説明

水平締固め工法および地盤改良構造

【課題】改良対象地盤上に既設構造物があっても、未改良部分を残すことなく対象地盤に対し締固めによる地盤改良が実施でき、かつ、隆起抑制効果と経済性を兼ね備えた方法を提供する。
【解決手段】既設構造物直下の地盤を締固める工法において、改良対象地盤の脇に立坑を造成し、立坑内から対象地盤に対し水平に改良材を圧入し、複数の固結体1が連なってなる固結体群2を造成する。この工程を繰り返して固結体群を横方向に複数列造成し、深度方向に複数段造成する。その際、上段から下段へ向かう順序で固結体群を造成する。このような方法により、未改良部分を残さず所望の位置に固結体を造成できる。また、上段側の固結体群を先行して造成する結果、後行して造成される固結体群の影響が地表面へ伝わり難く、隆起抑制できる。しかも、上位の固結体群が下位の固結体群の造成の妨げとならないので、従来のトップダウン方式に比し工期が短縮し経済性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクショングラウチング工法に代表される静的圧入締固め工法を利用した地盤改良方法の技術の分野に属する。
【0002】
なお、コンパクショングラウチング工法以外にも、各種の注入工法(薬液注入、セメント系注入、ジェットグラウトなど)があるが、コンパクショングラウチング工法に代表される静的圧入締固め工法は、薬液注入工法等とは全く異なる技術である。
すなわち、薬液注入では、注入材が土粒子間へ浸透し固結する。セメント系注入では、地盤内でセメントグラウトが脈状に固結する。ジェットグラウトでは、固化材と土粒子を高圧噴射により強制的に攪拌混合しソイルモルタル状の固結体を形成する。これに対してコンパクショングラウチングは、極めて流動性の低い改良材を地盤中に圧入して固結体を造成し、この固結体による締固め効果で周辺地盤を圧縮強化する。
したがって、静的圧入締固め工法の改良原理は「密度増大」であるのに対し、薬液注入工法などの注入工法の改良原理が「固化」であり、静的圧入締固め工法と他の注入工法は全く異なる技術である。
【背景技術】
【0003】
軟弱な砂質土地盤では、地震が起きると過剰間隙水圧が発生し、土粒子が流動化し、地盤の支持力が一時的に消失する「液状化現象」が発生する。かかる液状化現象の防止対策の一つとして「静的圧入締固め工法」が知られている。「静的圧入締固め工法」とは、動的エネルギー(打撃や振動)を与えることなく、静的な力(特殊注入ポンプを用いた静的圧入)で締固めを行う工法である。静的圧入締固め工法の代表例には、コンパクショングラウチング工法があり、液状化対策に優れた地盤改良工法として広く一般に利用されるに至っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−116936号公報
【特許文献2】特開2002−294684号公報
【0005】
図10には、コンパクショングラウチング工法(CPG工法)の施工態様の概略が示されている。CPG工法では、ボーリングマシンを用いて、ロッド状の注入管11を複数本継ぎ足しながら所定深度まで削孔し、孔内に該注入管を臨ませる。所定深度まで削孔したら、貫入状態の注入管11に注入管リフト装置13をセットするとともに、該注入管を流量圧力監視装置15,圧送ホース19を介して特殊注入ポンプ21に接続する。特殊注入プラント23で生成された改良材(特殊骨材・固化材・水で構成される流動性の極めて低いモルタル状の地盤改良材)は、特殊注入ポンプ21で強制圧送され、圧送ホース19、流量圧力監視装置15、注入管11を介して地盤中に圧入される。改良材の圧入工程では、改良材の圧送と注入管11のステップアップとを繰り返す。従来の場合では、注入管は、1mにつき3ステップ、ステップアップさせるようになっている。
【0006】
地盤中に圧入された改良材は、その低い流動性のため土中で迷走や浸透することなく所定の位置で固結する。したがって、上述した特殊注入ポンプによる改良材の圧送と、注入管のステップアップとを繰り返すことにより、図示するような改良材から成る球根状の固結体1が連続的に造成される。そして、この固結体1の体積増加により周辺地盤を圧縮し、密度を増大させることで液状化地盤を非液状化地盤へと改良することができる。
【0007】
上述したCPG工法は、用いる設備がコンパクトであり、圧入ポイントに小型ボーリングマシンと注入管リフト装置を設置するだけで施工できる。したがって図11に示すように、改良対象地盤上に既設構造物がある場合であっても、その内部の作業空間に施工機材を設置し、既設構造物内から削孔・圧入する作業が可能である。図11(A)(B)(C)は、それぞれ、従来の施工方法による固結体の配置を示す斜視図、断面図、平面図である((A)(C)は地盤内を透視した様子を示す)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したCPG工法に代表される静的圧入締固め工法は、地盤を圧縮強化する工法として優れてはいるものの、以下のような課題があり、その改善が望まれていた。
