説明

水分検知装置

【課題】送受信機と共振回路との距離に関係なく水分の検知が可能で、且つ水分の付着の程度を非接触で検知することができる水分検知装置を提供する。
【解決手段】コイルとコンデンサからなる共振回路部14と、該共振回路部に接続された、水分が付着すると抵抗値が変化するセンサ部13と、発振回路部21からの送信電波により、前記共振回路部は反射電波を発生させ、該反射電波を受信する受信回路部24と、該受信回路部に、受信した前記反射電波の解析回路26を備え、その減衰振動の波形解析結果に基づいて、前記センサ部に付着した水分を検知する。反射電波の減衰振動波形の解析は、発振OFF直後の電圧と、その後一定期間経過後の電圧を比較することにより行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分検知装置に係り、特におむつ類等の濡れを非接触で検知することができる水分検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化に伴い介護を必要とする人が増加する傾向にあり、おむつ装着者も増加する傾向にある。おむつ装着者は失禁等によりおむつが排泄物(小便あるいは大便)により濡れた状態となると不快であるし、速やかに取り除かないとおむつかぶれの原因になるなど衛生上の問題も生じるので、介護者がこれをなるべく早く検知する必要があるため、各種のおむつ濡れセンサが開発されている。
【0003】
おむつ等の水分検知対象物を装着した人や介護者の負担になることなく、水分を検知できる水分検知装置として、コイルパターン及びコンデンサパターンからなる共振回路を絶縁体に設け、共振周波数の送信電波が送信されている場に乾燥状態で存在する時に反射電波を発生する共振体と、場に送信電波を送信するとともに送信に同期して受信動作を行い、送受信機の送信が停止してから受信される残留電波の受信強度に基づいて水分を検知する送受信機とを備えた水分検知装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−241366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記水分検知装置では、コイルパターン及びコンデンサパターンからなる共振回路自体に水分が付着する構成であり、Q値の変化が大きく、反射電波の有無で水分の有無を判断することになる。このため、濡れの程度を判別するのが難しいという問題がある。また、おむつが濡れた場合、共振回路と受信回路との距離が検知可能な範囲を超えている場合、おむつをはいていない等により共振回路がない場合のいずれの状態であるかについては、反射電波の有無だけでは判別できないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述の事情に基づいてなされたもので、送受信機と共振回路との距離の影響を受けることなく水分の検知が可能で、且つ水分の付着の程度を非接触で検知することができる水分検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の水分検知装置は、コイルとコンデンサからなる共振回路部と、該共振回路部に接続され、水分によって電気的導通および/または抵抗値変化を生じるように構成されたセンサ部と、発振回路部からの送信電波により、前記共振回路部は反射電波を発生させ、該反射電波を受信する受信回路部と、該受信回路部が受信した前記反射電波を解析する解析回路を備え、該解析回路による解析結果に基づいて、前記センサ部における水分を検知する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、水分によってセンサ部に電流経路が生じ、また、濡れの程度に応じてセンサ部の抵抗値が変化する。水分を含んだことによってセンサ部がもった電気的抵抗によって、共振回路部より発生する反射電波の波形が影響をうける。かかる波形を、濡れている場合と濡れていない場合とにおける反射電波の波形における減衰定数αによってとらえ、その変化を解析することによって、濡れ状態か否かの判別が可能となり、また、共振回路の有無を非接触で判別することができる。減衰定数αは反射電波における減衰振動波形の少なくとも2つのタイミングの電圧を比較することにより解析可能であるので、送受信機と共振回路との距離に影響されず、安定した水分の検知が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例のおむつ濡れ検知装置の斜視図である。
