説明

水に懸濁可能な農薬組成物

本発明は、少なくとも1つの液体農薬成分、少なくとも1つの固体農薬成分、少なくとも1つの油、及び少なくとも3つのヒドロキシル基を含む少なくとも1つのポリオールを含んで成る、安定な、水に懸濁可能な農薬組成物に関し、該農薬組成物は、有用植物の作物、特に稲作物における接触光毒性を減じることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有用植物の作物、特に稲作物への接触植物毒性を減じることができる、安定な、水に懸濁可能な農薬組成物に関する。さらに本発明は、有用植物の作物、特に稲作物における所望されない植物の生育を制御するための方法、並びに有用植物の作物、特に稲作物における草及び雑草を制御するための前記組成物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
本発明にかかる製剤は、異なる物理的性質を有する2種以上の活性成分の混合を含んで成る。それらは活性成分の適切な分散、懸濁、乳化またはその組み合せを保証しながら、全ての活性成分の加水分解、沈殿及び凝集を回避するように設計されている。
【0003】
しかしながら加水分解、沈殿及び凝集が抑制されるので長期間貯蔵される場合でさえ良好な安定性を示すにもかかわらず、プレチラクロール、クロロアセトアミド除草剤、ベンスルフロン-メチル、スルホニル尿素除草剤、ピリフタリド、ピリミジニルオキシベンゾエートを基礎とする除草剤、油相、少なくとも1つの不凍剤、少なくとも1つの界面活性剤、殺生物剤、pH調整剤、増粘剤、及び消泡剤を含んで成る水性液体組成物は、有用植物の作物、特に稲の葉に予期されない接触植物毒性を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記問題に焦点を絞り広範囲に渡り研究を行った結果、本発明の発明者等は、稲の葉への接触植物毒性の発生は、本質的にプレチラクロールの存在に起因することを見出した。さらに本発明者等は、油相として流動パラフィン、及び不凍剤としてプロピレングリコールが前記製剤中に存在することは、それらの相乗効果によってプレチラクロールの植物毒性を増加させることも見出した。
【0005】
驚くべくことに前記の問題は、2つのみのヒドロキシル基を含むプロピレングリコールの代わりに少なくとも3つのヒドロキシル基を含む少なくとも1つのポリオール化合物を不凍剤として使用し、且つ流動パラフィンの代わりに大豆油を油相として使用することによって解決され、それによって本発明の完了に至った。驚くべきことに大豆油は、上記の油相における流動パラフィンのプレチラクロールへの否定的な相乗効果を示さない。同様にたった2つのみのヒドロキシル基を含むプロピレングリコール(プロパン-1,2-ジオール)の代わりに3つのヒドロキシル基を含むグリセロール、または3つ以上のヒドロキシル基を含むポリビニルアルコールを不凍剤として使用することは、稲の葉へのプレチラクロールの接触傷害を強力に減じ、且つ思いも寄らない安全効果をもたらす。他方では、2つのみのヒドロキシル基を含むエチレングリコール(エタン-1,2-ジオール)の不凍剤として使用は、稲の葉への強力な接触傷害をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって本願は、以下の発明を含む。
第1の観点では、本発明は、少なくとも1つの液体農薬成分、少なくとも1つの固体農薬成分、少なくとも1つの油及び少なくとも3つのヒドロキシル基を含む少なくとも1つのポリオール化合物を含んで成る、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0007】
第1の態様では、本発明は、油が鉱油、植物油、脂肪酸エステル、エポキシ化植物油及び流動パラフィンから成る群から選定される、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0008】
第2の態様では、本発明は、油が植物油である、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0009】
第3の態様では、本発明は、植物油が大豆油である、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0010】
第4の態様では、本発明は、ポリオール化合物がグリセロールである、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0011】
第5の態様では、本発明は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含んで成る、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0012】
第6の態様では、本発明は、非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマーである、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0013】
第7の態様では、本発明は、液体または固体農薬成分が少なくとも1つの除草剤である、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0014】
第8の態様では、本発明は、液体または固体農薬成分が少なくとも1つの殺虫剤である、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0015】
