説明

気管支炎を治療するための麻黄含有医薬組成物およびその調製方法

気管支炎を治療するための医薬組成物およびその調製方法。前記医薬組成物は、麻黄、石膏、連翹、黄岑、桑白皮、苦杏仁、前胡、半夏などからなる。前記医薬組成物は、咳を緩和し、痰を排除し、喘息を緩和し、炎症を食い止めるのに有用であり、よって、急性気管気管支炎に対して優れた治療上の効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝統的な漢方医学の分野、特に気管支炎の治療のための医薬組成物およびその調製方法に属する。
【背景技術】
【0002】
気管支炎は、細菌およびウイルスの感染症、または物理的および化学的要因による刺激作用が原因で起こる気管および気管支の粘膜の炎症である。典型的に、気管支炎は、主に咳、喀痰、胸骨下の倦怠感または疼痛、息切れ、および風邪と共通の付随する症状を特徴とする。疾患の期間によって、気管支炎は、2つの種類に分類することができる:急性気管気管支炎および慢性気管支炎である。急性気管支炎は、一般的に1カ月以下持続する気管支炎で、回復後、その構造および働きの両方において完全な修復が可能な粘膜のみに局在する病理学的変化を生じる。急性気管気管支炎は、任意の年齢、ならびに主に春および冬に発病し得る。気管支炎は、伝統的漢方医学において、「咳」、「粘液質の流体滞留」、「喘息症候群」などの種類に属する。
急性気管気管支炎は、ウイルスもしくは細菌、または物理的−化学的なアレルギー性の刺激による上気道の感染に起因する場合が多い。急性気管気管支炎に罹患している10才よりも上の年齢の患者においてインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルスおよびアデノウイルスによる感染症は、最も一般的である。この疾患はまた、最も一般的な病院に行かない疾患の1つであり、医学的治療を受けなければいけないトップテンの疾患の1つである。1998年にこの疾患が原因で医学的治療を受けたアメリカ人は、250万人いた。患者は、彼らの所定の仕事および生活が頻繁な咳によりかき乱されるため、病院を訪れ、治療を受けなければいけない。急性気管気管支炎の治療費は、かなりの額である。平均して、各患者には、2種類の薬物で治療が施され、2〜3週間正常に仕事することができなくなることもある。
【0003】
この疾患は、様々な病因学的要因に関連している。この疾患は、ウイルスもしくは細菌の直接の感染に起因するか、または急性上気道感染から広がるウイルスもしくは細菌の感染に起因する可能性があり、さらに、例えば冷たい空気、ほこり、刺激的な気体もしくは煙などによる気管−気管支粘膜への急性の刺激作用、または気管および気管支におけるアレルゲン誘発性アレルギー炎症反応にも起因する可能性がある。現在、西洋医学の療法は、対症治療および感染制御に焦点を合わせている。2000年、Subspecialty Group of Respiratory Diseases、the Society of Pediatrics、Chinese Medical Associationから発行された「Guidance For Rational Use Of Antibiotics In Acute Respiratory Tract Infections(試作用)」において、急性気管気管支炎は、抗生物質の乱用が通常起こる上気道感染(URI)の直後の疾患であることが強調されている。海外では、急性気管気管支炎は、咳の疾病に含まれ、疾患に対する主な病因学的要因は、ウイルスまたは反応性気道疾患であると判定される。したがって、疾患に罹って7日間未満が経過している患者では、抗生物質療法の適用が当てはまる者は殆どいない。加えて、抗生物質の広範な適用が原因で、薬物耐性の菌株が絶えず出現し、病原性細菌の一部は、様々な抗生物質に複数の耐性を示し、これによって、感染に対する抗生物質の効力が乏しくなっている。
【0004】
急性気管気管支炎の治療は、伝統的漢方医学では非常に長い歴史である。咳の問題についての系統的な考察、例えば病因、症状および症候群の分類、病理学的成果ならびに治療などは、ずっと昔のHuangdi’s Internal Classicsに見出すことができる。伝統的漢方医学による咳の治療のため、原理、方法、処方ならびに薬物についての継続的な審査が、何世代もの医師に引き継がれて行われてきた。伝統的漢方医学による咳の治療は、様々な治療上の手法を具体化していることが現代の薬理学的調査により示されている。伝統的漢方医学の処方は、咳を止め、痰を排除し、ならびに喘息を緩和する効果を発揮できるばかりでなく、熱を除去し、疼痛を緩和し、炎症を食い止め、ならびに咳および喀痰などの症状をかなり緩和する効果を有することもできる。加えて、西洋医薬品と比較して、有害反応がより少なく、抗生物質療法が適用されない場合に適しており、抗生物質に対し複数の耐性を示す場合に特に適している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、急性気管気管支炎の治療のための新規な伝統的漢方医学処方を開発する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の必要性を満たすため、本発明は、気管支炎の治療のための麻黄含有医薬組成物およびその調製方法を提供する。本発明の医薬組成物は、薬効物質から、以下の質量部で生成される:
【0007】
【表1】

(注:薬効物質の上のラテン語名称は、Chinese Pharmacopoeia、2010年1月による)。
好ましくは、本発明の医薬組成物は、薬効物質から、以下の質量部で生成される:
【0008】
【表2】

