説明

水位検知装置及び加熱調理器

【課題】水タンクの水位を精度良く測定することを可能にした水位検出装置及びそれを備えた加熱調理器を提供する。
【解決手段】液体の有無によって光の反射量及び透過量が変化する反射透過部72を備えた水タンク7のうち、反射透過部72に向けて光を発光する発光手段21、及び反射透過部72を通して受光し、光量に応じた信号を生成して出力する受光手段22を備えた水位検知手段8と、水位検知手段8と水タンク7との間に設けられ、光を透過する窓部材33、34とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水タンク内の水位を検出する水位検知装置及びこの水位検知装置を備えた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タンク内の水位を検出する水位検知装置として、例えば「インクタンクのプリズム20は液室に液体が存在しないときには外部から入射した光を外部へ反射するが、液室に液体が存在する場合は外部から入射した光を外部へ反射しない機能を有し、かつ、一辺40mmの正方形断面をもち厚さ1.7mmの直方体の光学特性をJIS K7136に従った規格で測定したときに全光線透過率が80%以上でありヘイズ値は75%以上85%以下であることと同等の光学特性を有する。」というものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−41183号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1において提案されている水位検知装置は、その用途が印刷機のインク残量を検知するためのものであり、インクの枯渇を検知できれば良く、1つの容器に対して複数の水位検知装置を設ける必要が無い。
一方、炊飯器で発生する蒸気を水タンクに導いて冷却水中に放散させることで復水させるようにしたものに適用される水位検知装置においては、蒸気冷却に不可欠な水量の初期水位と容量を超える前の満水位などの複数の水位を検知する必要があり、上記の特許文献1の水位検知装置をそのまま適用することができなかった。また、水位検知装置は、炊飯器内に配置されるため、温度は60℃まで上昇すると共に炊飯蒸気による多湿環境でもあり、そして、水タンクは取り外し可能で蒸気冷却用の水の補充と廃棄が繰り返されることから、水タンクの状態(設置状態、汚れ、劣化等)にバラツキが生じていた。このような状況において、水タンクの水位を精度良く測定するための機構、特に発光素子及び受光素子の取付け構造に関連した部分について計測精度を向上させるための構造の開発が望まれていた。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、水タンクの水位を精度良く測定することを可能にした水位検知装置及びそれを備えた加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る水位検知装置は、液体の有無によって光の反射量及び透過量が変化する反射透過部を備えたタンクのうち、前記反射透過部に向けて光を発光する発光手段、及び前記反射透過部を通して受光し、光量に応じた信号を生成して出力する受光手段を備えた水位検知手段と、前記水位検知手段からの信号に基づいて水タンクに貯留されている水の水位を判定する水位判定部と、前記水位検知手段と前記水タンクとの間に設けられ、光を透過する窓部材とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、窓部材により、発光手段からの光と受光手段に入力する光とをそれぞれ案内し、所謂迷光を低減させることができる。このため、水タンクの水位を精度良く測定することを可能になっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器100の内部構成を側面から見た状態を示す側面図である。
この加熱調理器100は、被加熱物(米や水等)を入れた内鍋を誘導加熱コイル等の加熱手段で加熱することで被加熱物を炊きあげ、そのとき発生する蒸気を水槽で回収する。なお、図1を含めて以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0009】
加熱調理器100は、上面が蓋体3に開閉自在に覆われ、炊飯釜2及び水タンク7が着脱自在に収納される本体1と、調理される被加熱物が入れられ、本体1の内部に着脱自在に収納される炊飯釜2と、本体1の後方上部に軸支されたヒンジ部(図示省略)を介して本体1の上面を開閉自在に覆う蓋体3と、蓋体3の内側に着脱自在に取り付けられ、炊飯釜2の上部開口部を開閉自在に覆う内蓋4と、炊飯釜2を加熱する誘導加熱コイル等の加熱体5と、所定量の水が貯留され、蒸気を冷却して復水することで蒸気を回収する水タンク7と、炊飯釜2と水タンク7とを連結し、蒸気を導通させる蒸気パイプ6とから構成されている。
