説明

水性インクジェット記録インク

【課題】顔料及び定着樹脂を含有し、インク保存性及び射出安定性に優れ、かつ高い耐久性を有する画像を形成することができる水性インクジェット記録インクを提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物、顔料及び定着樹脂を含有することを特徴とする水性インクジェット記録インク。
一般式(1) R−(J)−(L)
〔式中、Rは炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、nは2以上、150未満の整数、mは0または1を表す。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料及び定着樹脂を含有する水性インクジェット記録インクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業用途のインクジェット記録インクとして、塩化ビニルシートなどの非吸収性記録媒体上に直接印字できるインクジェット記録インクが、近年開発されている。これらのインクジェット記録インクとしては、例えば、有機溶剤をビヒクルとした溶剤型インクジェット記録インクや、重合性モノマーを主成分とする活性光線硬化型インクジェット記録インク等が挙げられる。溶剤型インクジェット記録インクは、溶剤を乾燥させて大気中にそれらを蒸発させるため、近年において社会的な問題となっているVOC(揮発性有機化合物)が多いという課題がある。また、作業者に対しても、臭気や安全上の影響が懸念され、十分な換気等の設備対応が必要となる。一方、活性光線硬化型インクジェット記録インクは、印字後直ちに硬化させる方式であり、VOCの発生はゼロに近いが、使用するモノマーによっては、皮膚感作性を有するものがあり、多くの課題を抱えており、また、比較的高価な活性光線照射光源をプリンタ内に組み込むという制約があり、印刷分野で実用化するという観点では課題を残しているのが現状である。加えて、光沢を有するシート等に印字した場合、著しく光沢感が損なわれてしまうという課題を抱えているのが現状である。
【0003】
このような状況において、環境負荷が少なく、従来からホーム用途として広く使用されている水を主成分とする水性インクジェット記録インクを用いて、直接、非吸水性記録媒体に印字できるインクジェット記録インクの開発が盛んに行われている。
【0004】
一般に、非吸水性記録媒体に印字し、十分な耐久性を有する画像を形成するには、インク中に定着樹脂(バインダー樹脂ともいう)を添加することが必要である。定着樹脂としては、例えば、特開2000−44858号公報、特開2006−249393号公報等で、水溶性アクリル樹脂や水溶性樹脂を添加した技術が公開されている。
【0005】
定着樹脂を水系インク中に溶解して添加することは、以下の利点を有する。一つは、定着樹脂自体が基材上で乾燥する過程で製膜することにより、透明感の高い塗膜を形成しやすく、高い光沢で光学濃度の高い画像を得ることができる。また、定着樹脂が水系インクもしくは、プリンタ部材の洗浄等に用いられる水系洗浄液に再溶解しやすいので、プリンタ内でインクが乾燥、固化した場合も、定着樹脂が水系インクあるいは水系洗浄液で洗浄することにより溶解、除去することが可能である。すなわち、定期的な洗浄メンテナンスをすることにより、長期にわたりノズル欠や曲がりの少ない安定な画像を得ることができるが、一方では、画像の耐久性、特に溶剤での洗浄などで画像が取れてしまい、基材によっては十分な接着性が得られず強くこすることで画像が取れてしまうことである。また、十分な画像耐久性を得る観点からは、添加する定着樹脂量の必要量が自ずと決定されてくる。その定着樹脂の必要量は、インク中での含有比率として決定される場合もあるが、色材として使用されている顔料の添加量との関係で決まる場合もある。
【0006】
本発明者らは、この様な状況において、定着樹脂のインク中での添加量を増加していくに従って、インクの保存安定性や射出安定性が劣化していくことが判明した。更に検討を進めた結果、十分な画像耐久性を得ることが可能な定着樹脂を添加したインクにおいて、高いインク保存性、射出安定性を得る観点からは、顔料分散剤の選択が重要な要素であることが判明した。
【0007】
インクに適用する顔料分散剤として、部分構造に含オキシアルキレン鎖を含有する高分子分散剤を含有する水性顔料分散物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、特許文献1に記載の高分子分散剤を顔料及び定着樹脂を含有する水性インクジェット記録インクに適用した場合には、インク保存性、プリンタからの射出安定性が不十分であることが判明した。
【0008】
一方、カチオン性基を有する高分子分散剤を用いた水不溶性色剤分散体が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、特許文献2に記載されているカチオン性基を有する高分子分散剤を、顔料及び定着樹脂を含有する水性インクジェット記録インクに適用した場合には、同じくインク保存性、プリンタからの射出安定性が不十分であることが判明した。
【0009】
従って、定着樹脂を含有する水性インクジェット記録インクにおいて、十分な画像耐久性と、インク保存性及び射出安定性の両立を達成することができる技術開発が切望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−79209号公報
【特許文献2】特開2009−263626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、顔料及び定着樹脂を含有し、インク保存性及び射出安定性に優れ、かつ高い耐久性を有する画像を形成することができる水性インクジェット記録インクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
【0013】
1.下記一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物、顔料及び定着樹脂を含有することを特徴とする水性インクジェット記録インク。
【0014】
一般式(1)
R−(J)−(L)
〔式中、Rは炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、nは2以上、150未満の整数、mは0または1を表す。〕
2.前記一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする前記1に記載の水性インクジェット記録インク。
【0015】
一般式(2)
(R−(J)−(L)−)(R
〔式中、Rは炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、Rは水素原子またはアルキル基を表し、Xは対イオンを表す。nは2以上150未満の整数を表し、mは0または1を表し、pは1または2を表し、qは2または3を表し、p+qは4である。〕
