説明

水中油型乳化組成物

【課題】pHが5以下であり、かつ粘度が1〜1000mPa・s、特に1〜500mPa・sである水中油型乳化組成物を安定化させる。
【解決手段】N−アシルタウリン塩を0.1〜2質量%含有し、pHが5以下であり、かつ粘度が1〜1000mPa・sである水中油型乳化組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
水中油型乳化組成物は、陰イオン界面活性剤を配合することで安定化することが知られている。水中油型乳化組成物中の陰イオン界面活性剤は、疎水性分散液滴の負の電荷を高め、その反発力を強めることによって液滴の合一を阻止する。
【0003】
しかし、水中油型乳化組成物が酸性の場合には、陰イオン界面活性剤を配合しても、分離やクリーミングが起こるなど、安定な乳化組成物が得られない問題があった。特に粘度が1000mPa・s以下である低粘度の乳化組成物で顕著であった。
【0004】
特許文献1には、化粧料に添加しうる陰イオン界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はエステル、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤が例示され、実施例1に界面活性剤として、非イオン界面活性剤であるポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、陰イオン界面活性剤であるステアロイルメチルタウリンナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウムを配合した水中油型クリームが記載されているが、水中油型クリームの粘度は通常5〜100Pa・s程度である。
【0005】
特許文献2には、界面活性剤として、水素添加リン脂質、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(100モル)及びステアロイルメチルタウリンナトリウムを配合した乳液タイプの水中油型乳化皮膚化粧料が記載されているが、当該製剤の粘度は2900Pa・sであり、その組成から、製剤のpHは5以下にはなっていないと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−208442号公報(段落0059、実施例1)
【特許文献2】特開2007−314442号公報(実施例2−2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、pHが5以下であり、かつ粘度が1〜1000mPa・s、特に1〜500mPa・sである水中油型乳化組成物を安定化させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)N−アシルタウリン塩を0.1〜2質量%含有し、pHが5以下であり、かつ粘度が1〜1000mPa・sである水中油型乳化組成物。
(2)更にピリドキシン又はその塩を含有する前記(1)に記載の水中油型乳化組成物。
(3)おむつかぶれ改善用である前記(2)に記載の水中油型乳化組成物。
(4)更にワセリン及び/又は流動パラフィンを含有する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
(5)N−アシルタウリン塩がN−アルキル置換及びN−アルキル非置換のN−アシルタウリン塩から選ばれる少なくとも1種である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
(6)pHが5以下であり、かつ粘度が1〜1000mPa・sである水中油型乳化組成物において、N−アシルタウリン塩を0.1〜2質量%配合して安定化させることを特徴とする水中油型乳化組成物の安定化方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、pHが5以下であり、粘度が1〜1000mPa・s、特に1〜500mPa・sである水中油型乳化組成物を安定化させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水中油型乳化組成物は、特定の陰イオン界面活性剤であるN−アシルタウリン塩を含有する。
【0011】
本発明に用いるN−アシルタウリン塩は、タウリン塩又はN−モノアルキルタウリン塩の窒素原子がアシル基で置換され、かつ界面活性作用を有するものであれば、特に制限はない。
【0012】
前記N−アシルタウリン塩におけるアシル基としては、当該N−アシルタウリン塩が界面活性作用を有する限り、特に制限はなく、好ましくは炭素数8〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸由来のアシル基、例えばラウロイル(C12)、ミリストイル(C14)、パルミトイル(C16)、ステアロイル(C18)、オレオイル(C18:1)、ココイル(ヤシ油脂肪酸アシル)が挙げられる。前記N−アシル−N−アルキルタウリン塩におけるアルキル基としては、特に制限はなく、好ましくは炭素数1〜3の低級アルキル基、例えばメチル基が挙げられる。
【0013】
N−アシルタウリンの塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩、アルギニン塩、リジン塩、ヒスチジン塩、オルチニン塩、オキシリジン塩が挙げられる。
【0014】
本発明に用いるN−アシルタウリン塩としては、例えばN−ラウロイルタウリンナトリウム、N−ミリストイルタウリンナトリウム、N−ココイルタウリンナトリウム、N−オレオイルタウリン酸ナトリウム、N−パルミトイルタウリン酸ナトリウム、N−ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、N−ココイル−N−メチルタウリンナトリウム等が挙げられる。これらのN−アシルタウリン塩は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
【0015】
本発明の水中油型乳化組成物におけるN−アシルタウリン塩の配合量は0.1〜2質量%であることが必要である。N−アシルタウリン塩の配合量が前記下限未満であると、水中油型乳化組成物を安定化させる効果が不十分であり、前記上限を超えると、溶かして用いる場合に泡立ちを生じたり、肌に直接塗布する場合には皮膚刺激性が高くなるため、好ましくない。
【0016】
水中油型乳化組成物は、酸性でかつ低粘度の場合に、陰イオン界面活性剤を配合しても安定化が困難であることから、本発明は、pHが5以下であり、かつ粘度が1〜1000mPa・s、特に1〜500mPa・sである水中油型乳化組成物を対象とする。
【0017】
本発明の水中油型乳化組成物は、ピリドキシン(ビタミンB)又はその塩を配合することにより、おむつかぶれの改善効果を発揮する。ここで用いるピリドキシンの塩としては、酸付加塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、乳酸塩等の有機酸塩が挙げられる。
【0018】
本発明の水中油型乳化組成物にピリドキシン又はその塩を配合する場合、その配合量は、本発明の水中油型乳化組成物に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.05〜1質量%である。
【0019】
