説明

水上竹馬

【課題】 本発明は、低速や停止状態においても方向転換が容易にでき、運動性能の高い水上竹馬を提供することを目的としている。また、乗り込む際に前からでもスムーズに乗れる水上竹馬を提供することも目的としている。
【解決手段】 連結棒1により前部を連結した一対の上下動フロート2・2に舵取棒3及び推進ヒレ4と舵5を設けてあり、推進ヒレ4は舵5の下部に配設されて回動自在となされ、舵取棒3を回動させて推進ヒレ4を回し推力の発生方向を変えられるようになした。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一組のフロートを足踏運動により上下動させ、推進ヒレを昇降させてバタ足推進し、水上歩行を実現する水上竹馬に関している。
【0002】
【従来の技術】従来の此種水上竹馬としては、同発明者による特開平4−90989号及び同4−90990号明細書に記載されているように、手動入力棒1及び推進板10を持つ一組のフロート2・2が連結棒3により揺動自在に並行連結されたものが知られており、乗り手がフロートに載り足踏運動で推進し、手動入力棒1を回転させて後部の舵を動かし、方向転換しうるようになされたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の水上竹馬にあっては、舵は設けられているものの、昇降運動するので常に水没しているわけではないので、舵効きが悪く、特に低速や停止状態のときなどには思うように方向転換できないという不利があった。また、従来の水上竹馬に前方から乗ろうと連結棒に足を載せると滑ることがあり、フロート前部に足を載せると転倒することがあった。本発明は、低速や停止状態にあっても、方向転換が容易にでき、運動性能の高い水上竹馬を提供することを目的としている。また、乗り込む際に前方からでもスムーズに乗れる水上竹馬を提供することも目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明における水上竹馬においては、フロート後部の推進ヒレを舵の下部に設けることにより、舵を切ると推進ヒレの向きが変わり、推進発生方向が変わるようになしたものである。
【0005】また、本発明の第2番目の水上竹馬においては、フロート前部に前舵を設け、これを舵取棒と連動させることにより、方向転換を容易にしたものである。
【0006】更に、本発明の第3番目のものでは、フロートの前部と後部の両方に舵を設けることにより一層舵効きを良くしたものである。
【0007】本発明の第4番目のものでは、一対の上下動フロートに接触張出部を設けることで、前方から乗り込み易くしたものである。
【0008】
【作用】本発明は、上記の手段を講じたので、舵取棒を回転させて舵を回動させると、その下部に設けられた推進ヒレの向きが変わり、乗り手が足踏運動でこれを上下動させることにより方向転換できる。方向転換は停止状態でも低速でもスピードに変わりなく、推進ヒレにより実現できる。また、本発明の第2番目のものでは、フロート前部に前舵を設けてあるので、舵取棒を回転させて前舵を右もしくは左に動かすことにより、方向転換ができ、一組の前舵を対称に動かすことにより前方への推力が生じ、ブレーキ及び逆進も可能である。バックができることにより運動性能が高まり、またブレーキを効かすことで障害物への衝突が回避できる。
【0009】更に、本発明の第3番目のものでは、前舵と後舵の両方が舵取棒3により操作できるようになされており、旋回半径を小さくしたり、斜行推進できるようにしたりできる。また、本発明の第4番目のものでは、一対のフロートの接触張出部同志を接触させて構成しているから、乗り手が前から乗り、接触張出部に足を載せて入りこむことができる。
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明水上竹馬の一例を示し、連結棒1により前部を連結された一対の上下動フロート2・2にはそれぞれ舵取棒3及び推進ヒレ4が設けられている。全体として船首の尖った船型形状となされて造波抵抗が減るようにされ、上下動フロート2・2は接触張出部20において接触し、船首からも乗り込めるように工夫されている。フロートの中央部にはステップ22が形成され、フロート2・2の後部にはそれぞれ舵5・5が軸受金具24により回動自在に設けられている。舵5のアングル材51は取付具52を介して推進ヒレ4の金具40と結合されており、推進ヒレ4を回動自在に保持している。舵5の上部は軸受金具24に保持されレバー61・62及びロット60によりリンク結合され、舵取棒3を回転させて舵5を操作しうる構造となされている。
【0011】図2には本発明の実施態様例を示し、図2(a)は図1の平面図であり、それ以外は別実施例である。図2(b)において、フロート2・2の丸い頭部にそれぞれ略三角形の前舵7を設け、連結具6により舵取棒3と連結させている。即ち、前舵7の取付レバー64と舵取棒3のレバー62とはロッド60によりリンク結合され、舵取棒3を回すと動くようになされている。68は吊下固定ピンである。図2(c)において、一対の上下動フロート2・2の接触張出部20を小さくして前舵7を動かし易くし、且つ、後舵5とも連動させたものである。リンク結合により前舵と後舵とは同方向でも異方向でも回動できるようにしうる。
【0012】
【発明の効果】本発明水上竹馬では、フロート後部に設けられた舵の下部に推進ヒレが設けられているから、舵を回動させて推進ヒレの推力発生方向を変えることで容易に方向転換でき、低速や停止中にも旋回できる。(請求項1)本発明第2番目の水上竹馬では、前舵が設けられ、舵取棒によりこの前舵を回動させて方向変換できるようになされているから、ブレーキをかけたり、バックしたりできる。本発明第3番目の水上竹馬では、前舵と後舵が設けられているから、一層、運動性能が向上し、自由な動きができる。本発明第3番目の水上竹馬では、一対のフロートに接触張出部が設けられているので、ここに足をかけて前方から乗り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本願発明に係る水上竹馬の斜視図。
【図2】図2(a)は図1の平面図、図2(b)及び図2R>2(c)は本発明の他の実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 連結棒
2 上下動フロート
3 舵取棒
4 推進ヒレ
5 舵(後舵)
6 連結具
7 前舵
20 接触張出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 連結棒1により前部を連結された一対の上下動フロート2・2にそれぞれ舵取棒3及び推進ヒレ4、舵5が設けられ、足踏運動により走行する水上竹馬において、推進ヒレ4が舵5の下部に設けられることで回動自在となされ、舵取棒3と連結具6により連結されていることを特徴とする水上竹馬。
【請求項2】 連結棒1により前部を連結された一対の上下動フロート2・2にそれぞれ舵取棒3及び推進ヒレ4、舵が設けられ、足踏運動により走行する水上竹馬において、前部に前舵7が設けられ、この前舵7は舵取棒3と連結具6により連結されていることを特徴とする水上竹馬。
【請求項3】 連結棒1により前部を連結された一対の上下動フロート2・2にそれぞれ舵取棒3及び推進ヒレ4、舵が設けられ、足踏運動により走行する水上竹馬において、前部及び後部にそれぞれ前舵7及び後かじ5が設けられ、舵取棒3に連結具6により連結されていることを特徴とする水上竹馬。
【請求項4】 一対の上下動フロート2・2にはそれぞれ接触張出部20が設けられ、互いにこの接触張出部20同志において接触しうるように構成されてなることを特徴とする請求項1乃至3に記載の水上竹馬。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2001−10586(P2001−10586A)
【公開日】平成13年1月16日(2001.1.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−219077
【出願日】平成11年6月28日(1999.6.28)
【出願人】(599107854)
【出願人】(591075054)