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水中油型下地化粧料
説明

水中油型下地化粧料

【課題】後肌のしっとり感、止まりの滑らかさ等の使用感に優れ、且つ、併用するファンデーションの化粧膜持続性に優れる水中油型下地化粧料の提供。
【解決手段】次の成分(a)及び(b);(a)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステルと、(b)油剤を含有する水中油型下地化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なデキストリン脂肪酸エステルを配合した水中油型下地化粧料に関するものであり、更に詳しくは、後肌のしっとり感、止まりの滑らかさ等の使用感に優れ、且つ、該下地化粧料の後に使用するファンデーション等の化粧膜持続性にも優れる、水中油型下地化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、水中油型化粧料に樹脂成分を配合することで、化粧料の耐水性や化粧持続性が向上することが知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。しかしながら、特許文献1〜3のような被膜形成性の高い樹脂を配合した場合は、化粧料自体の二次付着防止効果や耐水性は大幅に向上するものの、止まりぎわにべたつきがあり、また、これを下地化粧料とするには化粧膜が硬く、下地化粧料の後に使用するファンデーション等の仕上がりや化粧持続性において、満足のいくものではなかった。また、特許文献4の水中油型化粧料は、べたつきがなく化粧膜の柔軟性にも優れるものの、塗布時の止まりがきつく、満足のいくものではなかった。このため、下地化粧料に適した柔軟な皮膜が残ることでしっとり感が得られ、止まりの滑らかさにも優れ、後から使用するファンデーション等の化粧膜持続性も良好な水中油型下地化粧料の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−267817号公報
【特許文献2】特開平9−25218号公報
【特許文献3】特開平11−180823号公報
【特許文献4】特開2002−348209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記実状に鑑み、本発明者らは鋭意研究を行った結果、新規なデキストリン脂肪酸エステル、および油剤を配合した水中油型下地化粧料が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)次の成分(a)及び(b);
(a)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
(b)油剤
を配合することを特徴とする水中油型下地化粧料、
(2)成分(a)の分岐飽和脂肪酸が、炭素数12〜22の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上であることを特徴とする上記(1)に記載の水中油型下地化粧料、
(3)成分(a)が、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/sである流動パラフィンのゲル化能を有しないことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の水中油型下地化粧料、
(4)成分(a)を40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザーを用いて100gの荷重をかけ、10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)が30〜1000gであること特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の水中油型下地化粧料に関するものである。
さらに、本発明は、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の水中油型下地化粧料を使用した後、粉体化粧料を使用することを特徴とする化粧方法
に関するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の水中油型下地化粧料は、新規なデキストリン脂肪酸エステルと油剤とを配合することにより、柔軟な化粧膜が得られ、後肌のしっとり感、止まりの滑らかさ、さらには、後から使用するファンデーション等の化粧膜持続性を向上させることができるものである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルは、デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であり、デキストリンへの脂肪酸の置換度は、グルコース単位当たり1.0〜3.0であり、好ましくは1.2〜2.8である。この置換度が1.0未満であると液状油等への溶解温度が100℃以上と高くなり、着色や特異な臭いが生じ、好ましくない。
【0008】
また、成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルは、次の特性を有する。
(1)液状油に混合したときに液状油がゲル化しない。
「液状油がゲル化しない」とは、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/sである流動パラフィンを液状油とする場合、デキストリン脂肪酸エステルを5質量%(以下単に「%」で示す。)含有する該流動パラフィンを100℃で溶解し、24時間後25℃で粘度を測定したとき、粘度が、Yamco DIGITAL VISCOMATE粘度計VM−100A(振動式)(山一電機社製)の検出限界以下であることを意味する。なお、ゲル化する場合には、粘度が検出されることで確認できる。
(2)成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルが形成する皮膜が特定範囲のタック性を有する。
「タック性」を、支持体に該デキストリン脂肪酸エステルを塗布し、もうひとつの支持体を相互に離れた状態から面接触させた後に、後退させて別離させ、後退を開始してから完全に別離するまでの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)で表す場合、該デキストリン脂肪酸エステルを40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザー、たとえば、テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、100gの荷重をかけ10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの荷重変化、すなわちタック性が30〜1,000gである。
