説明

水中油型乳化化粧料

【課題】
本発明の水中油型乳化化粧料は、固形油を含有していながら、肌のハリ効果に優れ、経時安定性、特に低温での経時安定性に優れる品質を提供すること。
【解決手段】
次の成分(a)〜(c);
(a)HLBが11以上17以下のショ糖脂肪酸エステル
(b)HLBが12以上15.5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル
(c)融点60℃以上の油脂、ロウ、炭化水素から選ばれる固形油を一種又は二種以上
を含有し、成分(c)が全油性成分中に5〜70質量%であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HLBが11以上17以下のショ糖脂肪酸エステル、HLBが12以上15.5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、融点が60℃以上で油脂、ロウ、炭化水素から選ばれる固形油を含有する水中油型乳化化粧料に関し、さらに詳細には化粧料塗布後の高いハリ感に優れ、さらには経時安定性、特に低温での経時安定性に優れた水中油型乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
人の肌は、加齢に伴い弾力が失われて、シワ、たるみ等が現れてくる。このような症状が現れてきた人を対象に、肌に水分を補い、肌のたるみを引き上げる化粧料が多数提供されている。このような化粧料において、ハリ感を付与する目的で肌上で厚みのある化粧膜を形成させるため、皮膜形成剤を配合する技術(例えば、特許文献1参照)がある。また別の方法として固形油を配合してハリ感を付与する技術(例えば、特許文献2参照)がある。
【0003】
一方、ショ糖脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステルは、食品、医薬品、化粧品等の様々な分野において、乳化剤、可溶化剤、分散剤等の界面活性剤として使用されている。水中油型乳化化粧料における乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステルとイオン性界面活性剤やレシチンと組み合わせる技術(例えば、特許文献3、4参照)がある。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルを乳化剤として用いることで、多量の油や電解質を安定に配合する技術(例えば、特許文献5、6参照)がある。しかし、これら特許文献3〜6の技術は、乳化剤を組み合わせることによる乳化物の安定化や、多量の油や電解質等を配合した時の乳化物の安定化に関する技術であるが、固形油を安定に配合する技術については特に開示されていない。ショ糖脂肪酸エステルを用いて固形油を安定にする技術としては例えば、モノグリセリン脂肪酸エステルを組み合わせる技術(例えば、特許文献7参照)がある。
【特許文献1】特開2000−239139号公報
【特許文献2】特公平6−62382号公報
【特許文献3】特開2000−126579号公報
【特許文献4】特開平2−40321号公報
【特許文献5】特開2001−342126号公報
【特許文献6】特開2002−234830号公報
【特許文献7】特開2006−282590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、配合される皮膜形成剤の量によっては、べたつき等を感じる場合があった。また特許文献2の技術では、水中油型乳化化粧料とした場合に、固形油の配合量によっては乳化滴の凝集や合一、結晶析出等の経時安定性上問題となる場合があった。これに対してアルキル変性カルボキシビニルポリマー等の両親媒性性高分子を用いる技術等もあるが、両親媒性高分子の配合量によってはべたつき感が生じる場合があった。一方、特許文献6の技術では、使用されるショ糖脂肪酸エステルとモノグリセリン脂肪酸エステルはいずれも低HLBのものであり、また、乳化剤の選択によって固形油の結晶析出等が生じる場合があり、特に低温における経時安定性の問題が生じる場合があった。
【0005】
すなわち、以上のような技術では、高いハリ感を有しながら、固形油を安定配合することは困難であり、特に、低温における経時安定性の優れる化粧料の開発が課題であった。
【0006】
そのため、ハリ感に優れる化粧料として固形油を多量に含有しながら、経時安定性にも優れる水中油型乳化化粧料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような事情に鑑み、本発明者らは上記欠点を克服すべく鋭意研究を行なった結果、固形油を含有する水中油型乳化化粧料において、特定のショ糖脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルを併用することにより、上記課題を解決できることの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、次の成分(a)〜(c);
(a)HLBが11以上17以下のショ糖脂肪酸エステル
(b)HLBが12以上15.5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル
(c)融点60℃以上の油脂、ロウ、炭化水素から選ばれる固形油を一種又は二種以上を含有し、成分(c)が全油性成分中に5〜70質量%であることを特徴とする水中油型乳化化粧料に関する。
【0009】
