説明

水処理方法および水処理装置

【課題】生物処理における微生物の馴養期間を短縮し、生物処理の後段に凝集処理を行う場合に凝集処理水の水質を高くすることができる水処理方法を提供する。
【解決手段】アルコールを含有する原水の生物処理において、生物処理に用いる微生物の馴養期間中に、被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように硫酸塩を添加する水処理方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコールを含有する原水の水処理方法および水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子産業工場等から排出されるアルコールを含有する原水を処理する場合、通常、生物処理の後に凝集処理が行われている。生物処理において微生物を反応の環境に順応させるために馴養を行うが、その際、pH調整剤およびミネラルとして硫酸イオンを添加する場合がある。また、凝集処理において、凝集補助剤として硫酸イオンを添加する場合がある。
【0003】
微生物の馴養において硫酸イオンを添加しない、または硫酸イオンの添加量が少ないと生物の馴養に例えば一ヶ月以上必要な場合があった。また、生物処理装置を停止して装置を再び立ち上げる場合にも生物の馴養に例えば一週間以上必要な場合があった。硫酸イオンの添加量が多いと生物処理の後段の凝集処理において、汚泥の沈降性が悪化し、凝集処理水の水質が悪化する場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−207066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、生物処理における微生物の馴養期間を短縮し、生物処理の後段に凝集処理を行う場合に凝集処理水の水質を高くすることができる水処理方法および水処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、アルコールを含有する原水の生物処理において、前記生物処理に用いる微生物の馴養期間中に、被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように硫酸塩を添加する水処理方法である。
【0007】
また、前記水処理方法において、前記原水中のTOC(全有機炭素)濃度と生物処理後の生物処理水中のTOC濃度とから求めたTOC除去率[(原水TOC−生物処理水TOC)/原水TOC)×100]が0〜95%であり、TOC除去率の変化率が5%以上の期間に、前記被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように前記硫酸塩を添加することが好ましい。
【0008】
また、本発明は、アルコールを含有する原水の生物処理を行うための生物処理手段と、前記生物処理に用いられる微生物の馴養期間を判断する馴養期間判断手段と、被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように硫酸塩を添加する硫酸塩添加手段と、を備える水処理装置である。
【0009】
また、前記水処理装置において、前記馴養期間判断手段が、前記原水中のTOC濃度を測定する原水TOC濃度測定手段と、生物処理後の生物処理水中のTOC濃度を測定する生物処理水TOC濃度測定手段とを有し、前記硫酸塩添加手段は、前記原水TOC濃度測定手段および前記生物処理水TOC濃度測定手段により測定した前記原水中のTOC濃度と前記生物処理水中のTOC濃度とから求めたTOC除去率[(原水TOC−生物処理水TOC)/原水TOC)×100]が0〜95%であり、TOC除去率の変化率が5%以上の期間に、前記被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように前記硫酸塩を添加することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、アルコールを含有する原水の生物処理において、生物処理に用いる微生物の馴養期間中に、被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように硫酸塩を添加することにより、生物処理における微生物の馴養期間を短縮し、生物処理の後段に凝集処理を行う場合に凝集処理水の水質を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る水処理装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施例において用いた水処理装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の実施例1および比較例1における生物処理によるTOC除去率を示す図である。
【図4】本発明の実施例1および比較例1における原水TOCおよび生物処理水TOCを示す図である。
【図5】本発明の実施例2および比較例1における生物処理によるTOC除去率を示す図である。
【図6】本発明の比較例1および比較例2における生物処理によるTOC除去率を示す図である。
【図7】本発明の実施例3における生物処理によるTOC除去率推移の硫酸イオン添加方法による違いを示す図である。
【図8】本発明の実施例4および比較例3における添加硫酸イオン濃度ごとの凝集処理水の濁度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0013】
