説明

水圧回転ブラシ

【課題】
任意の停止状態から、ベーン体の初期動作が確実に起動し、洗浄作業を行うに十分、且つ安定したトルクを発生する揺動ベーンモーターを構成し、一般家庭用の水道水圧を直接供給して、使用した水と共に洗浄作業が行える水圧回転ブラシを提供する。
【解決手段】
流水受圧面積の大きい、揺動するベーン体を備えたローターの軸線と、内部に流水遮断器具を備えたケーシングの中心線とを一致して配置し、該ケーシングの両側を密閉する一方の蓋に注水口、そして、もう一方の蓋に排水口を配置し、該注水口からの水道水圧が、ベーン体の裏面側から作用する揺動ベーンモーターと、刷毛材と放水用の管とを備えた円形ブラシを、該揺動ベーンモーターの出力軸端に固定し、さらに、排水口からの排水を出力軸内部に加工した通水孔を通じて円形ブラシ側に導いた水圧回転ブラシを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水圧回転ブラシに関する。さらに詳しくは、流水受圧面積の大きい曲面板をベーン体として備えた揺動ベーン付き回転体を形成し、さらに、該揺動ベーン付き回転体をローターとした揺動ベーンモーターを構成し、放水用の管と刷毛材を備えた円形ブラシと組み合わせ、水道水圧を利用してトルクを得ながら供給した水道水と共に洗浄が行える水圧回転ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の偏心回転ピストンは、流体の入口及び出口を有するシリンダの圧力室内に、シリンダの軸線から偏心させ、かつ、その外周面の一部分を前記入口及び出口の間のシリンダ内周面に摺接して回転自在なロータを設け、上記ロータの外周部に、一端を回転自在に軸支すると共に他端を自由端としたベーンを設けて、該ベーンを流体の作用及びロータの遠心力によりロータ外周部の倒伏位置から自由端がシリンダ内周面に当接する起立位置まで回転させて上記圧力室を仕切る構成としている事を特徴としている(例えば、特許文献1参照)。
従来の洗浄ブラシは、水道ホースを連結する給水口が備えられた本体に回転駆動部を設け、供給される水道水の噴出圧力によって該回転駆動部に取り付けられたブラッシング部材を駆動回転させるように構成した洗浄ブラシにおいて、前記回転駆動部については、前記本体に形成されたケーシング部に、ルーツロータが夫々設けられた二つのロータ軸を縦向きに回転自由に支持すると共に、各ロータ軸に固定されたタイミングギヤを噛合させて該ルーツロータを互いに反対方向に回転させるように設けたルーツポンプ機構とし、一方のロータ軸の一端部に前記ブラッシング部材を着脱可能に設け、前記給水口からケーシング部に形成された吹き出し口に供給される水道水の噴出圧力によって前記ルーツロータを回転作動させる事により、そのブラッシング部材を駆動回転させるように構成した事を特徴としている(例えば、特許文献2参照)。
従来の洗浄器具は、ハウジングと、ハウジング内径中心に対して偏芯した位置を中心にハウジングによって回転自在に支承されたロータと、ロータ中心に対して半径方向にロータで摺動自在に支承された複数のベーンを設けて、ハウジング、ロータおよび複数のベーンとでベーンモータを構成し、ロータの軸端にブラシまたはスポンジを装着できるようにし、ベーンモータに水道水を供給する供給管路と、ベーンモータから排水される水を前記のブラシまたはスポンジの中心に流出する排出管路を設けたことを特徴としている(例えば、特許文献3参照)。
従来の水洗用回転ブラシは、揺動ベーンモーターを利用し、該揺動ベーンモーターの排水口と出力軸を支持する軸受けを備えた蓋と共に、該蓋から外部へ突出している出力軸をさらに支持しながら内部に空室を形成するサイドケースを備えた揺動ベーンモーターを構成し、円板を貫通した小孔と植設された刷毛を該円板内の外周付近にそれぞれ多数設けた刷毛具と、該刷毛具と共に内部に空室を形成する刷毛具ホルダーとから構成された円形ブラシを、前記サイドケースを貫通し外部に突出している出力軸端に取り付け固定し、さらに、揺動ベーンモーター側の空室と、円形ブラシ側の空室とを出力軸内に加工した通水孔によって連結し全体を構成した事を特徴としている(例えば、特許文献4参照)。
【0003】
【特許文献1】実開平03−32101号公報(第1頁、第4図A−第4図D)
【特許文献2】特開2004−275483号公報(第2頁、第2図)
【特許文献3】特開2005−161288号公報(第2頁、第1図)