3.前記定着樹脂の含有量が、前記顔料の1.0倍以上、10倍未満であることを特徴とする前記1または2に記載の水性インクジェット記録インク。
【0016】
4.低表面張力溶剤を、5.0質量%以上、30質量%未満含有し、かつシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の水性インクジェット記録インク。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、顔料及び定着樹脂を含有し、インク保存性及び射出安定性に優れ、かつ高い耐久性を有する画像を形成することができる水性インクジェット記録インクを提供することができた。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0019】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、前記一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物、顔料及び定着樹脂を含有することを特徴とする水性インクジェット記録インクにより、インク保存性及び射出安定性に優れ、かつ高い耐久性を有する画像を形成することができる水性インクジェット記録インクを実現することができることを見出し、本発明に至った次第である。
【0020】
以下、本発明の水性インクジェット記録インクの詳細について説明する。
【0021】
〔一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物〕
本発明の水性インクジェット記録インク(以下、単にインクともいう)においては、下記一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物を用いることを特徴とする。
【0022】
一般式(1)
R−(J)−(L)
上記一般式(1)において、Rは炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、nは2以上、150未満の整数、mは0または1を表す。
【0023】
Rで表される炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、さらに置換基を有してもよい。また、Rで表される炭素原子数が8以上、30以下のアリール基は、置換基を有してもよい。
【0024】
Rで表される基の好ましい例としては、n−C17−、n−C1225−、n−C1429−、n−C1633−、n−C1837−を挙げることができる。
【0025】
Lはオキシアレキレン基を表し、例えば、−OCHCH−、−OCHCHCH−、−OCH(CH)CH−、−OCHCH(CH)−などが好ましい例として挙げることができる。Jは結合可能な連結基であり、例えば、カルボニル基、チオカルボニル基などを表す。
【0026】
nは2以上、150未満の整数を表すが、好ましくは、10以上、100未満の整数である。mは0または1を表すが、好ましくは0である。
【0027】
一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物としては、4級アミン化合物であることが好ましい。
【0028】
本発明に係る一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
【0029】
一般式(2)
(R−(J)−(L)−)(R
上記一般式(2)において、Rは炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、Rは水素原子またはアルキル基を表し、Xは対イオンを表す。nは2以上150未満の整数を表し、mは0または1を表し、pは1または2を表し、qは2または3を表し、p+qは4である。
【0030】
で表される炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、さらに置換基を有してもよい。また、Rで表される炭素原子数が8以上、30以下のアリール基は、置換基を有してもよい。
【0031】
で表される基の好ましい例としては、n−C17−、n−C1225−、n−C1429−、n−C1633−、n−C1837−を挙げることができる。
【0032】
Lはオキシアレキレン基を表し、例えば、−OCHCH−、−OCHCHCH−、−OCH(CH)CH−、−OCHCH(CH)−などが好ましい例として挙げることができる。Jは結合可能な連結基であり、例えば、カルボニル基、チオカルボニル基などを表す。Rは水素原子またはアルキル基であるが、特にメチル基であることが好ましい。Xは対イオンを表し、例えば、ハロゲンイオン(塩素イオンなど)、酢酸イオンなどを挙げることができる。
【0033】
nは2以上150未満の整数を表し、mは0または1を表す。pは1または2を表し、好ましくは2である。qは2または3を表し、p+qは4である。
【0034】
以下、一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物、一般式(2)で表される化合物の一例を以下に示すが、本発明はこれら例示する化合物にのみ限定されるものではない。
【0035】
Ca−1:(n−C1837−(OC20(CHCl
Ca−2:(n−C1837−(OC40(CHCl
Ca−3:(n−C1837−(OC60(CHCl
Ca−4:(n−C1837−(OC80(CHCl
Ca−5:(n−C17−(OC40(CHCl
Ca−6:(n−C17−(OC80(CHCl
Ca−7:(n−C1837−(OC80)(CHCl
Ca−8:(n−C17−(OC80(C17Cl
Ca−9:(n−C1837−CO−(OC40(CHCl
Ca−10:(n−C1837−CO−(OC80(CHCl
Ca−11:(n−C3061−(OC20)(CHCl
【0036】
【化1】

【0037】
本発明に係る一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物は、従来公知の合成方法に従って合成することにより得ることができる。
【0038】
本発明に係る一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物は、顔料分散液の調製工程において、顔料と共に添加し顔料分散剤として機能させることが好ましい。
【0039】
本発明に係る一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物の水性インクジェット記録インクへの添加量は、0.5質量%以上、10質量%未満で用いることができる。更には、1.0質量%以上、5.0質量%未満で用いることが好ましい。
【0040】
また、本発明に係る一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物は顔料分散剤として機能する観点から、顔料に対して、10質量%以上、200質量%未満の量で用いることが好ましく。より好ましくは、30質量%以上、100質量%未満の範囲である。
