説明

水封式岩盤タンクおよびその施工方法

【課題】空洞周囲岩盤での不飽和域の発生やその拡大を防止できて優れた水封機能を有する水封式岩盤タンクおよびその施工方法を提供する。
【解決手段】覆工壁20の外側の岩盤に対して水封水を供給するための水封設備を備える。水封設備は、覆工壁の背面側において空洞内面1aに面して覆工壁内に埋設されることにより空洞周囲岩盤に水封水を供給可能な通水路11と、通水路に水封水を加圧供給するための給水源装置とからなる。通水路は有孔管12とその外側に装着されたカバー13からなり、カバーの内側に給水空間14を確保する。トンネル状の空洞の全体を所定長ずつ段階的に施工して延伸していくこととし、各段階の施工を(a)所定長の空洞を掘削する工程、(b)背面側に通水路を埋設した覆工壁を施工する工程、(c)通水路に水封水を加圧供給して周囲岩盤に水封水を供給する工程、により行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水封式岩盤タンクおよびその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、水封式岩盤タンクは石油やLPG等の備蓄を目的として安定な岩盤に貯槽となる空洞を掘削し、自然あるいは人工の地下水圧によって空洞内に貯蔵流体を封じ込めて貯蔵する施設である。
この種の施設では貯蔵流体が周囲岩盤に漏気・漏液してしまうことを確実に防止するために、貯槽周囲の地下水圧が常に貯蔵圧よりも高く維持されている必要があり、そのためには貯槽周囲の岩盤内の地下水が常に安定な飽和状態にあることが重要な要件である。
【0003】
ところで、貯槽としての空洞を掘削する際には空洞内は大気圧になることから、その周囲の地下水位が低下して空洞周囲に多少なりとも不飽和域が生じることが想定されるが、不飽和域が一時的にでも生じてしまうと施工完了後に地下水位が回復しても飽和状態には容易に自然回復せず、したがって不飽和域がそのまま空洞周囲に残って地下水圧による水封機能が損なわれてしまい、貯蔵流体の漏気・漏液を確実に防止することができない懸念がある。
【0004】
そのため、現在の水封式岩盤タンクでは、たとえば特許文献1に示されるように空洞の上方や側方に水封トンネルや水封ボーリングを設けて、施工段階から空洞周囲に人工的な地下水涵養を行うことにより、施工時に空洞周囲に大きな不飽和域が生じることを防止する必要があるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−280093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に示されるような水封構造によることでは、岩盤状況によっては施工時の不飽和域の発生を充分に防止できないことも想定される。
そのことについて図5〜図6を参照して説明する。図5は貯槽としてのトンネル状の空洞1の上方に2本の水封トンネル2を空洞1とほぼ並行させて設け、一方の水封トンネル2から空洞1の上方を横断するようなほぼ水平の水封ボーリング3を5〜50m程度の間隔で多数設け、また双方の水封トンネル2から空洞1の側方にもほぼ鉛直な水封ボーリング3を設け、それら水封トンネル2および水封ボーリング3に水封水(水封機能を確保するための涵養水)を供給するようにしたものである。
【0007】
このような水封構造では、図6に概念的に示すように、水封トンネル2や水封ボーリング3が岩盤中に自然に形成されている亀裂ネットワークnと交差してそれらと連通状態となり、したがって水封水は水封トンネル2や水封ボーリング3から亀裂ネットワークnを通して空洞1まで自ずと到達し、それにより空洞1の周囲岩盤が飽和状態に維持されることが期待される。
しかし、水封トンネル2や水封ボーリング3と空洞1とが自然の亀裂ネットワークnを介して確実に連通するとは限らず、岩盤状況によっては水封トンネル2や水封ボーリング3と亀裂ネットワークnが交差しなかったり、亀裂自体が不連続であってネットワークが形成されていなかったり、あるいは水封トンネル2や水封ボーリング3と空洞1との間に難透水性の断層があることも想定され、そのような場合には水封水が空洞1まで到達し得ずに空洞1の周囲に不飽和域sが生じてしまう懸念がある。
