説明

水位検出電極ユニット及び水位検出装置

【課題】簡単な構成で、短時間での急激な増水時においてもポンプ井の水位の上昇を抑制し、地下設備の浸水や冠水を回避できる水位検出装置を提供する。
【解決手段】本実施形態の水位検出電極ユニットは、排水溝から流れ込む排水を貯えるポンプ井に設けられ、本体部と、基準電極棒と、水位検出電極棒と、分岐電極棒とを備える。基準電極棒は、基準となる電位が印加される。水位検出電極棒は、最高水位検出電極棒を有し、ポンプ井に貯えられた水を通して基準電極棒と導通することにより、ポンプ井の水位を検出する。分岐電極棒は、最高水位検出電極棒から分岐し、排水溝において予め設定されている危険水位に対応する位置へ挿入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、水位検出電極ユニット及び水位検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、降水時に不意に発生した浸水や地下水位の上昇により、地下建築体の亀裂などからの急激な水の流入(以下、急激な増水時とする)などによって排水溝に流入する排水は、ポンプ井に流れ込んで貯えられる。ポンプ井に貯えられた排水は、ポンプ井の底面に設けられた排水ポンプによって揚水されて外部へ排出される。その後、排水は河川などへ排出される。これにより、地下の電気設備などは、浸水や冠水から保護されている。
【0003】
ポンプ井には、水位検出装置が設けられている。ポンプ井に貯えられている水の水位は、水位検出装置による排水ポンプの自動運転により制御されている。例えば、ポンプ井の水位が上昇して、予め設定された起動水位になると、排水ポンプが起動する。その後、水位が低下して停止水位になると、排水ポンプが停止するようになっている(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−193584号公報
【特許文献2】特開2001−27183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した構成の水位検出装置では、急激な増水によって短時間に多量の排水がポンプ井内に流れ込むことで、起動水位に達した後に排水ポンプを起動して排水しても、ポンプ井が満水になるまでに水位の上昇を抑えることが不十分で、下水道や排水溝が満杯になったり、地下設備を浸水や冠水させたりするおそれがある。
そこで、簡単な構成で、短時間での急激な増水時においてもポンプ井の水位の上昇を抑制し、地下設備の浸水や冠水を回避できる水位検出電極ユニット及び水位検出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の水位検出電極ユニットは、排水溝から流れ込む排水を貯えるポンプ井に設けられ、当該ポンプ井に貯えられている水の水位を検出する。水位検出電極ユニットは、本体部と、基準電極棒と、水位検出電極棒と、分岐電極棒とを備える。基準電極棒は、前記本体部から突出し、基準となる電位が印加される。水位検出電極棒は、前記基準電極棒と平行に前記本体部から突出し、少なくとも前記ポンプ井における最も高い水位となる最高水位に対応する最高水位検出電極棒を有し、前記ポンプ井における水位に応じて前記本体部からの長さが設定され、前記ポンプ井に貯えられた水を通して前記基準電極棒と導通することにより、前記ポンプ井の水位を検出する。分岐電極棒は、前記最高水位検出電極棒から分岐し、前記最高水位検出電極棒と反対側の端部が前記ポンプ井に接続する前記排水溝において予め設定されている危険水位に対応する位置へ挿入可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態を示す水位検出装置を備えた排水システムの概略図
【図2】水位検出装置の周辺を拡大した概略図
【図3】第2の実施形態を示す図2相当図
【図4】第3の実施形態を示す図2相当図
【図5】第4の実施形態を示す図2相当図
【図6】第5の実施形態を示す図2相当図
【図7】第6の実施形態を示す図2相当図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、水位検出装置を適用した排水システムの複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態で共通する部位には同一の符号を付し、その説明を省略する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態の水位検出装置を備えた排水システムについて図1及び図2を参照して説明する。
