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気道内投与剤
説明

気道内投与剤

気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して350倍以上となるホスホジエステラーゼ(PDE)−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する気道内投与剤を提供する。また該PDE−IV阻害作用を有する化合物が、例えばベンゾフラン誘導体、1,3−ベンゾジオキソール誘導体などである気道内投与剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、ホスホジエステラーゼ(PDE)−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する気道内投与剤に関する。
【背景技術】
PDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するPDE−IV阻害剤(以下、PDE−IV阻害剤という)は、呼吸器疾患に有用であることが知られており、例えば以下の報告がなされている。
(i)BNラットにおいて、PDE−IV阻害剤は、抗原で誘発された肺への好酸球の浸潤を抑制する[ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラピューティックス(J.Pharmacol.Exp.Ther.)、297巻、280−290ページ(2001年);バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorg.Med.Chem.Lett.)、8巻、3229−3234ページ(1998年);ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Br.J.Pharmacol.)、113巻、1423−1431ページ(1994年)]。
(ii)BNラットにおいて、PDE−IV阻害剤は、抗原で誘発された気道狭窄を抑制する[ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラピューティックス(J.Pharmacol.Exp.Ther.)、297巻、280−290ページ(2001年);ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(Br.J.Pharmacol.)、113巻、1423−1431ページ(1994)]。
また、PDE−IV阻害剤の副作用としては、例えば嘔吐などの消化器に対する影響が知られており、以下の報告がなされている。
(i)PDE−IV阻害剤は、ラットの胃酸分泌を亢進する[ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラピューティックス(J.Pharmacol.Exp.Ther.)、292巻、647−653ページ(2000年)]。
(ii)PDE−IV阻害剤は、ラットの胃排出運動を抑制する[バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorg.Med.Chem.Lett.)、12巻、653−658ページ(2002年)]。
(iii)PDE−IV阻害剤は、経口投与または静脈内投与により、イヌの嘔吐を引き起こす[ユーロピアン・ジャーナル・オブ・ファルマコロジー(Eur.J.Pharmacol.)、286巻、281−290ページ(1995年);ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、42巻、1088−1099ページ(1999年);ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、42巻、4216−4223ページ(1998年);ラボラトリー・アニマル・サイエンス(Lab.Anim.Sci.)、45巻、647−651ページ(1995年)]。
(iv)PDE−IV阻害剤は、経口投与または腹腔内投与により、スンクスの嘔吐を引き起こす[ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、40巻、3248−3253ページ(1997年)]。
以上のことから、PDE−IV阻害剤において、気道系への薬理効果と消化器系への薬理効果を分離することが必要と認識されている。
一方、PDE−IV阻害作用を有するベンゾフラン誘導体、1,3−ベンゾジオキソール誘導体など、例えば7−[2−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−1−オキソエチル]−4−メトキシ−スピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,1’−シクロペンタン]またはその薬理学的に許容される塩などが知られている(WO96/36624号)。
【発明の開示】
本発明の目的は、PDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有し、かつ気道系への薬理効果と消化器系への薬理効果の分離が可能な気道内投与剤を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(22)に関する。
(1) 気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して350倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する気道内投与剤。
(2) 気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して500倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する気道内投与剤。
(3) 気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して1000倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する気道内投与剤。
(4) 気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して2000倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する気道内投与剤。
(5) PDE−IV阻害作用を有する化合物が、式(I)

(式中、RおよびRは同一または異なって低級アルキルを表すか、またはRとRが隣接する炭素原子と一緒になって飽和炭素環を形成し、Rは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、Rはヒドロキシまたは低級アルコキシを表す)で表される化合物である(1)〜(4)のいずれかに記載の気道内投与剤。
(6) Rが置換もしくは非置換のピリジルである(5)記載の気道内投与剤。
(7) PDE−IV阻害作用を有する化合物が、式(II)

で表される7−[2−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−1−オキソエチル]−4−メトキシ−スピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,1’−シクロペンタン]である(1)記載の気道内投与剤。
(8) 気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して350倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を気道内投与することを特徴とする呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
(9) 気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して500倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を気道内投与することを特徴とする呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
(10) 気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して1000倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を気道内投与することを特徴とする呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
(11) 気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して2000倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を気道内投与することを特徴とする呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
(12) PDE−IV阻害作用を有する化合物が、式(I)

