説明

水性コーティング材

【課題】材料の素地、風合いを残しながら該材料に着色を施すことができ、補修跡や打ち継ぎ部などでの吸い込みムラによる濡れ色や光沢の発生を抑制することのできる、一液タイプの水性コーティング材を提供する。
【解決手段】有機ケイ素化合物エマルション、フッ素樹脂エマルション、水性無機塗料および成膜助剤を配合してなる水性コーティング材であって、前記水性無機塗料の固形成分の組成が、樹脂固形成分100質量部に対して無機顔料成分350〜700質量部の割合である水性コーティング材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性コーティング材に関する。さらに詳しくは、多孔性材料等の基材のコーティングに好適に用いられる水性コーティング材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭、ビル、高速道路および鉄道等のモルタルやコンクリート等の多孔性建築材料を用いた建造物は、耐久性および美観の向上が求められているため、通常、各種のコーティング材により表面処理されている。
【0003】
従来より、多孔性土木建築材料に吸水防止性を付与する方法として、シラン系、シリコーン系、アクリル系、アクリルシリコーン系、ウレタン系、エステル系、油脂系の樹脂あるいはモノマーを溶解または分散したものを、塗布・浸透させ、乾燥(重合)する方法;常温乾燥型一液フッ素塗料、反応硬化型二液フッ素塗料等のフッ素塗料を塗布し、材料表面に塗膜を形成する方法;浸透性吸水防止材を塗布し、その上にフッ素塗料を塗布する方法等が知られている。
【0004】
多孔性土木建築材料の表面は一般に凹凸が大きいために、フッ素塗料を塗布する方法においては塗膜にピンホールが発生し易く、このピンホールから侵入した水により塗膜が剥がれる可能性がある。また、光沢のある塗膜が形成されるため、材料の素地、風合いが損なわれるばかりでなく、下地の劣化状態を覆い隠してしまうなどの欠点を有している。
【0005】
一方、シラン系やシリコーン系などの浸透性吸水防止材は、多孔性土木建築材料の表面に塗膜を形成することなしに水の侵入を防止し、また湿気を放散させる機能を有しており、好んで使用されることが多い。しかしながら、水の侵入を防止する性能は長く維持されるが、激しい風雨にさらされたり、積雪地域において外壁が常に雪と接している場合のように多孔性材料に圧力がかかる条件下においては、吸水防止性や表面の撥水性を維持したり、表面の劣化を防ぐ期間が短いのが欠点である。
【0006】
浸透性吸水防止材を塗布し、その上に耐久性の優れたフッ素塗料を塗布する方法は、フッ素塗料の欠点であるピンホールからの水の侵入を吸水防止材によって防止する、優れた方法である。しかしながら、塗装工程が従来の2倍になり、非常に高コストになる欠点を有している。また、シラン系などの有機ケイ素化合物エマルションとフッ素樹脂エマルションとを混合し、両者の欠点を補完した一液タイプの半クリアータイプも提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、打放しコンクリートでよく見受けられる補修跡や打ち継ぎ部などでは、吸い込みムラにより濡れ色や光沢が発生するため、仕上がり感を損なう場合がある。
【0007】
このため、激しい風雨にさらされたり、積雪地域において外壁が常に雪と接触している場合のように多孔性材料に圧力がかかる条件下においても、良好な吸水防止性能を長期間にわたって維持するとともに、材料の素地、風合いを残しながら該材料に着色を施すことができ、補修跡や打ち継ぎ部などでの吸い込みムラによる濡れ色や光沢の発生を抑制することのできる、一液タイプの水性コーティング材の開発が望まれている。
【特許文献1】特開2002−121543号公報
【特許文献2】特開2003−26461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、材料の素地、風合いを残しながら該材料に着色を施すことができ、補修跡や打ち継ぎ部などでの吸い込みムラによる濡れ色や光沢の発生を抑制することのできる、一液タイプの水性コーティング材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、有機ケイ素化合物エマルション、フッ素樹脂エマルション、特定の水性無機塗料および成膜助剤を配合した水性コーティング材により、光沢の無いいわゆる「カラークリアー工法」を施行することができることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、下記に示すとおりの水性コーティング材を提供するものである。
項1. 有機ケイ素化合物エマルション、フッ素樹脂エマルション、水性無機塗料および成膜助剤を配合してなる水性コーティング材であって、前記水性無機塗料の固形成分の組成が、樹脂固形成分100質量部に対して無機顔料成分350〜700質量部の割合である水性コーティング材。