【特許文献4】特開2007−175705号公報(第2頁、第14図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の水を使用しながらの洗浄作業に用いる回転ブラシにおいては、回転力を得る型式にルーツポンプ機構を利用したモーター、羽根板に高速の噴水流を噴射する事でトルクを得るインぺラー型式のモーター、平衡形、及び不平衡形のベーンモーター、そして揺動部を備えた揺動ベーンモーター等の型式がある。一般家庭に供給されている水道水圧のような低圧力の流水を使用して洗浄作業を行うには、低圧力の流水の使用でも、洗浄作業を行うに十分で、且つ安定したトルクを確保する水圧モーターと共に回転ブラシを構成する必要がある。水圧モーターのローターを形成しているベーン体の流水受圧面積が大きい事、トルク発生中のベーン体による流水受圧面積が変動せず一定である事、従って、供給される水圧が一定ならば一定のトルクを発生する事、及び水道水圧の供給により、任意の停止状態からのベーン体の起動が確実である事等の条件を満たした水圧モーターを構成し、一般家庭に供給されている水道水圧を直接供給してトルクを得ながら供給した水道水と共に洗浄作業を行うという水圧回転ブラシは普及してはいない。特許文献4に示す水洗用回転ブラシは、本願出願人の先願において公開した発明であるが、本発明とは揺動ベーンモーター、及びブラシの構成が異なる。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑み、回転体本体側に設けられた軸受けに軸を把持され、該回転体本体の外周面の外側で自在に揺動するベーン体として複数の軸付き曲面板を備えた揺動ベーン付き回転体をローターとして形成するが、ベーン体として、回転体本体の外径と同一の外径を備えた薄肉円筒体を中心方向から等分割した曲面板を利用しているので、等分割数を少なくする事で従来型式のベーンモーターのベーン体より流水受圧面積の大きなベーン体を得る事ができる。本発明の揺動ベーンモーターは、前記ローターを厚肉円筒体から成るケーシングの内部に、該ケーシングの中心線とローターの軸線とを一致して配置し、注水口はケーシングの両側を密閉する2枚の蓋の一方に加工配置し、該注水口から供給された流水が、ローターの回転方向に向かう一方向のみの流れを形成して、もう一方の蓋に加工配置された排水口に到るように、ケーシングの内面側に設けた軸受けに軸を把持された揺動可能の軸付き板の先端を、ローターの回転方向に向けた流水遮断器具を配置して構成されている。注水口から排水口に到る流水が途中、ローター本体内部を通過し、ベーン体の裏面へ流出させる構造とする事により、注水口から水道水圧を供給する事により、ローターの任意の停止状態からのベーン体の初期揺動動作と、流水を遮断し、一方向のみの流れを形成するための軸付き板の揺動動作とがほぼ同時に起動し、トルク発生中は、揺動したベーン体の流水受圧面積は変動せず一定の受圧面積で回転移動を行い、従って、揺動ベーンモーターは一定水圧の水道水の作用を受けて一定のトルクを発生し、さらに、排水口からの排水を該揺動ベーンモーターの出力軸内部に加工した通水孔を通じて、該出力軸に取り付けた円形ブラシに送る構造とする事等により、ローターに流水受圧面積の大きいベーン体を備え、変動しない一定のトルクを発生し、任意の停止状態からの起動が確実な揺動ベーンモーターを構成し、一般家庭に供給されている水道水圧を直接供給してトルクを得ながら供給した水道水と共に洗浄作業ができるという水圧回転ブラシを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ローターとしての揺動ベーン付き回転体は、両端に支軸を備えた主軸を、厚肉円筒体の内部に、該厚肉円筒体の中心線と該主軸の軸線とを一致して配置し、主軸の外周を等分し た複数箇所から、主軸の軸線方向と平行に、且つ該軸線から半径方向に向けて配置した板材により、主軸の外周面と厚肉円筒体の内周面とを連結固定する事で、厚肉円筒体内部の空洞を、該板材で仕切られた複数の同形状の小空洞とし、さらに、厚肉円筒体の肉厚内部に中心線を備え、且つ該厚肉円筒体の外周面に開口部を設けた孔形の軸受けと、該開口部の片側に、該開口部と連結した凹部とを、中心線方向から等分した厚肉円筒体の複数箇所に、該中心線方向と平行に肉厚に加工し、さらに、該厚肉円筒体の肉厚を貫通し、内部の小空洞に通じる貫通孔をそれぞれの凹部内に加工して回転体本体を形成し、また、揺動するベーン体として、前記厚肉円筒体の外径と同一の外径を備えた薄肉円筒体を中心線方向から分割して得られる曲面板の片側曲面端に、回転体本体側の開口部を設けた孔形の軸受けで把持される軸を備えた複数の軸付き曲面板を形成し、その上で、小空洞、凹部、貫通孔、開口部を設けた孔形の軸受け、及び軸付き曲面板等の構成要素の各1を以って1組とし、これを複数組備えた回転体、即ち、前記主軸の軸線と厚肉円筒体の中心線とを一致して、内部に主軸を配置した厚肉円筒体に、各複数の小空洞、凹部、貫通孔、及び開口部を設けた孔形の軸受けを備えて形成した回転体本体と、揺動するベーン体として、凹部に没入して閉じる事で、前記回転体本体の側面形状が、該回転体本体と共に、円筒体の側面形状と同様の円曲面を形成する複数の軸付き曲面板とから構成する。
【0007】