また、成分(c)を含む油性成分の含有量が40〜80質量%であることを特徴とする水中油型乳化化粧料に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の水中油型乳化化粧料は、肌のハリ効果に優れ、固形油を含有していながら、経時安定性、特に低温での経時安定性に優れる品質を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の構成について説明する。
本発明で用いられる成分(a)のショ糖脂肪酸エステルは、通常化粧料において、乳化剤として用いられる化合物であり、本発明の化粧料におてい、成分(b)と共に成分(c)を安定に乳化するために含有されるものである。成分(a)は、ショ糖の水酸基と脂肪酸のカルボキシル基とを反応させて得られるものであり、モノエステル、ジエステル、及び、さらにエステル化度の高いものが存在する。また、結合する脂肪酸基としては、飽和、不飽和、直鎖状、分岐状のいずれのものも存在し、また脂肪酸の炭素数としては特に制限されないが、通常炭素数が12〜22のものが挙げられ、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等が挙げられる。
【0012】
そして、成分(a)は、エステル化度と脂肪酸の炭素数等を調整することによりHLB(親水性及び親油性のバランス)値を変化させることができる。本発明で用いられる成分(a)のHLBは、11以上17以下であり、この条件を満たすものであれば、脂肪酸の炭素数およびエステル化度は特に限定されず、数種類の混合物でも良い。
【0013】
この様なものとしては、具体的には、ショ糖ラウリン酸エステル(モノエステル80質量%(以下、単に「%」と略す)、HLB=16)、ショ糖ミリスチン酸エステル(モノエステル80%、HLB=16)、ショ糖パルミチン酸エステル(モノエステル70%、HLB=15)、ショ糖ステアリン酸エステル(モノエステル55%、HLB=11)、ショ糖イソステアリン酸エステル(モノエステル70%、HLB=15)等が挙げられる。市販品としては、DKエステルS−160(HLB=15)、DKエステルS−110(HLB=11)(何れも第一工業製薬株式会社製)等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】
本発明で用いられる成分(a)の含有量は、特に限定されないが、1〜8%が好ましく2〜5%がより好ましい。この範囲で配合すると、べたつきがなく、経時安定性に優れた水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0015】
本発明で用いられる成分(b)は、通常化粧料において、乳化剤として用いられる化合物であり、本発明の化粧料におてい、成分(a)と共に成分(c)を安定に乳化するために含有されるものである。成分(b)は、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等のポリグリセリンの水酸基の少なくとも一部が脂肪酸によりエステル化されている化合物である。成分(b)における、エステル化する脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、リノール酸、リノレン酸、ポリリシノレイン酸等が挙げられる。
【0016】
そして、成分(b)は、エステル化度、脂肪酸の炭素数、グリセリンの重合度等を調整することにより、HLB(親水性及び親油性のバランス)値を変化させることができる。本発明で用いられる成分(b)のHLBは、12以上15.5以下であれば、脂肪酸の炭素数、エステル化度およびグリセリンの重合度は限定されず、数種類の混合物でも良い。
【0017】
この様なものとしては、具体的にはモノラウリン酸デカグリセリル(HLB=15.5)、モノステアリン酸デカグリセリル(HLB=12)、モノイソステアリン酸デカグリセリル(HLB=12)、モノオレイン酸デカグリセリル(HLB=12)、モノラウリン酸ペンタグリセリル(HLB=15.5)、モノミリスチン酸ペンタグリセリル(HLB=15.4)、モノオレイン酸ペンタグリセリル(HLB=14.9)等が挙げられる。市販品としては、ニッコールデガグリン1−L(HLB=15.5)(日本サーファクタント工業株式会社製)、サンソフトA−141E(HLB=12.2)(太陽化学株式会社製)等が挙げられる。これらを一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
本発明で用いられる成分(b)の含有量は、特に限定されないが、1〜5%が好ましく、2〜4%がより好ましい。この範囲で配合すると、べたつきがなく、経時安定性に優れた水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0019】
本発明においてはこの成分(a)と成分(b)の含有質量比は、特に限定されないが、1:4〜6:1が好ましく、1:2〜3:1がより好ましい。この範囲で用いると、べたつきがなく、経時安定性において特に優れる水中油型乳化化粧料を得ることができる。
【0020】
本発明に用いられる成分(c)は、融点60℃以上の油脂、ロウ、炭化水素から選ばれる固形油であり、肌へのハリ効果の付与と経時安定性の目的で含有されるものである。成分(c)の融点が60℃よりも低い場合は、十分な肌へのハリ効果を得ることができないことから60℃以上の融点であることが必要である。
【0021】
