説明

水中放電装置

【課題】反応性の高い活性種を大量に生成する放電ユニットを提供する。
【解決手段】放電ユニット(1)は、水中でストリーマ放電を発生させる電極対(21,22)と、上記電極対(21,22)に直流電圧を印加する直流電源(30)とを有し、上記ストリーマ放電によって水中に過酸化水素を生成する。放電ユニット(1)は、水中に銅イオンまたは鉄イオンを発生させるイオン発生部(60)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中で放電を行う水中放電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、水中で放電を行う水中放電装置が知られており、種々の用途に適用されている。例えば、特許文献1には、この種の水中放電装置が開示されている。この水中放電装置は、水中に浸漬される電極対と、この電極対にパルス高電圧を印加するパルス電源とを備えている。パルス電源から電極対にパルス電圧が印加されると、電極対の間で水中放電が行われる。この放電よって、水中では、過酸化水素を主とした活性種が生成される。この活性種により、水中に含まれる有機物等は分解され除去される。
【0003】
このような水中放電装置は、例えば、空気調和装置では、ドレンパンに回収される凝縮水(ドレン水)の浄化に利用される。ドレン水には、雑菌や臭気成分が含まれており、ドレン水は水中放電装置によって浄化されてから外部へ排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−58036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、放電によって過酸化水素を生成する上記水中放電装置では、ドレン水の浄化能力に限界がある。そのため、従来の水中放電装置では、比較的多量の雑菌や臭気成分を含むドレン水を十分に浄化することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、反応性の高い活性種を大量に発生させることができる水中放電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、水中でストリーマ放電を発生させる電極対(21,22)と、上記電極対(21,22)に直流電圧を印加する直流電源(30)とを有し、上記ストリーマ放電によって水中に過酸化水素を生成する水中放電装置を前提としている。そして、本発明は、水中に銅イオンまたは鉄イオンを発生させるイオン発生部(60)を備えるものである。
【0008】
本発明では、電極対(21,22)に直流電圧を印加することによって、ストリーマ放電が行われる。ストリーマ放電が行われると、水中に活性種である過酸化水素が生成される。また、水中には、水分子の電離によって生成される水素イオンが存在する。また、水中放電装置のイオン発生部(60)では、銅イオンまたは鉄イオンが生成される。水中に過酸化水素と水素イオンとが存在する条件下で銅イオンまたは鉄イオンが生成されると、いわゆるフェントン反応が起こり、銅イオンや鉄イオンが触媒的に作用して、反応性の高い活性種である水酸ラジカルが生成される。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記イオン発生部(60)は、銅または鉄を含む金属によって形成される陽極(61)と該陽極(61)に対応して設けられる陰極(62)とを有し、水中で電気分解を行う電気分解ユニット(60)によって構成されているものである。
【0010】
本発明では、水中で電気分解を行う電気分解ユニット(60)が設けられている。電気分解ユニット(60)の陽極(61)は、銅または鉄を含む金属によって形成されている。そのため、電気分解を行うと、陽極(61)側では、水素イオンと銅イオンまたは鉄イオンとが生成される。ストリーマ放電によって水中に生成される過酸化水素が存在する条件下で、水素イオンと銅イオンまたは鉄イオンとが生成されると、いわゆるフェントン反応が起こり、銅イオンや鉄イオンが触媒的に作用して、反応性の高い活性種である水酸ラジカルが生成される。
【0011】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記陰極(62)は、上記陽極(61)に含まれる銅または鉄よりもイオン化傾向の低い金属によって構成されるものである。
【0012】
本発明では、陰極(62)は、銅または鉄よりもイオン化傾向の低い金属によって構成されるため、水中の銅イオンまたは鉄イオンが、負極を構成する金属原子から電子を奪って、銅原子または鉄原子となる反応は起こり難くなる。
【0013】
