説明

水封バルブ、生物脱臭装置、および生物脱臭方法

【課題】生物脱臭装置のガス流路切り換え用のバルブとして好適な水封バルブ、それを用いた生物脱臭方法およびそれを実施するための生物脱臭装置を提供する。
【解決手段】複数の担体充填領域20a,20b,20c,20dに所定の供給経路で被処理ガスを供給して脱臭操作を行いながら、所定の順序で各担体充填領域を洗浄し、所定の担体充填領域の洗浄・再生操作時には、所定の担体充填領域への被処理ガスの供給を停止して洗浄水を供給し、担体を洗浄水に所定時間浸漬させた後、洗浄水を抜き出し、さらに該担体充填領域に栄養塩水溶液を供給し、担体を栄養塩水溶液に所定時間浸漬させて担体充填領域の洗浄・再生操作を行うとともに、被処理ガスを、洗浄の対象とされていない他の担体充填領域に所定の供給経路で供給して脱臭操作を行うとともに、被処理ガス流路の切り換えに水封バルブV1,V2,V3,V4を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水封バルブ、それを用いた微生物を利用した脱臭装置および脱臭方法に関し、詳しくは、水封バルブと、それを用いた悪臭成分を含む被処理ガスを、微生物を担持させた担体を充填した領域を通過させることにより脱臭を行う生物脱臭装置および生物脱臭方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、下水処理施設、畜産業、食品加工業などを対象とした脱臭技術として、微生物を利用して脱臭を行う生物脱臭法が普及しつつあり、揮発性有機化合物(VOC(Volatile Organic Compounds))に由来する悪臭の除去に有効であるとされている。
【0003】
ところで、従来の生物脱臭法の一つに、土壌、ピート、コンポストなど天然由来の物質や、セラミックに代表される無機物質や各種樹脂などの担体に微生物を担持させて充填塔に充填し、この充填塔の上部から散水して微生物の活性を維持しつつ、充填塔の下部から被処理ガスを通気して脱臭処理を行う方法がある。
【0004】
しかし、充填塔式の生物脱臭方法においては、運転中に担体に目詰りが生じやすく、圧力損失が大きくなるため、安定して長期間の運転を行うことが困難であるという問題点がある。これは、生物脱臭法により悪臭・VOCを除去しようとすると微生物の成育が非常に活発になり、増加した微生物とその代謝物が、担体の目詰りの原因となることによるものである。
【0005】
そこで、上記問題点を解消するために、担体の水洗や薬液洗浄を行う方法が提案、実施されており、通常は、担体の上方から洗浄水や薬液をスプレーすることにより、水分の補給と担体表面の洗浄が行われている。
しかし、洗浄水や薬液をスプレーする方法では、水や薬液が通過する通路が形成されてしまい、水や薬液が同じ通路を通過してしまうため、担体を十分に洗浄することができないのが実情である。
【0006】
また、従来の充填塔方式の生物脱臭方法では、例えば、充填塔の塔底から被処理ガスが供給され、塔頂から排出されるというように、被処理ガスの供給経路(流路)が一定であるため、脱臭菌に対する負荷の偏りが生じ、効率が低下するという問題点がある。
【0007】
そこで、本願の出願人は、上記問題点を解消するため、担体充填領域を効率よく洗浄することが可能で、長期間にわたって安定して、効率よく運転を行うことが可能な生物脱臭方法および生物脱臭装置を提案している(特許文献1参照)。
【0008】
すなわち、この生物脱臭方法(生物脱臭装置)は、特許文献1の図6に示されているように、微生物を担持させた担体を充填した領域を複数の担体充填領域に分割し、バルブ操作により、ガス供給配管,ガス循環配管および処理ガス排気配管などを介して、各担体充填領域に所定の経路で被処理ガスを供給して脱臭操作を行いながら、所定の順序で各担体充填領域を洗浄するとともに、各担体充填領域を洗浄する洗浄操作時には、洗浄が行われる担体充填領域への被処理ガスの供給を停止して洗浄水を供給し、該担体充填領域に洗浄水を溜めて担体を洗浄水に所定時間浸漬させた後、洗浄水を抜き出すことにより、該担体充填領域の洗浄を行うとともに、被処理ガスを、洗浄の対象とされていない他の担体充填領域に所定の供給経路で供給して脱臭操作を行うように構成されている。
【0009】
そして、この生物脱臭方法(生物脱臭装置)によれば、
(イ)担体充填領域を洗浄しながら、連続して安定した脱臭操作を行うことが可能になる
(ロ)担体を洗浄水に所定時間浸漬させた後、洗浄水を抜き出すことにより担体充填領域を洗浄するようにしているので、従来の、洗浄水をスプレーする洗浄方法を用いた場合のように洗浄水の通路が形成されてしまうことにより全体としての洗浄が不十分になるというようなことがなく、所定の担体充填領域を効率よくしかも確実に洗浄することが可能になる、
というような作用効果を得ることができる。
【0010】
しかしながら、上記の生物脱臭装置においては、流路を制御するために電磁バルブが用いられているため、被処理ガス量が大きくなると、それに応じてバルブも大型のものが必要となり、コストの上昇を招くという問題点がある。
また、上記の生物脱臭装置の場合、制御設備などにも費用がかさみ、保守の負担も大きくなる傾向がある。
【特許文献1】特開2003−265920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するものであり、大流量のガスの流路切り換えなどに適し、経済性にも優れた水封バルブ、該水封バルブを用いた、煩雑な運転操作や、複雑な設備構造を必要とせず、連続して安定した脱臭操作を行うことが可能な生物脱臭方法およびそれを実施するための生物脱臭装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明(請求項1)の水封バルブは、
封水の給排水により、ガス流路の開閉、切り換えを行う水封バルブであって、
第1槽、第2槽、および第3槽を備え、
前記第1槽、第2槽、および第3槽の各槽は、封水が供給された状態で、下部が液相部、上部が気相部となるように構成されており、
第1槽は、第1槽ガス入口1Ginと、第1槽ガス出口1Goutと、第1槽封水出口1Woutとを備え、
第2槽は、第2槽ガス入口2Ginと、第2槽ガス出口2Goutと、第2槽封水入口2Winとを備え、
第3槽は、第3槽ガス入口3Ginと、第3槽封水入口3Winと、第3槽封水出口3Woutとを備え、
第1槽と第2槽は通水路で連通しており、
第1槽気相部と第3槽気相部は連通し、
第2槽封水入口から供給された封水は、前記通水路を経て、第1槽にも供給されるように構成されており、
第1槽が高水位のときには、第1槽ガス入口1Ginが第1槽気相部と連通せず、第1槽ガス出口1Goutが第1槽気相部と連通し、かつ、前記通水路が第1槽気相部と連通せず、
第1槽が低水位のときには、第1槽ガス入口1Ginが第1槽気相部と連通するとともに、第1槽ガス出口1Goutが第1槽気相部と連通し、かつ、前記通水路が第1槽気相部と連通せず、
第2槽が高水位のときには、第2槽ガス入口2Ginが第2槽気相部と連通し、第2槽ガス出口2Goutが第2槽気相部と連通せず、かつ、前記通水路が第2槽気相部と連通せず、
第2槽が低水位のときには、第2槽ガス入口2Ginが第2槽気相部と連通するとともに、第2槽ガス出口2Goutが第2槽気相部と連通し、前記通水路が第2槽気相部と連通せず、
第3槽が高水位のときには、第3槽ガス入口3Ginが第3槽気相部と連通せず、
第3槽が低水位のときには、第3槽ガス入口3Ginが第3槽気相部と連通するように構成されており、
第3槽ガス入口3Ginから第3槽に供給されたガスは、第3槽が低水位のときには第3槽ガス入口3Ginと連通する第3槽気相部を経て、第1槽ガス出口1Goutから排出されるように構成され、
第1槽ガス入口1Gin、第3槽ガス入口3Gin、および第2槽ガス出口2Goutは、封水の水位により開閉され、
第1槽ガス出口1Gout、第2槽ガス入口2Ginは、第1槽および第2槽が高水位のときにも、それぞれの気相部と連通する高さに配設され、
第1槽封水出口1Woutは第1槽および第2槽を低水位にできる位置、第3槽封水出口3Woutは、第3槽を低水位にできる位置に配設され、
第1槽と第2槽は、それぞれが低水位のときにも、前記通水路を介して第1槽気相部と第2槽気相部が連通することがないように構成され、
第3槽の水位が、第3槽ガス入口3Ginが第3槽気相部と連通しない高水位で、第1槽、第2槽が低水位のとき、第1槽ガス入口1Ginと第1槽ガス出口1Goutが連通するとともに、第2槽ガス入口2Ginと第2槽ガス出口2Goutが連通し、
第1槽および第2槽の水位が、第1槽ガス入口1Ginと、第2槽ガス出口2Goutが、気相部と連通しない高水位で、かつ、第3槽ガス入口3Ginが気相部と連通する低水位のとき、第3槽ガス入口3Ginと、第1槽ガス出口1Goutとが、気相部を介して連通し、
第1槽、第2槽、第3槽がすべて低水位で、かつ、前記通水路が、第1槽気相部と第2槽気相部を連通させない低水位のとき、第1槽の第1槽ガス入口1Gin、第1槽ガス出口1Gout、第3槽ガス入口3Ginが連通するとともに、第2槽ガス入口2Ginと第2槽ガス出口2Goutが連通し、
第1槽、第2槽、第3槽がすべて高水位のとき、第1槽ガス入口1Gin、第1槽ガス出口1Gout、第2槽ガス入口2Gin、第2槽ガス出口2Gout、および第3槽ガス入口3Ginのいずれもが連通せず、ガスが流通しないように構成されていること
を特徴としている。
【0013】
また、本発明(請求項2)の生物脱臭装置は、
微生物を担持させた担体が充填され、脱臭操作時には脱臭処理を行うべき対象である被処理ガスを通過させ、洗浄・再生操作時には被処理ガスを通過させることなく洗浄・再生を行うことができるように構成された複数の担体充填領域と、
前記複数の担体充填領域を構成する第1の担体充填領域から最終の担体充填領域までの各担体充填領域のそれぞれに対応して配設された請求項1の水封バルブVとを備え、