【0041】
〔顔料分散剤〕
本発明に係る一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物を顔料分散剤として使用する場合、他の顔料分散剤を併用することができる。
【0042】
併用できる顔料分散剤としては、界面活性剤、高分子分散剤等が挙げられる。高分子分散剤としては、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
【0043】
具体的には、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、Anti−Terra−U(ビックケミージャパン社製)、Disperbyk(ビックケミージャパン社製)、Efka(Efka CHEMICALS社製)、フローレン(共栄社化学社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、デモール(花王社製)、ホモゲノール、エマルゲン(以上、花王社製)、ソルスパーズ(アビシア社製)、ニッコール(日光ケミカル社製)等が挙げられる。
【0044】
〔顔料〕
本発明のインクにおいては、色材として顔料を用いる。
【0045】
本発明に用いる顔料は水系で安定に分散できるものであればよく、本発明に係る一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物を顔料分散剤として用いて分散した顔料分散体の他、水不溶性樹脂で被覆されたカプセル顔料、顔料表面を修飾した分散樹脂を用いなくても分散可能な自己分散顔料等から選択することができる。
【0046】
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散手段を用いることができる。
【0047】
本発明において、顔料分散体の粗粒子分を除去する目的で、遠心分離装置あるいはフィルタを使用することも好ましい。
【0048】
また、水不溶性樹脂で被覆されたカプセル顔料を用いることができる。水不溶性樹脂とは、弱酸性ないし弱塩基性の範囲の水に対して不溶な樹脂であり、好ましくは、pH4ないし10の水溶液に対する溶解度が2%未満の樹脂である。
【0049】
このような水不溶性樹脂としては、アクリル系、スチレン−アクリル系、アクリロニトリル−アクリル系、酢酸ビニル系、酢酸ビニル−アクリル系、酢酸ビニル−塩化ビニル系、ポリウレタン系、シリコーン−アクリル系、アクリルシリコン系、ポリエステル系、エポキシ系の各樹脂を挙げることができる。また、水不溶樹脂として、疎水性モノマーと親水性モノマーを含有する樹脂を用いることができる。疎水性モノマーとしては、アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなど)、メタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジルなど)、スチレンなどをあげることができる。また、親水性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドなどが挙げられ、アクリル酸のような酸性基を有するものは、重合後に塩基で中和したものを好ましく用いることができる。
【0050】
水不溶性樹脂の分子量としては、重量平均分子量として3000から500000のものを用いることができる。好ましくは、7000から200000のものを用いることができる。
【0051】
水不溶性樹脂のTgは、−30℃から100℃程度のものを用いることができる。好ましくは、−10℃から80℃程度のものを用いることができる。
【0052】
重合方法としては、溶液重合、乳化重合を用いることができる。重合はあらかじめ顔料と別途合成しても良いし、顔料を分散した系内にモノマーを供給して、重合してもよい。
【0053】
顔料を水不溶性樹脂で被覆する方法としては、公知の各種方法を用いることができるが、好ましくは、転相乳化法や酸析法の他に、顔料を、重合性界面活性剤を用いて分散し、そこへモノマーを供給し、重合しながら被覆する方法等を選択することがよい。
【0054】
より好ましい方法としては、水不溶性樹脂をメチルエチルケトンなどの有機溶剤に溶解し、さらに塩基にて樹脂中の酸性基を部分的もしくは完全に中和した後、顔料およびイオン交換水を添加して分散したのち、有機溶剤を除去し、必要に応じて加水して調製する製造方法を挙げることができる。
【0055】
顔料と水不溶性樹脂の質量比率としては、顔料/水不溶性樹脂比で100/40〜100/150の範囲で選択することができる。特に、画像耐久性と射出安定性やインク保存性が良好なのは100/60から100/110の範囲である。水不溶性樹脂で被覆された顔料粒子の平均粒子径は、80〜150nm程度がインク保存安定性、発色性の観点から好ましい。
【0056】
また、自己分散顔料としては、表面処理済みの市販品を用いることもでき、例えば、CABO−JET200、CABO−JET300(以上、キャボット社製)、ボンジェットCW1(オリエント化学工業(株)製)等を挙げることができる。
【0057】
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
【0058】
具体的な有機顔料を以下に例示する。
【0059】
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0060】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0061】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0062】
〔定着樹脂〕
本発明に用いることができる定着樹脂は、インクに溶解しているもの、インク中に分散しているものの双方を用いることができる。
【0063】
インクに溶解しているものの例としては、水溶性樹脂を用いることができる。水溶性樹脂とは、10質量%以上が水に溶解するものであり、水溶性樹脂組成としては種々のものを用いることができる。
【0064】
一般的な水溶性アクリル樹脂はもとより、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリアミド樹脂、水溶性ポリエーテル樹脂、水溶性ポリビニルアルコール、水溶性ポリビニルピロリドンを用いることができる。
【0065】
水溶性樹脂は水溶性になるよう、カルボン酸基、スルホン酸基などのアニオン性基を樹脂内に部分構造として有することができる。また、ポリオキシアルキレン基などのノニオン性基を水溶性樹脂内に部分構造として有することもできる。
【0066】
水溶性樹脂の重量平均分子量は1000以上10万以下の範囲から選択することが好ましい。より好ましくは、5000以上7万以下である。また、水溶性樹脂のガラス転移温度は、室温以下のものから150℃以下のものを用いることができる。好ましくは、0℃から100℃のものを用いることができる。