第4の発明は、空気を冷却する冷却部(17)と、上記冷却部(17)が空気を冷却することによって空気中で凝縮する凝縮水を回収するドレンパン(19)と、上記ドレンパン(19)内の水中に過酸化水素が生成されるように、該水中で放電を行う水中放電装置とを備えた空気調和装置を前提としている。そして、本発明は、上記水中放電装置が、上記第1乃至第3の発明の水中放電装置で構成されているものである。
【0014】
本発明では、空気調和装置に水中放電装置が設けられる。水中放電装置では、ドレンパン(19)に回収される水(ドレン水)中でストリーマ放電が行われ、ドレン水中に過酸化水素が生成される。また、ドレン水中には、水分子の電離によって生成される水素イオンが存在する。また、イオン発生部(60)では、銅イオンまたは鉄イオンが生成される。水中に過酸化水素と水素イオンとが存在する条件下で銅イオンまたは鉄イオンが生成されると、いわゆるフェントン反応が起こり、銅イオンや鉄イオンが触媒的に作用して、反応性の高い活性種である水酸ラジカルが生成される。生成された水酸ラジカルは、ドレン水中に含まれる雑菌や臭気成分に作用し、その雑菌や臭気成分は分解され除去される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、水中でストリーマ放電を行って過酸化水素が生成されるようにすると共に、イオン発生部(60)によって銅イオンまたは鉄イオンが生成されるようにした。これにより、水中では、過酸化水素に加えて反応性の高い水酸ラジカルを大量に生成することができる。これらの活性種により、例えば、高い浄化能力で水を浄化することができる。
【0016】
また、水酸ラジカルは寿命が非常に短く、すぐに反応して過酸化水素に変化してしまう。そのため、従来の水中放電装置では、放電によって水中に水酸ラジカルが生成されても、水酸ラジカルの大半は雑菌等に作用する前に過酸化水素に変化していた。しかし、本発明の水中放電装置では、水酸ラジカルが過酸化水素に変化しても、その過酸化水素をフェントン反応によって、再び水酸ラジカルに変化させることができる。このように、本発明では、水酸ラジカルを再生することができ、水中の水酸ラジカル濃度を低下させることなく、高い浄化能力を維持することができる。
【0017】
また、本発明では、直流電源(30)を用いてストリーマ放電を行っているので、例えば、パルス電源と比較して、電源部の簡素化、低コスト化、小型化を図ることができる。また、パルス電源を用いると、放電に伴って水中で発生する衝撃波や騒音が大きくなってしまう。これに対し、直流電源(30)を用いると、このような衝撃波や騒音も低減できる。
【0018】
第2の発明によれば、陽極(61)が銅または鉄を含む金属によって形成される電気分解ユニット(60)によって、水中で電気分解を行うようにした。電気分解ユニット(60)の陽極(61)側では、水素イオンと銅イオンまたは鉄イオンとが生成される。そのため、水中で確実に水酸ラジカルを生成することができる。
【0019】
第3の発明によれば、陰極(62)を、上記陽極(61)に含まれる銅または鉄よりもイオン化傾向の低い金属によって構成するようにした。これにより、水中の銅イオンまたは鉄イオンが反応し、銅原子または鉄原子となって析出されるのを抑制できる。このように、銅または鉄の析出反応を抑制すると、水中における銅イオンまたは鉄イオンの濃度の低下がなくなり、フェントン効果による水酸ラジカルの生成効率は維持できる。
【0020】
第4の発明によれば、空気調和装置のドレンパン(19)で回収されるドレン水中で、ストリーマ放電による過酸化水素の生成と銅イオンまたは鉄イオンの生成とを行うようにした。これにより、ドレン水中では、過酸化水素に加えて反応性の高い水酸ラジカルを大量に生成でき、ドレン水の殺菌性能や臭気成分の除去性能を向上させることができる。
【0021】
また、ドレン水が長時間殺菌されずに放置されると、ドレンパン(19)内で増殖した雑菌等によって泥状物(いわゆるスライム)が発生してしまう。しかし、第4の発明では、反応性の高い水酸ラジカルによって菌の増殖を確実に防止し、スライムの発生を未然に回避できる。また、スライムが発生した場合でも、反応性の高い水酸ラジカルによってスライムを分解除去することができる。そのため、ドレン水を排出する際に、スライムがドレンパンの排水経路につまることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、実施形態1に係る空気調和装置の室内ユニットの概略構成図である。
【図2】図2は、実施形態1に係る水中放電装置の概略構成図であり、放電動作を開始する前の状態を示すものである。
【図3】図3は、実施形態1に係る絶縁ケーシングの斜視図である。
【図4】図4は、実施形態1に係る水中放電装置の概略構成図であり、放電動作を開始して気泡が生成した状態を示すものである。
【図5】図5は、実施形態1の変形例に係る水中放電装置の概略構成図である。
【図6】図6は、実施形態1の変形例に係る絶縁ケーシングの斜視図である。
【図7】図7は、実施形態2に係る水中放電装置の概略構成図であり、放電動作を開始する前の状態を示すものである。
