む。
【0153】
製剤処方における活性薬剤の量は、例えば、単位剤型当たりの活性薬剤の有効量を予防的または治療的に送達するように、所望の結果を達成するのに必要な量である。実際は、これは、特定の薬剤、その活性、治療する病状の重症度、患者集団、投薬要件、および所望の治療効果によって大きく異なる。組成は、通常、約1重量%から約99重量%までの範囲の活性薬剤を含み、典型的には、約2重量%から約95重量%までの活性薬剤を含み、さらに典型的には、約5重量%から約85重量%の活性薬剤を含むが、その組成に含まれる添加剤の相対量によっても変わる。本発明の組成は、0.01mg/日から75mg/日までの剤型または0.10mg/日から50mg/日までの剤型などの、0.001mg/日から100mg/日までの剤型で送達される活性薬剤には特に有用である。二つ以上の活性薬剤が、本明細書で記載される処方に組み込まれてもよく、「薬剤」の用語の使用は、二つ以上のそのような薬剤の使用を決して除外しないことを理解されたい。
【0154】
製剤処方は、被術者、具体的には、被術者の肺に重大な有害作用を及ぼさない、肺に取り入られてもよい薬理学的に容認可能な賦形剤または担体を含んでもよい。活性薬剤の他に、製剤処方は、経肺投与に適した一つ以上の医薬品賦形剤を任意で含んでもよい。これらの賦形剤は、存在する場合は、通常、例えば、約0.5wt%から約80wt%または約1wt%から約60wt%までなどの、0.01wt%から約95wt%までの範囲の量の組成で存在する。通常、そのような賦形剤は、一部分において、例えば、さらに効果的かつ再現可能な活性薬剤の送達を提供し、流動性および一貫性などの粉末の特性に対処するように改善し、ならびに/もしくは単位剤型の製造および充填を容易にすることによって、活性薬剤の組成の機能をさらに改善するような役割を果たす。具体的には、賦形剤材料は、多くの場合、活性薬剤の物理的安定性および化学的安定性をさらに改善し、残留水分含量を最小限に留めて吸湿を妨げるように機能することが可能で、粒子サイズ、凝集程度、しわの多さなどの粒子表面特性、吸入の容易さ、および粒子の肺への標的化を強化するように機能することが可能である。一つ以上の賦形剤は、製剤処方における活性薬剤の濃度を低下させることが望ましい場合、充てん剤としての役割を果たすように提供されてもよい。
【0155】
本製剤処方において有用である医薬品賦形剤および添加剤は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、非生体高分子、生体高分子、糖などの炭水化物、アルジトール、アルドン酸、エステル型糖、および糖ポリマーなどの誘導体化糖を含むがそれだけに限定されず、それらは、単独または組み合わせて存在してもよい。適切な賦形剤は、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれるWO96/32096に提供されるものである。賦形剤は、例えば、約40℃以上、約45℃以上、または約55℃以上などの、約35℃以上のガラス転移温度(Tg)を有してもよい。
【0156】
例示的なプロテイン賦形剤は、ヒト血清アルブミン(HSA)、組み換えヒトアルブミン(rHA)などのアルブミン、ゼラチン、カゼイン、ヘモグロビン、および同様なものを含む。緩衝能力において機能してもよい適切なアミノ酸(本発明のジロイシル−ペプチドを除く)は、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテーム、チロシン、トリプトファン、および同様なものを含む。分散剤として機能するアミノ酸およびポリペプチドが好ましい。この分類に当てはまるアミノ酸は、ロイシン、バリン、イソロイシン、トリプトファン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、およびプロリンなどの疎水性アミノ酸を含む。分散性強化ペプチド賦形剤は、上に記載のもののような疎水性アミノ酸の一つ以上を含む二量体、三量体、四量体、および五量体を含む。
【0157】
本発明の使用に適する炭水化物賦形剤は、例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D−マンノース、ソルボース、および同様なものなどの単糖類;ラクトース、サッカロース、トレハロース、セロビオースおよび同様なものなどの二糖類;ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、でんぷん、および同様なものなどの多糖類;ならびにマンニトール、キシリトール、アルジトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルシトール)、ピラノシルソルビトール、ミオイノシトール、および同様なものなどのアルジトールを含む。
【0158】
製剤処方は、一般的に有機酸または有機塩基により塩調合される、緩衝剤またはpH調整剤も含んでもよい。代表的な緩衝剤は、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、またはフタル酸の有機酸塩、トリス、トロメタミン塩酸塩、またはリン酸緩衝液も含んでもよい。
【0159】
製剤処方は、高分子賦形剤/添加剤、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの誘導体化セルロース、フィコール(ポリマー糖)、ヒドロキシエチルでんぷん、デキストレーツ(例えば、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンなどのシクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、およびペクチンも含んでもよい。
【0160】
製剤処方は、着香料、味覚マスキング剤、無機塩類(例えば、塩化ナトリウム)、抗菌剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)、甘味料、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば、「TWEEN20」および「TWEEN80」などのポリソルベート)、ソルビタンエステル、脂質(例えば、レシチンおよびその他のホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンなどのリン脂質)、脂肪酸および脂肪酸エステル、ステロイド(例えば、コレステロール)、およびキレート剤(例えば、EDTA、亜鉛、およびその他の適切な陽イオン)をさらに含んでもよい。本発明に基づく組成における使用に適したその他の医薬品賦形剤および/または添加剤は、「Remington:The Science&Practice of Pharmacy」第19版、Williams&Williams、(1995年)ならびに「Physician’s Desk Reference」第52版、Medical Economics、ニュージャージー州、モントベール(1998年)に記載され、その両方は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0161】