項2. 有機ケイ素化合物エマルションが、一般式(1);
Si(OR)4−n (1)
(式中、Rは炭素数4〜18のアルキル基を示す。Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。nは1または2である。)で表されるアルキルアルコキシシラン、およびアルキルアルコキシシロキサンを含有する項1に記載の水性コーティング材。
項3. フッ素樹脂エマルションが、フッ素原子を含有するオレフィンの単独重合体、フッ素原子を含有するオレフィンの2種以上からなる共重合体、フッ素原子を含有するオレフィンと炭化水素モノマーとの共重合体、およびフッ素原子を含有するオレフィンの2種以上からなる共重合体と熱可塑性アクリル樹脂との混合物からなる群より選択される少なくとも1種のフッ素樹脂を含有する項1または2に記載の水性コーティング材。
項4. 有機ケイ素化合物とフッ素樹脂との割合が、質量比で1:0.01〜20である項1〜3のいずれか1項に記載の水性コーティング材。
項5. 有機ケイ素化合物およびフッ素樹脂の合計と水性無機塗料の固形成分との割合が、質量比で100:0.1〜25である項1〜4のいずれか1項に記載の水性コーティング材。
項6. 成膜助剤が、ブチルカルビトールアセテート、テキサノールおよびアジピン酸ジエチルからなる群より選択される少なくとも1種である項1〜5のいずれか1項に記載の水性コーティング材。
項7. フッ素樹脂と成膜助剤との割合が、質量比で100:1〜30である項1〜6のいずれか1項に記載の水性コーティング材。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の水性コーティング材は、有機ケイ素化合物エマルション、フッ素樹脂エマルション、特定の水性無機塗料および成膜助剤を配合してなる。
【0013】
本発明に用いられる有機ケイ素化合物エマルションは、水性媒体に有機ケイ素化合物を配合し、分散させたものである。水性媒体は、上水、工業用水、イオン交換水および蒸留水等の水である。
【0014】
有機ケイ素化合物としては、一般式(1);
Si(OR)4−n (1)
(式中、Rは炭素数4〜18のアルキル基を示す。Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。nは1または2である。)で表されるアルキルアルコキシシラン、およびアルキルアルコキシシロキサンを併用するのが好ましい。
【0015】
炭素数4〜18のアルキル基としては、例えば、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
【0016】
炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
【0017】
アルキルアルコキシシランの具体例としては、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリプロポキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン等が挙げられる。これらのアルキルアルコキシシランは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中では、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシランが好適に用いられる。
【0018】
アルキルアルコキシシロキサンとしては、上記アルキルアルコキシシランを水中で加水分解、重縮合反応することにより得られるもの等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0019】
アルキルアルコキシシロキサンは、市販のものを用いることもでき、具体例としては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社の商品名「TSR165」、旭化成ワッカーシリコーン株式会社の商品名「SILRES MSE100」等が挙げられる。
【0020】
有機ケイ素化合物エマルションにおけるアルキルアルコキシシランとアルキルアルコキシシロキサンとの割合は、質量比で1:0.05〜20であるのが好ましく、1:0.1〜10であるのがより好ましい。
【0021】
有機ケイ素化合物エマルションは、水性媒体および有機ケイ素化合物の他に、必要に応じて界面活性剤を配合してもよい。
【0022】
界面活性剤としては、ノニオン系、カチオン系、アニオン系の何れも使用できるが、エマルションの安定性の観点から、ノニオン系界面活性剤が好適に用いられる。
【0023】