【図8】図8は、実施形態2に係る水中放電装置の概略構成図であり、放電動作を開始して気泡が生成した状態を示すものである。
【図9】図9は、実施形態2の変形例に係る絶縁ケーシングの蓋部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態及び変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、或いはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0024】
《実施形態1》
本発明の実施形態1に係る放電ユニット(1)は、室内の空調を行う空気調和装置(10)の室内ユニット(11)に搭載されるものである。この室内ユニット(11)は、一般家庭向けの壁掛け式のルームエアコンで構成されている。
【0025】
図1に示すように、室内ユニット(11)は、横長で略半円筒形状の室内ケーシング(12)を備えている。室内ケーシング(12)には、その前面側(図1の左側)の上側略半分に吸込口(13)が形成され、その下端部に吹出口(14)が形成されている。吸込口(13)は、室内空気を室内ケーシング(12)内に取り込むための空気の導入口を構成している。吹出口(14)は、室内ユニット(11)で温調した空気を室内ケーシング(12)内から室内へ供給する空気の供給口を構成している。
【0026】
室内ケーシング(12)の内部には、吸込口(13)から吹出口(14)に亘って被処理空気が流れる空気通路(15)が形成されている。この空気通路(15)には、プレフィルタ(16)、室内熱交換器(17)、ファン(18)、及びドレンパン(19)が設けられている。
【0027】
上記プレフィルタ(16)は、上記吸込口(13)に沿うようにして該吸込口(13)の内部近傍に設けられている。このプレフィルタ(16)は、吸込口(13)の全域に亘って配置されている。そして、プレフィルタ(16)は、被処理空気中の塵埃を捕集する集塵手段を構成している。
【0028】
上記室内熱交換器(17)は、図示しない室外機と冷媒配管を介して接続されており、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路の一部を構成している。この室内熱交換器(17)は、いわゆるフィンアンドチューブ式の空気熱交換器を構成している。室内熱交換器(17)は、冷媒回路の冷媒の循環方向に応じて蒸発器又は凝縮器として機能する。つまり、室内熱交換器(17)は、室内空気を冷却する冷却部、及び室内空気を加熱する加熱部を構成している。
【0029】
上記ドレンパン(19)は、室内熱交換器(17)の下方に設けられている。ドレンパン(19)は、室内熱交換器(17)で被処理空気が冷却される際、空気中の水蒸気が凝縮し熱交換器(17)から滴下する凝縮水を回収する凝縮水の回収部を構成している。
【0030】
ドレンパン(19)は、図2に示すように、上側が開放された扁平な皿状に形成され、その底部に位置する底板(55a)と、該底板(55a)の周囲を囲む周壁(55b)と、該周壁(55b)を貫通して設けられる排水経路(57)とを有している。ドレンパン(19)には、回収された水(ドレン水)(56)が貯留されている。そして、ドレンパン(19)には、放電ユニット(1)が設けられている。
【0031】
放電ユニット(1)は、ドレン水(56)中でストリーマ放電を行うための水中放電装置を構成している。放電ユニット(1)は水中でストリーマ放電を行う放電部(20)と、水中で電気分解を行う電気分解ユニット(60)とを備えている。
【0032】
放電部(20)は、放電電極(21)と対向電極(22)とで構成される電極対(21,22)と、該電極対(21,22)に電圧を印加する電源部(30)と、放電電極(21)を内部に収容する絶縁ケーシング(41)とを備えている。
【0033】
電極対(21,22)は、ドレン水(56)中でストリーマ放電を発生させるためのものである。放電電極(21)は、絶縁ケーシング(41)の内部に配置されている。放電電極(21)は、上下に扁平な板状に形成されている。放電電極(21)は、電源部(30)の正極側に接続されている。放電電極(21)は、例えば、ステンレス、銅等の導電性の金属材料で構成されている。一方、対向電極(22)は、絶縁ケーシング(41)の外部に配置されている。対向電極(22)は、放電電極(21)の上方に設けられている。対向電極(22)は、上下に扁平な板状であって、且つ上下に複数の貫通孔(23)を有するメッシュ形状ないしパンチングメタル形状に構成されている。対向電極(22)は、放電電極(21)と略平行に配設されている。対向電極(22)は、電源部(30)の負極側に接続されている。対向電極(22)は、例えばステンレス、真鍮、白金等の導電性の金属材料で構成されている。
【0034】
