説明

水中油乳化型化粧料

【課題】 3−O−アルキルアスコルビン酸を含有し、pH4程度でも乳化安定性の良好な水中油乳化型化粧料を提供する。
【解決手段】 (A)一般式
【化1】


(式中Rは、炭素数1〜4のアルキル基である。)で表されるアスコルビン酸誘導体と、(B)カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーと、(C)疎水基と親水基とを有する水溶性多糖誘導体を含有する水中油乳化型化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−O−アルキルアスコルビン酸を安定に配合した水中油乳化型化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
ビタミンCは、美白作用、コラーゲン合成促進作用、過酸化脂質抑制作用などの化粧品原料としての多くの機能をもっているが、酸化安定性が悪く着色しやすいためにそのまま皮膚外用剤に配合することは難しく、過去さまざまな誘導体が開発されている。水溶性のビタミンC誘導体の代表としては、L−アスコルビルグルコシド(特許文献1参照)、L−アスコルビン酸リン酸エステル塩(特許文献2参照)、3−O−アルキルアスコルビン酸(特許文献3参照)等があり、多くの皮膚外用剤に配合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−112594号公報
【特許文献2】特開平6−24931号公報
【特許文献3】特開昭58−27373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらのビタミンC誘導体のうち、3−O−アルキルアスコルビン酸は、中性からアルカリ性の条件下では酸化をうけ、変色、異臭の原因となるため、製剤のpHを4程度に設定する必要がある。しかしながら、pHを4程度に設定するために電解質を添加すると水中油乳化型化粧料の乳化安定性が悪化し、ゲル化や分離を生じるという問題があった。そこで、本発明においては、3−O−アルキルアスコルビン酸を含有し、pH4程度でも乳化安定性の良好な水中油乳化型化粧料を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、(A)一般式
【化1】

(式中Rは、炭素数1〜4のアルキル基である。)で表されるアスコルビン酸誘導体と、(B)カルボキシビニルポリマー及び/又はアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体と、(C)疎水基と親水基とを有する水溶性多糖誘導体を含有する水中油乳化型化粧料に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の水中油乳化型化粧料は、pH4程度でも乳化安定性が良好で、3−O−アルキルアスコルビン酸を安定に配合することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の水中油乳化型化粧料に関し、詳細に説明する。
【0008】
本発明において用いる成分(A)の一般式
【化2】