揺動ベーンモーターは、前記揺動ベーン付き回転体をローターとし、該ローターを厚肉円筒体から成るケーシングの内部に、該ケーシングの中心線と、ローターとしての揺動ベーン付き回転体の軸線とを一致して配置し、さらに、流水遮断器具として、ケーシングの肉厚内部に中心線を備え、且つ該ケーシングの内周面に開口部を設けた孔形の軸受けを、ケーシングの中心線方向と平行に該ケーシングの肉厚に加工し、板材の一端に前記開口部を設けた孔形の軸受けで把持される軸を備えた軸付き板を形成し、該軸付き板の先端をローターの回転方向に向けて配置し、さらに、ケーシングの両側を2枚の蓋で密閉する事で、ローターとしての揺動ベーン付き回転体を構成する厚肉円筒体内部の小空洞を空室とし、2枚の蓋の一方に、ローターの支軸の軸受けと、前記小空洞に位置した注水口とを加工配置し、もう一方の蓋に、ローターの出力軸となる支軸の軸受けと、揺動ベーン付き回転体を構成する厚肉円筒体の外周面の外側に位置した排水口とを加工配置するが、該排水口の位置は、流水遮断器具の付近とし、ローターの回転方向に従い、注水口、排水口、そして流水遮断器具の順として配置した構成としている。
【0008】
水圧回転ブラシは、前記揺動ベーンモーターの出力軸を支持する軸受けと排水口とを備えた蓋と共に、該蓋から外部へ突出している出力軸をさらに支持しながら、内部に空室を形成するサイドケースを備えた揺動ベーンモーターを構成し、また、円板の外周付近に、該円板を貫通した管を包囲しながら円板に植設された刷毛材を多数配置した刷毛具を形成し、該刷毛具と共に、刷毛具を保持しながら内部に、前記の管と連結した空室を形成する刷毛具ホルダーとから成る円形ブラシを形成し、該円形ブラシを前記揺動ベーンモーターのサイドケースをさらに貫通し、外部に突出している出力軸端に取り付け固定し、さらに、揺動ベーンモーター側の空室と円形ブラシ側の空室とを、出力軸内部に加工した通水孔によって連結した構成としている。
【0009】
ローターとしての揺動ベーン付き回転体の作用を構成に基づいて説明すると、揺動するベーン体としての軸付き曲面板は、回転体本体側の開口部を設けた孔形の軸受けに、該軸を離脱する事なく把持されながら、回転体本体の外周面の外側で、開口部の開口の範囲内において回転方向に開き、反回転方向に閉じながら自在に揺動する事ができ、ベーン体として必要な流水受圧面積を形成し、回転体本体を形成する厚肉円筒体の外周面に加工された凹部に、軸付き曲面板が没入して閉じる事で、揺動ベーン付き回転体の側面形状が、円筒体の側面形状と同様な円曲面を形成する。
【0010】
揺動ベーンモーターの作用を構成に基づいて説明すると、ローターを形成する厚肉円筒体内部においては、板材で仕切られた複数の小空洞を備えているが、ケーシングの両側を2枚の蓋で密閉する事で、小空洞は空室を形成する。蓋の一方に加工配置された注水口からの流水は、2つの空室へ同時に、あるいは、いずれか1つの空室へ流入し、さらに、凹部内に位置する貫通孔を通過して、ベーン体である曲面板の裏面側から作用し、軸付き曲面板の揺動動作を起動する。また、ほぼ同時に、流水遮断器具である軸付き板にも作用し、該軸付き板の先端を軸付き曲面板と共に形成するローターの外周面に強く接触させ、流水を遮断すると共に、一方向のみに向かう、即ち、ローターの回転方向に向かう流水の流れを形成する。揺動するベーン体である軸付き曲面板は、注水口から供給され回転方向に向かう水道水圧の作用を受け揺動し、曲面板の先端をケーシングの内周面に接触させながら回転移動するが、前方のベーン体が、もう一方の蓋側に加工配置された排水口に到る前に、該前方のベーン体への水道水圧の供給は停止されるが、後続のベーン体への水道水圧の供給は既に開始されているので連続回転が維持される。さらに、流水遮断器具である軸付き板の先端を通過するベーン体は、裏面に作用していた水道水圧が既に排水口に解放され自由な状態となっているので、容易に凹部に没入して閉じた状態で軸付き板の先端を回転移動し、該ベーン体が軸付き板の先端を通過後に、ベーン体の裏面に水道水圧が作用する。
【0011】
水圧回転ブラシの作用を構成に基づいて説明すると、水圧回転ブラシにおいては、揺動ベーンモーターの注水口から供給された水道水圧は、ローターである揺動ベーン付き回転体のベーン体に作用する事でローターは回転し、発生したトルクをローターの出力軸に伝えながら水は排水口に到り、次に、該排水口と出力軸の軸受けを加工配置している蓋とサイドケースとで、内部に形成されている空室に流入し、該空室内から出力軸内部に加工した通水孔に流入し、該通水孔を通り、サイドケースの外側で出力軸端に取り付け固定された円形ブラシ内の空室へ流入し、該空室と連結した多数の管から外部へ、刷毛を濡らしながら放水されるが、水道水圧の注入口への供給後、刷毛具の管からの放水は、円形ブラシが回転しながら行われる。
【発明の効果】
【0012】