【0009】
成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルに用いられるデキストリンは、グルコース平均重合度3〜150、特に10〜100のデキストリンが好ましい。グルコース平均重合度が2以下では、得られたデキストリン脂肪酸エステルがワックス様となって油剤への溶解性が低下する。また、グルコース平均重合度が150を超えると、デキストリン脂肪酸エステルの油剤への溶解温度が高くなる、又は溶解性が悪くなる等の問題を生ずることがある。デキストリンの糖鎖は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
【0010】
成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸は、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を必須とし、さらに炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸、及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これら炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸以外の脂肪酸をまとめて表すときは「その他の脂肪酸」という)を含有してもよいものである。
【0011】
脂肪酸の組成割合は、全脂肪酸に対して、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上が50mol%より多く100mol%以下、好ましくは55mol%以上100mol%以下であり、その他の脂肪酸は、0mol%以上50mol%未満、好ましくは、0mol%以上45mol%以下である。
炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸としては、例えば、イソ酪酸、イソ吉草酸、2−エチル酪酸、エチルメチル酢酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコサン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択又は組み合わせて使用することができる。これらのうち、炭素数12〜22のものが好ましく、特にイソステアリン酸が好ましく、構造の違い等の限定は特にない。
【0012】
本発明において、イソステアリン酸とは、分岐したステアリン酸の1種、又は2種以上の混合物を意味する。例えば5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−オクタン酸は、イソブチレン2量体のオキソ反応により炭素数9の分岐アルデヒドとし、次いでこのアルデヒドのアルドール縮合により炭素数18の分岐不飽和アルデヒドとし、次いで水素添加、酸化することにより製造することができ(以下、「アルドール縮合型」と略す)、これは例えば日産化学工業社より市販されている。2−ヘプチルウンデカン酸はノニルアルコールをガーベット反応(Guerbet反応、ゲルベ反応ともいう)により二量化し、酸化することにより製造することができ、これは例えば三菱化学社より市販されており、分岐位置の若干異なる類似混合物として、日産化学工業社より市販され、さらに出発アルコールが直鎖飽和ではない2箇所メチル分岐したタイプも同様に日産化学社より市販されている(以下総じて「ガーベット反応型」と略す)。また、メチル分岐イソステアリン酸は、例えばオレイン酸のダイマー製造時の副産物として得られるもので〔例えばJ.Amer.Oil Chem.Soc.,51,522(1974)に記載〕、例えば米国エメリー社などから市販されていたものがあげられる(以下「エメリー型」と略す)。エメリー型イソステアリン酸の出発物質であるダイマー酸のさらに出発物質は、オレイン酸だけでなく、リノール酸、リノレン酸等も含まれる場合がある。本発明においては特にこのエメリー型がより好ましい。
【0013】
また、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸としては、例えば、酢酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜、選択又は組み合わせて使用することができる。これらの中でも、炭素数8〜22のものが好ましく、特に炭素数12〜22のものが好ましい。
【0014】
炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸としては、例えば、モノエン不飽和脂肪酸としては、シス−4−デセン(オブツシル)酸、9−デセン(カプロレイン)酸、シス−4−ドデセン(リンデル)酸、シス−4−テトラデセン(ツズ)酸、シス−5−テトラデセン(フィセテリン)酸、シス−9−テトラデセン(ミリストレイン)酸、シス−6−ヘキサデセン酸、シス−9−ヘキサデセン(パルミトレイン)酸、シス−9−オクタデセン(オレイン)酸、トランス−9−オクタデセン酸(エライジン酸)、シス−11−オクタデセン(アスクレピン)酸、シス−11−エイコセン(ゴンドレイン)酸、シス−17−ヘキサコセン(キシメン)酸、シス−21−トリアコンテン(ルメクエン)酸等が挙げられ、ポリエン不飽和脂肪酸としては、ソルビン酸、リノール酸、ヒラゴ酸、プニカ酸、リノレン酸、γ−リノレン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、EPA、イワシ酸、DHA、ニシン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸等が挙げられる。
【0015】
炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸は、環状構造を基本骨格の少なくとも一部に有する炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂肪酸を意味し、例えば9,10−メチレン−9−オクタデセン酸;アレプリル酸、アレプリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸、α−シクロヘキシルメチル酸、ω−シクロヘキシル酸、5(6)−カルボキシ−4−ヘキシル−2−シクロヘキセン−1−オクタン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルピン酸、ショールムーグリン酸などが挙げられる。
【0016】
成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸として分岐飽和脂肪酸単独の場合のデキストリン脂肪酸エステルとしては、例えば以下のもの等が挙げられる。
デキストリンイソ酪酸エステル
デキストリンエチルメチル酢酸エステル
デキストリンイソヘプタン酸エステル
デキストリン2−エチルヘキサン酸エステル
デキストリンイソノナン酸エステル
デキストリンイソデカン酸エステル
デキストリンイソパルミチン酸エステル
デキストリンイソステアリン酸エステル
デキストリンイソアラキン酸エステル
デキストリンイソヘキサコサン酸エステル
デキストリン(イソ吉草酸/イソステアリン酸)エステル
【0017】
成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸として分岐飽和脂肪酸とその他の脂肪酸との混合脂肪酸を用いた場合のデキストリン脂肪酸エステルとしては、例えば以下のもの等が挙げられる。
デキストリン(イソ酪酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(エチルメチル酢酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(イソヘプタン酸/ラウリン酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(イソヘキサコサン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/イソ吉草酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/パルミチン酸/カプロン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソデカン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチル酪酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/アラキドン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ステアリン酸/オレイン酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/パルミチン酸/ショールムーグリン酸)エステル
【0018】
次に、成分(a)のデキストリン脂肪酸エステルの製造方法について説明する。
製造方法としては、特に限定されず、公知の製法を採用することができるが、たとえば以下のようにして製造することができる。
【0019】
(1)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を全脂肪酸誘導体に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸誘導体、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸誘導体及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これらの脂肪酸誘導体をまとめて表すときは「その他の脂肪酸誘導体」という)を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満を含有する脂肪酸誘導体とを反応させる。
【0020】
(2)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上とを反応させ、次いで、その生成物とその他の脂肪酸誘導体とを反応させる。
その場合、全脂肪酸誘導体に対して炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を50mol%より多く100mol%以下、及び、その他の脂肪酸誘導体を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満使用する。
【0021】
上記デキストリンとのエステル化反応に使用される脂肪酸誘導体としては、例えば、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等が用いられる。
(1)及び(2)のいずれの場合も、まず、デキストリンを反応溶媒に分散し、必要に応じて触媒を添加する。これに、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等を添加して反応させる。(1)の製造法の場合は、これらの酸を混合して同時に添加反応させ、(2)の製造法の場合は、まず反応性の低い分岐飽和脂肪酸誘導体を反応させた後、次いでその他の脂肪酸誘導体を添加反応させる。
【0022】
製造にあたり、これらのうちの好ましい方法を採用することができる。反応溶媒にはジメチルホルムアミド、ホルムアミド等のホルムアミド系;アセトアミド系;ケトン系;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物系;ジオキサン等の溶剤を適宜使用することができる。反応触媒としてはピリジン、ピコリン等の3級アミノ化合物などを用いることができる。反応温度は原料脂肪酸等により適宜選択されるが、0℃〜100℃の温度が好ましい。
【0023】
本発明における成分(a)の配合量は、特に限定されるものではないが、0.1〜10.0質量%(以下単に「%」と記す)、好ましくは1.0〜5.0%である。この範囲であれば、止まりの滑らかさに優れ、成分(a)と(b)による柔軟な皮膜が形成されることにより、後から使用するファンデーション等の化粧膜持続性に優れる水中油型下地化粧料が得られる。配合量が10.0%より多くなると、化粧料の外観色が淡黄色を呈す場合があり好ましくない。
【0024】
