説明

水中移動体の位置検知装置

【課題】水中移動体の位置の検知精度を向上させることができる水中検査装置の位置検知装置を提供する。
【解決手段】水中検査装置9は、上下位置を検出するための圧力センサ18と、姿勢角を検出するための慣性センサ部19とを備えている。また、水中検査装置9は、ほぼ同一平面上の多数の方向における周囲の構造物Aとの相対距離を検出するレンジセンサユニット23を備えている。制御装置11は、圧力センサ18及び慣性センサ部19で検出された水中検査装置9の上下位置及び姿勢角等に基づいてレンジセンサユニット23の検出方向面の位置を演算し、その検出方向面位置における構造物の断面形状及びその位置を演算する。そして、制御装置11は、構造物の断面形状に対する水中検査装置9の相対位置をレンジセンサユニット23の検出結果に基づいて演算し、さらに構造物の断面形状の位置情報に基づいて水中検査装置9の水平位置を演算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元移動可能な水中移動体の位置を検知する水中移動体の位置検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば3次元移動可能な水中検査装置(水中移動体)を用いて原子炉内構造物の検査作業を行う原子炉内検査システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の原子炉内検査システムは、本体に推力を付与するスラスタ及び本体の位置や姿勢に係わる状態量を検出する検出手段を有する水中検査装置と、この水中検査装置にケーブルを介し接続され、水中検査装置の位置や姿勢を制御する制御装置とを備えている。水中検査装置の検出手段は、3軸(X軸、Y軸、及びZ軸)方向の加速度を検出する加速度センサと、3軸周りの角速度を検出するジャイロと、照射したスリットレーザが映り込んだ対象物を撮像するカメラとで構成されている。そして、制御装置は、検出手段の検出結果に基づき水中検査装置の変位を演算し、その変位を積算して絶対位置を演算するようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−315709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の従来技術では、水中検査装置の変位を演算し、その変位を積算して絶対位置を演算するようになっている。そのため、変位演算の誤差が蓄積されて、絶対位置の誤差が増大する可能性があった。また、特許文献1に記載の従来技術では、水中検査装置と構造物との接触判定により誤差を補正しているものの、水中検査装置が構造物と接触して補正するまでの間は、絶対位置の誤差が増加する可能性があった。したがって、水中移動体の位置の検知精度の点で改善の余地があった。
【0005】
本発明の目的は、水中移動体の位置の検知精度を向上させることができる水中移動体の位置検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、3次元移動可能な水中移動体の位置を検知する水中移動体の位置検知装置において、前記水中移動体に設けられ、前記水中移動体の上下位置を検出する上下位置検出器と、前記水中移動体に設けられ、前記水中移動体の姿勢に対して定められたほぼ同一平面上の少なくとも3つの方向における前記水中移動体とその周囲の構造物との相対距離をそれぞれ検出する相対距離検出器と、前記構造物の3次元形状及び位置に関するデータを記憶する記憶手段と、前記上下位置検出器で検出された前記水中移動体の上下位置に基づいて前記相対距離検出器の検出方向面の位置を演算し、前記相対距離検出器の検出方向面位置における前記構造物の断面形状及びその位置を前記記憶手段で記憶された前記構造物のデータから演算する構造物断面演算手段と、前記構造物断面演算手段で演算された前記構造物の断面形状に対する前記水中移動体の相対位置を前記相対距離検出器の検出結果に基づいて演算し、さらに前記構造物の断面形状の位置情報に基づいて前記水中移動体の水平位置を演算する水平位置演算手段とを備える。
【0007】
(2)上記目的を達成するために、本発明は、3次元移動可能な水中移動体の位置を検知する水中移動体の位置検知装置において、前記水中移動体に設けられ、前記水中移動体の上下位置を検出する上下位置検出器と、前記水中移動体に設けられ、前記水中移動体の姿勢角を検出する姿勢角検出器と、前記水中移動体に設けられ、前記水中移動体の姿勢に対して定められたほぼ同一平面上の少なくとも3つの方向における前記水中移動体とその周囲の構造物との相対距離をそれぞれ検出する相対距離検出器と、前記構造物の3次元形状及び位置に関するデータを記憶する記憶手段と、前記上下位置検出器及び前記姿勢角検出器で検出された前記水中移動体の上下位置及び姿勢角に基づいて前記相対距離検出器の検出方向面の位置を演算し、前記相対距離検出器の検出方向面位置における前記構造物の断面形状及びその位置を前記記憶手段で記憶された前記構造物のデータから演算する構造物断面演算手段と、前記構造物断面演算手段で演算された前記構造物の断面形状に対する前記水中移動体の相対位置を前記相対距離検出器の検出結果に基づいて演算し、さらに前記構造物の断面形状の位置情報に基づいて前記水中移動体の水平位置を演算する水平位置演算手段とを備える。