MDIの適用に関するようないくつかの実施形態において、製剤処方は、高い安定性を有するように処理されてもよい。HFA噴射剤において界面活性剤の溶解度を増加させることによって懸濁安定性を改善しよういう試みがいくつか実行された。この目的を達成するために、米国特許第5,118,494、WO91/11173、およびWO92/00107は、懸濁安定性を改善するためにHFA可溶性フッ素化界面活性剤の使用を開示する。HFA噴射剤とその他のペルフルオロ共溶媒との混合も、WO91/04011などに開示されている。安定化に対するその他の試みは、非フッ化界面活性剤の含有を伴う。この点において、米国特許第5,492,688号は、親水性界面活性剤(9.6以上の親水性/脂溶性バランスを有する)が、薬剤の懸濁を安定化させるのにHFAにおいて十分な溶解度を有していることを開示する。従来の非フッ化MDI界面活性剤(例えば、オレイン酸、レシチン)の溶解度増加は、米国特許第5,683,677および5,605,674、ならびにWO95/17195に記載のように、アルコールなどの共溶媒を使用して達成されることも可能であると報告されている。残念ながら、前述の従来技術の共溶媒系と同様に、単に粒子間の反発を増加させることは、MDIの調合などの非水分散において非常に効果的な安定化機構であるとは証明されなかった。前述の参考文献の全ては、参照されることによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0162】
本発明の粉末は、通常、多分散系(つまり、さなざなな粒子サイズから成る)であるため、「質量中央径」すなわち「MMD」は、平均粒子粒径の測定値である。通常使用されるさまざまな技術が平均粒子サイズを測定するために使用可能であるが、本明細書において報告されるMMD値は、遠心沈降によって決定されている。「空気動力学的質量中央径」すなわち「MMAD」は、分散粒子の空気動力学的サイズの測定値である。空気動力学的直径は、沈降挙動の観点からエアロゾル化された散剤を説明するために使用されており、一般的に空気中において粒子と同じ沈降速度を有する単位密度球体の直径である。空気動力学的直径は、粒子形状、粒子の密度および物理的サイズを包含している。本明細書で使用される際、MMADは、カスケードインパクションによって決定されたエアロゾル化された粉末の空気動力学的粒子サイズ分布の中央点または中央値に言及する。
【0163】
一つ以上のバージョンにおいて、本発明で使用される粉末製剤または液体製剤は、肺胞に透過可能なように選択される粒子または液滴サイズを有するエアロゾルを含み、それは、一般的に7.5μm未満または5μm未満などの約10μm質量中央径(MMD)未満であり、通常は、直径が0.1μmから5μmの範囲内である。乾燥粉末形状の場合、製剤処方は、約5wt%未満または約3wt%未満などの約10wt%未満の含水量を有してもよい。このような粉末は、WO95/24183、WO96/32149、WO99/16419、およびWO99/16422に記載され、その全ては、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0164】
本発明のバルブ、アダプター、システム、器具、部品、および回路は、さまざまなシステム、デバイス、装置、工程、または方法において使用されてもよく、そのようなバルブ、アダプター、システム、器具、部品、または回路は、結果的に利益をもたらすことができる。例えば、バルブは、逆止めバルブが有用である場合、特に、バルブが、最小の流れ抵抗、高信頼性、低動作圧、および非付着性動作のうちの少なくとも一つを提供する場合に、いかなる動作においても有用であってもよい。したがって、本発明のバルブ、アダプター、システム、器具、部品、および回路は、それらの適用に特に限定されない。
【0165】
例として、本発明のバルブは、エアロゾル化装置からの製剤処方の送達を容易にするためのアダプターと共に使用されても良い。本発明のバルブは、上述のいかなる製剤処方とも使用されてもよい。
【0166】
活性薬剤は、同時に、いくつかの好適な順番で送達されてもよく、および/または肺の一領域を対象とするように一定のサイズのエアロゾルである薬剤を提供し、一方、別の領域を対象とするように別のサイズで別のものを提供する。したがって、エアロゾルサイズを意図的に変動させることにより、気管内チューブのより近位にエアロゾルを沈着させてその範囲を治療することが可能であり、一方、小さいエアロゾルでの送達は、より深部に浸透することが可能である。
【0167】
例えば、本発明は、動物、特にヒトの院内感染をはじめとする肺感染を治療または予防するための方法を提供する。その方法は、通常、予防的または治療的に有効な量の構成物資、または薬理学的に容認可能なその塩類を、エアロゾルとして、それを必要とする被験動物またはヒト患者に投与することを伴う。本発明に基づき、いくつかの抗生剤が組み合わせて、あるいは、順次に送達されてもよい。好ましくは、気道に送達される量は、その量で全身的に送達される場合は、治療的に有効であるには不十分であり、毒性を誘発するには確実に十分とは言えないものである。同時に、その量は、最小阻止濃度(「MIC」)の約10〜100倍の抗生剤のレベルの痰をもたらす。
【0168】
一つ以上の側面において、水中に被包される粒子が内部チャネルまたは表面の壁に凝結する傾向にあるため、エアロゾル化された粒子は、大幅な吸湿膨張が阻止されている。この方法は、水がエアロゾル化された粒子と接触する機会を最小限に留めることを含んでもよく、あるいは、吸湿性をあまり有さない粒子を生成することを含んでもよく、またはその両方であってもよい。いくつかの実施形態において、その方法は、噴霧化が開始する前に、人工呼吸器回路における湿度を既定量だけ軽減することを伴ってもよい。いくつかの実施形態において、湿度は、約3μm未満または約1.5μm未満のMMADに有益に働くことができる。その他の実施形態において、各エアロゾル粒子は、エンベロープまたはカプセルなどの十分非吸湿性の材料にカプセル化または被包化されるように、接触して送達される。
【0169】
当然ながら、直径がさらに大きい実施形態も使用されることができる。さらに、本発明は、場合により、粒子または壁の表面電荷に対する調節を意図する。例えば、デバイスにおける表面電荷が重要である場合、本発明は、コネクタまたはY字形の部品が金属(または少なくとも金属で被覆されたもの)により形成される実施形態を意図する。あるいは、プラスチックのコネクタおよび/またはY字形の部品は、表面電荷を調節するために、薬剤(例えば、湿潤剤、洗剤、せっけん)で処理可能である。
【0170】
一つ以上の側面において、その方法は、デバイスを位置付けるためにデバイスのエアロゾル送達端部を該患者の気管に挿入すること、ならびに、処方がデバイスの該エアロゾル送達端部を介して患者に送達される条件下で製剤処方をエアロゾル化することを含み、その方法において、エアロゾルはまず患者の気管(口腔咽頭を回避)に接触する。その方法は、抗生剤の混合を投与することを伴ってもよく、挿管された患者に特に適している。
【0171】
一側面において、具体的には「定量」人工呼吸器に関して、本発明は、送達事象を人工呼吸器周期の吸息相、可能であれば、低流速に正確に限定することを意図する。したがって、一実施形態において、エアロゾル化は、呼吸周期の吸気相の間(またはそれに固定的に関連して)に作動される。
【0172】