【0067】
上記の水溶性樹脂は、単独で用いてもよいし、複数種のものを併用してもよい。
【0068】
水溶性樹脂として特に好ましいのは、水溶性アクリル樹脂である。
【0069】
水溶性アクリル樹脂としては、以下のものを特に好ましく用いることができる。アクリル樹脂をはじめとするビニル系共重合樹脂は、周知のごとく非常に多数のモノマーから自由に設計することができ、重合がし易く、また低コストで製造できるという利点を有している。特に、先に述べたように、インクに添加する際に求められる多数の要求に答えるには、設計自由度の大きいアクリル樹脂が適している。
【0070】
酸価としては、50mgKOH/g以上、120mgKOH/g未満が好ましい。酸価は樹脂のインク溶解性に大きく影響し、また、メンテナンス性にも大きく影響する。酸価はその定義の通り、カルボキシル基などの酸性基の量を表し、酸価が高いほど酸性基は多い。水溶性アクリル樹脂がインクに溶解するメカニズムとしては、本発明者らの検討によると、樹脂の酸性基の乖離に伴う水溶性の部分と、樹脂中のノニオン性の親水性構造部分及びインク中の有機溶剤の可溶化促進が主なものである。この中でも特に樹脂の酸性基の乖離に伴う水溶性の部分の役割が大きく、すなわち酸価は樹脂のインク溶解性に大きく影響する。
【0071】
酸価が高いほど、インクが乾燥や固化した場合にメンテナンスしやすいが、その反面、水溶性アクリル樹脂自身の皮膜は脆弱になる。すなわち、水溶性アクリル樹脂の酸価としては、50mgKOH/g未満ではメンテナンス性が不十分であり、120mgKOH/g以上では十分な皮膜強度が得られない。
【0072】
酸価の調整は、酸性分の導入量を調整することで行うことができる。
【0073】
水溶性アクリル樹脂の重量平均分子量としては、20000以上、100,000以下であることが好ましい。20000以下では、インク分散性樹脂と併用したとしても十分強固な皮膜が形成できない。また、100,000より大きい場合、インクの粘度が高くなりすぎ安定に射出することができない。
【0074】
中でも、アルキル基の炭素数が2〜8のアクリル酸アルキルエステルもしくはアルキル基の炭素数が2〜8のメタクリル酸アルキルエステルを含み、アルキル基の炭素数が2〜8のアクリル酸アルキルエステルもしくはアルキル基の炭素数が2〜8のメタクリル酸アルキルエステルの総量が、水溶性アクリル樹脂組成中で10質量%以上80質量%未満の水溶性アクリル樹脂が好ましい。
【0075】
本発明者らの検討では、アルキル基の炭素数が2〜8のアクリル酸アルキルエステルもしくはアルキル基の炭素数が2〜8のメタクリル酸アルキルエステルを含み、アルキル基の炭素数が2〜8のアクリル酸アルキルエステルもしくはアルキル基の炭素数が2〜8のメタクリル酸アルキルエステルの総量が10質量%以上、80質量%未満の場合、塩化ビニルなどの非吸収性基材に対して特に高い画像耐久性を得るのに特に有効である。
【0076】
アルキル基の炭素数が2〜8のアクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸cyclo−ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
【0077】
アルキル基の炭素数が2〜8のメタクリル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸cyclo−ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
【0078】
これらは、アルキル基の炭素数が9以上のアクリル酸アルキルエステルもしくはアルキル基の炭素数が9以上のメタクリル酸アルキルエステルに比べて、射出がより安定で、メンテナンス性に特に優れている。
【0079】
水溶性アクリル樹脂は、インク中に安定に溶解するために、酸性基部分の全部あるいは一部をアルカリで中和したモノマーを用いることができる。中和塩基としては、アルカリ金属含有塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等や、アミン類(例えば、アンモニア、アルカノールアミン、アルキルアミン等)を用いることができる。特に、沸点が200℃未満のアミン類で中和することは、画像耐久性を向上することができる観点から好ましく、特に、アンモニアで中和した酸モノマーは、印字した後の乾燥性が速く、プリント後、直ちに印字物を重ねることができ、加えてインク混じりを防止できる観点からも好ましい。また、対塩としてN,N−ジメチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、N−メチルアミノエタノールを用いることは、射出安定性上好ましい。
【0080】
その他、市販の樹脂で以下のものを用いることもできる。例えば、BASF社製のJONCRYLシリーズのJONCRYL67、678、586、611、680、682、683、690、819、JDX−C3000、JDX−C3080、52J、57J、60J、PDX6650、61J、62J、63J、70J、HPD−96J、PDX−6137A、501J、354J、6610、JDX−6500、PDX−6102B、PDX6124、JDX−6108等を挙げることができる。
【0081】
次に、インク分散性樹脂について説明する。
【0082】
インク分散性樹脂としては、疎水性樹脂を、界面活性剤を使用してインク中に分散したもの、あるいは、酸性モノマー由来の部分で分散可能とするいわゆるソープフリータイプを用いることができる。また、樹脂は溶液系などで重合したものをインク中に分散するものであっても良いし、いわゆるエマルジョン重合により重合したものでもよい。
【0083】
インク分散性樹脂としては、アクリル樹脂などのビニル系樹脂が好ましいが、他にポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン系樹脂あるいはこれらの複合樹脂をもちいることができる。
【0084】
インク分散樹脂の粒子径としては、平均粒子径が、20nm程度のものから300nm程度のものを用いることができる。好ましくは、記録剤の顔料の平均粒子径の1/2程度から2倍程度のものを用いることが本発明の効果上好ましい。
【0085】
インク分散樹脂のガラス転移温度としては、30℃以上、100℃未満のものを用いることができる。
【0086】
インク分散樹脂の酸価としては、60gKOH/g未満のものを用いることが好ましい。
【0087】