【0009】
一般に石油タンクは軟弱な埋立地盤に設置される事が多く、地盤の液状化にともなって、タンク設置地盤の滑りや不等沈下によりタンクの破損やタンク内部の石油の流失事故等が危惧されている。そのため、既設石油タンク直下の地盤に対する液状化対策として、CPG工法による地盤改良が行われてきた。ところが、既設石油タンクのような構造物は、その内部に石油等の内容物が貯留されているため、CPG工法の施工機材を構造物内に搬入することができない。そのため、既設石油タンクがある地盤に対しCPG工法を施工する場合には、その直下の地盤に対し図12に示すように斜め方向に改良材を圧入し、斜めに固結体群を造成配置していた。図12(A)(B)(C)は、それぞれ、従来の施工方法による固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である((A)(C)は地盤内を透視した様子を示す)。
このような斜め方向の施工は、既設石油タンク直下の地盤に限られるものではなく、内部に施工機材を設置できない構造物や、手を加えること(削孔等)が許されない構造物の直下の地盤に対して施工する場合において一様に実施又は検討されていた。
しかしながら、図12に示すような斜め方向の施工では、注入管の行き届かない箇所(構造物の真下部分)が生じ、そのために既設構造物直下に未改良部分が残り、改良効果に不安を残していた。
このように、既設構造物の種類によっては、施工機材を構造物内に設置することができず、或いは、構造物自体に手を加えること(削孔等)ができない場合があり、このような場合に、図12に示すような斜め施工を選択した場合には未改良部分を残すこととなり、改良効果に不安があった。
【0010】
また、地震で道路や鉄道が寸断された場合、空路が救命活動や緊急物資輸送の手段として期待されているが、全国の主要空港の多くは大地震で滑走路が液状化する恐れがあり、緊急な液状化対策が望まれている。そこで近年、主要空港においては、滑走路や誘導路等の直下の地盤に対し、CPG工法を利用した液状化対策が順次実施され始めている。このような滑走路等の下部地盤に対しCPG工法を施工する方法が、特許文献2に開示されている。
しかしながら、空港等において施工が許される時間は、運航時間外の深夜の3時間〜4時間程度であり、このような限られた拘束時間内で、滑走路や誘導路直下の地盤に対してCPG工法による液状化対策を施すには、数年の工期を要する。
そのため、緊急な液状化対策が望まれる空港に対しCPG工法を施工するにあたっては、運航を妨げることなく工期を短縮できる新たな手法が望まれている。
【0011】
CPG工法において地盤内に改良材を圧入する方式には、図13に示すボトムアップ方式と、図14に示すトップダウン方式とがある。
図13に例示するボトムアップ方式では、改良深度の下端から上方へ向かう順序で固結体を造成するため、地盤が隆起し易いといったデメリットがある。
これに対し、図14に例示するトップダウン方式では、改良深度の上方から下端へ向かう順序で固結体を造成する。このような順序で造成することにより、先行して上部の地盤が改良され、地盤強度や支持力が増加し、これにより、後行して造成させる固結体の影響が地表面へ伝わり難くなるため地盤の隆起が抑制される。また、先行して造成した固結体が、後行して造成される固結体を自重で押さえつけるようにも作用するので、地盤隆起がさらに抑制されるといったメリットがある。
このようなトップダウン方式による施工では、はじめに最上部の固結体が造成され(工程a,b)、その後は、「固結体を貫くように再削孔
→ 改良材圧入 → 一定時間放置(改良材の固結待ち)」からなる一連の工程の繰り返しである。すなわち、トップダウン方式では、造成する固結体数に応じて、同じ圧入ポイントで削孔と圧入を何度も繰り返す必要があり、ボトムアップ方式に比べて工期が大幅に長期化する。
そのため、トップダウン方式には、隆起が抑制されるといったメリットがある一方で、工期が大幅に長期化して経済性に欠けるといったデメリットがあった。
【0012】
上述した従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、改良対象地盤上に既設構造物がある場合でも、未改良部分を残すことなく静的締固め工法を施工できる新たな方法を提供することにある。