各水封バルブの第1槽ガス入口1Ginに、被処理ガスを供給するための被処理ガス供給ラインが接続され
各水封バルブの第2槽ガス出口2Goutが、脱臭処理が終了したガスを系外に排出するための処理ガス排出ラインに接続され、
各水封バルブの第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに、各担体充填領域のガス出口が接続され、
最終の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの第1槽ガス出口1Goutが、1段目の担体充填領域のガス入口に接続され、
第1の担体充填領域のガス出口が、第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの、第1槽ガス出口1Goutが2段目の担体充填領域のガス入口に接続され、
さらに、他の担体充填領域が存在する場合には、第2の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの1槽ガス出口1Goutが次の担体充填領域のガス入口に接続され、以後、最終の担体充填領域までは同様に、任意の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの第1槽ガス出口1Goutが、該任意の担体充填領域の次の担体充填領域のガス入口に接続されており、
各水封バルブの水封操作により、脱臭操作時には、所定の経路で各担体充填領域に被処理ガスが供給され、所定の担体充填領域の洗浄・再生操作時には、該担体充填領域には被処理ガスが供給されることなく洗浄・再生が行われるように構成されていること
を特徴としている。
【0014】
また、請求項3の生物脱臭装置は、前記担体充填領域は、洗浄・再生操作時に水を溜めることができるように構成されており、洗浄水を溜めて担体を洗浄水に所定時間浸漬させた後、洗浄水を抜き出し、さらに、栄養塩水溶液を供給して、該担体充填領域に栄養塩水溶液を溜めて担体を栄養塩水溶液に所定時間浸漬させた後、栄養塩水溶液を抜き出すことにより前記担体充填領域の洗浄・再生が行われるように構成されていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項4の生物脱臭装置は、各担体充填領域において除去すべき悪臭成分の負荷に偏りが生じないように、前記水封バルブの操作により、各担体充填領域間における被処理ガスの供給経路を切り換えることができるように構成されていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項5の生物脱臭装置は、前記洗浄水としてオゾン、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウムや、塩素・次亜塩素酸・オゾン・二酸化塩素・酸素・過酸化水素・ヒドロキシルラジカルを主成分とする混合酸化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する水が用いられるように構成され、かつ前記栄養塩水として塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化マンガン、硫酸鉄、リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化コバルト、モリブデン酸ナトリウム、硝酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を栄養塩として含有する水が用いられるように構成されていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項6の生物脱臭方法は、
微生物を担持させた担体を充填した、複数の担体充填領域のうちの第1の担体充填領域から、最終の担体充填領域まで、各担体充填領域に所定の供給経路で、脱臭処理を行うべき対象である被処理ガスを供給して脱臭操作を行いながら、所定の順序で各担体充填領域を洗浄・再生し、
各担体充填領域を洗浄・再生する洗浄・再生操作時には、該担体充填領域の洗浄・再生を行うとともに、被処理ガスを、洗浄・再生の対象とされていない他の担体充填領域に所定の供給経路で供給して脱臭操作を行うようにした生物脱臭方法において、
前記複数の担体充填領域を構成する第1の担体充填領域から最終の担体充填領域までの各担体充填領域のそれぞれに対応して、請求項1の水封バルブVを設け、
各水封バルブの第1槽ガス入口1Ginに、被処理ガス供給ラインを接続し、 各水封バルブの第2槽ガス出口2Goutを、脱臭処理が終了したガスを系外に排出するための処理ガス排出ラインに接続し、
各水封バルブの第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに、各担体充填領域のガス出口を接続し、
最終の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの第1槽ガス出口1Goutを、1段目の担体充填領域のガス入口に接続し、
第1の担体充填領域のガス出口が、第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの第1槽ガス出口1Goutを2段目の担体充填領域のガス入口に接続し、
さらに、他の担体充填領域が存在する場合には、第2の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの1槽ガス出口1Goutを次の担体充填領域のガス入口に接続し、以後、最終の担体充填領域までは同様に、任意の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの第1槽ガス出口1Goutを、該任意の担体充填領域の次の担体充填領域のガス入口に接続し、
各水封バルブの水封操作により、上記所定の供給経路で被処理ガスを供給して脱臭を行うこと
を特徴としている。
【0018】
また、請求項7の生物脱臭方法は、
前記複数の担体充填領域のうちのいずれの担体充填領域も洗浄・再生しておらず、全ての担体充填領域に所定の順序で被処理ガスを供給して脱臭処理を行う場合には、
前記最終の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Ginおよび第3槽ガス入口3Ginに接続された水封バルブの、第3槽の水位が高水位で第3槽ガス入口3Ginと第3槽気相部とが連通せず、第1槽、第2槽が低水位で、第1槽ガス入口1Ginと第1槽ガス出口1Goutが連通するとともに、第2槽ガス入口2Ginと第2槽ガス出口2Goutが連通した状態とし、最終の担体充填領域のガス出口からの、脱臭処理が終了した処理ガスを第2槽ガス出口2Goutから前記処理ガス排出ラインを経て系外に排出し、
前記最終の担体充填領域以外の他の担体充填領域においては、ガス出口が第2槽ガス入口2Ginおよび第3槽ガス入口3Ginに接続された水封バルブの、第1槽および第2槽が高水位で第1槽ガス入口1Ginと第2槽ガス出口2Goutがそれぞれの気相部と連通せず、第3槽が低水位で第3槽ガス入口3Ginが第3槽の気相と連通した状態とし、当該担体充填領域で脱臭処理された被処理ガスを当該水封バルブの第1槽ガス出口1Goutから、次の担体充填領域に供給すること
を特徴としている。
【0019】
また、請求項8の生物脱臭方法は、
前記複数の担体充填領域のうちのいずれか一つの担体充填領域を洗浄・再生しながら他の担体充填領域において脱臭処理を行う場合には、
洗浄・再生される前記担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Ginおよび第3槽ガス入口3Ginに接続された水封バルブの、第3槽の水位が高水位で第3槽ガス入口3Ginと第3槽気相部とが連通せず、第1槽および第2槽が低水位で第1槽ガス入口1Ginと第1槽ガス出口1Goutが連通するとともに、第2槽ガス入口2Ginと第2槽ガス出口2Goutが連通した状態とし、被処理ガスが、洗浄・再生されている担体充填領域には供給されず、その次の担体充填領域に供給されるようにするとともに、
最終の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Ginおよび第3槽ガス入口3Ginに接続された水封バルブの、第3槽の水位が高水位で第3槽ガス入口3Ginと第3槽気相部とが連通せず、第1槽、第2槽が低水位で第1槽ガス入口1Ginと第1槽ガス出口1Goutが連通するとともに、第2槽ガス入口2Ginと第2槽ガス出口2Goutが連通した状態とし、最終の担体充填領域のガス出口からの、脱臭処理が終了した処理ガスを、当該水封バルブの第2槽ガス出口2Goutから、前記処理ガス排出ラインを経て系外に排出し、
前記洗浄・再生されている担体充填領域および前記最終の担体充填領域以外の他の担体充填領域においては、そのガス出口が第2槽ガス入口2Ginおよび第3槽ガス入口3Ginに接続された水封バルブの、第1槽および第2槽が高水位で第1槽ガス入口1Ginおよび第2槽ガス出口2Goutがそれぞれの気相部と連通せず、第3槽が低水位で第3槽ガス入口3Ginが第3槽気相部と連通した状態として、当該担体充填領域で脱臭処理された被処理ガスを当該水封バルブの第1槽ガス出口1Goutから、次の担体充填領域に供給すること
を特徴としている。
【0020】
また、請求項9の生物脱臭方法は、前記担体充填領域の洗浄・再生を行うに際しては、洗浄・再生が行われる担体充填領域への被処理ガスの供給を停止して洗浄水を供給し、該担体充填領域に洗浄水を溜めて担体を洗浄水に所定時間浸漬させた後、洗浄水を抜き出し、さらに、栄養塩水溶液を供給して、該担体充填領域に栄養塩水溶液を溜めて担体を栄養塩水溶液に所定時間浸漬させた後、栄養塩水溶液を抜き出すことにより前記担体充填領域の洗浄・再生を行うことを特徴としている。
【0021】