本発明に用いられる成分(b)の油剤は、水中油型下地化粧料に、伸び等の感触を付与するものであり、通常の化粧料に用いられる油剤であれば特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モクロウ、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、ラノリン、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、イソノナン酸イソトリデシル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、エチルヘキサン酸セチル、サリチル酸オクチル等が挙げられ、これらより、1種又は2種以上、選択し使用する事が可能である。これらの中でも、2−ヘチルヘキサン酸とグリセリンのトリエステル、流動パラフィンは、成分(a)の溶解性に優れ、乳化安定性も良好であるため、好ましいものとすることができる。
【0025】
本発明における成分(b)の配合量は、特に限定されるものではないが、1.0〜20.0%、好ましくは5.0〜10.0%である。この範囲であれば、成分(a)と(b)による柔軟な皮膜が形成され、後肌のしっとり感に優れ、後から使用するファンデーション等の化粧膜持続性に優れる水中油型下地化粧料が得られる。配合量が多すぎると、べたつきを感じる場合があり好ましくない。
【0026】
その他、本発明の水中油型下地化粧料には、通常の水中油型乳化化粧料に用いられる成分として、以下のものを配合できる。
本発明に用いられる水性成分としては、感触調整剤、保湿剤、清涼剤、防腐剤等の目的で用いられるものであり、水、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0027】
本発明に用いられる界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。具体的には、陰イオン性界面活性剤として、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸をナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン等のアルカリ物質により形成される脂肪酸石鹸類、アシルグルタミン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレン付加アルキルリン酸塩等が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、N、N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N、N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N、N、N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N、N−ジアルキル−N、N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン、リン脂質等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン類等が挙げられる。本発明の水中油型下地化粧料に界面活性剤を含有する場合の含有量は、界面活性剤の種類、油剤の量及び質により変動するが、概ね0.1〜20%が好ましい。
【0028】
また、高級アルコールを加えることによりさらに良好な水中油型乳化化粧料を得ることが可能となる。本発明に用いられる高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。これらの高級アルコールは1種又は2種以上を選択して配合することが可能である。
【0029】
本発明に用いられる水溶性高分子としては、乳化粒子の分離を防止するので、より高い長期安定性を有する水中油型乳化化粧料を得ることが可能である。水溶性高分子としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グァーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド(褐藻エキス)等の植物系高分子、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOL(登録商標)等)等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等がある。
【0030】
さらに、本発明の水中油型下地化粧料には、必要に応じて、粉体、美容成分、香料、色素等を、乳化安定性を損わない範囲で添加できる。
美容成分としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール等のホルモン、アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸、アラントイン、グリチルレチン酸、アズレン酸の抗炎症剤、アルブチン等の美白剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤、L−メントール、カンフル等の清涼剤やイオウ、塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、γ−オリザノール等がある。
【0031】
本発明において下地化粧料とは、それ自体ではメークアップ効果が充分ではなく、その上にファンデーション等のメークアップ化粧料を塗布することを必須とする化粧料を意味するものであって、具体的には、アンダーメークアップ、コントロールカラー、スポッツカバー、コンシーラー等が例示できる。
【0032】
本発明の水中油型下地化粧料の製造方法としては、通常公知の方法でよく特に制限されないが、例えば、水溶性高分子をアルカリで中和させ混合膨潤したものに、グリセリンや香料や防腐剤などの水系成分及び、使用感の調整のための顔料や球状粉体を均一に混合した後、油系成分を混合乳化させる方法等が挙げられる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0034】
《新規なデキストリン脂肪酸エステルの参考製造例》
以下に本発明に用いる新規なデキストリン脂肪酸エステルの参考製造例を示す。また、下記方法で置換度、構成脂肪酸のmol%、粘度、タック性を測定した。
【0035】
(置換度、構成脂肪酸のmol%の測定方法)
参考製造例のデキストリン脂肪酸エステルのIRスペクトルを測定し、アルカリ分解後の脂肪酸量とガスクロマトグラフィーから、置換度と、構成脂肪酸のmol%を求めた。
【0036】
(粘度の測定方法)
