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水性エマルション
説明

水性エマルション

【課題】塩素化ポリオレフィン以外の材料でポリプロピレンとの接着性に優れた材料が求められている。
【解決手段】下記成分(A)、成分(B)および成分(C)を含む水性エマルション。
(A)α,β−不飽和カルボン酸に由来する構造単位と、
置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位と
を含み、その重量平均分子量が2×10〜1×10であるアクリル樹脂
(B)熱可塑性ポリマー
(C)水

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリル樹脂を乳化剤とする水性エマルション等に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリプロピレンは、加工性や強度に優れるため、バンパー等の自動車部品に用いられている。自動車部品には、装飾等のために、通常、塗料が塗布される。しかしながら、ポリプロピレンの表面には塗料等の他の材料が接着し難いため、一般には、ポリプロピレンとの接着性に優れた塩素化ポリオレフィンをポリプロピレンに塗布し、その上に塗料が塗布されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−7832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、塩素化ポリオレフィンが塗布されたポリプロピレンを燃焼させると発生する塩酸ガス等を発生させない、塩素化ポリオレフィン以外の材料でポリプロピレンとの接着性に優れた材料が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような状況下、本発明者らは鋭意検討した結果、以下の〔1〕〜〔16〕記載の発明に至った。すなわち、本発明は、
[1] 下記成分(A)、成分(B)および成分(C)を含む水性エマルション。
(A)α,β−不飽和カルボン酸に由来する構造単位と、
置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位と
を含み、その重量平均分子量が2×10〜1×10であるアクリル樹脂
(B)熱可塑性ポリマー
(C)水
[2] 成分(B)が、エチレンおよび/またはプロピレンに由来する構造単位を含有する熱可塑性ポリマーを含む[1]に記載の水性エマルション。
[3] 成分(B)が、エチレンおよび/またはプロピレンに由来する構造単位と、式(I)
CH=CH−R (I)
(式中、Rは、2級アルキル基、3級アルキル基または脂環式炭化水素基を表わす。)
で示されるビニル化合物に由来する構造単位を含む共重合体、または、該共重合体に、α,β−不飽和カルボン酸無水物をグラフト重合させることにより得られる重合体を含む[1]に記載の水性エマルション。
[4] 式(I)で示されるビニル化合物が、ビニルシクロヘキサンである[3]に記載の水性エマルション。
[5] 成分(B)が、MFR(190℃、2.16kgf)が、130g/10分以上300g/10分以下の熱可塑性ポリマーである[1]〜[4]のいずれかに記載の水性エマルション。
[6] 水性エマルションが、前記成分(A)および前記成分(B)を分散質とし、前記成分(C)を分散媒とする水性エマルションであり、該分散質の体積基準メジアン径が0.01μm〜3μmである[1]〜[5]のいずれかに記載の水性エマルション。
[7] 成分(A)および成分(B)を溶融混練し、得られた溶融混合物と水とを混合することを特徴とする水性エマルションの製造方法。
(A)α,β−不飽和カルボン酸に由来する構造単位と、
置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位と
を含み、その重量平均分子量が2×10〜1×10であるアクリル樹脂
(B)熱可塑性ポリマー
(C)水
[8] [1]〜[6]のいずれかに記載の水性エマルションを乾燥させることにより得られる硬化物。
[9] 木質材料、セルロース材料、プラスチック材料、セラミック材料および金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料からなる基材層と[8]に記載の硬化物からなる層とを有する積層体。
[10] 木質材料、セルロース材料、プラスチック材料、セラミック材料および金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料からなる基材層に、[1]〜[6]のいずれかに記載の水性エマルションを塗布し、該基材層と該水性エマルション層とを有する積層体を得る工程と、
前記工程で得られた積層体を乾燥して、前記基材層と前記水性エマルションから得られる硬化物層とを有する積層体を得る工程とを含む積層体の製造方法。
[11] α,β−不飽和カルボン酸に由来する構造単位と、
置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位と
を含むアクリル樹脂を有効成分として含み、その重量平均分子量が2×10〜1×10である乳化剤。
[12] α,β−不飽和カルボン酸に由来する構造単位が、アクリル酸およびメタクリル酸からなる群から選ばれる少なくとも一種に由来する構造単位である[11]に記載の乳化剤。
[13] 置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位が、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートに由来する構造単位である[11]または[12]に記載の乳化剤。
[14] アクリル樹脂が、α,β−不飽和カルボン酸と、置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルとを、重合開始剤の存在下に重合させることにより得られるアクリル樹脂であり、重合開始剤の使用量が、重合反応に関与する全てのモノマー100重量部に対して、0.01〜3重量部である[11]に記載の乳化剤。
【発明の効果】
【0006】
本発明の水性エマルションは、ポリプロピレンとの接着性に優れたフィルムを与えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の水性エマルションは、下記成分(A)、成分(B)および成分(C)を含む。
(A)α,β−不飽和カルボン酸に由来する構造単位(以下、構造単位(a1)と略記する。)と、
置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位(以下、構造単位(a2)と略記する。)と
を含み、その重量平均分子量が、2×10〜1×10であるアクリル樹脂
(B)熱可塑性ポリマー
(C)水
【0008】
まず、成分(A)について説明する。
成分(A)は、構造単位(a1)と構造単位(a2)を含むアクリル樹脂である。構造単位(a1)を導くα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アンゲリカ酸、ソルビン酸、メサコン酸等の炭素数3〜20のα,β−不飽和カルボン酸が挙げられる。該α,β−不飽和カルボン酸としては、カルボキシル基(−COOH)を一つまたは二つ有するα,β−不飽和カルボン酸が好ましい。
【0009】
成分(A)のアクリル樹脂は、二種類以上の構造単位(a1)を有していてもよい。
構造単位(a1)としては、アクリル酸に由来する構造単位およびメタクリル酸に由来する構造単位からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましい。
【0010】
構造単位(a2)を導くα,β−不飽和カルボン酸エステルは、置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれる。α,β−不飽和カルボン酸としては、前記したものと同様のものが挙げられ、アクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。
【0011】
置換基を有していてもよいアミノ基としては、アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基等の1個の炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を有するアミノ基;ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基等の2個の炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を有するアミノ基;および環状アミノ基が挙げられ、2個の炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を有するアミノ基が好ましく、2個の炭素数1〜3の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基を有するアミノ基がより好ましい。
【0012】
