説明

水なし平版印刷版用処理液および水なし平版印刷版の処理方法

【課題】アミノ化合物の含有量の変動による現像性の低下、インキ反発層剥離を抑制し、ポジ型、直描型水なし平版印刷版のいずれをも長期間安定して処理することができる水なし平版印刷版用処理液を提供すること。
【解決手段】(a)下記一般式(I)で表されるエチレングリコール誘導体と、(b)1分子中に1級アミノ基を2個以上有するアミノ化合物を含有することを特徴とする水なし平版印刷版用処理液。
R−(OCHCH−OH (I)
(上記式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。nは1〜5の整数を示す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿し水を用いずに印刷が可能な水なし平版印刷版用処理液に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製版用フィルムを使用しないで、原稿電子データから直接オフセット印刷版を作製する、いわゆる直描型(CTP)製版は、熟練度を必要としない簡易性、短時間で印刷版が得られる迅速性、多様なシステムから品質とコストに応じて選択可能である合理性などの特徴を生かして、軽印刷業界のみでなく、一般オフセット印刷、フレキソ印刷の分野にも進出し始めている。
【0003】
一方、水なし平版印刷版は印刷時に水を必要としないことから、熟練度を必要としない簡易性等の特徴を有している。
【0004】
これら直描型製版の利点と水なし平版印刷版の利点を併せ持ったのが、直描型水なし平版印刷版である。最近では、露光時にネガあるいはポジのフィルムを用いる従来の水なし平版印刷版に用いられる自動現像機にて現像処理が可能な直描型水なし平版印刷版が開発されている。また、製版時に用いられる処理液についても、ネガ型水なし平版印刷版、ポジ型水なし平版印刷版、直描型水なし平版印刷版のいずれをも処理することができる処理液として、アミン化合物と極性溶剤とから主としてなるものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。さらに、製版条件の変動による影響を受けやすいポジ型や直描型の水なし平版印刷版であっても製版条件の変動による影響を受けることなく処理することができる処理液として、アミノ基と水酸基を有する化合物、エチレングリコール誘導体および極性溶剤とから主としてなるものが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−167356号公報
【特許文献2】特開2005−338580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような処理液は、長期間使用すると組成中のアミノ化合物が消費され、画像再現性の低下が発生しやすくなる。また、画像再現性を回復させるためにアミノ化合物を多量に添加すると、インキ反発層の剥離が発生しやすくなる。このように、従来公知の処理液は、アミン化合物の含有量の変動により画像再現性の低下やインキ反発層の剥離が発生するという課題を有していた。本発明は、アミノ化合物の含有量の変動による画像再現性の低下、インキ反発層剥離を抑制し、ポジ型、直描型水なし平版印刷版のいずれをも長期間安定して処理することができる水なし平版印刷版用処理液を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は主として次の構成を有する。(a)下記一般式(I)で表されるエチレングリコール誘導体と、(b)1分子中に1級アミノ基を2個以上有するアミノ化合物を含有することを特徴とする水なし平版印刷版用処理液。
R−(OCHCH−OH (I)
(上記式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。nは1〜5の整数を示す。)
【発明の効果】
【0007】
本発明の水なし平版印刷版用処理液により、処理液中のアミノ化合物含有量の変動による画像再現性の低下やインキ反発層の剥離を抑制し、ポジ型水なし平版印刷版、直描型水なし平版印刷版のいずれも実用上問題なく現像処理することが可能となり、製版処理の安定性が向上した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の水なし平版印刷版用処理液は、水なし平版印刷版原版を露光・現像する製版工程において用いられるものである。本発明の水なし平版印刷版用処理液によって処理される水なし平版印刷版原版は、湿し水を用いずに印刷が可能であればよく、組成、製造方法等に限定されるものではない。たとえば基板上に少なくとも露光により隣接する層との接着力が変化する層(インキ着肉層)とインキ反発層を備え、インキ反発層がシリコーンゴムを主成分とする水なし平版印刷版原版が好ましく用いられる。より具体的には、特開2005−309126号公報、特開2000−47377号公報に記載された水なし平版印刷版原版を挙げることができる。
【0009】
次に水なし平版印刷版原版の製版方法を説明する。露光部が画線部となるネガ型、露光部が非画線部となるポジ型水なし平版印刷版原版の場合は、通常保護フィルム上に原図フィルムを配して活性光線により画像露光を行い、その後保護フィルムを除去した後、現像することによって画像を形成することができる。また、直描型水なし平版印刷版原版の場合は、保護フィルムを有する原版についてはそのままもしくは保護フィルムを剥離してから、保護フィルムのない原版についてはインキ反発層に直接レーザー光で画像を露光する。保護フィルムを有するものは剥離した後、現像することによって画像を形成することができる。
【0010】