【0008】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記構造物断面演算手段は、最初は、前記上下位置検出器及び前記姿勢角検出器で検出された前記水中移動体の上下位置及び姿勢角並びに予め入力された前記水中移動体の水平位置の初期値に基づいて前記相対距離検出器の検出方向面の位置を演算し、前記水平位置演算手段で前記水中移動体の水平位置が演算された以降は、前記上下位置検出器及び前記姿勢角検出器で検出された前記水中移動体の上下位置及び姿勢角並びに前記水平位置演算手段で演算された前記水中移動体の水平位置の前回演算値に基づいて前記相対距離検出器の検出方向面の位置を演算する。
【0009】
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記相対距離検出器の検出結果に基づいて前記相対距離検出器の検出方向面における前記水中移動体の位置を基準とした前記構造物の表面の相対位置を演算する検出断面演算手段をさらに備え、前記水平位置演算手段は、前記検出断面演算手段で演算された前記構造物の表面の相対位置と前記構造物断面演算手段で演算された前記構造物の断面形状とをマッチングさせることにより、前記構造物断面演算手段で演算された前記構造物の断面形状に対する前記水中移動体の相対位置を演算する。
【0010】
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記上下位置検出器は、前記水中移動体の深度を検出する圧力センサである。
【0011】
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記相対距離検出器は、多数の方向にレーザ光を走査するとともにその反射光を受光する走査型のレーザセンサである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、水中移動体の位置の検知精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の好適な一実施形態である原子炉内検査システムを、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1は、本実施形態による原子炉内検査システムの機器配置を一例として表す概略図である。
【0015】
この図1において、原子炉1内には、シュラウド2、上部格子板3、炉心支持板4、及びシュラウドサポート5等の構造物があり、またPLR(Primary Loop Re-circulation System:一次冷却材再循環系)配管6等の配管が接続されている。原子炉1の上部には、作業スペースであるオペレーションフロア7があり、同じく上方には、燃料交換装置8がある。
【0016】
本実施形態の原子炉内検査システムは、原子炉1内の構造物の目視検査に用いる水中検査装置9(水中移動体)と、ケーブル10を介して水中検査装置9に接続された制御装置11と、この制御装置11に接続され、水中検査装置9のカメラ画像を表示するとともに水中検査装置9の位置や姿勢等を表示する表示装置12と、制御装置11に接続され、水中検査装置9を操作可能なコントローラ13とを備えている。そして、例えば原子炉1内の構造物の目視検査作業を行う場合、燃料交換装置8上の検査員14は、原子炉1内に水中検査装置9を投入し、この水中検査装置9の位置や姿勢を表示装置12で確認しつつ、コントローラ13を操作する。
【0017】
図2は、水中検査装置9の構成を表す概略図である。
【0018】
この図2において、水中検査装置9は、本体の前面側(図2中左側)に設けられ原子炉1内の構造物等を撮像するカメラ15と、このカメラ15の画像を電子情報化する画像取込部16とを備えている。また、水中検査装置9は、本体の上面側(図2中上側)、後面側(図2中右側)、及び左側面側(図2中紙面に向かって手前側)にそれぞれ設けられた3つのスラスタ17(推進機構)を備えている。スラスタ17は、スクリューと、このスクリューを正回転又は逆回転に駆動するモータ(図示せず)とで構成されており、上下方向(図2中上下方向)の推力、前後方向(図2中左右方向)の推力、及び左右方向(図2中紙面に対し垂直方向)の推力をそれぞれ付与するようになっている。これにより、水中検査装置9は3次元に水中移動可能としている。なお、以降、水中検査装置9の座標系は、本体の右方向(図2中紙面に向かって奥方向)をX軸正方向、前方向(図2中左方向)をY軸正方向、下方向(図2中下方向)をZ軸正方向に定義したものとして説明する。