また、請求項10の生物脱臭方法は、各担体充填領域に所定の供給経路で被処理ガスを供給して脱臭操作を行うにあたって、各担体充填領域において、除去すべき悪臭成分の負荷に偏りが生じないように、各担体充填領域間における被処理ガスの供給経路を切り換えながら脱臭操作を行うことを特徴としている。
【0022】
また、請求項11の生物脱臭方法は、前記洗浄水としてオゾン、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウムや、塩素・次亜塩素酸・オゾン・二酸化塩素・酸素・過酸化水素・ヒドロキシルラジカルを主成分とする混合酸化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する水を用い、かつ前記栄養塩水として塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化マンガン、硫酸鉄、リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化コバルト、モリブデン酸ナトリウム、硝酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を栄養塩として含有する水を用いることを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
本発明(請求項1)の水封バルブは、上述のように構成されているので、第1槽、第2槽および第3槽の水位を制御するだけで、流量の大きいガスの流路を効率よく切り換えることが可能になり、電磁弁などを用いる場合に比べて、経済的にガス流路の切り換えを行うことが可能になる。
【0024】
また、請求項1の水封バルブを用いて、上述のように構成された生物脱臭装置においては、各担体充填領域に所定の供給経路で被処理ガスを供給して脱臭操作を行いながら、担体充填領域の洗浄・再生操作時には、該担体充填領域への被処理ガスの供給を停止して該担体充填領域の洗浄・再生を行うとともに、被処理ガスを、洗浄の対象とされていない他の担体充填領域に所定の供給経路で供給して脱臭操作を行うことにより、担体充填領域を洗浄しながら、連続して脱臭操作を行うことが可能になる。
【0025】
また、請求項3の生物脱臭装置のように、担体充填領域を、洗浄・再生操作時に水および栄養塩水溶液を溜めることができるように構成し、洗浄水を溜めて担体を洗浄水に所定時間浸漬させた後、洗浄水を抜き出し、さらに、栄養塩水溶液を供給して、該担体充填領域に栄養塩水溶液を溜めて担体を栄養塩水溶液に所定時間浸漬させた後、栄養塩水溶液を抜き出すことにより担体充填領域の洗浄・再生を行うようにした場合、洗浄水や栄養塩水溶液をスプレーする方法を用いた場合のように洗浄水や栄養塩水溶液の通路が形成されてしまうことにより全体としての洗浄・再生が不十分になるというような不具合を招くことなく、担体充填領域の洗浄・再生を効率よく行うことが可能になる。
【0026】
また、請求項4の生物脱臭装置のように、各担体充填領域において除去すべき悪臭成分の負荷に偏りが生じないように、水封バルブの操作により、各担体充填領域間における被処理ガスの供給経路を切り換えることができるようにした場合、除去すべき悪臭成分(脱臭操作により除去すべき物質)の負荷に偏りが生じることを抑制、防止して、長期間安定して、信頼性の高い生物脱臭を行うことが可能になる。
【0027】
また、請求項5の生物脱臭装置のように、洗浄水としてオゾン、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウムや、塩素・次亜塩素酸・オゾン・二酸化塩素・酸素・過酸化水素・ヒドロキシルラジカルを主成分とする混合酸化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する水が用いられるように構成され、かつ栄養塩水として塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化マンガン、硫酸鉄、リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化コバルト、モリブデン酸ナトリウム、硝酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を栄養塩として含有する水が用いられるように構成されている場合、担体充填領域の洗浄を行うと同時に、担体充填領域の微生物に栄養分を与えることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることが可能になる。
【0028】
また、上述のように構成された請求項6の生物脱臭方法によれば、被処理ガスを、複数の担体充填領域のうちの第1の担体充填領域から、最終の担体充填領域まで、各担体充填領域に所定の供給経路で供給して脱臭操作を行いながら、所定の順序で各担体充填領域を洗浄・再生し、各担体充填領域を洗浄・再生する洗浄・再生操作時には、該担体充填領域の洗浄・再生を行うとともに、被処理ガスを、洗浄・再生の対象とされていない他の担体充填領域に所定の供給経路で供給して脱臭操作を行うことができる。したがって、連続して安定した脱臭操作を行うことが可能になる。
【0029】
また、複数の担体充填領域のうちのいずれの担体充填領域も洗浄・再生しておらず、全ての担体充填領域に所定の順序で被処理ガスを供給して脱臭処理を行う場合には、水封バルブの制御を請求項7のように行うことにより、全ての担体充填領域に所定の順序で被処理ガスを供給して効率のよい脱臭操作を行うことができる。
【0030】
また、複数の担体充填領域のうちのいずれか一つの担体充填領域を洗浄・再生しながら他の担体充填領域において脱臭処理を行う場合には、水封バルブの制御を請求項8のように行うことにより、洗浄・再生を行っている担体充填領域以外の複数の担体充填領域に、所定の経路で被処理ガスを供給して、効率のよい脱臭操作を行うことができる。
【0031】
請求項9の生物脱臭方法のように、洗浄・再生が行われる担体充填領域への被処理ガスの供給を停止して洗浄水を供給し、該担体充填領域に水および栄養塩水溶液を溜めることができるように構成し、洗浄水を溜めて担体を洗浄水に所定時間浸漬させた後、洗浄水を抜き出し、さらに、栄養塩水溶液を供給して、該担体充填領域に栄養塩水溶液を溜めて担体を栄養塩水溶液に所定時間浸漬させた後、栄養塩水溶液を抜き出すことにより、洗浄水や栄養塩水溶液をスプレーする方法を用いた場合のように洗浄水や栄養塩水溶液の通路が形成されてしまうことにより全体としての洗浄・再生が不十分になるというような不具合を招くことなく、担体充填領域の洗浄・再生を効率よく行うことが可能になる。
したがって、本発明の生物脱臭方法によれば、長期間にわたって安定して、効率よく生物脱臭を行うことが可能になる。
【0032】
また、請求項10の生物脱臭方法のように、各担体充填領域に所定の供給経路で被処理ガスを供給して脱臭操作を行うにあたって、各担体充填領域において、除去すべき悪臭成分の負荷に偏りが生じないように、各担体充填領域間における被処理ガスの供給経路を切り換えながら脱臭操作を行うことにより、除去すべき悪臭成分(脱臭相殺により除去すべき物質)の負荷に偏りが生じることを抑制、防止して、長期間安定して、信頼性の高い生物脱臭を行うことが可能になる。
【0033】
また、請求項11の生物脱臭方法のように、洗浄水としてオゾン、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウムや、塩素・次亜塩素酸・オゾン・二酸化塩素・酸素・過酸化水素・ヒドロキシルラジカルを主成分とする混合酸化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する水を用い、かつ栄養塩水として塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化マンガン、硫酸鉄、リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化コバルト、モリブデン酸ナトリウム、硝酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を栄養塩として含有する水を用いることにより、担体充填領域の洗浄を行うと同時に、担体充填領域の微生物に栄養分を与えることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施例を示してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0035】
図1は本発明の一実施例にかかる水封バルブの構成を示す平面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面図である。
【0036】
図1〜3に示すように、この水封バルブVは、封水の給排水により、ガス流路の開閉、切り換えを行う水封バルブであって、第1槽1、第2槽2、および第3槽3の3つの槽を備えている。
第1槽1、第2槽2、および第3槽3の各槽は、封水Wが供給された状態で、下部が液相部、上部が気相部となるように構成されている。
【0037】
第1槽1は、ガスの入口である第1槽ガス入口1Ginと、ガスの出口である第1槽ガス出口1Goutと、封水の入口である第1槽封水出口1Woutとを備えている。
第2槽2は、ガスの入口である第2槽ガス入口2Ginと、ガスの出口である第2槽ガス出口2Goutと、封水の入口である第2槽封水入口2Winとを備えている。
第3槽3は、ガスの入口である第3槽ガス入口3Ginと、封水の入口である第3槽封水入口3Winと、封水の出口である第3槽封水出口3Woutとを備えている。
【0038】
第1槽1と第2槽2は通水路12aで連通している。この実施例では第1槽1と第2槽2の仕切り壁12の下部の開口が通水路12aとされている。ただし、本発明において、通水路の構成に特別の制約はなく、例えば、第1槽1と第2槽2の底部どうしを連通させるU字管などの連通管を設けて通水路とすることも可能である。