より好ましくは、本発明の医薬組成物は、薬効物質から、以下の質量部で生成される:
【0009】
【表3】

代替的に、医薬組成物は、薬効物質から、以下の質量部で生成される:
【0010】
【表4】

代替的に、医薬組成物は、薬効物質から、以下の質量部で生成される:
【0011】
【表5】

代替的に、医薬組成物は、薬効物質から、以下の質量部で生成される:
【0012】
【表6】

本発明の医薬組成物に使用される薬効物質に関して、半夏は、清半夏(PINELLIAE RHIZOMA PRAEPARATUM CUM ALUMINE)が好ましく、苦杏仁は、炒苦杏仁(ARMENIACAE SEMEN AMARUM TOSTUM)(ラテン語名称は、Standard of Chinese Herbal Pieces of Shanxi Province、2008年2月による)が好ましい。
本発明の医薬組成物の麻黄および石膏は、君薬である。麻黄は、性質は暖性であり、味は辛味および苦味で、肺および膀胱の経脈に入る。Shen Nong’s Herbalには、「麻黄は、発汗により外部の症候群を緩和し、病原性の熱の気を除去し、喘息を伴う咳を止める」と記載されている。Materia medica of Justiceにおいて、「麻黄は、軽く、きれいにする、および浮かせる性質があり、肺の低迷を除去し、気の機能的活動を促進させることを専門とし、寒を治療するために最も重要な薬物である。麻黄は、外部のものを放出するために提供されるが、実際には、麻黄は肺への通気を行う。麻黄は、寒を分散させるために提供されるが、実際には、麻黄は病原性要因を追い払う。したがって、風寒は、麻黄により常に外へ消散される、すなわち、暖熱が、麻黄により常に促進される」こともまた記載されている。処方における麻黄は、肺の通気を行うために使用され、したがって、石膏と組み合わせて、肺内に停滞気味の気の流れを円滑にし、肺内の熱を除去する。石膏は、味は辛味および甘味であり、性質は寒性であり、肺および胃の経脈に入る。Ben Cao Jing Shuにおいて、「石膏の辛味の味は、筋肉の解放に有用となることができ、その甘味は、病原性熱を緩和するのに有用となり得る。したがって、石膏は、その極度な寒性の特性により、およびその辛味および甘味により、深刻な熱を排除するために使用することができる」と記載されている。石膏は、熱を除去し、炎症を除去することを専門とし、麻黄と組み合わせて、肺内の熱を除去するのに有用となり得る。熱が除去されれば、痰の産生は、それ以上促進されることはない。麻黄および石膏は、肺の通気を行い、熱を除去するために互いに適合しているので、これらは一緒に君薬として作用する。
【0013】
本発明の医薬組成物の連翹、黄岑、桑白皮、苦杏仁、および前胡は、臣薬である。連翹は、味は苦味であり、性質は寒性である。連翹は、筋肉およびその表面を外面的に緩和することができ、停滞気味の熱を内面的に除去することができ、「浮かせる能力および散逸させる能力を有し……筋肉を介して外部の症候群を緩和し、熱を除去し、風を追い払うことができる。連翹は、風熱の病原菌に対して重要な薬物である」(Yi Xue Zhong Zhong Can Xi Lu)。連翹の熱を除去し、解毒し、肺をきれいにし、外部のものを押し出す働きが処方に使用されている。黄岑は、味は苦く、性質は寒性であり、肺の経脈に入り、熱を除去し、湿気を乾燥させ、解毒のため炎症を取り除く作用がある。黄岑は、肺の熱を除去することを専門とし、黄岑について、Dan Xiは、「黄岑は、痰を下向きにする役目を果たすので、炎症を散らすために使用することができる」と述べた。肺の熱を除去する効果は、石膏の助けを借りて強化されることになる。桑白皮は、味は甘味で、性質は寒性であり、肺および脾臓の経脈に入る。桑白皮は、肺をきれいにし、痰を消滅させ、さらに気を下向きにし、喘息を緩和する働きがあり、桑白皮について、Bie Luは、「肺内の湿気を除去し、血液、熱のある渇き、水腫および腹腔の膨満感、腹部の腫脹を吐き出し、水路を調整し、条虫を追い払う」と記載している。黄岑および桑白皮は、肺内の痰−熱の除去において石膏の効果を強化する。苦杏仁は、性質は、微暖性であり、味はわずかに苦味であり、肺および大腸の経脈に入り、咳を止め、喘息を緩和する役目を果たす。苦杏仁は、咳を止め、浄化により喘息を緩和し、気を下向きにするのに効果的であり、「気を下向きにすることを専門にし、気が下向きに方向づけられると、痰は排除され、咳は止まる」(Ben Cao Bian Du)。前胡は、味は苦味および辛味であり、微寒性の性質であり、肺経路に入り、気を下向きにし、痰を消散し、風熱を除去する役目を果たす。Compendium of Materia Medicaにおいて、「肺の熱を除去し、痰−熱を消滅させ、病原性の風を分散させる」ことが記載され、さらに「前胡は、気を下向きにすることを専門とし、したがってこれを使用することによって、痰−熱に誘発された喘息性の咳およびしゃっくりによる横隔膜の息苦しさなどの疾患を治療することができる。気が下向きに方向づけられると、炎症は取り除かれ、痰が消滅する」ことが記載されている。苦杏仁および前胡(低下させることを専門にする)と麻黄(持ち上げることを専門にする)との組合せは、肺の分散および下向きの働きを強化する。これら5つの薬草は、内部および外部の両方を緩和し、気を下向きにし、痰を消散することによって、臣薬として一緒に機能して、君薬の肺の熱除去効果を促進する。
【0014】
本発明の医薬組成物の半夏、陳皮、浙貝母、牛蒡子、金銀花、および大黄は、佐薬である。半夏は、味は辛味であり、性質は暖性であり、乾燥により湿気を排除し、痰を消滅させ、逆に作用する上昇性のエネルギーを沈静化する役目を果たす。Yao Xing Lunにおいて、半夏は、「痰を分散し、肺の気を下降させ、食欲を増加させ、脾臓を活気づけ、胸内において過剰な痰を散逸する」ことを専門にすると記載されている、すなわち、半夏は、痰を消滅させ、逆に作用する上昇性のエネルギーを沈静化し、肺および胃の中で下向きに移動する湿った痰を下向きにするその効力を発揮するために重要な薬物である。陳皮は、味は辛味および苦味であり、性質は暖性であり、気を調整し、痰を消滅させる役目を果たす。「橘皮(Tangerine pericarp(陳皮))は、胸内において、凝集した熱および気の逆の流れに主に作用し、辛味は、分散させること、苦味は、取り除くこと、および暖性の特性は移動させることが可能であり、したがって逆に上昇する気を下向きにし、嘔吐を防止し、咳を止め、最終的に胸内の凝集した熱を消散させる(Ben Cao Jing Shu)」。陳皮は、湿気−痰の低迷、肺の分散機能および下向きの機能の障害、咳、過剰な痰、ならびに気の逆流を治療する一般的な薬草である。半夏と陳皮の組合せは、君薬および臣薬が痰を消滅させる効果を強化するよう援助する。浙貝母は、味は苦味であり、性質は寒性であり、肺および心臓の経脈に入り、そのより苦い味および寒性、強力な除去力、炎症を除去し、塊を分散させるより強い効果のため、停滞した痰−熱タイプの咳を治療するために使用される場合が多い。浙貝母は、処方において、苦杏仁および前胡を促進して、痰を分解し、咳を止めるために使用される。牛蒡子は、味は辛味であり、味は苦味であり、性質は微寒性であり、風熱病原菌を分散させることを専門とし、Ben Cao Jing Shuにおいて:「過剰率に対する抵抗、風を分散させ、熱を除去し、解毒するための主要な薬草である」ことが記載されている。金銀花は、性質は寒性であり、熱を除去し、解毒することができる。Chong Qing Tang Sui Biにおいて、「金銀花は、絡脈における風−炎症および過剰な熱を除去し、害虫、汚れたもの、および濁ったものなどの悪を排除する」と記載されている。この薬草は、肺経脈に入る。この薬草は、熱を除去し、解毒することができ、また肺をきれいにし、発汗を促進する。味は辛味であり、寒性であり、陰に有害ではないので、金銀花は、連翹が辛味および寒性の特性を用いて、発汗、熱の除去および解毒を果たすのを援助する。大黄は、味は苦味であり、性質は寒性であり、腸の障害物を取り除き、熱を取り除く役目を果たす。肺および大腸は内部−外部に関係しているため、肺の気は、腸の気が取り除かれる際に自然に下降する。したがって、大黄および麻黄の組合せは、外部のおよび内部の両方を緩和をもたらす。
【0015】
本発明の医薬組成物の桔梗および甘草は、使薬である。桔梗は、肺の気をきれいにし、痰を消散する役目を果たし、したがって麻黄が肺の気をきれいにするのを援助する。さらに、「桔梗は、肺の気をきれいにし、持ち上げるための薬草であり、様々な薬草のための担体として作用することができる」(Ben Cao Qiu Zhen)。この薬草は、様々な薬草の成分を病理部位に到達するまで運び、したがって佐薬−使薬としての役目を果たす。甘草は、2つの理由から、その生薬の形態のままで使用する。第1の理由は、佐薬として甘草は、甘味および平性の性質であり、肺経脈に入ることができ、肺に湿気を与え、咳を止め、および喘息を緩和する効果がある。第2の理由は、使薬として、「甘草は、様々な薬草のための調整官の役割を果たし」、処方の薬物を加減することができ、したがってまた、佐薬および使薬としての役目も果たす。
【0016】
結論として、本発明の医薬組成物を構成する薬効物質の組み合わせた使用は、肺内の痰−熱を除去し、停滞した肺の気を分散し、および分散し、下向きの肺の機能を正常化し、これによって、痰を除去し、咳を止めることになる。
【0017】
本発明を考慮して、および本分野の常識と組み合わせて、本分野の当業者であれば、本発明の医薬組成物中の個々の成分のいずれかと、同じまたは同様の効力を有する他の漢方の薬効物質を本発明の医薬組成物において置き換えられた成分として、置き換えることができる。
【0018】
本発明の医薬組成物は、当技術分野の従来の調製方法を用いて調製することができる。例えば、様々な薬効物質は、「Standard for Processing Traditional Chinese Medicinal Substances」または「Traditional Chinese Medicine Dictionary」に従い処理することができる。本発明の医薬組成物は、好ましくは以下の方法で調製することができる:
(1)浙貝母を処方に記載の割合に従って秤量し、後で使用するためにこれを微細な粉末へと微粉砕するステップ、
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方に記載の割合に従って秤量し、これを40〜70%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の8〜10倍にし、2回目は6〜9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1〜4時間に渡り還流下で抽出を行い、抽出物をプールし、次いで混合溶液を濾過し、減圧下で濾液からエタノールを回収し、同時に濃縮することによって、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)を得るステップ、
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方に記載の割合に従って秤量し、これを水で2回、1回目は水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の9〜11倍にし、2回目は7〜9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1〜4時間に渡り煮出し、次いで、煎じ汁をプールし、濾過し、濾液を減圧下で濃縮することによって、透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)を得て、後で使用するために透明ペーストをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせるステップ;
ステップ(1)で得た微細な粉末およびステップ(3)で得た合わせた透明ペーストは、医薬組成物の活性成分を構成する。
【0019】
本発明による医薬組成物の剤形は、硬カプセル剤、錠剤、散剤、経口用液剤、軟カプセル剤、丸剤、チンキ剤、シロップ剤、坐剤、ゲル剤、スプレー剤または注射剤であってよい。
【0020】
本発明の薬物の剤形は、当技術分野で一般的な調製方法、例えば、Pharmaceutics of Chinese Medicine、Fan Biting(編集者)、1997年、Shanghai Scientific & Technical Publishersにおいて記載の調製方法などを用いて薬学的に許容される従来の剤形へと調製することができる。
【0021】
本発明の様々な医薬品を配合する上で、当業者であれば、本発明の異なる薬物の剤形に応じておよび当技術分野の常識と組み合わせて、薬学的に許容される補助物質のいずれか、例えば、これらに限らないが、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、懸濁剤、結合剤、甘味剤、香味剤、保存剤、マトリックス、またはこれら混合物のいずれかを含めた補助物質を添加することができる。充填剤として、これらに限らないが、デンプン、アルファ化デンプン、ラクトース、マンニトール、キチン、微結晶性セルロース、ショ糖、またはこれら混合物のいずれかが挙げられる。崩壊剤として、これらに限らないが、デンプン、アルファ化デンプン、微結晶性セルロース、メチルカルボン酸ナトリウムデンプン、架橋結合したポリビニルピロリドン、低置換のヒドロキシプロピルセルロース、架橋したカルボキシメチルセルロースナトリウム、またはこれら混合物のいずれかが挙げられる。潤滑剤として、これらに限らないが、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、シリカ、またはこれら混合物のいずれかが挙げられる。懸濁剤として、これらに限らないが、ポリビニルピロリドン、微結晶性セルロース、ショ糖、寒天、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはこれら混合物のいずれかが挙げられる。結合剤として、これらに限らないが、デンプンスラリー、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはこれら混合物のいずれかが挙げられる。甘味剤として、これらに限らないが、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ショ糖、ナトリウムシクラメート、グリチルレチン酸、またはこれら混合物のいずれかが挙げられる。香味剤として、これらに限らないが、甘味剤および様々なエッセンス、またはこれら混合物のいずれかが挙げられる。保存剤として、これらに限らないが、パラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびその塩、ベンザルコニウム臭化物、酢酸クロルヘキシジン、ユーカリ油、またはこれら混合物のいずれかが挙げられる。マトリックスとして、これらに限らないが、PEG6000、PEG4000、昆虫ろう、またはこれら混合物のいずれかが挙げられる。伝統的漢方医学の調剤学に従い、上に記載の剤形を調製するために、薬学的に許容される他の補助物質(例えば、Pharmaceutics of Chinese Medicine、Fan Biting(編集者)、1997年、Shanghai Scientific & Technical Publishersに記載の様々な剤形のための補助物質)をこれら剤形を調製する際にさらに添加することができる。
【0022】
好ましい実施形態として、以下の方法を用いて本発明の医薬組成物を調製する:
(1)浙貝母を処方に記載の割合に従って秤量し、後で使用するためにこれを微細な粉末へと微粉砕するステップ、
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方に記載の割合に従って秤量し、これを40〜70%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の8〜10倍にし、2回目は6〜9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1〜4時間に渡り、還流下で抽出を行い、抽出物をプールし、混合溶液を濾過し、濾液から減圧下でエタノールを回収し、同時に濃縮することによって、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)を得るステップ、
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方に記載の割合に従って秤量し、これを水で2回、1回目は添加した水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の9〜11倍にし、2回目は7〜9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1〜4時間に渡り煮出し、次いで、煎じ汁をプールし、混合溶液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮することによって、透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)を得て、後で使用するために透明ペーストをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせるステップ、
(4)ステップ(3)で得た合わせた透明ペーストをスプレー乾燥し、後で使用するために噴霧粉末を収集するステップ、
(5)錠剤用に物質を以下の通り(質量部で)提供するステップ:
ステップ(4)で得た噴霧粉末 200〜355;
ステップ(1)で得た微粉末 54〜145;
カルボキシメチルデンプンナトリウム 10〜15.5;
微結晶性セルロース 7〜12;
ステアリン酸マグネシウム 1.5〜3.5;
デンプン 適量、
(6)従来の製剤方法に従って錠剤にするステップ。
【0023】
さらに好ましい実施形態として、本発明の医薬組成物を以下の方法で調製する:
(1)浙貝母を処方に記載の割合に従って秤量し、後で使用するためにこれを微細な粉末へと微粉砕するステップ、
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方に記載の割合に従って秤量し、これを50%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の10倍にし、2回目は6倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ3時間に渡り、還流下で抽出を行い、抽出物をプールし、混合溶液を濾過し、濾液から減圧下でエタノールを回収し、同時に濃縮することによって、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.15)を得るステップ、
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方に記載の割合に従って秤量し、これを水で2回、1回目は添加した水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の10倍にし、2回目は7倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ2時間に渡り煮出し、次いで、煎じ汁をプールし、混合溶液を濾過し、濾液を減圧下で濃縮することによって、透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.15)を得て、後で使用するために透明ペーストをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせるステップ、
(4)ステップ(3)で得た合わせた透明ペーストをスプレー乾燥し、後で使用するために噴霧粉末を収集するステップ、
(5)錠剤用に物質を以下の通り(質量部で)提供するステップ:
ステップ(4)で得た噴霧粉末 282.6;
ステップ(1)で得た微粉末 101;
カルボキシメチルデンプンナトリウム 12.5;
微結晶性セルロース 9.0;
ステアリン酸マグネシウム 2.25;
デンプン 適量、
(6)従来の製剤方法に従って錠剤にするステップ。
【0024】
本発明の医薬組成物は、伝統的漢方医学からの併存疾患理論に基づき、これを気管支炎の原因および病因についての現代の医学的調査、ならびに構成する薬草の分析および臨床診療についての現代の薬理学的研究の結果と組み合わせることで達成された。この医薬組成物は、肺の熱を除去し、痰を消滅させ、咳を止める効果があり、気管支炎を治療することにおいて優れた効力を発揮し、特に急性気管気管支炎を治療することにおいて優良な効力を発揮する。
本発明の薬物が、咳を止め、痰を消散し、喘息を緩和し、熱を緩和し、炎症を食い止める効果を有し、特に急性気管気管支炎を治療する優良な効力を示すことが実験的に示された。さらに、本発明の薬物は、副作用を起こさず、安全であることが実験的に示された。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、以下の例および試験例によりさらに例示されることになるが、これらは本発明の範囲を限定することを決して意図していない。
【0026】
(例1)
本発明の薬物の錠剤の調製方法(仮の名称:Lian Hua Ji Zhi錠剤)
処方:
【0027】
【表7】