図1に示すように、第1の実施形態の排水システム1は、水位検出装置2及び排水ポンプ3を備えている。水位検出装置2及び排水ポンプ3は、矩形箱状のポンプ井4内に収容される。急激な増水時の排水は、地下床面に深堀りされたポンプ井4に接続する排水溝5をポンプ井4へ向かって流れる。この排水は、矢印Aに示すように、排水溝5の出口である排水口6からポンプ井4内に流れ込む。そして、排水は、ポンプ井4内に蓄えられる。
【0009】
排水ポンプ3は、ポンプ井4の底部に固定されている。排水ポンプ3は、ポンプ井4の水位が所定の水位に達すると、ポンプ井4内に蓄えられた水を揚水して、吐出管7から外部へ排出する。その後、排水は河川などへ排出される。これにより、排水ポンプ3の駆動装置などの地下に設けられた電気設備は、浸水や冠水から保護される。
【0010】
ポンプ井4は、ポンプ井外郭8を構成する底部8aと、底部8aから上方へ立ち上がる壁部8bとに囲まれている。この壁部8bの上部には、排水口6が形成されている。排水溝5からの排水は、壁部8bに沿ってポンプ井4内に流れ込む。ポンプ井外郭8は、地下床面より低く深堀りされて、例えば、コンクリートなどにより箱状に形成される。
【0011】
水位検出装置2は、ポンプ井外郭8と、水位検出電極ユニット9とから構成されている。水位検出電極ユニット9は、ポンプ井外郭8に取り付けられている。水位検出装置2は、水位検出電極ユニット9をポンプ井4に装着することで簡単に使用できる。水位検出電極ユニット9は、本体部10、基準電極棒11、及び複数の水位検出電極棒12〜15を備える。基準電極棒11は、本体部10から突出している。また、水位検出電極棒12〜15も、基準電極棒11とほぼ平行に本体部10から突出している。これら基準電極棒11及び水位検出電極棒12〜15は、例えばステンレス鋼により形成されている。
【0012】
水位検出電極棒12〜15は、ポンプ井4における水位に応じて前記本体部10からの長さが設定されている。本実施形態では、水位LL、水位L、水位H、水位HHの4つの水位が設定されている。水位検出電極棒12は、排水ポンプ3の起動禁止用電極であり、起動禁止水位LLを検出する。水位検出電極棒13は、排水ポンプ3の停止用電極であり、停止水位Lを検出する。水位検出電極棒14は、排水ポンプ3の起動用電極であり、起動水位Hを検出する。水位検出電極棒15(最高水位検出電極棒)は、異常警報用電極であり、ポンプ井4における最も高い水位となる最高水位HHを検出する。
【0013】
また、基準電極棒11は、水位検出電極棒12〜15の共通電極棒であり、基準電極棒11の下端は、水位検出電極棒12〜15の下端より低く設定されている。基準電極棒11には、基準となる電位が印加される。上記した所定の水位に達して、液面が水位検出電極棒12〜15の先端部に接触すると、水位検出電極棒12〜15と基準電極棒11とが、ポンプ井4に貯えられた水を通して導通する。この導通によって、ポンプ井4の水位は検出される。
【0014】
分岐電極棒16は、最高水位検出電極棒15から分岐している。この分岐電極棒16の端部が、排水溝5に挿入される。排水溝5の底面から所定の高さHH´に、分岐電極棒16の端部は位置する。この高さHH´は、排水溝5へ流れ込む排水の流量が、排水ポンプ3の揚水排出能力を超過して、放置するとポンプ井4を満水させる可能性がある場合の危険水位として設定されている。
【0015】
また、水位検出装置2の本体部10には、当該水位検出装置2で検出したポンプ井4の水位に基づいて、前記排水ポンプ3の駆動を制御する図示しない制御装置が設けられている。水位検出装置2と排水ポンプ3は、電源ケーブル17によって接続される。この電源ケーブル17を介して、排水ポンプ3へ電力が供給される。制御装置は、排水ポンプ3を駆動制御し、排水システム1を制御及び監視するための図示しない監視盤に信号を送り出す。
【0016】
