説明

水の蒸発による透明テクスチャーコーティング

テクスチャー加工表面のための塗料溶液は、水と、放射線硬化性であるのが好ましい水溶性又は水分散性の有機バインダーと、当該有機バインダー又はその硬化ポリマーの屈折率より大きい、又はそれと一致する、又はそれより小さい屈折率を有する粒子又はそれらの予備成形集合体とを含むことができる。2つの屈折率は、所望されるテクスチャー加工表面の外観がフロストであるか、透明性であるか、それとも超低反射率であるかに応じて選択することができる。高充填率の不溶性及び/又は非膨潤性の粒子及びそれらの集合体を含有しているのが好ましいエネルギー硬化性塗料からの水の蒸発を利用することができ、当該粒子及びそれらの集合体の寸法のうちの少なくとも1つは、これらの粒子又はそれらの集合体を表面に露出させそしてフィルムを硬化させてそれらを所定の箇所に固定するよう、乾燥したフィルムよりも大きいことが好ましい。本塗料溶液を使用して、食品との直接の(及び間接的な)接触において使用可能なテクスチャー加工被覆を施した結果物を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年9月16日出願の米国仮出願第61/242972号の優先権を主張するものであり、その開示は参照によりここに組み入れられる。
【0002】
本発明は、テクスチャーコーティングを対象とし、特に、水を含有している塗料を使用し水の蒸発により様々な度合いの透明度と光沢とを有するテクスチャー加工表面を得ることを対象とする。
【背景技術】
【0003】
揮発性有機化合物(VOC)を含まず且つ様々な表面組織と様々な度合いの透明度及び光沢度とを得ることができる包装材料の必要が拡大している。
【0004】
例えば、多くの製品が透明プラスチックの袋又はその他の入れ物で包装され、入れ物の内側及び/又は収納された製品自体あるいはそれに添えられたラベルに図柄が印刷されている。そのため、入れ物の透明性が所望されている。同時に、様々な心理的及び販売上の理由から、これらの製品の多くのものの包装は、標準的な高光沢のプラスチックよりも「柔らかく」見えるとともに、実際にそう感じられることが求められる。このような「より柔らかい」感触と外観は、「心地よい」、「感じがよい」、「自然である」、「人工的でない」、「生き生きしている」、及び同様の感情や連想を抱かせるものと考えられる。これは、過去においてありふれていた艶やかな高光沢のプラスチック又はセロファンの包装と対照的である。
【0005】
更に、食品の包装については、大部分のVOCを避け、且つまた包装される食品にとって「自然な」、「健全な」そして「健康によい」イメージを与えることが必要である。VOCや他の安全でない化学物質及び添加物への関心は、食品包装の内側にもその外側にも向けられている。これは、そのような包装材料は大きなロールに巻取られることが多く、プラスチック包装材料の一番外側が最終的に内側となる側と接触するからである。こうして、食料製品とともに使用するのに適した特別な外見と透明な包装材料が必要とされている。
【0006】
これまで、テクスチャー加工した表面は一般に、例えばエンボス加工、化学エッチング、粒子を充填したプラスチックの成形加工、揮発性溶媒を含むポリマー/粒子分散液のスプレー塗布、及び分散液又はエマルジョンからのポリマーの沈着、により作られている。
【0007】
従来式のフロスト外観のスプレー塗布塗料は、工具店で広く入手可能である。それらは一般に、ポリマーのバインダー、粒子の分散液、及び揮発性溶媒を含有している。溶媒はスプレー塗布する間に揮発して、結果として生じる粒子の配合物を流動化させるのに必要とされるよりもバインダーの少ない液の状態をもたらす。この状態そのものが、スプレー後の粘度を高くし、そして粒子をスプレーされた表面に固定する。バインダーはその後、通常のエマルジョン又はラッカー塗料におけるのと同様に、フィルムを形成すること又は風乾によって「硬化」する。結果として得られるものは、適用したポリマーフィルムから突出して一般に「フロスト」と称される白っぽい不透明なコーティングとして所望の表面組織を生じさせる多数の粒子又はそれらの集合体である。
【0008】
これらの通常のアプローチには、そのようなコーティングは不透明であるという難点があるとともに、それらに含まれるVOCやその他の化学物質成分が可燃性であるとともに毒性でもあり得るという難点もある。たとえ毒性でないとしても、それらを用いることはVOCの規制と制限を順守することを必要とし、そのため多くの状況において、特に例えば食品に関する包装、調理、展示及びその他の用途において、実用的でないことがある。
【0009】
テクスチャー加工した又は構造化した表面を作るのに、水が用いられることもある。例えば、米国特許第7244508号明細書には、水の蒸発を利用して粒子の集合体を作ることが教示されている。しかし、このアプローチは、表面積の大きな十分密着した連続フィルムを生じさせるためにオーブン内で所定時間かけて制御された加熱を行うのを必要とし、そのため複雑な装置とエネルギーの使用が必要となる。
【0010】
放射線による硬化も、テクスチャー加工した表面を形成するのに利用されている。例えば、米国特許第6476093号明細書には、放射線で硬化するモノマーと、特に揮発性溶媒を含み、ガラス上でのアルカリ及び衝撃試験に合格する艶消し外観のコーティングを生じさせるシリカ入り塗料液が記載されている。しかし、水が可能性ある溶媒であるとは想定されておらず、また、水と相性のよい放射線硬化モノマーはほとんどないため、このような系において水は現実的な選択ではない。その上、揮発性溶媒の使用は食品がこれらのコーティングと直接接触するのを不可能にする。
【0011】
放射線硬化と集合体の形成との組み合わせが、米国特許第6777092号明細書に記載されている。この場合も、ポリマーの沈積のために有機溶媒(エタノール)の蒸発が必要とされている。
【0012】
書き込み可能でインクを受け入れるコーティングが、米国特許第6251512号明細書と国際公開第1998005512号パンフレットとに記載されている。しかし、これらの系は、水膨潤性粒子を含む透明コーティングを必要とし、そして水性及び油性インクによる書き込みを受け付けると説明されている。粒子は水中で膨潤して1gの粒子当たり2〜20mlの水を受け取り、かなりの粒子充填率が想定されている(好ましくは60〜100%)。そのような充填率は、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷などでの印刷を不可能にし、そのためこれらの印刷技術とも大部分の包装技術とも相性が悪い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第7244508号明細書
