説明

水中油型乳化化粧料

【課題】ベタつき感無く、肌に優れたハリ感を与えるとともに、保存安定性に優れた水中油型乳化化粧料を提供すること。
【解決手段】本発明の水中油型乳化化粧料は、レシチンと、非イオン性界面活性剤と、常温で液体の液状油と、常温で固体の固形油と、多価アルコールと、水とを含み、液状油は、少なくとも1種の環状シリコーンを含み、固形油は、シア脂を含むことを特徴とする。環状シリコーンの総含有量は、0.1〜10.0wt%であるのが好ましい。シア脂の含有量は、0.1〜10.0wt%であるのが好ましい。液状油は、2種の環状シリコーンを含むのが好ましい。2種の環状シリコーンは、環状シリコーンXと、環状シリコーンXよりも分子量が大きい環状シリコーンYとを含み、環状シリコーンXの含有量をA[wt%]、環状シリコーンYの含有量をB[wt%]としたとき、0.01≦A/B≦1.0の関係を満足するのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型乳化化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アンチエイジング(老化防止)や美容への意識の高まりにともなって、アンチエイジング効果や美容効果を謳った化粧料が種々開発されている。
【0003】
従来より、肌に適度な潤いを与え、肌の乾燥を防止することにより、肌にハリや弾力を与える化粧料として、クリームや乳化液等の種々の乳化化粧料が知られている。
【0004】
このような乳化化粧料では、肌にハリや弾力を与える目的で、一般に、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンといった水溶性高分子が配合されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、このような水溶性高分子を配合した乳化化粧料では、ハリや弾力が十分に感じられる量の水溶性高分子を添加した場合、肌への塗布時によれやベタつきが感じられるといった問題があった。また、保存安定性が低下するといった問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−269723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ベタつき感無く、肌に優れたハリ感を与えるとともに、保存安定性に優れた水中油型乳化化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
(1) レシチンと、非イオン性界面活性剤と、常温で液体の液状油と、常温で固体の固形油と、多価アルコールと、水と、を含み、
前記液状油は、少なくとも1種の環状シリコーンを含み、
前記固形油は、シア脂を含むことを特徴とする水中油型乳化化粧料。
【0009】
(2) 前記シア脂の含有量は、0.1〜10.0wt%である上記(1)に記載の水中油型乳化化粧料。
【0010】
(3) 前記環状シリコーンの総含有量は、0.1〜10.0wt%である上記(1)または(2)に記載の水中油型乳化化粧料。
【0011】
(4) 前記液状油は、2種の環状シリコーンを含む上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
【0012】
(5) 前記2種の環状シリコーンは、環状シリコーンXと、前記環状シリコーンXよりも分子量が大きい環状シリコーンYとを含み、
前記環状シリコーンXの含有量をA[wt%]、前記環状シリコーンYの含有量をB[wt%]としたとき、0.01≦A/B≦1.0の関係を満足する上記(4)に記載の水中油型乳化化粧料。
【0013】
(6) 前記2種の環状シリコーンは、デカメチルシクロペンタンシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンである上記(4)または(5)に記載の水中油型乳化化粧料。
【0014】
(7) 前記液状油の総含有量をE[wt%]、前記固形油の総含有量をF[wt%]、前記レシチンの含有量をG[wt%]、前記非イオン性界面活性剤の総含有量をH[wt%]としたとき、0.1≦(E+F)/(G+H)≦40.0の関係を満足する上記(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ベタつき感無く、肌に優れたハリ感を与えるとともに、保存安定性に優れた水中油型乳化化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の水中油型乳化化粧料の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書中における水中油型乳化化粧料は、皮膚化粧料および頭髪化粧料を含み、具体的には、クリーム、乳液、化粧水、パック、シャンプー、リンス、洗顔料、ボディソープ、整髪料、ヘアトニック等を含むものである。
【0017】
本発明の水中油型乳化化粧料は、レシチンと、非イオン性界面活性剤と、常温で液体の液状油と、常温で固体の固形油と、多価アルコールと、水と、を含むものである。
【0018】
そして、本発明の水中油型乳化化粧料は、液状油として、少なくとも1種の環状シリコーンを含み、かつ、固形油として、シア脂を含む点に特徴を有している。
【0019】
ところで、水中油型乳化化粧料では、肌にハリや弾力を与える目的で、一般に、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンといった水溶性高分子が配合されているが、このような水溶性高分子を配合した水中油型乳化化粧料では、ハリや弾力が十分に感じられる量の水溶性高分子を添加した場合、肌への塗布時によれやベタつきが感じられるといった問題があった。また、保存安定性が低下するといった問題もあった。
【0020】
