説明

水処理方法及び水処理装置

【課題】水処理装置のイニシャルコストやメンテナンスコストを抑えつつ、膜の目詰まり状態を検知できる水処理装置を提供する。
【解決手段】この水処理装置は、膜モジュール2と、被処理水を膜モジュール2に通過させる送液ポンプP1と、送液ポンプP1の消費電力を測定する電力計22と、膜モジュール2を通過した濾過処理水の流量を計測する流量計23と、電力計22及び流量計23の測定値に基づいて、送液ポンプP1の単位流量あたりの消費電力量を求め、該消費電力量に応じた値が所定値を超えたら、洗浄時期であると判断する洗浄時期検知手段30とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理水を膜モジュールにて膜濾過処理して処理する水処理方法及び水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
膜モジュールを用いた水処理装置では、被処理水中の懸濁物質や有機物質等が、長時間の運転によって膜の表面に徐々に堆積していき、膜が目詰まりする。膜が目詰まりすると、膜圧力の上昇や、ろ過流束の低下等が引き起こり、浄水効率が落ち、水処理装置の全体的な運転効率が低下する。そのため水処理装置の運転サイクルでは、所定時間の膜濾過処理工程後に、膜モジュールを洗浄している。
【0003】
膜モジュールの洗浄時期の判断は、特許文献1に記載されるように、膜モジュールの下流に差圧計を設けて膜間差圧を定常的に測定し、膜間差圧に基づいて洗浄時期を決定する方法が一般的に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4018990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、差圧計はコストの高い計器であるため、差圧計を設けることにより水処理装置のイニシャルコストが増加する問題があった。また、差圧計は、導圧管の詰まりの除去など、定期的なメンテナンスが必要であるため、メンテナンスに手間やコストを要する問題があった。
【0006】
よって、本発明の目的は、水処理装置のイニシャルコストやメンテナンスコストを抑えつつ、膜モジュールの目詰まり状態を検知できる水処理方法及び水処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の水処理方法は、被処理水を、送液ポンプにより膜モジュールを通過させて膜濾過処理し、前記送液ポンプの単位流量あたりの消費電力量に応じた値が所定値を超えたら、前記膜モジュールの洗浄手段を施すことを特徴とする。
【0008】
膜モジュールが目詰まりすると、送液ポンプにかかる負荷が大きくなって、送液ポンプの単位流量あたりの消費電力量が大きくなる。このように、送液ポンプの単位流量あたりの消費電力量は、膜モジュールの目詰まり状態と高い関連性を有している。このため、本発明の水処理方法によれば、送液ポンプの単位流量あたりの消費電力量に応じた値が所定値を超えたら、膜モジュールが目詰まりしていると検知して、膜モジュールを洗浄するので、膜モジュールの目詰まりを解消して、長期にわたって安定して被処理水を膜濾過処理できる。また、膜モジュールの目詰まり状態を検知するにあたり、従来のように差圧計を設ける必要がなく、送液ポンプの消費電力と、濾過処理水の流量のみを計測すればよい。これらは、安価で、故障が生じ難い計器であるので、水処理装置のイニシャルコストやメンテナンスコストを抑えることができる。
【0009】
本発明の水処理方法は、前記被処理水の温度を測定し、前記消費電力量を前記被処理水の温度係数で補正した値を、前記消費電力量に応じた値とするか、あるいは、前記消費電力量を前記消費電力量に応じた値とし、前記被処理水の温度を測定し、基準となる閾値を前記被処理水の温度係数で補正した値を前記所定値とすることが好ましい。この理由であるが、図4に示すように液体の粘性が温度に依存して変化するためであり、一般に温度が高いほど、液体の粘性が低下する。粘性の低下は、ポンプの消費電力低下につながる。そこで予め図5に示すようなポンプの特性図を作成し、温度係数を算出しておく。この態様によれば、温度により流動性が大きく変動する被処理水であっても、精度よく膜間ジュールの目詰まり状態を検知することができる。このため、被処理水の性状によらず、精度よく膜間ジュールの目詰まり状態を検知して、最適なタイミングで膜モジュールを洗浄できる。
