説明

水性ポリマー分散液及び化粧品におけるその使用

本発明は、少なくとも1種類のアミド基含有化合物と、少なくとも1種類の架橋剤と、少なくとも1つのカチオン発生性及び/またはカチオン性基をもつ少なくとも1種類のモノマーとから成るモノマー混合物のラジカル重合によって得ることができる水性ポリマー分散液に関する。本発明はまた、このようなポリマー分散液を乾燥することによって得ることができるポリマー、及び、このようなポリマー分散液またはこのようなポリマーを含有する化粧剤または医薬剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種類のアミド基含有化合物と、少なくとも1種類の架橋剤と、少なくとも1つのカチオン発生性及び/またはカチオン性基をもつ少なくとも1種類のモノマーとを含むモノマー混合物のフリーラジカル重合によって得ることが可能な水性ポリマー分散液に関する。本発明は更に、このようなポリマー分散液を乾燥することによって得ることが可能なポリマー、及び、このようなポリマー分散液またはこのようなポリマーを含む化粧用または医薬用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品及び医薬に許容される水溶性ポリマーは化粧品及び医薬に広く使用されている。かかるポリマーは例えばセッケン、クリーム及びローションに、例えば増粘剤、泡安定剤もしくは水吸収剤などの配合剤として常用されており、または、他の成分の炎症作用を軽減するため、または、有効成分の皮膚塗布適性を改善するために使用されている。頭髪化粧品中のこれらのポリマーの機能は髪の特性を改善することである。製薬においてはこれらのポリマーが例えば固形製剤のコーティングまたは結合剤として使用されている。
【0003】
頭髪化粧品の場合、皮膜形成ポリマーが例えば、乾いた髪及び濡れた髪の櫛通り、手触り、つや及び外観を改善し、また、髪に静電防止性を付与するためにコンディショナーとして使用されている。その構造の結果として負電荷を帯びる髪の表面への親和性が大きいカチオン性官能基をもつ水溶性ポリマーをヘアコンディショナーに使用して髪の静電気帯電を防止することは公知である。種々のヘアトリートメントポリマーの構造及び作用モードは、Cosmetic & Toiletries 103 (1988) 23に記載されている。標準的な市販のカチオン性コンディショニングポリマーは、例えば、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、N-ビニルピロリドンを基剤とするカチオン性ポリマー、例えば、N-ビニルピロリドンと第四級化N-ビニルイミダゾールとのコポリマー、または、アクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドとのコポリマーである。この場合に後者は残留モノマー含量が高いという欠点を有するが、その理由は、これらのモノマーの共重合パラメーターが有利な値でないからである。
【0004】
ヘアスタイルをセットするためには、例えば、ビニルラクタムホモ-及びコポリマーやカルボキシレート基含有ポリマーが使用される。ヘアセット用樹脂の要件は例えば、高い周囲湿度で保持力が強いこと、弾力性があること、髪から洗い落とし易いこと、配合物中で相溶性であること、及び、このような樹脂でトリートメントした髪が快い手触りになること、である。
【0005】
製品に複雑な特性プロフィルを兼備させることはしばしば難題である。即ち、化粧組成物の場合には、頭髪及び皮膚に快い手触りのような良好な官能感知特性を与える本質的に滑らかな不粘着皮膜を形成でき、同時に良好なコンディショニング効果またはセット効果を有しているポリマーが必要である。良好な化粧効果特性に加えて、可能な最大の固体含量と良好なレオロジー特性とを併せ持つ製品の配合が可能でなければならない。更に、化粧品及び医薬品に対する消費者の美的な要求も高まりつつある。例えば、この種の製品の場合には、濁りのない乳白色の配合物が好まれているのが現状である。このため、使用されるポリマーはできるだけ多くの他の化粧品配合成分と良好な相溶性を有していなければならない。
【0006】
EP-A-183466は、塩を含有する水性媒体中で分散剤の存在下に水溶性モノマーを重合させるポリマー分散液の製造方法を記載している。水溶性モノマーは特に、カチオン性基を有しているエチレン性不飽和化合物であろう。使用し得る分散剤は高分子電解質であるが、それらのイオン発生性/イオン性基は使用されるモノマーの電荷に対応しなければならない。重合中に架橋剤を併用することは記載されていない。
【0007】
EP-A-670333は、少なくとも1種類の水溶性モノマーと少なくとも1種類の架橋剤と場合によっては疎水性及び/または両親媒性のモノマーとを含むモノマー混合物を高分子分散剤の存在下で重合することによって得ることが可能な架橋した水溶性ポリマー分散液を記載している。N-ビニルピロリドン、及び、カチオン性/カチオン化可能性の基をもつモノマー例えばN-ビニルイミダゾールも、多くの他のモノマーと同様に水溶性モノマーとして使用し得る。高分子分散剤は、例えばアニオン性モノマービルディングブロックとして(メタ)アクリル酸の塩、または、カチオン性ビルディングブロックとしてN,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの第四級化誘導体を共重合形態で含有している高分子電解質でよい。この文献は、アミド基含有モノマーと架橋剤とカチオン発生性/カチオン性基をもつモノマーとを含むモノマー混合物の使用についても、モノマー混合物とは逆符号の電荷に帯電した基/帯電可能な基の使用についても詳細には記載していない。
【0008】
EP-A-855407は、少なくとも1種類の水溶性モノマーをスチレン-無水マレイン酸コポリマーの存在下で重合することによって得ることが可能な水溶性ポリマーを基剤とする組成物を記載している。使用される水溶性モノマーは特に、カチオン発生性/カチオン性基をもつエチレン性不飽和化合物であろう。該出願は更に、少なくとも1種類の水溶性ポリマーと高分子分散剤とを含み、水溶性ポリマーがベンジルアンモニウム基をもつカチオン性アクリルモノマーを共重合形態で含有するような水溶性組成物に関する。該組成物の分散剤は、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)でもよく、スチレン-無水マレイン酸コポリマーでもよい。少なくとも1種類のN-ビニルアミド基含有化合物と少なくとも1種類の架橋剤とを共重合形態で含有するポリマーは記載されていない。
【0009】
WO98/54234は、N-ビニルアミドモノマーと場合によっては別のコモノマーとを共重合形態で含有するポリマーの水性分散液を記載している。これらのコモノマーは例えば、ビニルピロリドンであるかまたはカチオン発生性/カチオン性基をもつアクリレートモノマーであろう。調製は、水溶性安定剤ポリマーの存在下の重合によって行う。記載された適当な安定剤ポリマーは、メチルクロリドで第四級化したポリ(ジメチルアミノエチルアクリレート)及びポリビニルアルコールである。少なくとも1種類のカチオン性モノマーと少なくとも1種類の架橋剤とを含むモノマー混合物をアニオン性分散剤の存在下でフリーラジカル重合させることによって得ることが可能な水性ポリマー分散液は記載されていない。
【0010】
上記の諸文献では、記載されたポリマー及びポリマー分散液を化粧品に使用することは記載されていない。
【0011】
EP-A-929285は、ビニルカルボキサミドユニットとビニルイミダゾールユニットとを共重合形態で含有する水溶性コポリマーを化粧組成物の成分として使用することを教示している。これらのポリマーを改質するための架橋剤の使用も記載されている。しかしながらこの文献は、少なくとも1種類の高分子アニオン性分散剤の存在下で重合を行うことを記載していない。
【0012】
WO00/27893は、N-ビニルカルボキサミドと場合によっては別のコモノマーとを基剤とし、少なくとも1種類の高分子分散剤の存在下で重合を行う水性ポリマー分散液を記載している。化粧品に使用することはごく一般的にしか記載されていない。また、実施例によって証明されていない。
【0013】
WO02/34796は、少なくとも1種類のモノマーを少なくとも1種類の水溶性高分子分散剤と塩混合物との存在下で分別重合させる重合方法を記載している。モノマーは非イオン性、アニオン性またはカチオン性の水溶性モノマーでよい。使用し得る高分子分散剤は高分子電解質でよく、重合に使用されるモノマーと同じ電荷を有している。化粧品にこれらのポリマーを使用することはごく一般的にしか記載されていない。また、使用可能な分野も示されていない。
【0014】
WO02/41856は、少なくとも1種類の高分子電解質を分散剤として含む水性塩溶液中で少なくとも1種類の水溶性モノマーを重合させることによって得ることが可能なポリマー分散液をケラチン処理用化粧材料に使用することを記載している。分散剤は更に、少なくとも1種類の粘度調整剤、例えば、ポリカルボン酸またはその塩を含む。使用し得る水溶性モノマーは、カチオン性、アニオン性及び非イオン性のモノマーであり、少なくとも1種類のカチオン性モノマーを含み場合によっては更にアクリル酸及び/またはアクリルアミドを含むモノマー混合物であるのが好ましい。カチオン性高分子電解質だけが適当な分散剤として明白に開示されている。少なくとも1種類の架橋剤の存在下のポリマー分散液の製造は記載されていない。
【0015】
未公開の国際出願PCT/EP03/04647は、(メタ)アクリルアミドと少なくとも1種類のアミド基含有モノマー及び場合によってはこれらと共重合可能な別の化合物とを含むモノマー混合物のフリーラジカル共重合によって得ることが可能な少なくとも1種類の水溶性または水分散性コポリマーを含む化粧用または医薬用組成物を記載している。別のモノマーとして架橋剤が使用されてもよい。
【0016】
未公開のドイツ特許出願P10261750.3は、
a)少なくとも1個のアニオン発生性及び/またはアニオン性基をもつ少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物と、
b)少なくとも1個のカチオン発生性及び/またはカチオン性基をもつ少なくとも1種類のエチレン性不飽和化合物と、
c)少なくとも1種類の不飽和アミド基含有化合物と、
場合によっては別のコモノマーとのフリーラジカル共重合によって得ることが可能な両親媒性コポリマーを記載している。これらの両親媒性コポリマーを製造するために架橋剤が使用されてもよい。このような両親媒性コポリマーを含有する高分子電解質錯体も記載されており、また、これらの両親媒性コポリマー及び高分子電解質錯体を基剤とする化粧用または医薬用組成物も記載されている。
【0017】
未公開のドイツ特許出願10237378.7は、
(i)
(a)少なくとも1種類のカチオン性モノマーまたは第四級化可能なモノマーと、
(b)場合によっては水溶性モノマーと、
(c)場合によっては別のフリーラジカル共重合可能なモノマーと、
(d)少なくとも2つのエチレン性不飽和非共役二重結合を有しており架橋剤として有効な少なくとも1種類のモノマーと、
(e)少なくとも1種類の調整剤と
を含むモノマー混合物をフリーラジカル開始共重合させる段階と、
(ii)次いで、使用モノマー(a)が第四級化されていないかまたは部分的にしか第四級化されていないモノマーであるときにはポリマーを第四級化またはプロトン付加する段階、
とによって得ることが可能なポリマーを頭髪化粧調製品に使用することを記載している。
【0018】
未公開のドイツ特許出願10261197.1は、
a)少なくとも1種類のN-ビニル含有モノマーと、
b)少なくとも1種類の高分子分散剤と、
c)少なくとも1種類の高分子沈殿剤と、
d)少なくとも1種類の架橋剤と、
e)場合によっては別のモノマーと、
f)場合によっては少なくとも1種類の調整剤と、
g)場合によってはバッファ物質と
のフリーラジカル重合によって得ることが可能であり、b)対c)の重量比が1:50-1:0.02の範囲である水性分散液を記載している。また、これを化粧調製品に使用することも記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
多大な努力にもかかわらず、弾力的なヘアスタイルにでき、大気湿度が高くても保持力が強く、洗い落しが容易で、髪を快い手触りにするためには従来技術で公知のポリマーにはいまだ改善が必要である。また、髪が梳き易くかつ縺れ難くなるように、及び、手触り、量感、扱い易さなどのような官能感知特性に関して皮膚及び頭髪をコンディショニングするようにポリマーを改善することも必要である。更に、これらのポリマーの清澄な水性調製物、従って別の配合成分との良好な相溶性を特徴とする水性調製物も要望されている。
【0020】
また、化粧用調製品のコンディショナーに適しており高い固体含量で調製できるポリマーも要望されている。高い固体含量でありながらも、低い粘度と良好な性能特性(例えば、梳き易さ)とを併せ持つポリマーが特に有利である。
【0021】
本発明の1つの目的は、上述の欠点のない化粧用調製品、特にシャンプー用のコンディショニング剤を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明者らは、少なくとも1種類のN-ビニル含有モノマーと、少なくとも1種類の架橋剤と、少なくとも1つのカチオン発生性及び/またはカチオン性基をもつ少なくとも1種類のモノマーとを含むモノマー混合物を、水性媒体中、少なくとも1種類の高分子アニオン性分散剤の存在下でフリーラジカル重合させることによって得ることが可能な水性ポリマー分散液及び該ポリマー分散液を乾燥して得られたポリマーによってこの目的を果たし得ることを知見した。
【0023】
従って本発明は、
a)少なくとも1種類の式1
【化1】

