説明

水性オリゴマーもしくはポリマー化合物の製造方法

【課題】揮発性溶媒をほとんどもしくは全く含有せずそして上塗りして水に浸した場合にブリスタリングの発生を減少する塗料組成物を提供。
【解決手段】一般式I:(RO−)Si(−R−NR4−m・・・I。[式中、基−NR内の少なくとも1つの窒素基はR基に直接結合しており、そしてRは−(C=O)Rもしくは−(C=O)−ORである]の少なくとも1種のモノマーを反応させて得られるオリゴマーもしくはポリマー化合物を含んでなる塗料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合剤組成物に、特に塗料もしくは含浸剤における使用のための水性結合剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
塗料は、3つの成分:結合剤、溶媒および顔料を含んでなるとおおまかに考えることができる。結合剤は、一般的に言うと、溶媒と一緒になって、選択した基質への顔料の送達のための媒体を形成するフィルム形成成分である。塗料における結合剤の選択は塗料の特性の多くを決定できることが、当該技術分野において一般に認められている。
【0003】
装飾用塗料は、溶媒型もしくは水性であることができ;この後者の場合において、水性シランエマルジョンは雨水および大気損傷からコンクリートもしくは外壁のような屋外表面を保護するために用いられる。これらの目的のために用いられる塗料には、長持ちする撥水塗料、防塵塗料、落書き防止(antigrafiti)塗料などが包含される。
【0004】
防食塗料は、腐食から基質を保護するために多種多様な用途において使用される。1つのそのような塗料は、いわゆるショッププライマーである。ショッププライマーもしくは事前構築プライマーは、通常、基質への保護コーティングの薄層として施される。例えば、重鋼(heavy steel)建設業(造船業のような)用の熱延鋼板は、一般に、自動化手順を用いてオンラインで吹き付けられ、そしてショッププライマーの薄層で即座にコーティングされる。
【0005】
有効なショッププライマーは、以下の特質を有するべきである:
−適切な貯蔵寿命および可使時間を有する;
−特に薄層において、容易に噴霧できる;
−合理的に迅速に乾燥する;
−基質に優れた腐食防止を与える;
−優れた機械抵抗を与える;
−基質が受け得る溶接および切断操作を妨げない;
−基質が受け得る溶接および切断操作の熱および応力に耐える;
−有毒ガスなどの放出のような溶接操作中に健康を害するものを導入しない;
−「上塗り適合性」と呼ばれる、その上部に適用され得るさらなるコーティングへの適合性を与える。
【0006】
当該技術分野において既知である結合剤の1つのタイプは、ケイ酸塩タイプ結合剤である。例えば、特許文献1はケイ酸塩に基づく結合剤を含んでなる塗料組成物を開示するが、揮発性溶媒の使用を必要とする。一般に、環境的観点から、塗料組成物における揮発性溶媒の使用は回避されるべきである。
【0007】
特許文献2、特許文献3および特許文献4は、水性可溶性アルカリケイ酸塩に基づく、鋼鉄用のプライマーコーティングを開示する。
【0008】
特許文献5は、少なくとも1つのオメガ−アミノアルキルトリアルコキシシラン、少なくとも1つの強酸ならびにトリアルコキシもしくはアルキルジアルコキシシランおよびエポキシ基を末端基として有する少なくとも1つの化合物の反応生成物を含んでなる結合剤を有する水溶性ショッププライマー組成物を開示する。この結合剤は2成分系の第一の成分において用いられ、第二の成分は微粉化した亜鉛を含んでなる。
【0009】
これらの既知の結合剤の使用は、組成物が水性であり従って揮発性溶媒の使用を回避することを可能にするが、そのようなプライマーは不十分な長期性能を有し、そしてショッププライマーを浸水業務に適当な塗料系で上塗りしそして水に浸した後にブリスタリングを起こしやすいことが見出されている。これは、造船業にとって重大な問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】EP−A−346385明細書
【特許文献2】US 6,468,336明細書
【特許文献3】WO 02/22745明細書
【特許文献4】WO 03/022940明細書
【特許文献5】EP−A−1191075明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の問題に取り組み、そして揮発性溶媒をほとんどもしくは全く含有せずそして上塗りして水に浸した場合にブリスタリングの発生を減少する結合剤組成物を提供することは本発明の態様の目的の1つである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第一の態様によれば、末尾の実施態様に記載の水性結合剤組成物が提供される。本発明のさらなる態様によれば、末尾の実施態様に記載のオリゴマーもしくはポリマー化合物、塗料組成物、2成分塗料組成物、シロキサンポリマー組成物およびシロキサンポリマーを含んでなる結合剤組成物を製造する方法が提供される。本発明の態様のさらに好ましい特徴は、以下に開示される。
【0013】
好ましくは、結合剤組成物は防食塗料結合剤組成物、さらに特に防食プライマー塗料結合剤組成物である。好ましくは、結合剤組成物は水性塗料結合剤組成物である。
【0014】
好ましくは、結合剤組成物は装飾用塗料結合剤組成物である。好ましくは、結合剤組成物は保護塗料結合剤組成物である。あるいはまた、結合剤組成物は好ましくは布地もしくは壁用途の撥水含浸剤結合剤組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
重合プロセス中に、一般式Iのそして一般式IIの(存在する場合)モノマーは重合し、すなわち加水分解し、そしてシラノール、ヒドロカルビルオキシもしくはアセトキシシランは縮合し、アルコール、R33COOH、R34COOHもしくは水を遊離する。アルコール、R33COOH、R34COOHもしくは水を分離し、通常は反応混合物から蒸留して一般に[−O−Si−O−Si−]骨格を有するポリマー生成物を遊離することができる。従って、R(および存在する場合R)は、R(およびR)の化学的特性ならびに立体的特性のような因子を考慮してこの重合が有利な速度で進むことを可能にする任意の適当な部分であるように選択されるべきである。化学的特性は、加水分解を受け、その結果重合し、そしてアルコール、R33COOH、R34COOHもしくは水を遊離するSi−OR(Si−OR)の潜在能力を意味するだけでなく、反応系に存在する他の化学物質も考慮すべきであり、そして反応条件下でこれらの他の基と優先的に反応せず、従って重合を回避するR(R)基が選択されるべきである。
【0016】
好ましくは、Rは、RO−が優れた脱離基であるように選択される。優れた脱離基という用語は、RO−基が結合しているケイ素原子から離れている場合にそれが優れた
エネルギー安定性を有することを意味する。
【0017】
好ましくは、Rは、RO−が優れた脱離基であるように選択される。優れた脱離基という用語は、RO−基が結合しているケイ素原子から離れている場合にそれが優れたエネルギー安定性を有することを意味する。
【0018】
16以下、より好ましくは15以下、最も好ましくは14以下のpKa(298KでHOにおいて測定する)を有する分子は、優れた脱離基と見なすことができる。
【0019】
好ましくは、Rおよび/もしくはRは任意のC〜C10の2価の有機架橋基である。
【0020】
好ましくは、Rおよび/もしくはRは任意のアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アラルキレンもしくはアリーレン基、またはその任意の組み合わせから独立して選択される。
【0021】
基−NR内の少なくとも1つの窒素基はR基に直接結合しているという用語により、言及する該少なくとも1つの窒素基は−基であり得るだけでなく、あるいはまたもしくはさらにR基、R基もしくは両方に存在し得ることが理解されるべきである。例えば、RもしくはRが−R−NRとして選択される場合、言及する少なくとも1つの窒素基は第一のものにおける−R基もしくはその後に続く−R基であり得る。
【0022】
誤解を避けるために、Rが式VIの環式フラグメント、−C(O)R32−である場合、RとRもしくはRとRの1つもしくはそれ以上は一緒になって、基−NRもしくは−NRが式VIにより独立して表されることができるように環式基を形成していることが意味され、従って、そのようなシナリオにおいて、基Rに直接結合している基−NR内の少なくとも1つの窒素基の少なくとも1つは式VIにより表されることができる。
【0023】
「アルク」もしくは「アルキル」という用語は、本明細書において用いる場合、他に特定されない限り、直鎖状、分枝鎖状、環式もしくは多環式部分またはその組み合わせでありそして1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、より好ましくは1〜8個の炭素原子、さらにより好ましくは1〜6個の炭素原子、なおさらに好ましくは1〜4個の炭素原子を含有する飽和炭化水素基に関する。これらの基は、場合によりクロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR27、C(O)SR27、C(S)NR2526、アリールもしくはHetで置換されていてもよく(ここで、R19〜R27は各々独立して水素、アリールもしくはアルキルを表す)、そして/あるいは1個もしくはそれ以上の酸素もしくは硫黄原子で、またはシラノもしくはジアルキルシロキサン基で遮られることができる。そのような基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−メチルブチル、ペンチル、イソ−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、3−メチルペンチル、オクチルなどから独立して選択することができる。「アルキレン」という用語は、本明細書において用いる場合、上記について定義したとおりの2価の基のアルキル基に関する。例えば、−CHとして表されるメチルのようなアルキル基は、アルキレンとして表される場合、メチレン、−CH−になる。他のアルキレン基は、それに応じて理解されるはずである。
【0024】
「アルケニル」という用語は、本明細書において用いる場合、1もしくは数個、好まし
くは4個までの二重結合を有し、直鎖状、分枝鎖状、環式もしくは多環式部分またはその組み合わせであり、そして2〜18個の炭素原子、好ましくは2〜10個の炭素原子、より好ましくは2〜8個の炭素原子、さらにより好ましくは2〜6個の炭素原子、なおさらに好ましくは2〜4個の炭素原子を含有する炭化水素基に関する。これらの基は、場合によりヒドロキシル、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR27、C(O)SR27、C(S)NR2526、アリールもしくはHetで置換されていてもよく(ここで、R19〜R27は各々独立して水素、アリールもしくはアルキルを表す)、そして/あるいは1個もしくはそれ以上の酸素もしくは硫黄原子で、またはシラノもしくはジアルキルシロキサン基で遮られることができる。そのような基の例は、アルケニル基から独立して選択されることができ、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、イソプレニル、ファルネシル、ゲラニル、ゲラニルゲラニルなどが包含される。「アルケニレン」という用語は、本明細書において用いる場合、上記について定義したとおりの2価の基のアルケニル基に関する。例えば、−CH=CHとして表されるエテニルのようなアルケニル基は、アルケニレンとして表される場合、エテニレン、−CH=CH−になる。他のアルケニレン基は、それに応じて理解されるはずである。
【0025】
「アルキニル」という用語は、本明細書において用いる場合、1もしくは数個、好ましくは4個までの三重結合を有し、直鎖状、分枝鎖状、環式もしくは多環式部分またはその組み合わせであり、そして2〜18個の炭素原子、好ましくは2〜10個の炭素原子、より好ましくは2〜8個の炭素原子、さらにより好ましくは2〜6個の炭素原子、なおさらに好ましくは2〜4個の炭素原子を含有する炭化水素基に関する。これらの基は、場合によりヒドロキシ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR27、C(O)SR27、C(S)NR2526、アリールもしくはHetで置換されていてもよく(ここで、R19〜R27は各々独立して水素、アリールもしくは低級アルキルを表す)、そして/あるいは1個もしくはそれ以上の酸素もしくは硫黄原子で、またはシラノもしくはジアルキルシロキサン基で遮られることができる。そのような基の例は、アルキニル基から独立して選択することができ、エチニル、プロピニル、プロパルギル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどが包含される。「アルキニレン」という用語は、本明細書において用いる場合、上記について定義したとおりの2価の基のアルキニル基に関する。例えば、−C≡CHとして表されるエチニルのようなアルキニル基は、アルキニレンとして表される場合、エチニレン、−C≡C−になる。他のアルキニレン基は、それに応じて理解されるはずである。
【0026】
「アリール」という用語は、本明細書において用いる場合、1個の水素の除去により芳香族炭化水素から得られる有機基に関し、そして各環に7員までの任意の単環式、二環式もしくは多環式炭素環が包含され、ここで、少なくとも1つの環は芳香族である。これらの基は、場合によりヒドロキシ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR27、C(O)SR27、C(S)NR2526、アリールもしくはHetで置換されていてもよく(ここで、R19〜R27は各々独立して水素、アリールもしくは低級アルキルを表す)、そして/あるいは1個もしくはそれ以上の酸素もしくは硫黄原子で、またはシラノもしくはジアルキルシロキサン(dialkylsilcon)基で遮られることができる。そのような基の例は、フェニル、p−トリル、4−メトキシフェニル、4−(tert−ブトキシ)フェニル、3−メチル−4−メトキシフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、3−ニトロフェニル、3−アミノフェニル、3−アセトアミドフェニル、4−アセトアミドフェニル、2−メチル−3−アセトア
ミドフェニル、2−メチル−3−アミノフェニル、3−メチル−4−アミノフェニル、2−アミノ−3−メチルフェニル、2,4−ジメチル−3−アミノフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3−メチル−4−ヒドロキシフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、3−アミノ−1−ナフチル、2−メチル−3−アミノ−1−ナフチル、6−アミノ−2−ナフチル、4,6−ジメトキシ−2−ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリルもしくはアセナフチルなどから独立して選択することができる。「アリーレン」という用語は、本明細書において用いる場合、上記について定義したとおりの2価の基のアリール基に関する。例えば、−Phとして表されるフェニルのようなアリール基は、アリーレンとして表される場合、フェニレン、−Ph−になる。他のアリーレン基は、それに応じて理解されるはずである。
【0027】
「アラルキル」という用語は、本明細書において用いる場合、式アルキル−アリールの基に関し、ここで、アルキルおよびアリールは上記について定義したのと同じ意味を有し、そしてそのアルキルもしくはアリール部分を介して隣接する基に結合していることができる。そのような基の例は、ベンジル、フェネチル、ジベンジルメチル、メチルフェニルメチル、3−(2−ナフチル)−ブチルなどから独立して選択することができる。「アラルキレン」という用語は、本明細書において用いる場合、上記について定義したとおりの2価の基のアラルキル基に関する。例えば、−Bnとして表されるベンジルのようなアラルキル基は、アラルキレンとして表される場合、ベンジレン、−Bn−になる。他のアラルキレン基は、それに応じて理解されるはずである。
【0028】
「Het」という用語には、本明細書において用いる場合、4〜12員の、好ましくは4〜10員の環系が包含され、これらの環は窒素、酸素、硫黄およびその混合物から選択される1個もしくはそれ以上のヘテロ原子を含有し、そしてこれらの環は1個もしくはそれ以上の二重結合を含有するかまたは性質が非芳香族、部分的に芳香族もしくは完全に芳香族であることができる。環系は、単環式、二環式であるかもしくは縮合していることができる。本明細書において同定される各「Het」基は、場合によりハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、低級アルキル(このアルキル基は、以下について定義したとおりそれ自体が場合により置換されるかもしくは終結していてもよい)、OR19、OC(O)R20、C(O)R21、C(O)OR22、NR2324、C(O)NR2526、SR27、C(O)SR27もしくはC(S)NR2526から選択される1個もしくはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、ここで、R19〜R27は各々独立して水素、アリールもしくは低級アルキル(このアルキル基は、以下について定義したとおりそれ自体が場合により置換されるかもしくは終結していてもよい)を表す。従って、「Het」という用語には、場合により置換されていてもよいアゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリル、インドリル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、オキサトリアゾリル、チアトリアゾリル、ピリダジニル、モルホリニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、ピペリジニル、ピラゾリルおよびピペラジニルのような基が包含される。Hetでの置換は、Het環の炭素原子において、または適切な場合にはヘテロ原子の1つもしくはそれ以上においてであることができる。
【0029】
「Het」基はまた、Nオキシドの形態であることもできる。
【0030】
誤解を避けるために、本明細書において複合基におけるアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはアラルキルへの言及はそれに応じて解釈されるべきであり、例えば、アミノアルキルにおけるアルキルもしくはアルコキシルにおけるアルクへの言及は、上記のアルクもしくはアルキルとして解釈されるべきであるなど。
【0031】
好ましくは、各R基は水素もしくは任意のC〜Cアルキル基から独立して選択さ
れる。
【0032】
適当なR基の例には、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−メチル−ペンチル、3−メチル−ペンチル、4−メチル−ペンチル、シクロペンチル、メチル−シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、トリフルオロアセチルが包含される。好ましくは、各R基は水素もしくは任意のC〜Cアルキル基から独立して選択される。より好ましくは、各Rは水素、メチル、エチル、プロピルもしくはブチル基から独立して選択される。最も好ましくは、各Rはメチル基もしくはエチル基のいずれかである。
【0033】
好ましくは、基RもしくはRの少なくとも1つはR基である。
【0034】
好ましくは、各R基は:水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルもしくは第三級ブチル基のいずれかから独立して選択される。特に好ましい態様において、各R基は水素、メチルもしくはエチルから独立して選択される。
【0035】
好ましくは、各R33基は:水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルもしくは第三級ブチル基のいずれかから独立して選択される。特に好ましい態様において、各R33基は水素、メチルもしくはエチルから独立して選択される。
【0036】
好ましくは、各R34基は:水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルもしくは第三級ブチル基のいずれかから独立して選択される。特に好ましい態様において、各R34基は水素、メチルもしくはエチルから独立して選択される。
【0037】
好ましくは、各R基は任意のC〜Cアルキル基もしくはC〜C10アリール基から独立して選択される。
【0038】
最も好ましくは、各R基は:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、第三級ブチル、フェニルもしくはベンジル基のいずれかから独立して選択される。特に好ましい態様において、各R基はメチルもしくはエチルから独立して選択される。
【0039】
好ましくは、各R基は−(C=O)Rから独立して選択される。
【0040】
特に好ましい態様において、Rは−(C=O)H基である。一般式Iのモノマーは、好ましくは、少なくとも1つのN−ホルミル末端基、すなわち少なくとも1つの>N−(C=O)H末端基を含んでなる。
【0041】
好ましくは、各R基は水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、−(CHN[(C=O)H]R、−(CHN[(C=O)CH]R、−(CHN[(C=O)CHCH]R、−(CHNH[(C=O)H]、−(CHNH[(C=O)CH]、−(CHNH[(C=O)CHCH]、−(CHN[(C=O)H]CH、−(CHN[(C=O)CH]CHから独立して選択され、ここで、pは1、2、3もしくは4に同等であることができる。好ましくは、p=1、2もしくは3、より好ましくは、p=2もしくは3。特に好ましい態様において、p=2。
【0042】
特に好ましい態様において、各R基は水素、メチル、エチル、プロピル、−(CHN[(C=O)H]R、−(CHN[(C=O)CH]R、−(CHNH[(C=O)H]もしくは−(CHNH[(C=O)CH]から選択され、ここで、pは上記について定義したとおりである。
【0043】
好ましくは、各R基は水素もしくは任意のC〜Cアルキル基から独立して選択される。適当なR基の例には、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2メチルブチル、3メチルブチル、第三級ブチル、ペンチル、2メチルペンチル、3メチルペンチル、4メチルペンチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシルが包含されるがこれらに限定されるものではない。より好ましくは、各R基は水素もしくは任意のC〜Cアルキル基から独立して選択される。より好ましくは、各R基は水素、メチル、エチル、プロピルもしくはブチル基またはその分枝バリアントから独立して選択される。最も好ましくは、各Rはメチル基もしくはエチル基のいずれかである。
【0044】
適当なR基の例には:水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ビニル、フェニル、3−グリシジルオキシプロピル、3,4−エポキシシクロヘキシル−エチル、3−メタクリロイルオキシプロピル、アセトキシエチル、アセトキシメチル、メルカプトプロピルが包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0045】
代わりの態様において、各R基は水素もしくは任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラリキル、アリールもしくは一般式V:
【0046】
【化1】