ローターとしての揺動ベーン付き回転体の効果を説明すると、揺動ベーン付き回転体は、回転体本体を形成する厚肉円筒体の外周面に開口部を設けた孔形の軸受けに、軸付き曲面板の該軸は離脱する事なく把持され、回転体本体の外周面の外側で自在に揺動動作を行う事で、ベーン体として必要な流水受圧面積を形成し、複数箇所に配置した軸付き曲面板が凹部に没入して閉じる事で、揺動ベーン付き回転体の側面形状は円曲面を形成する。ベーン体である曲面板の流水受圧面積については、従来の型式のベーンモーター、あるいは、揺動ベーンモーターにおいては、ベーン体、あるいは、揺動部がローター本体の内部に没入した状態で、該ローターの側面形状は円曲面を形成し、ベーン体、あるいは、揺動部がローター本体内部から外部へ突出しながら受圧面積を形成するので、ベーン体、あるいは、揺動部の受圧面積を形成する一辺の長さがローター本体の半径内寸法に限定されるが、本発明による揺動ベーン付き回転体においては、ベーン体である曲面板の没入場所が、回転体本体の外周面に加工された凹部なので、回転体本体を形成している厚肉円筒体の外径と同一の外径を備えた薄肉円筒体を中心方向から分割して得られる曲面板をベーン体とする事で、該ベーン体の一辺の長さは前記薄肉円筒体の外周長さを等分した長さとなり、等分数を少なくする事で、該一辺の長さを長くし、ローター本体の半径内寸法に限定されない流水受圧面積の大きい受圧面体をベーン体として備えたローターを構成する事ができる。
【0013】
揺動ベーンモーターについて効果を説明すると、揺動ベーン付き回転体をローターとした揺動ベーンモーターは、厚肉円筒体から成るケーシングの中心線とローターの軸線とを一致して配置しているので、水道水圧の作用を受けてトルク発生中のベーン体は流水受圧面積が一定であり、供給される水圧が一定ならば発生するトルクも一定である。流水受圧面積の大きいベーン体を備える事で、供給される水道水圧が低圧でも大きいトルクが得られる。さらに、注水口からの水道水圧の供給により、任意の停止状態から2種類の揺動動作がほぼ同時に起動する。即ち、揺動するベーン体である軸付き曲面板に対しては、注水口から小空洞の空室へ、そして貫通孔を通過してベーン体の裏面側から水道水圧が作用する事で、ベーン体の初期揺動動作が確実に起動し、次に、流水遮断器具である軸付き板にも作用し、該軸付き板は軸を支点として揺動動作を起動し、板の先端を揺動するベーン体である軸付き曲面板と共に形成するローターの外周面に接触し押圧する事で、この位置から直接排水口へ向かう流水を遮断し、ローターの回転方向へのみ向かう流水の流れを形成する。
【0014】
水圧回転ブラシについて効果を説明すると、揺動するベーン体として、流水受圧面積の大きい軸付き曲面板と共に形成した揺動ベーン付き回転体をローターとした揺動ベーンモーターと、円形ブラシとから水圧回転ブラシを構成する事で、一般家庭に供給されている水道水圧の直接の使用でも必要なトルクが確保できるので、別途に高圧水発生装置の準備の必要はなく、さらには、揺動ベーンモーターからの排水を出力軸内部に加工した通水孔を通じて円形ブラシ内の空室に導き、該空室と連結している多数の管から外部へ、円形ブラシを回転させながら放水するという洗浄器具をコンパクトな構造として構成できる。刷毛材に包囲され、該刷毛材の中心に位置する管から放水される水は、常時、刷毛材の先端部から流出する事で、洗浄作業中に該刷毛材の先端部に付着する汚泥、土砂等を洗い流し、刷毛材の先端部に対する汚泥、土砂の堆積、及び滞留を防止し、該汚泥、土砂のヤスリ効果による被洗浄体表面に対する損傷を軽減させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施形態1として、揺動ベーン付き回転体の構成を図1〜図3に基づいて説明すると、両端に支軸2、支軸3を備えた主軸1を、厚肉円筒体5の内部に、該厚肉円筒体5の中心線と主軸1の軸線とをPとして一致して配置し、主軸1の外周を2等分した2箇所から、主軸1の軸線P方向と平行で、且つ該軸線Pから半径方向に向けて配置した板材4、4‘により、主軸1の外周面と厚肉円筒体5の内周面とを連結固定する事で、厚肉円筒体5内部の空洞を2つの仕切られた同形状の小空洞Q、Q’とし、さらに、厚肉円筒体5の肉厚内部に中心線を備え、且つ該厚肉円筒体5の外周面に開口部を設けた孔形の軸受け6、6’と該開口部の片側に、該開口部と連結した凹部7、7’とを、図3に示すように、中心線方向から2等分した厚肉円筒体5の2箇所に、該中心線方向と平行に、肉厚に加工し、さらに、該厚肉円筒体5の肉厚を貫通し、内部の小空洞Q、Q’に通じる貫通孔8,8’とをそれぞれの凹部7、7’内に加工して形成した回転体本体と、揺動するベーン体として、前記厚肉円筒体5の外径と同一の外径を備えた薄肉円筒体を、中心方向から分割して得られる曲面板12、12’の片側曲面端に、回転体本体側の開口部を設けた孔形の軸受け6、6’で把持される軸11、11’を備えた2つの軸付き曲面板13、13’とから構成されるが、実施形態1として図1〜図3に示す揺動ベーン付き回転体は、小空洞Q、凹部7、貫通孔8、開口部を設けた孔形の軸受け6、軸付き曲面板13等から成る1組と、小空洞Q’、凹部7’、貫通孔8’、開口部を設けた孔形の軸受け6’、軸付き曲面板13’等から成る1組との2組から構成された揺動ベーン付き回転体である。揺動するベーン体としての軸付き曲面板13、13’は、回転体本体側の開口部を設けた孔形の軸受け6、6’に該軸11、11’を把持されながら自在に揺動し、それぞれ凹部7、7’に没入して閉じる事で、回転体本体の側面形状が円筒体の側面形状と同様の円曲面を形成する。図1に円曲面を形成した揺動ベーン付き回転体の主軸1の軸線P方向からの正面図を示す。