【特許文献2】米国特許第6476093号明細書
【特許文献3】米国特許第6777092号明細書
【特許文献4】米国特許第6251512号明細書
【特許文献5】国際公開第1998005512号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
当該技術分野で必要とされているのは、当該技術分野における上記の問題を解決する、新しいタイプのテクスチャーコーティングとそれを適用する方法である。
【0015】
なおまた必要とされているのは、透明でありあるいは「フロスト様」であることができ、しかも同時に様々な表面組織と光沢であることができ、食品と直接接触する状況や関連した状況において使用することができる、塗料溶液とそれを適用する方法である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
テクスチャー加工した表面のための塗料溶液が提示される。本発明の典型的な実施形態では、塗料溶液は、水と、水溶性又は水分散性の、好ましくは放射線硬化性である有機バインダーと、この有機バインダー又はその硬化ポリマーの屈折率より大きいか、それと一致するか、あるいはそれより小さい屈折率を有する粒子及び/又はそれらを予備成形した集合体の分散系とを含むことができる。本発明の典型的な実施形態では、上記2つの屈折率は、フロストのテクスチャー加工表面外観が所望されるのか、透明性のテクスチャー加工表面外観が所望されるのか、それとも超低反射率のテクスチャー加工表面外観が所望されるのかに応じて、選定することができる。本発明の典型的な実施形態では、高い充填率の不溶性及び/又は非膨潤性粒子とそれらの集合体とを含有しているのが好ましいエネルギー硬化性塗料からの水の蒸発を利用することができ、粒子及びそれらの集合体の寸法のうちの少なくとも1つは、これらの粒子又はそれらの集合体を表面に露出させてフィルムを硬化させそれらを所定の位置に固定するように、乾燥したフィルムよりも大きいことが好ましい。この方法は、現行の放射線硬化上塗りフィルムを適用する任意の塗布機又はプレス機、例えばフレキソ印刷機又はグラビア印刷機などに、容易に適合させることができる。更に、このような塗料溶液を使用して種々の基材、例えばガラス、金属、木材、紙又はプラスチックなどの上に、簡単な塗装と乾燥/硬化によってテクスチャー加工した表面外観を得る方法が提示される。本発明の典型的な実施形態では、この塗料溶液と方法を使用して、FDA又は他のしかるべき規制当局もしくは監督機関によって規制されるよりも低い抽出結果を有するために食品と直接(及び間接的に)接触する用途において有効なテクスチャーコーティングを施した結果物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の典型的な実施形態では、水に基づき且つ環境保全型の技術を天然物由来の重要成分と組み合わせて、包装で使用するための食品との直接の接触についての該当するFDA(又は他の関係機関)の規制に準拠するコーティングを提供することができる。本発明の典型的な実施形態では、フィルムを固定するためにフレキソ印刷と放射線硬化を使用することにより、エネルギー消費を少なくし危険を少なくすることができる。フレキソ印刷では、廃液がなく、そして放射線硬化にあっては、高揮発性の溶媒を使用する必要あるいはオーブン乾燥の必要がない。
【0018】
従来技術とは対照的に、本発明の典型的な実施形態では、次の構成要件、すなわち、(1)溶媒としての水、(2)粒子を固定するための放射線硬化、(3)透明性をもたらすと同時に光沢を非常に少なくする天然物由来の粒子、及び(4)食品との直接の接触についてのFDA又は他のしかるべき規制当局の規制に準拠するプロセス、のうちの1つ以上を使用することができる。
【0019】
透明性の高いフロスト外観は、標準的な艶消し剤を使ったのでは容易に得られない。この種の表面はプラスチックフィルムをエンボス加工することにより得られるとは言え、そのようなプロセスは費用がかかり、それを使用するためには印刷した表面の上に積層することを必要とする。本発明の典型的な実施形態では、高充填量の不溶性及び/又は非膨潤性粒子とそれらの集合体であって、それらの寸法のうちの少なくとも1つは、これらの粒子又はそれらの集合体を表面に露出させそしてフィルムを硬化させてそれらを所定の箇所に固定するように、乾燥したフィルムよりも大きいことが好ましい粒子とそれらの集合体を含有していることが好ましい、エネルギー硬化性塗料からの水の蒸発を利用することができる。この方法は、現行の放射線硬化上塗り層を適用する任意の塗装機又はプレス機、例えばフレキソ印刷機又はグラビア印刷機に、容易に適合させることができる。透明性と低光沢(例えば60℃の視角で10〜30%)を得るためには、例えば、屈折率が水混和性の放射線硬化性モノマーのそれに近い不溶性粒子を好ましく使用することができる(例えば、n=1.4〜1.5であるようなものを1〜30wt%で)。所定屈折率のバインダーで考えると、粒子の屈折率が低くなり且つ固形分の割合が高くなればなるほど、光沢は少なくなり、従ってフロスト外観が強くなる。一方、粒子の屈折率がバインダーのそれに近くなればなるほど、透明性は高くなる。このように、バインダーと粒子を注意深く選択することによって、超低光沢(85度で<10%)とともに透明性を含めて、広範囲の光学的外観が可能となる。この後者の新しい組み合わせは、これまでのアプローチでは絶対に両立しないものであり、不可能なものである。
【0020】
本発明のアプローチは、従来技術の方法、特に積層を必要とするものよりも、費用がかからず、従ってより効果的であることが注目される。それはまた、大部分のフレキソ印刷機又はグラビアプレス機に広く適用可能であり、使用者又は視認者が印刷された図柄又はその下の内容物(例えば包装の内部又は陳列ケースなど)をはっきりと見えるようにする能力を保持する低光沢表面への道筋を提供する。本発明の典型的な実施形態では、この新しい塗料と方法を広範囲の基材に、例えばガラス、金属、木材、紙、及びプラスチックなどに、適用することができる。その上、例えばSun Chemical社のLO/LE(商標)技術などを、直接抽出物が規制限度未満に収まる、食品グレードの天然ポリマー、例えばデンプンやセルロースなど、あるいは特定の分散合成ポリマー粒子などとともに使用することにより、直接接触の食品包装に対応することができる。上述のように、テクスチャー加工した表面に透明性を組み合わせて包装内容物又はその下の図柄を見ることは、魅力的で且つ非常に望ましい組み合わせである。上述のように、超低光沢(85度で<10%)であるとともに透明であることは、従来のアプローチにおいては全く知られていないことであり、不可能なことである。