インク分散樹脂は、その構造中に部分的に架橋したものを用いることは好ましい。中でも、アクリル樹脂などのビニル系樹脂で、アルキル基の炭素数が2〜8のアクリル酸アルキルエステルもしくはアルキル基の炭素数が2〜8のメタクリル酸アルキルエステルを含み、アルキル基の炭素数が2〜8のアクリル酸アルキルエステルもしくはアルキル基の炭素数が2〜8のメタクリル酸アルキルエステルの総量が、水溶性アクリル樹脂組成中で40質量%以上90質量%未満であるものが特に好ましい。これらのインク分散性樹脂は、本発明のインクに含有する水溶性アクリル樹脂と併用する場合、特別な高温での処置をしなくとも高い耐久性の画像皮膜が形成でき、高光沢で高い光学濃度が得られ好ましい。アルキル基の炭素数が2〜8のアクリル酸アルキルエステルもしくはアルキル基の炭素数が2〜8のメタクリル酸アルキルエステルの具体例は、前記水溶性アクリル樹脂の説明で記したものを用いることができる。
【0088】
その他、市販の樹脂で以下のものを用いることもできる。例えば、BASF社製のJONCRYLシリーズとして、JONCRYL7100、390、711、PDX−7157、PDX−7182、PDX−7163、7001、1532、741、450、840、8380、8300、74J、8383、142、1919、734、540、PDX7677、7600、775、1915、537J、PDX−7692、7611、PDX−7630A、352J、538J、8311、7640、631、790、780等を挙げることができる。
【0089】
〔有機溶剤〕
次に、本発明のインクに用いる有機溶剤について説明する。
【0090】
本発明のインクにおいては、有機溶剤として低表面張力溶剤を適用することが好ましい。低表面張力溶剤を添加することにより、塩化ビニルシートをはじめ種々の樹脂基材や、印刷本紙などのインク吸収速度が遅い紙支持体に対しても、インク混じりを一層抑えることができ、高画質な印字画像を得られる。低表面張力溶剤は、塩化ビニルなどに対してインクの濡れ性を改善する作用がある。
【0091】
本発明において、低表面張力溶剤としては、グリコールエーテル類もしくはアルカンジオール類を用いることが好ましい。
【0092】
下記に本発明のインクに好適な低表面張力溶剤の一例を示す。なお、括弧内の数値は、溶剤の表面張力(mN/m)を表す。
【0093】
グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(28.2)、エチレングリコールモノブチルエーテル(27.4)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(31.8)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(33.6)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(32.1)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(25.9)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(28.8)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(30.0)等が挙げられる。
【0094】
また、アルカンジオール類としては、1,2−アルカンジオールあるいは1,3−アルカンジオールが好ましい。例えば、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール(28.1)、1,2−ヘプタンジオール等が挙げられる。
【0095】
また、塩化ビニル等の記録媒体を溶解もしくは軟化あるいは膨潤しうる作用を有する有機溶剤を添加することにより、塩化ビニルと本発明に係る定着樹脂との接着性がより一層向上し、優れた画像の接着性、耐擦性が得られる観点から好ましい。
【0096】
このような有機溶剤としては、窒素もしくはイオウ原子を含む環状溶剤、環状エステル溶剤、乳酸エステル、アルキレングリコールジエーテル、アルキレングリコールモノエーテルモノエステル及びジメチルスルフォキシド等が挙げられる。
【0097】
窒素原子を含有する環状溶剤としては、環状アミド化合物、特には5〜7員環が好ましく、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン1,3−ジメチルイミダゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミドゾリジノン、ε−カプロラクタム、メチルカプロラクタム、2−アザシクロオクタノン等が挙げられる。環状アミド以外の窒素原子を含有する環状溶剤としてはホルミルモルホリン、イオウ原子を含有する環状溶剤としては、環状アミド化合物が好ましく、5−7員環が好ましく、例えば、スルホラン等が挙げられる。環状エステル溶剤としてはγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンが挙げられ、乳酸エステルとしては、乳酸ブチル、乳酸エチルなどが挙げられる。アルキレングリコールジエーテルとしては、ジエチレングリコールジエチルエーテルが挙げられる。アルキレングリコールモノエーテルモノエステルとしては、ジエチレングリコールモノエチルモノアセテートが挙げられる。
【0098】
本発明においては、インクジェットヘッドからのインク射出安定性、メンテナンス性及び形成した画像の光沢の観点から、有機溶剤の1つとして、水溶性アルカノールアミン類を、インク全質量の0.30質量%以上、2.0質量%以下含有することが好ましく、より好ましくは、0.3質量以上、1.8質量%以下含有することである。本発明に好ましく適用することのできる水溶性アルカノールアミン類としては、N,N−ジメチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール、N−メチルアミノエタノールを挙げることができる。
【0099】
その他インクの乾燥防止などの目的に添加できる溶剤としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、等が挙げられる。
【0100】
本発明においては、有機溶剤の使用量はインク全質量の10質量%以上、50質量%以下で好ましく使用できる。
【0101】
〔界面活性剤〕
本発明のインクにおい、特に制限はなく従来公知の界面活性剤を適用することができるが、その中でも、シリコーン系もしくはフッ素系の界面活性剤を添加することが好ましい。
【0102】
シリコーン系もしくはフッ素系の界面活性剤の添加することにより、塩化ビニルシートをはじめ種々の樹脂基材や、印刷本紙などのインク吸収速度が遅い紙支持体に対しても、インク混じりを一層抑えることができ、高品位な印字画像が得られる。また、低表面張力溶剤と併用することが、特に好ましい。
【0103】
シリコーン系の界面活性剤としては、好ましくはポリエーテル変性ポリシロキサン化合物であり、例えば、信越化学工業製のKF−351A、KF−642やビッグケミー製のBYK345、BYK347、BYK348などが挙げられる。
【0104】
フッ素系の界面活性剤としては、通常の界面活性剤の疎水性基の炭素に結合した水素の代わりに、その一部または全部をフッ素で置換したものを意味する。この中でも、分子内にパーフルオロアルキル基を有するものが好ましい。