そこで、本発明者は、上記問題に鑑み、鋭意検討した結果、水中油型乳化化粧料が、レシチンと、非イオン性界面活性剤と、常温で液体の液状油と、常温で固体の固形油と、多価アルコールと、水と、を含み、液状油が、少なくとも1種の環状シリコーンを含み、かつ、固形油が、シア脂を含むことにより、上記問題を解決することができることを見出し、本発明の完成に至った。
【0021】
すなわち、上記のような特徴を有することにより、肌への潤いを与え、肌に優れたハリ感を与えるとともに、ベタつき感が生じるのを防止することができる。さらに、保管時における保存安定性にも優れた水中油型乳化化粧料を提供することができる。
【0022】
以下、各成分について詳細に説明する。
[レシチン]
レシチンは、ホスファチジルコリン等のリン脂質を主成分とする脂質の一種である。
【0023】
このレシチンは、大豆や卵黄等に比較的多く含まれており、界面活性剤としての機能を有している。レシチンは、一般の合成界面活性剤と比較して、皮膚への安全性が高く、また、皮膚との親和性に優れている。また、レシチンを含むことにより、水中油型乳化化粧料のベタつき感をより効果的に抑制することができる。
【0024】
レシチンとしては、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン、水素添加大豆リン脂質、水素添加大豆リゾリン脂質、水素添加卵黄リン脂質、水素添加卵黄リゾリン脂質等が挙げられ、中でも、酸化されにくいという観点から、水素添加大豆リン脂質を用いるのが好ましい。
【0025】
化粧料中におけるレシチンの含有量は、0.01〜2.0wt%であるのが好ましく、0.05〜1.0wt%であるのがより好ましい。これにより、水中油型乳化化粧料のベタつき感をさらに効果的に抑制することができるとともに、水中油型乳化化粧料の保存安定性をさらに向上させることができる。これに対し、レシチンの含有量が前記下限値未満であると、十分な保存安定性が得られない場合がある。一方、レシチンの含有量が前記上限値を超えると、含有量に見合うだけの十分な効果が得られない場合がある。
【0026】
レシチン中に含まれるホスファチジルコリンは、レシチンの界面活性剤としての機能を担う主たる成分で、1分子のグリセロールに、2分子の脂肪酸と、1分子の燐酸と塩基との化合物とが、結合した構造を有している。
【0027】
レシチン中のホスファチジルコリンの含有量は、30〜90wt%であるのが好ましく、50〜80wt%であるのがより好ましい。これにより、ベタつき感をより抑えるとともに、水中油型乳化化粧料の保存安定性をさらに向上させることができる。
【0028】
[非イオン性界面活性剤]
非イオン性界面活性剤は、水中油型乳化化粧料の乳化を安定させ、乳化化粧料の保存安定性に寄与する成分である。このような成分は、添加しすぎるとベタつき感が向上する問題があるが、上記レシチンと併用することで、ベタつき感を抑制することができる。
【0029】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
非イオン性界面活性剤の水中油型乳化化粧料中における含有量は、0.1〜5.0wt%であるのが好ましく、0.5〜2.5wt%であるのがより好ましい。これにより、ベタつき感をより効果的に抑制しつつ、保存安定性をより効果的に向上させることができる。
【0031】
[液状油]
液状油は、常温で液体の油脂成分であり、肌の水分が蒸発しないよう保護する機能を有する保湿成分である。
【0032】
本発明において、液状油は、少なくとも1種の環状シリコーンを含んでいる。このような環状シリコーンを含むことにより、ベタつき感を効果的に抑制することができる。なお、環状シリコーンとは、シロキサン結合による環状分子構造骨格を持つものを言う。
【0033】
環状シリコーンとしては、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
また、環状シリコーンとしては、2種の環状シリコーンを含んでいるのが好ましい。これにより、ベタつき感をより効果的に抑制することができる。
【0035】
2種類の環状シリコーンを含む場合において、一方を環状シリコーンXとし、他方を環状シリコーンXよりも分子量が大きい環状シリコーンYとし、かつ、環状シリコーンXの含有量をA[wt%]、前記環状シリコーンYの含有量をB[wt%]としたとき、
0.01≦A/B≦1.0の関係を満足するのが好ましく、0.05≦A/B≦0.5の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、ベタつき感の発生をより効果的に抑制するとともに、水中油型乳化化粧料の保存安定性をさらに向上させることができる。
【0036】
特に、2種の環状シリコーンとして、デカメチルシクロペンタンシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンを用いるのが好ましい。これにより、ベタつき感をさらに効果的に抑制することができるとともに、水中油型乳化化粧料は、特に優れた保存安定性を有するものとなる。
【0037】
環状シリコーンの総含有量は、0.1〜10.0wt%であるのが好ましく、1.0〜5.0wt%であるのがより好ましい。これにより、ベタつき感をより効果的に抑制しつつ、保存安定性をより効果的に向上させることができる。
【0038】