【0010】
本発明の水処理方法は、前記被処理水が、活性汚泥処理後の活性汚泥混合水であることが好ましい。この態様によれば、被処理水が有機物を含む場合であっても、活性汚泥処理によって有機物が分解除去されるので、有機物や爽雑物のない、極めて清浄な濾過処理水を得ることができる。
【0011】
本発明の水処理方法は、前記洗浄手段が、バブリング、逆洗、薬品添加逆洗、ブラシ洗浄、放水洗浄から選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
【0012】
また、本発明の水処理装置は、被処理水を膜濾過処理する膜モジュールと、前記被処理水を前記膜モジュールに通過させる送液ポンプと、前記送液ポンプの消費電力を測定する電力計と、前記膜モジュールを通過した濾過処理水の流量を計測する流量計と、前記電力計及び前記流量計の測定値に基づいて、前記送液ポンプの単位流量あたりの消費電力量を求め、該消費電力量に応じた値が所定値を超えたら、洗浄時期であると判断する洗浄時期検知手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】
本発明の水処理装置によれば、流量計の測定値と、電力計の測定値に基づいて、送液ポンプの単位流量あたりの消費電力量を求め、該消費電力量に応じた値が所定値を超えたら、洗浄時期であると判断する洗浄時期検知手段を備えるので、従来のように差圧計を設けなくとも、膜の目詰まり状態を検知して膜モジュールの洗浄時期を判断でき、水処理装置のイニシャルコストやメンテナンスコストを抑えつつ、長期にわたって安定して被処理水を膜濾過処理できる。
【0014】
本発明の水処理装置は、更に、前記膜モジュールを洗浄する洗浄装置と、前記洗浄時期検知手段が洗浄時期であると判断したとき、前記洗浄装置を所定時間作動させる制御装置とを備えていることが好ましい。
【0015】
本発明の水処理装置は、前記被処理水の温度を測定する温度計を更に備え、前記洗浄時期検知手段は、前記温度計で測定された被処理水の温度に基づいて、前記消費電力量を前記被処理水の温度係数で補正した値を、前記消費電力量に応じた値とするか、あるいは、前記消費電力量を前記消費電力量に応じた値とし、前記温度計で測定された被処理水の温度に基づいて、基準となる閾値を前記被処理水の温度係数で補正した値を前記所定値とするようにされていることが好ましい。
【0016】
本発明の水処理装置は、活性汚泥処理槽を更に備え、該活性汚泥処理槽の下流、又は該発生汚泥処理槽内に、前記膜モジュールが配設されていることが好ましい。
【0017】
本発明の水処理装置は、前記洗浄装置が、バブリング、逆洗、薬品添加逆洗、ブラシ洗浄、放水洗浄から選ばれた少なくとも一種を施す装置であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、送液ポンプの単位流量あたりの消費電力量に応じた値が所定値を超えたら、膜モジュールが目詰まりしていると検知して、膜モジュールの洗浄手段を施す時期を決定するので、膜モジュールの膜の目詰まりを解消して長期にわたって安定して被処理水を膜濾過処理できる。また、膜の目詰まり状態を検知するにあたり、従来のように差圧計を設ける必要がなく、水処理装置のイニシャルコストやメンテナンスコストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の水処理装置の概略構成図である。
【図2】同水処理装置の洗浄時期検知器の第1の実施形態のシーケンス図である。
【図3】同水処理装置の洗浄時期検知器の第2の実施形態のシーケンス図である。
【図4】1atmにおける水の粘性率の温度依存性を表したグラフである。
【図5】市販ポンプの消費電力の温度依存性の例を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を用いて、本発明の水処理装置の一実施形態を説明する。
【0021】
被処理水原から伸びた配管L1が、活性汚泥処理槽1に接続している。
【0022】
活性汚泥処理槽1は、槽内に微生物を含む活性汚泥が滞留し、微生物の作用によって有機物を分解して活性汚泥処理できる処理槽であれば特に限定はない。例えば、アンモニア酸化菌や亜硝酸酸化菌などの好気性微生物を含む曝気槽、亜硝酸酸化菌などの好気性微生物と脱窒菌などの嫌気性微生物を含む間欠曝気槽などを用いることができる。