【0047】
[式中、R31は上記Rについて定義したとおりである]
を有する任意の基から独立して選択することができる。
【0048】
好ましくは、各R31は任意のC〜Cアルキレン基から独立して選択される。好ましくは、各R31は任意のCもしくはCアルキレン基から独立して選択される。
【0049】
適当なR31基の例には、プロピレン、ブチレン、ペンチレンおよびヘキシレンが包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0050】
式Vを有する適当な基の例には、ピペリジンおよびピロリジンが包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0051】
さらなる代わりの態様において、Rはまた−(C=O)−NRとして選択することもでき、
ここで、各R基は水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、そして
各R基は水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択される。
【0052】
好ましくは、各R基は:水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルもしくは第三級ブチル基のいずれかから独立して選択される。特に好ましい態様において、各R基は水素、メチルもしくはエチルから独立して選択される。
【0053】
好ましくは、各R基は:水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルもしくは第三級ブチル基のいずれかから独立して選択される。特に好ましい態様において、各R基は水素、メチルもしくはエチルから独立して選択される。
【0054】
好ましくは、Rが水素基として選択される場合、Rはアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択される。
【0055】
好ましくは、各R基は任意のC〜Cアルキルもしくはアルケニル基から独立して選択される。
【0056】
従って、さらなる代わりの態様において、好ましいR基の例には−(C=O)−NHCH、−(C=O)−NHCHCH、−(C=O)−NHCH(CH)CH、−(C=O)−NHCHCH(CH)CH、−(C=O)−NHC(CH、−(C=O)−N(CH2CH2、−(C=O)−N(CH2、−(C=O)−N(iPr)2、−(C=O)−N(CHCH2、−(C=O)−N(CHCHが包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0057】
好ましくは、各R32は任意のC〜Cアルキレン基から独立して選択される。好ましくは、各R32は任意のCもしくはCアルキレン基から独立して選択される。
【0058】
適当なR32基の例には、エチレン、プロピレン、ブチレンおよびペンチレンが包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0059】
好ましくは、m=2もしくは3。最も好ましくは、m=3。
【0060】
好ましくは、q=2、3もしくは4。より好ましくは、q=2もしくは3。最も好ましい態様において、q=3。
【0061】
別の好ましい態様において、q=4。
【0062】
好ましくは、各RおよびRは、基−R−NRが一般式Iのケイ素基と各末端の−R−NR基との間で5回以下繰り返されるように独立して選択される。
【0063】
好ましくは、各RおよびRは、基−R−NRが一般式Iのケイ素基と各末端の−R−NR基との間で4回以下繰り返されるように独立して選択される。
【0064】
好ましくは、各RおよびRは、基−R−NRが一般式Iのケイ素基と各末端の−R−NR基との間で3回以下繰り返されるように独立して選択される。
【0065】
好ましくは、一般式Iのモノマーは15個未満の窒素基、より好ましくは12個未満の窒素基、より好ましくは10個未満の窒素基、最も好ましくは8個未満の窒素基を含有する。
【0066】
使用することができる一般構造Iを有する適当な化合物の例には、以下のもの:N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−ホルムアミド(CAS RN:[88542−71−6])、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−ホルムアミド(CAS RN:[76524−94−2])、N−[2−(ホルミルアミノ)エチル]−N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−ホルムアミド(CAS RN:[112096−22−7])、N−[2−(ホルミルアミノ)エチル]−N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−ホルムアミド(CAS RN:[112119−91−2])、N−[2−(ホルミルアミノ)エチル]−N−[2−ホルミル[3−(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エチル]−ホルムアミド、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−アセトアミド(CAS RN:[17053−34−8]、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−アセトアミド:(CAS RN:[57757−66−1])、N−[2−(アセチルアミノ)エチル]−N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−アセトアミド(CAS RN:[28353−43−5])、3−ウレイドプロピル−トリメトキシシラン(CAS RN:[23843−64−3])のいずれかが包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0067】
使用することができる一般構造IIを有する適当な化合物の例には、以下のもの:メチルトリエトキシシラン(CAS RN:[2031−67−6])、ジメチルジメトキシシラン(CAS RN:[1112−39−6])、ヘキシルトリエトキシシラン(CAS RN:[18166−37−5])、オクチルトリエトキシシラン(CAS RN:[2943−75−1])、フェニルトリメトキシシラン(CAS RN:[2996−92−1])、3−(グリシジルオキシプロピル)−トリメトキシシラン(CAS RN:[2530−83−8])、3−(グリシジルオキシプロピル)−トリエトキシシラン(CAS RN:[2602−34−8])、3−(グリシジルオキシプロピル)−メチルジエトキシシラン(CAS RN:[2897−60−1]、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン(CAS RN:[3388−04−3])、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリエトキシシラン(CAS RN:[10217−34−2])、ビニルトリメトキシシラン(CAS RN:[2768−02−7])、ビニルトリエトキシシラン(CAS RN:[78.08−0])、ビニルメチルジメトキシシラン(CAS RN:[16753−62−1]、3−(メタクリロイルオキシプロピル)−トリメトキシシラン(CAS RN:[2530−85−0])、3−(メタクリロイルオキシプロピル)−トリエトキシシラン(CAS RN:[21142−229−0])、3−(メタクリロイルオキシプロピル)−メチルジエトキシシラン(CAS RN:[65100−04−1])、3−(アクリロイルオキシプロピル)−トリエトキシシラン(CAS RN:[21142−29−0])、テトラエトキシシラン(CAS RN:[78−10−4])、テトラメトキシシラン(CAS RN:[681−84−5])、アセトキシメチルトリエトキシシラン(CAS RN:5630−83−1)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(CAS RN:14814−09−6)のいずれかが包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0068】
好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は一般式Iの少なくとも1つのモノマーから得られ、ここで、一般式Iの少なくとも1つのモノマーは、オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%である。
【0069】
好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、少なくとも1つのN−ホルミル基を含んでなる一般式Iの少なくとも1つのモノマーから形成される。
【0070】
好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、一般式Iの少なくとも1つのモノマーおよび一般式IIの1つのモノマー、より好ましくは少なくとも2つのモノマーから形
成される。
【0071】
より好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、N−ホルミル基を含んでなる一般式Iの少なくとも1つのモノマーおよび一般式IIの少なくとも1つのモノマー、より好ましくは少なくとも2つのモノマーから形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの1〜99% w/w、より好ましくは5〜80% w/w、より好ましくは10〜50% w/w、より好ましくは15〜30% w/w、最も好ましくは15〜25% w/wの量のN−ホルミル基を含んでなる一般式Iの少なくとも1つのモノマーから形成される。
【0072】
より好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、一般式Iの少なくとも1つのモノマー(一般式Iのこの少なくとも1つのモノマーはN−ホルミル基を含んでなる)および一般式IIの少なくとも2つのモノマー(一般式IIの少なくとも2つのモノマーの一方はq=4を有する)から形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの1〜99% w/w、より好ましくは10〜90% w/w、より好ましくは20〜80% w/w、より好ましくは40〜80% w/w、より好ましくは50〜70% w/w、最も好ましくは55〜65% w/wの量のq=4を有する一般式IIの少なくとも2つのモノマーの一方から形成される。
【0073】
最も好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、一般式Iの少なくとも1つのモノマー(一般式Iのこの少なくとも1つのモノマーはN−ホルミル基を含んでなる)および一般式IIの少なくとも2つのモノマー(一般式IIの少なくとも2つのモノマーの一方はq=4を有し、そして一般式IIの少なくとも2つのモノマーの第二のものはエポキシ末端基を含んでなる)から形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの1〜99%
w/w、より好ましくは5〜80% w/w、より好ましくは10〜50% w/w、より好ましくは15〜30% w/w、最も好ましくは15〜25% w/wの量のエポキシ末端基を含んでなる一般式IIの少なくとも2つのモノマーの第二のものから形成される。
【0074】
好ましくは、一般式Iの少なくとも1つのモノマー:一般式IIの少なくとも1つのモノマーの重量比は、オリゴマーもしくはポリマー物質において1:0.1〜1:10の範囲、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲、より好ましくは1:1〜1:8、より好ましくは1:2〜1:6、より好ましくは1:3〜1:5、より好ましくは2:7〜2:9、そして最も好ましくは約1:4である。
【0075】
特に好ましい態様において、オリゴマーもしくはポリマー物質は、一般式Iの少なくとも1つのモノマー(一般式Iのこの少なくとも1つのモノマーはN−ホルミル基を含んでなる)および一般式IIの少なくとも2つのモノマー(一般式IIの少なくとも2つのモノマーの一方はq=4を有し、そして一般式IIの少なくとも2つのモノマーの第二のものはエポキシ末端基を含んでなる)から形成され、ここで、N−ホルミル基を含んでなる一般式Iの少なくとも1つのモノマー:q=4を有する一般式IIの少なくとも2つのモノマーの一方:エポキシ末端基を含んでなる一般式IIの少なくとも2つのモノマーの第二のものの比率(重量による)は、好ましくは5〜60:15〜90:5〜60の範囲、より好ましくは10〜35:30〜80:10〜35の範囲、より好ましくは10〜30:40〜80:10〜30の範囲、さらにより好ましくは15〜25:50〜70:15〜25の範囲であり、そして特に好ましい態様において、比率は約20:60:20である。
【0076】
特に好ましい態様において、オリゴマーもしくはポリマー物質は、一般式Iの少なくとも1つのモノマー(一般式Iのこの少なくとも1つのモノマーは、N−ホルミル基を含んでなる)および一般式IIの少なくとも1つのモノマー(一般式IIのこの少なくとも1つのモノマーはq=4を有する)から形成され、ここで、N−ホルミル基を含んでなる一般式Iの少なくとも1つのモノマー:q=4を有する一般式IIの少なくとも1つのモノマーの比率(重量による)は、好ましくは1:0.1〜1:50、より好ましくは、1:0.5〜1:10、より好ましくは1:1〜1:8、より好ましくは1:2〜1:4、最も好ましくは約1:3である。
【0077】
特に好ましい態様において、オリゴマーもしくはポリマー物質は、一般式Iの少なくとも1つのモノマー(一般式Iのこの少なくとも1つのモノマーは、N−ホルミル基を含んでなる)および一般式IIの少なくとも1つのモノマー(一般式IIのこの少なくとも1つのモノマーは、末端エポキシ基を有する)から形成され、ここで、N−ホルミル基を含んでなる一般式Iの少なくとも1つのモノマー:末端エポキシ基を有する一般式IIの少なくとも1つのモノマーの比率(重量による)は、好ましくは1:0.05〜1:50、より好ましくは1:0.1〜1:10、より好ましくは1:0.5〜1:5、より好ましくは1:0.7〜1:2、最も好ましくは約1:1である。