【0016】
実施形態2は、小空洞、凹部、貫通孔、開口部を設けた孔形の軸受け、及び軸付き曲面板等の各構成要素1を以って1組とするが、これを3組備えた揺動ベーン付き回転体の構成を、図22〜図24に図面のみを示す。
【0017】
実施形態3として、揺動ベーンモーターの主要部の構成について、図4〜図10に基づいて説明する。図9に示すように、実施形態1の揺動ベーン付き回転体をローターとし、該ローターを厚肉円筒体から成るケーシング17の内部に、該ケーシング17の中心線と、ローターとしての揺動ベーン付き回転体の軸線とをPとして一致して配置し、さらに、流水遮断器具として、図10に示すように、ケーシング17の肉厚内部に中心線を備え、且つ該ケーシングの内周面に開口部を設けた孔形の軸受け18を、ケーシング17の中心線方向と平行に、該ケーシング17の肉厚に加工し、板材20の一端に前記開口部を設けた孔形の軸受け18で把持される軸19を備えた軸付き板22を形成し、該軸付き板22の板材20の先端をローターの回転方向に向けて配置し、さらに、図6〜図9に示すように、ケーシング17の両側を蓋15、蓋23で密閉する事で、ローターとしての揺動ベーン付き回転体を形成する厚肉円筒体5の内部の小空洞Q、Q’を空室R、R’とし、蓋15にローターの支軸3の軸受け16と、前記小空洞Q、Q’に位置する注水口Lとを加工配置し、蓋23にローターの出力軸となる支軸2の軸受け24とローターを形成する厚肉円筒体5の外周面の外側に位置する排水口Mとを加工配置するが、排水口Mの位置は流水遮断器具である軸付き板22の付近とし、ローターの回転方向Vに従い、注水口L、排水口M、そして軸付き板22の順として配置する。
【0018】
実施形態4として、実施形態2に示す揺動ベーン付き回転体をローターとして構成した揺動ベーンモーターの主要部について図25に分解斜視図のみを示す。
【0019】
実施形態5として、水圧回転ブラシの構成について、図11〜図15に基づいて説明する。円形ブラシの正面図を図11に、そして図11のD−D’線断面図を図12に示す。さらに、図14に水圧回転ブラシの断面図、そして、図15に分解斜視図を示すが、該水圧回転ブラシは、実施形態3に示す揺動ベーンモーターの出力軸2を支持する軸受け24と排水口Mとを備えた蓋23と共に、該蓋23から外部へ突出している出力軸2をさらに軸受け26で支持しながら内部に空室Nを形成するサイドケース25を備えた揺動ベーンモーターを構成し、また、図12、および図13に示すように、円板の外周付近に、該円板を貫通した管Tを包囲しながら植設された刷毛材30を多数配置した刷毛具29を形成し、該刷毛具29と共に、刷毛具29を保持しながら内部に、前記管Tと連結した空室Sを形成する刷毛具ホルダー27とから成る円形ブラシを形成し、該円形ブラシを前記揺動ベーンモーターのサイドケース25をさらに貫通し外部に突出している出力軸2に、円形ブラシ側に加工してある孔28を嵌め込ませながら取り付け固定する事で、揺動ベーンモーター側の空室Nと円形ブラシ側の空室Sとを、出力軸2内部に加工した横孔9と孔10とから成る通水孔によって連結した構成とする。
【0020】
実施形態1の揺動ベーン付き回転体について、図1〜図3、及び図9〜図10に基づいて作用を説明すると、揺動するベーン体としての軸付き曲面板13、13’は、回転体本体を形成する厚肉円筒体5に加工された開口部を設けた孔形の軸受け6、6’に、該軸11、11’を離脱する事なく把持されながら、該厚肉円筒体5の外周の外側で、開口部の開口の範囲E内において自在に揺動する事ができ、ベーン体として必要な流水受圧面積を形成し、厚肉円筒体5の外周面に加工された凹部7、7’にベーン体である曲面板12、12’が没入して閉じる事で、揺動ベーン付き回転体の側面形状が円筒体の側面形状と同様な円曲面を形成する。図1には、円曲面を形成した揺動ベーン付き回転体の軸線P方向からの正面図を示す。なお、図9、及び図10に示すように、軸付き曲面板の軸11の直径Fは、厚肉円筒体5に加工された軸受け6の開口部の開口幅よりも大きいので、軸11が該軸受け6から離脱する事はない。
【0021】
実施形態2の揺動ベーン付き回転体について作用を説明すると、図22に示すように、3箇所の曲面板12x、12y、12zが厚肉円筒体5wの外周側に閉じて、揺動ベーン付き回転体の側面形状が円曲面を形成する以外、各構成要素の機能等は、実施形態1の揺動ベーン付き回転体と同様である。