【0021】
更に、従来のアプローチとは対照的に、本発明の典型的な実施形態では、テクスチャー加工外観のために用いられる粒子は、水性塗料溶液中で、あるいは塗布して硬化後に、水で膨潤しない。このために、有機物と相性のよい固形物を使用することができ、そして天然物が所望される限りにおいて、例えば、水で膨潤しないデンプン及びセルロースの疎水性誘導体を利用することができる。
【0022】
本発明の典型的な実施形態では、水が好ましくはバインダーに可溶性であり又は安定して分散していることと、市販のスプレー塗料から有機溶媒が蒸発するのと同じようにしてその後蒸発することによって、フロスト外観が得られる。この外観は、例えば、特定の種類の放射線硬化性モノマー、例として、その全体が参照によってここに組み入れられる例えば米国特許第6803112号明細書に記載されたような、Sun Chemical社の特許に係るFDA準拠のLO/LE(商標)技術で説明されているものなどを使用することによって、向上させることができる。
【0023】
放射線硬化前か放射線硬化中に、水が蒸発すると、バインダーの厚さが減少する。粒子の屈折率をバインダーの屈折率に対して変更することにより、様々な特別の視覚効果を得ることができる。例えば、粒子の屈折率がバインダーと同様の場合、結果として得られるテクスチャー加工フィルムは非常に透明になることができる。あるいはまた、粒子の屈折率がバインダーよりわずかに低い場合は、結果として得られる表面の光沢は極めて低くなることができる。単一のコーティングから、例えば85度で<10%のような超低光沢が透明性とともに得られることは、当該産業分野において類のないことである。本発明の典型的な実施形態では、これらの特性を、液状塗料から水が蒸発し、それにより粒子又はそれらの予備成形凝集体を露出させ粗面を生じさせることにより得ることができる。その上、電子線で硬化してppb抽出物を産出する、Sun Chemical社のLO/LE(商標)化学製品などのバインダーを使用し、そして例えば、LO/LE(商標)タイプの系に存在していないその他の揮発性又はマイグレーション性分子を使用しなければ、結果として得られるフィルムは、例えば、食品との直接接触についてのFDAの規制(あるいは場合によりその他のしかるべき規制)に準拠することができる。
【0024】
本発明の典型的な実施形態では、粒子は、例えば、それらの大きさ、それらの集合体の大きさ、及びそれらの屈折率について選定することができる。上述のように、屈折率がバインダーと一致すると透明性が得られ、その一方で屈折率の不一致が大きくなるとフロストの又は低反射率の、非常に不透明なコーティングが得られる。本発明の典型的な実施形態において、好ましい塗布方法は例えばグラビア印刷又はフレキソ印刷でよいとは言え、例えばリソグラフィー、スプレー、スクリーン印刷、ナイフ塗布、ロッド塗布などの、その他の方法により塗料を塗布してもよい。本発明の典型的な実施形態では、広範囲の基材、例えば金属、ガラス、木材、紙、又はプラスチックなどを、その下の印刷された図柄とともにあるいはそれなしに、こうして上塗り塗装することができる。本発明の典型的な実施形態では、このようなコーティングは、例えばバーコードのためなどの、重ね刷りを受けることもできる。
【0025】
本発明の典型的な実施形態では、塗料として使用することができる組成物は、水と、放射線硬化性であるのが好ましい水溶性又は水分散性の有機バインダーと、粒子又はそれらの予備成形した集合体の分散系とを含み、当該粒子又はそれらの集合体は、所望されるテクスチャー加工表面の外観がフロストであるか、透明性であるか、それとも超低反射率であるかに応じて、それぞれ、(i)有機バインダー又はその硬化ポリマーの屈折率より大きいか、(ii)実質的にそれと等しいか、又は(iii)それより小さい屈折率を有する。本発明の典型的な実施形態では、粒子又はその集合体は、少なくとも1つの寸法が、硬化完了後にそれ又はその集合体が少なくとも一部分はバインダーフィルムから突き出すように、乾燥したバインダーの厚さよりも平均して大きくてよい。本発明の典型的な実施形態では、水の含有量は、乾燥によりバインダーの寸法を有意に低下させるために、例えば好ましくはおよそ20%より多くすることができ、そして粒子の充填率は、例えば好ましくはおよそ2%より多くすることができる。
【0026】
本発明の典型的な実施形態では、そのような組成物を使用して、例えばガラス、金属、木材、紙又はプラスチックなどの様々な基材上に、単純な塗布と乾燥/硬化によってテクスチャー加工表面の外観を得る方法を提供することができる。本発明の典型的な実施形態では、当該方法は、例えば、組成物を塗布するためにスプレー塗布、スクリーン印刷、ナイフ塗布、ロッド塗布、グラビア印刷、又はフレキソ印刷し、その後所定の位置で水の全て又は一部分とともに放射線硬化させることを含むことができる。更に、事前の乾燥は必須でないことが注目される。
【0027】
本発明の典型的な実施形態では、硬化処理した物品を産出することができる。そのような典型的な物品は、放射線硬化したバインダーと粒子及び/又はそれらの集合体を含むことができ、当該粒子又はそれらの集合体は、所望されるテクスチャー加工表面の外観がフロストであるか、透明性であるか、それとも超低反射率であるかに応じて、バインダーの屈折率より大きいか、実質的にそれと等しいか、又はそれより小さい屈折率を有する。
【0028】
そのような硬化処理物品の典型的な用途としては、例えば、電気ディスプレイ(発光ダイオードであるかあるいは電子発光の)、光制御コーティング(オフアングルビューを防ぐためのコンピュータスクリーンにおけるような)、ラベル、デカルコマニア及びステッカー、そしてフロスト、透明性、光沢及びそれらの組み合わせの触覚的及び視覚的効果を高めること又は差別化することが求められる全ての場合の包装材料、を挙げることができる。このように、超低光沢と透明性との組み合わせが有益であり得る多くの用途がある。