調製方法:
(1)浙貝母を処方の質量に従って秤量し、後で使用するために微細な粉末へと微粉砕した。
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方の質量に従って秤量し、60%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の9倍にし、2回目は8倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ2時間に渡り、還流下で抽出を行った。抽出物をプールし、濾過した。濾液は減圧下でエタノールの回収を施し、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮した。
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方の質量に従って秤量し、水で2回、1回目は水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の10倍にし、2回目は7倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ2時間に渡り煮出した。次いで、煎じ汁をプールし、濾過し、濾液を減圧下で透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.15)へと濃縮し、後で使用するためにこれをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせた。
(4)ステップ(3)で得た合わせた透明ペーストをスプレー乾燥し、後で使用するために噴霧粉末を収集した。
(5)錠剤に使用する原料は、以下の薬効物質(質量部)からなる:
ステップ(4)で得た噴霧粉末 285.5;
ステップ(1)で得た粗製の医薬粉末 105.4;
カルボキシメチルデンプンナトリウム 12.5;
微結晶性セルロース 8.5;
ステアリン酸マグネシウム 2.45;
デンプン 適量。
(6)従来の製剤方法に従って、錠剤を調製した。
【0028】
(例2)
本発明の薬物のカプセル剤の調製方法
処方:
【0029】
【表8】

【0030】
調製方法:
(1)浙貝母を処方の質量に従って秤量し、後で使用するために微細な粉末へと微粉砕した。
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方の質量に従って秤量し、50%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の8倍にし、2回目は6倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ2時間に渡り、還流下で抽出を行った。抽出物をプールし、濾過した。濾液は減圧下でエタノールの回収を施し、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮した。
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方の質量に従って秤量し、水で2回、1回目は水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の9倍にし、2回目は7倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ2時間に渡り煮出した。次いで、煎じ汁をプールし、濾過し、濾液を減圧下で透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14)へと濃縮し、後で使用するためにこれをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせた。
(4)従来の製剤方法に従って、カプセル剤を調製した。
【0031】
(例3)
本発明の薬物の散剤の調製方法
処方:
【0032】
【表9】

調製方法:
(1)浙貝母を処方の質量に従って秤量し、後で使用するために微細な粉末へと微粉砕した。
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方の質量に従って秤量し、50%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の8倍にし、2回目は7倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ2時間に渡り、還流下で抽出を行った。抽出物をプールし、濾過した。濾液は減圧下でエタノールの回収を施し、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮した。
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方の質量に従って秤量し、水で2回、1回目は添加した水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の9倍にし、2回目は8倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ2時間に渡り煮出した。次いで、煎じ汁をプールし、濾過し、濾液を減圧下で透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14)へと濃縮し、後で使用するためにこれをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせた。
(4)従来の製剤方法に従って、散剤を調製した。
【0033】
(例4)
本発明の薬物の経口用液剤の調製方法
処方:
【0034】
【表10】

調製方法:
(1)浙貝母を処方の質量に従って秤量し、後で使用するために微細な粉末へと微粉砕した。
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方の質量に従って秤量し、40%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の8倍にし、2回目は6倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1時間に渡り、還流下で抽出を行った。抽出物をプールし、濾過した。濾液は減圧下でエタノールの回収を施し、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮した。
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方の質量に従って秤量し、水で2回、1回目は添加した水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の9倍にし、2回目は7倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1時間に渡り煮出した。次いで、煎じ汁をプールし、濾過し、濾液を減圧下で透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮し、後で使用するためにこれをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせた。
ステップ(1)で得た微細な粉末およびステップ(3)で得た合わせた透明ペーストを従来の製剤方法に従って、経口アルコール飲料へと調製した。
【0035】
(例5)
本発明の薬物の軟カプセル剤の調製方法
処方:
【0036】
【表11】

調製方法:
(1)浙貝母を処方の質量に従って秤量し、後で使用するために微細な粉末へと微粉砕した。
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方の質量に従って秤量し、70%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の10倍にし、2回目は9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ4時間に渡り、還流下で抽出を行った。抽出物をプールし、濾過した。濾液は減圧下でエタノールの回収を施し、濾液を後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮した。
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方の質量に従って秤量し、水で2回、1回目は添加した水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の11倍にし、2回目は9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ4時間に渡り煮出した。次いで、煎じ汁をプールし、濾過し、濾液を減圧下で透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮し、後で使用するためにこれをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせた。
【0037】
ステップ(1)で得た微細な粉末およびステップ(3)で得た合わせた透明ペーストを従来の製剤方法に従って、軟カプセル剤へと調製した。
【0038】
(例6)
本発明の薬物の丸剤の調製方法
処方:
【0039】
【表12】

調製方法:
(1)浙貝母を処方の質量に従って秤量し、後で使用するために微細な粉末へと微粉砕した。
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方の質量に従って秤量し、60%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の9倍にし、2回目は8倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ3時間に渡り、還流下で抽出を行った。抽出物をプールし、濾過した。濾液は減圧下でエタノールの回収を施し、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮した。
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方の質量に従って秤量し、水で2回、1回目は添加した水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の10倍にし、2回目は8倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ2.5時間に渡り煮出した。次いで、煎じ汁をプールし、濾過し、濾液を減圧下で透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮し、後で使用するためにこれをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせた。
【0040】
ステップ(1)で得た微細な粉末およびステップ(3)で得た合わせた透明ペーストを従来の製剤方法に従って、丸剤へと調製した。
【0041】
(例7)
本発明の薬物のチンキ剤の調製方法
処方:
【0042】
【表13】

調製方法:
(1)浙貝母を処方の質量に従って秤量し、後で使用するために微細な粉末へと微粉砕した。
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方の質量に従って秤量し、50%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の10倍にし、2回目は9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ3.5時間に渡り、還流下で抽出を行った。抽出物をプールし、濾過した。濾液は減圧下でエタノールの回収を施し、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮した。
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方の質量に従って秤量し、水で2回、1回目は添加した水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の10倍にし、2回目は7倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ3時間に渡り煮出した。次いで、煎じ汁をプールし、濾過し、濾液を減圧下で透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮し、後で使用するためにこれをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせた。
【0043】
ステップ(1)で得た微細な粉末およびステップ(3)で得た合わせた透明ペーストを従来の製剤方法に従って、チンキ剤へと調製した。
【0044】
(例8)
本発明の薬物のシロップ剤の調製方法
処方:
【0045】
【表14】

調製方法:
(1)浙貝母を処方の質量に従って秤量し、後で使用するために微細な粉末へと微粉砕した。
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方の質量に従って秤量し、70%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の8倍にし、2回目は6倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1時間に渡り、還流下で抽出を行った。抽出物をプールし、濾過した。濾液は減圧下でエタノールの回収を施し、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮した。
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方の質量に従って秤量し、水で2回、1回目は添加した水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の11倍にし、2回目は9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1時間に渡り煮出した。次いで、煎じ汁をプールし、濾過し、濾液を減圧下で透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮し、後で使用するためにこれをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせた。
ステップ(1)で得た微細な粉末およびステップ(3)で得た合わせた透明ペーストを従来の製剤方法によって、シロップ剤へと調製した。
【0046】
(例9)
本発明の薬物の坐剤の調製方法
処方:
【0047】
【表15】

