説明

水中岩盤の破砕装置および水中岩盤の破砕方法

【課題】内陸部への使用機材の搬入が可能で、砕岩位置を確実に特定でき、砕岩棒が岩盤に食い込んだ場合に容易に引き抜くことができる水中岩盤の破砕装置および水中岩盤の破砕方法を提供すること。
【解決手段】台船1上のクレーン3を用い、隙間29を有する鞘状の砕岩棒支持枠7を主巻ワイヤ11で支持し、砕岩棒支持枠7内に配置された砕岩棒9を副巻ワイヤ13で支持する。次に、主巻ワイヤ11で砕岩棒支持枠7を吊り下ろし、下端部の円錐状設置金具17を水底41に接地させた後、砕岩棒9を落下させて水底41の岩盤を破砕する。砕岩棒9の下端部39が岩盤に食い込んだ場合には、主巻ワイヤ11で砕岩棒支持枠7を吊り上げて砕岩棒支持枠7の架台部ストッパ金具25を砕岩棒9の砕岩棒部ストッパ金具27に押し当て、砕岩棒支持枠7から砕岩棒9に主巻ワイヤ11の力を伝えることにより、砕岩棒9を水底41の岩盤から引き抜く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中岩盤の破砕装置および水中岩盤の破砕方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、視界が確保できる浅い水中での小規模の掘削工事は、潜水士が搭乗する水中バックホウに水中ブレーカを取り付けるなどして行われている。
また、大水深での工事や大規模工事の場合、水の濁りにより視界が確保できない場合、ブレーカで破砕できない硬岩の場合などでは、発破に代わる岩盤・コンクリート破砕工法として砕岩棒工法が多用されている。
【0003】
砕岩棒工法では、質量10t〜50tの砕岩棒を、砕岩棒質量の6倍〜数十倍の吊り能力を有するクレーンを用いて排水量200t〜3,000t級の砕岩船に吊り下げる。そして、水底の岩盤を目がけて砕岩棒を自由落下させた際に発生する衝撃的打撃力で岩盤を破砕する。発破工法や割岩工法では、事前に潜水士による水底での潜水補助作業が必要であるが、砕岩棒工法では、潜水補助作業が不要である。そのため、水の深さや濁りに影響されることなく、能率的で安全な砕岩工事が可能である。
【0004】
なお、砕岩棒は自由落下方式のため、近傍に取水塔などの重要構造物がある場合、構造物を破損させる恐れがある。この改善策として、ケーシングパイプをガイドとして砕岩棒を落下させる方法がある。(例えば、特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】実用新案3013542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、砕岩棒工法は、海から砕岩船を水上移送できない内陸部のダム湖等の工事では、使用機材が搬入できないため適用できない。また、落錘時の衝撃で砕岩棒の刃先が岩盤に食い込んだ場合、刃先の引き抜きに砕岩棒の自重の数倍の力が必要である。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、内陸部への使用機材の搬入が可能で、砕岩位置を確実に特定でき、砕岩棒が岩盤に食い込んだ場合に容易に引き抜くことができる水中岩盤の破砕装置および水中岩盤の破砕方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するための第1の発明は、第1のワイヤで吊り下げられ、所定の位置に空所を有する鞘状の砕岩棒支持枠と、第2のワイヤで吊り下げられ、前記砕岩棒支持枠内を上下方向に移動する砕岩棒と、前記砕岩棒支持枠から前記砕岩棒に力を伝えるための伝達機構と、を具備することを特徴とする水中岩盤の破砕装置である。
【0009】
空所とは、例えば、鉛直方向に設けられた少なくとも1条の隙間である。伝達機構は、例えば、砕岩棒支持枠の下端付近に上述の隙間を塞ぐように設けられた架台部ストッパと、砕岩棒の上端付近に設けられた突起部である砕岩棒部ストッパとからなる。砕岩棒が水底に食い込んだ場合、第1のワイヤで砕岩棒支持枠を吊り上げて架台部ストッパを砕岩棒部ストッパに押当てることにより、砕岩棒支持枠から砕岩棒に上向きの力を伝達し、砕岩棒を水底から引き抜く。