(式中Rは、炭素数1〜4のアルキル基である。)で表されるアスコルビン酸誘導体は、3−O−アルキルアスコルビン酸であり、R(アルキル)は、直鎖若しくは分岐アルキル基を意味し、例えば、エチル基、メチル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基などがあげられる。本発明においては、水相への配合のし易さから、3−O−エチルアスコルビン酸が最も好ましい。
【0009】
3−O−アルキルアスコルビン酸の水中油乳化型化粧料への配合量は、化粧料全量中の0.01〜20質量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜10.0質量%である。0.01質量%未満ではアスコルビン酸誘導体の効果が得られにくく、20質量%を超えると化粧料としての使用感上好ましくない場合がある。
【0010】
本発明において用いる成分(B)のカルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、中和することにより粘度が上昇するポリアクリル酸系高分子である。カルボキシビニルポリマーとしては、平均分子量10万〜500万のものが好ましい。市販されているものとしては、カーボポール940、カーボポール941、カーボポール980、カーボポール981、カーボポールETD2050(以上、BF Goodrich社製)、シンタレンK、シンタレンL(以上、3Vシグマ社製)等が挙げられる。アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、平均分子量10万〜500万のものが好ましい。市販されているものとしては、ペミュレンTR−1、ペミュレンTR−2、カーボポールULTREZ−21(以上、BF Goodrich社製)等が挙げられる。カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0011】
成分(B)のカルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、全組成中に0.01〜10質量%、特に0.02〜5質量%、更に0.05〜3質量%配合するのが、十分な粘度が得られるとともに、使用感も良好であり好ましい。
【0012】
本発明で用いる成分(C)の疎水基と親水基とを有する水溶性多糖誘導体としては、炭素数8以上の炭化水素基を有するものが好ましく、例えば多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子の一部又は全てが、(a)炭素数8〜40のアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基及びアルキルアリール基から選ばれる疎水部を有する置換基、及び(b)ヒドロキシル基が置換していてもよいイオン性又は非イオン性の親水部を有する置換基で置換されており、置換基(a)と置換基(b)の置換度の比が1:1000〜100:1である水溶性多糖誘導体等が挙げられる。
【0013】
ここで、置換基(a)としては、例えば炭素数8〜40のアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アリールアルキルエーテル基等が挙げられ、特に炭素数10〜40のアルキル基又はアルケニル基を有する置換グリセリルエーテル基が好ましい。具体的には、2−ヒドロキシ−3−アルコキシプロピル基、2−アルコキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基、2−ヒドロキシ−3−アルケニルオキシプロピル基、2−アルケニルオキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基が挙げられる。
【0014】
また、置換基(b)としては、例えばメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシエチレン基、ポリグリセリン基、スルホアルキル基等が挙げられる。これらのうち、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又はその塩が好ましく、具体的には2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基等が挙げられ、それらスルホ基の全てあるいは一部がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アミン類等の有機カチオン基、アンモニウムイオンなどとの塩となっていてもよい。
【0015】
置換基(a)の置換度は、構成単糖残基当たり0.001〜1、特に0.002〜0.5、更に0.003〜0.1であるのが好ましく、置換基(b)の置換度は、構成単糖残基当たり0.01〜2.5、特に0.02〜2、更に0.1〜1.5であるのが好ましい。また、置換基(a)と置換基(b)の置換度の比は1:1000〜100:1、特に1:500〜10:1、更に1:300〜10:1であるのが好ましい。
【0016】
また、成分(C)の多糖誘導体の基本骨格は公知の多糖類から選択され、特にセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。また、これら多糖類又はその誘導体の重量平均分子量は、1万〜1000万、特に10万〜500万、更に30万〜200万の範囲が好ましい。
【0017】
このような疎水基と親水基とを有する水溶性多糖誘導体は、例えば特開平11−12119号公報に記載の方法により、多糖類又はその誘導体に疎水性置換基(a)及び親水性置換基(b)を順次又は同時に導入することにより製造される。
【0018】
また、成分(C)の疎水基と親水基とを有する水溶性多糖誘導体としては、特開平3−12401号公報の実施例1〜3に記載されている変性セルロースエーテルや、米国特許第4228277号に記載されている非イオン長鎖アルキル化セルロースエーテル、変性ヒドロキシエチルセルロースや、疎水化変性スルホン化多糖誘導体などが好適に使用でき、市販品としてはポイズ310(花王社製)、ナトロゾル・プラス(NATROSOL PLUS)330やナトロゾル・プラスCS(NATROSOL PLUS)D−67(アクアロン・カンパニー社製)等のアルキルが好適に使用できる。
【0019】
成分(C)の疎水基と親水基とを有する水溶性多糖誘導体は、1種以上を用いることができ、全組成中に0.01〜10質量%、特に0.02〜5質量%、更に0.05〜3質量%配合するのが、十分な粘度が得られるとともに、使用感も良好であり好ましい。
【0020】
成分(B)及び成分(C)の水溶性高分子は、乳化前に水相成分に溶解して用いるか、若しくは予めそれぞれ調製した乳化物に水溶性高分子水溶液を添加して用いることもできる。
【0021】
本発明の水中油乳化型化粧料は、上述の成分(A)、(B)、(C)のほか、水中油乳化型化粧料を形成する水相成分、油相成分、乳化剤を必須成分として含有する。
【0022】
水相成分としては、水の他、低級アルコール、多価アルコール、成分(B)、成分(C)以外の水溶性高分子、等化粧料に配合し得る水溶性成分であれば特に限定されない。
【0023】
かかる低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0024】
かかる多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−へキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解等還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール、POP−ブチルエーテル;POP・POE−ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテルリン酸;POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0025】
油相成分としては、通常化粧料に配合しうる油相成分であれば特に限定されず、例えば液体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油、油溶性薬剤等が挙げられる。
【0026】
液体油脂として、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0027】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0028】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0029】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0030】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0031】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分岐鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0032】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0033】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)、アクリルシリコーン類等が挙げられる。
【0034】
乳化剤としては、水中油乳化型化粧料に用いられるものであれば、特に限定されず、例
えばアルキル硫酸塩,アシルアミノ酸塩,脂肪酸塩等のアニオン界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル,ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル,ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル,多価アルコール脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル等のノニオン界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤、ベタイン型,スルホベタイン型,スルホアミノ酸型,イミダゾリニウム型,レシチン,リ
ゾレシチン等の両性界面活性剤が挙げられる。
【0035】
本発明の水中油乳化型化粧料には、上述の必須成分の他に、必要に応じて、通常、水中油乳化型化粧料に配合される、水性成分、油性成分、保湿剤、色素、乳化剤、可溶化剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬剤、香料、樹脂、防菌防黴剤、アルコール類等を適宜配合することができる。
【実施例】
【0036】
さらに実施例により、本発明の特徴について詳細に説明する。
【0037】
表1に示す処方にて定法により水中油乳化型化粧料を調製し、安定性の評価を行った。なお表1中、疎水化変性スルホン化多糖誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルステアリルエーテルヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウムを用いた。
【0038】
【表1】

【0039】
実施例1、2及び比較例1〜3を用いて乳化安定性の評価を行った。乳化安定性の評価は、調整した水中油乳化型化粧料を室温及び50℃にて一ヶ月静置した後、乳化状態を目視にて評価した。
【0040】
その結果、表1に示したとおり、成分(C)の疎水基と親水基とを有する水溶性多糖誘導体を、疎水基を有さないヒドロキシエチルセルロースに代替した比較例1は、室温保存品、50℃保存品共にゲル化が認められ、乳化安定性が良くなかった。成分(C)の疎水基と親水基とを有する水溶性多糖誘導体を、疎水基を有さない水溶性高分子であるジェランガムに代替した比較例2は、50℃保存品にて分離が認められ、乳化安定性が良くなかった。成分(C)の疎水基と親水基とを有する水溶性多糖誘導体を配合し、成分(B)のカルボキシビニルポリマーを配合しなかった比較例3においては、50℃保存品にてゲル化、分離が認められ、保存安定性が良くなかった。これらに対し、本発明の実施例1及び2においては、室温保存品、50℃保存品共にゲル化や分離は認められず、乳化安定性が良好であることが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)一般式
【化1】

(式中Rは、炭素数1〜4のアルキル基である。)で表されるアスコルビン酸誘導体と、(B)カルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーと、(C)疎水基と親水基とを有する水溶性多糖誘導体を含有する水中油乳化型化粧料。

【公開番号】特開2012−97030(P2012−97030A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245782(P2010−245782)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000135324)株式会社ノエビア (258)
【Fターム(参考)】