説明

水処理機器用洗浄装置及びその洗浄方法

【課題】本発明は、水処理機器の内部の手の届き難い部分まで洗浄することができる水処理機器用洗浄装置及びその洗浄方法に関する。
【解決手段】本発明による水処理機器用洗浄装置は、水処理機器の流路に洗浄水を循環させるために水処理機器の流路に連結される循環部材と、上記循環部材に連結されて上記水処理機器の流路と循環部材に洗浄水を循環させて上記水処理機器の流路を洗浄する循環モジュールとを含むことができる。本発明による水処理機器の洗浄方法は、循環部材に洗浄水を流入させる洗浄水流入操作と、循環モジュールを稼働して水処理機器の流路に洗浄水を循環させて上記水処理機器の流路を洗浄する循環洗浄操作とを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理機器の内部を洗浄することができる水処理機器用洗浄装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、水処理機器は原水をろ過して飲用できるようにする。上記水処理機器の例としては、浄水器、イオン水器などが含まれる。
【0003】
上記水処理機器は原水をろ過するためのフィルター部と、上記フィルター部でろ過された浄水を取水して飲用できるように取水コックとを含む。また、上記水処理機器には浄水が貯蔵される浄水タンク、冷水タンク及び温水タンク、又は上記タンクのうち一部が設置されるタンク型と、上記タンクが設置されない直水型がある。
【0004】
上記水処理機器のフィルター部、取水コック及び各種タンクは、浄水が流動できるように浄水管により連結される。
【0005】
上記水処理機器を長時間使用すると、上記タンク、取水コック及び各種浄水管には水に含まれる異物が付く。従って、浄水器の使用者や管理者(coordinator)は周期的に、又は必要に応じて各タンクの内部を掃除する。
【0006】
しかしながら、従来の技術では、取水コックや各種浄水管の流路が細長く形成され、洗浄道具が入らなかったり手が届かなくて、容易に掃除することができなかった。従って、上記水処理機器を掃除した後であっても、使用者は、異物が付いた上記取水コックや各種浄水管から水を飲むしかなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、したがって、洗浄道具や手が届かなくて洗浄が困難であった部分も洗浄できる水処理機器用洗浄装置及びその洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による水処理機器用洗浄装置は、上記目的を達成するため、水処理機器の流路に洗浄水を循環させるために水処理機器の流路に連結される循環部材と、上記循環部材に連結されて洗浄水を上記水処理機器の流路と循環部材に循環させて上記水処理機器の流路を洗浄する循環モジュールとを含む。
【0009】
上記循環部材は、上記水処理機器の排水部に連結される一つ以上の連結管と、上記水処理機器のフィルター部の吐出側に連結される循環管とを含むことができる。
【0010】
上記連結管は、コックおよび/またはドレン管に着脱自在に結合することができ、また、上記循環管は、上記フィルター部の吐出側の浄水管又は浄水貯蔵部に着脱自在に結合さすることができる。
【0011】
上記循環管を浄水貯蔵部に結合する場合、上記循環管を浄水貯蔵部に連結する場合、上記循環管は、浄水貯蔵部の水位を検知する水位調節部に接続することができる。
【0012】
上記連結管又は循環管には、洗浄水をろ過させるためのメッシュ網を設置することができる。
【0013】
上記循環モジュールは、流路に洗浄水を順に循環させることによって、上記連結杆と連通する流路を順に開放する開閉手段により構成することができる。
【0014】
上記開閉手段は、上記連結管が着脱自在に結合される複数の連結ポートを有するハウジングと、上記連結ポートに対応する開口孔を有するディスクと、上記ディスクを回転させることにより上記開口孔を該当連結ポートと対応させて該当連結ポートを開放させるモータとを含むことができる。
【0015】
上記連結管を連結ポートに連結したときに連結ポートを開放し、また、上記連結管を連結していないときに連結ポートを閉鎖するためのチェック弁を上記各連結ポートに個別に設けることができる。
【0016】
上記開閉手段のハウジングは、上記各連結ポートに連結される複数の連結流路部と、上記連結流路部を一つの流路に連結して上記循環管に連結される統合流路部とを含むことができる。
【0017】
上記開閉手段は、各連結管に結合された連結ポートに個別に設置される複数のソレノイド弁とすることができる。
【0018】
上記循環モジュールはさらに、上記水処理機器のコックとドレン管の個数に従って上記連結ポートの個数を設定する操作部を構成することができる。
【0019】
上記連結ポートを循環モジュールの上面に設けて、連結管を連結ポートに結合することができ、また、上記循環モジュールの側面に循環ポートを設けて、循環管を循環ポートに結合することができる。
【0020】
上記循環モジュールは、上記循環部材に連結されるドレン管と、上記循環部材がドレン管に連結された部分に結合されて洗浄水の流路を切り替える流路切り替え部と、上記循環部材に連結されて上記連結管の洗浄水を水処理機器の流路とドレン管とに選択的に流動させる循環ポンプとを含むことができる。
【0021】
上記循環モジュールはさらに、洗浄水の流動を測定して循環モジュールの作動が正常か否かを判断する洗浄水検知部を含むことができる。
【0022】
上記洗浄水検知部は、水処理機器の循環ポンプの洗浄水の吐出側に配置することができる。
【0023】
上記洗浄水検知部は、流圧センサー又は流量センサーとすることができる。
【0024】
本発明による水処理機器の洗浄方法は、循環部材に洗浄水を流入させる洗浄水流入操作と、循環モジュールを稼働して水処理機器の流路に洗浄水を循環させる循環洗浄操作とを含む。
【0025】
上記循環洗浄操作では、水処理機器のフィルター部の吐出側に洗浄水を循環させることができる。
【0026】
水処理機器の複数の流路が少なくとも一つの流路を構成するグループに分けられており、上記洗浄水流入操作では、洗浄水を上記グループに順に循環させることにより複数の流路を洗浄する。
【0027】
水処理機器の複数のタンクが少なくとも一つのタンクを構成するグループに分けられており、上記洗浄水流入操作では、洗浄水を上記グループに順に循環させることにより複数のタンクを洗浄する。
【0028】
上記循環洗浄操作では、上記フィルター部の吐出側の浄水貯蔵部に洗浄水が満水になる前に、循環モジュールを稼働させることができる。
【0029】
上記循環洗浄操作では、洗浄水の流圧又は流量を測定することによって誤作動を検知することができる。
【0030】
上記循環洗浄操作では、循環洗浄操作が完了したり、誤作動が検知されると、循環モジュールを停止させることができる。
【0031】
上記循環洗浄操作では、循環モジュールが停止されたとき、ディスプレイおよび/またはブザーを通じて洗浄完了又は誤作動を知らせることができる。