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。水処理装置1は、生物処理手段として、生物処理槽12を備える。水処理装置1は、生物処理槽12の後段に、凝集処理手段として、反応槽14と、凝集槽16と、凝集沈殿槽18とを有する凝集処理装置を備えてもよく、生物処理槽12の前段に、原水を貯留するための原水槽10を備えてもよい。
【0014】
図1の水処理装置1において、原水槽10、生物処理槽12、反応槽14、凝集槽16および凝集沈殿槽18のそれぞれの出口と入口とがこの順序で配管等により接続されている。生物処理槽12には硫酸塩溶液貯槽32およびポンプ34とを備える硫酸塩添加手段としての硫酸塩添加装置、曝気手段としての曝気装置20、pH測定手段としてのpH測定装置22が、反応槽14、凝集槽16にはモータ、撹拌羽根等を備える撹拌手段としての撹拌装置24,26がそれぞれ設置されている。生物処理槽12の入口側の配管には、馴養期間判断手段である原水TOC濃度測定手段としての原水TOC濃度測定計28が、生物処理槽12の出口側の配管には、馴養期間判断手段である生物処理水TOC濃度測定手段としての生物処理水TOC濃度測定計30がそれぞれ設置されている。
【0015】
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置1の動作について図1を参照しながら説明する。
【0016】
まず、アルコールを含有するアルコール含有原水(以下、単に「原水」と呼ぶ場合がある)は、原水槽10に一時的に貯留された後、生物処理槽12へ送液される。生物処理槽12には、例えば微生物が付着した担体が収容されており、所定の温度で曝気装置20からの空気等により所定の期間曝気、撹拌されて、微生物の馴養が行われ(微生物馴養工程)、微生物を反応の環境に順応させる。ここで、微生物の馴養期間中に、被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように硫酸塩溶液貯槽32から硫酸塩溶液がポンプ34により添加される。また、生物処理槽12において、pHメータ22によりpHが測定されながら、pH調整剤が添加されて所定の範囲にpH調整が行われる。
【0017】
微生物を馴養する期間(馴養期間)は、例えば原水TOC濃度測定計28、生物処理水TOC濃度測定計30等の馴養期間判断手段により判断される。例えば、原水TOC濃度測定計28により測定される原水中のTOC濃度と、生物処理水TOC濃度測定計30により測定される生物処理後の生物処理水中のTOC濃度とから求めたTOC除去率[(原水TOC−生物処理水TOC)/原水TOC)×100]が0〜95%であり、TOC除去率の変化率が5%以上の期間を馴養期間とすればよい。そして、このTOC除去率が0〜95%であり、TOC除去率の変化率が5%以上の期間に、被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように硫酸塩が添加されればよい。微生物の馴養期間は、通常、30〜60日程度である。
【0018】
微生物の馴養期間中に、被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように硫酸塩が添加されることにより、生物処理における装置の立ち上げ時、また、装置を停止した後の再立ち上げ時等において微生物の馴養期間が短縮され(例えば、1/2〜1/4程度)、生物処理の後段に凝集処理を行う場合に凝集処理に与える悪影響を低減することができ、凝集処理水の水質を高くすることができる。また、装置のランニングコストが低減される。微生物の馴養期間中の、被処理水中の硫酸イオン濃度が20mg/L未満であると、微生物の馴養期間が短縮されず、40mg/Lを超えると、生物処理の後段に凝集処理を行う場合に凝集処理水の水質が悪化する。凝集処理水の水質等の観点から、微生物の馴養期間中に、被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように硫酸塩が添加されることが好ましい。
【0019】
本実施形態において、通常は馴養期間のみ、例えば、上記TOC除去率が0〜95%であり、TOC除去率の変化率が5%以上の期間にのみ、被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように硫酸塩が添加され、馴養期間以外、例えば、上記TOC除去率が95%を超え、その変化率が5%未満となった場合には、硫酸塩の添加が停止され、実質的には硫酸塩は添加されない。また、生物処理中に生物処理が不安定になった場合、例えば、上記TOC除去率が90%以下となった場合には、硫酸イオンの添加を再開してもよい。「実質的に硫酸塩が添加されない」という場合において、pH調整剤、栄養剤のミネラル等として0.1mg/L以下程度の硫酸塩が添加されることは許容される。また、後段の凝集処理等においては凝集補助剤等として硫酸ナトリウム等の硫酸塩が添加されてもよい。このように、原水中のTOC濃度と生物処理水中のTOC濃度等に応じて、被処理水中の硫酸イオン濃度が上記所定の値になるように硫酸塩の添加量を変化させる。
【0020】
本実施形態において処理対象となる原水としては、アルコールを含有する水であればよく、特に制限はない。例えば、電子機器工場等から排出されるアルコール含有排水等である。
【0021】