(式中、RおよびRは同一または異なって低級アルキルを表すか、またはRとRが隣接する炭素原子と一緒になって飽和炭素環を形成し、Rは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、Rはヒドロキシまたは低級アルコキシを表す)で表される化合物である(8)〜(11)のいずれかに記載の呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
(13) Rが置換もしくは非置換のピリジルである(12)記載の呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
(14) PDE−IV阻害作用を有する化合物が、式(II)

で表される7−[2−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−1−オキソエチル]−4−メトキシ−スピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,1’−シクロペンタン]である(8)記載の呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
(15) 呼吸器疾患が、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、慢性気管支炎、肺繊維症、肺高血圧症および好酸球性肺炎からなる群から選ばれる疾患である(8)〜(14)のいずれかに記載の呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
(16) 気道内投与剤の製造のための、気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して350倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(17) 気道内投与剤の製造のための、気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して500倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(18) 気道内投与剤の製造のための、気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して1000倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(19) 気道内投与剤の製造のための、気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して2000倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(20) PDE−IV阻害作用を有する化合物が、式(I)

(式中、RおよびRは同一または異なって低級アルキルを表すか、またはRとRが隣接する炭素原子と一緒になって飽和炭素環を形成し、Rは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、Rはヒドロキシまたは低級アルコキシを表す)で表される化合物である(16)〜(19)のいずれかに記載の使用。
(21) Rが置換もしくは非置換のピリジルである(20)記載の使用。
(22) PDE−IV阻害作用を有する化合物が、式(II)

で表される7−[2−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−1−オキソエチル]−4−メトキシ−スピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,1’−シクロペンタン]である(16)記載の使用。
本明細書において、気道系とは、呼吸に関わるすべての器官を意味し、具体的には鼻腔、副鼻腔、口腔、咽頭、扁桃、気管、気管支、肺胞などがあげられる。また、それらに付随する血管系も包含される。また、気道内とは、呼吸気の通路を意味し、具体的には鼻腔内、副鼻腔内、口腔内、咽頭内、気管支内、気管支枝内、肺胞内などがあげられる。
本発明の気道内投与剤により例えば呼吸器疾患の治療が可能であり、該呼吸器疾患の例としては、例えば気管支平滑筋の収縮を伴う呼吸器疾患、気道血管系収縮を伴う呼吸器疾患、炎症を伴う呼吸器疾患、粘液分泌を伴う呼吸器疾患、気道壁の可逆的または不可逆的な組織的変性を伴う呼吸器疾患、気道血管系の可逆的または不可逆的な組織的変性を伴う呼吸器疾患、肺胞の可逆的または不可逆的な変性を伴う呼吸器疾患、鼻腔の可逆的または不可逆的な組織的変性を伴う呼吸器疾患、副鼻腔の可逆的または不可逆的な組織的変性を伴う呼吸器疾患などがあげられ、より具体的には、気管支喘息、COPD、肺気腫、慢性気管支炎、肺繊維症、肺高血圧症、好酸球性肺炎、アレルギー性鼻炎、好酸球性副鼻腔炎、慢性または急性副鼻腔炎、咽頭炎、扁桃炎などがあげられる。
本発明の気道内投与剤の気道内投与の方法としては、例えば気道内注入、気道内吸入などがあげられ、より具体的な処方形態としては、例えば点鼻剤、ドライパウダー製剤、溶液噴霧製剤、懸濁液噴霧製剤などがあげられる。
本発明の気道内投与剤の有効成分として用いられる物質は、後述の試験例1に記載の方法と同様に、被検動物(SD系ラット)に4mg/kgの用量で気道内投与し、肺組織内および血漿中の各AUC(それぞれ肺組織内および血漿中濃度−時間曲線下面積)を測定した場合、その肺組織内AUC(肺組織内濃度)が血漿中AUC(血漿中濃度)に対して350倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩であればいずれでもよく、好ましくは500倍以上、より好ましくは1000倍以上、さらに好ましくは2000倍以上の肺組織内濃度となる該PDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩があげられる。
本発明の気道内投与剤の有効成分として用いられる物質のより具体的な例として、以下の(a)〜(f)のような性質を有する物質があげられるが、本発明の気道内投与剤の有効成分として用いられる物質はこれらに限定されるものではない。なお、ここではPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を総称して物質とする。
(a) 気道内投与された物質の経肺吸収が極めて緩やかであり、かつ循環血に移行した後、速やかに肝代謝を受けて不活性化され、一方消化管に遺漏した物質が腸管から吸収された後、肝臓で同様に速やかに代謝不活性化されるもの。
(b) 気道内投与された物質が肺固有の蛋白質に高い親和性を有し、その濃度平衡が大きく肺に偏るもの。
(c) 気道内投与された物質の結晶が非常にゆっくりと溶解し、さらに経肺吸収が極めて緩やかであり、一方消化管に遺漏した物質が腸管から吸収されず、そのまま糞中に排泄されるもの。
(d) 気道内投与された物質の経肺吸収が極めて緩やかであり、かつ循環血に移行した後、速やかに抱合体を形成し排泄されるもの。
(e) 気道内投与された物質の経肺吸収が極めて緩やかであり、かつ循環血に移行した後、速やかに血中酵素で代謝不活性化されるもの。
(f) 物質がプロドラッグ(活性の前躯体)であり、気道内投与された物質が肺内に特異的な酵素で代謝活性化され、一方消化管に遺漏した物質が代謝を受けずかつ腸管から吸収されず、そのまま糞中に排泄されるもの。
さらに本発明の気道内投与剤の有効成分として用いられるPDE−IV阻害作用を有する化合物の具体例としては、例えばWO96/36624号、WO99/16768号などに記載の1,3−ベンゾジオキソール誘導体、ベンゾフラン誘導体などがあげられる。より具体的には、式(I)