【0008】
また、この種の貯槽では空洞1の内面に吹付コンクリートによる覆工壁を形成するが、その覆工壁を空洞1の内面(岩盤掘削面)に対して完全密着状態で施工することは困難であって、それらの間に空気溜まりとなるような隙間が生じてその隙間を通して不飽和域sが拡大してしまうことが想定される。
さらに、この種の貯槽では覆工壁を岩盤に対してアンカーするためのロックボルトが施工され、そのロックボルトを打設するための打設孔はモルタル等のグラウト材により塞がれるのであるが、打設孔を完全に気密裡・水密裡に塞ぐことも困難であるので、打設孔を通しての不飽和域sの拡大も想定される。
【0009】
このように、従来の水封構造では岩盤状況によっては空洞1周囲に水封水が充分に供給されないために大きな不飽和域sが形成されてしまったり、その不飽和域sが不用意に拡大してしまう懸念も完全には否定できず、この種の施設の信頼性と安全性のさらなる向上を図るためにはその点での改善が必要とされている。
【0010】
なお、特開2005−248522号公報には、貯槽施工後にその内部に一度充水することによって貯槽周辺に形成された不飽和域内の空気を極力押し出すという水封構造が提案されている。しかし、覆工壁にそのためのスリットを形成したり、覆工壁にその壁厚よりも大径の有孔管を設置する必要があるのでその施工も容易ではなく、貯槽が完成するまで不飽和域は放置された状態にあるので不飽和域の拡大をより助長する可能性もあり、現実的ではない。
【0011】
上記事情に鑑み、本発明は空洞周囲岩盤に不飽和域が生じたりそれが拡大することを防止でき、以て貯蔵流体に対する優れた水封機能を有する有効適切な水封式岩盤タンク、およびその施工方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1記載の発明は、岩盤内に掘削した空洞を貯槽として流体を貯蔵して空洞周囲の地下水圧により貯蔵流体を空洞内に封じ込める構成の水封式岩盤タンクであって、前記空洞の内面に吹付コンクリートによる覆工壁を形成するとともに、該覆工壁の外側の岩盤に対して水封水を供給するための水封設備を備え、前記水封設備は、前記覆工壁の背面側において空洞内面に面して該覆工壁内に埋設されることにより空洞周囲岩盤に水封水を供給可能な通水路と、該通水路に水封水を加圧供給するための給水源装置とからなることを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の水封式岩盤タンクであって、前記通水路は、前記給水源装置から水封水が加圧供給される有孔管と、該有孔管の外側に装着されて空洞内面に面して固定されたカバーとにより構成され、該カバーの内側に空洞内面に連なる給水空間が形成されてなることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の水封式岩盤タンクの施工方法であって、前記空洞を所定長ずつ段階的に施工して延伸していく工程を繰り返してトンネル状の空洞の全体を施工するに際し、各段階の施工を以下の(a)〜(c)工程、すなわち
(a)所定長の空洞を掘削する工程、
(b)空洞内面に通水路を設置した後に吹付コンクリートを施工することにより、背面側に通水路を埋設した覆工壁を形成する工程、
(c)前記通水路に水封水を加圧供給して該通水路から周囲岩盤に水封水を供給する工程、により行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の水封式岩盤タンクは、覆工壁の背面側に設けた通水路から周囲岩盤に対して水封水を直接的に加圧供給する構成の水封設備を設けたことにより、空洞周囲に不飽和域が生じたりそれが拡大することを貯槽掘削後の早期から有効に防止でき、以て貯蔵流体の漏気・漏液を確実に防止し得て施設の信頼性と安全性を向上させることができる。
【0016】
