説明

水分含有可溶性ファイバー

【課題】安全水及び可溶性食餌線維の顕著量を含有する水類似液体を提供する。
【解決手段】一般的に生じる液体は光学的に透明で飲料水と類似する物理的な特性を有する。前記液体は適切な水分補給を満たす手段として、ボトル水又は他の水の代用物として意図される。使用される可溶性繊維によって前記溶液は無カロリー又は非常に低カロリーのどちらかである。可溶性線維量は水の特定量に対して調整され、水分補給(例えば、日に8オンスグラス8杯)を満たす十分量の液体の消費はまた食餌線維の最適量を供給する。これは食餌が補完なしには十分な線維を供給し得ないストレス状況で特に有用である。一日を通じての線維の一定計量供給は下剤等を介した線維の丸薬投与より好ましく、且つ,より便利なものである。加えて、消化管における可溶性線維の恒常的な存在は、血中グルコースの食後の増加を穏やかにし、血清脂質レベルを調整し、及び食欲を抑制する既知の有効な効果を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2000年2月22日に出願した合衆国特許出願番号09/510,400、発明の名称「線維−水―水含有可溶性線維」、の一部継続出願であり、その開示内容の全体を本明細書の一部として援用する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、一般的にヒトの食餌の成分、特に水及び線維に関する。ヒトの健康の主要問題の多くは、何れの食餌成分が動物及びヒトの健康に本当に必須であるか、並びに、何れの成分が単に製品を売るために様々な会社による誇大宣伝にすぎないのかを中心課題としている。関連する問題は、所定の個体に所定の食物、栄養、またはニュートラシューティカル(nutraceutical)の適切性に関する情報の正確性に関する問題である。確かに、「1つのサイズが皆にフィットする」とのシナリオは、医薬及び栄養物に関する場合には真実ではない。さらに、連邦医薬品局(Federal Drug Administration)は、食餌サプリメントに対しては非常に狭い制御権限しか有していないため、多くの会社が権利要求において、及び、生産物を消費するヒト又は動物を助け得る(または助けることができない)新規な製品の発売において競争することになる。常に新たな情報が薬草サプリメント、処方医薬(ethical pharmaceuticals)、及び、様々な病状の間の潜在的な相互関係への警告としてでてくる。本発明の発明者は、もし危険性又は欠点が存在しても少しである、ヒト及び動物に非常に有益となり得る組成物を提供することに関与している。以下の記載において、ヒトの消費は家畜(主にイヌ及びネコ)による消費をも含むように解釈されるべきである。議論される概念の多くは他の動物に適用可能であるが、草食動物、特に反芻動物の消化系は、ヒトのものとは甚だしく変化しているものである。従って、本発明の主眼はヒトの消化系とより密接に類似する消化系を有する肉食動物及び雑食動物に対するものである。
【0003】
ヒト健康の難問の1つは、ありきたりであると思われる食餌成分が実際には非常に必須なものであるとのことである。頻繁に見逃され、または不十分な重要性を付与されたそのような必須成分の1つは、水分である。水分は代謝されないが、代謝に絶対的に必須のものである。体重の大部分は、生命の化学反応の溶媒として作用する水分である。多くの生きた細胞は、他の何よりも多く水分を含むものである。細胞の成育及び生存に必要な様々な栄養は、水中に拡散する細胞に侵入する。代謝後に老廃物は水によって運搬される、そして水なしでは少なくとも3〜5日に細胞死が起こり得る。
【0004】
平均的な人間は少なくとも1日に8オンスのグラス8杯分の水分、もし個体が水の損失の増大にいたるストレス下にあるならそれ以上の水分を消費するはずであることは、一般的に意見が一致している。不幸なことに、大抵のヒトは彼等が渇きを感じた時にのみ、水もしくは適切な水和した飲料を飲む。一般的に、彼等は完全に脱水を無効にするのに十分な水を消費しない。更に、この渇き応答は年齢によって効果的ではなくなり、年配の人々は、十分な水を飲まないようであり、より脱水の被害を受けるように思われる。John E.Greenleafによる「渇き、飲行動、及び、無意識の脱水の問題」(Medicine and Science in Sports and Exercise, 24:645(1992))を参照されたい。
【0005】
身体が脱水した際には、栄養物は細胞に即座に供給されず、また老廃物は即座に除去されない。脱水により血液の粘性が増大して、循環の効率は減少する。そのような減弱した循環は、究極的には血管の障害及び病気に至る。同時に、脱水した身体はこの状況を元に戻そうとするので、より多くの水分が腸(bowel)から除去される。これは過度の圧縮、並びに、便秘症(constipation)及び腸での毒素の潜在的な蓄積を伴う消化残留物の硬化を生じる(毒素は究極的には血流に吸収される)。更に、便秘は、結腸の細胞と毒素を含む糞便の間の長期間の接触の結果として、結腸癌を誘導するだろうことを示唆する証拠が多数存在する。
【0006】
身体の脱水状況のために腎臓による老廃物の濾過が減少して、循環系に毒素又は老廃物のさらに顕著な蓄積を生じる。これら老廃物は血管障害を悪化させる一方、血液の高浸透圧レベル及び老廃物の高レベルは実際に腎臓傷害を生じうる。もちろん、傷害された腎臓は老廃物及び毒素を一層弱く除去することになる。これは「連鎖反応」を生じ、更に多くの毒素及び老廃物が蓄積して、全般的なダメージがますます大きくなる。
【0007】
安全な水の適切な摂取は、脱水の基本的な問題であり得る。発明者は「安全水」との用語により、合衆国の連邦及び州政府により発布された飲料水の安全基準に合致する水を意味している。他の国においては、適切な政府的な団体が「安全水」に対する標準を設定している。しかしながら、十分な水分を摂取しても、便秘及びそれが引き起こす傷害は引き続き重大な問題である。これは大部分は我々の産業社会のライフスタイル及び食餌によるものである。水の十分な摂取があったとしても、消費される食物は十分な「繊維質食品(roughage)」を有することが重要である。
【0008】
社会として疑いなく、我々にはひどく食餌線維が欠乏している。我々は常に医療専門家及び他のエキスパートから線維の欠乏が命を縮めると警告されている。我々の食餌は、「空」カロリー、脂質及び糖を付加した精製食料品、で満たされている、そして数種の自然食品を含んでいる。線維に関していえば、多くのヒトは一日にボウル1杯の穀物で足りると信じている。我々のスーパーマーケット及びパントリー(pantries)は、通常は線維フリー、又は、非常に線維の少ない明るくパッケージされた調製済み食品で満たされている。食餌線維の存在又は欠如は、液状老廃物を排除する能力に大きく影響する。我々の社会の19個体中で約1個体は、特別の注意を必要とする健康状態を有する。この事実は、これらの個体の多くに対してより一層重要である十分な線維の必要性を創出するものである。現代医学の接触感染性疾患との争いにおける成功により、我々はより長く生存している。しかし、我々は肥満にいたらしめるカロリーの高い過度に加工された精製食品でより健康に生きられるだろうか?。人々はこれらの問題を、驚異的なダイエットや、食物から精製により除去されたものに補充する試みにおいて多くのサプリメントを消費することにより直そうと試みている。