ノニオン系界面活性剤は、市販のものを用いることもでき、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(日本油脂株式会社の商品名「ノニオンK−204」、「ノニオンK−240」)等のエーテル型;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂株式会社の商品名「ノニオンNS−215」)、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル(日本油脂株式会社の商品名「ノニオンHS−204」、「ノニオンHS−206」、「ノニオンHS−215」)等のアルキルフェノール型;ポリオキシエチレンモノオレート(日本油脂株式会社の商品名「ノニオンO−6」)等のエステル型;ソルビタンモノラウレート(日本油脂株式会社の商品名「ノニオンLP−20R」)等のソルビタンエステル型;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(日本油脂株式会社の商品名「ノニオンLT−221」)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(日本油脂株式会社の商品名「ノニオンST−221」)等のソルビタンエステルエーテル型等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
界面活性剤の使用量は、有機ケイ素化合物100質量部に対して1〜10質量部が好ましく、3〜8質量部がより好ましい。界面活性剤の使用量が1質量部未満だと、エマルションの安定性が低くなる傾向があるだけでなく、コーティングする基材の内部への浸透性が悪く、基材表面に濡れ色が発生するおそれがある。また、10質量部を超えると、コーティング面に圧力がかかる条件下では、吸水防止性が悪くなるおそれがある。
【0025】
有機ケイ素化合物エマルションの製造方法は、特に限定されないが、通常、室温下、水性媒体と界面活性剤との混合液を、ホモミキサー、ウルトラディスパーザー、高圧ホモジナイザー等で高速撹拌した後、高速撹拌下で有機ケイ素化合物を徐々に添加することにより製造することができる。
【0026】
本発明に用いられるフッ素樹脂エマルションは、水性媒体にフッ素樹脂を配合し、分散させたものである。水性媒体は、上水、工業用水、イオン交換水および蒸留水等の水である。
【0027】
フッ素樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フッ素原子を含有するオレフィンの単独重合体、フッ素原子を含有するオレフィンの2種以上からなる共重合体、フッ素原子を含有するオレフィンと炭化水素モノマーとの共重合体、フッ素原子を含有するオレフィンの2種以上からなる共重合体と熱可塑性アクリル樹脂との混合物等が挙げられる。
【0028】
フッ素原子を含有するオレフィンとしては、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド等のフルオロオレフィンが挙げられる。これらの中でも、クロロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライドが好適に用いられる。
【0029】
炭化水素モノマーとしては、例えば、シクロアルキルビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類;脂肪族カルボン酸ビニルエステル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸メチル〔「(メタ)アクリル」とは「アクリル」および「メタクリル」を意味する。以下同じ。〕、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルが好適に用いられる。
【0030】
熱可塑性アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等の単独重合体およびこれらの共重合体等が挙げられる。熱可塑性アクリル樹脂は、2種以上を併用しても良い。
【0031】
フッ素樹脂エマルションは、水性媒体およびフッ素樹脂の他に、必要に応じて界面活性剤を配合してもよい。
【0032】
界面活性剤としては、ノニオン系、カチオン系、アニオン系の何れも使用できる。
【0033】
フッ素樹脂エマルションは、市販のものを用いることもでき、例えば、ビニリデンフルオライド系フッ素樹脂エマルション(ダイキン工業株式会社の商品名「ゼッフルSE−310」)、フルオロオレフィンビニルエーテル系フッ素樹脂エマルション(旭硝子株式会社の商品名「ルミフロンFE−3000」、「ルミフロンFE−4300」)等が挙げられる。
【0034】