電源部(30)は、電極対(21,22)に所定の直流電圧を印加する直流電源で構成されている。即ち、電源部(30)は、電極対(21,22)に対して瞬時的に高電圧を繰り返し印加するようなパルス電源ではなく、電極対(21,22)に対して常に数キロボルトの直流電圧を印加する。電源部(30)のうち、対向電極(22)が接続される負極側は、接地されている。また、電源部(30)には、電極対(21,22)の放電電力を一定に制御する定電力制御部が設けられている(図示省略)。
【0035】
絶縁ケーシング(41)は、ドレンパン(19)の底板(55a)に設置されている。絶縁ケーシング(41)は、例えばセラミックス等の絶縁材料で構成されている。絶縁ケーシング(41)は、一面(上面)が開放された容器状のケース本体(42)と、該ケース本体(42)の上方の開放部を閉塞する板状の蓋部(43)とを有している。
【0036】
ケース本体(42)は、角型筒状の側壁部(42a)と、該側壁部(42a)の底面を閉塞する底部(42b)とを有している。放電電極(21)は、底部(42b)の上側に敷設されている。絶縁ケーシング(41)では、蓋部(43)と底部(42b)との間の上下方向の距離が、放電電極(21)の厚さよりも長くなっている。つまり、放電電極(21)と蓋部(43)との間には、所定の間隔が確保されている。これにより、絶縁ケーシング(41)の内部では、放電電極(21)とケース本体(42)と蓋部(43)との間に空間(S)が形成される。
【0037】
図2及び図3に示すように、絶縁ケーシング(41)の蓋部(43)には、該蓋部(43)を厚さ方向に貫通する1つの開口(44)が形成されている。この開口(44)により、放電電極(21)と対向電極(22)との間の電界の形成が許容されている。蓋部(43)の開口(44)の内径は、0.02mm以上0.5mm以下であることが好ましい。
【0038】
以上のように、絶縁ケーシング(41)は、電極対(21,22)のうちの一方の電極(放電電極(21))のみを内部に収容し、且つ電極対(21,22)の間の電流経路の電流密度を上昇させる電流密度集中部を成す開口(44)を有する絶縁部材を構成している。
【0039】
加えて、絶縁ケーシング(41)の開口(44)内では、図4に示すように、電流経路の電流密度が集中することで、水がジュール熱によって気化して気泡(B)が形成される。つまり、絶縁ケーシング(41)の開口(44)は、該開口(44)に気相部を成す気泡(B)を形成する気相形成部として機能する。
【0040】
このような構成の放電部(20)では、電源部(30)から電極対(21,22)に直流電圧が印加されると、開口(44)に形成される気泡(B)内でストリーマ放電が発生する。これにより、気泡(B)の近傍では、過酸化水素を主とした活性種が生成される。
【0041】
一方、電気分解ユニット(60)は、陽極(61)と、該陽極(61)に対応して設けられる陰極(62)とを備えている。陽極(61)は、銅材料で構成されている。一方、陰極(62)は、上記陽極(61)に含まれる銅よりもイオン化傾向の低い白金材料で構成されている。各電極(61,62)は、上下に扁平な板状であって、略平行に配置される。尚、各電極(61,62)は、複数の貫通孔を有するメッシュ形状ないしパンチングメタル形状、或いは、棒状に形成されても構わない。
【0042】
陽極(61)と陰極(62)との間には、直流電源(70)によって、直流電圧が印加される。直流電源(70)のうち、陰極(62)が接続される負極側は、接地されている。直流電源(70)で発生させる電圧は、放電部(20)の電源部(30)で発生させる電圧に比べて低い。
【0043】
このような構成の電気分解ユニット(60)では、直流電源(70)から各電極(61,62)に直流電圧が印加されると、陽極(61)及び陰極(62)の周囲で電気分解が起こる。陰極(62)側では、陰極(62)から電子を受け取る反応(還元反応)が起こる。陰極(62)の周囲では、水素ガスが発生するとともに、ドレン水(56)中に水酸化イオンが生成される。一方、陽極(61)側では、陽極(61)へ電子を渡す反応(酸化反応)が起こる。陽極(61)の周囲では、酸素ガスが発生するとともに、ドレン水(56)中に水素イオンが生成される。また、陽極(61)に含まれる銅も、電気分解によって銅イオンとなり、水に溶出される。このように、電気分解ユニット(60)は、銅イオン等を水中に発生させるイオン発生部(60)を構成している。
【0044】
水中には、過酸化水素と、水素イオンと、銅イオンとが共存する。このような条件下では、いわゆるフェントン反応によって、反応性の高い活性種である水酸ラジカルが生成される。
【0045】
−運転動作−
次に、本実施形態に係る空気調和装置(10)の運転動作について説明する。なお、以下には、空気調和装置(10)の冷房運転動作を例示して説明する。
【0046】