【0029】
本発明の典型的な実施形態では、塗料組成物と方法を使用して、例えば、FDAあるいは他の該当する規制当局によって規定されるよりも少ない抽出物の結果を有することにより食品との直接接触に適した、テクスチャーコーティングを施した結果物を得ることができる。そのような表面に対する食品との直接接触についてのFDA(又は相当する機関)の規制に準拠することは、商業的に少なからず重要なことである。表面組織を備えることとFDA(又は相当する機関)の規制に準拠することは、現在のところ、プラスチックの場合にはエンボス加工した又は充填剤入りの薄いプラスチックフィルムを積層することにより、ガラスの場合はレーザーでのパターニング及び/又は化学エッチングにより、可能であるが、両方のアプローチとも費用がかかり、利用できる用途が限られる場合が多い。図柄を既に加えた後に塗装を施すことによりこれらの条件を達成することは、今日の食品、化粧品、及び薬品の包装において用いられる様々なフィルム及び容器にとって、より適したものであろう。そのような典型的塗料は、いくつかの例を挙げると、例えばスプレー、スクリーン印刷、ナイフ塗布、ロッド塗布、グラビア印刷、又はフレキソ印刷により、適用することができる。更に、本発明の典型的な実施形態では、塗料はVOC又は可燃性溶媒を含まなくてよく、そして低粘度での塗布を可能にするよう放射線硬化性であることができ、その上長期の加熱又はオーブンでの乾燥の必要なしに硬化後のポリマーの分子量が高くなるという特性を有することができる。
【0030】
これまでは、より低光沢の表面はいわゆる艶消し剤を用いて得られることが多かった。これらは塗布液への、小粒子の、分散した、不溶性添加物である。最も一般的には、それらは、数百ナノメートルから1ミクロンまでの範囲の大きさのシリカ、ワックス、又はポリマーのエマルジョンである。それらの有機バインダーへの分散液では、フロスト表面は得られず、また添加剤が20%未満の光沢を得るために十分な量である場合には、屈折率が一致せずそして粒子の充填率が過度に高いために、透明な製品も得られない。このように、そのような従来の艶消し剤を使用することにより得られるものは、コーティングの内部光散乱のため曇りが強くなるのが特徴となることが多い。
【0031】
それとは対照的に、非常に揮発性のバインダー中に数ミクロンの範囲の大きさの大きな粒子が分散した分散系の塗料を塗布して、又はそのような粒子又は集合体を非常に揮発性のバインダー中においてその場で生じさせることにより、フロスト外観を持った製品が得られる。溶媒の蒸発によってバインダーが乾燥すると、バインダー塗膜の厚さは分散粒子又はその集合体の寸法未満に減少して、その結果粒子又はその集合体がコーティング表面から突き出す。これらは、フロスト外観として肉眼で容易に認識され、大きな角度での光沢が小さいことが特徴となる。一般に、超低光沢(85度で<10%)を低屈折率の粒子(例えばn=1.3〜1.5であるようなもの1〜30wt%)で得ることができ、不透明なフロストガラスの外観を非常に高屈折率の粒子(例えばn>1.5のもの1〜30%w/w)によって得ることができる。
【0032】
従来の揮発性溶媒を水で置き換えることが環境面でも有益であることが注目される。水の使用は、有機バインダーが少なくとも一部分は水と混和性であること、あるいは安定なエマルジョンとして存在することを必要とする。本発明の典型的な実施形態では、乾燥により寸法を十分に低下させるために、水の含有量を最終の混合物中において、好ましくは例えば20wt%より多くすることができ、より好ましくは例えば30wt%より多くすることができる。スプレー又はグラビア印刷に必要とされるような十分に低い粘度を得るためには、バインダーは理想的には、例えば塗布後に硬化するモノマーであるべきであり、あるいは例えば、フィルムを形成する低Tgのエマルジョンポリマーであるべきである。この用途のためには、例えばSun Chemical社のLO/LE(商標)製品ラインで使用されているものや、例えばBASF社のLR8765、Sartomer社のCN132などの、種々のエポキシアクリレートが特に適している。水溶液の放射線硬化のためには、エマルジョンポリマーの場合にように事前乾燥は不要である。上記のように、揮発性溶媒を水と置き換えることは(そしてもちろんLO/LE(商標)タイプのバインダーを使用することも)、結果として得られたフィルムが食品との直接接触についてのFDA(又は相当する機関)の規制に準拠するのを可能にする。
【0033】
本発明の典型的な実施形態において、粗面を作り出すために使用する固形物は、バインダーと水に不溶性であることができ、そして粒子自体あるいはその集合体において予想されるバインダーの厚さより大きい少なくとも1つの寸法を有することができる。
【0034】
本発明の典型的な実施形態では、使用する粒子とバインダーのそれぞれの屈折率間の種々の関係を利用して様々な外観を作り出すことができる。例えば、化学的にエッチングしたガラスと同様の外観を生じさせるためには、粒子の屈折率は、例えばバインダーのそれより「高く」てよく、理想的には、例えば、大抵の放射線硬化材料の場合の例えば1.43〜1.46の範囲、あるいは例えば1.42〜1.48の範囲と比べで、>1.50であることができる。しかし、低光沢の透明コーティングを得るためには、粒子の屈折率は有機バインダーのそれと一致できることが好ましく、そして最後に、非常に低反射率のコーティングを得るためには、粒子の屈折率はバインダーのそれ未満、理想的には<1.40であるのが好ましい。本発明の典型的な実施形態では、好ましい高屈折率の粒子は、例えば、結合性の増粘がないためタルクであることができる。屈折作用が一致する最も好ましい粒子は、例えば、アルキル化剤と反応させて水との相容性を除きあるいは大きく減少させたデンプン及びセルロースの誘導体である。最も低屈折率の粒子は、パーフルオロ化したエーテル類及びポリオレフィン類であるが、重ね刷りのために最も好ましいのはやはり、アルキル化度のより高いデンプン及びセルロース誘導体である。粒子の充填率は、許容可能な塗料粘度を得るために水が必要とされるようなものであるのが好ましく、好ましくは10wt%より高く、より好ましくは20wt%より高い。食品と非接触の用途については、バインダーの屈折率を、屈折率がより低い又はより高い代わりのモノマーを添加することにより分散固形物粒子に一致するよう変更することもできる。