フッ素樹脂エマルションの配合割合は、有機ケイ素化合物エマルション中の有機ケイ素化合物1質量部に対して、フッ素樹脂エマルション中のフッ素樹脂が0.01〜20質量部となるように配合するのが好ましく、0.1〜10質量部となるように配合するのがより好ましい。(すなわち、有機ケイ素化合物とフッ素樹脂との割合が、質量比で1:0.01〜20であるのが好ましく、1:0.1〜10であるのがより好ましい。)フッ素樹脂の配合割合が0.01質量部未満だと、コーティングする基材の表面の劣化が進行しやすい傾向があるだけでなく、コーティング後の基材表面の劣化が進行しやすい傾向がある。また、フッ素樹脂の配合割合が20質量部を超えると、コーティング後の基材表面に光沢が生じたり、基材の素地、風合いが損なわれるだけでなく、コーティング膜が透湿性を阻害するために、膨れ、浮きにつながるおそれがある。
【0035】
本発明に用いられる水性無機塗料は、水性媒体に樹脂固形成分と無機顔料成分とからなる固形成分を配合し、分散させたものである。固形成分においては、樹脂固形成分よりも無機顔料成分の質量割合が多い。水性媒体は、上水、工業用水、イオン交換水および蒸留水等の水である。
【0036】
樹脂固形成分としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ウレタン樹脂およびアルキルシリコン樹脂等が挙げられる。
【0037】
樹脂固形成分の含有量は、水性無機塗料の全質量に対して5〜30質量%であることが好ましく、7〜20質量%であることがより好ましい。樹脂固形成分の含有量が5質量%未満だと、水性無機塗料において無機顔料成分の分散性が低下したり、均一なコーティング膜が形成されにくくなったり、コーティング膜の接着性が低下するおそれがある。また、樹脂固形成分の含有量が30質量%を超えると、コーティング後の基材表面に光沢が生じるおそれがある。
【0038】
無機顔料成分としては、特に限定されないが、体質顔料や着色顔料等が挙げられる。体質顔料と着色顔料とを併用してもよい。
【0039】
体質顔料としては、例えば、ベントナイト等のモンモリロナイト系粘土鉱物、シリカ、クレー、カオリン等のケイ酸アルミニウム類、タルク等の珪酸マグネシウム類、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
【0040】
着色顔料としては、例えば、チタン白、亜鉛華等の白色顔料;黄鉛、べんがら、カーボンブラック等の有色顔料が挙げられる。
【0041】
水性無機塗料の固形成分において、無機顔料成分の配合量は、樹脂固形成分100質量部に対して350〜700質量部であり、好ましくは400〜600質量部である。(すなわち、水性無機塗料の固形成分の組成が、樹脂固形成分100質量部に対して無機顔料成分350〜700質量部の割合であり、好ましくは樹脂固形成分100質量部に対して無機顔料成分400〜600質量部の割合である。)無機顔料成分の配合量が350質量部未満だと、コーティング後の基材表面に光沢が生じたり、コーティング膜に所要の着色が付与されなかったりする。また、無機顔料成分の配合量が700質量部を超えると、コーティング膜の強度が低下したり、チョーキング(いわゆる粉吹き)を発したり、基材の素地を隠蔽して風合いが損なわれたりする。
【0042】
水性無機塗料の製造方法は、特に限定されないが、通常、室温下、水性媒体と樹脂固形成分との混合液を、ホモミキサー、ウルトラディスパーザー、高圧ホモジナイザー等で高速撹拌した後、高速撹拌下で無機顔料成分を徐々に添加することにより製造することができる。
【0043】
水性無機塗料は、市販のものを用いることもでき、例えば、住友精化株式会社製の商品名「アクアトップSEP白」、「アクアトップSEPグレー」等が挙げられる。
【0044】
水性無機塗料の配合割合は、有機ケイ素化合物エマルション中の有機ケイ素化合物とフッ素樹脂エマルション中のフッ素樹脂との合計質量100質量部に対して、水性無機塗料中の固形成分が0.1〜25質量部となるように配合するのが好ましく、1〜20質量部となるように配合するのがより好ましい。(すなわち、有機ケイ素化合物およびフッ素樹脂の合計と水性無機塗料の固形成分との割合が、質量比で100:0.1〜25であるのが好ましく、100:1〜20であるのがより好ましい。)固形成分の配合割合が0.1質量部未満だと、コーティング膜の着色が不十分となるおそれがある。また、固形成分の配合割合が25質量部を超えると、基材の素地を隠蔽して風合いが損なわれるおそれがある。固形成分の配合割合が0.1〜25質量部であれば、基材をコーティングした際に、有機ケイ素化合物中のシラン成分の空気中への揮散が抑えられ、基材への浸透深さが向上する傾向にあるので、基材保護の観点から耐久性が向上する効果が期待できる。
【0045】