【0048】
調製方法:
(1)浙貝母を処方の質量に従って秤量し、後で使用するために微細な粉末へと微粉砕した。
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方の質量に従って秤量し、40%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の10倍にし、2回目は9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ4時間に渡り、還流下で抽出を行った。抽出物をプールし、濾過した。濾液は減圧下でエタノールの回収を施し、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮した。
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方の質量に従って秤量し、水で2回、1回目は添加した水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の11倍にし、2回目は9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1時間に渡り煮出した。次いで、煎じ汁をプールし、濾過し、濾液を減圧下で透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮し、後で使用するためにこれをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせた。
ステップ(1)で得た微細な粉末およびステップ(3)で得た合わせた透明ペーストを従来の製剤方法によって、坐剤へと調製した。
【0049】
(例10)
本発明の薬物のゲル剤の調製方法
処方:
【0050】
【表16】

調製方法:
(1)浙貝母を処方の質量に従って秤量し、後で使用するために微細な粉末へと微粉砕した。
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方の質量に従って秤量し、55%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の7倍にし、2回目は9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ2.5時間に渡り、還流下で抽出を行った。抽出物をプールし、濾過した。濾液は減圧下でエタノールの回収を施し、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮した。
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方の質量に従って秤量し、水で2回、1回目は添加した水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の9倍にし、2回目は7倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ3時間に渡り煮出した。次いで、煎じ汁をプールし、濾過し、濾液を減圧下で透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮し、後で使用するためにこれをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせた。
ステップ(1)で得た微細な粉末およびステップ(3)で得た合わせた透明ペーストを従来の製剤方法によって、ゲル剤へと調製した。
【0051】
(例11)
本発明の薬物のスプレー剤の調製方法
処方:
【0052】
【表17】

【0053】
調製方法:
(1)浙貝母を処方の質量に従って秤量し、後で使用するために微細な粉末へと微粉砕した。
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方の質量に従って秤量し、60%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の9倍にし、2回目は6倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ2.5時間に渡り、還流下で抽出を行った。抽出物をプールし、濾過した。濾液は減圧下でエタノールの回収を施し、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮した。
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方の質量に従って秤量し、水で2回、1回目は添加した水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の9倍にし、2回目は7倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ3時間に渡り煮出した。次いで、煎じ汁をプールし、濾過し、減圧下で透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮し、後で使用するためにこれをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせた。
ステップ(1)で得た微細な粉末およびステップ(3)で得た合わせた透明ペーストを従来の製剤方法によって、スプレー剤へと調製した。
【0054】
(例12)
本発明の薬物の注射剤の調製方法
処方:
【0055】
【表18】

【0056】
調製方法:
(1)浙貝母を処方の質量に従って秤量し、後で使用するために微細な粉末へと微粉砕した。
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方の質量に従って秤量し、60%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の9倍にし、2回目は6倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ3時間に渡り、還流下で抽出を行った。抽出物をプールし、濾過した。濾液は減圧下でエタノールの回収を施し、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮した。
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方の質量に従って秤量し、水で2回、1回目は添加した水量を薬効物質の質量v/w(ml/g)の9倍にし、2回目は7倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1時間に渡り煮出した。次いで、煎じ汁をプールし、濾過し、減圧下で透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)へと濃縮し、後で使用するためにこれをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせた。
ステップ(1)で得た微細な粉末およびステップ(3)で得た合わせた透明ペーストを従来の製剤方法によって、注射剤へと調製した。
【0057】
以下の薬理学的および毒物学的実験の試験例において投与した本発明のすべての医薬組成物(本明細書中でこれより以下「本発明の薬物」と呼ぶ)は、例1に記載の手順により調製した。
【0058】
試験例1 本発明の薬物の咳止め効果についての実験
1.クエン酸誘発性の咳を有するモルモットに対する本発明の薬物の咳止め効果
1.1.実験材料
1.1.1.薬物:
(1)本発明の薬物、生薬10.4g/g(すなわち1gの薬物を10.4gの生薬から生成)、Shijiazhuang Yiling Pharmaceutical Co.、Ltd.より提供、ロット番号:060401、この実験のため必要な濃度へと蒸留水を用いて調製。
(2)クロペラスチン塩酸塩錠剤(TABELLAE CLOPERASTINI HYDROCHLORIDI)、10mg/錠剤、Beijing Shuguang Pharmaceutical Co.、Ltd.製造、ロット番号:060619。
(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料、200ml/ボトル、Fuling Pharmaceutical Factory、Taiji Group製造、認可番号:SFDA認可No.Z50020615、製造期日:2006年11月13日、製品ロット番号:0611034010。
1.1.2.動物:
純血種のグレードIモルモット60匹、平均体重238.57±12.14gのオスとメスで均等に構成、Beijing Keyu Animal Breeding Centerにより提供、ライセンス数:SCXK(Jing)2002−0005。
1.1.3.試薬:
クエン酸、Beijing Chemical Plant製造、ロット番号:960904。
1.1.4装置:
空気ポンプ;4L円錐形ガラス容器;およびガラススパージャー。
【0059】
1.2.実験方法
実験前、モルモットを密閉した4L円錐形の容器内に個々に配置し、ガラススパージャーを介して、17.5%クエン酸を400mmHgの圧力で1分間スプレーした。5分間に記録された咳の数に従いモルモットをスクリーニングした。咳の数が10未満のモルモットをはじき、条件を満たしたモルモットを実験用に確保した。
【0060】
オスとメスで均等に構成される60匹のスクリーニングされた、条件を満たしたモルモットを以下の6つのグループにランダムに振り分けた:(1)生理的食塩水(5ml/kg)を投与するブランクグループ;(2)クロペラスチン塩酸塩錠剤グループ(CHTグループ、7mg/kg);(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料グループ(JSOLグループ、9ml/kg);(4)本発明の薬物の高用量グループ(H−用量グループ、生薬6g/kg);(5)本発明の薬物の中間用量グループ(M−用量グループ、生薬3g/kg);(6)本発明の薬物の低用量グループ(L−用量グループ、生薬1.5g/kg)。各動物には、3日連続して、q.d.で、胃内投与した。最終投与から30分後モルモットを密閉した4L円錐形の容器内に個々に配置し、ガラススパージャーを介して、17.5%のクエン酸を600mmHgの圧力で1分間スプレーした。モルモットを観測して、咳の潜伏期および5分間の咳の数を記録した。グループ間の比較をt−試験により実施した。
1.3.試験結果
実験結果は、本発明の薬物の高用量、中間用量、および低用量は、咳の潜伏期を有意に長引かせ、咳の数を減少させることができ、ブランクグループと比較して有意な差を示している(P<0.05、P<0.01)。
【0061】
【表19】

注:ブランクグループと比較して、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001。
【0062】
1.4.総括
上の結果は、本発明の薬物が、潜伏期を有意に長引かせ、モルモットにおけるクエン酸に誘発された咳の咳数を減少させる効果があることを示している(P<0.05、P<0.01)。
【0063】
2.アンモニア水誘発性の咳を有するマウスに対する本発明の薬物の咳止め効果
2.1.実験材料
2.1.1.薬物:
(1)本発明の薬物、生薬10.4g/g、Shijiazhuang Yiling Pharmaceutical Co.、Ltd.より提供、ロット番号:060401、この実験のため必要な濃度へと蒸留水を用いて調製。
(2)クロペラスチン塩酸塩錠剤、10mg/錠剤、Beijing Shuguang Pharmaceutical Co.、Ltd.製造、ロット番号:060619。
(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料、200ml/ボトル、Fuling Pharmaceutical Factory、Taiji Group製造、認可番号:SFDA認可No.Z50020615、製造期日:2006年11月13日、製品ロット番号:0611034010。
2.1.2.動物:
グレードII、Kunmingマウス、60匹、平均値体重19.92±0.79gのオスとメスから均等に構成、Institute of laboratory Animal Science、Chinese Academy of Medical Sciencesより提供、ライセンス番号:SCXK(Jing)2000−0006。
【0064】
2.1.3.試薬:(1)アンモニア水、Beijing Century Red Star Chemical Co.、Ltd.製造、ロット番号:20060310。
【0065】
2.2.実験方法
60匹の健常なマウスを以下の6つのグループにランダムに振り分けた:(1)生理的食塩水(25ml/kg)を投与するブランクグループ;(2)クロペラスチン塩酸塩錠剤グループ(CHTグループ、12mg/kg);(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料グループ(JSOLグループ、16ml/kg);(4)本発明の薬物の高用量グループ(H−用量グループ、生薬12g/kg);(5)本発明の薬物の中間用量グループ(M−用量グループ、生薬6g/kg);(6)本発明の薬物の低用量グループ(L−用量グループ、生薬3g/kg)。各マウスには、3日連続して、q.d.で胃内投与を施した。最終投与から30分後、各マウスを内側に止血栓のついた500mlビーカーの中に入れた。アンモニア水0.2mlを1mlシリンジに吸い込み、止血栓に注入した。次いで、このビーカーを急速に反転させた。マウスを観測して咳の潜伏期および3分間の咳の数を記録した。グループ間の比較をt−試験により実施した。
2.3.試験結果
マウスにおいてアンモニア水により誘発した咳に対して、本発明の薬物の高用量、中間用量および低用量は、咳の潜伏期を有意に長引かせ、咳の数を減少させることができ、ブランクグループと比較して有意な差を示している(P<0.05〜P<0.01)ことが表2からわかる。
【0066】
【表20】