液状油としては、上記環状シリコーンの他、例えば、アボガド油、椿油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、アルガニアスピノサ核油、ククイナッツ油、クランベアビシニカ種子油、コメ胚芽油、アルモンド油、パーム核油、パーム油、ヒマワリ油、グレープシード油、ヤシ油、エミュー油、馬油、卵黄脂肪油、月見草油、ハイブリッドヒマワリ油、ピスタチオ種子油、メドウホーム油、ローズヒップ油、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、ポリブテン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸2−オクチルドデシル、リシノール酸2−オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチレングリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ネオペンタン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸2−ヘキシルデシル、2−エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2−ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2−ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2−オクチルドデシル、イソパルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2−オクチルドデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸2−オクチルドデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリ2−エチルヘキシル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリ2−オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、植物性または動物性のスクワラン、トリグリセリン、トリ(カプリル・カプリル酸)グリセリル、2−オクリルドデカノール、トリオクタン酸グリセリン、テトラオクタン酸ペンタエリスリット、トリイソパルミチン酸グリセリン等を含んでいてもよい。
【0039】
このような液状油の乳化化粧料中における総含有量は、1.0〜20.0wt%であるのが好ましく、5.0〜15.0wt%であるのがより好ましい。これにより、ベタつき感を抑えつつ、肌により優れたハリ感を与えることができる。
【0040】
[固形油]
固形油は、常温で固形の油脂成分であり、肌へのコク感やハリ感を与える成分である。また、固形油は、乳化の安定性を助け、肌の水分が蒸発しないように保護する機能を有している。
【0041】
特に、本発明では、固形油としてシア脂を含んでいる。なお、シア脂とは、シアの木から得ることができる油脂のことを言う。このようなシア脂を含むことにより、肌へ、コク感やハリ感をより効果的に与えることができるとともに、ベタつき感を抑制することができる。また、乳化をより安定させることができ、水中油型乳化化粧料の保存安定性を効果的に向上させることができる。
【0042】
シア脂の水中油型乳化化粧料中における含有量は、0.1〜10.0wt%であるのが好ましく、1.0〜5.0wt%であるのがより好ましい。これにより、肌へ、コク感やハリ感をより効率よくに与えることができるとともに、ベタつき感をより効果的に抑制することができる。
【0043】
固形油としては、上記シア脂以外に、例えば、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、モクロウ核油、硬化油、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、バアチルアルコール、マカダミアナッツ脂肪酸コレステリル、ラノリン、セチルアルコール、ミツロウ、ワセリン、マンゴーバター、コレステロール、フィトステロール、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、セラック、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ベヘニルアルコール、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、乳酸セチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル等を含んでいてもよい。
【0044】
このような固形油の水中油型乳化化粧料中における総含有量は、1.0〜20.0wt%であるのが好ましく、5.0〜15.0wt%であるのがより好ましい。これにより、ベタつき感を抑えつつ、肌により優れたハリ感、コク感を与えることができる。また、水中油型乳化化粧料の保存安定性をより優れたものとすることができる。
【0045】
上記液状油の総含有量をE[wt%]、上記固形油の総含有量をF[wt%]、上記レシチンの含有量をG[wt%]、上記非イオン性界面活性剤の総含有量をH[wt%]としたとき、0.1≦(E+F)/(G+H)≦40.0の関係を満足するのが好ましく、1.0≦(E+F)/(G+H)≦20.0の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、水中油型乳化化粧料の保存安定性を特に優れたものとしつつ、ベタつき感をより効果的に抑制し、肌により優れたハリ感、コク感を与えることができる。
【0046】
[多価アルコール]
多価アルコールは、肌に潤いを与える機能を発揮する成分である。
【0047】
多価アルコールとしては、特に限定されず、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、マルチトール、還元水あめ、ラクチトール、パラチニット、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、キシロース、グルコース、ラクトース、マンノース、マルトース、フルクトース、イノシトール、ペンタエリスリトール、マルトトリオース、澱粉分解糖、澱粉分解糖還元アルコール等が挙げられ、これらの内、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0048】