第9の態様では、本発明は、液体または固体農薬成分が少なくとも1つの殺バクテリア剤である、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0016】
第10の態様では、本発明は、農薬成分として少なくとも1つの殺バクテリア剤及び少なくとも1つの殺虫剤を含んで成る、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0017】
第11の態様では、本発明は、少なくとも1つの液体農薬成分がクロロアセトアミドを基礎とする除草剤である、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0018】
第12の態様では、本発明は、クロロアセトアミドを基礎とする除草剤がプレチラクロールである、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0019】
第13の態様では、本発明は、固体農薬成分がスルホニル尿素を基礎とする除草剤である、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0020】
第14の態様では、本発明は、スルホニル尿素を基礎とする除草剤がベンスルフロン-メチルである、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0021】
第15の態様では、本発明は、固体農薬成分としてピリフタリド、ピリミジニルオキシベンゾエートを基礎とする除草剤をさらに含んで成る、水に懸濁可能な農薬組成物を提供する。
【0022】
第2の観点では、本発明は、有用植物の作物における、特に稲作物における所望されない植物の生育を制御するための方法を提供し、当該方法は、有効量の水に懸濁可能な農薬組成物を、制御が所望されるところに作用させることを可能にすることを含んで成る。
【0023】
第3の観点では、本発明は、有用植物の作物における、特に稲作物における草及び雑草を制御するための水に懸濁可能な農薬組成物の使用を提供する。
【0024】
第4の観点では、本発明は、少なくとも1つの液体農薬成分及び少なくとも1つの固体農薬成分を含んで成る水に懸濁可能な農薬組成物中に油を混合することによる、本発明にかかる農薬組成物の調製方法を提供する。
【0025】
第5の観点では、本発明は、有用植物の作物の葉へのプレチラクロールの接触傷害を減じるために、本発明にかかる組成物における少なくとも3つのヒドロキシル基を含む少なくとも1つのポリオールの使用を提供する。
【0026】
1つの態様では、本発明は、有用植物の作物の葉へのプレチラクロールの接触傷害を減じるために、少なくとも3つのヒドロキシル基を含むポリオールとしてグリセロールの使用を提供する。
【0027】
別の態様では、本発明は、有用植物の作物の葉への、特に稲作物におけるプレチラクロールの接触傷害を減じるために、本発明にかかる組成物中で大豆油との混合にある少なくとも1つのポリオール、特にグリセロールの使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、少なくとも1つの液体農薬成分、少なくとも1つの固体農薬成分、少なくとも1つの油及び少なくとも3つのヒドロキシル基を含む少なくとも1つのポリオール不凍剤を含んで成る水に懸濁可能な農薬組成物を提供し、これらの含有成分の十分な分散、懸濁、乳化またはその組み合せが保証されるので、長期間貯蔵される場合でさえも加水分解、沈殿及び凝集が抑制される。
【0029】
本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物において使用され得る液体農薬成分は、それらが組成物中または噴霧液体中で常温且つ常圧(組成物製造の間の温度等)で、或いは特定の場合に応じて、約50℃までの温度で、ガラス質の油もしくは液体状態にある農薬成分である限り、特に制限はない。典型例は、プレチラクロール等のクロロアセトアミドを基礎とする化合物、カルバメートを基礎とする化合物及びジニトロアニリンを基礎とする化合物を含む。さらに純粋な形態にある時に室温において固体であっても、農薬組成物において通常に使用される純度で油状である成分も本発明の液体農薬成分に含まれる。農薬成分は、例えば除草剤、殺バクテリア剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺寄生虫剤または他の殺生物剤であってよい。液体農薬成分は、好適には除草剤、殺虫剤、殺バクテリア剤または殺虫剤/殺真菌剤であり、特に好適には除草剤である。
【0030】
液体除草剤の例は、制限されずにプレチラクロール(656)、メトラクロール(548)、プロジアミン(661)、エスプロカルブ(303)、プロスルホカルブ(683)、トリクロピル(827)、フルアジホップ(681)、オーベンカルブ(595)、モリネート(560)、ジメチンアミド(dimetinamide)(260)、ペラルゴン酸(583)、ダラポン(214)、ピペロホス(560)、ブタミホス(102)、グリホサート・トリメシウム(419)、セトキシジム(726)、クレトジム(153)、S-メトラクロール(549)及びシンメチリン(153)を含む。本発明では、クロロアセトアミドを基礎とする除草剤プレチラクロール(656)及びメトラクロール(548)が好適であり、プレチラクロールを有するものが特に好適である。これらの化合物及び農学的に許容され得るそれらの塩は、例えば"The e-Pesticide Manual"、3.1版、第13編、Ed. CDC Tomlin, British Crop Protection Council, 2004- 2005において発表されている。