【0035】
下記に提示する例は、これらのタイプの光学的外観のコーティングのおのおのの考えられる実施形態を代表するものである。塗料中の材料の実際の量は、ほとんど無限の範囲の光学的外観を与えるように変更することができる、ということが理解される。塗料は、様々な手段で塗布することができるが、好ましくは添加する固形物の平均粒子寸法よりも大きい湿り厚さである。外観は、例えば、一部の状況において水の事前の蒸発(硬化前の)により向上させることができるが、これは所要の条件ではない。この状況において、そのような水の事前蒸発工程の必要性及び/又は有効性は、系に依存する。一部の機械は、例えば、塗料を塗布しそれを例えば電子線又はUVランプにより硬化させる前に十分な水が蒸発して追加の水蒸発工程の必要をなくす十分な熱を発生させる。ほかの機械は、例えば、冷却器を運転し、あるいは塗布後のプレス機で塗料に接近した排熱システムがなく、あるいは硬化前の水の蒸発がより少ないほかの特性を有する。本発明の典型的な実施形態では、硬化は、抽出率が最小のために好ましい電子線によるか(光開始剤がなく、又は照射後のその残留物質がない)、あるいは硬化前及び硬化中に水を追い出すのを助ける熱のために好ましい紫外線による。
【0036】
本発明の典型的な実施形態では、塗料溶液の追加成分として塗料及び印刷インク中に一般的に見いだされるその他の物質を使用することができる。例えば、基材を濡らすための界面活性剤、粒子を安定化させるための分散助剤、包装の安定性を向上させるためのUV安定剤、着色のための顔料及び/又は色素、黄変に耐えるための蛍光増白剤、UV硬化のための光開始剤、柔軟性を増すための可塑剤、硬化を増進するための酸素スカベンジャー(例えばアミン)、そして滑りを制御するためのワックス及び/又はシリコーンが、様々な実施形態と状況において有効であることができる。粒子のいわゆる「ソフトセトル」は許容範囲であるが、分散液の安定化は、液溜めをソフトセトル分散液の場合ほど徹底的に攪拌する必要がないので、塗布にとって有益である。
【0037】
このように、本発明の典型的な実施形態においては、基材上に不透明な又はフロスト様テクスチャーコーティングを適用する方法を実施することができ、この方法は、塗料溶液を基材に塗布することを含み、その塗料溶液は水と、第1の屈折率を有する有機バインダーと、第2の屈折率を有し分散系を形成する粒子及び所望によりその集合体とを含む。この方法は更に、その溶液により覆われた基材上に不透明な又はフロスト様の外観を、水の一部分の蒸発と塗料の硬化、溶液からの水の一部分の蒸発、そして溶液の硬化後にもたらすよう、バインダー及び粒子を第2の屈折率が第1の屈折率より所定量だけ大きくなるように選択することを含む。
【0038】
例えば、第1の屈折率は1.42〜1.48でよく、第2の屈折率は1.5より大きくてよい。
【0039】
あるいは、本発明の典型的な実施形態においては、基材上に透明なテクスチャーコーティングを適用する方法を実施することができ、この方法は、塗料溶液を基材に塗布することを含み、その塗料溶液は水と、第1の屈折率を有する有機バインダーと、第2の屈折率を有し分散系を形成する粒子及び所望によりその集合体とを含む。この方法は更に、その溶液により覆われた基材上に透明な外観を、水の一部分の蒸発と塗料の硬化、溶液からの水の一部分の蒸発、そして溶液の硬化後にもたらすよう、バインダー及び粒子を第2の屈折率が第1の屈折率とほぼ等しくなるように選択することを含む。
【0040】
例えば、第1の屈折率及び第2の屈折率とも1.42〜1.48であることができる。
【0041】
あるいはまた、本発明の典型的な実施形態においては、基材上に低光沢のテクスチャーコーティングを適用する方法を実施することができ、この方法は、塗料溶液を基材に塗布することを含み、その塗料溶液は水と、第1の屈折率を有する有機バインダーと、第2の屈折率を有し分散系を形成する粒子及び所望によりその集合体とを含む。この方法は更に、その溶液により覆われた基材上に不透明な又はフロスト様の外観を、水の一部分の蒸発と塗料の硬化、溶液からの水の一部分の蒸発、そして溶液の硬化後にもたらすよう、バインダー及び粒子を第2の屈折率が第1の屈折率より所定量だけ大きくなるように選択することを含む。第2の屈折率は、透明であるとともに、例えば低光沢であるか、あるいは例えば超低光沢でもある基材上での外観を可能にするよう、例えば第1の屈折率よりもわずかに小さいだけであることができる。
【0042】
例えば、第1の屈折率は1.42〜1.48であることができ、第2の屈折率は1.4未満である。あるいは、例えば、第1の屈折率は1.43〜1.46であることができ、第2の屈折率は1.3と1.4の間であることができる。
【0043】
本発明による典型的な塗料溶液は、例えば、10wt%未満のVOC、5wt%未満のVOC、3wt%未満のVOCを含むことができ、あるいは好ましくはVOCを含まなくてよい。
【0044】
本発明による典型的な塗料溶液は、2wt%より大きい、3wt%より大きい、又は例えば5wt%より大きい粒子充填率を有することができ、また溶液の水含有量は10wt%より多く、20wt%より多く、及び25wt%より多くのうちの1つであることができる。
【0045】
本発明による典型的な塗料溶液は、基材と硬化したコーティングとを含む硬化処理物品を含むこともでき、ここでの基材は本発明の方法のいずれかを使って被覆されている。更に、本発明による典型的実施形態は、基材とこの基材の少なくとも1つの面を覆うコーティングとを含む物品を含むこともでき、ここでの塗料は本発明による塗料溶液のうちの1つである。このような典型的物品は、そのコーティングを、塗料溶液から水の一部分を蒸発させ、そして塗料溶液を硬化させることにより得ることができる。例えば、塗料は電子線及び紫外線のうちの少なくとも一方への暴露により硬化させることができる。
【0046】
以下の例は、本発明の特定の実施形態を説明するものであり、その範囲をいかなる点でも限定する意図はなく、そのように解釈されるべきでない。
【実施例】
【0047】
以下の例は、使用する不溶性固体粒子の充填率と屈折率に応じて、フロスト外観及び半透明から超低光沢及び透明までにわたって様々な、低臭気、低抽出物の放射線硬化コーティングを説明する。塗料分散液は、水を例えばエポキシアクリレート、グリコールアクリレート、及び極性アルコールのアクリレート中に溶解させ、基材を濡らすため必要に応じ界面活性剤を加え、そしてその後、粉砕した不溶性粒子を流動性を保持するための臨界的充填率で加え分散させることにより作ることができる。好ましくは、例えば、この粒子又は集合体は、乾燥したフィルムの表面から突き出すような寸法を有することができる。