本発明は、特定の投与量に限定されること意図しない。反対に、本明細書に記載のエアロゾルシステムおよび方法の効率により、全身的投与の場合に通常は有効であるには少なすぎるが、それでも適切かつ薬理学的に容認可能な処方を直接気道に投与する場合に有効な量である量を送達することが可能になる。重要なことは、効率を向上させるのは可能であるが、いくつかの実施形態において、効率は、投与量の制御と引き換えに向上させるはない。したがって、効率が低いことは、送達がより再現可能になるなら、好ましいと考えられる。
【0173】
本発明は、特定の生物を殺滅または抑制するだけの抗菌剤に限定されることを意図しない。本発明は、多種多様の生物によってもたらされる多種多様の状態に対処する薬剤および薬剤の組み合わせを意図する。一つ以上の実施形態において、本発明は、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、インフルエンザ桿菌、および肺炎連鎖球菌、アシネトバクター属、および/またはメチシリン耐性の黄色ブドウ球菌などのバクテリアの抗生物質耐性菌株などのうちの一つ以上による感染治療に効果的である薬剤または薬剤の組み合わせを意図する。
【0174】
当然ながら、抗ウイルス剤も、本発明の抗生剤の処方の方法においてエアロゾル化されて投入されることができる。これは、重症急性呼吸器症候群(SARS)の発生を考慮すると、特に重要である。
【0175】
本発明の特定の実施形態が感染に対処する一方、本発明は、改善されたエアロゾルシステムおよび方法が、気管および/または肺の深部にエアロゾルを必要とするいかなる患者、人または動物にも適用可能であることを意図する。したがって、その他の薬剤または薬物(例えば、ステロイド、プロテイン、ペプチド、核酸、気管支拡張剤、界面活性剤、リドカイン、および同様なもの)がエアロゾルとして考えられる。さらに、その他のタイプの患者(例えば、嚢胞性線維症、肺癌、COPH、ARDS、SAID、細胞性肺気腫、呼吸器感染症、ぜんそく、気管支けいれん、および同様なもの)が考えられる。
【0176】
さらに、本発明の特定の実施形態は、挿管された患者の状況において提供されるが、挿管の有無に関係なく、感染のリスクのあるその他の患者も、本発明の方法およびデバイスで治療可能であると考えられる。高齢者(具体的には、老人ホームに入居する者)、馬、競争用の犬および猫(ショーおよび競争動物)、頻繁に移動する動物(例えば、サーカスの動物)、狭い場所で飼育される動物(例えば、動物園または農場)、および一般に肺感染の危険性があるヒトおよび動物が例として挙げられる。本発明は、予防的(症状前)および急性の病態下(症状後)の両方において、そのような者に対する気管および/または肺の深部へのエアロゾルの送達を意図し、その場合、該エアロゾルは、抗菌剤、具体的には、上記の抗生剤の混合を含む。
【0177】
一つ以上の実施形態において、本発明は、ARDS、IRDS、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断される患者に適切な薬物を投与することを意図する。
【0178】
本発明は、上述の組成、デバイス、および方法を使用する場合、いかなる正確な所望の結果にも限定されない。しかしながら、本発明の組成、デバイス、および方法により、挿管された患者の死亡率減少、全身性抗生物質暴露の減少による耐性の発生率の減少(または、少なくとも耐性の増加がない)、および局所投入による肺の対象とする粘膜面への高暴露がもたらされる可能性があることが考えられる。上述のように、本発明の組成、デバイス、および方法は、肺炎の治療に有用である(ならびに、全身的治療よりもより効果的、あるいは少なくとも、有用な補助となりうる)。関連の感染症は、予防または削減され得ることが考えられる(例えば、敗血症の予防、尿管感染の抑制など)。
【0179】
当然ながら、本発明の組成、デバイス、および方法の効率による抗生剤の全身投与使用の減少により、費用の削減、静脈ラインの時間の削減、および/または中心ラインの時間の削減がもたらされ得る。さらに、そのような削減は、抗生剤の毒性を削減するであろう(下痢およびクロストリジウムディフィシル感染の発生率の減少、より良い栄養などにより測定されるように)。
【0180】
本発明の組成、デバイス、および方法は、ET/Trachチューブ生体膜の削減を局所的にもたらすことが考えられる。これにより、次に、分泌物が排除され、気道抵抗が減少し、および/または呼吸作用が減少する。後者により、患者から人工呼吸器を外すプロセスが簡単になる。
【0181】
本発明は、人工呼吸器システムの通常使用される要素をおきかえることができる特定の実施形態を意図する。一つ以上の実施形態において、本発明は、人工呼吸器および気管内チューブに装着可能であるY字形のモジュールを意図し、その場合、そのY字形のモジュールは、エアロゾル発生器をさらに備える。一つ以上の実施形態において、Y字形のモジュールの下部アーム[手段]は、エアロゾル発生器を備える。いかなる正確な所望の結果だけに限定されないが、発生器と一体となったY字形のモジュールは、全ての従来のエアロゾルシステム(ジェット、超音波、およびMDI)に対する人工呼吸器の影響を低減させ、同時に、AerogenTM噴霧器のような噴霧デバイスの良い性質を向上させる。また、いかなる正確な所望の結果にも限定されないが、発生器と一体型のY字形のモジュールは、(1)同一の送達を達成するために(どのような市販の人工呼吸器システムが使用されるかどうかに関わらず)、送達における変動(加湿の影響、バイアス流れ、連続的か呼吸作動か)を削減し、(2)呼吸作動の最大の効果を可能にし、そして(3)死容積がない噴霧器を使用して、強化された噴霧器の効率に対する最大の効果を可能にすることが考えられる。
【0182】
本発明は、回路の正確な構成または性質に限定されない。一つ以上の実施形態において、該回路は閉回路である。その他の実施形態において、該回路は、開回路である。
【0183】
また、本発明は、特定の人工呼吸器の構成に限定されず、あるいはさらに人工呼吸器を必要とするように限定されない。一つ以上の実施形態において、該吸気および該呼気ラインは、人工呼吸器に接続される。一つ以上の実施形態において、該人工呼吸器は、呼吸周期、吸気相を含む該周期を制御する。一つ以上の実施形態において、エアロゾルは、呼吸周期の吸気相の間に投入される。その他の実施形態において、エアロゾルは、エアロゾル発生器、適切なアダプター、および患者インターフェース(口または鼻)、および任意で一つ以上のバルブを介して投入される。
【0184】
本発明は、その特定のバージョンに関してかなり詳細に説明されたが、その他のバージョンも可能で、示されたバージョンの変更、置換、および相当物が、明細書を読み、図面を参照することにより、当技術分野に精通する者にとって明らかになるであろう。例えば、エアロゾル化デバイスの構成要素の相対位置は変更されてもよく、柔軟性のある部分が、ヒンジで取付けられたまたは移動可能なより剛体の部分と取り替えられて、柔軟性のある部分の作用を再現してもよい。さらに、通路は、図面に示されるように必ずしも実質的に線形である必要はなく、例えば、曲線状または角度があってもよい。また、本明細書のバージョンのさまざまな機能は、本発明の追加のバージョンを提供するために、さまざまな方法で組み合わされることが可能である。さらに、特定の専門用語は、明確に記述する目的で使用されたが、本発明を限定するために使用されていない。ゆえに、付随の請求項は、本明細書に含まれる好適なバージョンの説明に限定されるべきではなく、本発明の忠実な精神および範囲内にある全てのそのような変更、置換、および相当物を含むべきである。
