説明

水処理装置

【課題】シリカおよび硬度成分を含む原水を逆浸透膜装置を用いてろ過する水処理方法において、透過水の水質低下を抑えながら透過水の流量の減少を抑制する。
【解決手段】ポリカルボン酸とホスホン酸とを含むスケール分散剤を第2添加装置23から添加しながら供給経路10を通じて原水を逆浸透膜装置20へ供給し、この原水を逆浸透膜モジュール24で透過水と濃縮水とに分離する。透過水は、処理水路30を流れて所要の目的のために利用され、濃縮水は、排水路40へ流れる。濃縮水は、第1添加装置22から原水へ添加するpH調整剤によりpHを調整することで、ランゲリア指数を0以上0.3以下に制御し、また、逆浸透膜モジュール24での透過水の回収率を調整することでシリカ濃度を150mgSiO/L以下に維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理装置、特に、シリカおよび硬度成分を含む原水を逆浸透膜装置を用いてろ過するための水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体や医薬の製造過程においては、製品の品質向上や安全性確保等の観点から、溶存している天然成分や懸濁物質等の夾雑成分を除去した精製水が大量に使用されており、そのような精製水は、例えば、工業用水、上水または地下水などの原水を逆浸透膜装置によりろ過処理することで製造されている。
【0003】
このような精製水の製造では、連続的な大量生産が求められることから、逆浸透膜装置でのろ過水量(透過水量)を安定に維持する必要がある。ところが、逆浸透膜装置は、原水に含まれる夾雑成分を逆浸透膜で高度に分離するものであり、結果的に逆浸透膜の一次側、すなわち、原水の導入側において夾雑成分の濃度が高まった濃縮水が接触した状態になるため、当該一次側においてファウリングやスケールが生じ、透過水量が漸減する傾向にある。ここで、ファウリングとは、原水中の懸濁物質や有機物等が逆浸透膜の膜面に沈着または吸着する現象をいい、逆浸透膜での透過水量を低下させる原因となり得る。一方、スケールは、原水に主として天然成分として含まれるカルシウム等の硬度成分やシリカが堆積したものであり、逆浸透膜の微孔を閉塞させることで逆浸透膜での透過水量を低下させる原因となり得る。
【0004】
一般に、逆浸透膜装置は、回収率、すなわち、原水に対して得られる透過水の割合を高めると濃縮水での夾雑成分濃度が高まり、ファウリングやスケールによる透過水量の減少が短時間で発生しやすくなるため、回収率を低めに制御することで濃縮水での夾雑成分濃度の上昇を抑えて安定な透過水量を比較的長期間に亘って維持することができる。しかし、この場合、透過水量が減少することになるため、原水の処理効率(すなわち、精製水の製造効率)が損なわれる。
【0005】
このような不具合への対策として、特許文献1は、原水に対してスケール防止剤を添加するとともに、原水のpHが5.5程度になるよう酸を添加する方法を開示している。しかし、この方法は、特許文献1に記載のように、透過水の水質が低下するという、精製水の製造において看過できない不具合がある。
【0006】
因みに、特許文献1に記載の方法において透過水の水質が低下するのは、酸の過剰な添加によって原水に含まれる炭酸水素イオンや炭酸イオンが遊離炭酸(溶存炭酸ガス)に変化し、この遊離炭酸が逆浸透膜を透過してしまうことによるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−206749号公報(段落0010、段落0013並びに段落0045および段落0050の比較例1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、シリカおよび硬度成分を含む原水を逆浸透膜装置を用いてろ過する水処理において、透過水の水質低下を抑えながら透過水の流量の減少を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、シリカおよび硬度成分を含む原水をろ過するための水処理装置に関するものであり、この水処理装置は、原水の供給経路と、供給経路からの原水をろ過して透過水と濃縮水とに分離するための逆浸透膜装置と、逆浸透膜装置から透過水を排出するための処理水路と、逆浸透膜装置から濃縮水を排出するための排水路と、供給経路に設けられた、原水のpHを調整するための第1調整手段と、逆浸透膜装置での透過水の回収率を調整するための第2調整手段と、供給経路に設けられた、原水へスケール分散剤を添加するための添加装置と、排水路を通じて排出される濃縮水の水質を検査するための水質検査装置と、水質検査装置により検査された水質に基づいて、濃縮水のランゲリア指数を算出するための演算手段と、濃縮水のランゲリア指数が0.3以下に維持されるよう、かつ、濃縮水のシリカ濃度が150mgSiO/L以下に維持されるよう、第1調整手段と第2調整手段とを制御する水質制御手段とを備えている。