【図2】異方性導電織布の縦糸と横糸の織り込み状態を模式的に示す斜視図である。
【図3】(a)は共振回路部にセンサ部の2本の導電性糸を接続した状態の平面図であり、(b)はその等価回路図である。
【図4】本発明の一実施例の送受信機の構成例を示す図である。
【図5】発振部の送信波形(a)と共振回路部の減衰振動波形(b)を示す波形図である。なお、(b)は共振部の波形であるが、受信アンテナに誘起される波形も相似となる。
【図6】センサ部が乾いている場合と濡れている場合の減衰振動波形を示す波形図である。
【図7】減衰定数αの解析のベースとなる送信波形例および各種受信波形例のシミュレーション結果を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図1乃至図7を参照して説明する。なお、各図中、同一または相当する部材または要素には、同一の符号を付して説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明のおむつ濡れ等の検知装置の概要を示す。紙おむつ等からなるおむつ本体11には吸収材12を備え、装着者が失禁等をした場合には、排泄物(小便あるいは大便)を吸収する。そして、この検知装置においては、おむつ本体11の内部に、一例として、2本の導電性糸を長手方向に配置した異方性導電織布からなる、水分のセンサ部13を備える。送受信装置15は、おむつの濡れを検知するための装置であり、介護者等が携帯可能な大きさのものである。
【0012】
異方性導電織布の構成例を図2に示す。異方性導電織布は、縦糸xとして絶縁性糸間に少なくとも2本の導電性糸Z,Zを含み、横糸yとして絶縁性糸を織り込んだものである。この例では、導電性糸Z,Zとしてポリエステル繊維からなる糸に無電界銅めっきしたものを用い、絶縁性糸x、yとしてポリエステル繊維からなる糸を用いている。織り込まれた導電性糸Z,Zは織布の長手方向に導電性糸Z,Z同士が交わることなく平行に配置され、該方向に電気導電性を有すると同時に通常の糸と同様の柔軟性を有し、装着者の皮膚に優しい織布となる。また、絶縁性糸に吸水性の高いポリエステル繊維を用いることで、排泄物に対してより高い保持性を有する。
【0013】
図3(a)はセンサ部13と共振回路部14とを接続した状態を示し、コイルLとコンデンサCからなる共振回路部14に、センサ部13を構成する異方性導電織布からなる2本の導電性糸Z,Zが接続されている。この例では、共振回路部14のコイルL又はコンデンサCのどちらかの両端に、センサ部13の2本の導電性糸Z,Zの一端を接続し、他端を開放状態とする。導電性糸Z,Zの間隔は1mm〜20mm程度の範囲で適宜設定することができる。センサ部13自体は2本の導電性糸を長手方向に配置した異方性導電織布から構成されているため安価であり、これを共振回路部14と接続することで、センシング部分を単純化できる。
【0014】
2本の導電性糸Z,Zの一端には端子20a,20bを備え、共振回路部14の端子と接続したり切り離したりできるようにすることが好ましい。この際、共振回路14全体は端子20a、20bを除き、防水ケースあるいは袋内に設置され、共振回路部14には水分が付着しないように構成されているとともに、センサ部13と共振回路部14とを任意に接続可能とすることが好ましい。これにより、センサ部13のみを使い捨てとし、共振回路部14を繰り返し使用することも可能である。
【0015】
図3(b)はそのような濡れセンサを含む共振回路部14の等価回路である。濡れセンサとしての機能を、図において可変抵抗Rとして示している。センサ部13が乾いているときは、導電性糸Z,Z間に電流は生じていない。センサ部13が濡れて導電性糸Z,Z間に水分を含むと、導電性糸Z,Z間が電気的に導通して電流が生じる。水分を多量に含んだ場合は、水分が少量である場合に比べて、導電性糸Z,Z間に生じる抵抗値が小さくなる。
【0016】