本発明の水なし平版印刷版用処理液は、水なし平版印刷版原版を露光後、現像に先だって前処理する場合に使用されるが、そのまま現像液として用いることもできる。また、現像後に染色、洗浄処理(後処理)する工程を有する現像方法においても、前処理液、現像液として使用することも可能である。
【0011】
本発明の水なし平版印刷用処理液は、(a)下記一般式(I)で表されるエチレングリコール誘導体と、(b)1分子中に1級アミノ基を2個以上有するアミノ化合物を含有することを特徴とする。
R−(OCHCH−OH (I)
上記式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。nは1〜5の整数を示す。
【0012】
(a)一般式(I)で表されるエチレングリコール誘導体としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルトリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられ、これらは単独または混合して使用することができる。
【0013】
本発明の水なし平版印刷版用処理液は、(b)1分子中に1級アミノ基を2個以上有するアミノ化合物を含有することが重要である。このようなアミノ化合物を含有することにより、長期間の使用により処理液中のアミノ化合物の含有量が変動しても、画像再現性、インキ反発層剥離への影響が少なくなる。
【0014】
(b)1分子中に1級アミノ基を2個以上有するアミノ化合物としては、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,2−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、2,3−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ビス(3−アミノプロオキシ)エタン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロピレンジアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)−1,4−ブチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン(例えば三井化学ファイン(株)製、ジェファーミンD−203、D−400、D−2000、D−4000)、1,2,5−ペンタトリアミン、2,3,6−トリアミノピリジン、ポリオキシアルキレントリアミン(例えば三井化学ファイン(株)製、ジェファーミンT−403、T3000、T5000)、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ジエチレングリコールエーテル、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリエチレングリコールエーテル(例えば広栄化学工業(株)製、PEGPA、PEGPA−1000)、1,2,4,5−ベンゼンテトラミン等が挙げられるが、1級アミノ基を2個以上有すればこれらに限定されることはない。これらの中で、揮発性の点から分子量150以上のものが好ましい。また、画像再現性の安定性をより高めることができることから、1分子中に1級アミノ基を3個以上有するものがより好ましい。また、(a)成分と混合した場合に5〜60℃の範囲にて層分離、白濁、沈降等が生じない、(a)成分と相溶性がよいものが好ましい。
【0015】
本発明において、水なし平版印刷版用処理液中の(b)成分のアミノ化合物の含有量は0.1重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。また、画像再現性の観点から50重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。
【0016】
本発明の水なし平版印刷版用処理液には、その他プロピレングリコール系溶剤、染料、染料助剤、界面活性剤、消泡剤等を任意に含有してもよい。
【0017】
本発明の水なし平版印刷版用処理液は、水なし平版印刷版原版を露光後、現像に先だって前処理する場合に使用され、そのまま現像液として用いることもできる。前処理は、露光後の水なし平版印刷版原版を処理液で処理することによって行う。処理方法としては、本発明の処理液に原版を浸漬する方法、あるいは自動現像機の場合にはシャワーで原版の版面に本発明の処理液をかけて版面を濡らす方法が挙げられる。本発明の水なし平版印刷版の処理方法においては、画像再現性をより安定化させる観点から、処理液の温度を一定に保つことが好ましい。処理液の温度は30℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましい。また、60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。処理液の温度が30℃以上であれば、現像性がより向上する。また、60℃以下であれば、インキ着肉層と基板との接着力を維持したまま現像することができ、インキ着肉層剥離の発生を抑えることができる。
【0018】
また、画像再現性をより安定化させる観点から、露光後の水なし平版印刷版原版を処理液で処理する時間を一定に保つことが好ましい。適切な処理時間は処理液の温度によって変化するが、好ましくは20秒以上である。20秒以上であれば処理時間の管理が容易であり、安定した現像が行いやすい。また、作業性の点から120秒以下が好ましく、より好ましくは90秒以下である。特に自動現像機を用いる場合、前処理工程における処理時間は短いことが好ましい。
【実施例】
【0019】