【0009】
線維又は「繊維質食品」は、胃腸系(gastrointestinal system)を通過する際に未消化で残る食物の成分である。食餌線維の非常に多くは、植物由来のポリサッカライドから成る。最も明白な線維は、植物細胞の周囲を取り囲むセルロース壁である。これらの細胞の多くは実際に「線維」と呼ばれ、それゆえこの成分のオリジナルな名称となった。しかしながら、実際には二形態の線維が存在する、即ち、不溶性線維―クラッシックなセルロース物質、及び、可溶性線維―ヒト又は肉食動物の消化系では消化されない水溶性ポリサッカライドである。両タイプの線維はかなりの量の水と結合する、それゆえに便に対して軟化効果を有する。しかしながら、可溶性線維は、まさに関与するポリサッカライドに依存して、結腸中の細菌により代謝もしくは部分的に代謝され得る。従って、可溶性線維は排便時に同様の容量効果を有さないだろう。両タイプの線維は、胃腸管内で運動性を増大する傾向にあり、従って老廃物の通行時間を早め、及び、結腸癌のリスクを軽減させる。水と同様に、線維はヒトの健康に必須であり、ヒトに代謝されない。食餌線維が糖及び脂質が腸から吸収される割合を緩和するようであることが発見されている。この効果の厳密な理由は完全には理解されていない。おそらく、線維はこれらの物質を何らかの方法で隔離して、そして吸収を遅延もしくは阻止するのであろう。おそらく消化管を介した物質の全体的な通行を早めることにより、吸収が遅延するのであろう。単純糖(simple sugar)の場合、遅延した吸収は食事後の血糖のより緩やかな上昇に変換される。これは糖尿病の管理において同様に重要なことであり、また成人発症性の糖尿病の予防をも支援するだろう。脂質の場合、線維は血中コレステロールの障害性レベルへの上昇の予防を支援するように思われる。これは線維への胆汁酸塩及びコレステロールの結合によるものであり、これらの物質は吸収もしくは再吸収されるよりむしろ糞便と共に排出される。適切な線維は明らかに心臓疾患のリスクを減らす。更に、線維は毒性金属及び他の毒素に結合する傾向にあり、そのためそれらは消化系から安全に除去される。
【0010】
事実、食餌線維の欠乏は、結腸癌、心臓疾患、脳卒中、虫垂炎、及び糖尿病を含む多くの疾患状態に関連することが示唆されている。それらの疾患以外に、これは腸毒血症(intestinal toxemia)、痔(hemorrhoids)、過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome)、結腸炎(colitis)、憩室炎(diverticulitis)、精索静脈瘤(varicocele)、及び胆石症(cholelithiasis)(胆石)のような便秘症により密接に関連する。食餌線維は、血清コレステロールの軽減、インシュリン分泌の制限、及び腸排便の促進を含む様々な有効な生理的機能を行うと信じられている。これらの要因の全ては線維を非常に重要な栄養物質と位置付けるものであり、実際には消化されないのだが、何人かのコメンテーターにより6番目の最も重要な栄養物と報告された。
【0011】
任意の水溶性の非代謝炭水化物ポリマーも食餌線維として作用するように思われた。如何なるヒトの酵素も、これらのポリサッカライドを、直ちに吸収されるため「線維」効果を与えない単純糖にまで加水分解できないことが重要である。好ましくは、ポリマーもまたヒト腸内に普通に認められる細菌によって直ちに代謝されるべきではない。なぜなら細菌がポリマーを代謝しなければポリマーは引き続き「容量増大」効果を提供するからである。しかしながら、可溶性線維のいくつかのタイプ(あるマメ科植物の炭水化物のように)は、代謝されて有用性細菌の成長を促進する。このことは、用便を円滑にし、そして毒素を放出し得る他の細菌の成長を阻止する傾向にある有用性細菌として一般的にポジティブな効果を有する。
【0012】
可溶性線維は広いレンジの植物ソースから供給される。水溶性植物ペクチン及びペクチン物質(pectic materials)、ガラクトマンナン(galactomannans)、アラバノガラクタン(arabanogalactans)、及び水溶性ヘミセルロースは、可溶性線維として作用できる。多くの植物の「粘滑薬(mucilages)」、ゴム(gums)、及び例えばオオバコ(psyllium)の穀粒、種子、又は茎に見つけられた可溶性ポリサッカライド、グアール(guar)、オート麦(ベータ グルカン)、レンゲ(gum traganth; トラガンス ゴム)、ガッティ ゴム(gum ghatti)、カラヤ ゴム(ステルクリア ゴム)、アラビアゴム、もまた可溶性線維である。寒天もしくはカラゲナン(carrageenan)のような藻類のポリサッカライドもまた、デンプンの化学もしくは酵素消化(例えば、部分加水分解)により生産されるマルトデキストリンもしくはデキストリン、ゴム及び他の炭水化物ポリマーのような他の難消化性(indigestible)炭水化物のように可溶性線維として振舞う。可溶性セルロース エーテル及びカルボキシメチル セルロースのような他の誘導体も、細菌酵素を使用して人工的に調製される難消化性炭水化物ポリマーのように可溶性線維として振舞う。イヌリンのような非消化貯蔵炭水化物もまた、重要な可溶性線維である。現在、多くの会社が全ての範囲にわたる「可溶性線維」物質を提供している。例えば、メリーランド州、BelcampのTIC Gums社、ミネソタ州、ミネアポリスのノバルティス ニュートリション社、及びテキサス州、Sugar Landのインペリアル センサス社が、食品用の可溶性線維化合物を提供している。
【0013】
可溶性「線維」は、線維不足精製食物の特性を改善する、新たな機会を提供すると認識されている。線維は食物生産物から除去されていた、なぜなら多くの場合、線維は食物を粗悪、まずく、または調製を困難にするからであった。食物に不溶性ふすま(bran)または他の類似線維を添加することは、より多くの繊維質食品を提供し得るが、また食物の好ましい特性を劣化し得る。例えば、不溶性線維の多い小麦粉から作るケーキまたはパストリーは、劣った食味及び食感を有しているだろう。過度の不溶性線維は消化を悪くし、そして多くの消化の問題を引き起こし得る。他方、可溶性線維は一般的に良く耐え、しばしば食感又は食物生産物の他の物理的特性を改善し、そして一般的に無害である。結果的に益々多くの食物生産物が存在し、その範囲は焼き物から「シェーク」のような飲料まであり、可溶性線維の形態で添加された線維を含有している。可溶性線維は、我々の高精製食餌に対して線維の有効性を復活させる。
【0014】