【0019】
水中検査装置9は、水中検査装置9の深度を検出する圧力センサ(深度センサ)18と、水中検査装置9の姿勢角を検出するための慣性センサ部19とを備えている。慣性センサ部19は、X軸、Y軸、及びZ軸周りの角速度をそれぞれ検出する3軸ジャイロ20と、X軸及びY軸周りの角度(傾斜角)を検出する傾斜計21と、Z軸周りの角度(方位角)を検出する地磁気センサ22とを有している。また、水中検査装置9の本体下部には、周囲の構造物との相対距離を計測するレンジセンサユニット23が設けられている。
【0020】
図3は、上記レンジセンサユニット23の概略構造を表すX軸方向断面図であり、図4は、図3中断面IV−IVにおけるZ軸方向断面図である。また、図5は、レンジセンサユニット23の測定動作を説明するための図である。
【0021】
これら図3〜図5において、レンジセンサユニット23は、前方側(図中左側)及び後方側(図中右側)にそれぞれ配置された走査型のレーザセンサ(レーザレンジファインダ)24a,24bと、これらレーザセンサ24a,24bを収納するケーシング25とを有している。レーザセンサ24a,24bは、ほぼ同一平面(本実施形態では、X−Y軸座標系の平面)上の多数の方向にレーザ光を走査するとともにその反射光を受光して、各方向における周囲の構造物Aとの相対距離を検出するようになっている。詳しく説明すると、図5に示すように、レーザセンサ24aは、水中検査装置9の前方側範囲となる走査角度θa(1)〜θa(n)の範囲(例えば−30°〜210°程度の範囲)でレーザ光を走査するとともにその反射光を受光して、構造物Aとの相対距離M(1)〜M(n)をそれぞれ検出するようになっている。また、図5に示すように、レーザセンサ24bは、水中検査装置9の後方側範囲となる走査角度θb(1)〜θb(n)の範囲(例えば150°〜390°程度の範囲)でレーザ光を走査するとともにその反射光を受光して、構造物Aとの相対距離M(n+1)〜M(2n)をそれぞれ検出するようになっている。
【0022】
レーザセンサ24a,24bはそれぞれ、投光部26と受光部27が分離されて構成されている。また、投光部26側と受光部27側とを区画するように略U字状の遮光板28がそれぞれ設けられており、投光部26からのレーザ光の一部がケーシング25の内表面で反射されその反射光が受光部27で受光されるのを防ぐようになっている。なお、レーザセンサ24a,24bの詳細構造は、例えば特開2006−349449号公報に開示のものとほぼ同様であり、説明を省略する。
【0023】
ケーシング25の前方側側面部は、その断面がレーザセンサ24aを中心とした円弧状に形成されており、レーザセンサ24aの投光部26からのレーザ光がほぼ直交して出射するとともに、レーザセンサ24aの受光部27で受光する反射光がほぼ直交して入射するようになっている。同様に、ケーシング25の後方側側面部は、その断面がレーザセンサ24bを中心とした円弧状に形成されており、レーザセンサ24bからのレーザ光がほぼ直交して出射するとともに、レーザセンサ24bで受光する反射光がほぼ直交して入射するようになっている。すなわち、ケーシング25は、レーザ光の強度低下を抑えるような構造となっている。
【0024】
前述の図2に戻り、水中検査装置9には信号伝送部29が設けられている。そして、信号伝送部29及びケーブル10を介して、圧力センサ18、慣性センサ部19(詳細には、3軸ジャイロ20、傾斜計21、地磁気センサ22)、及びレンジセンサユニット23(詳細には、レーザセンサ24a,24b)からの検出信号並びに画像取込部16からの画像信号が制御装置11に出力されるようになっている。そして、制御装置11は、前述した検出信号等に基づいて水中検査装置9の位置や姿勢を演算し、この演算した水中検査装置9の位置や姿勢を表示装置12に出力して表示するようになっている。また、制御装置11は、前述した画像信号を表示装置12に出力して、カメラ15の画像を表示するようになっている。また、制御装置11は、コントローラ13からの操作信号に応じてスラスタ17を駆動制御する制御信号を生成し、この生成した制御信号をケーブル10及び信号伝送部29を介してスラスタ17に出力するようになっている。
【0025】
次に、制御装置11の位置・姿勢演算機能の詳細について説明する。図6は、制御装置11の位置・姿勢演算機能に係わる構成を表す機能ブロック図である。
【0026】