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
実施例1
<製版工程>
以下の2種の水なし平版を、以下の方法で露光した。
(i)“東レ水なし平版”TAC−VG5(直描型)を平版材用イメージセッターGX3940(松下電送システム(株)製)に巻き付けて固定し、2400dpi、175線/インチ、150mJ/cmで画像を出力した後、版から保護フィルムを剥離した。
(ii)“東レ水なし平版”TAP−DG1(ポジ型)に175線/インチの網点画像を持つポジフィルムと、光学濃度差0.15であるグレースケール(G/S)を密着させ、水平型真空焼付機P−806−I(大日本スクリーン製造(株)製)にて60秒間露光した後、版から保護フィルムを剥離した。
【0021】
現像には水なし平版印刷版用自動現像機TWL−1160F(東レ(株)製)を使用した。前処理槽に下記組成の<水なし平版印刷版用処理液1>を入れ、現像槽には水を、後処理槽にはPA−F(東レ(株)製、水なし平版用現像後処理液)を、水洗槽には水を入れた。
<水なし平版印刷版用処理液1>
(1)ジエチレングリコール 90重量%
(2)ポリオキシプロピレンジアミン(“ジェファーミン”(登録商標)D−230(三井化学ファイン(株)製)) 9重量%
(3)NEWCOL 1004(日本乳化剤(株)製) 1重量%
前処理液温度40℃、前処理時間45秒、現像液温度25℃に設定し、上記の露光済み版を自動現像機に通版して前処理・現像・後処理・水洗を行った。
【0022】
<印刷工程>
得られた印刷版を枚葉オフセット印刷機LITHRONE426(小森コーポレーション(株)製)に取り付け、水なし平版用インキニューアルポL紅((株)ティーアンドケイ東華製)を使用してコート紙(トップコート62.5kg/((636×939mm)×1000枚))に印刷し、印刷物の画像再現性(ハイライト部:1〜5%網点)を評価したところ、TAC−VG5タイプ、TAP−DG1タイプともに良好な画像再現性を示した。評価結果を表1に示す。
【0023】
実施例2
前処理液の温度45℃、前処理時間60秒とした以外は実施例1と同様の方法で製版・印刷をして画像再現性の評価を行った。TAC−VG5タイプ、TAP−DG1タイプともに良好な画像再現性が得られた。評価結果を表1に示す。
【0024】
実施例3
前処理液の温度35℃、前処理時間90秒とした以外は実施例1と同様の方法で製版・印刷をして画像再現性の評価を行った。TAC−VG5タイプ、TAP−DG1タイプともに良好な画像再現性が得られた。評価結果を表1に示す。
【0025】
実施例4
自動現像機の前処理槽に下記組成の<水なし平版印刷版用処理液2>〜<水なし平版印刷用処理液5>を使用し、製版用処理液の温度を45℃とした以外は実施例1と同様の方法で製版・印刷をして画像再現性の評価を行った。いずれの処理液を用いても、TAC−VG5タイプ、TAP−DG1タイプともに良好な画像再現性が得られた。評価結果を表1に示す。
<水なし平版印刷版用処理液2>
(1)トリエチレングリコール 97重量%
(2)ポリオキシプロピレンジアミン(“ジェファーミン”(登録商標)D−230(三井化学ファイン(株)製)) 3重量%
<水なし平版印刷版用処理液3>
(1)トリエチレングリコール 91重量%
(2)ポリオキシプロピレンジアミン(“ジェファーミン”(登録商標)D−230(三井化学ファイン(株)製)) 9重量%
<水なし平版印刷版用処理液4>
(1)トリエチレングリコール 85重量%
(2)ポリオキシプロピレンジアミン(“ジェファーミン”(登録商標)D−230(三井化学ファイン(株)製)) 15重量%
<水なし平版印刷版用処理液5>
(1)トリエチレングリコール 60重量%
(2)ポリオキシプロピレンジアミン(“ジェファーミン”(登録商標)D−230(三井化学ファイン(株)製)) 40重量%。
【0026】
比較例1
自動現像機の前処理槽に下記組成の<水なし平版印刷版用処理液6>〜<水なし平版印刷版用処理液8>を使用した以外は実施例4と同様の方法で製版・印刷をして画像再現性の評価を行った。アミノ化合物含有量の少ない<水なし平版印刷用処理液6>では、TAC−VG5タイプで画像再現性が不十分であり、アミノ化合物含有量の多い<水なし平版印刷版用処理液8>では、TAC−VG5タイプでシリコーン層の剥がれがみられた。評価結果を表1に示す。
<水なし平版印刷版用処理液6>
(1)ジエチレングリコール 97重量%
(2)ジグリコールアミン 3重量%
<水なし平版印刷版用処理液7>
(1)ジエチレングリコール 91重量%
(2)ジグリコールアミン 9重量%
<水なし平版印刷版用処理液8>
(1)ジエチレングリコール 85重量%
(2)ジグリコールアミン 15重量%
実施例5
自動現像機の前処理槽に下記組成の<水なし平版印刷版用処理液9>〜<水なし平版印刷版用処理液14>を使用した以外は実施例4と同様の方法で製版・印刷をして画像再現性の評価を行った。いずれの処理液を用いても、TAC−VG5タイプ、TAP−DG1タイプともに良好な画像再現性が得られた。評価結果を表1に示す。
<水なし平版印刷版用処理液9>
(1)トリエチレングリコール 99重量%
(2)ポリオキシアルキレントリアミン(“ジェファーミン”(登録商標)T−403(三井化学ファイン(株)製)) 1重量%
<水なし平版印刷版用処理液10>
(1)トリエチレングリコール 97重量%
(2)ポリオキシアルキレントリアミン(“ジェファーミン”(登録商標)T−403(三井化学ファイン(株)製)) 3重量%
<水なし平版印刷版用処理液11>
(1)トリエチレングリコール 91重量%
(2)ポリオキシアルキレントリアミン(“ジェファーミン”(登録商標)T−403(三井化学ファイン(株)製)) 9重量%