(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)で表される化合物、好ましくはRが置換もしくは非置換のピリジルである化合物、さらに好ましくは式(II)

で表される7−[2−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−1−オキソエチル]−4−メトキシ−スピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,1’−シクロペンタン]があげられるが、本発明の気道内投与剤の有効成分として用いられるPDE−IV阻害作用を有する化合物はそれらに限定されるものではない。
以下、式(I)および(II)で表される化合物をそれぞれ化合物(I)および化合物(II)という。他の式番号の化合物についても同様である。
式(I)の各基の定義において、
低級アルキルおよび低級アルコキシの低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜8のアルキルがあげられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどがあげられる。
隣接する炭素原子と一緒になって形成される飽和炭素環としては、例えば炭素数3〜8のシクロアルカンがあげられ、具体的にはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどがあげられる。
芳香族複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる小なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基などがあげられ、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニル、フリルなどがあげられる。
置換芳香族複素環基および置換ピリジルにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の低級アルコキシ、ハロゲンなどがあげられる。ここで示した低級アルコキシは前記と同義であり、ハロゲンはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素の各原子を意味する。
PDE−IV阻害作用を有する化合物の薬理学的に許容される塩は、薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩などを包含する。
PDE−IV阻害作用を有する化合物の薬理学的に許容される酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩があげられ、薬理学的に許容される金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などがあげられ、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩などの塩があげられ、薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、モルホリン、ピペリジンなどの付加塩があげられ、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、グリシン、フェニルアラニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの付加塩があげられる。
次に、化合物(I)の製造方法について説明する。
化合物(I)は、WO96/36624号に記載の方法により製造することができる。
化合物(I)には、互変異性体などの立体異性体が存在し得るが、本発明の気道内投与剤には、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を使用することができる。
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、化合物(I)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて単離、精製すればよい。
また、化合物(I)およびその薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明の気道内投与剤に使用することができる。
次に、本発明の気道内投与剤の効果について、試験例により具体的に説明する。
試験例1:気管支内投与における肺組織内濃度と血漿中濃度の推移(SDラット)
SD系の雄性ラット(日本チャールス・リバー、神奈川)を温度23±1℃、湿度55±5%の条件下で飼育し、7週齢で、体重が210〜240gの範囲のものを試験に用いた。試験化合物(化合物(II))の投与は非絶食下で行い、試験期間中、固形飼料(F−2:船橋農場、千葉)および水道水を自由に摂取させた。試験例数は各時点n=2とした。
<投与液の調製>
常法により、化合物(II)およびPDE−IV阻害剤として知られているRP73401[ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、37巻、1696−1703ページ(1994年)]