【0031】
液体殺虫剤の例は、制限されずにシアノホス(184)、フェンチオン(346)、フェニトロチオン(335)、ジクロロフェンチオン(1051)、ピリミホス-メチル(1345)、ダイアジノン(227)、イソキサチオン(480)、オキシデプロホス(1324)、マラチオン、フェントエート(631)、ホルモチオン(1192)、チオメトン(801)、ジスルホトン(278)、プロチオホス(686)、スルプロホス(1408)、プロフェノホス(propenofos)、ピラクロホス(689)、ジクロルボス(236)、ナレド(657)、クロルフェンビンホス(131)、プロパホス(1356)、イソフェンホス(1236)、エチオン(309)、カルボスルファン(119)、ベンフラカルブ(60)、アレスリン(17)、ペルメトリン(626)、シハロトリン(196)、シフルトリン(193)、フェンバレレート(349)、フルシトリネート(367)、フルバリネート(1184)、シクロプロトリン(188)、シラフルオフェン(728)、プロパルギット(671)、ハルフェンプロックス(424)、エトプロホス(312)及びホスチアゼート(408)を含む。これらの化合物及び農学的に許容され得るそれらの塩は、例えば"The e-Pesticide Manual"、3.1版、第13編、Ed. CDC Tomlin, British Crop Protection Council, 2004-2005において発表されている。
【0032】
他の液体農薬成分の例は、液体殺バクテリア剤、及び特に多硫化カルシウム(111)、エジフェンホス(290)、プロピコナゾール(675)、ペフラゾエート(618)、ピリフェノックス (703)、テトラコナゾール(778)、エクロメゾール(321)、ジノカップ(270)及びメタラキシルM(516)等の殺真菌剤を含む。これらの化合物及び農学的に許容され得るそれらの塩は、例えば"The e-Pesticide Manual"、3.1版、第13編、Ed. CDC Tomlin, British Crop Protection Council, 2004-2005において発表されている。
【0033】
本発明において特許請求される液体農薬成分は、標準温度且つ標準圧で1000 mg/l以下、及び好適には500 mg/l以下といった低い水溶性を有するものが特に好適である。かかる液体農薬成分の例は、プレチラクロール(水溶性:50 mg/l)、メトラクロール(水溶性:488 mg/l)、プロジアミン(水溶性:0.013 mg/l)、エスプロカルブ(水溶性:4.9 mg/l)、プロスルホカルブ(水溶性:13.2 mg/l)及びメタラキシルM(水溶性:26 mg/l)を含む。
【0034】
前記の液体農薬成分は、本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物の総重量について100重量部に基づき、好適には0.1〜60重量部、及びより好適には5〜40重量部の量で混合される。
【0035】
本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物において使用され得る固体農薬成分は、それらが組成物中または噴霧液体中で、常温且つ常圧(組成物製造の間の温度等)で固体状態にある限り、特に制限はない。これらの成分の典型例は、スルホニル尿素を基礎とする化合物を含む。農薬成分は、例えば除草剤、殺虫剤、殺バクテリア剤、殺真菌剤、殺線虫剤、殺寄生虫剤及び他の殺生物剤であり得る。液体農薬成分は、好適には除草剤、殺虫剤、殺バクテリア剤または殺虫剤/殺バクテリア剤、及び特に好適には除草剤である。
【0036】
固体除草剤の例は、制限されずにベンスルフロン-メチル(64)、CNP(974)、ナプロアニリド(517)、ビフェノックス(75)、ピリブチカルブ(698)、ブロモブチド(93)、メフェナセット(505)、ダイムロン(213)、イマゾスルフロン(456)、ピラゾスルフロン-エチル(694)、シメトリン(732)、プロメトリン(666)、ジメタメトリン(259)、クロメトキシニル、オキサジアゾン(600)、ピラゾレート(692)、ピラゾキシフェン(695)、クロメプロップ(160)、ベンゾフェナップ(70)、テニルクロール(789)、オキサジクロメホン(604)、ペントキサゾン(625)、カフェンストロール(110)、アジムスルフロン(43)、ピリミノバック-メチル(707)、フェントラザミド(348)及びビスピリバック-ナトリウム塩(82)を含む。本発明では、スルホニル尿素を基礎とする除草剤、ベンスルフロン-メチル(64)が特に好適である。これらの化合物及び農学的に許容され得るそれらの塩は、例えば"The e-Pesticide Manual"、3.1版、第13編、Ed. CDC Tomlin, British Crop Protection Council, 2004-2005において発表されている。
【0037】
固体殺虫剤の例は、制限されずにイミダクロプリド(458)、ジノテフラン(271)、チアメトキサム(792)、アセタミプリド(4)、チアクロプリド(791)、ニテンピラム(579)、NAC(115)、ピリダフェンチオン(701)、クロルピリホス-メチル(146)、ジメトエート(262)、アセフェート(2)、カルタップ(123)、チオシクラム(798)、ベンスルタップ(66)及びブプロフェジン(99)を含む。これらの化合物及び農学的に許容され得るそれらの塩は、例えば"The e-Pesticide Manual"、3.1版、第13編、Ed. CDC Tomlin, British Crop Protection Council, 2004-2005において発表されている。