図4は本発明の送受信装置15の構成例である。送受信装置15は、高周波交番磁束を間欠的に発生する発振機21及び送信アンテナ22(発振回路部)と、共振回路部14の発生する交番磁束を検出する受信アンテナ23及び受信回路24(受信回路部)と減衰振動の解析回路26から成る。タイミング回路25は、送信や受信、波形解析の開始タイミング等に関する信号を発生する。送信アンテナ22と受信アンテナ23は、金属線よりなるコイル、または図示しない基体上に形成したスパイラル状の導電膜よりなるコイルである。送信感度を向上する目的でフェライトなどのコアを設けても良い。
【0017】
なお、図示は省略するが、送受信装置15は、液晶表示パネルやLEDなどを用いた報知手段および出力回路を備えており、解析回路26の解析に基づいて、おむつの濡れの有無、おむつ交換の要否、共振回路部14の有無、検知エラーなどの情報を報知することができる。かかる報知は音声により行うことも可能である。また、送受信装置15には、水分検知を実行するためのスイッチや、必要な電源なども備えている。なお、発振機21及び送信アンテナ22と、受信アンテナ23及び受信回路24と解析回路26とは、別の装置にしてもよい。その場合、解析回路26は受信波形の減衰部分のみを切り出す同期回路を備える必要がある。
【0018】
共振回路部14は図1に示すとおりおむつ側に装着されており、前述のセンサ部13が接続されている。センサ部13の抵抗値が共振回路部14のQに及ぼす影響を受信回路24および解析回路26で減衰振動波形の減衰定数αの変化として検出し、センサ部13の水分の有無を検知する装置である。コイルの誘導結合を利用するため、共振回路部14のコイル部分と、送信アンテナコイル22、受信アンテナコイル23は誘導結合で結合されている。
【0019】
この装置は、センサ部13と共振回路部14からなる共振回路の減衰振動波形を解析することで、送受信部と共振回路部の距離を気にすることなく精度良く濡れを検知できる。また、距離の3乗に反比例して減衰する誘導電磁界を利用しているため、1m程度の適度な距離に系全体が入っていないと動作しない。したがって、同一室内に複数のおむつ装着者がいても、近くのおむつの濡れのみを調べることが出来る。
【0020】
この回路では、センサ部13が乾いているとき、即ち導電性糸Z,Z間が絶縁状態において、共振回路部14は所定の周波数で共振するが、濡れて導電性糸Z,Z間が導通すると振幅が小さくなる。しかしながら、送受信部と共振回路部の距離にも振幅は強く影響されるため、センサ部13が濡れているのか、それとも送受信と共振回路とが離れているのか、振幅の大小のみでは両者を判別できない。振幅の大小で濡れを測定しようとすると、送受信部と共振回路部の距離を常に一定に保たねばならず、実用性において課題がある。
【0021】
そこで、本発明では、発振機21による発振をOFFにした直後に共振回路部14から再放射される磁束の減衰振動の減衰定数を解析する。そうすることで、Q値の低下を検出し、送受信部と共振回路部の距離に影響されず濡れを検知する。発振機21は、図5(a)に示すように、所定の高周波(例えば周波数f=125kHz)を発振するが、任意の時間(例えば1.6ms)でON−OFFを繰り返すバースト波形を送信する。
【0022】
共振回路部14は、発振機21の磁束変化を受けて誘導され共振するが、発振がOFFされると共振回路内の抵抗に阻害され振動はしだいに弱まり減衰し、やがて電流は流れなくなる。発振機21が発振し始めると再び共振が始まる(図5(b)参照)。
【0023】
受信回路24では、発振OFF後の共振回路部14の減衰振動波形を捉える。共振回路部14は減衰する振動電流iに比例した磁束Hを再放射する。受信回路24は受信アンテナ23を備え、磁束Hに誘導されて電圧パルスを出力する。この電圧変化は減衰波と相似形となる。受信回路24により受信した反射電波の波形を、解析回路26によって解析する方法について以下に説明する。
【0024】
バースト停止直後の共振回路部14のコイル電流の減衰振動波形は一般に式(1)で表される。また、減衰振動波形の模式図を図6に示す。
【数1】

但し、io:t=0(発振OFF時)におけるコイル電流、α:減衰定数、f:周波数、θ:初期位相角、t:時間
【0025】