【0105】
フッ素系の界面活性剤のうち、ある種のものはDIC(株)からメガファック(Megafac)Fなる商品名で、旭硝子社からサーフロン(Surflon)なる商品名で、ミネソタ・マイニング・アンド・マニファクチュアリング・カンパニー社からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名で、インペリアル・ケミカル・インダストリー社からモンフロール(Monflor)なる商品名で、イー・アイ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社からゾニルス(Zonyls)なる商品名で、またファルベベルケ・ヘキスト社からリコベット(Licowet)VPFなる商品名で、それぞれ市販されている。
【0106】
また、非イオン性フッ素系界面活性剤としては、例えば、DIC(株)製のメガファックス144D、旭硝子社製のサーフロンS−141、同145等を挙げることができ、また、両性フッ素系界面活性剤としては、例えば、旭硝子社製のサーフロンS−131、同132等を挙げることができる。
【0107】
シリコーン系もしくはフッ素系の界面活性剤と共に、下記に示す界面活性剤を併用することも可能である。
【0108】
例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。特にアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
【0109】
〔画像形成方法〕
次に、本発明のインクを用いた画像形成方法について説明する。
【0110】
本発明においては、画像形成方法として本発明のインクを用いることに加え、高画質で、耐擦性や接着性の高い画像を形成し、より高速での印字条件にも対応できるようにするため、記録媒体を35℃以上、55℃未満の温度に加熱しながら印字することが好ましい。記録媒体を35℃以上に加熱することにより、本発明のインクの硬化を効率的に発揮させることができ、55℃以下であれば、記録媒体、例えば、塩化ビニルシート等への熱ダメージによる変形を抑制することができ、加えて、インクジェットヘッドでのインク乾燥により射出安定性の低下を抑制することができる。
【0111】
また、加熱しながら印字して画像形成を行った後、印字物を55℃以上温度で加熱乾燥することが好ましい。
【0112】
印字後の加熱で乾燥が促進すると共に、本発明に係る定着樹脂と基材との接着性をより一層向上させることができる。
【実施例】
【0113】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
【0114】
《顔料分散体の調製》
〔顔料分散体Bk1の調製〕
カーボンブラックCB1 10.0部
顔料分散剤(1):例示化合物Ca−1 2.0部
顔料分散剤(2):BYK190(シリコーン系分散剤、ビックケミージャパン社製)
3.0部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(表1には、DEGBEと略記) 5.0部
イオン交換水 80.0部
上記各添加剤を混合、撹拌した後、平均粒径が1.5mmのジルコニアビーズをペイント缶の50体積%となるように添加し、ペイントコンディショナーで6時間振蓋した後、ビーズを除き、ブラック顔料分散体Bk1を調製した。
【0115】
〔顔料分散体Bk2〜Bk13、Y1、Y2、M1、M2、C1、C2の調製〕
上記顔料分散体Bk1の調製において、顔料の種類、顔料分散剤(1)、(2)の種類及び添加量を、表1に記載の組み合わせに変更した以外は同様にして、顔料分散体Bk2〜Bk13、Y1、Y2、M1、M2、C1、C2を調製した。
【0116】
【表1】

【0117】
なお、表1に略称で記載した顔料、顔料分散剤の詳細は以下の通りである。
【0118】
(顔料)
CB1:カーボンブラック、MitsubishiCB#950(三菱化学社製)
PY1:C.I.Pigment Yellow 155(Novoperm Yellow 4G01 クラリアント社製)
PM1:C.I.Pigment Red 122(Hostaperm Pink E Transp.01 クラリアント社製)
PC1:C.I.Pigment Blue 15:3(FASTOGEN Blue GNKA−SD DIC社製)
(顔料分散剤(2))
BYK190:DISPERBYK−190、シリコーン系分散剤、ビックケミージャパン社製
BYK2015:DISPERBYK−2015、シリコーン系分散剤、ビックケミージャパン社製
BYK2010:DISPERBYK−2010、シリコーン系分散剤、ビックケミージャパン社製
《定着樹脂の調製》
〔溶解樹脂の調製〕
(溶解樹脂R1の調製)
500ml四つ口フラスコに、メカニカルスターラー、窒素導入管、コンデンサー、滴下ロートをセットし、イソプロピルアルコール185gをフラスコに加え、窒素ガスをバブリングしながら加熱還流した。滴下ロートに、メタクリル酸メチル78g、アクリル酸n−ブチル8g、アクリル酸2−エチルヘキシル5g、メタクリル酸9g及び開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5gを混合溶解したものを入れ、約2時間かけ加熱還流させた状態で、滴下した。滴下後、さらに6時間加熱還流し、更に、AIBN0.05gのイソプロピルアルコール溶液を、15分かけ滴下した。この後さらに5時間加熱還流した。
【0119】
反応液を放冷後、溶媒のイソプロピルアルコールを減圧にて留去した。この残渣に、アルカリ中和塩基として28%アンモニア水を6.7g、イオン交換水を553g添加し、加熱撹拌して溶解した。この溶解樹脂R1(アンモニア塩)溶液中の樹脂固形分濃度は、約15質量%である。
【0120】
上記調製した溶解樹脂R1の酸価、ガラス転移温度(Tg)及び重量平均分子量を、下記の方法に従って測定した。
【0121】
〈酸価の測定〉
酸価の測定はJISのK0070に規定された方法で測定した。本発明では、測定用溶剤として以下に示す溶剤を用いた。
【0122】
上記樹脂水溶液を乾燥固化した溶解樹脂R1の10gを300mlの三角フラスコに秤量し、エタノール:ベンゼン=1:2の混合溶媒約50ml加えて樹脂を溶解する。次いで、フェノールフタレイン指示薬を用い、あらかじめ標定された0.1mol/Lの水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、滴定に用いた水酸化カリウムエタノール溶液の量から、下記計算式(1)で酸価(mgKOH/g)を求めた。
【0123】
樹脂によって、エタノール:ベンゼン=1:2の混合溶媒約50mlに溶解しないものは、エタノール50ml、あるいは、エタノール/純水=1:1の混合溶媒約50mlのどちらか溶解するほうを選択して、他は同じ操作にて滴定を行った。
【0124】
計算式(1)
A=(B×f×5.611)/S