の製剤(乳糖/化合物(II)またはRP73401=5/1)を調製し、それぞれ0.125重量/容量%チロキサポール(アレベール:登録商標、日本商事、大阪)に懸濁した。得られた懸濁液をさらに0.25重量/容量%の乳糖
(Pharmatose 325M:登録商標、DMV INTERNATIONAL、Veghel、Netheland)を含む0.125重量/容量%チロキサポール(投与溶媒)で希釈し、目的濃度の化合物(II)またはRP73401の投与用懸濁液を調製した。
<気管支内投与>
化合物(II)およびRP73401は、それぞれ投与量4mg/kgで気管支内投与した。ディスポーザブル経口ゾンデ(マウス用:フチガミ器械店、京都)を用い、投与溶媒または化合物(II)もしくはRP73401の投与用懸濁液をエーテル麻酔したラットの左右の気管支にそれぞれ100μLずつ、計200μL気管支内投与した。
<採血および臓器の摘出>
気管支内投与した後、0.25、0.5、1、2および4時間の各時点で軽度エーテル麻酔下のラットを開腹し、下行大静脈よりヘパリン処理した注射筒(24G;1mL:テルモ、東京)を用いて約1mL採血した。血液より冷却遠心分離機を用いて血漿を分離し、測定まで−20℃で凍結保存した。肺胞を洗浄した後、気管支を切除して肺を分取し、湿重量の測定を行い凍結保存した。
<血漿サンプルの調製と血漿中AUC(血漿中濃度)の測定>
上記で採取した血漿100μLに、25μg/mL 7−[2−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−1−オキソエチル]−4−メトキシ−スピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,1’−シクロヘキサン](内部標準物質)のメタノール溶液200μLを加え攪拌し、氷上で10分間放置した後、遠心分離し、上清200μLを窒素気流下で乾固した。得られた乾固物をメタノール200μLに溶解し、遠心分離した。その上清を遠心式濾過ユニットウルトラフリー(C3GV;0.22μm:日本ミリポア、東京)で遠心濾過した。濾液100μLを血漿サンプルとして、質量分析装置(LC/MS/MS)により化合物(II)およびRP73401の濃度を測定した。
<肺サンプルの調製と肺組織内AUC(肺組織内濃度)の測定>
イムノチューブ(15mL:Nunc、Glostrup、Denmark)中、上記で分取した肺に、予め肺組織(lung tissues)に対する内部標準物質の濃度が10μg/g lung tissuesとなるように内部標準物質を添加し、窒素気流下で乾固した。得られた乾固物に湿重量の1倍量の精製水(Milli−Q SP Reagent Water System:日本ミリポア、東京)を加え、ホモジネーター(池本理化工業、東京)によりホモジネートした。さらに2倍量のメタノールを添加してホモジネートした後、氷上で10分間放置し遠心分離した。上清300μLをマイクロチューブに取り、再度遠心分離した。得られた上清100μLを肺サンプルとして、液体高速クロマトグラフィー(HPLC)により化合物(II)およびRP73401の濃度を測定した。
化合物(II)を気管支内投与した場合、肺組織内AUC(肺組織内濃度)は3640mgh/mL、血漿中AUC(血漿中濃度)は0.733mgh/mLであり、肺組織内濃度が血漿中濃度に比べ4970倍高い値を示した。また、生物学的半減期(T1/2)は3.81時間であった。
一方、RP73401を気管支内投与した場合、肺組織内AUC(肺組織内濃度)は248mgh/mL、血漿中AUC(血漿中濃度)は0.826mgh/mLであり、肺組織内濃度が血漿中濃度に比べ300倍高い値を示した。また、生物学的半減期(T1/2)は0.341時間であった。
試験例2:気管支内投与による抗原誘発好酸球浸潤または抗原誘発好中球浸潤に対する効果(BNラット)
試験は、公知の方法[パルマナリー・ファーマコロジー(Pulmonary Pharmacology)、8巻、83−89ページ(1995年)]に準じて行った。
試験には6週齢の雄性BNラット(日本チャールズリバー社)を使用した。ラットは室温19〜25℃、湿度30〜70%、1日12時間照明(午前7時〜午後7時)の飼育室にて、プラスチックケージに5〜6匹ずつ収容し、市販の固形飼料と水を自由に摂取させて飼育した。
ラットに卵白アルブミン1mg(OVA:シグマ社製)および水酸化アルミニウム200mg(和光純薬社製)を生理食塩液1mL(大塚製薬工場社製)に懸濁したものを1mL皮下投与した後、百日咳死菌懸濁液0.5mL(2×1010個/1mL生理食塩液、科研製薬社製)を腹腔内投与することにより能動感作した。能動感作の14日後、ラットをプラスチックチャンバー(30×50×30cm)内に入れ、1重量/容量%OVAの生理食塩液を10分間噴霧することにより抗原暴露を行った。噴霧には超音波ネブライザー(オムロン社製)を用いた。
試験例1と同様にして、化合物(II)の投与用懸濁液を調製し、感作ラットへの気管支内投与を行った。
抗原暴露の30分前に、投与溶媒または化合物(II)の投与用懸濁液を感作ラットの左右の気管支にそれぞれ100μLずつ、計200μL気管支内投与した。化合物(II)の投与用懸濁液を感作ラットに気管支内投与し、1重量/容量%OVA−生理食塩液を噴霧した群を化合物(II)投与群、投与溶媒を感作ラットに気管支内投与し、1重量/容量%OVA−生理食塩液を噴霧した群を溶媒投与群、投与溶媒を感作ラットに気管支内投与し、生理食塩液を噴霧した群を生理食塩液群とした。
抗原暴露または生理食塩液噴霧24時間後に気管支肺胞洗浄(BAL)を実施した。すなわち、ラットをペントバルビタール(大日本製薬社製)の腹腔内投与により麻酔し、気管カニューレを介して生理食塩液で肺胞腔内を洗浄し、気管支肺胞洗浄液(BALF)を得た。
BALFを毎分950回転(200×g)、10分間、4℃の条件で遠心し、沈殿した細胞を生理食塩液1mLに懸濁した後、自動血球カウンター(日本光電社製)を用いて総白血球数を測定した。また、Cytospin III(Shandon社製)を用いて細胞の塗抹標本を作成した。塗抹標本をギムザ染色した後、光学顕微鏡にて細胞500個を観察し、好酸球および好中球の細胞数を数えてそれぞれ比率を算出した。好酸球数および好中球数は、総白血球数にそれぞれ好酸球数および好中球数のそれぞれの比率を掛け合わせて算出した。BALF中の好酸球数および好中球数の増加に対する抑制率(%)は下記にしたがって計算した。