図1に示すように、空気調和装置(10)の運転時には、ファン(18)が運転状態となる。また、室内熱交換器(17)の内部には低圧の液冷媒が流通し、この室内熱交換器(17)が蒸発器として機能する。
【0047】
室内空気が吸込口(13)から室内ケーシング(12)内に導入されると、この空気はプレフィルタ(16)を通過する。プレフィルタ(16)では、空気中の塵埃が捕集される。プレフィルタ(16)を通過した後の空気は、室内熱交換器(17)を通過する。室内熱交換器(17)では、冷媒が空気から吸熱し、空気の冷却が行われる。以上のようして冷却された空気は、吹出口(14)から室内へ供給される。
【0048】
以上のような冷房運転時には、室内熱交換器(17)で凝縮した凝縮水がドレン水(56)としてドレンパン(19)内に溜まり込む。ドレン水(56)が長期に亘ってドレンパン(19)に滞ると、ドレン水(56)中に雑菌が増殖し、悪臭発生の原因となる。更に、雑菌の増殖が進行すると、ドレン水(56)中に泥状物(いわゆるスライム)が発生する。そこで、本実施形態の空気調和装置(10)では、放電ユニット(1)によってドレン水(56)中に過酸化水素と反応性の高い水酸ラジカルとを生成し、これらの活性種によって、ドレン水(56)を定期的に浄化するとともに、発生したスライムを分解除去するようにしている。
【0049】
放電部(20)の運転の開始時には、図2に示すように、絶縁ケーシング(41)の内の空間(S)が浸水した状態となっている。
【0050】
電源部(30)から電極対(21,22)に所定の直流電圧(例えば1kV)が印加されると、電極対(21,22)の間に電界が形成される。この際、放電電極(21)の周囲は、絶縁ケーシング(41)で覆われている。このため、電極対(21,22)の間での漏れ電流が抑制されとともに、開口(44)内の電流経路の電流密度が上昇した状態となる。
【0051】
開口(44)内の電流密度が上昇すると、開口(44)内のジュール熱が大きくなる。その結果、絶縁ケーシング(41)では、開口(44)の近傍において、水の気化が促進されて気泡(B)が形成される。この気泡(B)は、図4に示すように、開口(44)のほぼ全域を覆う状態となり、対向電極(22)に導通する負極側の水と、正極側の放電電極(21)との間に気泡(B)が介在する。従って、この状態では、気泡(B)が、放電電極(21)と対向電極(22)との間での水を介した導電を阻止する抵抗として機能する。これにより、放電電極(21)と対向電極(22)との間の漏れ電流が抑制され、電極対(21,22)間では、所望とする電位差が保たれることになる。すると、気泡(B)内では、絶縁破壊に伴いストリーマ放電が発生する。以上のようにして、気泡(B)でストリーマ放電が行われると、放電領域近傍では、過酸化水素を主とした活性種が生成される。
【0052】
一方、電気分解ユニット(60)では、陽極(61)と陰極(62)との間に直流電源(70)から所定の直流電圧が印加されると、陽極(61)及び陰極(62)の周囲では、電気分解が起こる。
【0053】
陰極(62)側では、陰極(62)から電子を受け取る反応(還元反応)が起こる。反応式(1)に示すように、陰極(62)側では、水が反応して、水素ガスが発生するとともに、ドレン水(56)中に水酸化物イオンが生成される。
【0054】
【化1】

【0055】
一方、陽極(61)側では、陽極(61)へ電子を渡す反応(酸化反応)が起こる。反応式(2)に示すように、陽極(61)側では、水が反応して、酸素ガスが発生するとともに、ドレン水(56)中に水素イオンが生成される。また、反応式(3)に示すように、陽極(61)に含まれる銅も、電気分解によって銅イオンとなり、ドレン水(56)中に溶出される。
【0056】
【化2】

【0057】
【化3】

【0058】
以上のように、ストリーマ放電によって生成された過酸化水素と、電気分解によって生成された水素イオンと銅イオンとが水中に存在すると、反応式(4)に示す所謂フェントン反応が起こり、銅イオンが触媒的に作用して、水酸ラジカルが生成される。
【0059】
【化4】

【0060】
このように、ドレン水(56)中に、活性種である過酸化水素及び水酸ラジカルが生成されると、ドレン水(56)は浄化される。つまり、ドレン水(56)中の雑菌及び臭気成分は分解され除去される。また、水酸ラジカルは、過酸化水素に比べて反応性が高い。そのため、生成された過酸化水素及び水酸ラジカルによる浄化は、過酸化水素だけで浄化するよりも浄化能力は高くなる。
【0061】
また、水酸ラジカルは寿命が非常に短く、すぐに反応して過酸化水素に変化してしまう。そのため、従来の放電ユニットでは、放電によってドレン水(56)中に水酸ラジカルが生成されても、その水酸ラジカルの大半は雑菌等に作用する前に過酸化水素に変化していた。しかし、本実施形態の放電ユニット(1)では、水酸ラジカルが過酸化水素に変化しても、その過酸化水素をフェントン反応によって、再び水酸ラジカルに変化させることができる。つまり、水酸ラジカルを再生することができ、水酸ラジカル濃度を低下させることなく、強い浄化能力を維持することができる。