炭素数1〜10の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、3−メチルブタノール、2,2−ジメチルプロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、シクロヘキサノール等の炭素数1〜10の直鎖状、分枝鎖状または環状の脂肪族アルコールが挙げられ、炭素数1〜4の直鎖状、分枝鎖状または環状の脂肪族アルコールが好ましい。
【0013】
置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとしては、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、N−メチル−N−エチルアミノエタノール、N,N−ジプロピルアミノエタノール、N−メチル−N−プロピルアミノエタノール、N−エチル−N−プロピルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノプロパノールおよびN,N−ジメチルアミノブタノールが挙げられる。
【0014】
置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチルアクリレートおよびN−メチル−N−エチルアミノエチルメタクリレートが挙げられ、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートが好ましい。
【0015】
成分(A)のアクリル樹脂は、二種類以上の構造単位(a2)を有していてもよい。
成分(A)のアクリル樹脂中の構造単位(a1)の含有量は、該アクリル樹脂を構成する全ての構造単位100モルに対して、通常20〜99モルであり、好ましくは50〜99モルである。
成分(A)のアクリル樹脂中の構造単位(a2)の含有量は、該アクリル樹脂を構成する全ての構造単位100モルに対して、通常1〜80モルであり、好ましくは1〜50モルである。
【0016】
成分(A)のアクリル樹脂は、二種類以上のアクリル樹脂を含んでもよい。
成分(A)のアクリル樹脂は、構造単位(a1)および構造単位(a2)に加え、他の構造単位を有していてもよい。
他の構造単位としては、
炭素数1〜20の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位(以下、構造単位(b1)と略記する。)、
炭素数1〜10の多価脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位(以下、構造単位(b2)と略記する。)、
カルボン酸基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位(以下、構造単位(b3)と略記する。)、および、
ポリアルキレングリコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位(以下、構造単位(b4)と略記する。)
が挙げられる。
【0017】
上記他の構造単位を導くα,β−不飽和カルボン酸としては、前記したものと同様のものが挙げられ、アクリル酸またはメタクリル酸が好ましい。
【0018】
構造単位(b1)を導くα,β−不飽和カルボン酸エステルは、炭素数1〜20の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれる。かかる炭素数1〜20の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、3−メチルブタノール、2,2−ジメチルプロパノール、3−メチル−2−ブタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ドデカノール、トリデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、シクロヘキサノール等の炭素数1〜20の直鎖状、分枝鎖状または環状の脂肪族アルコールが挙げられる。
【0019】
炭素数1〜20の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸3−メチルブチル、アクリル酸2,2−ジメチルプロピル、アクリル酸3−メチル−2−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸2−メチル−2−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸オクタデシルおよびメタクリル酸シクロヘキシルが挙げられる。
成分(A)のアクリル樹脂は、二種以上の構造単位(b1)を有していてもよい。
【0020】
構造単位(b2)を導くα,β−不飽和カルボン酸エステルは、炭素数1〜10の多価脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれる。かかる炭素数1〜10の多価脂肪族アルコールとしては、ヒドロキシメタノール、ヒドロキシエタノール、ヒドロキシプロパノール、ヒドロキシブタノール、ヒドロキシペンタノールおよびヒドロキシヘキサノールが挙げられる。
炭素数1〜10の多価脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシペンチルアクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシペンチルメタクリレートおよびヒドロキシヘキシルメタクリレートが挙げられる。
成分(A)のアクリル樹脂は、二種以上の構造単位(b2)を有していてもよい。
【0021】
構造単位(b3)は、カルボン酸基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する。ここで、”カルボン酸基”は、カルボキシル基(−COOH)を有する有機基を意味し、カルボキシメチル基、1,2−ジカルボキシエチル基、2−カルボキシフェニル基および2,3−ジカルボキシフェニル基が挙げられる。
かかるカルボン酸基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸および2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸が挙げられる。
成分(A)のアクリル樹脂は、二種以上の構造単位(b3)を有していてもよい。
【0022】
構造単位(b4)は、ポリアルキレングリコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する。かかるポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール等の炭素数1〜4のアルキレン基が酸素原子を介して1〜50個結合したポリアルキレングリコールおよびこれらポリアルキレングリコールの末端の水酸基が炭素数1〜20のアルキル基、アクリル基、メタクリル基等で保護されていてもよい。
【0023】
ポリアルキレングリコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸ポリプロピレングリコール、アクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、モノアクリル酸ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコール、アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、メタクリル酸ポリプロピレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール、モノメタクリル酸ポリエチレングリコールポリテトラメチレングリコールおよびメタクリル酸メトキシポリエチレングリコールが挙げられる。
【0024】
成分(A)のアクリル樹脂は、構造単位(b1)または構造単位(b3)を含むことが好ましく、構造単位(b1)および構造単位(b3)を含むことがより好ましい。
【0025】
成分(A)のアクリル樹脂が、構造単位(b1)を含む場合、構造単位(b1)の含有量としては、該アクリル樹脂を構成する全ての構造単位100モルに対して、通常0.1〜95モルであり、好ましくは1〜80モルである。
成分(A)のアクリル樹脂における構造単位(b2)の含有量としては、該アクリル樹脂を構成する全ての構造単位100モルに対して、通常0〜50モルであり、好ましくは0〜30モルであり、より好ましくは0〜20モルである。
成分(A)のアクリル樹脂が、構造単位(b3)を含む場合、構造単位(b3)の含有量としては、該アクリル樹脂を構成する全ての構造単位100モルに対して、通常0.1〜80モルであり、好ましくは5〜40モルである。
成分(A)のアクリル樹脂における構造単位(b4)の含有量としては、該アクリル樹脂を構成する全ての構造単位100モルに対して、通常0〜50モルであり、好ましくは0〜30モルであり、より好ましくは0〜1モルである。
【0026】
成分(A)のアクリル樹脂において、構造単位(a1)、構造単位(b3)等のアニオン性基を有する構造単位の含有量は、本発明の水性エマルションから得られる硬化物のポリプロピレンに対する接着性の観点から、該アクリル樹脂を構成する全ての構造単位100モルに対して、45〜85モルが好ましく、50〜80モルがより好ましい。
【0027】