【0038】
固体殺バクテリア剤、及び特に固体殺真菌剤の例は、制限されずにシプロジニル(208)、メパニピリム(508)、ピリメタニル(705)、メタラキシル(516)、メプロニル(510)、フルトラニル(396)、テクロフタラム(766)、ペンシクロン(620)、ジクロメジン(239)、トリフルミゾール(834)、カスガマイシン(483)、バリダマイシン(846)、プロベナゾール(658)、イソプロチオラン(474)、シプロコナゾール(207)、メトコナゾール(525)、トリシクラゾール(828)、ピロキロン(710)、オキソリン酸(606)、フェリムゾン(351)、イプロジオン(470)、トリホリン(838)、ピコキシストロビン(647)、アゾキシストロビン(47)、クレソキシム-メチル(485)、オリサストロビン、ピラクロストロビン(690)、トリフロキシストロビン(832)及びメトミノストロビン(551)を含む。これらの化合物及び農学的に許容され得るそれらの塩は、例えば"The e-Pesticide Manual"、3.1版、第13編、Ed. CDC Tomlin, British Crop Protection Council, 2004-2005において発表されている。
【0039】
前記の固体農薬成分は、本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物の総重量について100重量部に基づき、好適には0.1〜60重量部、及びより好適には0.1〜40重量部の量で混合される。
【0040】
本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物は、液体農薬成分及び固体農薬成分の分散性及び懸濁能を維持するために、そして液体農薬成分による固体農薬成分の分解を抑制するために乳化安定剤として少なくとも1つの油を含む。この油の例は、スピンドル油、機械油及び流動パラフィン等の鉱油、ソルベッソ(Solvesso)及びシェルゾール(Shellsol)等の芳香族溶媒、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、ヒマシ油、パイン油及び綿実油等の植物油、並びにメチルエステル及び他のエステル誘導体、エポキシ化誘導体及び脂肪酸エステル等のこれらの油の誘導体を含み、またこれらは、単独でも組み合せにおいても使用され得る。本発明において特に好適な油は、植物油である。本発明において特に好適な植物油は、大豆油である。これらの油は、本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物の総重量について100重量部に基づき、好適には0.1〜30重量部、及びより好適には1〜10重量部の量で混合される。
【0041】
それぞれの前記成分に加えて、本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物は、さらに本質的に少なくとも3つのヒドロキシル基を含む少なくとも1つの不凍剤、例えばグリセロール、ポリビニルアルコール、ペンタエリスリトール(pentaerythrol)、糖類、多糖類、デキストリンまたはセルロース誘導体、好適にはグリセロールまたはポリビニルアルコール、より好適にはグリセロールを含む。
【0042】
本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物は、好適には少なくとも1つの界面活性剤を含んで成る。好適な界面活性剤の例は、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン(POE-POP)ブロックポリマー及びアルキルポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル等の界面活性剤のポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマー型を含むが、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン(POE-POP)ブロックポリマーが特に好適である。前記界面活性剤の使用は、液体農薬成分の十分な乳化と固体農薬成分の十分な分散を可能にし、また液体農薬成分による固体農薬成分の分解を抑制するので好適である。前記界面活性剤は、本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物の総重量について100重量部に基づき、好適には0.01〜10重量部、及びより好適には0.1〜5重量部の量で混合される。
【0043】
好適な界面活性剤は、POE-POPブロックポリマーであり、そして10,000以上の平均分子量及び50%以上のエチレンオキシド重量比を有するもの(Epan U-108、Daiichi Kogyo Seiyaku等)が特に好適である。なぜならそれらは、厳密な試験条件下において凝集の発生を抑制することができるからである。しかしながら、10,000以下の平均分子量、または50%以下のエチレンオキシド重量比を有するものでさえ十分な液体成分の乳化を達成し、そして固体活性成分の分解を抑制することができる。さらに異なる平均分子量、または異なるエチレンオキシド重量比を有する多数のPOE-POPブロックポリマーの組み合わされた使用は、所望される物理的特性を有する組成物を得ることを可能にする。