その結果をそれぞれ第1表および第2表に示した。なお、好酸球数および好中球数の各値は平均値±標準誤差で示した。


BNラットに化合物(II)を気管支内投与することにより、BALF中の好酸球数および好中球数は減少し、抗原誘発による気管支肺胞への好酸球の浸潤および好中球の浸潤が抑制された。本評価系は、例えばヒトの喘息における病態の一部を再現するものとして知られていることから、化合物(II)はヒトの喘息に有効であると考えられる。
一方、上記試験と同様に、RP73401による気管支肺胞への抗原誘発好酸球浸潤および好中球浸潤に対する抑制作用について調べた。その結果、RP73401は、抗原誘発好酸球浸潤および好中球浸潤に対し、それぞれ30−100μg/匹の用量で有意な抑制作用を示した。
試験例3:気管支内投与による胃排出抑制作用(SDラット)
試験には雄性SDラット(6週齢;入荷時体重は180−200g:日本エスエルシー)を使用した。ラットは室温23±1℃、湿度55±5%の動物室で固形飼料および飲料水を自由に摂取させて飼育した。
試験例1と同様にして、化合物(II)およびRP73401の投与用懸濁液を調製し、それぞれ気管支内投与に供した。
<胃排出試験>
ラット(実験使用時の体重は約200g)は試験の前日(約24時間前)に絶食を施し、飲料水のみで飼育した。胃排出試験はフェノールレッド法[アーカイブス・インターナショナル・ファーマコジン(Arch.Int.Pharmacodyn)、246巻、286−294ページ(1980年)]により実施した。
1群6匹のラットに0.05重量/容量%フェノールレッドを含む1.5重量/容量%カルボキシメチルセルロース(CMC)溶液(以下、P−C液という)1.5mLを経口投与した。経口投与の15分後にラットを屠殺して速やかに開腹した後、十二指腸の一部を含む胃部を全摘出した。摘出した胃を0.1mol/L NaOH水溶液40mL中で切開してP−C液を回収し、胃内に残存するフェノールレッド量を測定した。すなわち、回収した胃内P−C液の1mLを7.5重量/容量%トリクロル酢酸(TCA)水溶液2mLと混合し、遠心分離した後、上清2mLを1mol/L NaOH水溶液2mLと混和してオートシッパーフォトメーター(560nm;U−1080:日立製作所、東京)にて得られた混合液の吸光度(OD値)を測定した。化合物(II)またはRP73401の投与用懸濁液はP−C液を経口投与する30分前に気管支内投与した(薬物投与群)。同様に、投与用懸濁液の代わりに投与溶媒を気管支内投与した群を設けた(陽性対照群)。さらに、投与溶媒を気管支内投与し、かつP−C液を経口投与した直後に胃内容物を回収した群を設けた(陰性対照群)。薬物投与群または投与溶媒投与群での胃排出率(%)の算出は下式(1)より求め、薬物の胃排出に対する抑制率(%)は胃排出率から下式(2)より求めた。その結果を図1に示した。

