水中清掃ロボット
【課題】本発明は、魚網等の清掃対象物表面を広範囲において効率よく清掃できるようにした場合であっても、清掃対象物表面の凹凸や撓みに対して安定した走行が可能となるようにする。
【解決手段】本発明の水中清掃ロボット1は、清掃ノズルユニット5が、前記ロボット本体2の下部に回転自在に設けられ、前記ロボット本体を移動させる走行装置3が設けられている。前記走行装置3は、前記ロボット本体の左右に設けられた第1走行手段36a、37a、38a、39aと、前記第1走行手段の前後方向にそれぞれ設けられ且つ前記第1走行手段の下端よりも上方に位置している第2走行手段36b、37b、38b、39bとを備えている。
【解決手段】本発明の水中清掃ロボット1は、清掃ノズルユニット5が、前記ロボット本体2の下部に回転自在に設けられ、前記ロボット本体を移動させる走行装置3が設けられている。前記走行装置3は、前記ロボット本体の左右に設けられた第1走行手段36a、37a、38a、39aと、前記第1走行手段の前後方向にそれぞれ設けられ且つ前記第1走行手段の下端よりも上方に位置している第2走行手段36b、37b、38b、39bとを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、養殖魚網等の清掃対象物を、高圧水の噴射により清掃する水中清掃ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば養殖魚網に付着した藻や貝類の除去を行うための水中清掃ロボットが知られている。かかる水中清掃ロボットは、水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動しながら、この清掃対象物表面に向かって清掃ノズルユニットより高圧水を噴射して清掃対象物を清掃するものである。清掃ノズルユニットは、ロボット本体に回転自在に設けられた回転軸に取り付けられており、清掃対象物表面に対する高圧水の噴射の反力により、この回転軸と一体的に回転するようになっている。
【0003】
また、回転軸には、この回転軸の回転に伴って回転して、ロボット本体を清掃対象物表面に向かって押し付けるための推進力を発生するプロペラが取り付けられている。そして、水中清掃ロボットには、回転するプロペラに向けて水が導入され、水中清掃ロボット外部に吹き出される水流が発生し、これによって水中清掃ロボットには推進力が得られ、養殖魚網に所定の圧力で当接した状態が維持される。
【0004】
前記養殖魚網には、筋網(魚網ロープ)があるため、魚網ロープがある部分で養殖魚網が撓んで上方に大きく突出する。このような突出部を、水中清掃ロボットが乗り越えようとすると、ノズルが養殖魚網や魚網ロープに引っかかり、ロボット本体が突出部に乗り上げたりして、水中清掃ロボットが突出部を乗り越えて走行することは困難であった。
【0005】
そこで、ロボット本体の左右両側の下部に、それぞれ補助ローラ装置を備え、水中清掃ロボットが突出部を乗り越えて走行することができるようにした水中清掃ロボットが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、水中清掃ロボットとしては、清掃対象物表面を広範囲において効率よく清掃できるように、清掃ノズルユニットをロボット本体の左右方向に複数個設けたものも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−318229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記魚網ロープは、水中清掃ロボットの進行方向に沿う縦ロープと、水中清掃ロボットの進行方向に対して直角方向の横ロープとが交差して設けられたものがある。また、魚網ロープが一方向に並行して設けられている場合においても、水中清掃ロボットの進行方向によっては、水中清掃ロボットに対して縦ロープまたは横ロープとなる場合がある。
【0009】
前記特許文献1に記載の水中清掃ロボットは、前後車輪間に補助ローラ装置を設けた構成であるため、横ロープは乗り越えることができるが、左右車輪間に位置する縦ロープは、乗り越えることができないという問題があった。
【0010】
特に、前記のように、清掃ノズルユニットを複数個備える水中清掃ロボットは、ロボット本体左右方向の車輪幅(車輪間距離)が広くなるため、下方に網や縦ロープ等の障害物があると、本体底面に干渉して走行困難となる。
【0011】
そこで、本発明は、今回上記問題を解決すべく、魚網等の清掃対象物に突出部分があっても、魚網等に引っかかることなく、突出部を乗り越えて走行でき、かつ清掃能力を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動しながら、この清掃対象物表面に向かって清掃ノズルユニットに設けられた清掃ノズルにより高圧水を噴射して清掃対象物を清掃する水中清掃ロボットであって、前記清掃ノズルユニットは、前記ロボット本体の下部に回転自在に設けられ、前記ロボット本体を移動させる走行装置が設けられ、前記走行装置は、前記ロボット本体の左右に設けられた第1走行手段と、前記第1走行手段の下端よりも上方に位置している第2走行手段とを備え、前記第2走行手段は、前記ロボット本体の前後方向のそれぞれで且つ前記第1走行手段よりも前記ロボット本体の左右方向内側に臨むように設けられた前後第2走行手段を備え、前記第1走行手段と前記第2走行手段とを同方向に回転駆動させる構成であることにある。
【0013】
前記本発明は、縦方向のロープおよび横方向のロープの両方のロープに対して、走行性能を改善することが可能となり、広範囲において効率よく安定して清掃することができる。
【0014】
前記水中清掃ロボットにおいて、前後第2走行手段は、前記第1走行手段よりも小径で且つ前記ロボット本体の左右方向の長さ寸法が、前記第1走行手段の長さ寸法よりも長く設定されているのが好ましい。かかる場合には、第1走行手段により走行できるため、旋回性能を良好に維持することができる。
【0015】
水中清掃ロボットにおいて、前記第2走行手段は、前記ロボット本体の左右に設けられた左右第2走行手段を備えることにある。かかる場合には、左右第2走行手段がより確実に、横方向のロープに対して走行できるため、走行性能を改善することができる。
【0016】
前記水中清掃ロボットにおいて、前記左右第2走行手段は、無限軌道または、複数個の車輪からなることにある。
【0017】
前記水中清掃ロボットにおいて、前記前後第2走行手段は、前記ロボット本体の中心に向けて小径となるテーパに形成されていることにある。このように、第2走行手段をテーパ状に形成した場合には、養殖魚網等の清掃対象物表面の第2走行手段に接触する部分は、第2走行手段の大径側に寄せられるため、清掃対象物を緊張させることができ、水中清掃ロボットはより容易に走行することができる。
【0018】
前記水中清掃ロボットにおいて、前記第1走行手段と前記前記左右第2走行手段の無限軌道の回転軸が同一軸上に設けられ、前記第1走行手段の外周径が前記無限軌道の外周径よりも大きく設定されていることにある。かかる場合は、前記第1走行手段で走行できるため、前記無限軌道が支障となるおそれはほとんどない。
【0019】
本発明は、水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動しながら、この清掃対象物表面に向かって清掃ノズルユニットに設けられた清掃ノズルにより高圧水を噴射して清掃対象物を清掃する水中清掃ロボットであって、前記清掃ノズルユニットは、前記ロボット本体の下部に回転自在に設けられ、前記ロボット本体を移動させる走行装置が設けられ、前記走行装置は、前記ロボット本体の左右に設けられた第1走行手段と、前記第1走行手段の前後方向にそれぞれ設けられた第2走行手段とを備え、前記第2走行手段は、前記ロボット本体の左右方向の長さ寸法が、前記第1走行手段の長さ寸法よりも長く設定され、前記第1走行手段と前記第2走行手段とを同方向に回転駆動させる構成である。