【0062】
また、ストリーマ放電に伴って発生する熱がもたらす対流によって、生成される過酸化水素及び水酸ラジカルの拡散が促される。また、気泡(B)でストリーマ放電が行われると、この気泡(B)でイオン風が生成される。そして、このイオン風によって、過酸化水素及び水酸ラジカルの拡散効果は更に向上する。
【0063】
また、陰極(62)を構成する白金は、陽極(61)に含まれる銅よりもイオン化傾向が低い。そのため、水中の銅イオンが白金から電子を奪って銅原子となる銅の析出反応は起こり難い。このように銅の析出反応が抑制されると、水中における銅イオンの濃度の低下がなくなり、フェントン効果による水酸ラジカルの生成効率を維持することができる。
【0064】
−実施形態1の効果−
実施形態1では、放電ユニット(1)を空気調和装置(40)のドレン水(56)の浄化に利用するようにした。放電ユニット(1)では、放電部(20)でストリーマ放電を行うとともに、電気分解ユニット(60)で水素イオンと銅イオンとを発生させると、ドレン水(56)中に過酸化水素と反応性の高い水酸ラジカルとが生成される。そのため、これらの活性種がもたらす高い浄化能力でドレン水(56)を常に清浄な状態に保つことができ、雑菌の増殖や悪臭の発生を未然に回避することできる。
【0065】
また、雑菌の増殖が進行してドレン水(56)中にスライムが発生しても、反応性の高い水酸ラジカルがスライムに作用することによって、スライムを分解除去することができる。そのため、ドレン水(56)を排出する際に、スライムがドレンパンの排水経路(57)につまることを防止することができる。
【0066】
また、実施形態1では、放電部(20)と、電気分解ユニット(60)とが独立して設けられている。そのため、放電部(20)だけを稼動して、過酸化水素だけで水を除菌することも可能である。そして、必要に応じて電気分解ユニット(60)を稼動し、水酸ラジカルを発生させることで、浄化能力を変更することができる。また、放電部(20)が稼動する間、電気分解ユニット(60)を停止させることによって、放電部(20)のストリーマ放電を安定的に行うことができ、確実にドレン水の浄化を行うことができる。
【0067】
また、この放電ユニット(1)は、極めて浄化能力が高くコンパクトに設計できるので、この放電ユニット(1)を空気調和装置(10)に搭載しても、空気調和装置の大型化を招くことがない。
【0068】
〈実施形態1の変形例〉
上記実施形態1では、放電部(20)の絶縁ケーシング(41)の蓋部(43)に1つの開口(44)が形成されている。しかしながら、例えば図5及び図6に示すように、絶縁ケーシング(41)の蓋部(43)に複数の開口(44)を形成してもよい。この変形例では、絶縁ケーシング(41)の蓋部(43)が、略正方形板状に形成され、この蓋部(43)に複数の開口(44)が等間隔を置きながら碁盤目状に配列されている。一方、放電電極(21)及び対向電極(22)は、全ての開口(44)に跨るような正方形板状に形成されている。
【0069】
この変形例においても、各開口(44)が、電界密度集中部、及び気相形成部として機能する。これにより、電源部(30)から電極対(21,22)に直流電圧が印加されると、各開口(44)の電流密度が上昇し、各開口(44)で気泡(B)が形成される。その結果、各気泡(B)でストリーマ放電が発生し、放電領域近傍では、過酸化水素が生成される。また、電気分解ユニット(60)の陽極(61)の周囲では、電気分解によって、水素イオンと銅イオンとが生成される。水中では、過酸化水素と、水素イオンと、銅イオンとが共存する。このような条件下では、フェントン反応が起こり、水酸ラジカルが生成される。そして、ドレン水(56)は、過酸化水素及び反応性の高い水酸ラジカルによって浄化される。
【0070】
《実施形態2》
次に、本発明の実施形態2を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態は、上記実施形態1の放電ユニット(1)と構成が異なるものである。以下には、上記実施形態1と異なる点を主として説明する。
【0071】
図7に示すように、実施形態2の放電部(20)は、ドレンパン(19)の外側から内部に向かって挿入されて固定される、いわゆるフランジユニット式に構成されている。また、実施形態2の放電部(20)は、放電電極(21)と対向電極(22)と絶縁ケーシング(41)とが一体的に組立てられている。
【0072】
実施形態2の絶縁ケーシング(41)は、大略の外形が円筒状に形成されている。絶縁ケーシング(41)は、ケース本体(42)と蓋部(43)とを有している。
【0073】