上記した水位検出装置2を備えた排水システム1において、降水時などに発生した排水が排水溝5へ流れ込み、続いて排水がポンプ井4内に流れ込むと、ポンプ井4の水位が上昇する。そして、図1及び図2に示す起動水位Hに達すると、水位検出電極棒14と基準電極棒11とはポンプ井4に貯えられた水を通して導通する。この導通によって、制御装置に起動水位Hを検出したことを示す検出信号が送られる。制御装置は、水位検出装置2から検出信号を受け取ると、排水ポンプ3を起動させる。
【0017】
水位の上昇速度が比較的遅いときには、排水ポンプ3が駆動されてポンプ井4内の水が吐出管7から外部へ排出されることに伴って、ポンプ井4の水位は低下していく。水位が低下していき、停止水位Lに達すると、水位検出電極棒13が停止水位Lを検出して、制御装置は排水ポンプ3を停止する。このように、通常は、矢印Bに示す範囲内で、排水ポンプ3の起動及び停止が繰り返される。これにより、ポンプ井4の水位は、自動制御される。
排水ポンプ3の冷却を図る目的や安全性の観点から、制御装置は、ポンプ井4の水位が停止水位Lより低下し、起動禁止水位LL未満であるとき、排水ポンプ3を起動させない。
【0018】
ところで、集中豪雨などのように短時間での急激な増水が予想されるとき、水位Hに達した後に排水ポンプ3を起動させても、水位が十分に低下せず、水位が上昇を続けるおそれがある。従来の排水システムの場合、最高水位HHに達すると、異常警報が発せられ、異常警報の知らせを受けた監視員が必要な処置を施すことになる。しかし、最高水位HHに達してから必要な処置を施しても、急激な水位の上昇に対応することができず、ポンプ井4から水が溢れ、地下設備を浸水や冠水させたりするおそれがある。
【0019】
そこで、本実施形態では、分岐電極棒16で排水溝5の水位を検出している。これにより、制御装置は、排水溝5の水位が危険水位HH´に達したことを検出すると、異常警報を発すると共に、排水ポンプ3を起動させる。急激な増水時のように想定水量をはるかに超える排水がポンプ井4に流れ込む場合、前記壁部8bに沿って排水が連続して流れ落ちるので、排水溝5の分岐電極棒16とポンプ井4の基準電極棒11とが導通し、危険水位HH´が検出される。これにより、ポンプ井4の水位が最高水位HHに達していなくても、排水溝5の水位が危険水位HH´に達すると、異常警報を発し、排水ポンプ3を起動すべき増水状態であることを検出することができる。
【0020】
このような本実施形態の水位検出装置2を備えた排水システム1によれば、集中豪雨などの短時間での急激な増水時に、ポンプ井4に流入する水量が増しポンプ井4が満水になるおそれのある場合、排水溝5の危険水位HH´を分岐電極棒16により検出している。これにより、異常警報を発すると共に、水位検出電極棒14が起動水位Hを検出していなくても、排水ポンプ3が起動する。そのため、早い段階でポンプ井4から外部へ排水することができ、ポンプ井4の水位の上昇を抑制することができる。その結果、地下設備の浸水や冠水を回避することができ、信頼性を向上させることができる。
【0021】
また、急激な増水時を想定して起動水位Hを低く設定しておく必要がない。そのため、起動水位Hと停止水位Lとの差を縮めることに伴う、排水ポンプ3が頻繁に起動及び停止を繰り返すことを防ぐことができる。
また、水位検出電極ユニット9をポンプ井4に装着するだけで、複雑な装置を必要とせず、簡単な構成で、コストを増大させることもなく、急激な増水時に対応できる水位検出装置2を使用することができる。
なお、ポンプ井4に施工スペースがあれば、分岐電極棒16を単独に配設して、危険水位HH´を検出するようにしても良い。
【0022】
[第2の実施形態]
図3に示すように、第2の実施形態においては、ポンプ井4の壁部8bに沿って板状の導電部材18が設けられている。導電部材18は、例えばステンレスやアルミニウムなどの導電性の部材から形成され、前記排水口6底端部の下方からポンプ井4の底部8aへ上下に延びている。
【0023】
排水溝5から排水がポンプ井4内へ流れ込むとき、導電部材18に沿って排水が流れ落ちる。導電部材18は、電気を通し易いので、排水溝5の水とポンプ井4内に貯えられた水との通電を補助する役割を果たす。
【0024】
これにより、急激な増水時に排水溝5からの排水の流れが途中で分散して、排水溝5の水とポンプ井4内に蓄えられた水との導通が十分に行われない場合でも、導電部材18を介して排水溝5の分岐電極棒16とポンプ井4の基準電極棒11が導通されるので、分岐電極棒16における危険水位HH´の検出を確実に行うことができる。
【0025】