以上の結果、化合物(II)を気管支内投与した場合、試験例2で示された薬効用量範囲(30−100μg/匹)では、胃排出に対する顕著な抑制作用は認められなかった。
一方、RP73401を気管支内投与した場合、同様に試験例2で示された薬効用量範囲(30−100μg/匹)では、胃排出に対する用量依存的な抑制作用が観察された。
以上のことから、化合物(II)を気道内投与した場合、従来のPDE−IV阻害剤が有する副作用である嘔吐を回避できると考えられる。
以上、試験例1〜3の結果、気管支内投与した場合、肺組織内AUC(肺組織内濃度)と血漿中AUC(血漿中濃度)の比が4970倍となる化合物(II)を気管支内投与することにより、消化管系に対する作用をほとんど引き起こすことなく、肺での薬効を実現できることが示された。一方、気管支内投与した場合、肺組織内濃度と血漿中濃度の比が300倍となるRP73401を気管支内投与することにより、呼吸器での薬効用量で消化管への作用が引き起こされた。このことから肺組織濃度と血漿中濃度の比に相関して、呼吸器系での薬理効果と消化器系での薬理効果が乖離することが確認された。
本発明に係わる気道内投与剤は、気道内投与したときの肺組織内濃度が血漿中濃度に対して350倍以上、好ましくは500倍以上、より好ましくは1000倍以上、さらに好ましくは2000倍以上の濃度となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を含有し、これらをそのまま単独で用いることも可能であるが、通常各種の医薬製剤として提供される。また、それら医薬製剤は、動物および人に使用されるものである。
本発明に係わる医薬製剤は、任意の他の治療上有効である1つまたは2つ以上の他の有効成分との混合物として使用することもできる。またそれら医薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種もしくはそれ以上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。
投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、例えば吸入、点鼻などの気道内投与方法があげられる。
投与形態としては、例えばエアロゾル製剤、吸入製剤、ドライパウダー製剤などがあげられる。
エアロゾル製剤または吸入製剤は活性成分を粉末状、液状または懸濁状にして、吸入噴射剤または担体中に配合し、例えば定量噴霧式吸入器などの適当な吸入容器に充填することにより製造される。上記活性成分が粉末の場合は、通常の機械的粉末吸入器を、液状または懸濁状の場合はネブライザーなどの吸入器をそれぞれ使用することもできる。吸入噴射剤としては、従来公知のものを広く使用でき、例えばフロン−11、フロン−12、フロン−21、フロン−22、フロン−113、フロン−114、フロン−123、フロン−142c、フロン−134a、フロン−227、フロン−C318、1,1,1,2−テトラフルオロエタンなどのフロン系化合物、プロパン、イソブタン、n−ブタンなどの炭化水素系ガス、ジエチルエーテルなどのエーテル類、窒素ガス、炭酸ガスなどがあげられる。懸濁状の製剤の場合は、ソルビタントリオーレートなどの懸濁補助剤を添加してもよい。担体としては、従来公知のものを広く使用でき、例えば糖類、糖アルコール類、アミノ酸類などがあげられ、乳糖、D−マンニトールなどが好ましい。
ドライパウダー製剤は、ドライパウダー吸入器を使用する粉末状の吸入用製剤であり、気道内に到達させるために、微細化された活性成分を、微粒子として吸入させることを特徴としている。微細化された活性成分の粒子径は、1μm〜6μmの範囲であることが好ましいことが知られており[インターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューティックス(Int.J.Pharm.)、101巻、1−13ページ(1994年)]、活性成分の微細化方法としては、一般的な粉砕方法を適用することができる。粉砕方法は特に限定されず、当該分野において周知の方法を用いることができる。例えば、乳鉢粉砕、ボールミル粉砕、ハンマーミル粉砕、流体エネルギー粉砕(例えばジェットミル粉砕)などがあげられる。また、ドライパウダー製剤は、微細化された活性成分の凝集を抑制し、気道内への到達率を向上させるためのキャリア粒子を含有していてもよい。微細化された活性成分は、キャリア粒子表面に付着していることにより凝集が抑制され、吸入時にキャリアから離れ気道内に送達される。キャリア粒子としては、例えば糖類、糖アルコール類などがあげられ、具体的には乳糖、D−マンニトールなどがあげられる。キャリア粒子の粒子径は、好ましくは20μm〜150μmの範囲であり、さらに好ましくは50μm〜100μmの範囲である。また、キャリア粒子は、吸入時にキャリア粒子からの活性成分粒子の離脱を促進するため、ボールミルなどを用いた表面処理がなされていてもよい。ドライパウダー製剤の製剤全重量に対する活性成分の量は、好ましくは0.5重量%〜50重量%、より好ましくは1.0重量%〜30重量%である。