成分(A)のアクリル樹脂としては、該アクリル樹脂を構成する全ての構造単位100モルに対して、5〜80モルの構造単位(a1)、1〜50モルの構造単位(a2)、10〜80モルの構造単位(b1)および5〜30モルの構造単位(b3)を含有し、構造単位(a1)、(a2)、(b1)および(b3)の合計が100モルであるアクリル樹脂が好ましい。
【0028】
成分(A)のアクリル樹脂は、エチレンに由来する構造単位、プロピレンに由来する構造単位、後述の炭素数4以上の直鎖状α−オレフィンに由来する構造単位、後述の式(I)で示されるビニル化合物に由来する構造単位、後述の付加重合可能なモノマーに由来する構造単位等を含有してもよいが、その含有量は、本発明の水性エマルションから得られる硬化物の接着性を損なわない量であればよく、該アクリル樹脂を構成する全ての構造単位100モルに対して、約5モル以下が好ましく、付加重合可能なモノマーに由来する構造単位は、1モル以下が好ましい。
【0029】
成分(A)のアクリル樹脂は、各構造単位を導くモノマーを付加重合させることにより製造することができる。例えば、イソプロパノール等のアルコール溶媒、水等の溶媒と、モノマーを混合し、得られる混合物とラジカル開始剤等の重合開始剤を、通常70〜100℃、好ましくは75〜95℃、より好ましくは75〜85℃で混合し、得られる混合物を通常1〜24時間程度攪拌することにより、重合反応を行う方法、前記溶媒とモノマーの一部とを混合し、得られる混合物と重合開始剤と残りのモノマーとを、通常70〜100℃、好ましくは75〜95℃、より好ましくは75〜85℃で混合し、得られる混合物を通常1〜24時間程度攪拌することにより、重合反応を行う方法が挙げられる。重合反応を制御しやすくするため、重合開始剤や残りのモノマーを有機溶媒に溶解して得られる溶液を用いてもよい。
【0030】
重合開始剤の使用量は、モノマーの合計量100重量部に対して、通常0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜3重量部、より好ましくは0.1〜3重量部である。この範囲の量の重合開始剤を用いることにより、所望の重量平均分子量を有する成分(A)を容易に製造することができる。
【0031】
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)等のアゾ化合物;ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジプロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド等の有機過酸化物;および、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の無機過酸化物が挙げられる。重合開始剤と還元剤とを併用したレドックス開始剤も重合開始剤として使用することができる。
【0032】
成分(A)のアクリル樹脂の重量平均分子量は、2×10〜1×10であり、好ましくは、2×10〜5×10である。かかる重量平均分子量を有するアクリル樹脂を含む本発明の水性エマルションは、例えば90℃〜120℃程度で乾燥させることにより、ポリプロピレン等の基材に対する接着性に優れる硬化物を与える。さらに、乾燥温度が60〜80℃程度の低温であっても、ポリプロピレン等の基材に対する接着性に優れる硬化物を与える。
アクリル樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析により測定される。
【0033】
成分(A)は、本発明の水性エマルションにおいて、成分(B)を成分(C)中に分散させるための乳化剤として作用する。
本発明の乳化剤は、成分(A)を含み、好ましくは、さらに、水を含む。本発明の乳化剤が、成分(A)と水とを含む場合、さらに、アンモニウムカチオンを含んでもよい。アンモニウムカチオン源としては、アンモニアが好ましい。
【0034】
続いて、成分(B)について説明する。
成分(B)は、熱可塑性ポリマーであり、その具体例としては、エチレンに由来する構造単位を含有する熱可塑性ポリマー、プロピレンに由来する構造単位を含有する熱可塑性ポリマー、エステル系ワックス、カルナバワックス、フィッシャートロプスワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスおよびそれらの酸化物、低分子量ポリアミドおよび脂肪酸アミド等のアミド化合物に由来する構造単位を含有する熱可塑性ポリマー等が挙げられる。
【0035】
熱可塑性ポリマーとしては、エチレンおよび/またはプロピレンに由来する構造単位を含有する熱可塑性ポリマーが好ましい。エチレンおよび/またはプロピレンに由来する構造単位を含有する熱可塑性ポリマーとしては、低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリエチレンワックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・プロピレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリルエステル共重合体、エチレン・プロピレン・アクリルエステル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・プロピレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリルエステル共重合体、エチレン・プロピレン・メタクリルエステル共重合体、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ヘキセン共重合体、プロピレン・ヘキセン共重合体、エチレン・プロピレン・ヘキセン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体およびこれらの無水マレイン酸変性物が挙げられる。
【0036】
なかでも、エチレンおよび/またはプロピレンに由来する構造単位と、式(I)
CH=CH−R (I)
(式中、Rは、2級アルキル基、3級アルキル基または脂環式炭化水素基を表わす。)
で示されるビニル化合物(以下、ビニル化合物(I)と略記する。)に由来する構造単位を含む共重合体(以下、重合体(B−1)と略記する。)、および重合体(B−1)に、α,β−不飽和カルボン酸無水物をグラフト重合させることにより得られる重合体(以下、重合体(B−2)と略記する。)が好ましい。
Rで示される2級アルキル基としては、炭素数3〜20の2級アルキル基が好ましく、3級アルキル基としては、炭素原子数4〜20の3級アルキル基が好ましく、脂環式炭化水素基としては、3〜16員環の脂環式炭化水素基が好ましい。脂環式炭化水素基としては、シクロアルキル基、シクロアルケニル基およびシクロアルキニル基が挙げられ、シクロアルキル基が好ましい。
Rとしては、3〜10員環の炭素数3〜20の脂環式炭化水素基および炭素数4〜20の3級アルキル基がより好ましい。
【0037】
ビニル化合物(I)としては、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、3−メチル−1−ヘプテン、3−メチル−1−オクテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ヘプテン、3,4−ジメチル−1−オクテン、3,5−ジメチル−1−ヘキセン、3,5−ジメチル−1−ヘプテン、3,5−ジメチル−1−オクテン、3,6−ジメチル−1−ヘプテン、3,6−ジメチル−1−オクテン、3,7−ジメチル−1−オクテン、3,4,4−トリメチル−1−ペンテン、3,4,4−トリメチル−1−ヘキセン、3,4,4−トリメチル−1−ヘプテン、3,4,4−トリメチル−1−オクテン等のRが2級アルキル基であるビニル化合物(I);3,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ヘプテン、3,3−ジメチル−1−オクテン、3,3,4−トリメチル−1−ペンテン、3,3,4−トリメチル−1−ヘキセン、3,3,4−トリメチル−1−ヘプテン、3,3,4−トリメチル−1−オクテン等のRが3級アルキル基であるビニル化合物(I);ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタン等のRがシクロアルキル基であるビニル化合物(I);1−ビニルアダマンタン、5−ビニル−2−ノルボルネンおよび4−ビニル−1−シクロヘキセンが挙げられる。
【0038】
なかでも、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,5−ジメチル−1−ヘキセン、3,4,4−トリメチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,3,4−トリメチル−1−ペンテン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタンおよび5−ビニル−2−ノルボルネンが好ましく、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3,3,4−トリメチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサンおよびビニルノルボルネンがより好ましく、3,3−ジメチル−1−ブテンおよびビニルシクロヘキサンが特に好ましく、ビニルシクロヘキサンが最も好ましい。
【0039】