【0032】
本発明の洗浄方法はさらに、上記循環洗浄操作後に、洗浄水に中和剤を投入することによって洗浄水を中和させる洗浄水中和操作を含むことができる。
【0033】
水処理機器の流路の複数が少なくとも一つの流路を校正するグループに分けられており、上記洗浄水中和操作では、洗浄水を上記グループに順に循環させることにより複数の流路を洗浄する。
【0034】
上記洗浄水中和操作が既設定の時間行われたら、ディスプレイおよび/またはブザーを通じて洗浄水の中和完了を知らせることができる。
【0035】
本発明の洗浄方法はさらに、上記洗浄水中和操作が既設定の時間行われた後に、上記流路切替え部を稼働することによって中和された洗浄水を排水する排水操作を含むことができる。
【0036】
本発明の洗浄方法はさらに、上記排水操作が行われた後に、上記水処理機器の流路に浄水を供給してから排水させることによって上記水処理機器の流路を洗浄する洗浄操作を含むことができる。
【0037】
上記洗浄操作では、上記フィルター部の吐出側の浄水貯水部に浄水を完全に満たした後、流路切り替え部を稼働することによって浄水貯水部の浄水を外部に排水させることができる。
【発明の効果】
【0038】
上述したように、本発明によれば、洗浄道具や手が届かなくて洗浄が困難であった部分も容易に洗浄できる。
【0039】
本発明によれば、水処理機器の流路が、部分的に洗浄されなかったり、水圧差によって洗浄効率が減少するのを防止することができる。
【0040】
本発明によれば、洗浄時の誤作動を正確に検出することができ、騷音を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明による水処理機器と洗浄装置の実施の形態を例示的に示したブロック図である。
【0042】
【図2】図1の洗浄装置の構成を示したブロック図である。
【0043】
【図3】図2の洗浄装置を示した斜視図である。
【0044】
【図4】図3の洗浄装置を構成する連結管と連結ポートの結合関係を示した展開図である。
【0045】
【図5】図2の洗浄装置の開閉手段の一例を示した構成図である。
【0046】
【図6】図2の洗浄装置の制御部と水処理機器の制御部が電源供給ケーブルに連結される構造を示した構成図である。
【0047】
【図7】本発明による洗浄装置の洗浄方法の実施の形態を例示的に示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
上記目的を達成するための本発明による水処理機器用洗浄装置の具体的な実施の形態を詳細に説明する。
【0049】
本発明の水処理機器用洗浄装置は、タンク型浄水器と直水型浄水器に適用することができる。この説明では、一例として、タンク型の浄水器に洗浄装置を設置した場合を記載する。
【0050】
図1は、本発明による水処理機器と洗浄装置の一実施の形態を例示的に示したブロック図である。
【0051】
図1を参照すると、上記水処理機器用洗浄装置は、上記水処理機器に洗浄水を循環させることによって水処理機器の内部流路を洗浄する。
【0052】
先ず、本発明による洗浄装置100が適用される水処理機器1の一例について説明する。
【0053】
上記水処理機器1は、水道管5や入れ替え可能なディスペンサー用水筒から流入された水をろ過するためにフィルター部10を含む。上記フィルター部10の例としては、セディメントフィルター(sediment filter)、プレカーボンフィルター(pre-carbon filter)、メンブレンフィルター(membrane filter)、及びポストカーボンフィルター(post-carbon filter)などを含むことができる。
【0054】
上記セディメントフィルターは、不織布を用いて原水に含有された異物と浮遊物質をろ過するものである。上記プレカーボンフィルターは、界面活性炭を用いて原水に含有された塩素成分や臭いなどをろ過するものである。上記メンブレンフィルターは、セルロース系繊維を使用した多孔性膜を通過させて原水をろ過するものである。上記ポストカーボンフィルターは、界面活性炭より吸着力が相対的に優れており、色素と臭いを除去するものである。
【0055】
上記水処理機器1は、上記フィルター部10でろ過された浄水が貯蔵される浄水貯蔵部20を含む。上記浄水貯蔵部20は、浄水タンク21と、温水タンク25と、冷水タンク23とを含むことができる。上記フィルター部10でろ過された浄水は、浄水タンク21に貯蔵される。上記浄水タンク21から吐出された浄水は、温水タンク25と冷水タンク23とに流入される。あるいはまた、上記浄水貯蔵部20は、冷水タンク23と温水タンク25とを含むだけでもよい。
【0056】
上記冷水タンク23には、浄水を冷却させるための冷却装置(不図示)を設置することができ、上記温水タンク25には、浄水を加熱するためのヒーター(不図示)を設置することができる。
【0057】
上記浄水貯蔵部20の流入側には、浄水が通過するときに水位を測定する水位調節部22を設置することができる。この場合、上記水位調節部22は、フィルター部10から吐出された浄水が浄水タンク21に流入されるように、浄水タンク21の浄水流入側に配置される。該水位調節部22は、浄水が通過するとき浄水タンク21の水位を検知し、上記浄水タンク21が満水になると、浄水の流入を遮断する。
【0058】
上記浄水貯蔵部20は、浄水管により排水部30に連結される。上記排水部30は、浄水タンク21と冷水タンク23とに連結される冷/浄水コック31と、上記温水タンク25に連結される温水コック32と、上記冷水タンク23と温水タンク25の水を外部にそれぞれ排水させるドレン管33、34とを含むことができる。
【0059】
この場合、上記冷/浄水コック31は、上記浄水タンク21に連結された浄水管と上記冷水タンク23に連結された浄水管とに連結された単一の浄水管に連結することができる。さらに、上記温水コック32は、温水タンク25に連結された浄水管に連結することができる。これに加えて、開閉部材33a、34aを上記各ドレン管33、34の吐出側にそれぞれ設置して、以下で説明する洗浄装置100の連結管113、114が結合されることにより開閉部材33a、34aが自動で開放できるようにすることもできる。
【0060】
上記冷/浄水コック31と温水コック32は、コック31、32の内部流路をそれぞれ手動で開閉するためのレバー(不図示)を含むことができる。この場合、上記各レバーが加圧されると、コック31、32が個別に開放されることができる。各レバーが開放されると、該当コック31、32の流路が閉鎖されることができる。
【0061】
さらに、上記冷/浄水コック31と温水コック32は、各コック31、32の内部の流路を電磁気的に開閉するために、それぞれ電子式弁(不図示)を含むことができる。
上記電子式弁としては、ソレノイド弁(solenoid valve)を挙げることができる。
【0062】