【0020】
前記本発明は、縦方向のロープおよび横方向のロープの両方のロープに対して、走行性能を改善することが可能となり、広範囲において効率よく安定して清掃することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の水中清掃ロボットは、魚網等の清掃対象物表面を広範囲において効率よく清掃できるようにした場合であっても、清掃対象物表面の凹凸や撓みに対して安定した走行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る水中清掃ロボットの一部断面を含む概略平面図である。
【図2】同水中清掃ロボットの側面図である。
【図3】同水中清掃ロボットの正面図である。
【図4】同水中清掃ロボットの斜視図である。
【図5】同水中清掃ロボットの洗浄状態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図6】同水中清掃ロボットの洗浄状態を示し、(a)は平面図、(b)は背面図である。
【図7】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図8】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図9】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図10】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図11】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は要部を示す断面図である。
【図12】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図13】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
本実施形態では、養殖魚網の清掃を行うための自走式の水中清掃ロボットとして本発明を適用した場合について説明する。
−水中清掃ロボットの構成説明−
図1〜図6は、本発明の一実施形態に係る水中清掃ロボット1を示す。本実施形態にかかる水中清掃ロボット1は、図1〜図4に示すようにロボット本体2、清掃ノズルユニット5、推進力発生用プロペラ4(以下、単にプロペラという)を備えている。
【0025】
ロボット本体2は、下方のノズル側本体2Aと、上方のプロペラ側本体2Bと、これら各本体同士を連結する連結体2Cとを備えている。
【0026】
図1および図4において、矢印Fで示す方向が水中清掃ロボット1の前方を示す。また水中清掃ロボット1の前方に向かって右側を矢印Rで示し、左側を矢印Lで示す。
【0027】
プロペラ側本体2Bは、導入空間Dに連通するように比較的大径の開口21を有する複数個(本実施形態では、3個の開口21を例示する。)のプロペラカバー20A、20B、20Cを備えている。プロペラカバー20A、20B、20Cは、ロボット本体2の左右方向(車幅方向)に設けられており、この各開口21の内部にプロペラ4が、それぞれ収容されている。
【0028】
ノズル側本体2Aには、走行装置3が設けられている。かかる走行装置3は、減速機付きの水中モータM1、M2と、4個の車輪(前後左右の車輪)22、23、24、25と、左右一対の無限軌道(クローラ)27、28とを備えている。
【0029】
ノズル側本体2Aの前後部には、前後筒状の車軸30、31が、左右方向に平行に設けられており、一方の水中モータM1は、前車軸30右側の一方端部に内蔵され、他方の水中モータM2は、後車軸31左側の他方端部に内蔵されている。
【0030】
各車輪22〜25は、前後車軸30、31の両側に回転自在に外嵌された筒状回転体32、33、34、35と、この筒状回転体32、33、34、35の外周面に装着された弾性体としてのタイヤ36、37、38、39とからなる。各タイヤ36、37、38、39は筒状を呈しており、ロボット本体2左右方向の外側に設けられた大径の第1走行手段36a、37a、38a、39aと、第1走行手段よりも小径で且つロボット本体2左右方向の内側に臨むように設けられた前後第2走行手段36b、37b、38b、39bとからなる。このように、前後第2走行手段36b、37b、38b、39bを第1走行手段よりも小径に形成することにより、前後第2走行手段36b、37b、38b、39bは、前記第1走行手段36a、37a、38a、39aよりも上方に位置している。
【0031】
ここで、各車輪22〜25の長さ寸法(車輪幅寸法)L1、第1走行手段36a、37a、38a、39aの長さ寸法(第1走行手段寸法)L2および前後第2走行手段36b、37b、38b、39bの長さ寸法(第2走行手段寸法)L3は、適宜設定可能である。例えば、車輪幅寸法L1は、ロボット本体2左右方向の寸法の3分の1以上に設定されているのが好ましい。このように、車輪幅寸法L1を設定することにより、従来の単体の清掃ノズルユニットを備えた水中清掃ロボットの左右車輪間距離に比し、左右の車輪間距離L4を小さくすることが可能となる。
【0032】
第1走行手段寸法L2は、前後第2走行手段寸法L3よりも短く設定されている。すなわち、第1走行手段寸法L2は、前記従来の水中清掃ロボットの車輪幅長に相当する長さに設定されている。このように、第1走行手段寸法L2を前後第2走行手段寸法L3よりも短くすることにより、第1走行手段の接地長さを小さくして、旋回走行性を良くしている。
【0033】
前記筒状回転体32、33、34、35の端部には、回転板40がそれぞれ固定されている。一方の水中モータM1の回転軸は、前右車輪22の筒状回転体32に固定された回転板40に挿通され且つ連動連結されている。従って、一方の水中モータM1は、前右車輪22を回転駆動させるようになっている。
【0034】
他方の水中モータM2の回転軸は、後左車輪25の筒状回転体35に固定された回転板40に挿通され且つ連動連結されている。従って、他方の水中モータM2は、後左車輪25を回転駆動させるようになっている。
【0035】
車輪22〜25の左右方向の外側には、左右第2走行手段としての前記クローラ27、28が設けられている。なお、かかる左右第2走行手段(クローラ27、28)と前記前後第2走行手段36b、37b、38b、39bとにより、第2走行手段が構成されている。
【0036】
右側のクローラ27は、一方の水中モータM1の回転軸に固定された駆動輪27aと、後右筒状回転体34に固定された回転板40と一体回転する回転軸43に支持された従動輪27bと、駆動輪27aおよび従動輪27b間に巻き掛けられた環状の無端帯(履帯)27cとを備えている。よって、クローラ27は、水中モータM1の回転により履帯27cが回転するとともに、後右筒状回転体34も同時に回転させる。すなわち、水中モータM1は、前後右車輪22、24およびクローラ27を同一の回転軸において同じ方向に同時に回転させることになる。
【0037】