【0010】
砕岩棒支持枠の下端部には、円錐状の接地具を設けるのが望ましい。また、砕岩棒の下端部は、一文字形状または角錐などの点形状とするのが望ましい。
【0011】
第1の発明の水中岩盤の破砕装置では、鞘状の砕岩棒支持枠内に砕岩棒を配置することにより、砕岩位置を確実に特定できる。また、砕岩棒支持枠から砕岩棒に力を伝えるための伝達機構を設けることにより、岩盤に食い込んだ砕岩棒を容易に引き抜くことができる。
【0012】
第2の発明は、台船上のクレーンを用い、第1のワイヤで所定の位置に空所を有する鞘状の砕岩棒支持枠を支持し、第2のワイヤで砕岩棒支持枠内を上下方向に移動する砕岩棒を支持する工程(a)と、第1のワイヤで砕岩棒支持枠を吊り下ろし、下端部を水底に接地させる工程(b)と、砕岩棒を落下させて水底を破砕する工程(c)と、第1のワイヤで砕岩棒支持枠を吊り上げ、砕岩棒支持枠から砕岩棒に力を伝えるための伝達機構を用いて砕岩棒支持枠から砕岩棒に上向きの力を伝えることにより、砕岩棒を水底から引き抜く工程(d)と、を具備することを特徴とする水中岩盤の破砕方法である。
【0013】
第2の発明の水中岩盤の破砕方法で、組立式のユニフロート台船を用いれば、全ての使用機材をトラックで内陸部へ搬入して破砕作業を行える。第2の発明の水中岩盤の破砕方法では、鞘状の砕岩棒支持枠内で砕岩棒を落下させることにより、砕岩位置を確実に特定できる。さらに、伝達機構を用いて砕岩棒支持枠から砕岩棒に上向きの力を伝えることにより、岩盤に食い込んだ砕岩棒を容易に引き抜くことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、内陸部への使用機材の搬入が可能で、砕岩位置を確実に特定でき、砕岩棒が岩盤に食い込んだ場合に容易に引き抜くことができる水中岩盤の破砕装置および水中岩盤の破砕方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、水中岩盤の破砕装置Aの装置構成を示す図である。図1に示すように、水中岩盤の破砕装置Aは、台船1、クレーン3、砕岩装置5、測位用反射器15等からなる。
【0016】
台船1は、例えば、複数のユニフロートを用いて組み立てられるクローラクレーン搭載用ユニフロート台船である。クレーン3は、例えば、100t吊りクローラクレーンとする。クレーン3は、主巻ワイヤ11および副巻ワイヤ13を有する。砕岩装置5は、鞘状の砕岩棒支持枠7の内部に砕岩棒9を配置したものである。測位用反射器15は、例えば、追尾式トータルステーションのリフレクタである。
【0017】
台船1を構成するユニフロートは、陸上トラックで輸送可能である。また、100t吊りクローラクレーンの主巻ワイヤ11の吊り荷重は100t、副巻ワイヤ13の吊り荷重は13tであり、砕岩棒9の質量は8t〜10t程度とする。そのため、水中岩盤の破砕装置Aでは、全ての使用機材を陸上トラックで輸送できる。
【0018】
図2は、砕岩装置5の斜視図、図3は、砕岩装置5の下半部の拡大図である。なお、図3は、砕岩棒支持枠7の一部を切断して図示してある。図4は、砕岩装置5を下方から見た図、図5は、砕岩装置5を上方から見た図である。
【0019】
図2から図5に示すように、砕岩装置5は、砕岩棒支持枠7、砕岩棒9、円錐状設置金具17、架台部ストッパ金具25、砕岩棒部ストッパ金具27等からなる。
【0020】
図2、図5に示すように、2本のH型鋼7a、H型鋼7bを所定の間隔をおいて並置することにより、鉛直方向の2条の隙間29を有する鞘状の砕岩棒支持枠7が形成される。H型鋼7aは、フランジ31とリブ32との入り隅部34に沿って山型鋼7cが固定される。また、H型鋼7bは、フランジ31とリブ32との入り隅部34に沿って山型鋼7dが固定される。山型鋼7cおよび山型鋼7dは、補強部材として機能する。