また本発明の他の目的は、内部に施工機材を設置できない構造物、手を加えることが許されない構造物、交通の妨げとなる事態を回避する観点から施工に時間的制限を課せられる既設構造物などが、改良対象地盤上にあっても、その既設構造物の存在に影響されることなく、静的締固め工法を施工できる新たな方法を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、従来のCPG工法で行われていたトップダウン方式のメリット(地盤隆起の抑制効果)を備えつつ、従来のトップダウン方式に比して工期を短縮できる新たな方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的は、静的圧入締固め工法を利用して既設構造物直下の地盤を改良する方法において、既設構造物直下の地盤に対して水平方向に地盤改良材を圧入して、該地盤改良材からなる複数の固結体が水平方向に連なって構成される固結体群を造成し、前記固結体群の造成工程を繰り返して、前記固結体群を深度方向に複数段造成し、前記複数段の固結体群を造成するにあたって、上段側の固結体群を下段側の固結体群よりも先行して造成することによって達成される。
【0014】
また、上述した目的は、静的圧入締固め工法を利用して既設構造物直下の地盤を改良する方法において、既設構造物直下の地盤に対して水平方向に地盤改良材を圧入して、該地盤改良材からなる複数の固結体が水平方向に連なって構成される固結体群を造成し、前記固結体群の造成工程を繰り返して、前記固結体群を同深度上に複数列造成するとともに、複数列の固結体群を深度方向に複数段造成し、前記複数列・複数段の固結体群の縦断面が全体として千鳥配置となるように、上段側又は下段側の固結体群に対して圧入位置をずらして地盤改良材を圧入することによって達成される。
【0015】
前記複数列の固結体群の水平配置間隔に関しては、上段側にある複数列の固結体群の水平配置間隔を、下段側にある複数列の固結体群の水平配置間隔よりも狭くすることが好ましい。
【0016】
前記複数列の固結体群の水平配置間隔は、各固結体群の換算改良径の2倍よりも狭くすることが好ましい。
【0017】
また、上述した目的は、地盤に圧入された地盤改良材からなる複数の固結体を含んで構成され、地盤内において周辺地盤を圧縮して該地盤を締固める地盤改良構造であって、地盤改良材からなる複数の固結体が水平方向に連なってなる固結体群を、同深度上に複数列有するとともに、深度方向に複数段有する地盤改良構造によって達成される。
【0018】
前記複数列・複数段の固結体群の縦断面が全体として千鳥配置となるように、各固結体群が配置されていることが好ましい。
【0019】
上段側にある複数列の固結体群の水平配置間隔は、下段側にある複数列の固結体群の水平配置間隔よりも狭いことが好ましい。
【0020】
前記複数列の固結体群の水平配置間隔は、各固結体群の換算改良径の2倍よりも狭いことが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、施工にあたって、既設構造物直下の地盤に対して水平方向に地盤改良材を圧入するようになっている。したがって、手を加えることができない構造物や、内部に施工機材を設置できない構造物(既設石油タンクなど)が、改良対象地盤の上にあっても、当該既設構造物の存在に影響されることなく対象地盤を改良することができる。
【0022】
また、地盤に対して水平方向に地盤改良材を圧入するので、地表部の既設構造物が圧入の妨げになることはなく、改良対象地盤内の必要な位置に注入管を行き渡らせることができる。その結果、所望の位置に固結体を造成できるので、未改良部分を残すことがない。よって、既設構造物に手を加えることができない場合等においても、対象地盤の全域に亘って必要な改良を施すことができ、所望の締固め効果を地盤に与えることができる。
【0023】
また、地盤に対して水平方向に地盤改良材を圧入するので、地表部の既設構造物に孔を開ける必要がない。したがって、既設構造物を傷めることなく施工できる。
【0024】
また、本発明によれば、供用中の滑走路や誘導路等の直下の地盤を改良する場合において、滑走路等の脇に立坑を造成し、その立坑内から水平に改良材を圧入することができる。したがって、空港において飛行機の離着陸を妨げることなく施工することが可能になるので、運航時間の内外を問わず施工が可能となり、緊急を要する空港の液状化対策工事の工期短縮を図ることが可能になる。また、緊急時に施工機械を退避させる必要もなくなる。
曲線(自在)ボーリングを併用した場合には、立坑も不要となるため、さらに工期短縮を図ることが可能になり、施工コストも低減できる。
【0025】
また、本発明によれば、複数段の固結体群を造成するにあたって、上段側の固結体群を下段側の固結体群よりも先行して造成するようになっている。このように、浅い深度から深い深度へ向かう順序で固結体群を造成することにより、先行して造成した上位の固結体群が、後行して造成される下位の固結体群に対して上から覆い被さり、自重で押さえつけるように作用する。したがって、後行して造成される固結体群の影響が地表面へ伝わり難く、従来のトップダウン方式と同様に、地盤の隆起を抑制できるといった効果が得られる。また、地盤隆起を抑制できる結果、改良対象地盤の密度が増大するので、より高い締固め効果を得ることができる。