【0078】
特に好ましい態様において、オリゴマーもしくはポリマー物質は一般式IIの少なくとも2つのモノマーから形成され、一般式IIの少なくとも2つのモノマーの少なくとも1つの(at least a)第一のものはq=4を有し、そして一般式IIの少なくとも2つのモノマーの少なくとも1つの(at least a)第二のものはエポキシ末端基を有し、ここで、q=4を有する一般式IIの少なくとも2つのモノマーの第一のもの:エポキシ末端基を有する一般式IIの少なくとも2つのモノマーの第二のものの比率(重量による)は、好ましくは1:0.1〜1:50、より好ましくは1:0.5〜1:10、より好ましくは1:1〜1:8、より好ましくは1:2〜1:4、最も好ましくは約1:3である。
【0079】
好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、0.1〜100%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式Iの少なくとも1つのモノマーから形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、1〜100%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式Iの少なくとも1つのモノマーから形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、5〜100%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式Iの少なくとも1つのモノマーから形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、6〜100%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式Iの少なくとも1つのモノマーから形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、0.1〜99.9%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式Iの少なくとも1つのモノマーから形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、1〜99%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式Iの少なくとも1つのモノマーから形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、10〜70%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式Iの少なくとも1つのモノマーから形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、15〜60%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式Iの少なくとも1つのモノマーから形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、15〜40%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式Iの
少なくとも1つのモノマーから形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、15〜30%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式Iの少なくとも1つのモノマーから形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、15〜25%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式Iの少なくとも1つのモノマーから形成される。
【0080】
好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、1〜99%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式IIの少なくとも1つのモノマーからさらに形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、5〜90%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式IIの少なくとも1つのモノマーからさらに形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、10〜90%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式IIの少なくとも1つのモノマーからさらに形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、30〜90%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式IIの少なくとも1つのモノマーからさらに形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、50〜90%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式IIの少なくとも1つのモノマーからさらに形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、60〜90%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式IIの少なくとも1つのモノマーからさらに形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、75〜85%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式IIの少なくとも1つのモノマーからさらに形成される。
【0081】
好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は一般式IIを有する少なくとも2つのモノマーからさらに形成される。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、50〜90%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の量の一般式IIの少なくとも2つのモノマーの第一のものおよび10〜30%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式IIを有する少なくとも2つのモノマーの第二のものから形成される。
【0082】
好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、結合剤組成物の1乾燥重量%〜99乾燥重量%の間、より好ましくは1乾燥重量%〜70乾燥重量%の間で水性結合剤組成物に存在する。好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、結合剤組成物の6〜60乾燥重量%の間で水性結合剤組成物に存在する。より好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、結合剤組成物の6乾燥重量%〜50乾燥重量%の間の量で水性結合剤組成物に存在し、より好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、結合剤組成物の8乾燥重量%〜40乾燥重量%の間の量で水性結合剤組成物に存在し、最も好ましくは、オリゴマーもしくはポリマー物質は、結合剤組成物の10乾燥重量%〜30乾燥重量%の間の量で水性結合剤組成物に存在する。
【0083】
本発明の第二の態様によれば、添付の請求項に記載のオリゴマーもしくはポリマー化合物を製造する方法が提供される。
【0084】
好ましくは、遊離されるアルコール、R33COOH、R34COOHおよび/もしくは水は、例えば蒸留のような任意の方法により取り除くことができる。
【0085】
好ましくは、RO−除去剤は水を含んでなる。好ましくは、RO−除去剤は少なく
とも1つのアルコールをさらに含んでなる。好ましくは、RO−除去剤は、水と少なくとも1つのアルコールの混合物を含んでなる。好ましくは、少なくとも1つのアルコールは、100℃未満の沸点を有する(10Pa圧力で測定する)。好ましくは、少なくとも1つのアルコールは任意のC〜Cアルコールである。好ましくは、少なくとも1つのアルコールは任意のC〜Cアルコールである。適当な少なくとも1つのアルコールの例には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどが包含されるがこれらに限定されるものではない。好ましくは、少なくとも1つのアルコールは、一般式Iの少なくとも1つのモノマーおよび一般式IIを有する少なくとも1つの第二のモノマーと一緒に加えられ、あるいはまた、少なくとも1つのアルコール/水混合物は、一般式Iの少なくとも1つのモノマーおよび一般式IIを有する少なくとも1つの第二のモノマーに加えることができる。好ましくは、少なくとも1つのアルコールは、一般式Iの少なくとも1つのモノマーおよび一般式IIを有する少なくとも1つの第二のモノマーの総重量の1〜40重量%の間の量で反応混合物に存在する。より好ましくは、少なくとも1つのアルコールは、一般式Iの少なくとも1つのモノマーおよび一般式IIを有する少なくとも1つの第二のモノマーの総重量の5〜25重量%の量で反応混合物に存在する。
【0086】
O−除去剤に関する上記の好ましい特徴は、任意のRO−除去剤に同様に当てはまることが当業者により理解されるはずである。
【0087】
好ましくは、段階(i)は0℃〜90℃の間の温度で行われる。より好ましくは、段階(i)は10℃〜60℃の間の温度で行われる。最も好ましくは、段階(i)は20℃〜50℃の間の温度で行われる。
【0088】
好ましくは、段階(ii)の反応は0℃〜90℃の間の温度で行われる。より好ましくは、該反応は10℃〜60℃の間の温度で行われる。最も好ましくは、該反応は20℃〜50℃の間の温度で行われる。好ましくは、該反応は触媒作用を受ける。
【0089】
好ましくは、触媒は任意の適当な触媒を含んでなる。好ましくは、触媒は遷移金属または14もしくは15族キレート化合物を含んでなる。好ましくは、触媒は遷移金属または14もしくは15族有機キレート化合物を含んでなる。好ましくは、触媒は遷移金属または14もしくは15族アルコキシキレート化合物を含んでなる。好ましくは、触媒は水溶性である。より好ましくは、触媒は遷移金属または14もしくは15族ポリ−アルコキシキレート化合物を含んでなる。触媒は、アルカノールアミン誘導体により安定させることができる。好ましくは、触媒は以下のもの:チタン、ジルコニウム、ハフニウム、スズ、アンチモンもしくはゲルマニウムのいずれかの化合物から選択される。特に好ましい態様において、触媒はアルカノールアミン誘導体により安定させた水溶性のチタン酸、ジルコン酸もしくはスズ酸アルコキシ化合物を含んでなる。最も好ましくは、触媒はチタン酸アルコキシ化合物を含んでなる。
【0090】
適当な触媒の例には、DuPontから市販されているTYZOR(RTM)、およびJohnson Mattheyから市販されているVERTEC(RTM)が包含される。
【0091】
好ましくは、反応は結合剤の安定性に適合する範囲の適当なpHで行われる。
【0092】
好ましくは、反応は反応混合物のpHを調整するように働くpH調整剤の存在下で行われる。好ましくは、pH調整剤は少なくとも1つの酸を含んでなる。
【0093】
好ましくは、pH調整剤は反応混合物のpHを6〜1の間、より好ましくは5〜1の間、そして最も好ましくは4〜1.5の間に調整するために十分な量で反応において存在す
る。
【0094】
1つの態様において、pH調整剤は反応中に生成される酸R33COOHを含んでなることができる。
【0095】
あるいはまたもしくはさらに、pH調整剤は反応中に生成される酸R34COOHを含んでなることができる。
【0096】
好ましくは、少なくとも1つの酸は任意の適当な有機もしくは無機酸である。好ましくは、少なくとも1つの酸は5未満、より好ましくは4未満の298Kで水溶液におけるpKaを有する。
【0097】
好ましくは、pH調整剤は強いブレンステッド酸である。強いブレンステッド酸は、−12〜−5の間、そして好ましくは−10〜−6の間のpKa(298Kで水溶液における)を有するブレンステッド酸を意味する。
【0098】
あるいはまたもしくはさらに、pH調整剤は弱いブレンステッド酸であることができる。弱いブレンステッド酸は、−5〜+10の間、そして好ましくは+3〜+5の間のpKa(298Kで水溶液における)を有するブレンステッド酸を意味する。
【0099】
好ましくは、少なくとも1つの酸は水溶性である。
【0100】
適当な少なくとも1つの酸の例には、単独でもしくは組み合わせて、以下のもの:ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、クエン酸、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、ホウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸のいずれかが包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0101】
少なくとも1つの酸は、あるいはまたもしくはさらに、少なくとも1つの水に安定なルイス酸を含んでなることができる。適当なルイス酸の例には、LiCl、FeCl、ZnCl、CaClなどが包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0102】