【0044】
さらに他の界面活性剤もまた、本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物中に混合され得る。かかる他の界面活性剤の例は、ポリオキシアルキレントリスチリルフェノール、ポリエチレングリコール高級脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ソルビタンアルキレート、アセチレンアルコール、アセチレンジオール及びそれらのアルキレンオキシド付加生成物、ポリアルキレンソルビタンアルキレート、ポリアルキルグリコシド、スクロース脂肪酸エステル及びポリアルキレンアルキルアミン等の非イオン性界面活性剤、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキル化または非アルキル化ナフタレンスルホン酸塩及びそれらの縮合生成物、アルキル硫酸エステル及びエステル塩、アルキルリン酸エステル及びエステル塩、アルキルアルール硫酸エステル及びエステル塩、アルキルアリールリン酸エステル及びエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル及びエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル及びエステル塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸エステル及びエステル塩及びポリカルボン酸ポリマー活性化剤等の陰イオン性界面活性剤、シリコーンを基礎とする界面活性剤、フッ素を基礎とする界面活性剤及びアルキルベタイン等の両性界面活性剤、並びにアルキルメチルアンモニウム塩及びポリオキシアルキレンアルキルメチルアンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤を含む。好適な形式では、本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物は、他の界面活性剤としてポリオキシエチレントリスチリルフェノールを含む。この界面活性剤は、本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物の総重量について100重量部に基づき、好適には0.001〜10重量部、及びより好適には0.01〜1重量部の量で混合される。
【0045】
それぞれの前記成分に加えて、本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物は、水に懸濁可能な農薬組成物において典型的に使用される一般的な賦形剤も含む。かかる賦形剤の例は、シリコーン等の消泡剤、1,3-ベンゾイソチアゾリン-3-オン及び他のベンゾイソチアゾリノン化合物等の抗カビ剤、K2PO4等のpH調整剤、キサンタンガム、シリカ及びベントナイト等の増粘剤、粘土、珪藻土及び炭酸カルシウム等の不活性担体、防腐剤、結合剤、肥料及び他の活性成分を含む。
【0046】
本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物は、上記の活性成分を上記の混合賦形剤及び液体または固体担体と直接混合することによる、及び/またはそれらを一緒に砕くことによるような通常方法を用いて製造され得る。
【0047】
好適には、本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物は、後述の方法において調製され得る。
【0048】
(a) 固体農薬成分の濃縮粉砕化スラリー組成物
各種の界面活性剤及び他の助剤(助剤(assistant)は、製剤補助、例えば不活性の材料、成分である)の一部を、水に溶解または分散させることによって混合し、引き続き固体農薬成分を添加する。その後に混合物を、バッチ型ビーズミル等のビーズミルにより適切に湿式粉砕して、濃縮スラリーを調製する。
【0049】
(b) 液体農薬成分の乳化組成物
各種の界面活性剤及び他の助剤(助剤(assistant)は、製剤補助、例えば不活性の材料、成分である)を水中で混合する。ホモジナイザー等で強制的に撹拌している間に、油が溶解した油相を液体農薬成分に添加して、水性相の中に油相を乳化する。その後にこの混合物を所望される粒子径まで適切に強制的に乳化する。
【0050】
(c) 組成物の製造
固体農薬成分のスラリーを液体農薬成分エマルションに添加し(エマルション対スラリーの比率は、例えば9:1)、引き続きミキサー等で適切に混合して組成物を得る。
【0051】
本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物にかかる除草製剤は、水中にある水田雑草を制御するのに好適である。これは好適には所望される量の本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物を、直接的に、または水で適切な濃度に希釈した後に水田に直接適用することによって、或いは水田の中に流入する水に添加すること(すなわち噴流(spout)処理)によって実行される。さらに本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物は、植付け機による植付けと同時に適用され得る。
【0052】