市場には可溶性線維に基づいた多くの「医薬」又は下剤の生産物が存在する。様々な異なるブランドは、オオバコの種子の炭水化物又は可溶性セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチル セルロース)に基づいている。これらの生産物は砂糖、色素、人工フレーバー、及び人工甘味料で充満している。一般的に、これらは「通常」の食餌にここちよく適合するものではない。通常、これらはパウダーであり、多かれ少なかれ高粘度、不透明、ドロドロ、又はザラザラでさえある液体を作成するために水と混合されなければならない。更に、これらの指示書には「十分な液体なしで本製品を摂取することは、製品の膨張を生じ、そして貴方の喉もしくは食道を閉塞し、そして窒息を生じる可能性があります。もし、貴方が嚥下が困難であれば本製品を摂取しないでください、もし貴方が本製品摂取後に胸痛、吐き気、又は嚥下もしくは呼吸困難を感じたら、即座に治療を受けてください。」のような警告に満ちている。
【0015】
可溶性線維のすばらしい有用性にもかかわらず、そのような警告は乾燥包装された可溶性線維生産物は、可溶性線維を得る最も安全な方式ではないことを指摘している。液体摂取は重要、不可欠でさえあり、可溶性線維摂取の一部である。更にそのような警告は、可溶性線維の投与の安全、且つ効果的な手段が依然として必要であることを明確にしている、なぜなら多くの消費者はラベルの指示及び警告を決まって無視するからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の課題は、必須水分及び必須線維の双方を同時に提供することである。
【0017】
本発明のもう1つの課題は、ヒトの健康における二つの必須要素である、水及び線維の最適な組み合わせを安全に提供することである。
【0018】
本発明の更なる課題は、十分な水を最適な機能的状態にせしめるために線維を伴うことを保証する形態で可溶性食餌を提供することである。
【0019】
本発明のもう1つの課題は、単純/便利、及び心地よい摂取形式で線維及び安全水を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は水及び食餌線維を含有する水類似液体を開示するものである。水類似液体、線維水は、可溶性食餌線維の顕著量を伴う安全水を含む水組成物であり、それは一般的には光学的に透明で、且つ飲料水に類似する物理的特性を有している。前記液体は、適切な水分補給に加え可溶性繊維の有用な要求性を満たす手段としてボトル水、もしくは他の水の代用として意図される。使用される可溶性繊維によって、前記液体はカロリーにおいて無カロリーまたは極端に低カロリーのどちらかである。可溶性線維の量が調整され、水分補給(例えば、日に8オンスのグラス8杯)を満たす十分量の消費もまた食餌線維の最適量を提供するものとなる。これは補充なしには食餌が十分な線維を提供し得ないストレス状況下で、特に価値のあるものである。一日中供給される線維の一定の計量された供給は、好ましいものであろうし、また下剤などによる線維の「丸薬(bolus)」投与に比べてより便利であろう。加えて、消化管中の可溶性線維の恒常的な存在は、血中グルコースの食後の増加を穏やかにし、血清脂質レベルを調整し、及び食欲を抑制する既知の有効な効果を提供する。
【0021】
本発明は、安全な飲料水に任意の多数の水溶性ポリサッカライドを溶解させることにより調製される。精製水又は天然水(例えば、ミネラル水)を使用できる。しかしながら、水分補給は本発明の主要な課題なので、ベース水は溶解塩が比較的低レベルであるべきである。好ましくは、ベース水は約500mg./l溶解塩以上を含有しない。本発明は、任意の可溶性線維を含むが、特に好適なものは精製デキストリンもしくはマルトデキストリンのようなポリサッカライドであり、それらはデンプン(例えば、コーンもしくはポテトデンプン、精製イヌリン(果糖―オリゴサッカライド))の加水分解から生産される、ダリアもしくはチコリーのような植物、及び部分的に加水分解されたグアール ゴムのような部分的加水分解もしくは別法で分別された野菜のゴムから生産される。用法の正確性に応じて、いくつかのポリサッカライドの単独もしくは混合物を使用できる。前記ポリサッカライドは本来難消化性であるが、結腸細菌はそれらを代謝しえる。もし細菌がそれらを代謝するなら、それらは良性、且つ有用な細菌によってのみ発酵可能であるということを配慮すべきである。
【0022】
本発明の使用の一様式は、適切な水分補給を保証するために推奨される8オンスグラス8杯分の水に拡散した線維の適切な一日要求量を提供することである。また、本発明は経腸供給(enteral feeding)状況における線維及び水の供給、並びに、子供(children)及び乳児(infants)への線維の供給に有用である。いくつかの適用において、存在する線維量の指標物として色素を添加しえる、なぜなら異なる強度の線維溶液の作成が意図されるからである。前記物質は直接的に消費されるか、又は、水を添加すべき任意の食物中に使用できる。また、本発明は家畜動物、主にイヌ及びネコの水分補給及び規則性(regularity)を満たすために使用できることが意図される。しかしながら、任意の肉食動物もしくは雑食動物が本発明の利益を受けるはずである。草食動物は非常に異なった胃の細菌を有しているので、可溶性線維を代謝できるだろう。従って、これらの動物はケースバイケースの原則で試験すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の記載は、当該技術分野における当業者の実施を可能とする目的で提供されるものであり、本発明を製造及び使用するために発明者が想定意図した最良の形態を与えるために提供されるものである。しかしながら、特に顕著な量の可溶性線維を含有する水類似飲料を提供する本発明の一般的な原理が本願明細書において定義されたので、本発明の種々の変形を当業者は容易に理解するであろう。
【0024】
食物の現在のトレンドは、線維及び可溶性線維を様々な食物生産物に添加することである。しかしながら、このトレンドに対する潜在的な障害が存在する。完全に効果的であるためには、可溶性線維は疑いなく乾燥物及び焼物では利用可能ではない水の十分な摂取と組み合わせなければならない。このことは可溶性及び不溶性線維の双方に対して真実である。水が添加されねばならない「シェーク類似」及び他の可溶性線維飲料もしくは混合物は水の供給に寄与するが、それらはまた、大概の乾燥物と似て、食餌にカロリーの顕著な供給源を与える。これは今日の食餌の主要な問題であり、そして我々の過食集団には必要としないものである。非栄養甘味料の使用を介して線維含有飲料のカロリー内容を制限することは可能であるが、添加する化学薬品のこの量は健康問題を生じるか、もしくは悪化させる。従って、本発明者は水及び可溶性線維の間のユニークな共同結合に基づき優れた溶液を開発した。
【0025】