【0023】
活性汚泥処理槽1には、槽内の処理液の温度を計測する温度計21が配置されている。温度計21の測定値は、洗浄時期検知器30に入力される。活性汚泥処理槽1の下部からは、汚泥引き抜き用の配管L2が伸びている。
【0024】
この実施形態では、膜モジュール2は、活性汚泥処理槽1内であって、槽内の処理液に浸漬されて配置されている。なお、膜モジュール2は、活性汚泥処理槽1の槽外に配置してもよい。
【0025】
膜モジュール2の二次側(濾過された処理水が流通する側)からは、ポンプP1、流量計23が配置された配管L3が伸びており、ポンプP1を作動することで、槽内の処理水が膜モジュール2で膜濾過処理される。ポンプP1には、ポンプP1の消費電力を測定する電力計22が配置されている。電力計22及び流量計23の測定値は、洗浄時期検知器30に入力される。また、ポンプP1は、制御装置40によって、作動が制御されている。
【0026】
膜モジュール2に用いる濾過膜としては、一般的な濾過膜であれば全て使用できる。例えば、逆浸透(RO)膜、限外ろ過(UF)膜、精密ろ過(MF)膜、中空糸(HF)膜等が挙げられる。また、濾過膜の材質としては、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。また、膜モジュール5の形態としては、特に限定は無く、中空糸膜モジュール、平膜型モジュール、スパイラル型モジュール、管型モジュール等が挙げられる。
【0027】
膜モジュール2の下方には、曝気(バブリング)装置3が配置され、曝気して膜モジュール1の目詰まりを防止するようにしている。曝気装置3は、制御装置40によって、作動が制御されている。この実施形態では、曝気装置3が、本発明における「洗浄装置」に相当する。
【0028】
なお、この実施形態では、洗浄装置として、曝気装置を用いたが、曝気装置に限定されず、従来公知の洗浄装置を用いることができる。例えば、濾過処理水の一部を膜モジュール2の二次側から一次側へと逆流させて逆洗する洗浄装置や、該濾過処理水に次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、クエン酸、シュウ酸、塩酸、あるいは市販の膜洗浄剤等の薬品を添加したものを、膜モジュール2の二次側から一次側へと逆流させて薬品添加逆洗する洗浄装置や、膜モジュール2の一次側をブラシ洗浄する装置や、膜モジュール2の一次側を放水洗浄する装置などが好ましい一例として挙げられ、これらを用いてもよい。また、複数種類の洗浄装置を併用してもよい。
【0029】
制御装置40は、洗浄時期検知器30から洗浄開始信号が入力されると、ポンプP1に停止信号を入力し、曝気装置3に作動信号を入力して、膜モジュール2を所定時間洗浄するように設定されている。なお、ポンプP1を停止せず、運転を続けながら曝気装置3により洗浄してもよい。
【0030】
次に、図1に示す水処理装置を用いて、本発明の水処理方法の一実施形態について説明する。なお、本発明の水処理方法の処理対象となる被処理水としては、特に限定は無い。例えば、下水や、化学工場や食品工場から排出される工場廃水等が挙げられる。
【0031】
まず、被処理水を活性汚泥処理槽1に供給して活性汚泥処理する。そして、活性汚泥処理後の処理水を、膜モジュール2にて膜濾過処理し、濾過水を排水系に送り、塩素などを添加して系外に排水する。また、活性汚泥処理槽1の底部に体積した汚泥は、定期的に配管L2から引き抜いて図示しない汚泥処理系に送り、乾燥処理や脱水処理を行って処理する。
【0032】
このようにして被処理水を膜モジュール2で膜濾過処理して水処理を行うが、膜濾過処理を継続していると、被処理水中の有機物や爽雑物が膜モジュール2の膜表面や膜内部に付着して、膜濾過効率が低下する。
【0033】
そこで、本発明では、以下のようにして膜モジュール2の洗浄時期を判断し、洗浄時期に達していたら、膜モジュール2の洗浄を行う。
【0034】
以下、図2を用いて、洗浄時期検知器30での洗浄時期の判断方法の第1の実施形態を説明する。
【0035】
温度計21の測定値と、電力計22の測定値と、流量計23の測定値が、第1演算部31に入力されて、下式(1)に基づき、温度補正されたポンプP1の単位流量あたりの消費電力が演算される。
【0036】
温度補正されたポンプP1の単位流量あたりの消費電力