注:ブランクグループと比較して、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001。
【0067】
2.4.総括:
上の結果は、本発明の薬物が、マウスにおいて、アンモニア水誘発性の咳の咳潜伏期を有意に長引かせ、咳の数を減少する(P<0.05、P<0.01、P<0.001)効果を有することを示している。
【0068】
3.結論:
上に記載の2つの実験研究は、本発明の薬物には、咳を止める効果があることを示唆している。
【0069】
試験例2 本発明の薬物の痰の消散効果についての実験
1.キャピラリーで収集したラットにおける痰の排泄量に対する本発明の薬物の効果
1.1.実験材料
1.1.1.薬物:
(1)本発明の薬物、生薬10.4g/g、Shijiazhuang Yiling Pharmaceutical Co.、Ltd.より提供、ロット番号:060401、この実験のため必要な濃度へと蒸留水を用いて調製。
(2)Mucosolvan、30mg/錠剤、Boehringer Ingelheim Int.Ltd.Germanの製品、Shanghai Sine Pharmaceutical Co.Ltd.より販売、ロット番号:205325、流通ロット番号:030307。
(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料、200ml/ボトル、Fuling Pharmaceutical Factory、Taiji Group製造、認可番号:SFDA認可No.Z50020615、製造期日:2006年11月13日、製品ロット番号:0611034010。
1.1.2.動物:
SPF SDラット60匹、平均体重162.70±8.25gのオスとメスで均等に構成、Vital River Laboratory Animal Technology Co.、Ltd.Beijingより提供、ライセンス番号:SCXK(Jing)2002−0003。
【0070】
1.2実験方法
60匹の健常なラットを以下の6つのグループにランダムに振り分けた:(1)生理的食塩水(10ml/kg)を投与するブランクグループ;(2)Mucsolvanグループ(11mg/kg);(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料グループ(JSOLグループ、11ml/kg);(4)本発明の薬物の高用量グループ(H−用量グループ、生薬8g/kg);(5)本発明の薬物の中間用量グループ(M−用量グループ、生薬4g/kg);(6)本発明の薬物の低用量グループ(L−用量グループ、生薬2g/kg)。各ラットは、3.5%抱水クロラール(10ml/kg)を腹腔内から入れて麻酔にかけ、水平に仰向けに寝かせ、固定した。頸部の皮膚に切り込みを入れ、気管を分離した。2つの軟骨の間の甲状腺の下縁の中央部位に、シリンジニードルを用いて、開口部の穴を開けた。ガラスキャピラリーが気管の内壁にちょうど接触するように、開口部を介してガラスキャピラリーを挿入した。ガラスキャピラリーが痰で一杯になった時点で、すぐに別のものと取り換えた。キャピラリーの痰の量を投与から1時間前に測定した。1時間後、十二指腸に薬物を動物に投与した(ブランク対照グループの動物には当量の生理的食塩水を投与した)。投与後1または2時間の間、毎時分泌される痰の平均量を観測した。投与から1時間前の痰の平均分泌量を正常値として用いて、グループ間の比較をt−試験により実施した。
【0071】
1.3.試験結果
本発明の薬物の高用量、中間用量、および低用量は、呼吸器の分泌を有意に増加させ、痰の排出を強化することができ、ブランクグループと比較して有意な差を示す(P<0.05、P<0.01、P<0.001)ことが表3からわかる。
【0072】
【表21】

注:ブランクグループと比較して、*P<0.05、***P<0.001;
ブランクグループと比較して、*△P<0.0015;△△P<0.01;△△△P<0.001;
自己比較により、##P<0.01、###P<0.001。
【0073】
1.4.総括
上に記載の結果は、本発明の薬物は、排泄された痰の量を増加させる効果があることを示唆している(P<0.05、P<0.01、P<0.001)。
【0074】
2.マウスにおいて、フェノールレッドで測定した痰の消散に対する本発明の薬物の効果
2.1.実験材料
2.1.1.薬物:
(1)本発明の薬物、生薬10.4g/g、Shijiazhuang Yiling Pharmaceutical Co.Ltd.、より提供、ロット番号:060401、この実験のため必要な濃度へと蒸留水を用いて調製。
(2)Mucosolvan、30mg/錠剤、Boehringer Ingelheim Int.Ltd.Germanの製品、Shanghai Sine Pharmaceutical Co.Ltd.より販売、ロット番号:205325、流通ロット番号:030307。
(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料、200ml/ボトル、Fuling Pharmaceutical Factory、Taiji Group製造、認可番号:SFDA認可No.Z50020615、製造期日:2006年11月13日、製品ロット番号:0611034010。
【0075】
2.1.2.試薬:
フェノールレッド(指示薬)、Beijing Chemical Plant製、ロット番号:770517。
2.1.3.動物:
グレードIIのICRマウス60匹、平均体重19.30±1.15gのオスとメスで均等に構成、Vital River Laboratory Animal Technology Co.、Ltd.、Beijingより提供、ライセンス番号:SCXK(Jing)2002−0003。
2.2.実験方法
60匹の健常なマウスを以下の6つのグループにランダムに振り分けた:(1)生理的食塩水(25ml/kg)を投与するブランクグループ;(2)Mucosolvanグループ(16mg/kg);(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料グループ(JSOLグループ、16ml/kg);(4)本発明の薬物の高用量グループ(H−用量グループ、生薬12g/kg);(5)本発明の薬物の中間用量グループ(M−用量グループ、生薬6g/kg);(6)本発明の薬物の低用量グループ(L−用量グループ、生薬3g/kg)。各マウスには、3日連続してq.d.で胃内投与し、実験前に絶食させたが、水は自由に飲ませた。最終投与の後、5%フェノールレッド生理的食塩水の溶液500mg/kgをマウスに注射した。30分後、マウスを屠殺し、背側の位置で固定した。頸部の皮膚の中央に切り込みを入れ、気管を分離した。分離した気管上に極めて小さな開口を切り込み、開口を介して、7ゲージの鈍角シリンジニードルを気管内へ約0.3cm挿入し、次いで絹縫合糸で堅く結合した。1mlシリンジに吸い取った生理的食塩水0.5mlで、気道を繰り返し洗浄し、フラッシュ液を試験チューブに吸引した。これらの上の前記ステップを3回反復した。0.1mlの1mol/LNaOHをチューブ内のフラッシュ液に添加し、液体を塩基性にした。フラッシュ液の光学密度(OD)値をUV−可視分光光度計UV−120−02で、波長546nmにおいて測定し、フラッシュ液中のフェノールレッドのレベル(μg/ml)をフェノールレッド検量線に基づいて計算した。グループ間の比較をt−試験により実施した。
【0076】
2.3.試験結果
本発明の薬物の高用量および中間用量の両方が、マウスにおいて、呼吸器の粘膜により排泄されるフェノールレッドの量を有意に増加させる効果があり、ブランクグループと比較して有意な差を示すことを表3の結果が示している。これらの結果は、本発明の薬物が痰を消散する明らかな効果を有することを示唆している(P<0.05、P<0.001)。
【0077】
【表22】

注:対照グループと比較して、*P<0.05、***P<0.001。
【0078】
2.4.総括
上に記載の結果は、本発明の薬物の高用量および中間用量は、マウスの呼吸器を介して排泄されるフェノールレッドの量を増加させる効果があり、したがってマウスに対して有意な痰消散効果を発揮することを示唆している(P<0.05、P<0.001)。
【0079】
3結論:
上に記載の2つの実験研究は、本発明の薬物は、痰を消散する効果があることを示唆している。
【0080】
試験例3 本発明の薬物の、喘鳴のする喘息緩和効果についての実験
1.モルモットにおけるヒスタミン誘発性喘息に対する本発明の薬物の、喘鳴のする喘息を緩和する効果
1.1.実験材料
1.1.1.薬物:
(1)本発明の薬物、生薬10.4g/g、Shijiazhuang Yiling Pharmaceutical Co.Ltd.より提供、ロット番号:060401、この実験のため必要な濃度へと蒸留水を用いて調製。
(2)アミノフィリン、0.1g/錠剤、Beijing Zizhu Pharmaceutical Co.、Ltd製、ロット番号:20061202。
(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料、200ml/ボトル、Fuling Pharmaceutical Factory、Taiji Group製造、認可番号:SFDA認可No.Z50020615、製造期日:2006年11月13日、製品ロット番号:0611034010。
1.1.2.動物:
グレードIの白色の純血種モルモット60匹、平均体重181.97±15.85gのオスとメスで均等に構成、Beijing Keyu Animal Breeding Centerより提供、ライセンス番号:SCXK(Jing)2002−0005。
1.1.3.試薬:
(1)アセチルコリンクロリド、1g/ボトル、Beijing Chemical Reagents Company製、ロット番号:060211。
(2)リン酸ヒスタミン、5g/ボトル、Shanghai Institutes of Biology、Chinese Academy of Sciences製、製造No.1702。
1.1.4.装置:
喘息誘発装置(空気圧縮機、ガラスネブライザー)、4L円錐形ガラス容器。
【0081】
1.2.実験方法
オスとメスで均等に構成される健常なモルモットに、事前にスクリーニングを行った。モルモットを4L円錐形容器内に個々に配置し、2%アセチルコリンクロリドおよび0.1%リン酸ヒスタミンを同量で混合した液体を用いて、400mmHgの圧力で20秒間スプレーした。スプレー後、6分間の間の喘息痙攣の潜伏期(スプレー中止後、喘息痙攣が起こるまでの時間)について、モルモットを観測した。120秒を上回る喘息痙攣の潜伏期を示すモルモットは選択しない。
【0082】
スクリーニングした60匹のモルモットを以下の6つのグループにランダムに振り分けた:(1)生理的食塩水(5ml/kg)を投与する対照モデルグループ;(2)アミノフィリングループ(0.05g/kg);(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料グループ(JSOLグループ、9ml/kg);(4)本発明の薬物の高用量グループ(H−用量グループ、生薬6g/kg);(5)本発明の薬物の中間用量グループ(M−用量グループ、生薬3g/kg);(6)本発明の薬物の低用量グループ(L−用量グループ、生薬1.5g/kg)。動物には、3日連続して、q.d.で胃内投与し、最終投与から30分後、喘息誘発実験を行った。モルモットを4L円錐形のガラス容器内に個々に配置し、2%アセチルコリンクロリドおよび0.1%リン酸ヒスタミンを同量で混合した液体を400mmHgの圧力で20秒間スプレーした。次いで、6分間の間、喘息痙攣の潜伏期(喘息を誘発する潜伏期としても既知)、すなわち喘息の痙攣が起こるまでの時間、およびスプレー中止後、モルモットが倒れるまでの時間についてモルモットを観測した。6分より長く持続する潜伏期は360秒としてカウントした。実験の結果は、t−試験によりグループ間で比較した。
1.3.試験結果
【0083】
【表23】

