説明

水回収プラントを稼働させるためのプロセス

【課題】 廃棄物の生成量を減少させることを可能とする、製造プロセス又は建設プロセスに関連する水回収プラントを稼働させるためのプロセスを提供する。
【解決手段】 水回収プラントを稼働するためのプロセスは、製造プロセス又は建設プロセスから回収される、固形物により汚染された水を用いて貯蔵タンクを充填することと、貯蔵タンク内の一以上の選択された汚染物質の濃度に関連するパラメータを決定することと、貯蔵タンク内の一以上の選択された汚染物質の濃度が所望のレベル以下になるように固形物により汚染された水を希釈することと、製造プロセスにおいて貯蔵タンクからの水を利用することと、を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水回収プラントを稼働させるためのプロセスに関するものである。特に、本発明は、製造設備又は建設設備と連携する水回収プラントを稼働させるためのプロセスに関するものである。この水回収プラントでは、製造設備又は建設設備からの固形物により汚染された水が処理及びリサイクルされて製造設備又は建設設備へと戻される。
【背景技術】
【0002】
多くの製造プロセス及び建設プロセスからは、廃液が生成される。環境のことを考えると、製造プロセス又は建設プロセスからの副産物として生成される高レベルの固形物を含有する廃液は、排出又は再利用の前に、固形物のレベル及び他の汚染物質のレベルを許容レベルにまで下げる処理を行う必要がある。法定機関により、雨水、家庭雑排水、又は下水道システムから排出される廃液に含まれていてもよい汚染物質のレベルが制限されている。廃液の排出の前に、一以上の汚染物質を取り除くことによって、廃液を排水に適した品質にする必要がある場合が多い。廃液から汚染物質を取り除くプロセスでは、それが如何なるプロセスであっても、それらの汚染物質もまた廃棄される必要がある。これらの汚染物質の廃棄は、費用が掛かる場合もあれば、技術的に困難な場合もある。
【0003】
多くの製造プロセスにおいては、廃液は副産物として生成され、比較的に高いレベルの懸濁物質を含有している。これらの懸濁物質は、濾過又は他のプロセスにより、許容レベルにまで取り除かれうる。しかしながら、これらのプロセスにより生成された濾過ケーキ又は廃棄物もまた、廃棄される必要がある。廃液が他の汚染物質を含有している場合、汚染物質を取り除くために他のプロセスにより処理することが必要となる場合がある。しかしながら、この廃液から取り除かれた汚染物質は、別に廃棄されることが必要である。廃液から取り除かれた汚染物質の廃棄は制限されている場合が多く、従って、廃棄は費用又は技術的な負担をオペレータに負わせる。
【0004】
生コンクリートを製造する際には、その生産において、生産設備及び生コンクリートの輸送車を洗浄する場合と同様、大量の水が消費される。生産設備及び車の洗浄には、生コンクリートが固化して取り除くことが更に困難となる前にこの生コンクリートを取り除くという、生産プロセスにとって非常に重要な意味がある。
【0005】
通常、コンクリート輸送車は、生コンクリートの内の約3〜5%を生産施設に戻してくるが、その内の多くは廃棄場に捨てられ、残りは車から洗い流される。これにより、汚水が生じることに加えて、経済的な再利用が不可能である少量の砂利が生じる。この砂利の全部又は一部を回収しようとすると、それよりも著しく多い量の汚水が生じ、この汚水を廃棄の前に濾過することが必要となる。従って、上記砂利の全部又は一部を回収することは現実的ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これまで、この汚水を経済的にリサイクルして製造プロセスに戻すということは、一般的に可能なことではなかった。というのは、このような汚水は微粉により著しく汚染されており、この微粉がコンクリートの混合物中に混合すると、そのコンクリートに所望の強度を持たせるために必要となるセメントの量が増加するからである。更に、多量の微粉が存在すると、この微粉が過剰な水分を含んでいるために、コンクリートを弱くするだけでなく、コンクリートに亀裂を発生させてしまう。従って、生コンクリートの製造においては、非常に少ない量だけの水をコンクリートの製造に戻していた、又は、実際に戻すことが可能であった。
【0007】