様々なタイプの可溶性線維での実験において、発明者は、例えばイヌリンの低分子量グレード(例えば、合衆国特許番号5,968,365を参照のこと)、特化したデキストリン、マルトデキストリン、及び部分的に加水分解したグアール ゴムのような多くのより精製された物質が、水中で実際に透明、実質的に透明、及び実質的に無色の液体を生産できることに気がついた。更に、これらの可溶性繊維は、消費に好ましい濃度において本質的に無味であり、及び本質的にヒト消化管では非代謝である1 。従って、全く新規クラスの飲料、即ち、「線維水」を提供する。一般的に0.1〜10%(重量%)の濃度に対して適切な水溶性線維を溶解して線維水を作成する。生成産物、線維水、は本質的に水に類似する。上記に記載した任意の可溶性線維物質は、生じた産物が要求される「水類似」の特性(即ち、多少味があるか若しくは無味、水類似の粘性、及び数もしくは無カロリー)を有するかぎり単独又は混合して使用できる。
【0026】
―――――――――――――――――――――――
1:これらの物質の多くは、代謝可能な炭水化物の小規模成分を含有する。例えば、イヌリンは多くの場合、約1.6食物カロリー/グラムを含有する。これは完全に代謝可能な炭水化物により供給されるカロリーの極少量である。多くのケースで吸収された炭水化物の正確な量は、年齢、重量、健康状態などに依存してヒトにより変化する。吸収されたカロリーの正確な数値は、綿密な代謝分析によってのみ発見できる。しかしながら、吸収されたカロリーの最大値は、特定の線維タイプに対する最大投与量を越えることはない(例えば、特定のイヌリンに対して1.6食物カロリー/グラム)。
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【0027】
炭水化物ポリマーのいくつかは、吸収される物質の少量を含有できる、そしてヒトの代謝に対してカロリーを与える。しかしながら、カロリー数値は、与えられた顕著な食餌線維と比較して少なく、そして注意深い選択及び異なる可溶性線維物質のブレンドにより最小化できる。
【0028】
繊維水は現代のヒト食餌の完璧な添加物であり、ふさわしい動物に対しても同様である。それはもし存在するとしても数カロリーのみを付与し、そして必要な可溶性線維による水分補給の安全な供給源として即座にボトル水の代用品となる。小腸において水は小腸内容物から取り出される、そして可溶性線維の効果濃度として可溶性線維の特性を増加及び隔離する粘性を増大し、糖の吸収低下及び脂質の吸収変化を生じる。これは糖尿病、心臓病、及び特定の他の健康状態において重大な意味がある。結果的に結腸において可溶性線維の親水性特性は、便を軟化及び膨張する効果を有する。従って、線維水は、脱水及び便秘の問題を同時に改善するユニークで一貫性があり安全で使用し易い単一の製品である。更に、満腹感を生じ、且つ血糖の変動を緩和すること双方により食欲抑制を生じる可溶性線維の粘性増強特性、及び、炭水化物の吸収低下特性の徴候が存在する。文献はヒト及び家畜動物の双方の体重制御における線維のポジティブ効果の記載に満ちている。従って、物質は無カロリーもしくは極低カロリーであるのみならず、体重制御に付加的なポジティブ効果を有するものである。
【0029】
発明者は線維水を、水及び線維を食餌に添加する直接的な方法として検討しているが、また他の食物に線維を添加するためにも使用できることも本発明の特性である。例えば、任意のパックされた食物もしくは飲料は、線維増強された食物もしくは飲料を産するために線維水で置換できる。線維水は安全水を基に作成しているので、たとえ生産物が微生物を殺すために熱をかけなくとも、安全な食物および/または飲料を産する。可溶性線維ポリサッカライドは、一般的に調理プロセスの間は安定であることが知られている。このことは、線維水が穀物(ライス)、オートミール、及びマメのような食物を調理するために使用されるなら、調理プロセス中に水を吸収し、それらの食物もまた線維増強されたものとなることを意味する。線維はゼラチン製品及びスープのような濃縮食物缶詰を含むパックされた食物の全てのタイプに容易に添加できる。更に線維水は熱安定なので、線維を高めたホット飲料を調製に使用できる。加えて、それは「線維アイスキューブ/製品」を提供するために凍らせることができる。
【0030】
線維水の重要な側面は、それがむしろ「水類似」の外見を有していることである。これにより発明者は、溶液が基本的に透明であることを意味している。人々は透明な溶液を純度に関連付ける傾向にある。いくつかの可溶性線維物質は濁った、または、不透明な溶液を生じる。線維水は基本的に透明な溶液を生じる物質を使用することが好ましい。既述のように、いくつかの利用可能な非消化の炭水化物は、「透明水(water clear)」溶液を生成する。一般的に可溶性線維物質の部分的な加水分解もしくは分別は、既に議論したように(例えば、部分加水分解したグアール ゴム)、より透明な溶液を生成する。今日まで、多くの可溶性線維の製造者は、成分の食感が最も重要な固形食物においてそれらを使用している。その結果、透明溶液を作成する物質の生産に多少の努力が費やされてきた。
【0031】
その上、水分補給及び線維供給物質である線維水としての一般的な使用は、ストレスの状況下で特に有用である。生理学的及び心理学的なストレスは、身体をむちゃくちゃにし、そして腸の秩序に変化もしくは影響すると信じられている。ストレス下でヒト及び動物は、水分消費を減らすことが知られている。体は病気でストレスを受けた際、実際に付加的な水を要求する、これはまさに多くの個体が水/液体摂取を減らす場合においてであるが。更に、ストレスは糖付加飲料、好みのタイプの食物、又は覚醒のためにカフェイン付加飲料を好むように人々に影響するだろう。これらのタイプの飲料は、実際に水分要求性を増加し、そして実際に脱水にいたるだろう。従って、プレイン水に対抗するものとして、緊急供給物の一部として線維水を供給することは有益であり、手元に保存しておいて、火災、洪水、嵐、地震、又はハリケーンなどの「自然災害」状況において使用される。そのような災害の間、人々はストレスを受けており、そしてしばしば彼等の家から移動させられる。緊急状況はしばしば食料(飲料/水を含む)不足を決定づけ、および/または、それらが利用可能である時については予測性を決定づける。これは、当然ながら規則性の損失に導くそのような緊急時の間に食餌線維の重要な供給源である新鮮な果物及び野菜の一般的な不足と重なるものである。緊急時食料投下(Emergency food drops)は、めったに新鮮な果物及び野菜を含んでいない。緊急時への対処はかなり劣悪である。重篤な便秘および/または脱水の付加は単純に劣悪な状況を更に悪くする。線維水のアンプル供給の確保は、これらの問題の多くを緩和することを意図している。
【0032】
自然の大災害時及び緊急時は、確かに医療問題としてのストレスの供給源である。短期的及び長期的の双方において多数の様々な医療条件は、個体にチュウブを介した食餌を要求するだろう。最も一般的に使用される二つのタイプのチュウブは、経鼻胃チュウブ(naso−gastric tube)及び胃造瘻チュウブ(gastrostomy tube)である。どちらの場合においても、栄養分は胃に直接供給される。チュウブ食餌(tube feeding)に対する良質な栄養製品の供給に大企業の大きな努力が費やされてきた。特定のチュウブのデザインに依存して、食餌液体の粘性が問題となる。本発明者は一方向弁を有する経皮チュウブに対する、合衆国特許番号4,315,513、及び、4,393,873に記載された発明者(named inventor)であり、及び、チュウブ食餌の潜在的な問題におけるエキスパートである。