【0039】
第1槽気相部1Gと第3槽気相部3Gは、第1槽1と第3槽3を仕切る仕切り壁13の上端部より上側の気相連通部13aで互いに連通している。
また、第2槽封水入口2Winから供給された封水Wは、通水路12aを経て、第1槽1にも供給されるように構成されている。
また、第1槽1および第3槽3は、それぞれ、液面レベル計を配設するための液面レベル計座L1,L3を備えており、そこに配設されるレベル計により水面(水位)を検出できるように構成されている。
【0040】
そして、この実施例の水封バルブVにおいては、各槽の水位により、各槽各部の連通状態が以下に説明するような関係となるように構成されている。
第1槽1が高水位のときには、第1槽ガス入口1Ginが第1槽気相部1G(図2)と連通せず、第1槽ガス出口1Gout(図2)が第1槽気相部1Gと連通し、通水路12aは封水W(図2)により遮られて第1槽気相部1Gとは連通しない。
第1槽1が低水位のときには、第1槽ガス入口1Ginが第1槽気相部1Gと連通するとともに、第1槽ガス出口1Goutが第1槽気相部1Gと連通し、通水路12aは封水Wに遮られて第1槽気相部1Gとは連通しない。
第2槽2が高水位のときには、第2槽ガス入口2Gin(図3)が第2槽気相部2G(図3)と連通し、第2槽ガス出口2Gout(図3)が第2槽気相部2Gと連通せず、通水路12aは封水Wに遮られて第2槽気相部2Gと連通しない。
第2槽2が低水位のときには、第2槽ガス入口2Ginが第2槽気相部2Gと連通するとともに、第2槽ガス出口2Goutが第2槽気相部2Gと連通し、通水路12aは封水Wに遮られて第2槽気相部2Gとは連通しない。
第3槽3が高水位のときには、第3槽ガス入口3Gin(図2)が第3槽気相部3G(図3)とは連通しない。
第3槽3が低水位のときには、第3槽ガス入口3Ginが第3槽気相部3Gと連通する。
【0041】
また、第3槽ガス入口3Ginから第3槽3に供給されたガスは、第3槽3が低水位のときには第3槽ガス入口3Ginと連通する第3槽気相部3Gを経て、第1槽ガス出口1Goutから排出されるように構成されている。
【0042】
第1槽ガス入口1Gin、第3槽ガス入口3Gin、および第2槽ガス出口2Goutは、封水Wの水位により開閉され、第1槽ガス出口1Gout、第2槽ガス入口2Ginは、第1槽1および第2槽2が高水位のときにも、それぞれの気相部1G,2Gと連通する高さに配設されている。
【0043】
第1槽封水出口1Goutは第1槽1および第2槽2を低水位にできる位置、第3槽封水出口3Goutは、第3槽3を低水位にできる位置に配設されている。
第1槽1と第2槽2は、それぞれが低水位のときにも、通水路12aを介して第1槽気相部1Gと第2槽気相部2Gが連通することがないように構成されている。
【0044】
また、第3槽3の水位が、第3槽ガス入口3Ginが第3槽気相部3Gと連通しない高水位で、第1槽1、第2槽2が低水位のとき、第1槽ガス入口1Ginと第1槽ガス出口1Goutが連通するとともに、第2槽ガス入口2Ginと第2槽ガス出口2Goutが連通する。
【0045】
第1槽1および第2槽2の水位が、第1槽ガス入口1Ginと、第2槽ガス出口2Goutが、気相部1G,2Gと連通しない高水位で、かつ、第3槽ガス入口3Ginが気相部3Gと連通する低水位のとき、第3槽ガス入口と、第1槽ガス出口とが、気相部1G,3Gを介して連通する。
【0046】
第1槽1、第2槽2、第3槽3がすべて低水位で、かつ、通水路12aが、第1槽気相部1Gと第2槽気相部2Gを連通させない低水位のとき、第1槽1の第1槽ガス入口1Gin、第1槽ガス出口1Gout、第3槽ガス入口3Ginが連通するとともに、第2槽ガス入口2Ginと第2槽ガス出口2Goutが連通する。
【0047】
第1槽1、第2槽2、第3槽3がすべて高水位のとき、第1槽ガス入口1Gin、第1槽ガス出口1Gout、第2槽ガス入口2Gin、第2槽ガス出口2Gout、および第3槽ガス入口3Ginのいずれも連通せず、ガスが流通しないように構成されている。
【0048】
この水封バルブVは、上述のように構成されているので、第1槽1、第2槽2および第3槽3の水位を制御するだけで、流量の大きいガスの流路を効率よく切り換えることが可能になり、電磁弁などを用いる場合に比べて、経済的にガス流路の切り換えを行うことが可能になる。
したがって、以下に述べるような、生物脱臭装置のガス流路切り換え用のバルブとして有意義に利用することができる。
【実施例2】
【0049】
図4〜11は、上記実施例2の水封バルブVを用いた生物脱臭装置およびその動作を説明する図である。
以下に、図4〜11を参照しつつ、この生物脱臭装置の構成、この装置を用いて生物脱臭を行う方法、および生物脱臭装置の動作について説明する。
【0050】
この生物脱臭装置は、微生物を担持させた担体(図示せず)が充填され、脱臭操作時には被処理ガスを通過させ、洗浄操作時には洗浄水を溜めることができるように構成された第1,第2,第3,第4の担体充填領域20a,20b,20c,20dを備えている。
【0051】
そして、この生物脱臭装置は、複数の担体充填領域を構成する第1,第2,第3および第4の各担体充填領域20a,20b,20c,20dのそれぞれに対応して配設された、第1,第2,第3,第4の水封バルブV(V1,V2,V3,V4)(上記実施例1の水封バルブ)とを備えており、各水封バルブV(V1,V2,V3,V4)の第1槽ガス入口1Ginに、被処理ガス(VOCガス)を供給するための被処理ガス供給ライン22が接続され、各水封バルブVの第2槽ガス出口2Goutが、脱臭処理が終了した処理ガスを系外に排出するための処理ガス排出ライン32に接続されている。
【0052】
被処理ガスが流れるラインの接続状態についてみると、各水封バルブV(V1,V2,V3,V4)の第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに、各担体充填領域20a,20b,20c,20dのガス出口40a,40b,40c,40dが接続されている。
【0053】
そして、第4の担体充填領域(最終の担体充填領域)20dのガス出口40dが第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている第4の水封バルブV4の第1槽ガス出口1Goutが、第1の担体充填領域のガス入口30aに接続されている。
【0054】
また、第1の担体充填領域20aのガス出口40aが、第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている第1の水封バルブV1の、第1槽ガス出口1Goutは、第2の担体充填領域20bのガス入口30bに接続されている。
【0055】
さらに、第2の担体充填領域20bのガス出口40bが第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている第2の水封バルブV2の第1槽ガス出口1Goutは、第3の担体充填領域20cのガス入口30cに接続されている。
【0056】
さらに、第3の担体充填領域20cのガス出口40cが第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている第3の水封バルブV3の第1槽ガス出口1Goutは、第4の担体充填領域20dのガス入口30dに接続されている。
【0057】
また、この実施例2の生物脱臭装置は、担体充填領域20a,20b,20c,20dのうちのいずれかを洗浄・再生する洗浄・再生操作時に、該担体充填領域に洗浄水を供給して、該担体充填領域内の担体を所定時間、洗浄水に浸漬させた後、洗浄水を抜き出すことができるように構成された洗浄水供給・排出機構を備えている。
【0058】
この洗浄水供給・排出機構は、洗浄水槽51と、洗浄水循環ライン52と、洗浄水槽51の出口側に設けられた洗浄水ポンプ53と、洗浄水ポンプ53の出口側に設けられた洗浄水ポンプ出口側バルブ54と、第1の担体充填領域20aの上部への洗浄水入口の手前に設けられた第1の入口側バルブ55aと、第2の担体充填領域20bの上部への洗浄水入口の手前に設けられた第2の入口側バルブ55bと、第3の担体充填領域20cの上部への洗浄水入口の手前に設けられた第3の入口側バルブ55cと、第4の担体充填領域20dの上部への洗浄水入口の手前に設けられた第4の入口側バルブ55dと、第1の担体充填領域20aの下部に設けられた第1の出口側バルブ56aと、第2の担体充填領域20bの下部に設けられた第2の出口側バルブ56bと、第3の担体充填領域20cの下部に設けられた第3の出口側バルブ56cと、第4の担体充填領域20dの下部に設けられた第4の出口側バルブ56dと、洗浄水槽51の手前に設けられた洗浄水槽手前側バルブ57とを備えている。
【0059】
また、この生物脱臭装置は、各担体充填領域20a,20b,20c,20dのうち、上述のようにして洗浄された担体充填領域に栄養塩水溶液(栄養塩水)を供給して、該担体充填領域内の担体を所定時間、栄養塩水溶液に浸漬させた後、栄養塩水溶液を抜き出すことにより微生物を再生させる栄養塩水溶液供給・排出機構を備えている。
【0060】
この栄養塩水溶液供給・排出機構は、栄養塩水溶液槽61と、栄養塩水溶液循環ライン62と、栄養塩水溶液槽61の出口側に設けられた栄養塩水溶液ポンプ63と、栄養塩水溶液ポンプ63の出口側に設けられた養塩水溶液ポンプ出口側バルブ64と、第1の担体充填領域20aの上部への栄養塩水溶液入口の手前に設けられた第1の入口側バルブ55aと、第2の担体充填領域20bの上部への栄養塩水溶液入口の手前に設けられた第2の入口側バルブ55bと、第3の担体充填領域20cの上部への栄養塩水溶液入口の手前に設けられた第3の入口側バルブ55cと、第4の担体充填領域20dの上部への栄養塩水溶液入口の手前に設けられた第4の入口側バルブ55dと、第1の担体充填領域20aの下部に設けられた第1の出口側バルブ56aと、第2の担体充填領域20bの下部に設けられた第2の出口側バルブ56bと第3の担体充填領域20cの下部に設けられた第3の出口側バルブ56cと、第4の担体充填領域20dの下部に設けられた第4の出口側バルブ56dと、栄養塩水溶液槽61の手前に設けられた栄養塩水溶液槽手前側バルブ67とを備えている。