【0024】
[式中、R2は式CH2=CR4-の基であり、R1及びR3は互いに独立にH、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘタリールであるか、あるいは、R1とR3とはそれらが結合しているアミド基と共に5-8個の環原子を有しているラクタムである]
のα,β−エチレン性不飽和アミド基含有化合物と、
b)分子あたり少なくとも2個のα,β−エチレン性不飽和二重結合を有している少なくとも1種類のフリーラジカル重合可能な架橋性化合物と、
c)フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合と分子あたり少なくとも1つのカチオン発生性及び/またはカチオン性基とを有している少なくとも1種類の化合物と、
を含むモノマー混合物M)を、水性媒体中、少なくとも1種類の高分子アニオン性分散剤D)の存在下でフリーラジカル重合させることによって得ることが可能な水性ポリマー分散液Pd)を提供する。
【0025】
本発明は更に、ポリマー分散液Pd)を乾燥することによって得ることが可能なポリマーP)、このようなポリマー分散液またはこのようなポリマーを含む化粧用または医薬用組成物、及び、これらのポリマー分散液及びポリマーの使用も提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明に使用したアルキルという用語は、直鎖状及び分枝状のアルキル基を意味する。適当な短鎖アルキル基は例えば、直鎖状または分枝状のC1-C7-アルキル、好ましくはC1-C6-アルキル、特に好ましくはC1-C4-アルキル基である。これらの特定例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1,2-ジメチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1−エチル-2-メチルプロピル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、2-エチルペンチル、1-プロピルブチル、オクチルなどである。
【0027】
適当な長鎖C8-C30-アルキルまたはC8-C30-アルケニル基は、直鎖状及び分枝状のアルキルまたはアルケニル基である。この場合には、天然または合成の脂肪酸及び脂肪アルコール及びオキソアルコール中に存在するような主として線状のアルキルラジカルが好ましく、これらは場合によっては更に、モノ-、ジ-またはポリ不飽和でもよい。これらの例は、n-ヘキシル(エン)、n-ヘプチル(エン)、n-オクチル(エン)、n-ノニル(エン)、n-デシル(エン)、n-ウンデシル(エン)、n-ドデシル(エン)、n-トリデシル(エン)、n-テトラデシル(エン)、n-ペンタデシル(エン)、n-ヘキサデシル(エン)、n-ヘプタデシル(エン)、n-オクタデシル(エン)、n-ノナデシル(エン)などである。
【0028】
シクロアルキルは好ましくはC5-C8-シクロアルキル、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルである。
【0029】
アリールは未置換及び置換アリール基を包含し、好ましくは、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、ナフチル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、ナフタセニルであり、特にフェニル、トリル、キシリルまたはメシチルである。
【0030】
明細書の以下の記載では、アクリル酸及びメタクリル酸に由来の化合物を、アクリル酸に由来の化合物に“(メタ)”という接頭辞を付加した省略形で表すこともときどきある。
【0031】
本発明のポリマー分散液Pd)及びポリマーP)は、ゲルの配合に特に適している。“ゲル様稠度”は、液体よりも高い粘度を有しており自立している配合物が示す稠度である。即ち、これらの配合物は形状安定用カバーリングを要せずに与えられた形状を維持している。しかしながら固体配合物と違って、ゲル様配合物は剪断力の作用下で容易に変形できる。ゲル様組成物の粘度は、好ましくは600 mPasを上回る値から約60000mPasの範囲、特に好ましくは6000-30000mPasである。ゲルは好ましくはヘアジェルである。
【0032】
本発明に使用した水溶性モノマー及びポリマーという用語は、20℃で少なくとも1g/リットルの量で水に溶解するモノマー及びポリマーを意味すると理解されたい。水分散性モノマー及びポリマーは、剪断力の作用下、例えば撹拌によって分散性粒子に崩壊するモノマー及びポリマーを意味すると理解されたい。親水性モノマーは好ましくは水溶性であるかまたは少なくとも水分散性である。本発明のポリマーP)は一般に水性媒体に再分散性または可溶性である。
【0033】
本発明のポリマー分散液Pd)を調製するために使用したモノマー混合物M)は、カチオン発生性及び/またはカチオン性基をもつモノマーを含む。適正実施態様では、更にアニオン発生性及び/またはアニオン性基をもつモノマーも重合に使用できる。重合に使用されるアニオン発生性及び/またはアニオン性基をもつモノマーの量は、重合に使用されるモノマーの全量を基準としてアニオン発生性及びアニオン性基のモル分率がカチオン発生性及びカチオン性基のモル分率よりも小さくなるような量である。従って、水性ポリマー分散液Pd)中に存在するポリマーP)は平均的にアニオン発生性/アニオン性基に比べてモル過剰のカチオン発生性/カチオン性基を有している。
【0034】
本発明の水性ポリマー分散液を調製するためには、荷電基、即ちカチオン性基をもつモノマーを使用するのが好ましい。しかしながら部分的または全面的に非プロトン化及び第四級化された形態のこれらのモノマーを使用することも可能である。分散液Pd)を調製するために、カチオン発生性/カチオン性基をもつモノマーとアニオン発生性/アニオン性基をもつモノマーとの双方を使用する場合には、これらを非荷電形態で使用してもよくまたは荷電形態で使用してもよい。適正実施態様では、これらのモノマーを一緒に、即ち、“塩対”の形態で使用する。調製に荷電モノマーが既に使用された場合には、重合中または得られたポリマーのpH調整に関して後述するようにそれらの対イオンが酸または塩基に由来するのが好ましい。
【0035】
高分子アニオン性分散剤D)は、アニオン的に解離可能な基を主鎖及び/または側鎖に比較的多い数で有している高分子電解質である。分散剤D)は本質的に非荷電形態または部分的もしくは全面的に荷電した形態で重合に使用され得る。アニオン性分散剤の荷電基が担持している対イオンは、重合中のpH調整について後述するように塩基に由来するのが好ましい。本発明に使用される高分子アニオン性分散剤D)は、分散液Pd)中に存在するポリマーP)と共に高分子電解質錯体(シンプレックス)を形成できる。
【0036】
重合用の水性媒体のpHは、一般には5-10の値、好ましくは6-8、特に好ましくは6.5-7.5、より特定的には6.8-7に調整される。重合中のpHを上記の範囲内に維持するのが有利である。多くの場合、本発明によって使用されるカチオン発生性/カチオン性基をもつモノマーとアニオン発生性/アニオン性基をもつ分散剤との組合せが既にバッファとして作用しており、また、水性重合媒体のpH値が希釈及び酸または塩基の添加に対して広い範囲内で安定しているので、重合混合物に酸、塩基またはバッファのようなpH-調整物質を添加する必要はない。しかしながら適正実施態様では、重合にバッファを添加することも可能である。適当なバッファ混合物は例えば、Rompp, Chemielexikon, 9th edition, Paperback edition, Volume 5, pp. 3677-3678, Verlag Thieme (1995)に記載されている。この文献は参照によって本発明に含まれるものとする。更に、例えばコンビネーション電極を使用して重合中の重合混合物のpHを決定すること、及び、酸または塩基の添加によって重合混合物を好ましいpH範囲に維持することも可能である。
【0037】
重合中または重合後のpHを調整するために、原則として無機または有機のすべての酸及び塩基が適しており、特に水溶性のものが適当である。適当な酸は例えば、乳酸、クエン酸もしくは酒石酸のようなカルボン酸、または、リン酸、硫酸もしくは塩酸のような無機酸である。適当な塩基は例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、第一級、第二級及び第三級アミン、例えばトリエチルアミン、並びに、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンまたは2-アミノ-2-メチルプロパノールのようなアミノアルコールである。適当なバッファは上記の弱酸の塩、好ましくは、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたはマグネシウムの塩のようなアルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩が好ましい。好ましいバッファ物質は、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び/またはホウ酸ナトリウムである。上記のpH調整物質は個別に使用してもよくまたは混用してもよい。バッファ物質は、pHを調整するために一緒に添加してもよく、または、ケース毎に個別に添加してもよい。
【0038】
例えば溶液重合またはバルク重合のような慣用の重合プロセスによって架橋カチオン性ポリマーを製造すると一般に高分子量の重合ネットワークが形成されるので、化粧用及び医薬用組成物に使用する場合にはその性能特性をまだ改良する必要がある。即ち、ここで得られるポリマー組成物には一般にポリマーが溶解または膨潤した形態で存在しており、極めて高い粘度を有している。本発明に使用した製造方法ではポリマー分散液が得られる。即ち、分散した不連続粒子が比較的多い割合で存在していることを特徴とするポリマー組成物が得られる。この場合、架橋が分散液粒子の内部で部分的にしか生じないことも推測され、これは、得られる分散液が、従来技術から公知の架橋カチオン性ポリマー組成物よりも高い固体含量及び低い粘度をもつことを意味する。性能に関しては、このような分散液は例えばコンディショナー効果が改善されていることを特徴とする。このような分散液はまた一般に、広範囲の架橋度(成分b)の割合)に左右されない良好なレオロジー特性を有している。
【0039】
ポリマー組成物中でどの程度までのポリマーが分散した不連続粒子の形態または溶解もしくは膨潤した形態で存在するかは濁度測定によって判断できる(比濁法)。分散した不連続粒子は溶解もしくは膨潤したポリマー粒子よりもはるかに多くの入射光を散乱させる。放射散乱光もしくは蛍光放射の割合または最も簡単な場合には透過光の吸光度を測定に使用できる。
【0040】
本発明に従って得ることが可能な分散液は、好ましい実施態様では、30%以下、特に20%以下、好ましくは10%以下、より特定的には5%以下のLT値を有している。
【0041】
水性ポリマー分散液のLT値(光透過度)は例えば、2.5cmのセル長さを用い600nmで純水を参照として測定する。分光光度計(例えば、Hach: Spectrophotometer DR/2000、measurement method「transmission」)を最初に純水で100%に調整する。次にセルを分散液で多数回すすぎ、分散液をセルに注入し、光透過度の%を読取る。
【0042】
重合媒体は、水だけから構成されてもよくまたは水と水混和性液体、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールなどのようなアルコールとの混合物から構成されてもよい。水の単独使用が好ましい。
【0043】
モノマーa)
適当なモノマーa)は、N-ビニルラクタム、及び、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、などのような1つまたは複数のC1-C6-アルキル置換基を有し得るその誘導体である。これらは例えば、N-ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-エチル-2-ピペリドン、N-ビニル-7-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-エチル-2-カプロラクタム、などを包含する。N-ビニルピロリドン及びN-ビニルカプロラクタムの使用が好ましい。
【0044】
モノマーa)として適当な開鎖N-ビニルアミド化合物は例えば、N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-N-メチルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニルプロピオンアミド、N-ビニル-N-メチルプロピオンアミド、及び、N-ビニルブチルアミドである。
【0045】
本発明の好ましい実施態様では、N-ビニルラクタム、特にN-ビニルピロリドンをモノマーa)として使用する。
【0046】
架橋剤b)
架橋機能を有しているモノマーb)は、分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和非共役二重結合を有している化合物である。
【0047】
適当な架橋剤b)は例えば、少なくとも二価のアルコールのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アリルエーテルまたはビニルエーテルである。この場合、親アルコールのOH基は、完全または部分的にエーテル化またはエステル化されていてもよい。しかしながら、架橋剤は少なくとも2個のエチレン性不飽和基を含有している。
【0048】
親アルコールの例は、二価アルコール類、例えば1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ブト-2-エン-1,4-ジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタン-1,5-ジオール、2,5-ジメチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンシジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)-シクロヘキサン、ヒドロキシピパリックネオペンチルグリコールモノエステル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシプロピル)フェニル]プロパン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、3-チオペンタン-1,5-ジオール、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類及びポリテトラヒドロフラン類であり、いずれの場合にも200-10000の分子量を有している。エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドのホモポリマー以外にも、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドのブロックコポリマーまたはエチレンオキシド及びプロピレンオキシド基が組込まれた形態で含有されているコポリマーを使用することも可能である。2個よりも多い数のOH基を有している親アルコールの例は、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、1,2,5-ペンタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、トリエトキシシアヌル酸、ソルビタン、糖類、例えばスクロース、グルコース、マンノースである。エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドと反応後のエトキシレートまたはプロポキシレートにそれぞれ対応する形態の多価アルコールももちろん使用できる。また、多価アルコールを最初にエピクロロヒドリンと反応させることによって対応するグリシジルエーテルに変換してもよい。
【0049】
別の適当な架橋剤b)は、ビニルエステル、または、一価の不飽和アルコールとエチレン性不飽和C3-C6-カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸またはフマル酸とのエステルである。このようなアルコールの例は、アリルアルコール、1-ブテン-3-オール、5-ヘキセン-1-オール、1-オクテン-3-オール、9-デセン-1-オール、ジシクロペンテニルアルコール、10-ウンデセン-1-オール、シンナミルアルコール、シトロネロール、クロチルアルコールまたはシス-9-オクタデセン-1-オールである。しかしながら、一価の不飽和アルコールを多塩基性カルボン酸、例えば、マロン酸、酒石酸、トリメリット酸、フタル酸、テレフタル酸、クエン酸またはコハク酸でエステル化することも可能である。
【0050】
別の適当な架橋剤b)は、不飽和カルボン酸と上記の多価アルコールとのエステル、例えばオレイン酸、クロトン酸、桂皮酸または10-ウンデセン酸のエステルである。
【0051】
適当なモノマーb)はまた、少なくとも2個の二重結合を有している直鎖状または分枝状、線状または環状、脂肪族または芳香族の炭化水素であり、脂肪族炭化水素の場合には、二重結合が共役であってはならない。これらの例には、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、4-ビニル-1-シクロヘキセン、トリビニルシクロヘキセン、または、200-20000の分子量をもつポリブタジエン類がある。
【0052】
別の適当な架橋剤は、アクリルアミド、メタクリルアミド、及び、少なくとも二官能性のアミンのN-アリルアミンである。このようなアミンの例は、1,2-ジアミノメタン、1,2-ジアミノエタン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,12-ドデカンジアミン、ピペラジン、ジエチレントリアミンまたはイソホロンジアミンである。アリルアミンのアミド、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸のような不飽和カルボン酸のアミド、または、上述のような少なくとも二塩基性のカルボン酸のアミドも同様に適当である。
【0053】
トリアリルアミン及びトリアリルモノアルキルアンモニウムの塩、例えばトリアリルメチルアンモニウムクロリドまたはメチルスルフェートも架橋剤b)として適当である。
【0054】
ウレア誘導体のN-ビニル化合物、例えばウレア、エチレンウレア、プロピレンウレアの少なくとも二官能性のアミド、シアヌレートまたはウレタン、または、タータージアミド、例えば、N,N’-ジビニルエチレンウレアまたはN,N’-ジビニルプロピレンウレアも適当である。
【0055】
別の適当な架橋剤はジビニルジオキサン、テトラアリルシランまたはテトラビニルシランである。
【0056】
上記化合物の混合物を使用することももちろん可能である。水溶性架橋剤の使用が好ましい。
【0057】
特に好ましく使用される架橋剤b)は例えば、メチレンビスアクリルアミド、トリアリルアミン及びトリアリルアルキルアンモニウムの塩、ジビニルイミダゾール、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、N,N’-ジビニルエチレンウレア、多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸との反応生成物、ポリアルキレンオキシドのメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル、また、エチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシド及び/またはエピクロロヒドリンと反応させた多価アルコールである。
【0058】
ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、N,N’-ジビニルエチレンウレア、トリアリルアミン及びトリアリルモノアルキルアンモニウムの塩、グリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパンまたはグリセロールのアクリル酸エステル、または、エチレンオキシド及び/またはエピクロロヒドリンと反応させたグリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパンまたはグリセロールのアクリル酸エステルが架橋剤b)として特に好ましい。
【0059】
モノマーc)
成分c)のカチオン発生性またはカチオン性基は好ましくは、第一級、第二級及び第三級アミノ基及び第四級アンモニウム基のような窒素含有基である。好ましい窒素含有基は第三級アミノ基または第四級アンモニウム基である。荷電カチオン性基はアミン窒素を、例えば乳酸もしくは酒石酸のような一塩基性もしくは多塩基性のカルボン酸、または、リン酸、硫酸及び塩酸のような無機酸でプロトン付加するか、あるいは、例えばC1-C4-アルキルハロゲン化物または硫酸塩のようなアルキル化剤で第四級化することによって生じ得る。このようなアルキル化剤の例は、エチルクロリド、エチルブロミド、メチルクロリド、メチルブロミド、ジメチルスルフェート及びジエチルスルフェートである。好ましい実施態様では、電荷を帯びた形態でモノマーc)を重合に使用する。
【0060】
適当な化合物c)は例えば、α,β-エチレン性不飽和モノ-及びジカルボン酸とアミノアルコールとのエステルである。好ましいアミノアルコールは、アミン窒素がC1-C8-ジアルキル化されたC2-C12-アミノアルコールである。これらのエステルの適当な酸成分は例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、モノブチルマレエート及びそれらの混合物である。アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの混合物の使用が好ましい。N,N-ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びN,N-ジメチルアミノシクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0061】
適当なモノマーc)はまた、上記のα,β-エチレン性不飽和モノ-及びジカルボン酸と少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を有しているジアミンとのアミドである。第三級アミノ基と第一級または第二級アミノ基とを有しているジアミンが好ましい。好ましいモノマーc)は、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]メタクリルアミド、N-[2-(ジエチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]メタクリルアミド、などである。N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド及び/またはN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドの使用が特に好ましい。
【0062】
また別の適当なモノマーc)は、N,N-ジアリルアミン及びN,N-ジアリル-N-アルキルアミン及びそれらの酸付加塩及び第四級化生成物である。この場合のアルキルは好ましくはC1-C24-アルキルである。N,N-ジアリル-N-メチルアミン及びN,N-ジアリル-N,N-ジメチルアンモニウム化合物、例えば、塩化物及び臭化物が好ましい。
【0063】
適当なモノマーc)はまた、N-ビニルイミダゾール、N-ビニル-2-メチルイミダゾールのようなビニル-及びアリル-置換窒素複素環、2-及び4-ビニルピリジン、2-及び4-アリルピリジンのようなビニル-及びアリル-置換ヘテロ芳香族化合物、及び、それらの塩である。
【0064】
好ましいモノマーc)は、式中のR1-R3が水素、C1-C4-アルキルまたはフェニルを表す式(II)のN-ビニルイミダゾール誘導体である。
【化2】

【0065】
式(II)の化合物の例を以下の表1に示す。
【表1】

【0066】
Me=メチル
Ph=フェニル

モノマーc)の好ましい例は、3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムクロリド及びメトスルフェート、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドや、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート及びN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドであり、これらはメチルクロリド、ジメチルスルフェートまたはジエチルスルフェートによって第四級化されている。
【0067】
特に好ましいモノマーc)は、3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムクロリド及びメトスルフェート並びにジメチルジアリルアンモニウムクロリド(DADMAC)であり、3-メチル-1-ビニルイミダゾリウムクロリド及びメトスルフェートが特に好ましい。
【0068】
成分a)とc)との好ましい組合せは、少なくとも1種類のN-ビニルラクタム、特にN-ビニルピロリドンと、少なくとも1種類のN-ビニルイミダゾール誘導体、特に第四級化ビニルイミダゾール及び/またはジアリルジメチルアンモニウムクロリドとを含む。
【0069】
モノマーd)
ポリマー分散液Pd)の調製に使用されたモノマー混合物M)は更に、少なくとも1種類の別のモノマーd)を含むことができる。追加モノマーd)は好ましくは、α,β-エチレン性不飽和モノ-及びジカルボン酸とC1-C30-アルカノール及びC1-C30-アルカンジオールとのエステル、α,β-エチレン性不飽和モノ-及びジカルボン酸と第一級または第二級アミノ基を有しているC2-C30-アミノアルコールとのアミド、α,β-エチレン性不飽和ジカルボン酸及びそのN-アルキル及びN,N-ジアルキル誘導体の第一級アミド、ビニルアルコール及びアリルアルコールとC1-C30-モノカルボン酸とのエステル、ビニルエーテル、ビニル芳香族、ビニルハロゲン化物、ビニリデンハロゲン化物、C1-C8-モノオレフィン、少なくとも2つの共役二重結合をもつ非芳香族炭化水素及びそれらの混合物である。
【0070】
適当な追加モノマーd)は、メチル(メタ)アクリレート、メチルエタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、エチルエタクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチルエタクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、1,1,3,3-テトラメチルブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ウンデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、アラキジル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、リグノセリル(メタ)アクリレート、セロチニル(メタ)アクリレート、メリシニル(メタ)アクリレート、パルミトレイニル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、リノリル(メタ)アクリレート、リノレニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びそれらの混合物である。
【0071】
適当な追加モノマーd)は更に、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルエタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシブチルアクリレート、3-ヒドロキシブチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、6-ヒドロキシヘキシルアクリレート、6-ヒドロキシヘキシルメタクリレート、3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルアクリレート、3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルメタクリレートなどである。
【0072】
適当な追加モノマーd)はまた、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ブチル) (メタ)アクリルアミド、N-(tert-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(n-オクチル)(メタ)アクリルアミド、N-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)(メタ)アクリルアミド、N-エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ノニル) (メタ)アクリルアミド、N-(n-デシル) (メタ)アクリルアミド、N-(n-ウンデシル) (メタ)アクリルアミド、N-トリデシル(メタ)アクリルアミド、N-ミリスチル(メタ)アクリルアミド、N-ペンタデシル(メタ)アクリルアミド、N-パルミチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘプタデシル(メタ)アクリルアミド、N-ノナデシル(メタ)アクリルアミド、N-アラキジル(メタ)アクリルアミド、N-ベヘニル(メタ)アクリルアミド、N-リグノセリル(メタ)アクリルアミド、N-セロチニル(メタ)アクリルアミド、N-メリシニル(メタ)アクリルアミド、N-パルミトレイニル(メタ)アクリルアミド、N-オレイル(メタ)アクリルアミド、N-リノリル(メタ)アクリルアミド、N-リノレニル(メタ)アクリルアミド、N-ステアリル(メタ)アクリルアミド、N-ラウリル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、モルホリニル(メタ)アクリルアミドである。
【0073】
適当な追加モノマーd)はまた、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びそれらの混合物である。
【0074】
適当な追加モノマーd)はまた、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン及びそれらの混合物である。
【0075】
上記の追加モノマーd)は個別に使用されてもよくまたは任意の望ましい混合物の形態で使用されてもよい。
【0076】
モノマーe)
モノマー混合物M)は更に、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合と分子あたり1個のアニオン発生性及び/またはアニオン性基とをもつ少なくとも1種類の化合物e)を、成分e)中のアニオン発生性及びアニオン性基のモル比率が成分c)中のカチオン発生性及びカチオン性基のモル比率よりも小さいという条件付で含み得る。
【0077】
成分e)は好ましくは、モノエチレン性不飽和カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸及びそれらの混合物から選択される。
【0078】
モノマーe)は、3-25、好ましくは3-6個の炭素原子を有しているモノエチレン性不飽和モノ-及びジカルボン酸を包含し、これらはその塩または無水物の形態で使用されてもよい。その例は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニチン酸及びフマル酸である。モノマーe)は更に、4-10、好ましくは4-6個の炭素原子を有しているモノエチレン性不飽和ジカルボン酸、例えばマレイン酸の半エステル、例えばモノメチルマレエートを包含する。モノマーe)はまた、モノエチレン性不飽和のスルホン酸及びホスホン酸、例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリルオキシプロピルスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸及びアリルホスホスン酸を包含する。モノマーe)はまた、上記の酸の塩、特にナトリウム、カリウム及びアンモニウムの塩を包含し、また、上記アミンとの塩を包含する。モノマーe)はまたそのままで使用されてもよく混合物として使用されてもよい。与えられた重量比率はすべて酸形に関する値である。
【0079】
成分e)は好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニチン酸及びそれらの混合物から選択される。
【0080】
成分(e)は特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸及びそれらの混合物から選択される。
【0081】
分散剤D)
本発明の水性ポリマー分散液Pd)を調製するために、モノマー混合物M)のフリーラジカル重合中に得られたポリマーを分散させる機能を果たす高分子アニオン性分散剤D)を使用する。
【0082】
分散剤D)の数平均分子量は、好ましくは500-2000000、特に好ましくは1000-100000、より特定的には5000-90000、具体的には10000-700000の範囲である。
【0083】
適当な分散剤D)は、α,β-エチレン性不飽和モノマーのフリーラジカル重合によって得ることが可能である。この場合、少なくとも1つのフリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合と分子あたり少なくとも1個のアニオン発生性及び/またはアニオン性基とを有しているモノマーが使用される。分散剤D)の調製に上記モノマーe)を使用することが可能であり、上記モノマーe)全部が参照によってここに含まれるものとする。
【0084】
好ましい高分子分散剤D)は、少なくとも1つのフリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合と分子あたり少なくとも1個のアニオン発生性及び/またはアニオン性基とを有している少なくとも1種類のモノマーが共重合形態で、分散剤D)の調製に使用したモノマーの全重量を基準として少なくとも5重量%、特に好ましくは少なくとも10重量%、より特定的には少なくとも30重量%の量で含有されているポリマーである。
【0085】
分散剤D)の調整に適したコモノマーはモノマー混合物M)の成分として上記に挙げた成分a)-d)と原則的に同じであるが、分散剤D)が共重合形態で含有するアニオン発生性及びアニオン性基のモル比率がカチオン発生性及びカチオン性基のモル比率よりも大きいという条件を満たしていなければならない。高分子アニオン性分散剤D)はこの点でモノマー混合物M)のフリーラジカル重合によって得られたポリマーとは常に違っている。
【0086】
アニオン性分散剤D)は好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及びそれらの混合物から選択された少なくとも1種類のモノマーを共重合形態で含有するポリマーから選択される。
【0087】
分散剤D)の酸基は部分中和または完全中和されていてもよい。この場合、酸基の少なくともいくつかは脱プロトン形態であり、対イオンは好ましくはNa+、K+のようなアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン及びそれらの有機誘導体などから選択される。
【0088】
好ましい分散剤D)は例えば、マレイン酸-アクリル酸コポリマー及びその塩(例えば、BASF Aktienges.のSokalan(登録商標)CP5)、マレイン酸-アルキルビニルエーテルコポリマー、例えば、マレイン酸/メチルビニルエーテルコポリマー及びその塩(例えば、Sokalan(登録商標)CP2)、マレイン酸-オレフィンコポリマー及びその塩(例えば、Sokalan(登録商標)CP9)、ポリアクリル酸及びその塩(例えば、Sokalan(登録商標)CP10)、無水マレイン酸-スチレンコポリマーなどである。
【0089】
これらの高分子分散剤は公知の方法、例えば、重合条件下でフリーラジカルを形成する化合物を使用した溶液重合、沈殿重合、懸濁重合または乳濁重合によって調製される。重合温度は通常は30-200℃、好ましくは40-110℃の範囲である。適当な開始剤は例えば、アゾ及びペルオキシ化合物、及び、慣用のレドックス開始剤系、例えば、過酸化水素と亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒド、スルホキシド及びヒドラジンのような還元作用をもつ化合物との組合せである。これらの系は場合によっては更に、少量の重金属塩も含み得る。
【0090】
成分の使用量
本発明の水性ポリマー分散液Pd)を調製するために、成分a)は、成分a)と分散剤D)との全重量を基準として10-90重量%、好ましくは20-70重量%、特に30-60重量%の量で使用されるのが好ましい。
【0091】
分散剤D)は、成分a)と分散剤D)との全重量を基準として10-90重量%、好ましくは20-70重量%、特に30-60重量%の量で使用されるのが好ましい。
【0092】
成分d)は、成分a)の重量を基準として0.0005-5重量%、好ましくは0.001-2.5重量%、特に0.01-1.5重量%の量で使用されるのが好ましい。
【0093】
本発明の水性ポリマー分散液Pd)を調製するために、成分c)は、成分a)と分散剤D)との全重量を基準として1-40重量%、好ましくは5-30重量%量で使用されるのが好ましい。
【0094】
調整剤
モノマー混合物M)のフリーラジカル重合は少なくとも1種類の調整剤の存在下で行わせることができる。調整剤は、成分a)と分散剤D)との全重量を基準として0.0005-5重量%、好ましくは0.001-2.5重量%、特に0.01-1.5重量%の量で使用されるのが好ましい。
【0095】
調整剤(重合調整剤)は一般に、高い移行定数をもつ化合物に使用される用語である。調整剤は連鎖移動反応を加速し、従って得られるポリマーの重合度を低下させるが全反応速度には影響を与えない。
【0096】
調整剤に関しては、分子中の官能基の数に従って一官能性、二官能性または多官能性の調整剤に分類でき、これらは1つまたは複数の連鎖移動反応を導くであろう。適当な調整剤は例えば、K.C.Berger and G.Brandrup in J.Brandrup, E.H.Immergut, Polymer Handbook, 3rd edition, John Wiley & Sons, New York, 1989, pp.II/81-II/141に詳細に記載されている。
【0097】
適当な調整剤は例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒドのようなアルデヒド類である。
【0098】
同じく使用し得る別の調整剤は、ギ酸、ギ酸アンモニウムのようなその塩またはエステル、2,5-ジフェニル-1-ヘキセン、ヒドロキシアンモニウムスルフェート、及び、ヒドロキシアンモニウムホスフェートである。
【0099】
別の適当な調整剤はハロゲン化合物、例えば、テトラクロロメタン、クロロホルム、ブロモトリクロロメタン、ブロモホルム、アリルブロミドのようなアルキルハロゲン化物、及び、ベンジルクロリドまたはベンジルブロミドのようなベンジル化合物である。
【0100】
別の適当な調整剤は、アリル化合物、例えば、アリルアルコールや、アリルエトキシレート、アルキルアリルエーテルまたはグリセロールモノアリルエーテルなどのような官能化アリルエーテル類である。
【0101】
好ましく使用される調整剤は結合形態のイオウを含有する化合物である。
【0102】
この種の化合物は例えば、無機の亜硫酸水素、二亜硫酸塩及びジチオナイトまたは有機のスルフィド、ジスルフィド、ポリスルフィド、スルホキシド及びスルホンである。これらは、ジ-n-ブチルスルフィド、ジ-n-オクチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、チオジグリコール、エチルチオエタノール、ジイソプロピルジスルフィド、ジ-n-ブチルジスルフィド、ジ-n-ヘキシルジスルフィド、ジアセチルジスルフィド、ジエタノールスルフィド、ジ-t-ブチルトリスルフィド、ジメチルスルホキシド、ジアルキルスルフィド、ジアルキルジスルフィド及び/またはジアリールスルフィドを包含する。
【0103】
結合形態のイオウを含有する有機化合物が特に好ましい。
【0104】
重合調整剤として好ましく使用される化合物は、チオール(イオウをSH基の形態で含有する化合物でメルカプタンとも呼ばれる)である。好ましい調整剤は、一官能性、二官能性及び多官能性のメルカプタン、メルカプトアルコール及び/またはメルカプトカルボン酸である。
【0105】
これらの化合物の例は、アリルチオグリコレート、エチルチオグリコレート、システイン、2-メルカプトエタノール、1,3-メルカプトプロパノール、3-メルカプトプロパン-1,2-ジオール、1,4-メルカプトブタノール、メルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸、チオグリセロール、チオ酢酸、チオウレア、及び、n-ブチルメルカプタン、n-ヘキシルメルカプタンまたはn-ドデシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタンである。
【0106】
特に好ましいチオールは、システイン、2-メルカプトエタノール、1,3-メルカプトプロパノール、3-メルカプトプロパン-1,2-ジオール、チオグリセロール、チオウレアである。
【0107】
2個のイオウを結合形態で含有する二官能性調整剤の例は、二官能性チオール、例えば、メルカプトプロパンスルホン酸(ナトリウム塩)、ジメルカプトコハク酸、ジメルカプト-1-プロパノール、ジメルカプトエタン、ジメルカプトプロパン、ジメルカプトブタン、ジメルカプトペンタン、ジメルカプトヘキサン、エチレングリコールビスチオグリコレート及びブタンジオールビスチオグリコレートである。
【0108】
多官能性調整剤は、3個以上のイオウを結合形態で含有する化合物である。その例は三官能性及び/または四官能性メルカプタンである。
【0109】
好ましい三官能性調整剤は、三官能性メルカプタン、例えば、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトエタノエート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(4-メルカプトブタノエート)、トリメチロールプロパントリス(5-メルカプトペンタノエート)、トリメチロールプロパントリス(6-メルカプトヘキサノエート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、グリセリルチオグリコレート、グリセリルチオプロピオネート、グリセリルチオエトキシド、グリセリルチオブタノエート、1,1,1-プロパントリイルトリス(メルカプトアセテート)、1,1,1-プロパントリイルトリス(メルカプトエタノエート)、1,1,1-プロパントリイルトリス(メルカプトプロピオネート)、1,1,1-プロパントリイルトリス(メルカプトブタノエート)、2-ヒドロキシメチル-2-メチル-1,3-プロパンジオールトリス(メルカプトアセテート)、2-ヒドロキシメチル-2-メチル-1,3-プロパンジオールトリス(メルカプトエタノエート)、2-ヒドロキシメチル-2-メチル-1,3-プロパンジオールトリス(メルカプトプロピオネート)、2-ヒドロキシメチル-2-メチル-1,3-プロパンジオールトリス(メルカプトブタノエート)である。
【0110】
特に好ましい三官能性調整剤は、グリセリルチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、2-ヒドロキシメチル-2-メチル-1,3-プロパンジオールトリス(メルカプトアセテート)である。
【0111】
好ましい三官能性メルカプタンは、ペンタエリトリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリトリトールテトラキス(2-メルカプトエタノエート)、ペンタエリトリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトールテトラキス(4-メルカプトブタノエート)、ペンタエリトリトールテトラキス(5-メルカプトペンタノエート)、ペンタエリトリトールテトラキス(6-メルカプトヘキサノエート)である。
【0112】
別の適当な多官能性調整剤は、式(IVa)の化合物の反応によって生成するSi化合物である。また別の適当な多官能性調整剤は式(IVb)の化合物である。
【化3】