【0048】
〔例1−より高屈折率の粒子〕
28gのBASF社のLR8765と13.5gのSartomer社のSR610(グリコールジアクリレート)の混合物に34gの水を、透明な溶液が得られるまでかき混ぜながら加えた。この溶液に、0.5gのBYK345界面活性剤と2gのCIBA社のIr2959光開始剤を加えた。これらが溶解したならば、22gのUltratalc 609(屈折率1.59、米国オハイオ州West ChesterのGMZ社)を加え、DAC 150 FVZ SpeedMixerにより3000rpmで2分のサイクルにより分散させた。このソフトセトル調整液を、予熱したガラス表面(例えば80℃)にスプレー塗布し、約100fpmのベルト速度で2つの200wpi中圧Hgランプ下を通過させることにより硬化させた。その結果得られたコーティングは、85°での光沢度が約5%のほぼ不透明のフロスト外観を有していた。それはメチルエチルケトンでの35回以上の往復の摩擦に耐え、鉛筆硬度の評価がHBであった。
【0049】
〔例2−バインダーに本質的に一致する屈折率の粒子〕
57gのBASF社のLR8765に28gの水と0.5gのBYK345を加えた。透明な溶液ができてから、14.5gの粉末2−ヒドロキシエチルデンプン(屈折率1.48、Aldrich Chemical社)を加え、DACにより3000rpmで2分のサイクルにより分散させた。このソフトセトル調整液をポリプロピレンフィルムに#17の巻線ロッドで塗布し、3.0Mrad、235ppm酸素のAEB実験ユニットにおいて電子線により硬化させた。結果として得られたフィルムは、印刷表面に接近した距離で透明であり、85°での光沢度が約6%であった。それはメチルエチルケトンでの60回以上の往復の摩擦に耐え、動摩擦係数が約0.267、すべり角が約18度であって、610テープ密着力試験に合格した。
【0050】
〔例3−より低屈折率の粒子〕
55gのBASF社のLR8765に25gの水と0.5gのBYK345を加えた。透明な溶液ができてから、15.5gの粉末ヒドロキシプロピルセルロース(屈折率1.34、Ashland Chemical社のAqualon)を加え、DACにより3000rpmで2分のサイクルにより分散させた。このソフトセトル調整液をポリプロピレンフィルムに#17の巻線ロッドで塗布し、3.0Mrad、218ppm酸素のAEB実験ユニットにおいて電子線により硬化させた。その結果得られたフィルムは、85°での光沢が約3%であり、白い色合いで半透明であった。
【0051】
様々な典型的実施形態はもちろん様々な好ましい典型的実施形態も含めて、本発明を詳しく説明してきた。しかし、本開示を検討することにより、当業者は本発明に、本発明の範囲内に入る変更及び/又は改善を行うことができることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に不透明な又はフロスト様テクスチャーコーティングを適用する方法であって、
塗料溶液を基材に塗布し、この塗料溶液は、
水、
第1の屈折率を有する有機バインダー、及び
第2の屈折率を有し分散系を形成する粒子及び所望によりその集合体、
を含むこと、
前記溶液により覆われた基材上に不透明な又はフロスト様の外観を、水の一部分の蒸発と塗料の硬化後にもたらすよう、第2の屈折率が第1の屈折率より所定量だけ大きくなるように前記バインダー及び前記粒子を選択すること、
前記溶液から水の一部分を蒸発させること、
前記溶液を硬化させること、
を含む、基材上に不透明な又はフロスト様テクスチャーコーティングを適用する方法。
【請求項2】
基材上に透明なテクスチャーコーティングを適用する方法であって、
塗料溶液を基材に塗布し、この塗料溶液は、
水、
第1の屈折率を有する有機バインダー、及び
第2の屈折率を有し分散系を形成する粒子及び所望によりその集合体、
を含むこと、
前記溶液により覆われた基材上に透明な外観を、水の一部分の蒸発と塗料の硬化後にもたらすよう、第2の屈折率が第1の屈折率とほぼ等しくなるように前記バインダー及び前記粒子を選択すること、
前記溶液から水の一部分を蒸発させること、
前記溶液を硬化させること、
を含む、基材上に透明なテクスチャーコーティングを適用する方法。
【請求項3】
基材上に低光沢のテクスチャーコーティングを適用する方法であって、
塗料溶液を基材に塗布し、この塗料溶液は、
水、
第1の屈折率を有する有機バインダー、及び
第2の屈折率を有し分散系を形成する粒子及び所望によりその集合体、
を含むこと、
前記溶液により覆われた基材上に低光沢の外観を、水の一部分の蒸発と塗料の硬化後にもたらすよう、第2の屈折率が第1の屈折率より小さくなるように前記バインダー及び前記粒子を選択すること、
前記粒子及びそれらの予備成形した集合体のうちの少なくとも一方を露出させるよう前記溶液から水の一部分を蒸発させること、
前記溶液を硬化させること、
を含む、基材上に低光沢のテクスチャーコーティングを適用する方法。
【請求項4】
前記基材上の外観が透明であり且つ低光沢及び超低光沢のうちの一方を有するのを可能にするよう、前記第2の屈折率が前記第1の屈折率よりわずかに小さい、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記第1の屈折率が1.42〜1.48であり、前記第2の屈折率が1.5より大きい、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第1の屈折率と前記第2の屈折率が両方とも1.42〜1.48である、請求項2記載の方法。
【請求項7】
前記第1の屈折率が1.42〜1.48であり、前記第2の屈折率が1.4より小さい、請求項3記載の方法。
【請求項8】
前記粒子がタルクである、請求項1と5のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記粒子が、水との相容性を低下させるようアルキル化剤と反応させたデンプン及びセルロースの誘導体を含む、請求項2と6のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記粒子がパーフルオロ化エーテル及びポリオレフィンを含む、請求項3と7のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記第1の屈折率が1.43〜1.46であり、前記第2の屈折率が1.3と1.4の間である、請求項4記載の方法。