【0061】
なお、バルブ55a〜55d、バルブ56a〜56dは、洗浄水循環系と、栄養塩水溶液循環系で共用されており、洗浄水循環ライン52と栄養塩水溶液循環ライン62の一部も共用されている。
また、この実施例では、洗浄水として水道水に塩素・次亜塩素酸・オゾン・二酸化塩素・酸素・過酸化水素・ヒドロキシルラジカルを主成分とする混合酸化剤を添加したものを用い、また、栄養塩水溶液として水道水に塩化カルシウム、塩化アンモニウム、塩化マンガン、硫酸鉄、リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化コバルト、モリブデン酸ナトリウム、硝酸カリウムを添加したものを用いている。
【0062】
以下、この生物脱臭装置を用いて被処理ガスを生物脱臭処理する方法について説明する。
【0063】
(1)この実施例の生物脱臭装置において、各担体充填領域20a,20b,20c,20dのいずれもが使用可能である場合(すなわち、いずれの担体充填領域も洗浄していない場合)には、図4に示すように、被処理ガス供給ライン22から被処理ガスが、第4の水封バルブV4の低水位の第1槽ガス入口1Ginに供給され、第1槽ガス出口1Goutを経て、第1の担体充填領域20aに供給されて生物脱臭された後、第1の担体充填領域20aを出て、第1の水封バルブV1の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第2の担体充填領域20bに供給される。
【0064】
そして、第2の担体充填領域20bで生物脱臭された被処理ガスは、第2の担体充填領域20bを出て、第2の水封バルブV2の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第3の担体充填領域20cに供給される。
【0065】
また、第3の担体充填領域20cで生物脱臭された被処理ガスは、第3の担体充填領域20cを出て、第3の水封バルブV3の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第4の担体充填領域20dに供給される。
【0066】
また、第4の担体充填領域20dで生物脱臭された被処理ガスは、第4の担体充填領域20dを出て、第4の水封バルブV4の第2槽ガス入口2Ginに入り、第2槽ガス出口2Goutから処理ガス排出ライン32を経て系外に排出される。
【0067】
なお、このときの上記の流路で被処理ガスが流れるように、水封バルブV1,V2,V3では、第1槽および第2槽が高水位、第3槽が低水位とされ、水封バルブV4では、第1槽および第2槽が低水位で、第3槽が高水位とされている。
【0068】
(2)次に、第1の担体充填領域20aを洗浄・再生に供し、残りの第2,第3,第4の担体充填領域20b,20c,20dで生物脱臭を行う場合、図5に示すように、被処理ガス供給ライン22から被処理ガスが、第1の水封バルブV1の低水位の第1槽ガス入口1Ginに供給され、第1槽ガス出口1Goutを経て、第2の担体充填領域20bに供給されて生物脱臭された後、第2の担体充填領域20bを出て、第2の水封バルブV2の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第3の担体充填領域20cに供給される。
【0069】
また、第3の担体充填領域20cで生物脱臭された被処理ガスは、第3の担体充填領域20cを出た後、第3の水封バルブV3の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第4の担体充填領域20dに供給される。
【0070】
そして、第4の担体充填領域20dで生物脱臭された被処理ガスは、第4の担体充填領域20dを出た後、第4の水封バルブV4の第2槽ガス入口2Ginに入り、第2槽ガス出口2Goutから処理ガス排出ライン32を経て系外に排出される。
【0071】
一方、第1の担体充填領域20aには、洗浄水槽51から洗浄水を供給する。そして、洗浄水を第1の担体充填領域20a内に溜め、所定時間担体を洗浄水に浸漬させて洗浄した後、排水して洗浄水槽51に戻す。
【0072】
それから、栄養塩水溶液槽61から栄養塩水溶液を供給して、第1の担体充填領域20a内に溜め、所定時間担体を栄養塩水溶液に浸漬させた後、栄養塩水溶液を排出して、栄養塩水溶液槽61に戻す。
これにより第1の担体充填領域20aの洗浄・再生が行われる。
【0073】
なお、このとき、第4の水封バルブV4の第1槽1および第2槽2が低水位のため、被処理ガス供給ライン22から第4の水封バルブV4の第1槽ガス入口1Ginを通り第1の担体充填領域20aに被処理ガスが向かうが、第1の担体充填領域20aが満水になると同時に第1の担体充填領域20aへのガス入口30aも満水となるためガスの流入はない。同様に、第1の水封バルブV1の第1槽1および第2槽2が低水位のため、第2槽ガス出口2Goutから処理ガスの流出が考えられるが、第1の担体充填領域20aが満水のため、第1の水封バルブV1の第2槽ガス出口2Goutに処理ガスが流出することはない。
【0074】
なお、このときの上記の流路で被処理ガスを流すことができるように、水封バルブV2,V3では、第1槽および第2槽が高水位、第3槽が低水位とされ、水封バルブV1,V4では、第1槽および第2槽が低水位で、第3槽が高水位とされている。
【0075】
(3)第1の担体充填領域20aの洗浄・再生が終了すると、図6に示すように、被処理ガス供給ライン22から被処理ガスが、第1の水封バルブV1の低水位の第1槽ガス入口1Ginに供給され、第1槽ガス出口1Goutを経て、第2の担体充填領域20bに供給されて生物脱臭された後、第2の担体充填領域20bを出て、第2の水封バルブV2の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第3の担体充填領域20cに供給される。
【0076】
そして、第3の担体充填領域20cで生物脱臭された被処理ガスは、第3の担体充填領域20cを出て、第3の水封バルブV3の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第4の担体充填領域20dに供給される。
【0077】
また、第4の担体充填領域20dで生物脱臭された被処理ガスは、第4の担体充填領域20dを出て、第4の水封バルブV4の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第1の担体充填領域20aに供給される。
【0078】
そして、第1の担体充填領域20aで生物脱臭された被処理ガスは、第1の担体充填領域20aを出て、第1の水封バルブV1の第2槽ガス入口2Ginに入り、第2槽ガス出口2Goutから処理ガス排出ライン32を経て系外に排出される。
【0079】
なお、このときの上記の流路で被処理ガスを流すことができるように、水封バルブV2,V3,V4では、第1槽および第2槽が高水位、第3槽が低水位とされ、水封バルブV1では、第1槽および第2槽が低水位で、第3槽が高水位とされている。
【0080】
(4)次に、第2の担体充填領域20bを洗浄・再生に供し、残りの第1,第3,第4の担体充填領域20a,20c,20dで生物脱臭を行う場合、図7に示すように、被処理ガス供給ライン22から被処理ガスが、第2の水封バルブV2の低水位の第1槽ガス入口1Ginに供給され、第1槽ガス出口1Goutを経て、第3の担体充填領域20cに供給されて生物脱臭された後、第3の担体充填領域20cを出て、第3の水封バルブV3の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第4の担体充填領域20dに供給される。
【0081】
そして、第4の担体充填領域20dで生物脱臭された被処理ガスは、第4の担体充填領域20dを出た後、第4の水封バルブV4の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第1の担体充填領域20aに供給される。
【0082】
また、第1の担体充填領域20aで生物脱臭された被処理ガスは、第1の担体充填領域20aを出た後、第1の水封バルブV1の第2槽ガス入口2Ginに入り、第2槽ガス出口2Goutから処理ガス排出ライン32を経て系外に排出される。
【0083】
また、第2の担体充填領域20bには、洗浄水槽51から洗浄水を供給する。そして、洗浄水を第2の担体充填領域20b内に溜め、担体を所定時間洗浄水に浸漬させて洗浄した後、排水して洗浄水槽51に戻す。
【0084】
それから、栄養塩水溶液槽61から栄養塩水溶液を供給して、第2の担体充填領域20b内に溜め、所定時間担体を栄養塩水溶液に浸漬させた後、栄養塩水溶液を排出して、栄養塩水溶液槽61に戻す。
これにより第2の担体充填領域20bの洗浄・再生が行われる。
【0085】
なお、このとき、第1の水封バルブV1の第1槽1および第2槽2が低水位のため、被処理ガス供給ライン22から第1の水封バルブV1の第1槽ガス入口1Ginを通り第2の担体充填領域20bに被処理ガスが向かうが、第2の担体充填領域20bが満水になると同時に第2の担体充填領域20bへのガス入口30bも満水となるためガスの流入はない。同様に、第2の水封バルブV2の第1槽1および第2槽2が低水位のため、第2の水封バルブV2の第2槽ガス出口2Goutからの処理ガスの流出が考えられるが、第2の担体充填領域20bが満水のため水封バルブV2の第2槽ガス出口2Goutに処理ガスが流出することはない。
【0086】
なお、このときの上記の流路で被処理ガスを流すことができるように、水封バルブV3,V4では、第1槽および第2槽が高水位、第3槽が低水位とされ、水封バルブV1,V2では、第1槽および第2槽が低水位で、第3槽が高水位とされている。