しかも、本発明では地盤改良材を水平方向に圧入するので、上位の固結体群(造成済みの固結体群)が、下位の固結体群の造成の妨げとなることはない。すなわち、従来のように、下位の固結体群の造成の際に、上位の固結体群を削孔する必要がない。したがって、従来のトップダウン方式では同じ圧入ポイントでの度重なる再削孔に起因して工期が長期化していたが、本発明では、そのような再削孔が不要となるため、その分工期を短縮できる。
よって、本発明によれば、従来のトップダウン方式と同様に、地盤の隆起を抑制でき、その上、トップダウン方式に比べて工期を大幅に短縮できる結果、施工コストを低減できるといったメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態に係る固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である。
【図3】本発明の変形例に係る固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である。
【図4】本発明の変形例に係る固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である。
【図5】本発明の変形例に係る固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である。
【図6】曲線(自在)ボーリングを併用して本発明を実施する場合の施工態様の一例を示す図である。
【図7】模型土槽を用いて実施した実験結果を示すグラフである。
【図8】模型土槽を用いて実施した実験結果を示すグラフである。
【図9】模型土槽を用いて実施した実験結果を示すグラフである。
【図10】従来のコンパクショングラウチング工法の施工態様の概略を示す図である。
【図11】従来のコンパクショングラウチング工法による固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である。
【図12】従来のコンパクショングラウチング工法による固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である。
【図13】従来のコンパクショングラウチング工法のボトムアップ方式を示す図である。
【図14】従来のコンパクショングラウチング工法のトップダウン方式を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の水平締固め工法は、静的圧入締固め工法を利用して既設構造物直下の地盤を改良する方法である。
【0028】
はじめに、本発明を説明する上で用いる主な用語について以下のとおり定義する。
「圧入」とは、地盤を押し広げる圧力で地盤改良材を地盤内に注入することをいう。
「地盤改良材」とは、圧入後に地盤内で浸透したり脈状注入されることなく、一定のマスの中で塊として固結体を形成できるものをいう。なお、前記定義のとおりの作用を発揮できる限り、本発明で用いる地盤改良材の組成や流動特性は特に限定されない。ただし圧入する地盤改良材には、地盤を押し広げて、その状態を維持することが求められるため、非流動性又は極めて流動性の低い自己硬化性の材料(例えば、固化材、特殊骨材、水を所定の割合で混合したモルタル)を用いることが好ましい。かかる「流動性の低い」材料には、地盤に圧入する段階で既に流動性が低いものが含まれることは勿論、圧送ホースや注入管の中を圧送している段階では流動性が低いとはいえないが、地盤内に圧入された後に脱水によって(又は径時的に)流動性が低くなるものも含まれる。出願人の経験によれば、地盤改良材のスランプ値が7cm以下、好ましくは5cm以下であれば、軟弱地盤や砂れき層であっても改良材で割裂脈を形成したり地盤を破壊することなく、地盤を押し広げて密度を増加させることができることが確認されている。この場合の「スランプ値が7cm以下」の材料には、圧入する段階で既にスランプ値7cm以下の材料が含まれ、また、地盤内に圧入された後に流動性を失ってスランプ値7cm以下に至る材料も含まれる。以下、地盤改良材について「改良材」と略称する。
「固結体」とは、圧入した改良材が地盤内の一定のマスの中で固結したものであって、周辺地盤を圧縮し締固める略球根状の塊をいう。なお、地盤内で浸透する材料や脈状固結する材料を用いた場合には、固結体の造成が完全に阻害され、静的締固め工法として成立しなくなるので、この点に留意する必要がある。
「固結体群」とは、複数の固結体が一列に連なって構成される1本の改良体をいう。本発明において固結体群は、水平方向に造成配置されている。従来のCPG工法では、固結体群は、鉛直方向又は斜め方向に造成配置されている。
【0029】