【0113】
式中、
nは0-2の値であり、
R1は、C1-C16-アルキル基またはフェニル基であり、
R2は、C1-C18-アルキル基、シクロヘキシルまたはフェニル基であり、
Zは、炭素原子が隣接しない酸素もしくはハロゲン原子によって置換されていてもよいC1-C18-アルキル基、C2-C18-アルキレン基もしくはC2-C18-アルキニル基であるか、または、
【化4】

【0114】
[式中、
R3は、C1-C12-アルキル基であり、
R4は、C1-C18-アルキル基である]
で示される基の1つである。
【0115】
化合物IVaが特に好ましく、これらのうちでもメルカプトプロピルトリメトキシシラン及びメルカプトプロピルトリエトキシシランが最も好ましい。
【0116】
上記に挙げた調整剤はいずれも個別に使用してもよくまたは互いに組合せて使用してもよい。
【0117】
方法の好ましい実施態様では多官能性調整剤を使用する。
【0118】
水性ポリマー分散液Pd)を調製するためには、例えばフリーラジカル水性乳濁重合法に常用の手順に従い、モノマー混合物M)を水性媒体中で分散剤D)の存在下に常法で重合させる。この場合の重合媒体は水だけから構成されてもよく、または、水混和性液体、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、tert-ブタノールなどのようなアルコールと水とから構成されてもよい。重合媒体として水だけを使用するのが好ましい。
【0119】
重合は一般に、0-150℃、好ましくは20-100℃、特に好ましくは30-95℃の範囲の温度で行う。重合は好ましくは大気圧で行うが、例えば重合に使用した成分の自己発生圧力のような圧力上昇下の重合も可能である。所望の場合には、少なくとも1種類の不活性ガス、例えば窒素下の存在下で重合を行ってもよい。
【0120】
重合はバッチ法として行ってもよく、あるいは、処理部(step procedure)と移動部(gradient procedure)とを含む連続法の形態で行ってもよい。最初に重合バッチをある程度導入し、残りの成分の全量または部分量を一緒にもしくは個別フィードでバッチとしてまたは連続的に初期充填材料に添加する連続法で重合を行うのが好ましい。この場合、最初に使用モノマーのある程度と高分子アニオン性分散剤D)の少なくともある程度と水性媒体の少なくともある程度とを重合ゾーンに導入し、これらを重合温度まで加熱し、場合によってはこの初期充填材料を最初に重合させ、次いで重合ゾーンの重合を維持しながら残りの重合バッチを空間的に独立した1つまたは複数のフィードを介して導入するのが好ましい。通常は重合開始剤とモノマーとは別々のフィードで添加する。モノマーは個別に導入してもよくまたは混合物の形態で導入してもよく、純粋な形態、水性媒体に溶解した形態もしくは乳化形態のいずれでもよい。
【0121】
高分子アニオン性分散剤D)を使用すると、他の界面活性物質を使用することなく水性ポリマー分散液を調製できるという利点が得られる。しかしながら、別の界面活性物質を添加剤として使用し分散剤D)との混合物としてもよい。
【0122】
適当な別の界面活性添加剤は、例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Volume XIV/1, Makromolekulare Stoffe [Macromolecular Substances], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, 1961, pp.411-420、に記載されているように、保護コロイド及び乳濁重合に分散剤として常用の乳化剤である。適当な追加の保護コロイドは、例えば、ポリビニルアルコール及び部分加水分解酢酸ビニル、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、セルロース及びメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのようなセルロース誘導体、デンプン及びシアノアルキルエーテルデンプン、ヒドロキシアルキルエーテルデンプン、カルボキシメチルデンプンのようなデンプン誘導体、などである。適当な乳化剤は、アニオン性、カチオン性または非イオン性の乳化剤である。
【0123】
界面活性物質としては、保護コロイドと対照的にその相対分子量が通常は3500ドルトンよりも小さい乳化剤を使用するのが好ましい。
【0124】
使用できる非イオン性乳化剤は、アリール脂肪族または脂肪族の非イオン性乳化剤、例えば、エトキシル化モノ-、ジ-及びトリアルキルフェノール類(EO度:3-50、アルキルラジカル:C4-C10)、長鎖アルコールのエトキシレート(EO度:3-50、アルキルラジカル:C8-C36)、及び、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロックコポリマーである。長鎖アルカノールのエトキシレート(アルキルラジカルC10-C22、平均エトキシル化度10-50)が好ましく、これらのうちでも線状のC12-C18-アルキルラジカル及び平均エトキシル化度10-50のものが特に好ましく、また、エトキシル化モノアルキルフェノールも好ましい。
【0125】
適当なアニオン性乳化剤は例えば、アルキルスルフェート(アルキルラジカル:C8-C22)、エトキシル化アルカノール (EO度:2-50、アルキルラジカル:C12-C18)とエトキシル化アルキルフェノール(EO度:3-50、アルキルラジカル:C4-C9) との硫酸半エステル、アルキルスルホン酸(アルキルラジカル:C12-C18)、及び、アルキルアリールスルホン酸(アルキルラジカル:C9-C18)のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩である。別の適当な乳化剤は、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Volume XIV/1, Makromolekulare Stoffe [Macromolecular substances], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, 1961, pp.192-208)、に与えられている。同様に適当なアニオン性乳化剤は、芳香環の一方または双方にC4-C24-アルキル基を含むビス(フェノイルスルホン酸)エーテルまたはそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩である。これらの化合物は例えば米国特許第4,269,749号によって一般に公知であり、例えばDowfax(登録商標)2A1(Dow Chemical Company)として市販されている。
【0126】
適当なカチオン性乳化剤は好ましくは第四級アンモニウムハロゲン化物、例えば、トリメチルセチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、または、N-C6-C20-アルキルピリジン、-モルホリンもしくは-イミダゾールの第四級化合物、例えば、N-ラウリルピリジニウムクロリドである。
【0127】
上記乳化剤の1つを使用する場合、乳化剤は特定のアニオン性高分子分散剤D)との相溶性の程度に従って選択される。乳化剤の量は、重合させるべきモノマーの量を基準として、一般には約0-10重量%、好ましくは0.01-5重量%である。
【0128】
ポリマー分散液Pd)を調製するために、高分子アニオン性分散剤D)以外の高分子分散剤を使用することも可能である。これらの追加の高分子分散剤は、重合させるべきモノマーの量を基準として、一般には約0-10重量%、好ましくは0.01-5重量%の量で使用される。
【0129】
追加の高分子分散剤は一般に、エーテル、ヒドロキシル、硫酸エステル、アミノ、イミノ、tert-アミノ及び/または第四級アンモニウム基から選択された少なくとも1つの官能基を含有している。このような化合物の例は、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピリジン、ポリエチレンイミン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルスクシンイミド及びポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ポリビニルピロリドン、少なくとも5重量%のビニルピロリドンユニットを含有しているポリマー、少なくとも50重量%のビニルアルコールユニットを含有しているポリマー、オリゴ糖、多糖、酸化的、加水分解的または酵素的に分解された多糖、化学的に改質されたオリゴ糖または多糖、例えば、カルボキシメチルセルロース、水溶性デンプン及びデンプン誘導体、デンプンエステル、デンプンキサンタノジェネート、デンプンアセテート、デキストラン及びそれらの混合物である。
【0130】
更に、常用の補佐物質及び添加剤をポリマー分散液に添加してもよい。これらの例は、pH-調整物質、還元剤及び脱色剤例えばヒドロキシメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩(例えば、BASF Aktienges.のRongallit(登録商標))、錯化剤、消臭剤、芳香物質、及び、粘度調整剤、例えば、グリセロール、メタノール、エタノール、tert-ブタノール、グリコールなどのアルコールである。これらの補佐物質及び添加剤をポリマー分散液に添加するためは、初期充填材料に加えるか、フィードの1つとして加えるか、または、重合後に加えるとよい。
【0131】
分散液Pd)は一般に、100-50000mPas、好ましくは200-20000mPas、特に好ましくは300-15000mPasの粘度を有している。
【0132】
重合中に形成された分散液を重合プロセス後に物理的または化学的な後処理にかけてもよい。後処理は例えば公知の残留モノマー低減処理であり、例えば、重合開始剤もしくは2種以上の重合開始剤の混合物を適当な温度で添加するかまたは重合溶液を重合温度よりも高温に加熱することによって行う後処理、水蒸気を使用するかもしくは窒素によるストリッピングを用いるポリマー溶液の後処理、酸化性もしくは還元性の試薬による反応混合物の処理、活性炭のような選択媒体に夾雑物を吸着させる吸着処理、または、限外濾過、などがある。その後に、公知の処理段階、例えば適当な乾燥処理またはドラム乾燥を行ってもよく、または、乾燥後に凝集処理を行ってもよい。本発明の方法によって得られた残留モノマー含量の少ない分散液はそのまま販売することもできる。
【0133】
ポリマー分散液Pd)は種々の乾燥プロセスによって粉末形態に変換できる。例えば、噴霧乾燥、流動噴霧乾燥、ドラム乾燥または凍結乾燥がある。噴霧乾燥の使用が好ましい。このようにして得られた乾燥ポリマー粉末は、水に再溶解または再分散させることによってそれぞれ水溶液または水分散液に再変換できるという利点を有している。粉末状コポリマーは、保存性が改善され、輸送が容易になり、一般的に微生物に攻撃され難いという利点を有している。本発明はまた、ポリマー分散液Pd)を乾燥することによって得ることが可能なポリマーP)を提供する。
【0134】
上述のポリマー分散液Pd)及び該分散液から得ることが可能なポリマーP)は、化粧用及び医薬用組成物の製造に極めて適している。この場合これらは、皮膚、毛髪、爪のようなケラチン質表面に使用される化粧用調製品の使用を包含するボディケア調製品及びマウスケア調製品中の高分子皮膜形成剤として役立つ。これらは汎用性であり、また、多種多様な化粧用調製品に配合することができ、他の成分と適合性である。本発明の分散液の特徴は、分散ポリマー粒子を高い割合で含むこと、及び、これに対応して溶解または膨潤したポリマーの割合が低いことである。従って同じ固体含量の場合、本発明の分散液は従来技術で公知のポリマー基剤の水性調製品よりも有意に低い粘度を示す。従って本発明の分散液は液体配合物を固体含量の高いゲル様製品にすることができ、また、改善されたコンディショナー特性を特徴とする。
【0135】
本発明は更に、
A)少なくとも1種類の上記に定義のポリマー分散液Pd)または上記に定義のポリマーP)と、
B)少なくとも1種類の化粧品に許容される担体と、
を含む化粧用または医薬用組成物を提供する。
【0136】
本発明の組成物は、
i)水、
ii)水混和性有機溶媒、好ましくはC1-C4-アルカノール、
iii)油、脂肪、ワックス、
iv) iii)とは異なる、C6-C30-モノカルボン酸と一価、二価または三価のアルコールとのエステル、
v)非環状及び環状の飽和炭化水素、
vi)脂肪酸、
vii)脂肪アルコール、
ならびにそれらの混合物
から選択される化粧品または医薬品に許容される担体B)を含む。
【0137】
本発明の組成物は例えば、低極性の炭化水素、例えば鉱油;好ましくは8個よりも多い炭素原子をもつ線状飽和炭化水素、例えばテトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなど;環状炭化水素、例えばデカヒドロナフタレン;分枝状炭化水素;動物及び植物の油;ワックス;ワックスエステル;石油ゼリー;エステル、好ましくは脂肪酸のエステル、例えばC1-C24-モノアルコールとC1-C22-モノカルボン酸とのエステル、例えば、イソプロピルイソステアレート、n-プロピルミリステート、イソプロピルミリステート、n-プロピルパルミテート、イソプロピルパルミテート、ヘキサコサニルパルミテート、オクタコサニルパルミテート、トリアコンタニルパルミテート、ドトリアコンタニルパルミテート、テトラトリアコンタニルパルミテート、ヘキサコサニルステアレート、オクタコサニルステアレート、トリアコンタニルステアレート、ドトリアコンタニルステアレート、テトラトリアコンタニルステアレート;サリチレート、例えばオクチルサリチレートのようなC1-C10-サリチレート;ベンゾエートエステル、例えばC10-C15-アルキルベンゾエート、ベンジルベンゾエート;他の化粧用エステル、例えば脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、C10-C15-アルキルラクテート、など及びそれらの混合物から選択される油または脂肪成分B)を含む。
【0138】
適当なシリコーン油B)は例えば、線状ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、環状シロキサン及びそれらの混合物である。ポリジメチルシロキサン及びポリ(メチルフェニルシロキサン)の数平均分子量は好ましくは約1000-150000g/モルの範囲である。好ましい環状シロキサンは4 員環から8員環の範囲の環を有している。適当な環状シロキサンは例えばシクロメチコーンという名称で市販されている。
【0139】
好ましい油または脂肪成分B)は、パラフィン及びパラフィン油;石油ゼリー;天然油脂、例えばヒマシ油、大豆油、落花生油、オリーブ油、ヒマワリ油、ゴマ油、アボカド油、カカオ脂、アーモンド油、モモ核油、ヒマシ油、タラ肝油、ラード、鯨蝋、鯨油、マッコウクジラ油、小麦胚芽油、マカダミアナッツ油、マツヨイグサ油、ホホバ油;脂肪アルコール、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール;脂肪酸、例えばミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、これらとは異なる飽和、不飽和及び置換脂肪酸;ワックス、例えば、蜜蝋、カルナバ蝋、カンデリラ蝋、鯨蝋及び上記油脂成分の混合物から選択される。
【0140】
化粧品及び医薬に適合性の適当な油または脂肪成分B)は、Karl-Heinz Schrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and formulations of cosmetics], 2nd edition, Verlag Huthig, Heidelberg, pp. 319-355、に記載されている。該文献の記載内容は参照によって本発明に含まれるものとする。
【0141】
適当な親水性担体B)は、水、好ましくは1-8個の炭素原子をもつ一価、二価または多価アルコール、例えばエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトールなどから選択される。
【0142】
本発明の化粧組成物は皮膚化粧、頭髪化粧、皮膚科、衛生または医薬用組成物でよい。上述のポリマーP)及びポリマー分散液Pd)はそれらの皮膜形成特性を根拠として特に頭髪化粧品及び皮膚化粧品の添加剤として適当である。
【0143】
本発明の組成物は好ましくは、ゲル、フォーム、スプレー、軟膏、クリーム、エマルジョン、懸濁液、ローション、乳液またはペーストの形態である。所望の場合にはリポソームまたはミクロスフェアも使用できる。
【0144】
化粧的または医薬的に有効な本発明の組成物は更に、化粧的及び/または皮膚科的に有効な成分及び補佐物質を含み得る。
【0145】
本発明の化粧用組成物は好ましくは、少なくとも1種類の上記に定義のポリマーP)またはポリマー分散液Pd)と、少なくとも1種類の上記に定義の担体B)と、少なくとも1種類のP)またはPd)以外の成分とを含み、最後の成分は、化粧有効成分、乳化剤、界面活性剤、保存剤、香料油、増粘剤、ヘアポリマー、頭髪及び皮膚のコンディショナー、グラフトポリマー、水溶性または水分散性シリコーン含有ポリマー、光防御剤、脱色剤、ゲル形成剤、ケア物質、色素、着色剤、褐色化剤、染料、顔料、稠度付与剤、保湿剤、脂肪補給剤、コラーゲン、タンパク質加水分解物、脂質、抗酸化剤、消泡剤、静電防止剤、皮膚緩和剤及び柔軟剤から選択される。
【0146】
このような配合物に常用の増粘剤は、架橋ポリアクリル酸及びその誘導体、多糖類例えばキサンタンガム、寒天、アルギン酸塩またはチロース、セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシカルボキシメチルセルロース、脂肪アルコール、モノグリセリド及び脂肪酸、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンである。適当な増粘剤はまた、Rohm und HaasのAculyn(登録商標)銘柄、例えば、Aculyn(登録商標)22(アクリレートとステアリルラジカルをもつメタクリル酸エトキシレートとのコポリマー(20EOユニット))、及び、Aculyn(登録商標)28(アクリレートとベヘニルラジカルをもつメタクリル酸エトキシレートとのコポリマー(25EOユニット)である。
【0147】
化粧的及び/または皮膚科的に有効な成分の適例は、着色有効成分、皮膚及び頭髪の彩色物質、着色剤、褐色化剤、脱色剤、ケラチン硬化物質、抗菌有効成分、光フィルター有効成分、忌避有効成分、充血効果をもつ物質、角質溶解及び角質形成効果をもつ物質、フケ防止有効成分、抗炎症剤、ケラチン化効果をもつ物質、抗酸化効果またはフリーラジカル捕捉効果をもつ物質、皮膚湿潤性または水分保持物質、脂肪補給有効成分、抗発赤及び抗アレルギー有効成分及びそれらの混合物である。
【0148】
皮膚を人工的に褐色化し、従って自然日焼けもなくUV光線照射による人工日焼けもなく皮膚を日焼け色にする有効成分は、例えば、ジヒドロキシアセトン、アロキサン及びクルミ殻エキスである。適当なケラチン硬化物質は、通常は制汗剤としても使用されている有効成分であり、例えば、硫酸カリウムアルミニウム、ヒドロキシ塩化アルミニウム、乳酸アルミニウムなどである。抗菌有効成分は、微生物を殲滅するかまたは微生物の増殖を阻害するために使用され、従って保存剤として作用し、また、体臭の発生を抑えたり体臭の強さを抑える消臭物質として作用する。これらの例は、当業者に公知の常用の保存剤、例えばp-ヒドロキシ安息香酸エステル、イミダゾリジニルウレア、ホルムアルデヒド、ソルビン酸、安息香酸、サリチル酸、などである。このような消臭物質は例えば、リシノール酸亜鉛、トリクロサン、ウンデシレン酸アルキロールアミド、トリエチルシトレート、クロロヘキシジンなどである。適当な光フィルター有効成分は、UV-B及び/またはUV-A領域のUV光線を吸収する物質である。適当なUVフィルターは例えば2,4,6-トリアリール-1,3,5-トリアジンであり、どの場合にもアリール基が少なくとも1つの置換基を有することができ、置換基は、ヒドロキシ、アルコキシ具体的にはメトキシ、アルコキシカルボニル具体的にはメトキシカルボニル及びエトキシカルボニルやそれらの混合物から選択されるのが好ましい。また、p-アミノベンゾエート、シンナメート、ベンゾフェノン、カンファー誘導体も適当であり、また、二酸化チタン、タルク及び酸化亜鉛のようなUV光線を遮断する顔料も適当である。適当な忌避有効成分は、ある種の動物、特に昆虫を人体から駆除または遠去ける化合物である。これらの例は、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、N,N-ジエチル-m-トルアミドなどである。皮膚の血流を刺激する充血活性をもつ物質の適当な例は、精油、例えば、矮性パイン、ラベンダー、ローズマリー、杜松実、焼栗エキス、カンバの葉エキス、干し草種子エキス、酢酸エチル、ショウノウ、メントール、ペパーミント油、ローズマリーエキス、ユーカリ油、などである。適当な角質溶解及び角質再生物質は例えば、サリチル酸、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸及びその塩、イオウなどである。適当なフケ防止有効成分は例えば、イオウ、スルファーポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、スルファーリシノールポリエトキシレート、ジンクピリチオン、アルミニウムピリチオンなどである。皮膚の炎症に対処する適当な抗炎症剤は例えば、アラントイン、ビザボロール、ドラゴサントール、カモミールエキス、パンテノールなどである。
【0149】
本発明の化粧組成物は、化粧及び/または医薬有効成分として(及び場合によっては補佐物質として)、少なくとも1種類の化粧品または医薬品に許容されるP)またはPd)以外のポリマーを含み得る。これらは極めて普遍的にアニオン性、カチオン性、両性及び中性のポリマーを包含する。
【0150】
アニオン性ポリマーの例は、アクリル酸及びメタクリル酸のホモポリマー及びコポリマーまたはそれらの塩、アクリル酸とアクリルアミドとのコポリマー及びその塩;ポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩、水溶性または水分散性ポリエステル、ポリウレタン、例えばBASFのLuviset PUR(登録商標)、及び、ポリウレアである。特に適当なポリマーは、t-ブチルアクリレートとエチルアクリレートとメタクリル酸とのコポリマー(例えば、Luvimer(登録商標)100P)、エチルアクリレートとメタクリル酸とのコポリマー(例えば、Luviflex(登録商標)Soft及びLuvimer(登録商標)MAE)、N-tert-ブチルアクリルアミドとエチルアクリレートとアクリル酸とのコポリマー(Ultrahold(登録商標)8、strong)、酢酸ビニルとクロトン酸と場合によっては別のビニルエステルとのコポリマー(例えば、Luviset(登録商標)銘柄)、場合によってはアルコール、アニオン性ポリシロキサン、例えばカルボキシ官能性のアニオン性ポリシロキサン、t-ブチルアクリレート、メタクリル酸と反応した無水マレイン酸コポリマー(例えば、Luviskol(登録商標)VBM)、アクリル酸及びメタクリル酸と、メタ(アクリル酸)のC4-C30-アルキルエステル、C4-C30-アルキルビニルエステル、C4-C30-アルキルビニルエーテルのような疎水性モノマー及びヒアルロン酸のコポリマーである。アニオン性ポリマーの例はまた、Resyn(登録商標)(National Starch)及びGafset(登録商標)(GAF)という名称で市販されている酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、及び、例えばLuviflex(登録商標)(BASF)という商標名で得ることが可能なビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマーである。別の適当なポリマーは、Luviflex(登録商標)VBM-35(BASF)という名称で得ることが可能なビニルピロリドン/アクリレートターポリマー、及び、スルホン酸ナトリウム含有ポリアミドまたはスルホン酸ナトリウム含有ポリエステルである。