上記水処理機器1の冷/浄水コック31と温水コック32に電子式弁が用いられる場合、電子式弁に電源を供給するために接続端子51(図6参照)が上記水処理機器1の制御部50(図6参照)に設置される。上記制御部50の接続端子51は、上記電子式弁に電源を供給する配線(不図示)の接続端子と着脱自在に結合される。
【0063】
次に、上記水処理機器用洗浄装置について説明する。
【0064】
図2は、本発明の洗浄装置の構成の実施の形態を例示的に示したブロック図である。図3は、図2の洗浄装置を示した斜視図である。
【0065】
図2及び図3を参照すると、上記洗浄装置100は、循環部材111〜114および117と、循環モジュール120とを含んでいる。
【0066】
上記循環部材111〜114および117は、水処理機器の流路に連結されて、水処理機器1の流路に洗浄水を循環させる。該循環部材111〜114および117は、水処理機器の流路とともに、無限ループ(infinite loop)を形成する。
【0067】
上記循環部材111〜114および117は、水処理機器1の排水部30に連結される一つ以上の連結管111〜114と、上記水処理機器のフィルター部10の吐出側に連結される循環管117とを含むことができる。
【0068】
上記連結管111〜114は、水処理機器1のコック31、32とドレン管33、34とを含む排水構造に連結するのに充分な数とすることができる。水処理機器が少ない排水構造を有しているので、上記連結管111〜114のうち一部は排水構造と連結されるが、残りの連結管が排水構造と連結されない。
【0069】
上記連結管111〜114は、上記排水部30を構成するコック31、32および/またはドレン管33、34に着脱自在に連結することができる。この場合、上記各連結管111〜114の一端部にフィッティング装置又はコネクター111a〜114aを結合して、上記各連結管111〜114を上記コック31、32とドレン管33、34に着脱可能に連結することができるように構成することができる。さらに、上記各連結管111〜114の他端部にコネクター111a〜114aをそれぞれ結合して、上記各連結管111〜114を上記循環モジュール120の連結ポート131〜134にそれぞれ着脱可能に連結することができるように構成することができる。
【0070】
上記コネクター111a〜114aをコック31、32とドレン管33、34に連結すると、上記コネクター111a〜114aを引っ張ったり押すことで、上記コック31、32とドレン管33、34から上記コネクター111a〜114aを容易に分離することができる。該コネクター111a〜114aの構造は、多様な形態で形成することができる。
【0071】
上記循環管117は、フィルター部10の吐出側に連結することができる。例えば、上記循環管117は、フィルター部10の吐出側の浄水管11や、浄水貯蔵部20の浄水タンク21に着脱可能に結合することができる。この場合、上記の連結管111〜114のコネクター111a〜114aと同じ形態のコネクター117aを上記循環管117の両端部に設置することができる。
【0072】
フィルター部10を水処理機器1から分離すると、上記循環管117のコネクター117aは、上記フィルター部10の吐出側の浄水管22に連結することができる。この場合、上記フィルター部の吐出側の浄水管22は、フィルター部10と浄水タンク21とを互いに連結する浄水管に当てはまる。
【0073】
さらに、上記浄水貯蔵部20の水位調節部22を浄水管から分離した後に、上記循環管117のコネクター117aを上記水位調節部22に連結することができる。
【0074】
上記連結管111〜114または循環管117には、洗浄水をろ過させるためのメッシュ網115を設置することができる。上記メッシュ網115は、連結管111〜114と循環管117に洗浄水の水圧が大きくかからない程度のメッシュ(mesh)を有している。図2に示すように、上記メッシュ網115は、連結管111〜114のコネクター111a〜114aに設置されている。しかしながら、上記メッシュ網115は、は、連結管と循環管の内部に設置することもできる。
【0075】
この場合、上記メッシュ網115は、連結管111〜114の他端部側のコネクター111a〜114aに着脱自在に結合することができる。従って、上記水処理機器1に連結管111〜114を設置する前や、連結管111〜114を分離した後に、上記メッシュ網115を容易に洗浄したり新しいものに交換することができる。
【0076】
上記連結管111〜114は、上記循環モジュール120を床に置いた場合に、上記水処理機器1に配置されたコック31、32/ドレン管33、34と循環モジュール120に結合することができる充分な長さとすることができる。さらに、上記循環管117は、また、循環モジュール120を床に置いた場合に、水処理機器1の上側に配置されたフィルター部10の吐出側の浄水管11や浄水タンク21に結合することができる充分な長さとすることができる。従って、上記循環管117は、連結管111〜114よりも相対的に長くすることができる。
【0077】
上記循環モジュール120は、洗浄剤投入部121と中和剤投入部122を含んでおり、洗浄剤(detergent)と中和剤(counteragent)を投入することができる。上記洗浄剤投入部121と中和剤投入部122は、循環ポンプ173の洗浄水の吐出側又は流入側に連結することができる。従って、上記循環モジュール120において、洗浄水の流動性が高い部分に洗浄剤と中和剤を投入することで、上記洗浄剤と中和剤が浄水に早い時間内に混合されるようにすることができる。
【0078】
これに代えて、上記循環モジュール120に洗浄剤投入部121と中和剤投入部122を設置することなく、使用者や管理者が浄水タンク21又は循環モジュール120の流路に洗浄剤と中和剤を直接投与することもできる。
【0079】
上記洗浄剤としては、水処理機器の内部表面を洗浄及び殺菌することができる多様な化学物質が使用できる。さらに、上記中和剤としては、洗浄剤の成分に応じて適切な化学物質を適用する必要がある。
【0080】
上記洗浄剤の一例としては、大韓民国特許公開番号10−2006−0129670号公報に開示されているような洗浄剤を適用することができる。この公開公報には、二酸化塩素を含む第1次洗浄液を用いて1次洗浄し、アンモニウムイオン及び水酸化イオンを含む2次洗浄液を用いて2次洗浄することを含む洗浄方法が開示されている。本発明の実施の形態によれば、上記した洗浄剤の他に、多様な洗浄剤を用いることが可能である。
【0081】
上記循環モジュール120には、上記連結管111〜114がそれぞれ連結される2個以上の連結ポート131〜134と、上記循環管117が連結される一つの循環ポート137とを形成することができる。この場合、上記連結ポート131〜134は、連結管111〜114のコネクター111a〜114aと着脱自在に連結され、上記循環ポート137は、循環管117のコネクター117aと着脱自在に連結される。
【0082】