以下、「静的圧入締固め工法」の代表例としてコンパクショングラウチング工法(CPG工法)を挙げ、「既設構造物」の代表例として既設石油タンクを挙げ、また、施工条件の代表例として立坑がある場合を挙げ、図1〜図6に基づいて本発明の実施形態について説明する。
なお、図1〜図5において、(A)(B)(C)はそれぞれ、改良対象地盤内に造成された固結体群の配置を示す斜視図、断面図、平面図である((A)(C)は地盤内を透視した様子を示す)。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る水平締固め工法の施工態様を示している。本実施形態では、既設石油タンク直下の地盤に対してCPG工法を施工する。図1において、既設石油タンクの直下には、施工エリアが矩形で所定深度の地盤領域が図示されており、本実施形態ではこの領域を改良対象地盤とする。
【0031】
施工にあたって、はじめに改良対象地盤の隣接位置を掘削し、改良対象地盤に対し一定距離を隔てて対向する立坑5を造成する。立坑5は、図1(C)に示すように、所定厚さの非改良地盤を挟んで、改良対象地盤の側面側と向かい合っている。立坑5の造成が完了したら、立坑内に、削孔・圧入用の機材を固定するための櫓を構築する。
【0032】
立坑内での櫓の構築が完了したら、ボーリングマシンを用意し、立坑内の所定の削孔ポイントに注入管(削孔注入ロッド)をセットする。続いて、立坑の所定削孔ポイントから改良対象地盤の奥へ向けて、注入管(削孔注入ロッド)を複数本継ぎ足しながら水平に削孔する。注入管のサイズは特に限定されないが、例えば、1ロッドの長さが1〜3m、直径が5〜10cmのものを複数本(削孔長分)用いる。
【0033】
水平に削孔を続け、注入管の先端開口部が、改良対象地盤の奥にある所定の圧入開始位置に到達したら、削孔を止め、注入管からボーリングマシンを切り離す。次に、注入管に注入管リフト装置をセットするとともに、改良対象地盤に貫入させた注入管の一端を、流量圧力監視装置および圧送ホースを介して特殊注入ポンプに接続する(図10参照)。そして、特殊注入ポンプによる圧送を開始すると、特殊注入プラントで用意された改良材が、圧送ホース、流量圧力監視装置、注入管を介して、該注入管の先端開口部から改良対象地盤内に圧入される。
【0034】
改良材の圧入の工程では、流量・圧力を適宜コントロールしながら改良材の圧入と注入管の引き抜きとを繰り返す。注入管の水平方向の引き抜きは、例えば1mにつき3ステップ行う。1ステップ分の圧入によって、固結体1個分の改良材が地盤に圧入される。1ロッド分の引き抜きが完了したら、立坑5の側で抜き出た1ロッド分の注入管を切り離し、再び圧送ホースを接続し、同様の圧入と引き抜きを繰り返す。
【0035】
上述した圧入と水平方向の引き抜きを、改良範囲内の所定長さに亘って繰り返すと、既設石油タンク直下の改良対象地盤に対して水平方向に改良材が圧入される。その結果、該改良材からなる複数の固結体1が水平方向に連なって構成される1本の固結体群2が造成される。固結体群をなす各固結体1は、前後の固結体と相互に結合している。
【0036】
上述した削孔・圧入工程(固結体群1本を造成するための工程)を繰り返して、はじめに最上段に配置すべき複数列の固結体群2を先行して造成する。その後は、浅い深度から深い深度へ向かう順序で各段毎に固結体群を造成する。その結果、固結体群2が同深度上に複数列造成されるとともに、複数列の固結体群が深度方向に複数段造成される。図1に示す実施例では、横方向に7列並ぶ固結体群2が、縦方向に6段造成されている。
【0037】
以上の工程を経て、図示するように全ての固結体群の造成が完了したら、施工機材を立坑5から撤去し、立坑を埋め戻して施工が完了する。
【0038】
なお、上述した削孔・圧入の工程は、1箇所に限らず、複数個所で同時並行的に実施することも可能である。
また、図6に示すように、曲線(自在)ボーリングを併用しての施工も可能であり、この場合には立坑は不要となる。
固結体群の造成の順序は上述した態様に限定されないが、はじめに最上段の固結体群を造成することが好ましく、さらに、上段側の固結体群を下段側の固結体群よりも先行して造成することがより好ましい。
【0039】
施工が完了すると、本発明の地盤改良構造が完成する。図1に示す地盤改良構造は、改良材からなる複数の固結体が水平方向に連なってなる固結体群を、同深度上に複数列有するとともに、深度方向に複数段有している。地盤改良構造を構成する各固結体は、地盤内において周辺地盤を圧縮して該地盤を締固めている。このような地盤改良構造によれば、固結体群間の地盤において、各固結体群による締固め作用が干渉するので、固結体群の間における地盤の密度と強度が増大する。
【0040】