【0022】
実施形態3の揺動ベーンモーターについて、図3、図6〜図10、及び図16〜図21に基づいて作用を説明すると、実施形態3の揺動ベーンモーターは、実施形態1の揺動ベーン付き回転体をローターとして構成されているが、ローターを形成している厚肉円筒体5内部においては、板材4、4’で仕切られ、2箇所に同形状の小空洞Q、Q’を備えているが、ケーシング17の両側を2枚の蓋15,23で密閉する事で該小空洞Q、Q’はそれぞれに空室R、R’を形成する。一方の蓋15に加工配置された注水口Lからの流水は、2つの空室R,R’へ同時に、あるいは、空室R、または空室R’のいずれか1空室へ流入する。さらに該空室R,R’を経由した流水は、それぞれ対応する凹部7、7’内に位置する貫通孔8、8’を通過してベーン体である曲面板の裏面12B、12’B側から作用し、軸付き曲面板13、13’の揺動動作を起動する。また、ほぼ同時に、流水遮断器具である軸付き板22にも作用し、該軸付き板22の板20の先端を厚肉円筒体5の外周面と、軸付き曲面板13、13’とで形成する外周面に強く接触させ、流水を遮断すると共に、一方向のみに向かう、即ち、ローターの回転方向Vに向かう流水の流れを形成する。図16〜図21に揺動ベーンモーターの回転動作図を示す。各図に基づいて水道水圧の作用と、ローター、及び流水遮断器具の動作を説明すると、図16に示すように、注入口Lからの流水は空室R’と貫通孔8’を通過し、水道水圧は、ベーン体である曲面板12’と流水遮断器具である軸付き板22に作用し、該軸付き板22の作動によって形成された一方向のみの、即ち、回転方向Vに向かう水道水の水圧の作用を受けて該曲面板12’が作動しながらローターを回転させる。軸付き板22を通過したばかりの曲面板12には、水道水圧はまだ作用していない。図17に示すように、注水口Lからの流水は、空室R、及び空室R’の両方の空室に流入し、貫通孔8を通過し、曲面板12も揺動動作を起動する。曲面板12’、及び軸付き板22の作動は継続している。図18に示すように、曲面板12’が排水口の付近に移動した際、該曲面板12’に作用していた水道水圧は注入口からの供給が停止されるが、既に後続の曲面板12が作動しているので回転は継続する。軸付き板22の作動も継続中である。図19〜図21には曲面板12’が軸付き板22に接近し、さらに、該軸付き板22の板20の先端を通過する際の詳細を示す。図19に示すように、曲面板12’が排水口Mに到ると曲面板12’に作用していた水道水圧は排水口Mへ解放され該曲面板12’は自由な状態となる。軸付き板22、及び曲面板12は作動中である。図20に示すように、流水遮断器具である軸付き板22は水道水圧の作用をうけて作動中であり、自由な状態にある曲面板12’の接触を受けても動作に影響を受ける事はない。曲面板12は作動中である。図21に示すように、曲面板12’は凹部に没入して厚肉円筒体5の外周面と共に円曲面を形成しながら軸付き板22の板20の先端を通過する。なお、図9、及び図10に示すように、軸付き板22の軸19の直径Hは、軸受け18の開口部の開口幅Gより大きいので、該軸19は軸受け18から離脱する事はない。
【0023】
実施形態4の揺動ベーンモーターについて、図26〜図28に基づいて水道水圧の作用によるベーン体である曲面板の動作について説明をすると、図26に示すように、注水口Lwから供給された水道水圧は、空室Ryと貫通孔8yとを通過し、曲面板12y、及び軸付き板22wに作用し、該軸付き板の板20wの先端をローターの外周面を形成している曲面板12zの表面に接触させて流水を遮断し、一方向のみへ向かう流れ、即ちローターの回転方向Vwへ向かう流水の流れを形成し、曲面板12yを作動させローターを回転方向Vwに回転させる。排水口Mwに接近した曲面板12xには、水道水圧の供給は停止されている。図27に示すように、注水口Lwから供給された水道水圧の作用を受けて曲面板12yは引き続き作動中であるが、前方の曲面板12xは作用していた水圧が排水口Mwに解放され自由な状態となり、軸付き板22wの板20wの先端を通過するためローターの外周側へ閉じようとする。軸付き板22wの板20wの先端を通過したばかりの曲面板12zにはまだ水道水圧は作用していない。図28に示すように、注水口Lwから供給された水道水圧は、空室Ryと空室Rzの両方の空室に同時に供給され、貫通孔8zを通過して曲面板12zにも作用する。曲面板12yは作動中であり、軸付き板22wの板20wの先端は、凹部に没入して閉じた曲面板12xの表面に接触し流水を遮断している。
【0024】