[第3の実施形態]
図4に示すように、第3の実施形態においては、前記排水口6の底端部の下方に漏斗状の捕集部材19が設けられている。捕集部材19は、壁部8bに沿ってポンプ井4の底部8aまで上下に延びている。さらに、前記分岐電極棒16から捕集部材19の内側へ伸びる再分岐電極棒20が設けられている。再分岐電極棒20の下端は、最高水位検出電極棒15の下端より高く設定されている。
【0026】
捕集部材19は、排水口6から排出された水を捕集するためのものであり、例えば合成樹脂からなる。この捕集部材19は、上端開口部19aと下端開口部19bを有している。上端開口部19aは、排水口6の前記底部8a側に前記排水口6とは垂直に開口している。下端開口部19bは、上端開口部19aよりも前記底部8a側に位置して上端開口部19aよりも開口面積が小さく、上端開口部19aと平行に開口している。前記排水溝5からの排水を、上端開口部19aが受ける。そして、水の流れは、捕集部材19内を通ることで絞られ、下端開口部19bから連続的に流れ落ちる。急激な増水時には、この捕集部材19の上端開口部19aから下端開口部19bまでが満水となるように口径寸法が設定されている。
【0027】
これにより、排水溝5からの排水の流れが捕集部材19内を通るように誘導されて、下端開口部19bから流れを絞って排出することで、水の流れを連続的なものとすることができる。その結果、排水溝5の分岐電極棒16とポンプ井4の基準電極棒11との導通を確実にすることができる。さらに、急激な増水時には、捕集部材19が満水となっているので、再分岐電極棒20が基準電極棒11と導通する。これによって、水位検出電極棒14が起動水位Hを検出していなくても、排水ポンプ3を起動させて、ポンプ井4の水位の上昇を抑制し、早めにポンプ井4の排水を外部へ排出することができる。
【0028】
[第4の実施形態]
図5に示すように、第4の実施形態においては、前記捕集部材19の下部に流量調整弁21が設けられている。この流量調整弁21は、捕集部材19を経由してポンプ井4へ流入する水の流量を調整するためのものである。
【0029】
急激な増水時において、制御装置は、流量調整弁21の開度を制御して、捕集部材19内の水位を満水状態に維持する。すなわち、再分岐電極棒20が浸水する水位に制御される。これにより、分岐電極棒16及び再分岐電極棒20とポンプ井4の基準電極棒11との導通をより確実にすることができる。その結果、排水溝5の危険水位HH´の検出を確実に行うことができる。
なお、流量調整弁21は、制御装置の制御に依らないで、増水時の捕集部材19内の水位状況に合わせて、手操作するものであってもよい。
【0030】
[第5の実施形態]
図6に示すように、第5の実施形態においては、前記捕集部材19の上方に、上端開口部19aを挟んで前記排水口6と反対側に、案内壁22を有する筒状の堰23が設けられている。この案内壁22及び堰23は、排水口6から排出された水を上端開口部19aへ導くものである。堰23の形状は、上面及び下面が開口しており、排水口6端面に比べて案内壁22の高さが低く設定されている。
【0031】
急激な増水時に、排水溝5からの勢いのある排水の流れは、案内壁22に衝突し、捕集部材19の上端開口部19aへ導かれる。このとき、上端開口部19aへ流入しなかった排水は、案内壁22を乗り越えてポンプ井4へ流れ込むか、または堰23の下面から落下する。このように堰23は上面及び下面が開口しているので、排水の逆流が抑制される。
【0032】
このような案内壁22及び堰23によって、排水溝5からの排水を堰き止め調整し、排水は捕集部材19内に確実に誘導される。このため、分岐電極棒16及び再分岐電極棒20とポンプ井4の基準電極棒11との導通をより確実にすることができる。
【0033】
[第6の実施形態]
図7に示すように、第6の実施形態においては、前記捕集部材19の下端開口部19bに管部材である金属管24を接続している。金属管24は、例えばステンレスやアルミニウムなどの導電性の部材から形成され、上下に延びて、下端部がポンプ井4の底部8a近傍に位置している。
【0034】