式(1)は、αが小さいということは振動が時間的にゆるやかに減衰することを示し、αが大きいということは急激に減衰することを示している。もし、共振回路14と並列にセンサ部13を組み込んだ場合、抵抗Rの抵抗値が無限大(濡れていない)であるときは減衰定数αが小さく、抵抗Rの抵抗値が生じている(濡れている)ときは減衰定数αが大きいという関係になる。
【0026】
さて、解析回路26には発振OFF直後の電圧Vと一定時間経過後の電圧Vをサンプリングし保持する回路が備えられている。また、解析回路26にはV/Vを出力する例えばアナログ除算器が組み込まれている。すなわちサンプリングされた両者のV/Vが大きいときα大(乾いている)、同様にV/Vが小さいときα小(濡れている)ということになるので、センサ部13の濡れの程度を判別できる。
【0027】
送受信部と共振回路部の距離が大きくなると両者の結合が弱まり波高は小さくなるが、VとVの比は変わらず相似形で全体の波高が小さくなる。従って、減衰定数αを検知することで、一定距離内において、距離に影響されずに非接触で濡れの程度を検出可能としている。
【0028】
なお、発振と受信とを切り替えることが可能なスイッチを備え、タイミング回路25によりスイッチ切り替えの制御をすることによって、送信アンテナ22と受信アンテナ23とを、単一の送受信アンテナによって共用することができる。なお、センサ部13は共振回路に直列に接続しても良い。この場合、センサ部13の抵抗値の低下⇒Qの上昇⇒バースト発振直後の減衰振動の有無の確認、で減衰があれば(α小なら)濡れている、無ければ(α大なら)濡れていないという見分け方になる。
【0029】
上記の方法なら送受信部をオムツに接近させて反応があれば濡れているということになるので、距離には無関係にはならない(あまり遠くだと反応しなくなる)が、αを見ずとも反応の有無だけで検出できる。これは、ディップメーターと似た方式ではあるが、ディップメーターのように周波数を振る必要がないという利点がある。
【0030】
なお、従来の水分検知装置は、共振回路のコイルパターンあるいは、コンデンサパターンが短絡したときに反射電波が出なくなることを利用して、水分の有無を検知する方式である(特許文献1の0012欄参照)。この方式では、少しの水分でも共振回路を短絡させることになり、濡れの程度の判定は困難である。しかしながら、本発明の水分検知装置は、共振回路部14とは別にセンサ部13を備え、共振回路部14には水分が入らず、センサ部13にのみ水分が入り、抵抗値が変化するようになっている。
【0031】
このため、本発明の水分検知装置は、濡れの程度に応じてセンサ部13の抵抗値が広く変化し、Q値の変化幅の制御が容易である。それ故、濡れの程度に応じて抵抗値が変化し、Q値が変化し、減衰定数αが変化するので、減衰定数αから濡れの程度を判別することができる。
【0032】
また、従来の水分検知装置では、共振回路部分で直接濡れを検知するため、ある程度の大きさのコイルパターンおよびコンデンサパターンからなる共振回路部分を、捩れやすいおむつの股下に配置する必要がある。しかしながら、共振回路部分が捻れると、L値またはC値が変化し、共振周波数が変化し、送受信回路の共振周波数とずれが生じ易いという問題がある。共振させるための所定のL値を出すには、なんらかのデザイン的工夫が必須であるが、強固な構造にすると装着部位がデリケートな場所であるので、装着者に違和感が生じることになる。一方、本発明の水分検知装置では、コイルパターンおよびコンデンサパターンはカードのような形状で邪魔にならない位置に別途取り付けることも可能であるし、おむつに内蔵する場合でも捩れにくい腹部や臀部に配置すればよいので、上記の問題が生ぜず、安定性の高い水分検知が行える。
【0033】
また、従来の水分検知装置では、おむつが濡れた時とセンサが存在しないときの応答が同じになり、両者を判別できない(特許文献1の0024欄参照)。しかしながら、本発明の水分検知装置ではおむつが濡れたときにV2/V1=小という応答、V1とV2が両者ノイズ成分だけとなりほぼ等しくV2/V1=1のときおむつなしと処理することができるので、両者を判別することができる。これには水分付着量に対応したQ値の変化率が緩やかであるという面も寄与している。
【0034】