左側のクローラ28は、他方の水中モータM2の回転軸に固定された駆動輪28aと、前左筒状回転体55に固定された回転板40と一体回転する回転軸44に支持された従動輪28bと、駆動輪28aおよび従動輪28b間に巻き掛けられた履帯28cとを備えている。よって、クローラ28は、水中モータM2の回転により履帯28cが回転するとともに、前左筒状回転体33も同時に回転させる。すなわち、水中モータM2は、前後左車輪23、25およびクローラ28を同一の回転軸において同じ方向に同時に回転させることになる。
【0038】
ここで、第1走行手段36a、37a、38a、39aの外周直径は、両クローラ27、28の履帯27c、28cの外周直径よりも大きく設定されている。このように、両クローラ27、28の履帯27c、28cは、前記第1走行手段36a、37a、38a、39aの下端よりも上方に位置している。従って、通常の走行は、第1走行手段36a、37a、38a、39aで行うことができる。
【0039】
各水中モータM1、M2には給電ケーブル(図示省略)が接続されている。水中清掃ロボット1が水中に沈められた状態では、陸上または船上の図示しない電源装置から水中清掃ロボット1に向けて給電ケーブルが延びて、各水中モータM1,M2への給電が行われる。
【0040】
例えば、水中清掃ロボット1が前進走行(図1の矢印F方向に走行)している状況で、右側の一方の水中モータM1の回転数を左側の他方の水中モータM2の回転数よりも高くすれば、水中清掃ロボット1の走行方向が図1中左方向(矢印L方向)へ向くようになっている。
【0041】
逆に、左側の水中モータM2の回転数を右側の水中モータM1の回転数よりも高くすれば、水中清掃ロボット1の走行方向が右方向(矢印R方向)へ向くようになっている。
【0042】
水中モータM1,M2を上記とは逆方向に回転させて水中清掃ロボット1を後退走行させている場合も同様にして進行方向を変えることが可能である。更に、各水中モータM1と、水中モータM2を互いに逆方向に回転させれば、水中清掃ロボット1を転回させることもできる。
【0043】
清掃ノズルユニット5は、高圧水ホース(図示省略)から供給された高圧水を清掃対象物としての養殖魚網Nに向かって噴射し、その噴流によって養殖魚網Nの清掃を行うものである。清掃ノズルユニット5は、ノズル側本体2Aに回転自在に支持された回転軸6の下部に取り付けられている。陸上または船上の図示しない高圧ポンプから高圧水ホースを介して圧送される高圧水が、清掃ノズルユニット5に供給されるようになっている。
【0044】
清掃ノズルユニット5は、前記回転軸6の下端に固定された円盤状の回転体55と、回転体55の外周部に設けられた複数個の清掃ノズル53とを備えている。
【0045】
これら清掃ノズル53は、高圧水の噴射方向が養殖魚網の表面を向くように所定角度だけ下方に傾斜するようになっている。これにより、清掃ノズル53から高圧水が噴射された場合、この高圧水が養殖魚網Nの表面に吹き付けられることに伴って発生する噴射反力により、清掃ノズルユニット5が回転軸6と共に回転するようになっている。換言すると、この清掃ノズルユニット5は、回転軸6の軸心回りに回転しながら養殖魚網Nの表面に高圧水を噴射することによって、養殖魚網Nに付着している藻や貝類等を広範囲に亘って除去できるように構成されている。
【0046】
前記プロペラ4は、プロペラ側本体2Bの開口21内に収容されるように回転軸6と一体的に設けられている。従って、清掃ノズル53から高圧水が噴射され、その噴射反力によって清掃ノズルユニット5と共に回転軸6が回転した場合、このプロペラ4も一体的に回転し、水中清掃ロボット1を下側へ押し付けるための水流を発生させる。
−水中清掃ロボット1の動作説明−
次に、上述の如く構成された水中清掃ロボット1による養殖魚網Nの清掃動作について説明する。
【0047】
この水中清掃ロボット1による清掃時には、陸上または船上から水中清掃ロボット1が養殖魚網Nの内側(養殖用スペース)に沈められる。そして、給電ケーブルからの各水中モータへの給電及び高圧水ホースからの清掃ノズルユニット5への高圧水の供給が行われる。
【0048】
各水中モータ水中モータM1、M2が作動し、各車輪22〜25およびクローラ27、28が回転して水中清掃ロボット1は養殖魚網Nに沿って走行する。
【0049】
清掃ノズルユニット5の各清掃ノズル53から高圧水の噴射が行われる。清掃ノズル53からの高圧水の噴射により、養殖魚網Nに付着した藻や貝類等が除去されて養殖用スペースの外に排出され養殖魚網Nが清掃される。
【0050】
この高圧水の噴射に伴う噴射反力により、清掃ノズルユニット5、回転軸6及びプロペラ4は一体的に回転する。このプロペラ4の回転によって導入空間Dからプロペラ4に向けて水が導入され、プロペラカバー20A、20B、20Cの開口21から吹き出される水流が発生し、これによって水中清掃ロボット1には推進力が得られ、各車輪22〜25が養殖魚網Nに所定の圧力で当接した状態が維持される。
【0051】
このため、各車輪22〜25が養殖魚網Nから浮き上がってしまうことがなく、水中清掃ロボット1が養殖魚網Nに沿って安定して走行しながら養殖魚網Nの清掃が行われる。
【0052】
養殖魚網Nは、可撓性を有するため、下方に撓むこととなる。具体的には、養殖魚網Nが大きいとロープが網の骨となる場合がある。かかる場合は、ロープの部分が山頂部となり養殖魚網Nに凹凸が生じる。従って、水中清掃ロボット1は、山部を越える必要がある。
【0053】
例えば、図5(a)および(b)に、水中清掃ロボット1が、横ロープN1による山部を走行する場合について例示する。同図において、左右前車輪22、23が横ロープN1を通過すると、次に、クローラ27、28が横ロープN1を走行し乗り越える。さらに、左右後車輪24、25が横ロープN1を走行し乗り超える。
【0054】
次に、図6(a)および(b)に、縦ロープN2に沿って走行する場合について例示する。同図において、前後左車輪23、25の第1走行手段37a、39aと、前後右車輪22、24の第1走行手段36a、38aとが、縦ロープN2を跨いだ状態となっている。このとき、左右何れかの第2走行手段36b、37b、38b、39bが、縦ロープN2を走行することができるため、水中清掃ロボット1が走行不能になるのを防止できる。なお、縦ロープN2が左右の第2走行手段36b、37b、38b、39b間に位置する場合もあるが、かかる場合には、左右の第2走行手段36b、37b、38b、39b間(車輪間距離L4)が狭くなっていることから、車輪22〜25の一部が養殖魚網Nに接触することとなり、水中清掃ロボット1は支障なく乗り越えることができる。
【0055】
以上のように、いずれの場合においても、水中清掃ロボット1は、洗浄しながら養殖魚網Nの洗浄突出部を乗り越えて走行することができ、走行不能になるのを防止することができ、安定した清掃作業を広範囲に同時に行うことができる。
【0056】
また、本実施の形態では、前記第1走行手段36a、37a、38a、39aの下端よりも第2走行手段(前後第2走行手段36b、37b、38b、39bおよびクローラ27、28)の下端を上方に位置させて、第1走行手段により走行できるように構成しているため、水中清掃ロボット1の旋回性能を良好に維持することができる。
【0057】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。図7(a)および(b)に示す実施形態は、車輪22〜25の直径を1種類に設定した場合を例示するものである。しかも、本実施形態では、クローラ27、28の外周径を、車輪22〜25の直径よりも大きくしたものである。かかる場合には、クローラ27、28が、第1走行手段に該当し、通常の走行機能を備えている。また、車輪22〜25が、前後第2走行手段に該当する。
【0058】