【0087】
(5)第2の担体充填領域20bの洗浄・再生が終了すると、図8に示すように、被処理ガス供給ライン22から被処理ガスが、第2の水封バルブV2の低水位の第1槽ガス入口1Ginに供給され、第1槽ガス出口1Goutを経て、第3の担体充填領域20cに供給されて生物脱臭された後、第3の担体充填領域20cを出て、第3の水封バルブV3の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第4の担体充填領域20dに供給される。
【0088】
そして、第4の担体充填領域20dで生物脱臭された被処理ガスは、第4の担体充填領域20dを出て、第4の水封バルブV4の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第1の担体充填領域20aに供給される。
【0089】
また、第1の担体充填領域20aで生物脱臭された被処理ガスは、第1の担体充填領域20aを出て、第1の水封バルブV4の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第2の担体充填領域20bに供給される。
【0090】
そして、第2の担体充填領域20bで生物脱臭された被処理ガスは、第2の担体充填領域20bを出て、水封バルブV2の第2槽ガス入口2Ginに入り、第2槽ガス出口2Goutから処理ガス排出ライン32を経て系外に排出される。
【0091】
なお、このときの上記の流路で被処理ガスを流すことができるように、水封バルブV1,V3,V4では、第1槽および第2槽が高水位、第3槽が低水位とされ、水封バルブV2では、第1槽および第2槽が低水位で、第3槽が高水位とされている。
【0092】
(6)次に、第3の担体充填領域20cを洗浄・再生に供し、残りの第1,第2,第4の担体充填領域20a,20b,20dで生物脱臭を行う場合、図9に示すように、被処理ガス供給ライン22から被処理ガスが、第3の水封バルブV3の低水位の第1槽ガス入口1Ginに供給され、第1槽ガス出口1Goutを経て、第4の担体充填領域20dに供給されて生物脱臭された後、第4の担体充填領域20dを出て、第4の水封バルブV4の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第1の担体充填領域20aに供給される。
【0093】
そして、第1の担体充填領域20aで生物脱臭された被処理ガスは、第1の担体充填領域20aを出た後、第1の水封バルブV1の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第2の担体充填領域20bに供給される。
【0094】
また、第2の担体充填領域20bで生物脱臭された被処理ガスは、第2の担体充填領域20bを出た後、第2の水封バルブV2の第2槽ガス入口2Ginに入り、第2槽ガス出口2Goutから処理ガス排出ライン32を経て系外に排出される。
【0095】
また、第3の担体充填領域20cには、洗浄水槽51から洗浄水を供給する。そして、洗浄水を第3の担体充填領域20c内に溜め、担体を所定時間洗浄水に浸漬させて洗浄した後、排水して洗浄水槽51に戻す。
【0096】
それから、栄養塩水溶液槽61から栄養塩水溶液を供給して、第3の担体充填領域20c内に溜め、所定時間担体を栄養塩水溶液に浸漬させた後、栄養塩水溶液を排出して、栄養塩水溶液槽61に戻す。
これにより第3の担体充填領域20cの洗浄・再生が行われる。
【0097】
このとき、第2の水封バルブV2の第1槽1および第2槽2が低水位のため、被処理ガス供給ライン22から第2の水封バルブV2の第1槽ガス入口1Ginを通り第三の担体充填領域20cに被処理ガスが向かうが、第3の担体充填領域20cが満水になると同時に第3の担体充填領域20cへのガス入口30cも満水となるためガスの流入はない。同様に、第3の水封バルブV3の第1槽1および第2槽2が低水位のため、第3の水封バルブV3の第2槽ガス出口2Goutからの処理ガスの流出が考えられるが、第3の担体充填領域20cが満水のため第3の水封バルブV3の第2槽ガス出口2Goutに処理ガスが流出することはない。
【0098】
なお、このときの上記の流路で被処理ガスを流すことができるように、水封バルブV1,V4では、第1槽および第2槽が高水位、第3槽が低水位とされ、水封バルブV2,V3では、第1槽および第2槽が低水位で、第3槽が高水位とされている。
【0099】
(7)第3の担体充填領域20cの洗浄・再生が終了すると、図10に示すように、被処理ガス供給ライン22から被処理ガスが、第3の水封バルブV3の低水位の第1槽ガス入口1Ginに供給され、第1槽ガス出口1Goutを経て、第4の担体充填領域20dに供給されて生物脱臭された後、第4の担体充填領域20dを出て、第4の水封バルブV4の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第1の担体充填領域20aに供給される。
【0100】
そして、第1の担体充填領域20aで生物脱臭された被処理ガスは、第1の担体充填領域20aを出て、第1の水封バルブV1の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第2の担体充填領域20bに供給される。
【0101】
そして、第2の担体充填領域20bで生物脱臭された被処理ガスは、第2の担体充填領域20bを出て、第2の水封バルブV2の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第3の担体充填領域20cに供給される。
【0102】
また、第3の担体充填領域20cで生物脱臭された被処理ガスは、第3の担体充填領域20cを出て、水封バルブV3の第2槽ガス入口2Ginに入り、第2槽ガス出口2Goutから処理ガス排出ライン32を経て系外に排出される。
【0103】
なお、このときの上記の流路で被処理ガスを流すことができるように、水封バルブV1,V2,V4では、第1槽および第2槽が高水位、第3槽が低水位とされ、水封バルブV3では、第1槽および第2槽が低水位で、第3槽が高水位とされている。
【0104】
(8)次に、第4の担体充填領域20dを洗浄・再生に供し、残りの第1,第2,第3の担体充填領域20a,20b,20cで生物脱臭を行う場合、図11に示すように、被処理ガス供給ライン22から被処理ガスが、第4の水封バルブV4の低水位の第1槽ガス入口1Ginに供給され、第1槽ガス出口1Goutを経て、第1の担体充填領域20aに供給されて生物脱臭された後、第1の担体充填領域20aを出て、第1の水封バルブV1の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第2の担体充填領域20bに供給される。
【0105】
そして、第2の担体充填領域20bで生物脱臭された被処理ガスは、第2の担体充填領域20bを出た後、第2の水封バルブV2の第3槽ガス入口3Ginに入り、第1槽ガス出口1Goutを経て、第3の担体充填領域20cに供給される。
【0106】
また、第3の担体充填領域20cで生物脱臭された被処理ガスは、第3の担体充填領域20cを出た後、第3の水封バルブV3の第2槽ガス入口2Ginに入り、第2槽ガス出口2Goutから処理ガス排出ライン32を経て系外に排出される。
【0107】
また、第4の担体充填領域20dには、洗浄水槽51から洗浄水を供給する。そして、洗浄水を第4の担体充填領域20d内に溜め、担体を所定時間洗浄水に浸漬させて洗浄した後、排水して洗浄水槽51に戻す。
【0108】
それから、栄養塩水溶液槽61から栄養塩水溶液を供給して、第4の担体充填領域20d内に溜め、所定時間担体を栄養塩水溶液に浸漬させた後、栄養塩水溶液を排出して、栄養塩水溶液槽61に戻す。
これにより第4の担体充填領域20dの洗浄・再生が行われる。
【0109】
このとき、第3の水封バルブV3の第1槽1および第2槽2が低水位のため、被処理ガス供給ライン22から第3の水封バルブV3の第1槽ガス入口1Ginを通り第4の担体充填領域20dに被処理ガスが向かうが、第4の担体充填領域20dが満水になると同時に第4の担体充填領域20dへのガス入口30dも満水となるためガスの流入はない。同様に、第4の水封バルブV4の第1槽1および第2槽2が低水位のため、第4の水封バルブV4の第2槽ガス出口2Goutからの処理ガスの流出が考えられるが、第4の担体充填領域20dが満水のため第4の水封バルブV4の第2槽ガス出口2Goutに処理ガスが流出することはない。
【0110】
なお、このときの上記の流路で被処理ガスを流すことができるように、水封バルブV1,V2では、第1槽および第2槽が高水位、第3槽が低水位とされ、水封バルブV3,V4では、第1槽および第2槽が低水位で、第3槽が高水位とされている。
【0111】
上述のように運転することにより、複数の担体充填領域の全てに所定の経路で被処理ガスを流しながら生物脱臭を行うとともに、必要に応じて、複数の担体充填領域のうちのいずれか一つの担体充填領域を洗浄・再生しながら他の担体充填領域において脱臭処理を行うことが可能になり、効率のよい脱臭操作を行うことができる。
【0112】
また、上述のように運転することにより、悪臭成分濃度の高いガスが、次の洗浄・再生工程で洗浄・再生されることになる担体充填領域に供給されるため、該担体充填領域において一時的に負荷が大きくなったとしても、その後の洗浄・再生工程で洗浄・再生されるため、全体として、各担体充填領域のうちのいずれかのみに大きな負荷がかかることを防止することができる。
【0113】
すなわち、上述のように運転することにより、悪臭成分濃度の高いガスが最初に導入される担体充填領域が、順次異なる担体充填領域に移ってゆくことになるとともに、大きな負荷がかかった担体充填領域がその後すぐに洗浄・再生されるため、各担体充填領域間における除去すべき悪臭成分の負荷に偏りが生じないようにすることが可能になり、長期間安定して信頼性の高い生物脱臭を行うことができる。