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、モノエタノールアミン(MEA)等の炭素数6以下の低級アルコール等が挙げられる。本実施形態においては、イソプロピルアルコール(IPA)およびモノエタノールアミン(MEA)のうち少なくとも1つを含む原水を処理対象とすることが好ましい。
【0022】
硫酸塩としては、水中で硫酸イオンを生成する無機塩であればよく、特に制限はないが、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
【0023】
馴養期間判断手段としては、TOC濃度を測定するTOC濃度測定計の他に、SSを測定するSS測定装置等が挙げられる。オンラインでの測定が容易である等の点から、原水中および生物処理水中のTOC濃度により馴養期間を判断することが好ましい。
【0024】
生物処理の方法は、好気性の生物処理であればよく、特に制限はない。例えば、浮遊式、浮遊担体式の流動床生物処理、固定床生物膜処理等が挙げられる。
【0025】
生物処理に用いられる微生物としては、アルコールを分解可能な好気性の微生物であればよく、特に制限はない。
【0026】
生物処理における被処理水のpHは、pH調整剤によって例えばpH6.5〜7.0の範囲に調整される。
【0027】
pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の酸、水酸化ナトリウム等のアルカリ等が挙げられる。
【0028】
生物処理におけるBOD負荷は、例えば、0.2〜3.0kg/m/dであり、TOC負荷は、例えば、0.1〜1.0kg/m/dである。
【0029】
アルコールを分解する微生物がアルコールその他の有機物を分解し、増殖していくために、栄養源として、被処理水中に窒素、リン等が存在することが好ましい。窒素源としては、外部から尿素、アンモニア塩等を添加することができる。リン源としては、外部からリン酸塩、リン酸等を添加することができる。また、窒素源、リン源としては、原水中に十分量含まれていれば外部から添加する必要はなく、また、窒素、リンを含む他の原水を添加することでも対応することができる。
【0030】
生物処理が行われた生物処理水は、後段の凝集処理手段としての凝集処理装置へ送液される。ここでは、凝集処理手段として、反応槽14と、凝集槽16と、凝集沈殿槽18とを有する凝集処理装置を用いる場合を例として説明する。まず、生物処理水は、反応槽14へ送液される。反応槽14において撹拌装置24により急速撹拌されながらポンプ等により生物処理水へ無機凝集剤が添加、混合されて、凝集反応が行われる(無機凝集剤添加工程)。反応槽14において急速撹拌されることにより、凝集反応が進行する。その後、無機凝集剤が添加、混合された反応液は、凝集槽16へ送液される。
【0031】
次に、凝集槽16において、反応槽14から送液された反応液に対して撹拌装置26により緩速撹拌が行われながら、高分子凝集剤が添加、混合されて(高分子凝集剤添加工程)、凝集反応が行われ、フロックが形成される。フロックは、緩速撹拌されることにより成長する。
【0032】
無機凝集剤としては、一般に凝集剤として用いられる鉄系またはアルミニウム系などの無機凝集剤を使用することができる。具体的には、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウム、ポリ硫酸第二鉄(ポリ鉄)、塩化第二鉄等およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0033】
高分子凝集剤としては、公知のアニオン系、ノニオン系、カチオン系高分子凝集剤等が挙げられる。
【0034】
次に、凝集槽16において高分子凝集剤が添加、混合された反応液は、凝集沈殿槽18へ送液される。凝集沈殿槽18へ送液された反応液は、自然沈降分離等によって、フロックが濃縮された沈殿物(汚泥)と分離水(凝集処理水)とに分離される。凝集沈殿槽18の代わりに加圧浮上設備を用いてもよい。
【0035】
凝集沈殿槽18において汚泥と分離された凝集処理水は、必要に応じて膜処理、活性炭処理等が行われ、その後、再利用あるいは河川等に放流される。一方、凝集沈殿槽18において凝集処理水と分離された汚泥は、必要に応じてさらに濃縮処理、脱水処理等が行われる。
【実施例】
【0036】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0037】
<実施例1,2、比較例1,2>
図2に示す実験装置を使用して、表1に示す実験条件でアルコール含有原水の生物処理を行った。図2に示す実験装置は、原水タンク(20L)からのアルコール含有原水をポンプにより、微生物を付着した担体を充填したカラム(1.95L×4系列)の下部より通水させ、カラムの上部より生物処理水として得るものである。カラムの下部より空気を曝気し、pH調整剤として水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液をpHコントローラで添加した。原水および生物処理水のTOC濃度は、島津サイエンス東日本株式会社製のTOC計「TOC−V」を用いて測定した。始めは硫酸イオンの添加なしで生物処理を立ち上げ(比較例1)、しばらく運転してから次亜塩素酸を50mg/L添加して殺菌し、TOC除去率の低下を確認した後、硫酸イオンを添加し、再立ち上げした。硫酸イオンは、微生物の馴養期間中、ここではTOC除去率が0〜95%であり、TOC除去率の変化率が5%以上の期間にのみ、被処理水中の硫酸イオン濃度が40mg/L(実施例1)、20mg/L(実施例2)、60mg/L(比較例2)となるように添加した。最後に、硫酸イオンの添加を停止して、さらに運転を続けた。