式中、Aは樹脂の酸価(mgKOH/g)、Bは滴定に用いた0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、fは0.1mol/リットル水酸化カリウムエタノール溶液のファクター、Sは、樹脂の質量(g)、5.611は、水酸化カリウムの式量の1/10の値(56.11/10)である。
【0125】
上記方法により測定した溶解樹脂R1の酸価は、59mgKOH/gであった。
【0126】
〈ガラス転移温度(Tg)の測定〉
DSC−7示差走査カロリメータ(パーキンエルマー社製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラ(パーキンエルマー社製)を用いてTgを測定した。
【0127】
測定手順として、溶解樹脂R1の10.00mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パン(KITNO.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダーにセットする。なお、リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。
【0128】
測定条件としては、測定温度0〜130℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−Cool−Heatの温度制御で行い、その2回目のHeatにおけるデータをもとに解析を行った。なお、測定は窒素気流条件下で行った。
【0129】
ガラス転移温度(Tg)は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移温度(Tg)とした。
【0130】
上記方法により測定した溶解樹脂R1のガラス転移温度(Tg)は、80℃であった。
【0131】
〈重量平均分子量の測定〉
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した。
【0132】
測定条件は以下の通りである。
【0133】
溶媒 :テトラヒドロフラン
カラム :東ソー製TSKgel G4000+2500+2000HXL
カラム温度:40℃
注入量 :100μl
検出器 :RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ :L6000(日立製作所(株)製)
流量 :1.0ml/min
校正曲線 :標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13のサンプルによる校正曲線を使用した。13のサンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
【0134】
上記方法により測定した溶解樹脂R1の重量平均分子量は、3.0万であった。
【0135】
(溶解樹脂R2〜R4の調製)
上記溶解樹脂R1の調製において、モノマー組成を表2に記載のように変更した以外は同様にして溶解樹脂R2〜R4を調製した。なお、表2に記載の重量平均分子量となるように、開始剤量、重合条件を適宜調整した。
【0136】
得られた溶解樹脂R2〜R4の酸価、ガラス転移温度(Tg)、重量平均分子量を上記の方法で測定し、得られた結果を、表2に示す。
【0137】
なお表2で用いた略号は以下のとおりである。
【0138】
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
MMA:メタクリル酸メチル
BA:アクリル酸n−ブチル
EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
BMA:メタクリル酸n−ブチル
EMA:メタクリル酸エチル
溶解樹脂組成比1:溶解樹脂において、酸価が50mgKOH/g以上120mgKOH/g未満で重量平均分子量が2.0万以上10.0万以下の成分の組成中に含まれる、アルキル基の炭素数が2以上8以内のアクリル酸アルキルエステルとアルキル基の炭素数が2以上8以内のメタクリル酸アルキルエステルとの総量が、全溶解樹脂中に占める質量比率(%)
【0139】
【表2】

【0140】
〔分散樹脂の調製〕
(分散樹脂R5の調製)
500ml四つ口フラスコに、メカニカルスターラー、窒素導入管、コンデンサー、滴下ロートをセットし、イオン交換水250g、メタクリル酸メチル29g、メタクリル酸n−ブチル65g、メタクリル酸6g、30%Rodafac RS710 3.0gを添加し、メカニカルスターラーで撹拌しながら90℃に加熱した。ここへ、過硫酸カリウム0.4gを40gのイオン交換水に溶解した水溶液を滴下ロートより滴下した。滴下後、90℃にて4時間加熱撹拌をした。反応液を冷却後、アンモニア水を加えpH8.5に調整して、分散樹脂R5を得た。
【0141】
〔分散樹脂R6の合成〕
上記分散樹脂R5の調製において、モノマー組成を表3に記載のように変更した以外は分散樹脂R5と同様にして分散樹脂R6を調製した。なお、表3に記載の重量平均分子量となるように、開始剤量、重合条件を適宜調整した。
【0142】
分散樹脂R5、R6の酸価、ガラス転移温度(Tg)、重量平均分子量を溶解性樹脂と同様に測定した。得られた結果を表3に示す。
【0143】
【表3】

【0144】
なお、表3で新たに用いた略号は以下のとおりである。
【0145】
分散樹脂組成比1:分散樹脂において、アルキル基の炭素数が2以上8以内のアクリル酸アルキルエステルとアルキル基の炭素数が2以上8以内のメタクリル酸アルキルエステルとの総量が、全分散樹脂中で占める質量比率(%)
《インクの調製》
次いで、上記調製した各顔料分散剤を用いて、下記の方法に従って各色インクを調製した。
【0146】
〔インクBk1の調製〕
顔料分散体Bk1 顔料固形分として2.5質量%
定着樹脂R1 固形分換算6.0質量%
有機溶剤1:1,2−ヘキサンジオール(表4には、1,2−HDと略記)
5.0質量%
有機溶剤2:2−メチル−1,3−プロパンジオール (表4には、MPDと略記)
6.0質量%
有機溶剤3:2−ピロリドン(表4には、2−PDNと略記) 10.0質量%
界面活性剤F1:フッ素系界面活性剤、メガファックス F−410(DIC社製)
0.5質量%
イオン交換水で、100質量%となる様に仕上げた。
【0147】
上記各添加剤を添加、攪拌、混合した後、孔径が5μmのフィルタを用いてろ過を行って、インクBk1を調製した。
【0148】
〔インクBk2〜Bk22、Y1、Y2、M1、M2、C1、C2、Lm1、Lm2、Lc1、Lc2の調製〕
上記インクBk1の調製において、顔料分散体の種類及び添加量、定着樹脂の種類及び添加量、有機溶剤1、2、3の種類及び添加量、界面活性剤の種類を、表4に記載の組み合わせに変更した以外は同様にして、インクBk2〜Bk22、Y1、Y2、M1、M2、C1、C2、Lm1、Lm2、Lc1、Lc2を調製した。
【0149】
【表4】

【0150】