図8(a)および(b)に示す実施形態は、前後第2走行手段36b、37b、38b、39bを水中清掃ロボット1の中心に向けて小径となるように、テーパ状に形成した場合を例示するものである。このように、前後第2走行手段36b、37b、38b、39bをテーパ状に形成した場合には、養殖魚網Nの前後第2走行手段36b、37b、38b、39bに接触する部分は、前後第2走行手段の大径側に寄せられるため、養殖魚網Nを緊張させることができ、水中清掃ロボット1はより容易に走行することができる。
【0059】
図9(a)および(b)に示す実施形態は、車輪22〜25とクローラ27、28とが重ならないように、車輪22〜25の外周間にクローラ27、28を配置したものである。すなわち、左右前車輪22、23の第1走行手段36a、37aと、左右後車輪24、25の第1走行手段38a、39aとの間に、左右第2走行手段としてのクローラ27、28を配置したものである。かかる場合には、クローラ27、28と車輪22〜25とは別の駆動源(モータ)でそれぞれ駆動する。
【0060】
図10(a)および(b)に示す実施形態は、前記図9に示したクローラ27、28に代えて、左右第2走行手段としての複数個の車輪60を採用したものである。すなわち、本実施形態は、複数個の車輪60をロボット本体2の前後方向に配置することにより、すべて車輪で構成している。
【0061】
図11(a)および(b)に示す実施形態は、走行装置3を第1走行手段としての左右のクローラ27、28と、第2走行手段としての前後のローラ61、62とから構成したものである。具体的には、ロボット本体2側面からアーム63が突設され、このアーム63に水中モータMが内蔵された密閉容器65が固定されている。そして、水中モータMの回転軸が、ローラ61、62の一端に固定されている。また、ローラ61、62の他端は、軸受けを介してアーム63に支持されている。
【0062】
そして、左右のクローラ27、28で走行を行なうとともに、横ロープN1を乗り越えることができる。また、ローラ61、62で縦ロープN2に沿って走行することができる。また、クローラ27、28とローラ61、62との駆動源(水中モータ)は別であるため、クローラ27、28の駆動輪の軸心と、ローラ61、62の軸心とは、必ずしも同一で無くてもよく、相違する場合であってもよい。
【0063】
図12(a)および(b)に示す実施形態は、前記図9に示した第2走行手段を複数個の車輪66としたものである。
【0064】
図13(a)および(b)に示す実施形態は、第1走行手段を、前後左右の車輪60、60から構成している。前後車輪60、60の間隔は狭く設定されている。しかも、第2走行手段は、前後車輪60、60の前後方向のそれぞれに設けられた複数個の車輪66からなる。なお、第2走行手段は、水中清掃ロボット1の左右方向に連続して設けられている。
【0065】
また、前記第1走行手段の下端よりも第2走行手段を上方に位置させる構成としては、前記第1走行手段と第2走行手段とを同一軸上で回転させる場合に、第2走行手段の直径を、第1走行手段の直径よりも小さくする場合を例示したが、第1走行手段と第2走行手段との回転軸心を相違させる場合であってもよい。かかる場合には、必ずしも第2走行手段の直径を、第1走行手段の直径よりも小さくする必要はなく、同等であっても、第2走行手段の直径を、第1走行手段の直径よりも大きくする場合であってもよい。
【0066】
清掃ノズルユニット5は、回転軸6から水平方向に延びる一対の水平延長管と、この水平延長管の先端に設けられた洗浄ノズルとから構成することもできる。
【0067】
プロペラ4は、同一方向に回転しても、あるいは、それぞれ反対方向に回転する構成であってもよい。
【0068】
また、ロボット本体2は、ノズル側本体2Aとプロペラ側本体2Bとに分割する必要はなく、このロボット本体2の一部を開口して導入空間Dを形成したものであってもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 水中清掃ロボット
2 ロボット本体
3 走行装置
4 推進力発生用プロペラ(プロペラ)
5 清掃ノズルユニット
22〜25 車輪
27、28 クローラ(無限軌道、第2走行手段)
30、31 車軸
32〜35 筒状回転体
36〜39 タイヤ
36a、37a、38a、39a 第1走行手段
36b、37b、38b、39b 第2走行手段
L1 車輪幅寸法
L2 第1走行手段寸法
L3 第2走行手段寸法
L4 車輪間距離
N 養殖魚網
【技術分野】
【0001】
本発明は、養殖魚網等の清掃対象物を、高圧水の噴射により清掃する水中清掃ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば養殖魚網に付着した藻や貝類の除去を行うための水中清掃ロボットが知られている。かかる水中清掃ロボットは、水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動しながら、この清掃対象物表面に向かって清掃ノズルユニットより高圧水を噴射して清掃対象物を清掃するものである。清掃ノズルユニットは、ロボット本体に回転自在に設けられた回転軸に取り付けられており、清掃対象物表面に対する高圧水の噴射の反力により、この回転軸と一体的に回転するようになっている。
【0003】
また、回転軸には、この回転軸の回転に伴って回転して、ロボット本体を清掃対象物表面に向かって押し付けるための推進力を発生するプロペラが取り付けられている。そして、水中清掃ロボットには、回転するプロペラに向けて水が導入され、水中清掃ロボット外部に吹き出される水流が発生し、これによって水中清掃ロボットには推進力が得られ、養殖魚網に所定の圧力で当接した状態が維持される。
【0004】
前記養殖魚網には、筋網(魚網ロープ)があるため、魚網ロープがある部分で養殖魚網が撓んで上方に大きく突出する。このような突出部を、水中清掃ロボットが乗り越えようとすると、ノズルが養殖魚網や魚網ロープに引っかかり、ロボット本体が突出部に乗り上げたりして、水中清掃ロボットが突出部を乗り越えて走行することは困難であった。
【0005】
そこで、ロボット本体の左右両側の下部に、それぞれ補助ローラ装置を備え、水中清掃ロボットが突出部を乗り越えて走行することができるようにした水中清掃ロボットが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、水中清掃ロボットとしては、清掃対象物表面を広範囲において効率よく清掃できるように、清掃ノズルユニットをロボット本体の左右方向に複数個設けたものも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−318229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記魚網ロープは、水中清掃ロボットの進行方向に沿う縦ロープと、水中清掃ロボットの進行方向に対して直角方向の横ロープとが交差して設けられたものがある。また、魚網ロープが一方向に並行して設けられている場合においても、水中清掃ロボットの進行方向によっては、水中清掃ロボットに対して縦ロープまたは横ロープとなる場合がある。
【0009】
前記特許文献1に記載の水中清掃ロボットは、前後車輪間に補助ローラ装置を設けた構成であるため、横ロープは乗り越えることができるが、左右車輪間に位置する縦ロープは、乗り越えることができないという問題があった。
【0010】
特に、前記のように、清掃ノズルユニットを複数個備える水中清掃ロボットは、ロボット本体左右方向の車輪幅(車輪間距離)が広くなるため、下方に網や縦ロープ等の障害物があると、本体底面に干渉して走行困難となる。