<水なし平版印刷版用処理液12>
(1)トリエチレングリコール 85重量%
(2)ポリオキシアルキレントリアミン(“ジェファーミン”(登録商標)T−403(三井化学ファイン(株)製)) 15重量%
<水なし平版印刷版用処理液13>
(1)トリエチレングリコール 60重量%
(2)ポリオキシアルキレントリアミン(“ジェファーミン”(登録商標)T−403(三井化学ファイン(株)製)) 40重量%。
<水なし平版印刷版用処理液14>
(1)トリエチレングリコール 40重量%
(2)ポリオキシアルキレントリアミン(“ジェファーミン”(登録商標)T−403(三井化学ファイン(株)製)) 60重量%。
【0027】
比較例2
自動現像機の前処理槽に下記組成の<水なし平版印刷版用処理液15>〜<水なし平版印刷版用処理液17>を使用した以外は実施例4と同様の方法で製版・印刷をして画像再現性の評価を行った。アミノ化合物含有量の少ない<水なし平版印刷版用処理液15>ではTAP−VG5タイプで画像再現性が不十分であり、アミノ化合物含有量の多い<水なし平版印刷版用処理液17>ではTAP−DG1タイプで画像再現性の低下、TAC−VG5タイプでシリコーン層の剥がれがみられた。評価結果を表1に示す。
<水なし平版印刷版用処理液15>
(1)ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル 19重量%
(2)ポリプロピレングリコール(平均分子量200) 77重量%
(3)2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール 3重量%
(4)水 1重量%
<水なし平版印刷版用処理液16>
(1)ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル 19重量%
(2)ポリプロピレングリコール(平均分子量200) 71重量%
(3)2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール 9重量%
(4)水 1重量%
<水なし平版印刷版用処理液17>
(1)ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル 19重量%
(2)ポリプロピレングリコール(平均分子量200) 65重量%
(3)2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール 15重量%
(4)水 1重量%。
【0028】
実施例6
自動現像機の前処理槽に下記組成の<水なし平版印刷版用処理液18>〜<水なし平版印刷版用処理液20>を使用し、製版用処理液の温度を48℃とした以外は実施例1と同様の方法で製版・印刷をして画像再現性の評価を行った。TAC−VG5タイプ、TAP−DG1タイプともに良好な画像再現性を示した。評価結果を表1に示す。
<水なし平版印刷版用処理液18>
(1)ポリエチレングリコール(分子量200) 97重量%
(2)N,N−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロピレンジアミン 3重量%
<水なし平版印刷版用処理液19>
(1)ポリエチレングリコール(分子量200) 91重量%
(2)N,N−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロピレンジアミン 9重量%
<水なし平版印刷版用処理液20>
(1)ポリエチレングリコール(分子量200) 85重量%
(2)N,N−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロピレンジアミン 15重量%。
【0029】
比較例3
自動現像機の前処理槽に下記組成の<水なし平版印刷版用処理液21>を使用した以外は実施例2と同様の方法で製版・印刷をして画像再現性の評価を行った。TAC−VG5タイプでシリコーン層の剥がれがみられた。評価結果を表1に示す。
<水なし平版印刷版用処理液21>
(1)ポリエチレングリコール(分子量200) 91重量%
(2)N−エチルエタノールアミン 9重量%
【0030】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)下記一般式(I)で表されるエチレングリコール誘導体と、(b)1分子中に1級アミノ基を2個以上有するアミノ化合物を含有することを特徴とする水なし平版印刷版用処理液。
R−(OCHCH−OH (I)
(上記式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。nは1〜5の整数を示す。)
【請求項2】
(b)1分子中に1級アミノ基を2個以上有するアミノ化合物の含有量が50重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の水なし平版印刷版用処理液。
【請求項3】
露光後の水なし平版印刷版を、温度30〜60℃の請求項1または2記載の水なし平版印刷版用処理液で処理することを特徴とする水なし平版印刷版の処理方法。
【請求項4】
露光後の水なし平版印刷版を、請求項1または2記載の水なし平版印刷版用処理液で20〜120秒処理することを特徴とする水なし平版印刷版の処理方法。

【公開番号】特開2008−15065(P2008−15065A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−184143(P2006−184143)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】