この図6において、制御装置11は、3軸ジャイロ20の角速度信号に基づきX軸、Y軸、及びZ軸周りの角速度をそれぞれ演算する角速度演算部30と、傾斜計21の角度信号に基づきX軸及びY軸周りの傾斜角をそれぞれ演算し、地磁気センサ22の角度信号に基づきZ軸周りの方位角を演算する角度演算部31と、これら演算された角速度、傾斜角、及び方位角に基づき水中検査装置9の姿勢(3軸周りの姿勢角)を演算する姿勢角演算部32とを有している。また、圧力センサ18の圧力信号に基づき水中検査装置9の深度、すなわち上下位置を演算する上下位置演算部33を有している。
【0027】
また、制御装置11は、原子炉1内の構造物の3次元形状及び位置に関する構造物データ(設計データ)を記憶する構造物データ記憶部34と、上下位置検出部33及び姿勢角演算部32で演算された水中検査装置9の上下位置及び姿勢などに基づいてレンジセンサユニット23の検出方向面(X−Y軸座標系の平面)の絶対位置を演算し、このレンジセンサユニット23の検出方向面位置における構造物の断面形状及びその位置を構造物データから演算し、これを構造物断面データとする構造物断面演算部35と、レンジセンサユニット23の検出結果に基づいてレンジセンサユニット23の検出方向面における水中検査装置9の位置を基準とした構造物の表面の相対位置を演算し、これを検出断面データとする検出断面演算部36と、構造物断面演算部35で生成された構造物断面データ及び検出断面演算部36で生成された検出断面データに基づいて水中検査装置9の水平位置を演算する水平位置演算部37とを有している。また、上下位置演算部33、水平位置演算部37、及び姿勢角演算部32で演算された水中検査装置9の上下位置、水平位置、及び姿勢角を記憶する位置・姿勢記憶部38を有している。
【0028】
図7は、制御装置11の位置・姿勢演算機能に係わる制御処理内容を表すPAD図である。
【0029】
この図7において、まずステップ39で水中検査装置9の初期位置・初期姿勢が入力されて位置・姿勢記憶部38に記憶される。そして、ステップ40に進んで水中検査装置9の位置・姿勢演算処理に移る。この位置・姿勢演算処理において、ステップ41の姿勢角演算処理、ステップ42の上下位置演算処理、ステップ43の構造物断面演算処理、ステップ44の検出断面演算処理、ステップ45の水平位置演算処理が順次繰り返し行われる。以下、各演算処理の詳細を説明する。
【0030】
(1)姿勢角演算処理
図8は、前述の図7に示すステップ41の姿勢角演算処理の詳細を表すPAD図である。
【0031】
姿勢角演算処理において、まずステップ46で、角速度演算部30は、3軸ジャイロ20の角速度信号を取り込み、角度演算部31は、傾斜計21及び地磁気センサ22の角度信号を取り込む。
【0032】
そして、ステップ47に進み、角速度演算部30は、3軸ジャイロ20の角速度信号から各軸(X軸、Y軸、Z軸)周りの角速度を演算する角速度演算処理に移る。本実施形態の3軸ジャイロ20は、静電浮上型ジャイロであり、角速度に比例する増減値が基準電圧(一定の電圧値)に加えられた正の電圧値を出力するものである。そのため、まずステップ48において、3軸ジャイロ20の各軸(X軸、Y軸、Z軸)周りの信号に対し基準電圧を減じる基本処理を行う。ここで、基準電圧は、通常、3軸ジャイロ20の固有スペックとして示されているが、本実施形態では、角速度信号が入力されないときの電圧値を予め計測して平均化したものを用いる。その後、ステップ49に進んで、電圧−角速度換算係数(3軸ジャイロ20の固有のスペックとして示される一定値)を乗じて各軸周りの角速度を算出する。
【0033】
ステップ47の角速度演算処理が終了すると、ステップ50に進み、角度演算部31は、傾斜計21の角度信号から各軸(X軸、Y軸)周りの傾斜角を演算する傾斜角演算処理に移る。本実施形態の傾斜計21は、封入された電解液の液面変化(X軸及びY軸周りの傾斜角)を電圧変化に変換して出力するものである。そのため、まずステップ51において、各軸(X軸、Y軸)周りの信号から基準電圧(傾斜計21の固有スペックとして示される一定の電圧値)を減じる基本処理を行う。その後、ステップ52に進んで、傾斜角換算係数(傾斜計21の固有スペックとして示される一定値)を乗じて各軸周りの傾斜角を算出する。
【0034】
ステップ50の傾斜角演算処理が終了すると、ステップ53に進み、角度演算部31は、地磁気センサ22の角度信号からZ軸周りの方位角を演算する方位角演算処理に移る。本実施形態の地磁気センサ22は、X軸方向及びY軸方向に感度を有するホール素子で捉えた磁力を出力するものである。そのため、まずステップ54において、X軸及びY軸の地磁気信号から基準電圧を減じ、ゲインを乗じる基本処理を行う。ここで、基準電圧及びゲインは、地磁気センサ22を使用する環境により異なるため、予め使用する領域で測定したものを用いる。その後、ステップ55に進んで、基本処理したX軸及びY軸の信号Mx,Myを用い、下記の式(1)によりZ軸周りの方位角θmを算出する。
【0035】
【数1】

【0036】