【0033】
特定の医療的状況により、および/または、問題の重要度により、脱水及び便秘は恒常的な問題として継続するものであろう。十分な水分補給、より特定すると十分な水の摂取は、頻繁に問題となる。経鼻チュウブはしばしば喉を刺激する。チュウブ食餌処方を作成する絶え間ない努力にもかかわらず、市販の製品はしばしば線維が低下している。また、チュウブを介して通過可能な液状食物は、カロリーが高く、線維が低いことが多い。何人かの患者はカロリー高要求性だが、他の患者はそうではない。それゆえ、十分な線維を供給する試みにおいて過剰なカロリーを投与し得る。前記溶液はプレイン水よりもむしろ線維水により食餌体制を補完するものである。本明細書に記載のように、線維水は粘性が非常に低いため投与が単純である。病院での使用に対して、本発明者は線維の異なる強度/量を有する多くの異なるグレードの線維水を提供することを意図するものである。この様式で1つのグレードが選択でき、それは患者の必要性に合致するように調整された線維及び水の双方の最適量を提供する。それぞれグレードは安全な食用色素でユニークに着色され、病院の人員、もしくは他の介護人がどのグレードの線維水が投与されたかを容易に認識することができることが更に意図される。これは正確なグレードが特定の患者に使用されることを更に確実にする。加えて、色素は患者、特に子供の患者に印象がいいであろう、従って、不快な状況から子供の気持ちをそらすことに作用するだろう。更に、これらのチュウブはいつも永続的なものではないため、線維水の経験が心地よく、便利であればおそらく新たな飲料習慣は教え込まされ、繰り返されるだろう。
【0034】
上述の議論は線維水の主要な使用者が大人であることを仮定しているが、同様に小児及び乳児も顕著な線維要求性を有している。大人同様に小児もアメリカの食餌の犠牲者であり、アメリカの食餌が線維の豊富な果物及び野菜を欠乏していることは周知である。意識して、もしくは意識せずに、多くの親は茶色で斑点の入った、もしくは顕著に食感のある食物を拒絶するように子供に教育している。介護者としての親は、彼らの子供が消費する線維量を自覚するようになったことは重要なことである。子供は線維水に基づく最適な水分補給による利益を得ることができる。食欲制御を援助することにより、小児期の肥満の制御を援助することができる。それは食欲不振(anorexia)もしくは過食症(bulimia)のような摂食障害の援助さえも可能とするものであり、というのもこれら障害の犠牲者達はカロリーを欠如しているとの理由から水を飲むことが知られているからである。線維水は、少なくとも他の治療を着手している間に胃腸管の適切な機能の保護を援助するだろう。
【0035】
人生のあらゆる段階で線維は、正常な健康及び成長及び発達に不可欠なものである。乳児及びよちよち歩きの幼児(toddlers)は、線維の規則的で制御された供給源を要求する。赤ん坊が母乳もしくは液体乳児用ミルク(liquid formulas)の使用を止め、そしてより変化に富んだ「成人」の固形食に移行した後、彼らはしばしば彼らを気難しく(fussy)、扱いを困難にする多くの痛みを伴う消化に関する症状を経験する。線維水はそのような乳児の水分補給の理想的な供給源を提供するものである、なぜならそれは十分な水分補給を保証し、そして規則性を保証する一貫した線維供給源をも提供するからである。典型的な市販のベイビーフードは供給される線維量が広範囲にわたっていることを心にとどめておくべきである。線維水は水分補給及び線維摂取のよい習慣の基盤を築く機会を提供する。
【0036】
家畜動物、特にネコ及びイヌもまた水分補給及び便秘の問題を経験している。イヌは雑食性であり、自然に何らかの果物及び野菜を消費する。しかしながら、精製ドックフードは野菜線維を際立って欠如する傾向にある。イヌは一般的に供給された水を飲むので、毎日線維水の供給源を供給することで容易にこの問題を緩和することができる。代案は乾燥穀物(dry kibble)(「肉汁」を形成するタイプの)に線維水を添加することであり、さらにそれをドックフードの缶詰中に混ぜることである。線維水は基本的に無味なので、イヌに問題なく容認されるものである。ネコもまた重大な脱水及び便秘の問題を抱えている。ネコは強制肉食動物(obligate carnivores)であり、一般的に承知して果物もしくは野菜を消費しない。腎臓不全は老年ネコのありふれた疾病であり、部分的に不十分な水分補給により生じるものである。持続性嘔吐はネコ科動物の共通の問題であり、彼らの毛づくろいにより生じるものであり、毛づくろいの間に彼らは大量の毛を飲み込む。野生においてネコは、非野菜性の「線維」を供給するために十分な非消化性物質(骨、軟骨、及び腱)を摂取する。ペットのネコの飼い主はキャットフードに線維(一般的にはオオバコ)を混合するか、または石油ベースの下剤を投与することが期待される。代案のいずれも特に理想的なわけではない。線維水は毛玉及び便秘の双方を予防する十分な線維を供給するために水もしくはキャットフードと混合して与えることができ、このようにして重大なネコ科動物の問題を解決することができる。嘔吐の減少はネコの水分補給にポジティブに寄与するように思われる。
【実施例】
【0037】
[実施例1]
大人の線維の要求量は、一日に約10グラムから約40グラムであることが見積もられている。ある専門家は25グラム付近の数値を採用している。明白に線維の要求性は体のサイズ、重量、及び健康状態に関連するものである。いくつかの試みが重量と要求とを関連付けるためになされた。それは一日に体重キログラムあたり線維50から300mgであると見積もられた。線維要求は一日のカロリー摂取からもまた見積もることができる。現在の推量は2,000カロリーの食餌(125ポンドの人物に適切)に対して一日に約25グラム、及び、3,000カロリーの食餌(175ポンドの人物に適切)に対して約37グラムを要求している。より重い人物は通常はより多くのカロリー摂取を有しているので、両方のアプローチはおおよそ類似した結果をだしている。これらの推量は、まさに線維不足食餌を取っている人物に対してさえも十分な線維の供給をすべきであることを意味している。
【0038】
一日要求量として25g線維を、指示書による8グラス分の水(それぞれのグラス約250mlの水に匹敵する)を使用して、使用者は25gを2,000mlに対して分散すべきである(8x250ml)。従って、使用される線維水は12.5mg/mlの可溶性線維又は約1.25重量%の線維水を含有すべきである。3,000カロリーの一日カロリー摂取に対しては、この数値は約2重量%の可溶性線維に変換される。
【0039】