【0010】
本体1は、上面が開口形成されており、内部に炊飯釜2及び水タンク7の他に加熱体5も収納する。炊飯釜2は、上面が開口形成されており、この開口部が内蓋4で覆われることで内部が密閉状態になる。蓋体3は、ユーザにより開閉スイッチ等(図示省略)が操作されることで、本体1の上面を開閉自在に覆う。また、蓋体3には、蒸気パイプ6が着脱自在に装着されるようになっている。内蓋4は、調理時に炊飯釜2の上部開口部を閉塞し、炊飯釜2の内部を密閉する。加熱体5は、炊飯釜2の底面側に配設されており、通電制御されることで炊飯釜2を加熱して調理したり保温したりするものである。
【0011】
蒸気パイプ6は、一端(紙面右側端部)が内蓋4の略中央部に、他端(紙面左側端部)が水タンク7の内部に挿入されている蒸気導入パイプ13に接続されており、炊飯釜2と水タンク7とを連結している。水タンク7は、内部に所定量の水が貯留され、蒸気パイプ6を介して流通した蒸気を冷却して回収するものである。この水タンク7は、炊飯釜2が収納されている位置の脇に収納されるようになっている。また、水タンク7は、上面が開口形成されており、この開口部を着脱自在に覆うタンク蓋12を有している。さらに、タンク蓋12には、蒸気導入パイプ13が貫通するように固着されている。
【0012】
蒸気導入パイプ13は、タンク蓋12が水タンク7に装着された状態において、一端(上端)が蒸気パイプ6に着脱自在に接続され、他端(下端)が水タンク7内部下側に位置するようになっている。つまり、蓋体3が開けられたとき蒸気パイプ6が蒸気導入パイプ13から離れ、蓋体3が閉じられたときに蒸気パイプ6が蒸気導入パイプ13に接続されるようになっている。蒸気パイプ6及び蒸気導入パイプ13は、炊飯時に発生した蒸気を水タンク7内に導く蒸気案内路として機能するものであり、水タンク7は、蒸気導入パイプ13を介して流入した蒸気を水で結露させ、回収水9として貯留するものであり、これらで蒸気回収装置を構成している。
【0013】
また、本体1内には、水タンク7の水位を判定するとともに加熱体5の通電制御を行う判定制御手段11と、水タンク7内に貯留されている回収水9の水位を検知する水位検知手段(水位検知センサ)8とが設けられている。判定制御手段11は、本体1の底面であって、加熱体5の下側に配置され、水位検知手段8から出力される信号に基づいて加熱体5への通電を制御するものである。水位検知手段8は、水タンク7の側面に対向して設けられており、水タンク7の回収水9の水位が予め設定されている水位以上であるかどうかを検知するものである。この水位検知手段8は、その出力信号を判定制御手段11に出力し、判定制御手段11は水位検知手段8の出力に基づいて回収水9の水位が或る設定された水位に達しているかどうかを判定する。このように水位検知手段8及び判定制御手段11は本発明の水位検知装置20を構成しており、その詳細を図2に基づいて説明する。
【0014】
図2は水位検知装置20の構成を示したブロック図である。
この水位検知装置20は、上記のように水位検知手段8及び判定制御手段11から構成されている。水位検知手段8は、水タンク7を介して発光及び受光する発光手段21及び受光手段22を備えておいる(この両者の配置の詳細は図3等において詳細に説明する)。なお、本実施の形態において、発光手段21及び受光手段22は、発光素子と受光素子の組が、高さ方向に3組設けられている(図1参照)。
また、判定制御手段11は、水位検知装置20の構成として、受光手段22の出力を増幅する増幅器23と、増幅器23の出力を信号処理する制御・信号処理回路24とを備えている。この制御・信号処理回路24は、本発明の水位判定手段に相当するものであり、例えばマイコン等によって構成される。
また、この水位検知装置20は、更に、制御・信号処理回路24により演算結果を表示する表示機25を備えている。この表示機25は、例えばランプや液晶ディスプレイから構成されており、蓋体3のように水タンク7よりも上方に位置する部位に設置され、水タンク7を出し入れした際に水が零れるようなことがあってもその水がかからないようにしてある。
【0015】