上記連結ポート131〜134は、循環モジュール120のケースの上面に形成することができる。従って、上記循環モジュール120を床に置いたときに、上記連結管111〜114のコネクター111a〜114aを上記連結ポート131〜134の上側にそれぞれ容易に結合させることが可能となる。さらに、複数の連結管111〜114を連結ポート131〜134にそれぞれ正常に連結したか否かを視覚的に確認することが可能となる。
【0083】
上記循環ポート137は、循環モジュール120のケースの側面に形成することができる。従って、上記循環管117のコネクター117aを上記循環モジュール120の循環ポート137に結合すると、上記循環モジュール120を床に置くことができる。
【0084】
また、上記循環モジュール120は、上記連結ポート131〜134にそれぞれ連結される複数の連結流路部141と、上記連結流路部141を一つの流路に統合して上記循環ポート137に連結させる統合流路部142とを含むことができる。上記連結流路部141は、統合流路部142から分岐している。連結流路部141と統合流路部142は、以下で説明する開閉手段160に形成することもできる。
【0085】
これに加えて、上記循環モジュール120において、上記統合流路部142と上記循環ポート137とが連結される部分に排水ポート144を形成することができる。
【0086】
連結ポート131〜134の上側を開閉させるために、上記循環モジュール120にカバー146を設置することができる。上記カバー146は、連結ポート131〜134に異物が流入するのを防止する。
【0087】
上記循環モジュール120に電源コード147を連結して、循環モジュール120に外部電源を供給することができる。循環モジュール120をオン/オフさせるためのスイッチ148を上記循環モジュール120に設置することができる。
【0088】
上記循環モジュール120に開閉手段160を設置することができる。上記連結管111〜114は、開閉手段160に着脱自在に結合されている。上記開閉手段160は、上記連結管111〜114と連通する流路を順に開放させる。流路は、少なくとも一つの流路を構成するグループに分けられており、このグループに洗浄水が順に循環されることにより流路を洗浄する。この開閉手段160については、以下に詳しく説明する。
【0089】
上記循環モジュール120はさらに、上記水処理機器1のコック31、32とドレン管33、34の数に従って上記連結ポート131〜134の数を設定するために、操作部150を含むことができる。この場合、コック31、32の個数とドレン管33、34の個数に関する情報を上記操作部150のディスプレイ部153に可視化することができる。
【0090】
従って、使用者や管理者が操作部150を用いることによりコック31、32とドレン管33、34の数を入力すると、上記循環モジュール120の制御部180は、上記開閉手段160を制御して、少なくとも一つを含む各グループに分けられた上記コック31、32とドレン管33、34のグループを順に開放させて、一つの流露を含む各グループに分けられた上記水処理機器1の流路の内部を順に洗浄することができる。
【0091】
例えば、冷水タンク23、冷水タンク23のドレン管33、温水タンク25、温水タンク25のドレン管34を順に洗浄することができる。また、上記冷水タンク23とそのドレン管33を同時に洗浄した後、上記温水タンク25とそのドレン管34を同時に洗浄することができる。
【0092】
また、図示していないが、上記循環モジュール120の連結ポート131〜134に上記連結管111〜114の結合有無を検知するための結合検知センサー(不図示)を設置することができる。この場合、上記連結ポート131〜134に連結管111〜114がそれぞれ結合されると、上記循環モジュール120の制御部180は、連結管111〜114がどの連結ポート131〜134と連結されているかを判断することができる。上記循環モジュール120の制御部180は、開閉手段160を制御して少なくとも一つの連結ポートを含む各グループに分けられた上記連結管111〜114と結合された連結ポート131〜134のグループを開放させて、少なくとも一つの流路を含む各グループに分けられた上記水処理機器1の内部流路を順位開放することができる。
【0093】
上記循環モジュール120の連結ポート131〜134に結合検知センサーを設置した場合には、上記操作部150を用いてコック31、32の数とドレン管33、34の数を入力しなくてもよい。
【0094】
上記循環モジュール120の操作部150には、コック31、32の数、ドレン管33、34の数、循環洗浄、洗浄水中和、洗浄水排水およびバッチ(batch)洗浄に関するボタン部151a〜151fを形成することができる。ボタン部151a〜151fには、機械式又はタッチパッド方式を適用することができる。
【0095】
洗浄水のエラーメッセージをディスプレイしたり、アラームで知らせるために、上記操作部150にディスプレイ部153とブザー155を設置することができる。この場合、上記ディスプレイ部153として、LEDや液晶表示パネルを適用することができる。
【0096】
上記循環モジュール120は、循環部材111〜114、117に連結される洗浄水ドレン管148と、上記洗浄水ドレン管148と循環部材111〜114、117の連結部分に結合されて洗浄水の流路を切り替える流路切り替え部171と、上記循環部材に連結されて上記洗浄水を水処理機器1の流路又は洗浄水ドレン管148に流動させる循環ポンプ173とを含むことができる。
【0097】
この場合、上記洗浄水ドレン管148は、連結管111〜114と循環管117とが互いに連結されている部分に連結される。上記流路切り替え部171は、上記連結管111〜114、循環管117、洗浄水ドレン管148とが互いに連結されている部分に結合することができる。上記循環ポンプ173は、上記連結管111〜114又は循環管117に連結することができる。
【0098】
上記洗浄水ドレン管148は、循環モジュール120の排水ポート144に着脱自在に連結することができる。この場合、循環モジュール120から排水された洗浄水は、上記洗浄水ドレン管148を介して流し台や下水口に排出される。
【0099】
上記流路切り替え部171として、上記連結管111〜114に流入された洗浄水を循環管117又はドレン管148に選択的に流動させる三方弁(three way valve)が設けられる。
【0100】
上記循環ポンプ173は、内部にインペラ(不図示)とポンピングモータ(不図示)を有することができる。
【0101】
上記循環モジュール120はさらに、洗浄水の流動を測定して上記循環モジュール120の誤作動有無を判断する洗浄水検知部175を含むことができる。この場合、上記洗浄水検知部175としては、流圧センサー又は流量センサーを適用することができる。
【0102】
上記洗浄水検知部175は、以下の理由から、循環ポンプ173の洗浄水の吐出側に配置することができる。
【0103】