ステップ53の方位角演算処理が終了すると、ステップ56に進み、姿勢角演算部32は、上述したX軸、Y軸、及びZ軸周りの角速度、X軸及びY軸周りの傾斜角、Z軸周りの方位角をカルマンフィルタ(この種のものとして公知のものであり、例えば上記特許文献1参照)に入力し、水中検査装置9の姿勢(3軸周りの姿勢角)の最適値を推定する。その後、ステップ57に進んで、推定した水中検査装置9の姿勢角を位置・姿勢記憶部38に記憶する。このステップ57の手順が終了すると、姿勢角演算処理が終了する。
【0037】
(2)上下位置演算処理
図9は、前述の図7に示すステップ42の上下位置演算処理の詳細を表すPAD図である。
【0038】
上下位置演算処理において、上下位置演算部33は、まずステップ58で、圧力センサ18の圧力信号(検出電圧)を取り込み、ステップ59に進んで、検出電圧Vpから基準電圧Vp_base(圧力センサ18の固有スペックとして示される一定の電圧値)を減じ、さらに圧力換算係数(圧力センサ18の固有スペックとして示される一定値)を乗じて、圧力Pを算出する。そして、ステップ60に進んで、算出した圧力Pと原子炉1内の冷却材の密度ρと重力加速度gとを用い、下記の式(2)により水中検査装置9の深度Hを算出する。そして、算出した深度Hに例えばオペレーションフロア7から水面までの距離Lw(前述の図1参照)を加えて、水中検査装置9の上下位置とする。
【0039】
【数2】

【0040】
その後、ステップ61に進んで、算出した水中検査装置9の上下位置を位置・姿勢記憶部38に記憶する。このステップ61の手順が終了すると、上下位置演算処理が終了する。
【0041】
(3)構造物断面演算処理
図10は、前述の図7に示すステップ43の構造物断面演算処理の詳細を表すPAD図である。
【0042】
構造物断面演算処理において、構造物断面演算部35は、まずステップ62で、位置・姿勢記憶部38で記憶された水中検査装置9の現在の上下位置(言い換えれば、ステップ60で算出された上下位置)及び現在の姿勢角(言い換えれば、ステップ56で算出された姿勢角)を取り込むとともに、位置・姿勢記憶部38で記憶された水中検査装置9の前回の水平位置(詳しく説明すると、最初は、ステップ39で予め入力された水平位置の初期値であり、ステップ45の水平位置演算処理が行われた以降は、その前回の演算値)を取り込む。そして、ステップ63に進んで、水中検査装置9の姿勢角に基づいて絶対位置座標系における水中検査装置9のZ軸方向ベクトルn(a,b,c)を生成する。そして、水中検査装置9のレンジセンサユニット23の検出方向面として、ベクトルn(a,b,c)を法線ベクトルとし水中検査装置9の位置P0(x0,y0,z0)(前述の図5に示す点Oの絶対位置に相当するものであり、ステップ62で取り込んだ位置)を通る平面S(図11参照)を定義する。この平面Sの位置の方程式は、絶対位置座標系における任意の点P(x,z,z)とすれば、下記の式(3)のように表される。
【0043】
【数3】

【0044】
その後、ステップ64に進んで、構造物データ記憶部34で記憶された構造物データを取り込む。この構造物データは、例えば図11に示すように、構造物Bの表面形状が複数の三角形ポリゴンで分割されたものとして構成されており、各三角形ポリゴンを形成する頂点P1,P2,P3の位置とそれら頂点P1,P2,P3の組み合わせ(言い換えれば、線分P1P2、線分P1P3,線分P1P3)が情報として含まれている。そして、ステップ65に進んで、レンジセンサユニット23の検出方向面位置における構造物の断面形状及びその位置を演算する。具体的には、まず、構造物Bの表面形状を構成する各三角形ポリゴンの線分(例えば線分P1P2、線分P1P3、及び線分P1P3等)と平面Sとの交差判定を行う。例えば線分P1P2と平面Sとの交差判定は、下記の式(4)のようにして判断される。
【0045】
【数4】

【0046】
そして、例えば線分P1P2と平面Sとが交差していると判定された場合は、その交点C(xC,yC,zC)を下記の連立方程式(5)により算出する。この連立方程式(5)における上段の方程式は上記の式(4)に交点Cを代入したものであり、下段の式は線分P1P2に係わる方程式である。なお、Vは線分P1P2の単位ベクトルである。
【0047】
【数5】

【0048】
その後、ステップ66に進んで、全ての線分に対して算出した交点C(1)〜C(m)を、構造物断面データとして記憶する。このステップ66の手順が終了すると、構造物断面演算処理が終了する。
【0049】
(4)検出断面演算処理
図12は、前述の図7に示すステップ44の検出断面演算処理の詳細を表すPAD図である。
【0050】