実施形態2のケース本体(42)は、ガラス質又は樹脂製の絶縁材料で構成されている。ケース本体(42)は、円筒状の基部(46)と、該基部(46)からドレンパン(19)側に向かって突出する筒状壁部(47)と、該筒状壁部(47)の外縁部から更にドレンパン(19)側に向かって突出する環状凸部(48)とを有している。また、ケース本体(42)には、環状凸部(48)の先端側に先端筒部(49)が一体に形成されている。基部(46)の軸心部には、円柱状の挿入口(46a)が軸方向に延びて貫通形成されている。筒状壁部(47)の内側には、挿入口(46a)と同軸となり、且つ挿入口(46a)よりも大径となる円柱状の空間(S)が形成されている。
【0074】
実施形態2の蓋部(43)は、略円板状に形成されて環状凸部(48)の内側に嵌合している。蓋部(43)は、セラミックス材料で構成されている。蓋部(43)の軸心には、実施形態1と同様、蓋部(43)を上下に貫通する円形状の1つの開口(44)が形成されている。
【0075】
放電電極(21)は、軸直角断面が円形状となる縦長の棒状の電極で構成されている。放電電極(21)は、基部(46)の挿入口(46a)に嵌合している。これにより、放電電極(21)は、絶縁ケーシング(41)の内部に収容されている。実施形態2では、放電電極(21)のうちドレンパン(19)とは反対側の端部が、ドレンパン(19)の外部に露出される状態となる。このため、ドレンパン(19)の外部に配置される電源部(30)と、放電電極(21)とを電気配線によって容易に接続することができる。
【0076】
放電電極(21)のうちドレンパン(19)側の端部(64a)は、絶縁ケーシング(41)の内部の空間(S)に臨んでいる。なお、図7に示す例では、放電電極(21)の端部(64a)が、挿入口(46a)の開口面よりも上側(ドレンパン(19)側)に突出しているが、この端部(64a)の先端面を挿入口(46a)の開口面と略面一としてもよいし、端部(64a)を挿入口(46a)の開口面よりも下側に陥没させてもよい。また、放電電極(21)は、実施形態1と同様、開口(44)を有する蓋部(43)との間に所定の間隔が確保されている。
【0077】
対向電極(22)は、円筒状の電極本体(22a)と、該電極本体(22a)から径方向外方へ突出する鍔部(22b)とを有している。電極本体(22a)は、絶縁ケーシング(41)のケース本体(42)に外嵌している。鍔部(22b)は、ドレンパン(19)の壁部に固定されて放電部(20)を保持する固定部を構成している。放電部(20)がドレンパン(19)に固定された状態では、対向電極(22)の電極本体(22a)の一部が浸水された状態となる。
【0078】
対向電極(22)は、電極本体(22a)よりも小径の内側筒部(22c)と、該内側筒部(22c)と電極本体(22a)との間に亘って形成される連接部(22d)とを有している。内側筒部(22c)及び連接部(22d)は、ドレンパン(19)内の水中に浸漬している。内側筒部(22c)は、その内部に円柱空間(24)を形成している。内側筒部(22c)の軸方向の一端は、蓋部(43)と当接して該蓋部(43)を保持する保持部を構成している。また、電極本体(22a)と内側筒部(22c)と連接部(22d)の間には、ケース本体(42)の先端筒部(49)が内嵌している。内側筒部(22c)の軸方向の他端側には、円柱空間(24)を覆うようにメッシュ状の漏電防止材(25)が設けられている。この漏電防止材(25)は、対向電極(22)と接触することで、実質的に接地されている。これにより、漏電防止材(25)は、ドレンパン(19)の内部の空間(水中)のうち、円柱空間(24)の内側から外側への漏電を防止している。
【0079】
対向電極(22)は、電極本体(22a)の一部がドレンパン(19)の外部に露出される状態となる。このため、電源部(30)と対向電極(22)とを電気配線によって容易に接続することができる。
【0080】
放電部(20)の運転の開始時には、図7に示すように、絶縁ケーシング(41)の内の空間(S)が浸水した状態となっている。電源部(30)から電極対(21,22)に所定の直流電圧(例えば1kV)が印加されると、開口(44)の内部の電流密度が上昇していく。
【0081】
図7に示す状態から、電極対(21,22)へ更に直流電圧が継続して印加されると、開口(44)内の水が気化されて気泡(B)が形成される(図8を参照)。この状態では、気泡(B)が開口(44)のほぼ全域を覆う状態となり、円柱空間(24)内の負極側の水と、放電電極(21)との間に気泡(B)の抵抗が付与される。これにより、放電電極(21)と対向電極(22)との間の電位差が保たれ、気泡(B)でストリーマ放電が発生する。その結果、放電領域近傍では、過酸化水素が生成される。また、電気分解ユニット(60)の陽極(61)の周囲では、電気分解によって、水素イオンと銅イオンとが生成される。水中では、過酸化水素と、水素イオンと、銅イオンとが共存する。このような条件下では、フェントン反応が起こり、水酸ラジカルが生成される。そして、ドレン水(56)は、過酸化水素及び反応性の高い水酸ラジカルによって浄化される。