【0151】
本発明のポリマーに組合せるための適当なポリマーのグループは更に例えば、Balance(登録商標)CR (National Starch;アクリレートコポリマー)、Balance(登録商標)0/55 (National Starch;アクリレートコポリマー)、 Balance(登録商標)47 (National Starch;オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー)、Aquaflex(登録商標)FX 64 (ISP;イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミドコポリマー)、Aquaflex(登録商標)SF-40 (ISP/National Starch;VP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレートコポリマー)、Allianz(登録商標)LT-120 (ISP / Rohm & Haas;アクリレート/C1-2スクシネート/ヒドロキシアクリレートコポリマー)、Aquarez(登録商標)HS (Eastman;ポリエステル-1)、Diaformer(登録商標)Z-400 (Clariant; メタクリロイルエチルベタイン/メタクリレートコポリマー)、Diaformer(登録商標)Z-711 (Clariant; メタクリロイルエチルN-オキシド/メタクリレートコポリマー)、Diaformer(登録商標)Z-712 (Clariant; メタクリロイルエチルN-オキシド/メタクリレートコポリマー)、Omnirez(登録商標)2000 (ISP;ポリ(メチルビニルエーテル/エタノール中のマレイン酸)のモノエチルエステル)、Amphomer(登録商標)HC (National Starch;アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー)、Amphomer(登録商標)28-4910 (National Starch; オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチル/メタクリレートコポリマー)、Advantage(登録商標)HC 37 (ISP;ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのターポリマー)、Advantage(登録商標)LC55及びLC80またはLC A及びLC E, Advantage(登録商標)Plus (ISP; VA/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレートコポリマー)、Aculyne(登録商標)258 (Rohm & Haas; アクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー)、Luviset(登録商標)P.U.R. (BASF, ポリウレタン-1)、Luviflex(登録商標)Silk (BASF), Eastman(登録商標)AQ 48 (Eastman), Styleze(登録商標)CC-10 (ISP; VP/DMAPAアクリレートコポリマー)、Styleze(登録商標)2000 (ISP; VP/アクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー)、DynamX (National Starch;ポリウレタン-14 AMP-アクリレートコポリマー)、Resyn XP (National Starch; アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー)、Fixomer A-30 (Ondeo Nalco; ポリメタクリル酸(及び)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)、Fixate G-100 (Noveon;AMP-アクリレート/アリルメタクリレートコポリマー)を含む。
【0152】
別の適当なポリマーは、INCI名称がポリクオタニウムであるカチオン性ポリマー、例えば、ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(登録商標)FC、Luviquat(登録商標)HM、Luviquat(登録商標)MS、Luviquat(登録商標)Care)、ジエチルスルフェートで第四級化されたN-ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(Luviquat(登録商標)PQ11)、N-ビニルカプロラクタム/N-ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(登録商標)(Hold);カチオン性セルロース誘導体(ポリクオタニウム-4及び-10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクオタニウム-7)及びキトサンである。適当なカチオン性(第四級化)ポリマーはまた、Merquat(登録商標)(ジメチルジアリルアンモニウムクロリドを基剤とするポリマー)、Gafquat(登録商標)(ポリビニルピロリドンと第四級アンモニウム化合物との反応によって形成される第四級ポリマー)、Polymer JR(カチオン性基をもつヒドロキシエチルセルロース)及び植物基剤のカチオン性ポリマー、例えばRhodiaのJaquar(登録商標)銘柄のようなグアーポリマーである。
【0153】
別の適当なポリマーはまた、中性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、N-ビニルピロリドンと酢酸ビニル及び/またはプロピオン酸ビニルとのコポリマー、ポリシロキサン、ポリビニルカプロラクタム及びその他のN-ビニルピロリドンとのコポリマー、ポリエチレンイミン及びその塩、ポリビニルアミン及びその塩、セルロース誘導体、ポリアスパラギン酸及び誘導体である。これらの例は、Luviflex(登録商標)Swing(ポリ酢酸ビニルとポリエチレングリコールとの部分加水分解コポリマー、BASF)である。
【0154】
適当なポリマーはまた、水溶性または水分散性の非イオン性ポリマーまたはオリゴマー、例えば、Luviskol(登録商標)Plus(BASF)のようなポリビニルカプロラクタム、または、ポリビニルピロリドン及びそのコポリマー特に酢酸ビニルのようなビニルエステルとのコポリマー、例えばLuviskol(登録商標)VA37(BASF);DE-A-4333238に記載されているようなイタコン酸と脂肪族ジアミンとを基剤とするポリアミドである。
【0155】
適当なポリマーはまた、両性または双イオン性のポリマー、例えば、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマーである。双イオン性ポリマーは、例えばドイツ特許出願DE3929973、DE2150557、DE2817369及びDE3708451に記載されている。アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸またはメタクリル酸コポリマー及びそのアルカリ金属及びアンモニウム塩が好ましい双イオン性ポリマーである。別の適当な双イオン性ポリマーは、商品名Amersette(登録商標)(AMERCHOL)で市販されているメタクロイルエチルベタイン/メタクリレートコポリマー、及び、ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートとアクリル酸とのコポリマー(Jordapon(登録商標))である。
【0156】
適当なポリマーはまた、シロキサンを含有している水溶性または水分散性の非イオン性ポリマー、例えば、Tegopren(登録商標)またはBelsil(登録商標)(Wacker)のようなポリエーテルシロキサンである。
【0157】
本発明の医薬組成物の配合基剤は好ましくは、医薬品に許容される補佐物質を含む。医薬品に許容される補佐物質は、製薬、食品工学及び関連分野でその使用が公知であり、特に該当薬局方(例えば、DABPh. Eur. BPNF)に収載されている補佐物質、及び、生理的使用を妨げない特性を有しているその他の補佐物質である。
【0158】
適当な補佐物質は、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、保存剤、抗酸化剤、抗炎症物質、キレート化剤、エマルジョン安定剤、皮膜形成剤、ゲル形成剤、臭気隠蔽剤、樹脂、ヒドロコロイド、溶媒、溶解促進剤、中和剤、透過促進剤、顔料、第四級アンモニウム化合物、脂肪の補給及び過給剤、軟膏基剤、クリーム基剤または油基剤、シリコーン誘導体、安定剤、滅菌剤、噴射剤、乾燥剤、乳白剤、増粘剤、ワックス、柔軟剤、ホワイト油であり得る。これらの配合は、例えばFiedler, H.P. Lexikon der Hilfstoffe fur Pharmazie, Kosmetik und angrenzende Gebiete [Lexicon of auxiliaries for pharmacy, cosmetics and related fields], 4th ed., Aulendorf: ECV-Editio-Kantor-Verlag, 1996、に与えられている専門家の知識に基づく。
【0159】
本発明の皮膚科学組成物を調製するためには、有効成分を適当な補佐物質(賦形剤)と混合するかまたはこれらによって希釈する。賦形剤は、有効成分のビヒクル、担体または媒体として機能できる固体、半固体または液体材料でよい。所望の場合には、当業者に公知の方法で別の補佐物質を混合する。更に、ポリマーP)及び分散液Pd)は医薬の補佐物質として、好ましくは固形製剤にするための(1つまたは複数の)コーティングもしくは(1種類または複数の)結合剤としてまたはこのようなコーティングもしくは結合剤の成分として適当である。これらはまたクリームにも使用でき、また、錠剤のコーティング及び錠剤の結合剤としても使用できる。
【0160】
好ましい実施態様によれば、本発明の組成物は皮膚クレンジング組成物である。
【0161】
好ましい皮膚クレンジング組成物は、透明セッケン、高級セッケン、消臭セッケン、クリームセッケン、ベビーソープ、皮膚保護セッケン、研磨セッケン及び合成洗剤、ペースト状セッケン、軟質セッケン及び洗浄用ペースト、のような液体からゲル様稠度までのセッケン類、洗浄ローション、シャワー浴剤、シャワージェル、起泡浴剤、油性浴剤のような液体状の洗浄用、シャワー用及び浴用調製品、スクラブ調製品、髭剃り用のフォーム、ローション及びクリームである。
【0162】
別の好ましい実施態様によれば、本発明の組成物は、スキンケア及び皮膚保護用化粧組成物、ネイルケア組成物または美飾化粧調製品である。
【0163】
適当な皮膚化粧組成物は例えば、フェーストニック、フェースマスク、消臭剤及びその他の化粧ローションである。美飾化粧品に使用される組成物は例えば、コンシーラーペンシル、ステージメーキャップ、マスカラ及びアイシャドー、棒口紅、コール(kohl)ペンシル、アイライナー、頬紅、白粉及び眉ペンシルである。
【0164】
更に、ポリマーP)及び分散液Pd)は、毛穴洗浄用ノーズストリップ、ニキビ防止組成物、忌避剤、髭剃り組成物、脱毛組成物、身体衛生組成物、フットケア組成物及びベビーケア組成物に使用できる。
【0165】
本発明のスキンケア組成物は、特に、W/OまたはO/Wスキンクリーム、デイクリーム、ナイトクリーム、アイクリーム、フェースクリーム、しわ防止クリーム、湿潤クリーム、脱色クリーム、ビタミンクリーム、スキンローション、ケアローション及び湿潤ローションである。
【0166】
上述のポリマーP)及び分散液Pd)を基剤とする皮膚化粧及び皮膚科学組成物は有利な効果を示す。ポリマーは特に皮膚の湿潤化及びコンディショニングと皮膚の感触の改善に貢献する。ポリマーはまた、配合物中の増粘剤として作用できる。本発明のポリマーを添加することによってある種の配合物では皮膚適合性をかなり改善することが可能である。
【0167】
皮膚化粧及び皮膚科学組成物は好ましくは少なくとも1種類のポリマーP)を場合によっては分散液Pd)の形態で、組成物の全重量を基準として約0.001-30重量%、好ましくは0.01-20重量%、特に好ましくは0.1-12重量%の量で含む。
【0168】
特にポリマーP)及び分散液Pd)を基剤とする光防御剤は、ポリビニルピロリドンのような常用の補佐物質に比べてUV吸収成分の滞留時間を延長する特性を有している。
【0169】
使用分野次第では、本発明の組成物をスキンケアに適した形態、例えば、クリーム、フォーム、ジェル、ペンシル、ムース、乳液、スプレー(ポンプスプレーまたは噴射剤含有スプレー)またはローションの形態で使用し得る。
【0170】
ポリマーP)及び分散液Pd)と適当な担体とを含むことに加えて、皮膚化粧用調製品はまた、上述のような皮膚化粧品に常用の別の有効成分及び補佐物質を含み得る。これらは好ましくは、乳化剤、保存剤、香料油、化粧有効成分例えばフィタントリオール、ビタミンA、E及びC、レチノール、ビザボロール、パンテノール、光防御剤、脱色剤、色素、着色剤、褐色化剤、コラーゲン、タンパク質加水分解物、安定剤、pH調整剤、染料、塩、増粘剤、ゲル形成剤、稠度付与剤、シリコーン、保湿剤、脂肪補給剤及びその他の常用の添加剤を包含する。
【0171】
皮膚化粧及び皮膚科学組成物の好ましい油脂成分は、上記の鉱油及び合成油、例えば、パラフィン、シリコーン油、8よりも多い炭素原子数の脂肪族炭化水素、動物及び植物の油、例えば、ヒマワリ油、ココヤシ油、アボカド油、オリーブ油、ラノリン、または、ワックス、脂肪酸、脂肪酸エステル例えばC6-C30-脂肪酸のトリグリセリド、ワックスエステル、例えばホホバ油、脂肪アルコール、石油ゼリー、水素化ラノリン及びアセチル化ラノリン、及び、それらの混合物である。
【0172】
また特定の特性を付与する必要がある場合には本発明のポリマーを慣用のポリマーと混合できる。
【0173】
いくつかの特性、例えば、手触り、延び、耐水性及び/または有効成分と顔料などの補佐物質との結合性などを改善するために、皮膚化粧用及び皮膚科用の調製品は更にまた、シリコーン化合物を基剤とするコンディショニング物質を含むことができる。適当なシリコーン化合物は例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサンまたはシリコーン樹脂である。
【0174】
化粧用または皮膚科用の調製品は好ましくは当業者に公知の常法によって調製される。
【0175】
化粧組成物及び皮膚科学組成物は好ましくはエマルジョンの形態、特に油中水型(W/O)または水中油型(O/W)エマルジョンの形態である。しかしながら、別の型の配合物、例えば、ヒドロ分散液、ゲル、オイル、含油ゲル、マルチエマルジョン、例えばW/O/WまたはO/W/Oエマルジョン、無水軟膏または軟膏基剤、などの形態を選択することも可能である。
【0176】
エマルジョンは公知の方法で調製される。エマルジョンは通常は少なくとも1種類のポリマーP)以外に、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、特に脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸、ラノリン及びその誘導体、天然または合成の油またはワックスなどの常用成分と乳化剤とを水の存在下で含む。エマルジョンの型に特異的な添加剤の選択及び適正なエマルジョンの調製については、例えば、Schrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and formulations of cosmetics], Huthig Buch Verlag, Heidelberg, 2nd edition, 1989, third part、に記載されている。該文献の記載内容は参照によって本発明に含まれるものとする。
【0177】
例えばスキンクリームなどに適したエマルジョンは一般に、油相または脂肪相中に適当な乳化系によって乳化されている水相を含む。ポリマー分散液Pd)は水相を調製するために使用できる。
【0178】
この型のエマルジョン中の乳化系の割合は、エマルジョンの全重量を基準として好ましくは約4-35重量%である。脂肪相の割合は好ましくは約20-60重量%である。水相の割合は好ましくは約20-70重量%である。どの場合にもエマルジョンの全重量を基準とする。乳化剤はこの型のエマルジョンに常用の乳化剤である。これらは例えば、C12-C18-ソルビタン脂肪酸エステル;ヒドロキシステアリン酸とC12-C30-脂肪アルコールとのエステル;C12-C18-脂肪酸とグリセロールまたはポリグリセロールとのモノ-及びジエステル;エチレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合物;オキシプロピレン化/オキシエチレン化C12-C18-脂肪アルコール;ステロールのような多環アルコール; ラノリンのような高分子量の脂肪族アルコール; オキシプロピレン化/ポリグリセロール化アルコールとイソステアリン酸マグネシウムとの混合物;ポリオキシエチレン化またはポリオキシプロピレン化脂肪アルコールのコハク酸エステル;ラノリン酸マグネシウム、ラノリン酸カルシウム、ラノリン酸リチウム、ラノリン酸亜鉛またはラノリン酸アルミニウムと水素化ラノリンまたはラノリンアルコールとの混合物から選択される。
【0179】
エマルジョンの脂肪相に存在し得る好ましい脂肪成分は:炭化水素油、例えば、パラフィン油、purcellin油、ペルヒドロスクアレン及びこれらの油中のマイクロクリスタリンワックスの溶液;動物または植物の油、例えば、スイートアーモンド油、アボカド油、calophylum油、ラノリン及びその誘導体、ヒマシ油、ゴマ油、オリーブ油、ホホバ油、karite油、hoplostethus油;大気圧下の蒸留開始点が約250℃で蒸留終末点が410℃の鉱油、例えば、ワセリン油;飽和または不飽和の脂肪酸のエステル、例えば、i-プロピル、ブチルまたはセチルミリステートのようなアルキルミリステート、ヘキサデシルステアレート、エチルまたはイソプロピルパルミテート、オクタン酸またはデカン酸トリグリセリド及びセチルリシノレエートである。
【0180】
脂肪相はまた、他の油に可溶性のシリコーン油、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン及びシリコーングリコールコポリマーや、脂肪酸及び脂肪アルコールを含むことができる。
【0181】
油及びポリマーP)が保持され易いように、ワックス、例えば、カルナバ蝋、カンデリラ蝋、蜜蝋、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライトワックスや、Ca、Mg及びAlのオレエート、ミリステート、リノレエート及びステアレートを使用することも可能である。
【0182】
油中水型エマルジョンは一般に、脂肪相と乳化剤とを反応容器に導入することによって調製される。容器を約50-75℃の温度に加熱し、次いで油溶性有効成分及び/または補佐物質を添加し、ほぼ同温度に予め加熱しまた場合によっては水溶性成分を予め溶解しておいた水を撹拌しながら添加する。所望の粉末度のエマルジョンが得られるまで混合物を撹拌し、必要ならばより軽度に撹拌しながら室温まで放冷する。
【0183】
更に、本発明のケアエマルジョンは、O/Wエマルジョンの形態でもよい。このようなエマルジョンは通常は、油相と、水相中で油相を安定化する乳化剤と、通常は増粘された形態で存在する水相とを含む。
【0184】
本発明の調製品のO/Wエマルジョンの水相は場合によっては、
-アルコール、ジオールまたはポリオール、それらのエーテル、好ましくは、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコールモノエチルエーテル;
-常用の増粘剤またはゲル形成剤、例えば、架橋ポリアクリル酸及びその誘導体、キサンタンガムのような多糖類またはアルギン酸塩、カルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシカルボキシメチルセルロース、脂肪アルコール、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、
を含む。
【0185】
油相は、化粧品に常用の油成分、例えば:
-飽和及び/または不飽和、分枝状及び/または非分枝状C3-C30-アルカンカルボン酸と飽和及び/または不飽和、分枝状及び/または非分枝状C3-C30-アルコールとのエステル、芳香族カルボン酸と飽和及び/または不飽和、分枝状及び/または非分枝状C3-C30-アルコールとのエステル、例えば、イソプロピルミリステート、イソプロピルステアレート、ヘキシルデシルステアレート、オレイルオレエート;このようなエステルの合成、半合成及び天然の混合物、例えば、ホホバ油;
-分枝状及び/または非分枝状の炭化水素及び炭化水素ワックス;
-シリコーン油、例えば、シクロメチコーン、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン及びそれらの混合物;
-ジアルキルエーテル;
-鉱油及び鉱蝋;
-飽和及び/または不飽和、分枝状及び/または非分枝状C8-C24-アルカンカルボン酸のトリグリセリド;これらは合成、半合成または天然の油、例えば、オリーブ油、パーム油、アーモンド油またはそれらの混合物から選択される;
を含む。
【0186】
適当な乳化剤は好ましくは、ポリグリセロールエステル、ソルビタンエステルまたは部分エステル化グリセリドのようなO/W乳化剤である。
【0187】
油相を約80℃で融解することによって調製を開始できる。水相成分を熱水に溶解し、撹拌しながらゆっくりと油相に加える。混合物を均質化し、撹拌しながら放冷する。
【0188】
別の好ましい実施態様によれば、本発明の組成物はシャワージェル、シャンプー配合物または浴用調製品である。
【0189】
このような配合物は、少なくとも1種類のポリマーP)または分散液Pd)と、基底界面活性剤として常用のアニオン性界面活性剤と、補助界面活性剤として両性及び/または非イオン性界面活性剤とを含む。その他の適当な有効成分及び/または補佐物質は一般には、脂質、香料油、染料、有機酸、保存剤及び抗酸化剤、増粘剤/ゲル形成剤、ならびに皮膚コンディショニング剤及び保湿剤から選択される。