本発明の水中油型乳化組成物は、おむつかぶれの改善効果を向上させる点から、更に殺菌剤を含有することが好ましい。殺菌剤としては、皮膚外用剤に配合できるものであれば特に制限はなく、例えばイソプロピルメチルフェノール、サリチル酸又はその塩、ヒノキチオール、感光素、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、グアイアズレン、塩酸クロルヘキシジン、好ましくはイソプロピルメチルフェノールが挙げられる。
【0020】
本発明の水中油型乳化組成物に殺菌剤を配合する場合、その配合量は、本発明の水中油型乳化組成物に対して、通常0.001〜1質量%、好ましくは0.05〜0.8質量%である。
【0021】
本発明の水中油型乳化組成物の剤形は、粘度が1〜1000mPa・s、特に1〜500mPa・sである製剤であれば特に制限はなく、例えば液剤、懸濁剤、乳剤、エアゾール剤、ローション剤が挙げられる。
【0022】
本発明の水中油型乳化組成物は、ピリドキシン又はその塩を配合する場合には、当該成分の安定性の点から、pHが2〜5になるように調整することが好ましい。
【0023】
本発明の水中油型乳化組成物は、日常的に行われるおむつ交換時や沐浴時に簡便に適用できる点から、入浴剤又は清拭剤組成物として用いることが好ましい。
【0024】
本発明の水中油型乳化組成物には、前記成分の他に、有機酸及び/又はその塩、非イオン界面活性剤、油性成分を配合することができる。
【0025】
前記有機酸としては、例えばグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、アジピン酸、ピロリドンカルボン酸、サリチル酸、コハク酸が挙げられ、これらは単独で、又は2種以上の組み合わせで用いられる。有機酸の塩としては、水溶液の塩、例えばナトリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0026】
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0027】
前記油性成分としては、例えば、大豆油、コメヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸グリセリド等の合成グリセリド、ジグリセリド等の油脂類;カルナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、プリスタン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸類;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール等の高級アルコール類;オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレステロール等のエステル類;精油類;シリコーン油類が挙げられる。
【0028】
本発明の水中油型乳化組成物には、前記成分の他に、必要に応じて、水溶性高分子、無機顔料、多価アルコール、防腐剤、香料、無機塩類、ビタミン類、蛋白分解酵素、その他の成分を添加することができる。
【0029】
前記水溶性高分子としては、例えば、デキストリン、キサンタンガム等の微生物系多糖類、デンプン、グアーガム、カラギーナン、寒天、マンナン等の植物系多糖類、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系蛋白質などの天然高分子、また、半合成高分子としては、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セルロース等のセルロース系、可溶性デンプン、メチルデンプン等のデンプン系、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系が挙げられる。水溶性合成高分子の例としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリビニルメチルエーテル等が挙げられる。
【0030】
無機顔料としては、例えば酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛(亜鉛華)、タルク、ケイ酸カルシウム、無水ケイ酸、カオリン、ベントナイト、雲母チタン等が挙げられる。
【0031】
多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール等の2価アルコール;グリセリン等の3価アルコール;ソルビット、マンニット等の糖類が挙げられる。
【0032】
防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル(例えば、メチルパラベン)、安息香酸、安息香酸塩、フェノキシエタノールが挙げられる。香料としては、例えばラベンダー油、ジャスミン油、レモン油、オレンジ油、ローズマリー油等の天然香料、ゲラニオール、シトロネロール、フェネチルアルコール等の合成香料が挙げられる。
【0033】
無機塩類としては、例えば硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0034】
ビタミン類としては、例えばビタミンA;ピリドキシン又はその塩以外のビタミンB;ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、リポ酸、オロット酸及びその誘導体等が挙げられる。蛋白分解酵素としては、例えばペプシン、トリプシン、キモトリプシン、カテプシン、パパイン、ブロメライン、フィシン及び細菌酵母、カビ由来のプロテアーゼ等が挙げられる。
【0035】
その他の成分としては、イオウ、鉱砂、湯の花、中性白土、卵黄末、イリ糠、雲母末、脱脂粉乳、海藻エキス、色素等が挙げられる。
【0036】
本発明の水中油型乳化組成物は、N−アシルタウリン塩、及び必要に応じて、ピリドキシン又はその塩、殺菌剤、有機酸及び/又はその塩、非イオン界面活性剤、油性成分、その他の成分を、通常、水と混合して液状とすることにより製造する。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下に示す配合量(%)は質量基準である。また、以下の実施例及び比較例において、水中油型乳化組成物の粘度の測定、並びに安定性及び浴湯での泡立ちの評価は以下のようにして行った。
【0038】
(1)粘度の測定方法
B型粘度計を用いて、試料温度:20℃、ローター:No.1(200mPa・s未満)又はNo.2(200〜1000mPa・s)、回転速度:30rpm、測定時間:60秒の条件で測定した。
【0039】
(2)安定性の評価方法
調製した水中油型乳化組成物を透明な密閉ガラス瓶に入れ、50℃定温のインキュベーターに保存して1ヵ月後の乳化状態を目視により評価した。
(判定基準) ○:変化なし、×:分離
【0040】
(3)浴湯での泡立ちの評価方法
40℃、200Lの浴湯に各々60mLを溶解し、追い焚き時の泡立ちを目視により評価した。
(判定基準) ○:泡立ちなし、△:わずかに泡立つ、×:泡多い
【0041】
(実施例1)
表1に示す組成物に表2の陰イオン界面活性剤を各々1.0%配合し、pH4に調整して得た100mPa・s以下の水中油型乳化組成物について、50℃で1ヵ月経過後の安定性を評価した。結果を表2に示す。
【0042】
【表1】