また、上記各製剤は、乳糖、マンニットなどの賦形剤、澱粉などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロースなどの結合剤、大豆レシチン、脂肪酸エステルなどの界面活性剤、グリセリンなどの可塑剤などから選択される1種もしくはそれ以上の補助成分を含有していてもよい。
本発明で用いられるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度などにより異なるが、通常成人一人当り1μg〜1000mg、好ましくは0.01〜100mg、より好ましくは0.05〜20mgを一日一回ないし数回投与する。しかしながら、これら投与量および投与回数に関しては、前述の種々の条件により変動する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、化合物(II)およびRP73401の投与量と胃排出に対する抑制率の相関を示したものである。縦軸は胃排出に対する抑制率(%)を表し、横軸は投与量(μg/匹)を表す。−○−は化合物(II)の胃排出に対する抑制率(%)を表し、−●−はRP73401の胃排出に対する抑制率(%)を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
以下に、本発明の態様を実施例で説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されることはない。
実施例1:ドライパウダー製剤
ジェットミル(A−O JET;セイシン企業)を用いて、化合物(II)10gを空気圧5kg/cmで1.5g/分の送り速度で粉砕した(体積平均粒子径:5.7μm)。得られた化合物(II)の粉砕物と乳糖(Pharmatose 325M:登録商標、DMV INTERNATIONAL、Veghel、Netheland)とを重量比1:5で混合し、ドライパウダー製剤を得た。該製剤は慣用のドライパウダー吸入器により、投与可能である。
実施例2:ドライパウダー製剤
実施例1で得られた化合物(II)の粉砕物と乳糖(Pharmatose 325M:登録商標、DMV INTERNATIONAL、Veghel、Netheland)とを重量比1:50で混合し、ドライパウダー製剤を得た。該製剤は慣用のドライパウダー吸入器により、投与可能である。
実施例3:吸入剤
実施例1で得られた化合物(II)の粉砕物100mgを液化ジクロロフルオロメタン(フロン−21)3mLと液化トリクロロフルオロメタン(フロン−11)2mLの混合液に懸濁し、慣用のエアロゾル噴霧器(1回噴霧量50μL)に充填し、吸入剤を得る。
実施例4:吸入剤
実施例1で得られた化合物(II)の粉砕物100mgおよび大豆レシチン50mgを液化ジクロロフルオロメタン(フロン−21)3mLと液化トリクロロフルオロメタン(フロン−11)2mLの混合液に懸濁し、慣用のエアロゾル噴霧器(1回噴霧量50μL)に充填し、吸入剤を得る。
実施例5:吸入剤
実施例1で得られた化合物(II)の粉砕物100mgをソルビタントリオーレート100mgおよびフロン−11 10gに懸濁させる。得られた懸濁液を安全な噴霧混合液(フロン−11/フロン−114)50gに−50℃で分散し、慣用のエアロゾル噴霧器に充填し、吸入剤を得る。
実施例6:水性懸濁吸入剤
水とエタノール(1:1)の混合溶液5mLに化合物(II)1mgを溶解させ、無菌ミリポアフィルター(孔径0.2μm)でろ過し、噴霧用製剤を得る。該製剤は慣用の噴霧器(ネブライザー)により投与可能である。
【産業上の利用可能性】
本発明により、PDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有し、かつ気道系への薬理効果と消化器系への薬理効果の分離が可能な気道内投与剤が提供される
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して350倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またほその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する気道内投与剤。
【請求項2】
気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して500倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する気道内投与剤。
【請求項3】
気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して1000倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する気道内投与剤。
【請求項4】
気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して2000倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する気道内投与剤。
【請求項5】
PDE−IV阻害作用を有する化合物が、式(I)