上述した本発明の水平締固め工法によれば、施工にあたって、既設構造物直下の地盤に対して水平方向に地盤改良材を圧入するようになっている。したがって、手を加えることができない構造物や、内部に施工機材を設置できない構造物(既設石油タンクなど)が、改良対象地盤の上にあっても、当該既設構造物の存在に影響されることなく対象地盤を改良することができる。
【0041】
また、地盤に対して水平方向に地盤改良材を圧入するので、地表部の既設構造物が圧入の妨げになることはなく、改良対象地盤内の必要な位置に注入管を行き渡らせることができる。その結果、所望の位置に固結体を造成できるので、未改良部分を残すことがない。よって、既設構造物に手を加えることができない場合等においても、対象地盤の全域に亘って必要な改良を施すことができ、所望の締固め効果を地盤に与えることができる。
【0042】
また、上述した水平締固め工法によれば、複数段の固結体群を造成するにあたって、上段側の固結体群を下段側の固結体群よりも先行して造成するようになっている。このように、浅い深度から深い深度へ向かう順序で固結体群を造成することにより、先行して造成した上位の固結体群が、後行して造成される下位の固結体群に対して上から覆い被さり、自重で押さえつけるように作用する。したがって、後行して造成される固結体群の影響が地表面へ伝わり難く、従来のトップダウン方式と同様に、地盤の隆起を抑制できるといった効果が得られる。また、地盤隆起を抑制できる結果、改良対象地盤の密度が増大するので、より高い締固め効果を得ることができる。
しかも、本発明では地盤改良材を水平方向に圧入するので、上位の固結体群(造成済みの固結体群)が、下位の固結体群の造成の妨げとなることはない。すなわち、従来のように、下位の固結体群の造成の際に、上位の固結体群を削孔する必要がない。したがって、従来のトップダウン方式では同じ圧入ポイントでの度重なる再削孔に起因して工期が長期化していたが、本発明では、そのような再削孔が不要となるため、その分工期を短縮できる。
よって、従来のトップダウン方式と同様に、地盤の隆起を抑制でき、その上、トップダウン方式に比べて工期を大幅に短縮できる結果、施工コストを低減できるといった経済的メリットがある。
【0043】
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態に係る本発明の施工態様を示している。
第2実施形態と第1実施形態の相違点は、改良材の圧入位置と、施工後の固結体群の配置にあり、他の点において同一である。以下、相違点について説明する
【0044】
上述した第1実施形態では、改良材の圧入に際し、複数列・複数段の固結体群の縦断面が全体として格子状配置となるように(図1(B)参照)、改良材を圧入している。このように格子状に固結体群を造成配置した場合、最上段の固結体群の真上に位置する地盤に隆起が集中し、地表面が波打って凸凹になる虞がある。
【0045】
そこで第2実施形態では、改良材の圧入に際し、複数列・複数段の固結体群の縦断面が全体として千鳥配置となるように、上段側(又は下段側)の固結体群に対して圧入位置をずらして改良材を圧入する。すなわち、図2(B)に示すように、向かい合う上下2段の固結体群を、相互に1/2列分シフトさせて配置している。このように段毎に固結体群の配置(削孔・圧入ポイント)をずらすことにより、最上段の固結体群の真上に地盤隆起が集中することはなく、地表面が波打つ事態を回避できる。
【0046】
(変形例)
本発明の実施態様は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で様々な改変が可能である。例えば、以下のような変形例を採用することも可能である。
【0047】
図1,図2に示す実施形態では、各段における固結体群の水平配置間隔(同深度における複数列の固結体群の配置間隔)は、その上段側および下段側の固結体群の水平配置間隔と同じである。しかしながら、固結体群の水平配置間隔は、必ずしもすべての段で同じである必要はなく、深度に応じて変えるようにしてもよく、また、段毎に水平配置間隔を変えるようにしてもよい。同様に、深度に応じて、各固結体群の換算改良径を変えるようにしてもよい。「換算改良径」とは、固結体量を均一な円柱と仮定した場合の固結体群の直径をいう。
【0048】
例えば、図3に示すように改良対象地盤を上段側と下段側の2領域に分け、上段側にある各段の固結体群の水平配置間隔を、下段側にある各段の固結体群の水平配置間隔よりも狭くしてもよい。図示する実施例では、上段側の各段の固結体群は、距離x1の水平配置間隔で配置され、下段側の各段の固結体群は、距離x2(x2>x1)の水平配置間隔で配置されている。これにより、改良対象地盤の比較的浅い深度領域(上段側)において、固結体群が狭い水平配置間隔でより多く配置される。
【0049】
また、固結体群の水平配置間隔は特に限定されるものではなく、地盤の特性や改良目的、目標改良率などに応じて最適な間隔に設定することが可能である。「改良率」とは、改良対象域に対する固結体量の割合をいう。