【0011】
そこで、本発明は、今回上記問題を解決すべく、魚網等の清掃対象物に突出部分があっても、魚網等に引っかかることなく、突出部を乗り越えて走行でき、かつ清掃能力を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動しながら、この清掃対象物表面に向かって清掃ノズルユニットに設けられた清掃ノズルにより高圧水を噴射して清掃対象物を清掃する水中清掃ロボットであって、前記清掃ノズルユニットは、前記ロボット本体の下部に回転自在に設けられ、前記ロボット本体を移動させる走行装置が設けられ、前記走行装置は、前記ロボット本体の左右に設けられた第1走行手段と、前記第1走行手段の下端よりも上方に位置している第2走行手段とを備え、前記第2走行手段は、前記ロボット本体の前後方向のそれぞれで且つ前記第1走行手段よりも前記ロボット本体の左右方向内側に臨むように設けられた前後第2走行手段を備え、前記第1走行手段と前記第2走行手段とを同方向に回転駆動させる構成であることにある。
【0013】
前記本発明は、縦方向のロープおよび横方向のロープの両方のロープに対して、走行性能を改善することが可能となり、広範囲において効率よく安定して清掃することができる。
【0014】
前記水中清掃ロボットにおいて、前後第2走行手段は、前記第1走行手段よりも小径で且つ前記ロボット本体の左右方向の長さ寸法が、前記第1走行手段の長さ寸法よりも長く設定されているのが好ましい。かかる場合には、第1走行手段により走行できるため、旋回性能を良好に維持することができる。
【0015】
水中清掃ロボットにおいて、前記第2走行手段は、前記ロボット本体の左右に設けられた左右第2走行手段を備えることにある。かかる場合には、左右第2走行手段がより確実に、横方向のロープに対して走行できるため、走行性能を改善することができる。
【0016】
前記水中清掃ロボットにおいて、前記左右第2走行手段は、無限軌道または、複数個の車輪からなることにある。
【0017】
前記水中清掃ロボットにおいて、前記前後第2走行手段は、前記ロボット本体の中心に向けて小径となるテーパに形成されていることにある。このように、第2走行手段をテーパ状に形成した場合には、養殖魚網等の清掃対象物表面の第2走行手段に接触する部分は、第2走行手段の大径側に寄せられるため、清掃対象物を緊張させることができ、水中清掃ロボットはより容易に走行することができる。
【0018】
前記水中清掃ロボットにおいて、前記第1走行手段と前記前記左右第2走行手段の無限軌道の回転軸が同一軸上に設けられ、前記第1走行手段の外周径が前記無限軌道の外周径よりも大きく設定されていることにある。かかる場合は、前記第1走行手段で走行できるため、前記無限軌道が支障となるおそれはほとんどない。
【0019】
本発明は、水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動しながら、この清掃対象物表面に向かって清掃ノズルユニットに設けられた清掃ノズルにより高圧水を噴射して清掃対象物を清掃する水中清掃ロボットであって、前記清掃ノズルユニットは、前記ロボット本体の下部に回転自在に設けられ、前記ロボット本体を移動させる走行装置が設けられ、前記走行装置は、前記ロボット本体の左右に設けられた第1走行手段と、前記第1走行手段の前後方向にそれぞれ設けられた第2走行手段とを備え、前記第2走行手段は、前記ロボット本体の左右方向の長さ寸法が、前記第1走行手段の長さ寸法よりも長く設定され、前記第1走行手段と前記第2走行手段とを同方向に回転駆動させる構成である。
【0020】
前記本発明は、縦方向のロープおよび横方向のロープの両方のロープに対して、走行性能を改善することが可能となり、広範囲において効率よく安定して清掃することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の水中清掃ロボットは、魚網等の清掃対象物表面を広範囲において効率よく清掃できるようにした場合であっても、清掃対象物表面の凹凸や撓みに対して安定した走行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る水中清掃ロボットの一部断面を含む概略平面図である。
【図2】同水中清掃ロボットの側面図である。
【図3】同水中清掃ロボットの正面図である。
【図4】同水中清掃ロボットの斜視図である。
【図5】同水中清掃ロボットの洗浄状態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図6】同水中清掃ロボットの洗浄状態を示し、(a)は平面図、(b)は背面図である。
【図7】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図8】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図9】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図10】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図11】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は要部を示す断面図である。
【図12】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図13】本発明の他実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
本実施形態では、養殖魚網の清掃を行うための自走式の水中清掃ロボットとして本発明を適用した場合について説明する。
−水中清掃ロボットの構成説明−
図1〜図6は、本発明の一実施形態に係る水中清掃ロボット1を示す。本実施形態にかかる水中清掃ロボット1は、図1〜図4に示すようにロボット本体2、清掃ノズルユニット5、推進力発生用プロペラ4(以下、単にプロペラという)を備えている。
【0025】
ロボット本体2は、下方のノズル側本体2Aと、上方のプロペラ側本体2Bと、これら各本体同士を連結する連結体2Cとを備えている。
【0026】
図1および図4において、矢印Fで示す方向が水中清掃ロボット1の前方を示す。また水中清掃ロボット1の前方に向かって右側を矢印Rで示し、左側を矢印Lで示す。
【0027】
プロペラ側本体2Bは、導入空間Dに連通するように比較的大径の開口21を有する複数個(本実施形態では、3個の開口21を例示する。)のプロペラカバー20A、20B、20Cを備えている。プロペラカバー20A、20B、20Cは、ロボット本体2の左右方向(車幅方向)に設けられており、この各開口21の内部にプロペラ4が、それぞれ収容されている。
【0028】
ノズル側本体2Aには、走行装置3が設けられている。かかる走行装置3は、減速機付きの水中モータM1、M2と、4個の車輪(前後左右の車輪)22、23、24、25と、左右一対の無限軌道(クローラ)27、28とを備えている。
【0029】
ノズル側本体2Aの前後部には、前後筒状の車軸30、31が、左右方向に平行に設けられており、一方の水中モータM1は、前車軸30右側の一方端部に内蔵され、他方の水中モータM2は、後車軸31左側の他方端部に内蔵されている。
【0030】