この分析は、線維水の少なくとも2つの異なる「強度」を最適量の水及び線維の双方を受ける人物の平均的な範囲を考慮して生産すべきであることを示している。実際上、約0.50%から2.5%の範囲の多くのグレードの生産が便利である。これにより広範囲の個体が線維水を簡単に選択できるだろう、線維水は要求量の水、及び、要求量の線維の双方を同時に供給する。飲む、または飲まない欲求と組み合わせた個体の必要性に応じて、線維量は要求される8グラス分の水の一部もしくは全てを供給するために適切な線維水の「強度/グレード」を使用することにより増量できる。もちろん、個体は線維要求量を8オンスグラス8杯に分散しないことも可能である。家から離れずに朝及び夕方のみ、家で線維を摂取することが望まれる。この理由及び類似する理由のために、5重量%から10重量%線維の範囲において、いくつかのより濃縮された線維水のグレードを作成することが望ましい。この処置は必要とされる一日用量の数量を減らす。従って、一日利用可能な線維水を有さないならば、一日線維要求量を満たすために線維水の高い「強度/グレード」を補完されたプレイン水を飲むことにより水分補給を確保できる。必要ならば、消費される線維量は、日に要求されるグラス8杯の水分を満足させる低「強度/グレード」の線維水であってもよい。色素は水中で線維の異なる「強度/グレード」を表示するために使用できる。異なる食物色素を夫々のグレードに添加することも有利であり、線維水の「強度」を一目で同定できる。
【0040】
上記のスキームによる試験用の線維水は、精製水中に難消化性デキストリン及び部分加水分解性のグアール ゴムの混合物の要求重量を溶解することで生産される。好適なデキストリンもしくはマルトデキストリンは、合衆国特許番号5,620,873に記載されたように野菜のデンプン(例えば、ポテトもしくはコーン)の制御された加水分解により調製される。加水分解されたグアール ゴムは、合衆国特許番号5,260,279で議論されたタイプのものである(米国ではミネソタ州ミネアポリスのノバルティス・ニュートリションからBENEFIBER(登録商標)として入手可能である;他の国では日本のタイヨーからSUN−FIBER(登録商標)として入手可能である)。生成した溶液(上記で説明した強度の(線維水))は、基本的にプレイン水の外見を有し原則的に無色透明である。溶液は無味か、或いは、特定溶液の強度、及び、使用した可溶性繊維の比率に依存して非常にかすかに「甘味」を有してもよい。部分加水分解されたグアール ゴムは原則的に無味であるが、マルトデキストリンはかすかに甘い味を有する。加えて、ある個体は若干異なる「食感(mouse feel)」を感じることができ、これは可溶性線維から生じた若干の粘性の増加によるものである。
【0041】
しかしながら、全ての実際上の目的に対して、生成した溶液はボトル水のような外見で、ボトル水のように振る舞い、そしてボトル水の代わりに容易に使用できる。線維水の微生物の存在状況を保証することが望まれるならば、プレイン水のようにオートクレープもしくは滅菌濾過できる。良い品質から初めて、好ましくは若干のナトリウムを含むか、又は含まない飲料水が味(palatability)を満たす。微量の「エキス」またはライムもしくはレモンのような風味の添加は、如何なるカロリーをも添加することなく、または生産物の有益な特性を他に損なうことなく味を増強できる。生産物は高品質の飲料水のような外見で、前記飲料水のように振る舞い、及び前記飲料水のように使用されるべきである。この目的を達するために、任意の「天然」水を開始物質として使用できる。従って、ミネラル水から開始して、「線維ミネラル水」を生産することが可能である。そのようなミネラル水は、溶解塩を500mg/Lまで有してもよい。
【0042】
[実施例2]
乳児も異なる線維要求性を有する。最近まで、小児において食餌線維のどのような特定のガイドラインも利用可能ではなかった。最近、小児の年齢、重量、及び身長に基づいて、勧告が作成された。現在、2歳を越える小児は1日当り年齢プラス5グラムに匹敵する最低線維量を消費することが推奨されている。推奨される「安全用量」は、この数値から1日当り年齢プラス10グラムである。これを越えると過剰線維の徴候(例えば、軟便)が明瞭となる。過剰線維消費の徴候を見つけることにより線維量の「タイトレート」を人物もしくは介護者に可能とすることが、本発明で提供される線維水の様々なグレードの目的である。一般的に、乳児及び小児は彼らの消化の苦痛を直接我々に話すことができないので、便秘及び不十分な線維の他の結果は、しばしば気難しさ(fussiness)もしくは類似する望ましくない行動として現れる。これは乳児が線維フリーミルクから線維含有食餌にちょうど離乳する際に特に顕著である。乳児により消費される水に線維供給源を供給することは著しく有利である。乳児は一定の水要求性を有しているので、典型的な食餌への線維水の添加は、より一定で均等な線維の供給源を提供することができ、加えて十分な水分補給を確保することができる。更に、線維水の使用は、顕著なカロリーの添加なしに十分な線維を確保することができる(他の線維供給源の必然的な結果)。一貫した食餌線維は、乳児の消化プロセスのより均一な働きを提供できる。対照的に、より伝統的な乳児の食餌は、低線維処方、及び、高線維「成人」食物の交互によるもので、不均等もしくは制限的な効果を有する。
【0043】
可溶性線維の有効量は、8オンスにおいて1/4−1グラムである(成人の線維水に対するよりかなり低い濃度)。「ベイビー線維水」は、安全(例えば、精製した)水に、部分加水分解したグアール ゴム及びイヌリン(テキサス州、シュガーランドのインペリアル―センサス社のFRUTAFIT(登録商標)はこの目的において好適なイヌリンである)の混合物からなる可溶性繊維の要求量を溶解することで生産される。イヌリンの若干の甘味は、水を特に美味にする。本発明の目的は、特定の疾患を治療することだけではなく、便秘(及び便秘を生じることが知られている疾患状態のみ)をも改善することである。例えば、ハーシュプラング症候群(Hirshprung's syndrome)は、低部直腸のモーター細胞の欠損により生じるもので;それゆえ推進力が欠損している。先天的な問題をもって誕生した子供、または完全に治癒していない事故にいまだ苦しんでいる子供は、線維水の恩恵を受ける。何故なら、線維水はそのような原因に起因し得る重篤な便秘を克服するための助けとなる容積(bulk)及び水分補給を提供するからである。実際に赤ん坊は様々なストレス及び変化に極端に敏感であり、そして結果として便秘となる。交互に生じる規則性および/または便秘は、めったに認められないわけではない。赤ん坊のシステムはストレス下にある可能性があり、それだけが単独で原因となりえる。乳児は、家庭である彼等の環境のストレスを感じることができる、例えば:
1)機能障害的:離婚、アルコール中毒症、家族虐待などが存在する家庭は赤ん坊に認知され、摂食拒否、排便、号泣(crying spells)などが生じる。
【0044】
2)養護ケアの変化:ベビーシッター、新たな兄弟・姉妹、および/またはステップ親(step parent)など。
【0045】
3)通常の小児期の病気による変化:風邪、インフルエンザ、歯の発生、熱、はしか、おたふく風邪、水疱瘡など。これらの病気は便秘の直接的な原因ではないだろうが、間接的な原因となるだろう。病気の発生に伴う、食事、睡眠、行動、及び習性の変化。
【0046】