【0185】
本発明について完全に説明したので、当技術分野において通常の技術を有する者にとって、本発明の方法が、本発明またはそのいかなる実施形態の範囲も逸脱することなく、幅広いおよび同等の範囲の状況、処方、およびその他のパラメータで実行可能であることが理解されたい。
【0186】
本明細書に引用された全ての特許および公報は、参照することによりその全体が完全に本明細書に組み込まれる。いかなる公報の引用も、出願日前の開示であり、その公報が従来技術であるということを承認したと解釈されるべきではなく、あるいは、本発明が従来の発明によりそのような公報に先行する権利がないと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0187】
本発明は、以下の本発明の説明において、上述の複数の限定されない図面を参照してさらに説明される。
【図1】図1は、閉鎖位置における本発明のバルブの第一の実例の側面図である。
【図2】図2は、開放位置における本発明のバルブの第一の実例の側面図である。
【図3】図3は、閉鎖位置における本発明のバルブの第一の実例の断面図である。
【図4】図4は、開放位置における本発明のバルブの第一の実例の断面図である。
【図5】図5は、本発明のバルブの第一の実例の外縁の断面図である。
【図6】図6は、本発明の第一の実例のバルブの支持体の上面図である。
【図7】図7は、本発明の第一の実例のバルブのフラップの上面図である。
【図8】図8は、本発明のバルブの第二の実例の上面図であり、その例は、支持体にチャネルを含む。
【図9】図9は、本発明のバルブの第三の実例の上面図であり、その例は、フラップにチャネルを含む。
【図10A】図10A〜10Bは、本発明のフラップの実例の上面図である。
【図10B】図10A〜10Bは、本発明のフラップの実例の上面図である。
【図11A】図11A〜11Bは、本発明のフラップの実例の断面図である。
【図11B】図11A〜11Bは、本発明のフラップの実例の断面図である。
【図12A】図12Aは、本発明のフラップの別の実例の上面図である。
【図12B】図12Bは、本実例の断面図である。
【図13】図13は、本発明のバルブの第二の実例の断面図である。
【図14】図14は、本発明のバルブの第二の実例の支持体の上面図である。
【図15】図15は、本発明のバルブの第三の実例の側面図である。
【図16】図16は、本発明のバルブの第三の実例の支持体の上面図である。
【図17】図17は、本発明のエアロゾル化された薬剤の送達システムの概略図である。
【図18A】図18Aは、本発明のアダプターの第一の実例の斜視図である。
【図18B】図18Bは、本発明のアダプターの第一の実例の部分的な断面図である。
【図18C】図18Cは、本発明のアダプターの第一の実例の部分的な断面図である。
【図19】図19は、本発明のアダプターの第二の実例の部分的な断面図である。
【図20A】図20Aは、流体流れを示す本発明のアダプターの断面図である。
【図20B】図20Bは、フロープロファイル図である。
【図21】図21は、エアロゾル化装置を収容するための延長部を備える、本発明のアダプターの一部の斜視図である。
【図22】図22は、図21の実施形態の断面図である。
【図23】図23は、より短い延長部を備える、本発明のアダプターの一部の斜視図である。
【図24】図24は、図23の実施形態の断面図である。
【図25】図25は、チャネルを有する延長部を備える、本発明のアダプターの断面図である。
【図26】図26は、円錐形のシースを備える、本発明の延長部の断面図である。
【図27】図27は、反転した延長部を備える、本発明のアダプターの断面図である。
【図28】図28は、本発明のアダプターと共に使用するための噴霧システムの斜視図である。
【図29】図29は、蓋が開放された状態である図28の実施形態の斜視図である。
【図30】図30は、容器が振動メッシュ要素および圧電要素を含む、本発明の噴霧システムの斜視図である。
【図31】図31は、本発明のバイアル破裂要素を示す斜視図である。
【図32】図32は、圧電要素が、バイアル収容部の中またはその付近における振動メッシュ噴霧器の構造内に含まれ、機械的接触を介して振動メッシュ要素に適切な周波数の振動を送信する、本発明の噴霧システムを示す斜視図である。
【図33】図33は、容器がバイアル収容部を必要としない、本発明の噴霧器システムを示す斜視図である。
【図34】図34は、本発明のアダプターと共に使用される噴霧システムを示す斜視図である。
【図35】図35は、人工呼吸器回路のチューブに連結される本発明のアダプターを示す概略図である。
【図36】図36は、熱/水分交換(HME)フィルターと使用される本発明のアダプターを示す概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブであって、
複数の開口を備える支持体であり、中心部および外縁を備える支持体と、
各開口のための少なくとも一つのフラップとを備え、該フラップは、前記支持体の前記中心部に近位に連結される端を有し、該フラップは、閉鎖位置および開放位置のうちの少なくとも一つの間の流体圧力差により動作可能であり、前記バルブは、50cmH2O未満の開放圧力を有する、
バルブ。
【請求項2】
前記バルブは一方向バルブを含める、請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記支持体は、少なくとも二つの開口を備える、請求項1に記載のバルブ。
【請求項4】
前記支持体は、少なくとも四つの開口を備える、請求項1に記載のバルブ。
【請求項5】
少なくとも四つのフラップをさらに備える、請求項4に記載のバルブ。
【請求項6】
前記バルブは、図20Bのような流れ方式を実質的に示す、請求項5に記載のバルブ。
【請求項7】
各フラップは、前記閉鎖位置において付勢される、請求項1に記載のバルブ。
【請求項8】
各フラップは、前記開放位置において付勢される、請求項1に記載のバルブ。
【請求項9】
各フラップは、バネによって前記閉鎖位置において付勢される、請求項1に記載のバルブ。
【請求項10】
前記支持体は円形である、請求項1に記載のバルブ。
【請求項11】
該開口のうちの少なくとも一つは、約0度の側面角を有する、請求項1に記載のバルブ。
【請求項12】
各フラップは、前記連結される端の反対に動作する端を備え、前記動作する端は、前記閉鎖位置において前記支持体の前記外縁に接触する、請求項1に記載のバルブ。
【請求項13】
前記支持体の前記外縁は、前記フラップと接触する少なくとも一つの突起部を備える、請求項12に記載のバルブ。
【請求項14】
前記少なくとも一つの突起部は三角形である、請求項13に記載のバルブ。
【請求項15】
前記複数のフラップの各々は相互に一体型である、請求項1に記載のバルブ。
【請求項16】
前記複数のフラップの各々は、相互に一体型であり、四つのローブを備える、請求項1に記載のバルブ。
【請求項17】
前記複数のフラップのうちの各々は、別々の部分である、請求項1に記載のバルブ。
【請求項18】
前記支持体および各フラップは、相互に一体型である、請求項1に記載のバルブ。
【請求項19】
前記支持体および各フラップは、別々の部分である、請求項1に記載のバルブ。
【請求項20】