【0038】
【表1】

【0039】
実施例1においてアルコール含有原水を生物処理した様子を図3に示す。図3の横軸は、経過日数(日)、縦軸はTOC除去率(%)を示す。また、その間の原水TOCおよび処理水TOCを測定した様子を図4に示す。図4の横軸は、経過日数(日)、縦軸はTOC濃度(mg−C/L)を示す。実施例2においてアルコール含有原水を生物処理した様子を図5に、比較例2においてアルコール含有原水を生物処理した様子を図6に示す。
【0040】
図3からわかるように、生物処理の立ち上げからTOC除去率が90%を超えるまでに要する時間は、硫酸イオン添加なし(比較例1)の場合の4日間に対し、実施例1では2日間と短縮された。硫酸イオンを添加して立ち上げた後、硫酸イオンの添加を停止しても、TOC除去率は低下しなかった。また、図5からわかるように、生物処理の立ち上げからTOC除去率が90%を超えるまでに要する時間は、硫酸イオン添加なし(比較例1)の場合の4日間に対し、実施例2では1日間と短縮された。図6からわかるように、生物処理の立ち上げからTOC除去率が90%を超えるまでに要する時間は、硫酸イオン添加なし(比較例1)の場合の4日間に対し、比較例2では2日間と短縮されたが、後述するように、後段の凝集処理において凝集処理水の濁度が悪化した。
【0041】
<実施例3>
実施例1と同様の装置を用いて被処理水中の硫酸イオン濃度40mg/Lで通水を開始し、硫酸塩を添加し続けたもの、TOC除去率が90%を超えた時点で硫酸塩の添加を停止したもの、TOC除去率が80%を超えた時点で硫酸塩の添加を停止したものの、それぞれのTOC除去率の推移を図7に示す。
【0042】
図7からわかるように、TOC除去率が80%を超えた時点で硫酸塩の添加を停止した場合、TOC除去率が95%程度で安定するまでに7日間を要したが、TOC除去率が90%を超えた時点で硫酸塩の添加を停止した場合は、最後まで硫酸塩の添加を続けた場合と変わらず、4日でTOC除去率95%以上の安定状態に達した。
【0043】
<実施例4、比較例3>
実施例1で硫酸塩を添加せずに得られた生物処理水を用いて、ジャーテストを行った。凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)を200mg/L、pHはpH調整剤として塩酸を用いて6.2とし、硫酸ナトリウムを用いて硫酸イオン濃度をそれぞれ0,10,20,60,200mg/Lとし、得られた処理水の濁度を図8に示す。
【0044】
図8からわかるように、アルコール含有原水を生物処理した生物処理水の凝集処理において、硫酸イオン濃度が40mg/Lを超えると、処理水の濁度が6.5度を超え、硫酸イオンの存在が処理水の濁度を悪化させるということがわかった。
【符号の説明】
【0045】
1 水処理装置、10 原水槽、12 生物処理槽、14 反応槽、16 凝集槽、18 凝集沈殿槽、20 曝気装置、22 pH測定装置、24,26 撹拌装置、28 原水TOC濃度測定計、30 生物処理水TOC濃度測定計、32 硫酸塩溶液貯槽、34 ポンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコールを含有する原水の生物処理において、前記生物処理に用いる微生物の馴養期間中に、被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように硫酸塩を添加することを特徴とする水処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の水処理方法であって、
前記原水中のTOC濃度と生物処理後の生物処理水中のTOC濃度とから求めたTOC除去率[(原水TOC−生物処理水TOC)/原水TOC)×100]が0〜95%であり、TOC除去率の変化率が5%以上の期間に、前記被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように前記硫酸塩を添加することを特徴とする水処理方法。
【請求項3】
アルコールを含有する原水の生物処理を行うための生物処理手段と、
前記生物処理に用いられる微生物の馴養期間を判断する馴養期間判断手段と、
被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように硫酸塩を添加する硫酸塩添加手段と、
を備えることを特徴とする水処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の水処理装置であって、
前記馴養期間判断手段が、前記原水中のTOC濃度を測定する原水TOC濃度測定手段と、生物処理後の生物処理水中のTOC濃度を測定する生物処理水TOC濃度測定手段とを有し、
前記硫酸塩添加手段は、前記原水TOC濃度測定手段および前記生物処理水TOC濃度測定手段により測定した前記原水中のTOC濃度と前記生物処理水中のTOC濃度とから求めたTOC除去率[(原水TOC−生物処理水TOC)/原水TOC)×100]が0〜95%であり、TOC除去率の変化率が5%以上の期間に、前記被処理水中の硫酸イオン濃度が20〜40mg/Lとなるように前記硫酸塩を添加することを特徴とする水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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