本発明の第二の態様の成分は、任意の順序で接触させることができる。例えば、少なくとも1つの酸を最初にシランにそしてその後に水もしくは水/少なくとも1つのアルコール混合物に導入することができ、あるいはまた、シラン、少なくとも1つの酸および水もしくは水/少なくとも1つのアルコール混合物を全て同時に導入することができる。有益な結果は、重合反応の異なる段階で少なくとも1つの酸の異なる量を加えることにより得ることができる。
【0103】
添加剤もしくは安定剤もまた、結合剤の製造中に導入することができる。そのようなものの例には、コロイド状シリカ、シリカゾル、消泡剤もしくはバッファーが包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0104】
方法の1つの態様には、他の成分にRO−除去剤を加えることが包含される。代わりの態様において、もしあれば、シランおよび他の薬剤をRO−除去剤に加える。さらなる代わりに態様において、成分の一部分をRO−除去剤と混合し、そして次に成分の残りに加える。
【0105】
アルコール、R33COOH、R34COOHおよび/もしくは水の除去は、大気圧でもしくは真空下で行うことができる。除去は、混合段階中にならびにシランの加水分解の
完了後に開始することができる。シランの加水分解の進行は、ガスクロマトグラフィー、赤外分光法、ラマン分光法もしくは核磁気共鳴のような任意の通常の分析方法により追跡することができる。
【0106】
除去されるアルコール、R33COOH、R34COOHおよび/もしくは水の量は、任意の適当な分析方法により決定することができる。
【0107】
重合反応に使用するRO−および場合によりRO−除去剤の量は、蒸留工程後に所望の最終固体量に到達するように調整することができる。アルコールの重量は、工程中にもしくは好ましくは実質的に工程の完了後にRO−もしくは場合によりRO−除去剤において同じ重量で置き換えることができる。
【0108】
本発明の第三の態様によれば、添付の請求項について定義したとおりの結合剤組成物を含んでなる塗料組成物が提供される。
【0109】
塗料は、コンクリートおよび外壁用の撥水、防塵塗料、屋内もしくは屋外の壁用の含浸剤、布地用の撥水剤のような任意の水性シリコーン装飾用もしくは保護塗料であることができる。
【0110】
好ましくは、塗料は防食塗料である。好ましくは塗料はプライマー、より好ましくはショッププライマーである。特に好ましい態様において、塗料は溶接可能なショッププライマーである。
【0111】
本発明の第四の態様によれば、添付の請求項に記載の2成分塗料組成物が提供される。
【0112】
2成分塗料組成物は、いずれかの成分において以下のもの:非導電性顔料、増粘剤、レオロジー添加剤、コロイド状シリカ、被覆コロイド状シリカおよび/もしくは少なくとも1つのシリカゾルの1つもしくはそれ以上をさらに含んでなることができる。好ましくは、第一の成分は以下のもの:非導電性顔料、増粘剤、レオロジー添加剤、コロイド状シリカ、被覆コロイド状シリカもしくはシリカゾルの1つもしくはそれ以上をさらに含んでなる。
【0113】
適当な非導電性顔料の例には、二酸化チタン、赤色酸化鉄、炭酸カルシウム、タルク、ケイ酸アルミニウムおよび黄色酸化鉄が包含される。
【0114】
好ましくは、2成分塗料組成物は少なくとも1つの充てん剤を含んでなる。好ましくは、第二の細分は粉末である。好ましくは、少なくとも1つの充てん剤は、好ましくは第二の成分の乾燥重量の1〜99%の間の量で第二の成分中に存在する。より好ましくは、少なくとも1つの充てん剤は、第二の成分の乾燥重量の20〜80%の間の量で第二の成分中に存在する。より好ましくは、少なくとも1つの充てん剤は、第二の成分の乾燥重量の30〜60%の間の量で第二の成分中に存在する。最も好ましくは、少なくとも1つの充てん剤は、第二の成分の乾燥重量の40〜50%の間の量で第二の成分中に存在する。
【0115】
好ましくは、少なくとも1つの充てん剤は無機充てん剤を含んでなる。
【0116】
好ましくは、少なくとも1つの充てん剤は以下のもの:酸化鉄(雲母状酸化鉄以外);天然および沈降硫酸バリウム、バライト、永久白;ケイ酸アルミニウム、カオリン、カオリナイト、陶土;ケイ酸マグネシウムおよびヒドロケイ酸マグネシウム、雲母、タルク、緑泥石、透角閃石;シリカ、表面処理シリカ、非晶質石英、結晶質石英、ヒュームドシリカ;酸化アルミニウムおよび水和物、ボーキサイト、焼成ボーキサイト;炭酸マグネシウ
ムカルシウム、ドロマイト;天然および沈降炭酸カルシウム;ケイ酸アルミニウム;長石;霞石閃長岩;ケイ酸カルシウム、珪灰石;酸化亜鉛;リン酸亜鉛;黒鉛;バナジウム酸ビスマス;クロム酸鉛;炭化ケイ素;ゼオライト;パイロフィライト;ガラスフレーク;リン化鉄;リン化ニッケル;中空球;およびアルミニウムの1つもしくはそれ以上を含んでなる。また可能であるのは、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、酸化物およびバナジウム酸塩の他のファミリーである。
【0117】
好ましくは、第二の成分は亜鉛を含んでなる。好ましくは、亜鉛は微粉化した亜鉛、亜鉛フレーク、亜鉛粉末もしくは亜鉛粉として存在する。好ましくは、亜鉛は第二の成分の乾燥重量の1〜99%の量で第二の成分中に存在する。より好ましくは、亜鉛は第二の成分の乾燥重量の20〜80%の量で第二の成分中に存在する。より好ましくは、亜鉛は第二の成分の乾燥重量の30〜60%の量で第二の成分中に存在する。最も好ましくは、亜鉛は第二の成分の乾燥重量の40〜50%の量で第二の成分中に存在する。
【0118】
好ましくは、2成分塗料組成物は着色顔料を含んでなる。好ましくは、着色顔料は第一もしくは第二の成分のいずれかにその中にそれが存在するいずれかの成分の乾燥重量の0.1〜50%の量で存在する。より好ましくは、着色顔料は第一もしくは第二の成分のいずれかにその中にそれが存在するいずれかの成分の乾燥重量の1〜15%の量で存在する。
【0119】
好ましくは、第二の成分は導電性顔料を含んでなる。導電性顔料は、防食特性(基質と亜鉛粒子を電気的に接続することにより)およびアーク溶接特性の両方を改善することが既知である。好ましくは、導電性顔料は雲母状酸化鉄、合金鉄、リン化二鉄、銅フレーク、ニッケルフレーク、ステンレス鋼フレーク、アルミニウムフレークなどから選択される。好ましくは、導電性顔料は第二の成分の乾燥重量の60〜20%の量で第二の成分中に存在する。より好ましくは、導電性顔料は第二の成分の乾燥重量の40〜25%の量で第二の成分中に存在する。
【0120】
場合により、2成分塗料組成物は、沈降防止剤、消泡剤、増粘剤、さび止め剤もしくは湿潤剤のような適当な添加剤をさらに含んでなることができる。
【0121】
典型的な増粘剤は、アクリレートポリマーもしくはヒドロキシエチルセルロースポリマーであり;使用する場合、それらは好ましくは2成分塗料組成物の乾燥重量の2% w/wまで、より好ましくは2成分塗料組成物の乾燥重量の1% w/wまでの量で加えられる。典型的な沈降防止剤は、ベントナイト、トリヒドロキシステアリン酸グリセロール、ポリアミドもしくはポリエチレンワックスのような粘土タイプ物質であり;使用する場合、それらは好ましくは2成分塗料組成物の乾燥重量の4% w/wまで、より好ましくは2成分塗料組成物の乾燥重量の2% w/wまでの量で加えられる。典型的な湿潤剤は、エトキシル化アルコール(例えばCAS RN=68439−45−2を有する製品)である。
【0122】
場合により、2成分塗料組成物はモリブデン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩もしくは酸化亜鉛のような適当な防食顔料をさらに含んでなることができる。
【0123】
場合により、2成分塗料組成物は適当な触媒をさらに含んでなることができる。好ましくは、触媒は遷移金属または14もしくは15族キレート化合物を含んでなる。好ましくは、触媒は遷移金属または14もしくは15族有機キレート化合物を含んでなる。好ましくは、触媒は遷移金属または14もしくは15族アルコキシキレート化合物を含んでなる。好ましくは、触媒は水溶性である。より好ましくは、触媒は遷移金属または14もしくは15族ポリ−アルコキシキレート化合物を含んでなる。触媒は、アルカノールアミン誘
導体により安定させることができる。好ましくは、触媒は以下のもの:チタン、ジルコニウム、ハフニウム、スズ、アンチモンもしくはゲルマニウムのいずれかの化合物から選択される。特に好ましい態様において、触媒はアルカノールアミン誘導体により安定させた水溶性のチタン酸、ジルコン酸もしくはスズ酸アルコキシ化合物を含んでなる。最も好ましくは、触媒はチタン酸アルコキシ化合物を含んでなる。
【0124】
適当な触媒の例には、DuPontから市販されているTYZOR LA(RTM)もしくはJohnson Mattheyから市販されているVERTEC XL175(RTM)が包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0125】
好ましくは、第一と第二の成分間の成分の重量による混合比率は、1:20〜1:0.05の間、より好ましくは1:10〜1:0.1の間、最も好ましくは1:2〜1:0.1の間にある。
【0126】
2成分塗料組成物の2成分は、好ましくは基質への塗料組成物の適用の実質的に直前に;好ましくは適用の2時間未満前に、より好ましくは適用の1時間未満前に、最も好ましくは適用の30分未満前に相互に導入される。2成分は、好ましくは使用前に一緒に混合される。
【0127】
好ましくは、2成分塗料組成物の百分率w/w固形分は、70%〜10%の間、より好ましくは40%〜20%の間、そして最も好ましくは35%〜25%の間である。
【0128】
好ましくは、2部分塗料組成物を基質に適用した後に、それは硬化して乾燥フィルムを形成する。好ましくは、亜鉛粉は乾燥フィルムの80重量%〜1重量%の間、より好ましくは60重量%〜20重量%の間、そして最も好ましくは50重量%〜30重量%の間で乾燥フィルムに存在する。
【0129】
本発明の第五の態様によれば、添付の請求項に記載のシロキサンポリマー組成物が提供される。
【0130】
好ましくは、式Iのモノマーは第五の態様のシロキサンポリマーを製造するために使用する全モノマーの少なくとも10重量%である。
【0131】
好ましくは、式Iのモノマーは第五の態様のシロキサンポリマーを製造するために使用する全モノマーの少なくとも15重量%である。
【0132】
好ましくは、式Iのモノマーは第五の態様のシロキサンポリマーを製造するために使用する全モノマーの少なくとも30重量%である。
【0133】
好ましくは、式Iのモノマーは第五の態様のシロキサンポリマーを製造するために使用する全モノマーの少なくとも50重量%である。
【0134】
好ましくは、式IIのモノマーは第五の態様のシロキサンポリマーを製造するために使用する全モノマーの少なくとも5重量%である。
【0135】
好ましくは、式IIのモノマーは第五の態様のシロキサンポリマーを製造するために使用する全モノマーの少なくとも10重量%である。
【0136】
好ましくは、式IIのモノマーは第五の態様のシロキサンポリマーを製造するために使用する全モノマーの少なくとも15重量%である。
【0137】
好ましくは、式IIのモノマーは第五の態様のシロキサンポリマーを製造するために使用する全モノマーの少なくとも30重量%である。
【0138】
本発明の第六の態様によれば、添付の請求項に記載のシロキサンポリマー、Pを含んでなる結合剤組成物が提供される。
【0139】
好ましくは、ポリマーPはコポリマーである。
【0140】
適当なR10基の例には:水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ビニル、フェニル、3−グリシジルオキシプロピル、3,4−エポキシシクロヘキシル−エチル、3−メタクリロイルオキシプロピル、アセトキシエチル、アセトキシメチル、メルカプトプロピルが包含されるがこれらに限定されるものではない。
【0141】
好ましくは、一般式IIIの少なくとも1つの側基もしくは末端基は、ポリマー骨格に存在するケイ素基当たり0.01〜2の間の量でポリマーに存在する。
【0142】
好ましくは、一般式IIIの少なくとも1つの側基もしくは末端基はポリマー骨格に存在するケイ素基当たり0.05〜1.5の間の量でポリマーに存在する。
【0143】
好ましくは、一般式IIIの少なくとも1つの側基もしくは末端基はポリマー骨格に存在するケイ素基当たり0.1〜1の間の量でポリマーに存在する。
【0144】
好ましくは、一般式IIIの少なくとも1つの側基もしくは末端基はポリマー骨格に存在するケイ素基当たり0.15〜0.8の間の量でポリマーに存在する。
【0145】
好ましくは、一般式IIIの少なくとも1つの側基もしくは末端基はポリマー骨格に存在するケイ素基当たり0.2〜0.6の間の量でポリマーに存在する。
【0146】
1つの態様において、シロキサンポリマーPは、既存ポリマーの側基もしくは末端基を反応させることにより製造することができる。例えば、オメガアミノ基を有するシロキサンポリマーは、第六の態様のシロキサンポリマーPを製造するためにアシル化することができる。
【0147】
本明細書に開示する特徴は全て、上記の態様のいずれかとそして任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【実施例】
【0148】
製造実施例1(シランA):
シランA N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−ホルムアミド(CAS RN:[76524−94−2])の製造:
553.4gの3−(トリエトキシシリル)プロピル]−アミンおよび277.8gのギ酸エチルを室温で18h反応させ、次に過剰のギ酸エチルおよびエタノールを真空下で蒸発させてシラン−Aを与える。
【0149】
製造実施例2(シランB):
シランB (N−[2−(ホルミルアミノ)エチル]−N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−ホルムアミド)(CAS RN:[112119−91−2])の製造