【0021】
2本のH型鋼7a、H型鋼7bは、フランジ31の外側面30同士が連結部材23で連結される。連結部材23は、例えば、鋼管を複数に分割した弧状の部材であり、鉛直方向に所定の間隔をおいて設けられる。
【0022】
砕岩棒支持枠7の上端付近には、2ヶ所に吊り治具19が設けられる。吊り治具19は、例えば、H型鋼7aのリブ32の外側面36、H型鋼7bのリブ32の外側面36に固定される。吊り治具19には、クレーン3の主巻ワイヤ11が連結される。砕岩棒支持枠7は、主巻ワイヤ11で吊り下げて支持される。
【0023】
図3から図5に示すように、砕岩棒9は、砕岩棒支持枠7の内部43に配置される。砕岩棒9は、上端部に吊り治具21が設けられる。吊り治具21には、クレーン3の副巻ワイヤ13が連結される。砕岩棒9は、副巻ワイヤ13で吊り下げて支持される。砕岩棒9の下端部39は、例えば一文字形状である。砕岩棒9の下端部39は、焼入れ処理したものとする。
【0024】
図2から図4に示すように、円錐状接地金具17は、砕岩棒支持枠7の下端部に設けられる。円錐状接地金具17は、板状部材33、円錐状部材35、補強部材37からなる。板状部材33は、砕岩棒支持枠7のH型鋼7a、H型鋼7bの下端面に固定される。補強部材37は、H型鋼7a、H型鋼7bのリブ32の外側面36と板状部材33の上面38とに固定される。円錐状部材35は、板状部材33の下面40に固定される。円錐状部材35は、例えば、各板状部材33に4つずつ設けられる。
【0025】
架台部ストッパ金具25は、図2から図4に示すように、砕岩棒支持枠7の下端付近に隙間29を塞ぐように設けられる。架台部ストッパ金具25は、H型鋼7aおよびH型鋼7bのフランジ31の外側面30に固定される。架台部ストッパ金具25は、上端に切欠き部26を有する。
【0026】
砕岩棒部ストッパ金具27は、図2から図5に示すように、砕岩棒9の上端付近に固定された突起である。砕岩棒部ストッパ金具27は、砕岩棒支持枠7の隙間29から突出するように設けられる。
【0027】
架台部ストッパ金具25および砕岩棒部ストッパ金具27は、砕岩棒支持枠7から砕岩棒9へ力を伝えるための伝達機構である。
【0028】
次に、水中岩盤の破砕装置Aを用いて岩盤を破砕する方法について説明する。上述した水中岩盤の破砕装置Aを図1に示すように工事水域に設置するには、まず、陸上トラックで使用機材を輸送し、ユニフロート台船である台船1を組み立て、台船1上にクレーン3を設置する。そして、クレーン3の第1のワイヤである主巻ワイヤ11で砕岩棒支持枠7を吊り下げて支持し、第2のワイヤである副巻ワイヤ13で砕岩棒9を吊り下げて支持する。
【0029】
図6は、水底41に砕岩棒支持枠7を接地させる工程を示す図である。なお、図6から図9では、砕岩棒支持枠7に設けられる連結部材23のうち、上端付近に設けられるもの以外の図示を省略する。
【0030】
図6に示す工程では、主巻ワイヤ11を用いて砕岩棒支持枠7を吊り下ろす。砕岩棒支持枠7の円錐状接地金具17の円錐状部材35が水底41に接地すると、主巻ワイヤ11の吊り荷重が小さくなり、着地が検知される。この状態で主巻ワイヤ11を止め、砕岩棒支持枠7を鉛直に保つと同時に倒れを防止する。そして、副巻ワイヤ13を用いて砕岩棒支持枠7内の砕岩棒9を所定の高さまで吊り上げる。
【0031】
図7は、砕岩棒9を落下させる工程を示す図である。図7に示す工程では、砕岩棒9を落下させ、水底41の岩盤を破砕する。砕岩棒9は、砕岩棒支持枠7の内部43を自由落下する。図7に示す工程では、砕岩棒支持枠7の隙間29から水が抜けることにより、砕岩棒9が落下する際に水の抵抗が低減される。
【0032】