検出断面演算処理において、検出断面演算部36は、まずステップ67において、レーザセンサ24a,24bの出力信号を取り込む。これらレーザセンサ24a,24bの出力信号は、上述したように、走査角度θa,θbにおける水中検査装置9と周囲の構造物との相対距離Mを情報として含んでいる。そして、ステップ68に進んで、下記の式(6)及び(7)により、前述の図5に示すX−Y軸座標系(レンジセンサユニット23の検出方向面)における構造物の表面の位置(言い換えれば、原点Oを基準とした相対位置)L(1)〜L(2n)を算出する。
【0051】
【数6】

【0052】
【数7】

【0053】
その後、ステップ69に進んで、算出した構造物の表面の相対位置L(1)〜L(2n)を、構造物断面データとして記憶する。このステップ69の手順が終了すると、構造物断面演算処理が終了する。
【0054】
(5)水平位置演算処理
図13は、前述の図6に示すステップ45の水平位置演算処理の詳細を表すPAD図である。
【0055】
水平位置演算処理において、水平位置演算部37は、まずステップ70で、構造物断面演算部35で生成された構造物断面データと検出断面演算部36で生成された検出断面データとを取り込む。そして、ステップ71に進んで、構造物断面データから構造物の断面形状の2次元画像を生成する。すなわち、平面Sの法線ベクトルnを水中検査装置9のZ軸方向ベクトルに向けるような平面回転移動処理により、構造物断面データに含まれる交点C(1)〜C(m)を絶対位置座標系からX−Y軸座標系に変換し、この座標変換した交点C’(1)〜C’(m)の情報を含むビットマップ画像(以降、構造物断面画像と称す)を生成する。また、検出断面データに含まれる水中検査装置9の位置(原点O)及びこれを基準とした構造物の表面の相対位置L(1)〜L(2n)の情報を含むビットマップ画像(以降、検出断面画像と称す)を生成する。具体例として、中空直方体状の構造物C内に水中検査装置9を配置した場合(図14(a)参照)に生成された例えば640×480サイズの構造物断面画像F1及び検出断面画像F2を図14(b)に示す。
【0056】
そして、ステップ72に進んで、例えば図14(b)に示すように、構造物断面画像F1と検出断面画像F2を画像相関処理によってマッチングさせる。これにより、構造物断面画像F1における水中検査装置9の相対位置が求められる。そして、ステップ73に進んで、水中検査装置9のZ軸方向ベクトルを平面Sの法線ベクトルnに向けるような平面回転移動処理により、構造物断面画像F1に含まれる水中検査装置9の位置をX−Y軸座標系から絶対位置座標系に変換し、水中検査装置9の水平位置を算出する。その後、ステップ74に進んで、算出した水中検査装置9の水平位置を位置・姿勢記憶部38に記憶する。このステップ74の手順が終了すると、水平位置演算処理が終了する。
【0057】
そして、制御装置11の位置・姿勢記憶部38で記憶された水中検査装置9の位置や姿勢は、表示装置12に出力されて表示される。図15は、表示装置12の表示画面の一例を表す図である。
【0058】
この図15に示す表示画面75は、位置座標表示部76、水平位置画像表示部77、鉛直位置画像表示部78、及びカメラ画像表示部79を有している。位置座標表示部76には、制御装置11の位置・姿勢記憶部38から読み込んだ水中検査装置9の絶対位置が表示される。また、水平位置画像表示部77には、構造物データ記憶部34から読み込んだ構造物の水平断面画像とともに水中検査装置9の水平位置を示すマーカが表示される。鉛直位置画像表示部78には、構造物データ記憶部34から読み込んだ構造物の鉛直断面画像とともに水中検査装置9の上下位置を示すマーカが表示される。カメラ画像表示部79には、カメラ15の画像が表示されるようになっている。なお、表示装置12は、図示しない他の表示画面に切り換えられるようになっており、位置・姿勢記憶部38から読み込んだ水中検査装置9の姿勢等も表示されるようになっている。
【0059】
以上のように構成された本実施形態においては、制御装置11は、水中検査装置9に設けられた圧力センサ18の検出結果に基づいて、水中検査装置9の上下位置を演算する。また、制御装置11は、水中検査装置9に設けられた慣性センサ部19の検出結果に基づいて、水中検査装置9の姿勢を演算する。そして、水中検査装置9の上下位置及び姿勢等に基づいてレンジセンサユニット23の検出方向面の位置を演算し、この検出方向面位置における構造物の断面形状及びその位置を構造物データから演算して、構造物断面データを生成する。また、レンジセンサユニット23の検出結果に基づいてレンジセンサユニット23の検出方向面における水中検査装置9の位置を基準とした構造物の表面の相対位置を演算して、検出断面データを生成する。そして、構造物断面データと検出断面データとをマッチングさせることにより、構造物の断面形状に対する水中検査装置9の相対位置を演算し、さらに構造物の断面形状の位置情報に基づいて水中検査装置9の水平位置を演算する。このような本実施形態においては、例えば水中検査装置9の変位を演算し、その変位を積算して絶対位置を演算するような従来技術と比べて、演算誤差を低減することができる。その結果、水中検査装置9の位置の検知精度を向上させることができる。