50gのN−[2−(ホルミルアミノ)エチル]−N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミンおよび50gのギ酸エチルを78℃の温度で2h加熱し、過剰のギ酸エチルおよびエタノールを真空下で蒸発させてシラン−Bを与える。
【0150】
製造実施例3(結合剤1)
製造実施例1に記載のとおり製造した35.8gのシラン−A、35.5gの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、108.3gのケイ酸テトラエチルおよび1.75gのギ酸を攪拌する。次に、温度を35℃未満に保ちながら478.9gの水を45分の期間に滴下して加える。添加の終わりに、温度を50℃に15分間上昇させ、そして次にメタノールとエタノールの混合物の蒸留まで上昇させ、反応器の温度が100℃に達すると蒸留を止める。指標のために(for indication)、約190mlの容量を蒸留トラップに集め、約16.2%の結合剤1の重量固形分をもたらす。
【0151】
製造実施例4(結合剤2)
製造実施例2に記載のとおり製造した47.8gのシラン−B、42.3gの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、129.2gのケイ酸テトラエチルおよび2.0gのギ酸を攪拌する。次に、温度を35℃未満に保ちながら660.8gの水中2.2gの濃硫酸を45分の期間に滴下して加える。添加の終わりに、温度を50℃に1h15分間上昇させ、そして次にメタノールとエタノールの混合物の蒸留まで上昇させ、反応器の温度が100℃に達すると蒸留を止める。目安のために、約240mlの容量を蒸留トラップに集め、約16.9%の結合剤2の重量固形分をもたらす。
【0152】
製造実施例5(結合剤3)
製造実施例2に記載のとおり製造した40.06gのシラン−B、35.45gの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、108.33gのケイ酸テトラエチルを攪拌する。次に、温度を38℃未満に保ちながら553.9gの水中1.86gの濃硫酸を45分の期間に滴下して加える。添加の終わりに、温度を50℃に20分間上昇させ、そして次にメタノールとエタノールの混合物の蒸留まで上昇させ、反応器の温度が100℃に達すると蒸留を止める。目安のために、約200mlの容量を蒸留トラップに集め、約16.0%の結合剤3の重量固形分をもたらす。
【0153】
比較実施例1(結合剤4)
1071.4gの3−(トリエトキシシリル)プロピル]−アミン、295.9gのメチルトリエトキシシランを攪拌する。次に、温度を44℃未満に保ちながら2180gの水を1h15分の期間に滴下して加える。添加の終わりに、温度を60℃に20分間上昇させ、そして次にエタノールの混合物の蒸留まで上昇させ、反応器の温度が100℃に達すると蒸留を止める。目安のために、約1600mlの容量を蒸留トラップに集め、約30.7%の結合剤4の重量固形分をもたらす。
【0154】
以下の実施例は、ショッププライマー製剤のものである:
【0155】
【表1】