このような構成の水位検知装置20において、制御・信号処理回路24は、発光手段21に対して発光指令信号を供給するとともに、受光手段22に対して受光命令信号を出力する。これによって、発光手段21は発光し、受光手段22は水タンク7を介して受光する。発光手段21及び受光手段22が設置されている部位に対応した位置に水タンク7に回収水がある場合とない場合とでは、受光手段22の受光量は異なったものとなる(水がある場合には受光量小、水がない場合には受光量大)。受光手段22の出力は、増幅器23で増幅された後に制御・信号処理回路24に供給される。制御・信号処理回路24は、増幅器23からの信号が所定の水位レベルに相当するものであるかどうかを判定し、例えばその判定した水位に応じて炊飯の停止、回収水9の排水を促すメッセージを表示機25に表示させてユーザーに報知する。なお、ユーザーに対する報知は、例えば音声発生手段を設けて音声によって行うようにしてもよい。
【0016】
次に、上記の水位検知手段8の取付け構造について説明する。
【0017】
図3は、水タンク7と水位検知手段8との関係を示した説明図であり(但し、同図においては、発光素子と受光素子の組が1組だけ図示されており、また本体1の筐体部分の図示は省略されている)、図4はその横断面図である。
水タンク7は、光を透過する材料(例えばポリスチレン等)から構成されており、その側面(水タンク7の長手方向の側面の本体1側の側面)の一部には凹部71が形成されている。凹部71は、水タンク7の高さ方向に沿って所定の深さとなるように構成されており(例えば平面視で台形)、2つの屈曲部(入射面、出射面)71a、71bと、それを結ぶ伝達部71cとを備えている。この凹部71は本発明の反射透過部72として機能する。なお、反射透過部72は上記の形態に限定されるものではなく、例えば平面視で3角形状であってもよい。
水タンク7は、このように構成されており、水タンク7の外側の屈曲部71aに投光した際に、水タンク7の内側において水の有無による(水と空気の)屈折率の違いを利用して光が反射又は透過して光路が変化するよう形成されており、水がない場合には屈曲部71a、71bから反射光が得られる。この凹部71の形状の一例として、タンク厚2.0mm、屈曲部角度45°(内側)、10°(外側)、伝達部距離20mm、伝達部厚さ3.0mmで構成する。
【0018】
水タンク7の凹部71に対向し、且つ測定水位に対応する位置に、水位検知手段8が配置されている。水位検知手段8は、発光素子21a及び受光素子22aが基板31に取り付けられている。発光素子21aは例えば赤外光を発し、受光素子22aはその波長に対応した感度を有し、水タンク7を経由した赤外光を受光する。
水位検知手段8(発光素子21a及び受光素子22a)と水タンク7との間に介在する本体1の筐体1aには、窓部材33、34が設けられている。この窓部材33、34は、例えば発光素子21aおよび受光素子22aの水位検知に用いる光(赤外線)の波長帯域において光を80%以上透過し、それ以外の波長、特に可視光域の波長帯域において光の透過率を20%以下とした部材が用いられる。このような窓部材33、34を用いることにより、使用者から本体1内部に設置した水位検知手段8が見えず意匠性を高められる。
【0019】
次に、図4に基づいて水位検知手段8及び水タンク7における光の反射及び透過について説明する。
発光素子21aは制御・信号処理回路24からの発光命令信号を受信すると、赤外光を発し、それは屈曲部71aに入射し、水タンク7内の検出水位に回収水9がないときには、屈曲部71aの内面で反射して伝達部71cを介して屈曲部71bに到達し、屈曲部71bの内面で反射して屈曲部71bから外に出る。その屈曲部71bからの赤外光を受光素子22aが受光し、受光素子22aの出力は増幅器23を介して制御・信号処理回路24に送信される。このときの受光素子22aの受光量は大であり、それによって回収水9がその検出水位に達していないことが把握される。また、水タンク7内の検出水位に回収水9があるときには、発光素子21aからの赤外光は、屈曲部71a、71bで透過し、受光素子22aの受光量は少なく、それによって回収水9がその検出水位に達していることが把握される。
【0020】
以上のように本実施の形態1においては、発光手段21及び受光手段22を備えた水位検知手段8が基板31に取り付けられるので、発光手段21と受光手段22との相対位置を精度良く位置決めすることができる。また、水位検知手段8が基板31に取り付けられているので、筐体等に取り付けるに際してもその取付け位置を精度良く位置決めすることができる。このため、水タンクの水位を精度良く測定することを可能になっている。また、複数の水位を検知する際にも、発光手段21及び受光手段22の組を複数簡単に設けることができる。
また、水位検知手段8と水タンク7との間に介在する本体1の筐体1aに、窓部材33、34を設け、この窓部材33、34は水位検知に用いる光の波長帯域の透過率と可視光域の波長帯域の透過率との対比において、前者の透過率が後者の透過率よりも大である部材を用いたので、ユーザーから本体1内部に設置した水位検知手段8が見えず意匠性が高められている。