各車輪22〜25は、前後車軸30、31の両側に回転自在に外嵌された筒状回転体32、33、34、35と、この筒状回転体32、33、34、35の外周面に装着された弾性体としてのタイヤ36、37、38、39とからなる。各タイヤ36、37、38、39は筒状を呈しており、ロボット本体2左右方向の外側に設けられた大径の第1走行手段36a、37a、38a、39aと、第1走行手段よりも小径で且つロボット本体2左右方向の内側に臨むように設けられた前後第2走行手段36b、37b、38b、39bとからなる。このように、前後第2走行手段36b、37b、38b、39bを第1走行手段よりも小径に形成することにより、前後第2走行手段36b、37b、38b、39bは、前記第1走行手段36a、37a、38a、39aよりも上方に位置している。
【0031】
ここで、各車輪22〜25の長さ寸法(車輪幅寸法)L1、第1走行手段36a、37a、38a、39aの長さ寸法(第1走行手段寸法)L2および前後第2走行手段36b、37b、38b、39bの長さ寸法(第2走行手段寸法)L3は、適宜設定可能である。例えば、車輪幅寸法L1は、ロボット本体2左右方向の寸法の3分の1以上に設定されているのが好ましい。このように、車輪幅寸法L1を設定することにより、従来の単体の清掃ノズルユニットを備えた水中清掃ロボットの左右車輪間距離に比し、左右の車輪間距離L4を小さくすることが可能となる。
【0032】
第1走行手段寸法L2は、前後第2走行手段寸法L3よりも短く設定されている。すなわち、第1走行手段寸法L2は、前記従来の水中清掃ロボットの車輪幅長に相当する長さに設定されている。このように、第1走行手段寸法L2を前後第2走行手段寸法L3よりも短くすることにより、第1走行手段の接地長さを小さくして、旋回走行性を良くしている。
【0033】
前記筒状回転体32、33、34、35の端部には、回転板40がそれぞれ固定されている。一方の水中モータM1の回転軸は、前右車輪22の筒状回転体32に固定された回転板40に挿通され且つ連動連結されている。従って、一方の水中モータM1は、前右車輪22を回転駆動させるようになっている。
【0034】
他方の水中モータM2の回転軸は、後左車輪25の筒状回転体35に固定された回転板40に挿通され且つ連動連結されている。従って、他方の水中モータM2は、後左車輪25を回転駆動させるようになっている。
【0035】
車輪22〜25の左右方向の外側には、左右第2走行手段としての前記クローラ27、28が設けられている。なお、かかる左右第2走行手段(クローラ27、28)と前記前後第2走行手段36b、37b、38b、39bとにより、第2走行手段が構成されている。
【0036】
右側のクローラ27は、一方の水中モータM1の回転軸に固定された駆動輪27aと、後右筒状回転体34に固定された回転板40と一体回転する回転軸43に支持された従動輪27bと、駆動輪27aおよび従動輪27b間に巻き掛けられた環状の無端帯(履帯)27cとを備えている。よって、クローラ27は、水中モータM1の回転により履帯27cが回転するとともに、後右筒状回転体34も同時に回転させる。すなわち、水中モータM1は、前後右車輪22、24およびクローラ27を同一の回転軸において同じ方向に同時に回転させることになる。
【0037】
左側のクローラ28は、他方の水中モータM2の回転軸に固定された駆動輪28aと、前左筒状回転体55に固定された回転板40と一体回転する回転軸44に支持された従動輪28bと、駆動輪28aおよび従動輪28b間に巻き掛けられた履帯28cとを備えている。よって、クローラ28は、水中モータM2の回転により履帯28cが回転するとともに、前左筒状回転体33も同時に回転させる。すなわち、水中モータM2は、前後左車輪23、25およびクローラ28を同一の回転軸において同じ方向に同時に回転させることになる。
【0038】
ここで、第1走行手段36a、37a、38a、39aの外周直径は、両クローラ27、28の履帯27c、28cの外周直径よりも大きく設定されている。このように、両クローラ27、28の履帯27c、28cは、前記第1走行手段36a、37a、38a、39aの下端よりも上方に位置している。従って、通常の走行は、第1走行手段36a、37a、38a、39aで行うことができる。
【0039】
各水中モータM1、M2には給電ケーブル(図示省略)が接続されている。水中清掃ロボット1が水中に沈められた状態では、陸上または船上の図示しない電源装置から水中清掃ロボット1に向けて給電ケーブルが延びて、各水中モータM1,M2への給電が行われる。
【0040】
例えば、水中清掃ロボット1が前進走行(図1の矢印F方向に走行)している状況で、右側の一方の水中モータM1の回転数を左側の他方の水中モータM2の回転数よりも高くすれば、水中清掃ロボット1の走行方向が図1中左方向(矢印L方向)へ向くようになっている。
【0041】
逆に、左側の水中モータM2の回転数を右側の水中モータM1の回転数よりも高くすれば、水中清掃ロボット1の走行方向が右方向(矢印R方向)へ向くようになっている。
【0042】
水中モータM1,M2を上記とは逆方向に回転させて水中清掃ロボット1を後退走行させている場合も同様にして進行方向を変えることが可能である。更に、各水中モータM1と、水中モータM2を互いに逆方向に回転させれば、水中清掃ロボット1を転回させることもできる。
【0043】
清掃ノズルユニット5は、高圧水ホース(図示省略)から供給された高圧水を清掃対象物としての養殖魚網Nに向かって噴射し、その噴流によって養殖魚網Nの清掃を行うものである。清掃ノズルユニット5は、ノズル側本体2Aに回転自在に支持された回転軸6の下部に取り付けられている。陸上または船上の図示しない高圧ポンプから高圧水ホースを介して圧送される高圧水が、清掃ノズルユニット5に供給されるようになっている。
【0044】
清掃ノズルユニット5は、前記回転軸6の下端に固定された円盤状の回転体55と、回転体55の外周部に設けられた複数個の清掃ノズル53とを備えている。
【0045】
これら清掃ノズル53は、高圧水の噴射方向が養殖魚網の表面を向くように所定角度だけ下方に傾斜するようになっている。これにより、清掃ノズル53から高圧水が噴射された場合、この高圧水が養殖魚網Nの表面に吹き付けられることに伴って発生する噴射反力により、清掃ノズルユニット5が回転軸6と共に回転するようになっている。換言すると、この清掃ノズルユニット5は、回転軸6の軸心回りに回転しながら養殖魚網Nの表面に高圧水を噴射することによって、養殖魚網Nに付着している藻や貝類等を広範囲に亘って除去できるように構成されている。
【0046】
前記プロペラ4は、プロペラ側本体2Bの開口21内に収容されるように回転軸6と一体的に設けられている。従って、清掃ノズル53から高圧水が噴射され、その噴射反力によって清掃ノズルユニット5と共に回転軸6が回転した場合、このプロペラ4も一体的に回転し、水中清掃ロボット1を下側へ押し付けるための水流を発生させる。
−水中清掃ロボット1の動作説明−
次に、上述の如く構成された水中清掃ロボット1による養殖魚網Nの清掃動作について説明する。
【0047】
この水中清掃ロボット1による清掃時には、陸上または船上から水中清掃ロボット1が養殖魚網Nの内側(養殖用スペース)に沈められる。そして、給電ケーブルからの各水中モータへの給電及び高圧水ホースからの清掃ノズルユニット5への高圧水の供給が行われる。
【0048】
各水中モータ水中モータM1、M2が作動し、各車輪22〜25およびクローラ27、28が回転して水中清掃ロボット1は養殖魚網Nに沿って走行する。
【0049】
清掃ノズルユニット5の各清掃ノズル53から高圧水の噴射が行われる。清掃ノズル53からの高圧水の噴射により、養殖魚網Nに付着した藻や貝類等が除去されて養殖用スペースの外に排出され養殖魚網Nが清掃される。
【0050】