本発明に用いられる成膜助剤としては、エマルション塗料に一般に使用されているものであれば特に限定されないが、例えば、カルビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テキサノール、アジピン酸ジエチル等が挙げられる。これらの成膜助剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ブチルカルビトールアセテート、テキサノール、アジピン酸ジエチルが好適に用いられる。
【0046】
成膜助剤の配合割合は、フッ素樹脂エマルション中のフッ素樹脂100質量部に対して、1〜30質量部であるのが好ましく、5〜25質量部であるのがより好ましい。(すなわち、フッ素樹脂と成膜助剤との割合が、質量比で100:1〜30であるのが好ましく、100:5〜25であるのがより好ましい。)成膜助剤の配合割合が1質量部未満だと、フッ素樹脂の成膜状態が悪くなり、コーティング後の外観を損なうおそれがある。成膜助剤の配合割合が30質量部を超えると、その配合量に見合うだけの効果が得られず、かえって経済的に不利となるおそれがある。
【0047】
本発明の水性コーティング材には、有機ケイ素化合物エマルションを配合しているため、その成分であるアルキルアルコキシシランを安定化させる目的で、pH調整剤を添加して、水性コーティング材のpHを6〜9に調整するのが好ましい。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸、リン酸、炭酸および硫酸等の酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩等が挙げられる。これらのpH調整剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが好適に用いられる。pH調整剤の配合量は、有機ケイ素化合物エマルション中の有機ケイ素化合物100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましい。
【0048】
本発明の水性コーティング材には、コーティング時の作業性向上の目的で、各種増粘剤を添加するのが好ましい。増粘剤としては、特に限定されないが、例えば、ニチゴーモビニール株式会社の商品名「モビニールLDM7010」等のアクリル系増粘剤、ポリエーテル系増粘剤、セルロース系増粘剤等が挙げられる。これらの増粘剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アクリル系増粘剤が好適に用いられる。
【0049】
本発明の水性コーティング材には、さらに目的に応じて、防腐剤、防カビ剤、防藻剤、防蟻剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、可塑剤等の添加剤を添加してもよい。
【0050】
本発明の水性コーティング材の製造方法は、特に限定されないが、通常、室温下、有機ケイ素化合物エマルション、フッ素樹脂エマルション、水性無機塗料および成膜助剤を、ホモミキサー、ウルトラディスパーザー、高圧ホモジナイザー等の撹拌機で高速撹拌し、混合することにより製造することができる。
【0051】
本発明の水性コーティング材は、水性コーティング材全質量に対して、固形分が2〜60質量%となるように調整するのが好ましく、5〜50質量%となるように調整するのがより好ましい。固形分が2質量%未満だと、水性コーティング材の性能が発揮されないだけでなく、効果を奏するように水性コーティング材を多量に塗布するために工数が増えたり、コーティング膜を乾燥するのに時間を要するおそれがある。また、固形分が60質量%を超えると、水性コーティング材の粘度が高くなり、固形分の分散・安定性が悪くなるおそれがある。なお、固形分の割合を上記範囲に調整するのに、水および/または水に可溶な溶剤を用いることができる。ここで、水性コーティング材の固形分とは、JIS K6828−1(2003)に準じて乾燥することにより求めた不揮発残分をいう。
【0052】
本発明の水性コーティング材を基材にコーティングする方法としては、特に限定されないが、例えば、ローラー、刷毛、スプレー等を用いて塗布する方法、浸漬法等が挙げられる。また、コーティング後の乾燥方法としては、特に限定されないが、例えば、室温下に放置して乾燥させる方法、天日で乾燥させる方法、加熱して乾燥させる方法等が挙げられる。
【0053】
本発明の水性コーティング材が好適に用いられる基材としては、特に限定されないが、例えば、多孔性土木建築材料等の多孔性材料が挙げられる。多孔性土木建築材料の具体例としては、打放しコンクリート、軽量コンクリート、プレキャストコンクリート、軽量発泡コンクリート(ALC)、モルタル、目地モルタル、石綿セメント板、パルプセメント板、木毛セメント板、セメント系押出成形板、ガラス繊維入りセメント板(GRC)、カーボン繊維入りセメント板、珪酸カルシウム板、石膏ボード、ハードボード、漆喰、石膏プラスター、ドロマイトプラスター、ブロック、レンガ、タイル、瓦、天然石、人工石、ガラスウール、ロックウール、セラミックファイバー等の無機質材料を主成分とする材料;木材、合板、パーティクルボード等の有機質材料を主成分とする材料等が挙げられる。