実施形態5の水圧回転ブラシについて水道水圧の作用による動作を図14、図15に基づいて説明すると、水圧回転ブラシ内における流水の流れとして、水道水は接続口Jから供給され空室Kに流入し、蓋15に加工された注水口Lを通過してローターとしての揺動ベーン付き回転体が配置されているケーシング17内に流入し、ローターを回転させながら蓋23に加工された排水口Mに到り、該排水口Mを通過して空室Nに流入し、該空室N内で出力軸2に加工した横孔9と孔10とから成る通水孔を通過し、円形ブラシ側の空室Sに流入し、該空室Sと連結してある刷毛具29の管Tから外部へ放水されるが、放水は円形ブラシが回転しながら行われる。
【0025】
本明細書中の用語の意味、及び用語の定義を述べ、さらに、補足説明を加えておく。
曲面板が作動するとは、水道水圧の作用を受け、軸付き曲面板が揺動し、該曲面板の先端をケーシング内周面に接触させ、流水を密封しながら回転移動し、トルクを発生している状態をいう。
本明細書においては、ベーン体と曲面板とは同義語である。
実施形態2の揺動ベーン付き回転体についての構成、及び作用と、該実施形態2の揺動ベーン付き回転体をローターとした実施形態4の揺動ベーンモーターの構成については、実施形態1の揺動ベーン付き回転体、及び実施形態3の揺動ベーンモーターの説明と多くが重複するので、図面のみ、あるいは、簡単な説明にとどめた。
【産業上の利用可能性】
【0026】
流体受圧面積の大きな受圧面体をベーン体として備えたローターを形成する事で、低圧流体の供給によっても、従来型式の流体圧モーターより大きなトルクを得られるので水車として利用する事によって、一般家庭に供給されている水道水圧の利用でも効率よく電力を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】揺動ベーン付き回転体の正面図である。
【図2】図1のA−P−A’線断面図で示す揺動ベーン付き回転体である。
【図3】揺動ベーン付き回転体の分解斜視図である。
【図4】揺動ベーンモーターの側面図である。
【図5】揺動ベーンモーターの正面図である。
【図6】図4のB−B’線断面図で示す揺動ベーンモーターである。
【図7】図5のC−C’線断面図で示す揺動ベーンモーターである。
【図8】揺動ベーンモーターの分解斜視図である。
【図9】ローターとケーシングから成る揺動ベーンモーターの正面図に、蓋15に配置された注水口Lと、蓋23に配置された排水口の位置を記入した透視図である。
【図10】図9の正面図に示す揺動ベーンモーターの分解図である。
【図11】円形ブラシの正面図である。
【図12】図11のD−D’線断面図で示す円形ブラシである。
【図13】図12で示す円形ブラシ断面図の円で囲んだU部の要部拡大図である。
【図14】図7に示す揺動ベーンモーター断面図と、図12に示す円形ブラシ断面図とから形成された水圧回転ブラシの断面図である。
【図15】水圧回転ブラシの分解斜視図である。
【図16】揺動ベーンモーターの回転動作説明図である。
【図17】揺動ベーンモーターの回転動作説明図である。
【図18】揺動ベーンモーターの回転動作説明図である。
【図19】揺動ベーンモーターの回転動作説明図である。
【図20】揺動ベーンモーターの回転動作説明図である。
【図21】揺動ベーンモーターの回転動作説明図である。
【図22】揺動ベーン付き回転体の正面図である。
【図23】図22のE−E’線断面図で示す揺動ベーン付き回転体である。
【図24】揺動ベーン付き回転体の斜視図である。
【図25】揺動ベーンモーターの分解斜視図である。
【図26】揺動ベーンモーターの回転動作説明図である。
【図27】揺動ベーンモーターの回転動作説明図である。
【図28】揺動ベーンモーターの回転動作説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1 主軸
1w 主軸
2 支軸(出力軸)
2w 支軸(出力軸)
3 支軸
3w 支軸
4 板材
4’ 板材
4x 板材
4y 板材
4z 板材
5 厚肉円筒体
5w 厚肉円筒体
6 軸受け
6’ 軸受け
6x 軸受け
7 凹部
7’ 凹部
7x 凹部
8 貫通孔
8’ 貫通孔
8x 貫通孔
8y 貫通孔
8z 貫通孔
9 横孔
9w 横孔
10 孔
10w 孔
11 軸
11’ 軸
11x 軸
11y 軸
11z 軸
12 曲面板(ベーン体)
12’ 曲面板(ベーン体)
12F 曲面板(ベーン体)表面
12’F 曲面板(ベーン体)表面
12B 曲面板(ベーン体)裏面
12’B 曲面板(ベーン体)裏面
12x 曲面板(ベーン体)
12y 曲面板(ベーン体)
12z 曲面板(ベーン体)
13 軸付き曲面板
13’ 軸付き曲面板
14 サイドケース
15 蓋
15w 蓋
16 軸受け
16w 軸受け
17 ケーシング
17w ケーシング
18 軸受け
19 軸
20 板材
20w 板材
21 ストッパー
22 軸付き板
22w 軸付き板
23 蓋
23w 蓋
24 軸受け
24w 軸受け
25 サイドケース
26 軸受け
27 刷毛具ホルダー
28 孔
29 刷毛具
30 刷毛材