【0021】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2に係る水位検知装置の構成図である。上記の図4の構成との関連では支持具35を設けたことに特徴がある。
この支持具35は、筐体1aと水位検知手段8との間に介在し、水位検知手段8を支持して筐体1aに取り付けるものである。支持具35には、発光素子21a及び受光素子22aに対向する位置に、本発明の光路として機能する開口部36a、37aが形成されている。開口部36a、37aは円錐台の形状をなしており、円錐台の直径が大の方は例えば発光素子21a及び受光素子22aをそれぞれ覆う程度の大きさであり、筐体1a側に行くに従って小さくなるように形成されている。そして、開口部36a、37aの内壁や、窓部材33、34の周辺には、カーボンブラックなどの炭素材料からなる、光を吸収する部材や塗料を塗布する。以下の説明においては、塗料を塗布する例について説明し、それを光吸収塗膜51と称するものとする。このように光吸収塗膜51を開口部36a、37aの内壁や、窓部材33、34の周辺に設けることにより、光路周辺の部材の検知のため以外の光が当たる箇所での反射光を抑制して迷光を低減し、誤検知を低減している。
【0022】
本実施の形態2においては、上記のように、水位検知手段8を支持具33を介して筐体1aに取り付けるようにしたので、水位検知手段8と水タンク7及び筐体1aとの位置決めが高精度になされる。また、水位検知手段8の発光素子21aからの赤外光は、支持具33の開口部36aを介して水タンク7側に出射され、水タンク7側からの反射光は支持具35の開口部37aを介して受光素子22aに入射し、発光素子21a及び受光素子22aの各素子の光が光路として機能する開口部36a、37aにより案内されるので、所謂迷光が低減し、受光素子22aの検知精度が向上する。また、光路周辺の部材の検知のため以外に光が当たる箇所に光吸収塗膜51を形成するようにしたので、反射光が抑制されて迷光が低減し、受光素子22aの検知精度が向上し、水位検知装置20の水位検知精度が向上する。
【0023】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3に係る水位検知手段の構成図である。上記の図4の構成との関連では、円筒形状からなる支持具38a、39aを設けたことに特徴がある。
この支持具38a、39aは、筐体1aと水位検知手段8との間に介在して水位検知手段8を筐体1aに取り付けるものであり、発光素子21a及び受光素子22aに対向する位置に配置される。支持具38a、39aは、光透過性の部材から構成されており、その側面を鏡面に形成し、又はその側面に支持具本体よりも低い屈折率の塗料等からなる膜52を形成することにより、素子側方への光を前方へ反射するようにしている。
【0024】
本実施の形態3においては、上記のように、水位検知手段8は基板31に取り付けられるとともに、支持具38a、39aを介して筐体1aに取り付けるようにしており、上述の実施の形態と同様に水位検知手段8と水タンク7及び筐体1aとの位置決めが高精度になされる。また、水位検知手段8の発光素子21aからの赤外光は、光路として機能する支持具38aを介して水タンク7側に出射し、水タンク7側からの反射光は光路として機能する支持具39aを介して受光素子22aに入射しており、所謂迷光が低減し、受光素子22aの検知精度が向上する。また、支持具38a、39aの上記の構成(鏡面、膜52)により発光素子21a及び受光素子22aの各素子側方への光を前方へ反射するようにしており、出力が上昇することにより受光素子22aの検知精度が向上し、水位検知装置20の水位検知精度が向上する。
【0025】
実施の形態4.
図7は、本発明の実施の形態4に係る水位検知手段の構成図である。上記の図5の構成との関連では、筐体1a及び支持具33に両者を係合して位置決めする機構を設けたことに特徴がある。ここでは、筐体1aに凸部41が形成され、支持具33に凹部42が形成されている(なお、凹凸はその逆でもよい。)。
【0026】
本実施の形態4においては、筐体1aに凸部41に支持具33の凹部42をはめ込んで位置決めして、支持具35を筐体1aに取り付けるようにすることができるので、製造時の取付けのバラツキを抑制することができ、取付けの精度を向上させることができる。なお、支持具35と水位検知手段8とは両者を予め組み立てておいてから筐体1aに取り付けるようにしてもよいし、或いは、支持具35を筐体1aに取り付けてから水位検知手段8を取り付けるようにしてもよい。
また、支持具35と水位検知手段8とを位置決めするための構造は、上記の例に限定されるものではなく、両者が係合するような機構であれば他の形態であってもよい。
【0027】
実施の形態5.