【0156】
Sikron M500(RTM)はSibelcoから市販されており、Bayferrox 130BM(RTM)はBayerから市販されており、そしてMioxはKartnerから入手可能である雲母状酸化鉄の一般的略語である。
【0157】
次に、表1に開示するようなショッププライマーに上塗りし、そして6週の浸漬試験に供した。次に、実施例の目視検査を実施し、その結果を表IIに示す:
【0158】
【表2】

【0159】
製造実施例6〜16の製造の一般的方法(結合剤5〜15の製造):
シランAもしくはシランB(上記のとおり製造する)、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランおよびケイ酸テトラエチルを室温で攪拌する。反応器の温度を32℃未満に保ちながら酸(1つもしくは複数)を含有する水溶液、続いてシリカゾル(Bindzil(R) CC30、Eka Chemicals AB)を攪拌したシラン混合物に30分の間加える。添加の終わりに、遊離されるアルコールの蒸留が始まるまで温度を約100分の期間にわたって上昇させる。その時に温度を段階的に上昇させて典型的には2時間の間連続蒸留を持続する。加える成分の量は表IIIに示され、それはグラム単
位の成分の相対重量を示す。
【0160】
【表3】

【0161】
製造実施例17および18は、遊離されるアルコールが除去されない結合剤16および17の製造を開示する。
【0162】
製造実施例17(結合剤16):
製造実施例1に記載のとおり製造した25gのシランA、25gの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランおよび75gのケイ酸テトラエチルを室温で攪拌する。反応器の温度を32℃未満に保ちながら294.5gの水中1.25gのギ酸を攪拌したシラン混合物に30分の間加える。
【0163】
製造実施例18(結合剤17):
製造実施例2に記載のとおり製造した25gのシランB、25gの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランおよび75gのケイ酸テトラエチルを室温で攪拌する。反応器の温度を32℃未満に保ちながら294.5gの水中1.25gのギ酸を攪拌したシラン混合物に30分間加える。
【0164】
表IVは、塗料実施例4〜9および比較実施例2の成分および相対量を開示する。
【0165】
【表4】