【0114】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、ガス流路の構成、担体充填領域の段数、洗浄水や栄養塩水の供給・排出機構などの具体的な構成、洗浄液の組成、被処理ガスの種類、担体充填領域の洗浄操作時に担体充填領域内の担体を洗浄水に浸漬させる時間などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0115】
上述のように、本発明の水封バルブによれば、水位を制御するだけで、流量の大きいガスの流路を効率よく切り換えることが可能になり、電磁弁などを用いる場合に比べて、経済的にガス流路の切り換えを行うことができるようになる。
また、本発明の水封バルブを用いた生物脱臭方法および生物脱臭装置によれば、煩雑な運転操作や、複雑な設備構造を必要とせず、連続して安定した生物脱臭操作を行うことができる。
したがって、本発明は、大流量のガスの流路切換や、揮発性有機化合物(VOC)に由来する悪臭や、従来からの悪臭(硫化水素、硫化メチル、メチルメルカプタン)などを除去するための脱臭装置の技術分野に広く適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の一実施例にかかる水封バルブの構成を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】本発明の水封バルブを用いた生物脱臭装置およびその動作を説明する図である。
【図5】本発明の水封バルブを用いた生物脱臭装置およびその動作を説明する図である。
【図6】本発明の水封バルブを用いた生物脱臭装置およびその動作を説明する図である。
【図7】本発明の水封バルブを用いた生物脱臭装置およびその動作を説明する図である。
【図8】本発明の水封バルブを用いた生物脱臭装置およびその動作を説明する図である。
【図9】本発明の水封バルブを用いた生物脱臭装置およびその動作を説明する図である。
【図10】本発明の水封バルブを用いた生物脱臭装置およびその動作を説明する図である。
【図11】本発明の水封バルブを用いた生物脱臭装置およびその動作を説明する図である。
【符号の説明】
【0117】
1 水封バルブの第1槽
2 水封バルブの第2槽
3 水封バルブの第3槽
1G 第1槽気相部
2G 第2槽気相部
3G 第3槽気相部
1Gin 第1槽ガス入口
1Gout 第1槽ガス出口
1Wout 第1槽封水出口
2Gin 第2槽ガス入口
2Gout 第2槽ガス出口
2Win 第2槽封水入口
3Gin 第3槽ガス入口
3Win 第3槽封水入口
3Wout 第3槽封水出口
12 第1槽と第2槽の仕切り壁
12a 通水路
13 第1槽と第3槽の仕切り壁
13a 気相連通部
20a 第1の担体充填領域
20b 第2の担体充填領域
20c 第3の担体充填領域
20d 第4の担体充填領域
22 被処理ガス供給ライン
30a,30b,30c,30d 各担体充填領域のガス入口
32 処理ガス排出ライン
40a,40b,40c,40d 各担体充填領域のガス出口
51 洗浄水槽
52 洗浄水循環ライン
53 洗浄水ポンプ
54 洗浄水ポンプ出口側バルブ
55a 第1の入口側バルブ
55b 第2の入口側バルブ
55c 第3の入口側バルブ
55d 第4の入口側バルブ
56a 第1の出口側バルブ
56b 第2の出口側バルブ
56c 第3の出口側バルブ
56d 第4の出口側バルブ
57 洗浄水槽手前側バルブ
61 栄養塩水溶液槽
62 栄養塩水溶液循環ライン
63 栄養塩水溶液ポンプ
64 養塩水溶液ポンプ出口側バルブ
67 栄養塩水溶液槽手前側バルブ
L1,L3 液面レベル計座
V 水封バルブ
V1 第1の水封バルブ
V2 第2の水封バルブ
V3 第3の水封バルブ
V4 第4の水封バルブ
W 封水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封水の給排水により、ガス流路の開閉、切り換えを行う水封バルブであって、
第1槽、第2槽、および第3槽を備え、
前記第1槽、第2槽、および第3槽の各槽は、封水が供給された状態で、下部が液相部、上部が気相部となるように構成されており、
第1槽は、第1槽ガス入口1Ginと、第1槽ガス出口1Goutと、第1槽封水出口1Woutとを備え、
第2槽は、第2槽ガス入口2Ginと、第2槽ガス出口2Goutと、第2槽封水入口2Winとを備え、
第3槽は、第3槽ガス入口3Ginと、第3槽封水入口3Winと、第3槽封水出口3Woutとを備え、
第1槽と第2槽は通水路で連通しており、
第1槽気相部と第3槽気相部は連通し、
第2槽封水入口から供給された封水は、前記通水路を経て、第1槽にも供給されるように構成されており、
第1槽が高水位のときには、第1槽ガス入口1Ginが第1槽気相部と連通せず、第1槽ガス出口1Goutが第1槽気相部と連通し、かつ、前記通水路が第1槽気相部と連通せず、
第1槽が低水位のときには、第1槽ガス入口1Ginが第1槽気相部と連通するとともに、第1槽ガス出口1Goutが第1槽気相部と連通し、かつ、前記通水路が第1槽気相部と連通せず、
第2槽が高水位のときには、第2槽ガス入口2Ginが第2槽気相部と連通し、第2槽ガス出口2Goutが第2槽気相部と連通せず、かつ、前記通水路が第2槽気相部と連通せず、
第2槽が低水位のときには、第2槽ガス入口2Ginが第2槽気相部と連通するとともに、第2槽ガス出口2Goutが第2槽気相部と連通し、前記通水路が第2槽気相部と連通せず、
第3槽が高水位のときには、第3槽ガス入口3Ginが第3槽気相部と連通せず、
第3槽が低水位のときには、第3槽ガス入口3Ginが第3槽気相部と連通するように構成されており、
第3槽ガス入口3Ginから第3槽に供給されたガスは、第3槽が低水位のときには第3槽ガス入口3Ginと連通する第3槽気相部を経て、第1槽ガス出口1Goutから排出されるように構成され、
第1槽ガス入口1Gin、第3槽ガス入口3Gin、および第2槽ガス出口2Goutは、封水の水位により開閉され、
第1槽ガス出口1Gout、第2槽ガス入口2Ginは、第1槽および第2槽が高水位のときにも、それぞれの気相部と連通する高さに配設され、
第1槽封水出口1Woutは第1槽および第2槽を低水位にできる位置、第3槽封水出口3Woutは、第3槽を低水位にできる位置に配設され、
第1槽と第2槽は、それぞれが低水位のときにも、前記通水路を介して第1槽気相部と第2槽気相部が連通することがないように構成され、
第3槽の水位が、第3槽ガス入口3Ginが第3槽気相部と連通しない高水位で、第1槽、第2槽が低水位のとき、第1槽ガス入口1Ginと第1槽ガス出口1Goutが連通するとともに、第2槽ガス入口2Ginと第2槽ガス出口2Goutが連通し、
第1槽および第2槽の水位が、第1槽ガス入口1Ginと、第2槽ガス出口2Goutが、気相部と連通しない高水位で、かつ、第3槽ガス入口3Ginが気相部と連通する低水位のとき、第3槽ガス入口3Ginと、第1槽ガス出口1Goutとが、気相部を介して連通し、
第1槽、第2槽、第3槽がすべて低水位で、かつ、前記通水路が、第1槽気相部と第2槽気相部を連通させない低水位のとき、第1槽の第1槽ガス入口1Gin、第1槽ガス出口1Gout、第3槽ガス入口3Ginが連通するとともに、第2槽ガス入口2Ginと第2槽ガス出口2Goutが連通し、
第1槽、第2槽、第3槽がすべて高水位のとき、第1槽ガス入口1Gin、第1槽ガス出口1Gout、第2槽ガス入口2Gin、第2槽ガス出口2Gout、および第3槽ガス入口3Ginのいずれもが連通せず、ガスが流通しないように構成されていること
を特徴とする水封バルブ。
【請求項2】
微生物を担持させた担体が充填され、脱臭操作時には脱臭処理を行うべき対象である被処理ガスを通過させ、洗浄・再生操作時には被処理ガスを通過させることなく洗浄・再生を行うことができるように構成された複数の担体充填領域と、
前記複数の担体充填領域を構成する第1の担体充填領域から最終の担体充填領域までの各担体充填領域のそれぞれに対応して配設された請求項1の水封バルブVとを備え、
各水封バルブの第1槽ガス入口1Ginに、被処理ガスを供給するための被処理ガス供給ラインが接続され
各水封バルブの第2槽ガス出口2Goutが、脱臭処理が終了したガスを系外に排出するための処理ガス排出ラインに接続され、
各水封バルブの第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに、各担体充填領域のガス出口が接続され、
最終の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの第1槽ガス出口1Goutが、1段目の担体充填領域のガス入口に接続され、
第1の担体充填領域のガス出口が、第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの、第1槽ガス出口1Goutが2段目の担体充填領域のガス入口に接続され、
さらに、他の担体充填領域が存在する場合には、第2の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの第1槽ガス出口1Goutが次の担体充填領域のガス入口に接続され、以後、最終の担体充填領域までは同様に、任意の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの第1槽ガス出口1Goutが、該任意の担体充填領域の次の担体充填領域のガス入口に接続されており、
各水封バルブの水封操作により、脱臭操作時には、所定の経路で各担体充填領域に被処理ガスが供給され、所定の担体充填領域の洗浄・再生操作時には、該担体充填領域には被処理ガスが供給されることなく洗浄・再生が行われるように構成されていること
を特徴とする生物脱臭装置。
【請求項3】