このような多価アルコールの乳化化粧料中における含有量は、1.0〜20.0wt%であるのが好ましく、5.0〜15.0wt%であるのがより好ましい。これにより、ベタつき感をより効率よく抑制しつつ、水中油型乳化化粧料は、より優れた保湿効果を発揮するものとなる。
【0049】
[水]
本発明の水中油型乳化化粧料は、水を含んでいる。水を含むことにより、肌に水分をより確実に供給することができる。さらに、上記各成分により、肌内へ水分を保持することができ、本発明の水中油型乳化化粧料は、優れた保湿効果を有するものとなる。
【0050】
なお、本発明の水中油型乳化化粧料は、必要に応じて、上述した成分以外の成分を含んでいてもよい。本発明の水中油型乳化化粧料は、例えば、溶剤、起泡剤、可塑剤、粉体類、高分子類、顔料、着色剤、樹脂類、アミノ酸類、蛋白類、増粘剤、感触改良剤、噴射剤、美白剤、抗シワ剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、細胞賦活剤、抗酸化剤、保湿剤、肌荒れ防止剤、血流促進剤、毛髪保護剤、抗炎症剤、エモリエント剤、角質溶解剤、帯電防止剤、収斂剤、腋臭防止剤、制汗剤、柔軟剤、消臭剤、抗脂漏剤、酸化防止剤、キレート剤、防腐剤、殺菌剤、植物エキス、パーマネントウェーブ剤、染毛剤等を含んでいてもよい。
【0051】
以上、本発明の水中油型乳化化粧料について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【実施例】
【0052】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
下記成分を以下のようにしてクリームを製造した。
【0053】
まず、以下のA〜Fの成分(水以外の成分)を加熱混合して、75℃に保った。
次に、75℃に加熱した水を上記Aに徐々に加えて乳化させた。
この乳化液を30℃まで冷却してクリームを得た。
【0054】
A.界面活性剤
水素添加大豆リン脂質:0.40wt%
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル:1.00wt%
親油型モノステアリン酸グリセリル:0.30wt%
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.):0.05wt%
【0055】
B.液状油
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル:4.00wt%
植物性スクワラン:3.00wt%
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン:3.80wt%
デカメチルシクロペンタシロキサン:0.20wt%
(環状シリコーン:合計:4.00wt%)
2−オクチルドデカノール:1.00wt%
マカデミアナッツ油:1.50wt%
【0056】
C.固形油
セタノール:1.50wt%
セトステアリルアルコール:4.00wt%
ステアリルアルコール:1.00wt%
バチルアルコール:0.50wt%
シア脂:2.50wt%
マカデミアナッツ脂肪酸コレステリル:0.10wt%
【0057】
D.多価アルコール
精製グリセリン:4.00wt%
1,3−ブチレングリコール:2.00wt%
1,2−ペンタンジオール:1.00wt%
【0058】
E.防腐剤
フェノキシエタノール:0.31wt%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル:0.30wt%
【0059】
F.酸化防止剤
天然ビタミンE:0.10wt%
エデト酸二ナトリウム:0.05wt%
G.水:残量
【0060】
(実施例2)
環状シリコーンの種類および配合量、シア脂の配合量等を以下に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にしてクリームを製造した。
【0061】
A.界面活性剤
水素添加大豆リン脂質:0.40wt%
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル:1.00wt%
親油型モノステアリン酸グリセリル:0.30wt%
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.):0.05wt%
【0062】
B.液状油
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル:4.00wt%
植物性スクワラン:3.00wt%
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン:3.80wt%
デカメチルシクロペンタシロキサン:0.20wt%
(環状シリコーン:合計:4.00wt%)
2−オクチルドデカノール:1.00wt%
マカデミアナッツ油:1.50wt%
【0063】
C.固形油
セタノール:1.50wt%
セトステアリルアルコール:4.00wt%
ステアリルアルコール:1.00wt%
バチルアルコール:0.50wt%
シア脂:0.50wt%
マカデミアナッツ脂肪酸コレステリル:0.10wt%
【0064】
D.多価アルコール
精製グリセリン:4.00wt%
1,3−ブチレングリコール:2.00wt%
1,2−ペンタンジオール:1.00wt%
【0065】
E.防腐剤
フェノキシエタノール:0.31wt%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル:0.30wt%
【0066】
F.酸化防止剤
天然ビタミンE:0.10wt%
エデト酸二ナトリウム:0.05wt%
G.水:残量
【0067】
(実施例3)