例えば、図4に示すように、千鳥配置した固結体群の水平配置間隔を、各固結体群の換算改良径よりも狭くしてもよい。図示する実施例では、同深度における固結体群の水平配置間隔x1は、各固結体の換算改良径Dの2倍より小さく設定されている。図2に示すような千鳥配置を採用する場合に、図4に示すような間隔で固結体群を配置することにより、上段下段の固結体群が鉛直方向において一定距離隔てて相互に干渉し合うことになる。その結果、改良対象地盤に対してより高い耐震性を付与することができる。
【0050】
また、固結体群の縦間隔(上下方向の配置間隔)と横間隔(水平配置間隔)は特に限定されるものではなく、地盤の特性や改良目的、目標改良率などに応じて最適な間隔に設定することが可能である。
例えば、図2に示す千鳥配置の固結体群の配置を改変して、図5に示すように、水平配置間隔を1/2に設定し、縦間隔を2倍に設定(すなわち図2の態様において2段毎に1段分の固結体群を間引くような配置に)することも可能である。
【0051】
なお、上述した変形例は、削孔・圧入ポイントと改良材の圧入量を適宜変更又は増減することにより実施できる。
【0052】
(応用例)
本発明は既設構造物直下の地盤を改良する方法に関するものであるが、「既設構造物」は上述した既設石油タンクに限定されるものではなく、あらゆる種類の「既設構造物」が含まれる。その中には、内部に施工機材を設置できない構造物や、手を加えることが許されない構造物が含まれることは勿論、交通の妨げとなる事態を回避する観点から施工に時間的制限を課せられる既設構造物(道路や滑走路等)も含まれる。
【0053】
例えば、空港等において施工が許される時間は、運航時間外の深夜の3時間〜4時間程度であり、このような限られた時間で、滑走路直下の地盤に対して従来工法による液状化対策を施すには、数年の工期を要することとなる。
このような供用滑走路直下の地盤に対して本発明を実施する場合には、滑走路から一定距離隔てた位置において、滑走路直下の地盤と対向する立坑を掘削する。そして、立坑内に施工機材を設置し、改良対象地盤(滑走路直下の地盤)に対して水平方向に改良材を圧入し、水平配置の固結体群を複数列・複数段造成する。固結体群の造成手順は、前述した手順と同様であり、上から下への順序で施工することが好ましい。
また、図6に示すような自在(曲線)ボーリングを併用しても本発明の実施は可能であり、この場合には、立坑も不要となるため、さらに工期短縮を図ることが可能になり、施工コストも低減できる。
したがって、本発明を供用滑走路等の直下の地盤改良に応用した場合には、空港における飛行機の離着陸を妨げることなく施工することが可能になるので、運航時間の内外を問わず施工が可能となり、緊急を要する空港の液状化対策工事の工期短縮を図ることが可能になる。
【実施例】
【0054】
図7〜図9に、模型土槽を用いて実施した注入実験の結果を示す。
図7〜図9において、各プロットの内容は以下の通りである。
◇:従来技術による鉛直施工
△:本発明による水平施工(下段→上段の順序で固結体群を造成)
▼:本発明による水平施工(上段→下段の順序で固結体群を造成)
【0055】
(実験1)
模型土槽を対象に改良率10%の改良を行い、全てのケースで同じ量の注入を行った。
実験結果を図7及び図8に示す。
【0056】
図7は、施工時に発生する鉛直変位(地盤の隆起)を計測した結果を示している。同図において、横軸は模型土槽全体に対する改良率を示しており、縦軸は鉛直変位を示している。
図7に示す結果から、従来技術と比較した本発明の有利な効果として以下の点が確認できる。
1)従来技術による鉛直施工よりも、本発明による水平施工の方が地盤の隆起が小さい。
2)水平施工のケース同士を比較すると、上段を先行したケースの方が地盤の隆起がより小さくなる。
【0057】
図8は、図7の縦軸を密度の増分で表したものを示している。同図は、図7に示す結果で隆起が小さかったケースほど、密度の増加が大きく、改良効果が高いことを表している。
図8に示す結果から、従来技術と比較した本発明の有利な効果として以下の点が確認できる。
1)従来技術による鉛直施工よりも、本発明による水平施工の方が地盤の密度増加が大きい。
2)水平施工のケース同士を比較すると、上段を先行したケースの方が密度増加が大きい(改良効果が大きい)。
【0058】
(実験2)
振動台(地震を発生させる装置)により模型土槽に地震を生じさせ、未改良、従来技術、本発明の各ケースについて改良効果を確認した。また、土中には間隙水圧計(土粒子間の水圧を計測するもの)を設置し、液状化の発生を確認した。
実験結果を図9に示す。
【0059】
図9において、縦軸は深度、横軸は加速度であり、加速度が大きなものほど大きな地震であることを表している。すなわち、右に位置しているものほど、規模の大きな地震に対して液状化が起こり難いことを表している。