各試料(参考製造例のデキストリン脂肪酸エステル)を5質量%含有する流動パラフィンを100℃で溶解し、室温(25℃)まで冷却する。25℃の恒温槽で24時間保温し、以下の測定機器を用いて粘度を測定した。
尚、流動パラフィンはASTM D445測定方法による40℃の動粘度が8mm/sのものを使用した。
[測定機器]Yamco DIGITAL VISCOMATE MODEL VM−100A(山一電機社製)
【0037】
(タック性の測定方法)
各試料(参考製造例のデキストリン脂肪酸エステル)をIPクリーンLX(軽質流動イソパラフィン)に40%溶解した溶液を、ガラス板に400μm厚のアプリケーターで塗布し、その皮膜を室温24時間乾燥後、70℃で12時間保存後、室温25℃において、乾燥したもののタック性を、以下に示す機器および条件で評価した。
[測定機器]テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)
[プローブ]1/2 Cyl.Delrin(ポリアセタール樹脂(POM))P/0.5)、直径12.5mm円柱状
[測定条件]Test Speed:0.5mm/sec, Applied Force:100g, Contact Time:10sec
【0038】
[参考製造例1:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステル]
平均グルコース重合度30のデキストリン21.41g(0.132mol)をジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62g(0.666mol)とからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)120g(0.396mol)を30分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質107gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
尚、エメリー型の出発原料はコグニス社製のEMARSOL873を用いた。本原料の脂肪酸組成は分岐飽和脂肪酸が60mol%、その他の脂肪酸が40mol%(パルミチン酸10mol%を含む)のものを用いた。(以下同様)
置換度は2.2、イソステアリン酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は161gであった。
【0039】
[参考製造例2〜4:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステル]
参考製造例1記載の原料・方法に準じ、
参考製造例2は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.172mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度1.0、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は35gであった。
参考製造例3は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.224mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度1.4、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は45gであった。
参考製造例4は平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.502mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度2.6、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は750gであった。
【0040】
[参考製造例5:デキストリンイソステアリン酸エステル]
イソステアリン酸クロライド(エメリー型)の代わりにイソステアリン酸クロライド(ガーベット反応型)を用いた以外は参考製造例1と同様に作成し、淡黄色の樹脂状物質80gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
尚、ガーベット反応型の出発原料は日産化学工業社製のファインオキソコール イソステアリン酸−Nを用いた。
置換度は1.8、イソステアリン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は173gであった。
【0041】
[参考製造例6:デキストリンイソステアリン酸エステル]
イソステアリン酸クロライド(エメリー型)の代わりにイソステアリン酸クロライド(アルドール縮合型)を用いた以外は参考製造例1と同様に作成し、淡黄色の樹脂状物質60gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
尚、アルドール縮合型の出発原料は日産化学工業社製のファインオキソコール イソステアリン酸を用いた。
置換度は1.2、イソステアリン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は61gであった。
【0042】
[参考製造例7:デキストリンイソアラキン酸/パルミチン酸エステル]
平均グルコース重合度150のデキストリン51.28gをジメチルホルムアミド150g、ピリジン60gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソアラキン酸クロライド132gとパルミチン酸クロライド12gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質145gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸90mol%)
置換度は1.1、イソアラキン酸85mol%、パルミチン酸15mol%、粘度は0mPa・s、タック性は45gであった。
【0043】
[参考製造例8:デキストリンイソ酪酸/カプリン酸エステル]
平均グルコース重合度5のデキストリン34.19gを3−メチルピリジン215gに70℃で分散させ、イソ酪酸クロライド50g及びカプリン酸クロライド60gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をエタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質98gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度は2.9、イソ酪酸63mol%、カプリン酸37mol%、粘度は0mPa・s、タック性は255gであった。