={(電力計22の測定値)/(流量計23の測定値)}×t/T ・・・(1)
(式(1)において、tは温度係数であり、Tは温度計21の測定値である)
【0037】
次に、第1演算部31にて演算された、温度補正されたポンプP1の単位流量あたりの消費電力の値と、基準閾値とが判定部32に入力される。
【0038】
なお、基準閾値は、膜モジュール2を洗浄する必要が生じる時の、ポンプP1の単位流量あたりの消費電力の値をあらかじめ測定しておき、該値を基準閾値として設定する。
【0039】
判定部32において、温度補正されたポンプP1の単位流量あたりの消費電力が、基準閾値以上である場合は、膜モジュール2が目詰まりして、洗浄時期に達していると判定し、洗浄開始信号を制御装置40に入力する。制御装置40に洗浄開始信号が入力されると、ポンプP1の作動を停止し、曝気装置3を作動させ、膜モジュール2の洗浄が所定時間行われる。
【0040】
一方、温度補正されたポンプP1の単位流量あたりの消費電力が、基準閾値未満である場合は、膜モジュール2は目詰まりしておらず、洗浄時期に達していないと判定し、膜濾過処理を継続すべく信号を制御装置40に入力して、膜濾過処理を継続する。
【0041】
また、洗浄時期検知器30での洗浄時期の判断は、図3に示すシーケンス図のようにして行ってもよい。すなわち、図2では、電力計22の測定値と、流量計23の測定値とから求められる、実測値としてのポンプP1の単位流量あたりの消費電力を温度補正した値と、基準閾値と比較して、洗浄時期を判断したが、基準閾値を温度補正した値と、実測値としてのポンプP1の単位流量あたりの消費電力と比較して洗浄時期を判断してもよい。
【0042】
以下、洗浄時期検知器30での洗浄時期の判断方法の第2の態様について、図3を用いて説明する。
【0043】
温度計21の測定値と、電力計22の測定値とが第2演算部33に入力されて、下式(2)に基づき、実測値としてのポンプP1の単位流量あたりの消費電力が演算される。
【0044】
実測値としてのポンプP1の単位流量あたりの消費電力
={(電力計22の測定値)/(流量計23の測定値)} ・・・(2)
【0045】
また、基準値と、温度計21の測定値とが、第3演算部34に入力されて、下式(3)に基づき、温度補正された基準閾値が演算される。
【0046】
温度補正された基準閾値=基準閾値×t/T ・・・(3)
(式(3)において、tは温度係数であり、Tは温度計21の測定値である)
【0047】
次に、第2演算部33にて演算された、実測値としてのポンプP1の単位流量あたりの消費電力の値と、第3演算部34にて演算された、温度補正された基準閾値とが判定部35に入力される。
【0048】
実測値としてのポンプP1の単位流量あたりの消費電力が、温度補正された基準閾値以上の場合、膜モジュール2が目詰まりして、洗浄時期に達していると判定し、洗浄開始信号を制御装置40に入力する。
【0049】
一方、実測値としてのポンプP1の単位流量あたりの消費電力が、温度補正された基準閾値未満の場合は、膜モジュール2は目詰まりしておらず、洗浄時期に達していないと判定し、膜濾過処理を継続すべく信号を制御装置40に入力して、膜濾過処理を継続する。
【0050】
なお、被処理水の粘性が低く、温度によってその流動性が殆ど変動しない場合においては、実測値としてのポンプP1の単位流量あたりの消費電力や、基準閾値は、温度補正しなくてもよい。すなわち、洗浄時期検知器30は、実測値としてのポンプP1の単位流量あたりの消費電力と、基準閾値とを直接比較して、実測値としてのポンプP1の単位流量あたりの消費電力の方が大きい場合は、洗浄時期に達していると判定して洗浄開始信号を制御装置40に入力し、実測値としてのポンプP1の単位流量あたりの消費電力の方が小さい場合は、膜濾過処理を継続すべく信号を制御装置40に入力するように構成されていてもよい。
【0051】
このように、本発明によれば、単位流量あたりのポンプP1の消費電力量に応じた値に基づいて、膜モジュール2の洗浄時期を決定するので、最適なタイミングで膜モジュール2を洗浄して目詰まりを解消でき、長期にわたって安定して被処理水を膜濾過処理できる。また、膜モジュールの目詰まり状態を検知するにあたり、従来のように差圧計を設ける必要がないので、水処理装置のイニシャルコストやメンテナンスコストを抑えることができる。
【0052】