この高圧水の噴射に伴う噴射反力により、清掃ノズルユニット5、回転軸6及びプロペラ4は一体的に回転する。このプロペラ4の回転によって導入空間Dからプロペラ4に向けて水が導入され、プロペラカバー20A、20B、20Cの開口21から吹き出される水流が発生し、これによって水中清掃ロボット1には推進力が得られ、各車輪22〜25が養殖魚網Nに所定の圧力で当接した状態が維持される。
【0051】
このため、各車輪22〜25が養殖魚網Nから浮き上がってしまうことがなく、水中清掃ロボット1が養殖魚網Nに沿って安定して走行しながら養殖魚網Nの清掃が行われる。
【0052】
養殖魚網Nは、可撓性を有するため、下方に撓むこととなる。具体的には、養殖魚網Nが大きいとロープが網の骨となる場合がある。かかる場合は、ロープの部分が山頂部となり養殖魚網Nに凹凸が生じる。従って、水中清掃ロボット1は、山部を越える必要がある。
【0053】
例えば、図5(a)および(b)に、水中清掃ロボット1が、横ロープN1による山部を走行する場合について例示する。同図において、左右前車輪22、23が横ロープN1を通過すると、次に、クローラ27、28が横ロープN1を走行し乗り越える。さらに、左右後車輪24、25が横ロープN1を走行し乗り超える。
【0054】
次に、図6(a)および(b)に、縦ロープN2に沿って走行する場合について例示する。同図において、前後左車輪23、25の第1走行手段37a、39aと、前後右車輪22、24の第1走行手段36a、38aとが、縦ロープN2を跨いだ状態となっている。このとき、左右何れかの第2走行手段36b、37b、38b、39bが、縦ロープN2を走行することができるため、水中清掃ロボット1が走行不能になるのを防止できる。なお、縦ロープN2が左右の第2走行手段36b、37b、38b、39b間に位置する場合もあるが、かかる場合には、左右の第2走行手段36b、37b、38b、39b間(車輪間距離L4)が狭くなっていることから、車輪22〜25の一部が養殖魚網Nに接触することとなり、水中清掃ロボット1は支障なく乗り越えることができる。
【0055】
以上のように、いずれの場合においても、水中清掃ロボット1は、洗浄しながら養殖魚網Nの洗浄突出部を乗り越えて走行することができ、走行不能になるのを防止することができ、安定した清掃作業を広範囲に同時に行うことができる。
【0056】
また、本実施の形態では、前記第1走行手段36a、37a、38a、39aの下端よりも第2走行手段(前後第2走行手段36b、37b、38b、39bおよびクローラ27、28)の下端を上方に位置させて、第1走行手段により走行できるように構成しているため、水中清掃ロボット1の旋回性能を良好に維持することができる。
【0057】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。図7(a)および(b)に示す実施形態は、車輪22〜25の直径を1種類に設定した場合を例示するものである。しかも、本実施形態では、クローラ27、28の外周径を、車輪22〜25の直径よりも大きくしたものである。かかる場合には、クローラ27、28が、第1走行手段に該当し、通常の走行機能を備えている。また、車輪22〜25が、前後第2走行手段に該当する。
【0058】
図8(a)および(b)に示す実施形態は、前後第2走行手段36b、37b、38b、39bを水中清掃ロボット1の中心に向けて小径となるように、テーパ状に形成した場合を例示するものである。このように、前後第2走行手段36b、37b、38b、39bをテーパ状に形成した場合には、養殖魚網Nの前後第2走行手段36b、37b、38b、39bに接触する部分は、前後第2走行手段の大径側に寄せられるため、養殖魚網Nを緊張させることができ、水中清掃ロボット1はより容易に走行することができる。
【0059】
図9(a)および(b)に示す実施形態は、車輪22〜25とクローラ27、28とが重ならないように、車輪22〜25の外周間にクローラ27、28を配置したものである。すなわち、左右前車輪22、23の第1走行手段36a、37aと、左右後車輪24、25の第1走行手段38a、39aとの間に、左右第2走行手段としてのクローラ27、28を配置したものである。かかる場合には、クローラ27、28と車輪22〜25とは別の駆動源(モータ)でそれぞれ駆動する。
【0060】
図10(a)および(b)に示す実施形態は、前記図9に示したクローラ27、28に代えて、左右第2走行手段としての複数個の車輪60を採用したものである。すなわち、本実施形態は、複数個の車輪60をロボット本体2の前後方向に配置することにより、すべて車輪で構成している。
【0061】
図11(a)および(b)に示す実施形態は、走行装置3を第1走行手段としての左右のクローラ27、28と、第2走行手段としての前後のローラ61、62とから構成したものである。具体的には、ロボット本体2側面からアーム63が突設され、このアーム63に水中モータMが内蔵された密閉容器65が固定されている。そして、水中モータMの回転軸が、ローラ61、62の一端に固定されている。また、ローラ61、62の他端は、軸受けを介してアーム63に支持されている。
【0062】
そして、左右のクローラ27、28で走行を行なうとともに、横ロープN1を乗り越えることができる。また、ローラ61、62で縦ロープN2に沿って走行することができる。また、クローラ27、28とローラ61、62との駆動源(水中モータ)は別であるため、クローラ27、28の駆動輪の軸心と、ローラ61、62の軸心とは、必ずしも同一で無くてもよく、相違する場合であってもよい。
【0063】
図12(a)および(b)に示す実施形態は、前記図9に示した第2走行手段を複数個の車輪66としたものである。
【0064】
図13(a)および(b)に示す実施形態は、第1走行手段を、前後左右の車輪60、60から構成している。前後車輪60、60の間隔は狭く設定されている。しかも、第2走行手段は、前後車輪60、60の前後方向のそれぞれに設けられた複数個の車輪66からなる。なお、第2走行手段は、水中清掃ロボット1の左右方向に連続して設けられている。
【0065】
また、前記第1走行手段の下端よりも第2走行手段を上方に位置させる構成としては、前記第1走行手段と第2走行手段とを同一軸上で回転させる場合に、第2走行手段の直径を、第1走行手段の直径よりも小さくする場合を例示したが、第1走行手段と第2走行手段との回転軸心を相違させる場合であってもよい。かかる場合には、必ずしも第2走行手段の直径を、第1走行手段の直径よりも小さくする必要はなく、同等であっても、第2走行手段の直径を、第1走行手段の直径よりも大きくする場合であってもよい。
【0066】
清掃ノズルユニット5は、回転軸6から水平方向に延びる一対の水平延長管と、この水平延長管の先端に設けられた洗浄ノズルとから構成することもできる。
【0067】
プロペラ4は、同一方向に回転しても、あるいは、それぞれ反対方向に回転する構成であってもよい。
【0068】
また、ロボット本体2は、ノズル側本体2Aとプロペラ側本体2Bとに分割する必要はなく、このロボット本体2の一部を開口して導入空間Dを形成したものであってもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 水中清掃ロボット
2 ロボット本体
3 走行装置
4 推進力発生用プロペラ(プロペラ)
5 清掃ノズルユニット
22〜25 車輪
27、28 クローラ(無限軌道、第2走行手段)
30、31 車軸
32〜35 筒状回転体
36〜39 タイヤ
36a、37a、38a、39a 第1走行手段
36b、37b、38b、39b 第2走行手段
L1 車輪幅寸法