注:対照モデルグループと比較して、*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
本発明の薬物の高用量および中間用量は、対照グループと比較して、喘息潜伏期を有意に長引かせ、倒れるまでの時間を引き延ばす効果があり(P<0.05、P<0.01)、低用量は、対照グループと比較して、潜伏期をいくらか延期し、倒れるまでの時間引き延ばすことができるが、有意な差はないことが表5からわかる。
【0084】
1.4.総括
実験の結果は、本発明の薬物の高用量および中間用量には、喘息潜伏期を有意に延期し、倒れるまでの時間を引き延ばす効果があり、したがってモルモットにおけるヒスタミン誘発性喘息を有意に改善することを示している(P<0.05、P<0.01)。
【0085】
2.モルモットにおけるアレルギー性気管支れん縮に対する本発明の薬物の効果
2.1.実験材料
2.1.1.薬物:
(1)本発明の薬物、生薬10.4g/g、Shijiazhuang Yiling Pharmaceutical Co.Ltd.より提供、ロット番号:060401、この実験のため必要な濃度へと蒸留水を用いて調製。
(2)アミノフィリン、0.1g/錠剤、Beijing Zizhu Pharmaceutical Co.、Ltdの製品、ロット番号:20061202。
(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料、200ml/ボトル、Fuling Pharmaceutical Factory、Taiji Group製造、認可番号:SFDA認可No.Z50020615、製造期日:2006年11月13日、製品ロット番号:0611034010。
2.1.2.動物:
グレードIの白色の純血種モルモット60匹、平均体重188.15±16.07gのオスとメスで均等に構成、Beijing Keyu Animal Breeding Centerより提供、ライセンス番号:SCXK(Jing)2002−0005。
【0086】
2.1.3.抗原:
オボアルブミン、50g/ボトル、Sigma製、Cat:A5253、Beijing Hui Ze Ao Technology and Trade Co.、Ltd.より販売。
2.1.4.試薬:
百日咳ワクチン、300億単位/ml、2ml/アンプル、National Institute For Control of Pharmaceutical and Biological Products製、ロット番号:04−1。
2.1.5.装置:
喘息誘発装置、(空気圧縮機、ガラスネブライザー)、4L円錐形ガラス容器。
【0087】
2.2.実験方法
モルモットの感作:60匹の健常な白色モルモットを選択し、これらそれぞれに対して、オボアルブミン4mg(4%オボアルブミンの生理的食塩水0.1ml)を後肢に筋肉内注射し、同時に、2×1010細菌の百日咳ワクチンを腹腔内注射した。14日間の感作後、注射した動物を実験に使用した。
【0088】
感作から10日目、1グループに動物10匹として、動物を以下の6つのグループにランダムに振り分け:(1)生理的食塩水(5ml/kg)を投与する対照グループ;(2)アミノフィリングループ(0.05g/kg);(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料グループ(JSOLグループ、9ml/kg);(4)本発明の薬物の高用量グループ(H−用量グループ、生薬6g/kg);(5)本発明の薬物の中間用量グループ(M−用量グループ、生薬3g/kg);(6)本発明の薬物の低用量グループ(L−用量グループ、生薬1.5g/kg)、連続して5日間q.d.で胃内投与した。最終投与から30分後、モルモットを密閉した4L円錐形容器内に個々に入れ、400mmHgの一定圧力で30秒間5%オボアルブミン溶液をスプレーした。喘息痙攣の潜伏期を記録するためにモルモットを観測し、6分間の間、喘息、痙攣による卒倒ならびに死亡が生じたように見える動物の数を記録した。6分間の間に、喘息、痙攣による卒倒を示さない動物については、その潜伏期を360秒としてカウントした。実験の結果をt−試験によりグループ間で比較した。死亡した動物の数をChi−squareX2−試験で統計的に試験した。
2.3.試験結果
【0089】
【表24】

注:対照グループと比較して*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
本発明の薬物の高用量および中間用量は、アレルギー性気管支のれん縮の潜伏期を有意に長引かせ、喘息および痙攣による卒倒の発生を引き延ばし、死亡する動物の数を減少させることができ、対照グループと比較して有意な差を示し(P<0.05、P<0.01)、低用量は、対照グループと比較して、アレルギー性気管支のれん縮の潜伏期をいくらか長引かせ、喘息および痙攣による卒倒の発生を引き延ばすことができるが、有意な差は示していないことが表6の結果からわかる。
【0090】
2.4.総括
実験の結果は、本発明の薬物の高用量および中間用量には、喘息潜伏期を長引かせ、喘息および痙攣による卒倒の発生を引き延ばし、死亡する動物の数を減少させる効果があり、したがってオボアルブミン誘発性アレルギー性気管支れん縮を有意に改善することを示している(P<0.05、P<0.01)。
【0091】
3.結論:
上に記載の2つの実験の研究は、本発明の薬物には、喘息を緩和する効果があることを示唆している。
【0092】
試験例4 本発明の薬物の下熱効果についての実験
1.ウサギにおける大腸菌内毒素誘発性の発熱に対する本発明の薬物の効果
1.1.実験材料
1.1.1.薬物:
(1)本発明の薬物、生薬10.4g/g、Shijiazhuang Yiling Pharmaceutical Co.Ltd.より提供、ロット番号:060401、この実験のため必要な濃度へと蒸留水を用いて調製。
(2)アスピリン腸溶性錠剤、0.3g/錠剤、Yantai Justaware Pharmaceutical Co.、Ltd.(Yantai Second Pharmaceutical Factory)製造、ロット番号:061102。
(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料、200ml/ボトル、Fuling Pharmaceutical Factory、Taiji Group製造、認可番号:SFDA認可No.Z50020615、製造期日:2006年11月13日、製品ロット番号:0611034010。
【0093】
1.1.2.発熱物質:
大腸菌内毒素、500μg/アンプル、Institute of Biological products、Ministry of Health of the People’s Republic of China製、ロット番号:891−2。
【0094】
2.1.3.動物:
白色のニホンウサギ48匹、平均体重2.10±0.08kgのオスとメスで均等に構成、Tongli Laboratory Animal Farm、Xueyuan Road、Haidian District、Beijingより提供;適格証明書番号:ライセンス番号SCK(Jing)2002−0008。
【0095】
1.2.実験方法
白色のニホンウサギは、1グループに動物8匹として、オスとメスで均等に構成される以下の6つのグループに振り分けた:(1)生理的食塩水(3ml/kg)投与する対照モデルグループ;(2)アスピリングループ(100mg/kg);(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料グループ(JSOLグループ、6ml/kg);(4)本発明の薬物の高用量グループ(H−用量グループ、生薬4g/kg);(5)本発明の薬物の中間用量グループ(M−用量グループ、生薬2g/kg);(6)本発明の薬物の低用量グループ(L−用量グループ、生薬1g/kg)。各ウサギは、大腸菌内毒素で発熱を誘発し、直腸の温度を日に2回実験の直前に測定した。平均温度を投与前の体温として使用した。翌日、ウサギに、3日連続して、q.d.で胃内投与した(対照モデルグループの動物は、同量の生理的食塩水を胃内投与し、アスピリングループの動物は、内毒素を注射する前に一度胃内投与した)。最終投与から30分後、投与グループの動物に、周縁の耳静脈を介して、大腸菌内毒素250ng/ml/kgを注射し、注射から1、2、3、4、5、および6時間後体温を測定し、それぞれの時間点(Δ℃)での体温の変化を計算した。グループ間の比較をt−試験により実施した。
1.3.試験結果(表7を参照)
【0096】
【表25】

注:対照グループと比較して、*P<0.05、**P<0.01。
自己比較により、#P<0.05;##P<0.01;###P<0.001。
【0097】
対照モデルグループの動物の体温は、発熱現象後1時間で上昇し始め、発熱現象後4時間でピークに到達し、発熱現象後6時間で徐々に低下したことが表7の結果からわかる。アスピリングループの下熱は明らかであり、発熱現象後1〜6時間の間、対照モデルグループと比較して有意な差があった(P<0.01〜P<0.001)。高用量グループの下熱は、発熱現象後1〜6時間で明らかであり、発熱現象後2〜3時間ではさらにより明らかであり、対照モデルグループと比較して有意な差がある(P<0.05〜P<0.01)。中間用量グループの下熱は、対照モデルグループと比較して、発熱現象後1〜4時間において有意な差があった(P<0.05〜P<0.01)。低用量グループの下熱は、明らかではなかった。
【0098】
1.4.総括
本発明の薬物の高用量および中間用量は、大腸菌内毒素誘発性の発熱のウサギモデルにおいて明らかな熱緩和効果を発揮している。
【0099】
2.ラットにおけるイースト誘発性の発熱に対する本発明の薬物の効果
2.1.実験材料
2.1.1.薬物:
(1)本発明の薬物、生薬10.4g/g、Shijiazhuang Yiling Pharmaceutical Co.Ltd.より提供、ロット番号:060401、この実験のため必要な濃度へと蒸留水を用いて調製。
(2)アスピリン腸溶性錠剤、0.3g/錠剤、Yantai JUSTAWARE Pharmaceutical Co.、Ltd.製造(Yantai the Second Pharmaceutical Factory)、ロット番号:061102。
(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料、200ml/ボトル、Fuling Pharmaceutical Factory、Taiji Group製造、認可番号:SFDA認可No.Z50020615、製造期日:2006年11月13日、製品ロット番号:0611034010。
【0100】
2.1.2.発熱物質:
乾燥イースト錠剤、0.2g/錠剤、Zhanjiang Wuzhou Pharmaceutcal Ltd.製造(Zhuxi Count Pharmaceutical Factory、Guangdong Provinceとしてこれまでに知られている)、ロット番号:0611237。
【0101】
2.1.3.動物:
SPF SDラット60匹、平均体重178.27±10.42gのオスとメスで均等に構成、Vital River Laboratory Animal Technology Co.、Ltd.、Beijingより提供、ライセンス番号:SCXK(Jing)2002−0003。
【0102】
2.2.実験方法
動物は、1グループに動物10匹として、オスとメスから均等に構成される以下の6つのグループにランダムに振り分けた。(1)生理的食塩水(10ml/kg)を投与する対照モデルグループ;(2)アスピリングループ(0.15g/kg);(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料グループ(JSOLグループ、11ml/kg);(4)本発明の薬物の高用量グループ(H−用量グループ、生薬8g/kg);(5)本発明の薬物の中間用量グループ(M−用量グループ、生薬4g/kg);(6)本発明の薬物の低用量グループ(L−用量グループ、生薬2g/kg)。実験の直前、日に2回ラットの直腸の温度を測定した。平均温度を投与前の体温として使用した。その翌日、各動物に、3日連続して、q.d.で胃内投与した(対照モデルグループの動物には同量の生理的食塩水を胃内投与した)。投与グループのラットに、最終投与から30分後、15%イースト(10ml/kg)懸濁液を皮下注射し、アスピリンモデルグループのラットには、イースト懸濁液の注射の前に一度胃内投与した。投与グループのラットの体温を注射から2、3、4、5、6、7、8、および9時間後に測定した。投与グループのラットに、再び胃内投与した(上述の用量と同じ用量)。それぞれの時間点での体温の変化(△°C)を計算した。グループ間の比較をt−試験により実施した。
【0103】
2.3.試験結果
対照モデルグループの動物の体温は、発熱現象から2時間後に上昇し始め、発熱現象から5時間後にピークに到達し、発熱現象から6時間後徐々に減少したことが表8からわかる。アスピリングループの下熱は明らかであり、発熱現象から2〜9時間後、対照モデルグループと比較して有意な差があった(P<0.001)。高用量グループの下熱は、発熱現象から2〜9時間後に明らかであり、発熱現象から3〜5時間後はさらにより明らかであり、対照モデルグループと比較して有意な差がある(P<0.05、P<0.01)。中間用量グループの下熱は、発熱現象から2〜5時間後、対照モデルグループと比較して有意な差がある(P<0.05〜P<0.01)。低用量グループの下熱は、明らかではない。実験の結果は、ラットのイースト誘発性発熱において、本発明の薬物の高用量および中間用量が、有意な緩和効果を有することを示している。
【0104】
【表26】