本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物は、通常の噴霧と同様の方法で適用され得るが、さらに大量の水にも希釈され得る。本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物は、好適には100〜50,000 ml/ha、及びより好適には1,000〜10,000 ml/haの適用量で使用され得る。
【0053】
本発明において特許請求される水に懸濁可能な農薬組成物にかかる除草製剤は、多数の農学的に重要な雑草に対して使用され得る。制御されるべき雑草は、例えばアリスマ(Alisma)種、レプトクロア・チネンシス(Leptochloa chinensis)、ステラリア(Stellaria)、ナスタチウム(Nasturtium)、アグロスティス(Agrostis)、ディジタリア(Digitaria)、アベナ(Avena)、セタリア(Setaria)、シナピス(Sinapis)、ロリウム(Lolium)、ソラヌム(Solanum)、エキノクロア(Echinochloa)及び特にエキノクロア・クルスガリ(Echinochloa crus-galli)またはエキノクロア・オリジコーラ(Echinochloa oryzicola)、スキルパス(Scirpus)及び特にスキルパス・ジュンコイデス(Scirpus juncoides)、モノコリア(Monochoria)及び特にモノコリア・ヴァギナリス(Monochoria vaginalis)、サジタリア(Sagittaria)及び特にサジタリア・ピグメア(Sagittaria pygmea)、ブロムス(Bromus)、アロペクルス(Alopecurus)、ソルガム(Sorghum)、ロットボエリア(Rottboellia)、シペラス(Cyperus)及び特にシペラス・イリア(Cyperus iria)、アブチロン(Abutilon)、シダ(Sida)、キサンチウム(Xanthium)、アマランサス(Amaranthus)、ケノポジウム(Chenopodium)、イポモエア(Ipomoea)、クリサンセマム(Chrysanthemum)、ガリウム(Galium)、ヴィオラ(Viola)及びヴェロニカ(Veronica)等の単子葉及び双子葉の両方の雑草であり得る。
【0054】
本発明にかかる組み合せにおいて使用され得る有用植物の作物は、特に稲を含む。用語"作物"とは、慣用の育種方法または遺伝子操作方法の結果として除草剤または除草剤の分類(例えばALS、GS、EPSPS、PPO及びHPPD阻害剤)に対して耐性となった作物をさらに含むものとして理解される。慣用の育種方法によって、例えばイマザモックス等のイミダゾリノンに対して耐性となった作物の例は、Clearfield(商標)サマーライプ(キャノーラ)である。遺伝子操作方法によって除草剤に対して耐性となった作物の例は、例えばRoundupReady(商標)及びLibertyLink(商標)の商品名で商業的に入手可能なグリホサート-及びグルホシネート-耐性トウモロコシ変種を含む。
【0055】
さらに遺伝子操作方法によって害虫に対して耐性となった作物として、例えばBtトウモロコシ(ヨーロピアンコーンボーラー(European corn borer)に対する耐性)、Bt綿花(綿花ゾウムシに対する耐性)及びさらにBtポテト(コロラドハムシに対する耐性)も理解されるべきである。Btトウモロコシの例は、NK(商標)(Syngenta Seeds)のBt-176トウモロコシハイブリッドである。Bt毒素は、バチルス・チューリンゲンシス土壌細菌によって天然に形成されるタンパク質である。毒素及びトランスジェニック植物の例は、総合的に扱うことができ、かかる毒素は、EP-A-451 878、EP-A-374 753、WO 93/07278、WO 95/34656、WO 03/052073及びEP-A-427 529において発表されている。殺虫剤耐性をコードし、且つ1つ又は複数の毒素を発現する1つ又は複数の遺伝子を含むトランスジェニック植物の例は、KnockOut(商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(商標)(綿花)、Bollgard(商標)(綿花)、NewLeaf(商標)(ポテト)、NatureGard(商標)及びProtexcta(商標)である。植物作物及びそれらの種子材料は、除草剤に対して耐性であると同時に、昆虫の食害(insect feeding)に対しても耐性である("度重なる(stacked)" トランスジェニック事象)。種子は、例えば殺虫剤的に活性なCry3タンパク質の発現能を有し得ると同時に、グリホサート耐性であり得る。用語"作物"とは、いわゆる生産物特性(例えば改良された香り、貯蔵安定性、栄養素含有量)を含有する、慣用の育種方法または遺伝子操作方法の結果として得られた作物もさらに含むと理解されるべきである。
【0056】
以下に本発明の実施例を通して、本発明のより詳細な説明を提供する。なお本発明は、これらの実施例に限定されない。
【実施例】
【0057】
予備光毒性試験
以下の光毒性試験の目的は、一方では移植された稲に引き起こされる接触光毒性に関する主要因を検出し、そして本発明にかかる製剤について、作物安全性における候補材料の効果を調査することである。
【0058】
表1:飛沫の直接接触によって引き起こされる光毒性に影響を及ぼす要因
以下の試験の目的は、移植された稲への飛沫の直接接触によって引き起こされる光毒性に影響を及ぼす要因を特定することである。
【0059】