P 主軸の軸線、ケーシングの中心線
Pw 主軸の軸線、ケーシングの中心線
Q 小空洞
Q’ 小空洞
Qx 小空洞
Qy 小空洞
Qz 小空洞
R 空室
R’ 空室
Rx 空室
Ry 空室
Rz 空室
J 接続口
K 空室
L 注水口
Lw 注水口
M 排水口
Mw 排水口
N 空室
S 空室
T 管
E 軸受け6、6’の開口部の幅寸法
F 軸11、11’の直径
G 軸受け18の開口部の幅寸法
H 軸19の直径
U 要部拡大部
V 回転方向
Vw 回転方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に支軸を備えた主軸を、厚肉円筒体の内部に、該厚肉円筒体の中心線と主軸の軸線とを一致して配置し、主軸の外周を等分した複数箇所から、主軸の軸線方向と平行に、且つ該軸線から半径方向に向けて配置した板材により、主軸の外周面と厚肉円筒体の内周面とを連結固定する事で、厚肉円筒体内部の空洞を、該板材で仕切られた複数の同形状の小空洞とし、さらに、厚肉円筒体の肉厚内部に中心線を備え、且つ該厚肉円筒体の外周面に開口部を設けた孔形の軸受けと、該開口部の片側に、該開口部と連結した凹部とを、中心線方向から等分した厚肉円筒体の複数箇所に、該中心線方向と平行に肉厚に加工し、さらに、該厚肉円筒体の肉厚を貫通し、内部の小空洞に通じる貫通孔をそれぞれの凹部内に加工して回転体本体を形成し、また、揺動するベーン体として、前記厚肉円筒体の外径と同一の外径を備えた薄肉円筒体を中心線方向から分割して得られる曲面板の片側曲面端に、回転体本体側の開口部を設けた孔形の軸受けで把持される軸を備えた複数の軸付き曲面板を形成し、その上で、小空洞、凹部、貫通孔、開口部を設けた孔形の軸受け、及び軸付き曲面板等の構成要素の各1を以って1組とし、これを複数組備えた回転体、即ち、前記主軸の軸線と厚肉円筒体の中心線とを一致して、内部に主軸を配置した厚肉円筒体に、各複数の小空洞、凹部、貫通孔、及び開口部を設けた孔形の軸受けを備えて形成した回転体本体と、揺動するベーン体として、凹部に没入して閉じる事で、前記回転体本体の側面形状が、該回転体本体と共に、円筒体の側面形状と同様の円曲面を形成する複数の軸付き曲面板とから構成した事を特徴とする揺動ベーン付き回転体。
【請求項2】
請求項1の揺動ベーン付き回転体をローターとし、該ローターを厚肉円筒体から成るケーシングの内部に、該ケーシングの中心線と、ローターとしての揺動ベーン付き回転体の軸線とを一致して配置し、さらに、流水遮断器具として、ケーシングの肉厚内部に中心線を備え、且つ該ケーシングの内周面に開口部を設けた孔形の軸受けを、ケーシングの中心線方向と平行に該ケーシングの肉厚に加工し、板材の一端に前記開口部を設けた孔形の軸受けで把持される軸を備えた軸付き板を形成し、該軸付き板の先端をローターの回転方向に向けて配置し、さらに、ケーシングの両側を2枚の蓋で密閉する事で、ローターとしての揺動ベーン付き回転体を構成する厚肉円筒体内部の小空洞を空室とし、2枚の蓋の一方に、ローターの支軸の軸受けと、前記小空洞に位置した注水口とを加工配置し、もう一方の蓋に、ローターの出力軸となる支軸の軸受けと、揺動ベーン付き回転体を構成する厚肉円筒体の外周面の外側に位置した排水口とを加工配置するが、該排水口の位置は、流水遮断器具の付近とし、ローターの回転方向に従い、注水口、排水口、そして、流水遮断器具の順として配置し、構成した事を特徴とする揺動ベーンモーター。
【請求項3】
請求項2の揺動ベーンモーターの出力軸を支持する軸受けと排水口とを備えた蓋と共に、該蓋から外部へ突出している出力軸をさらに支持しながら、内部に空室を形成するサイドケースを備えた揺動ベーンモーターを構成し、また、円板の外周付近に、該円板を貫通した管を包囲しながら円板に植設された刷毛材を多数配置した刷毛具を形成し、該刷毛具と共に、刷毛具を保持しながら内部に、前記の管と連結した空室を形成する刷毛具ホルダーとから成る円形ブラシを形成し、該円形ブラシを前記揺動ベーンモーターのサイドケースをさらに貫通し、外部に突出している出力軸端に取り付け固定し、さらに、揺動ベーンモーター側の空室と円形ブラシ側の空室とを、出力軸内部に加工した通水孔によって連結し構成した事を特徴とする水圧回転ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−225914(P2009−225914A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72923(P2008−72923)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【特許番号】特許第4250196号(P4250196)
【特許公報発行日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(505377614)
【Fターム(参考)】