前記フラップは、約20から約90の範囲であるショアA硬度を有するエラストマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項21】
前記支持体および各フラップは、23°Cで、荷重800psi下において、1000時間後に、約1%未満の伸度のクリープ抵抗を有する材料を含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項22】
各フラップは剛体材料を含み、各フラップは、ヒンジによって前記支持体に連結される、請求項1に記載のバルブ。
【請求項23】
前記支持体は、ポリマー、金属、セラミック、および複合物より選択される少なくとも一つの部材を含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項24】
前記支持体はエラストマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項25】
前記支持体は、少なくとも一つのポリマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項26】
前記支持体は、ポリウレタン、フッ素重合体、シリコーン、およびエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)から選択される少なくとも一つのポリマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項27】
各フラップは、少なくとも一つのポリマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項28】
各フラップは、ポリウレタン、フッ素重合体、シリコーン、およびエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)から選択される少なくとも一つのポリマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項29】
前記支持体および各フラップは、少なくとも一つのポリマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項30】
前記支持体および各フラップは、ポリウレタン、フッ素重合体、シリコーン、およびエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)から選択される少なくとも一つのポリマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項31】
前記支持体およびフラップは、強化材料および積層から選択される材料を含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項32】
前記強化材料は、粒子強化材料、繊維強化材料、および複合材料から選択される少なくとも一つの部材を含む、請求項31に記載のバルブ。
【請求項33】
前記強化材料は、織布強化を有するシリコーンを含む、請求項32に記載のバルブ。
【請求項34】
前記積層材料は、シリコーンに付着されるパリレン、ポリテトラフルオロエチレン被覆ポリマー、ポリイミド被覆ポリマー、シリコーン上に積層される強化層、および第一のデュロメーターを有する第一のシリコーンが前記第一のデュロメーターよりも高い第二のデュロメーターを有する第二のシリコーン上あるシリコーン、を含む。
【請求項35】
約5cmH2O未満の圧力により、前記フラップが、前記閉鎖位置から前記開放位置に回転する、請求項1に記載のバルブ。
【請求項36】
バルブであって、
開口を備える支持体と、
前記支持体に連結されるフラップと、
前記支持体および前記フラップから選択される少なくとも一つの部材上の少なくとも一つの突起部とを備え、前記支持体および前記フラップから選択される少なくとも一つの部材上の前記少なくとも一つの突起部は、前記フラップが閉鎖位置にある際に前記支持体および前記フラップの他方に接触する表面を有し、前記バルブは、50cmH2O未満の開放圧力を有する、
バルブ。
【請求項37】
前記フラップの前記表面は、全表面積および前記少なくとも一つの突起部に接触する接触表面積を有し、前記接触表面積は前記全表面積の約5%未満である、請求項36に記載のバルブ。
【請求項38】
前記フラップの前記表面は、全表面積および前記少なくとも一つの突起部に接触する接触表面積を有し、前記接触表面積は前記全表面積の約1%未満である、請求項36に記載のバルブ。
【請求項39】
前記フラップの前記表面は、全表面積および前記少なくとも一つの突起部に接触する接触表面積を有し、前記接触表面積は前記全表面積の約0.1%未満である、請求項36に記載のバルブ。
【請求項40】
前記フラップの前記表面は、全表面積および前記少なくとも一つの突起部に接触する接触表面積を有し、前記接触表面積は前記全表面積の約0.01%未満である、請求項36に記載のバルブ。
【請求項41】
前記フラップは、前記支持体の中心部に近位である連結される端を備える、請求項36に記載のバルブ。
【請求項42】
前記フラップは、連結される端の反対に動作する端を備え、前記動作する端は、閉鎖位置において前記支持体の外縁に接触する、請求項41に記載のバルブ。
【請求項43】
前記支持体の前記外縁は、前記フラップに接触する前記少なくとも一つの突起部を備える、請求項42に記載のバルブ。
【請求項44】
前記少なくとも一つの突起部は三角形である、請求項43に記載のバルブ。
【請求項45】
前記フラップは、前記支持体の外縁に近位である連結される端を備える、請求項36に記載のバルブ。
【請求項46】
前記フラップは、前記連結される端の反対に動作する端を備え、前記動作する端は、閉鎖位置において前記支持体の中心部分に接触する、請求項45に記載のバルブ。
【請求項47】
前記支持体の前記中心部分は、前記フラップに接触する前記少なくとも一つの突起部を備える、請求項46に記載のバルブ。
【請求項48】
前記少なくとも一つの突起部は三角形である、請求項47に記載のバルブ。
【請求項49】
バルブであって、
開口を備える支持体と、
前記支持体に連結されるフラップであって、前記フラップが閉鎖位置にある際に、前記支持体に接触する表面を有するフラップと、
前記支持体および前記フラップから選択される少なくとも一つの部材における少なくとも一つのチャネルであって、前記フラップが前記閉鎖位置にある際に、前記バルブを介して流体流れを可能にする前記少なくとも一つのチャネルと、
を備える、バルブ。
【請求項50】
前記少なくとも一つのチャネルは、少なくとも前記支持体にある、請求項49に記載のバルブ。
【請求項51】
前記少なくとも一つのチャネルは、少なくとも前記フラップにある、請求項49に記載のバルブ。
【請求項52】
前記フラップが開放位置にある際の前記バルブを介した流体流れは、前記フラップが前記閉鎖位置にある際の前記バルブを介した流体流れよりも少なくとも約2倍大きい、請求項49に記載のバルブ。
【請求項53】
前記フラップが開放位置にある際の前記バルブを介した流体流れは、前記フラップが前記閉鎖位置にある際の前記バルブを介した流体流れよりも少なくとも約10倍大きい、請求項49に記載のバルブ。
【請求項54】
前記フラップが開放位置にある際の前記バルブを介した流体流れは、前記フラップが前記閉鎖位置にある際の前記バルブを介した流体流れよりも少なくとも約100倍大きい、請求項49に記載のバルブ。