【0010】
この水処理装置において、水質制御手段は、通常、ランゲリア指数が0以上に維持されるよう第1調整手段を制御する。また、第1調整手段は、例えば、pH調整剤を原水へ注入するための注入装置である。ここで用いられるpH調整剤は、通常、原水のpHを低下させる酸性薬剤および原水のpHを高めるアルカリ性薬剤のうちの少なくとも一つである。
【0011】
他の観点に係る本発明は、シリカおよび硬度成分を含む原水を逆浸透膜装置を用いてろ過する水処理方法に関するものであり、この水処理方法は、スケール分散剤を添加した原水を逆浸透膜装置へ供給し、透過水と濃縮水とに分離する工程を含み、濃縮水のランゲリア指数を0.3以下に、かつ、シリカ濃度を150mgSiO/L以下に維持する。
【0012】
この水処理方法では、通常、ランゲリア指数を0以上に維持する。また、この水処理方法では、通常、原水のpHを調整することで濃縮水のランゲリア指数を制御し、かつ、逆浸透膜装置での透過水の回収率を調整することで濃縮水のシリカ濃度を制御する。
【0013】
本発明において用いられるスケール分散剤は、例えば、ポリカルボン酸とホスホン酸とを含むものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、シリカおよび硬度成分を含む原水を逆浸透膜装置を用いてろ過するに当たり、濃縮水のランゲリア指数を0.3以下に、かつ、シリカ濃度を150mgSiO/L以下に維持しているため、透過水の水質低下を抑えながら透過水の流量の減少を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の一形態に係る水処理装置の概略図。
【図2】前記水処理装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照して、本発明の実施の一形態に係る水処理装置を説明する。図において、水処理装置1は、シリカ(本願では、日本工業規格JIS K0101:1998「工業用水試験方法」の「44.シリカ(SiO)」において規定された全シリカを意味する。)および硬度成分(カルシウムイオンおよびマグネシウムイオン)を含む原水、例えば、工業用水、水道水、地下水(浅井戸水、深井戸水、湧水または伏流水等)、地表水(河川水または湖沼水等)若しくは工場排水またはこれらの任意の組み合わせによる混合水をろ過処理することで精製水を製造するためのものであり、原水の供給経路10、逆浸透膜装置20、処理水路30、排水路40および制御装置50を主に備えている。
【0017】
供給経路10は、原水の供給源(図示せず)からの原水を逆浸透膜装置20に対して供給するためのものであり、原水の供給および停止を制御するための給水制御弁21並びに原水に対して薬剤を添加するための第1添加装置22および第2添加装置23をこの順に備えている。
【0018】
第1添加装置22(第1調整手段の一例)は、逆浸透膜装置20へ供給する原水に対してpH調整剤を注入するためのものであり、第1部位22aと第2部位22bとを備えている。第1部位22aは、原水に対し、原水のpHを低下させる酸性薬剤を注入するための部位である。ここで用いられる酸性薬剤は、特に限定されるものではなく、例えば、塩酸、硫酸または硝酸などの無機酸であり、通常、水溶液として用いられる。一方、第2部位22bは、原水に対し、原水のpHを高めるアルカリ性薬剤を注入するための部位である。ここで用いられるアルカリ性薬剤は、例えば、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属の水酸化物や炭酸塩などであり、通常、水溶液として用いられる。
【0019】
第1部位22aおよび第2部位22bは、それぞれ、pH調整剤の貯蔵部と、pH調整剤を貯蔵部から原水へ注入するための注入部とを有しており、注入部は、pH調整剤の注入量を調節するための制御弁を有している。
【0020】
第2添加装置23は、逆浸透膜装置20へ供給する原水に対してスケール分散剤を添加するためのものであり、スケール分散剤の貯蔵部と、スケール分散剤を貯蔵部から原水へ添加するための添加部とを有している。添加部は、スケール分散剤の添加量を調節するための制御弁を有している。
【0021】
ここで用いられるスケール分散剤は、水溶性のものであれば特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸系ポリマー、メタクリル酸系ポリマーおよびマレイン酸系ポリマーなどのポリカルボン酸、ポリスルホン酸並びにホスホン酸などを挙げることができる。これらのスケール分散剤は、二種以上のものが併用されてもよい。また、スケール分散剤は、通常、水溶液として用いられる。