4)旅行:赤ん坊の環境が変化した時、例えば祖父母のところにいくことを始め、海外旅行の時には、新たなものへの感受性によって慣れた規則的なシステムを放棄する可能性がある。海外旅行は飛行機など長時間の脱水を伴う。未来は宇宙旅行のような、よりストレスを受けることがある。
【0047】
5)アクシデント:同様に規則的習慣を混乱させ、そして便秘を生じさせる。
【0048】
水は生後1ヶ月程度の赤ん坊に与えることができるが、生後2−4ヶ月の間には通常は開始されない。いくつかの事例においては、線維水は特に有効な価値を有するものとなりえる。線維水は、伝統的な処方もしくは飲料によりもたらされる歯の害の危険性のない重大な調停者(pacifier)として作用できる。下痢(しばしば汚染した水の供給により生じる)は、乳児にとっては生命を脅かし得るものである。それゆえ、任意の乳児処方などに対して安全なボトル水を使用することは大きな利点がある。安全なパックされた線維水を使用することは更に好ましく、これは過剰のカロリー摂取を回避するために要望される。「肥満した赤ん坊」の場合には、線維水は、低もしくは無カロリーの水分補給剤を供給するよりもより良く作用し得る。線維水中の可溶性線維は、脂質および糖の吸収を低下させることが示された。それゆえ、線維水はまた、過剰に栄養豊富な食餌の解消を援助できる。
【0049】
乳児がよちよち歩きの幼児となり、そして一層成人の食餌により移行した際に、線維の要求性は増加する。線維水は再び、水分補給および線維の理想的な供給源として作用する。ソフトドリンクもしくはフルーツジュースとは異なり、線維水は食餌にカロリーを添加せず、または虫歯を生じさせない。フレキシブルな袋もしくはラミネートボックスによちよち歩きの幼児/若い子供の線維水をパッケージすることは最も便利である、なぜならこれらのコンテナーはシャッタープルーフであり、且つ小さい子供が容易に使用できるからである。成人の線維水としては、多くの「グレード」の乳児および子供の線維水を提供することが有利であり、投与した線維量を容易に調整できる。かさねて、識別用の色素を添加することは有利であり、正確にどのグレードの線維水が使用されたかが親に明らかである。子供の場合には、前記色素は本能的に魅惑的なものであり、及び透明のパッケージの使用が有利に働き心を和らげることができ、子供は消費する線維水の色を面白がる。
【0050】
任意の特定線維水を創るため、異なる可溶性線維の取り合わせをブレンドすることは可能であり、しばしば有利である。便に容積および水分を供給する際に、様々な可溶性線維は原則的に同一の特性を有することが信じられている。しかしながら、どの可溶性線維が脂質もしくは糖の吸収を変えるのに優れているかが証明されるかはいまだ明らかではない。現在利用可能な可溶性線維の中で、難消化性デキストリン、イヌリン、及び部分加水分解されたグアール ゴムは、最も「水透明(water clear)」溶液を提供するように思われる。しかしながら、多くのデキストリン及びイヌリンは少量の代謝可能な成分を含有している、そして若干の甘味を有している。それゆえ、加水分解されたグアール ゴム、或いは、他の何らかの無味および全体として非代謝である化合物の形態の可溶性線維の一部を供給することは有利である。これらの物質のいくつかがあまり透明でない溶液を生じるとしても、「透明」可溶性線維との組み合わせは、線維および透明度が高く、並びに、甘味もしくは他の味が低い両特徴を有する溶液を生じ得る。他の可溶性線維は、異なる線維の利点を実現するために組み合わせることができる。イヌリンは若干の甘味を有しており、そして認め得るほどにはヒトにより代謝されないが、結腸の細菌はイヌリンを代謝する。あるケースにおいては、そのような結腸での代謝は異なる利点を提供し得る、つまり混合物中に含まれるイヌリンを減ずるだろうということである。線維水が出現するまで、透明もしくは透明に近い可溶性線維の利点は評価されなかった。上述したように、上述の様々な可溶性線維の部分加水分解および分別精製は、即座に非常に多くの「透明水(water clear)」可溶性線維を生成する。
【0051】
本発明は、原則的に線維の無カロリー供給源及び水としての線維水を使用することのこれまで評価されなかった利点を開示するものである。換言すると、本発明は水分補給および食餌線維を同時に供給する新規な食餌成分である。本発明の実施例はパックされた線維水について言及しているが、エンドユーザーが可溶性線維および飲料水の濃縮供給源から線維水を調製することを除外するものではない。前記可溶性線維は、パウダー状もしくはスラリー状/懸濁状もしくは濃縮溶液状もしくはシロップ状の形態で存在でき、それに予め設定された量の水が添加される。いままでは、そのような線維供給源は固形食物商品および様々な飲料に添加されてきた。しかしながら、そのような線維の濃縮供給源は、安全水および可溶性食餌線維を含む水として直接消費されるための飲料用の線維水の調製にこれまで使用されることはなかった。
【0052】
請求項に記載された要素の均等物に加えて、当該技術分野において通常の知識を有する人物に今後既知となる明らかな代用物は、請求された要素の範囲内のものとして定義される。従って、請求項は上記に特記して例示および記載された事項、概念上の均等な事項、明らかな代用となり得る事項、及び本発明の本質的なアイデアを組込んだ事項をも含むと理解されるべきである。当業者は本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本発明の記載された好適な態様の様々な応用及び変更がなされ得ることを理解するであろう。上記で説明した態様は実施例の目的のためのみに記載されたものであり、本発明を限定するように理解されるべきではない。従って、本発明は、本発明の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において、本明細書に特記された事項以外の態様で実施できると理解されるべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト及び動物により消費されるための水類似液体であって、0.1重量%から10重量%の水溶性難消化性線維;及び安全水を含み、前記水類似液体を消費する際に100ml当り10カロリー未満がヒトにより代謝され、及び、前記水類似液体は500mg./l未満の可溶性塩を含有する水類似液体。
【請求項2】
請求項1記載の水類似液体であって、可溶性食用色素を更に含む水類似液体。
【請求項3】
請求項2記載の水類似液体であって、前記可溶性食用色素が前記水類似液体に含有される前記水溶性難消化性線維の量の指標として作用する水類似液体。
【請求項4】
請求項1記載の水類似液体であって、前記水溶性難消化性線維が、植物粘液、植物ゴム、デキストリン、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、アラバノガラクタン、ベータ グルカン、セルロース エーテル、ペクチン、ペクチン 物質、水溶性ヘミセルロース、イヌリン、アルギナート(alginate)、寒天、カラギーナン、オオバコ、グアール ゴム、トラガンス ゴム、カラヤ ゴム、ガッティ ゴム、アカシア ゴム、アラビア ゴム、それらの部分加水分解産物、及びそれらの混合物からなるグループから選択される水類似液体。