なお、表4にて略称で記載した各添加剤の詳細は、以下の通りである。
【0151】
(有機溶剤)
1,2−HD:1,2−ヘキサンジオール
DPGPE:ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル
MPD:2−メチル−1,3−プロパンジオール
2−PDN:2−ピロリドン
DMI:1,3−ジメチル−2−イミドゾリジノン
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
DPGME:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
(界面活性剤)
F1:フッ素系界面活性剤、メガファックス F−410、DIC社製
F2:フッ素系界面活性剤、サーフロン S−241、AGCセイミケミカル社製
Si1:シリコーン系界面活性剤、BYK348、ビックケミージャパン社製
《インクの評価》
上記調製した各インクを用いて、下記の方法に従って画像形成し、各評価を行った。
【0152】
〔画像形成〕
ピエゾ型のインクジェットヘッド(インク液滴量20pl)4基を並列に配置した4色のプリントが可能なインクジェットプリント装置を用いて、画像形成を行った。解像度は720dpi×720dpi(本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)に設定した。インクジェットプリント装置には、記録媒体を下方より接触式ヒーターにて任意に加温できる加熱機能を備え、インクジェットヘッドの格納ポジションには、インクの空打ちポジションとブレードワイプ式のメンテナンスユニットを備え、任意の頻度でヘッドクリーニングができる機構を備えている。
【0153】
上記インクジェットプリント装置のKインク用インクジェットヘッドに、上記調製した各色インクをそれぞれ導入し、インクジェット記録インクプリンタ用の軟質塩化ビニルシートに、インクを10%Dutyから100%Dutyまでの条件で、10%Duty刻みで10cm×50cmの長方形ベタ画像をプリントした。プリント時には、記録媒体の下方より、接触式ヒーターにて、軟質塩化ビニルシートの表面温度が55℃となる条件で加熱しながら記録した。記録後、更に後乾燥工程として60℃で3分間の加熱処理を施した。
【0154】
〔各評価条件〕
次いで、下記に示す各評価を行った。
【0155】
(射出安定性の評価)
上記プリント条件により、20℃、相対湿度40%の環境下で連続10回プリントした。その後、10回目の100%Duty画像について目視観察し、下記の基準に従って射出安定性を評価した。
【0156】
5:作成画像において、斜め出射あるいはノズル欠に起因する画像欠陥はまったく認められない
4:作成画像において、斜め出射あるいはノズル欠に起因する画像欠陥はほぼ認められない
3:作成画像の書き出し部(数mm)において、極僅かなかすれの発生が認められるが、実用上は許容される品質である
2:作成画像の書き出し部(数mm)において、明らかなかすれの発生が認められ、実用上問題となる品質である
1:作成画像において、斜め出射あるいはノズル欠に起因する明らかな画像欠陥が多数発生している
(インク保存性の評価)
上記調製した各インクをガラス製の保存瓶に充填、密栓し、60℃の環境下で3週間保存した後、常温に戻した。保存前後のインク中に顔料粒子の平均粒子径を、マルバーン社製ゼータサイザ1000HSを用いて測定し、下式に従って顔料粒子の粒径変動率を求め、下記の基準に従って、インク保存性の評価を行った。
【0157】
顔料粒子の粒径変動率=((保存後の顔料粒子の平均粒径)−(保存前の顔料粒子の平均粒径))/(保存前の顔料粒子の平均粒径)×100(%)
5:顔料粒子の粒径変動率が、10%未満である
4:顔料粒子の粒径変動率が、10%以上、20%未満である
3:顔料粒子の粒径変動率が、20%以上、30%未満である
2:顔料粒子の粒径変動率が、30%以上、100%未満である
1:顔料粒子の粒径変動率が、100%以上である
(耐擦性の評価)
上記方法で作成した画像表面を、綿布(カナキン3号)を用い12Nの荷重をかけて擦り、画像表面の傷発生、画像膜剥がれの発生状態を目視観察し、下記の基準に従って耐擦性を評価した。
【0158】
5:40往復擦っても、傷や画像膜剥がれの発生は全く認められない
4:15往復では傷や画像膜剥がれの発生は認められないが、30往復では表面に僅かな傷の発生が認められる
3:15往復では表面に傷の発生が認められ、30往復では画像膜剥がれが発生する
2:15往復で、画像膜剥がれが生じる
1:15往復未満で、画像膜剥がれの発生が認められる
以上により得られた各評価結果を、表5に示す。
【0159】
【表5】

【0160】
表5に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなるインクは、比較例に対し、インク自身の保存安定性に優れ、インクジェット記録ヘッドから出射する際の射出安定性が高く、かつ形成した画像の耐擦性に優れていることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物、顔料及び定着樹脂を含有することを特徴とする水性インクジェット記録インク。
一般式(1)
R−(J)−(L)
〔式中、Rは炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、nは2以上、150未満の整数、mは0または1を表す。〕
【請求項2】
前記一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の水性インクジェット記録インク。
一般式(2)
(R−(J)−(L)−)(R
〔式中、Rは炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、Rは水素原子またはアルキル基を表し、Xは対イオンを表す。nは2以上150未満の整数を表し、mは0または1を表し、pは1または2を表し、qは2または3を表し、p+qは4である。〕
【請求項3】
前記定着樹脂の含有量が、前記顔料の1.0倍以上、10倍未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の水性インクジェット記録インク。
【請求項4】
低表面張力溶剤を、5.0質量%以上、30質量%未満含有し、かつシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の水性インクジェット記録インク。

【公開番号】特開2011−236281(P2011−236281A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107060(P2010−107060)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(305002394)コニカミノルタIJ株式会社 (317)
【Fターム(参考)】