【0022】
スケール分散剤としては、逆浸透膜装置20の後記する逆浸透膜モジュール24において、逆浸透膜の膜面に炭酸カルシウム系スケールが付着するのを効果的に抑制可能なことから、ポリカルボン酸とホスホン酸とを含むものが好ましい。このようなスケール分散剤の例として、ポリカルボン酸とホスホン酸とを含む、濃度が33〜37重量%の水溶液であるBWA WATER ADDITIVES社の商品名「フロコン260」を挙げることができる。
【0023】
逆浸透膜装置20は、供給経路10からの原水をろ過処理するためのものであり、逆浸透膜モジュール24と加圧ポンプ25とを主に備えている。
【0024】
逆浸透膜モジュール24は、単一または複数の逆浸透膜エレメント(図示せず)を備えたものである。逆浸透膜エレメントを形成する逆浸透膜は、原水に含まれる分子量が数十程度の微細な夾雑成分の透過を阻止可能な膜であり、原水の処理目的によっては夾雑成分の透過阻止率が若干低いナノ濾過膜(NF膜)であってもよい。
【0025】
加圧ポンプ25は、供給経路10からの原水を加圧して逆浸透膜モジュール24へ供給可能なものである。供給経路10からの原水は、この加圧ポンプ25により逆浸透膜での浸透圧以上に加圧された状態で逆浸透膜モジュール24へ供給されることで逆浸透膜エレメントにおいて逆浸透し、一部が逆浸透膜エレメントを透過する。これにより、原水は、逆浸透膜エレメントにおいて、夾雑成分が除去された透過水(すなわち、精製水)と、夾雑成分濃度が高まった濃縮水とに分離される。
【0026】
処理水路30は、逆浸透膜装置20において生成した透過水を送出するための経路であり、透過水を一時的に貯水するためのタンクや、透過水を利用する各種装置(例えば、半導体製造装置、医薬品製造装置および蒸気ボイラ装置等)に連絡している。
【0027】
排水路40は、逆浸透膜装置20において生成した濃縮水を当該装置から排出するための経路であり、逆浸透膜装置20側から循環経路41、水質検査装置42および排水制御弁43をこの順に備えている。
【0028】
循環経路41は、逆浸透膜装置20からの濃縮水の一部を供給経路10へ循環させるためのものであり、排水路40から分岐し、第2添加装置23と加圧ポンプ25との間において供給経路10に連絡している。
【0029】
水質検査装置42は、排水路40を流れる濃縮水の水質を測定するためのものであり、排水路40から分岐する、濃縮水の一部を水質検査用の試料として採取するためのサンプリング経路410を有している。サンプリング経路410は複数に分岐しており、各分岐路は、それぞれ、濃縮水のpH値を測定するためのpHセンサ411、濃縮水の温度を測定するための温度センサ412、濃縮水の電気伝導率を測定するための電気伝導率センサ413、濃縮水のカルシウム硬度を測定するための硬度センサ414および濃縮水の総アルカリ度を測定するための総アルカリ度センサ415を有している。pHセンサ411、温度センサ412および電気伝導率センサ413としては、水質検査用において用いられる各種のものを使用することができる。
【0030】
硬度センサ414としては、一般的な比色式のものが用いられる。比色式のセンサは、採取された濃縮水の試料に発色試薬(例えば、2−ヒドロキシ−1−(2’−ヒドロキシ−4’−スルホ−1’−ナフチルアゾ)−3−ナフトエ酸)を添加したときの試料の発色を特定の吸収波長の吸光度の変化として検出し、当該吸光度に基づいてカルシウム硬度を判定するものである。
【0031】
総アルカリ度センサ415により測定される総アルカリ度は、炭酸水素塩、炭酸塩および水酸化物等として濃縮水に含まれるアルカリ成分の量を炭酸カルシウム(CaCO)の量に換算して表したものであり、各種の水質分析に関わるJIS規格等において酸消費量(pH4.8)と称されているものである。一般的な総アルカリ度センサ415は、比色式のものであり、これは、採取された濃縮水の試料に発色試薬(例えば、メチルオレンジ)を添加したときの試料の発色を特定の吸収波長の吸光度の変化として検出し、当該吸光度に基づいて総アルカリ度を判定するものである。
【0032】
排水制御弁43は、逆浸透膜装置20からの濃縮水の廃棄量を制御するためのものである。
【0033】
制御装置50は、水処理装置1の動作を制御するためのものであり、動作を統括する中央制御装置、水処理装置1の動作プログラムや各種のデータを記憶する記憶装置および情報の入出力装置(いずれも図示せず)を備えた電子情報処理組織である。入出力装置の入力部は、水質検査装置42が連絡しており、pHセンサ411、温度センサ412、電気伝導率センサ413、硬度センサ414および総アルカリ度センサ415の各センサでの測定データを受信可能である。また、入力部には、水処理装置1の動作において必要な各種のデータや指令等を手動で入力するための操作盤51などが連絡している。一方、入出力装置の出力側は、給水制御弁21、第1添加装置22、第2添加装置23、加圧ポンプ25、排水制御弁43および水質検査装置42での測定データやその他の情報を表示したり、所要の情報の手動入力を案内したりするための表示装置52が連絡しており、これらの各部に対して所要の動作信号を発信可能である。