【0043】
【表2】

【0044】
表2に示すとおり、種々の陰イオン界面活性剤の中で、N−アシルタウリン塩であるN−ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウム及びN−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウムのみが、水中油型乳化組成物を安定化させることができた。
【0045】
(実施例2及び3、比較例1〜3)
表1に示す組成物に表2の陰イオン界面活性剤として用いたN−ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウムの配合比を調整し(未配合(比較例1)、0.05%(比較例2)、0.2%(実施例2)、2%(実施例3)、3%(比較例3))、pH4に調整して得た100mPa・s以下の水中油型乳化組成物について、安定性と浴湯での泡立ちを評価した。結果を表3に示す。
【0046】
【表3】

【0047】
表3に示すとおり、N−ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウムの配合比が0.2%(実施例2)及び2%(実施例3)の場合に良好な結果が得られ、未配合(比較例1)及び0.05%(比較例2)は製剤の安定性の点で問題があり、3%(比較例3)は浴湯での泡立ちの点で問題があった。
【0048】
(実施例4)
実施例2(N−ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウムの配合比:0.2%)の水中油型乳化組成物を用い、生後1歳前後の軽度おむつかぶれの乳幼児19名に使用した際の改善効果を評価した。A群(9名)は水中油型乳化組成物を7日間使用し、その後7日間未使用後の皮膚状態を評価した。B群(10名)は未使用期間7日後から水中油型乳化組成物を7日間使用し皮膚状態を評価した。尚、A群とB群の対象者は任意に選定した。水中油型乳化組成物の使用方法は、全ての乳幼児について、おむつ交換時の清拭(水中油型乳化組成物8mLを2Lの水(温水)に溶解し、ガーゼ等に浸しお尻まわりを清拭する)及び沐浴(水中油型乳化組成物8mLに対してお湯20Lの割合に溶解し入浴する)で行った。皮膚評価は、未使用時(7日後)と使用時(7日後)の皮膚状態を皮膚科医による紅斑等の診断、及び保護者による改善度合いのVAS評価により行った。
結果を表4及び5に示す。
【0049】
【表4】

【0050】
【表5】

【0051】
表4及び5に示すとおり、ピリドキシン塩酸塩を配合した製剤は、おむつかぶれに効果があった。
【0052】
(実施例5)
実施例2(N−ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウムの配合比:0.2%)の処方について、クエン酸とクエン酸ナトリウムの配合比を加減して、表6に示すとおりに製剤pHを調整した。各々のサンプルを50℃に保管し、3ヵ月経過後に液体クロマトグラフィーにてピリドキシン塩酸塩の残存率を測定した。結果を表6に示す。
【0053】
【表6】

【0054】
表6に示すとおり、ピリドキシンはpH3.1〜4.6の間で優れた安定性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−アシルタウリン塩を0.1〜2質量%含有し、pHが5以下であり、かつ粘度が1〜1000mPa・sである水中油型乳化組成物。
【請求項2】
更にピリドキシン又はその塩を含有する請求項1記載の水中油型乳化組成物。
【請求項3】
おむつかぶれ改善用である請求項2記載の水中油型乳化組成物。
【請求項4】
更にワセリン及び/又は流動パラフィンを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項5】
N−アシルタウリン塩がN−アルキル置換及びN−アルキル非置換のN−アシルタウリン塩から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水中油型乳化組成物。
【請求項6】
pHが5以下であり、かつ粘度が1〜1000mPa・sである水中油型乳化組成物において、N−アシルタウリン塩を0.1〜2質量%配合して安定化させることを特徴とする水中油型乳化組成物の安定化方法。

【公開番号】特開2010−168334(P2010−168334A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14513(P2009−14513)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(308040638)ツムラライフサイエンス株式会社 (12)
【Fターム(参考)】