【請求項5】
請求項1記載の水類似液体であって、前記水溶性難消化性線維および水が光学的に透明な溶液を形成する水類似液体。
【請求項6】
ヒト及び動物により消費されるための水類似液体であって、デキストリン、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、セルロース エーテル、イヌリン、アルギナート(alginate)、寒天、カラギーナン、オオバコ、グアール ゴム、トラガンス ゴム、カラヤ ゴム、ガッティ ゴム、アカシア ゴム、アラビア ゴム、それらの部分加水分解産物、及びそれらの混合物からなるグループから選択された0.1重量%から10重量%の水溶性難消化性線維;並びに安全水を含み、天然に生じる水および前記水溶性難消化性線維が光学的に透明な溶液を形成し、前記水類似液体を消費する際に100ml当り10カロリー未満がヒトにより代謝される水類似液体。
【請求項7】
請求項6記載の水類似液体であって、可溶性食用色素を更に含む水類似液体。
【請求項8】
請求項7記載の水類似液体であって、前記可溶性食用色素が前記水類似液体に含有される前記水溶性難消化性線維の量の指標として作用する水類似液体。
【請求項9】
ヒト及び動物により消費されるための水類似液体であって、デキストリン、マルトデキストリン、イヌリン、グアール ゴム、それらの部分加水分解産物、及びそれらの混合物からなるグループから選択された0.1重量%から10重量%の水溶性難消化性線維;並びに安全水を含み、天然に生じる水および前記水溶性難消化性線維が光学的に透明な溶液を形成し、前記水類似液体を消費する際に100ml当り10カロリー未満がヒトにより代謝される水類似液体。
【請求項10】
請求項9記載の水類似液体であって、可溶性食用色素を更に含む水類似液体。
【請求項11】
請求項10記載の水類似液体であって、前記可溶性食用色素が前記水類似液体に含有される前記水溶性難消化性線維の量の指標として作用する水類似液体。
【請求項12】
請求項1記載の水類似液体であって、該水溶性線維が消費時に水分補給要求および線維要求の双方を同時に満たすために選択された水類似液体。
【請求項13】
請求項1記載の水類似液体であって、該水溶性線維の添加が前記水の透明度を変えない水類似液体。
【請求項14】
請求項1記載の水類似液体であって、便秘を管理するために処方される水類似液体。
【請求項15】
請求項1記載の水類似液体の特定量を摂取する工程を含む、腸の規則性を管理する方法。
【請求項16】
請求項1記載の水類似液体の特定量を摂取する工程を含む、痔(hemorrhoids)を管理する方法。
【請求項17】
請求項1記載の水類似液体の特定量を摂取する工程を含む、毒性腸化合物の同化(assimilation)を回避する方法。
【請求項18】
請求項1記載の水類似液体であって、糖尿病の管理のために処方される水類似液体。
【請求項19】
請求項1記載の水類似液体であって、肥満症の管理のために処方される水類似液体。
【請求項20】
請求項1記載の水類似液体であって、食欲抑制のために処方される水類似液体。
【請求項21】
請求項1記載の水類似液体であって、血清コレステロールレベルを低下させるために処方される水類似液体。
【請求項22】
請求項2記載の水類似液体であって、前記可溶性食用色素が前記水類似液体に含有される前記水溶性難消化性線維のタイプの指標として作用する水類似液体。
【請求項23】
請求項6記載の水類似液体であって、前記水類似液体が500mg./l未満の可溶性塩を含有する水類似液体。
【請求項24】
請求項6記載の水類似液体であって、該水溶性線維が消費時に水分補給要求および線維要求の双方を満たすために選択された水類似液体。
【請求項25】
請求項6記載の水類似液体であって、該水溶性線維の添加が前記水の透明度を変えない水類似液体。
【請求項26】
請求項6記載の水類似液体であって、便秘の管理のために処方される水類似液体。
【請求項27】
請求項6記載の水類似液体の特定量を摂取する工程を含む、腸の規則性を管理する方法。
【請求項28】
請求項6記載の水類似液体の特定量を摂取する工程を含む、痔(hemorrhoids)を管理する方法。
【請求項29】
請求項6記載の水類似液体の特定量を摂取する工程を含む、毒性腸化合物の同化(assimilation)を回避する方法。
【請求項30】
請求項6記載の水類似液体であって、糖尿病の管理のために処方される水類似液体。
【請求項31】
請求項6記載の水類似液体であって、食欲抑制のために処方される水類似液体。
【請求項32】
請求項6記載の水類似液体であって、肥満症の管理のために処方される水類似液体。
【請求項33】
請求項6記載の水類似液体であって、血清コレステロールレベルを低下させるために処方される水類似液体。
【請求項34】
請求項10記載の水類似液体であって、前記可溶性食用色素が前記水類似液体に含有される前記水溶性難消化性線維のタイプの指標として作用する水類似液体。
【請求項35】
ヒト及び動物により消費されるための水類似液体であって、0.1重量%から10重量%の水溶性難消化性線維;及び安全水を含み、前記水類似液体を消費する際に100ml当り10カロリー未満がヒトにより代謝される水類似液体。
【請求項36】
請求項35記載の水類似液体であって、該水溶性線維が消費時に水分補給要求および線維要求の双方を同時に満たすために選択された水類似液体。
【請求項37】
請求項35記載の水類似液体であって、該水溶性線維の添加が前記水の透明度を変えない水類似液体。
【請求項38】
請求項35記載の水類似液体であって、便秘の管理のために処方される水類似液体。
【請求項39】
請求項35記載の水類似液体の特定量を摂取する工程を含む、腸の規則性を管理する方法。
【請求項40】
請求項35記載の水類似液体の特定量を摂取する工程を含む、痔(hemorrhoids)を管理する方法。
【請求項41】
請求項35記載の水類似液体の特定量を摂取する工程を含む、毒性腸化合物の同化(assimilation)を回避する方法。
【請求項42】
請求項35記載の水類似液体であって、糖尿病の管理のために処方される水類似液体。
【請求項43】
請求項35記載の水類似液体であって、肥満症の管理のために処方される水類似液体。
【請求項44】
請求項35記載の水類似液体であって、食欲抑制のために処方される水類似液体。
【請求項45】
請求項35記載の水類似液体であって、血清コレステロールレベルを低下させるために処方される水類似液体。

【公開番号】特開2011−98982(P2011−98982A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27310(P2011−27310)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【分割の表示】特願2001−561182(P2001−561182)の分割
【原出願日】平成13年2月22日(2001.2.22)
【出願人】(502252275)
【Fターム(参考)】