【0034】
記憶装置に記憶された動作プログラムは、濃縮水のランゲリア指数を算出するための演算プログラムと、濃縮水の水質制御プログラムとを含んでいる。
【0035】
ランゲリア指数は、水系におけるスケール発生傾向を評価するための一般的な指標であり、正の値で絶対値が大きいほど炭酸カルシウムが析出しやすいことを示し、また、負の値で絶対値が大きいほど炭酸カルシウムが析出しにくいことを示す。また、ランゲリア指数が0のときは、炭酸カルシウムが析出も溶解もしない平衡状態にある。このことから、濃縮水のランゲリア指数が0未満の場合は、逆浸透膜モジュール24の膜面において炭酸カルシウムによるスケールが生成しにくい状態にあり、逆に、0を超える場合は、逆浸透膜モジュール24の膜面において炭酸カルシウムによるスケールが生成しやすいことになる。
【0036】
濃縮水のランゲリア指数(LSI)は、通常、次の式(1)により求められる。
LSI=pH−pHs (1)
【0037】
式(1)において、pHは濃縮水のpH値である。また、pHsは、濃縮水において炭酸カルシウムが溶解も析出もしない平衡状態にあるときの理論上のpH値であり、次の式(2)により求められる。
pHs=9.3+A値+B値−C値−D値 (2)
【0038】
式(2)において、A値は、蒸発残留物濃度により定まる補正値である。蒸発残留物濃度は、電気伝導率と相関があるため、所定の換算式を用いて電気伝導率から蒸発残留物濃度を求めることができる。B値は、水温により定まる補正値である。C値は、カルシウム硬度により定まる補正値である。D値は、総アルカリ度により定まる補正値である。
【0039】
式(1)から明らかなように、濃縮水のランゲリア指数は、濃縮水のpHの低下とともに小さくなり、pHの上昇とともに大きくなる。したがって、濃縮水のランゲリア指数は、濃縮水のpHを調整することで制御可能である。
【0040】
ランゲリア指数の演算プログラムは、水質検査装置42の各センサでの測定データから、所定の関係式を用いて算出することで、または、所定の数値テーブルを参照することで、A〜D値を求める。そして、求めたA〜D値から式(2)によりpHsを求め、このpHsとpHセンサ411での実測pHとから式(1)によりランゲリア指数を算出する。なお、ランゲリア指数を算出するために必要な各種の数値テーブルは、記憶装置に記憶しておくことができる。
【0041】
一方、水質制御プログラムは、後記するプロセスにより第1添加装置22、加圧ポンプ25および排水制御弁43を制御することで濃縮水のランゲリア指数およびシリカ濃度を制御するためのものである。
【0042】
次に、上述の水処理装置1の基本動作を説明する。水処理装置1において、給水制御弁21を開放し、原水の供給源から供給経路10へ原水を供給すると、この原水は、第2添加装置23からスケール分散剤が連続的または一定時間毎に添加され、また、加圧ポンプ25により逆浸透膜モジュール24での浸透圧以上に加圧されて逆浸透膜モジュール24へ供給される。逆浸透膜モジュール24へ加圧されて供給された原水は、一部が逆浸透膜を透過し(すなわち、ろ過され)、夾雑成分が除去された透過水として処理水路30から排出される。一方、残余の原水は、逆浸透膜により透過を阻止された夾雑成分の濃度が高まった濃縮水として排水路40へ押し流される。排水路40へ流れた濃縮水は、一部が循環経路41へ流れ、供給経路10を流れる原水に合流する。また、循環経路41へ循環しない残余の濃縮水は、排水制御弁43から廃棄される。
【0043】
このような水処理装置1の動作では、逆浸透膜モジュール24からの透過水の流量(F)および排水制御弁43から廃棄される濃縮水の流量(F)を制御することで、回収率を調節することができる。ここで、回収率とは、逆浸透膜モジュール24へ供給される原水の流量(F)に対する透過水の流量(F)の割合(%)(すなわち、F/F×100)をいう。本実施の形態において、Fは、給水制御弁21から供給される原水の流量である。
【0044】
次に、図2に示す動作フローチャートを参照して、水処理装置1の動作をより具体的に説明する。この水処理方法においては、先ず、原水の試料を採取し、原水のシリカ濃度(mgSiO/L)を分析する。原水のシリカ濃度は、市販の測定試薬キット等を用いた化学分析手法により測定することができるが、市販の自動測定装置を用いて測定することもできる。
【0045】