試験には稲作物(品種コシヒカリ)を使用し、且つプラスチック鉢の中に設置する(100cmプラスチック鉢/粘土ローム土)。適用での作物条件は、約4.5葉期である。2.5マイクロL/葉を、マイクロピペットを用いることによって(第4葉上に)適用する。試験は2回反復する。
【0060】
【表1】

DAAとは、適用後の日数(days after application)を意味する。
【0061】
試験濃度でのプレチラクロール自体は、観察される接触光毒性において最も重要な要因の一つであり、流動パラフィン及びプロピレングリコールは、プレチラクロールと一緒に適用される場合は高度に植物毒性であり、また大豆油は、光毒性に関して油相には流動パラフィンよりも良好である。
【0062】
表2:飛沫の直接接触によって引き起こされる光毒性に影響を及ぼす要因
試験の目的は、本発明にかかる製剤中に存在する大豆油及び/またはグリセロールの移植された稲における作物安全性の効果を検証することである。
【0063】
試験には稲作物(cv.コシヒカリ)を使用し、且つプラスチック鉢の中に設置する(100cmプラスチック鉢/粘土ローム土)。適用での作物条件は、約4.5葉期である。2.5マイクロL/葉を、マイクロピペットを用いることによって(第4葉上に)適用する。試験は2回反復する。
【0064】
【表2】

DAAとは、適用後の日数(days after application)を意味する。
【0065】
試験濃度での大豆油とグリセロールの組み合せは、流動パラフィンとプロピレングリコールの組み合わせよりもはるかに安全である。したがってグリセロールは、初期の植物毒性兆候を抑制するのに必須である。さらに光毒性は、グリセロール含有量を増やした場合に軽度に減少する。
【0066】
水に懸濁可能な農薬組成物
表3:本発明にかかる水に懸濁可能な農薬組成物の調製
【表3】

【0067】
(a) 固体農薬成分の濃縮粉砕されたスラリー組成物
0.1重量部のSopropore BSU(界面活性剤、Rhodia)、2.0重量部のEpan U108(界面活性剤、Daiichi Kogyo Seiyaku)及び0.1重量部のRhodosil 454(消泡剤、Rhodia、シリコーン)及び0.1重量部のRhodopore 23(増粘剤、Rhodia、キサンタンガム)を水中で溶解または分散させることによって混合し、その後に固体農薬成分を添加する。ベンスルフロン-メチル(一般名)単独またはベンスルフロン-メチルとピリフタリド(一般名)の組み合せのいずれかを固体農薬成分に使用する。スラリー中のそれぞれの活性成分の濃度は、ベンスルフロン-メチルについて15%(176g/リットル)及びピリフタリドについて30%(352g/リットル)に調整する。濃縮スラリーは、バッチ型ビーズミル(Imex、4バーレルサンドミル、1/8ガロン、1 mmのガラスビーズを用いる)で、1000 rpm/hrにて湿式粉砕することによって調製する(組成物の10倍の濃度)。
【0068】
(b) 液体農薬成分の乳化組成物
乳化剤(Epan U108、Epan U103、Epan U105またはNK-PTC)、プロピレングリコール(不凍剤、Showa Denko)、KH2PO4(pH調整剤、Nippon Kayaku)、キサンタンガム(増粘剤、Rhodia)及びProxel GXL(1,3-ベンゾイソチアゾリン-3-オン、抗カビ剤、Arch Chemicals)を水中で混合する。個々の添加成分の量については、表1及び2を参照する。ホモジナイザーで強制的に撹拌している間に油が溶解した油相を液体農薬成分に添加して、水性相の中に油相を乳化させる。プレチラクロール(一般名)は、液体農薬成分に使用する。さらに大豆油(Honen Corporation)または流動パラフィン(Matsuken、Moresco White P-70)は、油に使用する。個々の添加成分の量については、表1及び2を参照する。エマルションを約2分間強制的に乳化して、所望される粒子径を得る。
【0069】
(c) 水に懸濁可能な農薬組成物の製造
固体農薬成分のスラリーを液体農薬成分エマルションに添加し(エマルション対スラリー=9:1の比率)、引き続き5分間、柄にプロペラ型撹拌刃が付いている実験室用ミキサーで混合して組成物を得る。
【0070】
安定性試験
上記方法において調製したそれぞれの水に懸濁可能な農薬組成物について貯蔵安定性試験を行い、組成物中の農薬成分、すなわちピリフタリド、プレチラクロール及びベンスルフロン-メチルの分解を追跡する。
【0071】
上記組成物の方法に従って調製した100 mlの農薬組成物をガラス容器の中に封印し、そして恒温槽中、54℃で放置する。2週間後に農薬組成物を恒温槽から取り出し、引き続き高速液体クロマトグラフィーによって農薬成分の含有量を測定する。結果は表4に示されている。
【0072】
表4:本発明にかかる農薬組成物において行われた貯蔵安定性試験
【表4】

【0073】
液体農薬成分と固体農薬成分を含む本発明にかかる水に懸濁可能な農薬組成物は、含有成分の十分な懸濁または分散を確実にし、且つそれらの分解を抑制し、さらに長期間の貯蔵の場合でさえ、それらの沈殿及び凝集を抑制する。大豆油及びグリセロールを含む改良製剤(製剤2及び3)の貯蔵安定性は、流動パラフィン及びプロピレングリコールを含む製剤の貯蔵安定性に非常に類似している。
【0074】
表5:本発明にかかる改良製剤で行われた光毒性試験
【表5】

*0=損傷なし、
*1=実質的な損傷はないが、いくつかの兆候がある、
*2=わずかな損傷、及び
*3=受け入れられない損傷。
DAAとは、適用後の日数(days after application)を意味する。
【0075】