【0166】
塗料およびフィルム特性を表Vに開示する:
【0167】
【表5】

【0168】
ブリスタリングは、以下のように決定した:
実施例に従って製造した製剤を被覆したパネルにSigmaから入手可能であるSigmaPrimeのような適当なマリンエポキシトップコートを上塗りした。湿潤キャビネット(40℃、100% RH)における6週の暴露の後に、ASTM D 714に従ってブリスタリングを同定する。
(10=ブリスターなし、0=最大のブリスター、D=高密度、F=少数)。
【0169】
本発明に従って製造した実施例に基づく全ての製剤は、ブリスタリングを全く(もしくはほとんど)示さない。比較実施例1および2は、過度のブリスタリングを示す。
【0170】
ホルミル化アミンに基づく異なる結合剤の感水性の違いを見るために、より感水性のトップコート、Aquacover 200および400系(SigmaCoatings
BVから市販されている)と呼ばれる水性エポキシを製剤に上塗りする。結果を表VI
に開示する。
【0171】
【表6】

【0172】
結果の説明:
本発明の上塗りした結合剤と比較結合剤との間のブリスタリングの違いを表VIに示す。本発明に従って製造した結合剤は、上塗りした場合にほとんどもしくは全くブリスタリングを示さず、一方、上塗りした比較実施例は大きい、高密度のブリスタリングを示す。
【0173】
本願に関連して本明細書と同時にもしくはより前に出願されそして本明細書とともに公開される全ての文献および書類に注意を向け、そして全てのそのような文献および書類の内容は引用することにより本明細書に組み込まれる。
【0174】
本明細書(任意の添付の請求項、要約書および図面を包含する)に開示される特徴の全て、および/またはそのように開示される任意の方法もしくは工程の段階の全ては、そのような特徴および/もしくは段階の少なくともいくつかが相互排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0175】
本明細書(任意の添付の請求項、要約書および図面を包含する)に開示される各特徴は、他に明白に記載されない限り、同じか、同等かもしくは同様の目的にかなう代わりの特徴により置き換えられることができる。従って、他に明白に記載されない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の同等のもしくは同様の特徴の一例にすぎない。
【0176】
本発明は、前述の態様(1つもしくは複数)の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(任意の添付の請求項、要約書および図面を包含する)に開示される特徴の任意の新規なものもしくは任意の新規な組み合わせにまで、またはそのように開示される任意の方法もしくは工程の段階の任意の新規なものもしくは任意の新規な組み合わせにまで及ぶ。
【0177】
なお、本発明の実施態様を要約すれば、以下のとおりである。
【0178】
(1) 一般式I:
(RO−)Si(−R−NR4−m
[式中、
各R基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリールもしく
は−(C=O)R33基から独立して選択され;
各R33基は水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
各R基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、Rもしくは−R−NR基から独立して選択され;
各R基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、Rもしくは−R−NR基から独立して選択され;
各R基は2価の有機架橋基であり、
そしてここで、各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
ここで、Rおよび/もしくはRは独立して基−R−NRであることができ、そして各Rおよび/もしくはRは次にそれ自体が独立して−R−NRであることができ、−R−NR基は一般式Iのケイ素基と各末端の−R−NR基との間で6回以下繰り返され、ここで、末端基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルもしくはR基から選択されるR、R、RもしくはRとして定義され;
は−(C=O)Rもしくは−(C=O)−ORであり、
ここで、各R基は水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
各R基は任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
ここで、RもしくはRがRであり、そしてRもしくはRが−(C=O)Rである場合、RとRもしくはRとRは一緒になって、基−NRもしくは−NRが各々独立して式VI:
【化2】

[式中、R32は上記Rについて定義したとおりであり、ここで、RはR32のフラグメントであり、そしてここで、RもしくはRはアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アラルキレンもしくはアリーレンから選択され、そしてR32フラグメントの残りの部分を形成する]
により表されることができるように環式基を形成することができ、
m=1〜3、
ここで、基−NR内の少なくとも1つの窒素基はR基に直接結合している]
の少なくとも1つのモノマーから形成されるオリゴマーもしくはポリマー物質を含んでなり、オリゴマーもしくはポリマー物質がさらに一般式II:
(RO−)Si(−R4−q II
[式中、各Rは水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリールもしくは−(C=O)R34基から独立して選択され、ここで、R34は上記R33について定義したとおりであり、
各Rは水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
そしてq=1〜4]
を有する0〜99% w/wの少なくとも1つのモノマーから形成される塗料用の水性結合剤組成物。
【0179】
(2) 水性結合剤組成物が塗料結合剤組成物である上記(1)に記載の水性結合剤組成物。
【0180】
(3) 各R基が−(C=O)H、−(C=O)CH、−(C=O)CHCH、−(C=O)CHCHCH、−(C=O)CH(CH)CH、−(C=O)CHCH(CH)CH、−(C=O)C(CH、−(C=O)−OCH、−(C=O)−OCHCH、−(C=O)−OCH(CH)CH、−(C=O)−OCHCH(CH)CH、−(C=O)−OC(CHから独立して選択される上記(1)もしくは(2)のいずれかに記載の水性結合剤組成物。
【0181】
(4) 一般式Iのモノマーが少なくとも1つのN−ホルミル末端基を含んでなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の水性結合剤組成物。
【0182】
(5) オリゴマーもしくはポリマー物質が一般式Iの少なくとも1つのモノマーから誘導され、ここで、一般式Iの少なくとも1つのモノマーが、ポリマーを製造するために使用する全モノマーの少なくとも10重量%である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の水性結合剤組成物。
【0183】
(6) オリゴマーもしくはポリマー物質がさらに0.1〜99%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式IIの少なくとも1つのモノマーから形成される上記(1)〜(5)のいずれかに記載の水性結合剤組成物。
【0184】
(7) オリゴマーもしくはポリマー物質が結合剤組成物の99乾燥重量%〜1乾燥重量%の間で水性結合剤に存在する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の水性結合剤組成物。
【0185】
(8) i)一般式I:
(RO−)Si(−R−NR4−m
[式中、
各R基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリールもしくは−(C=O)R33基から独立して選択され;
各R33基は水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
各R基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、Rもしくは−R−NR基から独立して選択され;
各R基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、Rもしくは−R−NR基から独立して選択され;
各R基は2価の有機架橋基であり、
そしてここで、各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
ここで、Rおよび/もしくはRは独立して基−R−NRであることができ、そして各Rおよび/もしくはRは次にそれ自体が独立して−R−NRであることができ、−R−NR基は一般式Iのケイ素基と各末端の−R−NR基との間で6回以下繰り返され、ここで、末端基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルもしくはR基から選択されるR、R、RもしくはRとして定義され;
は−(C=O)Rもしくは−(C=O)−ORであり、
ここで、各R基は水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル
もしくはアリール基から独立して選択され、
各R基は任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラリキルもしくはアリール基から独立して選択され、
ここで、RもしくはRがRであり、そしてRもしくはRが−(C=O)Rである場合、RとRもしくはRとRは一緒になって、基−NRもしくは−NRが各々独立して式VI:
【化3】