操作者が水処理装置1を始動すると、動作プログラムは、ステップS1において、制御装置50の表示装置52に情報入力案内を表示し、ステップS2において操作者が原水のシリカ濃度を入力するのを待つ。操作者が予め調べた原水のシリカ濃度を操作盤51から入力すると、動作プログラムはステップS2からステップS3へ移行し、逆浸透膜装置20において設定すべき回収率を算出する。より具体的には、入力された原水のシリカ濃度に基づいて、濃縮水のシリカ濃度が150mgSiO/L以下に維持され得る回収率を算出する。
【0046】
ここで、回収率は、高く設定することで原水の濃縮倍率が高くなり(すなわち、濃縮水における夾雑成分濃度が高くなり)、低く設定することで原水の濃縮倍率が低くなる(すなわち、濃縮水における夾雑成分濃度が低くなる)。このため、原水のシリカ濃度が判明している場合、回収率の調節により原水の濃縮倍率を制御すれば、結果的に濃縮水のシリカ濃度を制御することができる。例えば、回収倍率を90%に設定したとき、原水の濃縮倍率は10倍程度になる。この場合、原水のシリカ濃度が例えば10mgSiO/Lであれば、濃縮水のシリカ濃度は原水での濃度の10倍、すなわち、100mgSiO/L程度に維持されるから、90%の回収率は濃縮水のシリカ濃度を150mgSiO/L以下に維持する上で適切な回収率である。これに対し、原水のシリカ濃度が例えば20mgSiO/Lであれば、濃縮水のシリカ濃度は10倍の200mgSiO/L程度に維持されるから、90%の回収率は濃縮水のシリカ濃度を150mgSiO/L以下に維持する上で不適切な回収率である。
【0047】
原水の濃縮倍率に基づいて算出される回収率は、濃縮水のシリカ濃度を150mgSiO/L以下に維持可能な上限値である。このような上限値の回収率は、原水において一時的にシリカ濃度が上昇する事態が生じたとき、濃縮水のシリカ濃度を150mgSiO/L以下に維持することができない可能性がある。また、回収率は、逆浸透膜モジュール24の膜面でのファウリングによる原水の処理効率の低下を回避する観点から、通常、90%以下に設定するのが好ましい。したがって、これらの事情を考慮し、ステップS3において算出する回収率は、通常、上述の上限値を補正し、当該上限値よりも小さく設定するのが好ましい。
【0048】
なお、濃縮水のシリカ濃度が150mgSiO/Lを超える場合、逆浸透膜モジュール24の膜面においてシリカ系スケールが生成しやすくなることから、比較的短時間のうちに透過水量が減少し、原水の処理効率が低下する。
【0049】
次に、動作プログラムはステップS4へ移行する。このステップでは、表示装置52が初期準備の完了を表示し、操作者が水処理装置1の運転開始指令を入力するのを待つ。そして、操作者が操作盤51を通じて運転開始指令を入力すると、動作プログラムはステップS5へ移行し、水処理装置1の運転を開始する。
【0050】
ステップS5において、動作プログラムは、先ず、給水制御弁21を開放し、供給源からの原水を供給経路10へ流す。これにより、水処理装置1は、既述の基本動作を開始する。また、このステップでは、ステップS3で算出された回収率が達成されるよう、逆浸透膜モジュール24での透過水の流量(F)および廃棄する濃縮水の流量(F)をそれぞれ加圧ポンプ25の回転数および排水制御弁43の開度の制御により調節する。これにより、濃縮水のシリカ濃度は、150mgSiO/L以下に維持される。
【0051】
また、ステップS5において、動作プログラムは、第2添加装置23によるスケール分散剤の添加を開始する。ここで、動作プログラムは、給水制御弁21から供給経路10へ供給する原水の流量(F)を参照し、当該原水におけるスケール分散剤の濃度を制御する。スケール分散剤は、逆浸透膜モジュール24の膜面でのスケールの生成が抑制されるように原水での濃度を設定する必要があり、当該濃度を高めに設定するのが一般的であるが、この実施の形態では、濃縮水のシリカ濃度が150mgSiO/L以下に維持され、また、濃縮水のランゲリア指数が後記するように0.3以下の範囲に維持されるため、1〜5mg/L程度の微量に設定するだけで効果的に機能し得る。この結果、排水制御弁43から廃棄される濃縮水は、スケール分散剤による化学的酸素要求量(COD)の上昇が抑えられ、環境負荷を与えにくい。
【0052】
さらに、ステップS5において、動作プログラムは、水質検査装置42を作動させ、サンプリング経路410を通じて排水路40から常時採取される濃縮水の試料の水質検査を開始する。
【0053】
次のステップS6において、動作プログラムは、操作者が操作盤51から水処理装置1の停止指令を入力したか否かを判断する。操作者が停止指令を入力したとき、動作プログラムはステップS7へ移行し、給水制御弁21を閉鎖するとともに、その他の装置を停止する。これにより、逆浸透膜装置20への原水の供給が停止し、水処理装置1は動作を終了する。