特に、通水路を有孔管とその外側に装着したカバーとにより構成してカバー内に給水空間を確保することにより、その給水空間から周囲岩盤に対して確実に給水可能であるし、覆工壁の施工に際して有孔管が吹付コンクリートにより目詰まりしてしまうようなことを確実に防止することができる。
【0017】
本発明の施工方法によれば、トンネル状の空洞を水封設備とともに所定長ずつ段階的に施工してその直後に速やかに水封設備を稼働して空洞周囲に対する給水を行うことにより、空洞周囲の不飽和域の発生およびその拡大を効果的に防止することができ、信頼性と安全性に優れる大規模なトンネル状の貯槽を効率的に施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態である水封式岩盤タンクの概要を示す図である。
【図2】同、通水路を示す拡大図である。
【図3】同、施工手順を示す概略工程図である。
【図4】同、通水路の設置パターンの他の例を示す図である。
【図5】従来の水封構造の概要を示す図である。
【図6】同、岩盤への水封水供給の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態を図1〜図3に示す。これは、図4に示した従来の水封構造、すなわち貯槽としてのトンネル状の空洞1の周囲に水封トンネル2と水封ボーリング3を設けてそこから空洞1周囲に対する人工的な地下水涵養を行うことを基本とするものであるが、それに加えて空洞1の周囲岩盤に対して直接的に水封水を供給するための水封設備10を備えたことを主眼とするものである。
【0020】
本実施形態における水封設備10は、空洞内面1a(岩盤掘削面)に吹付コンクリートにより形成される覆工壁20内の背面側(空洞内面側)に埋設された通水路11と、地表部からその通水路11に対して主管17を介して水封水を加圧供給するための給水源装置18からなる。
【0021】
通水路11は、図1に示すように空洞1の軸方向に所定間隔毎に空洞周方向に沿って全周にわたるように(図1では半分のみ図示)設置されており、それら各通水路11は主管17を介して供給源装置18に接続されている。
各通水路11は、その詳細を図2に示すように、空洞内面1aに固定された有孔管12と、有孔管12よりもやや大径の略U形断面形状とされてその外側に装着された状態で空洞内面1aに固定されたカバー13とによる二重管構造とされていて、カバー13の内側に空洞内面(岩盤掘削面)に直接的に面してそれに連なる給水空間14が確保されている。これにより、給水源装置18から有孔管12に加圧供給された水封水は、有孔管12からカバー13内の給水空間14内に流出した後、図示しているようにその給水空間14から岩盤に自然に形成されている亀裂を通して岩盤内に自ずと加圧供給されるようになっている。
【0022】
なお、有孔管12はU形ピン15により岩盤に固定すれば良く、カバー13もそのフランジ部をアンカー16により岩盤に固定すれば良いが、それら有孔管12やカバー13、U形ピン15やアンカー16としては、充分な耐久性を有するとともに地下水や貯蔵流体により容易に腐食しない材質のものを用いると良い。
【0023】
上記の水封設備10を備えた本実施形態の水封式岩盤タンクは、施工時においてこの水封設備10により周囲岩盤に対する水封水の加圧供給を早期に開始することにより、仮に図6に示したように亀裂ネットワークnが不連続であるような場合においても、空洞1の周囲岩盤に対して水封設備10により水封水を直接的に供給することができ、それにより図6に示したような不飽和域sが生じることを確実に防止することができる。
また、仮に覆工壁20と空洞内面1aとの間に隙間が生じていたり、ロックボルト打設口へのグラウト充填が不十分であるためにそこに隙間が生じているような場合においても、それらの隙間と上記の給水空間14とが連通して水封水が自ずと加圧供給されるから、従来のようにそのような隙間を通して不飽和域sが拡大するような生じることもない。
【0024】
このように、本実施形態の水封式岩盤タンクでは覆工壁20の背面側に設けた通水路11から周囲岩盤に対して水封水を直接的に加圧供給する構成の水封設備10を設けることにより、空洞周囲に不飽和域sが生じたりそれが拡大することを有効に防止でき、以て貯蔵流体の漏気・漏液を確実に防止し得て施設の信頼性と安全性を向上させることができるものである。