【0054】
本発明の水性コーティング材によるコーティング膜は、激しい風雨による雨水の漏水、酸性雨による材料の劣化、汚れのしみ込み、海水による塩害、寒冷地における凍害、材料中の塩の溶出による白華等の水に起因する種々の問題を解決し、かつ補修跡や打ち継ぎ部などにおける吸い込みムラによる濡れ色や光沢の発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0055】
本発明の水性コーティング材によれば、材料の素地、風合いを残しながら該材料に着色を施すことができる。また、補修跡や打ち継ぎ部などでの吸い込みムラによる濡れ色や光沢の発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下、本発明を実施例、比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0057】
実施例1
水47質量部およびソルビタンモノラウレート(日本油脂株式会社の商品名「LP−20R」)3質量部の混合液を、ホモミキサーにて高速撹拌した。次いで、ヘキシルトリエトキシシラン45質量部およびアルキルアルコキシシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパンの商品名「TSR165」)5質量部を徐々に添加しながら、ホモミキサーにて高速撹拌し、有機ケイ素化合物エマルションを得た。
【0058】
得られた有機ケイ素化合物エマルション20質量部、フルオロオレフィンビニルエーテル系フッ素樹脂エマルション(旭硝子株式会社の商品名「ルミフロンFE−4300」、樹脂固形分50質量%)25質量部、アジピン酸ジエチル2質量部、炭酸水素ナトリウム1質量部、アクリル系増粘剤(ニチゴーモビニール株式会社の商品名「モビニールLDM7010」)2質量部、水性無機塗料(住友精化株式会社の商品名「アクアトップSEP白」、樹脂固形成分100質量部に対して無機顔料成分450質量部含有、固形成分65質量%)5質量部および水45質量部を、スリーワンモーターにて500rpmで撹拌混合し、水性コーティング材を得た。
【0059】
実施例2
水47質量部およびソルビタンモノラウレート(日本油脂株式会社の商品名「LP−20R」)3質量部の混合液を、ホモミキサーにて高速撹拌した。次いで、オクチルトリエトキシシラン42質量部およびアルキルアルコキシシロキサン(旭化成ワッカーシリコーン株式会社の商品名「MSE−100」)8質量部を徐々に添加しながら、ホモミキサーにて高速撹拌し、有機ケイ素化合物エマルションを得た。
【0060】
得られた有機ケイ素化合物エマルション20質量部、ビニリデンフルオライド系フッ素樹脂エマルション(ダイキン工業株式会社の商品名「ゼッフルSE−310」、樹脂固形分50質量%)25質量部、アジピン酸ジエチル2質量部、炭酸水素ナトリウム1質量部、アクリル系増粘剤(ニチゴーモビニール株式会社の商品名「モビニールLDM7010」)2質量部、水性無機塗料(住友精化株式会社の商品名「アクアトップSEPグレー」、樹脂固形成分100質量部に対して無機顔料成分550質量部含有、固形成分65質量%)5質量部および水45質量部を、スリーワンモーターにて500rpmで撹拌混合し、水性コーティング材を得た。
【0061】
比較例1
水47質量部およびソルビタンモノラウレート(日本油脂株式会社の商品名「LP−20R」)3質量部の混合液を、ホモミキサーにて高速撹拌した。次いで、オクチルトリエトキシシラン42質量部およびアルキルアルコキシシロキサン(旭化成ワッカーシリコーン株式会社の商品名「MSE−100」)8質量部を徐々に添加しながら、ホモミキサーにて高速撹拌し、有機ケイ素化合物エマルションを得た。
【0062】
得られた有機ケイ素化合物エマルション20質量部、ビニリデンフルオライド系フッ素樹脂エマルション(ダイキン工業株式会社の商品名「ゼッフルSE−310」、樹脂固形分50質量%)25質量部、アジピン酸ジエチル2質量部、炭酸水素ナトリウム1質量部、アクリル系増粘剤(ニチゴーモビニール株式会社の商品名「モビニールLDM7010」)2質量部および水50質量部を、スリーワンモーターにて500rpmで撹拌混合し、水性コーティング材を得た。
【0063】
比較例2
水47質量部およびソルビタンモノラウレート(日本油脂株式会社の商品名「LP−20R」)3質量部の混合液を、ホモミキサーにて高速撹拌した。次いで、オクチルトリエトキシシラン42質量部およびアルキルアルコキシシロキサン(旭化成ワッカーシリコーン株式会社の商品名「MSE−100」)8質量部を徐々に添加しながら、ホモミキサーにて高速撹拌し、有機ケイ素化合物エマルションを得た。