【0044】
[参考製造例9:デキストリンイソパルミチン酸エステル]
平均グルコース重合度100のデキストリン23.62gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソパルミチン酸クロライド100gを30分間滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質90gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
置換度は2.0、イソパルミチン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は204gであった。
【0045】
[参考製造例10:デキストリンイソノナン酸/ステアリン酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン36.34gをジメチルホルムアミド120g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソノナン酸クロライド41g及びステアリン酸クロライド58gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質95gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸55mol%)
置換度は1.6、イソノナン酸51mol%、ステアリン酸49mol%、粘度は0mPa・s、タック性は64gであった。
【0046】
[参考製造例11:デキストリン2−エチルヘキサン酸/ベヘン酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン54.56gをジメチルホルムアミド150g、3−メチルピリジン130gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、2−エチルヘキサン酸クロライド147g、次いでベヘン酸クロライド36gを計30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質95gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸90mol%)
置換度は2.3、2−エチルヘキサン酸95mol%、ベヘン酸5mol%、粘度は0mPa・s、タック性は138gであった。
【0047】
[参考製造例12:デキストリンイソパルミチン酸/酢酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン22.56gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン70gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソパルミチン酸クロライド110g及び無水酢酸10gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質96gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸80mol%)
置換度は2.8、イソパルミチン酸79mol%、酢酸21mol%、粘度は0mPa・s、タック性は430gであった。
【0048】
[参考製造例13:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)/オレイン酸エステル]
平均グルコース重合度40のデキストリン19.99gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)108gとオレイン酸クロライド12gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質88gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸54mol%)
置換度は2.2、イソステアリン酸54mol%、オレイン酸10mol%、粘度は0mPa・s、タック性は350gであった。
【0049】
実施例1〜8および比較例1〜4:下地化粧料(アンダーメークアップ)
表1に示す組成の下地化粧料を以下に示す製造方法により調整し、水中油型下地化粧料の「しっとり感」、「滑らかな止まり」、及び併用するパウダーファンデーションの化粧膜持続性、リキッドファンデーションの化粧膜持続性の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価し、結果を合わせて表1に示した。
【0050】
【表1】

*1:エステルガムHP[荒川化学工業社製]
*2:パインフローS[松谷化学工業社製]
*3:レオパールKL[千葉製粉社製]
*4:レオパールTT[千葉製粉社製]
【0051】
(製造方法)
A:成分10〜12を加熱溶解し、同じく加熱溶解した成分1〜9を注入し、80℃で乳化する
B:成分13を添加し、均一に分散させる。
C:室温まで冷却後、容器に充填して下地化粧料を得た。
【0052】
(評価方法1)
上記実施例及び比較例の下地化粧料を、化粧品専門パネル20名に使用してもらい、下地化粧料を用いたときの「しっとり感」、「止まりの滑らかさ」について、各パネルが以下の評価基準により評点を付し、調製した下地化粧料毎に全パネルの評点の平均点を算出し、以下の判定基準により判定した。
〔評価基準〕
評価 :評点
非常に良好:5点
良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点
〔判定基準〕
全パネルの評点の平均点:判定
4.5以上 :◎
3.5以上〜4.5未満:○
2.0以上〜3.5未満:△
2.0未満 :×
【0053】
(評価方法2)化粧膜持続性の評価
ウレタン製人工皮膚(BEAULAX社製 バイオプレート)に、上記実施例及び比較例の下地化粧料0.1gを、3cm×5cmの長方形状に均一に指にて塗布し、化粧用マットにて、下記2種のファンデーション各々、約0.1gを均一に塗布した。10分後に塗布面の上から水道水を毎分3リットルで60秒間流水し、その後観察した。
〔パウダーファンデーション〕
成 分 (%)
(1)タルク 残量
(2)マイカ 15