【0025】
なお、この水封設備10では、周囲岩盤により供給する水封水の水圧を運用開始後における貯蔵流体の漏気や漏液を防止するために少なくとも貯蔵流体の貯蔵圧よりもやや高く設定し、水封水をそのような設定水圧に常に維持して通水路11内(給水空間14)に充たしておくと良く、そのような制御を行うための圧力制御装置を給水源装置18に備えておくと良い。
【0026】
本実施形態の水封式岩盤タンクを施工するに当たっては、施工時に空洞周囲に不飽和域が生じることを防止するために可及的に早期に水封設備10を稼働させてそれによる空洞周囲への地下水涵養を行うことが好ましく、そのためには空洞1を所定長ずつ段階的に施工して順次延伸していくと良く、具体的には図3に示すような工程によることが好ましい。
【0027】
すなわち、まず給水源装置18と主管17を設置した後、空洞1を所定長ずつ段階的に施工していくこととして、各段階の施工を以下の(a)〜(c)工程により行う。
【0028】
(a)所定長の空洞1を掘削し、ずり出しする。
【0029】
(b)空洞内面1a(岩盤掘削面)に対して有孔管12をU形ピン15により固定するとともにその外側にカバー13を装着してアンカー16により固定して通水路11を施工し、主管17を延伸して各通水路11に接続する。
しかる後に、空洞内面1aに吹付コンクリートを施工することにより、背面側に通水路11を埋設した状態で覆工壁20を形成する。
この際、有孔管12は空洞内面1a側を除いてカバー13により覆われるので、吹付コンクリートによる有孔管12の目詰まりは自ずと防止される。
また、通水路11を覆工壁20の背面側において空洞内面1aに直接的に面するように設置するので、上述した特開2005−248522号公報に示される水封構造(運用開始前に空洞内を充水して空洞内から周囲岩盤に対して水封水を供給するもの)のように覆工壁20にスリットを形成したり、覆工壁の壁厚よりも大径の有孔管を設置する必要はなく、したがって覆工壁20の施工は何ら面倒ではない。
【0030】
(c)覆工壁20の施工後、ロックボルトを施工するとともに、通水路11への水封水への加圧供給を早期に開始する。なお、覆工壁20の施工後に直ちに水封水の供給を開始してからロックボルトを施工することでも良いし、ロックボルト施工が不要な場合は省略して差し支えない。
【0031】
以上の工程によって所定長の空洞1を施工した後もそのまま水封水の加圧供給を継続しつつ、次段階の施工に移行し、以上の工程を繰り返して空洞1および主管17を所定長ずつ段階的に延伸していくことにより、最終的に空洞1を全長にわたって完成させる。
【0032】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要は覆工壁20の背面側に通水路11を設けてそこから周囲岩盤に対して水封水を直接的に加圧供給するように構成すれば良いのであって、その限りにおいて以下に列挙するような適宜の設計的変更や応用が可能である。
【0033】
上記実施形態では通水路11を空洞1の周方向に沿うように設けたが、通水路11の設置パターンは空洞1の規模や断面形状、岩盤状況等の諸条件を考慮して最適設計すれば良く、たとえば図4に示すように上記の通水路11からさらに空洞1の軸方向に沿う通水路を分岐して設けることが考えられるし、あるいは通水路11を縦横に交差するメッシュ状の管路網として設けることも考えられる。
いずれにせよ、通水路11から周囲岩盤への水封水の給水が確実かつ効果的に行われるためには、空洞周囲に自然に形成されている亀裂と通水路11(給水空間14)とが連通している必要があるから、通水路11は空洞全体を取り囲むようにして可及的に密に設けることが好ましい。
勿論、通水路11の断面形状や断面積、通水路11への水封水の供給量や水圧等は、諸条件を考慮して所期の効果が得られるように最適設計すれば良い。
【0034】