重合体(B−1)中のビニル化合物(I)に由来する構造単位の含有量は、重合体(B−1)を構成する全ての構造単位100モルに対して、通常5〜40モルであり、本発明の水性エマルションを乾燥して得られる硬化物の接着性の観点から、好ましくは10〜30モルであり、より好ましくは10〜20モルである。
重合体(B−1)中のビニル化合物(I)に由来する構造単位の含有量は、重合体(B−1)を1H−NMR分析や13C−NMR分析することにより求めることができる。
【0040】
重合体(B−1)は、さらに、炭素数4〜20の直鎖状α−オレフィンに由来する構造単位を含んでいてもよい。炭素数4〜20の直鎖状α−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセンおよび1−エイコセンが挙げられる。中でも、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンが好ましい。
【0041】
重合体(B−1)中の、エチレン、プロピレンおよび炭素数4〜20の直鎖状α−オレフィンに由来する構造単位の含有量の合計は、重合体(B−1)を構成する全ての構造単位100モルに対して、通常95〜60モルであり、好ましくは90〜70モル%であり、より好ましくは90〜80モルである。
【0042】
重合体(B−1)は、さらに、付加重合可能なモノマーに由来する構造単位を有していてもよい。
付加重合可能なモノマーは、エチレン、プロピレン、炭素数4〜20の直鎖状α−オレフィンおよびビニル化合物(I)以外のモノマーであって、エチレン、プロピレン、炭素数4〜20の直鎖状α−オレフィンおよびビニル化合物(I)と付加重合可能なモノマーであり、該モノマーの炭素数は、通常3〜20程度である。
付加重合可能なモノマーの具体例としては、シクロオレフィン、式(II)
【化1】

(式中、R’およびR”はそれぞれ独立して、炭素数1〜18の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基またはハロゲン原子を表わす。)
で示されるオレフィン、ジエン化合物、ハロゲン化ビニル、脂肪族カルボン酸ビニル、ビニルエーテル化合物、シアノビニル化合物、前記α,β−不飽和カルボン酸、前記α,β−不飽和カルボン酸エステルおよび後述するα,β−不飽和カルボン酸無水物が挙げられる。
【0043】
シクロオレフィンとしては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−ノルボルネン、2−テトラシクロドデセン、2−トリシクロデセン、2−トリシクロウンデセン、2−ペンタシクロペンタデセン、2−ペンタシクロヘキサデセン、8−メチル−2−テトラシクロドデセン、8−エチル−2−テトラシクロドデセン、5−アセチル−2−ノルボルネン、5−アセチルオキシ−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−エトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、8−メトキシカルボニル−2−テトラシクロドデセン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−2−テトラシクロドデセンおよび8−シアノ−2−テトラシクロドデセンが挙げられる。なかでも、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、2−テトラシクロドデセン、2−トリシクロデセン、2−トリシクロウンデセン、2−ペンタシクロペンタデセン、2−ペンタシクロヘキサデセン、5−アセチル−2−ノルボルネン、5−アセチルオキシ−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネンおよび5−シアノ−2−ノルボルネンが好ましく、2−ノルボルネンおよび2−テトラシクロドデセンがより好ましい。
【0044】
式(II)で示されるオレフィンとしては、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、2−メチル−1−オクテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ペンテン、2,3−ジメチル−1−ヘキセン、2,3−ジメチル−1−ヘプテン、2,3−ジメチル−1−オクテン、2,4−ジメチル−1−ペンテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテンおよび塩化ビニリデンが挙げられ、イソブテン、2,3−ジメチル−1−ブテンおよび2,4,4−トリメチル−1−ペンテンが好ましい。
【0045】
ジエン化合物としては、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,5−シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、4−ビニル−1−シクロヘキセンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネンが挙げられ、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、4−ビニル−1−シクロヘキセンおよび5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ましい。
【0046】
脂肪族カルボン酸ビニルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルおよび酪酸ビニルが挙げられ、ビニルエーテル化合物としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルおよびブチルビニルエーテルが挙げられる。ハロゲン化ビニルとしては、塩化ビニルが挙げられ、シアノビニル化合物としては、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが挙げられる。
【0047】
重合体(B−1)中の付加重合可能なモノマーに由来する構造単位の含有量は、本発明の水性エマルションを乾燥して得られる硬化物の接着性を損なわない量であればよく、重合体(B−1)を構成するすべての構造単位100モルに対して、5モル以下が好ましく、1モル以下がより好ましい。
【0048】
重合体(B−1)は、例えば、インデニルアニオン骨格または架橋されたシクロペンタジエニルアニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合物を触媒として、対応するモノマーを重合させることにより製造することができる。なかでも、特開2003−82028号公報、特開2003−160621号公報および特開2000−128932号公報に記載の方法が好適である。
【0049】
重合体(B−1)の製造においては、用いる触媒の種類や重合条件によって、重合体(B−1)に加えて、エチレンの単独重合体、プロピレンの単独重合体および/またはビニルシクロヘキサンの単独重合体が生成することがある。そのような場合は、ソックスレー抽出器等を用いた溶媒抽出を行うことにより、重合体(B−1)を容易に取り出すことができる。溶媒として、トルエンを用いると、不溶成分として、ビニルシクロヘキサンの単独重合体を除去することができる。溶媒として、クロロホルムを用いると、エチレンの単独重合体、プロピレンの単独重合体などのオレフィンの単独重合体を、不溶成分として除去することができる。重合体(B−1)は、これら溶媒への可溶成分として分離することができる。その用途において問題がない場合には、上記のような副生物を含む重合体(B−1)を用いてもよい。
【0050】
重合体(B−1)の分子量分布(Mw/Mn=[重量平均分子量]/[数平均分子量])は、通常1.5〜10.0程度であり、本発明の水性エマルションを乾燥して得られる硬化物の機械的強度および透明性の観点から、好ましくは1.5〜7.0程度であり、より好ましくは1.5〜5.0程度である。
【0051】
重合体(B−1)の重量平均分子量(Mw)は、通常5,000〜1,000,000程度であり、本発明の水性エマルションを乾燥して得られる硬化物の機械的強度および重合体(B−1)の流動性の観点から、好ましくは10,000〜500,000程度であり、より好ましくは15,000〜400,000程度である。
重合体(B−1)の分子量分布は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
【0052】
JIS K 7210に準拠して、メルトインデクサ(L217−E14011、テクノ・セブン社製)を用いて、190℃、2.16kgfの条件下で測定した重合体(B−1)のメルトフローレート(MFR)の値は、通常130〜300g/10分であり、本発明の水性エマルション中の重合体(B−1)の分散性の観点から、好ましくは130〜220g/10分である。
【0053】
重合体(B−2)とは、重合体(B−1)にα,β−不飽和カルボン酸無水物をグラフト重合させることにより得られる重合体である。
α,β−不飽和カルボン酸無水物のグラフト重合量は、重合体(B−2)100重量部に対して、通常0.01〜20重量部程度、好ましくは0.05〜10重量部程度、より好ましくは0.1〜5重量部程度である。