図8は、本発明の実施の形態5に係る水位検知手段の構成図である。上記の図4の構成との関連では有底の筒状の支持具45を設けたことに特徴がある。
この支持具45は、有底の筒状の形状からなり、その上縁には取付け用のフランジが設けられており、その内側の底部に発光素子21a又は受光素子22aが取り付けられる。そして、支持具45は基板31に発光素子21a又は受光素子22aが取り付けられた状態で基板31に取り付けられている。
【0028】
本実施の形態5においては、発光素子21a又は受光素子22aがそれぞれ支持具45及び基板31に取り付けられており、このため、水位検知手段8と水タンク7及び筐体1aとの位置決めが高精度になされる。また、水位検知手段8の発光素子21aからの赤外光は、一方の筒状の支持具45を介して水タンク7側に出射し、水タンク7側からの反射光は他方の筒状の支持具45を介して受光素子22aに入射するので、発光素子21a及び受光素子22aの各素子側面の光が遮断されることにより有効な範囲が制限され、光の回り込みを遮断することができる。このため、受光素子22aの検知精度が向上し、水位検知装置20の水位検知精度が向上する。
【0029】
実施の形態6.
図9(a)(b)(c)は、本発明の実施の形態6に係る加熱調理器の透過斜視図(一部の構成は省略)、蓋体3を外した状態の斜視図、本体1から水タンク7を外した状態の透過斜視図である。
本実施の形態6においては、本体1の水タンク7側の側部には、凸部46が形成されており、凸部46の上面側には、蓋体3を係合する(ラッチする)ための上蓋止め具47が設けられており、蓋体3に設けられた係合部材(図示せず)と上蓋止め具47とが係合して蓋体3が本体1にロックされる。また、上蓋止め具47の下側には上記の実施の形態の水位検知手段8が収納されており、凸部46の筐体1aには上記の実施の形態の窓部材33,34が取り付けられている。そして、水タンク7には水位検知のための凹部71が窓部材33、34に対向した位置に設けられている。
【0030】
本実施の形態6においては、上記のように、上蓋止め具47が設けられた凸部46内に水位検知手段8を収納するようにしており、水タンク7についてもそれに対応する位置に水位検知のための凹部71が形成されており、このため、水タンク7の凹凸の個数が減少し、清掃性が向上して衛生性と快適な使用感が高められる。また、水タンク7の形状が簡易的になっているので生産性及びユーザーの取扱い性が向上する。また、水タンク7に設けられた反射透過部72を構成する凹部71が、図示のように水タンク7の幅方向の中間位置に形成されているので、例えば水タンク7の設置状態が多少斜めになっていたとしても、その水位は大きく変動せず、水タンクの水位を精度良く測定することが可能になっている。
【0031】
なお、本発明は上記の実施の形態1〜実施の形態6に限定されるものでなく、これらの実施の形態を適宜組み合わせても水位検知装置又は加熱調理器を構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の内部構成を側面から見た状態を示す側面図である。
【図2】水位検知装置の構成を示したブロック図である。
【図3】水タンクと水位検知手段との関係を示した説明図である。
【図4】図3の横断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る水位検知手段の構成図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る水位検知手段の構成図である。
【図7】本発明の実施の形態4に係る水位検知手段の構成図である。
【図8】本発明の実施の形態5に係る水位検知手段の構成図である。
【図9】(a)(b)(c)は、本発明の実施の形態6に係る加熱調理器の透過斜視図)、蓋体を外した状態の斜視図、本体から水タンク7を外した状態の透過斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1 本体、 1a 筐体、 2 炊飯釜、 3 蓋体、 4 内蓋、 5 加熱体、 6 蒸気パイプ、 7 水タンク、8 水位検知手段、 9 回収水、11 判定制御手段、12 タンク蓋、13 蒸気導入パイプ、20 水位検知装置、21 発光手段、21a 発光素子、22 受光手段、22a 受光素子、 23 増幅器、24 制御・信号処理回路、25 表示機、31 基板、33、34 窓部材、35 支持具、36a、37a 開口部、38a、39a 支持具、41 凸部、42 凹部、45 支持具、46 凸部、47 上蓋止め具、51 光吸収膜、52 膜、71 凹部、 71a 屈曲部、71b 屈曲部、71c 伝達部、72 反射透過部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の有無によって光の反射量及び透過量が変化する反射透過部を備えたタンクのうち、前記反射透過部に向けて光を発光する発光手段、及び前記反射透過部を通して受光し、光量に応じた信号を生成して出力する受光手段を備えた水位検知手段と、