【0190】
これらの配合物は、配合物の全重量を基準として2-50重量%、好ましくは5-40重量%、特に好ましくは8-30重量%の界面活性剤を含むのが好ましい。
【0191】
身体洗浄組成物に常用のすべてのアニオン性、中性、両性またはカチオン性の界面活性剤を洗浄用、シャワー用及び浴用調製品に使用できる。
【0192】
適当なアニオン性界面活性剤は例えば、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N-アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルファ-オレフィンスルホネート、特に、それらのナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムのようなアルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、並びに、アンモニウム塩及びトリエタノールアミン塩である。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボキシレートは、分子中に1-10個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドユニット、好ましくは1-3個のエチレンオキドユニットを有し得る。
【0193】
これらは例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネートである。
【0194】
適当な両性界面活性剤は例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテートまたはアルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホジアセテートまたはアルキルアンホジプロピオネートである。
【0195】
例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインまたはコカンホプロピオン酸ナトリウムを使用できる。
【0196】
適当な非イオン性界面活性剤は例えば、脂肪族アルコールまたはアルキル鎖に6-20個の炭素原子を有している線状または分枝状のアルキルフェノールとエチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシドとの反応生成物である。アルキレンオキシドの量はアルコール1モルあたり約6-60モルである。アルキルアミンオキシド、モノ-またはジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、エトキシル化脂肪酸アミド、アルキルポリグリコシドまたはソルビタンエーテルエステルも適当である。
【0197】
洗浄用、シャワー用及び浴用調製品はまた、常用のカチオン性界面活性剤、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリドのような第四級アンモニウム化合物を含むことができる。
【0198】
更に、他の常用のカチオン性ポリマー、例えば、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(ポリクオタニウム-7)、カチオン性セルロース誘導体(ポリクオタニウム-4、-10)、グアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(INCI:ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)、N-ビニルピロリドンと第四級化N-ビニルイミダゾールとのコポリマー(ポリクオタニウム-16、-44、-46)、N-ビニルピロリドン/ジエチルスルフェートで第四級化したジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(ポリクオタニウム-11)を使用することも可能である。
【0199】
更に、シャワージェル/シャンプー配合物は、例えば塩化ナトリウム、PEG-55、プロピレングリコールオレエート、PEG-120-メチルグルコースジオレエートなどのような増粘剤を含み、また、保存剤、別の有効成分及び補佐物質及び水を含み得る。
【0200】
別の好ましい実施態様によれば、本発明による組成物はヘアトリートメント組成物である。
【0201】
本発明によるヘアトリートメント組成物は好ましくは、少なくとも1種類のポリマーP)を、組成物の全重量を基準として約0.1-30重量%、好ましくは0.5-20重量%の範囲の量で含む。
【0202】
本発明によるヘアトリートメント組成物は好ましくは、セット用フォーム、ヘアムース、ヘアジェル、シャンプー、ヘアスプレー、ヘアフォーム、仕上げ液、パーマネントウェーブの中和剤、染毛剤、脱色剤、ホット-オイルトリートメントの形態である。
【0203】
使用分野次第では、頭髪化粧調製品が、(エアロゾル)スプレー、(エアロゾル)フォーム、ジェル、ジェルスプレー、クリーム、ローションまたはワックスの形態で塗布できる。ヘアスプレーにはエアロゾルスプレー及び噴射剤不使用のポンプスプレーがある。ヘアフォームにはエアロゾルフォーム及び噴射剤不使用のポンプフォームがある。ヘアスプレー及びヘアフォームは好ましくは水溶性または水分散性の成分を主として含むかまたはこのような成分だけを含む。本発明によるヘアスプレー及びヘアフォームに使用された化合物が水分散性の場合、これらは、通常は粒径1-350nm、好ましくは1-250nmの水性微分散液の形態で塗布できる。この場合、これらの調製品の固体含量は通常は約0.5-20重量%の範囲である。一般的にこれらの微分散液には安定化用の乳化剤または界面活性剤が不要である。
【0204】
好ましい実施態様では、本発明による頭髪化粧配合物が、
a)0.05-20重量%の少なくとも1種類のポリマーP)と、
b)20-99.95重量%の水及び/またはアルコールと、
c)0-79.5重量%の他成分と、
を含む。
【0205】
アルコールは、化粧品に常用のすべてのアルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノールを意味すると理解されたい。
【0206】
他成分は、化粧品に常用の添加剤、例えば、噴射剤、消泡剤、界面活性化合物即ち界面活性剤、乳化剤、泡形成剤及び可溶化剤を意味すると理解されたい。使用される界面活性化合物は、アニオン性、カチオン性、両性または中性でよい。常用の他成分はまた、例えば、保存剤、香料油、乳白剤、有効成分、UVフィルター、ケア物質、例えばパンテノール、コラーゲン、ビタミン、タンパク質加水分解物、アルファ-及びベータ-ヒドロキシカルボン酸、安定剤、pH調整剤、染料、粘度調整剤、ゲル形成剤、塩、保湿剤、脂肪補給剤、錯化剤、及び、その他の常用の添加剤である。
【0207】
これらはまた、非常に独特の特性を備えさせる必要があるときに本発明のポリマーに組合せて使用し得る化粧品に公知のすべてのスタイリングポリマー及びコンディショニングポリマーも包含する。
【0208】
慣用の適当な頭髪化粧ポリマーは例えば、上記のカチオン性、アニオン性、中性、非イオン性及び両性のポリマーである。これらに関する上記の記載は参照によって此処に含まれるものとする。
【0209】
ある種の特性を備えさせるために、シリコーン化合物を基剤とするコンディショニング物質を調製品に更に含有させてもよい。適当なシリコーン化合物は例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン、シリコーン樹脂またはジメチコーンコポリオール(CTFA)、及び、アミドメチコーン(CTFA)のようなアミノ官能性シリコーン化合物である。
【0210】
本発明のポリマーは、ヘアスタイリング調製品、特にヘアスプレー(エアロゾルスプレー及び噴射剤ガス不使用のポンプスプレー)、ヘアフォーム(エアロゾルフォーム及び噴射剤ガス不使用のポンプフォーム)中の硬化剤として適当である。
【0211】
好ましい実施態様ではこれらの調製品が、
a)0.1-10重量%の少なくとも1種類のポリマーP)と、
b)20-99.9重量%の水及び/またはアルコールと、
c)0-70重量%の少なくとも1種類の噴射剤と、
d)0-20重量%の他成分と、
を含む。
【0212】
噴射剤はヘアスプレーまたはエアロゾルフォームに常用の噴射剤である。プロパン/ブタン混合物、ペンタン、ジメチルエーテル、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、二酸化炭素、窒素または圧縮空気が好ましい。
【0213】
本発明による好ましいエアロゾルヘアフォーム配合物は、
a)0.1-10重量%の少なくとも1種類のポリマーP)と、
b)50-99.8重量%の水及び/またはアルコールと、
c)5-20重量%の噴射剤と、
d)0.1-5重量%の乳化剤と、
e)0-10重量%の他成分と、
を含む。
【0214】
使用し得る乳化剤はヘアフォームに常用のすべての乳化剤である。適当な乳化剤は非イオン性、カチオン性またはアニオン性または両性であろう。
【0215】
非イオン性乳化剤の例は(INCI命名法)、ラウレス類、例えば、ラウレス-4;セテス類、例えば、セテス-1、ポリエチレングリコールセチルエーテル;セテアレス類、例えば、セテアレス-25、ポリグリコール脂肪酸グリセリド、ヒドロキシル化レシチン、脂肪酸のラクチルエステル、アルキルポリグリコシドである。
【0216】
カチオン性乳化剤の例は、セチルジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウムリン酸二水素、セチルトリモニウムクロリド、セチルトリモニウムブロミド、ココトリモニウムメチルスルフェート、クオタニウム-1から-x(INCI)である。
【0217】
アニオン性乳化剤は例えば、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N-アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルファ-オレフィンスルホネート、特に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムのようなアルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、アンモニウム及びトリエタノールアミンの塩である。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボキシレートは、分子中に1-10個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドユニット、好ましくは1-3個のエチレンオキシドユニットを有することができる。
【0218】
本発明による適当なスタイリングジェル用調製品は例えば以下の組成、即ち、
a)0.1-10重量%の少なくとも1種類のポリマーP)と、
b)60-99.85重量%の水及び/またはアルコールと、
c)0.05-10重量%のゲル形成剤と、
d)0-20重量%の他成分と、
を含み得る。
【0219】
使用できるゲル形成剤は、化粧品に常用のすべてのゲル形成剤である。これらは、軽度に架橋したポリアクリル酸、例えば、カルボマー(INCI)、セルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性に改質されたセルロース、多糖類例えばキサンタンガム、カプリル/カプリントリグリセリド、ナトリウムアクリレートコポリマー、ポリクオタニウム-32(及び)Paraffinum Liquidum(INCI)、ナトリウムアクリレートコポリマー(及び) Paraffinum Liquidum(INCI)(及び)PPG-1 トリデセス-6、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマー、ステアレス-10アリルエーテルアクリレートコポリマー、ポリクオタニウム-37(及び) Paraffinum Liquidum(及び)PPG-1 トリデセス-6、ポリクオタニウム-37(及び)プロピレングリコールジカプレートジカプリレート(及び)PPG-1 トリデセス-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-44を包含する。
【0220】
本発明のポリマーP)及び分散液Pd)は化粧用調製品にコンディショニング剤として使用できる。
【0221】
本発明のポリマーP)及び分散液Pd)は、シャンプー配合物中に硬化剤/及びまたはコンディショニング剤として使用できる。好ましいシャンプー配合物は、
a)0.05-10重量%の少なくとも1種類のポリマーP)と、
b)25-94.95重量%の水と、
c)5-50重量%の界面活性剤と、
d)0-5重量%の別のコンディショニング剤と、
e)0-10重量%の別の化粧成分と、
を含む。
【0222】
シャンプーに常用のすべてのアニオン性、中性、両性またはカチオン性の界面活性剤をシャンプー配合物に使用できる。
【0223】
適当なアニオン性界面活性剤は例えば、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N-アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルファ-オレフィンスルホネート、特に、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムのようなアルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、並びに、アンモニウム及びトリエタノールアミンの塩である。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボキシレートは、分子中に1-10個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドユニット、好ましくは1-3個のエチレンオキドユニットを有し得る。
【0224】
例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネートが適当である。
【0225】
適当な両性界面活性剤は例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテートまたはアルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホジアセテートまたはアルキルアンホジプロピオネートである。
【0226】
例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインまたはコカンホプロピオン酸ナトリウムを使用できる。
【0227】
適当な非イオン性界面活性剤は例えば、脂肪族アルコールまたはアルキル鎖に6-20個の炭素原子を有している線状または分枝状のアルキルフェノールとエチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシドとの反応生成物である。アルキレンオキシドの量はアルコール1モルあたり約6-60モルである。アルキルアミンオキシド、モノ-またはジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシドまたはソルビタンエーテルエステルも適当である。
【0228】
シャンプー配合物はまた、常用のカチオン性界面活性剤、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリドのような第四級アンモニウム化合物を含むことができる。
【0229】
ある種の効果を得るためにシャンプー配合物中で常用のコンディショニング剤をポリマーP)と併用することができる。これらの例は、ポリクオタニウムというINCI名称をもつ上記のカチオン性ポリマー、特に、ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩コポリマー(Luviquat(登録商標)FC、Luviquat(登録商標)HM、Luviquat(登録商標)MS、Luviquat(登録商標)Care)、ジエチルスルフェートで第四級化したN-ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(Luviquat(登録商標)PQ11)、N-ビニルカプロラクタム/N-ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩コポリマー(Luviquat(登録商標)Hold);カチオン性セルロース誘導体(ポリクオタニウム-4及び-10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクオタニウム-7)である。また、タンパク質加水分解物、及び、シリコーン化合物を基剤とするコンディショニング物質、例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサンまたはシリコーン樹脂を使用することも可能である。別の適当なシリコーン化合物は、ジメチコーンコポリオール(CTFA)及びアミノ官能性シリコーン化合物例えばアモジメチコーン(CTFA)である。更に、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(INCI)のようなカチオン性グアー誘導体を使用できる。
【実施例】
【0230】
本発明を以下の非限定実施例に基づいてより詳細に説明する。
【0231】
実施例1
馬蹄型撹拌器(200 rpm)、窒素導入口及び独立フィードデバイスを備えた撹拌装置に入れた146.2 gの水に、312 gのマレイン酸-アクリル酸コポリマー(BASF AG のSokalan(登録商標)CP 5、7部のアクリル酸と3部のマレイン酸、Mn = 70 000)のナトリウム塩(40%濃度水溶液)、160 gのビニルピロリドン、88.9 gのN-ビニル-2-メチルイミダゾリウムメチルスルフェート(45% 濃度水溶液)及び0.3 gのトリアリルアミンを最初に導入し、7.5 gの硫酸(50%濃度水溶液)を添加することによって溶液のpHを6.8に調整した。反応混合物に窒素を連続的に通気し、反応混合物を65℃の重合温度に加熱した。3時間以内に、100 g の1.5重量%濃度の2,2´-アゾビス-2-(アミノプロパン)二塩酸塩溶液(WAKO(登録商標) 50)を導入した。導入期間が終ると、混合物を更に4時間重合させた。次いで重合温度を70℃に上げ、追加の100 gの1.5重量%濃度の2,2´-アゾビス-2-(アミノプロパン)二塩酸塩溶液(WAKO(登録商標) 50)を、1時間要して添加した。次に混合物を70℃で再び2時間重合させた。得られた分散液は有効成分含量20%及び固体含量32.5%であった。分散液のLT値は0.05未満及び粘度は8 000 mPasであった。
【0232】
実施例2
馬蹄型撹拌器(200 rpm)、窒素導入口及び独立フィードデバイスを備えた撹拌装置に入れた146.2 gの水に、312 gのマレイン酸-アクリル酸コポリマー(BASF AG のSokalan(登録商標)CP 5、7部のアクリル酸と3部のマレイン酸、Mn = 70 000)のナトリウム塩(40%濃度水溶液)、42 gのビニルピロリドン、31.10 gのN-ビニル-2-メチルイミダゾリウムメチルスルフェート(45% 濃度水溶液)及び0.7 gのトリアリルアミンを最初に導入し、7 g の硫酸(50%濃度水溶液)を添加することによって溶液のpHを6.8に調整した。反応混合物に窒素を連続的に通気し、反応混合物を65℃の重合温度に加熱した。2時間を要して168 gのビニルピロリドンと124.4 gのビニルイミダゾリウムジメチルスルフェートと116.8 gの水とを導入し、3時間を要して100 g の1.5重量%濃度の2,2´-アゾビス-2-(アミノプロパン)二塩酸塩溶液(WAKO(登録商標)V 50)を導入した。これらの導入後の重合時間は4時間であった。次いで重合温度を70℃に上げ、追加の100 gの1.5重量%濃度の2,2´-アゾビス-2-(アミノプロパン)二塩酸塩溶液(WAKO(登録商標)V 50)を1時間を要して添加した。次に混合物を70℃で再び2時間重合させた。分散液は有効成分含量20%及び固体含量32.5%であった。分散液のLT値は0.05未満及び粘度は8 500 mPasであった。
【0233】
実施例3
馬蹄型撹拌器(200 rpm)、窒素導入口及び独立フィードデバイスを備えた撹拌装置に入れた146.2 gの水に、312 gのマレイン酸-アクリル酸コポリマー(BASF AG のSokalan(登録商標)CP 7)のナトリウム塩(40%濃度水溶液)、33gのビニルピロリドン、24.90 gのN-ビニル-2-メチルイミダゾリウムメチルスルフェート(45% 濃度水溶液)及び0.7 gのトリアリルアミンを最初に導入し、7 g の硫酸(50%濃度水溶液)を添加することによって溶液のpHを6.8に調整した。反応混合物に窒素を連続的に通気し、反応混合物を65℃の重合温度に加熱した。2.5時間を要して134 gのビニルピロリドンと44.8 gのメチルアクリレートと99.1gのビニルイミダゾリウムジメチルスルフェートと130.9 gの水とを導入し、3時間を要して100 g の1.5重量%濃度の2,2´-アゾビス-2-(アミノプロパン)二塩酸塩溶液(WAKO(登録商標)V 50)を導入した。これらの導入後の重合時間は4時間であった。次いで重合温度を70℃に上げ、追加の100 gの1.5重量%濃度の2,2´-アゾビス-2-(アミノプロパン)二塩酸塩溶液(WAKO(登録商標)V 50)を1時間を要して添加した。次に混合物を80℃で更に2時間重合させた。分散液は有効成分含量20%及び固体含量32.5%であった。分散液のLT値は0.05未満及び粘度は12100 mPasであった。
【0234】
これによって、固体含量20%, 粘度8 000 mPas及びLT値(有効成分含量20%で測定)が1 % (0.01) 未満の分散液が得られた。
【0235】
実施例1と同様にして比較実施例1及び2のポリマー分散液を調製した。それらの組成を表1に示す。
【0236】
ブルックフィールド粘度はスピンドル4及び回転数12を使用して25℃で測定した。
【0237】
櫛梳きに要する力の減少を以下の手順で測定した。
【0238】
濡れた髪の櫛通り性のブランク値の測定:洗った髪を気候調整室で一夜乾燥した。測定前にTexapon NSOシャンプーを2回用いて合計1分間洗髪し、1分間すすいで髪を確実に湿潤、即ち膨潤させた。測定開始の前に髪の縺れがなくなるまで髪束を予め櫛で梳き、測定用の櫛梳き反復中に一定の力の作用が必要になるようにする。次に髪束をサポートに固定し、試験コームの細い歯にかみ合う細い歯の櫛を使用して髪を梳いた。各測定では髪を引っ張らないように均一に試験コームに挿入した。測定を開始し、ソフトウェア(EGRANUDO Program, Frank)を用いて評価した。個々の測定を5-10回繰返した。計算平均値を記録した。
【0239】
濡れた髪の櫛通り性の測定値の決定:ブランク値の測定後、本発明の分散液を含むシャンプーまたは表1の比較分散液を含むシャンプーで髪を処理した。ブランク値の測定と同様にして櫛梳きに要する力を測定する。
【0240】
評価:
濡れた髪の櫛梳きに要する力の減少[%] = 100 - (測定値*100/ブランク値)
以下の基準:1 優良、2 合格、3 不合格、に従って評価を確定した。
【表2】