上記循環ポンプ173が正常に作動しないか、又は、上記開閉手段160が連結ポート131〜134の流路を完全に開放できないことがある。この場合、上記循環ポンプ173の洗浄水の吐出側に十分な水圧を加えることができないことがある。従って、上記洗浄水検知部175を洗浄水の吐出側に設置することで、上記開閉手段160と循環ポンプ173の正常作動有無を正確に判断することが可能となる。
【0104】
図4は、洗浄装置を構成する連結管と連結ポートを示した展開図である。
【0105】
図4を参照すると、上記循環モジュール120の各連結ポート131〜134にチェック弁136を個別に設けることができる。上記チェック弁136は、上記連結管111〜114が連結されたときに連結ポート131〜134の流路を開放する。一方、上記チェック弁136は、上記連結管111〜114が連結されていないときに連結ポート131〜134の流路を閉鎖する。
【0106】
この場合、上記各チェック弁136は、上記各連結ポート131〜134の内部に配置される開閉部材136aと、上記開閉部材を弾性的に支持するバネ136bと、上記開閉部材の上側に結合されて上記開閉部材が上昇した状態で連結ポート131〜134を閉鎖させるパッキング136cとを含むことができる。
【0107】
上記連結ポート131〜134に連結管111〜114が結合されると、それぞれ、上記連結管111〜114のメッシュ網115が上記連結ポート131〜134の開閉部材136aを加圧して上記連結ポート131〜134の流路を開放させる。このとき、洗浄水は、上記連結ポート131〜134の流路を通過することができる。
【0108】
一方、上記連結ポート131〜134に連結管111〜114が結合されないと、それぞれ、上記チェック弁136の開閉部材136aが加圧されず、上記連結ポート131〜134の流路が閉鎖される。このとき、上記チェック弁136は、バネ136bとパッキング136cとの間の相互作用により、上記連結ポート131〜134を通じて外部の空気が流入するのを防止することができる。
【0109】
図5は、洗浄装置の開閉手段の一例を示した構成図である。
【0110】
図5を参照すると、上記開閉手段160は、ハウジング161と、ディスク163と、モータ165とを含むことができる。
【0111】
上記ハウジング161は、上記連結管111〜114にそれぞれ結合される複数の連結ポート131〜134と、上記各連結ポート131〜134と個別に連通される複数の連結流路部141と、上記連結流路部と連通される統合流路部142とを含むことができる。
【0112】
上記ハウジング161の連結流路部141に対応するように、一つの開口孔163aを上記ディスク163に形成することができる。
【0113】
上記モータ165は、上記ディスク163を回転させて上記開口孔163aを該当連結ポート131〜134の連結流路部141に対応させて、該当連結ポート131〜134を開放させる。このようなモータ165として、ディスクを所定角度ずつ回転させるステッピングモータ(stepping motor)が挙げられる。
【0114】
このようなディスク型開閉手段160の場合、一つのモータ165を用いるため、上記洗浄装置100の製造単価と重量を低減させることができる。
【0115】
これに加えて、上記連結ポート131〜134のうち一部の連結ポート133に連結管113が結合されないと、上記チェック弁136の開閉部材136aが加圧されない。その結果、上記連結ポート133の流路は閉鎖される。
【0116】
この場合、上記チェック弁136は、バネ136bとパッキング136cとの間の相互作用により、上記連結ポート133を通って外部の空気が流入するのを防止することができる。従って、上記連結管113が結合されない連結ポート133を通って上記開閉手段160の内部に空気が吸入するのを防止することができる。これに加えて、また、上記開閉手段160のディスク163が上記連結管113が結合されない連結ポート133を閉鎖するため、上記連結管113が結合されない連結ポート133は、2重遮断されて空気の流入を遮断される。
【0117】
従って、上記開閉手段160の内部の洗浄水に気泡が形成されるのを最小化して、上記循環ポンプ173が洗浄水を正常に汲み上げ、洗浄水の水圧を一定に保持することができる。そのため、上記循環ポンプ173が洗浄水を汲み上げるときのポンピング騷音を低減することができる。
【0118】
さらに、上記開閉手段160で洗浄水に気泡が発生するのを最小化させることで、上記開閉バルブ160の吐出側に配置された洗浄水検知部175で洗浄水の流圧や流量を正確に検知することができる。
【0119】
さらに、上記循環ポンプ173又は循環管117の洗浄水に気泡が発生することを最小化させるので、洗浄水が上記循環管117を流動するときに発生する騷音を低減させることができる。さらに、洗浄性能を向上させることもできる。
【0120】
一方、図示していないが、上記開閉手段160は、各連結ポート131〜134に個別に設置される複数のソレノイド弁を含むことができる。この場合、循環モジュール120に電源が印加されると、上記各ソレノイド弁が該当連結ポート131〜134の流路を開閉させる。
【0121】
ソレノイド型の開閉手段は、複数のソレノイド弁を用いるため、上記各連結ポート131〜134の流路開閉を正確に制御することが可能となる。
【0122】
図6は、洗浄装置の制御部と水処理機器の制御部が電源供給ケーブルに互いに連結された構造を示した構成図である。
【0123】
図6を参照すると、電源供給ケーブル185を介して上記水処理機器1の電子式弁に連結されるように接続端子181を上記循環モジュール120に形成することができる。
従って、上記循環モジュール120の接続端子181に電源供給ケーブル185の一側端子を接続させ、上記水処理機器1の接続端子51に電源供給ケーブル185の他側端子を接続させると、電源供給ケーブル185を通じて電源が上記水処理機器1のコック31、32に供給され、上記水処理機器1のコック31、32を開閉させる。
【0124】
従って、上記洗浄装置100は、水処理機器1のコック31、32が手動で開閉される場合と、電磁気的に開閉される場合の両方に使用することができる。
【0125】
ここで、上記のように構成された本発明による水処理機器用洗浄装置を水処理機器に設置する過程を説明する。
【0126】
図2を参照すると、上記水処理機器1を洗浄する必要がある場合、上記水処理機器1の電源プラグ(不図示)を抜いて電源供給を遮断する。
【0127】
上記水処理機器1の温水タンク25が温水で満たされている場合は、上記温水コック32を開放させて温水を完全に排水させる。その理由は、上記洗浄装置100を水処理機器1に連結するときに温水で作業者がやけどすることを防止するためである。
【0128】
図3及び図4を参照すると、連結管111〜114の一側を上記水処理機器1の冷/浄水コック31、温水コック32及びドレン管33、34にそれぞれ結合させ、連結管111〜114の他側を上記循環モジュール120の連結ポート131〜134にそれぞれ結合させる。このとき、該当連結管111〜114のメッシュ網115が該当チェック弁136を加圧し、上記連結ポート131〜134の流路が開放される(図4参照)。さらに、上記連結管111〜114に結合されない連結ポート131〜134は、それぞれ、チェック弁136により閉鎖され、上記洗浄装置100の内部流路に外部空気が流入するのを防止する。