【請求項55】
アダプターであって、
第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングであり、第一の端および第二の端を有するハウジングと、
第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、第一の一方向バルブを備える前記第一のチャネルと、
第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、第二の一方向バルブを備える前記第二のチャネルと、
前記一方向バルブの前記第一の方向に対して下流に配置される、前記第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つとを備え、
前記アダプターの前記第一の端と前記第二の端との間の空気圧降下は、60L/minの空気流束で、約50cmH2O未満である、
アダプター。
【請求項56】
前記第一および第二の一方向バルブは、0.5秒未満で最大約2psiの量で空気圧が変化する際に反転しない、請求項55に記載のアダプター。
【請求項57】
前記空気圧降下は、約0.05cmH2Oから約10cmH2Oの範囲である、請求項55に記載のアダプター。
【請求項58】
前記空気圧降下は、約2cmH2Oから約4cmH2Oの範囲である、請求項55に記載のアダプター。
【請求項59】
アダプターであって、
第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングであり、第一の端および第二の端を有するハウジングと、
第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、第一の一方向バルブを備える前記第一のチャネルと、
第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、第二の一方向バルブを備える前記第二のチャネルと、
前記一方向バルブの前記第一の方向に対して下流に配置される、前記第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つと、
前記第二の一方向バルブの前記第三の方向に対して上流に配置される、前記第二のチャネルにおける流体アキュムレータと、
を備えるアダプター。
【請求項60】
前記流体アキュムレータはポートを備える、請求項59に記載のアダプター。
【請求項61】
前記ポートはバルブを備える、請求項60に記載のアダプター。
【請求項62】
前記ポートは、栓、括約筋バルブ、注射部位、取り外し可能なキャップから選択される少なくとも一つの部材を備える、請求項60に記載のアダプター。
【請求項63】
前記流体アキュムレータは、前記第二のチャネルに形成される収容部を備える、請求項59に記載のアダプター。
【請求項64】
前記第二のチャネルは楕円形の断面を有する、請求項63に記載のアダプター。
【請求項65】
アダプターであって、
第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングであり、第一の端および第二の端を有するハウジングと、
第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、第一の一方向バルブを備える前記第一のチャネルと、
第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、第二の一方向バルブを備える前記第二のチャネルと、
前記一方向バルブの前記第一の方向に対して下流に配置される、前記第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つと、
エアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの前記少なくとも一つの、前記第一の方向に対して上流に配置される、前記第一のチャネルにおけるセンサープローブポートと、
を備えるアダプター。
【請求項66】
センサープローブを前記センサープローブポートにさらに備え、前記センサーは、温度センサー、流量センサー、圧力センサー、および湿度センサーから選択される、請求項65に記載のアダプター。
【請求項67】
前記センサープローブは、抵抗温度検出器、サーミスタ、およびサーモカップルから選択される少なくとも一つの部材を備える、請求項66に記載のアダプター。
【請求項68】
人工呼吸器回路であって、
人工呼吸器への接続のために適合される呼気ラインと、
人工呼吸器への接続のために適合される吸入ラインと、
前記呼気ラインおよび前記吸入ラインに接続されるアダプターであって、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備えるアダプターと、
前記アダプターに接続されるY字形のチューブと、
任意で、前記Y字形のチューブに連結される、気管内チューブおよび気管切開チューブから選択されるチューブと、
を備える人工呼吸器回路。
【請求項69】
前記Y字形のチューブは最大約1mの長さを有する、請求項68に記載の人工呼吸器回路。
【請求項70】
複数の開口を含む支持体を少なくとも備えるバルブであって、前記支持体は、中心部および外縁を備えるバルブと、
各開口のための少なくとも一つのフラップとをさらに含み、該フラップは、前記支持体の前記中心部に近位に連結される端を有し、該フラップは、閉鎖位置および開放位置のうちの少なくとも一つの間の流体圧力差により動作可能であり、前記バルブは、50cmH2O未満の開放圧力を有する、請求項68に記載の人工呼吸器回路。
【請求項1】
バルブであって、
複数の開口を備える支持体であり、中心部および外縁を備える支持体と、
各開口のための少なくとも一つのフラップとを備え、該フラップは、前記支持体の前記中心部に近位に連結される端を有し、該フラップは、閉鎖位置および開放位置のうちの少なくとも一つの間の流体圧力差により動作可能であり、前記バルブは、50cmH2O未満の開放圧力を有する、
バルブ。
【請求項2】
前記バルブは一方向バルブを含める、請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記支持体は、少なくとも二つの開口を備える、請求項1に記載のバルブ。
【請求項4】
前記支持体は、少なくとも四つの開口を備える、請求項1に記載のバルブ。
【請求項5】
少なくとも四つのフラップをさらに備える、請求項4に記載のバルブ。
【請求項6】
前記バルブは、図20Bのような流れ方式を実質的に示す、請求項5に記載のバルブ。
【請求項7】
各フラップは、前記閉鎖位置において付勢される、請求項1に記載のバルブ。
【請求項8】
各フラップは、前記開放位置において付勢される、請求項1に記載のバルブ。
【請求項9】
各フラップは、バネによって前記閉鎖位置において付勢される、請求項1に記載のバルブ。
【請求項10】
前記支持体は円形である、請求項1に記載のバルブ。
【請求項11】
該開口のうちの少なくとも一つは、約0度の側面角を有する、請求項1に記載のバルブ。
【請求項12】
各フラップは、前記連結される端の反対に動作する端を備え、前記動作する端は、前記閉鎖位置において前記支持体の前記外縁に接触する、請求項1に記載のバルブ。
【請求項13】