上記実施形態では通水路11を有孔管12とカバー13とによる二重管構造としたが、要は覆工壁20の背面側に周囲岩盤の亀裂と連通するように通水路11を設ければ良いのであって、たとえば上記実施形態における有孔管12を省略して通水路11をカバー13のみで構成する(カバー13のみで給水空間14を形成する)ことも不可能ではない。
あるいは、覆工壁20の施工時に吹付コンクリートによって有孔管12が目詰まりすることを防止でき、その有孔管12自体により給水空間14を形成できる場合には、カバー13を省略して有孔管12それ自体を通水路11とすることも不可能ではない。
さらには、有孔管12に代えて管状あるいはシート状の各種のドレーン材を空洞内面に装着したうえで覆工壁20を形成することでも良く、その場合にはドレーン材自体が給水空間14として機能する通水路11を形成することができる。
【0035】
空洞1の形態は上記実施形態のように一方向に長いトンネル状とすることが現実的であるがそれに限るものではないし、その施工方法についても上記実施形態のように所定長ずつ段階的に施工することが好ましいもののそれに限定すべきものでもない。
【0036】
上記実施形態のように本発明の水封式岩盤タンクには図5に示したような従来の水封構造を適用し、従来のように水封トンネル2や水封ボーリング3により広範囲にわたる給水を行ったうえで本発明の水封設備10により空洞周囲への直接的な給水を補完的に行うことが現実的であるが、必ずしもそれに限るものでもなく、本発明の水封設備10からの給水のみで周囲岩盤に対して充分な地下水涵養を行い得て充分な水封効果を確保し得る場合には、水封トンネル2や水封ボーリング3からの給水を軽減ないし省略することも不可能ではない。
【符号の説明】
【0037】
1 空洞(貯槽)
1a 空洞内面(岩盤掘削面)
2 水封トンネル
3 水封ボーリング
n 亀裂ネットワーク
s 不飽和域
10 水封設備
11 通水路
12 有孔管
13 カバー
14 給水空間
15 U形ピン
16 アンカー
17 主管
18 給水源装置
20 覆工壁(吹付コンクリート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
岩盤内に掘削した空洞を貯槽として流体を貯蔵して空洞周囲の地下水圧により貯蔵流体を空洞内に封じ込める構成の水封式岩盤タンクであって、
前記空洞の内面に吹付コンクリートによる覆工壁を形成するとともに、該覆工壁の外側の岩盤に対して水封水を供給するための水封設備を備え、
前記水封設備は、前記覆工壁の背面側において空洞内面に面して該覆工壁内に埋設されることにより空洞周囲岩盤に水封水を供給可能な通水路と、該通水路に水封水を加圧供給するための給水源装置とからなることを特徴とする水封式岩盤タンク。
【請求項2】
請求項1記載の水封式岩盤タンクであって、
前記通水路は、前記給水源装置から水封水が加圧供給される有孔管と、該有孔管の外側に装着されて空洞内面に面して固定されたカバーとにより構成され、該カバーの内側に空洞内面に連なる給水空間が形成されてなることを特徴とする水封式岩盤タンク。
【請求項3】
請求項1または2記載の水封式岩盤タンクの施工方法であって、
前記空洞を所定長ずつ段階的に施工して延伸していく工程を繰り返してトンネル状の空洞の全体を施工するに際し、各段階の施工を以下の(a)〜(c)工程により行うことを特徴とする水封式岩盤タンクの施工方法。
(a)所定長の空洞を掘削する工程。
(b)空洞内面に通水路を設置した後に吹付コンクリートを施工することにより、背面側に通水路を埋設した覆工壁を形成する工程。
(c)前記通水路に水封水を加圧供給して該通水路から周囲岩盤に水封水を供給する工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−111318(P2011−111318A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271710(P2009−271710)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】