【0241】
1) ビニルピロリドン
2) N-ビニル-2-メチルイミダゾリウムメチルスルフェート
3) トリアリルアミン
4) 7部のアクリル酸と3部のマレイン酸コポリマー, ナトリウム塩
(Sokalan(登録商標)CP 5)
5) VPとQVIとを基準とする値

本発明の分散液(実施例 1)はすぐれた頭髪化粧品特性を示す。所望の粘度で比較的高い固体含量で調製できる。架橋剤を使用しないで調製した対応する分散液(比較実施例 C2)は不十分な頭髪化粧品特性を示す。性能特性を達成するためには架橋剤の存在下の調製が絶対的に必要である。更に、高分子分散液不使用で調製されるポリマー(比較実施例 C1)の頭髪化粧品特性も本発明の分散液に比較して不十分である。従って、性能に関して優良であると考えられるポリマーを調製するためには適当な高分子分散剤の存在が必要である。
【0242】
化粧用調製品の実施例 (全部のデータは重量%)
全部の配合物に実施例1で得られた分散液を使用した。
【0243】

実施例1:液体メーキャップ

A
1.70 グリセリルステアレート
1.70 セチルアルコール
1.70 セテアレス-6
1.70 セテアレス-25
5.20 カプリル/カプリントリグリセリド
5.20 鉱油

B
q.s. 保存剤
4.30 プロピレングリコール
2.50 本発明の分散液
59.50 蒸留水

C
q.s. 香料油

D
2.00 酸化鉄
12.00 二酸化チタン

調製:
相Aと相Bとを互いに別々に80 ℃に加熱する。次に相Bを相Aに撹拌器で混合する。全体を40 ℃に放冷し、相C及び相Dを加える。繰り返し均質化する。
【0244】

実施例2:オイルフリーメーキャップ

A
0.35 Veegum
5.00 ブチレングリコール
0.15 キサンタンガム

B
53.00 蒸留水
q.s. 保存剤
0.20 ポリソルベート-20
1.60 テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン

C
1.00 二酸化ケイ素
2.00 ナイロン-12
4.15 マイカ
6.00 二酸化チタン
1.85 酸化鉄

D
4.00 ステアリン酸
1.50 グリセリルステアレート
7.00 ベンジルラウレート
5.00 イソエイコサン
q.s. 保存剤

E
1.00 蒸留水
0.50 パンテノール
0.10 イミダゾリジニルウレア
5.00 本発明の分散液

調製:
相Aをブチレングリコールで湿潤させ、相Bに加えて十分に混合する。相ABを75 ℃に加熱する。相Cのフィード物質を微粉砕し、相ABに加えて十分に均質化する。相Dのフィード物質を混合し、80 ℃に加熱し、相ABCに加える。全体が均質になるまで暫く混合する。全部をプロペラミキサーの付いた容器に移す。相Eのフィード物質を混合し、相ABCDに加えて十分に混合する。
【0245】

実施例3:アイライナー

A
40.60 蒸留水
0.20 EDTA二ナトリウム
q.s. 保存剤

B
0.60 キサンタンガム
0.40 Veegum
3.00 ブチレングリコール
0.20 ポリソルベート-20

C
15.00 酸化鉄/Al粉末/二酸化シリコーン(例えば、BASFのSicopearl Fantastico
GoldTM)

D
10.00 蒸留水
30.00 本発明の分散液

調製:
相Bをプレミックスする。プロペラミキサーを使用して相Bを相Aに混合し、増粘剤を膨潤させる。相Cを相Dで湿潤させる。全部を相ABに加えて十分に混合する。
【0246】

実施例4: 微光性ジェル

A
32.60 蒸留水
0.10 EDTA二ナトリウム
25.00 カルボマー (2%濃度の水溶液)
0.30 保存剤

B
0.50 蒸留水
0.50 トリエタノールアミン

C
10.00 蒸留水
9.00 本発明の分散液
1.00 ポリクオタニウム-46
5.00 酸化鉄

D
15.00 蒸留水
1.00 D-パンテノール 50 P (パンテノールとプロピレングリコール)

調製:
プロペラミキサーを使用して相Aのフィード物質を記載の順序で十分に混合する。次に相Bを相Aに加える。全体が均質になるまでゆっくりと撹拌する。相Cを顔料がよく分散するまで十分に均質化する。相Cと相Dとを相ABに加えて十分に混合する。
【0247】

実施例5:耐水性マスカラ

A
46.70 蒸留水
3.00 Lutrol E 400 (PEG-8)
0.50 キサンタンガム
q.s. 保存剤
0.10 イミダゾリジニルウレア
1.30 テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン

B
8.00 カルナバ蝋
4.00 蜜蝋
4.00 イソエイコサン
4.00 ポリイソブテン
5.00 ステアリン酸
1.00 グリセリルステアレート
q.s. 保存剤
2.00 ベンジルラウレート

C
10.00 酸化鉄/Al粉末/二酸化シリコーン(例えば、BASFのSicopearl Fantastico
GoldTM)

E
8.00 ポリウレタン-1
2.00 本発明の分散液

調製:
相Aと相Bとを互いに別々に85℃に加熱する。この温度を維持しながら相Cを相Aに加えて顔料が均一に分散するまで均質化する。相Bを相ACに添加し、2-3分間均質化する。次いで相Eを加えてゆっくりと撹拌する。全体を室温に放冷する。
【0248】

実施例6:サンスクリーンジェル

相 A
1.00 PEG-40 水添ヒマシ油
8.00 オクチルメトキシシンナメート (BASFのUvinul MC 80TM)
5.00 オクトクリレン(BASFのUvinul N 539TM)
0.80 オクチルトリアゾン(BASFのUvinul T 150TM)
2.00 ブチルメトキシジベンゾイルメタン(BASFのUvinul BMBMTM)
2.00 酢酸トコフェリル
q.s. 香料油

相 B
2.50 本発明の分散液
0.30 アクリレート/C10-30アルキルアクリレートコポリマー
0.20 カルボマー
5.00 グリセロール
0.20 EDTA二ナトリウム
q.s. 保存剤
72.80 蒸留水


相 C
水酸化ナトリウム

調製:
相Aの成分を混合する。相Bを膨潤させ、撹拌しながら相Aに加えて均質化する。相Cで中和し再び均質化する。
【0249】

実施例7:TiO2及びZnO2を含むサンスクリーンエマルジョン

相 A
6.00 PEG-7水添ヒマシ油
2.00 PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー
3.00 イソプロピルミリステート
8.00 ホホバ油(Buxus chinensis)
4.00 オクチルメトキシシンナメート (Uvinul MC 80)
2.00 4-メトキシベンジリデンカンファー(Uvinul MBC 95)
3.00 二酸化チタン、 ジメチコーン
1.00 ジメチコーン
5.00 酸化亜鉛、 ジメチコーン

相 B
2.00 本発明の分散液
0.20 EDTA二ナトリウム
5.00 グリセロール
q.s. 保存剤
58.80 蒸留水

相 C
q.s. 香料油

調製:
相Aと相Bとを別々に約85 ℃に加熱する。撹拌しながら相Bを相Aに加えて均質化する。約40 ℃に冷却し、相Cを加えて再度しばらく均質化する。
【0250】

実施例8:サンスクリーンローション

相 A
6.00 オクチルメトキシシンナメート (BASFのUvinul MC 80TM)
2.50 4-メチルベンジリデンカンファー (BASFのUvinul MBC 95TM)
1.00 オクチルトリアゾン (BASFのUvinul T 150TM)
2.00 ブチルメトキシジベンゾイルメタン (BASFのUvinul BMBMTM)
2.00 PVP/ヘキサデセンコポリマー
5.00 PPG-3ミリスチルエーテル
0.50 ジメチコーン
0.10 BHT、アスコルビルパルミテート、クエン酸、グリセリルステアレート、
プロピレングリコール
2.00 セチルアルコール
2.00 セチルリン酸カリウム

相 B
2.50 本発明の分散液
5.00 プロピレングリコール
0.20 EDTA二ナトリウム
q.s. 保存剤
63.92 蒸留水

相 C
5.00 鉱油
0.20 カルボマー

相 D
水酸化ナトリウム

相 E
q.s. 香料油

調製:
相Aと相Bとを別々に約80 ℃に加熱する。撹拌しながら相Bを相Aに加えて均質化し、しばらく後均質化する。相Cをペーストにし、撹拌しながら相ABに添加し、相Dで中和し、後均質化する。約40℃に冷却し、相Eを加えて再び均質化する。
【0251】

実施例9:ピーラブルフェースマスク

相 A
57.10 蒸留水
6.00 ポリビニルアルコール
5.00 プロピレングリコール

相 B
20.00 アルコール
4.00 PEG-32
q.s 香料油

相 C
5.00 ポリクオタニウム-44
2.70 本発明の分散液
0.20 アラントイン

調製:
相Aを90℃以上に加熱し、溶解するまで撹拌する。相Bを50℃で溶解し、撹拌しながら相Aに加える。エタノールの減量を約35℃で回復させる。撹拌しながら相Cを加える。
【0252】

実施例10:フェースマスク

相 A
3.00 セテアレス-6
1.50 セテアレス-25
5.00 セテアリールアルコール
6.00 セテアリールオクタノエート
6.00 鉱油
0.20 ビザボロール
3.00 グリセリルステアレート

相 B
2.00 プロピレングリコール
5.00 パンテノール
2.80 本発明の分散液
q.s. 保存剤
65.00 蒸留水

相 C
q.s. 香料油
0.50 酢酸トコフェリル

調製:
相Aと相Bとを別々に約80℃に加熱する。撹拌しながら相Bを相Aに加えて均質化し、しばらく後均質化する。約40℃に冷却し、相Cを加えて再び均質化する。
【0253】

実施例11:ボディローションフォーム

相 A
1.50 セテアレス-25
1.50 セテアレス-6
4.00 セテアリールアルコール
10.00 セテアリールオクタノエート
1.00 ジメチコーン

相 B
3.00 本発明の分散液
2.00 パンテノール
2.50 プロピレン グリコール
q.s. 保存剤
74.50 蒸留水

相 C
q.s. 香料油

調製:
相Aと相Bとを別々に約80℃に加熱する。撹拌しながら相Bを相Aに加えて均質化する。約40℃に冷却し、相Cを加えて再度しばらく均質化する。瓶詰め:90%有効成分と10%プロパン/ブタン 3.5バール(20℃)。
【0254】

実施例12:乾燥敏感肌用フェーストニック

相 A
2.50 PEG-40水添ヒマシ油
q.s. 香料油
0.40 ビザボロール

相 B
3.00 グリセロール
1.00 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
5.00 アメリカマンサク蒸留液(Hamamelis virginiana)
0.50 パンテノール
0.50 本発明の分散液
q.s. 保存剤
87.60 蒸留水

調製:
相Aを透明になるまで溶解する。撹拌しながら相Bを相Aに加える。
【0255】

実施例13:ピーリング効果のある洗顔ペースト

相 A
70.00 蒸留水
3.00 本発明の分散液
1.50 カルボマー
q.s. 保存剤

相 B
q.s. 香料油
7.00 水素化カリウムココイルタンパク質
4.00 コカミドプロピルベタイン

相 C
1.50 トリエタノールアミン

相 D
13.00 ポリエチレン(BASFのLuwax ATM)

調製:
相Aを膨潤させる。相Bを透明になるまで溶解する。撹拌しながら相Bを相Aに加える。相Cで中和する。次いで撹拌しながら相Dに加える。
【0256】

洗顔ソープ

相 A
カリウムココエート
ココアンホ二酢酸二ナトリウム
2.00 Lauramide DEA
グリコールステアレート
2.00 本発明の分散液
50.00 蒸留水
q.s. クエン酸

相 B
q.s. 保存剤
q.s. 香料油

調製:
相Aを70℃に加熱し、全体が均質になるまで撹拌し、クエン酸でpH を7.0-7.5に調整し、 全体を50℃に放冷し、相Bを加える。
【0257】

実施例14:O/W型洗顔乳液

相 A
1.50 セテアレス-6
1.50 セテアレス-25
2.00 グリセリルステアレート
2.00 セチルアルコール
10.00 鉱油

相 B
5.00 プロピレン グリコール
q.s. 保存剤
1.00 本発明の分散液
66.30 蒸留水

相 C
0.20 カルボマー
10.00 セテアリールオクタノエート

相 D
0.40 テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン

相 E
q.s. 香料油
0.10 ビザボロール

調製:
相Aと相Bとを別々に約80℃に加熱する。撹拌しながら相Bを相Aに加えて均質化し、しばらく後均質化する。相Cをペーストにし、撹拌しながら相ABに加えて、相Dで中和し、後均質化する。約40℃に冷却し、相Eを加えて再び均質化する。
【0258】

実施例15:透明ソープ

4.20 水酸化ナトリウム
3.60 蒸留水
2.00 本発明の分散液
22.60 プロピレングリコール
18.70 グリセロール
5.20 コカミドDEA
10.40 コカミンオキシド
4.20 ラウリル硫酸ナトリウム
7.30 モリスチン酸
16.60 ステアリン酸
5.20 トコフェロール

調製:
全部の成分を混合する。混合物を85℃で透明になるまで溶融する。直ちにモールドに流し込む。
【0259】

実施例16:ピーリングクリーム,O/W型

相 A
3.00 セテアレス-6
1.50 セテアレス-25
3.00 グリセリルステアレート
5.00 セテアリールアルコール、セテアリール硫酸ナトリウム
6.00 セテアリールオクタノエート
6.00 鉱油
0.20 ビザボロール