注:対照モデルグループと比較して、*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
自己比較により、#P<0.05;##P<0.01;###P<0.001。
【0105】
2.4.総括
実験において、本発明の薬物の熱緩和効果をイーストによって誘発された発熱ラットモデルにおいて観測した。結果は、本発明の薬物の高用量および中間用量は、ラットにおけるイースト誘発性発熱を有意に減少させることができ、したがってより良い熱緩和効果を発揮することを示唆している(P<0.05、P<0.01)。
【0106】
3.結論:
上に記載の2つの実験研究は、本発明の薬物が、熱緩和効果を有することを示唆している。
【0107】
試験例5:本発明の薬物の抗炎症性効果
1.ラット足底のカラゲナン誘発性腫脹に対する本発明の薬物の効果
1.1.実験材料
1.1.1薬物:
(1)本発明の薬物、生薬10.4g/g、Shijiazhuang Yiling Pharmaceutical Co.Ltd.より提供、ロット番号:060401、この実験のため必要な濃度へと蒸留水を用いて調製。
(2)アスピリン腸溶性錠剤、0.3g/錠剤、Yantai JUSTAWARE Pharmaceutical Co.、Ltd.(Yantai the Second Pharmaceutical Factory)製造、ロット番号:061102。
(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料、200ml/ボトル、Fuling Pharmaceutical Factory、Taiji Group製造、認可番号:SFDA認可No.Z50020615、製造期日:2006年11月13日、製品ロット番号:0611034010。
(4)カラゲナン、SIGMA製、ロット番号:117H0151、この実験のため必要な濃度へと蒸留水を用いて調製。
【0108】
1.1.2.動物:
グレードIのオスのWistarラット60匹、平均体重130.15±5.79g、Institute of laboratory animal science、Chinese Acadamy of Medical Sciencesより提供、ライセンス番号:SCXK(Jing)2000−0006。
【0109】
1.2.実験方法
60匹の健常なラットを以下の6つのグループにランダムに振り分けた:(1)生理的食塩水(10ml/kg)を投与する対照グループ;(2)アスピリングループ(0.15g/kg);(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料グループ(JSOLグループ、11ml/kg);(4)本発明の薬物の高用量グループ(H−用量グループ、生薬8g/kg);(5)本発明の薬物の中間用量グループ(M−用量グループ、生薬4g/kg);(6)本発明の薬物の低用量グループ(L−用量グループ、生薬2g/kg)。各動物の左後ろ足の容積(ml)をキャピラリー増幅方法で測定し、投与前の値として使用した。投与経路として胃内投与を3日連続してq.d.で実施し、その一方で、対照モデルグループには、同量の生理的食塩水を胃内投与した。最終投与から30分後、各ラットには、ラットの左足底に1%カラゲナンを動物1匹につき0.05ml皮下注射することにより炎症を起こした。炎症から0.5、1、2、4、および6時間後において、ラット左後ろの足の容積を測定した。炎症前後の足容積の差について、グループ間での比較をt−試験により実施した。
【0110】
1.3.試験結果
表9に示されている通り、本発明の薬物の高用量は、炎症後の様々な時間点、0.5、1、2、4、および6時間において、ラットの足腫脹を有意に阻害でき、対照グループと比較して有意な差を示す(P<0.01、P<0.001);本発明の薬物の中間用量は、炎症から0.5、1、2、4、および6時間後において、ラットの足腫脹を有意に阻害でき、対照グループと比較して有意な差を示し(P<0.05)、本発明の薬物の低用量は、明らかな腫脹抑制効果を示さない。
【0111】
【表27】



注:対照グループと比較して、*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
自己比較により、###P<0.001。
対照グループと比較して、P<0.0015;△△P<0.01;△△△P<0.001。
1.4.総括
この結果は、本発明の薬物の高用量および中間用量は、ラット足底のカラゲナン誘発性腫脹炎症を有意に阻害できることを示唆している(P<0.05、P<0.01、P<0.001)。
【0112】
2.マウスにおけるキシレン誘発性耳腫脹に対する本発明の薬物の効果
2.1.実験材料
2.1.1.動物:
オスのSPF ICRマウス60匹、平均体重20.35±0.61g、Vital River Laboratory Animal Technology Co.、Ltd.、Beijingより提供、ライセンス番号:SCXK(Jing)2002−0003。
2.1.2.薬物:
(1)本発明の薬物、生薬10.4g/g、Shijiazhuang Yiling Pharmaceutical Co.Ltd.より提供、ロット番号:040401、およびこの実験のため必要な濃度へと蒸留水を用いて調製。
(2)アスピリン腸溶性錠剤、0.3g/錠剤、Yantai Justaware Pharmaceutical Co.、Ltd.(Yantai the Second Pharmaceutical Factory)製造、ロット番号:061102。
(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料、200ml/ボトル、Fuling Pharmaceutical Factory、Taiji Group製造、認可番号:SFDA認可No.Z50020615、製造期日:2006年11月13日、製品ロット番号:0611034010。
【0113】
2.1.3.試薬:
キシレン、A.P.、Beijing Chemical Plant製造、ロット番号:060202。
【0114】
2.2.実験方法
60匹の健常なマウスを、1グループに動物10匹として、以下の6つのグループランダムに振り分けた:(1)生理的食塩水(25ml/kg)を投与する対照モデルグループ;(2)アスピリングループ(0.2g/kg);(3)Jizhiシロップ剤経口アルコール飲料グループ(JSOLグループ、16ml/kg);(4)本発明の薬物の高用量グループ(H−用量グループ、生薬12g/kg);(5)本発明の薬物の中間用量グループ(M−用量グループ、生薬6g/kg);(6)本発明の薬物の低用量グループ(L−用量グループ、生薬3g/kg)。各マウスには、3日連続してq.d.で胃内投与し、3日目、投与から30分間後、キシレン0.1mlをマウスの右耳に滴下した。15分間後、動物を脱臼により屠殺した。右と左の耳介の同じ部位にパンチャーで6mmの穴を開けた。右耳および左耳からの小片をそれぞれ電子てんびんで秤量した。右の小片の質量から左の小片の質量を引き算することによって、各マウスのて耳腫脹の程度を計算した。グループ間の耳腫脹の程度(mg)の比較をt−試験により実施した。
【0115】
2.3.試験結果
表10で示した通り、対照グループのマウスの右耳は、厚さが増加して有意に膨張し、左耳と明らかに異なった。本発明の薬物の高用量および中間用量は、マウスのキシレン誘発性耳炎症を有意に阻害することができ、マウスの右耳の腫脹は、有意に低減し、対照モデルグループと比較して有意な差を示している(P<0.05〜P<0.01)。本発明の薬物の低用量は、腫脹−抑制効果が明らかでなく、対照モデルグループと比較して有意な差を示さない。これら実験の結果は、本発明の薬物の高用量および中間用量は、キシレン誘発性耳腫脹マウスモデルにおいてより良い抗炎症効果を発揮することを示している。
【0116】
【表28】