排水溝5からの排水は、上端開口部19aから捕集部材19内に流れ込んで、金属管24内を通って、ポンプ井4の底部8aへと流れていく。これにより、上記した捕集部材19の効果に加えて、金属管24の導電性が活かされるので、分岐電極棒16及び再分岐電極棒20とポンプ井4の基準電極棒11との導通をより一層確実にすることができる。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態を主に地下設置のポンプ井について説明したが、地下1階設置のポンプ井でも同様であるように、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
例えば、水位検出電極棒は4本としたが、用途に応じて本数を適宜変更させても良い。
また、捕集部材19は、漏斗状のものではなく、筒状のものでも良く、開口部は円形ではなく、例えば四角形でも良い。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
図面中、1は排水システム、2は水位検出装置、3は排水ポンプ、4はポンプ井、5は排水溝、6は排水口、8はポンプ井外郭、8aは底部、8bは壁部、9は水位検出電極ユニット、10は本体部、11は基準電極棒、12〜14は水位検出電極棒、15は最高水位検出電極棒、16は分岐電極棒、18は導電部材、19は捕集部材、19aは上端開口部、19bは下端開口部、20は再分岐電極棒、21は流量調整弁、22は案内壁、24は金属管(管部材)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水溝から流れ込む排水を貯えるポンプ井に設けられ、当該ポンプ井に貯えられている水の水位を検出する水位検出電極ユニットにおいて、
本体部と、
前記本体部から突出し、基準となる電位が印加される基準電極棒と、
前記基準電極棒と平行に前記本体部から突出し、少なくとも前記ポンプ井における最も高い水位となる最高水位に対応する最高水位検出電極棒を有し、前記ポンプ井における水位に応じて前記本体部からの長さが設定され、前記ポンプ井に貯えられた水を通して前記基準電極棒と導通することにより、前記ポンプ井の水位を検出する水位検出電極棒と、
前記最高水位検出電極棒から分岐し、前記最高水位検出電極棒と反対側の端部が前記ポンプ井に接続する前記排水溝において予め設定されている危険水位に対応する位置へ挿入可能な分岐電極棒と、
を備える水位検出電極ユニット。
【請求項2】
底部、および前記底部から上方へ立ち上がり前記排水溝の前記ポンプ井側の端部である
排水口を形成する壁部を有し、前記底部と前記壁部とに囲まれている前記ポンプ井を形成するポンプ井外郭と、
前記ポンプ井外郭に取り付けられている請求項1記載の水位検出電極ユニットと、
前記排水口の前記底部側の端部から前記底部へ前記壁部に沿って設けられている導電部材と、
を備える水位検出装置。
【請求項3】
前記排水口の前記底部側に前記排水口とは垂直に開口する上端開口部、および前記上端開口部よりも前記底部側に前記上端開口部と平行に開口し前記上端開口部よりも開口面積が小さな下端開口部を有する漏斗状に形成され、前記排水口から排出された水を捕集する捕集部材と、
前記分岐電極棒から前記捕集部材の内側へ伸びる再分極電極棒と、
をさらに備える請求項2記載の水位検出装置。
【請求項4】
前記捕集部材に設けられ、前記捕集部材を経由して前記ポンプ井へ流入する水の流量を調整する流量調整弁をさらに備える請求項3記載の水位検出装置。
【請求項5】
前記捕集部材の上方において、前記上端開口部を挟んで前記排水口と反対側に設けられ、前記排水口から排出された水を前記上端開口部へ導く案内壁をさらに備える請求項3または4記載の水位検出装置。
【請求項6】
前記捕集部材の前記下端開口部に接続し、前記下端開口部と反対側の端部が前記底部近傍に位置する導電性の管部材をさらに備える請求項5記載の水位検出装置。
【請求項7】
請求項2から請求項6のいずれか一項記載の水位検出装置と、
前記ポンプ井に収容されている排水ポンプと、
前記水位検出装置で検出した前記ポンプ井の水位に基づいて前記排水ポンプの駆動を制御する制御装置と、
を備える排水システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−21907(P2012−21907A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160621(P2010−160621)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】