α,β−不飽和カルボン酸無水物のグラフト重合量が0.01重量部以上の重合体(B−2)を含む本発明の水性エマルションは、その接着性が向上する傾向にあり好ましい。α,β−不飽和カルボン酸無水物のグラフト重合量が20重量%以下の重合体(B−2)を含む本発明の水性エマルションは、その熱安定性が向上する傾向にあり好ましい。
【0054】
α,β−不飽和カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の炭素数4〜20のα,β−不飽和カルボン酸無水物が挙げられ、無水マレイン酸が好ましい。二種以上のα,β−不飽和カルボン酸無水物を組み合わせて用いてもよい
【0055】
重合体(B−2)は、例えば、重合体(B−1)を溶融させて得られる溶融重合体(B−1)に、α,β−不飽和カルボン酸無水物を添加してグラフト重合させる方法、重合体(B−1)をトルエン、キシレン等の溶媒に溶解し、得られた溶液にα,β−不飽和カルボン酸無水物を添加してグラフト重合させる方法等により製造することができる。
【0056】
グラフト重合は、通常ラジカル開始剤の存在下に行われる。
ラジカル開始剤の使用量は、それが少ないと、α,β−不飽和カルボン酸無水物のグラフト重合量が少なくなり、本発明の水性エマルションを乾燥して得られる硬化物の接着性が向上しにくい傾向があり、また、それが多いと、重合体(B−2)中に含まれる未反応のラジカル開始剤の量が増える傾向にあるため、重合体(B−1)100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。
ラジカル開始剤としては、通常有機過酸化物が用いられ、半減期が1分となる分解温度が50〜210℃である有機過酸化物が好ましい。分解温度が50℃以上である有機過酸化物を用いた場合には、α,β−不飽和カルボン酸無水物のグラフト重合量が向上する傾向があり、分解温度が210℃以下である有機過酸化物を用いた場合には、グラフト重合における重合体(B−1)の分解が低減される傾向がある。分解によりラジカルを発生した後、重合体(B−1)からプロトンを引き抜く機能を有する有機過酸化物が好ましい。
【0057】
半減期が1分となる分解温度が50〜210℃である有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、パーオキシケタール化合物、アルキルパーエステル化合物およびパーカーボネート化合物が挙げられ、ジアルキルパーオキサイド化合物、ジアシルパーオキサイド化合物、パーカーボネート化合物およびアルキルパーエステル化合物が好ましい。具体的には、ジセチル パーオキシジカルボネート、ジ−3−メトキシブチル パーオキシジカルボネート,ジ−2−エチルヘキシル パーオキシジカルボネート、ビス(4−tert−ブチル シクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジイソプロピル パーオキシジカルボネート、tert−ブチル パーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチル パーオキシカルボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチル パーオキシネオデカノエート、α−クミル パーオキシネオデカノエート,tert−ブチル パーオキシネオデカノエート、1,1ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロドデカン,tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート,tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート,tert−ブチルパーオキシラウレート,2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン,tert−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブテン,tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ブチル 4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−tert−ブチルベルオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサイド、α−α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイドおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンが挙げられる。
有機過酸化物の添加量は、重合体(B−1)100重量部に対して、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.01〜10重量部である。
【0058】
押出機を用いて溶融混練を行うことができ、複数の重合体または重合体と固体もしくは液体の添加物とを混合するための公知の各種方法が採用可能であるという点で、重合体(B−1)を溶融させて得られる溶融重合体(B−1)に、α,β−不飽和カルボン酸無水物を添加してグラフト重合させる方法が好ましい。グラフト重合を行う各成分の全部またはいくつかを組み合わせ、別々に、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブレンダー等により混合し、均一な混合物を得た後、該混合物を溶融混練する方法がさらに好ましい。溶融混練の手段としては、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸または二軸の押出機等の公知の混練手段が広く採用可能である。重合体(B−2)を連続的に生産可能であり、生産性が向上するという観点から、重合体(B−1)、α,β−不飽和カルボン酸無水物およびラジカル開始剤を予め十分に混合して得られる混合物を、一軸または二軸の押出機の供給口より供給し、混練を行う方法が好ましい。押出機の溶融混練を行う部分の温度(例えば、押出機のシリンダー温度)は、通常50〜300℃、好ましくは80〜270℃である。温度が50℃以上であるとグラフト量が向上する傾向があり、温度が300℃以下であると重合体(B−1)の分解が抑制される傾向がある。溶融混練は、二段階で行うことが好ましく、二段階目の溶融混練の温度を、一段階目の溶融混練の温度よりも高くすることが好ましい。溶融混練時間は、通常0.1〜30分間、好ましくは0.1〜5分間である。溶融混練時間が0.1分以上であるとグラフト量が向上する傾向があり、また、溶融混練時間が30分以下であると重合体(B−1)の分解が抑制される傾向がある。
【0059】
重合体(B−2)中のα,β−不飽和カルボン酸無水物に由来する構造単位は、酸無水物構造が保持された構造単位であってもよいし、酸無水物構造が開環したα,β−不飽和カルボン酸に由来する構造単位であってもよく、酸無水物構造が保持された構造単位と酸無水物構造が開環したα,β−不飽和カルボン酸に由来する構造単位の両方を含む構造単位であってもよい。
【0060】
重合体(B−2)の分子量分布(Mw/Mn)は、通常1.5〜10であり、好ましくは1.5〜7、より好ましくは1.5〜5である。重合体(B−2)の分子量分布は、前記重合体(B−1)の分子量分布と同様の方法により測定することができる。
【0061】
JIS K 7210に準拠し、メルトインデクサ(L217−E14011、テクノ・セブン社製)を用いて、190℃、2.16kgfの条件下で測定した、重合体(B−2)のメルトフローレート(MFR)の値は、通常130g/10分以上300g/10分以下であり、本発明の水性エマルション中の重合体(B−2)の分散性の観点から、130g/10分以上200g/10分以下が好ましい。
【0062】
本発明の水性エマルションは、成分(A)および成分(B)に加えて、成分(C)である水を含み、成分(A)および成分(B)を分散質とし、成分(C)を分散媒とするエマルションである。
分散質の体積基準メジアン径は、通常0.01〜3μmであり、好ましくは0.1〜2μmであり、より好ましくは0.5〜1.7μmである。
体積基準メジアン径が0.01μm以上であると、水性エマルションの製造が容易であり、3μm以下であると、水性エマルションの静置安定性および水性エマルションを乾燥して得られる硬化物の接着性が向上する傾向がある。”静置安定性”は、水性エマルションを攪拌せずに3日間保存したとき、水性エマルションが均一である性質、すなわち、水性エマルション中に成分(B)が豊富な層および/又は成分(C)が豊富な層が生じにくい性質を意味する。”体積基準メジアン径”は、体積基準で積算粒子径分布の値が50%に相当する粒子径を意味する。
【0063】
本発明の水性エマルション中の成分(A)の含有量は、(B)100重量部に対して、通常1〜30重量部であり、好ましくは2〜10重量部である。
本発明の水性エマルション中の成分(A)と成分(B)の含有量の合計は、水性エマルション100重量部に対して、通常10〜90重量部、好ましくは30〜70重量部、より好ましくは40〜60重量部である。
本発明の水性エマルションにおける(C)の含有量は、水性エマルション100重量部に対して、通常90〜10重量部、好ましくは70〜30重量部、より好ましくは60〜40重量部である。