他の建設プロセスにおいても、過剰量の固形物により汚染された廃液を処理する場合、同様の問題に直面する。例えば、基礎の構築においては、イルミナイトを移送するための水としては、生成される廃液の汚染レベルが高いので、通常、都市水が用いられる。又、トンネルを掘るプロセスでは、水は切削液として用いられることが多く、その汚水は、一般的に、実質的に全ての汚染物質を取り除くための濾過圧搾器又は他のプロセスを通過させてからでないとリサイクルされない。言うまでもなく、実質的に全ての汚染物質を取り除くことにより、大量の廃棄物が生成される。
【0008】
この度、発明者らは、廃棄しなければならない廃棄物の生成量を減少させることを可能とする、製造プロセス又は建設プロセスに関連する水回収プラントを稼働させるためのプロセスを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明により、水回収プラントを稼働させるためのプロセスが提供されている。このプロセスは、製造プロセス又は建設プロセスから回収された、固形物により汚染されている水で貯蔵タンクを充填することと、貯蔵タンク内の一以上の選択された汚染物質の濃度に関連するパラメータを決定することと、貯蔵タンク内の一以上の選択された汚染物質の濃度が所望のレベル以下になるように固形物で汚染された水を希釈することと、製造プロセスにおいて貯蔵タンクからの水を使用することと、を含んでいる。
【0010】
本発明では、多くの製造プロセス及び建設プロセスにおいては、ある程度の固形汚染物質を含む水を使用することが可能であることが認められている。通常、このような製造プロセス及び建設プロセスでは、生成される廃液の量は、製造プロセスの稼働において必要となる量よりも少ない。従って、製造プロセスでの利用のためには、水を追加供給しなければならない。通常、この追加する水は、都市水の供給源から供給され、実質的に汚染されていない。発明者らは、この実質的に汚染されていない水を用いて製造プロセスからの廃液を希釈することにより、製造プロセスの副産物の大部分をリサイクルすることが可能であり、それによって、廃液処理において生じる廃棄物の量を最小限に抑えることが可能となることを見出した。
【0011】
本発明は、生コンクリートの製造を参照しながら詳細に記載されているが、言うまでもなく、本発明に係るプロセスは、様々な他の製造プロセス及び建設プロセスに適用可能である。
【0012】
生コンクリートの製造においては、コンクリートの製造に水が用いられる。この水は、セメント並びに砂利及び砂のような微粒子を含むその他の構成要素と合わされる。又、製造プロセスで用いられた装置の洗浄においても、大量の水が用いられる。そのような装置はコンクリートが固まる前に洗浄される必要があり、この洗浄プロセスでは、大量の懸濁物質が水を汚染する。又、水は、生コンクリートの分配に用いる車に搭載されている回転ボールの洗浄においても用いられる。回転ボールからの洗浄液には、複数のグレードの砂利及び石粉や懸濁物質により汚染された水が含まれている。この洗浄液は、本発明では、サイズ分布に応じて複数のグレードの砂利が洗浄液から分離される回収プロセスを経るようにされる。このような回収された複数グレードの砂利は、本来ならコンクリート製造業者により購入又は採石されるであろう砂利の代わりとして用いられてもよい。
【0013】
回収された砂利及び石粉から分離された水は、先ず、使用済の水がポンプにより貯蔵タンクに送られうるようになされているピットの中に集められうる。廃液を最初に貯蔵するためにピットを利用することで、洗浄に用いられた水の利用及び収集における変動を緩和することや、ポンプによりピットから貯蔵タンクへ廃液を連続的に注入することが好都合に可能となる。
【0014】
本発明では、コンクリートの製造にとって好ましくない汚染物質は、不活性微粉、セメント質製品、泥、及びこれらを組み合わせた物を含んでいる。
【0015】
決定されるパラメータとしては、懸濁物質及び比重が挙げられうる。
【0016】
コンクリート製造装置及び分配車の回転ボールの洗浄から回収される水は、通常、懸濁物質により汚染されている。貯蔵タンク内の懸濁物質の濃度は、如何なる好都合な手段を用いて決定されてもよい。懸濁物質の濃度は、当該懸濁物質の濃度が所望のレベルを超えたときに当該懸濁物質のレベルをその所望のレベル又はそれ未満に減少せしめるよう貯蔵タンク内のリサイクル水を希釈するために、連続して監視されることが好ましい。発明者らは、後になって生コンクリートの製造に利用するためにリサイクル水を処理するにあたっては、懸濁物質のレベルを、100,000ppm以下、更に好ましくは50,000ppm未満に維持することが好ましいことを見出した。好都合なことに、発明者らは、懸濁物質メータを用いることにより懸濁物質のレベルを容易に測定できることを見出した。比重もまた、懸濁物質のレベルの決定に用いられうるパラメータである。1.05の比重から100,000ppmの懸濁物質を含有する水が適切に近似されるし、又、1.025の比重から50,000ppmのコンクリート製造装置の洗浄からの水を汚染しうる懸濁物質を含有する水が適切に近似される。