なお、爽雑物の除去のみを目的として水処理を行う場合においては、活性汚泥処理槽1を用いる必要はない。この場合、被処理水の貯留槽に膜モジュールの洗浄を浸漬させて同様の処理を行ってもよく、被処理水を直接膜モジュールに供給して膜濾過処理を行ってもよい。
【0053】
一方、有機物を含む被処理水の場合であって、爽雑物の除去のみならず、有機物の除去も行いたい場合は、図1に示すように、膜モジュール2の上流に活性汚泥処理槽1を設けて、被処理水を活性汚泥処理槽1に導入して活性汚泥処理して有機物等を除去し、次いで、膜モジュール2を通過させて、浮遊微生物やその他の浮遊物質(SSと略称される)や爽雑物を膜濾過処理して固液分離することで、有機物や爽雑物等が除去された清浄な処理水を得ることができる。
【符号の説明】
【0054】
1:活性汚泥処理槽
2:膜モジュール
3:曝気装置
21:温度計
22:電力計
23:流量計
30:洗浄時期検知器
40:制御装置
L1〜L3:配管
P1:ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水を、送液ポンプにより膜モジュールを通過させて膜濾過処理し、
前記送液ポンプの単位流量あたりの消費電力量に応じた値が所定値を超えたら、前記膜モジュールの洗浄手段を施すことを特徴とする水処理方法。
【請求項2】
前記被処理水の温度を測定し、前記消費電力量を前記被処理水の温度係数で補正した値を、前記消費電力量に応じた値とする、請求項1記載の水処理方法。
【請求項3】
前記消費電力量を前記消費電力量に応じた値とし、前記被処理水の温度を測定し、基準となる閾値を前記被処理水の温度係数で補正した値を前記所定値とする、請求項1記載の水処理方法。
【請求項4】
前記被処理水が、活性汚泥処理後の活性汚泥混合水である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の水処理方法。
【請求項5】
前記洗浄手段が、バブリング、逆洗、薬品添加逆洗、ブラシ洗浄、放水洗浄から選ばれた少なくとも一種である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の水処理方法。
【請求項6】
被処理水を膜濾過処理する膜モジュールと、
前記被処理水を前記膜モジュールに通過させる送液ポンプと、
前記送液ポンプの消費電力を測定する電力計と、
前記膜モジュールを通過した濾過処理水の流量を計測する流量計と、
前記電力計及び前記流量計の測定値に基づいて、前記送液ポンプの単位流量あたりの消費電力量を求め、該消費電力量に応じた値が所定値を超えたら、洗浄時期であると判断する洗浄時期検知手段とを備えていることを特徴とする水処理装置。
【請求項7】
更に、前記膜モジュールを洗浄する洗浄装置と、
前記洗浄時期検知手段が洗浄時期であると判断したとき、前記洗浄装置を所定時間作動させる制御装置とを備えている請求項6に記載の水処理装置。
【請求項8】
前記被処理水の温度を測定する温度計を更に備え、
前記洗浄時期検知手段は、前記温度計で測定された被処理水の温度に基づいて、前記消費電力量を前記被処理水の温度係数で補正した値を、前記消費電力量に応じた値とする請求項6又は7記載の水処理装置。
【請求項9】
前記被処理水の温度を測定する温度計を更に備え、
前記洗浄時期検知手段は、前記消費電力量を前記消費電力量に応じた値とし、前記温度計で測定された被処理水の温度に基づいて、基準となる閾値を前記被処理水の温度係数で補正した値を前記所定値とする、請求項6又は7記載の水処理装置。
【請求項10】
活性汚泥処理槽を更に備え、該活性汚泥処理槽の下流、又は該発生汚泥処理槽内に、前記膜モジュールが配設されている、請求項6〜9のいずれか1つに記載の水処理装置。
【請求項11】
前記洗浄装置が、バブリング、逆洗、薬品添加逆洗、ブラシ洗浄、放水洗浄から選ばれた少なくとも一種を施す装置である、請求項6〜10のいずれか1つに記載の水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−52326(P2013−52326A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190779(P2011−190779)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】