【0064】
本発明の水性エマルションは、成分(A)および成分(B)を溶融混練し、得られた溶融混合物と水とを混合する方法;加熱した成分(B)に成分(A)を混合する工程を含む方法;成分(A)および成分(B)を加熱および混練し、得られた混練混合物を成分(C)中に分散させる方法;および、成分(B)をトルエン等の有機溶媒に溶解させ、得られた溶液と成分(A)を混合し、得られた混合物から前記有機溶媒を除去する工程を含む方法が挙げられる。
また、自己乳化等の化学乳化法を用いることもできる。
なかでも、成分(A)および成分(B)を溶融混練し、得られた溶融混合物と水とを混合する方法および加熱した成分(B)に成分(A)を混合する工程を含む方法が好適である。
【0065】
成分(A)および成分(B)を溶融混練する工程に用いられる装置としては、2軸押出機、ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)、ラボプラストミルマイクロ(株式会社 東洋精機製作所製)等の多軸押出機、ホモジナイザー、T.Kフィルミクス(プライミクス株式会社製)等バレル(シリンダー)を有する機器、攪拌槽、ケミカルスターラー、ボルテックスミキサー、フロージェットミキサー、コロイドミル、超音波発生機、高圧ホモジナイザー、分散君(株式会社フジキンの登録商標)、スタティックミキサー、マイクロミキサー等のバレル(シリンダー)を有さない機器等が挙げられる。
【0066】
バレルを有する機器の剪断速度は、通常200〜100000秒−1程度、好ましくは1000〜2500秒−1程度である。剪断速度が200秒−1以上であると、水性エマルションを乾燥して得られる硬化物の接着性が向上する傾向があり、100000秒−1以下であると、水性エマルションを工業的に製造することが容易になる傾向がある。”剪断速度”は、スクリューエレメント最外周部の周速度[mm/sec]をスクリューとバレルとのクリアランス[mm]で除した数値を意味する。
【0067】
成分(A)および成分(B)を溶融混練する方法としては、二軸押出機のホッパーまたは供給口から、成分(B)を連続的に供給して、成分(B)の加熱溶融混練を行い、該押出機の圧縮ゾーン、計量ゾーンまたは脱気ゾーンに設けられた少なくとも1個の供給口から、成分(A)を加圧供給し、成分(A)と成分(B)とをスクリューで混練し、続いて、該押出機の圧縮ゾーンに設けられた少なくとも1個の供給口から、成分(C)を供給することにより、ダイより連続的に水性エマルションを押出製造する方法が挙げられる。
【0068】
加熱された成分(B)に、成分(A)を混合する工程を含む方法としては、ニーダーのシリンダーを加熱した後、該シリンダー内に成分(B)を投入し、回転させながら成分(B)を溶融させ、続いて、成分(A)を投入し、回転させながら成分(A)と成分(B)を混合し、得られた混合物を温水中に投入することにより、成分(A)と成分(B)とを成分(C)中に分散させて、水性エマルションを得る方法が挙げられる。
【0069】
加熱された成分(B)に成分(A)を混合する工程を含む方法には、多軸押出機を用いる方法が好適である。具体的には、まず、2本以上のスクリューをケーシング内に有する多軸押出機のホッパーから、成分(B)を供給し、成分(B)の加熱溶融混練を行い、次に、該押出機の圧縮ゾーンまたは/および計量ゾーンに設けられた少なくとも1個の液体供給口から成分(A)を供給し、成分(A)と成分(B)とを混練しながら成分(C)に分散させる方法が挙げられる。
【0070】
本発明のエマルションは、ポリウレタン水性エマルション、エチレン−酢酸ビニル共重合体水性エマルション等の他の水性エマルション、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム等の充填剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、発泡剤、ポリアクリル酸、ポリエーテル、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、澱粉等の増粘剤、粘度調整剤、難燃剤、酸化チタン等の顔料、コハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル等の高沸点溶剤、可塑剤等を含んでいてもよい。
【0071】
本発明の水性エマルションを乾燥させることにより、木質材料、セルロース材料、プラスチック材料、セラミック材料、金属材料等の基材との接着性に優れる硬化物を得ることができる。乾燥温度は、通常30〜180℃であり、好ましくは60〜150℃である。乾燥時間は、通常1分〜12時間程度、好ましくは10分〜6時間程度である。乾燥は、通風下で行ってもよいし、減圧下で行ってもよい。本発明の硬化物は、乾燥温度が65〜90℃程度の低温であっても、基材との接着性に優れる。また、本発明の水性エマルションを乾燥させて得られる硬化物は、塗料等の他の材料が接着し難いポリオレフィン(例えば、ポリプロピレンなど)に対しても、優れた接着性を有する。
【0072】
本発明の水性エマルションを、基材上に、塗布することにより、基材上に該水性エマルション層が積層された積層体が得られ、該積層体を乾燥することにより、基材層と硬化物からなる層とを有する積層体を形成することができる。かかる硬化物からなる層は、塗料、プライマー、下地材、接着剤等として使用することができる。
【0073】
基材は、本発明の水性エマルションを塗布可能なものであればよく、その形状も任意である。
基材としては、木材、合板、MDF、パーティクルボード、ファイバーボード等の木質材料;壁紙、包装紙等の紙質材料:綿布、麻布、レーヨン等のセルロース材料;ポリエチレン(エチレンに由来する構造単位を主成分とするポリオレフィン、以下同じ)、ポリプロピレン(プロピレンに由来する構造単位を主成分とするポリオレフィン、以下同じ)、ポリスチレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、(メタ)アクリル樹脂ポリエステル、ポリエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、発泡ウレタン等のプラスチック材料;ガラス、陶磁器等のセラミック材料;および、鉄、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属材料が挙げられる。
【0074】
かかる基材は、複数の材料からなる複合材料であってもよい。また、タルク、シリカ、活性炭等の無機充填剤や炭素繊維等とプラスチック材料との混練成形品であってもよい。
【0075】
ここで、ポリウレタンは、ウレタン結合によって架橋された高分子であり、通常、アルコール(−OHを有する化合物)とイソシアネート(−NCOを有する化合物)との反応によって得られる。発泡ポリウレタンは、イソシアネートと、架橋剤である水との反応によって生じる二酸化炭素やフレオン等の揮発性溶剤によって発泡されたポリウレタンである。自動車の内装用部材には、通常半硬質のポリウレタンが用いられ、塗料には、通常硬質のポリウレタンが用いられる。
【0076】
基材としては、なかでも、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル樹脂、ガラス、アルミニウムおよびポリウレタンが好ましく、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ガラス、アルミニウムおよびポリウレタンがより好ましい。
【0077】
本発明のエマルションから得られる硬化物は、二種類の基材を接着する接着層として用いることができる。一方の基材が、木質材料、紙質材料、セルロース材料等の吸水性の基材である場合は、本発明の水性エマルションを該吸水性の基材上に塗布すると、水性エマルションに含まれる成分(C)が吸水性の基材に吸収され、吸水性の基材上に成分(A)および成分(B)を含む接着層が形成される。そのため、該接着層上に、もう一方の基材を貼りあわせることにより、吸水性の基材、接着層およびもう一方の基材とがこの順で積層した積層体が得られる。
【0078】
一方の基材がポリオレフィン等の非吸水性の基材である場合は、該非吸水性の基材上に本発明の水性エマルションを塗布した後、加熱して、非吸水性の基材上に硬化物を形成した後、もう一方の基材を、該硬化物上に貼合し、さらに、加熱することにより、積層体を得ることができる。加熱温度は、通常60〜200℃である。本発明の水性エマルションは、加熱温度が60〜90℃であっても、接着性に優れる硬化物を与え、さらに、加熱温度が65〜80℃の低温であっても、接着性に優れる硬化物を与える。
【0079】
本発明の硬化物には、さらに、液状材料を塗料として塗布してもよい。塗料としては、ポリウレタン等の前記基材の材料が挙げられ、液状材料であると、該硬化物との接着性に優れる。
【実施例】
【0080】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0081】
[固形分]
固形分は、JIS K−6828に準じた方法で測定した。
【0082】
[分子量および分子量分布]
成分(A)の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定した。ポリエチレングリコール(分子量200〜300,000)標準物質で校正を行い、下記条件にて求めた。