【0060】
また、本実施形態においては、水中検査装置9は、構造物との相対距離を検出する相対距離検出器として、投光部26及び受光部27を有するレーザセンサ23a,23bを備えたレンジセンサユニット23を設けているので、次のような効果を得ることができる。すなわち、例えば投光部及び受光部のうちのいずれか一方を水中検査装置側に設けて他方を構造物側に設けるような構成では、水中検査装置が狭隘部若しくは複雑な構造物が介在するような環境下に配置された場合に、水中検査装置の位置を検知することが困難となる。これに対し本実施形態では、投光部26及び受光部27をともに水中検査装置9側に設けているので、狭隘部や複雑な構造物が存在する環境下に配置された場合でも、水中検査装置9の位置を検知することができる。
【0061】
なお、上記一実施形態においては、水中検査装置9の姿勢が変動する場合を想定しており、制御装置11の構造物断面演算部35は、圧力センサ18の検出結果に基づいて演算された水中検査装置9の上下位置及び慣性センサ部19の検出結果に基づいて演算された水中検査装置9の姿勢角等に基づいてレンジセンサユニット23の検査方向面の位置を演算し、このレンジセンサユニット23の検査方向面位置における構造物の断面形状及びその位置を演算する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば水中検査装置9の姿勢が安定してほとんど変動しない場合、制御装置11の構造物断面演算部35は、圧力センサ18の検出結果に基づいて演算された水中検査装置9の上下位置のみに基づいてレンジセンサユニット23の検査方向面の位置を演算し、このレンジセンサユニット23の検査方向面位置における構造物の断面形状及びその位置を演算するようにしてもよい。このような場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0062】
また、上記一実施形態においては、相対距離検出器として、多数の方向にレーザを走査してその反射光を受光する走査型のレーザセンサ24a,24bを例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、走査型のレーザセンサに代えて、例えば予め固定された少なくとも3つの方向にレーザを投光してその反射光を受光するレーザセンサを設けてもよい。また、例えば超音波の反響の影響が少なければ、超音波を送信してその反射波を受信する超音波センサを設けてもよい。このような場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態による原子炉内検査システムの機器配置を一例として表す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態における水中検査装置の構成を表す概略図である。
【図3】本発明の一実施形態における水中検査装置のレンジセンサユニットの概略構造を表すX軸方向断面図である。
【図4】図3中断面IV−IVにおけるZ軸方向断面図である。
【図5】本発明の一実施形態における水中検査装置のレンジセンサユニットの測定動作を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態における制御装置の位置・姿勢演算機能に係わる構成を表す機能ブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態における制御装置の位置・姿勢演算機能に係わる制御処理内容を表すPAD図である。
【図8】図7中の姿勢角演算処理の詳細を表すPAD図である。
【図9】図7中の上下位置演算処理の詳細を表すPAD図である。
【図10】図7中の構造物断面演算処理の詳細を表すPAD図である。
【図11】構造物断面演算処理を説明するためのモデルを一例として表す図である。
【図12】図7中の検出断面演算処理の詳細を表すPAD図である。
【図13】図7中の水平位置演算処理の詳細を表すPAD図である。
【図14】画像相関処理を説明するための図である。
【図15】本発明の一実施形態における表示装置の表示画面を一例として表す図である。
【符号の説明】
【0064】
9 水中検査装置(水中移動体)
11 制御装置
18 圧力センサ(上下位置検出器)
19 慣性センサ部(姿勢角検出器)
20 3軸ジャイロ
21 傾斜計
22 地磁気センサ
23 レンジセンサユニット(相対距離検出器)
24a レーザセンサ
24b レーザセンサ
34 構造物データ記憶部(記憶手段)
35 構造物断面演算部(構造物断面演算手段)
36 検出断面演算部(検出断面演算手段)