試験濃度でのグリセロール及び大豆油を含む本発明にかかる改良製剤2及び3は、プロピレングリコール及び流動パラフィンを含む製剤(製剤1)よりもはるかに安全であり、また14,95%のグリセロールを含む製剤2は、4,48%のみのグリセロールを含む製剤3よりも安全である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの液体農薬成分、少なくとも1つの固体農薬成分、少なくとも1つの油及び少なくとも3つのヒドロキシル基を含む少なくとも1つのポリオールを含んで成る、水に懸濁可能な農薬組成物。
【請求項2】
前記油が、鉱油、植物油、脂肪酸エステル、エポキシ化植物油及び流動パラフィンから成る群から選定される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記油が、植物油である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記植物油が、大豆油である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリオールが、グリセロールである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含んで成る、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマーである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記液体または固体農薬成分が、少なくとも1つの除草剤である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記液体または固体農薬成分が、少なくとも1つの殺虫剤である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記液体または固体農薬成分が、少なくとも1つの殺バクテリア剤である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
農薬成分として少なくとも1つの殺バクテリア剤及び少なくとも1つの殺虫剤を含んで成る、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1つの前記液体農薬成分が、クロロアセトアミドを基礎とする除草剤である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記クロロアセトアミドを基礎とする除草剤が、プレチラクロールである、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1つの前記固体農薬成分が、スルホニル尿素を基礎とする除草剤である、請求項1〜8及び請求項12〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記スルホニル尿素を基礎とする除草剤が、ベンスルフロン-メチルである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
固体農薬成分としてピリフタリドをさらに含んで成る、請求項1〜8及び請求項12〜15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
有用植物の作物中にて所望されない植物の生育を制御するための方法であって、請求項1〜16のいずれか1項において定義される組成物の有効量を、制御が所望されるところに作用させることを可能にすることを含んで成る方法。
【請求項18】
前記有用植物の作物が稲である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
有用植物の作物中の草及び雑草を制御するための、請求項1〜16のいずれか1項に定義される組成物の使用。
【請求項20】
前記有用植物の作物が稲である、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
少なくとも1つの液体農薬成分及び少なくとも1つの固体農薬成分を含む水に懸濁可能な農薬組成物中に油を混合することによって、請求項1〜16のいずれか1項において定義される組成物を調製するための方法。
【請求項22】
有用植物の作物の葉へのプレチラクロールの接触傷害を減じるための、請求項1〜16のいずれか1項において定義される組成物における、少なくとも3つのヒドロキシル基を含む少なくとも1つのポリオールの使用。
【請求項23】
前記ポリオールがグリセロールである、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
有用植物の作物の葉へのプレチラクロールの接触傷害を減じるための、請求項1〜16のいずれか1項において定義される組成物中で大豆油との混合にある、請求項22または23に記載の少なくとも1つのポリオールの使用。
【請求項25】
前記有用植物の作物が稲である、請求項22〜24のいずれか1項に記載の使用。

【公表番号】特表2010−524875(P2010−524875A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503399(P2010−503399)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003035
【国際公開番号】WO2008/128690
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】