【0054】
一方、水処理装置1の運転中、動作プログラムは、ステップS8において濃縮水のランゲリア指数(LSI)を算出する。ここでは、水質検査装置42のpHセンサ411、温度センサ412、電気伝導率センサ413、硬度センサ414および総アルカリ度センサ415によりそれぞれ測定されたpH、温度、電気伝導率、硬度および総アルカリ度の各データから所定の数値テーブルを参照することで既述のA〜D値を求め、既述の式(2)および(1)からランゲリア指数を算出する。
【0055】
ステップS8において算出されたランゲリア指数は、次のステップS9において0以上0.3以下の範囲にあるか否かが判断される。ランゲリア指数が上記範囲から外れるものと判断されたとき、動作プログラムはステップS10へ移行し、濃縮水のランゲリア指数の制御動作を実行する。
【0056】
ここで、ランゲリア指数が0.3を超える場合、動作プログラムは、第1添加装置22において第1部位22aの制御弁を作動させ、供給経路10を流れる原水に対して酸性薬剤を注入する。これにより、濃縮水は、pHが低下し、ランゲリア指数が小さくなる。一方、ランゲリア指数が0未満の場合、動作プログラムは、第1添加装置22において第2部位22bの制御弁を作動させ、供給経路10を流れる原水に対してアルカリ性薬剤を注入する。これにより、濃縮水は、pHが上昇し、ランゲリア指数が大きくなる。このように、第1添加装置22は、酸性薬剤を添加するための第1部位22aと、アルカリ性薬剤を添加するための第2部位22bとの両方を備えているため、濃縮水のランゲリア指数を上述の狭い範囲に迅速にかつ安定に制御することができる。
【0057】
動作プログラムは、水処理装置1の運転中、すなわち、操作者が操作盤51から停止指令を入力しない限り、ステップS8およびステップS9を繰返し、必要なときはステップS10を実行することで濃縮水のランゲリア指数が0以上0.3以下の範囲になるよう制御する。
【0058】
以上のような動作プログラムにより、水処理装置1では、運転中において、濃縮水のランゲリア指数が0以上0.3以下に維持され、かつ、濃縮水のシリカ濃度が150mgSiO/L以下に維持される。このため、逆浸透膜モジュール24は、逆浸透膜において炭酸カルシウム系スケールおよびシリカ系スケールの生成が抑制され、透過水の流量を長期間に亘って安定に維持することができる。また、このような透過水の流量の維持は、濃縮水のpHを単純に低下させるよう調整することで達成されるのではなく、濃縮水のランゲリア指数を0以上の狭い範囲で精密に制御することで達成されるものであるから、原水に対するpH調整剤、特に、酸性薬剤の注入量を抑制しながら達成することができる。その結果、原水に含まれる炭酸水素イオンや炭酸イオンが遊離炭酸(溶存炭酸ガス)に変化することを抑制し、逆浸透膜を透過する遊離炭酸の量を減らして透過水の水質低下を抑えることができる。
【0059】
変形例
(1)原水のシリカ濃度は、原水の種類によっては水源の地質的事情により安定していることがある。この場合、季節変化等、原水のシリカ濃度が変動する事情がない限り、水処理装置1を作動させる毎に原水のシリカ濃度を測定し、その測定値を入力する必要性は低い。このような場合、上述の水処理装置1は、最初の始動時に操作者が入力したシリカ濃度を制御装置50で記憶し、以後の始動時には動作プログラムのステップS1からステップS3を省略して動作させることもできる。
【0060】
(2)上述の実施の形態では、予め原水のシリカ濃度を測定し、その測定値に基づいて濃縮水のシリカ濃度が150mgSiO/L以下に維持されるよう回収率を調整しているが、水質検査装置42に濃縮水のシリカ濃度を測定するためのセンサをさらに設け、このセンサでのシリカ濃度の測定値が150mgSiO/L以下に維持されるよう回収率を調整することもできる。
【0061】
(3)上述の実施の形態では、濃縮水のランゲリア指数が0以上0.3以下の範囲になるよう制御しているが、本発明では、ランゲリア指数の下限を設けないようにすることもできる。但し、そのようにすると、濃縮水において所要のランゲリア指数を達成するために原水に対して比較的多量のpH調整剤(酸性薬剤)を添加することになり、結果的に逆浸透膜を透過する遊離炭酸の量が増加して透過水の水質が低下する。したがって、ランゲリア指数は、好ましくは0以上に設定するのが好ましく、仮にマイナス値に設定するとしても−0.2〜0の程度にとどめるのが好ましい。
【0062】
なお、供給源からの原水は、特別な場合を除き、その一般的な水質から酸性薬剤の添加によるpH調整で濃縮水のランゲリア指数を0.3以下に制御することができる。このため、水処理装置1では、通常、酸性薬剤を添加するための第1部位22aのみからなる第1添加装置22を用いることもできる。