前記水位検知手段からの信号に基づいて水タンクに貯留されている水の水位を判定する水位判定部と、
前記水位検知手段と前記水タンクとの間に設けられ、光を透過する窓部材と
を備えたことを特徴とする水位検知装置。
【請求項2】
前記窓部材は、光の検知に用いる波長帯域の透過率が、可視光域の波長帯域の透過率よりも大である部材を用いたことを特徴とする請求項1記載の水位検知装置。
【請求項3】
液体の有無によって光の反射量及び透過量が変化する反射透過部を備えた水タンクのうち、前記反射透過部に向けて光を発光する発光手段、及び前記反射透過部を通して受光し、光量に応じた信号を生成して出力する受光手段を備えた水位検知手段と、
前記水位検知手段を支持し、前記発光手段からの光と前記受光手段に入力する光とをそれぞれ案内する光路を備えた支持具と、
前記水位検知手段からの信号に基づいて水タンクに貯留されている水の水位を判定する水位判定手段と
を備えたことを特徴とする水位検知装置。
【請求項4】
前記支持具を取り付けるための筐体に、前記発光手段及び前記受光手段にそれぞれ対向して設けられ、光を透過する窓部材を設けたことを特徴とする請求項3記載の水位検知装置。
【請求項5】
前記窓部材の周囲に光吸収部材を配置したことを特徴とする請求項4記載の水位検知装置。
【請求項6】
前記支持具は、前記発光手段及び前記受光手段にそれぞれ対向した位置に開口部が形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の水位検知装置。
【請求項7】
前記支持具の開口部は、前記水タンク側に行くに従って直径が小さくなる円錐台形状をしていることを特徴とする請求項6記載の水位検知装置。
【請求項8】
前記開口部の内壁に光吸収部材を配置したことを特徴とする請求項6又は7記載の水位検知装置。
【請求項9】
前記支持具は、柱状の透過部材から構成され、前記発光手段及び前記受光手段にそれぞれ対向して配置されることを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の水位検知装置。
【請求項10】
前記支持具の周囲を鏡面仕上げし、又は、前記支持具の周囲に当該支持具よりも屈折率が小さい部材からなる膜を形成したことを特徴とする請求項9記載の水位検知装置。
【請求項11】
前記支持具は、複数の有底の筒状部材から構成され、その底部に前記発光手段及び前記受光手段がそれぞれ配置されることを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の水位検知装置。
【請求項12】
筐体に形成された第1の位置決め手段と、前記支持具に形成された第2の位置決め手段とを備え、前記第1の位置決め手段と前記第2の位置決め手段とを係合して筐体に対して前記支持具を位置決めすることを特徴とする請求項3〜11の何れかに記載の水位検知装置。
【請求項13】
前記水位検知手段を基板に取り付けたことを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の水位検知装置。
【請求項14】
前記発光手段は、赤外光を発光し、
前記窓部材は、前記赤外光の透過率と可視光の透過率との対比では前記赤外光の透過率が大なる部材を用いたことを特徴とする請求項1、2、4又は5記載の水位検知装置。
【請求項15】
請求項1〜請求項14の何れかに記載の水位検知装置を備えたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項16】
炊飯釜を収納した本体と、
前記本体を開閉自在に覆う蓋体と、
液体の有無によって光の反射量及び透過量が変化する反射透過部を備え、前記本体に着脱自在取り付けられる水タンクと、
前記本体側で発生した蒸気を前記水タンクに導いて復水させる蒸気導入手段と、
請求項1、2、4又は5記載の水位検知装置と
を備え、
前記本体の側部に凸部を形成し、該凸部の上面に蓋体を閉じるための蓋止具を形成し、
前記凸部に少なくとも前記水位検知手段を収納し、前記凸部の側部に前記窓部材を配置し、
前記水タンクに前記反射透過部として機能する凹部を形成した
ことを特徴とする加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−44014(P2010−44014A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209741(P2008−209741)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】