【0017】
貯蔵タンクからのリサイクル水は、生コンクリートの製造に用いられる水を供給するために用いられうる。水は、貯蔵タンクから取り出されてコンクリート製造におけるバッチ水として用いられてもよいし、及び/又は、貯蔵タンクから取り出されてコンクリート製造装置及び分配車の回転ボールの洗浄のために用いられてもよい。
【0018】
複数バッチのコンクリートを製造するために用いる目的で摂取された水は、複数バッチのコンクリートを製造するために用いられる前に、配水タンク等において更に希釈されてもよい。
【0019】
リサイクル水を希釈するために用いられる水は、飲料水の都市水供給源から導入される水であってもよいし、又は、比較的綺麗な水の他の供給源からの水であってもよい。本発明に係る一つの実施形態においては、本システムの選択された貯蔵容量がその上限に達した場合、リサイクル水の希釈に用いられる水は、濾過圧搾器の如き精製プロセスを通過したリサイクル水の超過分であってもよい。本発明に係る他の実施形態では、著しく汚染されたリサイクル水のバッチの一部が、その一部から過剰な懸濁物質を取り除くために濾過されてもよく、この濾過されたリサイクル水が貯蔵タンク内の残りのリサイクル水を希釈するために後になって用いられてもよい。
【0020】
連続式の製造プロセスでは、多数の貯蔵タンクが順次用いられることが好ましい。従って、貯蔵ピットからポンプにより送給される水は、第一の貯蔵タンクを先ず充填するために用いられ、この第一の貯蔵タンク内のリサイクル水は、懸濁物質の所望のレベル未満に汚染レベルを維持するために必要に応じて希釈される。一旦その貯蔵タンクが満タンになるか、又は、コンクリートのバッチを更に製造するため又は製造装置若しくは分配車の回転ボールを洗浄するための水の供給源として用いられると、上記の貯蔵ピットからポンプにより送給されるリサイクル水は、第二の貯蔵タンク内にポンプにより送給され、この第二の貯蔵タンク内のリサイクル水は、懸濁物質のレベルを所望のレベル又はそれ未満に維持するために希釈されうる。同様にして、第三の貯蔵タンク及びその次の貯蔵タンクが用いられてもよい。貯蔵タンクの数量及びサイズは、製造プロセスにおいて用いるために必要となるリサイクル水の量によって決まる。
【0021】
使用にあたり、複数の貯蔵タンクを備えた水処理プラントは、以下のプロセスに従って用いられうる。生コンクリートの製造又は装置及び車の洗浄から集められたリサイクル水は、そこからリサイクル水が連続的に移動されうるようなピット内に収集され、それにより、水処理プロセスにおけるリサイクルされる水の流量の変動が緩和される。このピットからポンプにより取り出された水は、第一の貯蔵タンクへ供給され、この第一の貯蔵タンク内における懸濁物質のレベルは、懸濁物質のレベルを決定するための懸濁物質メータが用いられて測定される。第一の貯蔵タンク内における懸濁物質の濃度が指定値を超えた場合、リサイクル水は、懸濁物質の濃度が指定レベル以下になるように希釈される。第一の貯蔵タンクが満タンになると、上述のピットからポンプにより取り出された水は、第二の貯蔵タンクに貯蔵される。この第二の貯蔵タンク内における懸濁物質の濃度も測定され、リサイクル水は、懸濁物質の濃度を所望のレベル未満に維持するために希釈される。第三の貯蔵タンク及びその次の貯蔵タンクも、同様にして用いられうる。貯蔵タンク内の懸濁物質の濃度が指定値を超えていると共に、この貯蔵タンクが満タンであるため更なる希釈が可能でない場合、この貯蔵タンク内のリサイクル水の一部を精製のためにサージタンクにポンプで送給してもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るプロセスは、生コンクリートの製造プロセス以外の、懸濁物質により汚染された水が生成される製造プロセス及び建設プロセスにおける水回収プラントを稼働させるために適用されてもよいことは明らかである。又、本発明に係る方法を他の製造プロセスに適用しても効果を発揮しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、添付の図面を参照して記述される。この添付の図面は、本発明を説明するためのものであって、本発明を制限するものではない。