【請求項12】
前記バインダーがグリコールジアクリレートとSun Chemical社のLO/LE化学製品により提供されるバインダーのうちの一方を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記溶液が10wt%未満のVOCを含有する、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記溶液が5wt%未満のVOCを含有する、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記溶液が3wt%未満のVOCを含有する、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記溶液がVOCを含有しない、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記蒸発と暴露により粗面を作り出す、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記基材がガラス、金属、木材、紙及びプラスチックのうちの少なくとも1つである、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記テクスチャーコーティングが食品との直接接触に対して安全である、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記テクスチャーコーティングが食品との直接接触についての関連食品包装規制当局により認められる未満の抽出結果を示す、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記基材上のコーティングの外観が前記第1及び第2の屈折率と前記溶液中の粒子の充填率とにより決定される、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記粒子の充填率が2wt%より大きい、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記粒子の充填率が3wt%より大きい、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記粒子の充填率が5wt%より大きい、請求項1〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記溶液の水含有量が、10wt%より多い、20wt%より多い、及び25wt%より多い、のうちの1つである、請求項1〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記コーティングの湿り厚さが平均の粒子寸法より大きい、請求項1〜25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記水を硬化前及び/又は硬化中に蒸発させ、そして前記硬化が電子線及び紫外線のうちの少なくとも一方への暴露を含む、請求項1〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記硬化したコーティングが粗面を含む、請求項1〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記粒子が前記バインダーと水の溶液に不溶性であり、前記基材上で硬化した溶液の予想される厚さより大きい少なくとも1つの寸法を有する、請求項1〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記コーティングの湿り厚さが平均の粒子寸法より大きい、請求項1〜29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記バインダーが水溶性及び水分散性のうちの一方である、請求項1〜30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記バインダーが放射線硬化性である、請求項1〜26のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
水、
第1の屈折率を有する有機バインダー、及び
第2の屈折率を有し分散系を形成する粒子及び所望によりその集合体、
を含む塗料溶液であって、前記第2の屈折率が前記第1の屈折率より大きく、前記水の一部分の蒸発及び当該塗料の硬化後に当該溶液により覆われた基材上に不透明な及び/又はフロストの外観をもたらす塗料溶液。
【請求項34】
水、
第1の屈折率を有する有機バインダー、及び
第2の屈折率を有し分散系を形成する粒子及び所望によりその集合体、
を含む塗料溶液であって、前記第2の屈折率が前記第1の屈折率とほぼ等しく、前記水の一部分の蒸発及び当該塗料の硬化後に当該溶液により覆われた基材上に透明な外観をもたらす塗料溶液。
【請求項35】
水、
第1の屈折率を有する有機バインダー、及び
第2の屈折率を有し分散系を形成する粒子及び所望によりその集合体、
を含む塗料溶液であって、前記第2の屈折率が前記第1の屈折率より小さく、前記水の一部分の蒸発及び当該塗料の硬化後に当該溶液によって覆われた基材上に低光沢の外観をもたらす塗料溶液。
【請求項36】
前記第2の屈折率が前記第1の屈折率よりわずかに小さく、透明であり且つ低光沢の外観をもたらす、請求項35記載の塗料溶液。
【請求項37】
前記第1の屈折率が1.42〜1.48であり、前記第2の屈折率が1.5より大きい、請求項33記載の塗料溶液。
【請求項38】
前記第1の屈折率と前記第2の屈折率が両方とも1.42〜1.48である、請求項34記載の塗料溶液。
【請求項39】
前記第1の屈折率が1.42〜1.48であり、前記第2の屈折率が1.4より小さい、請求項35記載の塗料溶液。
【請求項40】
前記粒子がタルクである、請求項33と37のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項41】
前記粒子が、水との相容性を低下させるようアルキル化剤と反応させたデンプン及びセルロースの誘導体を含む、請求項34と38のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項42】