環状シリコーンの種類および配合量、シア脂の配合量等を以下に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にしてクリームを製造した。
【0068】
A.界面活性剤
水素添加大豆リン脂質:0.40wt%
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル:1.00wt%
親油型モノステアリン酸グリセリル:0.30wt%
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.):0.05wt%
【0069】
B.液状油
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル:4.00wt%
植物性スクワラン:3.00wt%
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン:0.40wt%
デカメチルシクロペンタシロキサン:0.10wt%
(環状シリコーン:合計:0.50wt%)
2−オクチルドデカノール:1.00wt%
マカデミアナッツ油:1.50wt%
【0070】
C.固形油
セタノール:1.50wt%
セトステアリルアルコール:4.00wt%
ステアリルアルコール:1.00wt%
バチルアルコール:0.50wt%
シア脂:2.50wt%
マカデミアナッツ脂肪酸コレステリル:0.10wt%
【0071】
D.多価アルコール
精製グリセリン:4.00wt%
1,3−ブチレングリコール:2.00wt%
1,2−ペンタンジオール:1.00wt%
【0072】
E.防腐剤
フェノキシエタノール:0.31wt%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル:0.30wt%
【0073】
F.酸化防止剤
天然ビタミンE:0.10wt%
エデト酸二ナトリウム:0.05wt%
G.水:残量
【0074】
(実施例4)
環状シリコーンの種類および配合量、シア脂の配合量等を以下に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にしてクリームを製造した。
【0075】
A.界面活性剤
水素添加大豆リン脂質:0.40wt%
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル:1.00wt%
親油型モノステアリン酸グリセリル:0.30wt%
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.):0.05wt%
【0076】
B.液状油
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル:4.00wt%
植物性スクワラン:3.00wt%
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン:4.00wt%
2−オクチルドデカノール:1.00wt%
マカデミアナッツ油:1.50wt%
【0077】
C.固形油
セタノール:1.50wt%
セトステアリルアルコール:4.00wt%
ステアリルアルコール:1.00wt%
バチルアルコール:0.50wt%
シア脂:2.50wt%
マカデミアナッツ脂肪酸コレステリル:0.10wt%
【0078】
D.多価アルコール
精製グリセリン:4.00wt%
1,3−ブチレングリコール:2.00wt%
1,2−ペンタンジオール:1.00wt%
【0079】
E.防腐剤
フェノキシエタノール:0.31wt%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル:0.30wt%
【0080】
F.酸化防止剤
天然ビタミンE:0.10wt%
エデト酸二ナトリウム:0.05wt%
G.水:残量
【0081】
(実施例5)
環状シリコーンの種類および配合量、シア脂の配合量等を以下に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にしてクリームを製造した。
【0082】
A.界面活性剤
水素添加大豆リン脂質:0.40wt%
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル:1.00wt%
親油型モノステアリン酸グリセリル:0.30wt%
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.):0.05wt%
【0083】
B.液状油
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル:4.00wt%
植物性スクワラン:3.00wt%
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン:1.00wt%
デカメチルシクロペンタシロキサン:3.00wt%
(環状シリコーン:合計:4.00wt%)
2−オクチルドデカノール:1.00wt%
マカデミアナッツ油:1.50wt%
【0084】
C.固形油
セタノール:1.50wt%
セトステアリルアルコール:4.00wt%
ステアリルアルコール:1.00wt%
バチルアルコール:0.50wt%
シア脂:2.50wt%
マカデミアナッツ脂肪酸コレステリル:0.10wt%
【0085】
D.多価アルコール
精製グリセリン:4.00wt%
1,3−ブチレングリコール:2.00wt%
1,2−ペンタンジオール:1.00wt%
【0086】
E.防腐剤
フェノキシエタノール:0.31wt%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル:0.30wt%
【0087】
F.酸化防止剤
天然ビタミンE:0.10wt%
エデト酸二ナトリウム:0.05wt%
G.水:残量
【0088】