水底41が超硬岩の場合には、砕岩棒9が岩盤に食い込まずに跳ね返される場合がある。このような場合、砕岩棒支持枠7は、砕岩棒9が飛び跳ねたり倒れたりしないように動線を拘束する。砕岩棒9が岩盤に食い込まない場合、砕岩棒9の落下高さを高くして打撃エネルギを大きくすると共に、砕岩棒9の下端部39の形状を一文字形状から角錐等の点形状として岩盤に食い込みやすくする。
【0033】
なお、図2等に示す連結部材23は、砕岩棒9が砕岩棒支持枠7内を上下移動する際に砕岩棒部ストッパ金具27に接触しないように配置される。
【0034】
図8は、砕岩棒支持枠7を引き上げる工程を示す図である。図7に示す工程において、砕岩棒9の下端部39の刃先が水底41の岩盤に食い込んで副巻ワイヤ13では引き抜けない場合、図8に示すように、主巻ワイヤ11で砕岩棒支持枠7を吊り上げる。そして、砕岩棒支持枠7に固定された架台部ストッパ金具25の切欠き部26に、砕岩棒9の砕岩棒部ストッパ金具27を接触させる。
【0035】
図9は、砕岩棒9を水底41から引き抜く工程を示す図である。図9に示す工程では、主巻ワイヤ11で砕岩棒支持枠7をさらに吊り上げる。そして、架台部ストッパ金具25に砕岩棒部ストッパ金具27を押し当て、砕岩棒支持枠7から砕岩棒9に上向きの力を伝達して、砕岩棒9の下端部39を水底41の岩盤から引き抜き、砕岩装置5全体を吊り上げる。
【0036】
上述したように、架台部ストッパ金具25および砕岩棒部ストッパ金具27は、砕岩棒支持枠7から砕岩棒9へ力を伝えるための伝達機構である。クレーン3が100t吊りで、砕岩棒9の質量が8t〜10tの場合、この伝達機構を用いて主巻き力を伝達することにより、砕岩棒9の自重の約10倍の力で下端部39を引き抜くことができる。
【0037】
岩盤の破砕工事では、砕岩装置5を吊り上げて移動し、図6から図9に示す各工程を繰り返す。なお、図7に示す工程において、砕岩棒9の下端部39の刃先が水底41の岩盤に食い込まなかった場合には、図8および図9に示す工程のかわりに、副巻ワイヤ13を用いて砕岩棒9を水底41から吊り上げ、主巻ワイヤ11を用いて砕岩棒支持枠7を水底41から吊り上げる。
【0038】
このように、本実施の形態によれば、台船1を組立式のユニフロート台船とすることにより、内陸部のダム湖等に使用機材を全てトラック輸送することができる。また、砕岩棒支持枠7を用いることにより、砕岩位置に確実に砕岩棒9を落下させることができるので、近傍の重要構造物を破損させる恐れがない。さらに、砕岩棒支持枠7を吊り上げる際に、架台部ストッパ金具25を砕岩棒部ストッパ金具27に押し当てて主巻きワイヤ11の強力な吊り荷重を砕岩棒9に伝達することにより、岩盤に食い込んだ砕岩棒9を容易に引き抜くことができる。
【0039】
本実施の形態の破砕工法では、岩盤破砕工事で10m/hr程度の破砕能率が期待できる。そのため、作業能率が0.2m/hr程度である水中ブレーカ破砕による施工と比較して、工期を大幅に短縮できる。
【0040】
なお、本実施の形態の水中岩盤の破砕装置Aでは、台船1としてユニフロート台船を用いたが、台船の種類はこれに限らない。また、クレーン3は、クローラクレーンに限らず、固定式のクレーンや他の移動式のクレーンを用いてもよい。さらに、測位用反射器15の代わりに、GPS(グローバルポジショニングシステム)のアンテナを設置してもよい。
【0041】
砕岩棒支持枠7の構成は、図2から図5に示すものに限らない。例えば、断面がコの字型の部材を開口部が対向するように並置して、鉛直方向の2条の隙間を有する鞘状の砕岩棒支持枠を形成してもよい。また、筒状の部材の所定の位置に空所を設けて砕岩棒支持枠を形成してもよい。
【0042】
本実施の形態では、図2から図5に示すように、側面が略矩形で下端部39が一文字形状の砕岩棒9を用いたが、砕岩棒9の形状はこれに限らない。砕岩棒は、例えば円柱状としてもよい。砕岩棒の下端部を角錐等の点形状とする場合もある。
【0043】