前記粒子がパーフルオロ化エーテル及びポリオレフィンを含む、請求項35と39のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項43】
前記第1の屈折率が1.43〜1.46であり、前記第2の屈折率が1.3と1.4の間である、請求項36記載の塗料溶液。
【請求項44】
前記バインダーがグリコールジアクリレートとSun Chemical社のLO/LE化学製品でもって提供されるバインダーのうちの一方を含む、請求項33〜43のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項45】
10wt%未満のVOCを含有する、請求項33〜44のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項46】
5wt%未満のVOCを含有する、請求項33〜45のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項47】
3wt%未満のVOCを含有する、請求項33〜46のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項48】
VOCを含有しない、請求項33〜47のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項49】
前記蒸発と暴露により粗面を作り出す、請求項33〜48のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項50】
前記基材がガラス、金属、木材、紙及びプラスチックのうちの少なくとも1つである、請求項33〜49のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項51】
前記テクスチャーコーティングが食品との直接接触に対して安全である、請求項33〜50のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項52】
前記テクスチャーコーティングが食品との直接接触についての関連食品包装規制当局により認められる未満の抽出結果を示す、請求項33〜51のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項53】
前記基材上のコーティングの外観が前記第1及び第2の屈折率と当該溶液中の前記粒子の充填率とにより決定される、請求項33〜52のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項54】
前記粒子の充填率が2wt%より大きい、請求項33〜53のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項55】
前記粒子の充填率が3wt%より大きい、請求項33〜54のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項56】
前記粒子の充填率が5wt%より大きい、請求項33〜55のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項57】
当該溶液の水含有量が、10wt%より多い、20wt%より多い、及び25wt%より多い、のうちの1つである、請求項33〜56のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項58】
前記コーティングの湿り厚さが平均の粒子寸法より大きい、請求項33〜57のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項59】
前記水を硬化前及び/又は硬化中に蒸発させ、そして前記硬化が電子線及び紫外線のうちの少なくとも一方への暴露を含む、請求項33〜58のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項60】
前記硬化したコーティングが粗面を含む、請求項33〜59のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項61】
前記粒子が前記バインダーと水の溶液に不溶性であり、前記基材上で硬化した溶液の予想される厚さより大きい少なくとも1つの寸法を有する、請求項33〜60のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項62】
前記コーティングの湿り厚さが平均の粒子寸法より大きい、請求項33〜61のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項63】
前記バインダーが水溶性及び水分散性のうちの一方である、請求項33〜62のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項64】
前記バインダーが放射線硬化性である、請求項33〜58のいずれかに記載の塗料溶液。
【請求項65】
基材、及び
硬化したコーティング、
を含む硬化処理物品であって、当該基材が請求項1〜32に記載の方法のいずれかを使って被覆されている硬化処理物品。
【請求項66】
基材、及び
当該基材の少なくとも1つの面を覆うコーティング、
を含む物品であって、当該コーティングが請求項33〜64に記載の塗料溶液のうちの1つである物品。
【請求項67】
前記コーティングが、
前記塗料溶液からの水の一部分の蒸発、及び
当該塗料溶液の硬化、
により得られたものである、請求項66記載の物品。
【請求項68】
前記塗料が電子線及び紫外線のうちの一方への暴露により硬化されている、請求項67記載の物品。

【公表番号】特表2013−505121(P2013−505121A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529749(P2012−529749)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/002541
【国際公開番号】WO2011/034600
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(507385165)サン ケミカル コーポレイション (17)
【Fターム(参考)】