前記担体充填領域は、洗浄・再生操作時に水および栄養塩水溶液を溜めることができるように構成されており、洗浄水を溜めて担体を洗浄水に所定時間浸漬させた後、洗浄水を抜き出し、さらに、栄養塩水溶液を供給して、該担体充填領域に栄養塩水溶液を溜めて担体を栄養塩水溶液に所定時間浸漬させた後、栄養塩水溶液を抜き出すことにより前記担体充填領域の洗浄・再生が行われるように構成されていることを特徴とする請求項2記載の生物脱臭装置。
【請求項4】
各担体充填領域において除去すべき悪臭成分の負荷に偏りが生じないように、前記水封バルブの操作により、各担体充填領域間における被処理ガスの供給経路を切り換えることができるように構成されていることを特徴とする請求項2または3記載の生物脱臭装置。
【請求項5】
前記洗浄水としてオゾン、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウムや、塩素・次亜塩素酸・オゾン・二酸化塩素・酸素・過酸化水素・ヒドロキシルラジカルを主成分とする混合酸化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する水が用いられるように構成され、かつ前記栄養塩水として塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化マンガン、硫酸鉄、リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化コバルト、モリブデン酸ナトリウム、硝酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を栄養塩として含有する水が用いられるように構成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の生物脱臭装置。
【請求項6】
微生物を担持させた担体を充填した、複数の担体充填領域のうちの第1の担体充填領域から、最終の担体充填領域まで、各担体充填領域に所定の供給経路で、脱臭処理を行うべき対象である被処理ガスを供給して脱臭操作を行いながら、所定の順序で各担体充填領域を洗浄・再生し、
各担体充填領域を洗浄・再生する洗浄・再生操作時には、該担体充填領域の洗浄・再生を行うとともに、被処理ガスを、洗浄・再生の対象とされていない他の担体充填領域に所定の供給経路で供給して脱臭操作を行うようにした生物脱臭方法において、
前記複数の担体充填領域を構成する第1の担体充填領域から最終の担体充填領域までの各担体充填領域のそれぞれに対応して、請求項1の水封バルブVを設け、
各水封バルブの第1槽ガス入口1Ginに、被処理ガス供給ラインを接続し、 各水封バルブの第2槽ガス出口2Goutを、脱臭処理が終了したガスを系外に排出するための処理ガス排出ラインに接続し、
各水封バルブの第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに、各担体充填領域のガス出口を接続し、
最終の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの第1槽ガス出口1Goutを、1段目の担体充填領域のガス入口に接続し、
第1の担体充填領域のガス出口が、第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの第1槽ガス出口1Goutを2段目の担体充填領域のガス入口に接続し、
さらに、他の担体充填領域が存在する場合には、第2の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの1槽ガス出口1Goutを次の担体充填領域のガス入口に接続し、以後、最終の担体充填領域までは同様に、任意の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Gin、第3槽ガス入口3Ginに接続されている水封バルブの第1槽ガス出口1Goutを、該任意の担体充填領域の次の担体充填領域のガス入口に接続し、
各水封バルブの水封操作により、上記所定の供給経路で被処理ガスを供給して脱臭を行うこと
を特徴とする生物脱臭方法。
【請求項7】
前記複数の担体充填領域のうちのいずれの担体充填領域も洗浄・再生しておらず、全ての担体充填領域に所定の順序で被処理ガスを供給して脱臭処理を行う場合には、
前記最終の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Ginおよび第3槽ガス入口3Ginに接続された水封バルブの、第3槽の水位が高水位で第3槽ガス入口3Ginと第3槽気相部とが連通せず、第1槽、第2槽が低水位で、第1槽ガス入口1Ginと第1槽ガス出口1Goutが連通するとともに、第2槽ガス入口2Ginと第2槽ガス出口2Goutが連通した状態とし、最終の担体充填領域のガス出口からの、脱臭処理が終了した処理ガスを第2槽ガス出口2Goutから前記処理ガス排出ラインを経て系外に排出し、
前記最終の担体充填領域以外の他の担体充填領域においては、ガス出口が第2槽ガス入口2Ginおよび第3槽ガス入口3Ginに接続された水封バルブの、第1槽および第2槽が高水位で第1槽ガス入口1Ginと第2槽ガス出口2Goutがそれぞれの気相部と連通せず、第3槽が低水位で第3槽ガス入口3Ginが第3槽の気相部と連通した状態とし、当該担体充填領域で脱臭処理された被処理ガスを当該水封バルブの第1槽ガス出口1Goutから、次の担体充填領域に供給すること
を特徴とする請求項6記載の生物脱臭方法。
【請求項8】
前記複数の担体充填領域のうちのいずれか一つの担体充填領域を洗浄・再生しながら他の担体充填領域において脱臭処理を行う場合には、
洗浄・再生される前記担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Ginおよび第3槽ガス入口3Ginに接続された水封バルブの、第3槽の水位が高水位で第3槽ガス入口3Ginと第3槽気相部とが連通せず、第1槽および第2槽が低水位で第1槽ガス入口1Ginと第1槽ガス出口1Goutが連通するとともに、第2槽ガス入口2Ginと第2槽ガス出口2Goutが連通した状態とし、被処理ガスが、洗浄・再生されている担体充填領域には供給されず、その次の担体充填領域に供給されるようにするとともに、
最終の担体充填領域のガス出口が第2槽ガス入口2Ginおよび第3槽ガス入口3Ginに接続された水封バルブの、第3槽の水位が高水位で第3槽ガス入口3Ginと第3槽気相部とが連通せず、第1槽、第2槽が低水位で第1槽ガス入口1Ginと第1槽ガス出口1Goutが連通するとともに、第2槽ガス入口2Ginと第2槽ガス出口2Goutが連通した状態とし、最終の担体充填領域のガス出口からの、脱臭処理が終了した処理ガスを、当該水封バルブの第2槽ガス出口2Goutから、前記処理ガス排出ラインを経て系外に排出し、
前記洗浄・再生されている担体充填領域および前記最終の担体充填領域以外の他の担体充填領域においては、そのガス出口が第2槽ガス入口2Ginおよび第3槽ガス入口3Ginに接続された水封バルブの、第1槽および第2槽が高水位で第1槽ガス入口1Ginおよび第2槽ガス出口2Goutがそれぞれの気相部と連通せず、第3槽が低水位で第3槽ガス入口3Ginが第3槽気相部と連通した状態として、当該担体充填領域で脱臭処理された被処理ガスを当該水封バルブの第1槽ガス出口1Goutから、次の担体充填領域に供給すること
を特徴とする請求項6記載の生物脱臭方法。
【請求項9】
前記担体充填領域の洗浄・再生を行うに際しては、洗浄・再生が行われる担体充填領域への被処理ガスの供給を停止して洗浄水を供給し、該担体充填領域に洗浄水を溜めて担体を洗浄水に所定時間浸漬させた後、洗浄水を抜き出し、さらに、栄養塩水溶液を供給して、該担体充填領域に栄養塩水溶液を溜めて担体を栄養塩水溶液に所定時間浸漬させた後、栄養塩水溶液を抜き出すことにより前記担体充填領域の洗浄・再生を行うことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の生物脱臭方法。
【請求項10】
各担体充填領域に所定の供給経路で被処理ガスを供給して脱臭操作を行うにあたって、各担体充填領域において、除去すべき悪臭成分の負荷に偏りが生じないように、各担体充填領域間における被処理ガスの供給経路を切り換えながら脱臭操作を行うことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の生物脱臭方法。
【請求項11】
前記洗浄水としてオゾン、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウムや、塩素・次亜塩素酸・オゾン・二酸化塩素・酸素・過酸化水素・ヒドロキシルラジカルを主成分とする混合酸化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する水を用い、かつ前記栄養塩水として塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化マンガン、硫酸鉄、リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化コバルト、モリブデン酸ナトリウム、硝酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を栄養塩として含有する水を用いることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の生物脱臭方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−104886(P2010−104886A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278195(P2008−278195)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(390036663)木村化工機株式会社 (27)
【出願人】(593006630)学校法人立命館 (359)
【Fターム(参考)】