この様なものとしては前記の条件を満たすものであれば特に制限はなく、具体的には、「油脂」としては、例えば、硬化ヤシ油、硬化ヒマシ油、パーム油、硬化油、モクロウ等が挙げられる。「ロウ」としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、カルナウバロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、サトウキビロウ、パームロウ等が挙げられる。「炭化水素」としては、例えば、セレシン、パラフィン、パラフィンロウ、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等が挙げられるが、肌へのハリ感の付与と経時安定性の観点から、特に炭化水素が好ましい。市販品としては、EPSワックス(日本ナチュラルプロダクツ社製)、PERFORMALENE
655、PERFORMALENE 500(ニューフェーズテクノロジー社製)、PM−WAXX82(日興リカ社製)、OZOKERITE WAX SP−273P(STRAHL
& PITSCH社製)、ムルチワックスW−445(SONNEBORN社製)、NC−1630キャンデリラワックス(セラリカ野田社製)、精製キャンデリラワックスSR−3、高融点キャンデリラワックスFR100、精製キャンデリラワックスMD−21(日本ナチュラルプロダクツ社製)等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0022】
本発明に用いられる成分(c)は、全油性成分中に5〜70%含有することで本発明の効果であるハリ効果に優れた水中油型乳化化粧料とすることができる。5%より少ない場合は、十分なハリ効果を得ることができず、また70%より多い場合は、低温において固形油が析出する可能性があるため好ましくない。
【0023】
本発明に用いられる成分(c)を含む油性成分は、特に限定されないが、40〜80%含有することが好ましい。この範囲で油性成分を配合すると、本発明の効果であるハリ効果に優れ、さらに経時安定性にも優れた水中油型乳化化粧料とすることができる。
【0024】
さらに、本発明に用いられる成分(c)の含有量は、特に限定されるものではなく、前記油性成分の含有量に応じて適宜決めることができるが、概ね2〜50%含有することができ、さらには5〜30%含有することでハリ感効果に優れ、さらに経時安定性にも優れた水中油型乳化化粧料とすることができる。
【0025】
本発明の水中油型乳化化粧料は、低粘度の液状水中油型乳化化粧料から、高粘度のクリーム状の水中油型乳化化粧料までを含むものであり、その性状は特に限定されるものではないが、本発明の成分(c)を安定に含有し、さらに効果的なハリ感を得るものとしては、クリーム状の水中油型乳化化粧料とするのが好ましい。この場合のクリーム状とは特に限定されるものではないが、例えば30℃における粘度値が50000mPa・s以上のものが特に好ましい。
【0026】
本発明の水中油型乳化化粧料には、上記した必須成分の他に通常の化粧料に使用される成分、例えば、成分(a)および成分(b)以外の乳化剤、成分(c)以外の油性成分、高分子物質、アルコール類、グリコール等の水性成分、粉体、紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料、清涼剤、pH調整剤等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0027】
本発明の水中油型乳化化粧料の製造方法は、特に限定はされないが、好ましいのは次のようなゲル乳化法である。成分(a)および成分(b)とグリコール類を加熱して均一に溶解させたものに、予め成分(c)とその他の油性成分を加熱して均一に溶解したものを、攪拌しながら少量ずつ添加しゲルを形成させる。形成したゲルに、その他の水性成分を加熱して均一に溶解させたものを少量ずつ添加し、水中油型乳化化粧料を調製する。次いで、調製した水中油型乳化化粧料を攪拌しながら冷却する。この方法で調製すると、本発明の効果が最も発揮される。
【0028】
本発明の水中油型乳化化粧料の用途は、化粧水、乳液、クリーム、アイクリーム、美容液、マッサージ料、パック料、ハンドクリーム、ボディクリ−ム等のスキンケア化粧料、口紅、リップクリーム、リップベース、アイシャドウ、フェイスカラー、コントロールカラー、化粧下地等のメイクアップ化粧料を例示することができる。使用方法としては、手や指で使用する方法や、スパチュラ等の小道具を用いることができる。また使用する部位としては、顔、手、体等特に限定されるものではないが、本発明の効果であるハリ感を効果的に感じる部位としては、顔、特に目元において好ましいものとして例示することが可能である。
【実施例1】
【0029】
次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0030】
本発明品1〜14および比較品1〜6:目元用クリーム
表1〜表3に示す組成および下記製法にて目元用クリームを調製した。得られた目元用クリームの「肌へのハリ感」、「経時安定性」について下記の方法により評価し結果を併せて、表1〜表3に示した。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
【表3】

【0034】
(製法)
A:成分(1)〜(11)を70℃で加熱溶解する。
B:成分(12)〜(14)を70℃で加熱溶解する。
C:成分(15)〜(16)を70℃に加熱する。
D:AにBを添加して混合してゲルを形成させる
E:DにCを添加して乳化後、室温まで冷却し、目元用クリームを得た。
【0035】
(評価方法:「肌へのハリ感」)