(式中、RおよびRは同一または異なって低級アルキルを表すか、またはRとRが隣接する炭素原子と一緒になって飽和炭素環を形成し、Rは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、Rはヒドロキシまたは低級アルコキシを表す)で表される化合物である請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の気道内投与剤。
【請求項6】
が置換もしくは非置換のピリジルである請求の範囲第5項記載の気道内投与剤。
【請求項7】
PDE−IV阻害作用を有する化合物が、式(II)

で表される7−[2−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−1−オキソエチル]−4−メトキシ−スピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,1’−シクロペンタン]である請求の範囲第1項記載の気道内投与剤。
【請求項8】
気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して350倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を気道内投与することを特徴とする呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
【請求項9】
気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して500倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を気道内投与することを特徴とする呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
【請求項10】
気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して1000倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を気道内投与することを特徴とする呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
【請求項11】
気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して2000倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を気道内投与することを特徴とする呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
【請求項12】
PDE−IV阻害作用を有する化合物が、式(I)

(式中、RおよびRは同一または異なって低級アルキルを表すか、またはRとRが隣接する炭素原子と一緒になって飽和炭素環を形成し、Rは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、Rはヒドロキシまたは低級アルコキシを表す)で表される化合物である請求の範囲8〜11項のいずれかに記載の呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
【請求項13】
が置換もしくは非置換のピリジルである請求の範囲第12項記載の呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
【請求項14】
PDE−IV阻害作用を有する化合物が、式(II)

で表される7−[2−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−1−オキソエチル]−4−メトキシ−スピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,1’−シクロペンタン]である請求の範囲第8項記載の呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
【請求項15】
呼吸器疾患が、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺気腫、慢性気管支炎、肺繊維症、肺高血圧症および好酸球性肺炎からなる群から選ばれる疾患である請求の範囲第8〜14項のいずれかに記載の呼吸器疾患の治療および/または予防方法。
【請求項16】
気道内投与剤の製造のための、気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して350倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項17】
気道内投与剤の製造のための、気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して500倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項18】
気道内投与剤の製造のための、気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して1000倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項19】
気道内投与剤の製造のための、気道内投与したときの肺組織内濃度が、その血漿中濃度に対して2000倍以上となるPDE−IV阻害作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【請求項20】
PDE−IV阻害作用を有する化合物が、式(I)

(式中、RおよびRは同一または異なって低級アルキルを表すか、またはRとRが隣接する炭素原子と一緒になって飽和炭素環を形成し、Rは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、Rはヒドロキシまたは低級アルコキシを表す)で表される化合物である請求の範囲第16〜19項のいずれかに記載の使用。
【請求項21】
が置換もしくは非置換のピリジルである請求の範囲第20項記載の使用。
【請求項22】
PDE−IV阻害作用を有する化合物が、式(II)

で表される7−[2−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−1−オキソエチル]−4−メトキシ−スピロ[1,3−ベンゾジオキソール−2,1’−シクロペンタン]である請求の範囲第16項記載の使用。

【国際公開番号】WO2004/096274
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【発行日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−505828(P2005−505828)
【国際出願番号】PCT/JP2004/004601
【国際出願日】平成16年3月31日(2004.3.31)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【Fターム(参考)】