(3)酸化チタン 14
(4)合成金雲母 10
(5)メタクリル酸メチルクロスポリマー 5
(6)黄酸化鉄 1.5
(7)赤酸化鉄 0.5
(8)黒酸化鉄 0.2
(9)シリカ 3
(10)合成ワックス 1
(11)硫酸バリウム 2
(12)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 3
(13)ジメチコン 4
(14)コハク酸ジオクチル 4
〔製法〕
A:成分1〜11を混合する
B:成分12〜14を混合する
C:AにBを添加し、混合する
D:Cを粉砕処理する
【0054】
〔リキッドファンデーション〕
成 分 (%)
(1)酸化チタン 10
(2)タルク 6
(3)黄酸化鉄 1.5
(4)赤酸化鉄 0.5
(5)黒酸化鉄 0.2
(6)マイカ 1
(7)PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1
(8)水 残量
(9)BG 1
(10)グリセリン 0.5
(11)DPG 0.1
(12)塩化ナトリウム 0.3
(13)エタノール 6
(14)シクロメチコン 20
(15)フェニルトリメチコン 5
(16)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 3
(17)ジメチコン 2
(18)PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1
〔製法〕
A:成分1〜7を混合し、ローラーにて処理する
B:成分8〜13を均一に混合溶解する
C:成分14〜18を均一に溶解する
D:AにCを加え均一に混合する
E:DにBを加え乳化する
【0055】
〔評価基準〕
変化なし :◎
わずかに変化したが、化粧膜は持続している:○
変化し、化粧膜がほぼ持続していない :△
変化し、化粧膜がまったく持続していない :×
【0056】
表1の結果から明らかなように、本発明に関わる実施例1〜8の下地化粧料は、止まりの滑らかさ、しっとり感、パウダーファンデーションの化粧膜持続性、リキッドファンデーションの化粧膜持続性の全ての項目に優れていた。一方、イソステアリン酸デキストリンの代わりにロジン酸ペンタエリスリトール、デキストリン、パルミチン酸デキストリン、(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリンを用いた比較例1〜4では、特に後から使用するパウダーファンデーションや、リキッドファンデーションの化粧膜持続性に劣っていた。
【0057】
実施例9:水中油型コントロール下地化粧料
(成分) (%)
(1)水 残量
(2)水添レシチン 1.5
(3)コレステロール 0.1
(4)グリセリン 5
(5)BG 7
(6)マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル*5 2
(7)エチルヘキサン酸セチル 1.2
(8)(ジメチコン/ビニルジメチコン)コポリマー*6 0.5
(9)ジメチコン*7 3
(10)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 3
(11)参考製造例1のデキストリン脂肪酸エステル 1
(12)イソステアリン酸 0.6
(13)ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル)*8 0.6
(14)水 適量
(15)PEG−400 1.2
(16)カルボマー 1.5
(17)アルギニン 0.16
(18)水酸化Na 0.16
(19)水 適量
(20)エタノール 7
(21)メチルパラベン 0.2
(22)PVP 0.6
(23)合成金雲母 5
(24)メタクリル酸メチルクロスポリマー 1
(25)酸化亜鉛 0.5
(26)シリカ 0.1
(27)酸化鉄 0.1
(28)タルク 3
*5:YOFCO MAS[日本精化社製]
*6:KSG−16[信越化学社製]
*7:シリコンKF−96(6CS)[信越化学社製]
*8:エルデュウPS−203[味の素社製]
【0058】
(製造方法)
1:成分1〜5をディスパーにて分散し、70℃に加熱する
2:1に成分6〜13を添加混合する
3:成分14〜15を70℃に加熱する
4:3に2を加え、乳化する
5:4に成分16〜22を加え均一に混合する
6:5を冷却する
7:45℃にて成分23〜28を添加し均一に混合する
8:7を室温まで冷却し、取り出す
【0059】
得られた水中油型コントロール下地化粧料は、しっとり感、止まりの滑らかさ、及び後から使用するファンデーションの化粧膜持続性が良好なものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)及び(b);
(a)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
(b)油剤
を配合することを特徴とする水中油型下地化粧料。
【請求項2】
成分(a)の分岐飽和脂肪酸が、炭素数12〜22の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型下地化粧料。
【請求項3】
成分(a)が、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/sである流動パラフィンのゲル化能を有しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の水中油型下地化粧料。
【請求項4】
成分(a)を40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザーを用いて100gの荷重をかけ、10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)が30〜1000gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水中油型下地化粧料。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の水中油型下地化粧料を使用した後、粉体化粧料を使用することを特徴とする化粧方法。

【公開番号】特開2011−225561(P2011−225561A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77852(P2011−77852)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】