【0063】
これに対し、供給源からの原水そのもののpHが酸性範囲にあるような特別な場合、例えば、原水が工場排水であってpHが5〜6程度の場合、濃縮水のランゲリア指数は原水のpHを調整しなくても0.3以下、特にマイナス値になることが多い。このような場合、透過水の水質を高めるために、アルカリ性薬剤を添加するための第2部位22bのみからなる第1添加装置22を用い、原水にアルカリ性薬剤を適宜添加しながら濃縮水のランゲリア指数を0.3付近まで高めるようにするのが好ましい。
【0064】
(4)上述の実施の形態では、第1添加装置22にアルカリ性薬剤を添加するための第2部位22bを設け、そこから原水へアルカリ性薬剤を添加することで原水のpHを高めているが、原水の水質において適当な場合は、原水のpHを高めるための手段としてエアレーション方式(空気と原水との気液接触を利用した遊離炭酸の除去方法)を採用することもできる。
【0065】
(5)上述の実施の形態では、原水を効率的に利用して濃縮水の廃棄量を抑えることを目的とし、排水路40に循環経路41を設けたクロスフロー方式を採用しているが、クロスフロー方式を採らない場合も本発明を同様に実施することができる。
【0066】
(6)上述の各実施の形態において、供給経路10は、第1添加装置22の上流側(原水の供給源側)において軟水化装置をさらに備えていてもよい。軟水化装置は、原水に含まれる硬度成分を陽イオン交換樹脂により一価の陽イオン(例えば、ナトリウムイオン)と交換することで除去するものであり、原水を軟化水に変換するためのものである。一般的な軟水化装置では、原水のカルシウム硬度を0.1mg/L以下に低減することができる。
【0067】
濃縮水のランゲリア指数は、既述の式(2)において明らかなように、原水のカルシウム硬度に基づいて定まるものであり、原水のカルシウム硬度を低下させることで小さくなる。したがって、軟水化装置を用いれば、原水へのpH調整剤、特に、酸性薬剤の添加を抑えて濃縮水のランゲリア指数を所定の範囲に制御しやすくなるため、透過水の水質低下をより抑制しやすくなる。
【実施例】
【0068】
実施例1〜3
電気伝導率159mS/m、硬度414mgCaCO/L、シリカ濃度44mgSiO/L、総アルカリ度90mgCaCO/LおよびpH7.6の水質に調整された試験用の供給水を調製し、この供給水をタンクに貯留した。そして、タンクから延びる供給経路を通じ、この供給水を逆浸透膜エレメント(ウンジン・ケミカル社の型式名「RE8040−BLF」)を1本装填した逆浸透膜モジュールへ加圧ポンプにより加圧しながら連続的に供給し、透過水流量1000L/h、回収率75%および温度25℃の条件で運転した。透過水流量は、加圧ポンプの回転数の調節により制御した。逆浸透膜モジュールへの通水はクロスフロー方式とし、透過水流量に対して系内の循環流量が5倍となるように、濃縮水の一部を供給経路へ循環させた。このような供給水の処理運転中において、濃縮水の一部を定期的にサンプルとして採取し、濃縮水のシリカ濃度が概ね135〜150mgSiO/Lに、また、濃縮水の電気伝導率が概ね510〜530mS/mに維持されていることを確認した。
【0069】
上述の運転において、逆浸透膜モジュールへ流れる供給水のpHを硫酸の添加により6〜6.6に調整することで濃縮水のpHを8〜9程度に調整し、実施例1ではランゲリア指数(LSI)を−0.2に、実施例2では同指数を0.1に、実施例3では同指数を0.3にそれぞれ制御した。また、供給水に対し、スケール分散剤としてBWA WATER ADDITIVES社の商品名「フロコン260」を原液のまま濃度が2.5mg/Lになるよう添加した。
【0070】
比較例1
供給水への硫酸添加を調整することで濃縮水のランゲリア指数を0.5に制御した点を除き、実施例1〜3と同様の条件で供給水を処理した。
【0071】
比較例2
供給水への硫酸添加による濃縮水のランゲリア指数の制御をしなかった点を除き、実施例1〜3と同様の条件で供給水を処理した。
【0072】
比較例3
供給水への硫酸添加を調整することで濃縮水のランゲリア指数を0.2に制御し、かつ、回収率を増加させて濃縮水のシリカ濃度を170mgSiO/L程度にまで高めた点を除き、実施例1〜3と同様の条件で供給水を処理した。
【0073】
比較例4
供給水へのスケール分散剤の添加をしなかった点を除き、ランゲリア指数を0.3に制御した実施例3と同様の条件で供給水を処理した。
【0074】
比較例5
供給水への硫酸添加による濃縮水のランゲリア指数の制御、および、供給水へのスケール分散剤の添加をしなかった点を除き、実施例1〜3と同様の条件で供給水を処理した。
【0075】
評価