[式中、R32は上記Rについて定義したとおりであり、ここで、RはR32のフラグメントであり、そしてここで、RもしくはRはアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アラルキレンもしくはアリーレンから選択され、そしてR32フラグメントの残りの部分を形成する]
により表されることができるように環式基を形成することができ、
m=1〜3、
ここで、基−NR内の少なくとも1つの窒素基はR基に直接結合している]
の少なくとも1つのモノマー、および場合により、一般式II:
(RO−)Si(−R4−q II
[式中、各Rは水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリールもしくは−(C=O)R34基から独立して選択され、ここで、R34は上記R33について定義したとおりであり、
各Rは水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
そしてq=1〜4]
を有する少なくとも1つの第二のモノマーをRO−除去剤および場合により−RO除去剤と接触させる段階;ならびに
ii)(i)における成分を反応させてオリゴマーもしくはポリマーを形成せしめる段階
を含んでなるオリゴマーもしくはポリマー化合物の製造方法。
【0186】
(9) iii)遊離されるアルコール、R33COOH、R34COOHおよび/もしくは水を除去するさらなる段階を含んでなる上記(8)に記載の方法段階。
【0187】
(10) 反応混合物のpHを6〜1の間に調整するように働くpH調整剤の存在下で反応を行う上記(8)もしくは(9)に記載の方法。
【0188】
(11) pH調整剤が反応中に生成する酸R33COOHもしくはR34COOHを含んでなる、上記(9)に従属する場合の上記(10)に記載の方法。
【0189】
(12) 上記(1)〜(7)のいずれかに記載の結合剤組成物を含んでなる塗料組成物。
【0190】
(13) 塗料組成物が水性シリコーン装飾用もしくは保護塗料組成物である上記(12)に記載の塗料組成物。
【0191】
(14) 塗料組成物が防食塗料である上記(12)もしくは(13)のいずれかに記載の塗料組成物。
【0192】
(15) 塗料組成物が溶接可能なショッププライマーである上記(12)〜(14)のいずれかに記載の塗料組成物。
【0193】
(16) i)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の結合剤組成物を含んでなる第一の成分;および
ii)少なくとも1つの充てん剤および/もしくは亜鉛および/もしくは酸化亜鉛および/もしくは少なくとも1つの導電性顔料を含んでなる第二の成分
を含んでなる2成分塗料組成物。
【0194】
(17) 少なくとも1つの充てん剤が第二の成分中の乾燥重量の1〜99%の間の量で第二の成分中に存在する上記(16)に記載の2成分塗料組成物。
【0195】
(18) 亜鉛が第二の成分の乾燥重量の1〜99%の間の量で第二の成分中に存在する上記(16)もしくは(17)のいずれかに記載の2成分塗料組成物。
【0196】
(19) 酸化亜鉛が第二の成分の乾燥重量の1〜99%の間の量で第二の成分中に存在する上記(16)〜(18)のいずれかに記載の2成分塗料組成物。
【0197】
(20) 少なくとも1つの導電性顔料が第二の成分の乾燥重量の1〜99%の間の量で第二の成分中に存在する上記(16)〜(19)のいずれかに記載の2成分塗料組成物。
【0198】
(21) 2成分塗料組成物の百分率w/w固形分が70%〜10%の間である上記(16)〜(20)のいずれかに記載の2成分塗料組成物。
【0199】
(22) 一般式I:
(RO−)Si(−R−NR4−m
[式中、
各R基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリールもしくは−(C=O)R33基から独立して選択され;
各R33基は水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
各R基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、Rもしくは−R−NR基から独立して選択され;
各R基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、Rもしくは−R−NR基から独立して選択され;
各R基は2価の有機架橋基であり、
そしてここで、各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
ここで、Rおよび/もしくはRは独立して基−R−NRであることができ、そして各Rおよび/もしくはRは次にそれ自体が独立して−R−NRであることができ、−R−NR基は一般式Iのケイ素基と各末端の−R−NR基との間で6回以下繰り返され、ここで、末端基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルもしくはR基から選択されるR、R、RもしくはRとして定義され;
は−(C=O)Rもしくは−(C=O)−ORであり、
ここで、各R基は水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
各R基は任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラリキルもしくはアリール基
から独立して選択され、
ここで、RもしくはRがRであり、そしてRもしくはRが−(C=O)Rである場合、RとRもしくはRとRは一緒になって、基−NRもしくは−NRが各々独立して式VI:
【化4】

[式中、R32は上記Rについて定義したとおりであり、ここで、RはR32のフラグメントであり、そしてここで、RもしくはRはアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アラルキレンもしくはアリーレンから選択され、そしてR32フラグメントの残りの部分を形成する]
により表されることができるように環式基を形成することができ、
m=1〜3、
ここで、基−NR内の少なくとも1つの窒素基はR基に直接結合している]
のモノマーから得られ、ここで、式Iのモノマーがポリマーを製造するために使用する全モノマーの少なくとも5重量%であるシロキサンポリマー組成物。
【0200】
(23) シロキサンポリマー組成物がさらに一般式II:
(RO−)Si(−R4−q II
[式中、
各Rは水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリールもしくは−(C=O)R34基から独立して選択され、
ここで、各R34基は水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
各Rは水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
そしてq=1〜4]
を有するモノマーから誘導され、ここで、式IIのモノマーがポリマーを製造するために使用する全モノマーの少なくとも1重量%である上記(22)に記載のシロキサンポリマー組成物。
【0201】
(24) 一般式III:
−R−NR III
[式中、
は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、Rもしくは−R−NR基から選択され;
は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、Rもしくは−R−NR基から選択され;
は2価の有機架橋基であり、
そしてここで、各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
ここで、Rおよび/もしくはRは独立して基−R−NRであることができ、そして各Rおよび/もしくはRは次にそれ自体が独立して−R−NRであることができ、−R−NR基は一般式IIIの側基もしくは末端基が結合しているシロキサンポリマーのケイ素基と各末端の−R−NR基との間で6回以下繰り返され、ここで、末端基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラル
キルもしくはR基から選択されるR、R、RもしくはRとして定義され;
は−(C=O)Rもしくは−(C=O)−ORであり、
ここで、各R基は水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
各R基は任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
ここで、RもしくはRがRであり、そしてRもしくはRが−(C=O)Rである場合、RとRもしくはRとRは一緒になって、基−NRもしくは−NRが各々独立して式VI:
【化5】

[式中、R32は上記Rについて定義したとおりであり、ここで、RはR32のフラグメントであり、そしてここで、RもしくはRはアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アラルキレンもしくはアリーレンから選択され、そしてR32フラグメントの残りの部分を形成する]
により表されることができるように環式基を形成することができ、
ここで、基−NR内の少なくとも1つの窒素基はR基に直接結合している]
の少なくとも1つの側基もしくは末端基を含んでなるシロキサンポリマー、Pを含んでなる結合剤組成物。
【0202】
(25) シロキサンポリマー組成物が少なくとも10%(ポリマーを製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式Iのモノマーから形成される上記(24)に記載の結合剤組成物。
【0203】
(26) ポリマーPが一般式IV:
−R10 IV
[式中、各R10は水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択される]
の少なくとも1つの側基もしくは末端基をさらに含んでなる上記(24)もしくは(25)のいずれかに記載の結合剤組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i) 一般式I:
(RO−)Si(−R−NR4−m
[式中、
各R基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリールもしくは−(C=O)R33基から独立して選択され;
各R33基は水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
各R基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、Rもしくは−R−NR基から独立して選択され;
各R基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、Rもしくは−R−NR基から独立して選択され;
各R基は2価の有機架橋基であり、
そしてここで、各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
各R基は上記Rについて定義したとおりであり、
ここで、Rおよび/もしくはRは独立して基−R−NRであることができ、そして各Rおよび/もしくはRは次にそれ自体が独立して−R−NRであることができ、−R−NR基は一般式Iのケイ素基と各末端の−R−NR基との間で6回以下繰り返され、ここで、末端基は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキルもしくはR基から選択されるR、R、RもしくはRとして定義され;
は−(C=O)Rもしくは−(C=O)−ORであり、
ここで、各R基は水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
各R基は任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラリキルもしくはアリール基から独立して選択され、
ここで、RもしくはRがRであり、そしてRもしくはRが−(C=O)Rである場合、RとRもしくはRとRは一緒になって、基−NRもしくは−NRが各々独立して式VI:
【化1】

[式中、R32は上記Rについて定義したとおりであり、ここで、RはR32のフラグメントであり、そしてここで、RもしくはRはアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アラルキレンもしくはアリーレンから選択され、そしてR32フラグメントの残りの部分を形成する]
により表されることができるように環式基を形成することができ、
m=1〜3、
ここで、基−NR内の少なくとも1つの窒素基はR基に直接結合している]
の少なくとも1種のモノマー、
および、場合により、一般式II:
(RO−)Si(−R4−q II
[式中、各Rは水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリールもしくは−(C=O)R34基から独立して選択され、ここで、R34は上記R33について定義したとおりであり、
各Rは水素または任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキルもしくはアリール基から独立して選択され、
そしてq=1〜4]
を有する少なくとも1種の第二のモノマーを
水を含んでなるRO−除去剤および場合によりRO−除去剤と接触させる段階;ならびに
ii) (i)における成分を反応させてオリゴマーもしくはポリマーを形成せしめる段階;ならびに
iii) 遊離されるアルコール、R33COOH、R34COOHおよび/もしくは水を除去する段階
を含んでなる水性オリゴマーもしくはポリマー化合物の製造方法。
【請求項2】
反応混合物のpHを6〜1の間に調整するように働くpH調整剤の存在下で反応を行う請求項1に記載の方法。
【請求項3】
pH調整剤が反応中に生成する酸R33COOHもしくはR34COOHを含んでなる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各Rが−(C=O)CH、−(C=O)CHCH、−(C=O)CHCHCH、−(C=O)CH(CH)CH、−(C=O)CHCH(CH)CH、−(C=O)C(CH)、−(C=O)−OCH、−(C=O)−OCHCH、−(C=O)−OCH(CH)CH、−(C=O)−OCHCH(CH)CH、−(C=O)−OC(CH)から独立して選択される請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
オリゴマーもしくはポリマー物質が一般式Iの少なくとも1種のモノマーから誘導され、ここで、一般式Iの少なくとも1種のモノマーが、ポリマーを製造するために使用する全モノマーの少なくとも10重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
オリゴマーもしくはポリマー物質がさらに0.1〜99%(オリゴマーもしくはポリマー物質を製造するために使用する全モノマーの重量による)の一般式IIの少なくとも1種のモノマーから形成される請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の方法により製造される水性オリゴマーもしくはポリマー化合物を含んでなる塗料組成物。
【請求項8】
塗料組成物が水性シリコーン装飾用もしくは保護用塗料組成物である請求項7に記載の塗料組成物。
【請求項9】
塗料組成物が防食塗料である請求項7もしくは請求項8のいずれかに記載の塗料組成物。
【請求項10】
塗料組成物が溶接可能なショッププライマーである請求項7〜9のいずれかに記載の塗料組成物。
【請求項11】
水性塗料結合剤組成物における請求項1〜6のいずれかに記載の方法により製造される水性オリゴマーもしくはポリマー化合物の使用。
【請求項12】
オリゴマーもしくはポリマー物質が結合剤組成物の乾燥重量により99%〜1%の間で水性結合剤中に存在する請求項11に記載の使用。

【公開番号】特開2013−67805(P2013−67805A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−247627(P2012−247627)
【出願日】平成24年11月9日(2012.11.9)
【分割の表示】特願2007−552567(P2007−552567)の分割
【原出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(501352505)シグマ・コーテイングス・ベー・ブイ (4)
【Fターム(参考)】