相 B
2.00 プロピレン グリコール
0.10 EDTA二ナトリウム
3.00 本発明の分散液
q.s. 保存剤
59.70 蒸留水

相 C
0.50 酢酸トコフェリル
q.s. 香料油

相 D
ポリエチレン

調製:
相Aと相Bとを別々に約80℃に加熱する。撹拌しながら相Bを相Aに加えて均質化する。約40℃に冷却し、相Cを加えて再度しばらく均質化する。次いで撹拌しながら相Dを加える。
【0260】

実施例17:シェービングフォーム

6.00 セテアレス-25
5.00 ポロキサマー407
52.00 蒸留水
1.00 トリエタノールアミン
5.00 プロピレングリコール
1.00 PEG-75ラノリン油
5.00 本発明の分散液
q.s. 保存剤
q.s. 香料油
25.00 ラウレス硫酸ナトリウム

調製:
全成分を合せて計量し、次いで溶解するまで撹拌する。瓶詰め:90部の有効物質と10部のプロパン/ブタン25:75混合物。
【0261】

実施例18:アフターシェーブバルサム

相 A
0.25 アクリレート/C10-30アルキルアクリレートコポリマー
1.50 酢酸トコフェリル
0.20 ビザボロール
10.00 カプリル/カプリントリグリセリド
q.s. 香料油
1.00 PEG-40水添ヒマシ油

相 B
1.00 パンテノール
15.00 アルコール
5.00 グリセロール
0.05 ヒドロキシエチルセルロース
1.92 本発明の分散液
64.00 蒸留水

相 C
水酸化ナトリウム
調製:
相Aの成分を混合する。撹拌しながら相Bを相Aに加えて均質化し、しばらく後均質化する。相Cで中和し再び均質化する。
【0262】

実施例19:ボディケアクリーム

相 A
2.00 セテアレス-6
2.00 セテアレス-25
2.00 セテアリールアルコール
3.00 グリセリルステアレートSE
5.00 鉱油
4.00 ホホバ油 (Buxus chinensis)
3.00 セテアリールオクタノエート
1.00 ジメチコーン
3.00 鉱油、ラノリンアルコール

相 B
5.00 プロピレングリコール
0.50 Veegum
1.00 パンテノール
1.70 本発明の分散液
6.00 ポリクオタニウム-44
q.s. 保存剤
60.80 蒸留水

相 C
q.s. 香料油

調製:
相Aと相Bとを別々に約80℃に加熱する。相Bを均質化する。撹拌しながら相Bを相Aに加えて均質化し、しばらく後均質化する。約40℃に冷却し、相Cを加えて再度しばらく均質化する。
【0263】

実施例20:練り歯磨き

相 A
34.79 蒸留水
3.00 本発明の分散液
0.30 保存剤
20.00 グリセロール
0.76 モノフルオロリン酸ナトリウム

相 B
1.20 カルボキシメチルセルロースナトリウム

相 C
0.80 芳香油
0.06 サッカリン
0.10 保存剤
0.05 ビザボロール
1.00 パンテノール
0.50 酢酸トコフェリル
2.80 二酸化ケイ素
1.00 ラウリル硫酸ナトリウム
7.90 無水リン酸二カルシウム
25.29 リン酸二カルシウム二水和物
0.45 二酸化チタン

調製:
相Aを溶解する。相Bを相Aに噴霧して溶解させる。相Cを加えて減圧下、室温で撹拌を約45分間継続する。
【0264】

実施例21:洗口剤

相 A
2.00 芳香油
4.00 PEG-40水添ヒマシ油
1.00 ビザボロール
30.00 アルコール

相 B
0.20 サッカリン
5.00 グリセロール
q.s. 保存剤
5.00 ポロキサマー407
0.5 本発明の分散液
52.30 蒸留水

調製:
相Aと相B とを別々に透明になるまで溶解する。撹拌しながら相Bを相Aに加える。
【0265】

実施例22:義歯接着剤

相 A
0.20 ビザボロール
1.00 ベータ-カロテン
q.s. 芳香油
20.00 セテアリールオクタノエート
5.00 二酸化ケイ素
33.80 鉱油

相 B
5.00 本発明の分散液
35.00 PVP (20%濃度水溶液)

調製:
相Aを十分に混合する。撹拌しながら相Bを相Aに加える。
【0266】

実施例23:スキンケアクリーム、O/W型

相 A
8.00 セテアリールアルコール
2.00 セテアレス-6
2.00 セテアレス-25
10.00 鉱油
5.00 セテアリールオクタノエート
5.00 ジメチコーン

相 B
3.00 本発明の分散液
2.00 パンテノール、プロピレングリコール
q.s. 保存剤
63.00 蒸留水

相 C
q.s. 香料油

調製:
相Aと相Bとを別々に約80℃に加熱する。撹拌しながら相Bを相Aに加えて均質化し、しばらく後均質化する。約40℃に冷却し、相Cを加えて再び均質化する。
【0267】

実施例24:スキンケアクリーム、W/O型

相 A
6.00 PEG-7 水添ヒマシ油
8.00 セテアリールオクタノエート
5.00 イソプロピルミリステート
15.00 鉱油
2.00 PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー
0.50 ステアリン酸マグネシウム
0.50 ステアリン酸アルミニウム

相 B
3.00 グリセロール
3.30 本発明の分散液
0.70 硫酸マグネシウム
2.00 パンテノール
q.s. 保存剤
48.00 蒸留水

相 C
1.00 トコフェロール
5.00 酢酸トコフェリル
q.s. 香料油

調製:
相Aと相Bとを別々に約80℃に加熱する。撹拌しながら相Bを相Aに加えて均質化する。約40℃に冷却する。相Cを加えて再度しばらく均質化する。
【0268】

実施例25:リップケアクリーケム

相 A
10.00 セテアリール オクタノエート
5.00 ポリブテン

相 B
0.10 カルボマー

相 C
2.00 セテアレス-6
2.00 セテアレス-25
2.00 グリセリルステアレート
2.00 セチルアルコール
1.00 ジメチコーン
1.00 ベンゾフェノン-3
0.20 ビザボロール
6.00 鉱油

相 D
8.00 本発明の分散液
3.00 パンテノール
3.00 プロピレングリコール
q.s. 保存剤
54.00 蒸留水

相 E
0.10 トリエタノールアミン

相 F
0.50 酢酸トコフェリル
0.10 トコフェロール
q.s. 香料油

調製:
相Aを透明になるまで溶解する。相Bを加えて均質化する。相Cを加えて80℃で溶融する。相Dを80℃に加熱する。相Dを相ABCに加えて均質化する。約40℃に冷却し、相E及び相Fを加えて再び均質化する。
【0269】

実施例26:光沢リップスティック

相 A
5.30 カンデリラ蝋 (Euphorbia cerifera)
1.10 蜜蝋
1.10 マイクロクリスタリンワックス
2.00 セチルパルミテート
3.30 鉱油
2.40 ヒマシ油、グリセリルリシノレエート、オクチルドデカノール、カルナバ蝋、カン
デリラ蝋
0.40 ビザボロール
16.00 セテアリールオクタノエート
2.00 水素化ココグリセリド
q.s. 保存剤
1.00 本発明の分散液
60.10 ヒマシ油 (Ricinus communis)
0.50 酢酸トコフェリル

相 B
C. I. 14 720:1, アシッドレッド14 アルミニウムレーキ

相 C
4.00 マイカ、二酸化チタン

調製:
相Aの成分を計量して溶融する。相Bを加えて均質化する。相Cを加えて攪拌する。撹拌しながら室温に冷却する。
【0270】

実施例26:シャワージェル

50.00 ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ラウレス-8硫酸ナト
リウム、ラウレス-8硫酸マグネシウム
1.00 ココアミドDEA
4.00 本発明の分散液
2.00 ラウレス硫酸ナトリウム、グリコールジステアレート、コカミド MEA、
ラウレス-10
q.s. 保存剤
q.s. 香料油
2.00 塩化ナトリウム
41.00 脱イオン水

調製:
全部を合せて計量し、溶解するまで撹拌する。
【0271】

実施例27:シャワージェル

30.00 ラウレス硫酸ナトリウム
6.00 ココアンホ二酢酸ナトリウム
6.00 コカミドプロピルベタイン
3.00 ラウレス硫酸ナトリウム、グリコールジステアレート、コカミドMEA、
ラウレス-10
7.70 ポリクオタニウム-44
1.50 本発明の分散液
1.00 パンテノール
q.s. 保存剤
q.s. 香料油
q.s. クエン酸
0.50 塩化ナトリウム
44.30 脱イオン水

調製:
相Aの成分を計量し、溶解する。pHを6-7に調整する。
【0272】

実施例28:透明シャワージェル

40.00 ラウレス硫酸ナトリウム
5.00 デシルグルコシド
5.00 コカミドプロピルベタイン
0.50 ポリクオタニウム-10
2.20 本発明の分散液
1.00 パンテノール
q.s. 香料油
q.s. 保存剤
q.s. クエン酸
2.00 塩化ナトリウム
44.30 脱イオン水

調製:
相Aの成分を計量し、透明になるまで溶解する。
【0273】

実施例29:シャワー浴剤

A
40.00 ラウレス硫酸ナトリウム
5.00 C12-15 パレス-15スルホン酸ナトリウム
5.00 デシルグルコシド
q.s. 香料油
0.10 フィタントリオール

B
43.60 脱イオン水
0.1 グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリト
2.20 本発明の分散液
1.00 パンテノール
q.s. 保存剤
1.00 ラウレス-3
q.s. クエン酸
2.00 塩化ナトリウム

調製:
相Aの成分を混合する。相Bの成分を順次に加えて混合する。pHを6-7に調整する。
【0274】

実施例30:液体ソープ

A
44.06 脱イオン水
0.34 アミノメチルプロパノール
3.40 アクリレート コポリマー

B
40.00 ラウレス硫酸ナトリウム
10.00 コカミドプロピルベタイン
0.20 本発明の分散液
q.s. 香料油
q.s. 保存剤
2.00 塩化ナトリウム

調製:
相Aの成分を計量し、透明になるまで溶解する。相Bの成分を順次に加えて混合する。
【0275】

実施例31:液体足浴剤

A
1.00 ノノキシノール-14
0.10 ビザボロール
1.00 松根油(Pinus sylvestris)

B
5.00 PEG-8
1.20 本発明の分散液
0.50 トリクロサン
30.00 ラウレス硫酸ナトリウム
3.00 ポリクオタニウム-16
58.20 脱イオン水
q.s. C. I. 19 140 + C. I. 42 051

調製:
相Aを可溶化する。相Bを混合する。
【0276】

実施例32:清涼ジェル

A
0.60 カルボマー
45.40 脱イオン水

B
0.50 ビザボロール
0.50 ファルネソール
q.s. 香料油
5.00 PEG-40水添ヒマシ油
0.50 本発明の分散液
1.00 テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン
1.50 メントール
45.00 アルコール
q.s. C. I. 74 180, ダイレクトブルー86

調製:
相Aを膨潤させる。相Bを溶解する。撹拌しながら相Bを相Aに加える。
【0277】

実施例33:ロールオン制汗剤

A
0.40 ヒドロキシエチルセルロース
50.00 脱イオン水

B
25.00 アルコール
0.10 ビザボロール
0.30 ファルネソール
2.00 PEG-40水添ヒマシ油
q.s. 香料油

C
5.00 アルミニウムクロロヒドレート
3.00 プロピレングリコール
3.00 ジメチコーンコポリオール
3.00 ポリクオタニウム-16
1.20 本発明の分散液
7.00 脱イオン水

調製:
相Aを膨潤させる。相B及び相Cを別々に溶解する。撹拌しながら相A及び相Bを相Cに加える。
【0278】

実施例34:透明消臭スティック

5.00 ステアリン酸ナトリウム
0.50 トリクロサン
3.00 セテアレス-25
20.00 グリセロール
0.50 本発明の分散液
q.s. 香料油
60.00 プロピレン グリコール
0.20 ビザボロール
10.80 脱イオン水

調製:
相Aを合せて計量し、溶融し、均質化する。次いでモールドに流し込む。
【0279】

実施例35:水溶性浴用オイル

15.00 セテアリールオクタノエート
15.00 カプリル/カプリントリグリセリド
1.00 パンテノール、プロピレングリコール
0.10 ビザボロール
2.00 酢酸トコフェリル
2.00 レチニルパルミテート
0.10 トコフェロール
37.00 PEG-7グリセリルココエート
0.40 本発明の分散液
3.80 脱イオン水
q.s. 香料油
23.60 PEG-40水添ヒマシ油

調製:
全部を混合し、溶解し、透明溶液が形成されるまで撹拌する。
【0280】

実施例36:デイケアエアロゾル

A
4.00 エチルヘキシルメトキシシンナメート
1.50 オクトクリレン
9.00 カプリル/カプリントリグリセリド
5.00 Simmondsia chinensis (ホホバ)種油
1.50 シクロメチコーン
3.00 水素化ココグリセリド
1.00 PVP/ヘキサデセンコポリマー
1.00 セテアレス-6、ステアリルアルコール

B
5.00 酸化亜鉛

C
2.00 セテアレス-25
1.20 パンテノール
0.20 アスコルビルリン酸ナトリウム
0.30 イミダゾリジニルウレア
0.10 EDTA二ナトリウム
1.50 本発明の分散液
62.67 脱イオン水

D
0.50 酢酸トコフェリル
0.20 ビザボロール
0.33 カプリル/カプリントリグリセリド、レチノール
q.s. 香料油

調製:
相Aを80℃に加熱する。相Aを透明になるまで溶解する。相Bを加えて均質化する。相Cを添加し、80℃に加熱し、溶融して均質化する。撹拌しながら約40℃に冷却し、相Dに加えてしばらく均質化する。90%有効成分溶液:10%プロパン/ブタン 3.5 バール (20℃)を瓶詰めする。
【0281】

実施例37:湿潤クリーム

A
3.00 Vitis vinifera(ブドウ)種油
1.00 シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン
1.50 シクロメチコーン
2.00 大豆油(大豆グリシン)
2.00 エチルヘキシルメトキシシンナメート
1.00 Uvinul A Plus (BASF)
1.00 水素化レシチン
1.00 コレステロール
2.00 PEG-40水添ヒマシ油
5.00 セテアリールオクタノエート
5.00 カプリル/カプリントリグリセリド

B
3.00 カプリル/カプリントリグリセリド、アクリレートコポリマー

C
3.00 本発明の分散液
0.50 ココトリモニウムメトスルフェート
2.00 パンテノール、プロピレングリコール
3.00 グリセロール
0.10 EDTA二ナトリウム
60.30 脱イオン水

D
0.30 香料
0.30 DMDMヒダントイン
1.00 酢酸トコフェリル
2.00 トコフェロール

調製:
相Aを80℃に加熱する。撹拌しながら相Bを相Aに加える。相Cを約80℃に加熱し、撹拌しながら相A+Bに加えて均質化する。撹拌しながら約40℃に冷却し、相Dを加えてしばらく均質化する。
【0282】

実施例38:エアロゾルヘアフォーム

A
2.00 ココトリモニウムメトスルフェート
0.20 香料油

B
63.90 脱イオン水
6.70 本発明の分散液
0.50 アクリレートコポリマー
0.10 アミノメチルプロパノール
0.20 セテアレス-25
0.20 トリメチルシリルアモジメチコーン、トリデセス-10、セトリモニウム
クロリド
0.10 PEG-25 PABA
0.20 ヒドロキシエチルセルロース
0.20 PEG-8
0.20 パンテノール
15.00 アルコール

C
10.00 プロパン/ブタン 3.5バール(20℃)

調製:
相Aと相Bとを混合し噴射ガスと共に瓶詰めする。
【0283】

実施例39:ポンプムース

A
2.00 ココトリモニウムメトスルフェート
q.s. 香料油
C
86.30 脱イオン水
7.00 ポリクオタニウム-46
3.00 本発明の分散液
0.50 PEG-8
1.00 パンテノール
q.s. 保存剤
0.20 PEG-25 PABA

調製:
相Aの成分を混合する。相Bの成分を順次に加えて透明になるまで溶解する。
【0284】

実施例40:エアロゾルフォーム

15.00 本発明の分散液
5.00 PVP/VAコポリマー
0.50 ヒドロキシエチルセチルジモニウムホスフェート
0.20 セテアレス-25
0.40 香料油 PC 910.781/Cremophor
68.90 脱イオン水
q.s. 保存剤
10.00 プロパン/ブタン 3.5バール(20℃)

調製:
全部を合せて計量し、溶解するまで撹拌し、次いで瓶詰めする。
【0285】

実施例41: カラースタイリングムース

A
2.00 ココトリモニウムメトスルフェート
q.s. 香料油

B
6.70 本発明の分散液
0.50 アクリレートコポリマー
0.10 アミノメチルプロパノール
0.20 セテアレス-25
0.20 パンテノール
0.20 ヒドロキシエチルセルロース
10.00 アルコール
69.97 脱イオン水
0.08 C.I. 12245, ベーシックレッド76
0.05 C.I. 42510, ベーシックバイオレット14

C
10.00 プロパン/ブタン 3.5バール(20℃)

調製:
全部を合せて計量し、溶解するまで撹拌し、次いで瓶詰めする。濃い金髪及び褐色の髪にのみ適している。
【0286】

実施例42:エアロゾルヘアフォーム

A
0.20 香料油
2.00 ココトリモニウムメトスルフェート

B
69.90 脱イオン水
14.70 ポリウレタン-1
2.00 本発明の分散液
0.50 PEG-25 PABA
0.20 アモジメチコーン、タロウトリモニウムクロリド、ノノキシノール-10
q.s. 保存剤
0.50 セテアレス-25

C
10.00 プロパン/ブタン 3.5バール(20℃)

調製:
相Aを混合する。相Bの成分を順次に加えて溶解する。相Cと共に瓶詰めする。
【0287】

実施例43:ポンプヘアフォーム

A
1.50 ココトリモニウムメトスルフェート
q.s. 香料油

B
2.00 本発明の分散液
94.04 脱イオン水

C
0.46 アミノメチルプロパノール
4.00 PEG/PPG-25/25ジメチコーン/アクリレートコポリマー
q.s. 保存剤

調製:
相Aを混合する。撹拌しながら相Bを相Aに加える。相Cを加えて溶解するまで撹拌する。
【0288】

実施例44:ヘアスタイリングジェル

A
0.50 カルボマー
87.60 脱イオン水

B
0.70 トリエタノールアミン

C
6.00 本発明の分散液
5.00 PVP (Luviskol K30またはLuviskol K90)
q.s. 香料油
q.s. PEG-40水添ヒマシ油
q.s. 保存剤
0.10 酢酸トコフェリル

調製:
相Aを膨潤させ、相Bで中和する。相Cを溶解し、撹拌しながら相A+Bに加える。
【0289】

実施例45: ヘアスタイリングジェル

A
0.50 カルボマー
87.60 脱イオン水

B
0.90 テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン

C
2.00 本発明の分散液
9.00 VP/VA コポリマー (Luviskol VA64W; BASF)
q.s. 香料油
q.s. PEG-40水添ヒマシ油
q.s. 保存剤
0.10 プロピレン グリコール

調製:
相Aを膨潤させ、相Bで中和する。相Cを溶解し、撹拌しながら相A+Bに加える。
【0290】


実施例46: ヘアスタイリングジェル

2.00 本発明の分散液
6.00 改質コーンスターチ(Amaze, National Starch)
0.50 キトサン
q.s. 香料油
q.s. 水添ヒマシ油PEG-40
0.10 PEG-14ジメチコーン
0.10 保存剤
91.40 脱イオン水

調製:
全成分を均質になるまで混合する。
【0291】

実施例47: ヘアスタイリングジェル

8.00 本発明の分散液
5.00 VP/DMAPAアクリレートコポリマー(ISP:Styleze CC-10)
0.05 アミノメチルプロパノール
84.85 脱イオン水
q.s. 香料油
q.s. PEG-40水添ヒマシ油
0.10 ジメチコーンコポリオール
0.10 保存剤
2.00 ヒドロキシプロピルセルロース