注:対照グループと比較して、*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
2.4.総括
実験の結果は、本発明の薬物の高用量および中間用量は、キシレン誘発性耳腫脹マウスモデルにおいて有意な抗炎症効果を発揮することを示している(P<0.05、P<0.01)。
【0117】
3 結論:
上に記載の2つの実験研究は、本発明の薬物は、抗炎症効果を有することを示唆している。
【0118】
試験例6:本発明の薬物の毒性についての調査
1.マウスを用いて本発明の薬物の急性毒性実験を実施した。LD50が測定できなかったので、最大用量を測定した。マウスに胃内投与した。実験の結果は、最大用量である生薬280g/kg(これは臨床用量の436倍(臨床用量は、生薬45g/人/日、人の体重は70kgとする))を投与した場合、動物には有害反応および死亡は生じないことを示している。動物は、実験の終わりに解剖されたが、各器官の病理学的な変化は裸眼では観測されなかった。
【0119】
2.120匹のwistarラットを対照グループと、本発明の薬物の試験グループに振り分け、15g、30g、および60g生薬/kgの用量(それぞれ臨床用量の25、50、100倍)を12および24週間連続して胃内投与し、回復させた(すなわち、4週間薬物を使用中止)。実験結果は、12および24週間の投与後および回復期間中、試験グループのラットは、対照グループと比較して、体重、食品摂取量および凝固時間において有意な差がないことを示している。測定した血液学的指標は、12週間の投与後の高用量グループの動物および回復期間中の中間用量グループの動物において、対照グループのと比較して、RBCおよびHGB値が増加したことを示しているが(P<0.05)、RBC値は、正常な範囲内にあり(7.49±0.64)、HGB値は、少数の動物でわずかにより高い値を伴うことがある。24週間の投与後および回復期間中の試験グループの他の血液学的指標のすべては、対照グループ内での比較において有意な差を示さない。12週間の投与、24週間の投与および回復期間中において、試験グループのそれぞれの網状赤血球カウントは、対照グループと比較して、有意な差を示さない。測定した12の血液生化学的指標は、中間用量グループのALTおよびGLU値および12週間の投与後の低用量グループのAST値が、対照グループと比較してわずかに増加しているが(P<0.05)、これらすべてが、正常範囲内にある(43.15±21.84、6.18±2.04、および139.80±40.25、それぞれn=630)ことを示している。24週間の投与後および回復期間(4週間の薬物使用中止)の試験グループの他の血液生化学的指標はすべて、対照グループと比較して、有意な差を示さない。12週間の投与、24週間の投与および回復期間(4週間の薬物使用中止)の各グループにおいて、標準的な鉛II心電図の心電計指標、例えばPR間隔、QRS間隔、QT間隔、T波振幅、心拍などに異常は観測されなかった。解剖における全体の観察により、各グループからの動物の器官に異常な変化は発見されず、器官インデックスにも有意な差はなかった。病理学的検査において、本発明の薬物に起因する明らかな有毒な病理学的変化は器官に発見されなかった。
【0120】
3.結論:
急性毒性試験(最大用量実験)および慢性毒性試験を介して、各試験グループの様々な指標は、対照グループと比較して、有意な差を示していないことが実証された。病理学的検査において、本発明の薬物に起因する明らかな有毒な病理学的変化は器官に発見されなかった。したがって、本発明の薬物には毒性がないことが確認されている。
【0121】
結論として、咳を止めること、痰を消散すること、喘息を緩和すること、抗炎症など様々な観点から、本発明の薬物は、気管支炎に優れた治療上の効力があり、特に急性気管気管支炎に優良な治療上の効力があることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気管支炎の治療のための麻黄含有医薬組成物であって、薬効物質から以下の質量部で生成されることを特徴とする医薬組成物
麻黄 52〜86 石膏 194〜324
連翹 194〜324 黄岑 78〜130
桑白皮 194〜324 苦杏仁 78〜130
前胡 78〜130 半夏 78〜130
陳皮 78〜130 浙貝母 78〜130
牛蒡子 78〜130 金銀花 78〜130
大黄 39〜65 桔梗46〜76 および
甘草39〜65。
【請求項2】
薬効物質から以下の質量部で生成されることを特徴とする、請求項1に記載の気管支炎の治療のための麻黄含有医薬組成物
麻黄 52 石膏 324
連翹 194 黄岑 78
桑白皮 194 苦杏仁 130
前胡 78 半夏 130
陳皮 78 浙貝母 78
牛蒡子 130 金銀花 130
大黄 39 桔梗76 および
甘草 65。
【請求項3】
薬効物質から以下の質量部で生成されることを特徴とする、請求項1に記載の気管支炎の治療のための麻黄含有医薬組成物
麻黄 86 石膏 194
連翹 324 黄岑 130
桑白皮 324 苦杏仁 78
前胡 130 半夏 78
陳皮 130 浙貝母 130
牛蒡子 78 金銀花 78
大黄 65 桔梗46 および
甘草 39。
【請求項4】
薬効物質から以下の質量部で生成されることを特徴とする、請求項1に記載の気管支炎の治療のための麻黄含有医薬組成物
麻黄 69 石膏 259
連翹 259 黄岑 104
桑白皮 259 苦杏仁 104
前胡 104 半夏 104
陳皮 104 浙貝母 104
牛蒡子 104 金銀花 104
大黄 52 桔梗61 および
甘草 52。
【請求項5】
薬効物質から以下の質量部で生成されることを特徴とする、請求項1に記載の気管支炎の治療のための麻黄含有医薬組成物
麻黄 55 石膏 254
連翹 318 黄岑 107
桑白皮 203 苦杏仁 107
前胡 82 半夏 105
陳皮 84 浙貝母 125
牛蒡子 122 金銀花 113
大黄 42 桔梗60 および
甘草 50。
【請求項6】
薬効物質から以下の質量部で生成されることを特徴とする、請求項1に記載の気管支炎の治療のための麻黄含有医薬組成物
麻黄 84 石膏 313
連翹 298 黄岑 98
桑白皮 274 苦杏仁 105
前胡 116 半夏 123
陳皮 95 浙貝母 88
牛蒡子 80 金銀花 99
大黄 63 桔梗55 および
甘草 43。
【請求項7】
前記苦杏仁が炒苦杏仁であり、前記半夏が清半夏であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
以下のステップで調製される医薬組成物であって、
(1)浙貝母を処方に記載の割合に従って秤量し、後で使用するためにこれを微細な粉末へと微粉砕するステップ、
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方に記載の割合に従って秤量し、40〜70%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を前記薬効物質の質量v/w(ml/g)の8〜10倍にし、2回目は6〜9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1〜4時間に渡り還流下で抽出を行い、前記抽出物をプールし、次いで前記混合溶液を濾過し、減圧下で前記濾液からエタノールを回収し、同時に濃縮することによって、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)を得るステップ、
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方に記載の割合に従って秤量し、これを水で2回、1回目は水量を前記薬効物質の質量v/w(ml/g)の9〜11倍にし、2回目は7〜9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1〜4時間に渡り煮出し、次いで、前記煎じ汁をプールし、前記混合溶液を濾過し、前記濾液を減圧下で濃縮することによって、透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)を得て、後で使用するために前記透明ペーストをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせるステップ、
ステップ(1)で得た微細な粉末と、ステップ(3)で得た合わせた透明ペーストが、その活性成分を構成することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
硬カプセル剤、錠剤、散剤、経口用液剤、軟カプセル剤、丸剤、チンキ剤、シロップ剤、坐剤、ゲル剤、スプレー剤または注射剤の形態であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
その錠剤が、以下のステップで調製されることを特徴とする、請求項9に記載の医薬組成物
(1)浙貝母を処方に記載の割合に従って秤量し、後で使用するためにこれを微細な粉末へと微粉砕するステップ、
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方に記載の割合に従って秤量し、これを40〜70%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を前記薬効物質の質量v/w(ml/g)の8〜10倍にし、2回目は6〜9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1〜4時間に渡り、還流下で抽出を行い、前記抽出物をプールし、前記混合溶液を濾過し、前記濾液から減圧下でエタノールを回収し、同時に濃縮することによって、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が相対密度が1.14〜1.16)を得るステップ、
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方に記載の割合に従って秤量し、水で2回、1回目は水量を前記薬効物質の質量v/w(ml/g)の9〜11倍にし、2回目は7〜9倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ1〜4時間に渡り煮出し、次いで、前記煎じ汁をプールし、前記混合溶液を濾過し、前記濾液を減圧下で濃縮することによって、透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.14〜1.16)を得て、後で使用するために前記透明ペーストをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせるステップ、
(4)ステップ(3)で得た合わせた透明ペーストをスプレー乾燥し、後で使用するために前記噴霧粉末を収集するステップ、
(5)錠剤用に物質を以下の通り質量部で提供するステップ:
ステップ(4)で得た噴霧粉末 200〜355;
ステップ(1)で得た微粉末 54〜145;
カルボキシメチルデンプンナトリウム 10〜15.5;
微結晶性セルロース 7〜12;
ステアリン酸マグネシウム 1.5〜3.5;
デンプン 適量、
(6)従来の製剤方法に従って錠剤にするステップ。
【請求項11】
その錠剤が、以下のステップで調製されることを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物
(1)浙貝母を処方に記載の割合に従って秤量し、後で使用するためにこれを微細な粉末へと微粉砕するステップ、
(2)麻黄、連翹、黄岑、苦杏仁、半夏、牛蒡子、および大黄を処方に記載の割合に従って秤量し、50%エタノール溶液で2回、1回目は、エタノール溶液の量を前記薬効物質の質量v/w(ml/g)の10倍にし、2回目は6倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ3時間に渡り、還流下で抽出を行い、前記抽出物をプールし、前記混合溶液を濾過し、前記濾液から減圧下でエタノールを回収し、同時に濃縮することによって、後で使用するために透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.15)を得るステップ、
(3)石膏、桑白皮、前胡、陳皮、金銀花、桔梗、および甘草を処方に記載の割合に従って秤量し、水で2回、1回目は添加した水量を前記薬効物質の質量v/w(ml/g)の10倍にし、2回目は7倍の質量v/w(ml/g)にして、それぞれ2時間に渡り煮出し、次いで、前記煎じ汁をプールし、前記混合溶液を濾過し、前記濾液を減圧下で濃縮することによって、透明ペースト(60℃で熱的に測定した相対密度が1.15)を得て、後で使用するために前記透明ペーストをステップ(2)で得た透明ペーストと合わせるステップ、
(4)ステップ(3)で得た合わせた透明ペーストをスプレー乾燥し、後で使用するために前記噴霧粉末を収集するステップ、
(5)錠剤用に物質を以下の通り質量部で提供するステップ:
ステップ(4)で得た噴霧粉末 282.6;
ステップ(1)で得た微粉末 101;
カルボキシメチルデンプンナトリウム 12.5;
微結晶性セルロース 9.0;
ステアリン酸マグネシウム 2.25;
デンプン 適量、
(6)従来の製剤方法に従って錠剤にするステップ。
【請求項12】
気管支炎が急性気管気管支炎であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の気管支炎の治療のための麻黄含有医薬組成物。

【公表番号】特表2012−531446(P2012−531446A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517994(P2012−517994)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【国際出願番号】PCT/CN2009/072531
【国際公開番号】WO2011/000149
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(512002518)フーベイ イーリン メディシン リサーチ インスティテュート カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】