図7は、各種波形のシミュレーション結果を示す。(a)は送信コイル22における送信波形例を示す。周波数125kHzで発振した波形を0.4ms間送出し、時刻tで発振OFFする。(b)は受信コイル23における受信波形例を示し、センサ部13をオープン(抵抗値無限大)とした完全に水分が無い場合である。この場合にも、コイルおよびコンデンサ自体の抵抗分により発振OFFとなる時刻t以降は振動波形が減衰する。
【0035】
この減衰は、i=i−αtで表され、減衰定数αを求める式に変換すると、
α=−ln(i/i0)/t となる。例えば、発振OFF(t)から、0.01ms後の値をi、0.04ms後の値をi、0.04−0.01=0.03msをtとして計算すると、この場合の減衰定数αは約14000〔s−1〕となる。
【0036】
(c)はセンサ部13が濡れた状態で、センサ部13の端子間抵抗が2kΩとした場合の受信コイル23における受信波形例を示す。この場合の上記と同じ基準で計算した減衰定数αは約79000〔s−1〕となる。
【0037】
(d)は共振回路部14およびセンサ部13が存在しない場合である。例えばおむつ装着者がいない場合である。この場合には受信コイル23の受信波形は送信コイル22の送信波形の直接受信分のみとなり、t後の振幅はほぼゼロである。tから0.01ms後の受信波形が観測されないので、この場合にはおむつ装着者がいないと判断される。このとき、tから0.01msと0.03ms後の受信波形は両者ノイズ成分だけになりほぼ等しくなるので、減衰定数αは約0〔s―1〕となる。センサ部13がかなり濡れた場合にも、急激な減衰の結果V1とV2がほぼ同じになる可能性が考えられるが、センサ部13の端子間抵抗を例えば1kΩ以上などに設定しておく事は可能である。つまりtから0.01ms後の受信波形がゼロにならないようにできる。このように、端子間の最低抵抗値を設定することにより、過剰な濡れの場合αは極めて大きくなり、装着者不在の場合αは0になるので判別が可能となる。
【0038】
従って、減衰定数αを検知することで、送受信コイル22,23と共振回路部14との距離にかかわらず、おむつ濡れの程度および共振回路部14自体の不存在を確実に検知できる。
【0039】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、減衰振動波形の減衰定数αを検知することで、送受信コイルと共振回路部との距離にかかわらず、おむつ濡れの程度および共振回路部自体の不存在を確実に検知できる。従って、介護等の分野でおむつ濡れの検知等に好適に利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルとコンデンサからなる共振回路部と、
該共振回路部に接続され、水分によって電気的導通および/または抵抗値変化を生じるように構成されたセンサ部と、
発振回路部からの送信電波により、前記共振回路部は反射電波を発生させ、該反射電波を受信する受信回路部と、
該受信回路部が受信した前記反射電波を解析する解析回路を備え、
該解析回路による解析結果に基づいて、前記センサ部における水分を検知する、水分検知装置。
【請求項2】
前記反射電波の減衰振動波形の解析から、減衰定数を検知し、該減衰定数から前記センサ部における水分を検知する、請求項1に記載の水分検知装置。
【請求項3】
反射電波の減衰振動波形の解析は、反射電波における減衰振動波形の少なくとも2つのタイミングの電圧を比較することによる、請求項1に記載の水分検知装置。
【請求項4】
反射電波の減衰振動波形の解析は、発振OFF直後の電圧と、その後一定期間経過後の電圧を比較することによる、請求項1に記載の水分検知装置。
【請求項5】
前記共振回路部には水分が付着しないように構成されている、請求項1に記載の水分検知装置。
【請求項6】
前記センサ部は少なくとも2本の導電性糸を長手方向に配置した異方性導電織布からなる、請求項1に記載の水分検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−141238(P2011−141238A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3134(P2010−3134)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000105350)コーア株式会社 (201)
【Fターム(参考)】