カラム:旭テクネイオン株式会社製G3000PWXL−cp+G5000PWXL−cp
ガードカラム:旭テクネイオン株式会社製TSK guard column−cp
測定温度:40℃
測定溶媒:0.2M 硝酸ナトリウム−0.2M 酢酸 水溶液
測定濃度:10mg/ml
【0083】
成分(B)の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定した。ポリスチレン(分子量688〜400,000)標準物質で校正を行い、下記条件にて求めた。なお、分子量分布は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で評価した。
機種:Waters製 150−C
カラム:shodex packed column A−80M
測定温度:140℃
測定溶媒:オルトジクロロベンゼン
測定濃度:1mg/ml
【0084】
[ビニルシクロヘキサンに由来する構造単位の含有量]
成分(B)中のビニルシクロヘキサンに由来する構造単位の含有量は、成分(B)の13C−NMRスペクトルを、下記条件で測定して得られた結果と下記式(X)に基づき、算出した。
13C−NMR装置:BRUKER社製 DRX600
測定溶媒:オルトジクロロベンゼンとオルトジクロロベンゼン−d 4:1(容積比)混合液
測定温度:135℃
測定方法:Powergate Decouping法 パルス角度:45度
測定基準:テトラメチルシラン
【0085】

(式(1)中、Aは、45ppm〜40ppmのシグナルの積分積算値を表わし、Bは、35ppm〜25ppmのシグナルの積分積算値を表わす。)
【0086】
[グラフト量]
成分(B)中の無水マレイン酸のグラフト量は以下のようにして求めた。
(i)試料1.0gをキシレン20mlに溶解させて、試料溶液を調製する。
(ii)調製した溶液をメタノール300ml中に攪拌しながら滴下する。
(iii)メタノール中に析出した沈殿を回収し、80℃で、8時間乾燥する。
(iv)乾燥した固体を用いて、熱プレスにより厚さ100μmのフィルムを作製する。
(v)作製したフィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm−1付近の吸収ピークに基づきマレイン酸グラフト量を定量した。
【0087】
[メルトフローレート]
重合体のメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準拠し、メルトインデクサ(L217−E14011、テクノ・セブン社製)を用いて、190℃、2.16kgfの条件下で測定した。
【0088】
[ガラス転移温度および融点]
成分(B)のガラス転移温度([Tg]、単位:℃)および融点([Tm]、単位:℃)は、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製 SSC−5200)を用いて、下記条件で示差走査熱量測定曲線を測定し、工程(c)で得られる示差走査熱量測定曲線に基づき求めた。
<測定条件>
(a)試料を、20℃から200℃まで、10℃/分で昇温した後、200℃で10分間保持する。
(b)(a)で得られる試料を、200℃から−100℃まで、10℃/分で降温した後、−100℃で10分間保持する。
(c)(b)で得られる試料を、−100℃から200℃まで10℃/分で昇温する。
【0089】
構造単位(a1)を導くモノマーとして、アクリル酸(三菱化学(株)製、以下、AAと略記する。)を用い、構造単位(a2)を導くモノマーとして、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(三洋化成工業(株)製、以下、DMAと略記する。)を用い、構造単位(b1)を導くモノマーとして、メチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、以下、MMAと略記する。)およびラウリルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製、以下、SLMAと略記する。)を用い、構造単位(b2)を導くモノマーとして、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(関東化学(株)製、以下、HEAと略記する。)、構造単位(b3)を導くモノマーとして、2−メタクロイルオキシエチルコハク酸(共栄社化学(株)製、以下、HO−MSと略記する。)を用い、成分(A)を製造した。なお、以下の例中の”部”および”%”は、特に断らないかぎり重量基準を意味する。
【0090】
<成分(A)の製造例1>
AA14.5部(27.5モル比)、HO−MS22.5部(13.4モル比)、DMA37.0部(32.2モル比)、MMA15.0部(20.6モル比)、SLMA10.0部(5.2モル比)およびHEA1.0部(1.2モル比)を10〜30℃で混合し、モノマー混合物100部を調製した。ここで、”モル比”は、上記モノマーの合計モル数を100としたときの、それぞれのモノマーのモル数を表わす。
冷却器、窒素導入管、攪拌機および滴下ロートを備え、加熱用のジャケットを有する1L反応器に、イソプロパノール150部とイオン交換水100部を仕込んだ。得られた溶液を攪拌しながら、その内温を80℃に調整した。反応容器内のガスを窒素に置換した後、上記で調製したモノマー混合物20部を一括で投入した。さらに、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略記する。)0.67部を加え、得られた混合物を80℃で攪拌した。次に、得られた混合物に、モノマー混合物80部を、80℃で、攪拌しながら、4時間かけて滴下した。モノマー混合物の滴下開始から1時間毎に、AIBNを0.05部ずつ、4回にわけて添加した。得られた反応混合物から、イソプロパノールを留去しながら、水を加え、反応混合物中のイソプロパノールを水に置き換えた。得られた濃縮物に、28%アンモニア水溶液21.8部(49.1モル比、該モル比は、上記モノマーの合計モル数を100としたときの、アンモニアのモル数を表わす。)を混合し、重量平均分子量が、26,414であるアクリル樹脂を含む粘稠な乳化剤を得た。収率90%。得られた乳化剤を(A−1)と称す。結果を表1に示す。
【0091】
<成分(A)の製造例2〜5>
使用するモノマーの種類および使用量、AIBNの使用量、および28%アンモニア水の使用量を表1に記載のものに変更した以外は上記成分(A)の製造例1と同様に行い、アクリル樹脂を含む粘稠な乳化剤を得た。得られた乳化剤を、それぞれ、(A−2)、(A−3)、(A−4)および(A−5)と称す。結果を表1に示す。
【0092】
【表1】

【0093】
<成分(B)の製造例1>
ステンレス製反応器の内部の気体をアルゴンガスで置換した後、ビニルシクロへキサン386部とトルエン3,640部を投入した。得られた混合物を50℃に昇温した後、エチレンを0.6MPaで加圧しながら反応器内に仕込んだ。さらに、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(東ソー・アクゾ(株)製、濃度20%)10部を仕込み、続いて、ジエチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド0.001部を脱水トルエン87部に溶解させることにより得られた溶液とジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.03部を脱水トルエン122部に溶解させることにより得られた溶液を、反応器内に仕込んだ。得られた混合物を2時間攪拌した。得られた反応混合物をアセトン約10,000部中に注ぎ、沈殿した白色固体を濾過により取り出した。取り出した固体をアセトンで洗浄した後、減圧乾燥し、エチレン・ビニルシクロヘキサン共重合体300部を得た。得られた共重合体のMnは15,600であり、Mw/Mnは2.0であり、Tmは57℃であり、Tgは−28℃であり、ビニルシクロヘキサンに由来する構造単位の含有率は13モル%であった。得られた共重合体を(B−1a)と称す。
【0094】
<成分(B)の製造例2>
(B−1a)100部に、無水マレイン酸0.4部および1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.04部を添加し、得られた混合物を十分に攪拌し、予備混合を行った。得られた混合物を二軸押出機の供給口より供給して溶融混練を行った。なお、溶融混練を前半と後半の二段階に分けて行い、押出機の溶融混練を行う部分の前半部分の温度は180℃に、後半部分の温度は260℃に、それぞれ設定し、溶融混練を行った。その結果、エチレン・ビニルシクロヘキサン共重合体に無水マレイン酸をグラフト重合させることにより得られた重合体を得た。得られた重合体のマレイン酸グラフト量は0.2%であり、MFRは180g/10分(190℃、荷重:2.16kgf)であった。得られた重合体を、(B−2a)と称す。
【0095】
<成分(B)の製造例3>
<成分(B)の製造例1>において、エチレンに代えてプロピレンを用いる以外は、<成分(B)の製造例1>と同様に実施することにより、プロピレン・ビニルシクロヘキサン共重合体を得ることができる。該共重合体を(B−1b)と称す。