【0060】
図9に示す結果は、上記実験1で確認された改良効果と相関のとれた結果となっており、密度増分の大きなもの(隆起の小さいもの)ほど、液状化が起こり難いことが確認できる。
また本実験結果より、水平施工の上段から施工したものが、最も改良効果が大きい結果が得られることが確認できる。
【0061】
(実験結果まとめ)
以上の実験結果より、水平方向に施工する本発明は、鉛直方向に施工する従来技術に比べて、地盤の隆起抑制の点で優れており、その分、改良対象地盤の密度をより増大できることが確認された。よって本発明によれば、従来技術に比べて、より高い締固め効果を得ることができることが分かる。
また、本発明によって造成される地盤改良構造が、従来技術で造成された地盤改良構造と比較して、高い締固め効果を有し、液状化防止対策として優れていることが確認された。
さらに、本発明によって水平施工する場合でも、上段側を先行して造成した方が、より優れた改良効果が得られることが確認された。
【符号の説明】
【0062】
1 固結体
2 固結体群
5 立坑
11 注入管(削孔注入ロッド)
13 注入管リフト装置
15 流量圧力監視装置
19 圧送ホース
21 特殊注入ポンプ
23 特殊注入プラント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静的圧入締固め工法を利用して既設構造物直下の地盤を改良する方法であって、
既設構造物直下の地盤に対して水平方向に地盤改良材を圧入する
ことを特徴とする水平締固め工法。
【請求項2】
静的圧入締固め工法を利用して既設構造物直下の地盤を改良する方法であって、
既設構造物直下の地盤に対して水平方向に地盤改良材を圧入して、該地盤改良材からなる複数の固結体が水平方向に連なって構成される固結体群を造成し、
前記固結体群の造成工程を繰り返して、前記固結体群を深度方向に複数段造成し、
前記複数段の固結体群を造成するにあたって、上段側の固結体群を下段側の固結体群よりも先行して造成する
ことを特徴とする水平締固め工法。
【請求項3】
既設構造物直下の地盤に対して水平方向に地盤改良材を圧入して、該地盤改良材からなる複数の固結体が水平方向に連なって構成される固結体群を造成し、
前記固結体群の造成工程を繰り返して、前記固結体群を同深度上に複数列造成するとともに、複数列の固結体群を深度方向に複数段造成し、
前記複数列・複数段の固結体群の縦断面が全体として千鳥配置となるように、上段側又は下段側の固結体群に対して圧入位置をずらして地盤改良材を圧入する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の水平締固め工法。
【請求項4】
前記複数列の固結体群の水平配置間隔に関し、
上段側にある複数列の固結体群の水平配置間隔を、
下段側にある複数列の固結体群の水平配置間隔よりも狭くする
ことを特徴とする請求項3記載の水平締固め工法。
【請求項5】
前記複数列の固結体群の水平配置間隔を、各固結体群の換算改良径の2倍よりも狭くすることを特徴とする請求項3又は4記載の水平締固め工法。
【請求項6】
地盤に圧入された地盤改良材からなる複数の固結体を含んで構成され、地盤内において周辺地盤を圧縮して該地盤を締固める地盤改良構造であって、
地盤改良材からなる複数の固結体が水平方向に連なってなる固結体群を、同深度上に複数列有するとともに、深度方向に複数段有することを特徴とする地盤改良構造。
【請求項7】
前記複数列・複数段の固結体群の縦断面が全体として千鳥配置となるように、各固結体群が配置されていることを特徴とする請求項6記載の地盤改良構造。
【請求項8】
上段側にある複数列の固結体群の水平配置間隔が、
下段側にある複数列の固結体群の水平配置間隔よりも狭い
ことを特徴とする請求項6又は7記載の地盤改良構造。
【請求項9】
前記複数列の固結体群の水平配置間隔が、各固結体群の換算改良径の2倍よりも狭い
ことを特徴とする請求項6、7又は8記載の地盤改良構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−149475(P2012−149475A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10738(P2011−10738)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(501241911)独立行政法人港湾空港技術研究所 (84)
【出願人】(505477338)
【出願人】(391019740)三信建設工業株式会社 (59)
【出願人】(390001993)みらい建設工業株式会社 (26)
【出願人】(392012261)東興ジオテック株式会社 (28)
【出願人】(393003505)復建調査設計株式会社 (13)
【Fターム(参考)】