【0024】
回転ボールを含むコンクリート混合装置及び分配車を洗浄するための水は、図1に示されているリサイクラを通過する。回収装置は、粒子状物質をサイズに応じて様々なグレードに分離する。20mm以上の粒子状物質が一つの流れに分離され、10mm〜20mmまでの粒子状物質が第二の流れに分離され、沈殿物又は微粉が第三の流れから取り除かれることが、プロセスフロー図から明らかである。結果として得られたリサイクルのための水は、懸濁物質を含有している場合がある。この水は、第一のピット、ピットAに集められ、そこから、逆止めポンプにより、第二のピット、ピットBへと送給される。懸濁物質を含有するリサイクル水は、逆止めポンプにより、ピットBからバルブV3を通って第一のサイロへと送給されうる。バルブV5が開いている場合、サイロ1からの水はポンプにより比重メータを通過して、バルブ11を通して元のサイロに戻されうる。これに代えて又はこれに加えて、この水を、バルブ9を通して原水タンクへと送給してもよい。この原水タンクは、生コンクリートのバッチ製造において用いられる水を蓄えている。更なる水が、バルブ10を介して、都市水の供給源から直接的に水計量用ホッパに加えられてもよい。
【0025】
比重メータ1により測定された比重が所定の値を超えている場合、サイロ1のリサイクル水は、バルブV1からの都市水を用いて又はバルブV2からの濾過された水を用いて希釈されうる。水は、コンクリート製造装置又は分配車の回転ボールの洗浄における利用のために、サイロ1からバルブV4を通して移送されうる。この水は、その後、上述のようにリサイクラを通して回収される。サイロ1のリサイクル水が、前もって設定された値を著しく超えたレベルにまで汚染されている場合、サイロ1からのリサイクル水は、逆止めポンプにより、バルブV8及びバルブV6を通して、サイロ4の中へ送給されうる。又、サイロ4は、ピットBからバルブV3を通して直接的に充填されてもよい。サイロ4からの水は、バルブ7を通して濾過圧搾器内で濾過されうる。この濾過圧搾器から、濾過ケーキが取り除かれて廃棄される。濾過水は、逆止めポンプにより、バルブ2を通して最初又はその次の貯蔵用サイロに送給されてもよい。
【0026】
最初のサイロの内の何れかが充填されると、水は、水処理プラントを稼働させるためのプロセスにより、その次の貯蔵用サイロへと導かれる。
【0027】
水処理プラントの稼働において用いられるプロセス制御の一例が、図2において示されている。
【0028】
図3及び5には、本発明に係るプロセスの第二の実施形態が示されている。図3には、コンクリート製造プラントのためのバッチ式プラント用水リサイクルシステムが示されている。図4には、図3に示されているバッチ式プラント用水リサイクルシステムの稼働のためのフローチャートが示されている。図3に示されているバッチ式プラント用水リサイクルシステムの始動時点では、全てのサイロ(1,2,3及び4)は空の状態にある。ソレノイドバルブV1−1,V1−2及びV1−3を通じて、サイロ1,2及び3をその最大容積の30%まで充填するために都市水が用いられる。水位は、圧力トランスデューサ(PT)により測定される。サイロ1,2及び3の各々における懸濁物質のレベルは、それぞれ、SGメータ1,2,3により測定される。サイロ1,2,3の内在物は、それぞれ、送水ポンプP7−1,P7−2,P7−3の各々により比重メータ1,2,3を通って循環され、ソレノイドバルブV7−1,V7−2及びV7−3によってそれぞれのサイロ1,2,3に戻される。サイロの各々の中における懸濁物質は、バッチ式プラント用水リサイクルシステムの稼働全体に渡り連続して測定される。
【0029】
サイロは、循環水を受け取る場合及びコンクリート製造プロセスにおいて利用する水を提供する場合の両方のために、待ち行列に加えられる。水がピットAに集められると、その水は、送水ポンプP2により、待ち行列の先頭にあるサイロ、即ち第一にサイロ1へ送給される。バルブV2−1は開弁状態にあり、ピットAから水をサイロ1にポンプを用いて送給することを可能としている。バルブV1−1は閉弁状態にあり、都市水がサイロ1に注入されることを防いでいる。バルブV15は、様々な他の供給源からの水がピットAに集められることを可能としている。懸濁物質メータであるSGメータ1が前もって設定された限界値未満である間、セメントの製造のバッチ処理のための水を提供するためにバルブV8−1が開弁される。ソレノイドバルブV4−1は、戻ってきたトラックからコンクリートを回収するためだけではなく、そのトラックを洗浄するための水を提供するという利用のために、開弁状態にある。サイロ4に水を供給するためのバルブV5−1は、閉弁状態にある。