【0096】
<成分(B)の製造例4>
<成分(B)の製造例2>において、(B−1a)に代えて(B−1b)を用いる以外は、<成分(B)の製造例2>と同様に実施することにより、プロピレン・ビニルシクロヘキサン共重合体に無水マレイン酸をグラフト重合させることにより得られる重合体を得ることができる。該重合体を(B−2b)と称す。
【0097】
実施例1
卓上型ニーダーPBV−0.3型(入江商会から購入)のシリンダー温度を97℃に設定した後、該シリンダー内に、(B−2a)110部を投入し、毎分10回転で順回転させながら、(B−2a)を、10分間かけて溶融させた。その後、固形分量が10部となる量の(A−1)を投入し、毎分60回転でカバーガラスをときどき開け、4分間混練乳化を行った。次いで、90℃の温水110部を投入し、水性エマルションを得た。
得られた水性エマルション中の分散質の体積基準メジアン径は1.5μmであった。該体積基準メジアン径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製)により測定した。
該水性エマルションから得られた硬化物の接着性を、下記試験方法(碁盤目剥離テープ法)で評価した。結果を表2に示す。
【0098】
<接着性の試験方法>
厚さ3mmのポリプロピレン板の表面をイソプロパノールで洗浄した後、乾燥して得られる硬化物の膜厚が10μmとなるように、バーコーターを用いて、水性エマルションをポリプロピレン板上に塗布した。得られた塗膜を熱風乾燥機で80℃5分間乾燥させ、さらに70℃のオーブンで30分間加熱乾燥して、硬化物を得た。
厚さ3mmのポリプロピレン板の表面をイソプロパノールで洗浄した後、乾燥して得られる硬化物の膜厚が10μmとなるように、バーコーターを用いて、水性エマルションをポリプロピレン板上に塗布した。得られた塗膜を熱風乾燥機で80℃5分間乾燥させ、さらに90℃のオーブンで30分間加熱乾燥して、硬化物を得た。
JIS−K5400(碁盤目剥離テープ法試験)に準拠して、得られた各硬化物に、すきま間隔1mmの碁盤目状の切り傷を付けた後、その上にセロハンテープを貼り付けた。1〜2分経過後に、テープの一方の端を持って直角に引き剥がし、接着性を下記評価基準に基づき、評価した。
◎:硬化物の剥がれは全く観察されない。
○:硬化物の剥がれが観察され、剥がれの面積が正方形面積の40%未満である。
×:硬化物の剥がれが観察され、剥がれの面積が正方形面積の40%以上である。
【0099】
実施例2
実施例1において、(A−1)を(A−2)に代えた以外は、実施例1と同様に実施して、水性エマルションを得た。
得られた水性エマルション中の分散質の体積基準メジアン径および該水性エマルションから得られた硬化物の接着性の評価結果を表2に示す。
【0100】
実施例3
実施例1において、(A−1)を(A−3)に代えた以外は、実施例1と同様に実施して、水性エマルションを得た。
得られた水性エマルション中の分散質の体積基準メジアン径および該水性エマルションから得られた硬化物の接着性の評価結果を表2に示す。
【0101】
実施例4
実施例1において、(A−1)を(A−4)に代えた以外は、実施例1と同様に実施して、水性エマルションを得た。
得られた水性エマルション中の分散質の体積基準メジアン径および該水性エマルションから得られた硬化物の接着性の評価結果を表2に示す。
【0102】
実施例5
実施例1において、(A−1)を(A−5)に代えた以外は、実施例1と同様に実施して、水性エマルションを得た。
得られた水性エマルション中の分散質の体積基準メジアン径および該水性エマルションから得られた硬化物の接着性の評価結果を表2に示す。
【0103】
【表2】

【0104】
実施例6
実施例1において、(B−2a)に代えて(B−1a)を用いる以外は、実施例1と同様に実施することにより、水性エマルションを得ることができる。
【0105】
実施例7
実施例1において、(B−2a)に代えて(B−1b)を用いる以外は、実施例1と同様に実施することにより、水性エマルションを得ることができる。
【0106】
実施例8
実施例1において、(B−2a)に代えて(B−2b)を用いる以外は、実施例1と同様に実施することにより、水性エマルションを得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明の水性エマルションは、ポリプロピレン等の塗料等の他の材料が接着し難い基材との接着性に優れた硬化物を与えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)、成分(B)および成分(C)を含む水性エマルション。
(A)α,β−不飽和カルボン酸に由来する構造単位と、
置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位と
を含み、その重量平均分子量が2×10〜1×10であるアクリル樹脂
(B)熱可塑性ポリマー
(C)水
【請求項2】
成分(B)が、エチレンおよび/またはプロピレンに由来する構造単位を含有する熱可塑性ポリマーを含む請求項1に記載の水性エマルション。
【請求項3】
成分(B)が、エチレンおよび/またはプロピレンに由来する構造単位と、式(I)
CH=CH−R (I)
(式中、Rは、2級アルキル基、3級アルキル基または脂環式炭化水素基を表わす。)
で示されるビニル化合物に由来する構造単位を含む共重合体、または、該共重合体に、α,β−不飽和カルボン酸無水物をグラフト重合させることにより得られる重合体を含む請求項1に記載の水性エマルション。
【請求項4】
式(I)で示されるビニル化合物が、ビニルシクロヘキサンである請求項3に記載の水性エマルション。
【請求項5】
成分(B)が、MFR(190℃、2.16kgf)が、130g/10分以上300g/10分以下の熱可塑性ポリマーである請求項1〜4のいずれかに記載の水性エマルション。
【請求項6】
水性エマルションが、前記成分(A)および前記成分(B)を分散質とし、前記成分(C)を分散媒とする水性エマルションであり、該分散質の体積基準メジアン径が0.01μm〜3μmである請求項1〜5のいずれかに記載の水性エマルション。
【請求項7】
成分(A)および成分(B)を溶融混練し、得られた溶融混合物と水とを混合することを特徴とする水性エマルションの製造方法。
(A)α,β−不飽和カルボン酸に由来する構造単位と、
置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位と
を含み、その重量平均分子量が2×10〜1×10であるアクリル樹脂
(B)熱可塑性ポリマー
(C)水
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の水性エマルションを乾燥させることにより得られる硬化物。
【請求項9】
木質材料、セルロース材料、プラスチック材料、セラミック材料および金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料からなる基材層と請求項8に記載の硬化物からなる層とを有する積層体。
【請求項10】
木質材料、セルロース材料、プラスチック材料、セラミック材料および金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料からなる基材層に、請求項1〜6のいずれかに記載の水性エマルションを塗布し、該基材層と該水性エマルション層とを有する積層体を得る工程と、
前記工程で得られた積層体を乾燥して、前記基材層と前記水性エマルションから得られる硬化物層とを有する積層体を得る工程とを含む積層体の製造方法。
【請求項11】
α,β−不飽和カルボン酸に由来する構造単位と、
置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位と
を含むアクリル樹脂を有効成分として含み、その重量平均分子量が2×10〜1×10である乳化剤。
【請求項12】
α,β−不飽和カルボン酸に由来する構造単位が、アクリル酸およびメタクリル酸からなる群から選ばれる少なくとも一種に由来する構造単位である請求項11に記載の乳化剤。
【請求項13】
置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルに由来する構造単位が、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートに由来する構造単位である請求項11または12に記載の乳化剤。
【請求項14】
アクリル樹脂が、α,β−不飽和カルボン酸と、置換基を有していてもよいアミノ基を有する炭素数1〜10の脂肪族アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とから導かれるα,β−不飽和カルボン酸エステルとを、重合開始剤の存在下に重合させることにより得られるアクリル樹脂であり、前記重合開始剤の使用量が、重合反応に関与する全てのモノマー100重量部に対して、0.01〜3重量部である請求項11に記載の乳化剤。

【公開番号】特開2010−270323(P2010−270323A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98820(P2010−98820)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】