L2 第1走行手段寸法
L3 第2走行手段寸法
L4 車輪間距離
N 養殖魚網
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動しながら、この清掃対象物表面に向かって清掃ノズルユニットに設けられた清掃ノズルにより高圧水を噴射して清掃対象物を清掃する水中清掃ロボットであって、
前記清掃ノズルユニットは、前記ロボット本体の下部に回転自在に設けられ、前記ロボット本体を移動させる走行装置が設けられ、前記走行装置は、前記ロボット本体の左右に設けられた第1走行手段と、第2走行手段とを備え、前記第2走行手段は、前記ロボット本体の前後方向のそれぞれで且つ前記第1走行手段よりも前記ロボット本体の左右方向内側に臨むように設けられた前後第2走行手段を備え、前記第1走行手段と前記第2走行手段とを同方向に回転駆動させる構成であることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項2】
前記請求項1に記載の水中清掃ロボットにおいて、前後第2走行手段は、前記第1走行手段よりも小径で且つ前記ロボット本体の左右方向の長さ寸法が、前記第1走行手段の長さ寸法よりも長く設定されていることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項3】
前記請求項1または2に記載の水中清掃ロボットにおいて、前記第2走行手段は、前記ロボット本体の左右に設けられた左右第2走行手段を備えることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項4】
前記請求項3に記載の水中清掃ロボットにおいて、前記左右第2走行手段は、無限軌道からなることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項5】
前記請求項3に記載の水中清掃ロボットにおいて、前記左右第2走行手段は、複数個の車輪からなることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項6】
前記請求項1〜5の何れか一つに記載の水中清掃ロボットにおいて、前記前後第2走行手段は、前記ロボット本体の中心に向けて小径となるテーパに形成されていることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項7】
前記請求項4に記載の水中清掃ロボットにおいて、前記第1走行手段と前記前記左右第2走行手段の無限軌道の回転軸が同一軸上に設けられ、前記第1走行手段の外周径が前記無限軌道の外周径よりも大きく設定されていることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項8】
水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動しながら、この清掃対象物表面に向かって清掃ノズルユニットに設けられた清掃ノズルにより高圧水を噴射して清掃対象物を清掃する水中清掃ロボットであって、
前記清掃ノズルユニットは、前記ロボット本体の下部に回転自在に設けられ、前記ロボット本体を移動させる走行装置が設けられ、前記走行装置は、前記ロボット本体の左右に設けられた第1走行手段と、前記第1走行手段の前後方向にそれぞれ設けられた第2走行手段とを備え、前記第2走行手段は、前記ロボット本体の左右方向の長さ寸法が、前記第1走行手段の長さ寸法よりも長く設定され、前記第1走行手段と前記第2走行手段とを同方向に回転駆動させる構成であることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項1】
水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動しながら、この清掃対象物表面に向かって清掃ノズルユニットに設けられた清掃ノズルにより高圧水を噴射して清掃対象物を清掃する水中清掃ロボットであって、
前記清掃ノズルユニットは、前記ロボット本体の下部に回転自在に設けられ、前記ロボット本体を移動させる走行装置が設けられ、前記走行装置は、前記ロボット本体の左右に設けられた第1走行手段と、第2走行手段とを備え、前記第2走行手段は、前記ロボット本体の前後方向のそれぞれで且つ前記第1走行手段よりも前記ロボット本体の左右方向内側に臨むように設けられた前後第2走行手段を備え、前記第1走行手段と前記第2走行手段とを同方向に回転駆動させる構成であることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項2】
前記請求項1に記載の水中清掃ロボットにおいて、前後第2走行手段は、前記第1走行手段よりも小径で且つ前記ロボット本体の左右方向の長さ寸法が、前記第1走行手段の長さ寸法よりも長く設定されていることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項3】
前記請求項1または2に記載の水中清掃ロボットにおいて、前記第2走行手段は、前記ロボット本体の左右に設けられた左右第2走行手段を備えることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項4】
前記請求項3に記載の水中清掃ロボットにおいて、前記左右第2走行手段は、無限軌道からなることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項5】
前記請求項3に記載の水中清掃ロボットにおいて、前記左右第2走行手段は、複数個の車輪からなることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項6】
前記請求項1〜5の何れか一つに記載の水中清掃ロボットにおいて、前記前後第2走行手段は、前記ロボット本体の中心に向けて小径となるテーパに形成されていることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項7】
前記請求項4に記載の水中清掃ロボットにおいて、前記第1走行手段と前記前記左右第2走行手段の無限軌道の回転軸が同一軸上に設けられ、前記第1走行手段の外周径が前記無限軌道の外周径よりも大きく設定されていることを特徴とする水中清掃ロボット。
【請求項8】
水中に存在する清掃対象物表面に沿って移動しながら、この清掃対象物表面に向かって清掃ノズルユニットに設けられた清掃ノズルにより高圧水を噴射して清掃対象物を清掃する水中清掃ロボットであって、
前記清掃ノズルユニットは、前記ロボット本体の下部に回転自在に設けられ、前記ロボット本体を移動させる走行装置が設けられ、前記走行装置は、前記ロボット本体の左右に設けられた第1走行手段と、前記第1走行手段の前後方向にそれぞれ設けられた第2走行手段とを備え、前記第2走行手段は、前記ロボット本体の左右方向の長さ寸法が、前記第1走行手段の長さ寸法よりも長く設定され、前記第1走行手段と前記第2走行手段とを同方向に回転駆動させる構成であることを特徴とする水中清掃ロボット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−71037(P2013−71037A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210802(P2011−210802)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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