【0129】
さらに、上記循環管117の一側は、上記フィルター部10の吐出側の浄水管11又は浄水タンク21の水位調節部22に結合される。上記循環管117の他側は、循環モジュール120の循環ポート137に結合される。
【0130】
上記水処理機器1のコック31、32を手動で操作する場合、上記コック31、32のレバーを加圧して全コック31、32を開放させる。この場合には、上記電源供給ケーブル185を設置する必要はない。
【0131】
さらに、上記水処理機器1のコック31、32を電子式弁によって開閉する場合、上記電源供給ケーブル185の両側端子が水処理機器1の接続端子51と循環モジュール120の接続端子181に接続される(図6参照)。この場合、上記制御部180は電源供給ケーブル185を通じて上記水処理機器の接続端子51に電源を印加する。上記水処理機器の接続端子51に電源が供給されることにより、上記水処理機器のコック31、32が開放する。
【0132】
上記洗浄装置100に洗浄剤投入部121と中和剤投入部122を設置しない場合には、上記水処理機器1の浄水タンク21を開放した後に手動で洗浄剤を投入することができる。さらに、上記洗浄装置100に洗浄剤投入部121を設置した場合には、上記洗浄剤投入部121を通じて自動で洗浄剤を投入することができる。
【0133】
上記循環モジュール120の電源コード147を外部電源に接続して、上記循環モジュール120のスイッチ148を操作することによって、電源が上記洗浄装置100に供給される。
【0134】
ここで、上記のように構成された本発明の実施の形態による水処理機器の洗浄方法とその作用を説明する。
【0135】
図7は、本発明による洗浄装置の洗浄方法を示したフローチャートである。
【0136】
図7を参照すると、上記循環モジュール120の操作部150を操作して、上記コック31、32とドレン管33、34との接続数を設定する。上記洗浄装置100の操作部150を用いて循環洗浄ボタン部151b又は一括洗浄ボタン部151fが選択されると、上記洗浄装置100の制御部180は、循環モジュール120の開閉手段160、循環ポンプ173、洗浄水検知部175、及び流路切り替え部171を稼働する。洗浄モードは、このようにして設定される(S11)。
【0137】
このとき、上記水処理機器1の全流路に洗浄水が同時に供給されると、上記水処理機器1の流路構造により洗浄水の水圧偏向が部分的に発生することがある。即ち、洗浄水の高い水圧が上記水処理機器1の一部流路に作用し、その一方で、洗浄水の著しく低い水圧が他の流路に作用することがある。このように、水処理機器の全流路に洗浄水が同時に供給されると、洗浄水の水圧が著しく低いために洗浄されないデッドゾーン(dead zone)が発生することがあった。
【0138】
上記のようにデッドゾーンが発生することを防止するために、洗浄水を以下のように流動させる。
【0139】
上記洗浄装置100の制御部180は、上記開閉手段160を制御して、少なくとも一つを含む各グループに分けられた上記コック31、32とドレン管33、34のグループを順に開放させ、上記水処理機器1の内部の流路を少なくとも一つの流路を含む各グループに分けたグループを通って、洗浄水が順に流動する。
【0140】
以下では、冷水タンク23、冷水タンク23のドレン管33、温水タンク25、温水タンク25のドレン管34を順に洗浄する場合で説明する。
【0141】
上記洗浄装置100の制御部180は、連結管111と循環管117を開放させる(S12)。即ち、上記開閉手段160を稼働することにより、冷/浄水コック31と連結された連結ポート131の流路を開放させ、残りの連結ポート132〜134の流路は閉鎖する。
【0142】
さらに、上記循環ポンプ173を稼働して、冷/浄水コック31を通じて上記浄水タンク21と冷水タンク23の洗浄水を排出させる(S14)。
【0143】
これに加えて、上記洗浄装置100の制御部180により流路切り替え部171を循環モードに切り替える(S14)。このとき、上記洗浄装置100の制御部180は、上記流路切り替え部171により循環管117を開放するとともに、洗浄水ドレン管148側を閉鎖する。
【0144】
上記冷/浄水コック31の洗浄水は、循環ポンプ173、洗浄水検知部175、流路切り替え部171、及び循環管117を通って水位調節部22に流入される。上記水位調節部22に流入された洗浄水は、浄水タンク21と冷水タンク23に流入される。
【0145】
このような過程の間、上記洗浄水検知部175は、洗浄水の水圧または流量を測定して洗浄装置100の制御部180に伝達する。
【0146】
洗浄水の水圧又は流量が既設定値に到達していないと判断すると、上記洗浄装置100の制御部180は、上記循環ポンプ173を停止させて、上記洗浄装置100のディスプレイ部153および/またはブザー155を用いてエラーメッセージおよび/またはアラームで知らせる。それ以外の場合は、上記循環ポンプ173は稼働し続ける。
【0147】
洗浄水の循環が既設定された時間行われる間に、上記浄水タンク21、冷水タンク23、一部の浄水管、冷/浄水コック31、及び水位調節部22が洗浄される。
【0148】
次に、上記洗浄装置100の制御部180は、上記開閉手段160を稼働して温水コック32と連結された連結ポート132を開放させて、他の連結ポート131、133、134を閉鎖させる。このとき、上記循環ポンプ173は、開閉手段160が稼働している間、一時的に停止するか、または稼働し続ける。
【0149】
その後、上記温水タンク25の洗浄水は、温水コック32を通じて排出される。上記温水コックの洗浄水は、循環ポンプ173、洗浄水検知部175、流路切り替え部171、及び循環管117を通って水位調節部22に流入される。上記水位調節部22に流入した洗浄水は、浄水タンク21と温水タンク25に流入される。
【0150】
浄水タンク21と、温水タンク25と、その流路に洗浄水が循環することにより、上記温水タンク25とその流路が洗浄される。
【0151】
次に、上記洗浄装置100の制御部180は、上記開閉手段160を稼働して、上記冷水タンク23のドレン管33と連結された連結ポート133を開放させるとともに、他の連結ポート131、132、134を閉鎖させる。その結果、上記浄水タンク21、冷水タンク23、冷水タンク23、および冷水タンク23のドレン管33が洗浄される。
【0152】
さらに、上記洗浄装置100の制御部180は、上記開閉手段160を稼働して上記温水タンク25のドレン管34が連結された連結ポート134を開放させ、他の連結ポート131〜133を閉鎖させる。その結果、上記浄水タンク21、温水タンク25、および温水タンク25のドレン管34が洗浄される。
【0153】