化粧品評価専門パネル10名に前記実施例及び比較例の目元用クリームを使用してもらい、「肌へのハリ感」について、各自が以下の基準に従って5段階評価しクリーム毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
(評価) : (内容)
5点 : 非常に感じる
4点 : やや感じる
3点 : 普通
2点 : あまり感じない
1点 : 感じない
(評点の平均点) : (判定)
4.0以上 : ◎
3.5以上〜4.0未満: ○
2.5以上〜3.5未満: △
2.5未満 : ×
【0036】
(評価方法:「経時安定性」)
試料を安定性加速試験として−10〜10℃サイクル保存下にて2週間放置後、25℃に戻した試料の状態変化を、下記評価基準により判定した。
(判定) :(内容)
◎ :変化なし
○ :外観に僅かに変化があるが、使用性には問題なし
△ :微量の結晶析出あり
× :結晶が析出し、排液あり
【0037】
表1〜表3の結果から明らかなように、本発明品1〜14の化粧料は、いずれも肌へのハリ感、経時安定性に優れた水中油型乳化化粧料を調整することができた。
これに対して、ショ糖脂肪酸エステルのHLB6である比較品1は、乳化することでできず、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB10である比較品2は、乳化することはできるが、経時で排液がみられるなど安定性上問題のあるものであった。また、成分(b)を含有しない比較品3では、乳化することはできるが、経時で排液がみられるなど安定性上問題のあるものであった。さらに成分(a)を含有しない比較品4では、乳化はできるものの、経時安定性上問題となるものであった。固形油を含有しない比較品5では、乳化され経時安定性上問題はないが、十分なハリ感の効果を得ることができず、また、固形油のみの比較品6では、経時で結晶析出が見られるなど安定性上問題のあるものであった。
以上の結果から、本発明における成分(a)と成分(b)を組み合わせることにより、成分(c)の固形油を安定に乳化し、経時安定性上にも優れる化粧料を得られることが示された。
【実施例2】
【0038】
乳液
(成分) (%)
1.グリセリン 3.0
2.1,3−ブチレングリコール 3.5
3.ショ糖ステアリン酸エステル(HLB=15) 1.0
4.モノステアリン酸デカグリセリル(HLB=12) 1.0
5.モノステアリン酸グリセリル 0.2
6.流動パラフィン 9.0
7.ワセリン 1.0
8.パラフィン 3.0
9.硬化ヒマシ油 1.0
10.精製水 残部
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.カルボキシビニルポリマー 0.1
13.精製水 10.0
14.エタノール 5.0
15.香料 適量
【0039】
(製法)
A:成分(12)を70℃に加熱した成分(13)で膨潤する。
B:成分(1)〜(5)を70℃で加熱溶解する。
C:成分(6)〜(9)を70℃で加熱溶解する。
D:成分(10)〜(11)を70℃で加熱溶解する。
E:BにCを添加して混合してゲルを形成させる
F:EにDを添加して乳化後、室温まで冷却する。
G:FにA、成分(14)、(15)を添加し、乳液を得た。
【0040】
実施例2の乳液は、経時安定性に優れ、肌へのハリ感が良好な乳液であった。
【実施例3】
【0041】
ハンドクリーム
(成分) (%)
1.グリセリン 9.0
2.1,3−ブチレングリコール 8.0
3.ショ糖ステアリン酸エステル(HLB=15) 4.0
4.モノステアリン酸デカグリセリル(HLB=12) 1.0
5.モノステアリン酸グリセリル 0.5
6.流動パラフィン 20.0
7.ワセリン 5.0
8.パラフィン 10.0
9.ポリエチレンワックス 10.0
10.精製水 残部
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.エタノール 5.0
13.香料 適量
【0042】
(製法)
A:成分(1)〜(5)を70℃で加熱溶解する。
B:成分(6)〜(9)を70℃で加熱溶解する。
C:成分(10)〜(11)を70℃で加熱溶解する。
D:AにBを添加して混合してゲルを形成させる
E:DにCを添加して乳化後、室温まで冷却する。
F:Eに成分(12)、(13)を添加し、ハンドクリームを得た。
【0043】
実施例3のハンドクリームは、経時安定性に優れ、肌へのハリ感が良好なハンドクリームであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)〜(c);
(a)HLBが11以上17以下のショ糖脂肪酸エステル
(b)HLBが12以上15.5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル
(c)融点60℃以上の油脂、ロウ、炭化水素から選ばれる固形油を一種又は二種以上
を含有し、成分(c)が全油性成分中に5〜70質量%であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。
【請求項2】
成分(c)を含む油性成分の含有量が40〜80質量%であることを特徴とする請求項1記載の水中油型乳化化粧料。

【公開番号】特開2009−234971(P2009−234971A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−82195(P2008−82195)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】