砕岩棒支持枠7から砕岩棒9への力の伝達機構は、上述したものに限らない。例えば、砕岩棒支持枠7に油圧シリンダ等を用いた出し入れ可能な突起を設け、砕岩棒9に孔を設けてもよい。この場合、突起を孔に挿入した状態で主巻ワイヤ11で砕岩棒支持枠7を吊り上げることにより、砕岩棒支持枠7から砕岩棒9へ主巻き力を伝達する。
【0044】
以上、添付図面を参照しながら本発明にかかる水中岩盤の破砕装置および水中岩盤の破砕方法の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】水中岩盤の破砕装置Aの装置構成を示す図
【図2】砕岩装置5の斜視図
【図3】砕岩装置5の下半部の拡大図
【図4】砕岩装置5を下方から見た図
【図5】砕岩装置5を上方から見た図
【図6】水底41に砕岩棒支持枠7を接地させる工程を示す図
【図7】砕岩棒9を落下させる工程を示す図
【図8】砕岩棒支持枠7を引き上げる工程を示す図
【図9】砕岩棒9を水底41から引き抜く工程を示す図
【符号の説明】
【0046】
A………水中岩盤の破砕装置
1………台船
3………クレーン
5………砕岩装置
7………砕岩棒支持枠
9………砕岩棒
11………主巻ワイヤ
13………副巻ワイヤ
17………円錐状接地金具
25………架台部ストッパ金具
27………砕岩棒部ストッパ金具
29………隙間
39………下端部
43………内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のワイヤで吊り下げられ、所定の位置に空所を有する鞘状の砕岩棒支持枠と、
第2のワイヤで吊り下げられ、前記砕岩棒支持枠内を上下方向に移動する砕岩棒と、
前記砕岩棒支持枠から前記砕岩棒に力を伝えるための伝達機構と、
を具備することを特徴とする水中岩盤の破砕装置。
【請求項2】
前記空所が、鉛直方向に設けられた少なくとも1条の隙間であることを特徴とする請求項1記載の水中岩盤の破砕装置。
【請求項3】
前記伝達機構が、
前記砕岩棒支持枠の下端付近に前記隙間を塞ぐように設けられた架台部ストッパと、
前記砕岩棒の上端付近に設けられた突起部である砕岩棒部ストッパと、
からなり、
前記第1のワイヤで前記砕岩棒支持枠を吊り上げて前記架台部ストッパを前記砕岩棒部ストッパに押当てることにより、前記砕岩棒支持枠から前記砕岩棒に上向きの力を伝達し、前記砕岩棒を水底から引く抜くことを特徴とする請求項2記載の水中岩盤の破砕装置。
【請求項4】
前記砕岩棒支持枠の下端部に円錐状の接地具が設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の水中岩盤の破砕装置。
【請求項5】
前記砕岩棒の下端部が、一文字形状または点形状であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の水中岩盤の破砕装置。
【請求項6】
台船上のクレーンを用い、第1のワイヤで所定の位置に空所を有する鞘状の砕岩棒支持枠を支持し、第2のワイヤで前記砕岩棒支持枠内を上下方向に移動する砕岩棒を支持する工程(a)と、
前記第1のワイヤで前記砕岩棒支持枠を吊り下ろし、下端部を水底に接地させる工程(b)と、
前記砕岩棒を落下させて水底を破砕する工程(c)と、
前記第1のワイヤで前記砕岩棒支持枠を吊り上げ、前記砕岩棒支持枠から前記砕岩棒に力を伝えるための伝達機構を用いて前記砕岩棒支持枠から前記砕岩棒に上向きの力を伝えることにより、前記砕岩棒を前記水底から引き抜く工程(d)と、
を具備することを特徴とする水中岩盤の破砕方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−24702(P2010−24702A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186977(P2008−186977)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【Fターム(参考)】