前記支持体の前記外縁は、前記フラップと接触する少なくとも一つの突起部を備える、請求項12に記載のバルブ。
【請求項14】
前記少なくとも一つの突起部は三角形である、請求項13に記載のバルブ。
【請求項15】
前記複数のフラップの各々は相互に一体型である、請求項1に記載のバルブ。
【請求項16】
前記複数のフラップの各々は、相互に一体型であり、四つのローブを備える、請求項1に記載のバルブ。
【請求項17】
前記複数のフラップのうちの各々は、別々の部分である、請求項1に記載のバルブ。
【請求項18】
前記支持体および各フラップは、相互に一体型である、請求項1に記載のバルブ。
【請求項19】
前記支持体および各フラップは、別々の部分である、請求項1に記載のバルブ。
【請求項20】
前記フラップは、約20から約90の範囲であるショアA硬度を有するエラストマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項21】
前記支持体および各フラップは、23°Cで、荷重800psi下において、1000時間後に、約1%未満の伸度のクリープ抵抗を有する材料を含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項22】
各フラップは剛体材料を含み、各フラップは、ヒンジによって前記支持体に連結される、請求項1に記載のバルブ。
【請求項23】
前記支持体は、ポリマー、金属、セラミック、および複合物より選択される少なくとも一つの部材を含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項24】
前記支持体はエラストマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項25】
前記支持体は、少なくとも一つのポリマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項26】
前記支持体は、ポリウレタン、フッ素重合体、シリコーン、およびエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)から選択される少なくとも一つのポリマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項27】
各フラップは、少なくとも一つのポリマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項28】
各フラップは、ポリウレタン、フッ素重合体、シリコーン、およびエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)から選択される少なくとも一つのポリマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項29】
前記支持体および各フラップは、少なくとも一つのポリマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項30】
前記支持体および各フラップは、ポリウレタン、フッ素重合体、シリコーン、およびエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)から選択される少なくとも一つのポリマーを含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項31】
前記支持体およびフラップは、強化材料および積層から選択される材料を含む、請求項1に記載のバルブ。
【請求項32】
前記強化材料は、粒子強化材料、繊維強化材料、および複合材料から選択される少なくとも一つの部材を含む、請求項31に記載のバルブ。
【請求項33】
前記強化材料は、織布強化を有するシリコーンを含む、請求項32に記載のバルブ。
【請求項34】
前記積層材料は、シリコーンに付着されるパリレン、ポリテトラフルオロエチレン被覆ポリマー、ポリイミド被覆ポリマー、シリコーン上に積層される強化層、および第一のデュロメーターを有する第一のシリコーンが前記第一のデュロメーターよりも高い第二のデュロメーターを有する第二のシリコーン上あるシリコーン、を含む。
【請求項35】
約5cmH2O未満の圧力により、前記フラップが、前記閉鎖位置から前記開放位置に回転する、請求項1に記載のバルブ。
【請求項36】
バルブであって、
開口を備える支持体と、
前記支持体に連結されるフラップと、
前記支持体および前記フラップから選択される少なくとも一つの部材上の少なくとも一つの突起部とを備え、前記支持体および前記フラップから選択される少なくとも一つの部材上の前記少なくとも一つの突起部は、前記フラップが閉鎖位置にある際に前記支持体および前記フラップの他方に接触する表面を有し、前記バルブは、50cmH2O未満の開放圧力を有する、
バルブ。
【請求項37】
前記フラップの前記表面は、全表面積および前記少なくとも一つの突起部に接触する接触表面積を有し、前記接触表面積は前記全表面積の約5%未満である、請求項36に記載のバルブ。
【請求項38】
前記フラップの前記表面は、全表面積および前記少なくとも一つの突起部に接触する接触表面積を有し、前記接触表面積は前記全表面積の約1%未満である、請求項36に記載のバルブ。
【請求項39】
前記フラップの前記表面は、全表面積および前記少なくとも一つの突起部に接触する接触表面積を有し、前記接触表面積は前記全表面積の約0.1%未満である、請求項36に記載のバルブ。
【請求項40】
前記フラップの前記表面は、全表面積および前記少なくとも一つの突起部に接触する接触表面積を有し、前記接触表面積は前記全表面積の約0.01%未満である、請求項36に記載のバルブ。
【請求項41】
前記フラップは、前記支持体の中心部に近位である連結される端を備える、請求項36に記載のバルブ。
【請求項42】
前記フラップは、連結される端の反対に動作する端を備え、前記動作する端は、閉鎖位置において前記支持体の外縁に接触する、請求項41に記載のバルブ。
【請求項43】
前記支持体の前記外縁は、前記フラップに接触する前記少なくとも一つの突起部を備える、請求項42に記載のバルブ。
【請求項44】
前記少なくとも一つの突起部は三角形である、請求項43に記載のバルブ。
【請求項45】
前記フラップは、前記支持体の外縁に近位である連結される端を備える、請求項36に記載のバルブ。
【請求項46】
前記フラップは、前記連結される端の反対に動作する端を備え、前記動作する端は、閉鎖位置において前記支持体の中心部分に接触する、請求項45に記載のバルブ。
【請求項47】
前記支持体の前記中心部分は、前記フラップに接触する前記少なくとも一つの突起部を備える、請求項46に記載のバルブ。
【請求項48】
前記少なくとも一つの突起部は三角形である、請求項47に記載のバルブ。
【請求項49】
バルブであって、
開口を備える支持体と、
前記支持体に連結されるフラップであって、前記フラップが閉鎖位置にある際に、前記支持体に接触する表面を有するフラップと、
前記支持体および前記フラップから選択される少なくとも一つの部材における少なくとも一つのチャネルであって、前記フラップが前記閉鎖位置にある際に、前記バルブを介して流体流れを可能にする前記少なくとも一つのチャネルと、
を備える、バルブ。
【請求項50】
前記少なくとも一つのチャネルは、少なくとも前記支持体にある、請求項49に記載のバルブ。
【請求項51】