【0030】
プロセスが動作状態にあり、SGメータ1により測定される比重が前もって設定された限界値未満であり、サイロ1が空でもなければ満タンでもない間、コンクリートのバッチ処理及びトラックの洗浄のために必要とされる水はサイロ1から得られ、ピットAに集められた水はポンプによりサイロ1へと送給される。
【0031】
一旦サイロ1においてSGメータ1により測定される懸濁物質が前もって設定された限界値以上の値に到達すると、バルブV2−1が閉弁され、バルブV4−1及びバルブV8−1が同時に閉弁される。サイロ2からの水がバッチ処理及び洗浄の両方のために利用できるように、バルブV2−2が開弁され、バルブV8−2及びバルブV4−2が同時に開弁される。サイロ1が80%を超えて満たされ、かつ、比重メータ1により懸濁物質のレベルが前もって設定された値を超えていることが示される場合、バルブV5−1は開弁され、サイロ1の内在物はポンプV5によりサイロ4へ送給される。サイロ1の内在物が80%未満である場合、タンクBからの水は、可能ならば、サイロ1の中の水レベルが20%上昇するまで、ポンプP1によりバルブV3−1を通してサイロ1へと送給される。もしピットBが空の状態であり、かつ、サイロ4が5%未満である場合には、バルブV1−1が開弁され、サイロ1は20%上昇するまで都市水が供給される。
【0032】
サイロが満タンの状態に達した場合、バルブV2は閉弁され、ピットAからポンプにより送給されている水は、待ち行列において待機している次のサイロを充填するために用いられる。
【0033】
サイロ1,2及び3の全てが満タンである場合、バルブV2−1,V2−2及びバルブV2−3は閉弁され、サイロ4が80%未満である場合には、ピットAはバルブV2−4を通してサイロ4の中へ排出させられる。もし、サイロ4が80%を超えて満たされている場合、アラームが鳴らされ、バルブV2−4が閉弁され、バルブV15が同時に閉弁される。
【0034】
何れのサイロであっても、バルブ8が開弁されているときはバルブ7は閉弁されていなければならず、その逆もまた同様である。バルブ8は、原水タンクが満タンでない場合のときのみ開弁される。
【0035】
サイロは、待ち行列に加えられた順番に従って充填される。
【0036】
何れかのサイロが2%未満になった場合、攪拌機は停止される。その他のときには、攪拌器は常に稼働している。
【0037】
各サイロにおける循環用ポンプは、原水タンクに供給しているときを除き、40%かそれを超えるよう満たされている場合に稼働する。
【0038】
濾過圧搾器は、ピットBが満タンでないのであれば、サイロ4を常に空にする。
【0039】
サイロ4が100%満たされた状態に到達した場合は何時でも、サイロ4が95%満たされている状態に到達するまでバルブV5及びV2−4は全て閉弁され、その後、それらは再び開弁される。
【0040】
原水タンクは、高レベルに満たない間は常に充填される。低レベルである場合には、都市水を用いるバッチ処理が行われる。
【0041】
全てのサイロがSG限界値を超えている場合、一つのサイロがSG限界値未満になるまでバッチ処理に都市水が用いられる。次いで、このサイロがNに設定されて、再び始動する。
【0042】
全ての番号のバルブに対し、一度に一つのバルブのみを開弁することが可能である。
【0043】
ポンプP2は、ピットAの中の中間レベルスイッチが覆われたときのみ稼働する。
【0044】
バルブV13は、手動式のシャットオフバルブである。
【0045】
好都合なことに、本発明により、コンクリート製造業者は、非常に多くの量の砂利を回収することができると共に、廃棄される廃液の量を減少させることもできる。驚いたことには、特別なセメント又は他の高価な添加物が必要となるような、コンクリートの物性において不利となる影響を一切もたらすことなく、一見相反するこれらの要求事項が本プロセスにおいて果たされる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係るプロセスは、生コンクリートの製造プロセス以外の、懸濁物質により汚染された水が生成される製造プロセス及び建設プロセスにおける水回収プラントを稼働させるために適用されてもよいことは明らかである。又、本発明に係る方法を他の製造プロセスに適用しても効果を発揮しうる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る第一の実施形態に従って稼働する水処理プラントにおけるリサイクル水の流れを示すプロセスフロー図である。