(実施例6)
環状シリコーンの種類および配合量、シア脂の配合量等を以下に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にしてクリームを製造した。
【0089】
A.界面活性剤
水素添加大豆リン脂質:0.40wt%
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル:1.00wt%
親油型モノステアリン酸グリセリル:0.30wt%
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.):0.05wt%
【0090】
B.液状油
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル:4.00wt%
植物性スクワラン:3.00wt%
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン:2.50wt%
デカメチルシクロペンタシロキサン:1.50wt%
(環状シリコーン:合計:4.00wt%)
2−オクチルドデカノール:1.00wt%
マカデミアナッツ油:1.50wt%
【0091】
C.固形油
セタノール:1.50wt%
セトステアリルアルコール:4.00wt%
ステアリルアルコール:1.00wt%
バチルアルコール:0.50wt%
シア脂:2.50wt%
マカデミアナッツ脂肪酸コレステリル:0.10wt%
【0092】
D.多価アルコール
精製グリセリン:4.00wt%
1,3−ブチレングリコール:2.00wt%
1,2−ペンタンジオール:1.00wt%
【0093】
E.防腐剤
フェノキシエタノール:0.31wt%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル:0.30wt%
【0094】
F.酸化防止剤
天然ビタミンE:0.10wt%
エデト酸二ナトリウム:0.05wt%
G.水:残量
【0095】
(実施例7)
環状シリコーンの種類および配合量、シア脂の配合量等を以下に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にしてクリームを製造した。
【0096】
A.界面活性剤
水素添加大豆リン脂質:0.40wt%
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル:1.00wt%
親油型モノステアリン酸グリセリル:0.30wt%
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.):0.05wt%
【0097】
B.液状油
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル:4.00wt%
植物性スクワラン:3.00wt%
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン:3.88wt%
デカメチルシクロペンタシロキサン:0.12wt%
(環状シリコーン:合計:4.00wt%)
2−オクチルドデカノール:1.00wt%
マカデミアナッツ油:1.50wt%
【0098】
C.固形油
セタノール:1.50wt%
セトステアリルアルコール:4.00wt%
ステアリルアルコール:1.00wt%
バチルアルコール:0.50wt%
シア脂:2.50wt%
マカデミアナッツ脂肪酸コレステリル:0.10wt%
【0099】
D.多価アルコール
精製グリセリン:4.00wt%
1,3−ブチレングリコール:2.00wt%
1,2−ペンタンジオール:1.00wt%
【0100】
E.防腐剤
フェノキシエタノール:0.31wt%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル:0.30wt%
【0101】
F.酸化防止剤
天然ビタミンE:0.10wt%
エデト酸二ナトリウム:0.05wt%
G.水:残量
【0102】
(比較例1)
各成分の配合量を以下のようにした以外は、前記実施例1と同様にしてクリームを製造した。
【0103】
A.界面活性剤
水素添加大豆リン脂質:0.40wt%
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル:1.00wt%
親油型モノステアリン酸グリセリル:0.30wt%
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.):0.05wt%
【0104】
B.液状油
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル:4.00wt%
植物性スクワラン:3.00wt%
2−オクチルドデカノール:1.00wt%
マカデミアナッツ油:1.50wt%
【0105】
C.固形油
セタノール:1.50wt%
セトステアリルアルコール:4.00wt%
ステアリルアルコール:1.00wt%
バチルアルコール:0.50wt%
シア脂:2.50wt%
マカデミアナッツ脂肪酸コレステリル:0.10wt%
【0106】
D.多価アルコール
精製グリセリン:4.00wt%
1,3−ブチレングリコール:2.00wt%
1,2−ペンタンジオール:1.00wt%
【0107】
E.防腐剤
フェノキシエタノール:0.31wt%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル:0.30wt%
【0108】
F.酸化防止剤
天然ビタミンE:0.10wt%
エデト酸二ナトリウム:0.05wt%
G.水:残量
【0109】
(比較例2)
各成分の配合量を以下のようにした以外は、前記実施例1と同様にしてクリームを製造した。
【0110】
A.界面活性剤
水素添加大豆リン脂質:0.40wt%