37 水平位置演算部(水平位置演算手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元移動可能な水中移動体の位置を検知する水中移動体の位置検知装置において、
前記水中移動体に設けられ、前記水中移動体の上下位置を検出する上下位置検出器と、
前記水中移動体に設けられ、前記水中移動体の姿勢に対して定められたほぼ同一平面上の少なくとも3つの方向における前記水中移動体とその周囲の構造物との相対距離をそれぞれ検出する相対距離検出器と、
前記構造物の3次元形状及び位置に関するデータを記憶する記憶手段と、
前記上下位置検出器で検出された前記水中移動体の上下位置に基づいて前記相対距離検出器の検出方向面の位置を演算し、前記相対距離検出器の検出方向面位置における前記構造物の断面形状及びその位置を前記記憶手段で記憶された前記構造物のデータから演算する構造物断面演算手段と、
前記構造物断面演算手段で演算された前記構造物の断面形状に対する前記水中移動体の相対位置を前記相対距離検出器の検出結果に基づいて演算し、さらに前記構造物の断面形状の位置情報に基づいて前記水中移動体の水平位置を演算する水平位置演算手段とを備えたことを特徴とする水中移動体の位置検知装置。
【請求項2】
3次元移動可能な水中移動体の位置を検知する水中移動体の位置検知装置において、
前記水中移動体に設けられ、前記水中移動体の上下位置を検出する上下位置検出器と、
前記水中移動体に設けられ、前記水中移動体の姿勢角を検出する姿勢角検出器と、
前記水中移動体に設けられ、前記水中移動体の姿勢に対して定められたほぼ同一平面上の少なくとも3つの方向における前記水中移動体とその周囲の構造物との相対距離をそれぞれ検出する相対距離検出器と、
前記構造物の3次元形状及び位置に関するデータを記憶する記憶手段と、
前記上下位置検出器及び前記姿勢角検出器で検出された前記水中移動体の上下位置及び姿勢角に基づいて前記相対距離検出器の検出方向面の位置を演算し、前記相対距離検出器の検出方向面位置における前記構造物の断面形状及びその位置を前記記憶手段で記憶された前記構造物のデータから演算する構造物断面演算手段と、
前記構造物断面演算手段で演算された前記構造物の断面形状に対する前記水中移動体の相対位置を前記相対距離検出器の検出結果に基づいて演算し、さらに前記構造物の断面形状の位置情報に基づいて前記水中移動体の水平位置を演算する水平位置演算手段とを備えたことを特徴とする水中移動体の位置検知装置。
【請求項3】
請求項2記載の水中移動体の位置検知装置において、前記構造物断面演算手段は、最初は、前記上下位置検出器及び前記姿勢角検出器で検出された前記水中移動体の上下位置及び姿勢角並びに予め入力された前記水中移動体の水平位置の初期値に基づいて前記相対距離検出器の検出方向面の位置を演算し、前記水平位置演算手段で前記水中移動体の水平位置が演算された以降は、前記上下位置検出器及び前記姿勢角検出器で検出された前記水中移動体の上下位置及び姿勢角並びに前記水平位置演算手段で演算された前記水中移動体の水平位置の前回演算値に基づいて前記相対距離検出器の検出方向面の位置を演算することを特徴とする水中移動体の位置検知装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載の水中移動体の位置検知装置において、前記相対距離検出器の検出結果に基づいて前記相対距離検出器の検出方向面における前記水中移動体の位置を基準とした前記構造物の表面の相対位置を演算する検出断面演算手段をさらに備え、前記水平位置演算手段は、前記検出断面演算手段で演算された前記構造物の表面の相対位置と前記構造物断面演算手段で演算された前記構造物の断面形状とをマッチングさせることにより、前記構造物断面演算手段で演算された前記構造物の断面形状に対する前記水中移動体の相対位置を演算することを特徴とする水中移動体の位置検知装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の水中移動体の位置検知装置において、前記上下位置検出器は、前記水中移動体の深度を検出する圧力センサであることを特徴とする水中移動体の位置検知装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の水中移動体の位置検知装置において、前記相対距離検出器は、多数の方向にレーザ光を走査するとともにその反射光を受光する走査型のレーザセンサであることを特徴とする水中移動体の位置検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−300265(P2009−300265A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155317(P2008−155317)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】