【図2】図1に示す水処理プラントの動き方を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係る第二の実施形態に従って稼働する水処理プラントにおけるリサイクル水の流れを示すプロセスフロー図である。
【図4】図2に示す水処理プラントの動き方を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
V1〜V11,V15 バルブ(ソレノイドバルブ)
V12,V13 バタフライバルブ
V1−1〜V1−3 ソレノイドバルブ
V2−1〜V2−4 ソレノイドバルブ
V3−1〜V3−3 ソレノイドバルブ
V4−1〜V4−3 ソレノイドバルブ
V5−1〜V5−4 ソレノイドバルブ
V7−1〜V7−3 ソレノイドバルブ
V8−1〜V8−3 ソレノイドバルブ
V14−1〜V14−4 ソレノイドバルブ
P1〜P6 送水ポンプ(ポンプ)
P7−1〜P7−3 送水ポンプ
PT 圧力トランスデューサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造プロセス又は建設プロセスから回収される、固形物により汚染された水で貯蔵タンクを充填することと、
前記貯蔵タンク内の一以上の選択された汚染物質の濃度に関連するパラメータを決定することと、
前記貯蔵タンク内の前記一以上の選択された汚染物質の濃度が所望のレベル以下になるように前記固形物により汚染された水を希釈することと、
前記貯蔵タンクからの水を製造プロセスにおいて使用することと、
を含む、水回収プラントを稼働させるためのプロセス。
【請求項2】
前記製造プロセス又は前記建設プロセスが生コンクリート(レディーミクスコンクリート)の製造である、請求項1記載の水回収プラントを稼働させるためのプロセス。
【請求項3】
前記回収される汚染された水が生コンクリート(レディーミクスコンクリート)の製造及び移送において用いられる装置からの洗浄液を含む、請求項2記載のプロセス。
【請求項4】
前記汚染された水がピットに集められる、請求項2記載のプロセス。
【請求項5】
前記汚染された水が多数の貯蔵タンクの中に連続的に注入される、請求項2記載のプロセス。
【請求項6】
前記貯蔵タンクが一以上の選択された汚染物質に関連するパラメータを決定するためのセンサを組み入れており、該センサが所定のレベルに到達すると前記タンクが迂回されて次の貯蔵タンクが充填される、請求項5記載のプロセス。
【請求項7】
生コンクリート(レディーミクスコンクリート)の製造又は製造装置若しくは移送装置の洗浄において用いるために前記貯蔵タンクから汚染された水が連続的に注ぎ込まれる、請求項5記載のプロセス。
【請求項8】
迂回されたタンクが汚染されていない水で充填される、請求項6記載のプロセス。
【請求項9】
前記汚染されていない水が都市水の供給源から供給される、請求項8記載のプロセス。
【請求項10】
前記汚染されていない水が、本発明のプロセスからのリサイクル水から過剰な固形物を取り除くために用いられる濾過圧搾器から供給される、請求項8記載のプロセス。
【請求項11】
前記汚染された水が、不活性微粉、セメント質製品、泥、及びこれらを組み合わせた物からなる一群から選択される汚染物質で汚染されている、請求項2記載のプロセス。
【請求項12】
決定される前記パラメータが懸濁物質及び比重からなる一群から選択される、請求項2記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−508792(P2006−508792A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−557667(P2004−557667)
【出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【国際出願番号】PCT/AU2003/001651
【国際公開番号】WO2004/052791
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(505218007)ウェイスト セイバー プロプライエタリー リミテッド (1)