【0064】
得られた有機ケイ素化合物エマルション20質量部、ビニリデンフルオライド系フッ素樹脂エマルション(ダイキン工業株式会社の商品名「ゼッフルSE−310」、樹脂固形分50質量%)25質量部、アジピン酸ジエチル2質量部、炭酸水素ナトリウム1質量部、アクリル系増粘剤(ニチゴーモビニール株式会社の商品名「モビニールLDM7010」)2質量部、水性無機塗料(大同塗料株式会社の商品名「レジコントップ白」、樹脂固形成分100質量部に対して無機顔料成分83質量部含有、固形成分52質量%)5質量部および水45質量部を、スリーワンモーターにて500rpmで撹拌混合し、水性コーティング材を得た。
【0065】
比較例3
水47質量部およびソルビタンモノラウレート(日本油脂株式会社の商品名「LP−20R」)3質量部の混合液を、ホモミキサーにて高速撹拌した。次いで、オクチルトリエトキシシラン42質量部およびアルキルアルコキシシロキサン(旭化成ワッカーシリコーン株式会社の商品名「MSE−100」)8質量部を徐々に添加しながら、ホモミキサーにて高速撹拌し、有機ケイ素化合物エマルションを得た。
【0066】
得られた有機ケイ素化合物エマルション20質量部、ビニリデンフルオライド系フッ素樹脂エマルション(ダイキン工業株式会社の商品名「ゼッフルSE−310」、樹脂固形分50質量%)25質量部、アジピン酸ジエチル2質量部、炭酸水素ナトリウム1質量部、アクリル系増粘剤(ニチゴーモビニール株式会社の商品名「モビニールLDM7010」)2質量部、水性無機塗料(大同塗料株式会社の商品名「ヘキダイン外部用艶消白」、樹脂固形成分100質量部に対して無機顔料成分300質量部含有、固形成分59質量%)5質量部および水45質量部を、スリーワンモーターにて500rpmで撹拌混合し、水性コーティング材を得た。
【0067】
比較例4
水47質量部およびソルビタンモノラウレート(日本油脂株式会社の商品名「LP−20R」)3質量部の混合液を、ホモミキサーにて高速撹拌した。次いで、オクチルトリエトキシシラン42質量部およびアルキルアルコキシシロキサン(旭化成ワッカーシリコーン株式会社の商品名「MSE−100」)8質量部を徐々に添加しながら、ホモミキサーにて高速撹拌し、有機ケイ素化合物エマルションを得た。
【0068】
得られた有機ケイ素化合物エマルション20質量部、ビニリデンフルオライド系フッ素樹脂エマルション(ダイキン工業株式会社の商品名「ゼッフルSE−310」、樹脂固形分50質量%)25質量部、アジピン酸ジエチル2質量部、炭酸水素ナトリウム1質量部、アクリル系増粘剤(ニチゴーモビニール株式会社の商品名「モビニールLDM7010」)2質量部、水性無機塗料(住友精化株式会社の商品名「アクアトップSEP白」に無機顔料成分を追加して、樹脂固形成分100質量部に対して無機顔料成分800質量部含有、固形成分70質量%に調整)5質量部および水45質量部を、スリーワンモーターにて500rpmで撹拌混合し、水性コーティング材を得た。
【0069】
[評価試験]
実施例1〜2および比較例1〜3で得られた水性コーティング材を用いて形成したコーティング膜について、(1)外観、(2)浸透深さ、(3)吸水比、(4)撥水性、(5)接触角を、以下の手順により評価した。また、コーティング膜に対して促進耐候性試験を実施し、(3)吸水比、(4)撥水性、(5)接触角の評価を行った。それらの結果を表1に示す。
【0070】
なお、比較例4で得られた水性コーティング材についても、同様に、以下の試料の調製方法によりコーティングを行ったが、コーティング面がチョーキング(いわゆる粉吹き)を発したため、上記の(1)〜(5)の評価は行わなかった。
【0071】
(試料の調製)
JIS R5201(1992)に準じたJISモルタル(70×70×厚さ20mm)を供試体とし、そのコーティング面(70×70mmの片面)に、水性コーティング材を200g/mで刷毛にて塗布し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿器内で7日間養生して試料を調製した。なお、以下の(1)外観、(3)吸水比の評価試験では、未コーティングの試料を対照としているが、これは、上記の試料の調製にて、水性コーティング材を塗布せずに同様の処理を行い調製して得た。
【0072】
(促進耐候性試験)
上記により得られた試料について、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機株式会社の商品名「デューサイクルサンシャインスーパーロングライフウェザーメーター WEL−SUN−DCH型」)を用いて、ブラックパネル温度:63℃、湿度:約50%、降雨条件:60分中12分降雨、1000時間の試験条件で、促進耐候性試験を実施した。試験後の試料について、以下の(3)吸水比、(4)撥水性、(5)接触角の評価を行った。