一方、上記温水タンク25と各ドレン管33、34が洗浄される間、上記洗浄水検知部175は、洗浄水の水圧又は流量を測定して洗浄装置100の制御部180に伝達する。洗浄水の水圧又は流量が既設定された値に到達しない場合に、上記制御部180は、循環ポンプ173を停止させてエラーメッセージやアラームで知らせることができる。
【0154】
上述したように、上記洗浄装置100では、洗浄水が、浄水タンク21、冷水タンク23、温水タンク25、冷水タンク23のドレン管33、及び温水タンク25のドレン管34に順に流動するため、上記洗浄水の流動する流路で洗浄水の水圧偏向を殆ど発生させないようにすることができる。従って、上記水処理機器1の流路を完全に洗浄することができる。
【0155】
さらに、上記洗浄装置100は、人の手や洗浄道具が届くタンク21、23、25と同様に、人の手や洗浄道具を届かせるのが困難な冷/浄水コック31、ドレン管33、34、及び水位調節部22も洗浄することができる。
【0156】
次に、上記洗浄装置100の制御部180が循環洗浄時間に達したと判断すると(S15)、上記循環ポンプ173を停止させることができる(S16)。さらに、上記操作部150には洗浄完了に関するメッセージおよび/またはアラームをディスプレイ部153および/またはブザー155を通じて知らせることができる。
【0157】
上記洗浄装置100の制御部180は、浄水タンク21又は洗浄装置100の内部への中和剤投入が完了したか否かを判断する(S17)。
【0158】
中和剤投入が完了したと判断した場合には、上記循環ポンプ173を稼働する(S18)。このとき、上記流路切り替え部171は、循環管117を開放するとともに洗浄水ドレン管148を閉鎖して、上記循環ポンプ173の洗浄水を循環管117に流動させる。
【0159】
洗浄水を中和させる場合は、少なくとも一つの流露を含む各グループに分けられた水処理装置の複数の流路のグループに順に洗浄水を循環させることができる。即ち、中和剤が含まれた洗浄水を、冷水タンク23、温水タンク25、冷水タンク23のドレン管33、及び温水タンク25のドレン管34に順に循環することができる。
【0160】
従って、上記洗浄水を中和させる場合、上記水処理機器の流路に発生する水圧差を最小化させることにより、上記水処理機器のタンクや流路に付着した洗浄剤を均一に中和させることができる。さらに、上記洗浄水の中和モードでも、水処理機器の洗浄水が停滞する区間を一掃することが可能となる。
【0161】
さらに、洗浄水を中和する間、上記洗浄水検知部175は、洗浄水の水圧又は流量を測定して洗浄装置100の制御部180に伝達する。洗浄水の水圧又は流量が既設定された値に到達していな場合には、上記制御部180が循環ポンプ173を停止させ、あるいはエラーメッセージおよび/またはアラームを送ることができる。
【0162】
上記洗浄装置100の制御部180が設定された中和時間に達したと判断すると(S19)、上記流路切り替え部171が排水モードに切り替えられる(S20)。このとき、上記流路切り替え部171は、循環管117を閉鎖するとともに洗浄水ドレン管148を開放させた状態に保持する。
【0163】
従って、上記水処理機器1の洗浄水は、中和剤により充分に中和された後、上記洗浄水ドレン管148を通じて外部に排出される。このとき、上記循環ポンプ173は、稼働し続けている。
【0164】
さらに、上記洗浄装置100の制御部180は、中和モードが完了したことをディスプレイおよび/またはアラームで知らせることができる。
【0165】
上記洗浄装置100の制御部180は、上記排水モードが完了したか否かを判断する(S21)。このとき、上記洗浄装置100の制御部180は、上記流路切り替え部171が排水モードに切り替わってからの時間を積算することにより、又は、上記洗浄水検知部175で検知した水圧及び流量を測定することにより、排水モードの完了を判断することができる。
【0166】
上記排水モードが完了したと判断すると、上記洗浄装置100の制御部180は、ディスプレイおよび/またはアラームを通じて排水モード完了を知らせる。さらに、上記循環ポンプ173は停止される(S22)。
【0167】
次いで、上記水処理機器1に新鮮な水を供給する(S23)。即ち、使用者又は洗浄装置100の制御部180は、水道管を通じて浄水タンク21に水を流入させことができる。
【0168】
このとき、上記洗浄装置100の制御部180は、浄水タンク21を新鮮な水で満たす。上記浄水タンク21が水で満たされると、上記水処理機器1への水の供給を停止する。
【0169】
上記浄水タンク21が水で満たされた後には、設定された時間排水を停止させて、上記浄水タンク21に残留している中和剤や洗浄剤を十分に洗浄することができる。
【0170】
次いで、上記浄水タンク21が水で満たされ、設定された時間が過ぎると、上記浄水タンク21の水を排水させる。上記洗浄装置100は、浄水タンク21から水が完全に排水されたことを判定することによって、洗浄モードの完了を判断する。
【0171】
上記洗浄モードが完了したと判断すると(S24)、上記洗浄装置100の制御部は、操作部150のディスプレイおよび/またはアラームを通じて洗浄モードが完了したことを知らせる。
【0172】
上述したように、洗浄装置は、少なくとも一つの流路を含む各グループに分けられた水処理機器のグループの流路内を洗浄し、洗浄水を中和させ、残留している洗浄剤や中和剤を清浄する。従って、使用者は、洗浄装置で洗浄操作をした後に綺麗な水を飲むことができる。
【産業上の利用可能性】
【0173】
本発明は、水処理機器の内部の手や洗浄道具が届き難い部分も洗浄することができるため、産業上に著しい利用可能性がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理機器の流路に連結されて水処理機器の流路に洗浄水を循環させる循環部材と、
上記循環部材に連結されて上記水処理機器の流路と循環部材に洗浄水を循環させて上記水処理機器の流路を洗浄する循環モジュールと、
を備えてなる水処理機器用洗浄装置。
【請求項2】
上記循環部材は、
上記水処理機器の排水部に連結される一つ以上の連結管と、
上記水処理機器のフィルター部の吐出側に連結される循環管と、
を含む請求項1に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項3】
上記連結管は、上記排水部を構成するコックおよび/またはドレン管に着脱自在に結合され、
上記循環管は、上記フィルター部の吐出側の浄水管又は浄水貯蔵部に着脱自在に結合されている請求項2に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項4】
上記循環管は、上記循環管が浄水貯蔵部に結合されているときに浄水貯蔵部の水位を検知する水位調節部に連結されている請求項3に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項5】