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル:1.00wt%
親油型モノステアリン酸グリセリル:0.30wt%
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.):0.05wt%
【0111】
B.液状油
トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル:4.00wt%
植物性スクワラン:3.00wt%
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン:3.80wt%
デカメチルシクロペンタシロキサン:0.20wt%
(環状シリコーン:合計:4.00wt%)
2−オクチルドデカノール:1.00wt%
マカデミアナッツ油:1.50wt%
【0112】
C.固形油
セタノール:1.50wt%
セトステアリルアルコール:4.00wt%
ステアリルアルコール:1.00wt%
バチルアルコール:0.50wt%
マカデミアナッツ脂肪酸コレステリル:0.10wt%
【0113】
D.多価アルコール
精製グリセリン:4.00wt%
1,3−ブチレングリコール:2.00wt%
1,2−ペンタンジオール:1.00wt%
【0114】
E.防腐剤
フェノキシエタノール:0.31wt%
グリセリンモノ2−エチルヘキシルエーテル:0.30wt%
【0115】
F.酸化防止剤
天然ビタミンE:0.10wt%
エデト酸二ナトリウム:0.05wt%
G.水:残量
【0116】
<評価>
[ハリ感の官能評価]
各実施例および各比較例で得られた乳化化粧料を、各実施例および各比較例のそれぞれについて各10名(30〜40代の女性)に、4週間使用してもらった。その後、以下の5段階の基準に従って評価してもらい、5名の評価の平均を算出した。
【0117】
5:肌の乾燥が緩和され、ハリ、しわ、たるみ等の改善が顕著に見られた。
4:肌の乾燥が緩和され、ハリ、しわ、たるみ等の改善が見られた。
3:肌の乾燥が緩和され、ハリ、しわ、たるみ等の改善がやや見られた。
2:肌の乾燥は緩和されたが、ハリ、しわ、たるみ等の改善が不満足であった。
1:効果が全くなかった。
【0118】
[ベタつき感の官能評価]
各実施例および各比較例で得られた乳化化粧料を、各実施例および各比較例のそれぞれについて各10名(30〜40代の女性)に、使用してもらい、以下の3段階の基準に従って評価してもらい、5名の評価の平均を算出した。
【0119】
3:ベタつき感がなく、良好な使用感であった。
2:若干ベタつき感が感じられたが、気にならない程度であった。
1:ベタつき感が顕著であった。
【0120】
[保存安定性]
各実施例および各比較例で得られた乳化化粧料を、40℃の環境に6ヶ月放置し、放置後の状態を目視にて観察し、以下の基準に従い評価した。
【0121】
A:性状に全く変化が無かった。
B:色味に変化が見られたが、他に問題がなかった。
C:水分と油分の分離が若干見られた。
D:水分と油分の分離が顕著であった。
これらの結果を、表1に示す。
【0122】
【表1】

【0123】
表1から明らかなように、本発明の水中油型乳化化粧料は、ベタつき感もほとんど無く、肌に優れたハリ感を与えるものであった。また、本発明の水中油型乳化化粧料は、保存安定性に優れていた。これに対して、比較例では、十分な結果が得られなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシチンと、非イオン性界面活性剤と、常温で液体の液状油と、常温で固体の固形油と、多価アルコールと、水と、を含み、
前記液状油は、少なくとも1種の環状シリコーンを含み、
前記固形油は、シア脂を含むことを特徴とする水中油型乳化化粧料。
【請求項2】
前記シア脂の含有量は、0.1〜10.0wt%である請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項3】
前記環状シリコーンの総含有量は、0.1〜10.0wt%である請求項1または2に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項4】
前記液状油は、2種の環状シリコーンを含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項5】
前記2種の環状シリコーンは、環状シリコーンXと、前記環状シリコーンXよりも分子量が大きい環状シリコーンYとを含み、
前記環状シリコーンXの含有量をA[wt%]、前記環状シリコーンYの含有量をB[wt%]としたとき、0.01≦A/B≦1.0の関係を満足する請求項4に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項6】
前記2種の環状シリコーンは、デカメチルシクロペンタンシロキサンおよびドデカメチルシクロヘキサシロキサンである請求項4または5に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項7】
前記液状油の総含有量をE[wt%]、前記固形油の総含有量をF[wt%]、前記レシチンの含有量をG[wt%]、前記非イオン性界面活性剤の総含有量をH[wt%]としたとき、0.1≦(E+F)/(G+H)≦40.0の関係を満足する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の水中油型乳化化粧料。

【公開番号】特開2012−250916(P2012−250916A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122807(P2011−122807)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(391066490)日本ゼトック株式会社 (31)
【Fターム(参考)】