【0073】
(1)外観
コーティング面の濡れ色、光沢、仕上がり感の外観変化を、目視で観察した。評価の基準は次の通りであるが、いずれの外観変化も、未コーティングの試料を対照としての評価である。
○:濡れ色や光沢がなく、自然な仕上がり感を示す。
△:濡れ色や光沢があり、仕上がり感を損なう。
×:著しい濡れ色や光沢があり、仕上がり感を大きく損なう。
【0074】
(2)浸透深さ
試料のコーティング面に対して垂直に試料を切断し、その切断面に水を掛けて、撥水部分をノギスで測定した。
【0075】
(3)吸水比
コーティング面の側面の全周囲をエポキシ樹脂でシールし、あらかじめ質量を測定しておいた試料[Wa(g)]を、コーティング面を下にして1/2の深さまで水に24時間浸漬(浸漬深さ10mm)させた後、試料を水から取り出して余剰水を乾いた布で拭き取り、浸漬後の質量を測定した[Wb(g)]。また、未コーティングの試料についても同様に処理を行い、浸漬前の質量[Wc(g)]、浸漬後の質量[Wd(g)]を測定した。以下の式から、吸水比を算出した。なお、吸水比が0.1以下の場合、コーティング膜は吸水防止性に優れていると判断できる。
吸水比=(Wb−Wa)÷(Wd−Wc)。
【0076】
(4)撥水性
コーティング面に0.5mlの水滴を落とし、1分間放置後、表面状態を目視で観察した。評価の基準は次の通りである。
○:撥水性良好。
△:撥水性やや不良(水滴を落とした所に濡れ跡が残る)。
×:撥水性なし(水滴が吸収される)。
【0077】
(5)接触角
コーティング面に直径2mmの水滴を落とし、1分間放置後、接触角計(協和界面科学株式会社の商品名「CA−S150型」)で測定した。
【0078】
【表1】

【0079】
表1に示された結果から、実施例1、2の水性コーティング材は、濡れ色や光沢の発生が抑制され、基材の素地、風合いを生かしたコーティング面になっていることがわかる。また、比較例1(水性無機塗料無添加)と同等の吸水防止性能を維持していることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ケイ素化合物エマルション、フッ素樹脂エマルション、水性無機塗料および成膜助剤を配合してなる水性コーティング材であって、前記水性無機塗料の固形成分の組成が、樹脂固形成分100質量部に対して無機顔料成分350〜700質量部の割合である水性コーティング材。
【請求項2】
有機ケイ素化合物エマルションが、一般式(1);
Si(OR)4−n (1)
(式中、Rは炭素数4〜18のアルキル基を示す。Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す。nは1または2である。)で表されるアルキルアルコキシシラン、およびアルキルアルコキシシロキサンを含有する請求項1に記載の水性コーティング材。
【請求項3】
フッ素樹脂エマルションが、フッ素原子を含有するオレフィンの単独重合体、フッ素原子を含有するオレフィンの2種以上からなる共重合体、フッ素原子を含有するオレフィンと炭化水素モノマーとの共重合体、およびフッ素原子を含有するオレフィンの2種以上からなる共重合体と熱可塑性アクリル樹脂との混合物からなる群より選択される少なくとも1種のフッ素樹脂を含有する請求項1または2に記載の水性コーティング材。
【請求項4】
有機ケイ素化合物とフッ素樹脂との割合が、質量比で1:0.01〜20である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性コーティング材。
【請求項5】
有機ケイ素化合物およびフッ素樹脂の合計と水性無機塗料の固形成分との割合が、質量比で100:0.1〜25である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性コーティング材。
【請求項6】
成膜助剤が、ブチルカルビトールアセテート、テキサノールおよびアジピン酸ジエチルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性コーティング材。
【請求項7】
フッ素樹脂と成膜助剤との割合が、質量比で100:1〜30である請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性コーティング材。

【公開番号】特開2009−1743(P2009−1743A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−166233(P2007−166233)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(000195661)住友精化株式会社 (352)
【Fターム(参考)】