前記少なくとも一つのチャネルは、少なくとも前記フラップにある、請求項49に記載のバルブ。
【請求項52】
前記フラップが開放位置にある際の前記バルブを介した流体流れは、前記フラップが前記閉鎖位置にある際の前記バルブを介した流体流れよりも少なくとも約2倍大きい、請求項49に記載のバルブ。
【請求項53】
前記フラップが開放位置にある際の前記バルブを介した流体流れは、前記フラップが前記閉鎖位置にある際の前記バルブを介した流体流れよりも少なくとも約10倍大きい、請求項49に記載のバルブ。
【請求項54】
前記フラップが開放位置にある際の前記バルブを介した流体流れは、前記フラップが前記閉鎖位置にある際の前記バルブを介した流体流れよりも少なくとも約100倍大きい、請求項49に記載のバルブ。
【請求項55】
アダプターであって、
第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングであり、第一の端および第二の端を有するハウジングと、
第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、第一の一方向バルブを備える前記第一のチャネルと、
第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、第二の一方向バルブを備える前記第二のチャネルと、
前記一方向バルブの前記第一の方向に対して下流に配置される、前記第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つとを備え、
前記アダプターの前記第一の端と前記第二の端との間の空気圧降下は、60L/minの空気流束で、約50cmH2O未満である、
アダプター。
【請求項56】
前記第一および第二の一方向バルブは、0.5秒未満で最大約2psiの量で空気圧が変化する際に反転しない、請求項55に記載のアダプター。
【請求項57】
前記空気圧降下は、約0.05cmH2Oから約10cmH2Oの範囲である、請求項55に記載のアダプター。
【請求項58】
前記空気圧降下は、約2cmH2Oから約4cmH2Oの範囲である、請求項55に記載のアダプター。
【請求項59】
アダプターであって、
第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングであり、第一の端および第二の端を有するハウジングと、
第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、第一の一方向バルブを備える前記第一のチャネルと、
第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、第二の一方向バルブを備える前記第二のチャネルと、
前記一方向バルブの前記第一の方向に対して下流に配置される、前記第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つと、
前記第二の一方向バルブの前記第三の方向に対して上流に配置される、前記第二のチャネルにおける流体アキュムレータと、
を備えるアダプター。
【請求項60】
前記流体アキュムレータはポートを備える、請求項59に記載のアダプター。
【請求項61】
前記ポートはバルブを備える、請求項60に記載のアダプター。
【請求項62】
前記ポートは、栓、括約筋バルブ、注射部位、取り外し可能なキャップから選択される少なくとも一つの部材を備える、請求項60に記載のアダプター。
【請求項63】
前記流体アキュムレータは、前記第二のチャネルに形成される収容部を備える、請求項59に記載のアダプター。
【請求項64】
前記第二のチャネルは楕円形の断面を有する、請求項63に記載のアダプター。
【請求項65】
アダプターであって、
第一のチャネルおよび第二のチャネルを形成するハウジングであり、第一の端および第二の端を有するハウジングと、
第一の方向における流れを可能にし、第二の方向における流れを妨げるために、第一の一方向バルブを備える前記第一のチャネルと、
第三の方向における流れを可能にし、第四の方向における流れを妨げるために、第二の一方向バルブを備える前記第二のチャネルと、
前記一方向バルブの前記第一の方向に対して下流に配置される、前記第一のチャネルにおけるエアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの少なくとも一つと、
エアロゾル化デバイスおよびエアロゾル化デバイスポートのうちの前記少なくとも一つの、前記第一の方向に対して上流に配置される、前記第一のチャネルにおけるセンサープローブポートと、
を備えるアダプター。
【請求項66】
センサープローブを前記センサープローブポートにさらに備え、前記センサーは、温度センサー、流量センサー、圧力センサー、および湿度センサーから選択される、請求項65に記載のアダプター。
【請求項67】
前記センサープローブは、抵抗温度検出器、サーミスタ、およびサーモカップルから選択される少なくとも一つの部材を備える、請求項66に記載のアダプター。
【請求項68】
人工呼吸器回路であって、
人工呼吸器への接続のために適合される呼気ラインと、
人工呼吸器への接続のために適合される吸入ラインと、
前記呼気ラインおよび前記吸入ラインに接続されるアダプターであって、噴霧器および噴霧器ポートのうちの少なくとも一つを備えるアダプターと、
前記アダプターに接続されるY字形のチューブと、
任意で、前記Y字形のチューブに連結される、気管内チューブおよび気管切開チューブから選択されるチューブと、
を備える人工呼吸器回路。
【請求項69】
前記Y字形のチューブは最大約1mの長さを有する、請求項68に記載の人工呼吸器回路。
【請求項70】
複数の開口を含む支持体を少なくとも備えるバルブであって、前記支持体は、中心部および外縁を備えるバルブと、
各開口のための少なくとも一つのフラップとをさらに含み、該フラップは、前記支持体の前記中心部に近位に連結される端を有し、該フラップは、閉鎖位置および開放位置のうちの少なくとも一つの間の流体圧力差により動作可能であり、前記バルブは、50cmH2O未満の開放圧力を有する、請求項68に記載の人工呼吸器回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公表番号】特表2008−540056(P2008−540056A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512544(P2008−512544)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/019446
【国際公開番号】WO2007/030162
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(500138043)ネクター セラピューティックス (32)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/019446
【国際公開番号】WO2007/030162
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(500138043)ネクター セラピューティックス (32)
【Fターム(参考)】
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