上記連結管又は循環管に洗浄水をろ過させるためのメッシュ網が設置されている請求項3に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項6】
上記循環モジュールは、上記連結管と連通される流路を順に開放して、流路を通じて洗浄水を順に循環させる開閉手段を備えてなる請求項2に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項7】
上記開閉手段は、
上記連結管が着脱自在に結合される複数の連結ポートを有するハウジングと、
上記連結ポートと対応する開口孔を有するディスクと、
上記ディスクを回転させることによって上記開口孔を所定の連結ポートに対応させて所定の連結ポートを開放させるモータと、
を備えてなる請求項6に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項8】
上記各連結ポートには、上記連結管が連結されるとき連結ポートを開放させ、上記連結管が連結されないときに連結ポートを閉鎖させるチェック弁が設置される請求項7に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項9】
上記開閉手段のハウジングは、
上記各連結ポートに連結される複数の連結流路部と、
上記連結流路部を一つの流路に連結し上記循環管に連結される統合流路部と、
を備えてなる請求項7に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項10】
上記開閉手段は、連結管が結合される連結ポートにそれぞれ個別に設置される複数のソレノイド弁である請求項6に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項11】
上記循環モジュールはさらに、上記水処理機器のコックとドレン管の数に従って上記連結ポートの開閉個数を設定する操作部を含む請求項6又は10に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項12】
上記循環モジュールの上面には連結管が結合される連結ポートを備え、
上記循環モジュールの側面には循環管が結合される循環ポートを備えている請求項1に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項13】
上記循環モジュールは、
上記循環部材に連結されるドレン管と、
上記循環部材とドレン管の連結部分に結合されて洗浄水の流路を切り替える流路切り替え部と、
上記循環部材に連結されて上記連結管の洗浄水を水処理機器の流路又はドレン管に選択的に流動させる循環ポンプと、
を備えてなる請求項1に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項14】
上記循環モジュールはさらに、洗浄水の流動を測定して循環モジュールの作動が正常か否かを判断する洗浄水検知部を備えてなる請求項13に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項15】
上記洗浄水検知部は、循環ポンプの洗浄水の吐出側に配置されている請求項14に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項16】
上記洗浄水検知部は、流圧センサー又は流量センサーである請求項15に記載の水処理機器用洗浄装置。
【請求項17】
循環部材に洗浄水を流入させる洗浄水流入操作と、
循環モジュールを稼働して水処理機器の流路を介して洗浄水を循環させる循環洗浄操作と、
により構成されてなる水処理機器の洗浄方法。
【請求項18】
上記循環洗浄操作で水処理機器のフィルター部の吐出側を介して洗浄水を循環させる請求項17に記載の水処理機器の洗浄方法。
【請求項19】
水処理機器の複数の流路が少なくとも一つの流路からなるグループに分けられており、上記洗浄水流入操作でグループを通じて順に洗浄水を循環させることにより複数の流路を洗浄する請求項17に記載の水処理機器の洗浄方法。
【請求項20】
水処理機器の複数のタンクが少なくとも一つのタンクからなるグループに分けられており、上記洗浄水流入操作でグループを通じて順に洗浄水を循環させることにより複数のタンクを洗浄する請求項17に記載の水処理機器の洗浄方法。
【請求項21】
上記洗浄操作で、上記フィルター部の吐出側の浄水貯蔵部に洗浄水が満たされる前に循環モジュールを稼働させる請求項17に記載の水処理機器の洗浄方法。
【請求項22】
上記洗浄操作で、洗浄水の流圧又は流量を測定することによって誤作動を検知する請求項17に記載の水処理機器の洗浄方法。
【請求項23】
上記洗浄操作で、洗浄段階が完了するか又は誤作動が検知された場合に、循環モジュールを停止させる請求項17に記載の水処理機器の洗浄方法。
【請求項24】
上記洗浄操作で、循環モジュールが停止した場合にディスプレイおよび/またはブザーを通じて洗浄完了又は誤作動を知らせる請求項23に記載の水処理機器の洗浄方法。
【請求項25】
上記洗浄操作の後に、洗浄水に中和剤を投入して洗浄水を中和させる洗浄水中和操作をさらに備えてなる請求項17に記載の水処理機器の洗浄方法。
【請求項26】
水処理機器の複数の流路が少なくとも一つの流路からなるグループに分けられており、上記洗浄水中和操作でグループを通じて順に洗浄水を循環させることにより複数の流路を洗浄する請求項25に記載の水処理機器の洗浄方法。
【請求項27】
上記洗浄水中和操作が設定された時間行われると、ディスプレイおよび/またはブザーを通じて洗浄水の中和完了を知らせる請求項26に記載の水処理機器の洗浄方法。
【請求項28】
上記洗浄水中和操作が設定された時間行われた後に、上記流路切り替え部を稼働することにより中和された洗浄水を排水する排水操作をさらに備えてなる請求項25に記載の水処理機器の洗浄方法。
【請求項29】
上記排水操作が行われた後に、上記水処理機器の流路に浄水を供給してから浄水を排水することで、上記水処理機器の流路を洗浄する洗浄操作をさらに含む請求項28に記載の水処理機器の洗浄方法。
【請求項30】
上記洗浄操作で、上記フィルター部の吐出側の浄水貯水部に浄水を完全に満たした後に、流路切り替え部を稼働して、浄水貯水部の浄水を外部に排水させる請求項29に記載の水処理機器の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−528000(P2012−528000A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512940(P2012−512940)
【出願日】平成21年12月31日(2009.12.31)
【国際出願番号】PCT/KR2009/008011
【国際公開番号】WO2010/137787
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(505414838)ウンジンコーウエイ カンパニイ リミテッド (18)
【Fターム(参考)】