【0082】
〈実施形態2の変形例〉
上記実施形態2では、円板状の蓋部(43)の軸心に1つの開口(44)を形成しているが、この蓋部(43)に複数の開口(44)を形成してもよい。図9に示す例では、蓋部(43)の軸心を中心とする仮想ピッチ円上に、5つの開口(44)が等間隔置きに配列されている。このように蓋部(43)に複数の開口(44)を形成することで、各開口(44)の近傍でそれぞれストリーマ放電を発生させることができる。
【0083】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0084】
〈電気分解ユニットの構成〉
上述した各実施形態では、陽極(61)は銅材料で構成されている。しかしながら、陽極(61)は銅を含む金属で構成するようにしてもよい。さらに、陽極(61)は鉄材料で構成するようにしてもよい。鉄材料で陽極(61)を構成した場合は、反応式(5)に示すように、電気分解によって鉄イオンが生成され、反応式(6)に示すフェントン反応で、水酸ラジカルを生成することができる。また、陽極(61)は鉄を含む金属で構成するようにしてもよい。
【0085】
【化5】

【0086】
【化6】

【0087】
また、上述した各実施形態では、陰極(62)は白金材料で構成されている。しかしながら、陰極(62)は、陽極(61)に含まれる銅または鉄よりもイオン化傾向の低い金属で構成されていればよく、例えば、銀や金でも構わない。
【0088】
〈イオン発生部の構成〉
上述した各実施形態では、銅または鉄を含む金属によって形成される陽極(61)を有する電気分解ユニット(60)を、銅イオンまたは鉄イオンを発生させるイオン発生部としている。しかしながら、上記実施形態に限らず、例えば、銅片や鉄片をドレン水中に浸漬することで、これらをイオン発生部とすることもできる。また、銅イオンまたは鉄イオンを含む液体をドレン水中へ供給する構成であっても、これらをイオン発生部とすることもできる。
【0089】
〈水中放電装置の用途〉
上述した放電ユニット(1)は、空気調和装置(10)のドレンパン(19)に回収されるドレン水を浄化する用途に適用されている。しかしながら、水を浄化するものであれば、他の用途に適用することもできる。これらの用途としては、例えば、給湯器或いは加湿器のタンク水の浄化、除湿器で補足された水の浄化等があげられる。また、放電ユニット(1)は、ストリーマ放電及び電気分解によって得られた水を所定の洗浄対象に供給ないし噴霧することで、この洗浄対象を洗浄する用途に適用することもできる。
【符号の説明】
【0090】
1 放電ユニット(水中放電装置)
17 室内熱交換器(冷却部)
19 ドレンパン
21 放電電極(電極対)
22 対向電極(電極対)
30 電源部(直流電源)
60 電気分解ユニット(イオン発生部)
61 陽極
62 陰極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中でストリーマ放電を発生させる電極対(21,22)と、
上記電極対(21,22)に直流電圧を印加する直流電源(30)とを有し、
上記ストリーマ放電によって水中に過酸化水素を生成する水中放電装置であって、
水中に銅イオンまたは鉄イオンを発生させるイオン発生部(60)を備える
ことを特徴とする水中放電装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記イオン発生部(60)は、銅または鉄を含む金属によって形成される陽極(61)と該陽極(61)に対応して設けられる陰極(62)とを有し、水中で電気分解を行う電気分解ユニット(60)によって構成されている
ことを特徴とする水中放電装置。
【請求項3】
請求項2において、
上記陰極(62)は、上記陽極(61)に含まれる銅または鉄よりもイオン化傾向の低い金属によって構成される
ことを特徴とする水中放電装置。
【請求項4】
空気を冷却する冷却部(17)と、
上記冷却部(17)が空気を冷却することによって空気中で凝縮する凝縮水を回収するドレンパン(19)と、
上記ドレンパン(19)内の水中に過酸化水素が生成されるように、該水中で放電を行う水中放電装置とを備えた空気調和装置であって、
上記水中放電装置は、請求項1乃至3に記載の水中放電装置で構成されている
ことを特徴とする空気調和装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−75987(P2012−75987A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221049(P2010−221049)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】