調製:
全成分を均質になるまで混合する。
【0292】

実施例48: ヘアスタイリングジェル

6.00 本発明の分散液
1.00 VP/アクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー(ISP: Styleze
2000)
0.26 アミノメチルプロパノール
90.64 脱イオン水
q.s. 香料油
q.s. 水添ヒマシ油PEG-40
0.10 ソルビトール
0.10 保存剤
2.00 ヒドロキシプロピルグアー(Rhodia Inc., N-Hanceヒドロキシプロピル
グアー)

調製:
全成分を均質になるまで混合する。
【0293】

実施例49: ヘアジェル

A
0.50 カルボマー
90.01 脱イオン水

B
0.70 トリエタノールアミン

C
6.00 本発明の分散液
2.00 アクリレート/C1-2 スクシネート/ヒドロキシアクリレートコポリマー
(Rohm & Haas,Allianz LT-120)
0.19 アミノメチルプロパノール
q.s. 香料油
q.s. PEG-40水添ヒマシ油
0.10 PEG-8
0.10 保存剤
0.50 ヒドロキシエチルセルロース

調製:
相Aを膨潤させ、相Bで中和する。相Cを溶解し、撹拌しながら相A+Bに加える。
【0294】

実施例50: ヘアジェル

7.00 本発明の分散液
7.00 メタクリル酸/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸ナトリウムコポリマー
(Ondeo Nalco, Fixomer A30)
0.70 トリエタノールアミン
q.s. 香料油
q.s. 水添ヒマシ油PEG-40
0.10 パンテノール
0.10 保存剤
84.90 脱イオン水
1.00 ポリアクリルアミド/C13-14-イソパラフィン/ラウレス-7 (Seppic, Sepigel
305)

調製:
全成分を均質になるまで混合する。
【0295】

実施例51: ヘアジェル

A
0.50 カルボマー
90.50 脱イオン水

B
0.70 トリエタノールアミン

C
7.00 本発明の分散液
1.00 ポリビニルホルムアミド
q.s. 香料油
q.s. PEG-40水添ヒマシ油
0.10 保存剤
0.10 エチルヘキシルメトキシシンナメート
0.10 PEG-14ジメチコーン

調製:
相Aを膨潤させ、相Bで中和する。相Cを溶解し、撹拌しながら相A+Bに加える。
【0296】

実施例52:水性ワックス

10.00 本発明の分散液
q.s. 香料油
q.s. PEG-40水添ヒマシ油
0.10 ジエチルフタレート
0.10 セテアリールエチルヘキサノエート
0.10 PEG-7グリセリルココエート
0.10 保存剤
87.70 脱イオン水
2.00 カプリル/カプリントリグリセリド、アクリレートコポリマー

調製:
全成分を混合し均質化する。15分間後撹拌する。
【0297】

実施例53:リンスオフコンディショナー及び回復トリートメント

A
0.20 セテアリールオクタノエート
0.10 フィタントリオール
2.00 水添ヒマシ油PEG-40

B
q.s. 香料油
2.00 ココトリモニウムメトスルフェート

C
77.70 脱イオン水

D
2.00 ポリクオタニウム-16
5.00 本発明の分散液
1.00 ジメチコーンコポリオール
q.s. 保存剤
10.00 アルコール
q.s. クエン酸

調製:
相Aと相Bとを別々に混合する。撹拌しながら相Cを相Bに加える。
【0298】

実施例54: ヘアトリートメント

A
2.00 セテアレス-6、ステアリルアルコール
1.00 セテアレス-25
6.00 セテアリールアルコール
6.00 セテアリールオクタノエート
0.30 フィタントリオール

B
5.00 本発明の分散液
0.70 グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
5.00 プロピレングリコール
2.00 パンテノール
0.30 イミダゾリジニルウレア
69.00 脱イオン水

C
2.00 Cosi silk soluble
0.20 香料
0.50 フェノキシエタノール

調製:
相A及び相Bを別々に約80℃に加熱する。相Bを均質化する。
【0299】

実施例55:ヘアカクテル

A
0.40 アクリレート/C10-30アルキルアクリレートコポリマー
2.00 ジメチコーン
3.00 シクロメチコーン、ジメチコノール
2.00 フェニルトリメチコーン
2.00 アモジメチコーン、セトリモニウムクロリド、トリデセス-10
0.50 ジメチコーンコポリオール
1.00 マカダミアナッツ油(ternifolia)
0.50 酢酸トコフェリル
1.00 PEG-40水添ヒマシ油
q.s. 香料油

B
82.84 脱イオン水
0.30 本発明の分散液
0.46 アミノメチルプロパノール
4.00 PEG/PPG-25/25ジメチコーン/アクリレートコポリマー

調製:
相Aの成分を混合する。相Bを溶解する。撹拌しながら相Bを相Aに加えて均質化する。
【0300】

実施例56:パーマネントウェーブ

ウェービングローション

A
73.95 脱イオン水
0.20 コカミドプロピルベタイン
0.20 ポリソルベート 20
1.25 本発明のポリマー
0.20 EDTA二ナトリウム
0.20 ヒドロキシエチルセルロース

B
8.00 チオグリコール酸

C
11.00 水酸化アンモニウム

D
5.00 炭酸アンモニウム

調製:
相Aの成分を計量し、透明になるまで溶解する。撹拌しながら相Bを相Aに加える。
【0301】

中和液:

A
1.00 PEG-40水添ヒマシ油
0.20 香料油
93.60 脱イオン水

B
0.20 コカミドプロピルベタイン
0.20 セテアレス-25
2.50 本発明の分散液
q.s. 保存剤

C
2.30 過酸化水素

D
q.s. リン酸

調製:
相Aを可溶化する。相Bの成分を順次に加えて透明になるまで溶解する。
【0302】

実施例57:暗褐色パーマネントヘアカラー(酸化染毛剤)

A
50.90 脱イオン水
0.20 亜硫酸ナトリウム
0.05 EDTA二ナトリウム
0.20 p-フェニレンジアミン
0.30 レゾルシノール
0.20 4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン
0.10 m-アミノフェノール
1.50 オレイルアルコール
4.50 プロピレングリコール
2.30 C12-15 パレス-15スルホン酸ナトリウム
20.00 オレイン酸

B
1.00 本発明の分散液
13.70 水酸化アンモニウム
6.00 i-プロパノール
q.s. 香料

調製:
相Aを可溶化する。相Bの成分を順次に加えて混合する。
【0303】

発色エマルジョン(pH:3-4)
3.00 ヘキサデシルアルコール
2.00 本発明の分散液
1.00 セテアレス-20
1.00 C12-15 パレス-15スルホン酸ナトリウム
6.00 過酸化水素
0.50 リン酸
0.01 アセトアニリド
86.49 脱イオン水

調製:
全成分を順次に加えて混合する。
【0304】

実施例58:淡褐色セミパーマネントヘアカラー

10.00 ココジエタノールアミド
4.00 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,50%濃度
1.00 本発明の分散液
6.00 C9-11 パレス-3
2.50 ラウリル硫酸ナトリウム
0.40 2-ニトロ-p-フェニレンジアミン
0.20 HCレッドNo.3
0.20 HCイエローNo.2
75.70 脱イオン水

調製:
成分を順次に加えて混合する。
【0305】

実施例59:透明コンディショニングシャンプー

A
15.00 コカミドプロピルベタイン
10.00 ココアンホ二酢酸二ナトリウム
5.00 ポリソルベート 20
5.00 デシルグルコシド
q.s. 香料
q.s. 保存剤
0.1-1.00 本発明の分散液
2.00 ラウレス-3
ad 100 脱イオン水
q.s. クエン酸

B
3.00 PEG-150ジステアレート

調製:
相Aの成分を計量し、溶解する。pHを6-7に調整する。相Bを加えて50℃に加熱する。撹拌しながら室温に放冷する。
【0306】

実施例60:シャンプー

30.00 ラウレス硫酸ナトリウム
6.00 ココアンホ酢酸ナトリウム
6.00 コカミドプロピルベタイン
3.00 ラウレス硫酸ナトリウム、グリコールジステアレート、コカミド MEA、
ラウレス-10
0.10-1.00 本発明の分散液
2.00 ジメチコーン
q.s. 香料
q.s. 保存剤
q.s. クエン酸
1.00 塩化ナトリウム
ad 100 脱イオン水

調製:
成分を計量し、溶解する。pHを6-7に調整する。
【0307】

実施例61:シャンプー

30.00 ラウレス硫酸ナトリウム
6.00 ココアンホ酢酸ナトリウム
6.00 コカミドプロピルベタイン
3.00 ラウレス硫酸ナトリウム、グリコールジステアレート、コカミドMEA、
ラウレス-10
0.10-1.00 本発明の分散液
2.00 アモジメチコーン
q.s. 香料
q.s. 保存剤
q.s. クエン酸
1.00 塩化ナトリウム
ad 100 脱イオン水

調製:
成分を計量し、溶解する。pHを6-7に調整する。
【0308】

実施例62:シャンプー

40.00 ラウレス硫酸ナトリウム
10.00 コカミドプロピルベタイン
3.00 ラウレス硫酸ナトリウム、グリコールジステアレート、コカミドMEA、
ラウレス-10
0.10-1.00 本発明の分散液
2.00 Dow Corning 3052
q.s. 香料
q.s. 保存剤
q.s. クエン酸
2.00 コカミドDEA
ad 100 脱イオン水

調製:
成分を計量し、溶解する。pHを6-7に調整する。
【0309】

実施例63:フケ防止シャンプー

40.00 ラウレス硫酸ナトリウム
10.00 コカミドプロピルベタイン
10.00 ラウレススルホコハク酸二ナトリウム
2.50 ラウレス硫酸ナトリウム、グリコールジステアレート、コカミドMEA、
ラウレス-10
0.1-1.0 本発明の分散液
0.50 クリンバゾール
q.s. 香料
q.s. 保存剤
0.50 塩化ナトリウム
ad 100 脱イオン水

調製:
成分を計量し、溶解する。pHを6-7に調整する。
【0310】

実施例64:シャンプー

25.00 ラウレス硫酸ナトリウム
5.00 コカミドプロピルベタイン
2.50 ラウレス硫酸ナトリウム、グリコールジステアレート、コカミドMEA、
ラウレス-10
0.1-1.0 本発明の分散液
q.s. 香料
q.s. 保存剤
2.00 コカミドDEA
ad 100 脱イオン水

調製:
成分を計量し、溶解する。pHを6-7に調整する。
【0311】

実施例65:シャンプー

20.00 ラウレス硫酸アンモニウム
15.00 ラウリル硫酸アンモニウム
5.00 コカミドプロピルベタイン
2.50 ラウレス硫酸ナトリウム, グリコールジステアレート、コカミドMEA、
ラウレス-10
0.10-1.00 本発明の分散液
q.s. 香料
q.s. 保存剤
0.50 塩化ナトリウム
ad 100 脱イオン水

調製:
成分を計量し、溶解する。pHを6-7に調整する。
【0312】

実施例66:透明シャワージェル

40.00 ラウレス硫酸ナトリウム
5.00 デシルグルコシド
5.00 コカミドプロピルベタイン
0.10-1.00 本発明の分散液
1.00 パンテノール
q.s. 香料
q.s. 保存剤
q.s. クエン酸
2.00 塩化ナトリウム
ad 100 脱イオン水

調製:
成分を計量し、溶解する。pHを6-7に調整する。
【0313】

実施例67:シャンプー

12.00 ラウレス硫酸ナトリウム
1.50 デシルグルコシド
2.50 コカミドプロピルベタイン
5.00 ココグルコシドグリセリルオレエート
2.00 ラウレス硫酸ナトリウム、グリコールジステアレート、コカミドMEA、
ラウレス-10
0.10-1.00 本発明の分散液
q.s. 保存剤
q.s. サンセットイエローC. I. 15 985
q.s. 香料
1.00 塩化ナトリウム
ad 100 脱イオン水

調製:
成分を計量し、溶解する。pHを6-7に調整する。
【0314】

実施例68:シャンプー

A
40.00 ラウレス硫酸ナトリウム
5.00 C12-15パレス-15スルホン酸ナトリウム
5.00 デシルグルコシド
q.s. 香料
0.10 フィタントリオール

B
ad 100 脱イオン水
0.10-1.00 本発明の分散液
1.00 パンテノール
q.s. 保存剤
1.00 ラウレス-3
q.s. クエン酸
2.00 塩化ナトリウム

調製:
相Aの成分を計量し、溶解する。pHを6-7に調整する。相Bを加えて混合する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種類の式1
【化1】

[式中、R2は式CH2=CR4-の基であり、R1及びR3は互いに独立にH、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘタリールであるか、または、R1とR3とはそれらが結合しているアミド基と共に5-8個の環原子を有しているラクタムである]
のα,β−エチレン性不飽和アミド基含有化合物と、
(b)分子あたり少なくとも2個のα,β−エチレン性不飽和二重結合を有している少なくとも1種類のフリーラジカル重合可能な架橋性化合物と、
(c)フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合と分子あたり少なくとも1個のカチオン発生性及び/またはカチオン性基とを有している少なくとも1種類の化合物と、
を含むモノマー混合物M)を、水性媒体中、少なくとも1種類の高分子アニオン性分散剤D)の存在下でフリーラジカル重合させることによって得ることが可能な水性ポリマー分散液Pd)。
【請求項2】
モノマー混合物M)が更に、α,β−エチレン性不飽和モノ-及びジカルボン酸とC1-C30-アルカノール及びC1-C30-アルカンジオールとのエステル、α,β−エチレン性不飽和モノ-及びジカルボン酸と第一級または第二級アミノ基を有しているC2-C30-アミノアルコールとのアミド、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸の第一級アミド及びそのN-アルキル及びN,N-ジアルキル誘導体、ビニルアルコール及びアリルアルコールとC1-C30-モノカルボン酸とのエステル、ビニルエーテル、ビニル芳香族、ビニルハロゲン化物、ビニリデンハロゲン化物、C1-C8-モノオレフィン、少なくとも2個の共役二重結合を有している非芳香族炭化水素及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種類の別のモノマーd)を含む、請求項1に記載のポリマー分散液。
【請求項3】
モノマー混合物M)が更に、フリーラジカル重合可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合と分子あたり1個のアニオン発生性及び/またはアニオン性基とを有している少なくとも1種類の化合物e)を、成分e)中のアニオン発生性及びアニオン性基のモル比率が成分c)中のカチオン発生性及びカチオン性基のモル比率よりも小さいという条件付で含む、請求項1または2に記載のポリマー分散液。
【請求項4】
成分a)が、飽和モノカルボン酸のN-ビニルアミド、N-ビニルラクタム及びそれらの混合物から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載のポリマー分散液。
【請求項5】
成分c)が、α,β−エチレン性不飽和モノ-及びジカルボン酸とアミン窒素がモノ-またはジアルキル化されていてもよいアミノアルコールとのエステル、α,β−エチレン性不飽和モノ-及びジカルボン酸と少なくとも1個の第一級または第二級アミノ基を有しているジアミンとのアミド、N,N-ジアリルアミン、N,N-ジアリル-N-アルキルアミン及びそれらの誘導体、ビニル-及びアリル-置換窒素複素環、ビニル-及びアリル-置換ヘテロ芳香族化合物及びそれらの混合物から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリマー分散液。
【請求項6】
成分c)がビニルイミダゾールまたはその酸塩もしくは第四級化生成物を含む、請求項5に記載のポリマー分散液。
【請求項7】
成分e)が、モノエチレン性不飽和カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸及びそれらの混合物から選択される、請求項3に記載のポリマー分散液。
【請求項8】
高分子アニオン性分散剤D)が、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及びそれらの混合物から選択された少なくとも1種類のモノマーを共重合形態で含むポリマーから選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載のポリマー分散液。
【請求項9】
成分a)が、成分a)と分散剤D)との全重量を基準として10-90重量%、好ましくは20-70重量%、特に30-60重量%の量で使用される、請求項1から8のいずれか一項に記載のポリマー分散液。
【請求項10】
分散剤D)が、成分a)と分散剤D)との全重量を基準として10-90重量%、好ましくは20-70重量%、特に30-60重量%の量で使用される、請求項1から9のいずれか一項に記載のポリマー分散液。
【請求項11】
成分b)が、成分a)の重量を基準として0.0005-5重量%、好ましくは0.001-2.5重量%、特に0.01-1.5重量%の量で使用される、請求項1から10のいずれか一項に記載のポリマー分散液。
【請求項12】
成分c)が、成分a)と分散剤D)との全重量を基準として1-40重量%、好ましくは5-30重量%の量で使用される、請求項1から11のいずれか一項に記載のポリマー分散液。
【請求項13】
更に、少なくとも1種類の調整剤の存在下で重合を行わせる、請求項1から12のいずれか一項に記載のポリマー分散液。
【請求項14】
水性重合媒体のpHが6-8、好ましくは6.5-7.5、特に好ましくは6.8-7に調整される、請求項1から13のいずれか一項に記載のポリマー分散液。
【請求項15】
30%以下、好ましくは20%以下、特に10%以下のLT値を有している、請求項1から14のいずれか一項に記載のポリマー分散液。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のポリマー分散液Pd)を乾燥することによって得ることが可能なポリマーP)。
【請求項17】
A)請求項1から15のいずれか一項に記載のポリマー分散液Pd)または請求項16に記載のポリマーP)を少なくとも1種類と、
B)少なくとも1種類の化粧品に許容される担体と、
を含む化粧用または医薬用組成物。
【請求項18】
成分B)が、
(i)水、
(ii)水混和性有機溶媒、好ましくはC1-C4-アルカノール、
(iii)油、脂肪、ワックス、
(iv)(iii)とは異なる、C6-C30-モノカルボン酸と一価、二価または三価のアルコールとのエステル、
(v)非環状及び環状の飽和炭化水素、
(vi)脂肪酸、
(vii)脂肪アルコール
及びそれらの混合物から選択される、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
更に、成分A)以外に、化粧有効成分、乳化剤、界面活性剤、保存剤、香料油、増粘剤、ヘアポリマー、毛髪用及び皮膚用コンディショナー、グラフトポリマー、水溶性または水分散性シリコーン含有ポリマー、光防御剤、脱色剤、ゲル形成剤、ケア物質、色素、着色剤、褐色化剤、染料、顔料、稠度付与剤、保湿剤、脂肪補給剤、コラーゲン、タンパク質加水分解物、脂質、抗酸化剤、消泡剤、静電防止剤、皮膚緩和剤及び柔軟剤から選択される少なくとも1種類の成分を含む、請求項17または18に記載の組成物。
【請求項20】
ゲル、フォーム、スプレー、軟膏、クリーム、エマルジョン、懸濁液、ローション、乳液またはペーストの形態である、請求項17から19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
皮膚クレンジング組成物、皮膚のケア及び保護用組成物、ネイルケア組成物、美飾化粧用調製品及びヘアトリートメント組成物における、請求項1から15のいずれか一項に記載のポリマー分散液または請求項16に記載のポリマーの使用。
【請求項22】
ヘアトリートメント組成物中の硬化剤及び/またはコンディショナーとしての請求項21に記載の使用。
【請求項23】
組成物が、ヘアジェル、シャンプー、セット用フォーム、ヘアトニック、ヘアスプレーまたはヘアムースの形態である、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
製薬の補佐物質、好ましくは固形製剤のレオロジー特性を変性する(1つまたは複数の)コーティングとしてもしくはコーティング中で、界面活性化合物として、また、繊維、製紙、印刷及び皮革産業で(1つまたは複数の)コーティングとしてもしくはコーティング中で使用される、請求項1から15のいずれか一項に記載のポリマー分散液または請求項16に記載のポリマーの使用。

【公表番号】特表2007−527452(P2007−527452A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519862(P2006−519862)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007741
【国際公開番号】WO2005/005497
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】