実施例1〜3および比較例1〜5のそれぞれにおいて、水処理運転中の逆浸透膜エレメントの有効圧力の変化を経時的に測定した。そして、有効圧力の測定値、透過水流量の設定値および逆浸透膜エレメントの有効膜面積から透過水の水透過係数を所定時間経過時に算出した。なお、初期状態の水透過係数は、逆浸透膜エレメントの個体差により多少のばらつきがあるため、水処理運転の開始から1時間経過時点の数値を初期値とした。また、水処理運転の開始から24時間経過時点での透過水の電気伝導率を測定した。電気伝導率は、透過水の水質を示す指標であり、数値が低いほど透過水にイオン成分(夾雑成分)が少ないこと、すなわち、水質が良好なことを表している。結果を表1に示す。なお、比較例5は、120時間経過時点の水透過係数が初期値の15%未満まで低下したため、この時点で水処理運転を中止した。表1には、濃縮水のランゲリア指数、シリカ濃度および電気伝導率を表示しているが、表示の数値は水処理運転中での平均値である。
【0076】
【表1】

【0077】
表1によると、実施例1〜3では、150時間経過時の水透過係数が初期値の96〜97%に維持されており、比較例1〜5に比べて逆浸透膜エレメントのスケール付着による閉塞が顕著に抑制されていることがわかる。また、実施例1〜3は、比較例1〜5に比べて透過水の電気伝導率が同程度の数値となっており、水質の良好な透過水が得られていることがわかる。さらに、実施例1〜3によると、濃縮水のランゲリア指数が0未満の場合に透過水の電気伝導率が若干高くなる傾向が見られるため、濃縮水のランゲリア指数は0以上に維持するのが好ましいこともわかる。
【符号の説明】
【0078】
1 水処理装置
10 供給経路
20 逆浸透膜装置
22 第1添加装置
23 第2添加装置
30 処理水路
40 排水路
42 水質検査装置
50 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカおよび硬度成分を含む原水をろ過するための水処理装置であって、
前記原水の供給経路と、
前記供給経路からの前記原水をろ過して透過水と濃縮水とに分離するための逆浸透膜装置と、
前記逆浸透膜装置から前記透過水を排出するための処理水路と、
前記逆浸透膜装置から前記濃縮水を排出するための排水路と、
前記供給経路に設けられた、前記原水のpHを調整するための第1調整手段と、
前記逆浸透膜装置での前記透過水の回収率を調整するための第2調整手段と、
前記供給経路に設けられた、前記原水へスケール分散剤を添加するための添加装置と、
前記排水路を通じて排出される前記濃縮水の水質を検査するための水質検査装置と、
前記水質検査装置により検査された前記水質に基づいて、前記濃縮水のランゲリア指数を算出するための演算手段と、
前記ランゲリア指数が0.3以下に維持されるよう、かつ、前記濃縮水のシリカ濃度が150mgSiO/L以下に維持されるよう、前記第1調整手段と前記第2調整手段とを制御する水質制御手段と、
を備えた水処理装置。
【請求項2】
前記水質制御手段は、前記ランゲリア指数が0以上に維持されるよう前記第1調整手段を制御する、請求項1に記載の水処理装置。
【請求項3】
前記第1調整手段は、pH調整剤を前記原水へ注入するための注入装置である、請求項1または2に記載の水処理装置。
【請求項4】
前記pH調整剤は、前記原水のpHを低下させる酸性薬剤および前記原水のpHを高めるアルカリ性薬剤のうちの少なくとも一つである、請求項3に記載の水処理装置。
【請求項5】
前記スケール分散剤としてポリカルボン酸とホスホン酸とを含むものを用いる、請求項1から4のいずれかに記載の水処理装置。
【請求項6】
シリカおよび硬度成分を含む原水を逆浸透膜装置を用いてろ過する水処理方法であって、
スケール分散剤を添加した前記原水を前記逆浸透膜装置へ供給し、透過水と濃縮水とに分離する工程を含み、
前記濃縮水のランゲリア指数を0.3以下に、かつ、シリカ濃度を150mgSiO/L以下に維持する、
水処理方法。
【請求項7】
前記ランゲリア指数を0以上に維持する、請求項6に記載の水処理方法。
【請求項8】
前記原水のpHを調整することで前記ランゲリア指数を制御し、かつ、前記逆浸透膜装置での前記透過水の回収率を調整することで前記シリカ濃度を制御する、請求項6または7に記載の水処理方法。
【請求項9】
前記スケール分散剤がポリカルボン酸とホスホン酸とを含む、請求項6から8のいずれかに記載の水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−183472(P2012−183472A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47857(P2011−47857)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【Fターム(参考)】